JP4315919B2 - 高濃度現像剤原液 - Google Patents

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本発明は液晶ディスプレーやCMOS、CCD等の精密電子機器の電気光学表示装置用カラーフィルタ、集積回路、プリント基板回路、フラットパネルディスプレーを製造する際に基板上に塗布されたレジストを現像するためのアルカリ性現像液組成物に関するものである。具体的には、アルカリ可溶型感光膜の現像に使用されるアルカリ現像液を高濃縮するための組成物に関する。
従来、液晶ディスプレーやCMOS、CCD等の精密電子機器の電気光学表示装置用カラーフィルタ、集積回路、プリント基板回路、フラットパネルディスプレーなどの分野においてアルカリ可溶型感光膜をアルカリ現像して画像の形成を行う方法がある。このようなアルカリ可溶型感光膜の現像は、浸漬現像、揺動現像、スプレー現像、パドル現像などの方法により行われるが、この現像の際には、アルカリ性現像液が用いられている。従来このようなアルカリ性現像液としては、一般的に無機アルカリ化合物(炭酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、苛性ソーダ、苛性カリなど)や有機アルカリ化合物(TMAHなど)に必要に応じて界面活性剤(非イオン系、陰イオン系)等の他の成分を配合した現像液を使用する。大量に使用される現像液は、その輸送にコストが掛かりまた受発注管理が煩雑であり、それゆえ、現像液の高濃縮化が求められてきた。
しかし、現像液原液のアルカリ濃度を高めて単純に現像液の濃縮を行った場合には、アルカリ性物質の濃度が非常に高くなり界面活性剤が不溶解になる問題が発生する。このように溶解が困難になった現像液は、容易に界面活性剤とアルカリ水溶液の分離が起こり、現像液能を発揮することが非常に困難になる。このような問題を解決し、現像液の濃縮化を図るためには、可溶化剤の使用が解決手段の一つとして考えられる。
しかし、可溶化剤の多くは、レジストとの相性が悪く、それらを加えることで現像液の性能が著しく低下する問題がある。例えば、顔料残渣等の地汚れ、レジスト不溶解等のスカム、膜残り等の現像ムラ、パタン剥離等のオーバー現像などをまねき、パタン精度及び密着性、テーパー形状等に不良が生じるという問題が生じ得る。更に輸送中の現像液温度の上昇に伴い、輸送中に現像液が不均一化(分離や濁りの発生)する問題があり、これもまた高濃縮液使用の妨げとなる。
そのため、従来技術では、現像剤原液の高濃縮化のために、種々の可溶化剤が検討され、特定の種の可溶化剤を用いることによりその問題を解決しようとする試みがなされている。
例えば、特開平6−282080号公報(特許文献1)には、0.1重量%水溶液がpH10以上を示すアルカリ化合物、双極子イオン性有機化合物、及び陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤からなる群から選択される界面活性剤が水に溶解されてなる、感放射性組成物用アルカリ性現像液、及びこの現像液を高濃度のアルカリ性現像液として調製することが記載されている。しかし、5倍希釈用濃縮物において、アルカリ化合物の濃度はせいぜい0.5重量%、界面活性剤濃度はせいぜい1%に過ぎない。
特開平7−319170号公報(特許文献2)には、金属イオン不含有機塩基と、重量平均分子量が100〜1000であって、ポリエチレンオキシド化合物、ポリプロピレンオキシド化合物およびエチレンオキシド・プロピレンオキシド化合物の中から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とするレジスト用現像剤原液が開示されている。塩基濃度(TMAH)については20.1重量%の割合で含む現像剤原液が記載されているが、界面活性剤の濃度は2重量%と少ない。
特開平11−288103号公報(特許文献3)もまた、弱塩基性物質及び非イオン性界面活性剤を含む現像剤及びそれの濃縮原液を開示している。しかし、塩基物質含有率は5重量%が実証されているに過ぎず、更に界面活性剤濃度も7重量%程度である。加えて、非イオン性界面活性剤として、HLB価に関して三種の非イオン性界面活性剤を組み合わせて使用しなければならない上、それらの配合割合をそれぞれに特定される範囲内に厳密に制御する必要があり、煩雑である。
特開平6−282080号公報 特開平7−319170号公報 特開平11−288103号公報
したがって、本発明の課題の一つは、現像性能に影響を与えないばかりでなく、従来技術で達成されたものよりもより一層高濃度で塩基性物質及び界面活性剤を含み、しかも簡単な処方で調製することができる、安定した現像剤原液を提供することである。ここで“安定した”とは、例えば貯蔵及び輸送中に、現像剤原液が周囲温度の上昇などを原因として分離や、濁りなどを起こさず、長期間にわたりその均一な状態を維持する性質が意図される。
本発明者等においては、上記課題に鑑み鋭意研究を行ったところ、ある種のカルボキシル基を含む有機化合物を可溶化剤として使用することによって上記の課題が解決されることを見出した。
それゆえ、本発明は、アルカリ化合物、界面活性剤及び可溶化剤を水中に含んでなる、感放射線性組成物用のアルカリ性現像剤原液であって、上記可溶化剤が、次式
R−(COOH)
[式中、Rは、炭素原子数が1〜30の線状もしくは分枝状で飽和もしくは不飽和の脂肪族基、炭素原子数3〜30の脂環式基、または炭素原子数6〜30の芳香族基であり、なおRは、置換されていなくともまたは置換されていてもよく、Rの炭素鎖中には、一つまたはそれ以上の異種原子が含まれていてもよく、そしてnは1〜6の数である]
で表される化合物またはそれらの塩からなるものであることを特徴とする前記現像剤原液を提供するものである。
更に、本発明は、このような現像剤原液を水で希釈することによって得られる、感放射線性組成物の現像に直接使用できる現像剤も提供する。
また更に、本発明は、前記現像剤を、電気光学表示装置用カラーフィルタ、集積回路、プリント基板回路またはフラットパネルディスプレーを製造する際のレジストの現像処理に使用する方法も提供する。
本発明で使用される可溶化剤は、式R−(COOH)nで表される化合物またはそれらの塩である。式中、Rは、各々一つまたはそれ以上の置換基で置換されていてもよい、炭素原子数1〜30、好ましくは3〜20の線状もしくは分枝状で飽和もしくは不飽和の脂肪族基、炭素原子数3〜30、好ましくは6〜20の脂環式基、または炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20の芳香族基を表し、この際、前記置換基は、炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10の線状もしくは分枝状の飽和もしくは不飽和脂肪族基、炭素原子数4〜20、好ましくは4〜10の脂環式基、炭素原子数6〜20、好ましくは6〜10の芳香族基、ヒドロキシ基、アミノ基及びエーテル基から選択することができ、また、R中には、異種原子、特に窒素、酸素、リン、硫黄及びケイ素から選択される一つまたはそれ以上の原子が含まれていてもよい。nは、1〜6の数、好ましくは1〜3の数、特に1または2である。上記化合物の塩としては、例えばアルカリ金属塩(特にナトリウム、カリウム塩)またはアルカリ土類金属塩(特にマグネシウム、カルシウム塩)などの金属塩、あるいはアンモニウム塩などが挙げられる。この際、このアンモニウム塩という用語には、NH4塩だけでなく、メチル基もしくはエチル基など1〜3個の低級アルキル基で置換された置換アンモニウム塩、あるいはテトラメチルもしくはテトラエチルアンモニウム塩等の第四アンモニウム塩なども包含される。集積回路の製造などの金属イオンの存在が極力避けられるような用途では、上記の化合物は、好ましくは、遊離の酸の形か、またはアンモニウム塩の形で使用される。
上記式で表される化合物として好ましいものには、例えば、各々炭素原子数が1〜30の、飽和脂肪族モノ−もしくはポリカルボン酸または不飽和脂肪族モノ−もしくはポリカルボン酸、及び炭素原子数6〜20の芳香族カルボン酸、更にアミノ酸、並びにこれらの塩が挙げられ、特に好ましいものは、炭素原子数が1〜20の、飽和脂肪族モノ−もしくはジカルボン酸あるいは不飽和脂肪族モノ−またはジカルボン酸、並びにこれらの塩である。
具体的なものとしては、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、乳酸等の飽和脂肪族モノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、セバシン酸、クエン酸等の飽和脂肪族ポリカルボン酸、メタクリル酸、ソルビン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等の不飽和脂肪族モノカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、アコニット酸等の不飽和脂肪族ポリカルボン酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸、並びにアミノ酸が挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上のものを組み合わせて使用することができる。
中でも、カプリル酸、イソ酪酸、セバシン酸もしくはオレイン酸またはこれらの二種以上の混合物、及び/またはこれらの塩が使用される。
可溶化剤は、現像剤原液の総重量を基準にして通常は0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%の量で現像剤原液に使用される。0.1重量%未満であると可溶化効果が十分に発揮されず、他方、30重量%を超えると現像性に問題を生ずる恐れがある。
本発明で用いられる無機アルカリ化合物としては、当技術分野において慣用のいずれのものでも使用することができ、特に制限はない。具体的なものとしては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素ニアンモニウム、リン酸水素ニカリウム、リン酸水素ニナトリウム、リン酸ニ水素アンモニウム、リン酸ニ水素カリウム、リン酸ニ水素ナトリウム等のアルカリ金属もしくはアンモニウムのリン酸塩、珪酸リチウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム等のアルカリ金属ホウ酸塩、及びアンモニアなどが挙げられる。
また、有機アルカリ化合物についても同様に特に制限はなく、慣用の如何なる有機アルカリ化合物でも使用することができる。具体的なものとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
二種またはそれ以上の無機もしくは有機アルカリ化合物を組み合わせて使用することも可能である。
この中でも好ましくは、無機アルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウムが、有機アルカリ化合物としてはテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが使用される。
アルカリ化合物は、現像液原液の総重量を基準にして一般的に0.005〜30重量%、好ましくは3〜20重量%、特に好ましくは8〜20重量%の量で現像剤原液に使用される。特に高濃縮化が望まれる場合に、本発明の現像剤原液は、実施例において実証されるように、特に10重量%以上の量でもアルカリ化合物を成功裏に、すなわち現像性能に悪影響を与えることなく、かつ原液の液安定性を失うことなく、含むことができる。0.005重量%未満であると希釈効率に劣り、他方30重量%を超えると、温度安定性の低下等の不都合が生ずる恐れがある。
本発明においては、特に、非イオン性界面活性剤または陰イオン界面活性剤あるいはこれらの任意の組み合わせが界面活性剤として使用される。
非イオン性界面活性剤としては、当技術分野において慣用のいずれのものでも使用することができ特に制限はないが、具体的なものとしては、例えば、ポリオキシエチレン(プロピレン)アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(プロピレン)アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(プロピレン)アルキルナフチルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(プロピレン)脂肪酸酸エステル、ポリオキシエチレン(プロピレン)アルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等などが挙げられる。これらを単独で使用してもよいし、または2種以上のものを組み合わせて用いることもできる。
陰イオン性界面活性剤としても、同様に特に制限はないが、具体的には、例えば、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキル硫酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類、オレイルアルコール硫酸エステルナトリウムなどの高級アルコール硫酸エステル塩類等が挙げられるが、これらに限定するものではなく、これらを単独でまたは2種以上のものを組み合わせて用いることもできる。
これらの中でも、好ましくは、非イオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレン(プロピレン)アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(プロピレン)アルキルフェニルエーテルが、陰イオン性界面活性剤としてはラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩が使用される。
界面活性剤は、現像剤原液の総重量を基準にして一般的に0.001〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、特に好ましくは8〜30重量%の量で現像剤原液に使用される。特に高濃縮化が望まれる場合に、本発明の現像剤原液は、実施例において実証されるように、特に10重量%以上の量で界面活性剤を成功裏に含むことができる。0.001重量%より少ないと添加する効果が発揮されずらく、他方、40重量%を超えると液安定性の低下等の不都合が生ずる恐れがある。
本発明の特に有利な態様の一つでは、本発明の現像剤原液は、アルカリ化合物と界面活性剤を合計で20重量%を超える量、特に25重量%を超える量で含むことができる。
本発明の現像剤原液または現像剤は、本発明の目的が損なわれない範囲で、従来レジスト用現像液に慣用されている添加成分、例えば公知の種々の界面活性剤、潤滑剤、安定剤、溶解助剤などを適宜、添加してもよい。
本発明の現像剤原液は、特に特殊な手段を必要とせずに、例えば、各成分を一緒にもしくは任意の順序で水中に加え、そして適当な混合機等を用いて混合することによって調節することができる。好ましい態様の一つでは、先ず、アルカリ化合物及び可溶化剤を、一緒にもしくは任意の順番で水中に投入、攪拌して溶解させた後、攪拌を停止してしばらく放置することよって、溶液中に分散された空気を除去する。このようにすることによって、後に界面活性剤を加えた際の泡立ちを抑えることができる。また、アルカリ化合物及び可溶化剤の溶解の際に発生した熱によって溶液の温度が上昇することがあるので、非イオン性界面活性剤を使用する場合には、その後冷却して、溶液の温度を非イオン性界面活性剤の曇点以下の温度にするのがよい。最後に、界面活性剤を加え、泡立ちに注意しながら穏やかに攪拌して均一な溶液を得ることができる。
本発明の現像剤原液は、レジストの現像処理の際に、通常は5〜200倍の倍率で及び通常は水で希釈して使用することができ、希釈後の現像剤のpH値は通常は9〜14の範囲となるようにする。希釈用の水には、必要ならば、有機溶剤が含まれていてもよい。
上記現像剤原液を希釈して得られる本発明の現像剤は、ネガ型もしくはポジ型双方の感光性樹脂組成物からなるパタン形成用レジストに適用することができる。本発明の現像剤の対象となるこの感光性樹脂組成物は、特に制限はなく、アルカリ水溶液を用いて現像できるものであれば、カラーフィルタや集積回路などの製造に一般的に使用されている如何なるものでもよい。この感光性組成物は、通常は、バインダー樹脂、感光性化合物と溶剤からなり、これに有機もしくは無機顔料が必要に応じ配合される。バインダー樹脂としては、例えば、ノボラック樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂などが使用され、感光性化合物は光重合開始剤や光架橋剤などであり、そして溶剤としてはケトン系、セロソルブ系、アルコール系などが用いられる。
本発明の現像剤の使用法及び条件も特に制限はなく、例えば公知の浸漬現像、揺動現像、シャワー/スプレー現像、パドル現像などの任意の方法及びそれらの方法に通常の条件でレジストの現像処理に使用することができる。
作用
本発明において定義される可溶化剤を現像剤原液に加えることによって、その界面活性剤及びアルカリ化合物含有率を従来技術よりも大幅に高めることができ、そのような高濃縮化現像剤原液は、通常の貯蔵、輸送温度条件(例えば0〜35℃もしくはそれ以上)において、非イオン性界面活性剤を原因とする曇りの発生や、陰イオン性界面活性剤の塩析などの分離現象を起こさない。
更に、本発明の現像剤原液は、原液の状態ではその系の液安定性を維持しながらも、希釈されて現像処理に使用された際には良好な現像性能を示し、現像ムラやパタン剥離などの不都合は起こさない。これらの特徴は、ユーザーの購入量削減、輸送コスト削減、受発注件数の減少に直接つながるものであり、非常に大きな利点である。
加えて、本発明では、通例の組成の現像剤原液に、本発明で定義される可溶化剤を単に追加的に加えるだけで上記の効果を達成することができ、その調製が非常に簡単である。これもまた本発明の大きな利点の一つである。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。
実施例および比較例における現像液の性能評価は、以下の方法により実施した。
液晶用無アルカリガラス基板(100mm×100mm)に、カラーフィルタ用顔料分散レジストをスピンコーター(アクテス製、マニュアルスピンナーASC−4000)にて600rpm、20秒の条件でスピンコートした。
その後、ホットプレート(井内盛栄堂製、ネオホットプレートHI−1000)上にて80℃、2分間プリベークして乾燥塗膜を得た。
さらにパタン評価用解像度マスクを通して、高圧水銀ランプ(ミカサ製、マスクアライナーMA−20)を用いて評価用100μmストレートパタンを形成した。このときの露光量は150mJとした。
次に表1の実施例1〜4について所定の希釈倍率にて希釈した現像液を4000ml調製した。
このように所定の希釈倍率にて調整した現像液を用いて、上記のように得られた乾燥塗膜を有する基板を現像装置(アクテス製、ADE−3000S)にてスプレー現像(1.5kg/cm)、50秒間行い、次に同装置にてスプレー水洗(1.5kg/cm)、50秒間行った。次に窒素エアーガンにて乾燥した。
原液の物性評価試験
表1及び2に示すような各成分からなるアルカリ性現像剤原液を次のように500ml調製した。攪拌羽根としてタービンタイプのものを装備したスリーワンモーターFBL600Mを混合機として用い、先ず、常温の水にアルカリ化合物を投入し、5分間攪拌して溶解させた。次に本発明の実施例1〜4では、可溶化剤を投入して5分間攪拌して溶解させた。その後、攪拌を停止して、アルカリ化合物(及び可溶化剤)が溶解する特に発生した熱を10℃程度の冷水浴中で30℃以下まで冷却した。最後に界面活性剤を加えて穏やかに攪拌を行い均一な溶液を得た。こうして得られた現像剤原液を25℃、35℃で一晩自然放置した後、原液の物性(溶解状態)を確認した。
現像性能評価試験
1.光学顕微鏡にてパタンの密着性を確認した。
2.ビデオマイクロスコープにてパタン精度を測定した。
3.走査型電子顕微鏡(日立製、S−3000N)による表面観察及びテーパー形状を確認した。
Figure 0004315919
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以上の結果から明らかな通り、ブランク試験(比較例1〜4)との比較から、本発明に従い使用される可溶化剤が系の安定性に大きく寄与していることが実証された。すなわち、本発明の現像剤原液(実施例1〜4)は、アルカリ化合物及び界面活性剤を合計で20重量%を超える高濃度で含むにも拘わらず、25℃、35℃の条件下においても、分離現象(曇点分離または塩析分離)を起こさなかった。しかも、感放射線性組成物の現像処理に使用した際には、現像ムラやパタン剥離などの不都合は起こらず、良好な現像結果が得られた。

Claims (10)

  1. 電気光学表示装置用カラーフィルタ、集積回路、プリント基板回路またはフラットパネルディスプレーを製造する際の感放射線性組成物用のアルカリ化合物、界面活性剤及び可溶化剤を水中に含んでなるアルカリ性現像剤原液であって、
    上記可溶化剤が、次式
    R−(COOH)n
    [式中、Rは、炭素原子数が1〜30の線状もしくは分枝状で飽和もしくは不飽和の脂肪族基であり、なおRは、置換されておらず、そしてnは1〜6の数である]
    で表される化合物またはそれらの塩からなるものであり、かつ現像剤原液の総重量を基準にして10〜30重量%の量で界面活性剤を含み、そして界面活性剤として非イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする前記現像剤原液。
  2. 前記可溶化剤が、各々炭素原子数が1〜30の飽和脂肪族モノ−もしくはポリカルボン酸または不飽和脂肪族モノ−もしくはポリカルボン酸、及びこれらの塩からなる群から選択される一種または二種以上の化合物からなるものである、請求項1の現像剤原液。
  3. 前記可溶化剤が、各々炭素原子数が1〜20の、飽和脂肪族モノ−もしくはジカルボン酸または不飽和脂肪族モノ−もしくはジカルボン酸、及びこれらの塩からなる群から選択される一種または二種以上の化合物からなるものである、請求項1の現像剤原液。
  4. 前記可溶化剤が、カプリル酸、イソ酪酸、セバシン酸、オレイン酸、及びこれらの塩からなる群から選択される一種または二種以上のものからなるものである、請求項1の現像剤原液。
  5. 現像剤原液の総重量を基準にして0.1〜30重量%の量で可溶化剤を含む、請求項1〜4のいずれか一つの現像剤原液。
  6. 界面活性剤として追加的に陰イオン性界面活性剤も含む、請求項1〜5のいずれか一つの現像原液。
  7. 現像剤原液の総重量を基準にして0.005〜30重量%の量でアルカリ化合物を含む、請求項1〜6のいずれか一つの現像剤原液。
  8. 現像剤原液の総重量を基準にして8〜20重量%の量でアルカリ化合物を含む、請求項7の現像剤原液。
  9. 現像剤原液の総重量を基準にしてアルカリ化合物と界面活性剤とを合計で20重量%を超える量で含む、請求項1〜8のいずれか一つの現像剤原液。
  10. 現像剤の調製方法であって、請求項1〜9のいずれか一つの現像剤原液を、5〜200倍の倍率で希釈して、9〜14のpH値を有する現像剤を得ることを特徴とする、前記方法。
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