JP4315994B2 - 対向部材の平行移動機構及びこれを用いたリニアアクチュエータ - Google Patents

対向部材の平行移動機構及びこれを用いたリニアアクチュエータ Download PDF

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本願発明は、対向配置した部材を円滑に平行移動させる平行移動機構及びこれを用いるリニアアクチュエータの技術分野に属し、特に対向部材を球体の転動により直線移動させる対向部材の平行移動機構及びこれを用いたリニアアクチュエータに関する。
一般にビデオカメラやデジタルスチルカメラ(以下、「カメラ等」と称する。)はフォーカス機能やズーム機能を具備しており、その機能は光学素子であるレンズを光軸方向に微少移動させて焦点位置等を調整するレンズ駆動装置が担っている。
かかるレンズ駆動装置は、レンズ筐体内部においてレンズを保持したレンズ枠を光軸方向に微少に直線移動(以下、「直動」と称する。)させる手段として主にリニアアクチュエータを用いている。例えば、特許文献1には、二本のガイドポールに直動案内されて光軸方向に移動するレンズ枠を配設し、このレンズ枠に係合する駆動部材の端部側にラックを設置すると共に、このラックをモータ駆動により回転する送りネジと螺号させた構成のレンズ駆動装置が開示されている。また、特許文献2には、レンズ保持用の被駆動体を2本のガイド軸で直動案内し、駆動手段を永久磁石及び電磁コイルとするリニアアクチュエータをレンズ筐体内部に配置した構成のレンズ駆動装置が開示されている。
上記特許文献のレンズ駆動装置を構成するリニアアクチュエータにおいて直動作用を得るための平行移動機構は、移動方向に設置した2本のガイド軸(ガイドポール)から主に構成、より具体的には、そのガイド軸の一方をレンズ枠に開孔したガイド孔に嵌合して位置精度と直動精度を確保し、ガイド軸の他方をレンズ枠の他の部分に係合させてレンズ枠自体の回転止めとして構成するものである。
特開平11−264925号公報(第4−5頁、第1図) 特開2004−343853号公報(第6―8頁、第1図)
昨今、上記カメラ等は小型化に伴いフォーカス機能やズーム機能等の性能維持と向上がますます困難になってきている。これを満足するためには、レンズ駆動装置内部のリニアアクチュエータの小型化及び機能向上が必須の条件となる。しかし、リニアアクチュエータの小型化及び機能向上において、ガイド軸とこれが嵌合するガイド孔に位置精度や直動精度を依存する現状の平行移動機構は、以下の問題点があった。
すなわち、アクチュエータの小型化にはガイド軸とガイド孔の両方を小さくするのは当然であるが、機能向上にはガイド軸とガイド孔の嵌合精度をさらに向上させる必要がある。別言すれば両者の嵌合時のクリアランスをさらに狭くする必要があった。これに加え、直動精度を確保するためにはガイド軸に対するガイド孔の嵌合長さをある程度確保する必要があるため、ますます高い加工精度の確保が困難となって所望機能を得られないおそれがあった。また、ガイド軸とガイド孔のクリアランスが狭くなるために嵌合時の組立作業性も悪く、嵌合後も摺動時の摩擦が大きくなるために小型化に伴う低出力の駆動手段では動作が不能又は遅延し、その制御が困難となるおそれがあった。
そこで、本願発明は上記課題を解決することを目的に為されたものであり、小型化しても加工が容易な簡易な構成であり、かつ高度な直動精度を得ることができる新規な対向部材の平行移動機構を提供すると共に、これを用いたリニアアクチュエータを提供する。
上記の課題を解決するために、本願発明にかかる対向部材の平行移動機構(以下、「平行移動機構」と略称する。)は、以下のように構成している。
すなわち、固定設置のベース体(2)と、該ベース体(2)に対して対向するように平行に配置した移動体(3)と、該移動体(3)とベース体(2)の対向面、具体的には対向位置にそれぞれ移動方向に沿って形成した一対の直線状の溝(41)と、該溝(41)の転動可能な2個と他の1個とで少なくとも3点支持によって前記移動体(3)とベース体(2)との平行状態を維持するように配置した磁性球体(42、43)と、から成り、前記溝(41)及びベース体(2)の転動面の離隔下部に着磁境界線を溝方向に沿わした永久磁石(44、45)を配置して構成したことを特徴としている。ここで、上述の離隔下部とは、溝底や転動面とは所定距離を有する位置、例えば、溝(41)や転動面から別部材を介在させた下方位置を意味するものである。
上記構成の平行移動機構(4)は、溝(41)に沿った少なくとも2個の磁性球体(42)の転動と、この溝(41)と離隔した位置にある1個の磁性球体(43)の転動、つまり少なくとも3点支持による磁性球体(42、43)の転動によりベース体(2)と移動体(3)との相対的な平行移動を実現している。各磁性球体(42、43)は溝等を介在させて各永久磁石(44、45)と吸引状態を成しつつ、各永久磁石(44、45)の着磁境界線に沿って転動することとなる。なお、溝(41)は上記磁性球体(42)が係合する直線状のものであれば、その断面形状は限定するものでなく、適宜にV字状や矩形状若しくは半円状等を選択することができる。
また、溝(41)の転動面の離隔下部に配置した永久磁石(44)は、溝(41)に配置した磁性球体(42)と同数の両面2極着磁の永久磁石(47)としても良い。この場合は、各磁性球体(42)と永久磁石(47)はそれぞれ上下方向の位置関係において一対一の対応となり、言わば永久磁石(44)を磁性球体(42)に対応して分割したことに相当する。この永久磁石(47)は溝形成方向に離隔させて配置又は当接させて配置するようにしても良い。
さらに、上記永久磁石(44)は、溝(41)に配置した磁性球体数に倍する磁極を有する両面多極着磁の永久磁石(48)としても良い。かかる永久磁石(48)は、例えば、磁性球体数が2個であれば、N極、S極の2組、即ち両面4極着磁のものとなる。各磁性球体(42)は永久磁石(48)における至近のN極、S極の組み合わせた着磁領域と吸引状態を成す結果、各磁性球体(42)は所定の距離を保って転動することとなる。
上記構成に加え、溝(41)を転動する磁性球体(42)の間に該球体(42)より小径の1又は複数の磁性球体(42a)を配置しても良い。この小径の磁性球体(42a)は溝(41)に係合する磁性球体(42)どうしの接触を防止して相互の距離を維持し得る言わばリテーナとして機能するものである。
上記構成の平行移動機構(4)を用いたリニアアクチュエータ(以下、「アクチュエータ」と略称する。)は、以下のように構成している。
すなわち、上記の平行移動機構(4)を備えるものであって、さらに、ベース体(2)及び移動体(3)の一方側には移動方向に沿った方向にのみ異極が隣接してなる面を対向面とする両面多極着磁の作動磁石(55)を配置すると共に、他方側には該作動磁石(55)に対して平行移動力を作用させる電磁コイル(51)を対向配置して成る駆動手段(5)を具備して成ることを特徴としている。
また、電磁コイル(51)の反対向側には作動磁石(55)と略同形の強磁性材から成るヨーク(54)を配置している。かかるヨーク(54)の配置により、作動磁石(55)は常にヨーク(54)と一定磁力による吸引状態を成すこととなる。
さらに、配置した電磁コイル(51)の巻線の外部であって、移動方向の一方側の配列端部側に強磁性体(57)及びストッパ(58)を配置しても良い。この強磁性体(57)も上記ヨーク(54)と同様に作動磁石(55)とは常に一定磁力による吸引状態を成すこととなる。
なお、特許請求の範囲の書類と上記の課題を解決するための手段の欄で記載した括弧付き符号は、発明の構成の理解をため図面符号を参考に付記したものであり、この図面上の形態に限定して解釈するものではない。
本願発明にかかる平行移動機構及びこれを用いたアクチュエータは、上記の構成であるため、以下の効果を奏する。
まず、平行移動機構は溝と係合する2個の磁性球体、及びこれらの磁性球体を溝面に吸着する永久磁石、そして、溝と離隔した位置の1個の磁性球体及びこれの転動軌道を保持する永久磁石と、から構成している。このため、ガイド孔にガイド軸を嵌合した従来の平行移動機構と比較すると、球体の真球度、溝等の球体接触面の平滑度や平行度等の加工精度は従来技術でも十分に確保し易く、その組立作業も3個以上の磁性球体を溝に係合又は部材間に介在させるのみであるために極めて容易である。
また、磁性球体は溝に係合又は転動面に当接しつつ転動するため、従来の平行移動機構にある摺動部分が殆どない。このため、従来の平行移動機構と比較すると潤滑剤も不要となり、摩擦も格段に小さくできる。さらに、磁性球体は溝面や転動面を介して配置する永久磁石に吸着されながら転動する。このため、磁性球体の軌道が上下するいわゆる"がたつき"が殆ど生じない。
かかる平行移動機構を用いるアクチュエータは、上記平行移動機構の溝の磁性球体とこれと離隔した位置の磁性球体の少なくとも3個の磁性球体による3点支持による転動であるために摺動部分が殆どなく、上述のように摩擦を格段に小さくできることに加え、動摩擦と静摩擦の差も小さくすることができる。このため、起動時の遅れや起動後のオーバーシュートが抑制されてその制御が容易となる上、周囲温度の変化に対しても直動付加特性は変わらず、低温時の余力を考慮することなく、より低出力の駆動手段の採用が可能となる。
また、直動機能を担う平行移動機構の構成が簡易であるため、平行移動機構のクリアランス等の微調整を行う必要がなく、アクチュエータ全体の製造及び組立が容易となるため製造コストの大幅な削減が可能となる。
さらに、両部材間の駆動手段を作動磁石とこれに対向する電磁コイル側とから成るいわゆる"リニアモータ"とし、電磁コイル側にヨークを配設している。このため、移動方向と直交する方向に両部材が吸引関係を成す結果、部材間に介在する磁性球体には両方からの押圧、いわゆる予圧が作用することになる。かかる予圧により両部材間のクリアランスは均等となって直動時の軌道面の"がたつき"や"あおり"が抑制されて直動精度がより向上する効果を得ることができる。
さらにまた、移動方向の端部に強磁性体を配置した場合には、かかる強磁性体と作動磁石とが吸引関係を成すため、電磁コイルの通電を遮断した場合には移動体は強磁性体のある一方側に移動することとなる。このため、アクチュエータには初期位置の設定機能、別言すれば位置リセット機能が付加されることとなる。
本願発明の平行移動機構及びこれを用いたアクチュエータの最良の実施形態例について、図面に基づいて詳細に説明する。以下、アクチュエータの説明と併せて平行移動機構に関しての説明も行う。
図1は本実施例のアクチュエータの外観を示す一部切り欠き斜視図であり、図2は本実施例のアクチュエータの組立斜視図であり、図3は図1のAA線断面図であり、図4は本実施例の平行移動機構の作用説明図(A)、(B)、(C)であり、図5は図1のBB線断面図であり、図6はアクチュエータの変更例を示す断面図である。
まず、本実施例のアクチュエータ1は、設置面に固定配置したベース体2に平行移動機構4を介して移動体3を所定方向に直動可能に配設すると共に、この移動体3を駆動手段5により直動制御させるものである。移動体3は光学素子、例えば、複数のレンズ6を保持しており、本実施例のアクチュエータ1は言わば、レンズ駆動装置として機能するものである。なお、アクチュエータ1は、直動方向とレンズの透過方向である光軸方向を平行に設定しており、以下の説明においては、直動方向を上記の光軸方向と同義として便宜的に用いる。
ベース体2は、非磁性金属であるアルミ材から成り、設置面に固定するアクチュエータ1の基礎部材である。ベース体2の外観は両側に立設部22を有しつつ上側から凹部21を切り欠いた断面形状を成し、直動方向に延びる略Cチャンネル材を呈する形状である。また、凹部21の中央部に矩形状の貫通口21aを開口すると共に、貫通口21aの内部にホール素子53を中心に巻線した電磁コイル51を配設している。この電磁コイル等は後述する駆動手段5を構成する要素であり、貫通口21aの下面側から当接させたプリント基板52の上面に設置されて貫通口21aの内部に位置している。また、両側側面の所定位置には側面凹部23をくり抜き形成し、後述する平行移動機構4の永久磁石44、45を配置している。なお、ベース体2は所定の加工精度が確保できれば、樹脂材等の他の材質に変更しても良い。
ベース体2の上方には平行移動機構4を介し、所定の離隔距離(ギャップ)をもって平行状態を成すように移動体3を配設している。移動体3は、アルミ材からベース体2の上面部と噛み合うように断面視において両側に翼部32を有する略T字状に形成すると共に、直動方向に貫通形成したレンズ孔31に複数のレンズ6を保持している。また、下端側の電磁コイル51との対向位置を凹状に切り欠いた下面凹部33を形成し、その内部に矩形状の作動磁石55、磁性材から成るヨーク56を積み重ねるようにして配置している。
平行移動機構4は、ベース体2の両側の立設部22の上端面と、これと対向する移動体3の両翼部32の下端面とに配設しており、ベース体2と移動体3の対向位置の一方側には溝41及び2個の磁性球体42を配置すると共に、他方側には1個の磁性球体43を配置して構成している。
溝41は一方側の立設部22と翼部32に形成した一対の断面V字状の溝である。この溝41には溝部分に係合して両部材間に介在する2個の磁性球体42と、この磁性球体間に位置して相互の間隔を保持する、言わばリテーナとして機能する磁性球体42より小径の磁性球体42aを配置している。
上記溝41は、平滑精度の確保、磁性球体42との耐衝撃性の確保、及び磁性球体42の電触防止を考慮して当該部分のみベース体2、移動体3とは別材質としている。本実施例の溝41は上記要求を満たすポリエーテルケトン材を精密加工して両部材に接合配置したものである。
溝41の他方側には、溝配置の磁性球体42と同じ大きさの1個の磁性球体43を配置している。この磁性球体43は両部材に配置した2枚の硬質な支持板46に言わば狭持されて両部材間に介在しており、ベース体2に対して移動体3を支持している。この支持体46はベース体2と移動体3の対向面の離隔距離(ギャップ)を同じとするため、ベース体2に配置している方を若干厚めとしている。また、支持板46に関しても、平滑精度や耐衝撃性を考慮して溝41と同様にポリエーテルケトン材を採用している。
平行移動機構4は、上記の構成により前記溝41の2個の磁性球体42と支持板46に狭持された1個の磁性球体43との合計3個の球体により、ベース体2に対して移動体3を溝41の形成方向に平行移動が可能なように、別言すれば直動自在に保持している。
また、各磁性球体42、43の離隔下部であって、ベース体2の立設部22の外側の側面部にくり抜き形成した側面凹部23には永久磁石44、45を配置している。この永久磁石44、45は角形の両面着磁(N、S極の2極)の永久磁石であり、その着磁境界線Lが溝方向に沿うように、かつその延長上に各磁性球体42、43の略中心が一致するように配置している。別言すれば、永久磁石44、45の着磁境界線Lが成す着磁境界面(磁極を分割する面)を溝41の形成方向と平行に、かつ、その展延面上に各磁性球体42、43の略中心が一致するようにそれぞれベース体2の側面凹部23に配置している。
かかる永久磁石44、45の配置により、溝41の磁性球体42及び1個側の磁性球体43はそれぞれその転動方向が拘束されつつ溝41又は支持板46を介して永久磁石44、45に吸着することとなる。そして、溝内の磁性球体42は溝面に吸着しつつ転動し、支持板上の磁性球体43は着磁境界線Lに沿って直線的に転動することになる。なお、磁性球体42、43と永久磁石44、45の間には非磁性体である溝41及び支持板46が介在するため、磁性球体42、43が磁石端部の極に吸着することはない。
上記磁性体43の転動をさらに詳述すると、両面着磁の永久磁石45の着磁境界線上に非磁性体を介して吸着した磁性球体43への吸着力は着磁境界面の展延方向(矢印X)では弱い一方、これとの直交方向(矢印Y)では強くなるため、磁性球体43は永久磁石45の着磁境界面の展延面上、すなわち、着磁境界線上に沿うように転動方向が拘束されることとなる。そして、かかる転動方向と溝41の形成方向は一致するために、磁性球体43は直動方向に移動方向を拘束されつつ転動することとなる(図4(A))。
一方、溝側の磁性球体42は、永久磁石44に溝41を介して吸着しつつ転動することとなる。また、磁性球体42の間には小径の磁性球体42aを配置しているが、溝内の各磁性球体42、42aは永久磁石44により同極に着磁するため、相互に接触することはなく所定の間隔を維持する(図4(B))。磁性球体42aは磁性球体42の所定の間隔(相互距離)を維持させる言わばリテーナとして機能している。
溝側の構成に関しては、かかる磁性球体42aを配置しない以下の構成にして、磁性球体42の間隔を維持することも可能である。すなわち、ベース体2の側面凹部23に配置する永久磁石44を、図4(C)に示すように、溝41に配置する磁性球体数と同数の両面2極着磁の永久磁石47に言わば分割し、かつ離隔させて配置することである。かかる態様では、各磁性球体42はその離隔下部に配置した永久磁石47にそれぞれ一対一に対応して吸着することとなる。
また、上記態様とはせずに永久磁石44を、図4(C)に示すように、溝41の磁性球体数に倍する磁極を有する両面多極着磁の永久磁石48に変更するようにしても良い。例えば、磁性球体数が2個であれば、かかる永久磁石48の極数はN極、S極の組み合わせを2組とする合計4極となる。この場合、各磁性球体42は至近のN、S極から成る一組の着磁領域に吸着する。そして、各磁性球体42が転動してその吸着する着磁領域を超えようとすると磁性球体42の極と他の着磁領域の極が同極となって反発しあうため、磁性球体42が吸着する着磁領域を超えることはない。かかる磁性球体42への作用は、すべての磁性球体42に共通するため各磁性球体42は吸着した着磁領域を超えることはなく、その結果、磁性球体42どうしが接触することなく所定間隔が維持される。なお、永久磁石48は永久磁石47の磁極位置を反転させ、かつ当接配置して構成しても同等の作用を得る。
駆動手段5は、ベース体2と移動体3に対向させて配置した電磁コイル51と永久磁石である作動磁石55を主な構成とするいわゆる"リニアモータ"である。電磁コイル51は略矩形状に巻線した扁平コイルであり、ベース体2の貫通口21aに下方から当接したプリント基板52の上面に配設し、貫通口21aの内部側に位置している。この電磁コイル51の巻回の中心にはホール素子53を設置している。このホール素子53は作動磁石55の磁界の垂直成分強度を検出し、電磁コイル51の電流値及び方向の設定に関する制御に利用されている。
プリント基板52の反電磁コイル側、別言すれば作動磁石55との反対向面側には矩形状であって作動磁石55とほぼ同じ対向面積を有する磁性材から成るヨーク54を配設している。このヨーク54は作動磁石55と常に一定の吸引状態を成すためにベース体2と移動体3の吸引状態をなす結果、平行移動機構4の各磁性球体42、43を狭持する、言わば各磁性球体42、43に予圧を付加している。このため、ベース体2と移動体3の対向部分の離隔距離(ギャップ)は、磁性球体42、43の停止時及び転動時においても"あおり"等がなく一定に維持され、アクチュエータとしての直動精度が向上することになる。
作動磁石55は矩形状を成し、移動方向に沿った方向にのみ異極が隣接してなる面を電磁コイル51との対向面とする両面4極着磁の永久磁石であって、移動体3の下面凹部33に直動方向を長手方向として配置している。なお、作動磁石55は前記態様のため、その磁界の垂直成分強度をホール素子53で検出すると磁石全長の略1/2の範囲で単調増加特性を有している。なお、この作動磁石55の特性はアクチュエータ1の駆動制御に利用されている。また、作動磁石55の上側に同形の磁性材から成るヨーク56を配設している。このヨーク56は作動磁石55の磁束を電磁コイル側に集中させるために配置しているものである。
[作用]
上記構成のアクチュエータ1は以下のように直動動作し、移動体3に配置したレンズ6の光軸方向の位置調整を行っている。
まず、電磁コイル51に通電が無い状態においては、ベース体2の電磁コイル側にあるヨーク54と移動体3の作動磁石55が所定の磁気吸引をなすため、ヨーク54と作動磁石55が上面視において重畳する位置で両部材は停止すると共に、各磁性球体42、43に対し下方向に予圧(矢印p)が作用している。
次に、電磁コイル51に通電すると、電流値、その方向及作動磁石55との位置関係により、作動磁石55と前記ヨーク54との磁気吸引力を超える推力が直動方向(光軸方向)に作用することとなり、移動体3がベース体2に対して直動する(矢印M)。ベース体2が直動し始めるとホール素子53で検知する作動磁石55の磁界の大きさが変化するため、これをもとに電磁コイル51に通電する電流値や方向を制御し、アクチュエータ1を所定方向に直動動作させることが可能となる。
なお、電磁コイル51の電流値を制御する電流制御回路は様々なものが公知となっており、これらから適宜なものを選択又は組み合わせて使用すれば良いため、本明細書ではかかる電流制御回路の詳細な説明については省略する。
[他の実施形態例]
本実施形態例のアクチュエータ1は直動方向に適宜に位置制御する構成であるが、予め一方向側に付勢して移動体3を位置決めしておき、電磁コイル51への通電時のみ他方側に移動させる、いわゆるオンオフ制御による移動形態の構成としても良い。
かかる構成は、例えば、図6に示すように、電磁コイル51の巻線外部であって一方側の配列端部側、より具体的にはベース体2の直動方向の一方側端部に強磁性体57を配設するものである。かかる構成を採る場合は、移動体3のベース体2からの逸脱を防止するストッパ58を設けることが好適である。なお、ストッパ58を強磁性材から構成して上記作用を得るようにしても良い。
上記構成により、移動体3の作動磁石55は電磁コイル51への無通電時は強磁性体57に吸引されてストッパ58に当接して直動方向の一方側に位置することとなり、通電により他方側に適宜に移動させることができる。
本実施例のアクチュエータの外観を示す一部切り欠き斜視図である。 本実施例のアクチュエータの組立斜視図である。 図1のAA線断面図である。 本実施例の平行移動機構の作用説明図(A)、(B)、(C)である。 図1のBB線断面図である。 アクチュエータの変更例を示す断面図である。
符号の説明
1 アクチュエータ
2 ベース体
21 凹部
21a 貫通口
22 立設部
23 側面凹部
3 移動体
31 レンズ孔
32 翼部
33 下面凹部
4 平行移動機構
41 溝
42 磁性球体(溝側)
42a 磁性球体
43 磁性球体(支持板側)
44 永久磁石(溝側)
45 永久磁石(支持板側)
46 支持板
47 永久磁石
48 永久磁石
5 駆動手段
51 電磁コイル
52 プリント基板
53 ホール素子
54 ヨーク
55 作動磁石
56 ヨーク
57 強磁性体
58 ストッパ
6 レンズ
L 着磁境界線

Claims (7)

  1. ベース体(2)と、
    該ベース体(2)に対して平行に配置した移動体(3)と、
    該移動体(3)とベース体(2)の対向面に形成した直線状の溝(41)と、
    該溝(41)の転動可能な2個と他の1個とで少なくとも3点支持によって前記移動体(3)とベース体(2)との平行状態を維持するように配置した磁性球体(42、43)と、
    から成り、
    前記溝(41)及びベース体(2)の転動面の離隔下部に着磁境界線を溝方向に沿わした永久磁石(44、45)を配置したことを特徴とする対向部材の平行移動機構。
  2. 溝(41)に配置した磁性球体(42)と該溝(41)に沿って配置した複数個の永久磁石(47)とを一対一に対応させたことを特徴とする請求項1記載の対向部材の平行移動機構。
  3. 複数個の永久磁石(47)の配置を、離隔配置又は当接配置したことを特徴とする請求項1、又は2記載の対向部材の平行移動機構。
  4. 溝(41)を転動する磁性球体(42)の間に該球体(42)より小径の1又は複数の磁性球体(42a)を配置したことを特徴とする請求項1、2、又は3記載の対向部材の平行移動機構。
  5. 請求項1乃至4記載の対向部材の平行移動機構(4)を備えるものであって、
    さらに、ベース体(2)及び移動体(3)の一方側には移動方向に沿った方向にのみ異極が隣接してなる面を対向面とする両面多極着磁の作動磁石(55)を配置すると共に、他方側には該作動磁石(55)に対して平行移動力を作用させる電磁コイル(51)を対向配置して成る駆動手段(5)を具備して成ることを特徴とするリニアアクチュエータ。
  6. 電磁コイル(51)の反対向面側にヨーク(54)を配置したことを特徴とする請求項5記載のリニアアクチュエータ。
  7. 配置した電磁コイル(51)の一方側の配列端部側に強磁性体(57)を配置したことを特徴とする請求項5、又は6記載のリニアアクチュエータ。
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