JP4320452B2 - 多孔質導電性ポリマー - Google Patents

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Description

本発明は、多孔質な導電性ポリマーに関し、詳細には、多孔質を形成する空孔が、3次元的に規則正しく配列している多孔質導電性ポリマーに関する。
多孔質導電性ポリマーとして、スズドープ酸化インジウム(ITO)膜等の電極を単分散シリカ分散液に浸漬し、長時間かけて溶媒を留去することにより、該電極上にシリカコロイド結晶体を生成させ、次いで、対電極とともに、電解重合可能であり、得られたポリマーが導電性を有することのできる単量体が含まれた溶液に浸漬し、電圧をかけることにより、ITO膜上にのシリカコロイド結晶体を含む形でコロイド結晶体−導電性ポリマーの複合体を得、その後、弗化水素でシリカコロイド結晶体を除去することにより、目的とする多孔質導電性ポリマーが知られている。(非特許文献1を参照)
Shozo Yanagida,et.al.,Chem.Commun.,2000,1613.
しかしながら、上記多孔質導電性ポリマーは、後述するようにマクロ的には空孔の規則性が不十分であり、得られた材料の物性が必ずしも再現性に優れた満足のいくものではないという問題があった。
本発明は、より満足のいく物性が得られるよう、マクロ的に空孔の配列が制御された多孔質導電性ポリマーを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の方法で製造されたナノスケールで構造制御されたコロイド結晶体を鋳型として用い、気相重合方法を用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ナノスケールの無機粒子を単量体または単量体を含む溶液に含浸させた状態で重合させ、その後、無機粒子を取り除くことによって製造される空孔が3次元的規則性を有する多孔質導電性ポリマーにおいて、空孔がマクロ的に結晶構造を構成する配置で配列していることを特徴とする多孔質導電性ポリマーに関し、
(2)ナノスケールの無機粒子を単量体または単量体を含む溶液に含浸させた状態で重合させ、その後、無機粒子を取り除くことによって製造される空孔が3次元的規則性を有する多孔質導電性ポリマーにおいて、空孔がマクロ的に材料表面に面心立方格子の(111)面配向で配列していることを特徴とする多孔質導電性ポリマーに関し、
(3)空孔が、結晶構造を形成していることを特徴とする(2)に記載の多孔質導電性ポリマー、
(4)空孔が、連続的に配列していることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の多孔質導電性ポリマー、
(5)空孔が、面心立方構造で配列していることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の多孔質導電性ポリマー、
(6)空孔の最大長さ方向の大きさが、1〜1000nmの範囲であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の多孔質導電性ポリマー、
(7)空孔の最大長さ方向の大きさが、100〜500nmの範囲であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の多孔質導電性ポリマー、
(8)空孔の形状が、球状または略球状であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の多孔質導電性ポリマー、
(9)導電性ポリマーが、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェニレン、またはそれらの誘導体であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の多孔質導電性ポリマーに関する。

(10)重合性単量体、またはそれを含む組成物を、前記単量体または組成物には不溶であり、その表面に重合触媒を担持または付着させた粒状物質存在下に気相重合させ粒状物質−ポリマー複合体を得る工程、前記粒状物質が可溶な溶媒に浸漬して粒状物質を溶解除去する工程を含むことを特徴とする多孔質ポリマーの製造方法に関し、
(11)重合性単量体を重合して得られるポリマーが、導電性ポリマーであることを特徴とする(10)に記載の多孔質導電性ポリマーの製造方法、
(12)粒状物質が、コロイド結晶体であることを特徴とする(11)または(12)に記載の多孔質導電性ポリマーの製造方法に関する。
以上述べたように、本発明の方法を用いることにより、ナノスケールでより構造の制御された多孔質導電性ポリマーを、マクロスケールで得ることが可能となった。ナノレベルの構造規則性と多孔性を備えた導電性ポリマーは、キャパシタや、リチウムイオン電池、燃料電池等の電極材料として、種々の導電性材料として、特定の波長を選択反射する光学材料として有用であり、産業上の利用価値は高いといえる。
本発明の多孔質導電性ポリマーは、空孔がマクロ的に結晶構造を構成する配置で配列している構造を有する多孔質であることを特徴とする。本発明の多孔質導電性ポリマーは、例えばナノスケールの無機粒子を単量体または単量体を含む溶液に含浸させた状態で重合させ、その後、無機粒子を取り除くことによって製造されるが、空孔とは、取り除かれた個々の無機粒子に相当する空隙を表すことになる。
空孔は、上記規則性を有すればポリマーで閉鎖された空隙であっても構わないが、連続的に配列している方が、表面積を拡大し、電気化学的特性を発現する上で好ましい。空孔が、連続して配列している場合に、空孔は周囲を導電性ポリマーで閉鎖された空隙でも、また、隣接する空孔と貫通する部分を有する空隙であってもよい。
空孔の配列における規則性は、結晶構造を構成する配置であれば特に限定されないが、例えば、面心立方、体心立方、単純立方等を例示することができるが、特に面心立方構造すなわち最密充填構造が、単位体積あたりの表面積が大きく、緻密に空孔が配列しているころから、電気化学的特性等の点で好ましい。なお、結晶構造が単結晶構造である方が構造色発現の点で好ましい。
また、異なる大きさの空孔を含む場合には、更に、複雑なパターンを形成させることも可能である。先に述べた製造方法においては、無機粒子の充填配列により、空孔の配列が決定されることになり、無機粒子の配列が可能な構造は、空孔の配列の規則性に反映されることになる。
マクロ的にとは、微少な領域でのみにその構造を発現している材料を除外する意味であり、例えば、後述する反射スペクトルが、得られた材料のどの部分をとってもほぼ単一波長の吸収を示し、材料全体が単色である場合等を意味する。
本発明の多孔質導電性ポリマーは、ポリマー表面において、空孔がマクロ的に面心立方格子の(111)面配向を有して配列する構造であることを特徴とする。このことは、例えば、ポリマーを任意の面で切断した場合であっても、その表面が常に上記配向性を有する場合等を意味している。
空孔の形状は特に限定されず、例えば、先に述べた製造方法においては、用いる無機粒子の形状によってその形状がある程度決定されるが、ポリマーの機械的強度、ナノスケールで無機粒子の形状を制御することを考慮すると球状または略球状であるのが好ましい。
また、空孔の最大長さ方向の大きさは、特に限定されるものではないが、1〜1000nmの範囲であるのが好ましい。1nm以下では、空隙が小さすぎてバルクポリマーと顕著な差が見られず、1000nm以上では、空隙が全体的に大きすぎて、機械的強度を低下させるおそれがある。光学的特性、単位体積あたりの表面積等を考慮すると、空孔の最大長さ方向の大きさが200〜300nm程度であるのが好ましい。
本発明の多孔質導電性ポリマーの製造方法は、特に限定されるものではないが、微細構造の制御のしやすさ等を考慮した場合に、重合性単量体、またはそれを含む組成物を、前記単量体または組成物には不溶であり、その表面に重合触媒を担持または付着させた粒状物質存在下に気相重合させ粒状物質−ポリマー複合体を得る工程、前記粒状物質が可溶な溶媒に浸漬して粒状物質を溶解除去する工程を含む製造方法を好ましく例示することができる。
上記方法に用いられ粒状物質は、前記単量体または組成物には不溶である粒状の物質であれば特に限定されないが、最終的に除去した場合に残る空孔に3次元的規則性を持たせるためには、コロイド結晶体であるのが好ましい。この場合コロイド結晶とは、コロイド粒子が集合して結晶構造を形成している状態を表す。
コロイド結晶体を得る方法として、具体的には、(i)コロイド溶液に電場をかけその後、溶媒を除去する方法、(ii)固形分濃度が1〜5重量%の比較的希薄な溶液に、平滑な基板2枚を数十μの間隔を開けて対峙させて基板下部を浸漬させ、毛細管現象によりコロイド溶液が基板間を上昇すると共に、溶媒を蒸発除去させることにより、基板間にコロイド結晶を析出させる方法、(iii)分散したコロイド溶液を静置し、コロイド粒子を自然沈降させて堆積させた後、溶媒を除去する方法、(iv)移流集積法等の公知の方法を例示することができる。
また、別のコロイド結晶体の製造方法として、コロイド溶液を、基板上に滴下し、コロイド溶液に用いられている溶媒を留去する方法を好ましく例示することができる。溶媒の留去は、室温においても行うことができるが、用いられる溶媒の沸点と同等またはそれ以上の温度に加熱、乾燥するのが好ましい。また、本方法は、基板上にコロイド溶液を滴下し、その後、基板を加熱し溶媒を留去する方法、あらかじめ加熱した基板上にコロイド溶液を滴下し溶媒を留去する方法等いずれの方法でも行うことができる。さらに、コロイド溶液を滴下する際、または滴下後、基板を回転させてもよい。
コロイド溶液の滴下、溶媒留去の操作を繰り返すことにより、コロイド溶液の濃度を調製することにより、滴下するコロイド溶液の量を調製することにより、また、以上を任意に組み合わせることにより、得られるコロイド結晶体の膜厚、面積を自由に制御することができる。特に、規則性を保持したまま、大面積化、または大容積化が容易に可能であることから、本発明の多孔質導電性ポリマーを、それに合わせて大面積化、大容積化することができる。
例えば、本方法によれば、固形分濃度とし10重量%以上のコロイド溶液を用いることができることから、一度の滴下でかなりの膜厚の結晶構造体を基板上に形成することができ、滴下、乾燥を繰り返すことにより、膜厚を自由に制御することができる。さらに本方法は、例えば、単分散コロイド溶液を用いることにより、得られるコロイド結晶体を単結晶構造のコロイド結晶とすることができる。コロイド単結晶を用いて得られてくる多孔質ポリマーは、マクロに空孔の配列に規則性及び連続性があり、反射光の波長に全体でばらつきがなく、全体として選択反射光波長を統一することができる。
また、別な方法として、コロイド粒子を含む溶液を吸引ロートを用いて減圧吸引等により、溶液を吸引除去することより、吸引ロート上の濾紙、または濾布上にコロイド粒子を堆積させる方法を好ましく例示することができる。上記方法においても、例えば、単分散コロイド溶液を用いることでコロイド単結晶体を得ることができる。
吸引濾過に用いる溶液の濃度は、一度の操作で得ようとするコロイド結晶体の容積により自由に選択することができる。また、一度すべての溶媒を吸引除去した後、再度溶液を追加して同様の操作を繰り返すことにより、任意の容積のコロイド結晶体を得ることができる。本方法を用いることにより、先と同様に、規則性を保持したまま、大面積化、大容積化が可能である。
溶媒を吸引する方法は特に限定されないが、アスピレータまたはポンプ等により吸引する方法等を例示することができる。吸引する速度は特に限定されないが、具体的には、40mmHg程度の減圧度でロート内の溶液界面が一定に降下する速度を好ましく例示することができる。
また、別な方法として、コロイド溶液に基板を浸積させ、これを引き上げるまたは該溶液に用いられている溶媒を蒸発させる方法を好ましく例示することができる。この方法も、用いるコロイド溶液の濃度の調整、または同様の操作を繰り返し行なうことにより、任意の面積、容積のコロイド結晶体を得ることができる。引き上げる速度は特に限定されないが、溶液の大気との界面において結晶が成長するため、遅い速度で引き上げるのが好ましい。また、溶液を蒸発させる速度も特に限定されないが、同様の理由で遅い方が好ましい。また、単分散コロイド溶液を用いることにより、コロイド単結晶体を得ることができる。
用いる基板表面の性状は特に限定されないが、コロイド結晶体等の粒状物質を用いて得られてくる多孔質ポリマーの光学特性を考慮すると、表面が平滑である基板の方がコロイド結晶の単結晶性、規則性の向上が望める。
また、本発明の多孔質炭導電性ポリマーの製造に用いられる粒状物質であるコロイド粒子は、その形状は真球等の球状または略球形であるのが好ましく、例えば弗化水素酸等の弗素化合物溶液、アルカリ性溶液、酸性溶液に溶解する無機化合物粒子を好ましく用いることができる。
上記無機化合物として、具体的には、アルカリ土類金属の炭酸塩、珪酸塩、金属酸化物、金属水酸化物、その他の金属珪酸塩、あるいはその他の金属炭酸塩等が例示でき、さらに具体的には、アルカリ土類金属の炭酸塩としては炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネウム等が、アルカリ土類金属の珪酸塩としては珪酸カルシウム、珪酸バリウム、珪酸マグネシウム等が、またアルカリ土類金属の燐酸塩としては燐酸カルシウム、燐酸バリウム、燐酸マグネシウム等が例示できる。さらに金属酸化物としてはシリカ、酸化チタン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化アルミニウム等が、金属水酸化物としては水酸化鉄、水酸化ニッケル、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化クロム等がそれぞれ例示できる。そしてその他の金属珪酸塩としては珪酸亜鉛、珪酸アルミニウム等が、その他の金属炭酸塩としては炭酸亜鉛、塩基性炭酸銅等がそれぞれ例示できる。天然物ではシラスバルーン、パーライト等を例示できる。
これらコロイド粒子の最大長さ方向の大きさは、1〜1000nmの範囲が本実施例でコロイド結晶を作製する上で好ましく、さらには、光学的利用を考える場合には200〜300nmの範囲が好ましい(段落0016参照)。
本発明の方法を適用できる重合性単量体は、気相重合を行える化合物であれば特に限定されないが、本発明の導電性ポリマーを得るための重合性単量体として、具体的には、ピロール、チオフェン、アニリン、ベンゼン、及びそれらの誘導体を例示することができる。
粒状物質表面に担持または付着される重合触媒は、気相の重合性単量体に接触して時に重合反応を触媒する物質であれば特に限定されないが、具体的には、導電性ポリマーであるポリピロール、ポリアニリン等をピロール、アニリン等から得る触媒として、過酸、ルイス酸等の酸化力のある化合物等を例示することができる。これらの触媒を粒状物質表面に担持または付着させる方法は、特に限定されないが、具体的には触媒を溶解した溶液に粒状物質を浸漬させる方法等を例示することができる。
気相重合を行う方法は特に限定されないが、上記重合触媒を担持または付着させた粒状物質、及び重合性単量体を閉鎖された容器内にお互い接触しないように配置し、その後重合性単量体を加熱し気化させることで行うことができる。
コロイド結晶体等の粒状物質と高分子の複合化物から粒状物質を溶解除去するには、例えば、粒状化合物が無機化合物の場合、弗素化合物の酸性溶液、アルカリ性溶液、酸性溶液等を用いることができる。例えば、粒状物質がシリカ、シラスバルーンまたは珪酸塩の場合は弗化水素酸水溶液、弗化アンモニウム、弗化カルシウム、弗化ナトリウム等の酸性溶液或いは水酸化ナトリウム等のアルカリ性溶液に複合化物を浸けるだけでよい。溶液は複合化物の珪素元素に対して弗素元素が4倍量以上であればよいが、濃度は10重量%以上であることが好ましい。また、アルカリ性溶液はpH11以上であれば特に限定はしない。粒子状化合物が金属酸化物、金属水酸化物の場合は塩酸等の酸性溶液に複合化物を浸けるだけでよい。酸性溶液はpH3以下であれば特に限定されない。
以下に実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
洗浄した3.0×2.4cm角のガラス基板を、単分散シリカコロイド懸濁水溶液(日本触媒社製単分散シリカ球状微粒子KE−P30)を用いて固形分濃度3容積%である水溶液を作製、コロイド粒子径:280nm)に浸漬し、0.8μm/秒の速度でゆっくりと引き上げ室温にて乾燥させてガラス基板上に厚さ約10μmのシリカコロイド結晶体を作成した。シリカコロイド結晶体を板状に有するガラス基板を、1M塩化第二鉄水溶液に10分間浸漬、その後、30分間80℃で真空乾燥し、水分を留去した。
図1に示すセルに、ピロールのみを入れ、100℃のオーブン中に20分間放置し、セル内に十分ピロールを気化させた。その後、塩化第二鉄を付着させたガラス基板を図1に示すようにセル内に配置し、さらに100℃にオーブンに45分間放置し、気相重合を行い、ガラス基板上に、ポリピロール−シリカ複合体を作成した。ガラス基板上より該複合体を分離し、10%弗化水素酸溶液に、室温で3日間浸漬させ、シリカコロイド結晶を溶解させた。余分な塩化第二鉄が弗化水素酸溶液に溶出した場合は交換を行った。その後中性になるまで純水で洗浄を繰り返し、得られたポリマーをテフロン(登録商標)シート2枚にはさみ、80℃で真空加熱乾燥し、多孔質ポリピロールのシートを作製した。
以上のようにして得られた多孔質導電性ポリマーの走査型電子顕微鏡(SEM)(日立 S−2600N)観察を行った。測定方法は、まず対象物をカーボン両面テープ((株)日新EM)を貼った試料台に密着させた後、イオンスパッター(日立E−1010)を用いてPt−Pdをサンプルにスッパタすることで前処理を行った。また測定モードは高真空モードで行った。
ポリピロール多孔質体の表面(シリカ/空気界面)、裏面(シリカ/ガラス界面)のSEM写真を図2の(A)、及び(B)に、断面図及びその拡大図を図3の(A)、及び(B)に示す。また、ガラス基板上に形成されたシリカコロイド結晶の表面と断面図を図4の(A)及び(B)に示す。
表面のSEMイメージ(図2(A))ではポリピロールがシリカ微粒子表面を覆うように重合しており、空孔の存在は確認できないが、裏面のSEM写真(図2(B))では規則正しく並んだ穴が観察できることより空孔の存在がわかった。断面のSEM写真(図3(A))により空孔の存在が確認され、また拡大図(図3(B))より空孔が規則性配列になっており、後述する比較例である電解重合により作製したボリピロール多孔質体より空孔の配列の規則性が高く、また、比較的単結晶的な構造となっていることがわかった、膜厚も約10μmと電解重合により作製したものより厚い結晶が得られることがわかった。
得られた多孔質ポリピロールについてその反射スペクトルを測定した。測定方法は、測定可能領域が300nm〜1100nm、分解能が1.5nmのUV/Vis分光器(OCEAN OPTICS INC.)に光ファイバーを接続し、入射角0°で作製したボリピロール多孔質体に光を照射して反射スペクトルを測定した。なお、反射強度については、アルミ板ミラー((株)シグマ光機)からの入射角0°における反射率を100%とし、光を照射していない時の状態を0%として測定を行った。
その結果を図5に示す。目視ではボリピロール多孔質体は表面、裏面でそれぞれ黄緑色、青緑色を呈していた。裏面側のシリカ/ガラス界面側が500nm、表面側のシリカ/空気界面側は550nmとその構造色に対応した反射スペクトルが観測された。
(比較例1)
背景技術で引用した非特許文献1等の公知の電解重合法を用いて同様の多孔質ポリピロールを作製し、実施例1と同様のSEM観察行った。その結果を図6に示す。図6(A)は、電極上に設けられたコロイド結晶体の断面図を示し、図6(B)は、多孔質ポリピロールの断面図を示す。図6より、電荷重合法で行った場合、鋳型として用いたコロイド結晶の形状を反映した空孔を有する多孔質ポリピロールではなく、その規則性も本発明の多孔質ポリピロールに比して劣ることがわかった。
また、反射スペクトルも同様に測定し、実施例1で得られた反射スペクトルと比較した。その結果を図7に示す。半値幅においては電気化学的に作製したものより、化学的手法で作製したものの方が狭いことがわかった。これは化学的手法に対し、電気化学的手法の方がブラッグ反射に関与する層数が少ないこと、また規則性が低いこと示唆している。
実施例1においても用いた反応セルの概略図を示す。 (A)実施例1において得られた多孔質ポリピロール表面(シリカ/空気界面側)の電子顕微鏡(SEM)写真を示す。(B)実施例1において得られた多孔質ポリピロール裏面(シリカ/ガラス界面側)のSEM写真を示す。 (A)実施例1において得られた多孔質ポリピロールの断面のSEM写真を示す。(B)は(A)の拡大図を示す。 (A)実施例1で鋳型として用いたシリカコロイド結晶体表面のSEM写真を示す。(B)その断面のSEM写真を示す。 実施例1でおいて得られた多孔質ポリピロールの表面(シリカ/空気界面側)及び裏面(シリカ/ガラス界面側)の反射スペクトルを示す。 (A)比較例1において、電極上に設けられたコロイド結晶体断面のSEM写真を示す。(B)比較例1において、電解重合法で得られた多孔質ポリピロールの断面を示す。 実施例1(気相重合法)及び比較例1(電解重合法)で得られた多孔質ポリピロールの反射スペクトルを示す。

Claims (12)

  1. 重合性単量体、またはそれを含む組成物を、前記単量体または組成物には不溶であり、その表面に重合触媒を担持または付着させた粒状物質存在下に気相重合させ粒状物質−ポリマー複合体を得る工程、前記粒状物質が可溶な溶媒に浸漬して粒状物質を溶解除去する工程を含むことを特徴とする多孔質ポリマーの製造方法。
  2. 重合性単量体を重合して得られるポリマーが、導電性ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の多孔質導電性ポリマーの製造方法。
  3. 粒状物質が、コロイド結晶体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多孔質導電性ポリマーの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法によって製造された空孔が3次元的規則性を有する多孔質導電性ポリマーにおいて、空孔がマクロ的に結晶構造を構成する配置で配列していることを特徴とする多孔質導電性ポリマー。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法によって製造された空孔が3次元的規則性を有する多孔質導電性ポリマーにおいて、空孔がマクロ的に材料表面に面心立方格子の(111)面配向で配列していることを特徴とする多孔質導電性ポリマー。
  6. 空孔が、結晶構造を形成していることを特徴とする請求項5に記載の多孔質導電性ポリマー。
  7. 空孔が、連続的に配列していることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の多孔質導電性ポリマー。
  8. 空孔が、面心立方構造で配列していることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の多孔質導電性ポリマー。
  9. 空孔の最大長さ方向の大きさが、1〜1000nmの範囲であることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の多孔質導電性ポリマー。
  10. 空孔の最大長さ方向の大きさが、100〜500nmの範囲であることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の多孔質導電性ポリマー。
  11. 空孔の形状が、球状または略球状であることを特徴とする請求項4〜10のいずれかに記載の多孔質導電性ポリマー。
  12. 導電性ポリマーが、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェニレン、またはそれらの誘導体であることを特徴とする請求項4〜11のいずれかに記載の多孔質導電性ポリマー。
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