JP4318966B2 - Metal oxide fine particle dispersion - Google Patents
Metal oxide fine particle dispersion Download PDFInfo
- Publication number
- JP4318966B2 JP4318966B2 JP2003167672A JP2003167672A JP4318966B2 JP 4318966 B2 JP4318966 B2 JP 4318966B2 JP 2003167672 A JP2003167672 A JP 2003167672A JP 2003167672 A JP2003167672 A JP 2003167672A JP 4318966 B2 JP4318966 B2 JP 4318966B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thin film
- dispersion
- metal oxide
- metal
- metal thin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Chemically Coating (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、常圧条件下で金属薄膜を製造可能な金属酸化物微粒子分散体、およびこれを用いた金属薄膜の製造方法に関する。本発明によって、電極、配線、回路等の導電性薄膜を容易に作成することが可能となる。
【0002】
【従来の技術】
従来、基板上に金属薄膜を形成する方法には、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法、メッキ法、金属ペースト法等が知られている。真空蒸着法、スパッタ法およびCVD法は、いずれも高価な真空装置を必要とし、いずれも成膜速度が遅いという問題がある。
メッキ法によると、導電性を有する基材の上に、比較的容易に金属膜を形成することが可能であるが、絶縁基材の上に形成する場合には、導電層をはじめに形成する必要がある。したがって、そのプロセスは煩雑なものになるという問題がある。また、メッキ法は溶液中での反応を利用するため、大量の廃液が副生し、この廃液処理に多大な手間とコストがかかるという問題がある。
【0003】
金属ペースト法は、金属フィラーを分散させた溶液を基材上に塗布し、加熱処理して金属薄膜を得る方法であって、真空装置等の特別な装置を必要とせず、プロセスが簡易であるという利点を有するが、金属フィラーを溶融するには、通常、1000℃以上の高温を必要とする。したがって、基材はセラミック基材等の耐熱性を有する基材に限られる。また、基材が熱で損傷したり、加熱により生じた残留応力により基材が損傷を受けやすいという問題もある。金属フィラーの粒径を小さくすることによって金属ペーストの焼成温度が低減できることが知られているが(特許文献1)、それらの粒子は大量生産が難しく、したがって、金属フィラーのコストが非常に高いため、それらの金属薄膜形成プロセスは非常に高価であるという問題がある。
【0004】
一方、比較的安価な金属酸化物フィラーを分散させた金属酸化物ペーストを用いて金属薄膜を形成する方法も知られている。特許文献2には、結晶性高分子を含み、粒径300nm以下の酸化第一銅微粒子を分散させた金属酸化物ペーストを加熱し、結晶性高分子を分解させて金属薄膜を得るという方法が開示されている。しかしながら、この方法では、300nm以下の金属酸化物を結晶性高分子中にあらかじめ分散させる必要があり、非常な手間を必要とするのに加えて、結晶性高分子を分解するのに、減圧雰囲気において、400℃〜900℃の高温を必要とする。したがって、使用可能な基材は、その温度以上の耐熱性を必要とし、基材が制限されるという問題があり、またその加熱処理は減圧雰囲気によるバッチ処理になるため、生産性が悪いという問題もある。
【0005】
特許文献3には、減圧雰囲気における蒸発法で得られる、粒径が10nm以下の酸化第二銅微粒子分散液を用い、銅薄膜を形成する方法が開示されているが、その焼成には1.3Pa以下の真空中で250℃で加熱した後、さらに300℃に上げて、二酸化炭素雰囲気で60分間焼成し、さらに400℃で不活性雰囲気で30分焼成するという、非常に煩雑で時間のかかるプロセスを要する。焼成に真空雰囲気が必要であるため、減圧装置が必要であり、さらに、真空雰囲気の焼成はバッチ処理になるため、生産性が悪いという問題がある。
【0006】
以上のように、金属または金属酸化物フィラーを分散させた分散液を基材上に塗布し、さらに加熱処理して金属薄膜を得る方法は、プロセスコストの安い方法ではあるが、(1)フィラーが非常に高価である、(2)真空雰囲気での加熱処理が必要である、(3)加熱処理温度が高い、等の問題があって、実用化されていないのが現状である。特に、民生分野で用いられる樹脂基材上へ金属薄膜形成方法として適用するのは困難である。
【0007】
【特許文献1】
特許第2561537号公報
【特許文献2】
特開平5−98195号公報
【特許文献3】
特開2000−123634公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、安価に、真空または減圧雰囲気を必要とせず、不活性雰囲気中で、かつ、比較的低温での加熱処理によって、基材の上に体積抵抗値が低い金属薄膜、特に、銅薄膜の形成が可能な金属酸化物分散体を提供することである。
本発明の他の目的は、膜厚を任意に、かつ、容易に制御して金属薄膜を製造する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)金属酸化物微粒子分散体を成膜し、これを加熱処理することによって金属酸化物微粒子を還元させ、この還元と同時にまたは還元後に、還元性有機ポリマーを加熱処理前の重量の95重量%以上消失させ、該還元性有機ポリマーが、炭素数2〜6の直鎖状および/または環状のオキシアルキレン基を繰り返し単位とする脂肪族ポリエーテル化合物であることを特徴とする金属薄膜の製造方法。
【0010】
(2)不活性雰囲気中、大気圧以上の圧力下で加熱処理することを特徴とする(1)に記載の金属薄膜の製造方法。
(3)加熱処理温度が50℃以上500℃以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の金属薄膜の製造方法。
(4)脂肪族ポリエーテル化合物が、分子量200〜600のポリエチレングリコールおよび/またはポリプロピレングリコールであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の金属薄膜の製造方法。
(5)金属酸化物微粒子の一次粒子径が100nm以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の金属薄膜の製造方法。
【0011】
(6)金属酸化物微粒子の一次粒子径が50nm以下であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つに記載の金属薄膜の製造方法。
(7)金属酸化物微粒子が酸化銅または酸化銀の微粒子であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1つに記載の金属薄膜の製造方法。
(8)酸化銅が酸化第一銅であることを特徴とする(7)に記載の金属薄膜の製造方法。
(9)(1)〜(8)のいずれか1つの製造方法によって製造される、体積抵抗値が5×10 −5 Ωcm以下の金属薄膜。
【0013】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の金属酸化物微粒子分散体は、以下のいずれかの形態をとっている。
(イ)金属酸化物微粒子が還元性有機ポリマー溶液中に分散。
(ロ)金属酸化物微粒子が液状の還元性有機ポリマー中に分散。
(ハ)金属酸化物微粒子が、流動性または流動可能な還元性有機ポリマー中に分散。
【0014】
本発明の金属微粒子分散体に含まれる金属酸化物微粒子の一次粒子径は100nm以下であり、好ましくは50nm以下である。一次粒子径が100nmより大きくなると、粒子間の空隙の割合が大きくなり、得られる金属薄膜の緻密性が低下する。
金属酸化物微粒子は、還元性有機ポリマーの存在下、加熱処理によって還元されるものであれば、いかなるものも使用可能である。金属酸化物微粒子として、例えば、酸化銅、酸化銀、酸化パラジウム、酸化ニッケル等が挙げられる。中でも、容易に還元が可能な酸化銅および酸化銀が好ましい。酸化銅としては、酸化第一銅、酸化第二銅、およびその他の酸化数をもった酸化銅のいずれも使用可能である。酸化第一銅超微粒子は、容易に還元が可能であるのでより好ましい。酸化銀としては、酸化第一銀、酸化第二銀、酸化第三銀等、いずれの酸化数をもつものも使用可能であるが、粒子の安定性から、酸化第一銀がより好ましい。
【0015】
これらの金属酸化物は、市販品を用いてもよいし、合成品を使用することも可能である。例えば、一次粒子径が100nm以下の酸化第一銅の合成方法としては、アセチルアセトナト銅錯体をポリオール溶媒中で200℃程度に加熱して合成する方法が公知である(アンゲバンテ ケミ インターナショナル エディション、40号、2巻、p.359、2001年)。
本発明に使用される還元性有機ポリマーは、共存する一次粒子径100nm以下の金属酸化物微粒子に対して還元能を有し、かつ、その還元作用が生じる温度またはそれ以上の温度において、95重量%以上が消失することを特徴とする。このような還元性有機ポリマーを使用すると、常圧での加熱処理によって分散体中の金属酸化物微粒子を還元する際に、還元性有機ポリマーはほぼ全てがそのまま揮発するか、酸化および/または分解されて揮発するため、得られる金属薄膜の体積抵抗値を低くすることが可能である。ただし、常温常圧で容易に揮発または分解すると、分散体の保存安定性に支障が生じる場合があるため、該ポリマーの沸点または分解温度は50℃以上であることが好ましい。
【0016】
還元性有機ポリマーが、金属酸化物に対して還元作用が生じる温度および金属酸化物の還元作用が生じる温度またはそれ以上の温度における、還元性ポリマーの消失量は、後述する方法で求める。
観察される分散体の重量減は、1)還元性ポリマーの焼失に伴う重量減、2)金属酸化物の還元に伴う重量減、3)分散体中に分散媒が含まれる場合には分散媒の揮発・焼失に伴う重量減、が含まれる。2)に関しては、金属酸化物の還元過程をX線分析等(XRD測定等)でモニターすることによって昇温過程における焼失量を別に見積もることができる。3)に関しては、分散媒そのものの焼失プロファイルを別に測定することによって見積もることができる。そのため、分散体の焼失プロファイルから、2)および3)を差し引くことによって1)を導くことが可能である。
【0017】
還元性ポリマーの重量減量は、分散体中に含まれる金属酸化物微粒子との還元反応、および還元して得られる金属に接触することによる触媒的な分解反応によっても影響を受けるので、還元性ポリマー単体ではなく、分散体として熱分析することが必要である。
還元作用が生じる温度またはそれ以上の温度において消失する還元性有機ポリマーの量は、加熱前に分散体に含まれる還元性有機ポリマーの重量に対し95重量%以上、好ましくは99重量%以上である。したがって、還元性有機ポリマーの分子量は大きすぎないことが好ましい。還元性有機ポリマーの好ましい分子量は1500以下、より好ましくは1000以下である。
【0018】
本発明で用いられる還元性有機ポリマーは、金属酸化物微粒子を還元できる限りにおいて、種類や構造に制限はないが、金属酸化物微粒子を比較的低温で還元できることが好ましい。例えば、水酸基、アルデヒド基、ヒドラジド基等の還元性官能基を有する有機ポリマーが好ましい。
還元性有機ポリマーの中で、炭素数2〜6の直鎖状および/または環状のオキシアルキレン基を繰り返し単位とする脂肪族ポリエーテル化合物は、オキシアルキレン基が容易に分解するので、金属酸化物微粒子を還元した後に分解・揮発が起こりやすい。したがって、金属酸化物微粒子分散体を加熱処理した後、金属薄膜中に残存する還元性ポリマーの量が低減されるので好ましい。焼成後に金属薄膜中に残存する還元性ポリマーの量は、好ましくは焼成前の重量に対し5%以下、より好ましくは1%以下である。金属酸化物微粒子の分散性向上等の観点から、これらのポリエーテル化合物の末端は水酸基であることがより好ましい。
【0019】
繰り返し単位が炭素数2〜6の直鎖状および/または環状のアルキレン基である脂肪族ポリエ−テル化合物の分子構造は、環状、直鎖状および分岐状のいずれであってもよく、2元以上のポリエ−テルコポリマ−、または直鎖状若しくは分岐状で2元以上のポリエ−テルブロックコポリマ−であってもよい。
具体的には、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリブチレングリコ−ル等のポリエ−テルホモポリマ−、エチレングリコ−ル/プロピレングリコ−ル、エチレングリコ−ル/ブチレングリコ−ルの2元コポリマ−、エチレングリコ−ル/プロピレングリコ−ル/エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル/エチレングリコ−ル/プロピレングリコ−ル、エチレングリコ−ル/ブチレングリコ−ル/エチレングリコ−ル等の直鎖状の3元コポリマ−等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
ブロックコポリマ−としては、ポリエチレングリコ−ル/ポリプロピレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル/ポリブチレングリコ−ル等の2元ブロックコポリマ−、ポリエチレングリコ−ル/ポリプロピレングリコ−ル/ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル/ポリエチレングリコ−ル/ポリプロピレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル/ポリブチレングリコ−ル/ポリエチレングリコ−ル等の直鎖状の3元ブロックコポリマ−のようなポリエ−テルブロックコポリマ−等が挙げられる。
【0021】
繰り返し単位が環状のオキシアルキレン基としては、シクロペンチル骨格、シクロヘキシル骨格等をモノマー単位中に含む化合物があり、これらのモノマーが単独、または他の環状若しくは直鎖状オキシアルキレン基と共に、直鎖状、分岐状または環状につながった脂肪族ポリエーテルも、本発明に使用することが可能である。
本発明で使用される脂肪族ポリエ−テル化合物は、分子構造中に、還元性官能基の他に、他の官能基を含んでいてもよい。このような官能基として、例えば、エステル基、グリシジル基、イミド基、アルキル基、アミド基、エステル基、フェニル基、カ−ボネ−ト基、イソシアネ−ト基、スルフォン基、アルキルエステル基、アルキルアミド基、アルキルカ−ボネ−ト基、ビニル基、ビニリデン基、ビニレン基、アリル基、アクリレ−ト基、メタクリレ−ト基等が挙げられる。これらの官能基は、分子中に複数個あってよく、例えば、糖、または糖アルコ−ル等の多価アルコ−ル基を分子中に含んでもよい。
【0022】
糖アルコ−ルに含まれるヒドロキシル基にポリマ−鎖が結合した構造としては、グリセロ−ル、エリスリト−ル、ペンタエリスリト−ル、ペンチト−ル、ペント−ス、ヘキシト−ル、ヘキソ−ス、ヘプト−スに含まれるヒドロキシル基にポリマ−鎖が結合した、グリセロ−ルポリエチレングリコ−ルポリプロピレングリコ−ル、エリスリト−ルポリエチレングリコ−ルポリプロピレングリコ−ルポリエチレングリコ−ル等を例示できる。
【0023】
糖鎖の具体的な例としては、ソルビト−ル、マンニト−ル、キシリト−ル、スレイト−ル、マルチト−ル、アラビト−ル、ラクチト−ル、アドニト−ル、セロビト−ル、グルコ−ス、フルクト−ス、スクロ−ス、ラクト−ス、マンノ−ス、ガラクト−ス、エリスロ−ス、キシルロ−ス、アルロ−ス、リボ−ス、ソルボ−ス、キシロ−ス、アラビノ−ス、イソマルト−ス、デキストロ−ス、グルコヘプト−ス等が挙げられる。
【0024】
上記の脂肪族ポリエーテル化合物の中でも、特に、分子量が200〜600の範囲にある脂肪族ポリエーテル化合物は分子量が小さいため、金属酸化物超微粒子を還元したのち容易に揮発するうえ、金属薄膜の成膜性が極めて高く、焼成して得られる金属薄膜の体積抵抗値が小さくなるので、特に好ましい。
このような脂肪族ポリエーテル化合物として、例えば、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエチレングリコール、オクタエチレングリコール、ノナエチレングリコール等が挙げられる。これらは混合して用いることも可能である。例えば、市販されている平均分子量200のポリエチレングリコールは、テトラエチレングリコールからノナエチレングリコール程度までの異なる分子量をもつポリエチレングリコールの混合物であるが、本発明に好ましく用いられる。
【0025】
分子量が200〜600の範囲にある脂肪族ポリエーテル化合物が金属薄膜の成膜性が極めて高い理由については、必ずしも明確ではないが、金属酸化物超微粒子表面に水素結合で配位し、粒子−ポリエーテル化合物−粒子間に水素結合ネットワークを形成して、局所的な凝集を防ぐことにより、還元反応が均一に進む等の効果があるものと考えられる。
これらの還元性有機ポリマーを溶媒に溶解してその溶液を分散媒とし、金属酸化物超微粒子を分散させて使用するのが好ましい。溶媒としては、還元性有機ポリマーを溶解可能で、その溶液が一次粒子径が100nm以下の金属酸化物超微粒子を均一に分散させることが可能で、かつ、溶解時または加熱時に還元性有機ポリマーと反応しなければ制限はない。還元性有機ポリマーが揮発・分解する際に、同時に、またはそれ以前に全てが消失するような分散媒であれば好ましい。
【0026】
有機溶媒の例としては、アルコール、エーテル、エステル、アミド、スルホキシド等が挙げられる。使用に際しては、これらの中から、還元性有機ポリマーを溶解可能なものを適宜選択する。これらの溶媒は単独で用いても、混合して用いてもよい。金属酸化物超微粒子を分散させる上で、より好ましいのは、炭素数が10以下の多価アルコール溶媒である。このような多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール等が挙げられる。これらの多価アルコールは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
【0027】
液状の還元性有機ポリマー、または還元性有機ポリマー溶液を分散媒として、その中に金属酸化物超微粒子を分散させる方法としては、粉体を液体に分散する一般的な方法を用いることができる。すなわち、金属酸化物超微粒子を分散媒に加えた後、超音波法、ミキサー法、3本ロール法、ボールミル法等の手段により分散させる。これらの分散手段を複数、組み合わせて分散を行うことも可能である。分散処理は室温で行ってもよく、分散体の粘度を下げるために加熱してもよい。
【0028】
還元性有機ポリマーが流動性を有する固体の場合、そのまま、または温度を上げて流動性を更に向上させて、上記の手段で金属酸化物超微粒子と混合することによって分散体を得ることができる。還元性有機ポリマーが室温で固体であって、流動性発現が可能である場合には、還元性有機ポリマーが流動性を発現する温度まで昇温して、上記の手段で金属酸化物超微粒子と混合することによって分散体を得ることができる。また、液状にならない程度に有機溶媒を混合することも可能である。その際の溶媒は、上記の還元性ポリマーを溶解する有機溶媒を用いることができる。
【0029】
分散体中の金属酸化物超微粒子の重量には制限はないが、好ましくは分散体総量に対して5%以上90%以下、より好ましくは20%以上80%以下である。分散体中の還元性有機ポリマーの重量は、還元性有機ポリマーの還元性の強さ、その分子量等に依存するが、分散体総量に対して0.1〜70%、より好ましくは1〜60%である。分散体中における金属酸化物超微粒子と還元性有機ポリマーの好ましい比は、金属酸化物超微粒子に対し還元性有機ポリマーが重量比で0.1〜3.0、より好ましくは0.5〜1.5である。
【0030】
次に、本発明の金属酸化物分散体を用いて、金属薄膜を形成する方法を説明する。
金属薄膜を形成する場合、先ず、金属酸化物分散体を成膜する。成膜法は、金属酸化物分散体の性状に応じて、以下の方法を採用できる。
流動性のある液状の金属酸化物分散体の場合は、先ず、基板上に金属酸化物分散体を塗布する。塗布方法は、分散体を基板に塗布する場合に用いられる一般的な方法を用いることができ、例えば、スクリーン印刷方法、ディップコーティング方法、スプレー塗布方法、スピンコーティング方法、インクジェット方法、コンタクトプリンティング方法等が挙げられる。分散体の粘度が高い場合にはスクリーン印刷法等が好ましく、分散体の粘度が低い場合にはインクジェット法等が好ましい。
【0031】
金属酸化物分散体が固体である場合には、固体をフィルム状に成型して基板の上に同フィルムを張り合わせる、基板の上に分散体を乗せ、ローラー等で基板上に薄膜状に圧延する、基板上に分散体を乗せ、還元性ポリマーが融解する程度に加熱し、基板上に薄く延ばした後、冷却して分散体を固める等の方法で、基板上に金属酸化物分散体が積層された構造を形成できる。
基板としては、無機および有機基板のいずれも使用可能である。無機基板としては、金属板、ガラス板、ITO(インジウム錫オキサイド)等のセラミック基板等を例示できる。有機基板としては、金属酸化物分散体の加熱処理温度において熱的な損傷を受けない限りにおいて制限はなく、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アラミド、エポキシ等の基板を使用できる。
【0032】
分散体を基板上に塗布または積層した後に、加熱することによって、金属酸化物微粒子を還元させると共に、この還元と同時に、または還元後に、還元性有機ポリマーを加熱処理前の重量の95重量%以上、消失させる。加熱は、不活性雰囲気中、大気圧以上の圧力下で行うことが好ましい。
不活性雰囲気とは、実質的に酸素を含まない雰囲気であり、アルゴン、窒素等の不活性ガスで満たされた雰囲気である。これらのガス中には、金属微粒子の酸化に寄与しない程度ならば酸素を含んでいてもよい。その際の酸素濃度は、好ましくは2000ppm以下、より好ましくは500ppm以下である。
【0033】
加熱条件は、金属酸化物微粒子を還元させると共に、還元性有機ポリマーを加熱処理前の重量の95重量%以上を消失させる温度および時間を選択する。金属酸化物微粒子の還元後、還元性有機ポリマーの重量減少率が95%未満の場合には、更に加熱を継続するか、加熱温度を上げて還元性有機ポリマーを消失させる。
加熱処理温度は、好ましくは50℃以上500℃以下、より好ましくは80℃以上350℃以下である。加熱(焼成)は、バッチ処理によることも可能であるが、市販の窒素リフロー装置を使って酸素濃度をコントロールしながら、チェーン搬送等で基板を搬送しつつ連続焼成することが、生産性の観点から好ましい。
【0034】
加熱処理に必要な時間は、金属酸化物微粒子の種類、還元性有機ポリマーの種類等によって影響を受ける。酸化第一銅微粒子を金属酸化物として用い、塗膜がミクロンメートルオーダーの薄膜であり、市販の窒素リフロー装置を用いて350℃程度の加熱処理温度を設定した場合には、10〜60分程度である。
金属薄膜の製造に際して、減圧条件を必要としないが、勿論減圧下であっても金属薄膜を製造することが可能である。ただし、製造プロセスの観点から言えば、常圧での処理を行うのが簡便である。
【0035】
得られた基板−金属薄膜積層体は、実装分野における樹脂付き金属箔等の用途に好適に用いられる。基板上に塗布・積層する金属酸化物分散体の厚みを制御することによって、得られる金属層の膜厚を任意に制御することが可能であり、特に微細回路を形成する際に必要となる極薄の金属層を容易に形成できるという利点を有する。また、あらかじめ電気回路の形態に金属酸化物分散体を印刷・塗布し焼成することにより、基板上に電気配線を直描することができ、微細配線基板を安価に作れるという利点があり、この配線直描用途に特に好適に用いられる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。
金属酸化物微粒子の一次粒子径は、金属酸化物超微粒子の分散液をスライドガラス上にとり、乾燥させたものについて、(株)日立製作所製走査型電子顕微鏡(S−4700)を用いて、視野の中から、一次粒子径が比較的そろっている個所を3ヶ所選択し、被測定物の粒径測定に最も適した倍率で撮影する。おのおのの写真から、一番多数存在すると思われる一次粒子を3点選択し、その直径をものさしで測り、粒倍率をかけて一次粒子径を算出する。これらの値の平均値を一次粒径とする。
【0037】
具体的には、金属酸化物微粒子の分散液の場合はよく攪拌し、サンプル台上にスポイトで一滴分散液をたらした後、減圧乾燥し、測定する。固体状態の場合は、一部を薄く切り取って測定する。金属酸化物微粒子の一次粒子径が20nm未満のものについては走査型電子顕微鏡による測定では精度が充分でないので、(株)日立製作所製透過型電子顕微鏡(JEM−4000FX)を用い、カーボン蒸着された銅メッシュ上に、溶解・希釈した分散液を1滴たらし、減圧乾燥した後、測定する。
【0038】
金属薄膜の体積抵抗率は、低抵抗率計ロレスタ−GP(三菱化学(株)製)を用いて測定する。
還元性有機ポリマーが、金属酸化物に対して還元作用が生じる温度(還元温度)は、分散体を理学電気株式会社製XRD−DSC同時測定装置RINT Ultima II+ DSCを用い、乾燥窒素ガスを流しながら、10℃/分で昇温して、金属銅の結晶ピークが現れる温度を還元温度とする。
【0039】
金属酸化物の還元作用が生じる温度またはそれ以上の温度における、還元性ポリマーの消失量は、セイコーインスツルメント社製、TG−DTA220を用いる。還元性ポリマーを含む分散体をアルミニウム等の試料皿に取り、秤量した後、窒素フローさせながら、10℃/分の昇温速度で、少なくとも金属酸化物が還元開始する温度から200℃以上までの重量減をモニターする。そのチャートから、各温度におけるポリマーの重量減少割合を計算する。
【0040】
【実施例1】
精製水60mlに無水酢酸銅(和光純薬工業(株)製)8gを加え、25℃で攪拌しながらヒドラジン1水和物(和光純薬工業(株)製)を加えてさらに10分間攪拌し、1次粒径15〜25nmに分布をもつ酸化第一銅微粒子を得た。この酸化第一銅微粒子0.44gにジエチレングリコール0.4gとヘキサエチレングリコール(分子量282、和光純薬工業(株)製)0.17gを加え、超音波分散を施して、酸化第一銅分散体を調整した。
【0041】
この分散体を、スライドガラス上に、長さ5cm、幅1cm、厚み20μmになるように塗布した。焼成炉に上記スライドガラスを入れ、炉内を真空ポンプで脱気した後、アルゴンガスを0.1リットル/分の流量で、常圧で流した。焼成炉の温度を室温から350℃まで1時間かけて昇温し、350℃に到達後、この温度でさらに1時間加熱処理した。 冷却後、厚みは6μm、体積抵抗率は5.0×10-6Ωcmの銅被膜を得た。この分散体中の酸化第一銅の還元温度は196℃であった。還元性ポリマーであるヘキサエチレングリコールは、薄膜製造温度である350℃において、その99重量%が消失した。
【0042】
【実施例2】
実施例1と同様の酸化第一銅微粒子0.46gにジエチレングリコール0.12gと、Mwが194から414に分子量分布をもつポリエチレングリコール(平均分子量200、和光純薬工業(株)製)0.43gを加え、超音波分散を施して酸化第一銅分散体を調整した。
実施例1と同様の方法でスライドガラス上に分散体を塗布し、(株)大和製作所製窒素リフロー装置NRY−520S−5Zを用い、搬送速度360mm/min、炉内温度350℃設定で常圧で焼成した。酸素濃度は100ppmであった。
【0043】
得られた銅薄膜の厚みは6μm、体積抵抗値は、6.0×10-6Ωcmであった。この分散体中の酸化第一銅の還元温度は199℃であった。還元性ポリマーであるポリエチレングリコールは、薄膜製造温度である350℃において、その99重量%が消失した。
本分散体の加熱処理に伴う揮発物を、熱分解GC/MS法により分析したところ、170℃〜230℃の温度領域において、ポリエチレングリコールの構成分子であるヘキサエチレングリコール、ヘプタエチレングリコールのそれぞれの一方の末端の水酸基がアルデヒド基に還元されたアルデヒド化合物と考えられる、それぞれ分子量280、324のピークが観察され、ポリエチレングリコールが還元剤として働いていることを確認した。
【0044】
【実施例3】
実施例1と同様の酸化第一銅微粒子3.47gにジエチレングリコール2.26gと、Mwが194から590に分子量分布をもつポリエチレングリコール(平均分子量300、和光純薬工業(株)製)1.00gを加え、超音波分散を施して、酸化第一銅分散体を調整した。
実施例1と同様の方法でスライドガラス上に分散体を塗布し、実施例1と同様の方法によりアルゴン雰囲気で焼成を行なった。
得られた銅薄膜の厚みは7μm、体積抵抗値は3.0×10-5Ωcmであった。この分散体中の酸化第一銅の還元温度は191℃であった。還元性ポリマーであるポリエチレングリコールは、薄膜製造温度である350℃において、その99重量%が消失した。
【0045】
【実施例4】
実施例1と同様の方法で、粒子径が5〜10nmの酸化第一銅微粒子を得た。この微粒子4.2gにジエチレングリコール1.7gとポリエチレングリコール(平均分子量200、和光純薬工業(株)製)4.2gを加え、超音波分散を施して、酸化第一銅分散体を調整した。
実施例2と同様の方法で、厚みが7μm、体積抵抗値が8.0×10-6Ωcmの銅薄膜を得た。この分散体中の酸化第一銅の還元温度は196℃であった。還元性ポリマーであるジエチレングリコールとポリエチレングリコールは、薄膜製造温度である350℃において、その99重量%が消失した。
【0046】
【実施例5】
ガラス製の三口フラスコ内で、酢酸銅(和光純薬工業(株)製)2.7gと水0.9gをジエチレングリコール90mlに加え、オイルバス中で190℃まで昇温し、その温度のまま2時間加熱を続けた。室温まで冷却後、日立工機(株)社製の遠心分離機で未反応の酢酸銅を分離して、30〜100nmに粒度分布を持つ酸化第一銅超微粒子を得た。得られた酸化第一銅超微粒子0.53gに対し、ポリエチレングリコール(平均分子量300、和光純薬工業(株)製)0.23g、ジエチレングリコール0.23gを含むように、酸化第一銅超微粒子分散体を調整した。実施例1記載と同じ方法によりスライドガラス上で加熱処理し、銅薄膜を得た。
得られた銅薄膜の膜厚は7μm、体積低効値は5×10-5Ωcmであった。この分散体中の酸化第一銅の還元温度は200℃であった。還元性ポリマーであるジエチレングリコールとポリエチレングリコールは、薄膜製造温度である350℃において、その99重量%が消失した。
【0047】
【実施例6】
酸化第二銅微粒子(平均粒子径30nm、シーアイ化成(株)社製)4gを、ポリエチレングリコール(平均分子量200、和光純薬工業(株)製)4gとジエチレングリコール(和光純薬工業(株)製)2gの混合分散液に加え、(株)キーエンス社製攪拌脱泡機(HM−500)にて、攪拌モード10分、脱泡モード5分の条件で分散処理を行った。得られた酸化第二銅超微粒子分散液を、実施例1と同様の方法でスライドガラス上に焼成した。
得られた銅薄膜の膜厚は8μm、体積抵抗値は1×10-3Ωcmであった。この分散体中の酸化第二銅の還元温度は280℃であった。還元性ポリマーであるジエチレングリコールとポリエチレングリコールは、薄膜製造温度である350℃において、その98重量%が消失した。
【0048】
【比較例1】
平均粒径が1μmを越える市販の酸化第一銅粉末(和光純薬工業(株)製)4gをジエチレングリコール1gとポリエチレングリコ−ル(平均分子量200)4gを、(株)キーエンス製攪拌脱泡機(HM−500)を用いて、攪拌モード10分、脱泡モード3分の条件で分散処理を行い、酸化第一銅分散体を得た。実施例1と同様の方法で加熱処理を行なったが、スライドガラス上に得られた銅被膜表面には微細な亀裂が多数発生していた。
【0049】
【発明の効果】
本発明により、安価な金属酸化物を原料に用いて、減圧雰囲気を必要とせず、比較的低温での加熱処理によって、基板上に金属薄膜を形成することが可能である。金属酸化物分散体の基板上への塗布厚をコントロールすることによって、金属薄膜の膜厚を任意に制御することが可能である。得られた金属薄膜は金属配線材料、導電材料等の用途に好適に用いられる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a metal oxide fine particle dispersion capable of producing a metal thin film under normal pressure conditions, and a method for producing a metal thin film using the same. According to the present invention, it is possible to easily form conductive thin films such as electrodes, wirings, and circuits.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, vacuum deposition methods, sputtering methods, CVD methods, plating methods, metal paste methods, and the like are known as methods for forming a metal thin film on a substrate. The vacuum deposition method, the sputtering method, and the CVD method all require an expensive vacuum device, and all have a problem that the film forming speed is low.
According to the plating method, it is possible to form a metal film on a conductive substrate relatively easily. However, when forming on an insulating substrate, it is necessary to form a conductive layer first. There is. Therefore, there is a problem that the process becomes complicated. In addition, since the plating method uses a reaction in a solution, a large amount of waste liquid is produced as a by-product, and there is a problem that this waste liquid treatment requires a lot of labor and cost.
[0003]
The metal paste method is a method of applying a solution in which a metal filler is dispersed on a substrate and heat-treating to obtain a metal thin film, and does not require a special device such as a vacuum device, and the process is simple. However, in order to melt the metal filler, a high temperature of 1000 ° C. or higher is usually required. Therefore, the substrate is limited to a substrate having heat resistance such as a ceramic substrate. In addition, there is a problem that the base material is damaged by heat or the base material is easily damaged by residual stress generated by heating. Although it is known that the firing temperature of the metal paste can be reduced by reducing the particle size of the metal filler (Patent Document 1), these particles are difficult to mass-produce and therefore the cost of the metal filler is very high. The metal thin film forming process has a problem that it is very expensive.
[0004]
On the other hand, a method of forming a metal thin film using a metal oxide paste in which a relatively inexpensive metal oxide filler is dispersed is also known. Patent Document 2 discloses a method of heating a metal oxide paste containing a crystalline polymer and containing cuprous oxide fine particles having a particle size of 300 nm or less and decomposing the crystalline polymer to obtain a metal thin film. It is disclosed. However, in this method, it is necessary to disperse a metal oxide of 300 nm or less in the crystalline polymer in advance, and in addition to requiring a great deal of effort, in order to decompose the crystalline polymer, a reduced pressure atmosphere , A high temperature of 400 ° C. to 900 ° C. is required. Therefore, the usable base material requires heat resistance at or above that temperature, and there is a problem that the base material is limited, and the heat treatment is a batch treatment in a reduced-pressure atmosphere, so that the productivity is poor. There is also.
[0005]
Patent Document 3 discloses a method of forming a copper thin film using a cupric oxide fine particle dispersion having a particle size of 10 nm or less obtained by an evaporation method in a reduced pressure atmosphere. After heating at 250 ° C. in a vacuum of 3 Pa or less, further raising to 300 ° C., baking in a carbon dioxide atmosphere for 60 minutes, and further baking at 400 ° C. in an inert atmosphere for 30 minutes are very complicated and time consuming. Requires a process. Since a vacuum atmosphere is necessary for firing, a decompression device is required, and further, since firing in a vacuum atmosphere is batch processing, there is a problem that productivity is poor.
[0006]
As described above, the method of applying a dispersion liquid in which a metal or metal oxide filler is dispersed on a substrate and further heat-treating it to obtain a metal thin film is a method with low process cost. (1) Filler However, there are problems such as (2) heat treatment in a vacuum atmosphere and (3) high heat treatment temperature. In particular, it is difficult to apply as a method for forming a metal thin film on a resin base material used in the consumer field.
[0007]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 2561537
[Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 5-98195
[Patent Document 3]
JP 2000-123634 A
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is a metal thin film having a low volume resistivity on a substrate by heat treatment at a relatively low temperature in an inert atmosphere without requiring a vacuum or reduced pressure atmosphere, in particular, The object is to provide a metal oxide dispersion capable of forming a copper thin film.
Another object of the present invention is to provide a method for producing a metal thin film by arbitrarily and easily controlling the film thickness.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the present inventor has completed the present invention.
That is, the present invention is as follows.
(1)A metal oxide fine particle dispersion is formed, and the metal oxide fine particles are reduced by heat treatment, and at the same time or after the reduction, the reducing organic polymer disappears by 95% by weight or more of the weight before the heat treatment. And the reducing organic polymer is an aliphatic polyether compound having a linear and / or cyclic oxyalkylene group having 2 to 6 carbon atoms as a repeating unit.
[0010]
(2)The method for producing a metal thin film according to (1), wherein heat treatment is performed in an inert atmosphere under a pressure equal to or higher than atmospheric pressure.
(3)The method for producing a metal thin film according to (1) or (2), wherein the heat treatment temperature is from 50 ° C. to 500 ° C.
(4)The method for producing a metal thin film according to any one of (1) to (3), wherein the aliphatic polyether compound is polyethylene glycol and / or polypropylene glycol having a molecular weight of 200 to 600.
(5)The primary particle diameter of metal oxide fine particles is 100 nm or less, The manufacturing method of the metal thin film as described in any one of (1)-(4) characterized by the above-mentioned.
[0011]
(6)The primary particle diameter of metal oxide fine particles is 50 nm or less, The manufacturing method of the metal thin film as described in any one of (1)-(5) characterized by the above-mentioned.
(7)The method for producing a metal thin film according to any one of (1) to (6), wherein the metal oxide fine particles are fine particles of copper oxide or silver oxide.
(8)Copper oxide is cuprous oxide, The manufacturing method of the metal thin film as described in (7) characterized by the above-mentioned.
(9) (The volume resistance value produced by any one production method of 1) to (8) is 5 × 10 -5 Metal thin film of Ωcm or less.
[0013]
The present invention is described in detail below.
The metal oxide fine particle dispersion of the present invention takes one of the following forms.
(A) Metal oxide fine particles are dispersed in a reducing organic polymer solution.
(B) Metal oxide fine particles are dispersed in a liquid reducing organic polymer.
(C) Metal oxide fine particles are dispersed in a flowable or flowable reducing organic polymer.
[0014]
The primary particle diameter of the metal oxide fine particles contained in the metal fine particle dispersion of the present invention is 100 nm or less, preferably 50 nm or less. When the primary particle diameter is larger than 100 nm, the proportion of voids between the particles is increased, and the denseness of the obtained metal thin film is lowered.
Any metal oxide fine particles can be used as long as they are reduced by heat treatment in the presence of a reducing organic polymer. Examples of the metal oxide fine particles include copper oxide, silver oxide, palladium oxide, nickel oxide and the like. Among these, copper oxide and silver oxide that can be easily reduced are preferable. As the copper oxide, any of cuprous oxide, cupric oxide, and copper oxide having other oxidation numbers can be used. Cuprous oxide ultrafine particles are more preferable because they can be easily reduced. As silver oxide, silver oxide having any oxidation number such as silver oxide, silver oxide, and silver oxide can be used, but silver silver oxide is more preferable from the viewpoint of the stability of the particles.
[0015]
As these metal oxides, commercially available products may be used, or synthetic products may be used. For example, as a method for synthesizing cuprous oxide having a primary particle size of 100 nm or less, a method in which an acetylacetonato copper complex is heated to about 200 ° C. in a polyol solvent is known (Angevante Chemi International Edition, 40 No. 2, p.359, 2001).
The reducing organic polymer used in the present invention has a reducing ability with respect to the coexisting metal oxide fine particles having a primary particle size of 100 nm or less, and is 95 wt. % Or more disappear. When such a reducing organic polymer is used, when the metal oxide fine particles in the dispersion are reduced by a heat treatment at normal pressure, almost all of the reducing organic polymer is volatilized as it is, or oxidation and / or decomposition. Therefore, the volume resistance value of the obtained metal thin film can be lowered. However, since the storage stability of the dispersion may be hindered if it is easily volatilized or decomposed at normal temperature and pressure, the boiling point or decomposition temperature of the polymer is preferably 50 ° C. or higher.
[0016]
The disappearance amount of the reducing polymer at a temperature at which the reducing organic polymer has a reducing action on the metal oxide and a temperature at which the reducing action of the metal oxide occurs or higher is determined by the method described later.
The observed weight loss of the dispersion is 1) weight loss due to burning of the reducing polymer, 2) weight loss due to reduction of the metal oxide, and 3) the dispersion medium if the dispersion medium is included in the dispersion. Including weight loss due to volatilization and burning. With regard to 2), the amount of burning in the temperature rising process can be estimated separately by monitoring the reduction process of the metal oxide by X-ray analysis or the like (XRD measurement or the like). Regarding 3), it can be estimated by separately measuring the burnout profile of the dispersion medium itself. Therefore, it is possible to derive 1) by subtracting 2) and 3) from the burnout profile of the dispersion.
[0017]
The weight loss of the reducing polymer is also affected by the reduction reaction with the metal oxide fine particles contained in the dispersion and the catalytic decomposition reaction due to contact with the metal obtained by the reduction. It is necessary to perform thermal analysis as a dispersion rather than a single substance.
The amount of the reducing organic polymer that disappears at the temperature at which the reducing action occurs or higher is 95% by weight or more, preferably 99% by weight or more, based on the weight of the reducing organic polymer contained in the dispersion before heating. . Therefore, it is preferable that the molecular weight of the reducing organic polymer is not too large. The preferred molecular weight of the reducing organic polymer is 1500 or less, more preferably 1000 or less.
[0018]
The reducing organic polymer used in the present invention is not limited in type and structure as long as the metal oxide fine particles can be reduced, but it is preferable that the metal oxide fine particles can be reduced at a relatively low temperature. For example, an organic polymer having a reducing functional group such as a hydroxyl group, an aldehyde group, or a hydrazide group is preferable.
Among the reducing organic polymers, aliphatic polyether compounds having a linear and / or cyclic oxyalkylene group having 2 to 6 carbon atoms as a repeating unit are easily decomposed by the oxyalkylene group. Decomposition and volatilization is likely to occur after reducing fine particles. Therefore, it is preferable because the amount of the reducing polymer remaining in the metal thin film after the metal oxide fine particle dispersion is heat-treated is reduced. The amount of the reducing polymer remaining in the metal thin film after firing is preferably 5% or less, more preferably 1% or less, based on the weight before firing. From the viewpoint of improving the dispersibility of the metal oxide fine particles, the end of these polyether compounds is more preferably a hydroxyl group.
[0019]
The molecular structure of the aliphatic polyether compound in which the repeating unit is a linear and / or cyclic alkylene group having 2 to 6 carbon atoms may be any of cyclic, linear and branched. The above-mentioned polyether tercopolymer, or a linear or branched polyether block copolymer may be used.
Specifically, polyethylene homopolymers such as polyethylene glycol, polypropylene glycol and polybutylene glycol, binary copolymers of ethylene glycol / propylene glycol and ethylene glycol / butylene glycol Linear chains such as ethylene glycol / propylene glycol / ethylene glycol, propylene glycol / ethylene glycol / propylene glycol, ethylene glycol / butylene glycol / ethylene glycol Examples thereof include, but are not limited to, ternary copolymers.
[0020]
As block copolymers, binary block copolymers such as polyethylene glycol / polypropylene glycol, polyethylene glycol / polybutylene glycol, polyethylene glycol / polypropylene glycol / polyethylene glycol, polypropylene Polyether block copolymers such as linear ternary block copolymers such as glycol / polyethylene glycol / polypropylene glycol, polyethylene glycol / polybutylene glycol / polyethylene glycol, etc. Is mentioned.
[0021]
Examples of the cyclic oxyalkylene group in which the repeating unit is cyclic include a compound containing a cyclopentyl skeleton, a cyclohexyl skeleton and the like in the monomer unit, and these monomers are linear or together with other cyclic or linear oxyalkylene groups, Aliphatic polyethers branched or cyclically connected can also be used in the present invention.
The aliphatic polyether compound used in the present invention may contain other functional groups in addition to the reducing functional group in the molecular structure. Examples of such functional groups include ester groups, glycidyl groups, imide groups, alkyl groups, amide groups, ester groups, phenyl groups, carbonate groups, isocyanate groups, sulfone groups, alkyl ester groups, and alkyl groups. Examples include amide groups, alkyl carbonate groups, vinyl groups, vinylidene groups, vinylene groups, allyl groups, acrylate groups, methacrylate groups, and the like. A plurality of these functional groups may be present in the molecule, and for example, a sugar or a polyvalent alcohol group such as a sugar alcohol may be included in the molecule.
[0022]
Examples of the structure in which a polymer chain is bonded to a hydroxyl group contained in a sugar alcohol include glycerol, erythritol, pentaerythritol, pentitol, pentose, hexitol, hexose, Examples thereof include glyceryl polyethylene glycol polypropylene glycol, erythritol polyethylene glycol polypropylene glycol polyethylene glycol and the like in which a polymer chain is bonded to a hydroxyl group contained in heptose.
[0023]
Specific examples of the sugar chain include sorbitol, mannitol, xylitol, slate tol, multitol, arabitol, lactitol, adonitol, cellobitol, glucose, Fructose, sucrose, lactose, mannose, galactose, erythrose, xylosose, allrose, ribose, sorbose, xylos, arabinose, isomalt And dextrose, glucoheptose and the like.
[0024]
Among the aliphatic polyether compounds described above, the aliphatic polyether compound having a molecular weight in the range of 200 to 600 has a small molecular weight, so that it easily volatilizes after reducing the metal oxide ultrafine particles. The film formability is extremely high, and the volume resistance value of the metal thin film obtained by baking is small, which is particularly preferable.
Examples of such aliphatic polyether compounds include hexaethylene glycol, heptaethylene glycol, octaethylene glycol, and nonaethylene glycol. These can also be used as a mixture. For example, a commercially available polyethylene glycol having an average molecular weight of 200 is a mixture of polyethylene glycols having different molecular weights ranging from tetraethylene glycol to nonaethylene glycol, and is preferably used in the present invention.
[0025]
Although the reason why the aliphatic polyether compound having a molecular weight in the range of 200 to 600 is extremely high in the film forming property of the metal thin film is not necessarily clear, it is coordinated by hydrogen bonds on the surface of the metal oxide ultrafine particles, and the particle- By forming a hydrogen bond network between the polyether compound and the particles to prevent local aggregation, it is considered that there is an effect such that the reduction reaction proceeds uniformly.
It is preferable to use these reducing organic polymers dissolved in a solvent, using the solution as a dispersion medium, and dispersing metal oxide ultrafine particles. As the solvent, the reducible organic polymer can be dissolved, and the solution can uniformly disperse the metal oxide ultrafine particles having a primary particle diameter of 100 nm or less. If there is no reaction, there is no limit. When the reducing organic polymer volatilizes / decomposes, it is preferable to use a dispersion medium in which everything disappears at the same time or before.
[0026]
Examples of the organic solvent include alcohol, ether, ester, amide, sulfoxide and the like. In use, those capable of dissolving the reducing organic polymer are appropriately selected from these. These solvents may be used alone or in combination. In order to disperse the metal oxide ultrafine particles, a polyhydric alcohol solvent having 10 or less carbon atoms is more preferable. Examples of such polyhydric alcohols include ethylene glycol, diethylene glycol, 1,2-propanediol, 1,3-propanediol, 1,2-butanediol, 1,3-butanediol, and 1,4-butanediol. 2,3-butanediol, pentanediol, hexanediol, octanediol and the like. These polyhydric alcohols may be used alone or in combination.
[0027]
As a method of dispersing the metal oxide ultrafine particles in a liquid reducible organic polymer or reducible organic polymer solution as a dispersion medium, a general method of dispersing powder in a liquid can be used. That is, after adding metal oxide ultrafine particles to a dispersion medium, it is dispersed by means of an ultrasonic method, a mixer method, a three-roll method, a ball mill method or the like. It is also possible to perform dispersion by combining a plurality of these dispersion means. The dispersion treatment may be performed at room temperature, or may be heated to reduce the viscosity of the dispersion.
[0028]
When the reducing organic polymer is a solid having fluidity, the dispersion can be obtained by mixing with the metal oxide ultrafine particles by the above-described means as it is or by raising the temperature to further improve the fluidity. When the reducible organic polymer is solid at room temperature and can exhibit fluidity, the temperature is raised to a temperature at which the reducible organic polymer exhibits fluidity. A dispersion can be obtained by mixing. It is also possible to mix the organic solvent to such an extent that it does not become liquid. As the solvent at that time, an organic solvent that dissolves the above-described reducing polymer can be used.
[0029]
The weight of the metal oxide ultrafine particles in the dispersion is not limited, but is preferably 5% or more and 90% or less, more preferably 20% or more and 80% or less with respect to the total amount of the dispersion. The weight of the reducing organic polymer in the dispersion depends on the reducing strength of the reducing organic polymer, the molecular weight, etc., but is 0.1 to 70%, more preferably 1 to 60% with respect to the total amount of the dispersion. %. The preferred ratio of the metal oxide ultrafine particles to the reducible organic polymer in the dispersion is 0.1 to 3.0, more preferably 0.5 to 1 in weight ratio of the reducible organic polymer to the metal oxide ultrafine particles. .5.
[0030]
Next, a method for forming a metal thin film using the metal oxide dispersion of the present invention will be described.
When forming a metal thin film, first, a metal oxide dispersion is formed. As the film forming method, the following method can be adopted according to the properties of the metal oxide dispersion.
In the case of a liquid metal oxide dispersion having fluidity, first, the metal oxide dispersion is applied onto the substrate. As a coating method, a general method used when the dispersion is coated on a substrate can be used. For example, a screen printing method, a dip coating method, a spray coating method, a spin coating method, an ink jet method, a contact printing method, etc. Is mentioned. When the viscosity of the dispersion is high, a screen printing method or the like is preferable, and when the viscosity of the dispersion is low, an ink jet method or the like is preferable.
[0031]
When the metal oxide dispersion is solid, the solid is molded into a film and the film is laminated on the substrate. The dispersion is placed on the substrate and rolled into a thin film on the substrate with a roller or the like. The dispersion is placed on the substrate, heated to such an extent that the reducing polymer melts, thinly spread on the substrate, and then cooled to solidify the dispersion. A stacked structure can be formed.
As the substrate, both inorganic and organic substrates can be used. Examples of the inorganic substrate include a metal plate, a glass plate, and a ceramic substrate such as ITO (indium tin oxide). The organic substrate is not limited as long as it is not thermally damaged at the heat treatment temperature of the metal oxide dispersion. For example, a substrate such as polyimide, polyethylene terephthalate (PET), aramid, or epoxy can be used.
[0032]
After the dispersion is applied or laminated on the substrate, the metal oxide fine particles are reduced by heating, and at the same time or after the reduction, the reducing organic polymer is 95% by weight or more of the weight before the heat treatment. , Disappear. Heating is preferably performed in an inert atmosphere at a pressure equal to or higher than atmospheric pressure.
An inert atmosphere is an atmosphere that does not substantially contain oxygen and is an atmosphere filled with an inert gas such as argon or nitrogen. These gases may contain oxygen as long as they do not contribute to the oxidation of the metal fine particles. The oxygen concentration at that time is preferably 2000 ppm or less, more preferably 500 ppm or less.
[0033]
The heating conditions are such that the metal oxide fine particles are reduced and the temperature and time at which the reducing organic polymer disappears 95% by weight or more of the weight before the heat treatment are selected. When the weight reduction rate of the reducible organic polymer is less than 95% after the reduction of the metal oxide fine particles, the heating is further continued or the reductive organic polymer is lost by increasing the heating temperature.
The heat treatment temperature is preferably 50 ° C. or higher and 500 ° C. or lower, more preferably 80 ° C. or higher and 350 ° C. or lower. Although heating (firing) can be performed by batch processing, it is possible to perform continuous firing while transporting the substrate by chain transport while controlling the oxygen concentration using a commercially available nitrogen reflow device. To preferred.
[0034]
The time required for the heat treatment is affected by the type of metal oxide fine particles, the type of reducing organic polymer, and the like. When cuprous oxide fine particles are used as the metal oxide, the coating film is a thin film on the order of micrometers, and when a heat treatment temperature of about 350 ° C. is set using a commercially available nitrogen reflow apparatus, it takes about 10 to 60 minutes. It is.
In producing the metal thin film, no decompression condition is required. Of course, the metal thin film can be produced even under reduced pressure. However, from the viewpoint of the manufacturing process, it is easy to perform the treatment at normal pressure.
[0035]
The obtained substrate-metal thin film laminate is suitably used for applications such as a metal foil with resin in the mounting field. By controlling the thickness of the metal oxide dispersion to be applied / laminated on the substrate, it is possible to arbitrarily control the thickness of the resulting metal layer, especially when forming fine circuits. This has the advantage that a thin metal layer can be easily formed. In addition, by printing, applying and firing a metal oxide dispersion in the form of an electrical circuit in advance, the electrical wiring can be directly drawn on the substrate, and there is an advantage that a fine wiring board can be made at low cost. It is particularly preferably used for direct drawing.
[0036]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
EXAMPLES The present invention will be specifically described below with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
The primary particle diameter of the metal oxide fine particles was determined by using a scanning electron microscope (S-4700) manufactured by Hitachi, Ltd., for a dispersion obtained by taking a dispersion of metal oxide ultrafine particles on a slide glass and drying the dispersion. Select three locations where the primary particle diameters are relatively uniform, and photograph at a magnification most suitable for measuring the particle size of the object to be measured. From each photograph, select the three primary particles that are most likely to exist, measure the diameter with a ruler, and calculate the primary particle size by multiplying the grain magnification. The average value of these values is taken as the primary particle size.
[0037]
Specifically, in the case of a dispersion of metal oxide fine particles, the mixture is thoroughly stirred, and a drop of the dispersion is dropped on a sample stage with a dropper, followed by drying under reduced pressure and measurement. In the case of a solid state, a part is thinly cut and measured. For the metal oxide fine particles having a primary particle diameter of less than 20 nm, the measurement with a scanning electron microscope is not sufficient in accuracy, so that carbon deposition was performed using a transmission electron microscope (JEM-4000FX) manufactured by Hitachi, Ltd. One drop of the dissolved / diluted dispersion is deposited on a copper mesh, dried under reduced pressure, and then measured.
[0038]
The volume resistivity of the metal thin film is measured using a low resistivity meter Loresta-GP (manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation).
The temperature (reduction temperature) at which the reducing organic polymer has a reducing action on the metal oxide is measured by using a XRD-DSC simultaneous measurement apparatus RINT Ultima II + DSC manufactured by Rigaku Denki Co., Ltd. The temperature is raised at 10 ° C./min, and the temperature at which the metal copper crystal peak appears is defined as the reduction temperature.
[0039]
TG-DTA220 manufactured by Seiko Instruments Inc. is used as the disappearance amount of the reducing polymer at a temperature at which the reduction action of the metal oxide occurs or at a temperature higher than that. The dispersion containing the reducing polymer is placed in a sample pan such as aluminum, weighed, and at a rate of temperature increase of 10 ° C./min. Monitor weight loss. From the chart, the weight loss ratio of the polymer at each temperature is calculated.
[0040]
[Example 1]
Add 8 g of anhydrous copper acetate (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) to 60 ml of purified water, add hydrazine monohydrate (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) while stirring at 25 ° C., and stir for another 10 minutes. Cuprous oxide fine particles having a primary particle size distribution of 15 to 25 nm were obtained. To 0.44 g of the cuprous oxide fine particles, 0.4 g of diethylene glycol and 0.17 g of hexaethylene glycol (molecular weight 282, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) are added and subjected to ultrasonic dispersion to obtain a cuprous oxide dispersion. Adjusted.
[0041]
This dispersion was applied on a slide glass so as to have a length of 5 cm, a width of 1 cm, and a thickness of 20 μm. The glass slide was placed in a firing furnace, the inside of the furnace was deaerated with a vacuum pump, and then argon gas was flowed at a normal pressure at a flow rate of 0.1 liter / min. The temperature of the firing furnace was raised from room temperature to 350 ° C. over 1 hour, and after reaching 350 ° C., heat treatment was further performed at this temperature for 1 hour. After cooling, the thickness is 6 μm and the volume resistivity is 5.0 × 10-6A copper film of Ωcm was obtained. The reduction temperature of cuprous oxide in this dispersion was 196 ° C. 99% by weight of hexaethylene glycol, which is a reducing polymer, disappeared at 350 ° C., which is a thin film manufacturing temperature.
[0042]
[Example 2]
0.46 g of the same cuprous oxide fine particles as in Example 1, 0.12 g of diethylene glycol, and polyethylene glycol having a molecular weight distribution of Mw from 194 to 414 (average molecular weight 200, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) 0.43 g Then, ultrasonic dispersion was performed to prepare a cuprous oxide dispersion.
A dispersion was applied on a slide glass in the same manner as in Example 1, and a normal pressure was set using a nitrogen reflow device NRY-520S-5Z manufactured by Daiwa Manufacturing Co., Ltd. at a conveyance speed of 360 mm / min and a furnace temperature of 350 ° C. Baked with. The oxygen concentration was 100 ppm.
[0043]
The thickness of the obtained copper thin film was 6 μm, and the volume resistance value was 6.0 × 10.-6It was Ωcm. The reduction temperature of cuprous oxide in this dispersion was 199 ° C. Polyethylene glycol, which is a reducing polymer, lost 99% by weight at 350 ° C., which is a thin film manufacturing temperature.
When the volatile matter accompanying the heat treatment of this dispersion was analyzed by pyrolysis GC / MS method, each of hexaethylene glycol and heptaethylene glycol, which are constituent molecules of polyethylene glycol, in a temperature range of 170 ° C. to 230 ° C. Peaks having molecular weights of 280 and 324, which are considered to be aldehyde compounds in which one terminal hydroxyl group is reduced to an aldehyde group, were observed, respectively, confirming that polyethylene glycol was working as a reducing agent.
[0044]
[Example 3]
3.47 g of cuprous oxide fine particles similar to those in Example 1, 2.26 g of diethylene glycol, and polyethylene glycol having a molecular weight distribution of Mw from 194 to 590 (average molecular weight 300, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) 1.00 g And ultrasonic dispersion was performed to prepare a cuprous oxide dispersion.
The dispersion was applied on the slide glass in the same manner as in Example 1, and baked in an argon atmosphere by the same method as in Example 1.
The thickness of the obtained copper thin film was 7 μm, and the volume resistance value was 3.0 × 10.-FiveIt was Ωcm. The reduction temperature of cuprous oxide in this dispersion was 191 ° C. Polyethylene glycol, which is a reducing polymer, lost 99% by weight at 350 ° C., which is a thin film manufacturing temperature.
[0045]
[Example 4]
In the same manner as in Example 1, cuprous oxide fine particles having a particle diameter of 5 to 10 nm were obtained. To 4.2 g of the fine particles, 1.7 g of diethylene glycol and 4.2 g of polyethylene glycol (average molecular weight 200, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) were added and subjected to ultrasonic dispersion to prepare a cuprous oxide dispersion.
In the same manner as in Example 2, the thickness was 7 μm and the volume resistance value was 8.0 × 10.-6A copper thin film of Ωcm was obtained. The reduction temperature of cuprous oxide in this dispersion was 196 ° C. 99% by weight of diethylene glycol and polyethylene glycol, which are reducing polymers, disappeared at a thin film production temperature of 350 ° C.
[0046]
[Example 5]
In a glass three-necked flask, 2.7 g of copper acetate (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) and 0.9 g of water are added to 90 ml of diethylene glycol, and the temperature is raised to 190 ° C. in an oil bath. Heating was continued for hours. After cooling to room temperature, unreacted copper acetate was separated with a centrifugal separator manufactured by Hitachi Koki Co., Ltd. to obtain cuprous oxide ultrafine particles having a particle size distribution of 30 to 100 nm. Cuprous oxide ultrafine particles so that 0.53 g of the obtained cuprous oxide ultrafine particles contain 0.23 g of polyethylene glycol (average molecular weight 300, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) and 0.23 g of diethylene glycol. The dispersion was adjusted. A heat treatment was performed on the slide glass by the same method as described in Example 1 to obtain a copper thin film.
The film thickness of the obtained copper thin film was 7 μm, and the volume low value was 5 × 10.-FiveIt was Ωcm. The reduction temperature of cuprous oxide in this dispersion was 200 ° C. 99% by weight of diethylene glycol and polyethylene glycol, which are reducing polymers, disappeared at a thin film production temperature of 350 ° C.
[0047]
[Example 6]
4 g of cupric oxide fine particles (average particle size 30 nm, manufactured by CI Kasei Co., Ltd.), 4 g of polyethylene glycol (average molecular weight 200, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) and diethylene glycol (Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) ) In addition to 2 g of the mixed dispersion, dispersion treatment was performed with a stirring deaerator (HM-500) manufactured by Keyence Corporation under conditions of a stirring mode of 10 minutes and a defoaming mode of 5 minutes. The obtained cupric oxide ultrafine particle dispersion was fired on a slide glass in the same manner as in Example 1.
The obtained copper thin film has a thickness of 8 μm and a volume resistance of 1 × 10.-3It was Ωcm. The reduction temperature of cupric oxide in this dispersion was 280 ° C. 98% by weight of diethylene glycol and polyethylene glycol, which are reducing polymers, disappeared at a thin film production temperature of 350 ° C.
[0048]
[Comparative Example 1]
4 g of commercially available cuprous oxide powder (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) having an average particle size exceeding 1 μm and 1 g of diethylene glycol and 4 g of polyethylene glycol (average molecular weight 200) were stirred and deaerated by Keyence Corporation. Using (HM-500), a dispersion treatment was performed under conditions of a stirring mode of 10 minutes and a defoaming mode of 3 minutes to obtain a cuprous oxide dispersion. Although heat treatment was performed in the same manner as in Example 1, many fine cracks were generated on the surface of the copper coating obtained on the slide glass.
[0049]
【The invention's effect】
According to the present invention, a metal thin film can be formed on a substrate by heat treatment at a relatively low temperature without using a reduced-pressure atmosphere using an inexpensive metal oxide as a raw material. By controlling the coating thickness of the metal oxide dispersion on the substrate, the film thickness of the metal thin film can be arbitrarily controlled. The obtained metal thin film is suitably used for applications such as metal wiring materials and conductive materials.
Claims (9)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003167672A JP4318966B2 (en) | 2003-06-12 | 2003-06-12 | Metal oxide fine particle dispersion |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003167672A JP4318966B2 (en) | 2003-06-12 | 2003-06-12 | Metal oxide fine particle dispersion |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005002418A JP2005002418A (en) | 2005-01-06 |
JP4318966B2 true JP4318966B2 (en) | 2009-08-26 |
Family
ID=34093420
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003167672A Expired - Lifetime JP4318966B2 (en) | 2003-06-12 | 2003-06-12 | Metal oxide fine particle dispersion |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4318966B2 (en) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4493942B2 (en) * | 2003-06-26 | 2010-06-30 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | Cuprous oxide colloidal dispersion |
JP5072228B2 (en) * | 2006-01-25 | 2012-11-14 | 株式会社日本触媒 | Method for producing metal coating |
JP5084145B2 (en) * | 2006-01-25 | 2012-11-28 | 株式会社日本触媒 | Method for storing and transporting nanoparticle dispersion |
JP2008285347A (en) * | 2007-05-16 | 2008-11-27 | Asahi Kasei Corp | Dispersion of cuprous oxide |
JP4977820B2 (en) * | 2007-06-25 | 2012-07-18 | Dowaエレクトロニクス株式会社 | Copper oxide powder |
JP5577229B2 (en) * | 2010-12-16 | 2014-08-20 | 三井金属鉱業株式会社 | Particle dispersion |
JP4932050B2 (en) * | 2011-09-16 | 2012-05-16 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | Method for producing cuprous oxide dispersion |
JP2014025085A (en) * | 2012-07-24 | 2014-02-06 | Fujifilm Corp | Composition for forming conductive film and process for producing conductive film |
JP6053725B2 (en) * | 2013-07-04 | 2016-12-27 | 国立大学法人京都大学 | Copper-based nanoparticle dispersion, method for producing the same, and substrate on which a copper conductor film produced from the dispersion is formed |
WO2023063207A1 (en) | 2021-10-14 | 2023-04-20 | Jsr株式会社 | Metal-containing film formation composition, metal-containing film, metal-containing film formation method, and production method of metal-containing film formation composition |
-
2003
- 2003-06-12 JP JP2003167672A patent/JP4318966B2/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005002418A (en) | 2005-01-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4578100B2 (en) | Metal oxide dispersion | |
US7820232B2 (en) | Method for forming fine copper particle sintered product type of electric conductor having fine shape, and process for forming copper fine wiring and thin copper film by applying said method | |
JP4821396B2 (en) | Conductive composition and method for forming conductive film | |
JP4318966B2 (en) | Metal oxide fine particle dispersion | |
JP5089647B2 (en) | Reducing agent for low temperature reduction sintering of copper nanoparticles and low temperature sintering method using the same | |
JP4804083B2 (en) | Conductive metal paste | |
JP2008041960A (en) | Manufacturing method of electronic circuit component | |
JP2006009120A (en) | Metal particulate-dispersed body | |
JP2008200875A (en) | Laminate and its manufacturing method | |
JP2004277627A (en) | Ink for inkjet printing and method for forming metal-containing thin film by using the same | |
JP2011104815A (en) | Laminate and method for producing laminate | |
JP2006305914A (en) | Method for producing laminated substrate | |
JP5730562B2 (en) | Cuprous oxide particle dispersion | |
JP2007087735A (en) | Metal oxide dispersion | |
JP2005015628A (en) | Colloidal dispersion of cuprous oxide | |
JP4606191B2 (en) | Manufacturing method of laminate | |
JP4606192B2 (en) | Circuit board manufacturing method | |
US10875127B2 (en) | Method for bonding electronic component and method for manufacturing bonded body | |
JP2008235035A (en) | Metal nanoparticle paste and manufacturing method of metal nanoparticle paste | |
JP2005220402A (en) | Dispersion of metallic oxide | |
JP2006278936A (en) | Manufacturing method of substrate formed with metallization layer | |
JP2019167421A (en) | Metallic ink | |
JP2006142663A (en) | Laminate and its production method | |
JP6104782B2 (en) | Conductive film forming composition, conductive film manufacturing method, and conductive film | |
JP4994086B2 (en) | Metal thin film precursor dispersion |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060609 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061101 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081216 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090128 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090224 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20090401 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090427 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090526 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090527 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120605 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4318966 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120605 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130605 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130605 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140605 Year of fee payment: 5 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |