JP4319088B2 - 環状高分子化合物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱安定性に優れた環状高分子化合物及びその製造方法に関する。
高分子化合物は一般に、数百〜数万個の原子が共有結合で連結された高分子量の主鎖をもち、この主鎖には両末端が存在する。
これに対し、主鎖に末端を有しない、いわゆる環状の高分子化合物を合成することができれば、力学的特性や加工性等の諸性質について、主鎖に末端を有する高分子化合物では発現し得ない、新規な特性を発現する材料の提供が可能となる。しかしながら、環状高分子化合物を工業的に利用し得る規模で製造する方法は未だ確立されていない。
そこで、本発明者はこれまで、例えば特許文献1に示すように、高分子化合物のポリマー主鎖の両末端に導入した脂肪族型の環状アミンと、低分子化合物の両末端に導入したカルボキシル基と、の間でイオン結合を形成させ、次いで加熱還流処理を施すことによって、当該環状アミンと当該カルボキシル基との間でエステル結合を形成させることにより環状高分子化合物を生成する、という独自の製造方法を開発してきた。
特開2004−107311
しかしながら、上記特許文献1に示した方法では、ポリマー主鎖の両末端の環状アミンが開環することによって、ポリマー鎖の両末端と低分子化合物の両末端との間でアミノエステルを形成するため、得られる環状高分子化合物は、例えばカルボン酸エステル型のものに比べて熱安定性が低いという問題があった。
本発明は、上記従来の問題に鑑みて為されたものであって、熱安定性に優れた環状高分子化合物及びその製造方法を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る環状高分子化合物は、ポリマー主鎖の両端と低分子鎖の両端とが共有結合してなる、分子量4000以上の環状高分子化合物であって、前記低分子鎖の両端は、前記ポリマー主鎖を構成するモノマーの一部との間で前記共有結合を形成していることを特徴とする。
また、前記ポリマー主鎖は、分岐鎖を有しない直鎖状のポリマー鎖であることとしてもよい。
また、前記ポリマー主鎖は、分岐鎖を有するポリマー鎖であることとしてもよい。
また、前記共有結合はエステル結合であることとしてもよい。
また、前記環状高分子化合物は、前記ポリマー主鎖の両端と前記低分子鎖の両端との間にのみエステル結合を含むこととしてもよい。
また、前記環状高分子化合物は、下記一般式(2)で表される分子量4000以上の環状高分子化合物であることとしてもよい。
Figure 0004319088
(式(2)中、R1は、分岐鎖を有し、又は分岐鎖を有さない分子量4000以上のポリマー鎖であり、R2は、直鎖状、分岐状、又は環状の低分子鎖である。)
また、本発明の一実施形態に係る環状高分子化合物の製造方法は、ポリマー主鎖の両末端に第一のイオン性官能基を有する前駆体高分子化合物と、低分子鎖の両末端に前記第一のイオン性官能基と反対の電荷を有する第二のイオン性官能基を有する低分子化合物と、を準備し、前記前駆体高分子化合物と前記低分子化合物とから、前記第一のイオン性官能基と前記第二のイオン性官能基との間にイオン結合を形成させて、当該前駆体高分子化合物と当該低分子化合物とからなる高分子複合体を生成し、前記高分子複合体から前記第一のイオン性官能基を脱離させて、前記第二のイオン性官能基と前記前駆体高分子化合物のポリマー主鎖を構成するモノマーの一部との間に共有結合を形成した環状高分子化合物を生成する、ことを特徴とする。
また、前記環状高分子化合物製造方法において、前記共有結合はエステル結合であることとしてもよい。
また、前記環状高分子化合物製造方法において、前記第一のイオン性官能基は、脂肪族型の環状アミンであることとしてもよい。
また、前記環状高分子化合物製造方法において、前記第二のイオン性官能基はカルボキシル基であることとしてもよい。
熱安定性に優れた環状高分子化合物及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態について説明する。本実施形態に係る環状高分子化合物は、ポリマー主鎖の両末端にイオン性官能基を有する高分子化合物(以下、前駆体高分子化合物Aと呼ぶ)と、当該前駆体高分子化合物Aの両末端のイオン性官能基と反対の電荷を有するイオン性官能基を低分子鎖の両末端に有する低分子化合物Bと、から生成される。ここで、以下、区別のために、前駆体高分子化合物の両末端に導入されるイオン性官能基を第一のイオン性官能基Xと呼び、低分子化合物の両末端に導入されるイオン性官能基を第二のイオン性官能基Yと呼ぶ。
前駆体高分子化合物Aは、下記一般式(3)で表される。
Figure 0004319088
ここで、式(3)においてR1は、前駆体高分子化合物Aのポリマー主鎖であり、例えば、ポリテトラヒドロフランやポリアルキレンオキシド等のポリエーテル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリスチレン等のポリオレフィン類及びこれらの誘導体、ポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸及びこれらの誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリシロキサン類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリウレタン類等、及びこれらを成分とする共重合体やブロック重合体等が挙げられる。このポリマー主鎖R1は、分岐鎖をもたない直鎖状のポリマー鎖であってもよいし、又はグラフト重合等によって形成される分岐鎖を有するポリマー鎖であってもよい。
また、式(3)においてXは、ポリマー主鎖R1の両末端に導入される第一のイオン性官能基であり、窒素原子又は硫黄原子を含み、且つその原子部分がイオン化された、アニオン性又はカチオン性の官能基である。この第一のイオン性官能基Xとして用いられるもののうち、アニオン性のものとしては、例えば5員環スルホニウム塩基等、カチオン性のものとしては、例えば、アゼチジニウム基、ピロリジニウム基、ピペリジニウム基、キヌクリジニウム基、テトラヒドロチオフェニウム基、及びこれらの誘導体等の4〜7員環の脂肪族型の環状アミン等が挙げられ、より具体的には、例えば、下記構造式(4)で表されるN-フェニルヘキサメチレンイミン、下記構造式(5)で表されるN-フェニルペンタメチレンイミン、下記構造式(6)で表されるN-フェニルピロリジニウム等が挙げられる。
Figure 0004319088
Figure 0004319088
Figure 0004319088
この第一のイオン性官能基Xは、例えば、以下のような方法でポリマー主鎖R1に導入される。すなわち、まずモノマーにスルホン酸誘導体等のアニオンを開始剤として添加して当該モノマーのカチオンリビング重合を行い、次いで当該重合反応により合成されるポリマー主鎖R1のカチオン末端の停止剤として第一のイオン性官能基Xを添加することにより、ポリマー主鎖R1の両末端に第一のイオン性官能基Xが導入される。なお、この場合、式(3)で表される前駆体高分子化合物Aは、その両末端の第一のイオン性官能基Xに、開始剤として用いたアニオンが対イオンとしてイオン結合して生成される。
また、この場合のように第一のイオン性官能基Xをポリマー主鎖R1に直接導入する方法に限られず、第一のイオン性官能基Xを有する低分子化合物又は高分子化合物をポリマー主鎖R1の両末端に結合させる反応を行うことによっても、当該第一のイオン性官能基Xを当該ポリマー主鎖R1に導入することができる。
低分子化合物Bは、下記一般式(7)で表される。
Figure 0004319088
ここで、式(7)においてR2は、直鎖状、分岐状、環状の脂肪族型又は芳香族型の炭化水素鎖を含む低分子鎖であり、例えば、エチル基やブチル基等のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基等を含んで構成され、その分子量は特に限られないが、例えば数百程度であり、好ましくは200以下である。これは、この範囲の分子量をもつ低分子鎖を有する低分子化合物Bを用いれば、前駆体高分子化合物Aの第一のイオン性官能基Xの対アニオンとして導入する操作が容易であり、ポリマー主鎖R1との共有結合の形成も容易に進行するためである。
また、式(7)においてYは、低分子鎖R2の両末端に導入される第二のイオン性官能基であり、第一のイオン性官能基Xと反対の電荷を有するアニオン性又はカチオン性の官能基である。この第二のイオン性官能基Yとして用いられるもののうち、アニオン性のものとしては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
この一般式(7)で表される低分子化合物Bは、上記第一のイオン性官能基Xの場合と同様の方法により、第二のイオン性官能基Yを低分子鎖R2に導入することによって得られるが、例えば、市販されているテレフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸等のジカルボン酸、及びこれらの誘導体等を用いてもよい。
これら前駆体高分子化合物Aと低分子化合物Bとから生成される環状高分子化合物の分子量は4000以上であることが好ましい。これは、環状高分子化合物の分子量が4000未満の場合には、例えばそのガラス転移温度が低いために、フィルム等への成形性が低下するためである。
次に、本実施形態に係る環状高分子化合物の製造方法について説明する。本実施形態に係る環状高分子化合物の製造方法は、段階的に行われる2つの工程を含む。すなわち、まず、第1工程においては、前駆体高分子化合物Aと低分子化合物Bとから、当該前駆体高分子化合物Aの両末端の第一のイオン性官能基Xと、当該低分子化合物Bの両末端の第二のイオン性官能基Yと、の間にイオン結合を形成させることにより、当該前駆体高分子化合物Aと当該低分子化合物Bとからなる、高分子複合体Cを生成する。
具体的に、この第1工程においては、例えば図1に示すように、ポリマー主鎖R1の両末端に、アニオンZが対イオンとしてイオン結合した第一のイオン性官能基X(ここではカチオン性)を有する前駆体高分子化合物Aを、低分子鎖R2の両末端に第二のイオン性官能基Y(ここではアニオン性)を有する低分子化合物Bを含む水中に滴下して沈殿させることにより、又は両末端のイオン基濃度(第一のイオン性官能基Xと第二のイオン性官能基Yの濃度)を当量に調整した当該前駆体高分子化合物Aと当該低分子化合物Bとを水中若しくは他の適当な溶媒(水性アルコール、アルコール等)中に共沈させることにより、対イオンをアニオンZから第二のイオン性官能基Yに交換(対アニオンの交換)し、さらにこの得られた沈殿物を適当な溶媒で希釈し、例えば文献(J. Am. Chem. Soc., 122, 9592 (2000))に示されるように、分子内反応が分子間反応に対して有利となる、数グラム/L以下(より望ましくは1グラム/L以下)の条件を選定することによって、前駆体高分子化合物Aの両末端が低分子化合物Bによって仮止めされた(すなわち、前駆体高分子化合物Aの両末端が低分子化合物Bを介して連なった)高分子複合体Cを生成する。
ここで、この第1工程において、前駆体高分子化合物Aと低分子化合物Bとは、通常等モルで使用するが、これに限られず、第一のイオン性官能基Xと第二のイオン性官能基Yとが対イオンを形成させることができれば、いずれかを過剰に使用してもよく、例えば、1モルの前駆体高分子化合物Aに対して、低分子化合物Bを0.5〜10モル、好ましくは5モル程度の割合で使用する。
次に、第1工程に次いで行われる第2工程について説明する。この第2工程においては、第1工程において生成された高分子複合体Cに加熱や光照射等の処理を施すことにより、当該高分子複合体Cを構成する前駆体高分子化合物Aの両末端の第一のイオン性官能基Xを脱離させると共に、当該前駆体高分子化合物Aの両末端を仮止めしていた低分子化合物Bの両末端の第二のイオン性官能基Yと、当該前駆体高分子化合物Aのポリマー鎖R1を構成するモノマーの一部と、の間で共有結合を形成させて、単環状の高分子化合物Dを生成する。
具体的に、この第2工程においては、例えば図2に示すように、第1工程で生成された高分子複合体Cをトルエン等の溶媒中に低濃度で溶解し、この高分子複合体溶液に、例えば40℃〜150℃程度の温度範囲で加熱処理を施すことによって、前駆体高分子化合物Aを構成するポリマー主鎖R1の両末端付近のモノマーの一部と、低分子化合物Bの両末端の第二のイオン性官能基Yと、が共有結合を形成し、ポリマー主鎖R1の両末端が低分子鎖R2を介して連結された単環状の高分子化合物Dが生成される。
なお、この第2工程において用いられる高分子複合体溶液中の高分子複合体Cの濃度は、当該高分子複合体Cを構成する前駆体高分子化合物Aの種類や分子量によって適宜調整されればよいが、例えば、0.1g/L〜50g/L程度の範囲が好ましく用いられる。また、この第2工程における前駆体高分子化合物Aと低分子化合物Bとの共有結合形成反応は、加熱処理に限られず、例えば光照射処理によっても行うことができる。
この第2工程において生成される環状高分子化合物Dは、ポリマー主鎖R1が末端をもたない単環状の特異なトポロジー構造を有することにより、融点、溶解性、フィルム成形性といったポリマー主鎖の末端基の影響を受けにくい諸性質については、ポリマー主鎖が末端をもつ従来一般的な高分子化合物とほぼ同じであるにもかかわらず、例えば、加工性や表面特性といったポリマー主鎖の末端の影響を受けやすい物理的又は機械的な諸性質については、従来一般の高分子化合物によっては発現できなかった新規な特性を示すことが期待できる。すなわち、この環状高分子化合物Dは、例えば、樹脂、フィルム、繊維、ゴム材料、各種改質材料、各種添加材料として有用である。
また、上記第2工程において、高分子複合体C内で前駆体高分子化合物Aの両末端の第一のイオン性官能基Xが脱離するとともに、当該前駆体高分子化合物Aのポリマー主鎖R1と低分子化合物Bの両末端の第二のイオン性官能基Yとが直接共有結合を形成するため、例えば第二のイオン性官能基Yとしてカルボキシル基を用いた場合には、カルボン酸エステル結合の形成によって環化され、熱安定性に優れた、下記一般式(8)で表される環状高分子化合物Dを生成することができる。
Figure 0004319088
次に、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は本実施例に限られるものではない。
[原材料の準備1:第一のイオン性官能基の合成]
本実施例においては、第一のイオン性官能基Xとして、以下の方法により合成したN-フェニルヘキサメチレンイミンを用いた。すなわち、窒素雰囲気下でナトリウムアミド(25.1g,6.39×10-1mol,関東化学社製)とヘキサメチレンイミン(160.2g,1.60mol,Aldrich社製)とを混合して30分間加熱還流を行い、これにブロモベンゼン(51.0g,3.20×10-1mol,東京化成社製)を2時間かけて滴下し、さらに2時間還流攪拌した。次に、この反応混合物を氷冷しつつH2O(50ml)を加え、トルエン(100ml)で数回抽出し、抽出溶液をH2Oで5回洗浄した。その後、溶媒を留去し、減圧蒸留することによって、N-フェニルヘキサメチレンイミンを単離した(収量:38.4g,2.19×10-1mol,収率:68.4%)。
[原材料の準備2:前駆体高分子化合物の生成]
本実施例においては、モノマーとしてテトラヒドロフラン(以下、THFと呼ぶ)(関東化学社製)を用いて前駆体高分子化合物Aを合成した。すなわち、窒素雰囲気下にて、50mlのTHFを25℃で所定時間攪拌した後、開始剤としてトリフルオロメタンスルホン酸無水物(127.3ml,5.94×10-4mol,Aldrich社製)を添加してリビングカチオン重合反応を開始し、11分30秒経過後、カチオン末端の停止剤として上記方法により合成したN-フェニルヘキサメチレンイミン(910.4mg,4.76×10-3mol)を添加して反応を停止した。溶媒を留去後、9mlのTHFを添加して溶解し、この溶液を350mlの冷石油エーテルに滴下した。30分間の攪拌後、沈殿生成物をろ過により回収し、減圧乾燥し、生成物を単離した(収量:1.97g,4.53×10-4mol)。
この生成物を、FT-IR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)(JASCO FT/IR-410,日本分光社製)及び1H-NMR(Proton Nuclear Magnetic Resonance)(JEOL-AL300,日本電子社製)を用いて解析した結果を図3及び図4にそれぞれ示す。
図3に示すように、IRスペクトルにおいて、トリフレートアニオン(トリフルオロメタンスルホン酸アニオン)由来の吸収が、638cm-1(C-S伸縮振動),1030cm-1(SO3 -対称伸縮振動),1257cm-1(C-F振動)にそれぞれ検出された。
また、図4に示すように、1H-NMRスペクトルにおいて、N-フェニルヘキサメチレンイミンに含まれるヘキサメチレンイミニウム環のメチレン由来のピークが、4.16ppm(ピークd),2.16ppm(ピークe)にそれぞれ検出された。
これら図3及び図4の結果より、THFモノマーのリビング重合によってポリマー主鎖R1としてポリTHF鎖(以下、PTHF鎖と呼ぶ)を有し、トリフルオロメタンスルホン酸イオンが対アニオンとして結合した、第一のイオン性官能基XとしてのN-フェニルヘキサメチレンイミンが両末端に導入された、下記構造式(9)で表される前駆体高分子化合物Aが合成されたことが確認された。
Figure 0004319088
[第1工程:高分子複合体の生成]
本実施例においては、低分子化合物Bとして4,4'-ビフェニルジカルボン酸ナトリウムを用いた。この4,4'-ビフェニルジカルボン酸ナトリウムは、4,4'-ビフェニルジカルボン酸(東京化成社製)を水中で当量の水酸化ナトリウムと反応させて合成した。
次いで、この合成した4,4'-ビフェニルジカルボン酸ナトリウムを、前駆体高分子化合物Aの両末端のN-フェニルヘキサメチレンイミン基の10倍モル量(306.6mg,1.07mmol)で溶解した蒸留水(250ml)を調製して5℃以下に冷却し、これを激しく攪拌しながら、この中にTHF(2ml)に溶解した前駆体高分子化合物A(466.6mg,1.07×10-1mmol)をゆっくり滴下した。1時間攪拌後、沈殿生成物を濾過により回収、減圧乾燥し、生成物(以下、第1工程生成物と呼ぶ)を得た。なお、前駆体高分子化合物Aの対アニオンをトリフルオロメタンスルホン酸アニオンからビフェニルジカルボン酸アニオンに完全に交換するために、この操作を2回繰り返した(収量:395.6mg)。
得られた第1工程生成物を、FT-IR及び1H-NMRを用いて解析した結果を図5及び図6にそれぞれ示す。図5に示すように、IRスペクトルにおいては、対アニオン交換前(図3参照)において検出されたトリフレートアニオン由来の吸収が消失するとともに、カルボキシレートアニオン由来の吸収が1590cm-1に検出された。すなわち、トリフルオロメタンスルホン酸アニオンからビフェニルジカルボン酸アニオンへの対アニオンの交換が行われたことが確認された。
また、図6に示すように、1H-NMRスペクトルにおいては、対アニオン交換前(図4参照)には検出されなかった4,4'-ビフェニルジカルボン酸アニオン由来のピークが8.19ppm(ピークh), 7.73ppm(ピークi)にそれぞれ検出された。
これら図5及び図6に示す結果より、第1工程において、前駆体高分子化合物Aの両末端のN-フェニルヘキサメチレンイミンと、4,4'-ビフェニルジカルボン酸の両末端の第二のイオン性官能基Yであるカルボン酸アニオンと、がイオン結合を形成することにより、当該前駆体高分子化合物Aと当該4,4'-ビフェニルジカルボン酸とからなる、下記構造式(10)で表される高分子複合体Cが第1工程生成物として生成されたことが確認された。
Figure 0004319088
[第2工程:環状高分子化合物の生成]
次に、上記第1工程において生成された高分子複合体C(59.6mg)をトルエン(200ml)に溶解し、12時間加熱還流した。溶媒を留去した後、得られた生成物(46.0mg)をシリカゲルの薄層クロマトグラフィー(200gのSilicagel 60 PF254 MERCKに500mlの水を加え、攪拌後、ガラス板に塗布し、作成した。)により精製した。展開溶媒にはアセトン:ヘキサンを1:2の割合で用い、UV吸収を示した部分(Rf=0.5〜0.6)を選択的に回収し、アセトン(50ml)で30分間抽出した。シリカゲルを濾過し、濾液の溶媒を留去後、減圧乾燥し、最終生成物(以下、第2工程生成物と呼ぶ)を得た(収量:40.3mg)。
また、上記第1工程及び第2工程において、4,4'-ビフェニルジカルボン酸に代えて安息香酸テトラ-n-ブチルアンモニウムを用いることにより、環状でない末端を有する高分子化合物(以下、対照生成物と呼ぶ)を生成した。この対照生成物をFT-IR及び1H-NMRを用いて分析した結果、PTHF鎖の両末端に安息香酸基が共有結合した高分子化合物であることが確認された(分析結果は図示せず)。
この第2工程生成物及び対照生成物をSEC(Size Exclusion Chromatography)を用いて分析した結果を図7に示す。また、第2工程生成物をFT-IR,1H-NMR,及びMALDI-TOF-MS(Matrix Assisted Laser Desorption Ionization Time Of Fright Mass Spectrometry)を用いて分析した結果を、図8,図9,及び図10にそれぞれ示す。なお、SEC分析は、デュアルポンプCCPS,TSKゲルカラムG3000HXL,示差屈折計RI-8020,紫外線可視検出器UV-8020,電気伝導検出器CM-8010を備えたGPCユニット(溶出溶媒THF=1.0ml/min,カラム温度40℃,東ソー社製)を用い、第2工程生成物及び対照生成物の分子量は、クロマトグラム上のピーク位置から、ポリスチレン換算分子量に変換係数0.556を乗じることで換算することにより算出した。また、MALDI-TOF-MS分析は、SHIMADZU AXIMA-CFR(窒素レーザー光λ=337nm,加速電圧=20kv,島津製作所社製)を用い、サンプル(第2工程生成物又は対照生成物)溶液(サンプル/THF=1mg/1ml)50μlとマトリックス溶液(ジスラノール・トリフルオロ酢酸ナトリウム/THF=10mg・1mg/1ml)50μlの混合溶液を使用して行った。
図7(a)及び図7(b)は、それぞれ対照生成物及び第2工程生成物について、SEC分析を行った結果を示すSECクロマトグラムである。図7(a)に示す結果より、対照生成物の数平均分子量Mnは6510,重量平均分子量Mwと当該数平均分子量Mnとの比Mw/Mnは1.09,とそれぞれ算出された。また、図7(b)に示す結果より、第2工程生成物の数平均分子量Mnは5000,重量平均分子量Mwと当該数平均分子量との比Mw/Mnは1.23,とそれぞれ算出された。
また、図7(b)に示す第2工程生成物の分子量分布のピーク位置(m)に相当する分子量と、図7(a)に示す対照生成物の分子量分布のピーク位置(l)に相当する分子量と、の比は0.76と算出された。この見かけの分子量比は、文献(Macromolecules, 34, 6592 (2001))において、分子量3700〜10300の範囲で、同じ分子量をもつ、主鎖に末端を有するPTHFと環状のPTHFとについてSECを用いて分析した結果における見かけの分子量比(0.75〜0.87)と一致することから、この第2工程生成物は、環状高分子化合物であることが確認された。
また、図8に示すように、IRスペクトルにおいて、第2工程での加熱前(図5参照)に検出されたカルボキシレートアニオン由来の吸収が消失し、代わって、エステル結合由来の吸収が1718cm-1(C=O 伸縮振動)に検出された。
また、図9に示すように、1H-NMRスペクトルにおいては、第2工程での加熱前(図6参照)に検出されたヘキサメチレンイミニウム環のメチレン由来のシグナル(図6におけるピークd、ピークe)が全て消失し、エステル隣接メチレンのピークが4.35ppm(ピークk)に検出され、エステル結合の形成が確認された。
これら図8及び図9に示す結果より、第2工程において、高分子複合体Cを構成する前駆体高分子化合物Aの両末端のN-フェニルヘキサメチレンイミンと、4,4'-ビフェニルジカルボン酸両末端のカルボキシル基と、の間のイオン結合が消失するとともに、エステル結合を有する第2工程生成物が生成されたことが確認された。
また、図10に示すように、MALDI-TOF-MSスペクトルにおいては、2種類のピーク分布が検出され、第2工程生成物は、2種類の環状高分子化合物を含むことが確認された。ここで、以下、区別のために、図10においてピーク高さが小さい方のピーク分布を第1ピーク分布、ピーク高さが大きい方のピーク分布を第2ピーク分布、とそれぞれ呼ぶこととする。
これら第1ピーク分布内の隣り合う各ピーク間の分子量差、及び第2ピーク分布内の隣り合う各ピーク間の分子量差、はいずれもすべてPTHF鎖の繰り返し単位(THFモノマー)の分子量72に相当する値を示した。すなわち、各ピーク分布内において、隣り合って検出された各ピークは、THFの重合度が1つずつ異なる生成物を示すものであることが確認された。
さらに、図10に示す第1ピーク分布内の各ピーク位置が示す分子量は、PTHF鎖の両末端のN-フェニルヘキサメチレンイミンが共に脱離し、且つPTHF鎖を構成するTHFモノマーの一部と4,4'-ビフェニルジカルボン酸とがエステル結合を形成することにより生成されたと仮定した場合の環状高分子化合物の分子量とほぼ一致した。
すなわち、例えば、60量体について、両方のN-フェニルヘキサメチレンイミンが脱離して生成されたと仮定した場合の環状高分子化合物の分子量は、(C4H8O)×60+C4H8+(COO+C6H4)×2=4645.749と算出されるが、図10の第1ピーク分布内には、分子量4645.67に相当する位置にピークpが検出された。このような一致は重合度が60以外のものについても確認された。
また、図10に示す第2ピーク分布内の各ピークについては、各ピーク位置が示す分子量は、PTHF鎖の両末端のN-フェニルヘキサメチレンイミンのうち、片方のN-フェニルヘキサメチレンイミンが脱離し、他方が開環して生成されたと仮定した場合の環状高分子化合物の分子量とほぼ一致した。
すなわち、例えば、60量体についての分子量は、(C4H8O)×60+C4H8+(COO+C6H4)×2+N+C6H5+C6H12=4821.024と算出されるが、図10の第2ピーク分布内には、分子量4820.76に相当する位置にピークqが検出された。このような一致は重合度が60以外のものについても確認された。
また、図10における第1ピーク分布内のピークpと第2ピーク分布内のピークqとの分子量差は175.09であり、これは1つのN-フェニルヘキサメチレンイミニウム環の分子量175に極めて近いものであった。
この図10に示すMALDI-TOF-MSを用いた分析結果より、第2工程において、高分子複合体Cを構成する前駆体高分子化合物Aの両末端の第一のイオン性官能基Xの脱離と、ポリマー主鎖R1と第2イオン性官能基Yとのエステル結合形成と、を伴う環化反応によって環状高分子化合物が生成されたことが確認された。
すなわち、この第2工程においては、図11(a)に示す構造式によって表される前駆体高分子化合物Aと低分子化合物Bとからなる高分子複合体Cを加熱還流することにより、当該構造式において実線Lで囲んだN-フェニルヘキサメチレンイミンとカルボキシル基とがイオン結合を形成している付近を拡大した図11(b)に示すように、4,4'-ビフェニルジカルボン酸アニオンによる求核攻撃が、PHTF鎖を構成するTHFモノマーのメチレン(位置I)に対して行われたことによって、N-フェニルヘキサメチレンイミニウム環の脱離反応とともに、THFモノマーを構成する位置Iの炭素原子とカルボキシル基との間のエステル結合の形成が起こり、図10の第1ピーク分布として検出される、図11(c)に示す構造式で表される環状高分子化合物が生成されたことが確認された。
なお、この第2工程において用いられた高分子複合体Cのうち、一部については、4,4'-ビフェニルジカルボン酸アニオンによる求核攻撃が、PHTF鎖の一方の末端を構成するTHFモノマーのメチレン(位置I)と、当該PTHF鎖の他方の末端のN-フェニルヘキサメチレンイミニウム環のアミンの隣接メチレン(位置II)と、に対してそれぞれ行われたことによって、当該一方の末端においてはN-フェニルヘキサメチレンイミニウム環の脱離反応とともに、位置Iの炭素原子とカルボキシル基との間のエステル結合の形成が起こり、当該他方の末端においてはN-フェニルヘキサメチレンイミニウム環の開環反応を伴う、位置IIの炭素原子とカルボキシル基との間のエステル結合形成が起こることによって、図10の第2ピーク分布として検出される、図11(d)に示す構造式で表される環状高分子化合物が生成されたことも確認された。
このように、本実施例においては、第一のイオン性官能基として用いたN-フェニルヘキサメチレンイミンの開環反応性が比較的低いため、加熱還流処理により、その開環反応が起こる代わりに、N-フェニルヘキサメチレンイミンの脱離反応が起こり、熱安定性に優れた環状高分子化合物が生成された。
本発明の一実施形態における高分子複合体の生成反応についての説明図である。 本発明の一実施形態における環状高分子化合物の生成反応についての説明図である。 本発明の一実施形態における前駆体高分子化合物についてのFT-IR分析結果を示すスペクトル図である。 本発明の一実施形態における前駆体高分子化合物についての1H-NMR分析結果を示すスペクトル図である。 本発明の一実施形態における高分子複合体についてのFT-IR分析結果を示すスペクトル図である。 本発明の一実施形態における高分子複合体についての1H-NMR分析結果を示すスペクトル図である。 本発明の一実施形態における環状高分子化合物及び対照生成物についてのSEC分析結果を示すクロマトグラムである。 本発明の一実施形態における環状高分子化合物についてのFT-IR分析結果を示すスペクトル図である。 本発明の一実施形態における環状高分子化合物についての1H-NMR分析結果を示すスペクトル図である。 本発明の一実施形態における環状高分子化合物についてのMALDI-TOF-MS分析結果を示すスペクトル図である。 本発明の一実施形態における環状高分子化合物の生成反応の過程を示す説明図である。

Claims (2)

  1. ポリマー主鎖の両端と低分子鎖の両端とが共有結合してなる、下記一般式(1):
    Figure 0004319088
    (式(1)中、R1は、ポリエーテルからなる前記ポリマー主鎖であり、R2は、分子量が200以下の芳香族型の炭化水素鎖からなる前記低分子鎖である。)で表される分子量4000以上の環状高分子化合物であって、
    前記低分子鎖の両端は、前記ポリマー主鎖の両端を構成するモノマーとの間でエステル結合を形成していることを特徴とする環状高分子化合物。
  2. ポリエーテルからなるポリマー主鎖の両末端に脂肪族型の環状アミンからなる第一のイオン性官能基を有する前駆体高分子化合物と、
    分子量が200以下の芳香族型の炭化水素鎖からなる低分子鎖の両末端にカルボキシル基からなる第二のイオン性官能基を有する低分子化合物と、を準備し、
    前記前駆体高分子化合物と前記低分子化合物とから、前記第一のイオン性官能基と前記第二のイオン性官能基との間にイオン結合を形成させて、当該前駆体高分子化合物と当該低分子化合物とからなる高分子複合体を生成し、
    前記高分子複合体から前記第一のイオン性官能基を脱離させて、前記第二のイオン性官能基と前記前駆体高分子化合物の前記ポリマー主鎖の両端を構成するモノマーとの間にエステル結合を形成した分子量4000以上の環状高分子化合物を生成する、
    ことを特徴とする環状高分子製造方法。
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