JP4317376B2 - 糖尿病性腎症遺伝子の検出方法 - Google Patents

糖尿病性腎症遺伝子の検出方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、糖尿病性腎症遺伝子の検出方法に関する。さらに詳しくは、糖尿病性腎症に対する罹病性を与える糖尿病性腎症遺伝子の検出方法、該検出方法に用いるためのキット、及び糖尿病患者における腎症の発症の予防又は該腎症の治療の薬剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
糖尿病性腎症は、西洋諸国及び日本における末期腎不全の主な原因である(非特許文献1−3)。前記糖尿病性腎症は、虚血性心臓疾患、脳卒中等の動脈硬化症等の疾患を引き起こし、糖尿病患者における平均余命の低下をもたらす。
【0003】
糖尿病性腎症の病因は、多要因的であると考えられており、いくつかのカスケードが、糖尿病性腎症の発生及び進行に寄与するのであろうと考えられているが、正確な機構等について、不明な点が多いのが現状である。
【0004】
【非特許文献1】
アクマール(Akmal M)、Am.J.kidney Dis.、38、Suppl.1、2001
【非特許文献2】
「米国腎臓データシステム2001年報データレポート:米国における末期腎臓病のアトラス」“Excerpts from the United State Renal Data System 2001 Annual Data Report:Atlas of end−stage renal disease in the United States.” Am.J.kidney Dis.、38、Suppl.3、2001
【非特許文献3】
「患者登録委員会 日本透析医学会:日本における長期透析療法の現状」 “Patient registration committee,Japanese society for dialysis therapy:The current state of chronic dialysis treatment in Japan.J.Jpn Soc DialTher 35(7): 1155−1184,2002
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、糖尿病患者における糖尿病性腎症の易罹病性又は難罹病性を容易に判定すること、迅速に判定すること、糖尿病患者から得られた被験試料から、糖尿病性腎症に対する易罹病性又は難罹病性を付与しうる罹病性決定要因を、容易に検出すること、迅速に検出すること等を可能にする、糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因の検出方法を提供することを目的とする。また、本発明は、糖尿病患者における糖尿病性腎症の易罹病性又は難罹病性を容易に判定すること、迅速に判定すること、糖尿病患者から得られた被験試料から、糖尿病性腎症に対する易罹病性又は難罹病性を付与しうる罹病性決定要因を、容易に検出すること、迅速に検出すること等を可能にする、糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因の検出用キットを提供することを目的とする。さらに、本発明は、糖尿病患者において、糖尿病性腎症を併発する可能性を低減させること等を可能にする、糖尿病患者、特に網膜症を伴う糖尿病患者の腎症の発症の予防又は該腎症の治療のための薬剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、
〔1〕 ヒト第16染色体上のSLC12A3(solute carrier family 12 member 3)遺伝子を指標として用いることを特徴とする、糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因の検出方法であって、糖尿病患者の核酸試料について、前記SLC12A3遺伝子の第23エキソンの+78位に対応する塩基を同定するステップを含み、
(I’ )該+78位に対応する塩基が、Gである場合、該核酸試料中に、糖尿病性腎症に対する易罹病性を付与しうる罹病性決定要因が含まれることの指標となり、
(II’ )該+78位に対応する塩基が、Aである場合、該核酸試料中に、糖尿病性腎症に対する難罹病性を付与しうる罹病性決定要因が含まれることの指標となる、
糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因の検出方法、
〔2〕 ヒト第16染色体上のSLC12A3(solute carrier family 12 member 3)遺伝子の発現産物を指標として用いることを特徴とする、糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因の検出方法であって、糖尿病患者のタンパク質試料について、前記SLC12A3遺伝子の発現産物中の913位に対応するアミノ酸残基を同定するステップを含み、
(i)該913位に対応するアミノ酸残基が、アルギニン(Arg)である場合、該タンパク質試料中に、糖尿病性腎症に対する易罹病性を付与しうる罹病性決定要因が含まれることの指標となり、
(ii)該913位に対応するアミノ酸残基が、グルタミン(Gln)である場合、該タンパク質試料中に、糖尿病性腎症に対する難罹病性を付与しうる罹病性決定要因が含まれることの指標となる、
糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因の検出方法、
〔3〕下記核酸:
(1’)ヒト第16染色体上のSLC12A3遺伝子において、第23エキソンの+78位に対応する塩基が、Gである塩基配列からなる核酸若しくはその相補鎖、及び/又は
(2’) 該SLC12A3遺伝子において、第23エキソンの+78位に対応する塩基が、Aである塩基配列からなる若しくはその相補鎖
を含有してなる、前記〔1〕記載の検出方法を行なうための、糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因の検出用キット、並びに
〔4〕下記核酸:
(1’)ヒト第16染色体上のSLC12A3遺伝子において、第23エキソンの+78位に対応する塩基が、Gである塩基配列からなる核酸若しくはその相補鎖、及び/又は
(2’) 該SLC12A3遺伝子において、第23エキソンの+78位に対応する塩基が、Aである塩基配列からなる若しくはその相補鎖
が固定化された核酸アレイを含有してなる、前記〔1〕記載の検出方法を行なうための、糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因の検出用キット、
に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因の検出方法は、ヒト第16染色体上のSLC12A3(solute carrier family 12 member 3)遺伝子〔ジーンバンク(GenBank)アクセッション番号:AC 012181〕又はその発現産物を指標として用いることに1つの大きな特徴がある。
【0008】
本明細書において、「罹病性決定要因」は、易罹病性の決定要因と、難罹病性の決定要因とに大別される。前記「易罹病性の決定要因」としては、(1)SLC12A3遺伝子の塩基配列において、該遺伝子の発現産物中の913位のアミノ酸残基に対応するコドンが、アルギニン残基に対応するコドンである塩基配列を有する核酸若しくはその相補鎖;(1’)SLC12A3遺伝子の発現産物のアミノ酸配列において、913位に対応するアミノ酸残基が、アルギニン(Arg)であるアミノ酸配列からなるポリペプチド等が挙げられる。
【0009】
また、前記「難罹病性の決定要因」としては、(2)SLC12A3遺伝子の塩基配列において、該遺伝子の発現産物中の913位のアミノ酸残基に対応するコドンが、グルタミン残基に対応するコドンである塩基配列を有する核酸若しくはその相補鎖;(2’)SLC12A3遺伝子の発現産物のアミノ酸配列において、913位に対応するアミノ酸残基が、グルタミン(Gln)であるアミノ酸配列からなるポリペプチド等が挙げられる。
【0010】
本発明の検出方法においては、前記SLC12A3遺伝子又はその発現産物における特定の変異の有無を指標として用いるため、糖尿病患者の被験試料中における糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因を容易に、迅速に検出することができ、糖尿病患者の糖尿病性腎症に対する易罹病性又は難罹病性を容易に、迅速に検出することができるという優れた効果を発揮する。
【0011】
前記SLC12A3(solute carrier family 12 member 3)遺伝子は、サイアザイド感受性Na+−Cl- 共輸送体をコードする遺伝子である。前記SLC12A3遺伝子は、低カリウム血症、代謝性アルカローシス等の病態が見られるGitelman症候群の一部の患者において、第23エキソンの+78位の塩基が、G(グアニン)からA(アデニン)に変異していることが知られている遺伝子である〔レミンク(Lemmink HH)ら、Kidney Int.、54、720−730、1998〕。また、前記SLC12A3遺伝子に対するノックアウトマウスにおいても、Gitelman症候群と類似の症状が観察されている〔シュルセシス(Schulthesis PJ)ら、J.Biol.Chem.、273、29150−29155、1998〕。
【0012】
一方、本発明は、糖尿病患者においては、予想外にも、前記SLC12A3遺伝子の発現産物の913位が、アルギニン(Arg)からグルタミン(Gln)に変異している場合、例えば、第23エキソンの+78位の塩基が、GからAに変異している場合、糖尿病性腎症に対して、難罹病性を示し、一方、該913位が、アルギニン(Arg)である場合、例えば、第23エキソンの+78位の塩基が、Gである場合、糖尿病性腎症に対して易罹病性を示すという本発明者らの驚くべき知見に基づく。
【0013】
本発明の検出方法は、具体的には、
▲1▼ SLC12A3遺伝子において、該遺伝子の発現産物中の913位のアミノ酸残基に対応するコドンを同定すること、又は
▲2▼ SLC12A3遺伝子発現産物中の913位のアミノ酸残基を同定することにより行なわれうる。
【0014】
本発明の検出方法に用いられる試料としては、具体的には、糖尿病患者の試料、好ましくは、網膜症を伴う糖尿病患者の試料が挙げられる。前記試料としては、より具体的には、核酸を含有する試料(「核酸試料」という)、タンパク質を含有する試料(「タンパク質試料」という)が挙げられる。前記試料は、糖尿病患者の生検試料、例えば、血液、皮膚、粘膜、爪、腎臓等が挙げられる。前記核酸試料又はタンパク質試料は、慣用の方法で前記生検試料を処理することにより得られる。前記核酸試料は、例えば、
− 末梢血液約10mlを3000rpmで5分間遠心分離して、血清を除去し、
− 得られた産物に、赤血球溶解液を添加して、室温で20分間インキュベートし、
− 得られた混合物を、3000rpmで5分間遠心分離して、上清を除去し、
− 得られた沈殿に、プロテイナーゼKを添加氏、37℃4時間以上処理し、
− 得られた産物を、フェノール−クロロホルムで処理し、
− 得られた上層に、イソプロパノールを添加して、DNAの沈殿を生じさせ、
− 遠心分離により、DNAを回収し、70% エタノールで処理し、
− 得られたDNAをTE緩衝液〔組成:10mM Tris−HCl、1mMEDTA (pH8.0)〕に溶解する
ことにより得られうる。
【0015】
また、前記タンパク質試料は、例えば、
− 腎組織又は腎培養細胞をホモゲナイゼーション緩衝液(20mM Tris−HCl、pH7.4、5mM MgCl2、5mM NaH2PO4、1mM エチレンジアミン四酢酸、80mM シュークロース、1mM PMSF、5mg/l ロイペプチン、5mg/l ペプスタチン)中でホモゲナイズし、
− 得られた産物について、3000×gで10分間の遠心分離を2回行ない、
− 得られた上清について、さらに14000×gで30分間遠心分離する
ことにより、沈澱として得られうる。なお、タンパク質試料の調製の際の操作は、4℃で行なわれうる。
【0016】
前記▲1▼の検出方法としては、具体的には、糖尿病患者の核酸試料について、
ヒト第16染色体上のSLC12A3遺伝子の塩基配列において、該遺伝子の発現産物中の913位のアミノ酸残基に対応するコドンを同定するステップを含む方法が挙げられる。前記ステップは、例えば、SLC12A3遺伝子の塩基配列における該遺伝子の発現産物中の913位のアミノ酸残基に対応するコドンを含む領域を検出又は配列解析することにより行なわれうる。
【0017】
前記コドンを含む領域の検出には、例えば、インベーダー法、一本鎖DNA高次構造多型解析法、オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション法、RNaseAミスマッチ切断法、ヘテロデュプレックス法、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法、タックマン法、ダイレクトシークエンス法、ローリングサークル増幅法等が行なわれうる。なかでも、操作の迅速性、操作に要するコストの低減、ハイスループットでの実施等の観点から、好ましくは、インベーダー法が望ましい。
【0018】
前記インベーダー法は、鋳型DNAとアレルプローブ(3’側にSNP部位からはじまる鋳型と相補的な配列と、5’側に鋳型と無関係なフラップ配列を有するオリゴヌクレオチド)と、インベーダープローブ(5’側にSNP部位直前まで、鋳型と相補的な配列を有し、SNP位置の任意の塩基で終わるオリゴヌクレオチド)とのハイブリダイゼーションを行なう方法である。ここで、前記インベーダー法においては、
− SNP部位では、相補的にアニーリングした二本鎖中にインベーダープローブの3’末端塩基が侵入した構造が形成され、
− エンドヌクレアーゼ(clevase)が前記構造を認識してフラップを切断し、
− 前記フラップと、該フラップに相補的にアニーリングして第2のclevase認識部位を生じるように設計されたFRETプローブとがアニーリングし、
− clevaseにより切断され、生じた蛍光標識FRETプローブの断片量を蛍光に基づき測定する
ことにより遺伝子型を判定される。
【0019】
また、電気泳動時における移動度の違いを指標として一塩基置換を検出する場合(例えば、前記一本鎖DNA高次構造多型解析法等)、例えば、(1) SLC12A3遺伝子の塩基配列において、該遺伝子の発現産物中の913位のアミノ酸残基に対応するコドンが、アルギニン残基に対応するコドンである塩基配列を有する核酸若しくはその相補鎖、及び/又は
(2) 該SLC12A3遺伝子の塩基配列において、該遺伝子の発現産物中の913位のアミノ酸残基に対応するコドンが、グルタミン残基に対応するコドンである塩基配列を有する核酸若しくはその相補鎖
との移動度の違いを指標とすればよい。
【0020】
なお、本明細書において、「核酸の相補鎖」とは、例えば、センス鎖に対するアンチセンス鎖であることを意味し、実質的に完全な相補を意味する。
【0021】
前記▲1▼の検出方法においては、
(I)SLC12A3遺伝子の塩基配列において、該遺伝子の発現産物中の913位のアミノ酸残基に対応するコドンが、アルギニン残基に対応するコドンである場合、該核酸試料中に、糖尿病性腎症に対する易罹病性を付与しうる罹病性決定要因が含まれることの指標となり、
(II) 該SLC12A3遺伝子の塩基配列において、該遺伝子の発現産物中の913位のアミノ酸残基に対応するコドンが、グルタミン残基に対応するコドンである場合、糖尿病性腎症に対する難罹病性を付与しうる罹病性決定要因が含まれることの指標となる。
【0022】
前記▲1▼の検出方法としては、より具体的には、糖尿病患者の核酸試料について、ヒト第16染色体上のSLC12A3遺伝子の第23エキソンの+78位に対応する塩基を同定するステップを含み、
(I' )該+78位に対応する塩基が、Gである場合、該核酸試料中に、糖尿病性腎症に対する易罹病性を付与しうる罹病性決定要因が含まれることの指標となり、
(II' )該+78位に対応する塩基が、Aである場合、該核酸試料中に、糖尿病性腎症に対する難罹病性を付与しうる罹病性決定要因が含まれることの指標となる
方法が挙げられる。
【0023】
前記▲1▼の検出方法において、配列解析を行なう場合、例えば、SLC12A3遺伝子の塩基配列における該遺伝子の発現産物中の913位のアミノ酸残基に対応するコドンを含む領域について、慣用のPCR等によりダイレクトシークエンスすること等により行なわれうる。
【0024】
なお、前記▲1▼の検出方法において、用いられるプローブ又はプライマーは、SLC12A3遺伝子(GenBankアクセッション番号:AC 012181)の塩基配列に基づき、前記コドンを含む領域の検出に適したプローブ又は該領域の増幅に適したプライマーとしてデザインすればよい。なお、プローブ又はプライマーの特異性を向上させる観点から、前記プローブ又はプライマーは、好ましくは、反復配列等の非特異的検出又は非特異的増幅をもたらしうる配列を含まない配列であることが望ましい。また、前記プローブ又はプライマーは、SLC12A3遺伝子に特徴的な部分配列からなる核酸であることが望ましい。なお、本明細書において、「SLC12A3遺伝子に特徴的な部分配列」とは、例えば、データベースに登録された配列のうち、前記SLC12A3遺伝子を除く塩基配列には、見出されない部分配列をいい、例えば、データベースに登録された配列との配列同一性が、20%以下、好ましくは、10%以下、より好ましくは、5%以下、特に好ましくは0%である配列をいう。
【0025】
なお、本明細書において、前記配列同一性は、比較対象の配列を適切なアルゴリズムに基づきアライメントし、同一の残基を決定して、適合部位の数を決定し、ついで、比較対象の配列領域内の残基の総数で、前記適合部位の数を割、得られた数値に100をかけることにより、算出されうる。前記アルゴリズムとしては、例えば、スミス(Smith)らの局所ホモロジーアルゴリズム〔Add.APL.Math.,2,482(1981)〕、ニードルマン(Needleman)らのホモロジーアラインメントアルゴリズム〔J.Mol.Biol.,48,443(1970)〕、パールソン(Pearson)らの相同性検索法〔Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85,2444(1988)〕等が挙げられ、より具体的には、ダイナミックプログラミング法、ギャップペナルテイ法、Smith−Watermanアルゴリズム、BLASTアルゴリズム等が挙げられる。なお、本明細書においては、前記配列同一性の数値は、Smith−Watermanアルゴリズムに基づき、配列を解析して算出されたものを基準としたときに上記範囲であればよく、アルゴリズムにより見かけの数値が若干異なっていてもよい。
【0026】
前記プライマーの鎖長は、特に限定はないが、例えば、少なくとも12ヌクレオチド長であり、具体的には、15ヌクレオチド長以上であり、好ましくは、20ヌクレオチド長以上であり、50ヌクレオチド長以下であり、好ましくは、35ヌクレオチド長以下であることが望ましい。
【0027】
前記プローブの鎖長は、特に限定はないが、非特異的なハイブリダイゼーションを防止する観点から、少なくとも15ヌクレオチド長であり、好ましくは18ヌクレオチド長以上であることが望ましい。なお、プローブの場合、ストリンジェントな条件、好ましくは、中ストリンジェンシー、より好ましくは、高ストリンジェンシーの条件下に前記コドンを含む領域に特異的にハイブリダイズするものであればよい。
【0028】
ここで、「ストリンジェントな条件」とは、モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリーマニュアル第2版〔ザンブルーク(Sambrook)ら編、コールドスプリングハーバーラボラトリープレス刊、1989〕等に記載の条件が挙げられる。具体的には、例えば、
▲1▼ 6×SSC(1×SSCの組成:0.15M NaCl、0.015M クエン酸ナトリウム、pH7.0)と0.5% SDSと5×デンハルトと100μg/mL 変性断片化サケ精子DNAと50% ホルムアミドを含む溶液中、プローブとともに42℃で一晩保温するステップ、
▲2▼ 非特異的にハイブリダイズしたプローブを洗浄により除去するステップ、を行ない、より精度を高める観点から、より低イオン強度、例えば、2×SSC、よりストリンジェントには、0.1×SSC等の条件及び/又はより高温、例えば、用いられる核酸のTm値の40℃下、よりストリンジェントには、30℃下、さらにストリンジェントには、25℃下、よりさらにストリンジェントには、10℃下、具体的には、用いられる核酸のTm値により異なるが、25℃以上、よりストリンジェントには、37℃以上、さらにストリンジェントには、42℃以上、よりさらにストリンジェントには、50℃以上、より一層ストリンジェントには、60℃以上等の条件下での洗浄を行なうこと等が挙げられる。なお、Tmは、例えば、下記式:
Tm=81.5−16.6 (log10[Na+])+0.41 (%G+C)−(600/N)
(式中、Nはオリゴヌクレオチドの鎖長であり、%G+Cはオリゴヌクレオチド中のグアニン及びシトシン残基の含有量である)
により求められる値である。
【0029】
かかるプローブ又はプライマーのデザインは、慣用のソフトウェアを用いることにより、GenBankアクセッション番号:AC 012181に基づき行なわれうる。
【0030】
プライマーは、例えば、G(グアニン)及びC(シトシン)の割合が、約50%であることが望ましく、プライマー同士又は単独で2量体を形成しないようにプライマー同士又は同一プライマー内で相補的な配列がないことが望ましい。
【0031】
本発明に用いられうるプローブ又はプライマーの具体例としては、例えば、インベーダー法に用いる場合、
アレルプローブG(nnnnnnnnnnnnnnngggctgagcagtaagttctgt;配列番号:1)、
アレルプローブA(nnnnnnnnnnnnnnnaggctgagcagtaagttctgt;配列番号:2)、
インベーダープローブ(tgacatcaaccagaaccctcn;配列番号:3)、
プライマーF(tccatgtgtcctccaggatcatttc;配列番号:4)及び
プライマーR(gatgctagatggggtctgtatgttgc;配列番号:5)
の組み合わせ
等が挙げられる。なお、前記アレルプローブG及びアレルプローブAにおいて、フラップに相当するn(任意の塩基)が連続している部分は、例えば、FAM・VICの組み合わせによる独立した検出が可能なように互いに異なる配列に設計すればよい。また、いうまでもないが、nの個数は必ずしも例示のものに限定されるものではなく、例えば、1〜数個nを付加あるいは欠失させたものであってもよい。具体的には、前記アレルプローブG及びアレルプローブAの組み合わせとしては、特に限定されないが、アレルプローブGとして、配列番号:6(atgacgtggcagacgggctgagcagtaagttctgt)と、アレルプローブAとして、配列番号:7(cgcgccgaggaggctgagcagtaagttctgt)との組み合わせ等が挙げられる。
【0032】
また、前記▲1▼の検出方法においては、支持体に前記(1)の核酸若しくはその相補鎖、及び/又は前記(2)の核酸若しくはその相補鎖を固定化した核酸アレイを用いることもできる。具体的には、前記核酸アレイと、糖尿病患者の核酸試料由来の標識核酸試料と、任意に対照試料由来の標識された核酸とを接触させ、ハイブリダイゼーションを行なう。
【0033】
前記核酸アレイは、例えば、前記(1)の核酸若しくはその相補鎖、及び/又は前記(2)の核酸若しくはその相補鎖に、支持体表面への固定化を容易にしうる修飾基を導入し、ついで、得られた修飾核酸を、慣用のDNAアレイ作製装置を用いて、予め定められた部位に整列、固定化すればよい。前記核酸の固定化量、固定化密度は、核酸アレイによるハイブリダーゼションを行ないうる範囲で適宜選択されうる。
【0034】
前記支持体としては、ガラス(例えば、スライドグラス)、シリコンチップ等が挙げられる。
【0035】
前記標識物質としては、蛍光物質、化学発光物質、発光団を有する物質等が挙げられる。例えば、前記蛍光物質としては、Cy2、FluorX、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、イソチオシアン酸フルオレセイン(FITC)、テキサスレッド、ローダミン等が挙げられる。核酸試料の標識は、試料中のmRNA、該mRNA由来のcDNAもしくは該cDNAより転写あるいは増幅された核酸を標識することによって実施される。前記Cy3及びCy5を標識物質として用いた場合、Cy3は532nm、Cy5は635nmの波長でスキャンすることにより検出されうる。
【0036】
なお、核酸アレイを用いて、コドンの違いを検出する場合、ハイブリダイゼーションにおける条件は、好ましくは、高ストリンジェンシーであることが望ましい。かかる条件としては、ハイブリダイゼーション緩衝液(50mM 2−[N−モルホリノ]エタンスルホン酸(MES)、250mM NaCl及び0.1%Tween−20)中で42℃で1時間インキュベートし、その後、洗浄液1(2×SSC及び0.1%)により42℃で5分洗浄し、洗浄液2(1×SSC及び0.1% Tween−20)により42℃で5分洗浄する条件が挙げられる。
【0037】
前記▲2▼の検出方法としては、具体的には、糖尿病患者のタンパク質試料について、SLC12A3遺伝子の発現産物中の913位に対応するアミノ酸残基を同定するステップを含む方法が挙げられる。前記ステップは、例えば、SLC12A3遺伝子の発現産物中の913位のアミノ酸残基を含む領域を検出又は配列解析することにより行なわれうる。
【0038】
前記アミノ酸残基を含む領域の検出には、例えば、抗体を用いたイムノアッセイ、ウエスタンブロット等により行なわれうる。
【0039】
前記抗体としては、1) 前記(1’)のポリペプチドとは反応し、前記(2’)のポリペプチドとは反応しない抗体、
2) 前記(2’)のポリペプチドとは反応し、前記前記(1’)のポリペプチドとは反応しない抗体、
が挙げられる。
【0040】
前記抗体は、例えば、カレント・プロトコルズ・イン・イムノロジー〔Current Protocols in Immunology、ジョン・E・コリガン(John E. Coligan)編、ジョン・ワイリー&サンズ社(John Weily&Sons,Inc)発行、1992年〕に記載の方法により、(1’)SLC12A3遺伝子の発現産物のアミノ酸配列において、913位に対応するアミノ酸残基が、アルギニン(Arg)であるアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は(2’)発現産物のアミノ酸配列において、913位に対応するアミノ酸残基が、グルタミン(Gln)であるアミノ酸配列からなるポリペプチドを用いて、ウサギやマウス等を免疫することにより、容易に作製され得る。前記抗体は、前記(1’)又は前記(2’)のポリペプチドに特異的に結合する能力を有するものであれば、ポリクローナル抗体であってもよく、モノクローナル抗体であってもよい。前記抗体は、例えば、前記(1’)又は(2’)いずれかにおける913位を含む特定の部分断片に特異的に結合しうる抗体であってもよい。また、得られた抗体を精製後、ペプチダーゼ等により処理することにより、抗体の断片が得られる。さらに、前記抗体の誘導体、例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体、Fabフラグメント、単鎖抗体等や公知技術により修飾された抗体等を使用することもできる。かかる抗体又はその断片は、慣用の酵素(例えば、ペルオキシダーゼ等)、蛍光色素、放射性物質、ビオチン、アビジン等で標識されていてもよい。なお、前記(1’)のポリペプチド又は前記(2’)のポリペプチドに対する前記抗体の特異性は、例えば、前記(1’)のポリペプチド及び前記(2’)のポリペプチドを用い、オクタロニー法、ELISA等により評価されうる。例えば、前記オクタロニー法の場合、前記1)の抗体は、前記(1’)のポリペプチドとは反応して、沈降線を示し、前記(2’)のポリペプチドとは反応せず、沈降線を示さない抗体として評価され、前記2)の抗体は、前記(2’)のポリペプチドとは反応して、沈降線を示し、前記前記(1’)のポリペプチドとは反応せず、沈降線を示さない抗体として評価されうる。
【0041】
前記▲2▼の検出方法においては、
(i)913位に対応するアミノ酸残基が、アルギニン(Arg)である場合、該タンパク質試料中に、糖尿病性腎症に対する易罹病性を付与しうる罹病性決定要因が含まれることの指標となり、
(ii)該913位に対応するアミノ酸残基が、グルタミン(Gln)である場合、該タンパク質試料中に、糖尿病性腎症に対する難罹病性を付与しうる罹病性決定要因が含まれることの指標となる。
【0042】
また、本発明には、前記検出方法に用いられる核酸若しくはその相補鎖、又は抗体を含有したキットも含まれる。
【0043】
前記▲1▼の検出方法を行なうためのキットとしては、具体的には、下記核酸:
(1) SLC12A3遺伝子の塩基配列において、該遺伝子の発現産物中の913位のアミノ酸残基に対応するコドンが、アルギニン残基に対応するコドンである塩基配列を有する核酸若しくはその相補鎖、及び/又は
(2) 該SLC12A3遺伝子の塩基配列において、該遺伝子の発現産物中の913位のアミノ酸残基に対応するコドンが、グルタミン残基に対応するコドンである塩基配列を有する核酸若しくはその相補鎖
を含有した、糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因の検出用キット、
が挙げられる。
【0044】
前記(1)の核酸若しくはその相補鎖としては、より具体的には、(1’) 該SLC12A3遺伝子において、第23エキソンの+78位に対応する塩基が、Gである塩基配列からなる核酸若しくはその相補鎖が挙げられる。また、前記(2)の核酸若しくはその相補鎖としては、より具体的には、(2’) 該SLC12A3遺伝子において、第23エキソンの+78位に対応する塩基が、Aである塩基配列からなる若しくはその相補鎖が挙げられる。
【0045】
また、前記▲1▼の検出方法を行なうためのキットは、前記(1)の核酸若しくはその相補鎖、及び/又は前記(2)の核酸若しくはその相補鎖が固定化された核酸アレイを含有したキットであってもよい。
【0046】
また、前記▲2▼の検出方法を行なうためのキットとしては、
1) 前記(1’)のポリペプチドとは反応し、前記(2’)のポリペプチドとは反応しない抗体、
2) 前記(2’)のポリペプチドとは反応し、前記前記(1’)のポリペプチドとは反応しない抗体、
を含有した、糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因の検出用キットが挙げられる。
【0047】
本発明の検出用キットには、検出に用いられうる標識物質、発色試薬、緩衝液(例えば、ハイブリダイゼーション用緩衝液、抗体保存用緩衝液、核酸保存用緩衝液、洗浄用緩衝液等)、対照試料等をさらに含有してもよい。
【0048】
また、本発明者らの知見によれば、糖尿病患者の腎症の発症の予防又は該腎症の治療のための薬剤が提供される。
【0049】
本発明の薬剤は、糖尿病患者に投与するものであり、かつヒト第16染色体上のSLC12A3遺伝子の塩基配列において、該遺伝子の発現産物中の913位のアミノ酸残基に対応するコドンが、グルタミン残基に対応するコドンである塩基配列を有する核酸を含有することに1つの特徴がある。
【0050】
本発明の薬剤は、前記SLC12A3遺伝子の塩基配列において、該遺伝子の発現産物中の913位のアミノ酸残基に対応するコドンが、グルタミン残基に対応するコドンである塩基配列を有する核酸が用いられているため、糖尿病患者に投与することにより、該糖尿病患者に、糖尿病性腎症に対する難罹病性を付与しうる罹病性決定要因を産生させることができ、糖尿病性腎症の発症の予防又は該腎症の治療を行なうことができるという優れた効果を発揮する。
【0051】
本発明の薬剤は、前記SLC12A3遺伝子の塩基配列において、該遺伝子の発現産物中の913位のアミノ酸残基に対応するコドンが、グルタミン残基に対応するコドンである塩基配列を有する核酸を、治療上有効量含有する。
【0052】
ここで、「治療上有効量」は、糖尿病性腎症の発症を予防すること又は該腎症を治療することに十分な量であればよく、糖尿病患者の体重、疾患状態、年齢等に応じて適宜選択されうる。かかる「治療上有効量」は、後述の薬理評価法に基づき定められた量であってもよい。
【0053】
本発明の薬剤の製剤形態は、投与形態に適した製剤形態であればよい。例えば、注射剤の場合、例えば、リン酸緩衝化生理食塩水、滅菌水等の溶液を、フィルター等で濾過滅菌し、得られた溶液に、前記核酸を溶解させることにより調製されうる。前記溶液は、好ましくは、核酸分解酵素を含有していない溶液であることが望ましい。また、本発明の薬剤は、必要に応じて慣用の担体等を含有してもよい。また、本発明の薬剤は、リポソーム製剤として、懸濁剤、凍結剤等の製剤形態であってもよい。
【0054】
糖尿病患者への本発明の薬剤の導入法としては、本発明の薬剤を直接糖尿病患者の体内、例えば、静脈、動脈、皮下、皮内、筋肉内等に導入する方法、糖尿病患者の細胞を取り出して体外で本発明の薬剤を当該細胞に導入し、その細胞を体内に戻す方法等が挙げられる。
【0055】
本発明の薬剤を投与する場合、その投与形態としては、非ウイルスベクターに基づく投与形態と、ウイルスベクターに基づく投与形態とに大別される。
【0056】
非ウイルスベクターの場合、慣用の遺伝子発現ベクターに前記核酸を組み込み、得られた組換え発現ベクターを用いて、リン酸−カルシウム共沈法、微小ガラス管を用いた核酸の直接注入法、パーティクルガン銃で金粒子等の担体とともに核酸分子を細胞に移入する方法、naked−DNAの直接導入法、リポソーム、正電荷ポリマーによる導入法等を行なうことにより、細胞や組織に本発明の薬剤を投与することができる。
【0057】
前記遺伝子発現ベクターとしては、例えば、pSI、pCI、pCMV、pSG、pCDNA,pCR,pLP等が挙げられる。
【0058】
ウイルスベクターの場合、例えば、無毒化したレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、センダイウイルス等のDNAウイルス又はRNAウイルスに、前記核酸を導入し、得られた組換えウイルスを細胞に感染させることによって、細胞内に核酸を導入することが可能である。
【0059】
前記薬剤中の前記核酸の含有量は、患者の年齢、体重等により適宜調節することができ、例えば、有効成分の前記核酸の量として0.0001〜100mg、好ましくは0.001〜10mgであることが望ましい。かかる投与用量を数日ないし数ヶ月に1回投与することが望ましい。
【0060】
本発明の薬剤の薬理評価は、例えば、尿中ナトリウム排泄率、尿中カリウム排泄率、クレアチニンクリアランス、尿中アルブミン排泄率、血清ナトリウム値、血清カリウム値、血清クレアチニン値、血中尿素窒素等を指標として行なわれうる。また、薬理評価として、モデル動物等を用いて、腎組織検査を行なってもよく、ヒトにおける腎生検を評価してもよい。
【0061】
【実施例】
以下、本発明を実施例などにより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例などにより限定されるものではない。
【0062】
実施例1
インフォームドコンセントの下、滋賀医科大学、東京女子医科大学、順天堂大学、川崎医科大学、岩手医科大学又は千葉西総合病院の外来患者向け診療所に定期的に来診する2型糖尿病患者を対象として実験を行なった。
【0063】
なお、前記糖尿病患者について、下記診断基準:
1)腎症症例(DN):糖尿病性網膜症を伴う患者及び明らかな糖尿病性腎症(アルブミン排出速度(AER)>若しくは=250μg/分、又はアルブミンクレアチニン比(ACR)>若しくは=300mg/gCr)を伴う患者又は透析療法下の患者
2)対照(C):糖尿病性網膜症を伴うが、腎症発症のいかなる兆候もない患者(AER<20μg/分、又はACR<30mg/gCr)
に従って、2つのグループに分類した。
【0064】
前記糖尿病患者から、末梢血液を得、末梢血液約10mlを3000rpmで5分間遠心分離して、血清を除去した。ついで、得られた産物に、赤血球溶解液を添加して、室温で20分間インキュベートした。その後、インキュベーション後の混合物を、3000rpmで5分間遠心分離して、上清を除去した。得られた沈殿に、プロテイナーゼKを添加し、37℃4時間以上インキュベートした。
【0065】
得られた産物を、フェノール−クロロホルムで処理し、得られた上層(水層)に、イソプロパノールを添加して、DNAの沈殿を生じさせた。ついで、遠心分離(12000×g、10分)を行ない、DNAを回収し、1ml 70% エタノールを添加し、得られたDNAのペレットをTE緩衝液〔組成:10mM Tris−HCl、1mM EDTA (pH8.0)〕に溶解し、DNA試料を得た。
【0066】
前記DNA試料について、SNPによりジェノタイピングした。用いたSNPは、SNPデータベース(IMS−JST SNPs データベース:http://snp.ims.u-tokyo.ac.jp)からランダムに選択されたものである。各SNP遺伝子座の遺伝子型を、オオニシ(Ohnishi Y.)ら〔J.Human.Genet.、46、471−477、2001〕のインベーダー法により解析した。
【0067】
前記インベーダー法において、Multiplex PCRにより標的部位を増幅した。PCR条件は、16.6mM (NH42 SO4 、67mM Tris(pH8.8)、6.7mM MgCl2、10mM 2−メルカプトエタノール、6.7μM EDTA、1.5mM dNTP、10×Taq mix(2.5U/μl Taq DNAポリメラーゼ、31.25U/μl Taqantibody)、0又は10% DMSO、各0.25μM プライマー中、変性:95℃、15秒とアニーリング:60℃、45秒と伸長:72℃、3分とを1サイクルとする40サイクルである。
【0068】
前記Multiplex PCRにより増幅された産物をdH2Oで、1:11に希釈し、384プレートの各ウェルに分注した。ついで、プレートを風乾させ、プレート上の各ウェルに、3μl インベーダー反応液(組成:10×緩衝液、10×FRETプローブ、10×clevase、アレルプローブ)を添加した。その後、63℃で20分間インキュベートし、ついで、プレートの各ウェルについて、FAM及びVICに由来する蛍光(520nm、546nm)を測定した。
【0069】
まず、糖尿病性腎症症例の94患者及び対照の94個体のそれぞれをスクリーニングした(一次スクリーニング)。2×3又は2×2分割表を用いて、統計学的データを評価することにより、糖尿病性腎症患者と対照群の個体との間における遺伝子型又は対立遺伝子頻度における顕著な差異を示したSNPを選択した。また、選択されたSNPの統計的有意性を明らかにするために、他の378糖尿病性腎症患者及び対照の155個体で解析した。相関解析、ハプロタイプ頻度及びハーディ・ワインバーグ平衡の統計解析並びにLD係数D’の算出は、デブリン(Devlin B.)ら〔Genomics、29、311−322、1995〕及びニールセン(Nielsen DM.)ら〔Am.J.Hum.Genet.、63、1531−1540、1998〕のように行なった。
【0070】
糖尿病性腎症症例の94患者及び対照の94個体を用いて、56,648個のSNP座をスクリーニングした。その結果、894個のSNP座の遺伝子型及び/又は対立遺伝子頻度は、腎症症例と対照との間で顕著に異なること(p<0.01)が見出された。したがって、これらの894個のSNP座を、さらに多くの患者で解析した。結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
Figure 0004317376
【0072】
その結果、第16染色体q13のSLC12A3遺伝子の24番目のイントロンにおける1つのSNP座の遺伝子型の分布が、糖尿病性腎症と強く関連することがわかった(表1 χ2=15.8、p=0.00009 オッズ比2.62、95%CI 1.58−4.37)。
【0073】
SLC12A3遺伝子(アクセッション番号:AC 012181)を含むゲノム配列のGenBank配列情報に基づき、DNA断片を増幅するためのPCRプライマーをデザインした。PCRプライマーのデザインに際し、ベッデル(Bedell JA.)ら〔Bioinformatics、16、1040−1041、2000〕に記載のように、REPEAT MASKERコンピュータープログラムを用い、反復配列エレメントを除外して行なった。PCR反応及びDNA配列決定は、既報〔オオニシ(Ohnishi Y)ら、Hum.Genet.、106、288−292、2000〕に記載のように、ダイターミネーターを用いたサイクルシークエンシング法により行なった。各SNPの遺伝子型決定は、前記インベーダーアッセイ又は場合により、ダイレクトシークエンシングで行なった。
【0074】
その結果、図1に示されるように、250bp上流又は下流内の39個のSNPを用いたSLC12A3遺伝子における目印SNP周辺の連鎖不平衡マッピングにより、この領域の連鎖不平衡が、目印SNPの上流約100kbから、下流50kbまでの約150kbのブロックに広がると考えられることが示された。
【0075】
したがって、糖尿病性腎症に対する罹病性を決定するに重要な領域が、前記150kbのブロック内にあると考えられた。前記ブロック内には、KIAA0095;ホモシステイン誘導性、小胞体ストレス誘導性、ユビキチン様ドメインメンバー1(HERPUD1)などのSLC12A3遺伝子以外の2遺伝子がある。
【0076】
ついで、これらの遺伝子内の31個のSNPと、糖尿病性腎症の候補遺伝子であることが報告されているコレステリルエステル輸送タンパク質(CETP)遺伝子内の5個のSNPとを解析した。しかしながら、これらのSNPと糖尿病性腎症との有意な関連は見出されなかった(p>0.01)。
【0077】
これらの結果より、SLC12A3遺伝子自体が、糖尿病性腎症に対する罹病性の最も有望なものであると推測された。
【0078】
次に、SLC12A3遺伝子における別の多型を調べ、別の65個のSNP(全78個のSNP)及び4個の挿入/欠失多型を同定した。これらのSNPについて、インベーダー法又はダイレクトシークエンスにより、553腎症症例及び320対照でジェノタイピングした。なお、表2に示される多型を調べるために、下記プローブ及びプライマーの組み合わせ:
第23エキソンの+78に関して、
アレルプローブG: 配列番号:1
アレルプローブA: 配列番号:2
インベーダープローブ: 配列番号:3
プライマーF: 配列番号:4
プライマーR: 配列番号:5
第24イントロンの+1870に関して、
アレルプローブG: 配列番号:8
アレルプローブA: 配列番号:9
インベーダープローブ: 配列番号:10
プライマーF: 配列番号:11
プライマーR: 配列番号:12
第25イントロンの+13に関して、
アレルプローブC: 配列番号:13
アレルプローブT: 配列番号:14
インベーダープローブ: 配列番号:15
プライマーF: 配列番号:16
プライマーR: 配列番号:17
第25イントロンの+2500に関して、
アレルプローブC: 配列番号:18
アレルプローブT: 配列番号:19
インベーダープローブ: 配列番号:20
プライマーF: 配列番号:21
プライマーR: 配列番号:22、
を用いた。
【0079】
表2に結果を示す。
【0080】
【表2】
Figure 0004317376
【0081】
これらのSNPのいくつかは、糖尿病性腎症と有意に関連することがわかった。特に、アミノ酸置換(第23エキソンの+78位、Arg913Gln)をもたらす第23エキソンにおけるSNPと糖尿病性腎症との関連性は、表2に示されるように、非常に高いことが示された(χ2=19.4、p=0.00001、オッズ比2.69[95% CI1.71−4.23])
【0082】
また、前記表1に示された4個のSNPは、連鎖不平衡にあったが、表3〜表5に示されるように、Arg913Gln単独と糖尿病性腎症との関連に比べ、いかなるハプロタイプも糖尿病性腎症との高い関連性を示さなかった。
【0083】
【表3】
Figure 0004317376
【0084】
【表4】
Figure 0004317376
【0085】
【表5】
Figure 0004317376
【0086】
表に示されたSNP遺伝子型分布は、全てハーディ・ワインバーグ平衡にあった。
【0087】
臨床的特徴とArg913Glnの遺伝子型との関連を、表6に示す。
【0088】
【表6】
Figure 0004317376
【0089】
このSNPの遺伝子型に関して、被験対象の2型糖尿病患者のうち、血清クレアチニン、血清電解質及び血圧などの臨床的パラメータには、いかなる差異も同定できなかった。
【0090】
以上のように、SNPを遺伝子マーカーとして用いたゲノムワイド症例−対照関連研究により、糖尿病性腎症に対する易罹病性の指標となる候補となるものとして、サイアザイド感受性Na+−Cl-コトランスポーターをコードするSLC12A3遺伝子が同定された。また、コドン913でのArgのGlnへのアミノ酸置換は、サイアザイド感受性Na+−Cl-コトランスポーターの機能を低下させることにより、糖尿病性腎症に対する罹病性を与えることに直接寄与するであろうことを示唆した。
【0091】
第16染色体q13のSLC12A3遺伝子は、腎臓遠位尿細管におけるNa+、Cl-再吸収のメディエイターであり、サイアザイド系利尿薬の標的であるサイアザイド感受性Na+−Cl-コトランスポーターをコードする。また、SLC12A3遺伝子は、常染色体の劣性形質として遺伝し、低カリウム症、代謝性アルカローシス、低マグネシウム血(症)、低炭酸症及び容積枯渇(volumedepletion)により特徴付けられるGitelman症候群の原因遺伝子として知られている〔シモン(Simon DB.)ら、Nature Genet.、12、24−30、1996〕。また、前記シモンらは、Gitelman症候群の12患者におけるSLC12A3遺伝子の16変異を報告している。Giterman症候群を引き起こす多くの変異は、サイアザイド感受性Na+−Cl-コトランスポーターの機能の喪失を導き、これらの体液及び電解質異常をもたらすことを示唆している。Gitelman症候群患者において、913位のArgのGlnへのアミノ酸置換が同定されているため、この置換は、本トランスポーターの機能の喪失を導くと思われる。したがって、対照被験者におけるアミノ酸置換を伴う少数対立遺伝子の頻度の増加は、少数対立遺伝子を有する患者が、サイアザイド感受性Na+−Cl-コトランスポーターの活性を減少させることにより腎症の進行を防ぐことを示唆する。
【0092】
少数対立遺伝子(913Gln)を有する患者が、糖尿病性腎症に罹りにくくなる正確な機構は、未だ不明である。サイアザイド感受性Na+−Cl-コトランスポーターの機能の喪失が、ナトリウム制限状態で顕著な動脈圧低下を導くため、913位のArgのGlnへの置換は、糖尿病等のある病的状態下での血圧に影響を与えうることが仮定されうる。さらに、サイアザイド利尿薬は、高血圧の患者の治療のために幅広く使用される。したがって、少数対立遺伝子の保持者における動脈圧が、2型糖尿病患者のうちの非保持者の動脈圧よりも低かったことが予想される。一方、血圧の上昇は、糖尿病性腎症の発生と進行の独立した危険因子であることが示され、それゆえ、この置換は、2型糖尿病における動脈圧に影響することにより、糖尿病性腎症に対する罹病性を付与することに寄与すると思われる。
【0093】
しかしながら、2型糖尿病のうち、置換された対立遺伝子の保持者と非保持者との間の動脈圧等の臨床的パラメータのいかなる差異も同定できなかった。これは、この遺伝子多型が、糖尿病性腎症に対する罹病性にどのように寄与するのかについて正確な機構を明らかにするため、前向き無作為化臨床試験などのさらなる研究が必要であるが、このコトランスポーターにより調節される血圧以外の新規な因子が糖尿病性腎症の発症及び進行に寄与することが示唆される。
【0094】
配列表フリーテキスト
配列番号:1は、エキソン23 +78アレルプローブGの配列であり、1〜15位におけるnは、任意の数であってよく、任意の塩基である。
【0095】
配列番号:2は、エキソン23 +78アレルプローブAの配列であり、1〜15位におけるnは、任意の数であってよく、任意の塩基である。
【0096】
配列番号:3は、エキソン23 +78インベーダープローブの配列であり、21位におけるnは、任意の塩基である。
【0097】
配列番号:4は、エキソン23 +78プライマーFの配列である。
【0098】
配列番号:5は、エキソン23 +78プライマーRの配列である。
【0099】
配列番号:6は、エキソン23 +78アレルプローブGの配列である。
【0100】
配列番号:7は、エキソン23 +78アレルプローブAの配列である。
【0101】
配列番号:8は、イントロン24 +1870アレルプローブGの配列であり、1〜15位におけるnは、任意の数であってよく、任意の塩基である。
【0102】
配列番号:9は、イントロン24 +1870アレルプローブAの配列であり、1〜15位におけるnは、任意の数であってよく、任意の塩基である。
【0103】
配列番号:10は、イントロン24 +1870インベーダープローブの配列であり、21位におけるnは、任意の塩基である。
【0104】
配列番号:11は、イントロン24 +1870プライマーFの配列である。
【0105】
配列番号:12は、イントロン24 +1870プライマーRの配列である。
【0106】
配列番号:13は、イントロン25 +13アレルプローブCの配列であり、1〜15位におけるnは、任意の数であってよく、任意の塩基である。
【0107】
配列番号:14は、イントロン25 +13アレルプローブTの配列であり、1〜15位におけるnは、任意の数であってよく、任意の塩基である。
【0108】
配列番号:15は、イントロン25 +13インベーダープローブの配列であり、21位におけるnは、任意の塩基である。
【0109】
配列番号:16は、イントロン25 +13プライマーFの配列である。
【0110】
配列番号:17は、イントロン25 +13プライマーRの配列である。
【0111】
配列番号:18は、イントロン25 +13アレルプローブCの配列であり、1〜15位におけるnは、任意の数であってよく、任意の塩基である。
【0112】
配列番号:19は、イントロン25 +2500アレルプローブTの配列であり、1〜15位におけるnは、任意の数であってよく、任意の塩基である。
【0113】
配列番号:20は、イントロン25 +2500インベーダープローブの配列であり、21位におけるnは、任意の塩基である。
【0114】
配列番号:21は、イントロン25 +2500プライマーFの配列である。
【0115】
配列番号:22は、イントロン25 +2500プライマーRの配列である。
【0116】
【発明の効果】
本発明の糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因の検出方法によれば、糖尿病患者における糖尿病性腎症の易罹病性又は難罹病性を容易に判定することができ、迅速に判定することができ、糖尿病患者から得られた被験試料から、糖尿病性腎症に対する易罹病性又は難罹病性を付与しうる罹病性決定要因を、容易に検出することができ、迅速に検出することができるという優れた効果を奏する。また、本発明の糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因の検出用キットによれば、前記検出方法を行なうために用いることができ、糖尿病患者における糖尿病性腎症の易罹病性又は難罹病性を容易に判定することができ、迅速に判定することができ、糖尿病患者から得られた被験試料から、糖尿病性腎症に対する易罹病性又は難罹病性を付与しうる罹病性決定要因を、容易に検出することができ、迅速に検出することができるという優れた効果を奏する。さらに、本発明の糖尿病患者の腎症の発症の予防又は該腎症の治療のための薬剤は、糖尿病患者、特に網膜症を伴う糖尿病患者において、糖尿病性腎症を併発する可能性を低減させることができるという優れた効果を奏する。
【0117】
【配列表】
Figure 0004317376
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【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、SLC12A3遺伝子周辺のLDマッピングを示す。LD係数は、SLC12A3遺伝子におけるSNPとSLC12A3中の目印SNPから250kb上流又は下流内のSNPとの間で算出した。低い少数対立遺伝子頻度(<0.15)のSNPは、計算には入れなかった。
【図2】図2は、SLC12A3遺伝子における遺伝的多様性を示す図である。図中、シャープ記号は、目印SNPを示し、「*」は、挿入/欠失多型を示し、十字は、1次スクリーニングで解析されたSNPを示し、無印は、最初の陽性結果の後のさらなるサーチで同定されたSNPを示す。

Claims (4)

  1. ヒト第16染色体上のSLC12A3(solute carrier family 12 member 3)遺伝子を指標として用いることを特徴とする、糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因の検出方法であって、糖尿病患者の核酸試料について、前記SLC12A3遺伝子の第23エキソンの+78位に対応する塩基を同定するステップを含み、
    (I’ )該+78位に対応する塩基が、Gである場合、該核酸試料中に、糖尿病性腎症に対する易罹病性を付与しうる罹病性決定要因が含まれることの指標となり、
    (II’ )該+78位に対応する塩基が、Aである場合、該核酸試料中に、糖尿病性腎症に対する難罹病性を付与しうる罹病性決定要因が含まれることの指標となる、
    糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因の検出方法。
  2. ヒト第16染色体上のSLC12A3(solute carrier family 12 member 3)遺伝子の発現産物を指標として用いることを特徴とする、糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因の検出方法であって、糖尿病患者のタンパク質試料について、前記SLC12A3遺伝子の発現産物中の913位に対応するアミノ酸残基を同定するステップを含み、
    (i)該913位に対応するアミノ酸残基が、アルギニン(Arg)である場合、該タンパク質試料中に、糖尿病性腎症に対する易罹病性を付与しうる罹病性決定要因が含まれることの指標となり、
    (ii)該913位に対応するアミノ酸残基が、グルタミン(Gln)である場合、該タンパク質試料中に、糖尿病性腎症に対する難罹病性を付与しうる罹病性決定要因が含まれることの指標となる、
    糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因の検出方法。
  3. 下記核酸:
    (1’)ヒト第16染色体上のSLC12A3遺伝子において、第23エキソンの+78位に対応する塩基が、Gである塩基配列からなる核酸若しくはその相補鎖、及び/又は
    (2’) 該SLC12A3遺伝子において、第23エキソンの+78位に対応する塩基が、Aである塩基配列からなる若しくはその相補鎖
    を含有してなる、請求項1記載の検出方法を行なうための、糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因の検出用キット。
  4. 下記核酸:
    (1’)ヒト第16染色体上のSLC12A3遺伝子において、第23エキソンの+78位に対応する塩基が、Gである塩基配列からなる核酸若しくはその相補鎖、及び/又は
    (2’) 該SLC12A3遺伝子において、第23エキソンの+78位に対応する塩基が、Aである塩基配列からなる若しくはその相補鎖
    が固定化された核酸アレイを含有してなる、請求項1記載の検出方法を行なうための、糖尿病性腎症に対する罹病性決定要因の検出用キット。
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