本発明は、反射波及び回折波が存在しうる受信環境を移動する移動体に搭載された受信装置に用いられ、指向性アンテナを的確に制御することにより、受信状況を改善させる指向性制御装置に関する。
例えばテレビジョン放送、ラジオ放送のように、広い受信エリアを対象とする電波を受信する際、郊外地のように周辺に高い建造物が少ない場所では直接波を受信することが十分可能である。しかし、市街地の、高層建築物が直接波を妨害している場所、あるいは中低層建築物が密集している場所などにおいては、反射波、回折波が主たる受信波となる場合がある。固定受信装置であればその設置場所において、指向性アンテナの指向性を調節することで最適な受信状況に設定することが可能であるが、移動体に受信装置を積んで郊外地と市街地を行き来する場合や市街地内を縦横に移動する場合に、指向性アンテナの自動制御を行うためには高度の技術を要する。このような指向性アンテナの制御方法として、例えば特許文献1及び2に記載された技術が知られている。
特開平4−372209号公報
特開2003−283405号公報
特許文献1に記載の技術は、複数のアンテナ素子を備え、地図情報及び送信点の位置情報と自己の位置に基づいて、送信点方向に指向性を有するアンテナ素子を選択するものである。一方、特許文献2に記載の技術は、車の前後に設けられた複数のアンテナ素子を受信状態に応じて切り換えるものである。
上記特許文献1及び2の技術は、アンテナの制御を方位角方向(水平面内)にのみ行うもので、仰角方向(垂直面内)の制御を行うものではない。また、これらの技術では偏波特性は考慮されていない。即ち、これらの技術は、以下に示すように、本来、水平方向の偏波成分のみを有するテレビジョン放送信号が、高層建築物が密集した地域において、反射を繰り返すうちに垂直偏波成分が大きくなる場合に、十分な受信特性が得られないものであった。
本発明は上記課題を解決するために成されたものである。即ち、本発明の目的は指向性アンテナの指向性の自動制御を行い、高層建築物が密集した地域その他、受信地点における環境特性に応じて受信状況を改善させることである。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の手段によれば、1個以上のアンテナ素子を含み、指向性について、仰角方向と方位角方向のそれぞれが2段階以上又は任意角度に設定可能な指向性アンテナ部と、指向性アンテナ部の指向性を制御する指向性制御部と、移動体の位置情報に基づき、道路幅及び道路両側の建造物の高さの概略値と送信点の位置とから成る環境情報を得るための環境情報収集部とを有し、指向性制御部は環境情報収集部から得られる環境情報を利用して指向性アンテナの指向性を制御する。
また、請求項1に記載の手段によれば、更に、指向性制御部は、送信点の位置を、移動体の進行方向を含む領域である前領域、移動体の進行方向と逆方向を含む領域である後領域、移動体の進行方向左手を含む領域である左領域、移動体の進行方向右手を含む領域である右領域の4領域のいずれかに当てはめ、建造物の高さの道路幅に対する比が第1の閾値より大きい場合において、送信点の位置が前領域にあるときは指向性アンテナ部の仰角を低仰角に、方位角を前方向に設定し、送信点の位置が後領域にあるときは指向性アンテナ部の仰角を低仰角に、方位角を後方向に設定し、送信点の位置が左領域にあるときは指向性アンテナ部の仰角を高仰角に、方位角を左方向に設定し、送信点の位置が右領域にあるときは指向性アンテナ部の仰角を高仰角に、方位角を右方向に設定し、前記建造物の高さの前記道路幅に対する比が前記第1の閾値以下で第2の閾値より大きい場合において、送信点の位置が前領域にあるときは指向性アンテナ部の仰角を低仰角に、方位角を前方向に設定し、送信点の位置が後領域にあるときは指向性アンテナ部の仰角を低仰角に、方位角を後方向に設定し、送信点の位置が左領域にあるときは指向性アンテナ部の仰角を低仰角に、方位角を左方向に設定し、送信点の位置が右領域にあるときは指向性アンテナ部の仰角を低仰角に、方位角を右方向に設定し、前記建造物の高さの前記道路幅に対する比が前記第2の閾値より小さい場合には、指向性アンテナ部の仰角を低仰角に、方位角を送信点方向に設定することを特徴とする。
また、請求項2に記載の手段によれば、請求項1に記載の指向性制御装置において、建造物の高さの前記道路幅に対する比が第1の閾値より大きく、送信点の位置が左領域にある場合において、更に環境情報収集部から走行車線情報を取得し、移動体の左側建物からの距離の左側建物の高さに対する比が第3の閾値よりも大きいときは指向性アンテナ部の仰角を高仰角に、方位角を左方向に設定し、移動体の左側建物からの距離の左側建物の高さに対する比が第3の閾値以下であるときは指向性アンテナ部の仰角を高仰角に、方位角を右方向に設定することを特徴とする。尚、本請求項に係る発明は、わが国のように車両が左側通行であって左側に高層建築物が存在する場合に適用される他、本請求項の左右を入れ換えた均等の発明により車両が右側通行であって右側に高層建築物が存在する場合に適用されることをも包含しうるものである。
以上の構成に加え、指向性アンテナ部は、複数の指向性アンテナ素子を有し、それらの出力を切り換える、及び/又は、合成することにより指向性を変化させる構成としても良い。また、指向性アンテナ素子は仰角の変更機能を有し、指向性アンテナ部の指向性のうち仰角の変更をアンテナ素子自体の仰角の変更により行うよう構成しても良い。
また、指向性アンテナ部は偏波切り換え機能を有しており、指向性制御部は、環境情報収集部から取得した交差偏波成分の強度情報を用いて偏波を設定する構成としても良い。また、これに加えて、指向性アンテナ部は、主偏波受信用のアンテナ素子と交差偏波受信用のアンテナ素子を有し、指向性制御部は、受信した項背偏波成分の強度に基づいて主偏波受信用のアンテナ素子と交差偏波受信用のアンテナ素子とを切り替えて偏波特性を設定する構成としても良い。
請求項7に記載の手段は、指向性制御部は、環境情報に対する指向性アンテナ部の設定について、受信状態を評価する機能を有し、環境情報収集部は当該環境情報に対する指向性アンテナ部の設定毎に受信状態の評価を記憶する機能を有しており、移動体が、過去に指向性を制御した地点と同じ地点を走行するときは、環境情報収集部に記憶された設定及びそれに対する評価を考慮して指向性アンテナ部の設定を決めることを特徴とする。これに加え、指向性制御部は、環境情報収集部に記憶された前回の受信状態が良好であった場合は当該前回と同じ設定を用い、良好でなかった場合はそれまでに受信状態が良好であった回数が最も多いような、環境情報収集部に記憶された設定を選択するよう構成しても良い。また、環境情報収集部は、移動体の外部に設けられた他のデータベースとの通信手段を有し、指向性制御部は、環境情報収集部を介して他のデータベースが提供する環境情報を利用して指向性アンテナ部の指向性、及び/又は,偏波特性を制御する構成としても良い。更には、環境情報収集部は、他のデータベースに、指向性制御設定とそれによる受信状態の評価を送信する構成としても良い。
この他、移動体に設けられた指向性アンテナ部の指向性制御に利用するものであって、環境情報を適用する地点を予め定めておく構成としても良い。また、環境情報の適用地点を、高いビル等が存在する市街地により多く設定する構成としても良い。また、環境情報の適用地点を、車両が交差点等で右左折する地点に設定し、実際に車両が右左折した時に新たな環境情報を適用する構成としても良い。また、受信波の電界強度が所定値未満になった場合に新たな環境情報を適用する構成としても良い。
本発明者らにより得られたデータによれば、道路幅が例えば50m未満で、道路両側に例えば40m程度の高さの高層ビルがほぼ連続して建造されていると、送信局の位置が道路方向(即ち移動体の進行方向)よりも垂直方向に近い場合、送信波は当該高層ビル街の高層ビル壁面にて反射された上、移動体のアンテナに受信されることとなる。この時、受信のアンテナは指向性を仰角小、例えば仰角0度とするよりも、仰角を大、例えば60度とした方が受信強度が大きくなる場合がある。また、この時、本来水平偏波成分のみ有する送信波が、反射により場合によっては垂直偏波成分が大きくなる場合もある。本発明によればこのような環境に移動体が位置する場合であっても、最適なアンテナの指向性及び受信アンテナの偏波特性を選択することが可能となる。これにより、常に良好な状態で受信しながら、高層ビル街等の受信環境が劣悪な地域を移動することが可能となる。(請求項1)
道路幅によっては、左側に位置する高層ビルに近い車線を走行中であるか、遠い車線を走行中であるかにより指向性の制御を調整する必要がある。即ち、左側に位置する高層ビルに近い車線を走行中の場合、当該高層ビルの裏側に位置する左領域の送信点からの到来波は、当該高層ビル屋上部を回折して到達する電波よりも、移動体の右側に位置する高層ビル壁面で反射して到達する電波の方が、電力が大きい場合があるからである。そこで車線情報を取り入れ可能な構成とした上、左側に高層ビルが存在し、送信点が左領域である場合には、当該左側位置する高層ビルから移動体までの距離の高層ビルの高さに対する比と第3の閾値との比較により、指向性アンテナ部の指向性を左右切り替えるようにする(請求項2)。
また、指向性の制御は、1個の指向性アンテナを全方向に回頭させることにより実現可能ではある。指向性の異なる複数個の指向性アンテナ素子を選択し、又は同一指向性を有する複数のアンテナの受信波の重み付け合成によっても任意の指向性を得るようにしても良い。複数個の指向性アンテナ素子の切替え、又はそれらによる受信波の合成により指向性を制御する場合も、個々のアンテナ素子について、例えば仰角を切替又は連続的に変化させても良い。上述の通り、偏波特性を切り替える必要性も存在するので、偏波特性を設定可能とするとなお良い。最も簡単な偏波特性の制御方法は、主偏波用アンテナ素子と交差偏波用アンテナ素子とを切り替える方法である。これら主偏波用アンテナ素子と交差偏波用アンテナ素子からなるアンテナ素子の組を複数組用いるとなお良い。
過去データを使用可能とする請求項7の構成は、より迅速に指向性を最適値に設定できる。当該過去データは本発明の指向性制御装置の内部に記憶させても良い。また、外部のデータベースに蓄積し、指向性制御装置が受信可能な構成として、随時、あるいは必要に応じて過去データを受信して使用しても良い。当該指向性制御の設定による受信状態の評価を指向性制御装置が行い、内部に記憶させても、また、外部のデータベースに送信可能として、過去データを外部のデータベースに蓄積して行く構成としても良い。
環境情報は、大まかには、隣接する2つの交差点の間で大きく変化することは無く、指向性制御の設定も隣接する2つの交差点の間では一定として良く、更には送信点から10km以上離れた遠距離の領域数百m乃至数kmの直線区間においては指向性制御の設定を一定としても良い。更に、受信波の電界強度が所定値未満にならない場合は、指向性を変更しないとすると、より簡便な指向性制御装置とすることができる。
まず、本発明を完成させる契機となった、移動体のビル街等における受信環境について、説明する。図1は、移動体のビル街における受信強度の分布について4つに場合分けした説明図である。これらの図で、高仰角、低仰角と示した範囲は、各々移動体に設けた指向性アンテナの仰角をそれぞれ60度、0度として、当該指向性アンテナの方位角を道路方向(即ち移動体の進行方向)から360度回転させた場合の、受信強度が測定地点の受信強度の平均を超える割合を図示したものである。即ち、当該受信強度が大きい方向に領域が張り出す形で示した。
図1.Aは、送信局の位置(送信点)が、道路方向(即ち移動体の進行方向)に近く、且つ道路幅がその両側のビル等の建造物の高さに比較して広い場合である。図1.Aの送信点の位置は、請求項1で言うところの「前領域」に相当する。図1.Bは、送信局の位置(送信点)が、道路方向(即ち移動体の進行方向)に近く、且つ道路幅がその両側のビル等の建造物の高さに比較して狭い場合である。図1.Bの送信点の位置も、請求項1で言うところの「前領域」に相当する。これら図1.A、図1.Bの場合には、指向性アンテナの仰角は小さい方が受信強度が大きく、その方位角は道路方向(即ち移動体の進行方向)に向ける方が受信強度が大きくなることが理解できる。
図1.Cは、送信局の位置(送信点)が、道路垂直左方向(即ち移動体の進行方向と直角で左方向)に近く、且つ道路幅がその両側のビル等の建造物の高さに比較して広い場合である。図1.Dは、送信局の位置(送信点)が、道路垂直左方向(即ち移動体の進行方向と直角で左方向)に近く、且つ道路幅がその両側のビル等の建造物の高さに比較して狭い場合である。図1.C、図1.Dの送信点の位置は、請求項1で言うところの「左領域」に相当する。図1.Cの場合には、指向性アンテナの仰角は小さい方が受信強度が大きく、その方位角は道路垂直左方向(即ち移動体の進行方向に直角で左方向)に向ける方が受信強度が大きくなることが理解できる。図1.Dの場合には、指向性アンテナの仰角は大きい方が受信強度が大きく、その方位角は道路垂直左方向(即ち移動体の進行方向に垂直で左方向)に向ける方が受信強度が大きくなるとが理解できる。
図2は、本発明の3つの実施の態様の構成を端的に示した構成図である。図2.A、図2.B、図2.Cにおいて、「指向性アンテナ部1」は、指向性が変化するような、1又は複数個のアンテナで構成されている。これらの図においては、指向性アンテナ制御部1は、1個のアンテナと可変性を示す指向性ビームで代表させている。指向性アンテナ部1の指向性は、水平方向(方位角)のみでなく、垂直方向(仰角)についても制御可能なものである。また、各図では省略しているが、受信信号は別途復調装置により復調される。なお、指向性アンテナ部1の受信信号は、受信強度等の評価のため、指向性制御部に送られる。
図2.Aに示す指向性制御装置100は最も単純な構成であり、指向性アンテナ部1と、指向性制御部2と、環境情報収集部3から成る。指向性アンテナ部1は、指向性制御部2により、指向性を制御される。この指向性は、連続した任意方向にすることでも良く、あるいは予め選択された方向に切り換えるものでも良い。指向性制御部2は、環境情報収集部3から得られる、移動体の位置及び進行方向、送信局の位置、並びに移動体が位置する周囲の建造物の高さ及び道路幅に基づいて指向性を制御する。
図2.Bに示す指向性制御装置200は、図2.Aの指向性制御装置100の構成に、偏波特性を加味させるものであって、指向性アンテナ部1が、偏波特性を制御され得るものである他は、図2.Aの指向性制御装置100とほぼ同様の構成である。
図2.Cに示す指向性制御装置300は、図2.Aの指向性制御装置100の構成に、移動体の外部に存在する、他のデータベースとの通信手段4を加えたものである。他のデータベースとの通信手段4により、他のデータベースから指向性アンテナ部1を制御するための情報を直接得るものである。また、逆に指向性アンテナ部1を制御した結果を評価して、その評価情報を他のデータベースとの通信手段4により、他のデータベースに送信することも可能とする。なお、様々な要因により、図2.Aの構成と同様、環境情報収集部3から得られる、移動体の位置及び進行方向、送信局の位置、並びに移動体が位置する周囲の建造物の高さ及び道路幅に基づいて指向性を制御することも可能としている。
図3.A乃至図3.Dは、基本的には図2.Aの構成の細部を示す構成図である。図3.A乃至図3.Dに示す指向性制御装置101、102、103、104は、指向性アンテナ制御部1の内部構成が異り、それを制御する指向性制御部2の信号がそれに対応して異なる他は、各々同一の構成である。
図3.Aに示す指向性制御装置101は、4つのアンテナA1乃至A4による受信信号を切替器110により切り替えて、水平方向(方位角)及び垂直方向(仰角)の指向性を実現させるものである。図3.Bに示す指向性制御装置102は、4つのアンテナA1乃至A4による受信信号を合成器120により重み付け加算して、重み係数により水平方向(方位角)及び垂直方向(仰角)の指向性を実現させるものである。
図3.Cに示す指向性制御装置103は、4つのアンテナA1乃至A4による受信信号のうち、A1とA2の受信信号及びA3とA4の受信信号を、それぞれ合成器121、122により合成した後、切替器113により切り替えて、水平方向(方位角)及び垂直方向(仰角)の指向性を実現させるものである。図3.Dに示す指向性制御装置104は、4つのアンテナA1乃至A4による受信信号のうち、A1とA2及びA3とA4を各々切替器111、112により切り替えた後、合成器113により合成して、水平方向(方位角)及び垂直方向(仰角)の指向性を実現させるものである。
図4に示す指向性制御装置105は、2つのアンテナA1及びA2による受信信号を、合成器120により振幅及び位相を調整した後、合成するものである。図4の指向性制御装置105は、図3.Bの指向性制御装置102の詳細を示したものである。
図5に示す指向性制御装置106は、2つのアンテナA1及びA2による受信信号を、切替器110又は合成器120により切替え又は合成して水平方向(方位角)の指向性を変化させ、別途仰角切替装置A1C及びA2Cにより、直接2つのアンテナA1及びA2の仰角を切り替えて垂直方向(仰角)の指向性を変化させるものである。
図6に示す指向性制御装置201は、主偏波用アンテナ素子A1mと交差偏波用アンテナ素子A1sを切替器A1C’で、主偏波用アンテナ素子A2mと交差偏波用アンテナ素子A2sを切替器A2C’で切替えた上、それらの受信波を切替器110又は合成器120により切替え又は合成して水平方向(方位角)の指向性を変化させるものである。
図4及び図6においては、仰角方向の指向性を得るために、アンテナA1及びA2あるいは、A1mとA1s、A2mとA2sを移動体の異なる高さの位置に設けることとした。
図7は偏波特性を加味しない場合の、指向性制御部2の一般的作用を表すフローチャートである。以下、ステップ100を単にS100のように記載する。また、電波到来角は、移動体の進行方向を基準に、時計回りを正とし、−180度以上180度未満であるとする。
まず、S100で、環境情報収集部3より、車両の位置及び進行方向、道路幅W、建造物の高さH、送信局の位置を得て、車両の位置及び進行方向と送信局の位置とから電波到来角θを算出する。
次に、S102で、建造物の高さHの道路幅Wに対する比を求め、これが最も大きい閾値Hth1よりも大きいかどうかが判定され、H/W>Hth1であればS104に、H/W≦Hth1であればS106に進む。
S104では、電波到来角θが閾値θ(1) th1よりも大きく且つ閾値θ(1) th2よりも小さいかどうか、即ち送信点位置が右領域であるかどうかが判定され、yesであればS108に、noであればS112に進む。
S108では、H/W>Hth1且つθ(1) th1<θ<θ(1) th2に対応した垂直面方向指向性(仰角)1−1が設定され、S110に進む。S110では、H/W>Hth1且つθ(1) th1<θ<θ(1) th2に対応した水平方向指向性1−1が設定される。このようにして、H/W>Hth1且つθ(1) th1<θ<θ(1) th2に対応した指向性により指向性アンテナ部1が制御される。
S112では、電波到来角θが閾値−θ(1) th1よりも小さく且つ閾値−θ(1) th2よりも大きいかどうか、即ち送信点位置が左領域であるかどうかが判定され、yesであればS114に、noであればS118に進む。
S114では、H/W>Hth1且つ−θ(1) th2<θ<−θ(1) th1に対応した垂直面方向指向性(仰角)1−2が設定され、S116に進む。S116では、H/W>Hth1且つ−θ(1) th2<θ<−θ(1) th1に対応した水平方向指向性1−2が設定される。このようにして、H/W>Hth1且つ−θ(1) th2<θ<−θ(1) th1に対応した指向性により指向性アンテナ部1が制御される。
S118では、電波到来角θの絶対値が閾値θ(1) th1以下かどうか、即ち送信点位置が前領域であるかどうかが判定され、yesであればS120に、noであればS124に進む。尚、S124に進む場合は、送信点位置が右領域でも、左領域でも、前領域でも無いのであるから、後領域であるということになる。
S120では、H/W>Hth1且つ|θ|≦θ(1) th1に対応した垂直面方向指向性(仰角)1−3が設定され、S122に進む。S122では、H/W>Hth1且つ|θ|≦θ(1) th1に対応した水平方向指向性1−3が設定される。このようにして、H/W>Hth1且つ|θ|≦θ(1) th1に対応した指向性により指向性アンテナ部1が制御される。
S124では、H/W>Hth1且つ|θ|>θ(1) th1(|θ|≧θ(1) th2)に対応した垂直面方向指向性(仰角)1−4が設定され、S126に進む。S126では、H/W>Hth1且つ|θ|>θ(1) th1(|θ|≧θ(1) th2)に対応した水平方向指向性1−4が設定される。このようにして、H/W>Hth1且つ|θ|>θ(1) th1(|θ|≧θ(1) th2)に対応した指向性により指向性アンテナ部1が制御される。
S106では、建造物の高さHの道路幅Wに対する比を求め、これが閾値Hth2(Hth2<Hth1)よりも大きいかどうかが判定され、H/W>Hth2であればS128に、H/W≦Hth2であれば図示しないステップに進む。
S128以下は、上記のS104及びS108乃至S126と同様にして、電波到来角θと、閾値θ(2) th1、θ(2) th2の大小関係により、送信点の位置する領域を決定する。ここで、S128以下で用いる閾値θ(2) th1、θ(2) th2は、S104以下で用いる閾値θ(1) th1、θ(1) th2と同一でも、また設計に応じて異なる値でも良い。
以下必要に応じて、同様にH/Wの範囲と電波到来角θにより場合分けをしてそれに対応した指向性により指向性アンテナ部1が制御される。最後に、最も小さい閾値よりもH/Wが小さい場合には、電波到来角θに関わらず、S150において垂直面方向指向性(仰角)Nが設定され、S152に進む。S152では、水平方向指向性Nが設定される。
図8は偏波特性を加味した場合の、指向性制御部2の一般的作用を表すフローチャートである。図8のフローチャートは、図7フローチャートと比較して、S200で交差偏波強度PXPを指向性アンテナ部1より収集することと、S202で交差偏波強度PXPを閾値PXPthと比較し、PXP>PXPthの場合にはS204で交差偏波に切り替える構成を有するほかは、全く同一である。即ち図8のS206乃至S232は、図7のS102乃至128と、図8のS250及びS252は、図7のS150及び152と各々対応する。
図9は、左側の建造物からの距離Dを加味した場合のフローチャートである。図9のフローチャートは、図7のフローチャートと比較して、S312でyes(送信点位置が左領域)である場合に、S314で左側の建造物からの距離Dと左側の建造物の高さHとの比D/Hを閾値Dth1と比較し、D/H>Dth1であれば図7のフローチャートのS114、S116と同様に垂直面方向指向性(仰角)1−2(a)及び水平方向指向性1−2(a)をS318、S320にて設定する。しかし、D/H≦Dth1であれば、S322、S324にて垂直面方向指向性(仰角)1−2(b)及び水平方向指向性1−2(b)を設定する。ここにおいて、水平方向指向性1−2(a)と水平方向指向性1−2(b)とは一致しないものである。
この他、図9のフローチャートは図7のフローチャートと同様である。即ち、図9のフローチャートのS302、S306、S350、S352は図7のフローチャートのS102、S106、S150、S152と対応する。図9のフローチャートのS304、S308、S310、S316乃至S332は図7のフローチャートのS104、S108、S110、S118乃至S126と対応する。図9のフローチャートのS334以下は、上記S314乃至S324に対応するものを含めても良いが、含まない場合は図7のフローチャートのS128以下と全く同様になる。図9のフローチャートのS334以下に、上記S314乃至S324に対応するものを含めた場合は、図9のフローチャートのS334以下は、S304及びS308乃至S332と同様に構成できる。
本実施例は、図5の指向性制御装置105を用い、図10.A及び図10.Bのフローチャートによって構成されるものである。すなわち、アンテナ素子A1及びA2の仰角を直接切り替えるものである。アンテナ素子A1及びA2指向性の仰角φELは水平(仰角0度)及び60度との2段の切替えを行う。また、水平方向の指向性の方位角φAZは、道路方向(0度)、道路逆方向(−180度)、道路垂直右方向(90度)及び道路垂直左方向(−90度)の4段の切替え及び、電波到来角方向に自在に角度を調節できるものとする。水平方向の指向性は、指向性アンテナ部1の合成器120により実施する。また、電波到来角は、移動体の進行方向を基準に、時計回りを正とし、−180度以上180度未満であるとする。
本実施例で用いる図10.A及び図10.Bのフローチャートは、図7のフローチャートをより具体的に記載したものである。図10.AのS400乃至S424は図7のフローチャートS100乃至S104及びS108乃至S126に対応し、図10.BのS426及びS428は図7のフローチャートS106及びS128に対応し、図10.BのS450及びS452は図7のフローチャートS150及びS152に対応するものであって、図7のフローチャートS106の「no」の行き先が直接S150とするものに対応する。図10.BのS428乃至S448は、基本的には図10.AのS404乃至S424と同様の構成としたものである。
まず、S400で、環境情報収集部3より、車両の位置及び進行方向、道路幅W、建造物の高さH、送信局の位置を得て、車両の位置及び進行方向と送信局の位置とから電波到来角θを算出する。次に、S402で、建造物の高さHの道路幅Wに対する比を求め、これが第1の閾値Hth1よりも大きいかどうかが判定され、H/W>Hth1であればS404に、H/W≦Hth1であれば図10.Aの丸Aに進む。図10.Aの丸Aは図10.Bの丸Aに対応し、S426へとつながっている。
S404では、電波到来角θが閾値θ(1) th1よりも大きく且つ閾値θ(1) th2よりも小さいかどうか、即ち送信点位置が右領域であるかどうかが判定され、yesであればS406に、noであればS410に進む。
S406では、H/W>Hth1且つθ(1) th1<θ<θ(1) th2に対応して仰角φELが60度(高仰角)に設定され、S408に進む。S408では、H/W>Hth1且つθ(1) th1<θ<θ(1) th2に対応して方位角φAZが90度(右方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth1且つθ(1) th1<θ<θ(1) th2に対応した指向性(高仰角、右方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S410では、電波到来角θが閾値−θ(1) th1よりも小さく且つ閾値−θ(1) th2よりも大きいかどうか、即ち送信点位置が左領域であるかどうかが判定され、yesであればS412に、noであればS416に進む。
S412では、H/W>Hth1且つ−θ(1) th2<θ<−θ(1) th1に対応して仰角φELが60度(高仰角)に設定され、S414に進む。S414では、H/W>Hth1且つ−θ(1) th2<θ<−θ(1) th1に対応して方位角φAZが−90度(左方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth1且つ−θ(1) th2<θ<−θ(1) th1に対応した指向性(高仰角、左方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S416では、電波到来角θの絶対値が閾値θ(1) th1以下かどうか、即ち送信点位置が前領域であるかどうかが判定され、yesであればS418に、noであればS422に進む。尚、S422に進む場合は、送信点位置が右領域でも、左領域でも、前領域でも無いのであるから、後領域であるということになる。
S418では、H/W>Hth1且つ|θ|≦θ(1) th1に対応して仰角φELが0度(低仰角)に設定され、S420に進む。S420では、H/W>Hth1且つ|θ|≦θ(1) th1に対応して方位角φAZが0度(前方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth1且つ|θ|≦θ(1) th1に対応した指向性(低仰角、前方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S422では、H/W>Hth1且つ|θ|>θ(1) th1(|θ|≧θ(1) th2)に対応して仰角φELが0度(低仰角)に設定され、S424に進む。S424では、H/W>Hth1且つ|θ|>θ(1) th1(|θ|≧θ(1) th2)に対応して方位角φAZが−180度(後方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth1且つ|θ|>θ(1) th1(|θ|≧θ(1) th2)に対応した指向性(低仰角、後方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
次に図10.Bを説明する。S426では、建造物の高さHの道路幅Wに対する比H/Wが第2の閾値Hth2(Hth2<Hth1)よりも大きいかどうかが判定され、H/W>Hth2であればS428に、H/W≦Hth2であればS450へ進む。
S428では、電波到来角θが閾値θ(2) th1よりも大きく且つ閾値θ(2) th2よりも小さいかどうか、即ち送信点位置が右領域であるかどうかが判定され、yesであればS430に、noであればS434に進む。
S430では、H/W>Hth2且つθ(2) th1<θ<θ(2) th2に対応して仰角φELが0度(低仰角)に設定され、S432に進む。S432では、H/W>Hth2且つθ(2) th1<θ<θ(2) th2に対応して方位角φAZが90度(右方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth2且つθ(2) th1<θ<θ(2) th2に対応した指向性(低仰角、右方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S434では、電波到来角θが閾値−θ(2) th1よりも小さく且つ閾値−θ(2) th2よりも大きいかどうか、即ち送信点位置が左領域であるかどうかが判定され、yesであればS436に、noであればS440に進む。
S436では、H/W>Hth2且つ−θ(2) th2<θ<−θ(2) th1に対応して仰角φELが0度(低仰角)に設定され、S438に進む。S438では、H/W>Hth2且つ−θ(2) th2<θ<−θ(2) th1に対応して方位角φAZが−90度(左方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth2且つ−θ(2) th2<θ<−θ(2) th1に対応した指向性(低仰角、左方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S440では、電波到来角θの絶対値が閾値θ(2) th1以下かどうか、即ち送信点位置が前領域であるかどうかが判定され、yesであればS442に、noであればS446に進む。尚、S446に進む場合は、送信点位置が右領域でも、左領域でも、前領域でも無いのであるから、後領域であるということになる。
S442では、H/W>Hth2且つ|θ|≦θ(2) th1に対応して仰角φELが0度(低仰角)に設定され、S444に進む。S444では、H/W>Hth2且つ|θ|≦θ(2) th1に対応して方位角φAZが0度(前方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth2且つ|θ|≦θ(2) th1に対応した指向性(低仰角、前方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S446では、H/W>Hth2且つ|θ|>θ(2) th1(|θ|≧θ(2) th2)に対応して仰角φELが0度(低仰角)に設定され、S448に進む。S448では、H/W>Hth2且つ|θ|>θ(2) th1(|θ|≧θ(2) th2)に対応して方位角φAZが−180度(後方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth2且つ|θ|>θ(2) th1(|θ|≧θ(2) th2)に対応した指向性(低仰角、後方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S450では、H/W≦Hth2に対応して仰角が0度に設定され、S452に進む。S452では、H/W≦Hth2に対応して水平方向の方位角が送信点(送信局の位置)方向に設定される。このようにして、H/W≦Hth2に対応した低仰角、送信点方向に指向性アンテナ部1の指向性が制御される。
上記閾値は任意に設定できる。例えば電波到来角の閾値については、θ(1) th1=θ(2) th1=45度、θ(1) th2=θ(2) th2=135度としても良い。またθ(2) th1を45度よりも小さく、θ(1) th1をθ(2) th1よりも小さく設定しても良い。この時、対応させてθ(2) th2を135度よりも大きく、θ(1) th2をθ(2) th2よりも大きく設定しても良い。
このように、移動体の位置による環境情報と、送信点との位置関係から、最も適切な指向性を指向性アンテナ部に持たせることにより、移動中の移動体の受信状態を適切に制御することが可能となる。本実施例は請求項1に係る発明の具体的な一実施例に相当するものである。
本実施例は、図6の指向性制御装置201を用い、図11.A及び図11.Bのフローチャートにより構成するものである。即ち、主偏波用アンテナ素子A1mと交差偏波用アンテナ素子A1sを切替器A1C’で、主偏波用アンテナ素子A2mと交差偏波用アンテナ素子A2sを切替器A2C’で切替えた上、それらの受信波を切替器110又は合成器120により切替え又は合成するものである。本実施例においては、仰角方向及び方位角方向の指向性を、指向性アンテナ部1の合成器120により実施するものとする。指向性の仰角φELは水平(仰角0度)及び60度との2段の切替えを行う。また、方位角方向の指向性の方位角φAZは、道路方向(0度)、道路逆方向(−180度)、道路垂直右方向(90度)及び道路垂直左方向(−90度)の4段の切替え及び、電波到来角方向に自在に角度を調節できるものとする。また、初期状態においては、切替器A1C’、切替器A2C’によって主偏波用アンテナ素子A1mと主偏波用アンテナ素子A2mに接続されているものとする。また、電波到来角は、移動体の進行方向を基準に、時計回りを正とし、−180度以上180度未満であるとする。
本実施例で用いる図11.A及び図11.Bのフローチャートは、図8のフローチャートをより具体的に記載したものである。図11.AのS500乃至S528は図8のフローチャートS200乃至S208及びS212乃至S230に対応し、図11.BのS530及びS532は図8のフローチャートS210及びS232に対応し、図11.BのS554及びS556は図8のフローチャートS250及びS252に対応するものであって、図8のフローチャートS210の「no」の行き先が直接S250とするものに対応する。図11.BのS532乃至S552は、基本的には図11.AのS526乃至S528と同様の構成としたものである。
まず、S500で、環境情報収集部3より、車両の位置及び進行方向、道路幅W、建造物の高さH、送信局の位置を得て、車両の位置及び進行方向と送信局の位置とから電波到来角θを算出する。更に、指向性アンテナ部から交差偏波強度PXPを収集する。次にS502で、交差偏波強度PXPを閾値PXPthと比較し、PXP>PXPthの場合にはS504に進み、PXP≦PXPthの場合にはS506に進む。S504では、切替器A1C’、切替器A2C’に対し、交差偏波用アンテナ素子A1sと交差偏波用アンテナ素子A2sに接続を切替えるよう指令を出し、S506に進む。
次に、S506で、建造物の高さHの道路幅Wに対する比を求め、これが第1の閾値Hth1よりも大きいかどうかが判定され、H/W>Hth1であればS508に、H/W≦Hth1であれば図11.Aの丸Aに進む。図11.Aの丸Aは図11.Bの丸Aに対応し、S530へとつながっている。
S508では、電波到来角θが閾値θ(1) th1よりも大きく且つ閾値θ(1) th2よりも小さいかどうか、即ち送信点位置が右領域であるかどうかが判定され、yesであればS510に、noであればS514に進む。
S510では、H/W>Hth1且つθ(1) th1<θ<θ(1) th2に対応して仰角φELが60度(高仰角)に設定され、S512に進む。S512では、H/W>Hth1且つθ(1) th1<θ<θ(1) th2に対応して方位角φAZが90度(右方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth1且つθ(1) th1<θ<θ(1) th2に対応した指向性(高仰角、右方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S514では、電波到来角θが閾値−θ(1) th1よりも小さく且つ閾値−θ(1) th2よりも大きいかどうか、即ち送信点位置が左領域であるかどうかが判定され、yesであればS516に、noであればS520に進む。
S516では、H/W>Hth1且つ−θ(1) th2<θ<−θ(1) th1に対応して仰角φELが60度(高仰角)に設定され、S518に進む。S518では、H/W>Hth1且つ−θ(1) th2<θ<−θ(1) th1に対応して方位角φAZが−90度(左方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth1且つ−θ(1) th2<θ<−θ(1) th1に対応した指向性(高仰角、左方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S520では、電波到来角θの絶対値が閾値θ(1) th1以下かどうか、即ち送信点位置が前領域であるかどうかが判定され、yesであればS522に、noであればS526に進む。尚、S526に進む場合は、送信点位置が右領域でも、左領域でも、前領域でも無いのであるから、後領域であるということになる。
S522では、H/W>Hth1且つ|θ|≦θ(1) th1に対応して仰角φELが0度(低仰角)に設定され、S524に進む。S524では、H/W>Hth1且つ|θ|≦θ(1) th1に対応して方位角φAZが0度(前方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth1且つ|θ|≦θ(1) th1に対応した指向性(低仰角、前方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S526では、H/W>Hth1且つ|θ|>θ(1) th1(|θ|≧θ(1) th2)に対応して仰角φELが0度(低仰角)に設定され、S528に進む。S528では、H/W>Hth1且つ|θ|>θ(1) th1(|θ|≧θ(1) th2)に対応して方位角φAZが−180度(後方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth1且つ|θ|>θ(1) th1(|θ|≧θ(1) th2)に対応した指向性(低仰角、後方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
次に図11.Bを説明する。S530では、建造物の高さHの道路幅Wに対する比H/Wが第2の閾値Hth2(Hth2<Hth1)よりも大きいかどうかが判定され、H/W>Hth2であればS532に、H/W≦Hth2であればS554へ進む。
S532では、電波到来角θが閾値θ(2) th1よりも大きく且つ閾値θ(2) th2よりも小さいかどうか、即ち送信点位置が右領域であるかどうかが判定され、yesであればS534に、noであればS538に進む。
S534では、H/W>Hth2且つθ(2) th1<θ<θ(2) th2に対応して仰角φELが0度(低仰角)に設定され、S536に進む。S536では、H/W>Hth2且つθ(2) th1<θ<θ(2) th2に対応して方位角φAZが90度(右方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth2且つθ(2) th1<θ<θ(2) th2に対応した指向性(低仰角、右方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S538では、電波到来角θが閾値−θ(2) th1よりも小さく且つ閾値−θ(2) th2よりも大きいかどうか、即ち送信点位置が左領域であるかどうかが判定され、yesであればS540に、noであればS544に進む。
S540では、H/W>Hth2且つ−θ(2) th2<θ<−θ(2) th1に対応して仰角φELが0度(低仰角)に設定され、S542に進む。S542では、H/W>Hth2且つ−θ(2) th2<θ<−θ(2) th1に対応して方位角φAZが−90度(左方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth2且つ−θ(2) th2<θ<−θ(2) th1に対応した指向性(低仰角、左方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S544では、電波到来角θの絶対値が閾値θ(2) th1以下かどうか、即ち送信点位置が前領域であるかどうかが判定され、yesであればS546に、noであればS550に進む。尚、S550に進む場合は、送信点位置が右領域でも、左領域でも、前領域でも無いのであるから、後領域であるということになる。
S546では、H/W>Hth2且つ|θ|≦θ(2) th1に対応して仰角φELが0度(低仰角)に設定され、S548に進む。S548では、H/W>Hth2且つ|θ|≦θ(2) th1に対応して方位角φAZが0度(前方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth2且つ|θ|≦θ(2) th1に対応した指向性(低仰角、前方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S550では、H/W>Hth2且つ|θ|>θ(2) th1(|θ|≧θ(2) th2)に対応して仰角φELが0度(低仰角)に設定され、S552に進む。S552では、H/W>Hth2且つ|θ|>θ(2) th1(|θ|≧θ(2) th2)に対応して方位角φAZが−180度(後方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth2且つ|θ|>θ(2) th1(|θ|≧θ(2) th2)に対応した指向性(低仰角、後方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S554では、H/W≦Hth2に対応して仰角が0度に設定され、S556に進む。S556では、H/W≦Hth2に対応して水平方向の方位角が送信点(送信局の位置)方向に設定される。このようにして、H/W≦Hth2に対応した低仰角、送信点方向に指向性アンテナ部1の指向性が制御される。
上記閾値は任意に設定できる。例えば電波到来角の閾値については、θ(1) th1=θ(2) th1=45度、θ(1) th2=θ(2) th2=135度としても良い。またθ(2) th1を45度よりも小さく、θ(1) th1をθ(2) th1よりも小さく設定しても良い。この時、対応させてθ(2) th2を135度よりも大きく、θ(1) th2をθ(2) th2よりも大きく設定しても良い。
このように、移動体の位置による環境情報と、送信点との位置関係から、最も適切な指向性を指向性アンテナ部に持たせ、且つ垂直偏波成分が大きい場合には当該偏波を受信可能なアンテナに切り替えることにより、移動中の移動体の受信状態を適切に制御することが可能となる。本実施例は、請求項5、請求項6に係る発明の具体的な一実施例に相当するものである。
本実施例は、図5の指向性制御装置105を用い、図12.A及び図12.Bのフローチャートによって構成されるものである。すなわち、アンテナ素子A1及びA2の仰角を直接切り替えるものである。アンテナ素子A1及びA2指向性の仰角φELは水平(仰角0度)及び60度との2段の切替えを行う。また、水平方向の指向性の方位角φAZは、道路方向(0度)、道路逆方向(−180度)、道路垂直右方向(90度)及び道路垂直左方向(−90度)の4段の切替え及び、電波到来角方向に自在に角度を調節できるものとする。水平方向の指向性は、指向性アンテナ部1の合成器120により実施する。また、電波到来角は、移動体の進行方向を基準に、時計回りを正とし、−180度以上180度未満であるとする。
本実施例で用いる図12.A及び図12.Bのフローチャートは、図9のフローチャートをより具体的に記載したものである。図12.AのS600乃至S630は図9のフローチャートS300乃至S304及びS308乃至S332に対応し、図12.BのS632及びS634は図9のフローチャートS306及びS334に対応し、図12.BのS662及びS664は図9のフローチャートS350及びS352に対応するものであって、図9のフローチャートS306の「no」の行き先が直接S350とするものに対応する。図12.BのS634乃至S660は、基本的には図12.AのS604乃至S630と同様の構成としたものである。
まず、S600で、環境情報収集部3より、車両の位置及び進行方向、道路幅W、建造物の高さH、送信局の位置並びに左側建物までの距離Dを得て、車両の位置及び進行方向と送信局の位置とから電波到来角θを算出する。次に、S602で、建造物の高さHの道路幅Wに対する比を求め、これが第1の閾値Hth1よりも大きいかどうかが判定され、H/W>Hth1であればS604に、H/W≦Hth1であれば図12.Aの丸Aに進む。図12.Aの丸Aは図12.Bの丸Aに対応し、S632へとつながっている。
S604では、電波到来角θが閾値θ(1) th1よりも大きく且つ閾値θ(1) th2よりも小さいかどうか、即ち送信点位置が右領域であるかどうかが判定され、yesであればS606に、noであればS610に進む。
S606では、H/W>Hth1且つθ(1) th1<θ<θ(1) th2に対応して仰角φELが60度(高仰角)に設定され、S608に進む。S608では、H/W>Hth1且つθ(1) th1<θ<θ(1) th2に対応して方位角φAZが90度(右方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth1且つθ(1) th1<θ<θ(1) th2に対応した指向性(高仰角、右方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S610では、電波到来角θが閾値−θ(1) th1よりも小さく且つ閾値−θ(1) th2よりも大きいかどうか、即ち送信点位置が左領域であるかどうかが判定され、yesであればS612に、noであればS622に進む。
S612では、左側建物までの距離Dの建造物の高さHに対する比を求め、これが第3の閾値Dth1よりも大きいかどうかが判定され、D/H>Dth1であればS614に、D/H≦Dth1であればS618に進む。
S614では、H/W>Hth1且つ−θ(1) th2<θ<−θ(1) th1且つD/H>Dth1に対応して、仰角φELが60度(高仰角)に設定され、S616に進む。S616では、H/W>Hth1且つ−θ(1) th2<θ<−θ(1) th1且つD/H>Dth1に対応して、方位角φAZが−90度(左方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth1且つ−θ(1) th2<θ<−θ(1) th1且つD/H>Dth1に対応した指向性(高仰角、左方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S618では、H/W>Hth1且つ−θ(1) th2<θ<−θ(1) th1且つD/H≦Dth1に対応して、仰角φELが60度(高仰角)に設定され、S620に進む。S620では、H/W>Hth1且つ−θ(1) th2<θ<−θ(1) th1且つD/H≦Dth1に対応して、方位角φAZが90度(右方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth1且つ−θ(1) th2<θ<−θ(1) th1且つD/H≦Dth1に対応した指向性(高仰角、右方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S622では、電波到来角θの絶対値が閾値θ(1) th1以下かどうか、即ち送信点位置が前領域であるかどうかが判定され、yesであればS624に、noであればS628に進む。尚、S628に進む場合は、送信点位置が右領域でも、左領域でも、前領域でも無いのであるから、後領域であるということになる。
S624では、H/W>Hth1且つ|θ|≦θ(1) th1に対応して仰角φELが0度(低仰角)に設定され、S626に進む。S626では、H/W>Hth1且つ|θ|≦θ(1) th1に対応して方位角φAZが0度(前方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth1且つ|θ|≦θ(1) th1に対応した指向性(低仰角、前方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S628では、H/W>Hth1且つ|θ|>θ(1) th1(|θ|≧θ(1) th2)に対応して仰角φELが0度(低仰角)に設定され、S630に進む。S630では、H/W>Hth1且つ|θ|>θ(1) th1(|θ|≧θ(1) th2)に対応して方位角φAZが−180度(後方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth1且つ|θ|>θ(1) th1(|θ|≧θ(1) th2)に対応した指向性(低仰角、後方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
次に図12.Bを説明する。S632では、建造物の高さHの道路幅Wに対する比H/Wが第2の閾値Hth2(Hth2<Hth1)よりも大きいかどうかが判定され、H/W>Hth2であればS634に、H/W≦Hth2であればS662へ進む。
S634では、電波到来角θが閾値θ(2) th1よりも大きく且つ閾値θ(2) th2よりも小さいかどうか、即ち送信点位置が右領域であるかどうかが判定され、yesであればS636に、noであればS640に進む。
S636では、H/W>Hth2且つθ(2) th1<θ<θ(2) th2に対応して仰角φELが0度(低仰角)に設定され、S638に進む。S638では、H/W>Hth2且つθ(2) th1<θ<θ(2) th2に対応して方位角φAZが90度(右方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth2且つθ(2) th1<θ<θ(2) th2に対応した指向性(低仰角、右方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S640では、電波到来角θが閾値−θ(2) th1よりも小さく且つ閾値−θ(2) th2よりも大きいかどうか、即ち送信点位置が左領域であるかどうかが判定され、yesであればS642に、noであればS652に進む。
S642では、左側建物までの距離Dの建造物の高さHに対する比を求め、これが第3の閾値Dth2よりも大きいかどうかが判定され、D/H>Dth2であればS644に、D/H≦Dth2であればS648に進む。
S644では、H/W>Hth2且つ−θ(2) th2<θ<−θ(2) th1且つD/H>Dth2に対応して、仰角φELが60度(高仰角)に設定され、S646に進む。S646では、H/W>Hth2且つ−θ(2) th2<θ<−θ(2) th1且つD/H>Dth2に対応して、方位角φAZが−90度(左方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth2且つ−θ(2) th2<θ<−θ(2) th1且つD/H>Dth2に対応した指向性(高仰角、左方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S648では、H/W>Hth2且つ−θ(2) th2<θ<−θ(2) th1且つD/H≦Dth2に対応して、仰角φELが60度(高仰角)に設定され、S650に進む。S650では、H/W>Hth2且つ−θ(2) th2<θ<−θ(2) th1且つD/H≦Dth2に対応して、方位角φAZが90度(右方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth2且つ−θ(2) th2<θ<−θ(2) th1且つD/H≦Dth2に対応した指向性(高仰角、右方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S652では、電波到来角θの絶対値が閾値θ(2) th1以下かどうか、即ち送信点位置が前領域であるかどうかが判定され、yesであればS654に、noであればS658に進む。尚、S658に進む場合は、送信点位置が右領域でも、左領域でも、前領域でも無いのであるから、後領域であるということになる。
S654では、H/W>Hth2且つ|θ|≦θ(2) th1に対応して仰角φELが0度(低仰角)に設定され、S656に進む。S656では、H/W>Hth2且つ|θ|≦θ(2) th1に対応して方位角φAZが0度(前方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth2且つ|θ|≦θ(2) th1に対応した指向性(低仰角、前方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S658では、H/W>Hth2且つ|θ|>θ(2) th1(|θ|≧θ(2) th2)に対応して仰角φELが0度(低仰角)に設定され、S660に進む。S660では、H/W>Hth2且つ|θ|>θ(2) th1(|θ|≧θ(2) th2)に対応して方位角φAZが−180度(後方向)に設定される。このようにして、H/W>Hth2且つ|θ|>θ(2) th1(|θ|≧θ(2) th2)に対応した指向性(低仰角、後方向)により指向性アンテナ部1が制御される。
S662では、H/W≦Hth2に対応して仰角が0度に設定され、S664に進む。S664では、H/W≦Hth2に対応して水平方向の方位角が送信点(送信局の位置)方向に設定される。このようにして、H/W≦Hth2に対応した低仰角、送信点方向に指向性アンテナ部1の指向性が制御される。
上記閾値は任意に設定できる。例えば電波到来角の閾値については、θ(1) th1=θ(2) th1=45度、θ(1) th2=θ(2) th2=135度としても良い。またθ(2) th1を45度よりも小さく、θ(1) th1をθ(2) th1よりも小さく設定しても良い。この時、対応させてθ(2) th2を135度よりも大きく、θ(1) th2をθ(2) th2よりも大きく設定しても良い。
このように、移動体の位置による環境情報と、送信点との位置関係から、最も適切な指向性を指向性アンテナ部に持たせることにより、移動中の移動体の受信状態を適切に制御することが可能となる。本実施例ではビル街で左側建物との距離と当該建物の高さの比を用いて、送信点が左領域であっても、左側建物による回折波よりも右側建物による反射波が大きい場合に有効である。本実施例は請求項2に係る発明の具体的な一実施例に相当するものである。
本実施例は指向性制御部2が、過去に通過した道路における指向性制御の設定を、評価と共に記憶可能とした場合に実施されるものである。本実施例の構成は、指向性制御部2のフローチャートを図13のように構成し、サブルーチンとして実施例1の図10.A及び図10.Bのフローチャート、実施例2の図11.A及び11.Bのフローチャート、又は実施例3の図12.A及び図12.Bのフローチャートを用いる。
図13のフローチャートを説明する。まず、S700で、現在の移動体の位置及び進行方向について、過去に指向性制御設定を行った結果が記憶されているかどうかが判定される。過去に指向性制御設定を行った結果が記憶されていなければサブルーチンへ行く(GoSub)。過去に指向性制御設定を行った結果が記憶されていればS702に進む。
S702では、直近の指向性制御設定について、記憶されている評価が良好であったかどうかが判定される。良好であった場合はS704に進み、良好でなかった場合はS706に進む。S704では、当該直近の指向性制御設定が採用され、S710に進む。S706では、現在の移動体の位置及び進行方向について、記憶されている全ての指向性制御設定の評価が呼び出され、所定の品質が得られる回数が最も多かった設定を選択し、S708に進む。S708では、当該指向性制御設定の全ての評価に対する良好であったとの評価の割合が所定値以上かどうかが判定され、所定以上であれば当該指向性制御設定が採用され、S710に進む。所定値に満たなければサブルーチンへ行く(GoSub)。
サブルーチンは、実施例1の図10.A及び図10.Bのフローチャート、実施例2の図11.A及び図11.Bのフローチャート、又は実施例3の図12.A及び図12.Bのフローチャートを用い、決定された指向性制御設定が採用され、S710に進む。
S710では、選択された指向性制御設定の選択回数をインクリメント(1増)し、S712に進む。S712では所望の評価関数により、選択された指向性制御設定による受信状況を評価及び判定し、指向性制御設定の評価である良好又は不良の数をインクリメント(1増)する。
本実施例によれば、一度良好な設定が決定されれば、常に当該設定を用いることができ、また、設定が良好でなければ、毎回設定をし直すことができる。これにより、演算速度を向上させ、移動体の移動による指向性制御を迅速に行うことが可能となる。本実施例は請求項7に係る発明の具体的な一実施例に相当するものである。
〔応用例〕
実施例4の設定及び評価データは、図2.Cのように、外部データベースとの通信により授受することも可能である。これにより、例えば受信環境の劣悪な都市部において、外部データベースに詳細な指向性制御設定を記憶させておき、各移動体に搭載した指向性制御装置300と通信を行うことにより、移動体の移動による指向性制御を迅速に行うとともに、都市部の建築物の増改築による受信環境の変更が、各移動体からの指向性制御設定の評価により順次更新させることも可能となる。
更に、各実施例において、環境情報収集部が走行車線の情報を例えばカーナビゲーションシステムにより得ることが可能であれば、これにより仰角を多段に切り替える構成をとっても良い。
各実施例においては、常時道路幅と建造物高さと電波到来角により指向性制御を行うこととしているが、そもそも各フローチャートによる演算の開始を、交差点における右左折や、交差点を通過するごと、あるいは環境情報収集部が設定した地点を通過する毎に行うなど、指向性制御の設定を更新(あるいは再設定)する地点を予め決めておいても良い。これにより、常時指向性制御部が活動する必要はなくなり、必要に応じて指向性制御の設定を更新(あるいは再設定)することができる。この場合、各地点での指向性制御の設定を図2.Cに示すように、外部データベースとやりとりするように構成すると、本発明の指向性制御装置の構成、特に環境情報収集部の記憶部の構成を小さくすることが可能となる。
本発明の作用効果を示す、移動体のビル街における受信強度について場合分けした説明図。
本発明の3群の構成を示した構成図。
図2.Aの構成の細部を示す4つの構成図。
図3.Bの構成の細部を示す構成図。
本発明の別の構成図。
本発明の更に別の構成図。
偏波特性を加味しない場合の、指向性制御部の一般的作用を表すフローチャート。
偏波特性を加味した場合の、指向性制御部の一般的作用を表すフローチャート。
左側建物の高さと左側建物までの距離を加味した場合の、指向性制御部の一般的作用を表すフローチャート。
本発明の具体的な第1の実施例における指向性制御部の作用の前半を表すフローチャート。
本発明の具体的な第1の実施例における指向性制御部の作用の後半を表すフローチャート。
本発明の具体的な第2の実施例における指向性制御部の作用の前半を表すフローチャート。
本発明の具体的な第2の実施例における指向性制御部の作用の後半を表すフローチャート。
本発明の具体的な第3の実施例における指向性制御部の作用の前半を表すフローチャート。
本発明の具体的な第3の実施例における指向性制御部の作用の後半を表すフローチャート。
本発明の具体的な第4の実施例における指向性制御部の作用を表すフローチャート。
符号の説明
100、200、300、101、102、103、104、105、106、201:指向性制御装置
1:指向性アンテナ部
2:指向性制御部
3:環境情報収集部
4:通信手段
110、111、112、113:切替器
120、121、122、123:合成器
A1、A2、A3、A4:アンテナ素子
A1m、A2m:主偏波用アンテナ素子
A1s、A2s:交差偏波用アンテナ素子
A1C、A2C:仰角切替器
A1C’、A2C’:切替器