JP4315797B2 - 高速変形特性に優れたZn−Al合金およびその製造方法 - Google Patents

高速変形特性に優れたZn−Al合金およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、風や地震等による揺れ或は歪みに追随できる、所謂、免震・制震デバイス用金属として使用できるZn−Al合金およびその製造方法に関し、殊に歪速度が高速であるときの変形特性に優れたZn−Al合金、およびその様なZn−Al合金を製造するための有用な方法に関するものである。
風荷重、地震荷重の歪みを吸収する、あるいは歪みや揺れに追随できる、所謂免震・制震デバイスとしては、Pb製ダンパー、防振ゴム、オイルダンパーや、LYP(極低降伏点鋼)等の制振鋼板を用いたものなどがある。
しかし、防振ゴムは経時劣化の問題があるため、長期間の耐用が求められる建築物用の免震・制震デバイスには適していない。オイルダンパーは、定期的メインテナンスを要するため、防振ゴムと同様に、建築物の免震・制震デバイス用としては面倒である。また、LYP等の制振鋼板は、永久変形によって加工硬化がおきたり、繰り返し荷重に対して材質劣化すると、エネルギー吸収性が低下するばかりか、硬くなりすぎると、構造物にまで振動が伝播するため、制震・免震デバイス用金属としては、その用途が限定される。
一方、Pbは軟らかく、地震や風のような振動数0.1〜10Hzの揺れに追随することができ、また伸縮による材質劣化という問題は少ない。このため、現在、建築物に取付けられる免震・制震デバイスとしては、図1に示すようなPb製ダンパーが、一般に用いられている。尚、図1中、1が鉛鋳造体であり、2はホモゲン溶接部、3は鋼板である。
しかしながら、このような大型のダンパーは重量が重いために、施工が大変であるという問題がある。また、Pbの降伏点は5MPa程度と軟らかいため、構造物または構造物に接合された部材とPbダンパーを接合するには、特殊な技術が必要であり適用範囲に限界があった。さらにPbは毒性があるため、近年、建築物としての使用が制限される傾向にある。
このような事情から、近年、毒性がなく、小型軽量のデバイスを提供できる制震用の金属が求められており、Pbに代替できる制震用金属として、超塑性を示すZn−Al合金が注目されている。
上記の様なZn−Al合金に関連して、ナノ結晶のZn−22%Al合金は373K(約100℃)で歪み速度1×10−4−1の変形にも追随できる超塑性が認められたことが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、室温ではこのような超塑性は実現されていないため、室温での伸びが要求される建築用免震デバイスとして実際上使用することができない。
また、Zn−22%Al−2%Cu合金を、均熱化に水冷し、その後に冷間加工してα相内部にβ相が析出した組織を得て、室温超塑性を発現させたことが開示されている(非特許文献2参照)。ここで示されている伸びは、135%であり、最大で160%の伸びが得られることが示されている。しかし、この文献には、温間加工した場合に、室温でこのような伸びを有することは示されていない。また冷間加工の場合であっても、Pbダンパーの代替としてより優れた免震性能や制震性能が望まれていることから、更なる伸びの向上(例えば、180%以上の伸び)が必要と考えられる。
また、実験的な微小な試料を用いて、室温で超塑性を発現するZn−22%Al合金が得られた旨報告されている(非特許文献3参照)。具体的には、金属組織の初期粒径が1〜15μmである円柱形のZn−22%Al合金を、5GPaという高圧下で強捻り変形(冷間変形)することによって、最終組織が、最微細部である中心部で0.1μm〜0.5μmとなったことが開示されている。
しかし上記方法では、中心部は超塑性を示す可能性のある微細組織であっても、中心から離れた外周部の粒状組織は粗大で超塑性現象を示さないといった、外周部と中心部で著しく異なる組織しか得られない。また、このような強捻り変形が適用できるサイズは、直径15mm程度で厚さ0.3mmと非常に小さいものに限定されるため、免震デバイスのような大荷重を受ける部材では、部材全体を上記微細組織とすることは困難であり、結果として部材全体が超塑性を発揮するものは得られない。
本発明者らは、上記のようなZn−Al合金について、その特性改善という観点からかねてより研究を進めており、その研究の一環として、均一で安定した超微細組織を有し、室温でも超塑性と言える伸びを発現できる建築部材レベルのZn−Al合金を提案している(特許文献1参照)。
この技術の開発によって、室温で優れた超塑性を示す実用サイズのZn−Al合金を実現できたのであるが、こうしたZn−Al合金においても解決すべき問題が残されていた。即ち、上記開発した合金では、歪速度が10−3−1程度における低速での変形能(以下「静的変形能」と呼ぶことがある)は優れており、室温で良好な超塑性を示すが、歪速度が10−1−1程度と比較的高速での変形能(以下「動的変形能」と呼ぶことがある)は安定して得られない場合があった。また、こうした現象は、鋳塊が大型になるにつれて顕著であった。
特開平11−222643号公報 特許請求の範囲 R.S.Mishraら,The observation of tensile superplasticity in nanocrystalline materials: Nanostruct Mater.Vol. 9,No. 1/8 p473-476(1997) G. Toress-Villasenorら,「A reinvestigation of the mechanical history on superplasticity of Zn-22Al-2Cu at room temperature」(Material. Science. Forum Vol. 243/245 P553(1997)) M. Furukawa ら,「Fabrication of submicrometer-grained Zn-22%Al by torsion straining」J. Mater. Res. Vol. 11 No.9 P2128(1996)
本発明は、こうした状況の下でなされたものであって、その目的とするところは、静的変形能は勿論のこと動的変形能にも優れ、大型構造物にも適用できるZn−Al合金、およびその為の有用な製造方法を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明のZn−Al合金とは、Zn:30〜99%(質量%の意味、以下同じ)を含み、残部Alおよび不可避不純物からなるZn−Al合金であって、平均結晶粒径が5μm以下のα相またはα’相中に、平均結晶粒径が0.05μm超、3μm以下のβ相が微細分散した組織を有し、Al系介在物の最大径が円相当直径で50μm以下であると共に、円相当直径で0.5mm以上のポアが存在せず、かつAlのマクロ偏析が3.0%未満で、Alのミクロ偏析が2.0%未満であるところに特徴を有する。
本発明は、この様な高速変形特性に優れたZn−Al合金を製造する方法も規定するものであり、該方法は、
Zn−Al合金溶湯を鋳型に注入して製造するに際して、注入溶湯と外部雰囲気とを遮断しつつ鋳込む工程、
鋳込み後の鋳型冷却過程において、425〜375℃の温度範囲を0.25℃/秒以上の平均冷却速度で冷却すると共に、275〜250℃の温度範囲を0.020℃/秒以上の平均冷却速度で冷却する工程、
350℃以上で鋳塊を加熱保持した後に急冷する再加熱工程、
100℃以上、275℃以下で分塊加工を行う工程、および
100℃以上、275℃以下で温間加工する工程
を含むところに特徴がある。
本発明のZn−Al合金は、静的変形能は勿論のこと動的変形能にも優れているので、大型構造物の制震用素材として最適である。
本発明者らは、歪速度が10−1−1という高速での変形特性を改善するという観点に立脚し、様々な角度から検討した。その結果、先に特許文献1として提案した技術における超微細組織の制御に加えて、粗大なAl系介在物およびマクロ偏析やミクロ偏析の低減を図れば、上記目的を達成し得ることを見出し、既に提案している(特願2002−328106)。
そして上記技術について更に鋭意検討を行ったところ、超微細組織の制御を厳密に行わなくとも、同様の効果が得られるZn−Al合金とその製造方法を見出した。具体的には、これまで超塑性を確実に発揮させるべくα相またはα’相中に分散させるβ相を「平均結晶粒径が0.05μm以下」と微細化する必要があったが、該合金の製造過程において、不可避的に生成する合金組織中の平均粒径0.5mm以上のポアを存在させないようにすれば、該β相の平均結晶粒径が0.05μmを超える場合であっても、優れた動的変形能が得られることを見出し、本発明に想到した。
該サイズのポアを存在させなければ、上記β相の平均結晶粒径が多少大きくとも、優れた動的変形能が得られる理由について明らかではないが、破壊の起点であるポアを微細化することで材料の靭性が向上したためと考えられる。
β相の平均結晶粒径が0.05μm以下の場合に特性が優れているのは勿論であるが、本発明では、上述の通りβ相の平均結晶粒径が0.05μmを超えていてもよい。しかし該β相の平均結晶粒径が大きすぎると、後述する通り偏析の原因となるため、その上限を3μmとする。好ましくは2μm以下である。以下、その他の要件を規定した理由について詳述する。
まず、本発明のZn−Al合金の組織について説明する。Zn−Al合金が超塑性を示すためには、α相またはα′相中に上記β相が分散析出した組織(以下、まとめて「β分散α相」という)である必要がある。β分散α相は、βが析出していないα相とは全く異なり、結晶粒の移動による塑性変形によって200%以上の伸びを示すことができるからである。
ところで、上記要件を満たすものであっても、Zn含有量により金属組織は異なっており、Zn:30〜80%、残部Alおよび不可避不純物からなるZn−Al合金の場合には、マクロ的にはα単相組織であり、各α相またはα′相中にβ相が微細分散した組織を有している。
これに対し、Znが80%以上の場合には、図3からわかるように、必然的にα+βの2相の混合組織となる。つまり、本発明で規定するZn含有量が80〜99%のものは、粒径約10μmのマクロ的なβ相と、βが微細分散したα相またはα′相とが混合した2相組織となる。尚、「マクロなα相」「マクロなβ相」とは、倍率:1000倍程度の顕微鏡観察で認識することができる組織をいうのに対し、β分散α相において微細析出しているβ相は、約5000倍以上で確認できる組織である点で、マクロなβ相と区別できる。
この様なZn:80〜99%、残部Alおよび不可避不純物からなるZn−Al合金の場合、マクロなβ相は常温回復現象にて65%程度の延性を発揮するだけであるが、β分散α相が200%以上の伸びを発揮してβ相の粒界面に応力集中が起こるのを回避できるため、全体として160%超の伸びが示されるのである。
これに対し、内部にβの析出がないα相とβ相の2相組織(α+β)では、α相、β相それぞれの延性が発現されるだけであり、超塑性を発現できない。また、マクロなβ相は、常温回復現象(転位の回復)が起き、変形抵抗は安定するが、伸びは65%程度である。よって、βの析出がないα相とβ相の2相組織(α+β)では、全体としての伸びが68%程度にとどまる。
この様なβが析出していないα相やマクロなβ相は、存在しない方が好ましいが、超塑性を発揮し得るβ分散α相を有する組織であれば、マクロなβ相が混在していてもよい。しかしこれらのα相やβ相は、その平均結晶粒径が5μm以下、特に3.5μm以下であることが好ましい。
室温で伸び160%超の室温超塑性(静的変形能)を発揮する本発明のZn−Al合金とするには、上記α相またはα′相の平均結晶粒径が5μm以下であり、かつ、上述の通り、α相中またはα′相中に分散析出されているβ相の平均結晶粒径が3μm以下である必要がある。α相またはα′相は、微細であるほど超塑性を発揮し易いため、2μm以下であることが好ましい。
Zn−Al合金の動的変形能を良好にするには、特に、粗大Al系介在物、およびマクロ偏析やミクロ偏析の低減を図る必要がある。
<Al系介在物の最大径:円相当直径で50μm以下>
粗大なAl系介在物は、破壊の起点となって動的変形能ばかりか静的変形能を低下させるので、こうしたAl系介在物を極力存在させないようにすることが必要であり、本発明では、Al系介在物の最大径を円相当直径で50μm以下と規定した。該最大径は20μm以下であることが好ましい。尚、Al系介在物は、主にAlを指す。
<Alのマクロ偏析:3.0%未満,Alのミクロ偏析2.0%未満>
マクロ偏析は、鋳塊のトップボトムの偏析(鋳塊全体に広範囲で起こる偏析)であり、本発明ではこの部分のAl濃度と平均Al濃度との濃度差が3.0%未満(即ち、マクロ偏析が3.0%未満)である必要がある。好ましくは2%以下である。一方、ミクロ偏析は、結晶粒数個分で数μm範囲で起こる偏析であるが、本発明ではこの部分のAl濃度と平均Al濃度との濃度差を2.0%未満とする必要がある。好ましくは1%以下である。
本発明では、上記の通り、マクロ偏析およびミクロ偏析がともに上記要件を満足することによって、良好な高速変形(動的変形能)が得られるのであり、これらのいずれの要件を欠いても本発明の目的が達成できない。
次に、本発明のZn−Al合金の化学成分組成について説明する。本発明のZn−Al合金の成分組成は、Zn含有率が30〜99%(好ましくは50〜99%、より好ましくは70〜99%)で、残部がAlおよび不可避不純物である。これらのうち、Zn−22%Al共析合金が特に好ましい。前記図3のZn−Al合金の状態図に示すように、Alの含有率が22%のときに共析点があるので、最も組織制御しやすく、超塑性を発現させやすいからである。
一方、上記範囲では、Znの含有率が小さくなるにつれて、β析出量が減少し、結晶粒の移動による塑性変形が起こっても伸びが低下する傾向にある。そして、Znの含有率が30%未満では、本発明の条件で処理しても100%を超える伸びを発現できないので好ましくない。尚、前記図3において、α相は主成分がAlの面心立方格子の結晶領域、α′相は主成分がZnの面心立方格子の結晶領域、β相はZnが主成分である六方稠密格子の結晶領域、そしてLは液体相を示している。
本発明のZn−Al合金は、上記要件を満たせば、ヒステリシスの安定性を損なわない範囲で、定常応力が加工量、歪み速度によってあまり変化しないように強化元素Cu、Si、Mn、Mgを含有していてもよい。また、伸びの向上のために、結晶微細化に有効なZr、TiBを添加してもよい。
次に上記要件を満たすZn−Al合金を、効率良く得るための方法について詳述する。
<鋳込工程:Zn−Al合金溶湯を鋳型に注入して製造するに際して、注入溶湯と外部雰囲気とを遮断する>
Zn−Al合金溶湯を鋳型に注入して製造するに際して、注入溶湯と外部雰囲気とを遮断しつつ鋳込むことで、酸素との結合を抑制できるので、結果としてAlの粗大化を抑制することができ、Al系介在物の最大径を円相当直径で50μm以下に抑えることができる。遮断方法としては、具体的に、鋳込み時の周囲雰囲気を真空雰囲気やArガス雰囲気とすること(Arシール)や、注入ノズルを溶湯に浸漬(ノズル浸漬)することが有効である。
<鋳込後の鋳型冷却過程(I):425〜375℃の温度範囲を0.25℃/秒以上の平均冷却速度で冷却する>
鋳込み後の鋳型冷却過程で、固液2相領域に相当する425〜375℃の温度範囲を、0.25℃/秒以上の平均冷却速度で冷却することによって、マクロ偏析の原因となる粗大凝固組織の生成を抑制できる。即ち、上記の温度範囲を比較的速い冷却速度で冷却することによって、Alの晶出物が粗大化し、これによって粗大凝固組織の生成が抑制されるのである。上記平均冷却速度は好ましくは0.30℃/秒以上である。
<鋳込後の鋳型冷却過程(II):275〜250℃の温度範囲を0.020℃/秒以上の平均冷却速度で冷却する>
鋳込み後の鋳型冷却過程で、α+βの2相領域に相当する275〜250℃の温度範囲を、0.020℃/秒以上の平均冷却速度で冷却することによって、粗大β相の析出を抑制でき、α相内の粗大β相を主な原因とするミクロ偏析を抑制できる。即ち、上記の温度範囲を比較的速い速度で冷却することによって、ZnやAlの析出物の粗大化を抑制し、これによって粗大β相の生成を抑制して、微細分散したβ相を得ることができる。上記平均冷却速度は好ましくは0.025℃/秒以上である。
<再加熱工程:350℃以上で加熱保持した後に急冷する>
上記の通り、鋳型内冷却過程で冷却速度を速めることによって粗大凝固組織の生成をある程度抑制できるが、該生成をより抑えるには、上記冷却後に、再加熱を行い、均質化を図ることが有効である。
十分に均質化を図るには、均熱温度を350℃以上とするのが良い。但し、390℃以上になると、鋳塊が溶解する恐れがあるので、390℃未満とすることが好ましい。
また、再加熱時の上記温度での保持時間は、例えば50kg以下の小型インゴットの場合には、1時間程度で十分に均質化されるが、例えば150kg級或はそれ以上の大型インゴットになると、合金全体を350℃以上とするのに長時間を要する。
図2は、150kg級のZn−Al合金インゴットを加熱(雰囲気加熱)したときの加熱炉内温度と板温度の関係を示したものであるが、板温度を350℃以上とするには、8時間の加熱時間が必要であることが分かる。これは、β粒子がαマトリックスに再固溶するときに吸熱量が大き過ぎて、外部からの熱をインゴットが吸収してしまうためであり、大型インゴットの場合、雰囲気加熱を長時間せざるを得なくなる。こうしたことから、高周波加熱を行うことも考えられる。高周波加熱では強制的に加熱するので、長時間の加熱を必要としなくてもよいが、大型インゴットの場合には工業的にコストアップの要因となる。
上記350℃以上で加熱保持した後には急冷する。再加熱時に350℃以上に保持することによって、β相をα相内に閉じ込めてミクロ偏析を防止でき、該組織の合金を得るには再加熱後(均熱後)に急冷する必要があるからである。急冷は、室温まで行う他、後述する分塊加工温度まで急冷してもよい。
上記組織状態から急冷することにより、α′から安定なαへの移行を抑え、マクロレベルで2相分離する程度までβが拡散するのを抑制できる。その結果、β相をα相内で析出させたままとすることができ、超塑性を発揮し得るβ分散のα組織が得られるのである。上記急冷とは、冷却速度で10℃/秒以上をいい、具体的には水冷することが好ましい。炉冷(0.1℃/秒以下)や空冷(10℃/秒未満)では、βが拡散してラメラ状組織となるからである。この段階でラメラ組織が形成されると、下記加工処理での加工率が低い場合にはα相やβ相の微細化が不十分となり易く、室温での伸びが100〜140%程度にとどまり、160%超の伸びを確実に達成できないからである。
<分塊加工工程:275℃以下の温度で分塊加工を行う>
均熱後、急冷した段階でβ分散α相は得られており、α相やα´相は10〜2μm程度、α相内やα´相内のβ相は0.05〜0.1μm程度となっている。この様な組織は、約100〜150℃の高温域では超塑性といえる180%以上の伸びを示すが、室温ではそのような伸びを示さない。
室温で超塑性と言えるような伸びを発現させるには、均熱・急冷後に物理的外力を与えて、αまたはα′結晶粒、更にはα中またはα′中に存在するβ相を微細化すると共にポアを潰す必要がある。そこで本発明では、前記再加熱・急冷後に、275℃以下の温度で分塊加工(鍛造等)を行った後、更に温間加工することを必須とした。
分塊加工の加工温度を275℃以下とするのは、前記図3に示したように、275℃を超えると組織が変態し、形成したβ分散α相が、再度、αまたはα′相とβの2相組織になる恐れがあるからである。好ましくは200℃以下で分塊加工を行うのがよい。一方、加工温度が低すぎると、加工割れが生じる可能性があるので、100℃以上で分塊加工を行うことが推奨される。
尚、本発明では、この様に分塊加工および温間加工によって組織の超微細化を図ることができるので、更に冷間加工を行う必要はない。
本発明では、分塊加工後に冷却せず合金温度を高温のまま引き続き温間加工を行っても、また分塊加工後に一旦室温まで冷却した後に温間加工しても良いが、後者の場合には、分塊加工後の冷却速度を約3℃/秒以上で冷却する必要がある。その理由は、再加熱後の冷却と同じく得られたβ分散α相を固定するためであり、具体的には水冷することが好ましい。
<温間加工工程:275℃以下の温度で温間加工する>
温間加工は275℃以下で行う必要がある。前記図3に示したように、275℃を超えると組織が変態し、形成したβ分散α相が、再度、αまたはα′相とβとの2相組織になる恐れがあるからである。好ましくは200℃以下で温間加工を行うのがよい。一方、温間加工温度が低すぎると加工割れが生じる可能性があるので、100℃以上で温間加工を行うことが推奨される。
上記温間加工は、結晶粒微細化のために外力を加える工程であればよく、具体的には、鍛造、押し出し、伸線加工などが挙げられる。
温間加工後は約3℃/秒以上で室温まで冷却すればよい。具体的には水冷を行なうことが好ましい。これは、前記再加熱後の冷却と同様に、得られたβ分散α相を固定するためであり、このときの冷却速度が遅いとβ分散α相が粗大化し、室温での超塑性は発現しなくなる。
本発明のZn−Al合金は、硬さが軟鋼とほぼ同等またはそれよりやや柔らかいので、ボルト締め、リベット締め等の一般的な接合技術にも使用でき、建築構造物等との接合を容易に行うことができる。但し、はんだ付けのように熱を加えて接合する場合には、加熱温度を250℃以下、好ましくは100℃以下に抑える必要がある。上述のように250℃以上では組織が変態するおそれがあり、また100℃以上に加熱した後、急冷しなければ、せっかく得られた微細組織が粗大化し、室温で160%を超える伸びを確保することが困難となる場合があるからである。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
[Zn−Al合金の製造]
Zn−22%Al合金溶湯を、断面形状が長さ:200mm×幅:350mmの鉄製鋳型または銅製鋳型を用い、空冷または水冷の両方の条件で鋳造した。尚、一部のものについては(後記表1のNo.12)、断面形状が200mm角の水冷銅鋳型を用いて連続鋳造した。この様にして、合金成分がマクロ偏析が生じ易いZn−22%Al(トータル不純物量:0.5%以下)であるインゴット(インゴットサイズ:180kg)を得た。
尚、インゴットの冷却挙動は、各インゴットの底面から300mmの位置(断面中心位置)に熱電対を設置して測定した。鋳塊内部温度の経時変化(冷却カーブ)の一例を図4に示す。固液2相域(425〜375℃)の冷却速度(平均冷却速度1)と、β析出開始点温度(275〜250℃)の冷却速度(平均冷却速度2)を、上記冷却カーブから算出した。また、インゴットシール(外部雰囲気との遮断)は、インゴットチャージのときには鋳型内部とトユを事前にArシールした。また、連続鋳造の際には、ノズルを溶湯内に浸漬させることによってシールした。
得られたZn−Al合金のインゴットを、表1に示す温度まで大気炉で再加熱(均熱)し、該温度で1時間または8時間保持した。該保持時間は、大気炉でインゴット表面に熱電対を接触させて、板温が所定の温度に達してからの時間である。
再加熱後、インゴットを炉から取り出した直後に、分塊加工温度まで水冷し、その後、表1に示す加熱温度で、400トン油圧プレス機を用いて、厚さ:350mm×幅:200mm×長さ:450mmに分塊(鍛造)し、その後に水冷した(分塊加工なしの場合は、再加熱後に室温まで水冷した)。それから、温間加工(等温圧延)し、水冷して板厚20mmの合金板を得た。
Figure 0004315797
この様にして得られたZn−Al合金の特性を下記の方法で評価した。
[特性評価]
上記で得られた板材に対して、金属組織を電子顕微鏡で観察し、α(α′含む)およびβの粒径を測定した。
詳細には、バフ研磨してからエッチングを施した合金試料のSEM(scanning electron microscope)観察を倍率:1000倍で行い、顕微鏡写真を3枚撮影して、α相の円相当直径およびβ相の円相当直径(該β相がミクロンレベルの場合)を調べ、3視野における平均値を求めた。尚、β相がサブミクロンレベルの場合には、観察倍率を上げて10000倍とし、SEM顕微鏡写真を3枚撮影してβ相の円相当直径を調べ、3視野における平均値を求めた。
また、厚さ:10mmのJIS5号試験片を採取し、ゲージ長さ50mmとし、クロスヘッド速度を5mm/分(歪速度で1.67×10−3/s:準静的変形能)と250mm/分(歪速度で8.33×10−2/s:動的変形能)で引張試験を行い、引張強度TSと破断するときの伸び(破断伸び)を測定し、各合金の静的特性(低速変形のときの引張強度TSと破断伸び)および動的特性(高速変形のときの引張強度TSと破断伸び)を評価した。
Al系介在物の最大径は次の様にして求めた。即ち、圧延素材(厚さ:18mm、上記バフ研磨後のもの)の圧延横方向100mm位置を光学顕微鏡で倍率:1000倍で観察し、顕微鏡写真を3枚撮影し、その中で最大の粒径(円相当直径)のものをAl系介在物の最大粒径と判断した。マクロ偏析とミクロ偏析は下記の方法で評価した。
(マクロ偏析)
インゴットの上部から下部にかけての断面が観察できるように圧延材を任意の2箇所で切断し、インゴット上部の表層部と1/2t部(t:圧延材の板厚)、インゴット中間高さの表層部と1/2t部、インゴット下部の表層部と1/2t部の6箇所から試験片を採取し、夫々の部位におけるAl濃度を測定し、狙いのAl濃度(22%)からのズレの最大値をマクロ偏析として評価した。
(ミクロ偏析)
マクロ偏析評価で採取した2箇所の試料のいずれか一方を、EPMA(電子プルーブ・マイクロ・アナリシス)にて任意の1mm長さをライン分析し(ビーム径:約10μm)、Al濃度の変動がその測定範囲内で2%以内になっているか否かを評価した。
(ポア評価方法)
標準サンプル(50mm角材)として、350℃で10時間再加熱後にHIP処理してポアを完全に除去した後に、直径0.5mmのドリル穴を標準試料片の中央にあけたものを用意し、該試料のUT検査(超音波探傷検査)を行って、この0.5mmの穴を検出できるUTノイズレベルを調べた。
そして、各試料(厚さ20mmの圧延材)のUT検査を行い、上記ノイズレベル以上のノイズが発生したものについて、直径0.5mm以上のポアが存在すると確認した。これらの評価結果を下記表2に示す。
Figure 0004315797
表1および表2から次の様に考察できる。まずNo.5,7,8,12,14は、本発明で規定する要件を全て満足しているため、動的特性および静的特性のいずれも優れていることが分かる。このうち、特にNo.5、14は、水冷銅鋳型を用いて所定の冷却速度を達成することによって、マクロ偏析およびミクロ偏析を低減するようにしたものであり、溶解量が180kgの大型インゴットであっても、良好な変形特性が得られていることがわかる。
尚、No.7,8は、本発明の要件を満足するものであるが、分塊(鍛造)温度が低く、鍛造割れが生じる可能性がある。よって上述の通り、200℃以上で分塊加工(鍛造)することが好ましい。
これに対して、No.1,2,4,6,9〜11、13,15,16は、本発明で規定するいずれかの要件を欠くものであり、静的特性および動的特性の少なくともいずれかの特性が劣化しているか、または鍛造割れの危険性がある。
詳細には、No.1,2,10は、平均冷却速度1、2が遅いので、マクロ偏析およびミクロ偏析が大きくなっており、静的特性と動的特性のどちらも低くなっている。No.6は、温間加工(圧延)温度が高すぎるため、金属組織が粗大化し、伸びが低下する結果となった。
No.9は、分塊加工(鍛造)温度が高すぎるので、金属組織が粗大化し、静的特性と動的特性がともに好ましくない結果となった。
No.11、16は、溶湯と外部雰囲気との遮断を行っていないのでAl系介在物が大きくなり動的特性が劣化している。
また、No.4は、再加熱温度が低く、また分塊加工(鍛造)を行っていないため、ミクロ偏析が大きくなると共に組織の微細化が図れず、静的特性と動的特性のどちらにも劣っている。No.13は、再加熱温度が低いため、ミクロ偏析が大きくなり、また金属組織も粗大化して、静的特性と動的特性のどちらも低下している。No.15は、α相のサイズが大きいため、静的特性と動的特性のどちらにも劣る結果となった。
尚、No.3は、先に提案した上記β相を0.05μm以下に抑えた参考例であり、ポアが存在していても、静的特性と動的特性のどちらにも優れていることがわかる。
従来より用いられているPb製ダンパーの構成を示す概略説明図である。 150kg級インゴットを雰囲気加熱したときの加熱炉内温度と板温度の関係を示したグラフである Zn−Al合金の状態図である。 鋳塊内部温度の経時変化(冷却カーブ)の一例を示すグラフである。
符号の説明
1 鉛鋳造体
2 ホモゲン溶接部
3 鋼板

Claims (2)

  1. Zn:30〜99%(質量%の意味、以下同じ)を含み、残部Alおよび不可避不純物からなるZn−Al合金であって、
    平均結晶粒径が5μm以下のα相またはα’相中に、平均結晶粒径が0.05μm超、3μm以下のβ相が微細分散した組織を有し、
    Al系介在物の最大径が円相当直径で50μm以下であると共に、円相当直径で0.5mm以上のポアが存在せず、
    かつAlのマクロ偏析が3.0%未満で、Alのミクロ偏析が2.0%未満であることを特徴とする高速変形特性に優れたZn−Al合金。
  2. Zn−Al合金溶湯を鋳型に注入して製造するに際して、注入溶湯と外部雰囲気とを遮断しつつ鋳込む工程、
    鋳込み後の鋳型冷却過程において、425〜375℃の温度範囲を0.25℃/秒以上の平均冷却速度で冷却すると共に、275〜250℃の温度範囲を0.020℃/秒以上の平均冷却速度で冷却する工程、
    350℃以上で鋳塊を加熱保持した後に急冷する再加熱工程、
    100℃以上、275℃以下で分塊加工を行う工程、および
    100℃以上、275℃以下で温間加工する工程
    を含むことを特徴とする高速変形特性に優れたZn−Al合金の製造方法。
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