JP4318777B2 - ガス発生剤組成物 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、火薬を利用した乗員保護装置用ガス発生器に用いられるガス発生剤に関し、特に、発生ガス中の有害成分である窒素酸化物、一酸化炭素等の含有量が少なく、且つガス化率の高い新規なガス発生剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
火薬を利用した乗員保護装置としてエアバッグ、シ−トベルトプリテンショナ−が、自動車の安全性向上の方策として、近年広く採用されている。エアバッグ装置の原理は、衝突を検出したセンサ−からの信号によりガス発生器を作動させて、エアバッグを乗員と車体との間に展開させるものであり、また、シ−トベルトプリテンショナ−においても同様であり、衝突をセンサ−により検知し、ガス発生器を作動させ、シ−トベルトにより乗員を拘束することにより保護するというものである。このガス発生器には、有害物を含まないクリーンなガスを短時間内に必要十分な量発生し、加えて小型、軽量であることが要求される。
【0003】
ガス発生器に用いるガス発生剤は燃焼の安定化の為に、一般に錠剤、ディスク状に加圧成形、或いは押出成形されており、これらには、様々な過酷な環境下においても長期間に亘って初期の燃焼特性を維持する事が要求される。若し、錠剤等が経年変化や環境の変化等によって強度低下を起こしたり、あるいは崩壊した場合には、これら火薬組成物の燃焼特性が初期の設計とは異なってきて異常な燃焼特性を示す事になり、その結果、自動車の衝突の際にエアバッグが破れたり、ガス発生器自体が破損する恐れがあり、そのような場合には乗員保護の目的を達成できないばかりか、逆に乗員に傷害を与える恐れすら生じる。
【0004】
これらの機能を満足するエアバッグ用ガス発生剤として、従来よりアジ化ソーダ,アジ化カリウム等のアジ化金属化合物を主成分とするガス発生剤が使用されている。このガス発生剤は、瞬時に燃焼し、且つ燃焼ガス成分が実質的に窒素ガスのみであり、CO(一酸化炭素)やNOx (窒素酸化物)の如き有害ガスを発生しない事、及び燃焼速度が周囲の環境の影響即ちガス発生器の構造による影響を受け難いのでガス発生器の設計が容易である事、等々の利点から多用されている。
しかしながら、アジ化金属化合物自体が有害な物質であり、重金属との接触による衝撃や摩擦によって容易に爆発するアジ化物を生成する、更には水や酸の存在下では分解して有毒ガスを発生するという大きな問題点を有していることから、その取扱いには最大限の注意が必要である。
【0005】
そこで、アジ化金属化合物に代わるものとして、例えば特開平2−225159号公報,特開平2−225389号公報,特開平5−213687号公報,特開平6−32689号公報,特開平6−80492号公報,特開平6−239684号公報,特開平7−206569号公報,及び特開平7−206570号公報等々では、テトラゾール類,アゾジカルボンアミド類他の含窒素有機化合物を燃料成分とするガス発生剤が提案されている。特にテトラゾール類は、各種含窒素有機化合物の中でも、熱的に安定であり、しかも分子構造中の窒素原子の比率が高いので、COの発生を本質的に抑制する性質を有しているという特徴がある。しかしながらこのものには、NOx を発生しやすいという問題がある。このため、上記特開平2−225159号公報や特開平3−208878号公報に見られる様に、ガス発生器にベンチュリー手段を設けて外部から燃焼ガス中に空気を導入し、これによってNOx の濃度を相対的に低下させる方法が提案されているが、本質的な解決にはなっていない。
【0006】
又、これら含窒素有機化合物を燃料とした場合、これを燃焼させる酸化剤としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の硝酸塩,過塩素酸塩,又は塩素酸塩が一般的に使用される。これら酸化剤に含まれるアルカリ金属,或いはアルカリ土類金属は、燃焼反応の結果、酸化物或は塩化物の状態でスラグを形成するが、燃焼生成物に占める割合としても決して少なくはない。更に、これらの酸化物等は、人体や環境に対して有害な物質であったり、ガス発生器から流出することでバッグ等を損傷し、乗員保護装置としての機能を果たさない場合があることから、捕集し易いスラグに変えて、ガス発生器内で捕集する必要がある。しかしながら、これら含窒素有機化合物を燃料とするガス発生剤の多くは、2000〜3000ジュール/g以上の高い燃焼熱を有しており、このため発生ガスは高温高圧となる。この結果、燃焼の際に副生するスラグの温度も高くなり、スラグの流動性も高くなって、従来のガス発生器内に内蔵されたフィルタ−では、スラグの捕集率が低下する傾向にある。スラグの捕集率を高める為に、より多くのフィルタ−部材を装填して、スラグを冷却固化させる方式が考えられるが、この場合にはガス発生器の寸法が増大し、ガス発生器の小型化,軽量化の流れに逆行する事になる。
【0007】
又、上記含窒素有機化合物との燃焼反応において生成したアルカリ金属,アルカリ土類金属の酸化物を、フィルタ−部にて捕集し易いスラグに変えて、効率的に捕集する方法が特開平4−265292号公報に開示されている。これによると塩基性物質であるアルカリ金属、アルカリ土類金属の酸化物と容易にスラグ形成反応を引き起こす酸性或いは中性のスラグ形成剤として、二酸化珪素或いは酸化アルミニウムを添加する方式が提案されているが、これら化合物は燃焼反応において、全くガス発生に寄与せず、結果的にガス化率を低下させることになる。
【0008】
そこで本発明者等は、ガス発生剤組成物の酸化剤として、燃焼反応後、固体スラグを生成しない酸化剤を用いるか、或は固体スラグを生成したとしても、その量をできる限り少なくなるような酸化剤を用いることでガス発生剤のガス化率(ガス発生剤単位重量当たりのガス発生量)を向上させる検討を行った。
【0009】
燃焼後固体スラグを生成しない酸化剤として硝酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウムがある。硝酸アンモニウムを使用する場合の問題点の一つは、この物質は数種の結晶相変化を起こすことであり、これらの結晶相変化のうち約32℃で発生するものについては大きな容積変化を伴う。この温度領域の上下にガス発生剤が繰り返し晒されると硝酸アンモニウムの結晶は膨張と収縮を繰り返し、ガス発生剤として加圧成形された錠剤等の強度の低下、崩壊を起こし、異常燃焼を起こす原因となる恐れがある。この問題を回避するため、硝酸アンモニウムの相安定化方法がPCTWO95/04710に開示されている。なお、硝酸アンモニウムは極めて反応性に乏しく、その燃焼困難な性質を補うためにトリアミノグアニジン硝酸塩のような危険性の高い燃料成分を用いなければならない。このように、硝酸アンモニウムを酸化剤として用いる場合には、耐熱性、及び燃焼性の改善という問題を常に伴う。
【0010】
また、過塩素酸アンモニウムを用いたガス発生剤が特開平2ー293389号公報、特開平5ー221770号公報、特開平8−228288号公報に開示されている。これらは何れも推進薬の技術を応用したものであり、燃料兼結合剤を使用することに特徴がある。燃料兼結合剤としては有機高分子材料、例えば末端水酸基ポリブタジエン、シリコーン樹脂等が使用されている。このような高分子有機材料を燃料成分に使用した場合、発生ガス中のCO濃度の上昇、或いは耐熱性欠如による経年劣化等の問題が内在している。また、上記特開平2−225159号公報や特開平3−208878号公報には燃料成分として含窒素有機化合物、酸化剤として過塩素酸アンモニウムを用いた例が開示されているが、燃焼後の発生ガスが悪いことから該ガス発生剤組成物を単独で乗員保護の目的に使用することは不可能であった。しかしながら、過塩素酸アンモニウムは、硝酸アンモニウムと比較した場合、耐熱性、酸化剤としての反応性の点で興味深い酸化剤である。
【0011】
一方、ガス発生器の軽量化のために、ガス発生器の容器材質として、従来のステンレス(SUS)に代わってアルミニウムを用いる事が普及している。SUS製の容器の場合には、高温における強度に優れているので、車両火災やガス発生器の焼却処理等の昇温時にも、容器の破壊を生じる事がなく内部の火薬組成物を燃焼させる事が可能であるが、アルミニウム製の容器の場合には、高温強度が著しく低下するため、車両火災等によりガス発生器が火炎に晒されて内部の火薬組成物が燃焼すると、その燃焼圧力に耐え切れず、容器が破壊して破片が周囲に飛び散り、乗員や周囲にいる人達を殺傷する恐れがある。そこで、ガス発生器に要求される項目の中に、斯かる状況下でも容器破壊等の危険な状態が生じない様にする事が挙げられている。この対策として、USP4,561,675号に、アルミニウム製容器を用いる場合には、アルミニウムの強度低下が生じる温度よりも低い温度で自動発火する火薬を、容器内面に密着させて配置する方式が提案されている。ここで使用されている自動発火薬は、ニトロセルロースを主成分として構成されているものであり、ニトロセルロース自体は、高温下では長期安定性に欠け、更に、その劣化により自然発火する可能性すらある。
【0012】
同様に、シ−トベルトプリテンショナ−用ガス発生器に使用するガス発生剤としては、燃焼速度が速いこと、及び自動発火機能を有することから上記問題点があるにもかかわらず、ニトロセルロ−スを主剤とする無煙火薬が用いられてきた。ニトロセルロースは本来、ガス発生器用として開発されたものではなく、組成物中の酸素バランス(燃焼反応した場合の酸素の過不足)が調整されていないことから燃焼ガスが悪く、また燃焼温度が非常に高いという問題点がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来使用してきたアジ化金属化合物の有害性の問題点を解決する方策として有効な含窒素有機化合物、特に、ニトログアニジン、アミノテトラゾールを燃料成分とするガス発生剤の酸化剤成分を適切に選択することによって、発生ガスの組成が良好で高いガス化率を有するガス発生剤組成物を提供するものであり、それにより乗員保護装置用ガス発生器の小型、軽量化を達成することを目的とするものである。
【0014】
更に、好ましくは、発生ガス中の有害ガス成分であるNOx 及びCOの発生量が低く且つ耐熱性に優れ、更にスラグ流出量が少なく、加えて、ガス発生剤自体に自動発火機能を保持させた、高いガス化率を有するガス発生剤組成物を提供する事にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決する方法を見出すべく鋭意研究の結果、燃料成分、酸化剤及び添加剤を含有するガス発生剤組成物において、含窒素有機化合物、特に、ニトログアニジンを燃料成分とし、過塩素酸アンモニウムとアルカリ土類金属の硝酸塩の混合系を酸化剤とすることにより、発生ガスの組成が良好で高いガス化率を与えることができるという知見を得て、本発明に至ったものである。
【0016】
具体的には、本発明のガス発生剤組成物は、燃料成分、酸化剤及び少なくとも1種以上の添加剤を含有するガス発生剤組成物であって、前記燃料成分として、ニトログアニジンを35〜60重量%、前記酸化剤として、過塩素酸アンモニウムを15〜30重量%、アルカリ土類金属の硝酸塩を20〜40重量%含有し、前記添加剤の1種が押出成形用バインダーであり、押出成形用バインダーとしてセルロース系化合物、多価ヒドロキシ化合物、ビニル化合物の重合体、微生物産生多糖類、無機バインダーを1〜15重量%含有するものである。
【0017】
前記過塩素酸アンモニウムを単独で酸化剤として用いた場合は、ガス化率100%を達成することが可能であるが、過塩素酸アンモニウムの燃焼反応により塩化水素の如き毒性ガスを発生し、また燃焼温度が非常に高いことから窒素酸化物の濃度が高くなってしまう。アルカリ土類金属の硝酸塩はこの問題点を解決するために添加され、特に塩化水素は硝酸塩由来のアルカリ土類金属の酸化物によって中和され、水と無害な塩化物に変換される。
また、大気中での燃焼継続性がないために、製造上の保安面で有利である。
また、本発明のガス発生剤組成物は押出成形用のバインダーを添加することで単孔円筒状、あるいは多孔円筒状に押出成形することも可能である。
【0018】
過塩素酸アンモニウムとアルカリ土類金属の硝酸塩の比は、過塩素酸アンモニウムから生じる塩化水素に対し、化学量論的に中和可能なアルカリ土類金属の酸化物を生成できるだけの硝酸塩量、或はやや過剰な量を使用することが好ましい。過剰に生成されたアルカリ土類金属の酸化物は後述するスラグ捕集剤とのスラグ反応でガス発生器中のフィルタ−により容易にろ過される物質となる。
【0021】
前記硝酸塩としては、硝酸ストロンチウム,硝酸バリウムからなる群より選ばれた一種以上ものが好ましい。
【0022】
本発明においては、各種添加剤により成形性の向上、発生ガス組成の改善、スラグ成形性の向上を達成している。前記添加剤の1種がバインダ−である場合、前記バインダ−として次式で示されるヒドロタルサイト類を含有していることが好ましく、組成物中に2〜10重量%のヒドロタルサイト類を含有していることが好ましい。
【0023】
【数3】
Figure 0004318777
【0024】
中でも、前記ヒドロタルサイト類が、次式で示される合成ヒドロタルサイト、又は、ピロウライトであることが望ましい。
【0025】
【数4】
Figure 0004318777
【0026】
前記添加剤の1種がガス発生剤組成物の自動発火を可能にする触媒(自動発火機能発現触媒)である場合、前記自動発火機能発現触媒として三酸化モリブデン,モリブデン酸、モリブデン酸アンモニウム,モリブデン酸ナトリウム,リンモリブデン酸,リンモリブデン酸アンモニウム及びリンモリブデン酸ナトリウムからなる群より選ばれた1種以上のモリブデン化合物を含有していることが好ましく、組成物中に0.05〜5重量%のモリブデン化合物を含有していることが好ましい。
【0027】
前記添加剤の1種がスラグ捕集剤である場合、前記スラグ捕集剤として金属窒化物又は金属炭化物の1種以上を含有していることが好ましく、組成物中に0.5〜5重量%の金属窒化物又は金属炭化物の1種以上を含有していることが好ましい。
【0028】
前記添加剤の1種が例えば顆粒状等に成形するのに適した成形補助剤である場合、前記成形補助剤としてポリエチレングリコ−ル,ポリプロピレングリコ−ル,ポリビニルエ−テル,マレイン酸と他の重合性物質との共重合体,ポリエチレンイミン,ポリビニルアルコ−ル,ポリビニルピロリドン,ポリアクリルアミド,ポリアクリル酸ナトリウム及びポリアクリル酸アンモニウムからなる群より選ばれた1種以上の水溶性ポリマ−が好ましい。これら水溶性ポリマーの水溶液をガス発生剤組成物に噴霧し、乾燥させて顆粒状のガス発生剤組成物を成形してもよい。この場合、添加量は組成物中に0.05〜2重量%の水溶性ポリマ−を含有していることが好ましい。
【0029】
前記添加剤の1種が錠剤等に成形するのに適した加圧成形用滑剤である場合、前記滑剤としてステアリン酸マグネシウム,ステアリン酸亜鉛,グラファイト,窒化硼素及び二硫化モリブデンからなる群から選ばれた1種以上を混合したガス発生剤組成物が好ましく、組成物中に0.1〜1重量%滑剤を含有していることが好ましい。
【0031】
そして、本発明の押出成形体は、上記いずれかの本発明のガス発生剤組成物からなる。本発明のガス発生器は、上記いずれかの本発明のガス発生剤組成物又は本発明の押出成形体が充填されたガス発生器である。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する
【0034】
先ず、本発明で燃料成分として使用される含窒素有機化合物について説明する。含窒素有機化合物は、分子構造中の窒素原子の比率が高く有害なCOの発生を基本的に抑制する構造を有しており、しかも、熱安定性及び安全性を含めて取り扱いが容易であり、価格面で安価な化合物が好ましい物質である。これら化合物の中にあって、本発明の酸化剤との反応性という点で好ましい化合物は、ニトログアニジン、およびアミノテトラゾールである。
【0035】
ニトログアニジンを使用する場合、該含有量は組成物中に、35〜60重量%が好ましい。35重量%以下ではガス発生量が少なく、エアバッグの展開不良を生じるおそれがあり、又、60重量%を越えて添加すると、相対的に酸化剤の添加量が少なくなって不完全燃焼を生じ、有害なCOガスを大量に発生するおそれがあり、更に極端な場合には、未燃焼物が生じるおそれがある。
【0036】
このようにニトログアニジンの含有量が、組成物中に35〜60重量%の場合、前記酸化剤として、組成物中に過塩素酸アンモニウムが15〜30重量%,アルカリ金属又はアルカリ土類金属の硝酸塩が20〜40重量%含有されているのが好ましい。ここで、前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の硝酸塩の量は、上述にように、過塩素酸アンモニウムから生じる塩化水素に対し、化学量論的に中和可能なアルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物を形成するだけの硝酸塩の量を1としたときに、0.9を越えるように選ばれる。
【0037】
また、アミノテトラゾールを使用した場合には該含有量は、組成物中に、20〜45重量%が好ましい。20重量%以下ではガス発生量が少なく、エアバッグの展開不良を生じるおそれがあり、又、45重量%を越えて添加すると、相対的に酸化剤の添加量が少なくなって不完全燃焼を生じ、有害なCOガスを大量に発生するおそれがあり、更に極端な場合には、未燃焼物が生じるおそれがある。
【0038】
このようにアミノテトラゾールの含有量が、組成物中に20〜45重量%の場合、前記酸化剤として、組成物中に過塩素酸アンモニウムが20〜40重量%,アルカリ金属又はアルカリ土類金属の硝酸塩が25〜55重量%含有されているのが好ましい。ここでも、前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の硝酸塩の量は、上述にように、過塩素酸アンモニウムから生じる塩化水素に対し、化学量論的に中和可能なアルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物を形成するだけの硝酸塩の量を1としたときに、0.9を越えるように選ばれる。
【0039】
次に、ニトログアニジン、アミノテトラゾールと前記酸化剤の反応において完全燃焼をした場合の反応式及びガス化率を代表的な組み合わせ式a)、式b)により示す。
【0040】
【数5】
Figure 0004318777
【0041】
そして、比較として、過塩素酸アンモニウムを含まない酸化剤を使用した場合の反応式及びガス化率の代表的な組み合わせを(式c)、(式d)により示す。
【0042】
【数6】
Figure 0004318777
【0043】
更に、本発明者らは、上記混合系酸化剤を用いることによる製造上の保安面での利点をも見出した。即ちアミノテトラゾ−ルと過塩素酸アンモニウムとの混合物又はアミノテトラゾ−ルと硝酸ストロンチウムの混合物では一旦着火すると、それらは中断することなく大気中で燃焼を継続するが、アミノテトラゾ−ルと過塩素酸アンモニウム・硝酸ストロンチウムの混合系酸化剤との混合物では、一時的に着火はするものの、大気中での燃焼の継続性がない。すなわち、アミノテトラゾ−ルと過塩素酸アンモニウム・硝酸ストロンチウムの混合系酸化剤との混合物はその製造時に、万一火災が発生したとしても他への燃焼伝播が起こり難いことから製造上の安全性が大幅に向上する。また、ニトログアニジンでは酸化剤との組合せにおいて、過塩素酸アンモニウム、硝酸ストロンチウム、或いは過塩素酸アンモニウム/硝酸ストロンチウムの混合系何れにおいても大気中での燃焼継続性がない。
【0044】
次に、本発明において、添加剤の1種であるバインダ−について説明する。本発明において、バインダ−としては次の一般式で示されるヒドロタルサイト類が好ましい。
【0045】
【数7】
Figure 0004318777
【0046】
このヒドロタルサイト類は、結晶水を有する多孔質の物質であって、含窒素有機化合物系のガス発生剤のバインダ−として極めて有効である。これは、ヒドロタルサイト類が共通して水分を吸着し易い性質を有しており、この性質が組成物の各成分を強固に結合させる作用をなすものと考えられる。
【0047】
例えば、ガス発生剤の錠剤を成形する場合、低い打錠圧力においても、一般のアジド系ガス発生剤の錠剤硬度10〜15kgf(モンサント型硬度計)よりも遙に高い硬度(25〜30kgf)を得る事が可能となる。又、このバインダ−を用いた錠剤等の成形物は、高温・低温の繰り返しによる熱衝撃に対しても錠剤特性及び燃焼特性に変化がなく、従って実際に車両に搭載した後の経年変化が少なく、極めて特性の安定した錠剤を得る事が可能となる。
【0048】
尚、ヒドロタルサイト類の代表的なものとしては、次式で表される合成ヒドロタルサイト、又は、ピロウライトがあるが、入手の容易性及び価格面から合成ヒドロタルサイトが好ましい。
【0049】
【数8】
Figure 0004318777
【0050】
このヒドロタルサイト類は、ガス発生剤の燃焼に際し、例えば合成ヒドロタルサイトの場合には、次の反応式に示す様に分解するが有害ガスを発生せず、更に、反応自体は吸熱反応であるので、ガス発生剤の燃焼温度を低下させ、結果的にNOx の生成を抑制するという効果もある。
【0051】
【数9】
Figure 0004318777
【0052】
更に、このヒドロタルサイト類は、火薬類危険性度合の指標となる摩擦感度、落槌感度に関しては全く鈍感である。従って本発明のガス発生剤組成物にこのヒドロタルサイト類を添加することで取扱上安全なガス発生剤組成物となる。ここで危険性評価の一例としてJIS−K−4810(火薬類性能試験法)に規定された摩擦感度試験結果を紹介する。例えば、ニトログアニジン又はアミノテトラゾール類と、過塩素酸アンモニウム・硝酸ストロンチウムの組成物が摩擦感度等級4級であるのに対して、この系にヒドロタルサイト類を約5重量%添加することで6級となり、安全性が向上する。
【0053】
本発明のガス発生剤組成物に、このヒドロタルサイト類をバインダ−として添加する時には、ガス発生剤組成物に対して、2〜10重量%の範囲で含有させる。2重量%より少ないとバインダ−としての機能が達成し難く、10重量%を越えると、他の成分の添加量が少なくなってガス発生剤組成物としての機能が果たし難くなる。特に3〜8重量%の範囲で添加されるのが好ましい。またヒドロタルサイト類がガス発生剤組成物中で均一に分散されるためには個数基準50%平均粒径で10μm以下が好ましい。
【0054】
尚、個数基準50%平均粒径とは、個数基準で粒度分布を表す方法であり、全粒子の個数を100としたとき、小さい方から積算して50個に達したときの粒度をいう。
【0055】
次に、本発明で使用するガス発生剤組成物の自動発火を可能にする触媒(自動発火機能発現触媒)について説明する。上記ニトログアニジン又はアミノテトラゾールと、過塩素酸アンモニウムと、アルカリ金属又はアルカリ土類金属硝酸塩との系に150℃〜210℃で自動発火機能を持たせるべく、各種金属酸化物,金属硫化物及び金属粉末を添加して、自動発火機能の有無を検討したところ、三酸化モリブデン及び三酸化モリブデン類、すなわち加熱することにより三酸化モリブデンを生成する化合物が、自動発火機能を有することがわかった。
【0056】
その添加量は、ガス発生剤組成物に対して0.05重量%の極めて少ない添加量でも自動発火機能が発現し、5重量%までは、その機能が殆ど変化しない事も判明した。従って、自動発火性付与のための触媒成分としての三酸化モリブデンの添加量は、0.05重量%〜5重量%の範囲が好ましく、0.05重量%未満では自動発火機能が発現せず、又、5重量%を越えるとガス化率が低下する傾向にある。
【0057】
前記三酸化モリブデン類としては、モリブデン酸,モリブデン酸アンモニウム,モリブデン酸ナトリウム,リンモリブデン酸,リンモリブデン酸アンモニウム,リンモリブデン酸ナトリウム等のモリブデン化合物が挙げられる。これらのモリブデン化合物を三酸化モリブデンに代えて使用する場合の添加量は、生成する三酸化モリブデン換算で、上記の0.05〜5重量%の範囲となる様に添加する事が好ましい。
【0058】
次に、本発明で使用するスラグ捕集剤について説明する。本発明で使用しうるスラグ捕集剤としては金属窒化物或いは金属炭化物がある。金属窒化物としてアジ化物を含める場合があるが、本発明の金属窒化物にはアジ化物は含まれない。
本発明に使用しうる窒化物としては窒化珪素(Si3 4 ),窒化硼素(BN),窒化アルミニウム(AlN),窒化モリブデン(MoN/Mo2 N),窒化タングステン(WN2 /W2 N,W2 3 ),窒化チタン(TiN),窒化バナジウム(VN),窒化ジルコニウム(ZrN),窒化クロム(CrN/Cr2 N),窒化タンタル(TaN)及び窒化ニオブ(NbN)からなる群から選ばれた1種以上が挙げられる。
【0059】
また、本発明で使用しうる金属炭化物の具体例としては、炭化珪素(SiC),炭化硼素(B4 C),炭化モリブデン(MoC/Mo2 C),炭化タングステン(WC/W2 C),炭化チタン(TiC),炭化バナジウム(VC),炭化ジルコニウ(ZrC),炭化クロム(Cr3 2 /Cr7 3 /Cr236 ),炭化タンタル(TaC),炭化ニオブ(NbC)が挙げられ、これらは混合して用いてもよい。
これら金属窒化物、及び金属炭化物はファインセラミックスと呼ばれるものであり、熱的にも安定で高強度の耐熱材料として使用されているが、高温の酸化性雰囲気下では燃焼する性質がある。本発明は、この燃焼する性質を利用して、スラグ形成を行うものであり、同時に燃焼反応により発生する窒素ガス、炭酸ガスも、燃料成分の燃焼で発生する燃焼ガスと同様、乗員保護装置の作動に利用される。
【0060】
本発明におけるスラグ形成の反応式を、窒化珪素を例にとり示すが、その他の金属窒化物、金属炭化物についても同様である。尚、反応の係数は省略している。
【0061】
【数10】
Figure 0004318777
【0062】
本発明では窒化珪素が燃焼する過程において、酸化剤、或はバインダ−より生成された金属酸化物が共存するため珪酸塩が形成される。一般に珪酸塩の融点は1600℃前後であり、ガス発生剤の燃焼過程においては高粘度の溶融状態にあるので各微粒子スラグが互いに融着して凝集し、大きな粒子となってガス発生器内のフィルタ部材で捕集され易くなる。
【0063】
これら金属窒化物、或いは金属炭化物の粒径は、細かい程その効果が期待し易いので、個数基準50%平均粒径で5μm以下、好ましくは1μm以下が良い。この金属窒化物、或いは金属炭化物の微粒子を、前記燃料成分や酸化剤成分の粉砕時に少量添加しておけば、これら粉砕成分の固結防止剤の作用をなすと共に酸化剤や燃料中に均一に分散させる事ができ、前記スラグ反応の均一化も期待できる。尚、これら金属窒化物、或いは金属炭化物を固結防止剤として使用する際に、二酸化珪素の微粉末である微粒化シリカと併用する事も可能である。
【0064】
また、これら金属窒化物、或いは金属炭化物の添加量は、酸化剤より生成したアルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、及びヒドロタルサイト類より生成するMgO、Al2 3 に依存するものであり、ガス発生剤組成物中に0.5〜5重量%の範囲が好ましく、0.5重量%以下では、上記したスラグ捕集効果が小さく、又、5重量%を越えると、燃料や酸化剤の添加量が制限されるので、発生ガス量不足や不完全燃焼を生じる怖れが出てくる。
【0065】
次に、本発明における添加剤の1種である成形補助剤および滑剤についてそれぞれ説明する。ガス発生剤組成物はその用途により顆粒、錠剤、ディスク状、単孔円筒状、あるいは多孔円筒状に成形することで所望の燃焼速度を得、且つ成形体としての強度を持たせて使用するのが一般的であり、これら成形補助剤、滑剤は実際に使用可能な形状に成形するために用いられる。
【0066】
ガス発生剤を顆粒状に成形する場合、成形補助剤としての水溶性ポリマ−を含む水溶液をガス発生剤に噴霧して混合し、直径1.0mm以下の顆粒状に成形、水を除去することで顆粒を得る。前記顆粒はそのままの状態でガス発生剤として使用できるが、更に錠剤、或はディスク状に加圧成形して使用することも可能である。使用しうる水溶性ポリマ−の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコ−ル,ポリプロピレングリコ−ル,ポリビニルエ−テル,マレイン酸と他の重合性物質との共重合体,ポリエチレンイミン,ポリビニルアルコ−ル,ポリビニルピロリドン,ポリアクリルアミド,ポリアクリル酸ナトリウム,ポリアクリル酸アンモニウム等がある。
前記水溶性ポリマーの添加量は、組成物中に0.05〜2重量%を含有していることが好ましい。
【0067】
また、錠剤或はディスク状に加圧成形し使用する場合は、直径4〜10mm,厚さ1.5〜5mmの錠剤或いは適宜寸法のディスク状に成形して使用されるのが一般的であり、その成形時の粉体、或は顆粒の流動性を改善する目的で、例えば、ステアリン酸,ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸マグネシウム,ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸アルミニウム,二硫化モリブデン,グラファイト,窒化硼素の群から選択された1種以上の第1滑剤を添加するのが好ましい。これにより成形性の改善が可能となる。
前記滑剤の添加量は、組成物中に0.1〜1重量%含有していることが好ましい。
【0068】
本発明の錠剤、或いはディスク状にプレス成形されたガス発生剤は、100〜120℃の温度で2〜24時間程度熱処理する事により、経時変化の少ないガス発生剤組成物の成形体を得る事ができる。特に、107℃×400時間の過酷な耐熱老化試験にパスするためには、この熱処理は極めて有効である。尚、熱処理時間は、2時間未満では熱処理が不十分であり、24時間を越えると、それ以上は意味のない熱処理となるので、2〜24時間の範囲で適宜選定するのが良い。好ましくは5〜20時間が良い。又、熱処理温度は、100℃以下では効果が少なく、120℃を越えると却って劣化のおそれがあるので、100〜120℃の範囲で適宜選定する事になる。好ましくは100℃〜110℃である。
【0069】
また、本発明のガス発生剤組成物は押出成形用のバインダーを添加することで単孔円筒状、あるいは多孔円筒状に押出成形することも可能である。この場合、単孔円筒状の形状は外径1〜7mm、内径0.5〜2mm、全長2〜10mmで、これらは使用する目的によりその形状は異なる。押出成形用バインダーとしてはセルロース系化合物、多価ヒドロキシ化合物、ポリビニル重合体、微生物産生多糖類などの有機バインダー、無機バインダーからなる群から選ばれた1種以上を混合し、押出成形したガス発生剤組成物が好ましく、添加量は1〜15重量%含有することが好ましい。
【0070】
本発明の押出成形されたガス発生剤は、50〜80℃の温度で20〜30時間程度熱処理する事により、経時変化の少ないガス発生剤組成物の成形体を得る事ができる。押出成形による製造方法では、水分を20〜30重量%含んだ成形体を熱処理するため、低温で長時間熱処理することが必要である。特に、107℃×400時間の過酷な耐熱老化試験にパスするためには、この熱処理が極めて有効である。尚、熱処理時間は、20時間未満では熱処理が不十分であり、30時間を越えると、それ以上は意味のない熱処理となるので、20〜30時間の範囲で適宜選定するのが良い。又、熱処理温度は、50℃以下では効果が少なく、80℃を越えると水分の蒸発速度が早すぎるために、成形体内に気泡を生じ、これは成形体の強度不足、燃焼中の異常燃焼の原因となる。
【0071】
〔好ましい組合わせ〕
次に、本発明のガス発生剤組成物における各成分の好ましい組み合わせについて説明する。燃料成分としては含窒素有機化合物の内、具体的には、ニトログアニジン、アミノテトゾ−ルが最適である。又、酸化剤としては、過塩素酸アンモニウムとアルカリ金属又はアルカリ土類金属硝酸塩との混合系のうち、過塩素酸アンモニウムと硝酸ストロンチウムの混合系が最適である。
【0072】
そして、燃料成分がニトログアニジンの場合、燃料成分はガス発生剤中に35〜60重量%含まれていることが好ましい。酸化成分は、ガス発生剤中に過塩素酸アンモニウム15〜30重量%と硝酸ストロンチウム20〜40重量%とが含まれていることが好ましい。また、燃料成分がアミノテトラゾールの場合、燃料成分はガス発生剤中に20〜45重量%含まれていることが好ましい。酸化成分は、ガス発生剤中に過塩素酸アンモニウム20〜40重量%と硝酸ストロンチウム25〜55重量%とが含まれていることが好ましい。
【0073】
自動発火機能発現触媒としては、三酸モリブデンが最適であり、この自動発火機能発現触媒はガス発生剤に対して0.05〜5重量%含まれていることが好ましい。
【0074】
スラグ捕集剤としての金属窒化物は窒化珪素が最適であり、また、金属炭化物は炭化珪素が最適である。これはスラグ捕集剤の珪素成分が、燃焼過程で、前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属硝酸塩から生ずる酸化物或いは下記バインダーから生ずる酸化物とスラグ形成反応を起こし捕集し易い高粘性のスラグを形成するからである。そしてこのスラグ捕集剤は、ガス発生剤中に0.5〜5重量%含まれていることが好ましい。
【0075】
次に、バインダ−として好ましい具体例を挙げる。錠剤状等の加圧成形に要するバインダ−としては、高融点酸化物であるMgOとAl2 3 を生成し得る合成ヒドロタルサイト類が最も好ましい。これらは上記の如く窒化珪素又は炭化珪素とのスラグ形成反応により、ガス発生器のフィルタ部で捕捉され易い高粘性のスラグを生成する。このバインダーは、ガス発生剤中に2〜10重量%含まれることが好ましい。
【0076】
顆粒状に成形する為に好ましい成形補助剤として具体的にはポリビニルアルコールが最適であり、ガス発生剤中に0.05〜2重量%添加するのが良い。
【0077】
顆粒状に成形する場合、各成分を配合した後、V型混合機により混合し、成形補助剤である水溶性ポリマ−を溶解させた水溶液を噴霧し、湿式混練造粒して粒径1mm以下の顆粒状に成形する。この顆粒を100℃で10時間乾燥させ、ガス発生剤として用いる。
【0078】
錠剤状等に加圧成形する場合の滑剤として具体的にはステアリン酸マグネシウムが最適であり、この加圧成形用滑剤は、ガス発生剤中に0.1〜1重量%添加するのが良い。
【0079】
加圧成形により錠剤状或はディスク状にガス発生剤を成形する場合、V型混合機で混合して得られた混合粉末に滑剤を添加した後、所望の形状に加圧成形し、100℃で10時間乾燥させ、ガス発生剤として用いる。この場合、上記顆粒に滑剤を添加し、加圧成形することも可能である。
【0080】
また、単孔円筒状、あるいは多孔円筒状に押出成形する為に好ましいバインダーとして具体的にはセルロース系化合物が最適であり、この押出成形用バインダーは、ガス発生剤中に1〜10重量%添加するのが良い。
【0081】
押出成形する場合、燃料、酸化剤、各種添加物をスパイラルミキサに計り取り、外割で25重量%の水を加え、十分に混練し、粘性を有する湿薬にする。その後、所望の形状に押出成形可能なダイスを通し、適宜切断していく。このようにして得られた押し出し成形体を60℃で24時間熱処理し、ガス発生剤として用いる。
【0082】
【実施例】
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明する。
各種のガス発生剤を実施例1から4に説明するように調合し、それらを図1に示されるようなガス発生器にそれぞれ充填した。それらのガス発生器を使用して60リットルタンクテスト及び自動発火性試験を行った。
【0083】
図1において、ガス発生器1は、点火器2と伝火薬3とが配置された中央点火室7と、その周囲の、ガス発生剤4が装填された燃焼室8と、更に、その外側の金属フィルタ−5が配置された冷却フィルタ−室9とから構成され、燃焼ガスは、冷却フィルタ−室9を経て、ハウジングのガス噴出孔6から外部に噴出するようになっている。
60リットルタンクテストは、内容積60リットルの高圧容器内にガス発生器を装着して作動させ、容器内にガスを放出させて、図2に示す如き容器内圧力の時間的変化と、容器内への流出スラグ量の測定を行うものである。尚、図2において、縦軸は容器内圧力P,横軸は時間tであり、P1 は容器内の最大到達圧力〔Kpa〕,t1 は点火器2への通電からガス発生器の作動開始までの時間〔ms:ミリ秒〕,t2 はガス発生器の作動からP1 に至るまでの所要時間〔ms〕を示している。
【0084】
更に、自動発火性機能は、前記試験用ガス発生器を用いて、外部火災試験と呼ばれる方法で行われた。これにより、火災等に対する自動発火機能の有無が判る。
外部火災試験は、積み上げた木材の上に試験用ガス発生器を載置し、木材に灯油をかけて着火し、火炎の中にガス発生器を10〜30分間放置しておき、ガス発生剤の燃焼によってガス発生器が破損するか否かを試験する方法である。これらの60リットルタンクテスト結果及び自動発火性試験の結果は、表1に示されている。
【0085】
〔実施例1〕
燃料成分としてのニトログアニジン49.0重量%と、酸化剤としての過塩素酸アンモニウム22.0重量%と硝酸ストロンチウム22.4重量%と、バインダ−としての合成ヒドロタルサイト4.5重量%と、自動発火機能発現触媒成分としての三酸化モリブデン0.9重量%と、スラグ捕集剤としての窒化珪素0.9重量%と、錠剤等成形用滑剤としてのステアリン酸マグネシウム0.3重量%とを夫々配合し、V型混合機により乾式混合した。尚、混合に際し、予め硝酸ストロンチウムには、窒化珪素の微粉末(個数基準50%平均粒径で0.2μm)を添加し、個数基準50%平均粒径で12μm程度に粉砕処理した。また、過塩素酸アンモニウムについては日本カ−リット(株)製、製品名APD2をそのまま使用した。この混合物を、回転式打錠機でプレス成形して直径6mm,厚さ2.2mm,重量120mgのガス発生剤の錠剤を得た。次に、この錠剤を100℃で10時間、熱処理を行った。得られた錠剤25gを、図1に示す構造のエアバッグ用ガス発生器1に装填した。試験の結果を表1に示した。
【0086】
〔実施例2〕
燃料成分としてのニトログアニジン40.0重量%と、酸化剤としての過塩素酸アンモニウム25.0重量%と硝酸ストロンチウム25.8重量%と、合成ヒドロタルサイト2.4重量%と、自動発火機能発現触媒としての三酸化モリブデン0.9重量%と、スラグ捕集剤としての窒化珪素0.9重量%、及び成型用バインダ−としてカルボキシメチルセルロースナトリウム5.0重量%(和光純薬工業(株)化学用)を夫々スパイラルミキサに計り取り、混合粉末に対し、25重量%の水を加え混練した。
十分に混練し、粘土状塊になった湿状薬を押出成形機に通し、外径2mm、内径1mmの単孔円筒状に押し出し、全長3mmの長さに切断した。次に、この押出成形体を60℃で24時間、熱処理を行った。尚、混合に際し、予め硝酸ストロンチウムには、窒化珪素の微粉末(個数基準50%平均粒径で0.2μm)を添加し、個数基準50%平均粒径で12μm程度に粉砕処理している。熱処理後、得られた成形体25gを、図1に示す構造のエアバッグ用ガス発生器1に装填した。試験の結果を表1に示した。
【0087】
〔実施例3〕
燃料成分としての5−アミノテトラゾール33.0重量%、酸化剤としての過塩素酸アンモニウム30.1重量%と硝酸ストロンチウム30.1重量%と、バインダ−としての合成ヒドロタルサイト4.7重量%と、自動発火機能発現触媒成分としての三酸化モリブデン0.9重量%と、スラグ捕集剤としての窒化珪素0.9重量%と、錠剤成形用滑剤としてのステアリン酸マグネシウム0.3重量%とを夫々配合し、V型混合機により乾式混合した。尚、混合に際し、予め5−アミノテトラゾールと硝酸ストロンチウムには、夫々窒化珪素の微粉末(個数基準50%平均粒径で0.2μm)を、夫々の重量に応じて略比例配分した量を添加し、個数基準50%平均粒径で12μm程度に粉砕処理した。また、過塩素酸アンモニウムについては日本カ−リット(株)製、製品名APD2をそのまま使用した。この混合物を、回転式打錠機でプレス成形して直径6mm,厚さ2.2mm,重量125mgのガス発生剤の錠剤を得た。次に、この錠剤を100℃で10時間、熱処理を行った。得られた錠剤25gを、図1に示す構造のエアバッグ用ガス発生器1に装填した。試験の結果を表1に示した。
【0088】
〔実施例4〕
燃料成分としての5−アミノテトラゾール33.7重量%と、酸化剤としての過塩素酸アンモニウム30.2重量%と硝酸カリウム29.7重量%と、バインダーとしての合成ヒドロタルサイト4.7重量%と、自動発火機能発現触媒ととしての三酸化モリブデン0.5重量%と、スラグ捕集剤としての窒化珪素0.9重量%と、錠剤成形用滑剤としてのステアリン酸マグネシウム0.3重量%とを夫々配合し、実施例3と同様の方法で混合及び成形を行い、直径6mm,厚さ2.2mm,重量116mgの錠剤を得た。尚、混合に際し、予め5−アミノテトラゾールと硝酸カリウムには、夫々窒化珪素の微粉末(個数基準50%平均粒径で0.2μm)を、夫々の重量に応じて略比例配分した量を添加し、個数基準50%平均粒径で12μm程度に粉砕処理している。得られた錠剤を100℃で10時間熱処理した後、錠剤25gを図1に示す構造のエアバッグ用ガス発生器1に装填した。試験の結果を表1に示した。
【0089】
〔比較例1〕
燃料成分としてのニトログアニジン51.7重量%と、酸化剤としての硝酸ストロンチウム41.7重量%と、自動発火機能発現触媒としての三酸化モリブデン0.9重量%と、スラグ捕集剤としての窒化珪素0.9重量%と、バインダーとしての合成ヒドロタルサイト4.5重量%と、錠剤成形用滑剤としてのステアリン酸マグネシウム0.3重量%とを夫々配合し、実施例1と同様の方法で混合及び成形を行い、直径6mm,厚さ2mm,重量120mgの錠剤を得た。尚、混合に際し、予め硝酸ストロンチウムには窒化珪素の微粉末(個数基準50%平均粒径で0.2μm)を添加し、個数基準50%平均粒径で110μm程度に粉砕処理している。得られた錠剤を100℃で10時間熱処理した後、錠剤25gを図1に示す構造のエアバッグ用ガス発生器1に装填した。試験の結果を表1に示した。尚、自動発火性試験については実施しなかった。
【0090】
〔比較例2〕
燃料成分としての5−アミノテトラゾール32.6重量%と、酸化剤としての硝酸ストロンチウム60.6重量%と、自動発火機能発現触媒としての三酸化モリブデン0.9重量%と、スラグ捕集剤としての窒化珪素0.9重量%と、バインダーとしての合成ヒドロタルサイト4.7重量%と、錠剤状等成形用滑剤としてのステアリン酸マグネシウム0.3重量%とを夫々配合し、実施例3と同様の方法で混合及び成形を行い、直径6mm,厚さ2.2mm,重量125mgの錠剤を得た。尚、混合に際し、予め5−アミノテトラゾールと硝酸ストロンチウムには夫々窒化珪素の微粉末(個数基準50%平均粒径で0.2μm)を、夫々の重量に応じて略比例配分した量を添加し、個数基準50%平均粒径で12μm程度に粉砕処理している。得られた錠剤を100℃で10時間熱処理した後、錠剤25gを図1に示す構造のエアバッグ用ガス発生器1に装填した。試験の結果を表1に示した。尚、自動発火性試験については実施しなかった。
【0091】
〔比較例3〕
比較例1で用いたガス発生剤の錠剤44gを図1に示す構造のエアバッグ用ガス発生器1に装填した。試験の結果を表1に示した。
【0092】
〔比較例4〕
比較例2で用いたガス発生剤の錠剤44gを図1に示す構造のエアバッグ用ガス発生器1に装填した。試験の結果を表1に示した。
【0093】
【表1】
Figure 0004318777
【0094】
スラグ流出量は、前記図1に示された試験用ガス発生器のガス放出孔6から噴出した固体残渣を容器内から集めた重量〔g〕を示している。又、人体に有害なガスとしてCOとNOx (NO及びNO2 を含む)、およびHCl、Cl2 の量〔ppm〕は、ガス発生器作動後の60リットル容器内に溜まったガスを、所定のガス検知管による分析によって求めた。
また、実施例に示した組成物における自動発火性試験では、木材に着火後、約8分後にガス発生剤の燃焼が生じたが、ガス発生器は破損せず、全て自動着火機能を有する事が確認された。
【0095】
上記表1において、燃焼特性である容器内の最大到達圧力P1 及びガス発生器の作動からP1 に至るまでの所要時間t2 に関して、同じ薬量(25g)のガス発生剤を使用した実施例と比較例とを比べると、実施例の方が、何れも乗員保護を目的としたガス発生器用ガス発生剤として好ましい値を示している。更に、実施例は、塩化水素の如き有害ガスの発生が懸念される過塩素酸アンモニウムを酸化剤として用いるにもかかわらず、塩化水素は殆ど検出されない。加えて、実施例は人体に有害なガスとしてCOとNOx の発生が極めて少ない。
【0096】
比較例1〜4は酸化剤に過塩素酸アンモニウムを使用せず、硝酸ストロンチウムを単独で使用した場合の例を示しているが、この場合、実施例に薬量を会わせると最大到達圧力P1 の値は実施例の約2分の1となった。比較例1及び2の結果からガス発生剤が燃焼した際の発熱量の違いによる影響もあるが、それ以上に前述したガス化率の違いを反映するものであり、本発明のガス発生剤組成物が従来のガス発生剤と比較して高ガス化率であることが分かる。
更に比較例3及び4では最大到達圧力P1 を実施例と同レベルになる様に薬量を44gと増加させ、試験を実施した。また、外部火災試験において、ガス発生器の破損も確認され、自動発火機能が無いことが判った。本比較例では、酸化剤として硝酸ストロンチウムを用いた場合、NOx 濃度、流出スラグ量が増加している。
【0097】
次に、シ−トベルトプリテンショナ−に用いるガス発生器の燃焼特性について試験を行った。各種のガス発生剤を実施例5及び6に説明するように調合し、それらを図3に示されるようなシ−トベルトプリテンショナ−用ガス発生器10にそれぞれ充填した。
このガス発生器10は、点火支持体11、電気点火器12、装填筒13から構成される。前記装填筒13にガス発生剤14が装填されており、ガス発生剤14の燃焼ガスは装填筒13底面より吹き出される。このガス発生器10を内容積10ミリリットルの高圧容器内に装着して、作動させ、容器内にガスを放出させて、実施例1で用いた図2の如き容器内圧力の時間的変化を測定した。
又、ガス発生器10を実施例1で用いた60リットルタンク内に装着して作動させ、ガス検知管を用いて燃焼ガス分析を実施した。更にガス発生剤の耐熱性を調べるために120℃で50時間放置し、重量減少を測定した。以上の試験の結果が表2に示されている。
【0098】
〔実施例5〕
燃料成分としてのニトログアニジン49.0重量%、酸化剤としての過塩素酸アンモニウム22.3重量%と硝酸ストロンチウム22.3重量%、合成ヒドロタルサイト4.5重量%と、自動発火機能発現触媒成分としての三酸化モリブデン0.9重量%と、スラグ捕集剤としての窒化珪素0.9重量%を夫々配合し、V型混合機により混合した後、成形補助剤としてのポリビニルアルコ−ル水溶液を噴霧し、湿式混練造粒を行い、粒径1mm以下の顆粒状に成形した。この時、噴霧したポリビニルアルコ−ルの量は混合物中に0.1重量%である。この顆粒を100℃で10時間乾燥させた後、顆粒1.0gを、図3に示す構造のシ−トベルトプリテンショナー用ガス発生器10に装填し、試験を実施した。その結果を表2に示す。
【0099】
〔実施例6〕
燃料成分としての5−アミノテトラゾール33.0重量%、酸化剤としての過塩素酸アンモニウム30.3重量%と硝酸ストロンチウム30.3重量%、バインダ−としての合成ヒドロタルサイト4.5重量%と、自動発火機能発現触媒成分としての三酸化モリブデン0.9重量%と、スラグ捕集剤としての窒化珪素0.9重量%とV型混合機により混合した後、成形補助剤としてのポリビニルアルコ−ル水溶液を噴霧し、湿式混練造粒を行い、粒径1mm以下の顆粒状に成形した。この時、噴霧したポリビニルアルコ−ルの量は混合物中に0.1重量%である。この顆粒を100℃で10時間乾燥させた後、顆粒1.0gを、図3に示す構造のシ−トベルトプリテンショナー用ガス発生器10に装填し、試験を実施した。その結果を表2に示す。
【0100】
〔比較例5〕
ニトロセルロ−スを主剤とするシングルベ−ス無煙火薬1.0gを用いて実施例5と同様の試験を実施した。その結果を表2に示す。
【0101】
【表2】
Figure 0004318777
【0102】
表2から明らかな様に、本発明のガス発生剤組成物において注目すべき点は燃焼ガスの組成が良く、また耐熱性に優れている点にある。従来の無煙火薬ではCO濃度が4500ppmであるのに対し、本発明のガス発生剤では700〜900ppmと格段と改善されており、この点は上記実施例の結果からも明らかである。更に、120℃という高温状態に放置されても重量減少がないことから、耐熱性も良好であることがわかった。
【0103】
【発明の効果】
本発明のガス発生剤組成物は、燃料成分、酸化剤及び添加剤を含有するガス発生剤組成物において、含窒素有機化合物、特に、ニトログアニジンやアミノテトラゾールを燃料成分とし、過塩素酸アンモニウムとアルカリ金属又はアルカリ土類金属の硝酸塩の混合系を酸化剤とするため、高いガス化率を有することが特徴である。また、燃料成分が含窒素有機化合物であるのでCOガスの発生も少ない良好なガスが得られる。
【0104】
加えて、過塩素酸アンモニウムから生じる塩化水素に対し、化学量論的に中和可能なアルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物を形成するだけの硝酸塩の量を1としたときに、前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の硝酸塩の量が0.9を越えるようにするため、過塩素酸アンモニウムを使用していても塩化水素等の有害なガスの発生が殆どない。更に、バインダーとしてヒドロタルサイト類を使用すると、NOxの発生も抑制される。
【0105】
また上記燃料成分と酸化剤に適切な添加剤を添加することにより、耐熱性に優れ、スラグ流出量を少なくし、自動発火機能を保持させることができる。
【0106】
本発明のガス発生剤組成物をエアバッグ用ガス発生器のガス発生剤組成物として用いる場合、酸化剤由来の金属酸化物、及び燃焼過程で生成するその他の金属酸化物は、スラグ捕集剤として添加された金属窒化物、あるいは金属炭化物とスラグ形成反応を起こし、フィルタ−で容易にろ過可能な物質へと転換される。かくして、クリ−ンなガスを発生し、且つ小型、軽量化が達成できる。
【0107】
本発明のガス発生剤組成物をシートベルトプリテンショナー用ガス発生器のガス発生剤組成物として用いる場合、用いるガス発生剤組成物の量が少なく、スラグ量も少ないため、フィルタ−なしでも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で使用したエアバッグ用ガス発生器1の概略断面図である。
【図2】高圧容器を用いた燃焼試験における時間(t)と容器内圧力(P)との関係を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例で使用したシートベルトプリテンショナー用ガス発生器10の概略断面図である。
【符号の説明】
1 エアバッグ用ガス発生器
2 点火器
3 伝火薬
4 ガス発生剤
5 冷却フィルタ−部材
6 ガス放出孔
7 中央点火室
8 燃焼室
9 冷却フィルタ−室
10 シートベルトプリテンショナー用ガス発生器
11 点火支持体
12 電気点火器
13 装填筒
14 ガス発生剤
1 最大到達圧力
1 作動開始までの時間
2 作動からP1 に到るまでの時間

Claims (3)

  1. 燃料成分、酸化剤及び少なくとも1種以上の添加剤を含有するガス発生剤組成物であって、
    前記燃料成分として、ニトログアニジンを35〜60重量%、前記酸化剤として、過塩素酸アンモニウムを15〜30重量%、アルカリ土類金属の硝酸塩を20〜40重量%含有し、
    前記添加剤の1種が押出成形用バインダーであり、押出成形用バインダーとしてセルロース系化合物、多価ヒドロキシ化合物、ビニル化合物の重合体、微生物産生多糖類、無機バインダーを1〜15重量%含有することを特徴とするガス発生剤組成物。
  2. 請求項1のガス発生剤組成物からなる押出成形体。
  3. 請求項1のガス発生剤組成物又は請求項2の押出成形体を充填したガス発生器。
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