JP4323416B2 - 水素ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、水素ガスセンサ、特に水素吸蔵性アモルファス合金の水素吸蔵による電気抵抗値などの物性値変化を利用した水素ガスセンサに関する。
水素ガスは、クリーンな次世代エネルギーとして最も期待されているものの一つであり、特に自動車業界では、水素ガスを燃料とする研究が盛んに行われている。
水素ガスは空気中で非常に燃えやすく、比較的低濃度でも爆発の危険性があるため、水素ガスの漏れを選択的に且つ高感度に検知することが必要である。また、水素ガスセンサとしては、小型で且つ安価なものが望まれている。
水素センサは、主に次のような技術的要件によって、様々な用途に使い分けられる。
(1)検知可能な水素濃度範囲
(2)測定精度(分解能)
(3)応答速度
(4)水素選択性
(5)耐久性
水素センサには、接触燃焼式、半導体式、気体熱伝導式、電気化学式、熱伝変換式、水素吸蔵合金式、光学式などの方式があるが、通常のガス分析には、主として熱伝導方式が採用されている。この方式はガスの熱伝導率の差を利用してガス濃度を測定するため、水素ガスを選択的に測定することはできない。
また、接触燃焼式は、PdやPtなどの触媒が可燃性ガスと接触して燃焼することにより温度が上昇し、電気抵抗値が変化することを利用するものであるが、この場合も、水素以外の可燃性ガスに反応性がある。
現在最も汎用されている金属酸化物半導体式水素センサは、センサ材料として酸化スズ(SnO)を使用している(例えば、特許文献1)が、問題点としては、水素以外に一酸化炭素やメタン等の炭化水素に反応すること、検知範囲が100ppmから2000ppmまでと高濃度域を検知しにくいこと、動作温度が450℃と高いことなどが挙げられる。
近年、燃料電池向けに水素センサへのニーズは急速に高まっている。例えば、家庭用定置型燃料電池周辺のセンサの場合には、水素と他の可燃性ガスとの分別検知能力はあまり要求されないが、燃料電池自動車用水素センサの場合には水素と他のガス、特にガソリン車の排気ガスに含まれる炭化水素や一酸化炭素との識別を行う必要性があることから、水素選択性がきわめて重要な項目となる。
そのため、最近では、水素吸蔵性を有する金属材料をセンサ素子として用いることにより、水素を選択的に検出する水素ガスセンサも提案されている。例えば、ガラス等の基板上にPd−Ag合金層を蒸着し、水素吸蔵によるPd−Ag合金層の膨張を基板の歪として検出するバイメタル方式のものなどがある(特許文献2)。
しかし、PdやAgは希少金属であり、また、高濃度の水素存在下では水素脆性のために繰り返し検出に対する信頼性は十分とはいえない。
特開平5−288702号公報 2001−296238号公報
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、水素ガスを選択的且つ容易に検出可能で、小型且つ安価で高信頼性の水素ガスセンサを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明者等が鋭意検討を行った結果、水素吸蔵性を有するアモルファス合金をセンサ素子として用い、前記アモルファス合金が金属ガラスであり、水素吸蔵によるセンサ素子の物性値の変化、例えば、電気抵抗値や交流インピーダンスなどの変化を検出することにより、水素ガスを選択的且つ容易に検知可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明にかかる水素ガスセンサは、水素の吸蔵及び放出により可逆的に物性値が変化するアモルファス合金をセンサ素子とし、前記アモルファス合金が金属ガラスであり、当該アモルファス合金の物性値変化を計測することにより、水素ガスの有無及び/又は水素ガス濃度を検出することを特徴とする。
物性値の変化としては、例えば、電気抵抗値の変化が好適に利用できる。また、少なくとも水素ガス検出時にセンサ素子が加熱されることが好適である。
例えば、本発明のセンサとして、水素の吸蔵及び放出により可逆的に物性値が変化するアモルファス合金(水素吸蔵性アモルファス合金)を含むセンサ素子と、該センサ素子に接続して設けられた2つ以上の電極と、を備えることが好適であり、さらには、加熱機構、例えば、外部からの通電やあるいはガスの触媒燃焼等により前記センサ素子を加温するためのヒータ部を備えることができる。
本発明の水素ガスセンサにおいて、前記アモルファス合金金属ガラスである金属ガラスは繰り返し加熱に対しても脆化が起こりにくく、長期間に亘り安定な水素吸蔵特性を示す
また、本発明にかかる水素ガス検出器は、前記何れかに記載の水素ガスセンサを含むセンサ手段と、
前記センサ素子の物性値の変化を検出する検出手段と、
を備えることを特徴とする。
検出手段として、前記センサ素子に通電し、センサ素子の電気抵抗値の変化による通電状態の変化を検出するものが好適に利用できる。
また、本発明の検出器において、さらに、前記センサ素子を加温する加温手段を備えることができる。
本発明の水素ガスセンサは、水素吸蔵性アモルファス合金をセンサ素子材料として用い、前記アモルファス合金が金属ガラスであり、水素吸蔵によるセンサ素子の電気抵抗値などの物性値変化により、水素ガスを選択的且つ容易に検出可能で、小型且つ安価なセンサとすることができるので、濃度測定用、あるいは漏れ検知用の水素ガスセンサとして好適に使用できる。特に、アモルファス合金として金属ガラスを用いるので、水素脆性が少なく耐久性や信頼性の高いセンサとすることができる。
以下、図面に基づき本発明について説明する。図1には、本発明の一実施形態にかかる水素ガスセンサの概略図が示されている。本実施形態にかかる水素ガスセンサ10は、水素吸蔵性を有するアモルファス合金板よりなるセンサ素子12と、該センサ素子12の同一面上に接続して設けられた2つの電極14a及び14bと、を有している。
また、図1においては、センサ素子12のアモルファス合金板の裏側表面、すなわち、センサ電極14a、14bが配設された表面と対抗する表面上に、センサ素子12とは電気的に絶縁した状態でヒータ16が設けられており、該ヒータ16の両端に接続してヒータ電極18a、18bも設けられている。ヒータ16に外部から通電することにより、センサ素子12のアモルファス合金板を一定温度に維持することができる。なお、ヒータ16は、センサ素子12の表面に一体化せず、センサ素子12の近傍に別に設置してもよい。また、被験雰囲気中の温度変化が少なく、且つセンサ素子12を構成するアモルファス合金の水素吸蔵能等に問題がない場合には、ヒータ16は省略することもできる。
本実施態様にかかる水素ガスセンサは、概略以上のように構成することができるが、その作用は、次の通りである。
まず、センサ素子12を被験雰囲気中に露出し、ヒータ16によりセンサ素子12のアモルファス合金板を一定温度に加温しておく。この場合、アモルファス合金板は、温度及び被験雰囲気中の水素ガス濃度に依存した水素吸蔵状態となり、且つ、水素ガスの吸蔵と放出とが平衡状態となる。
アモルファス合金板は、その水素吸蔵量、すなわち被験雰囲気中の水素ガス濃度が高くなるほど、その電気抵抗値は一般に高くなる。
従って、センサ素子12に通電しておき、センサ素子12の電気抵抗値の変化、あるいはそれによる通電状態の変化を検出することにより、水素ガス濃度を検知することができる。
このように、本発明の水素ガスセンサは構造が簡単で、被験雰囲気中の水素ガスのみを選択的に検出してその濃度を容易に測定することができ、小型且つ安価に製造可能であるので、濃度測定用、あるいは漏れ検知用の水素ガスセンサとして好適である。
水素吸蔵式水素センサの特徴として、
(1)水素のみに反応する。
(2)計測範囲が広い。
(3)ガス濃度とセンサ感度との間のリニア特性が優れている。
(4)FETとの組合せによって集積化が容易である。
などが挙げられる。特に、応答性の点では、気体熱伝導式、光学式とともに数秒以内の応答が可能である。
本発明のセンサを用いた水素ガス検出器の一例を、図2に示す。本水素ガス検出器20は、センサ手段22と、加温手段24と、検出手段26と、を備える。
センサ手段22は、前記図1のセンサ10よりなっている。
加温手段24は、センサ素子12のアモルファス合金板裏面に設けられたヒータ16にヒータ電極18a、18bを介して加熱電流を供給する加熱電源28を有し、センサ素子12のアモルファス合金板を一定温度に維持する。
また、検出手段26は、安定化電源30と、導通計32とを、前記センサ手段22を構成するセンサ素子12にセンサ電極14a、14bを介して直列に接続してなり、センサ素子12の電気抵抗値の変化を電流の変化として導通計32により検知することができる。そして、この検知信号により、警報、点灯等の報知や、回路保護、回路遮断など、必要に応じた措置が行われるようにすることができる。例えば、通常は非作動状態にある他の系を作動させるような作動器、あるいは通常は作動状態にある他の系を遮断するような遮断器にも使用可能である。
本発明において特徴的なことは、センサ素子12に水素吸蔵性のアモルファス合金として金属ガラスを用いることである。
水素吸蔵性アモルファス合金は、通常、水素を容易に吸収(反応)して安定な金属水素化物を生成する単体金属(Pd,Zr,Ti,U,その他の希土類金属など)と、Fe,Ni,Co,Al、Mn、Cuなどのほとんど水素を吸収しない(反応しない)その他の金属との合金である。本発明において用いる水素吸蔵性のアモルファス合金である金属ガラスとしては、本発明の目的を達成し得るものであれば特に限定されない。
結晶合金では、四面体あるいは八面体格子の空隙に水素が侵入して特定の水素化物を作ることで水素を吸蔵すると考えられている。このため、結晶合金では、P(水素平衡圧)−C(水素吸蔵量)−T(温度)曲線(PCT曲線)において、ある平衡水素圧(被験水素ガス濃度に相当)における水素吸蔵量に一定の幅、いわゆるプラトー領域が存在し、被験水素ガス濃度と水素吸蔵量との間に、リニアな関係が得られないことがある(図3参照)。特に、水素ガスの爆発下限界が約4%であることから、被験雰囲気中の水素ガス濃度が約0.05〜1%の範囲で検出できることが望まれるが、結晶合金では、このようなガス濃度範囲でプラトー領域が現れることが多い。
また、結晶合金は、アモルファス合金に比べて強度が弱く、水素吸蔵によって微粉化しやすく、耐久性に劣る
これに対して、アモルファス合金では、平衡水素圧(水素ガス濃度)と水素吸蔵量とが連続的に、且つ比較的リニアに変化する。また、アモルファス合金は、結晶合金に比べて硬くて強いので、耐久性にも優れている。
本発明においては、センサ素子として、アモルファス合金の中でも特に金属ガラス(ガラス合金ともいう)を用いるアモルファス合金とは、「巨視的にはランダムな原子構造・配置をもち、結晶合金とは異なった物性を示す合金の総称」であるが、このうち、「明瞭なガラス遷移と広い過冷却液体領域とを示すアモルファス合金」は「金属ガラス」と呼ばれ、通常のアモルファス合金と区別されている。また、金属ガラスは最近ではナノクリスタルの集合体との見方もされている。
金属ガラスの特徴の一つは、結晶化温度(Tx)より低温側にガラス遷移点(Tg)を有し、△Tx=Tx−Tgで示される過冷却液体領域が10〜130Kと大きく、この過冷却液体状態でも安定で、結晶化が抑えられた状態にあることである。通常のアモルファス合金では、過冷却液体領域はほとんどない。
このため、通常のアモルファス合金では、10〜10K/秒という急速冷却でしかアモルファス相が形成できないのに対し、金属ガラスでは、10―2〜10K/秒という非常に遅い冷却速度でもアモルファス相を形成することができる。従って、通常のアモルファス合金では合金物性に冷却速度が非常に大きく影響するが、金属ガラスでは冷却速度によらず非常に均一なアモルファス相を得ることができる。また、過冷却液体領域では粘性が低く、加工が容易であり、鋳造法などにより種々の形状のものを製造することができる。
本発明においては、本発明の効果を果たし得る限り、用いる金属ガラス組成は特に限定されるものではない。金属ガラスを形成するための組成に関しては、(1)3成分以上の多元系であること、(2)主要3成分の原子径が互いに12%以上異なっていること、及び(3)主要3成分の混合熱が互いに負の値を有していること、が経験則として知られている(ガラス合金の発展経緯と合金系:機能材料、vol.22,No.6,p.5−9(2002))。これまで、例えば、Zr−Al−(Ni,Cu)−(Ti,Nb)、Zr−Ti−Ni−Cu−Beなど、種々の金属ガラス組成が報告されている。
水素吸蔵性のアモルファス合金や金属ガラスでは、通常、温度が高い程吸蔵量は小さくなる。一方、温度が低いと吸蔵量は大きくなるが、吸蔵速度が遅くなり、また、被験雰囲気中の水素ガス濃度による吸蔵量の差が小さくなる。従って、被験雰囲気温度による影響を小さくするため、センサ素子12の温度が一定となるようにヒータ等を用いることができる。センサ素子温度としては、常温〜600℃、さらには400℃以下が好ましい。
センサ素子12として用いる金属ガラスの形状は、本発明の目的を達成できるものであれば特に制限されない。例えば、板状の他にも、ワイヤー状、リボン状、薄膜状、スプリング状、ダンベル状、ワッシャー状などが挙げられる。また、センサ素子のサイズは、設置場所や検出感度などに応じて適宜決定することができる。
金属の水素による物性変化は、金属表面に接触した水素ガスが金属表面の触媒作用によって原子状となり、金属に吸収されることによって生じると考えられているため、短時間に安定した物性変化を検出するには、吸収した原子状水素の拡散が均一且つ迅速に行われる必要がある。そのため、金属の水素原子の拡散方向の厚みは薄い方が好適であり、例えば、片面のみガスに暴露されるリボン状や薄膜状のものでは0.2mm以下、また、ワイヤー、スプリングなどの線状のものでは0.4mm以下が好適である。
センサの作製方法としては、センサ素子がリボンやワイヤーなどの場合には、例えば、これに端子をロウ付けあるいは導電性接着剤で固定する方法が挙げられる。薄膜形成の場合には、成膜後にリボンやワイヤーの場合と同様に端子を固定する方法のほか、セラミック基板上にあらかじめ電極を印刷、その上にアモルファス合金を公知の方法により形成する方法などがある。この場合、金属ガラスの成膜方法として例えば溶射が挙げられる。金属ガラスの場合、均一なアモルファス相からなる緻密な膜を簡便に形成する方法として、溶射はきわめて有力な成膜法の一つである。
アモルファス固体状態にある金属ガラスを加熱した場合、Tg以下の温度ではアモルファス固体状態のままであるが、Tg〜Txでは過冷却液体状態、Tx〜Tmでは結晶固体状態、Tm以上では液体となる。
過冷却液体領域では、金属ガラスは粘性流動を示し、粘性が低い。このため、過冷却液体状態にある金属ガラスが基材表面に衝突すると、瞬時に薄く潰れて基材表面に広がり、厚みが非常に薄い良好なスプラットを形成することができる。そして、このようなスプラットの堆積により、気孔が非常に少ない緻密な膜を形成することができる。
また、スプラットは過冷却液体状態から冷却されるので、結晶相を生成せず、アモルファス相のみが得られる。すなわち、アモルファス固体状態と過冷却液体状態とは可逆的であるため、過冷却液体状態にある金属ガラスを冷却すれば、冷却速度によらずアモルファス固体状態の金属ガラスを得ることができる。これに対し、過冷却液体状態と結晶固体状態とは不可逆であるため、結晶固体状態の金属ガラスをそのまま室温まで冷却しても、結晶固体状態のままであり、Tm以上で融解して液体状態にある金属ガラスを冷却した場合には、冷却速度によっては結晶相が生成してしまう。
さらに、大気中での溶射の場合、材料を溶融状態で衝突させる従来の溶射方法では、溶射材料の酸化物が皮膜中に含まれてしまい、皮膜の特性に悪影響を及ぼすが、過冷却液体状態で衝突させれば大気中で溶射したとしても酸化の影響がほとんどない。
従って、金属ガラス粒子を溶射によって過冷却状態で基材表面に衝突させることにより、均一な金属ガラスのアモルファス固体相からなり、且つ気孔がほとんどない緻密な金属皮膜を基材上に強固に形成することができる。
溶射方法としては、大気圧プラズマ溶射、減圧プラズマ溶射、フレーム溶射、高速フレーム溶射(HVOF)、アーク溶射などがあるが、高速フレーム溶射が簡便に高密度膜を得る上で特に優れている。
なお、上述のごとく、金属の水素による物性変化は金属表面の触媒作用によるところが大きいため、金属表面の触媒作用を補足するために、本発明においては金属ガラス表面にさらに金属微粒子やナノ粒子触媒などを担持させることも可能である。
以下、金属ガラスとしてZr55AlNbCu30Niを用いた場合を例として、水素吸蔵量(質量%)と電気抵抗値との関係について説明する。
試験では、サンプル片として、「材料テクノロジー20 アモルファス材料(東京大学出版会)p.71〜72、単ロール法装置」に記載の方法に準じて作製したZr55AlNbCu30Ni金属ガラス板(幅約2mm、長さ約15mm、厚さ約20μm)を用いた。
サンプル片にPCT特性測定装置 PCT−2SD−2((株)鈴木商館)中で平衡状態となるまで水素を吸蔵させ、サンプル片中の水素吸蔵量を測定した(質量%)。サンプル片を測定機から取り出し、その電気抵抗値を測定した。
PCT測定機の条件を変えて種々吸蔵量のサンプル片を得、水素吸蔵量と電気抵抗値との関係を調べた。結果を図4に示す。図4からわかるように、水素吸蔵量の増加に伴って、電気抵抗値は直線的に上昇した。
このように、金属ガラスの水素吸蔵量と、電気抵抗値との間には相関関係があり、水素吸蔵に伴う電気抵抗値の変化を利用して、水素ガス濃度を測定することが可能である。
センサ材料としては、Ni60Nb20Zr20(例えば、幅0.639mm×厚み0.022mm)、Zr55AlNbCu30Ni(例えば、幅0.673mm×厚み0.018mm)、Fe43Cr16Mo161510(例えば、幅1.807mm×厚み0.040mm)なども代表的な金属ガラスとして使用可能である。
図5は、Fe43Cr16Mo161510からなる幅2mm×長さ30mm×厚み30μmのリボン状金属ガラスについて、水素の有無に対する可逆的な抵抗値の変化を四端子法で測定したものである。試験では、純度100%のNガスと、Hガスを1vol%含有するNガスとを10分間隔で切り替えた。雰囲気温度は400℃であった。
図5からわかるように、時定数は20秒未満であり、応答速度が比較的速く、薄膜化によりさらなる高感度化が可能である。また、H含有ガスのON/OFF繰り返しによって抵抗値が速やかに可逆的に変化し、そのセンシング性能にはほどんど変動がなく、非常に安定した検出を長期に亘って行うことができる。
本発明の一実施形態にかかる水素ガスセンサの概略図である。 本発明の一実施形態にかかる水素ガス検知器の概略図である。 結晶合金(Zr50Ni50)と、アモルファス合金(Zr50Ni50)のPCT曲線である。 金属ガラス板(Zr55AlNbCu0Ni)の水素吸蔵量と電気抵抗値との関係を示す図である。 金属ガラス(Fe43Cr16Mo161510)の雰囲気の違い(Nガス−1%H含有Nガス、400℃)による抵抗値変化を示す図である。
符号の説明
10… 水素ガスセンサ
12… センサ素子
14a、14b… センサ電極
16… ヒータ
18a、18b… ヒータ電極
20… 水素ガス検知器
22… センサ手段(水素ガスセンサ10)
24… 加温手段
26… 検出手段
28… 加熱電源
30… 安定化電源
32… 導通計

Claims (6)

  1. 水素の吸蔵及び放出により可逆的に物性値が変化するアモルファス合金をセンサ素子とし、前記アモルファス合金が金属ガラスであり、当該センサ素子の物性値変化を計測することにより、水素ガスの有無及び/又は水素ガス濃度を検出することを特徴とする水素ガスセンサ。
  2. 請求項1記載のセンサにおいて、前記物性値の変化が電気抵抗値の変化であることを特徴とする水素ガスセンサ。
  3. 請求項1又は2記載のセンサにおいて、少なくとも水素ガス検出時にセンサ素子が加熱されることを特徴とする水素ガスセンサ。
  4. 請求項1〜の何れかに記載の水素ガスセンサを含むセンサ手段と、
    前記センサ素子の物性値の変化を検出する検出手段と、
    を備えることを特徴とする水素ガス検出器。
  5. 請求項記載の水素ガス検出器において、検出手段が、前記センサ素子に通電し、センサ素子の電気抵抗値の変化による通電状態の変化を検出するものであることを特徴とする水素ガス検出器。
  6. 請求項4又は5記載の検出器において、さらに、前記センサ素子を加温する加温手段を備えることを特徴とする水素ガス検出器。
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