JP4321123B2 - Tin-plated steel sheet with excellent solderability - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、家電製品のシャーシーや部品ケース等に用いられる半田付け性を要求される鋼板に関するものであって、特に、Pbを全く含まないPbフリー半田に対する濡れ性に優れた錫めっき鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、オーディオ製品やパソコン等の家電製品においては、Pb−Sn合金半田を用いた接合が行われてきたが、この半田中のPbが人体に有害であることからPbの使用が規制され、Pbを使わないPbフリー半田に切り替えられてきている。家電製品のシャーシーや部品ケースには、従来のPb−Sn半田付け性に適したPb−Sn合金めっき鋼板が使われていたが、Pb使用規制に対応するためPbを使用せずにPbフリー半田付け性に優れる新たな鋼板が求められている。
【0003】
さらに、従来のPb−Sn合金めっき鋼板では、表面にクロメート処理がなされているが、家電業界では有害な6価Crを使用しない方向にあるため、新たな半田付け用の鋼板にはクロメート処理以外の化成処理を使用することが望まれている。
【0004】
Pbを使わない半田付け用の鋼板としては、例えば、特許文献1および2に記載されているように、鋼板上に形成したSn−Zn、Zn−Ni、Sn−Ni、Fe−Niを主体とする皮膜上にクロメート皮膜を形成した鋼板がある。
【0005】
【特許文献1】
特公平6−99837号公報
【特許文献2】
特公平6−33466号公報
【0006】
しかしながら、上掲特許文献1および2に記載された鋼板はいずれも、Znを使用しているためにPbフリー半田付け性に劣り、またクロメート皮膜を有するために家電業界には受け入れられないものである。
【0007】
また、特許文献3には、SnめっきまたはSn合金めっきの表面にCrを含有させず、Siを含有する後処理皮膜を有する表面処理鋼板が開示されているが、鋼板とSnめっき層との間にFe−Sn合金層を有するものではないため、鋼板とSnめっき層との密着性が悪く、またPbフリー半田付け性にも問題があった。
【0008】
【特許文献3】
特開2001−32085号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、環境上の問題から望ましくないとされるPbおよびCrを使用することなく、Pbフリー半田付けにおける濡れ性に優れ、また耐食性およびホイスカー性にも優れた錫めっき鋼板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決しようとするための手段】
以下にこの発明をさらに詳細に説明する。
Pb−Sn合金半田は、37%Pbを含有するもので融点が184℃と低いが、Pbフリー半田は、主流となりつつあるSn−3.5%Ag−0.75%Cu合金半田は融点が219℃と高いため、Pb−Sn合金半田に比べて半田付け作業性が悪くなっている。このため、半田付け用の鋼板には従来以上の半田付け性が要求されている。
また、半田付け用鋼板には耐食性および耐ホイスカー性が要求される。
【0011】
このため、発明者らは、Pbフリー半田の主成分であるSnを主体とする錫めっきを元に、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、溶錫処理によって形成されたFe−Sn合金層を介して所定量の錫めっき層を有し、その上層に、PとSiを含有した化成皮膜を形成した場合には、上記性能の全てを満足させることができることを見出した。
【0012】
より具体的には、錫めっき層の上層にPとシランカップリング剤を含有する化成処理液により、適正量のPとSiを含有する化成皮膜を形成することによって、優れたPbフリー半田との濡れ性が得られ、特にこの化成皮膜が有効な保護皮膜として経時劣化を抑制するので加速劣化試験後においても優れたPbフリー半田との濡れ性が確保される。加えて、この化成皮膜によって優れた耐食性および耐ホイスカー性が得られることも見出した。
【0013】
本発明の錫めっき鋼板は、鋼板表面上に、溶錫処理によって形成されたFe-Sn合金層を介して被覆率が99%を超えとなる付着量5.0〜20.0g/m2の錫めっき層を有し、該錫めっき層の上層にPとシランカップリング剤を含有する化成処理液を用いて、PとSiを含有する化成皮膜を有し、該化成皮膜中のPおよびSiの付着量をそれぞれ0.5〜10mg/m2および30〜150 mg/m2の範囲とするものである。なお、化成皮膜中のSi/Pの比(重量比)は5〜30の範囲にすることが好ましい。
【0014】
また、前記錫めっき鋼板は、鋼板上に公知の電気錫めっき法でSnめっきを施した後、溶錫処理(リフロー処理)によって、一旦溶融させて鋼板との界面にFe−Sn合金層を中間層として形成させるが、Fe−Sn合金層形成後の金属Sn層の付着量は5.0〜20.0g/m2であることが好適である。
さらに、前記シランカップリング剤は、エポキシ基を有することがより好適である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の構成を詳細に説明する。
この発明の錫めっき鋼板は、鋼板表面上に、溶錫処理によって形成されたFe−Sn合金層を介して錫めっき層を形成したものであり、この錫めっき層は、下地表面のほぼ全面を覆うように、具体的には被覆率が99%超えとなるように形成されたものである。錫めっき層がFe−Sn合金層を被覆する割合、すなわち表面積での被覆率が99%以下であると十分な半田付け性が得られないばかりでなく、耐食性も不十分となるからである。
なお、被覆率99%超えとするには、溶錫処理時に溶融したSnが十分塗れ広がることができるようにフラックスなどの溶錫処理条件を適宜調整すればよい。
【0016】
本発明においては、鋼板上に公知の電気錫めっき法でSnめっきを行った後、鋼板をSnの融点以上に加熱し、一旦Snめっきを溶融させる溶錫処理(リフロー処理ともいう)を行う。電気めっきされたままのSn層には電着応力が存在し、この電着応力を開放しようとするエネルギーによってSn表面からホイスカーと称される針状結晶が成長する。ホイスカーが成長すると電気回路での短絡事故を引き起こしかねないため、ホイスカーの成長が無いことが要求される。電気めっきされたSn層を一旦溶融すると、電着応力が開放されてホイスカーの発生がほとんど無くなるため、本発明では溶錫処理が必須である。
【0017】
溶錫処理によって鋼板とSn層との界面にFe−Sn合金層が形成される。この合金層は鋼板と錫めっき層の密着性を向上させて、加工時の錫めっき層の剥離を防止するとともに、Pbフリー半田付け時に錫めっき層が半田浴に溶解した際の鋼板と半田との濡れ性を確保するため、極めて重要である。したがって、本発明では、鋼板と錫めっき層との間にFe−Sn合金層が存在すること、すなわち鋼板表面上に溶錫処理によって形成されたFe−Sn合金層を介して錫めっき層を有することが必要である。上記効果を発揮するためには、Fe−Sn層の生成量は、付着量にして0.05g/m以上とすることが好ましい。一方、この合金層は錫めっき層に比べて硬い合金層であるため、生成量が多くなると加工性を低下させるので、この観点からは合金生成量を少なく抑える事が好ましく、Fe−Sn合金層の生成量は、付着量にして1g/m以下とすることが好ましく、0.7g/m以下とすることがより好ましい。
【0018】
Niフラッシュめっき処理やNi拡散処理などNi系の前処理を行った鋼板を用いると、溶錫処理時に形成される合金層の生成量が抑制されるので、これらNi前処理は適宜用いることができる。
【0019】
溶錫処理後の合金化していない錫めっき層の付着量は、5.0〜20.0g/mであることが好ましい。前記錫めっき層の付着量が5.0g/m未満だと、十分なPbフリー半田との濡れ性が得られないばかりでなく、耐食性も不十分である。また、前記錫めっき層の付着量を20.0g/m超えにしても、性能の向上効果が期待できず、厚めっきとするのに長時間を要するとともに、コスト高になるため、錫めっき層の付着量は20.0g/m以下とすることが好ましい。なお、錫めっき層の付着量は、電量法または蛍光X線による表面分析により測定できる。ここで、蛍光X線分析にて錫めっき層の付着量を測定する場合は、まず、錫めっき鋼板について蛍光X線分析により錫めっき層中およびFe−Sn合金層中の錫付着量の合計となる錫付着量を測定した後、錫めっき層を5%NaOH(1%KIO含有)溶液などにより溶解し、鋼板上にFe−Sn合金層のみが残った状態としてから蛍光X線分析によりFe−Sn合金層中の錫付着量を測定し、先に求めた合計の錫付着量からFe−Sn合金層中の錫付着量を差し引くことにより錫めっき層の付着量を求めることができる。
【0020】
そして、この発明の構成上の主な特徴は、該錫めっき層の上層に、好ましくはPとシランカップリング剤を含有する化成処理液を用いて、PとSiを含有する化成皮膜を有し、該化成皮膜中のPおよびSiの付着量を、それぞれ0.5〜10mg/mおよび30〜150 mg/mの範囲とすることにある。
【0021】
(1)化成皮膜中のPの付着量を0.5〜10mg/mの範囲とすること
化成皮膜中のPは、りん酸塩としてSn表面を覆い、SnとSi化合物間のバインダーとして働き化成皮膜を形成する。このバインダー効果は表面粗さなどの鋼板表面の構造による影響を受けにくく、表面粗さなどの鋼板表面の構造に依らず化成皮膜中のPの付着量、すなわち、化成皮膜中のPの含有量をその付着量にして0.5〜10mg/mの範囲とすることが必要である。P付着量が0.5mg/m未満では、化成皮膜の被覆が不十分であり時間の経過とともにSn表面で酸化Snが成長して半田濡れ性が劣るようになるからである。また、P付着量が10mg/mを超えると、半田とSn層の接触が阻害されて半田濡れ性が劣るからである。なお、P付着量の測定は、蛍光X線による表面分析により行った。
【0022】
(2)化成皮膜中のSiの付着量を30〜150mg/m2の範囲とすること
本発明では前述のように溶錫処理することを必須としている。溶錫処理時には、電気めっきされたSnが溶融状態となって流動性を有するようになり、めっき母板である鋼板の表面粗さの凹部に流れ込み、凹部でSn量が多くなるとともに凸部でSn量が少なくなる。このため、十分な半田濡れ性、耐食性を得るにはSn量が少ない凸部を十分被覆するだけの化成皮膜中のSi量が必要となるが、工業的に生産される鋼板(めっき母板)の表面粗さ範囲(中心線平均粗さRaで概ね0.1〜5.0μm程度)では、化成皮膜中のSiの付着量は本発明のように30mg/m以上であれば、溶錫処理を行なう場合でも、めっき母板に依らず十分な半田濡れ性および耐食性を得ることができる。
【0023】
化成皮膜中に含有するSiの付着量が30mg/m未満だと、化成皮膜の被覆が不十分となる場合があり、時間の経過とともにSn表面で酸化錫が成長して半田濡れ性が劣るようになり、また耐食性が問題となる場合もある。一方、Siの付着量が150mg/mを超えると、半田とSn層の接触が阻害されて半田濡れ性が劣る。このため、化成皮膜中のSiの付着量、すなわち化成皮膜中のSiの含有量をその付着量にして30〜150mg/m2の範囲とする。
なお、Si付着量の測定は、蛍光X線による表面分析により行なった。
【0024】
本発明において、化成皮膜中に含有するSiは化成処理液中に含有させたシランカップリング剤によって含有させたものである。シランカップリング剤の一般化学式は、X-Si-OR2or3(OR:アルコキシ基)である。
【0025】
シランカップリング剤は、アルコキシシリル基(Si-OR)が水により加水分解されてシラノール基を生成し、金属表面のOH基との脱水縮合反応により密着し強固な皮膜を形成する。
【0026】
尚、シランカップリング剤としては、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、アミノ基の存在する、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3‐アミノプロピルトリエトキシシランなどが使用できるが、特にシランカップリング剤の一般化学式におけるX-Si-OR2or3のXにエポキシ基が存在する2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランや3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好適である。
【0027】
また、PとSiを含有する化成皮膜の形成方法としては、例えば、リン酸系化成処理によって行なうことが好ましく、この場合、化成処理液中のPの供給源としてはリン酸イオン換算で1〜80g/lのリン酸、リン酸ナトリウム、リン酸アルミニウム、リン酸カリウム等の金属塩、および/または、1水素リン酸塩など使用することがより好適である。Siの供給源としては、前述したシランカップリング剤を含有する化成処理液を用いる、かかる場合、化成処理液中のpHを1.5〜5.5の範囲に調整すれば、シランカップリング剤を化成処理液中に均一に溶解することができる。
【0028】
尚、化成処理液には、Sn、Fe、Niの金属塩、例えば、SnCl2、FeCl2、NiCl2、SnSO4、FeSO4、NiSO4などの金属塩を適宜添加することができる。この場合には、促進剤として塩素酸ナトリウム、亜硝酸塩などの酸化剤、フッ素イオンなどのエッチング剤を適宜添加してもよい。また、化成処理液の均一処理性を向上させる目的でラウリル硫酸ナトリウム、アセチレングリコールなどの界面活性剤を適宜添加しても良い。
【0029】
りん酸系化成処理を用いた化成皮膜の形成は、上記化成処理液の鋼板への塗布または浸漬処理を行った後、乾燥させることによって行えば良い。
【0030】
以上のことから、この発明では、鋼板表面に形成した錫めっき層の上層に、P及びSiを上記適正範囲で含有する化成皮膜を形成することによって、Pbフリー半田との濡れ性、耐食性および耐ホイスカー性の全ての性能を満足させることに成功したのである。
【0031】
次にこの発明に従う具体的な製造方法の一例を説明する。
冷延鋼板にSnめっきを施した後、錫の融点(231.9℃)以上の温度で加熱溶融(リフロー)処理を行い、Fe−Sn合金からなる中間層と上層の金属Sn層を形成させ、引き続き、浸漬処理によって化成処理を行う。尚、リフロー処理後に表面に生成した錫酸化物を除去するため、15g/lの炭酸ナトリウム水溶液中で1C/dm2の陰極処理を行ってもよい。
【0032】
化成処理液としては、リン酸イオン換算で1〜80g/lのリン酸、錫イオン換算で0.001〜10g/lの塩化第一錫、0.1〜1.0 g/lの塩素酸ナトリウムを含有し、さらにシランカップリング剤を0.5〜20.0 mass%添加した水溶液を用いる。
【0033】
化成処理の条件は、温度を40〜80℃、処理(浸漬)時間を1〜5秒間とすることが好ましい。化成処理液中に浸漬した後の錫めっき鋼板は、80〜150℃で乾燥させ、その後、水洗し、温風で乾燥する。
【0034】
尚、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
【0035】
【実施例】
次に、この発明の実施例について以下で詳細に説明する。
実施例1〜6
板厚0.4〜1.8 mmの低炭素鋼または極低炭素鋼からなる冷延鋼板(表面粗さ:Ra=0.4〜2.5μm)の両面に、溶錫処理を施すことによって形成したFe−Sn合金層を介して、表1に示す片面当たりのSn付着量およびSn被覆率の錫めっき層を形成した後、表2に示す3種類の化成処理液A〜Cから選んだ表1に示す化成処理液を用いて種々のPおよびSi付着量の化成皮膜を形成した。
【0036】
比較例1〜5
比較のため、この発明の適正範囲外である錫めっき鋼板についても製造した。
【0037】
なお、上記実施例および比較例に用いためっき母板である冷延鋼板の表面粗さRaは、東京精密社製の「サーフコム500A」にてカットオフ=0.8mmで測定した中心線平均粗さである。
化成皮膜に含有されるP、Siの付着量は蛍光X線により測定した。
錫めっき付着量は、錫めっき鋼板について蛍光X線分析により錫めっき層中およびFe−Sn合金層中の錫付着量の合計となる錫付着量を測定した後、錫めっき層を5%NaOH(1%KIO含有)溶液により溶解し、鋼板上にFe−Sn合金層のみが残った状態としてから蛍光X線分析によりFe−Sn合金層中の錫付着量を測定し、先に求めた合計の錫付着量からFe−Sn合金層中の錫付着量を差し引くことにより求めた。
また、Fe−Sn合金層の付着量は、蛍光X線分析により求めたFe−Sn合金層中の錫付着量からFe−Sn合金層(FeSn2)の付着量に換算して求めた。
さらに、Sn被覆率(面積率)は走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、倍率5000倍に拡大した表面を観察(10視野)し、各視野にてSnが被覆している面積率を求め、これら測定した面積率の平均値をSn被覆率として表1に示した。
【0038】
【表1】

Figure 0004321123
【0039】
【表2】
Figure 0004321123
【0040】
(性能評価)
実施例および比較例の各錫めっき鋼板について、Pbフリー半田濡れ性、耐食性および耐ホイスカー性の性能評価を行った。
【0041】
(1)半田濡れ性の評価
Pbフリー半田として、千住金属製のSn−3.5%Ag−0.75%Cu半田を用いた。半田温度を245℃とし、レスカ製「SAT−5100」装置を用いて平衡法にて、半田が濡れるまでのゼロクロスタイムを測定し、半田濡れ性の評価とした。なお、サンプルは板厚0.6mmのものを用い、温度105℃−湿度100%RHで圧力1.22×10Paの試験槽に8時間曝して加速劣化させた後評価した。サンプルの半田槽への浸漬は浸漬速度3mm/sec、浸漬深さ3mmとした。ゼロクロスタイムは3秒以下を合格レベルとした。表1にその評価結果を示す。
【0042】
(2)耐食性の評価
塩水噴霧(JIS Z 2371準拠)8時間と噴霧休止16時間とを1サイクルとするサイクル腐食試験を3サイクル行い、赤錆びの発生面積率(%)で耐食性を評価した。表1にその評価結果を示す。
【0043】
(3)ホイスカー試験
サンプルを曲げ半径5mmで曲げ、−25℃と120℃の繰返し熱サイクルを500回行ったのち、曲げ部表面を走査型電子顕微鏡で観察し、ホイスカーの発生状況を観察した。ホイスカーの発生および長さで耐ホイスカー性を評価した。表1にその評価結果を示す。
【0044】
表1の評価結果から明らかなように、実施例1〜6はいずれも、半田濡れ性、耐食性および耐ホイスカー性の全性能について優れていた。一方、比較例1〜5はいずれも、半田濡れ性、耐食性および耐ホイスカー性のいずれかの性能が悪く、実用レベルにないことがわかる。
【0045】
【発明の効果】
この発明は、鋼板表面上に溶錫処理によって形成されたFe−Sn合金層を介して錫めっき層を有し、該錫めっき層の上層にPとSiを含有する化成皮膜を有することにより、特に半田濡れ性、耐食性および耐ホイスカー性に優れた錫めっき鋼板を提供することができるという顕著な効果を奏する。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a steel sheet that requires solderability and is used for a chassis or a component case of a home appliance, and particularly relates to a tin-plated steel sheet that has excellent wettability to Pb-free solder that does not contain Pb at all. It is.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, home appliances such as audio products and personal computers have been joined using Pb-Sn alloy solder, but the use of Pb is restricted because Pb in this solder is harmful to the human body. It has been switched to Pb-free solder that does not use. Pb-Sn alloy-plated steel sheets suitable for conventional Pb-Sn solderability were used for the chassis and component cases of home appliances, but Pb-free soldering without using Pb to comply with Pb usage regulations There is a need for a new steel sheet with excellent weldability.
[0003]
In addition, the conventional Pb-Sn alloy-plated steel sheet has a chromate treatment on the surface, but since there is a tendency not to use hexavalent Cr, which is harmful in the home appliance industry, new steel sheets for soldering other than the chromate treatment It is desirable to use a chemical conversion treatment.
[0004]
As a steel plate for soldering without using Pb, for example, as described in Patent Documents 1 and 2, Sn—Zn, Zn—Ni, Sn—Ni, and Fe—Ni formed on the steel plate are mainly used. There is a steel plate in which a chromate film is formed on a film to be coated.
[0005]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Publication No. 6-99837 [Patent Document 2]
Japanese Patent Publication No. 6-33466 [0006]
However, the steel sheets described in Patent Documents 1 and 2 are inferior in Pb-free solderability due to the use of Zn, and are unacceptable to the home appliance industry because they have a chromate film. is there.
[0007]
Further, Patent Document 3 discloses a surface-treated steel sheet that does not contain Cr on the surface of Sn plating or Sn alloy plating and has a post-treatment film containing Si, but between the steel sheet and the Sn plating layer. In addition, since it does not have a Fe—Sn alloy layer, the adhesion between the steel plate and the Sn plating layer is poor, and there is also a problem in Pb-free solderability.
[0008]
[Patent Document 3]
Japanese Patent Laid-Open No. 2001-32085
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a tin-plated steel sheet that is excellent in wettability in Pb-free soldering, and also excellent in corrosion resistance and whisker properties, without using Pb and Cr, which are undesirable due to environmental problems. There is.
[0010]
[Means for solving problems]
The present invention is described in further detail below.
Pb-Sn alloy solder contains 37% Pb and has a low melting point of 184 ° C. Pb-free solder, which is becoming the mainstream, Sn-3.5% Ag-0.75% Cu alloy solder has a high melting point of 219 ° C. Therefore, the soldering workability is worse than that of Pb—Sn alloy solder. For this reason, the steel plate for soldering is required to have higher solderability than before.
Further, the steel plate for soldering is required to have corrosion resistance and whisker resistance.
[0011]
For this reason, the inventors have conducted intensive research to solve the above problems based on tin plating mainly composed of Sn, which is a main component of Pb-free solder. It has been found that when a predetermined amount of a tin plating layer is provided through an alloy layer and a chemical conversion film containing P and Si is formed thereon, all of the above performances can be satisfied.
[0012]
More specifically, the upper layer of the tin plating layer, a chemical conversion treatment solution containing P and a silane coupling agent, by forming a chemical conversion film containing an appropriate amount of P and Si, excellent Pb-free solder Prefecture In particular, since this chemical conversion film suppresses deterioration over time as an effective protective film, excellent wettability with Pb-free solder is ensured even after an accelerated deterioration test. In addition, it has also been found that this chemical conversion film provides excellent corrosion resistance and whisker resistance.
[0013]
The tin-plated steel sheet of the present invention is a tin-plated layer having an adhesion amount of 5.0 to 20.0 g / m 2 on the steel sheet surface, with a coverage rate exceeding 99% via an Fe-Sn alloy layer formed by a tin treatment. has, on the upper layer of said tin plating layer, using a chemical conversion treatment solution containing P and a silane coupling agent having a chemical conversion film containing P and Si, the adhesion of P and Si in said chemical conversion coating The amount is in the range of 0.5-10 mg / m 2 and 30-150 mg / m 2 respectively. In addition, it is preferable to make the ratio (weight ratio) of Si / P in a chemical conversion film into the range of 5-30.
[0014]
In addition, the tin-plated steel sheet is subjected to Sn plating by a known electrotin plating method on the steel sheet, and then melted by a molten tin process (reflow process), and an Fe-Sn alloy layer is intermediately provided at the interface with the steel sheet. Although it forms as a layer, it is suitable that the adhesion amount of the metal Sn layer after Fe-Sn alloy layer formation is 5.0-20.0 g / m < 2 >.
Furthermore, it is more preferable that the silane coupling agent has an epoxy group.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The configuration of the present invention will be described in detail below.
In the tin-plated steel sheet of the present invention, a tin-plated layer is formed on the surface of the steel sheet via an Fe-Sn alloy layer formed by molten tin treatment. The tin-plated layer covers almost the entire surface of the base surface. Specifically, it is formed so that the covering rate exceeds 99%. This is because if the ratio of the tin-plated layer covering the Fe—Sn alloy layer, that is, the coverage at the surface area is 99% or less, sufficient solderability cannot be obtained and the corrosion resistance is also insufficient.
In order to achieve a coverage of 99% or more, the tin treatment conditions such as flux may be appropriately adjusted so that the Sn melted during the tin treatment can be sufficiently applied and spread.
[0016]
In the present invention, after Sn plating is performed on a steel plate by a known electrotin plating method, the steel plate is heated to a melting point of Sn or higher, and a tin-solding process (also referred to as a reflow process) is performed to once melt the Sn plating. Electrodeposited stress exists in the electroplated Sn layer, and acicular crystals called whiskers grow from the Sn surface by the energy for releasing the electrodeposited stress. When whisker grows, it may cause a short circuit accident in the electric circuit, so it is required that whisker does not grow. Once the electroplated Sn layer is melted, the electrodeposition stress is released and almost no whisker is generated. Therefore, in the present invention, molten tin treatment is essential.
[0017]
An Fe—Sn alloy layer is formed at the interface between the steel sheet and the Sn layer by the molten tin treatment. This alloy layer improves the adhesion between the steel plate and the tin plating layer to prevent the peeling of the tin plating layer during processing, and the steel plate and solder when the tin plating layer is dissolved in the solder bath during Pb-free soldering. It is extremely important to ensure the wettability. Therefore, in the present invention, the Fe—Sn alloy layer exists between the steel plate and the tin plating layer, that is, the tin plating layer is provided via the Fe—Sn alloy layer formed on the steel plate surface by the molten tin treatment. It is necessary. In order to exhibit the above effects, the amount of Fe—Sn layer produced is preferably 0.05 g / m 2 or more in terms of adhesion amount. On the other hand, since this alloy layer is a hard alloy layer as compared with the tin plating layer, since the workability is reduced when the generation amount increases, it is preferable to suppress the alloy generation amount from this point of view, and the Fe-Sn alloy layer weight of the product is preferably to 1 g / m 2 or less in the adhesion amount, and more preferably set to 0.7 g / m 2 or less.
[0018]
When using steel sheets that have been Ni-based pretreated such as Ni flash plating or Ni diffusion treatment, the amount of alloy layer formed during molten tin treatment is suppressed, so these Ni pretreatments can be used as appropriate. .
[0019]
The adhesion amount of the non-alloyed tin plating layer after the molten tin treatment is preferably 5.0 to 20.0 g / m 2 . When the adhesion amount of the tin plating layer is less than 5.0 g / m 2 , not only sufficient wettability with Pb-free solder is obtained, but also the corrosion resistance is insufficient. Further, even if the amount of the tin plating layer deposited exceeds 20.0 g / m 2 , the effect of improving the performance cannot be expected, and it takes a long time to make the thick plating, and the cost increases. Is preferably 20.0 g / m 2 or less. In addition, the adhesion amount of a tin plating layer can be measured by surface analysis by a coulometric method or fluorescent X-ray. Here, when the adhesion amount of the tin plating layer is measured by fluorescent X-ray analysis, first, the total amount of tin adhesion in the tin plating layer and the Fe—Sn alloy layer is analyzed by fluorescent X-ray analysis for the tin-plated steel sheet. After measuring the amount of tin adhered, the tin plating layer was dissolved with a 5% NaOH (containing 1% KIO 3 ) solution, etc., and only the Fe—Sn alloy layer remained on the steel plate, and then the Fe-Sn was analyzed by fluorescent X-ray analysis. The adhesion amount of the tin plating layer can be obtained by measuring the adhesion amount of tin in the -Sn alloy layer and subtracting the adhesion amount of tin in the Fe-Sn alloy layer from the total adhesion amount of tin obtained previously.
[0020]
The main feature of the present invention is that the tin plating layer has a chemical conversion film containing P and Si, preferably using a chemical conversion treatment liquid containing P and a silane coupling agent. the adhesion amount of P and Si in said chemical conversion coating, in each in the range of 0.5 to 10 mg / m 2 and 30~150 mg / m 2.
[0021]
(1) The adhesion amount of P in the chemical conversion film should be in the range of 0.5 to 10 mg / m 2. P in the chemical conversion film covers the Sn surface as a phosphate and acts as a binder between Sn and the Si compound. Form. This binder effect is not easily influenced by the structure of the steel sheet surface such as surface roughness, and the amount of adhesion of P in the chemical conversion film regardless of the structure of the steel sheet surface such as surface roughness, that is, the content of P in the chemical conversion film Is required to be in the range of 0.5 to 10 mg / m 2 . This is because when the P adhesion amount is less than 0.5 mg / m 2 , the coating of the chemical conversion film is insufficient, and as time passes, oxidized Sn grows on the Sn surface and solder wettability becomes poor. Further, if the P adhesion amount exceeds 10 mg / m 2 , the contact between the solder and the Sn layer is hindered and the solder wettability is deteriorated. In addition, the measurement of P adhesion amount was performed by surface analysis by fluorescent X-rays.
[0022]
(2) Making the adhesion amount of Si in the chemical conversion film be in the range of 30 to 150 mg / m 2 In the present invention, it is essential to carry out the tin treatment as described above. At the time of molten tin treatment, the electroplated Sn becomes molten and has fluidity, flows into the concave portion of the surface roughness of the steel plate, which is the plating base plate, increases the Sn amount in the concave portion, and at the convex portion Sn amount decreases. For this reason, in order to obtain sufficient solder wettability and corrosion resistance, the amount of Si in the conversion coating is sufficient to sufficiently cover the convex portion with a small amount of Sn. In the surface roughness range (centerline average roughness Ra is about 0.1 to 5.0 μm), if the amount of Si in the chemical conversion film is 30 mg / m 2 or more as in the present invention, the molten tin treatment is performed. Even in this case, sufficient solder wettability and corrosion resistance can be obtained regardless of the plating mother board.
[0023]
When the adhesion amount of Si contained in the chemical conversion film is less than 30 mg / m 2 , the coating of the chemical conversion film may be insufficient, and tin oxide grows on the Sn surface over time, resulting in poor solder wettability. And corrosion resistance may be a problem. On the other hand, when the adhesion amount of Si exceeds 150 mg / m 2 , the contact between the solder and the Sn layer is hindered and the solder wettability is deteriorated. For this reason, the adhesion amount of Si in the chemical conversion film, that is, the Si content in the chemical conversion film is set to a range of 30 to 150 mg / m 2 as the adhesion amount.
In addition, the amount of Si adhesion was measured by surface analysis using fluorescent X-rays.
[0024]
In this invention, Si contained in a chemical conversion film is contained by the silane coupling agent contained in the chemical conversion liquid. The general chemical formula of the silane coupling agent is X-Si-OR 2or3 (OR: alkoxy group).
[0025]
In the silane coupling agent, an alkoxysilyl group (Si-OR) is hydrolyzed with water to generate a silanol group, and adheres by a dehydration condensation reaction with an OH group on a metal surface to form a strong film.
[0026]
As the silane coupling agent, 3-methacryloxypropyltrimethoxysilane, 2- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltrimethoxysilane, 3-glycidoxypropyltrimethoxysilane, N-2- (aminoethyl) ) 3-aminopropyltrimethoxysilane, N-2 (aminoethyl) 3-aminopropylmethyldimethoxysilane, 3-aminopropyltriethoxysilane, N-phenyl-3-aminopropyltrimethoxysilane, 3-mercaptopropylmethoxysilane 3-chloropropyltrimethoxysilane, vinyltriethoxysilane, vinyltris (2-methoxyethoxy) silane, N-2 (aminoethyl) 3-aminopropyltrimethoxysilane with amino group, N-2- (amino Ethyl) 3-aminopropylmethyldimethoxysilane Although 3-aminopropyltriethoxysilane, etc. silane can be used, in particular there are epoxy groups X of X-Si-OR 2or3 in the general formula of the silane coupling agent 2- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltrimethoxysilane And 3-glycidoxypropyltrimethoxysilane are preferred.
[0027]
Moreover, as a method for forming a chemical conversion film containing P and Si, for example, it is preferable to perform by phosphoric acid-based chemical conversion treatment, in this case, as a supply source of P in the chemical conversion treatment liquid 1 to 1 in terms of phosphate ions It is more preferable to use 80 g / l of phosphoric acid, sodium phosphate, aluminum phosphate, potassium phosphate and other metal salts, and / or monohydrogen phosphate. The Si source, uses a chemical conversion treatment solution containing a silane coupling agent described above, such a case, by adjusting the pH in the chemical conversion treatment solution in the range of 1.5 to 5.5, chemical conversion of a silane coupling agent treatment It can be dissolved uniformly in the liquid.
[0028]
Note that a metal salt of Sn, Fe, Ni, for example, a metal salt such as SnCl 2 , FeCl 2 , NiCl 2 , SnSO 4 , FeSO 4 , and NiSO 4 can be appropriately added to the chemical conversion solution. In this case, an oxidizing agent such as sodium chlorate or nitrite, or an etching agent such as fluorine ion may be added as an accelerator. In addition, a surfactant such as sodium lauryl sulfate or acetylene glycol may be appropriately added for the purpose of improving the uniform processability of the chemical conversion treatment liquid.
[0029]
The formation of the chemical conversion film using the phosphoric acid-based chemical conversion treatment may be performed by applying or immersing the chemical conversion treatment liquid on the steel sheet and then drying it.
[0030]
From the above, in the present invention, by forming a chemical conversion film containing P and Si in the above-mentioned appropriate range on the tin plating layer formed on the surface of the steel sheet, wettability with Pb-free solder, corrosion resistance, and resistance to resistance. It succeeded in satisfying all the performance of the whisker.
[0031]
Next, an example of a specific manufacturing method according to the present invention will be described.
After Sn plating is applied to the cold rolled steel sheet, it is heated and melted (reflowed) at a temperature equal to or higher than the melting point of tin (231.9 ° C) to form an intermediate layer made of Fe-Sn alloy and an upper metallic Sn layer. Then, chemical conversion treatment is performed by immersion treatment. In order to remove tin oxide formed on the surface after the reflow treatment, a cathode treatment of 1 C / dm 2 may be performed in a 15 g / l sodium carbonate aqueous solution.
[0032]
The chemical conversion treatment solution contains 1 to 80 g / l phosphoric acid in terms of phosphate ions, 0.001 to 10 g / l stannous chloride in terms of tin ions, 0.1 to 1.0 g / l sodium chlorate, and An aqueous solution to which 0.5 to 20.0 mass% of a silane coupling agent is added is used.
[0033]
The conditions for the chemical conversion treatment are preferably a temperature of 40 to 80 ° C. and a treatment (immersion) time of 1 to 5 seconds. The tin-plated steel sheet after being immersed in the chemical conversion solution is dried at 80 to 150 ° C., then washed with water and dried with warm air.
[0034]
The above description only shows an example of the embodiment of the present invention, and various modifications can be made within the scope of the claims.
[0035]
【Example】
Next, embodiments of the present invention will be described in detail below.
Examples 1-6
Fe-Sn alloy layer formed by subjecting cold-rolled steel plate (surface roughness: Ra = 0.4-2.5 μm) made of low-carbon steel or ultra-low-carbon steel with a thickness of 0.4-1.8 mm to hot-dip treatment After forming a tin plating layer having a Sn adhesion amount per one surface and Sn coverage shown in Table 1, the chemical conversion liquid shown in Table 1 selected from the three types of chemical conversion liquids A to C shown in Table 2 Was used to form chemical coatings with various P and Si adhesion amounts.
[0036]
Comparative Examples 1-5
For comparison, a tin-plated steel sheet outside the proper range of the present invention was also produced.
[0037]
The surface roughness Ra of the cold-rolled steel sheet, which is the plating base plate used in the above examples and comparative examples, is the center line average roughness measured at a cutoff = 0.8 mm with “Surfcom 500A” manufactured by Tokyo Seimitsu Co., Ltd. It is.
The adhesion amount of P and Si contained in the chemical conversion film was measured by fluorescent X-ray.
The tin plating adhesion amount was determined by measuring the tin adhesion amount, which is the sum of the tin adhesion amount in the tin plating layer and in the Fe-Sn alloy layer, by 5% NaOH ( 1% KIO 3 content) dissolved in the solution, and after only the Fe—Sn alloy layer remained on the steel sheet, the amount of tin deposited in the Fe—Sn alloy layer was measured by fluorescent X-ray analysis, and the total obtained previously It was determined by subtracting the tin adhesion amount in the Fe-Sn alloy layer from the tin adhesion amount.
Further, the adhesion amount of the Fe—Sn alloy layer was determined by converting the adhesion amount of tin in the Fe—Sn alloy layer determined by fluorescent X-ray analysis into the adhesion amount of the Fe—Sn alloy layer (FeSn 2 ).
Furthermore, Sn coverage (area ratio), using a scanning electron microscope (SEM), observe the surface magnified 5000 times (10 fields), find the area ratio covered by Sn in each field, The average values of the measured area ratios are shown in Table 1 as Sn coverage.
[0038]
[Table 1]
Figure 0004321123
[0039]
[Table 2]
Figure 0004321123
[0040]
(Performance evaluation)
For each of the tin-plated steel sheets of Examples and Comparative Examples, performance evaluation of Pb-free solder wettability, corrosion resistance, and whisker resistance was performed.
[0041]
(1) Evaluation of solder wettability
As the Pb-free solder, Sn-3.5% Ag-0.75% Cu solder made by Senju Metal was used. Solder temperature was set to 245 ° C., and the zero cross time until the solder was wet was measured by an equilibrium method using a “SAT-5100” apparatus manufactured by Resca to evaluate the solder wettability. A sample having a thickness of 0.6 mm was used and evaluated after being accelerated and deteriorated by being exposed to a test bath at a temperature of 105 ° C. and a humidity of 100% RH and a pressure of 1.22 × 10 5 Pa for 8 hours. The sample was immersed in the solder bath at an immersion speed of 3 mm / sec and an immersion depth of 3 mm. The zero cross time was set to a pass level of 3 seconds or less. Table 1 shows the evaluation results.
[0042]
(2) Evaluation of corrosion resistance Three cycles of a cyclic corrosion test with 8 hours of salt spray (based on JIS Z 2371) and 16 hours of spray cessation were performed, and corrosion resistance was evaluated by the area ratio (%) of occurrence of red rust. Table 1 shows the evaluation results.
[0043]
(3) The whisker test sample was bent at a bending radius of 5 mm and subjected to repeated thermal cycles of −25 ° C. and 120 ° C. for 500 times, and then the surface of the bent portion was observed with a scanning electron microscope to observe the occurrence of whiskers. Whisker resistance was evaluated by the occurrence and length of whisker. Table 1 shows the evaluation results.
[0044]
As is clear from the evaluation results in Table 1, all of Examples 1 to 6 were excellent in all the performances of solder wettability, corrosion resistance and whisker resistance. On the other hand, it can be seen that all of Comparative Examples 1 to 5 have poor solder wettability, corrosion resistance, and whisker resistance, and are not at a practical level.
[0045]
【The invention's effect】
This invention has a tin plating layer via a Fe-Sn alloy layer formed by a tin treatment on the steel sheet surface, and has a chemical conversion film containing P and Si on the tin plating layer, In particular, there is a remarkable effect that a tin-plated steel sheet excellent in solder wettability, corrosion resistance and whisker resistance can be provided.

Claims (2)

鋼板表面上に、溶錫処理によって形成されたFe-Sn合金層を介して被覆率が99%超えとなる付着量5.0〜20.0g/m2の錫めっき層を有し、該錫めっき層の上層にPとシランカップリング剤を含有する化成処理液を用いて形成されるPとSiを含有する化成皮膜を有し、該化成皮膜中のPおよびSiの付着量をそれぞれ0.5〜10mg/m2および30〜150mg/m2の範囲とすることを特徴とする半田付け性に優れる錫めっき鋼板。On the surface of the steel sheet, a tin plating layer having an adhesion amount of 5.0 to 20.0 g / m 2 with a covering rate exceeding 99% through an Fe-Sn alloy layer formed by a molten tin treatment, The upper layer has a chemical conversion film containing P and Si formed using a chemical conversion treatment solution containing P and a silane coupling agent, and the adhesion amount of P and Si in the chemical conversion film is 0.5 to 10 mg / m, respectively. A tin-plated steel sheet excellent in solderability, characterized by being in the range of 2 and 30 to 150 mg / m 2 . 前記シランカップリング剤がエポキシ基を有することを特徴とする請求項に記載の錫めっき鋼板。The tin-plated steel sheet according to claim 1 , wherein the silane coupling agent has an epoxy group.
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