JP4322341B2 - アトマイジング・ノズル及びその使用方法 - Google Patents

アトマイジング・ノズル及びその使用方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体ストリームをアトマイズ(atomize)する(又は霧状化若しくは噴霧する)ためのノズル、ノズル・アッセンブリ、及びそれらを用いる方法に関する。特に、本発明は、分散媒の存在下で液体ストリームをアトマイズし、液体小滴の扇形のスプレー(spray、噴霧物)を提供するためのノズル、ノズル・アッセンブリ、及びそれらを用いる方法に関する。ノズル、ノズル・アッセンブリ、及びこれらを用いる方法は、流動接触分解装置の接触分解ゾーンの中へ、炭化水素フィードを含むストリームを注入(inject)するために特に有用である。
【0002】
【従来の技術】
石油フラクションの流動接触分解(FCC)は、確立した石油精製操作である。FCCでは、(鎖長において炭素原子数が約20〜約30以上である)重質炭化水素フラクションは、(鎖長において炭素原子数が約12〜約15以下の)より軽質の炭化水素フラクション、例えば、ガソリンへ化学的に分解される。FCC装置は、通常は、スタンドパイプによって再生領域へ接続される反応領域を有している。触媒は、それ自体では細かく分割された(微細化された)固体であり、反応器、再生器及び接続スタンドパイプにおいて流体のような挙動を示し、従って「流動」触媒と称される。
【0003】
FCCプロセスの操作において、新しい炭化水素のフィードは、場合によって予熱され、触媒と混合されて、反応器領域の接触転化ゾーン内で分解される。今日のFCC装置において接触転化ゾーンは、主として、反応器領域のライザーに配されている。接触分解が起こるためには、炭化水素フィード(例えば、油)を気化させて、炭化水素フィードが(一般にゼオライトである)触媒の細孔の中に拡散して分解サイトへ到達させる必要がある。接触分解反応は、触媒の上にコークスを付着させ、「コークスの付着した(coked)」あるいは「使用済みの(spent)」触媒を生じさせる。生成物は、気相で反応器から出て、所望のフラクションに分離するよう、少なくとも1つの主精留塔又は蒸留塔へ送られる。使用済み触媒は、使用済み触媒用スタンドパイプを経由して連続的に反応器から再生器へ送られる。再生器において、コークスは酸素含有ガスと接触することによって、発熱反応においてガス状の生成物へ転化される。排ガスは種々の熱回収手段を経由して再生器から放出され、また、再生された熱い触媒は戻りスタンドパイプを経て反応器へ再循環され、そこで再度、新しい炭化水素のフィードと接触される。一般に、再生器において放出される熱は、熱い再生された触媒によって反応器へ運ばれ、吸熱分解反応に熱を供給する。一般的な流動接触分解システムは、Pohlenzの米国特許第3,206,393号、Iscolらの米国特許第3,261,777号に開示されており、ここで引用することによってこれらの全体を本明細書に包含する。
【0004】
ノズルは、一般的に液体スプレーの形態で炭化水素フィードをライザーの接触転化ゾーンに注入するために用いられる。スプレーを形成するために、一般に、炭化水素フィードは、分散媒、例えばスチーム(水蒸気)と組み合わせられ、分散された炭化水素ストリームを形成する。分散された炭化水素ストリームを接触転化ゾーンの中へ注入するために用いられる1若しくはそれ以上のノズルは、軸方向に又は放射状(半径方向)に配することができる。軸方向(アキシアル型)のノズルを用いる場合、FCC装置のライザー領域の中へ延び、ライザーの断面領域にある一組のポイントに端部がある1若しくはそれ以上のノズルを用いることによって、(ストリームがゆきわたる)適用範囲を得ることができる。アキシアル型のノズルは、上方へ流れる触媒と好ましくは平行である炭化水素フィードの流れを形成するように、ほとんど又はほぼ完全に垂直方向(好ましくはライザーの垂直軸から約10°以内の向き)に配することが好ましい。放射状(ラジアル型)のノズルを用いる場合、ライザー壁の周囲に取り付けられている複数のノズルを用いることによって、(ストリームがゆきわたる)適用範囲を得ることができる。ラジアル型のノズルはライザー自体の内へ最小限度で延びることが好ましい。このノズルの方向は、触媒の上向きの流れと交差するような炭化水素フィードの流れを形成する。ラジアル型のノズルは、ライザーの垂直軸に対して、10°上向きの角度から約90°水平な角度までの範囲内の角度にて配向される(方向付けされる)ことが好ましい。最適な接触分解条件を提供するためには、いずれの向き(型)のノズルであっても、好ましくは、分解触媒が流れるライザーの断面領域全体をカバーするように広がるパターンで、分散された炭化水素ストリームを集合的に噴霧する必要がある。(炭化水素ストリームがゆきわたる)適用範囲を向上させることによって、より良好な触媒−炭化水素フィードの混合がもたらされる。より良好な触媒−炭化水素フィードの混合によって、接触分解反応が促進され、熱分解反応が最小となる。熱分解反応は、望ましくない生成物、例えばメタン及びエタンを生成させ、より有益なFCC生成物の収率の低下をもたらす。
【0005】
スプレーの適用範囲を十分なものとすることに加えて、ノズルは、好ましくは個々の触媒粒子の寸法と比較し得る微細な炭化水素フィード液滴を形成する必要がある。炭化水素フィードの微細な液滴は、100ミクロン(μm)以下のソーター平均径(即ち、測定した液滴と同じ体積−表面積比を有する球の径)を有することが好ましい。液滴の寸法が小さくなると、炭化水素フィード液滴表面積の体積に対する割合は増加し、これによって触媒から炭化水素フィードへの熱移動が促進され、炭化水素フィードの気化時間が短縮される。気相での炭化水素フィードは触媒の細孔の中に拡散し得るので、より迅速な気化は接触分解反応の生成物の収率を向上させる。反対に、炭化水素フィードの気化、及び/又は炭化水素フィードと触媒との混合が遅れると、熱分解生成物とコークスの収率が増加することになる。
【0006】
今日用いられている大部分のFCCノズルでは、ラジアル(radial)型又はアキシャル(axial)型の何れであっても、分散された炭化水素ストリームを接触転化ゾーンの中へ注入(又は噴射(inject))する小さな液滴へ剪断作用によって分割する(shear)ために、大きな速度(例えば、毎秒約300フィート以上の速度)が用いられている。しかしながら、大きな速度は、望ましくない作用ももたらし得る。例えば、ラジアル型の注入部を有する工業的装置における温度プロファイル(profile)は、ライザーの接触転化ゾーンにおいて、垂直な中心軸に沿って著しく低い温度を示すことがある。この温度プロファイルは、ライザーの断面領域にわたって、触媒及びフィード液滴が均一に混合されていないことを示している。特に、より冷たい液体フィード液滴は、触媒との間で、運動量及び熱をあまり交換することなく、ライザーの中央部分を移送される。従って、分散された炭化水素フィード速度での好適な剪断作用を提供し、炭化水素フィード液滴及び触媒の好適な混合を導くことができるノズルが必要とされている。
【0007】
更に、今日用いられている多くのFCCラジアル型ノズルの適用範囲(coverage)はあまり広くはない。この問題点は、より小さな液滴を形成するノズルが取り付けられている場合等に観察されるが、液滴と触媒との接触があまり良好ではないことによって、収率の向上が得られないという問題点である。
【0008】
米国特許第4,601,814号(Mauleon ら)(以下において、「Mauleon」と称する)には、接触分解プロセスにおいて、残油をアトマイズするための半径方向(放射状)に配向される高速ノズルが開示されている。1つの態様において、ノズル端部は、扇形のスプレーパターンを形成する、水平方向に制限される1つのスロット開口部である。「Mauleon」では、ノズル端部は、平行な2つのスロットであってもよいし、又は互いに90°の角度をなす2つのスロットであってもよいということも開示している。アトマイズしたフィード油の排出速度は大きく、300フィート/秒以上であり、より好ましくは500フィート/秒である。しかしながら、上述したような理由によって、大きな速度を要求するノズルは、あまり効果的ではない。
【0009】
従って、高速のノズル速度を必要とせず、接触分解ゾーンの断面積の全体をカバー(cover)する、微細な炭化水素液滴のスプレーを形成することができるノズル及びノズル・アッセンブリを開発することが望まれている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液体ストリームを扇型のスプレーにアトマイズするためのノズルを提供する。ノズルは、
(a)中心長軸、入口端部及びチップ端部を有し、液体ストリーム及び分散媒を受け入れるノズル・バレル;
(b)垂直方向中心線、内側表面及び外側表面を有し、ノズル・バレルのチップ端部に接続されるチップ;並びに
(c)チップの内側表面を経てチップの外側表面へ延びる実質的に垂直な少なくとも3つの開口部を有してなり、
各開口部は所定の長さ及び幅を有しており、開口部の長さは幅よりも大きく、各開口部は、チップの内側表面の第1の中間点、及びチップの外側表面の第2の中間点、並びに第1及び第2の中間点を横切る線によって形成される中心長軸を更に有しており、各開口部の中心長軸とノズル・バレルの中心長軸との間に形成される角度θは0〜約75°である。
(a)中心長軸、入口端部及びチップ端部を有し、液体ストリーム及び分散媒を受け入れるノズル・バレル;
(b)垂直方向中心線、内側表面及び外側表面を有し、ノズル・バレルのチップ端部に接続されるチップ;並びに
(c)チップの内側表面を経てチップの外側表面へ延びる実質的に垂直な少なくとも3つの開口部を有してなり、
各開口部は所定の長さ及び幅を有しており、開口部の長さは幅よりも大きく、各開口部は、チップの内側表面の第1の中間点、及びチップの外側表面の第2の中間点、並びに第1及び第2の中間点を横切る線によって形成される中心長軸を更に有しており、各開口部の中心長軸とノズル・バレルの中心長軸との間に形成される角度θは0〜約75°である。
【0011】
本発明は、もう1つの態様において、液体ストリームをアトマイズするためのノズル・アッセンブリを提供する。ノズル・アッセンブリは、本発明のノズルを少なくとも3つ有しており、これらは噴霧すべき領域の周囲に放射状に取り付けられている。
【0012】
本発明は、更にもう1つの態様において、液体ストリームをアトマイズする方法を提供する。その方法は、
(a)液体ストリームと分散媒とを混合して、分散された液体ストリームを形成する工程;
(b)長軸、入口端部及びチップ端部を有するノズル・バレルを有する少なくとも1つのノズルの少なくとも一部を通して、分散された液体ストリームを供給する工程;
(c)ノズル・バレルのチップ端部に接続されるチップを通して液体ストリームを案内する工程であって、
チップは、垂直方向中心線、内側表面、外側表面、及びチップの内側表面を経てチップの外側表面へ延びる少なくとも3つの実質的に垂直な開口部を有しており、各開口部は所定の長さ及び幅を有しており、開口部の長さは幅よりも大きく、各開口部は、チップの内側表面の第1の中間点、及びチップの外側表面の第2の中間点、並びに第1及び第2の中間点を横切る線によって形成される中心長軸を更に有しており、各開口部の中心長軸とノズル・バレルの中心長軸との間に形成される角度θは0〜約75°である工程;並びに
(d)分散された液体ストリームをチップの開口部を通して案内し、フラットな扇形のスプレーを形成する工程
を含んでなる。
本発明の好ましい態様において、ノズル及びノズル・アッセンブリは、炭化水素フィードをアトマイズする流動接触分解装置において用いられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、適当な条件下において操作される場合に、微細な液体の小滴のフラットな扇形の噴霧パターンを形成するノズル及びノズルアセンブリを提供するものである。本発明のノズルのもう1つの特徴は、速度の小さい液体ストリームをアトマイズするのに特に有用であるということである。例えば、本発明のノズルは、適当な条件下において操作される場合に、300フィート/秒以下、より好ましくは200フィート/秒以下の速度を有する液体ストリームをアトマイズするのに効果的である。しかしながら、本発明のノズルは、300フィート/秒以上の速度を有する液体ストリームをアトマイズするために用いることもできる。ノズルは、流動接触分解装置の接触転化ゾーンの中へ液体炭化水素ストリームを供給するように構成されるのが好ましい。
【0014】
本明細書において、「液体ストリーム(liquid stream)」という用語は、アトマイズすべき液体、例えば炭化水素フィード等を含む種々のストリームを意味する。「分散媒」とは流体、一般にガス、例えばスチームを含有する流体を意味し、液体のアトマイズ化(atomization)を向上させるために用いられるものを意味する。「微細」とは、スプレーの中の液体小滴のソーター平均直径が、好ましくは300ミクロン(μm)以下、より好ましくは200ミクロン以下、及び最も好ましくは100ミクロン以下のものを意味する。「フラットな扇形」とは、スプレーにおける水平方向寸法の垂直方向寸法に対する割合が、ノズルバレルの長軸に垂直ないずれの断面で測定しても、好ましくは4:1以上、より好ましくは6:1以上、最も好ましくは8:1以上であることを意味する。
【0015】
本発明のノズルは、液体のストリーム及び分散媒を受け入れるノズルバレル、並びに少なくとも3つの実質的に垂直な開口部を有するチップを含んでいる。図面を参照すると、図面において同じ符号は同じ要素を指しており、図1は、本発明のノズルの1つの態様例を示しており、特にノズル1の端部を示している。ノズルの端部は円筒形状のバレル2、チップ端部6、チップ端部と反対側の入口端部3及び中心長軸4を有している。バレル2の端部は、アトマイズすべき液体ストリーム及び分散媒の混合物を含む分散された液体ストリーム10を受け入れる。分散された液体ストリーム10は、所定の厚さ8及び少なくとも3つの実質的に垂直な開口部(図示せず)を有するノズル・チップ14へ案内される。分散された液体ストリームはノズル・チップ14の開口部を通して案内される。
【0016】
ノズル・チップの開口部はフラットな扇形状のスプレーを形成するような形状となっている。図2のAは図1におけるノズル・チップ14の端面を示しており、開口部をより詳細に示している。図2のAにおけるノズル・チップ14は、垂直方向中心線20及び3つの長方形の開口部22を有しており、3つの開口部は、ノズル・チップ中心線20上に位置する中央開口部46、及び所定の間隔をおいて中央開口部46から離れている2つの第1の離隔開口部(first removed openings)48からなっている。各開口部22は、ノズル・チップ14の外側表面40に位置する垂直方向中心線21、開口部の垂直方向中心線21と平行な向きの長さ24、開口部垂直方向中心線21に対して垂直な方向の、ノズル・チップ14の外側表面40に位置する幅26を有する。図2のAにおける開口部22は、ノズル・チップ中心線20との関係で実質的に垂直である。「実質的に垂直」とは、開口部中心線21が、ノズル・チップ垂直方向中心線20に対して成す角φが0〜約30°(0°の角度は、平行及び好ましくは垂直のことである)、より好ましくは約0〜10°、及び最も好ましくは0〜5°であることを意味する。
【0017】
各開口部22は、開口部垂直方向中心線21とノズル・チップ垂直方向中心線20の間で測定して、ノズル・チップ垂直方向中心線20から所定の間隔23をおいて設けられる。図2のAに示される3つの開口部22は、2つの第1の離隔開口部48がそれぞれ反対側に位置して、ノズル・チップ垂直方向中心線20からほぼ等しい間隔をおいて配されるように、ノズル・チップの上で対称な形態に配されることが好ましい。
【0018】
図2のAのA−A線におけるノズル・チップ14の断面を図2のBに示す。図2のBにおいて、開口部は、フラットな扇形のスプレーを形成するような形状となっている。各開口部22は、対向するエッジ27A及び27B、並びに対向するエッジ28A及び28Bを有しており、エッジ27A及び27Bは、ノズル・チップ14の内側表面38において開口部22の長手方向に沿って(図示せず)延びており、また、エッジ28A及び28Bは、ノズル・チップ14の外側表面40において開口部22の長手方向に沿って延びている。エッジ27A及び28Aは、連絡表面29Aにより連絡されており、エッジ27B及び28Bは連絡表面29Bによって連絡されている。図2のBにおいて、連絡表面29A及び29Bは互いに平行であり、ノズルバレル2の中心長軸4との関係で角度を成さないように示されている。
【0019】
各開口部は、ノズル・チップ14の内側表面38において開口部22の中間点36から、ノズル・チップ14の外側表面における開口部22中間点34へ線を引くことによって形成される中心長軸32を有する。図2のBにおいて、各開口部の中心長軸はノズルバレルの中心長軸4との関係で0°に等しい角度を成す。特に、第1の離隔開口部48の中心長軸32は、ノズルバレル中心長軸4に対して平行であり、中央開口部46の中心長軸(図示せず)はノズルバレル中心長軸4と一致している。
【0020】
スプレーの水平噴霧角度を広げるためには、好ましくは少なくとも1つ及びより好ましくは少なくとも2つの開口部を、ノズルバレルの中心長軸との関係で角度を成すようにする。開口部は連絡表面(図2における29A及び29B)を角度付けすることによって角度を成すようにすることができる。連絡表面は、各開口部の中心長軸が、ノズル・チップの下流側で他のいずれかの開口部の中心長軸を横切ることがないようにする(即ち、開口部の中心長軸がノズル・チップの下流側で離れるようにする)限り、種々の形態にて角度付けすることができる。例えば、連絡表面は平行であってもよいし又は平行でなくてもよい。同様に、例えば、1つの連絡表面を角度付けし、反対側の連絡表面をノズルバレル中心長軸との関係で角度付けしないようにすることもできる。開口部の連絡表面は互いに平行であることが好ましい。
【0021】
開口部の中心長軸をノズル・チップの下流側で離れた状態とするためには、開口部の中心長軸とノズルバレルの中心長軸とによって形成される角度が、ノズル・チップ垂直方向中心線により近いところに位置する隣接する開口部よりも大きいか又は等しいように、連絡表面を角度付けすることが好ましい。スプレーの水平方向噴霧角度を少なくとも60°に角度付けすることが好ましく、より好ましくは少なくとも90°、最も好ましくは少なくとも120°に角度付けすることが好ましい。
【0022】
少なくとも2つの角度付けされた開口部を有する本発明の好ましいノズルを、図3のA及びBに示している。図3のAは、3つの完全に垂直な開口部22を有するノズル・チップ14の端面を示している。図3のBは、図3のAのB−B線におけるノズル・チップ14の断面図を示している。
【0023】
図3のAにおいて、中央開口部46は角度付けされていないが、第1の離隔開口部48はノズルバレル中心長軸4との関係で角度付けされている。図3のAの第1の離隔開口部48の角度付けは、ノズル・チップ14の内側表面(図示せず)における開口部の長さ24にわたって延びる対向するエッジ27A及び27Bが、ノズル・チップ14の外側表面40において対応するように形成される対向するエッジ28A及び28Bよりも垂直方向中心線22より近くなるように配されるようにして行っている。内側表面において対向するエッジ27A及び27Bは、連絡表面29A及び29Bによってノズル・チップ14の外側表面における対向するエッジ28A及び28Bに連絡されている。各開口部は、ノズル・チップ14の外側表面40において中間点34を有しており、ノズル・チップ14の内側表面においては中間点36を有している。中央開口部46の場合、ノズル・チップ14の外側表面40における中間点34は、内側表面における中間点(図示せず)に対応しており、それは中央開口部46が角度付けされていないためである。
【0024】
第1の離隔開口部48の角度付けは、図3のBにより良好に示されている。図3のBにおいて、第1の離隔開口部48の連絡表面29A及び29Bはノズル・チップ14の厚み8を通って延びており、ノズル・チップ14の内側表面38における対向するエッジ27A及び27Bを、ノズル・チップ14の外側表面40における対向するエッジ28A及び28Bに連絡させている。図3のBに示す角度付けされた対向する表面29A及び29Bは互いに平行である。
【0025】
図3のBにおいて各開口部は、ノズル・チップ14の内側表面38における開口部の中間点36とノズル・チップ14の外側表面40における開口部の中間点34との間に引かれる線によって形成される中心長軸32をも有している。中央開口部46の中心長軸(図示せず)は、ノズルバレルの中心長軸4と一致している。第1の離隔開口部48は、ノズルバレル中心長軸4との関係で(符号30で示す)角度θを成すように角度付けされている。好ましい態様では、図3のBに示すように、第1の離隔開口部48は、水平方向噴霧角を大きくするように反対側を向いて角度付けされている。より好ましくは、第1の離隔開口部は、対称に、反対側の向きに同程度の大きさの角度にて角度付けされていることが好ましい。
【0026】
図3のBにおいて中央開口部46は角度付けされていないが、中央開口部が0°から約15°の範囲の角度θを有するようにすることもできる。角度付けされた中央開口部が好ましいのは、ノズルバレル中心長軸から離れる方向にスプレーを排出することが望ましい場合、例えば接触分解ゾーンにおいて渦巻き流を形成しようとする場合などである。中央開口部を角度付けする場合、他の開口部の角度θは、開口部の中心長軸がノズル・チップの下流側で交差することを確実に防止するように調節することが必要であると考えられる。例えば、第1の離隔開口部を反対側の向きに同程度の大きさで角度付けすることは、そのことによって開口部の中心長軸が交差する現象が生じる場合には好ましくないこともあり得る。
【0027】
本発明のもう1つの好ましい態様において、各開口部の中心長軸32とノズルバレル中心長軸4との間の角度θは、ノズル・チップ垂直方向中心線20から開口部の距離23が大きくなるにつれて大きくなる。角度θが次第に大きくなる場合を図4に示している。図4は、5つの開口部を有するノズル・チップ14の断面図である。角度θの増大のしかたは対称であることが好ましい。例えば、第1の離隔開口部48は、ノズルバレル中心長軸と角度θ1をなすように反対側の向きに同様に角度付けされており、第2の離隔開口部50は、ノズルバレル中央長軸と角度θ2をなすように互いに反対側の向きに同じような角度にて角度付けされており、この場合はθ2はθ1より大きいことが好ましい。同様に、中央開口部は、ノズルバレル2の中央長軸4と一致する中央長軸(図示せず)を有しており、角度θ0が0°に等しい角をなすことが好ましい。
【0028】
ノズル・チップに5つ以上の開口部を設けることも可能であり、そのような場合には追加される開口部は第3の離隔開口部、第4の離隔開口部等と称される。そのような態様においては、ノズル・チップ垂直方向中心線から最も離れた開口部は最も大きな角度θを有し、最も離れた開口部に隣接する開口部は2番目に大きな角度θを有し、開口部の角度θはノズル中心線からの開口部の間隔23が小さくなるにつれて同様に小さくすることが好ましい。
【0029】
開口部の角度θの最大のものは0°〜約75°、より好ましくは0°〜約60°、最も好ましくは0°〜約45°であることが好ましい。角度付けされた開口部が約5°〜約75°、好ましくは約10°〜約60°の範囲の角度θを有することが好ましい。いずれかの2つの隣接する開口部についての角度の差(例えばθ2−θ1)は、約30°以下であることが好ましく、約20°以下であることがより好ましい。
【0030】
本発明の好ましい態様例において、ノズル・チップは5つの開口部を有しており、第1と第2の離隔開口部が角度付けされている。中央開口部は0°の角度θを有し、第1の離隔開口部は約10°〜約30°の角度θを有し、第2の離隔開口部は約30°〜約60°の角度θを有することが好ましい。
【0031】
開口部の角度付けに加えて、液体小滴のフラットな扇形のスプレーを形成することは、開口部の他の構成パラメータによっても向上させることができる。一般に、開口部の設計には、分散された液体ストリームの所望の質量流量及びノズル・チップを通る分散された液体ストリームを案内するのに利用する圧力降下を考慮する必要がある。「圧力降下」とは、ノズルに入る液体ストリームの圧力(即ち、「フィード側圧力」)と、ノズルから排出される媒体の圧力との間の圧力差を意味する。扇形スプレー(パターン)を形成する構成パラメータには、開口部の数、開口部の間隔及び開口部の寸法などが含まれる。
【0032】
ノズル・チップにおける開口部の数は、ノズル・チップを設けることができる最大の数を有する構成とすることが好ましいが、一方、開口部どうしの間隔は、ノズル・チップを通って流れる分散された液体ストリームの力に耐えることができる十分な強度を有するように、適当な間隔をおいて離すことが好ましい。そのような構成を取ることによって、液体に剪断作用を加える全表面(開口部の全周)が最大となる。ノズル・チップは少なくとも3つの開口部を有し、好ましくは約3〜約10個の開口部を有し、より好ましくは約3〜約7の開口部を有し、最も好ましくは5つの開口部を有する。開口部は、ノズル・チップ垂直方向中心線から所定の間隔を置いて離されている各開口部が、ノズル・チップ垂直方向中心線から等しい間隔をおいて、対向する(対となる)開口部がノズル・チップ垂直方向中心線の反対側に位置するように、ノズル・チップ中心線から対称な形態に間隔を置いていることが好ましい。1つの開口部がノズル・チップ垂直方向中心線に配され、残りの開口部はノズル・チップ垂直方向中心線から対称な形態に配されるというように、ノズル・チップ上に奇数の数の開口部を設けることがより好ましい。対称な形態で配される開口部に加えて、いずれかの隣接する2つの開口部どうしの間の間隔を、ノズル・チップの外側表面における隣接する開口部のエッジどうしの間で測定して、開口部の幅の約0.2〜約2.5倍であることが好ましい。(開口部中心線から開口部中心線までで測定して)2つの隣接する開口部の間隔の開口部の幅に対する割合は、約1.2〜約3.5、より好ましくは約1.3〜約2.2であることが好ましい。
【0033】
開口部の寸法に関しては、開口部の幅は、微細な液体小滴を形成し、系の圧力降下の制約内に止まるように選択することが好ましい。例えば、一般に、開口部の幅が小さくなるにつれて、液体小滴の平均寸法は小さくなる。しかしながら、開口部の幅が小さくなるにつれて、所定の数の開口部について、圧力降下が大きくなる。ノズル・チップの内側表面において測定して、開口部の幅のノズルバレルの内側直径に対する割合は、約0.01〜約0.30であることが好ましく、約0.05〜約0.25であることがより好ましく、約0.075〜約0.20であることが最も好ましい。
【0034】
開口部の幅は、ノズル・チップ垂直方向中心線に関しての開口部の配置に応じて変化させ、均一な扇形のスプレーの分布を形成するようにすることが好ましい。いくつかの好ましい態様例がある。図5は、1つの好ましい態様例を示している。
【0035】
図5は、ノズル・チップ垂直方向中心線22から対称に配されている、5つのスロット形状の開口部22を有する好ましいノズル・チップ14の端面を示している。ノズル・チップ垂直方向中心線22に設けられる開口部は中央開口部46であり、幅W0を有する。ノズル・チップ垂直方向中心線20の最も近くに配されている開口部は第1の離隔開口部48であって、幅W1を有しており、ノズル・チップ垂直方向中心線20から最も離れている開口部は第2の離隔開口部50であり、幅W2を有している。ノズル・チップの内側表面(図示せず)において測定した場合の幅を用いている。図5に示されているように、第1の離隔開口部及び第2の離隔開口部も、図4に示す開口部と同様に角度付けされている。
【0036】
図5に示す態様例において、開口部のノズル・チップ垂直方向中心線20からの距離23が大きくなるにつれて、開口部の幅は小さくなっている。言い換えると、開口部の幅は、外側に行くにつれて、又はノズル・チップ垂直方向中心線20からより離れるにつれて、小さくなっている。例えば、中央開口部46は最も大きな幅を有しており、1番目の離隔開口部48は2番目に大きな幅を有しており、2番目の離隔開口部50は最も小さな幅を有している(即ち、W0>W1>W2となっている。)。同様に、開口部の幅は、第1の離隔開口部どうしが同じ幅を有しており、第2の離隔開口部どうしが同じ幅を有するように対称となっている。このような構成は、一様な液体フラックス(flux)(即ち、断面積に対する質量流量)がスプレーの幅全体にわたって必要とされる場合に特に好ましい。
【0037】
もう1つの好ましい態様例(図示せず)では、第1の離隔開口部48は最も大きな幅を有しており、中央開口部46は2番目に大きな幅を有しており、第2の離隔開口部50は最も小さい幅を有している(即ち、W1>W0>W2である。)。 ノズルに更に開口部を設けることが望ましい場合、2番目の離隔開口部から始めて開口部の幅を次第に小さくして、最も遠い離隔開口部は最も小さな幅を有するようにすることが好ましい。(この関係はW2>W3>W4・・・で表される。)。そのような開口部の幅の構成は、スプレーの外側縁部よりも、スプレーの中央領域に高い液体フラックスが必要とされる場合に好ましい。例えば、そのような構成は、複数のオーバーラップするスプレーを用いるような場合に好ましいことがある。
【0038】
更にもう1つの好ましい態様例(図示せず)では、中央開口部が最も小さな幅を有しており、ノズル中心線からの開口部の距離が大きくなるにつれて開口部の幅は徐々に増大している。この関係はW2>W1>W0である。この態様は、スプレーの外側縁部に内側よりもより高い液体フラックスが必要とされる場合に用いることが好ましい。
【0039】
開口部の幅を変化させるいずれの場合においても、ノズルバレル内側直径の約0.05〜約0.30、より好ましくは約0.10〜約0.20倍の幅をいずれかの開口部の最大の幅とすることが好ましい。いずれかの開口部の最小の幅は、ノズルバレル内側直径の約0.05〜約0.20倍、より好ましくは約0.075〜約0.15倍であることが好ましい。
【0040】
開口部の長さは、約30°以下の垂直噴霧角度を有するスプレーを形成し、ノズルの圧力降下の制約内で操作されるように選択することが好ましい。垂直形状の開口部を形成するためには、幅よりも長さを大きくする。開口部の長さの開口部の幅に対する割合は少なくとも約3:1であることが好ましく、少なくとも約4:1であることがより好ましく、約5:1〜約10:1とすることが最も好ましい。開口部は、ノズル・チップ垂直方向中心線からのそれらの距離に応じて長さを変えることができる。例えば、ノズル・チップ垂直方向中心線により近い開口部をより長くして、ノズル・チップ領域を十分に利用し、圧力降下を最小とすることができる。ノズル・チップ上のすべての開口部が同じ長さとすることが好ましい。
【0041】
ノズル・チップ内側表面及び外側表面において開口部の長さ及び幅を規定するエッジ部は、分散された液体ストリームを液体小滴に剪断する(分ける)ためにシャープであることが好ましい。「シャープ」とは、ノズル・チップの内側表面及び外側表面において尖ったエッジ部を形成するように開口部を機械加工することを意味しており、エッジ部が丸みを帯びないことが好ましい。また、開口部は、長さの寸法が幅の寸法よりも大きく、水平方向についてフラットな扇形のスプレーが形成されるのであれば、種々の幾何学で形状をとることができる。好適な幾何学的形状には、例えば、四角形、端部が丸いスロット、延びた菱形及び長円形などが含まれる。
【0042】
図1〜5に示される態様はフラットな形態のノズル・チップを有しているが、チップ表面を外側に凹ませる(concave outside)ことも可能であり、そうすることが好ましい場合もある。外側に凹んでいるチップは、表面積を増大させるという利点を有しており、それによって多くの開口部を設けることができる。外側に対して凹形状であるチップは、特定の形状のエリアをより均一にカバーすることができ、又は所望の液滴寸法の分布とすることができる。ノズル・チップは種々の外側に凹んでいる形状とすることができる。例えば、その形状は、浅い半球形又は半球形等の均一な形状であってもよいし、あるいは均一ではない形状、例えば、垂直線に沿って2又はそれ以上のフラットな表面が連結する、例えば折り曲げられたディスクの形態のような均一でない形状であってもよい。
【0043】
ノズル・チップの厚さは、分散された液体ストリームの力に耐え得る最小の厚さとすることが好ましい。ノズル・チップの厚さの最も小さい開口部の幅に対する割合は、約2.0に等しいか又はそれ以下であることが好ましく、約1.5に等しいか又はそれ以下であることがより好ましく、約1.0に等しいか又はそれ以下であることが最も好ましい。
【0044】
図1〜5に示すような円筒形状の導管を有するノズルを形成することに加えて、他の幾何学的形状の導管を用いることもできる。例えば、四角形、長円形、又は多角形の幾何学的形状のものを使用することもできる。
【0045】
本発明のノズルは、均一に混合された分散液体ストリームを形成するための液体ストリーム及び分散媒を混合する手段を、ノズル・チップの上流側に有することが好ましい。「均一に混合」とは、 液体と気体の点別の容量フラクションがノズルの断面領域にわたってかなりの均一性を有することを意味する。例えば、液体ストリームは、分散媒の中を帯状又は大きい若しくは小さな液滴状に分配され得る。分散された液体ストリームが均一に混合されならば、液体ストリームと分散媒の混合にはそれに適する種々の手段を用いることができる。
【0046】
本発明のノズルに用いることができる好ましい混合デバイスを図6に示す。図6において、ノズル98は、イニシャル・アトマイザー100、拡張領域114、ノズルバレル2を有している。イニシャル・アトマイザー100は、入口102を通る分散媒126のストリームを受け入れるための第1の導管108、及び、入口120を通る液体ストリーム128を受け入れるための第2の導管106を有している。第1の導管は円筒形状であって、第2の導管の中心長軸(図示せず)と一致する中心長軸130を有しており、ノズルバレルの中心長軸4と整列している。第2の導管の少なくとも一部は第1の導管の中に位置しており、第2の導管の外側表面135と第1の導管の内側表面137との間に分散媒126のための環状の流路を形成している。第1の導管の内径は、第2の導管の外径の約1.1〜約2.5倍であることが好ましい。
【0047】
液体ストリーム128及び分散媒126は、第2の導管の壁部134に設けられている複数のパーフォレーション(穿孔)112を通して分散媒を案内することによって混合される。液体ストリーム128はイニシャル・アトマイザー100の出口124を液体が通過する際に、分散媒と激しく混合され、分散された液体ストリーム126を形成する。
【0048】
第2の導管106のパーフォレーション112は第2の導管の壁部134に直角にドリルで孔あけされたものでよい。パーフォレーション112をイニシャル・アトマイザー出口124の1/2インチの範囲内に設けることも好ましい。より好ましい態様(図示せず)では、2列のパーフォレーション112が設けられ、各列は第2の導管の壁部134の周囲にほぼ均一に配される8個のパーフォレーションを有している。所望する場合には、パーフォレーション112をイニシャル・アトマイザー出口124の下流側に移すこともできるし、又は液体ストリームと分散媒126を混合するための追加的手段、例えば第2の導管の中に配されるチューブなどを追加的に設けることもできる。
【0049】
出口124からの分散された液体ストリーム116は拡張領域114の中へ排出される。円筒形状の第2の導管及び第1の導管を用いる場合には、拡張領域114は、円錐を逆さにして先端部を切り取ったような領域を有することが好ましい。拡張領域114の入口120における内径が、イニシャル・アトマイザー出口124の内径に等しいか又はそれに近い寸法を有することが好ましい。拡張領域114の出口138の直径は、ノズルバレルの入口端部3におけるノズルバレル2の直径とほぼ等しい直径であることが好ましい。拡張領域の壁部143は、第1の導管108の壁部139との間で角度αをなし、αの角度は約5°〜約30°であることが好ましく、約10°〜約25°であることがより好ましく、約15°であることが最も好ましい。拡張領域は、より複雑な幾何学的形状を有していてもよく、例えばベンチュリーメータ又はキャブレータに用いられる形状であってもよいが、そのような形状は製造が困難でありコストが高くつく。
【0050】
本発明のノズルに用いることができる好ましい他の混合デバイスは、米国特許第5,289,976号及び5,306,618号(いずれもDouら)(以下、「Dou」と称する。)に開示されており、引用することによってその全体をこの明細書に包含する。Douは、ノズルの一部である混合デバイスを開示している。Douは、図6に示すものと似ているイニシャル・アトマイザー及び拡張領域、並びに拡張領域の中に配される衝突プラグを有する混合デバイスを開示している。。好ましい態様では、Douの混合デバイスは図6に示すような衝突プラグを伴わずに用いられている。
【0051】
図6の混合デバイス又はDouにおいて、拡張領域の出口138とノズル・チップ14との間のノズルバレル2の長さ141は、分散された液体ストリームを十分に減速させて、バレルのより大きな断面領域の部分の中へ導くのに十分な長さである。好ましくは、拡張領域の出口とノズル・チップとの間のノズルバレルの長さは、拡張領域への出口における内径の少なくとも約1.5倍、より好ましくは約2.0〜4.0倍である。
【0052】
他の好適な混合デバイスであって、本発明のノズルの中に含み得るものには、例えばスパイラル・ミキサー、ベーンパック(vane pack)、静的ミキサー(static mixer)、又はこれらの組合せ等がある。1又はそれ以上の混合デバイスをノズルの外部に設け、分散された液体ストリームをノズルに供給することもできる。しかしながら、混合デバイスはノズルの一部に含ませることが好ましい。
【0053】
選ばれる混合デバイスに応じて、ノズル・チップに接近する分散された液体ストリームは残存する渦巻き動作を有し得る。好ましくは、この残存する渦巻き動作は、ノズル・チップに達しつつある分散された液体ストリームがノズル・チップに到達する前に除去される。例えば、ミキシングデバイスの下流側に整流壁(straighting vane)を設けて残存する渦巻き動作を除くことができる。
【0054】
ノズルは、ノズル・チップを含めて、FCC接触分解装置の操作の間にノズルがさらされる温度、圧力及び化学物質に耐えることができるような材料によって形成することができる。例えば、ノズル・チップは、FCC接触分解装置のライザー内で触媒の摩耗及び温度に耐える材料により形成する必要がある。
【0055】
本発明の方法において、液体ストリーム及び分散媒を含む分散した液体ストリームは、本発明のノズルの少なくとも一部を通り、ノズル・チップの開口部を通って案内され、扇形のスプレーを形成する。分散された液体ストリームは、ノズル・チップに達する前に均一に混合される。好ましい態様において、液体ストリーム及び分散媒は混合デバイスを用いてノズル内で混合され、分散された液体ストリームを形成する。上述したように、分散された液体ストリームをノズル・チップに達する前に均一に混合することができる限り、種々のデバイスを用いることができる。例えば図6に示すように、混合デバイスはイニシャル・アトマイザー領域及び拡張領域を有することが好ましい。
【0056】
ノズルから排出される液体ストリームに対する分散媒の割合は、液体ストリームの適当なアトマイズ化がもたらされるように調節する。ノズルから排出される液体ストリームの全重量を基準とする分散媒の量は、約0.5重量%〜約5.0重量%であることが好ましく、約1.0重量%〜約3.5重量%であることがより好ましい。
【0057】
本発明の方法において有用な液体ストリームは、アトマイズすべき液体を含む種々のストリームである。液体ストリームは、場合により、アトマイズ化を向上させる添加物、例えば界面活性剤などを含み得る。液体ストリームは、少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%の液体を含むことが好ましい。
【0058】
本発明の方法の好ましい態様において、液体ストリームは接触分解すべき炭化水素フィードである。炭化水素フィードは、工業的流動接触分解装置の中で一般に処理される種々のフィード原料のであってよい。使用すべき炭化水素フィードは、少なくとも400゜F、より好ましくは約400゜F〜1000゜Fの温度の沸点を有するものであることが好ましい。そのような炭化水素フィードには、例えば、直留軽油、サイクル軽油、減圧原油及び残油等がある。
【0059】
分散媒は、液体ストリームを分散させるのに効果的な種々の気体含有ストリームであってよい。分散媒は、分散媒の全重量を基準として、少なくとも75重量%、より好ましくは約90〜100重量%の気体を含むことが好ましい。分散媒は、例えば、スチーム、空気、燃料ガス、ブタン、ナフサ、その他の気体状炭化水素、窒素又は不活性ガス、例えばアルゴン若しくはヘリウム又はこれらの混合物であってよい。好ましくは分散媒はスチームである。
【0060】
本発明のノズルは、少なくとも3個、より好ましくは約6〜8個のノズルを含むノズルアセンブリにおいて用いることが好ましい。ノズルアセンブリにおいてノズルは、噴霧すべき断面領域の周囲に放射状に配することが好ましい。ノズルを、噴霧すべき断面領域の周囲にほぼ等しい角度の間隔をおいて分布させることも好ましい。好ましい態様の1つでは、ノズルは、各ノズルからのスプレーがオーバーラップし、及び/又は、それ以上の他のノズルからのスプレーと交差するように配する。ノズルを、各ノズルからのスプレーがそれに隣接するノズルのスプレーとオーバーラップし、反対側のノズルからのスプレーと交差するようにすることがより好ましい。
【0061】
本発明のノズル及びノズルアセンブリは、液体をフラットな扇形のスプレーにアトマイズすることが望まれる種々の用途において用いることができる。例えば、本発明のノズルは、液体反応物を種々の型の反応容器の中へ噴霧したり、液体添加物を広い領域に(例えば、消泡化学薬品などを発泡層上に)分散させること、冷却液体を気相中へ噴霧すること、又はアトマイズした水を消火の目的で供給することなどに用いることができる。本発明の好ましい態様において、ノズル及びノズルアセンブリは炭化水素フィードを接触分解装置の中へアトマイズするために用いられている。本発明のノズルは、ライザー接触転化領域又は濃厚流動床反応装置などの中へ炭化水素フィードを噴霧するのに用いることが好ましい。炭化水素フィードをライザー接触転化領域の中へ噴霧することにノズルを用いることがより好ましい。
【0062】
本発明のノズルアセンブリに好ましい構成を図7のA及びBに示している。図7Aは、本発明のノズルアセンブリ232を示しており、これはFCC反応装置190のライザー領域200に取り付けられている。ノズル234はライザー200の中へ角度βだけ僅かに上向きに取り付けられている。角度βはライザーの垂直中心軸228とノズルバレル中心長軸4との間の角度として規定される。角度βは、約10°〜約90°であるのが好ましく、約10°〜約180°であるのがより好ましく、約10°〜約45°であるのが最も好ましい。
【0063】
ノズル234から再生触媒移送ライン245への垂直方向の距離240は、ライザーにおけるベース部分のシャープなベンド付近を通過した後のライザーの断面領域にわたって、流動化された触媒ストリームに非常に均一な速度プロファイルを形成させるように選択する。垂直方向の距離240は、好ましくはライザーの内径の少なくとも約1.0〜約1.5倍であり、より好ましくは少なくとも約2.0〜約4.0倍である。垂直方向の距離240は、図7Aに示すように、ノズルバレル2の中心長軸4から、ライザー200の内側壁部220における再生された触媒移送ライン245の中心長軸247までで測定される。本発明のノズルアセンブリは、シャープなベンドを有さないライザーの中で用いることもでき、そのようなライザーの中では、触媒は滑らかに湾曲したベンドを通って炭化水素フィード注入領域へ達する。
【0064】
図7Bは、ライザーを垂直方向下向きに観察した場合のノズルアセンブリ232の平面図を示している。図7Bにおいて示されているように、ノズルアセンブリ232は放射状に取り付けられたノズル234を6個有しており、それぞれのノズルは1つのノズル234について5つの開口部を有している。各ノズルは、ライザーの中へ半径方向の距離222だけ最小量で突出することが好ましく、傾斜角βに拘わらず、ライザー内壁部220の内側にノズル・チップ全体が確実に位置するのに十分な大きさとして距離222は選ばれる。ノズル234は、ノズル・チップ内の開口部(図示せず)の長さがライザー垂直長軸228との関係で実質的に垂直であるように配向される。既に説明したように、ノズル・チップにおける開口部のこの配向によって、水平方向の扇形のスプレーが得られる。開口部のそのような配向によって、フラットな扇形スプレーが生じることは期待されておらず、従来においては、ライザーの長軸との関係で水平方向の開口部がフラットなスプレーを形成するために一般的に用いられていた。理論的に拘束する意図はないが、これはそのような形に造形されることによるのではなく、ノズル・チップの内側表面及び外側表面における開口部の垂直エッジ上を液体ストリームが通過する際に生じる剪断作用によって、実質的に垂直な開口部によりフラットな水平方向なスプレーが形成されると考えられる。
【0065】
図7Bのノズルは、ライザーの周囲に配されており、各ノズルは隣接する2つのノズルのスプレーと交差するようにスプレー246を形成する。そのような構成によって、個々の混合セル248は炭化水素フィードと固体触媒との横方向の混合が促進される。図7Bから観察することができるように、各ノズルは、中央スロットからの液体ストリームスプレーがライザーの内の内側へ放射状に向けられて配向されており、一方、第1及び第2の離隔開口部のスロットの液体ストリームスプレーはライザーの中心方向からそれた向きに向けられる。各ノズルからのスプレーが中心方向へ向けて及び中心からそれる方向へ向けられることによって、ライザー全体を「クロスハッチ(crosshatch)」する(線が交差する)ようなスプレーが形成され、固体触媒と炭化水素フィードとを接触させるための界面領域が最大となる。
【0066】
放射状に取り付けられるノズルに加えて、ノズルを軸方向に設けることも可能であるが、フラットな扇形のスプレーは半径方向(放射状)に排出される場合にライザーの断面領域をより効果的にカバーするので、そのような構成はあまり好ましいものではない。
【0067】
【実施例】
本発明のノズルは、微細な液滴の扇形のスプレーを形成することの有効性を調べる試験をした。チップが内径6インチのノズル及び図4のノズルと同様のノズルを、種々のノズル・チップとともに試験した。ノズルはlathedアクリル系チューブから形成した。形状、開口部の数、開口部の配向及び開口部の寸法を変えた代わりのノズル・チップを、標準的なネジ付きPVCパイプキャップ、フラットなメタルディスク又はLEXAN(登録商標)ディスクなどで形成した。ディスクは、ノズルの周囲に保持して配置し、ネジ山付のPVCカラーによって支持した。
【0068】
水及び空気を用いて、FCC装置の中のにおける(液体ストリームとしての)炭化水素フィード及び(分散媒としての)スチームの混合物をアトマイズするシュミレーションを行った。水及び空気の流量は、適当な流体力学群を組み合わせることによって、スチーム及び炭化水素フィードの2相の真の混合物の流動挙動が正確に再現されるように選択した。空気は、フィン−ファン・アフター・クーラーにより10°Fの周囲温度に冷却した後、約50ポンド/平方インチ(ゲージ圧(psig))の入口圧力にてノズルへ供給した。水は約60°Fの周囲温度、及び20psig〜30psigの圧力にてノズルへ供給した。
【0069】
ノズルアセンブリはスチール・スタンドに水平方向にストラップし、スプレーを水平方向に排出するためのコンクリート重量(concrete weights)によって逆方向の推力に逆らわせて静置した。ノズルの長さ方向に沿う種々の位置において静圧をモニターした。
【0070】
ノズルから排出される分散液体ストリームの液滴寸法は、Greenfield Instruments, Inc.から供給されるModel 700 Spray Analysis Systemを用いて測定した。分析装置は、スプレーをサンプリングする前に液滴の平衡生成を確保し、大規模なFCCライザーの半径方向の間隔に近くなるように、ノズル・チップから32インチの所に配設した。瞬間的液滴集団のイメージ(image)を捕捉することによって分析装置は作動し、その後ピクセル(pixel)に関してコンピュータによって定量した。ソーター平均直径(Sauter mean diameter)(即ち、全液滴集団と同じ体積対表面積比を有する球の直径)を測定するソフトウェアによって、液滴について体積及び表面積を測定した。
【0071】
各実験において、試験すべきノズル・チップをノズル上に取り付け、空気及び水の流量を、ノズル当たりの炭化水素フィードの1日当たり12500バーレルの混合物、及び炭化水素フィードの重量基準で、3.2重量%のスチームをシミュレートするように調節した。定常的な条件が一度達成されたら、ノズルの長さ方向に沿って圧力を記録し、スプレー・パターンを観察した。同様に、ノズルから排出される分散された液体ストリームの液滴寸法を測定した。以下の液滴に関するデータ収集に続いて、圧力プロファイル及び流量に著しい変動が確実にないように再度チェックした。
【0072】
試験した種々のノズル・チップの寸法(dimension)を表1に示す。表1に示す場合において、ノズル・チップ開口部はスロット形状とし、ノズルの中心線から左右対称に配設した。試験したノズル・チップの厚さは3/8インチから1/2インチの範囲であった。
【0073】
【表1】
Figure 0004322341
1 実施例、C1及びC2は比較例
2 Hは、開口部がノズル中心線との関係で水平方向に配されていることを意味しており、Vは、開口部がノズル中心線との関係で垂直方向に配されていることを意味する。
3 角度φは、開口部中心長軸とノズル・バレル中心長軸との間の角度である。角度φ0は、ノズル中心線上に配されている開口部の角度であり、φ1は第1の第1の離隔開口部の角度であり、φ2は第2の離隔開口部の角度である。
4 幅は、開口部の短い方の寸法である。垂直な開口部について、幅はノズル・チップの垂直方向中心線に対して垂直な向きであり、水平な開口部について、幅はノズル・チップ垂直方向中心線に対して平行な向きである。W0はノズル中心線における開口部の幅であり、W1は第1の離隔開口部の幅であり、W2は第2の離隔開口部の幅である。
5 長さは、開口部のより長い寸法である。垂直な開口部について、長さはノズル・チップ垂直方向中心線との関係で平行な向きであり、水平な開口部について、長さはノズル・チップ垂直方向中心線との関係で垂直な向きである。
6 ノズル・チップの形状: キャップは、外側に凹んでいる半球形である。ディスクは、ノズル・バレルの中心長軸との関係で垂直であり、かつフラットである。
7 間隔は、チップの外側表面に沿って測定した、隣接する開口部どうしの間におけるエッジとエッジとの距離である。S1は、中央開口部と第1の離隔開口部との間の距離であり、中央開口部が存在しない場合には、S1は2つの第1の離隔開口部の間の距離である。S2は、第1の第1の離隔開口部と第2の第1の離隔開口部との間の距離である。
【0074】
試験したノズル・チップの結果を表2に示す。表2において、実施例3〜実施例11から理解されるように、本発明のノズルは、液体ストリームを微細な液滴の扇型スプレーへアトマイズするのに有効である。比較例では、水平に配向される開口部(比較例C1及びC2)によって、より大きな液滴及びより小さな水平方向噴霧角を有するスプレーのパターンが得られた。更に、単一の水平方向に配向される開口部(比較例C1)によれば、丸い形態のスプレーが得られ、一方、実施例3〜11のノズルのスプレーは、比較的フラットであり、扇型の形態となっていた。実施例3〜5において、ノズル・チップ上の全ての開口部は、開口部の中心長軸とノズル・バレルの中心長軸との間の角度θが0°であった。実施例6〜11では、実施例3〜5に比べて、ノズル・チップ垂直方向中心線からの開口部の距離が増大するにつれて、開口部の角度θが徐々に増大していた。実施例6〜11の結果は、実施例3〜5と比較して、ノズル・チップ垂直方向中心線からの開口部の距離が増大するにつれて、開口部の角度θが増大することによって、水平スプレー角も増大し得ることを示している。
【0075】
【表2】
Figure 0004322341
Figure 0004322341
8 圧力降下は、ノズルから大気圧へ排出する場合における、図6の第2の導管の入口において測定した液体ストリームの静圧である。
9 ソーター平均液滴直径。
10 ノズル・バレル中心長軸を含む水平面内でスプレーによって定まる角度。
【0076】
本発明を好ましい特定の態様について説明したが、これらの構成について種々の変更を加えたり、変形させたりし得ることは当業者には明らかな事項である。明細書における記載事項は、本発明を説明するためのものであって、これによって本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のノズルの端部を示す図である。
【図2】 Aは、図1に示すノズル・チップの端面図である。Bは、AにおけるノズルのA−A線についての断面図である。
【図3】 Aは、本発明のノズルの別の態様の端面図である。Bは、AにおけるノズルのB−B線についての断面図である。
【図4】 本発明のノズルの別の態様における断面図である。
【図5】 本発明のノズルの別の態様における端面図である。
【図6】 液体及び分散媒を混合するノズル・チップの上流側に混合デバイスを有する、本発明のノズルの側面図である。
【図7】 Aは、FCC装置のライザー領域において用いる本発明のノズル・アッセンブリである。Bは、Aのノズル・アッセンブリの平面図である。
【符号の説明】
1…ノズル、
2…バレル、
3…入口端部、
4…ノズルバレル中心長軸、
6…チップ端部、
8…ノズル・チップの厚さ、
10…液体ストリーム、
14…ノズル・チップ、
20…ノズル・チップ垂直方向中心線、
21…開口部垂直方向中心線、
22…ノズル・チップ垂直方向中心線、
23…間隔、
24…開口部の長さ、
26…開口部の幅、
27A、27B、28A、28B…エッジ、
29A、29B…連絡表面、
30…中間点、
32…開口部の中心長軸、
34…中間点、
36…中間点、
38…内側表面、
40…外側表面、
46…中央開口部、
48…第1の離隔開口部、
50…第2の離隔開口部、
98…ノズル、
100…アトマイザー、
102…入口、
106…第2の導管、
108…第1の導管、
112…パーフォレーション、
114…拡張領域、
116…液体ストリーム、
120…入口、
124…アトマイザー出口、
126…分散媒、
128…液体ストリーム、
130…第1の及び第2の導管の中心長軸、
134…壁部、
135…外側表面、
135…中心長軸、
137…内側表面、
138…拡張領域の出口、
139…第1の導管の壁部、
141…ノズルバレルの長さ、
143…拡張領域の壁部、
190…反応装置、
200…ライザー、
220…ライザー内壁部、
222…距離、
228…ライザー垂直長軸、
232…ノズルアセンブリ、
234…ノズル、
240…距離、
245…再生触媒移送ライン、
246…スプレー、
247…再生触媒移送ラインの中心長軸、
248…混合セル。

Claims (19)

  1. 噴霧すべき領域の周囲に放射状に配設される少なくとも3つのノズルを有する、液体ストリームをアトマイズするためのノズル・アッセンブリであって、
    各ノズルが、
    (a)中心長軸、入口端部及びチップ端部を有し、液体ストリーム及び分散媒を受け入れるノズル・バレル;
    (b)垂直方向中心線、内側表面及び外側表面を有し、ノズル・バレルのチップ端部に接続されるチップ;並びに
    (c)チップの内側表面を通ってチップの外側表面へ延び、所定の幅を有し、液体ストリームの扇形の噴霧スプレーを形成する実質的に垂直な少なくとも3つの開口部を有してなり開口部の長さは幅よりも大きく、各開口部は、チップの内側表面の第1の中間点、及びチップの外側表面の第2の中間点、並びに第1及び第2の中間点を横切る線によって形成される中心長軸を更に有しており、各開口部の中心長軸とノズル・バレルの中心長軸との間に形成される角度θは0〜約75°であることを特徴とするノズル・アッセンブリ
  2. 開口部の中心長軸が、ノズル・チップの下流側で離れている請求項1記載のノズル・アッセンブリ
  3. 少なくとも2つの開口部が、0°より大きい角度θを有する請求項1記載のノズル・アッセンブリ
  4. チップ垂直方向中心線からの距離が増大するにつれて、開口部の角度θが増大する請求項1記載のノズル・アッセンブリ
  5. チップが、約3〜約10個の開口部を有する請求項1記載のノズル・アッセンブリ
  6. チップが5個の開口部を有する請求項1記載のノズル・アッセンブリ
  7. 開口部がスロット形状である請求項1記載のノズル・アッセンブリ
  8. 開口部の長さの幅に対する割合が約3:1〜約10:1である請求項1記載のノズル・アッセンブリ
  9. チップ垂直方向中心線からの開口部の距離が増大するにつれて開口部の幅が減少するか、又チップ垂直方向中心線からの開口部の距離が増大するにつれて開口部の幅が増大する請求項1記載のノズル・アッセンブリ
  10. 1つの開口部がチップ垂直方向中心線上に位置し、残りの開口部がチップ中心線から対称に配される請求項1記載のノズル・アッセンブリ
  11. チップ垂直方向中心線から第1の離隔開口部が最も大きな幅を有しており、中央開口部は2番目に大きな幅を有する請求項10記載のノズル・アッセンブリ
  12. ノズルが少なくとも5つの開口部を有しており、第1の離隔開口部よりも離れている開口部の幅は、開口部のチップ垂直方向中心線からの距離が増大するにつれて、減少する請求項11記載のノズル・アッセンブリ
  13. チップがフラットなディスクの形状又は外側に凹んでいる形状である請求項1記載のノズル・アッセンブリ
  14. ノズルが混合デバイスを更に有しており、
    混合デバイスは、
    (i)内側表面と、入口と、ノズル・バレル中心長軸位置合わせされている中心長軸を有し、分散媒を受け入れる第1の導管と、外側表面と、入口端部と、出口端部と、ノズル・バレル中心長軸位置合わせされている中心長軸を有し、液体ストリームを受け入れる第2の導管を有しており、第2の導管には、分散媒を第2の導管の内部へ向かわせる放射状に配される複数のパーフォレーションが設けられており、第2の導管の少なくとも一部は第1の導管の中に位置して、分散媒のための少なくとも1つの流路を、第2の導管の外側表面と第1の導管の内側表面との間に形成しているイニシャル・アトマイザー;並びに
    (ii)入口端部出口端部を有し、入口端部から出口端部へ断面積が徐々に拡大している拡張領域であって、拡張領域の入口端部は第2の導管の出口端部に接続されており、拡張領域の出口端部はノズル・バレルの入口端部に接続されている拡張領域
    を更に有することを特徴とする請求項1記載のノズル・アッセンブリ
  15. アッセンブリは、少なくとも6つのノズルを有してなり、流動接触分解装置のライザーに取り付けられている請求項1記載のノズル・アッセンブリ。
  16. 液体ストリームをライザーの接触転化ゾーンにアトマイズする方法であって、
    (a)液体ストリームと分散媒とを混合して、分散された液体ストリームを形成する工程;
    (b)ライザーの接触転化ゾーンの周囲に放射状に配設された少なくとも3つのノズルを有し、各ノズルが長軸、入口端部及びチップ端部を有するノズル・バレルを有しているノズル・アッセンブリを通して、液体ストリームを供給する工程;
    (c)ノズル・バレルのチップ端部に接続されるチップを通して液体ストリームを案内する工程であって、前記チップは、垂直方向中心線、内側表面、外側表面、及びチップの内側表面を通ってチップの外側表面へ延びる少なくとも3つの実質的に垂直な開口部を有しており、各開口部は所定の長さ及び幅を有しており、開口部の長さは幅よりも大きく、各開口部は、チップの内側表面の第1の中間点、及びチップの外側表面の第2の中間点、並びに第1及び第2の中間点を横切る線によって形成される中心長軸を更に有しており、各開口部の中心長軸とノズル・バレルの中心長軸との間に形成される角度θは0〜約75°である工程;並びに
    (d)分散された液体ストリームをチップの開口部を通して案内し、フラットな扇形のスプレーを形成する工程
    を含んでなる方法
  17. なくとも2つの開口部が、0°よりも大きい角度θを有する請求項16記載の方法
  18. 液体ストリームと分散された分散媒とを別々にノズル・アッセンブリへ供給する工程を更に有してなり、液体ストリームと分散媒とをノズルの中で混合する請求の範囲16記載の方法。
  19. 噴霧すべき領域がライザーの接触転化ゾーンである請求項1記載のノズル・アッセンブリ。
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