JP4315660B2 - 光受容体用電荷輸送層材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真に使用される光受容体の新しい電荷輸送層組成物に関する。より詳細には、本発明は電荷輸送層に使用するためのポリカーボネートバインダに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真技術において、伝導層上に光伝導性絶縁層を備えた電子写真プレートで画像形成を行うには、まず光伝導性絶縁層の表面を均一に静電気で荷電させる。次にこのプレートに、光などの活性化電磁波の像を露光し、光伝導性絶縁層の照射を受けた部分の電荷を選択的に消失させ、その跡の非照射部分に静電潜像を残す。次に、例えば現像剤組成物から微粉砕した検電気的トナー粒子を散布してこの静電潜像を現像し、光伝導性絶縁層の表面に可視像を形成する。得られた可視トナー画像は、紙などの適当な受け部材へ転写することができる。
【0003】
電子写真画像形成部材は通常、基板支持体と、導電層と、必要に応じて正孔障壁層と、必要に応じて接着層と、電荷発生層と、電荷輸送層と、必要に応じて保護又はオーバーコート層とを含む多層形光受容体である。画像形成部材は、可撓性ベルト、堅牢なドラムなど、多くの形状とすることができる。殆どの多層形可撓性光受容体ベルトでは、基板支持体の裏側、電気的活性層を載せているのとは反対の側に、抗カール層を用いて光受容体に所望の平面性を持たせる。あるタイプの多層形光受容体は、電気絶縁性の有機樹脂バインダ中に分散した光伝導性無機化合物の微粉砕粒子の層を含む。
【0004】
電荷発生(光発生)層(CGL)と電荷輸送層(CTL)とを別々に備えた積層光受容体を開示している。電荷発生層は正孔を光発生し、光発生した正孔を電荷輸送層へ注入することができる。多層形光受容体に使用される光発生層は、例えば、塗膜形成ポリマー性バインダ中に分散した、無機光伝導性粒子又は有機光伝導性粒子などである。無機又は有機光伝導性材料は、連続的で均質な光発生層に成形される(特許文献1参照)。
【0005】
電荷発生層及びジアミン含有輸送層などの、少なくとも2つの電気的作用層を備えた感光性部材の例を開示している(特許文献1から特許文献5参照)。これらの特許の明細は全て本件に引用して援用する。
【0006】
電荷輸送層は、その中に電荷輸送材料を分散した、多くの様々な種類のポリマーバインダのいずれかを含むことが知られている。例えば、次のようなものである。
【0007】
重量平均分子量が約2万〜約15万に及ぶ、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポリエーテル、ポリスルホン等の、電気的に不活性な樹脂バインダを含む電荷輸送層を述べている。ここでは更に、望ましいバインダとして、ポリ(4,4’−イソプロピリデンジフェニレンカーボネート)(別名:ビスフェノールA−ポリカーボネート)、ポリ(4,4’−シクロヘキシリデンジフェニレンカーボネート)(別名:ビスフェノールZ−ポリカーボネート)等の、ポリカーボネート類が挙げられている(特許文献6参照)。
【0008】
同様に、ポリ(4,4’−イソプロピリデン−ジフェニレン)カーボネート、ポリ(4,4’−ジフェニル−1,1’−シクロヘキサンカーボネート)、ポリアリールケトン類、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポリエーテル、ポリスルホン等の、適当な電気的に不活性な塗膜形成ポリマー性バインダのいずれかを含む電荷輸送層を備えた光受容体を述べている(特許文献7参照)。
【0009】
電気的に不活性な樹脂材料、望ましくは、約2万〜約15万の重量平均分子量を持つポリカーボネート樹脂を含む電荷輸送層を備えた光受容体を述べている。最も望ましいポリカーボネート樹脂は、ポリ(4,4’−ジプロピリデン−ジフェニレンカーボネート)(重量平均分子量約35,000〜約4万、ゼネラル・エレクトリック社(General Electric Company)製、レクサン(LEXAN)145(登録商標));ポリ(4,4’−イソプロピリデン−ジフェニレンカーボネート)(重量平均分子量約4万〜約45,000、ゼネラル・エレクトリック社製、レクサン141(登録商標));重量平均分子量約5万〜約12万のポリカーボネート樹脂(バイエル社(Bayer Corp.)製、マクロロン(MAKROLON)(登録商標));重量平均分子量約2万〜約5万のポリカーボネート樹脂(モベイ・ケミカル社(Mobay Chemical Company)製、マーロン(MERLON)(登録商標))である。更に、ジクロロメタン溶媒は、全ての成分を十分に溶解し、その沸点が低いことから、電荷輸送層被覆用混合物の成分として望ましいことも述べられている(特許文献8参照)。
【0010】
更に、塗膜形成バインダ中に溶解又は分子状に分散した、少なくとも2つの長鎖カルボン酸アルキル基を持つ正孔輸送材料を含む、少なくとも1層の画像形成層で被覆した支持基板を備えた、可撓性の電子写真用画像形成部材を述べている(特許文献9参照)。
【0011】
【特許文献1】
米国特許第4,265,990号明細書
【特許文献2】
米国特許第4,233,384号明細書
【特許文献3】
米国特許第4,306,008号明細書
【特許文献4】
米国特許第4,299,897号明細書
【特許文献5】
米国特許第4,439,507号明細書
【特許文献6】
米国特許第6,242,144号明細書
【特許文献7】
米国特許第6,020,096号明細書
【特許文献8】
米国特許第6,171,741号明細書
【特許文献9】
米国特許第5,728,498号明細書
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記の既存のバインダ材料と同等あるいはそれ以上に優れた性能特性を示し、更に、ジクロロメタンよりも環境負荷の小さな溶媒を用いて被覆可能であるという長所を持つ、画像形成部材(光受容体)の電荷輸送層用の改良されたバインダが求められている。
【0013】
ゆえに、本発明の目的は、電荷輸送層バインダとして使用される新たなバインダ樹脂の開発である。
【0014】
更に本発明の目的は、既存の電荷輸送層バインダと同等あるいはそれ以上の性能を持ち、更に、環境負荷の小さな溶媒を含む溶液からの被覆が可能である電荷輸送層バインダの開発である。
【0015】
【課題を解決するための手段】
これら及びその他の目的は本発明により達成される。第1の態様では、本発明は、少なくともテトラヒドロフランを含む溶媒中に分散した、少なくとも重量平均分子量が15万から50万であって1,3−ベンゼンジカルボニル二塩化物と1,4−ベンゼンジカルボニル二塩化物と炭酸二塩化物と4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[フェノール]からなる成分によって製造されたビスフェノールA−二塩化フタルロイルエステル共重合体ポリカーボネートバインダと、電荷輸送材料として以下に示す芳香族アミンTPDとを含む、光受容体用の電荷輸送層材料に関する。
【化2】
【0016】
本発明の第2の態様では、本発明は、少なくとも重量平均分子量が15万から50万であって1,3−ベンゼンジカルボニル二塩化物と1,4−ベンゼンジカルボニル二塩化物と炭酸二塩化物と4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[フェノール]からなる成分によって製造されたビスフェノールA−二塩化フタルロイルエステル共重合体ポリカーボネートバインダと、電荷輸送材料として以下に示す芳香族アミンTPDとを含む、光受容体の電荷輸送層に関する。
【化3】
【0017】
本発明の第3の態様では、本発明は、少なくとも光受容体と、光受容体を荷電する荷電装置とを含む画像形成装置であって、光受容体は、必要に応じて抗カール層と、基板と、必要に応じて正孔障壁層と、必要に応じて接着層と、電荷発生層と、電荷輸送層と、必要に応じてオーバーコート層とを含み、電荷輸送層は、少なくとも重量平均分子量が15万から50万であって1,3−ベンゼンジカルボニル二塩化物と1,4−ベンゼンジカルボニル二塩化物と炭酸二塩化物と4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[フェノール]からなる成分によって製造されたビスフェノールA−二塩化フタルロイルエステル共重合体ポリカーボネートバインダと、電荷輸送材料として以下に示す芳香族アミンTPDとを含む、画像形成装置に関する。
【化4】
【0018】
本発明の電荷輸送層バインダとして望ましいポリカーボネート樹脂バインダを使用することにより、画像形成部材の電荷輸送層は、優れた正孔輸送性能と耐摩耗性を備え、またテトラヒドロフランなどの環境負荷の小さな溶媒を用いて画像形成部材構造体上に被覆することが可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明において、光受容体用の電荷輸送層材料は、少なくともテトラヒドロフランを含む溶媒に分散した、少なくともビスフェノールA−二塩化フタロイルエステル共重合体ポリカーボネートバインダと、少なくとも1種の電荷輸送材料とを含む。
【0020】
ビスフェノールA−二塩化フタロイルエステル共重合体ポリカーボネートバインダは、ビスフェノールA(すなわち、4,4’−イソプロピリデンジフェノール)と二塩化フタロイルエステルとの共重合体を含むものが最も望ましいと考えられる。望ましくは、共重合体ポリカーボネートは、溶離液としてジクロロメタンを、標準としてポリスチレンを用いたゲル浸透クロマトグラフィによる測定で、重量平均分子量が、例えば、約15万〜50万、より望ましくは約15万〜約30万、更に望ましくは175,000〜約225,000、最も望ましくは約20万のものである。このような共重合体ポリカーボネート樹脂は、ゼネラル・エレクトリック社よりレクサンML5273の商品名で入手可能であり、この物質は、(ビスフェノールA/二塩化フタロイルエステルカーボネート)共重合体(PCE)(CAS登録番号:71519−80−7)である。
【0021】
光受容体の電荷輸送層は、電荷発生層から流れ込む光発生正孔と電子とを保持し、これらの正孔又は電子を有機層を通過させて、表面電荷を選択的に放電するものでなければならない。少しでも電荷が輸送層内部に捉えられると、表面電荷が完全に放電されず、光受容体表面でトナー画像が十分に現像されなくなる。
【0022】
このため、電荷輸送層は少なくとも1種の電荷輸送材料を含まなければならない。適当であれば当該技術で公知のどのような電荷輸送分子も使用できるが、電荷輸送分子はポリマーバインダ中に分散又はポリマー鎖中に入り込むものである。適当な電荷輸送材料は、当該技術で非常に良く知られており、これらの電荷輸送材料はいずれも制限することなく本件で使用できる。
【0023】
例えば、望ましい電荷輸送分子は、下記化1の一般式を持つ1種以上の芳香族アミン化合物から成る。
【0024】
【化5】
【0025】
式中、R1及びR2は、置換又は非置換フェニル基、ナフチル基、ポリフェニル基から成る群より選ばれる芳香族基であり、R3は、置換又は非置換アリール基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の環式脂肪族化合物から成る群より選ばれる。置換基は、NO2基、CN基などの電子吸引基を含んではならない。
【0026】
電荷発生層で光発生して電荷輸送層に流れ込む正孔を保持し、厚い輸送層を通して正孔を輸送することが可能な、電荷輸送層に使用される上記構造式の電荷輸送芳香族アミンの例は、不活性樹脂バインダ中に分散した、例えば、トリフェニルメタン、ビス(4−ジエチルアミン)−2−4’−4”−ビス(ジエチルアミノ)−2’,2”−ジメチルトリフェニルメタン、N,N’−ビス(アルキルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(式中、アルキルは、例えば、メチル、エチル、プロピル、n−ブチルなど)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(クロロフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン、等である。
【0027】
より望ましくは、電荷輸送層は、バインダ中に溶解又は分子状に分散したアリールアミン小分子を含む。典型的な芳香族アミン化合物としては、トリフェニルアミン類、ビス及びポリトリアリールアミン類、ビスアリールアミンエーテル類、ビスアルキル−アリールアミン類、等が挙げられる。最も望ましくは、電荷輸送材料は下記化2の構造式を持つ芳香族アミンTPDである。
【0028】
【化6】
【0029】
本件で用いられる特に望ましい電荷輸送層は、約20〜約80重量%の少なくとも1種の電荷輸送材料と、約80〜約20重量%のポリマーバインダとを含む。乾燥した電荷輸送層は、望ましくは、乾燥電荷輸送層の総重量の約30〜約70重量%の小分子電荷輸送分子を含む。
【0030】
電荷輸送層材料にはまた、当業者に公知の一般的な機能を与えるために使用される添加物を追加しても良い。このような添加剤としては、例えば、抗酸化剤、レベリング剤、界面活性剤、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子などの耐摩耗性添加剤、耐光衝撃又は衝撃緩和剤、等が挙げられる。
【0031】
溶媒系は本電荷輸送層材料のもう一つの特長である。先に述べたように、従来の電荷輸送層用ポリカーボネートバインダ樹脂では、例えば浸漬塗布での塗布に適した被覆用溶液の調製には溶媒としてジクロロメタンを使用する必要があった。しかし、ジクロロメタンは環境に配慮して特別な取り扱いを要する溶媒であるため、高コストの被覆及び浄化操作が必要である。しかし、本発明の共重合体ポリカーボネートは、ジクロロメタンより環境負荷の小さな溶媒系に溶解できるため、従来のポリカーボネートバインダ樹脂を用いる場合より安価に電荷輸送層を形成することができる。本発明の電荷輸送層材料に使用される最も望ましい溶媒系は、テトラヒドロフラン(THF)である。所望ならば、トルエンなど他の溶媒も加えて良い。
【0032】
もちろん、本発明の共重合体ポリカーボネート樹脂もジクロロメタンに可溶であり、所望ならばこの溶媒も共重合体ポリカーボネートに用いられる。つまり、本発明の電荷輸送層はテトラヒドロフランを含む溶液から生成する必要があるというわけではない。
【0033】
被覆材料の総固体対総溶媒の重量比は、望ましくは約10:90〜約30:70程度、より望ましくは約15:85〜約25:75である。
【0034】
本発明の電荷輸送層材料の調製では、材料組成の成分を容器、例えば攪拌機の付いた容器に加える。成分を容器に加える順に特に制限はないが、最初に溶媒系を容器に加えることが最も望ましい。輸送分子と共重合体ポリカーボネートバインダポリマーとを共に溶解しても良いが、それぞれを別個に溶解した後に容器中の溶液に加える方法が最も望ましい。
【0035】
電荷輸送層材料の全成分を容器に加えたら、溶液を混合して均一な被覆用組成物とする。混合は、例えば約1,000rpm以上の速度で攪拌するなど高剪断条件下で行う。
【0036】
電荷輸送層溶液を光受容体構造体(詳細は下記のとおり)に塗布する。より詳細には、光受容体構造体の予め形成してあった層の上に層を形成する。最も望ましくは、電荷発生層の上に電荷輸送層を形成する。光受容体構造体への電荷輸送層被覆用溶液の塗布には適当な従来法を用いる。典型的な塗布法としては、例えば、スプレー、浸漬塗布、押出塗布、ロール塗布、巻き線棒塗布、ドローバー塗布などが挙げられる。
【0037】
乾燥した電荷輸送層の厚さは、例えば約10〜約50μmが望ましい。一般に、電荷輸送層の電荷発生層に対する厚さの比は、望ましくは約2:1〜約200:1に保つが、場合によっては約400:1程にもなる。本発明の電荷輸送層は優れた耐摩耗性を有する。
【0038】
次に、光受容体の他の層について説明する。本発明は、追加の層の有無や構造体中の層の順序に関わりなく、前述の本発明の共重合体ポリカーボネートを含む電荷輸送層を用いる全ての光受容体構造体を包含しようとするものである。
【0039】
本発明の画像形成部材には、適当であればどのような多層形光受容体を用いても良い。電荷発生層及び電荷輸送層、またその他の層は、正荷電又は負荷電光受容体いずれの製造に適当であればどのような順序で塗布しても良い。例えば、米国特許第4,265,990号に述べられているように、電荷輸送層の前に電荷発生層を塗布しても、あるいは、米国特許第4,346,158号に述べられているように、電荷発生層の前に電荷輸送層を塗布しても良い。いずれの特許も、その内容を全て本件に引用して援用する。しかし最も望ましくは、電荷発生層の上に電荷輸送層を使用し、必要に応じて電荷輸送層をオーバーコート及び/又は保護層で上塗りする。
【0040】
電荷輸送層を用いる本発明の光受容体は、必要に応じて抗カール層と、基板と、必要に応じて正孔障壁層と、必要に応じて接着層と、電荷発生層と、電荷輸送層と、必要に応じて1層以上のオーバーコート及び/又は保護層とを含む。
【0041】
光受容体基板は当該技術で公知の適当な有機又は無機材料から成る。基板は、全体が導電性材料から成るものでも、あるいは導電性表面を備えた絶縁材料であっても良い。基板は効果的な厚さ、通常約100ミル(2.54mm)まで、望ましくは約1〜約50ミル(0.0254〜1.27mm)であるが、この範囲を越える厚さでも良い。基板層の厚さは、経済的要件や機械的要件など多くの要因によって決まる。このためこの層は相当な厚さ、例えば100ミル(2.54mm)以上、あるいは装置に悪影響を及ぼさない程度に最少の厚さとすることができる。同様に、基板は堅牢なものでも可撓性であっても良い。特に望ましい実施の形態では、この層の厚さは約3〜約10ミル(約0.0762〜約0.254mm)である。可撓性ベルトの画像形成部材では、望ましい基板の厚さは約65〜約150μmで、例えば直径19mmの小径ローラの周囲を回転させる場合、最適な可撓性と最小の伸びとするには約75〜約100μmがより望ましい。
【0042】
基板は不透明でも、殆ど透明であっても良く、所望の機械的性質を備えた様々な適当な材料から成る。基板全体が導電性表面と同じ材料から成るものでも、あるいは基板上に導電性表面を被覆しただけのものでも良い。適当であればどのような導電材料も使用できる。典型的な導電材料としては、銅、真鍮、ニッケル、亜鉛、クロム、ステンレススチール、導電性プラスチックス及びゴム類、アルミニウム、半透明アルミニウム、スチール、カドミウム、銀、金、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、ハフニウム、チタン、タングステン、モリブデン、紙に適当な材料を含ませて、あるいは湿潤雰囲気中で処理し、十分な水を含ませて伝導性としたもの、インジウム、スズ、酸化スズや酸化インジウムスズなどの金属酸化物、等が挙げられる。導電層の厚さは電子光伝導部材の用途に応じてかなり広範囲に変えることができる。一般に伝導層の厚さは約50オングストローム〜数cmに及ぶが、この範囲を越える厚さであっても良い。可撓性の電子写真用画像形成部材が望まれる場合、伝導層の厚さは典型的に約20〜約750オングストローム、導電性と可撓性と光透過性との組み合わせを最適とするには約100〜約200オングストロームが望ましい。使用する基板が非伝導性ベースとその上に被覆した導電層を含む場合、基板は、有機及び無機材料などどのような他の既存の材料であっても良い。典型的な基板材料は、この目的に適うことが知られる様々な樹脂などの絶縁性の非伝導性材料であり、例えば、ポリカーボネート類、ポリアミド類、ポリウレタン類、紙、ガラス、プラスチックス、ポリエステル類(例えば、マイラ(MYLAR)(登録商標)又はメリネクス(MELINEX)442(登録商標)(デュポン(Du Pont)より入手可能))、等である。伝導層は、真空蒸着など適当な被覆法によりベース層上に被覆することができる。所望ならば、基板は、チタン化又はアルミニウム化したマイラなど、金属化プラスチックスから成るものであっても良く、この場合、金属化表面は、光発生層や、基板と光発生層との間にある他の層と接している。被覆又は非被覆基板は可撓性又は堅牢であり、板、円筒形ドラム、スクロール、エンドレス可撓性ベルトなど、様々な形状とすることができる。基板の外側表面は、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化チタンなどの金属酸化物を含むものであっても良い。
【0043】
最も望ましくは、電荷輸送層を用いる本発明の光受容体は、ベルト又はドラム状である。ドラムの場合、コピー機やプリンタに用いられる様な小径ドラムの形が最も望ましい。
【0044】
次に、必要に応じて基板に正孔障壁層を塗布する。一般に、正に荷電する光受容体の電子障壁層は、電子写真画像形成工程の間、光受容体の最上層の電荷発生層で光発生した正孔を、その下の電荷(正孔)輸送層へ向かって移動させ、底の伝導層に至らせる。このように、電荷(正孔)輸送層上に電荷発生層を被覆した光受容体のように正に荷電する光受容体では、電子障壁層は通常、正孔に対して障壁とならないと考えられる。負に荷電する光受容体では、隣接する光伝導層と下塗りのジルコニウム又はチタン層との間で正孔に対して電子障壁となり得る適当な正孔障壁層を用いる。正孔障壁層は、適当であればどのような素材から成るものでも良い。負に荷電する光受容体に用いられる典型的な正孔障壁層としては、例えば、ラックアミド(メトキシメチル置換ポリアミドから誘導したナイロン6形材料)などのポリアミド類、メタクリル酸ヒドロキシアルキル類、ナイロン類、ゼラチン、ヒドロキシアルキルセルロース、有機ポリホスファゼン類、オルガノシラン類、有機チタン酸塩類、有機ジルコン酸塩類、酸化ケイ素類、酸化ジルコニウム類、等が挙げられる。望ましくは、正孔障壁層は窒素含有シロキサン類を含むものである。典型的な窒素含有シロキサン類は、加水分解したシランを含む被覆用溶液から調製する。典型的な加水分解可能なシラン類としては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ジメチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルジエチレントリアミン、及びそれらの混合物などが挙げられる。
【0045】
上記のアミノシラン類の加水分解の際、アルコキシ基はヒドロキシル基で置換される。特に望ましい障壁層は、塗布後に空気に触れると金属層表面に自然に形成される酸化ジルコニウム及び/又は酸化チタンの層と、加水分解したシランとの反応生成物から成るものである。この組み合わせは斑が少なく、低いRH(相対湿度)で電気的に安定である。画像形成部材は、酸化ジルコニウム及び/又は酸化チタン層の上に、pH約4〜約10で加水分解したシランの水溶液を被覆し、反応生成物層を乾燥してシロキサン塗膜とし、このシロキサン塗膜に光発生層や正孔輸送層などの電気的作用層を塗布して調製する。
【0046】
障壁層は、スプレー、浸漬塗布、ドローバー塗布、グラビア塗布、シルクスクリーン、エアーナイフ塗布、リバースロール塗布、真空蒸着、化学処理など、適当であればどのような従来法で塗布しても良い。薄層とするには、障壁層を希薄溶液として塗布し、被覆の塗布後に、真空、加熱などの従来法で溶媒を除去すると良い。このシロキサン被覆は、その内容を全て本件に引用して援用する、米国特許第4,464,450号に述べられている。乾燥後、加水分解シランより生成したシロキサン反応生成物塗膜はより大きな分子を含む。加水分解シランの反応生成物は、直鎖、部分架橋、ダイマー、トリマー等である。
【0047】
シロキサン障壁層は連続的で、厚さは約0.5μm以下でなければならない。それ以上に厚いと望ましくない程に残留電圧が高くなる。露光工程後の電荷の中和が速やかで、電気的性能が最も良くなることから、障壁層の厚さは約0.005〜約0.3μm(約50〜約3,000オングストローム)が望ましい。酸化ジルコニウム及び/又は酸化チタン層の場合、電気的挙動が最適で電荷欠陥点の発生と成長を少なくするには、約0.03〜約0.06μmの厚さが望ましい。
【0048】
必要に応じて、正孔障壁層に接着層を塗布する。接着層は適当な塗膜形成ポリマーから成る。典型的な接着層材料は、例えば、共重合ポリエステル樹脂、ポリアリレート類、ポリウレタン類、樹脂混合物等である。
【0049】
望ましい共重合ポリエステル樹脂は、4種の二酸とエチレングリコールとの反応生成物である直鎖飽和共重合ポリエステルである。この直鎖飽和共重合ポリエステルの分子構造において、共重合ポリエステル中の二酸とエチレングリコールとのモル比は、1:1である。二酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸であり、そのモル比は、4:4:1:1である。この構造を持つ具体的な直鎖飽和共重合ポリエステル接着促進剤は、49,000(ローム・アンド・ハース社(Rohm and Haas Inc.)製、以前はモートン・インターナショナル社(Morton International Inc.)より入手可)という市販品として入手可能である。49,000は、エチレングリコールと、上記の比でランダムに配列した4種の二酸とが、交互に並んだモノマーユニットから成る、重量平均分子量約7万の直鎖飽和共重合ポリエステルである。この直鎖飽和共重合ポリエステルのTgは約32℃である。他の望ましい具体的なポリエステル樹脂は、テレフタル酸、イソフタル酸、及びそれらの混合物から成る群より選ばれる二酸と、エチレングリコール、2,2−ジメチルプロパンジオール、及びそれらの混合物から成る群より選ばれるジオールとから誘導した、二酸とジオールとの比が1:1で、Tgが約50〜約80℃である共重合ポリエステル樹脂である。代表的なポリエステル樹脂は市販されており、例えば、ボスティク社(Bostik, Inc.)製の、バイテル(VITEL)PE−100(登録商標)、バイテルPE−200(登録商標)、バイテルPE−200D(登録商標)、バイテルPE−222(登録商標)、バイテル1750B(登録商標)などが挙げられる。より詳細には、バイテルPE−100ポリエステル樹脂は、2種類の二酸とエチレングリコールとの直鎖飽和共重合ポリエステルであり、この共重合ポリエステル中の二酸とエチレングリコールとの比は1:1である。二酸はテレフタル酸とイソフタル酸であり、その比は3:2である。バイテルPE−100直鎖飽和共重合ポリエステルは、エチレングリコールと、上記の比でランダムに配列した2種類の二酸とが交互に並んだモノマーユニットから成り、重量平均分子量は約5万、Tgは約71℃である。
【0050】
もう一つのポリエステル樹脂は、ボスティク社製のバイテルPE−200である。このポリエステル樹脂は、2種類の二酸と2種類のジオールとの直鎖飽和共重合ポリエステルであり、この共重合ポリエステル中の二酸とジオールとの比は1:1である。二酸はテレフタル酸とイソフタル酸であり、その比は1.2:1である。2種類のジオールはエチレングリコールと2,2−ジメチルプロパンジオールであり、その比は1.33:1である。バイテルPE−200直鎖飽和共重合ポリエステルは、2種類の二酸と2種類のジオールとが上記の比でランダムに交互に並んだモノマーユニットから成り、重量平均分子量は約45,000、Tgは約67℃である。
【0051】
本発明のポリエステル樹脂の誘導に用いる二酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、及び/又はアゼライン酸のみである。本発明の接着層に使用するポリエステル樹脂の合成には、適当であればどのようなジオールも使用できる。典型的なジオールとしては、例えば、エチレングリコール、2,2−ジメチルプロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールなどが挙げられる。
【0052】
あるいは、接着界面層は、ポリアリレート(アモコ・パフォーマンス・プロダクツ社(Amoco Performance Products, Inc.)製、アーデル(ARDEL)D−100(登録商標))、ポリウレタン、又はこれらのポリマーとカルバゾールポリマーとのポリマー混合物を含むものであっても良い。接着層は公知であり、例えば、その内容を全て本件に引用して援用する、米国特許第5,571,649号、米国特許第5,591,554号、米国特許第5,576,130号、米国特許第5,571,648号、米国特許第5,571,647号、米国特許第5,643,702号に述べられている。
【0053】
接着層被覆用溶液の調製には適当であればどのような溶媒も使用できる。典型的な溶媒としては、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジクロロメタン、1,1,2−トリクロロエタン、モノクロロベンゼン等、及びそれらの混合物が挙げられる。接着層被覆の塗布には適当な手法を用いる。典型的な塗布法は、押出塗布、グラビア塗布、スプレー塗布、巻き線棒塗布などである。接着層は電荷障壁層へ直接塗布する。このように、本発明の接着層は、下塗りの電荷障壁層と上塗りの電荷発生層との両者に直に隣接し、接着結合を強め、接地面への正孔流入抑止効果がある。塗布した被覆の乾燥は、オーブン乾燥、赤外線乾燥、空気乾燥など適当な従来法で行う。接着層は連続的でなければならない。乾燥後の接着層の厚さが約0.01〜約2μmならば十分な結果が得られる。乾燥厚さは、望ましくは約0.03〜約1μmである。約0.01μm以下の厚さでは、電荷発生層と障壁層との間の接着が十分ではなく、光受容体ベルトをローラやカーブしたスキッド板など径の小さな支持体上で走行させた場合に剥がれるおそれがある。本発明の接着層の厚さが約2μm以上であると、サイクルを重ねるにつれて過剰な残留電荷の蓄積が認められる。
【0054】
光発生層は、無機又は有機組成物などで構成される単一又は複数の層から成る。発生層の一例は、その内容を全て本件に引用して援用する、米国特許第3,121,006号に述べられている。これは、光伝導性無機化合物の微粉砕粒子を電気絶縁性の有機樹脂バインダ中に分散したものである。複数の光発生層を持つ組成物は、光伝導層が光発生層の特性を強める、あるいは弱める場合に使用する。
【0055】
光受容体の電荷発生層は、塗膜形成バインダ中に分散した適当な光伝導性粒子を含む。典型的な光伝導性粒子としては、例えば、金属を含まないフタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、バナジルフタロシアニンなどのフタロシアニン類、ベンズイミダゾールペリレンなどのペリレン類、三方晶系セレン、キナクリドン類、置換2,4−ジアミノトリアジン類、多核芳香族キノン類、等が挙げられる。特に望ましい光伝導性粒子としては、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ベンズイミダゾールペリレン、三方晶系セレンなどが挙げられる。
【0056】
光伝導性材料に適したバインダの例としては、ポリカーボネート類、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ポリウレタン類、ポリスチレン類、ポリブタジエン類、ポリスルホン類、ポリアリールエーテル類、ポリアリールスルホン類、ポリエーテルスルホン類、ポリエチレン類、ポリプロピレン類、ポリメチルペンテン類、ポリフェニレンスルフィド類、ポリ酢酸ビニル類、ポリビニルブチラール類、ポリシロキサン類、ポリアクリレート類、ポリビニルアセタール類、ポリアミド類、ポリイミド類、アミノ樹脂、フェニレンオキシド樹脂、テレフタル酸樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリ塩化ビニル類、ポリビニルアルコール類、ポリ(N−ビニルピロリドン)類、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エステル共重合体、アルキド樹脂、セルロース性塗膜形成体、ポリ(アミドイミド)、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニリデン共重合体、スチレン−アルキド樹脂、ポリビニルカルバゾール類、等の熱可塑性及び熱硬化性樹脂が挙げられる。これらのポリマー類は、ブロック、ランダム、又は交互共重合体であっても良い。
【0057】
バインダ材料中に光発生材料がある場合、光発生組成物又は顔料は塗膜形成ポリマーバインダ組成物中に、適当又は所望量含まれる。例えば、約10〜約60容量%の光発生顔料を、約40〜約90容量%の塗膜形成ポリマーバインダ組成物中に、望ましくは、約20〜約30容量%の光発生顔料を、約70〜約80容量%の塗膜形成ポリマーバインダ組成物中に分散する。典型的に、光発生層中には、光伝導性材料が約5〜約80重量%、望ましくは約25〜約75重量%、バインダが約20〜約95重量%、望ましくは約25〜約75重量%存在するが、この範囲を越える相対量であっても良い。
【0058】
光伝導性組成物及び/又は顔料の粒径は、望ましくは塗布して固化した層の厚さより小さく、より望ましくは約0.01〜約0.5μmであると被覆均一性が更に良くなる。
【0059】
光伝導性組成物と樹脂状バインダ材料とを含む光発生層の厚さは、通常約0.05〜約10μm又はそれ以上、望ましくは約0.1〜約5μm、より望ましくは約0.3〜約3μmであるが、この範囲を越える厚さでも良い。光発生層の厚さは光発生化合物とバインダとの相対量によって決まり、光発生材料はしばしば約5〜約100重量%の量を占める。バインダ含量の高い組成物では、一般に光発生のためにより厚い層が必要である。一般に、この層は、画像形成又は印刷露光工程においてその上に当てられた入射光の約90%以上を吸収するのに十分な厚さとすることが望ましい。この層の厚さの最大値は、主に機械的要件、使用する特定の光発生化合物、他の層の厚さ、可撓性光伝導性画像形成部材が望まれるか、などの要因によって決まる。
【0060】
光発生層は、所望の、又は適当な方法で下塗り層に塗布することができる。光発生層被覆用混合物の混合とその後の塗布には、適当であればどのような手法を用いても良い。典型的な塗布法としては、スプレー、浸漬塗布、ロール塗布、巻き線棒塗布などが挙げられる。塗布した被覆の乾燥は、オーブン乾燥、赤外線乾燥、空気乾燥など、適当な手法で行う。
【0061】
塗膜形成バインダの溶解には、適当であればどのような溶媒を用いても良い。典型的な溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン等が挙げられる。電荷発生層被覆用分散液は、例えば、アトリター、ボールミル、ダイノミル、ペイントシェーカ、ホモジナイザ、ミクロフリュイダイザなど、適当な手法を用いて調製する。
【0062】
必要に応じて、オーバーコート層及び/又は保護層を用いて光受容体の摩擦に対する耐性を高めることもできる。ウェブ状の光受容体を製造する場合などでは、平板性及び/又は耐摩耗性を与えるため、光伝導層を載せているのとは反対の基板面に抗カール裏塗り被覆を塗布しても良い。これらのオーバーコート及び抗カール裏塗り層は当該技術で公知であり、電気絶縁性あるいは僅かに半導性の熱可塑性有機ポリマー又は無機ポリマーを含むことができる。オーバーコートは連続的で、通常その厚さは約10μm以下であるが、この範囲を越える厚さでも良い。抗カール裏塗り層は一般に、基板層の反対側にある単一層又は多層の力の総和とほぼ釣り合うのに十分な厚さとする。抗カール裏塗り層の例は、その内容を全て本件に引用して援用する、米国特許第4,654,284号に述べられている。可撓性光受容体では約70〜約160μmが典型的な厚さの範囲であるが、この範囲を越える厚さでも良い。オーバーコートの厚さは、絶縁性マトリックスでは最大3μm、半導性マトリックスでは最大6μmとすることが可能である。このようなオーバーコートを用いれば光受容体の摩耗寿命を更に長くすることが可能で、オーバーコートの摩耗速度は2〜4μm/100キロサイクル、あるいは摩耗寿命は150〜300キロサイクルである。
【0063】
本発明の光受容体は、電子写真画像形成法で使用するための電子写真画像形成装置に用いられる。前述のように、このような画像形成では、まず光受容体を静電気で均一に荷電し、次に荷電した光受容体に、光などの活性化電磁波の像を露光して、光受容体の照射を受けた部分の電荷を選択的に消失させ、その跡の非照射部分に静電潜像を残す。次に、1つ以上の現像部において、例えば現像材組成物から微粉砕した検電気的トナー粒子を散布してこの静電潜像を現像し、光受容体の表面に可視像を形成する。得られた可視トナー画像は、紙などの適当な受け部材へ転写することができる。次に光受容体は通常、次の画像の形成のために再荷電する前に、クリーニング部で清浄にする。
【0064】
本発明の光受容体は既存の荷電装置を用いて荷電する。このような装置としては、例えば当該技術で公知のACバイアス荷電ロール(BCR)が挙げられる。例えば、その内容を全て本件に引用して援用する、米国特許第5,613,173号を参照されたい。所望ならば、当該技術で公知の他の方法、例えば、コロトロン、ジコロトロン、スコロトロン、ピン荷電装置などを用いて荷電を行っても良い。
【0065】
本発明の電荷輸送層の新しい共重合体ポリカーボネート樹脂バインダは、接着性、耐摩耗性、電荷輸送層の電気的性能の点において従来のポリカーボネートバインダ樹脂と少なくとも同等の性能を持つ電荷輸送層を形成することができ、更に、テトラヒドロフランなどの環境負荷の小さな溶媒に可溶であるという特長がある。
【0066】
次の実施例及び比較例により本発明を更に述べるが、これは本発明を更に説明するものであって、必ずしも限定しようとするものではない。特に指示のない限り全ての部及び%は重量比である。
【0067】
【実施例】
実施例1及び2と、比較例1及び2
これら2つの実施例と、2つの比較例では、本発明のビスフェノールA−二塩化フタルロイルエステル共重合体ポリカーボネートバインダ(実施例1及び実施例2)、又は、従来のポリカーボネートバインダ(バイエル社製、マクロロン5705(登録商標))(比較例1及び比較例2)と、TPD正孔輸送分子と、実施例1及び2では溶媒としてテトラヒドロフランを、比較例1及び2では溶媒としてジクロロメタンを用いて電荷輸送層を調製した。
【0068】
実施例1及び比較例1では、PCZ−200(三菱瓦斯化学製のポリカーボネート)バインダに分散したヒドロキシガリウムフタロシアニンを含む電荷発生層の上に電荷輸送層を被覆した。実施例2及び比較例2では、PCZ−200バインダに分散したベンズイミダゾールペリレンを含む電荷発生層の上に電荷輸送層を被覆した。電荷輸送層材料は光受容体上に24μmの厚さに被覆した。
【0069】
実施例1及び2と、比較例1及び2で調製した光伝導性画像形成試料の電子写真特性を、直径24.26cm(9.55インチ)の円筒形アルミニウムドラムを備えた電子写真試験用スキャナを用いて評価した。供試試料はドラム上にテープで留めた。試料の表面速度が76.3cm(30インチ)/秒で一定となるようドラムを回転させた。設置した光受容体試料の周囲に、直流ピンコロトロン、露光光、消去光、5個の電位計プローブを取り付けた。試料の荷電時間は33ミリ秒であった。露光光は670nmを、消去光は広帯域白色光(400〜700nm)を、いずれも300ワット出力のキセノンアークランプにより照射した。供試試料をまず暗所に60分以上置き、相対湿度40%、21℃の試験条件下で平衡とした。次に各試料を、暗所において、約900ボルトの現像電位まで負に荷電した。各試料の電荷受容と、400エルグ/cm2の前消去露光による放電後の残留電位を記録した。暗失活は、0.66秒後のVddpの損失として測定した。光エネルギーを20エルグ/cm2まで変えながら試験方法を繰り返し、各試料の光誘導放電特性(PIDC)を求めた。光放電は、光受容体をVddp600ボルトから100ボルトへ放電させるために必要なエネルギー(エルグ/cm2)で与えられる。
【0070】
接着試験
光伝導画像形成部材の接着性を、180度(逆)及び90度(正)剥離試験法を用いて評価した。
【0071】
実施例1及び2と比較例1及び2の各々から最小0.5×6インチ(1.27×15.24cm)の5個の画像形成部材試料を切り取り、180度剥離強度を求めた。各試料に対し、剃刀の刃を用いて供試画像形成部材試料から電荷輸送層を部分的に剥ぎ取り、手で一方の端から約3.5インチ(約8.89cm)を剥いで下塗りの電荷発生層の部分を露出させた。両面接着テープ、1.3cm(1/2インチ)幅のスコッチマジックテープ#810(登録商標、3M社製)を用いて、供試画像形成部材試料の電荷輸送層面を、1×6×0.5インチ(2.54×15.24×1.27cm)のアルミニウム製受け板に固定した。この状態で、供試試料の剥ぎ取った部分の抗カール層/基板は、試料から180度で容易に剥ぎ取り、電荷発生層と接着層とを分けることができた。電荷輸送層を剥がしていない端と反対の、剥いで得られた部分の端を、インストロン引張試験機(Instron Tensile Tester)の上側の顎に差し込んだ。部分的に剥いだ抗カール/基板細長片の自由端を、インストロン引張試験機の下側の顎に差し込んだ。次に、顎をクロスヘッド速度1インチ(2.54cm)/分、チャートスピード2インチ(5.08cm)、負荷範囲200gで動かし、180度で、試料を少なくとも2インチ(5.08cm)剥いだ。チャートレコーダでモニターした負荷より、抗カール層を基板と共に剥ぐために必要な平均負荷を供試試料の幅で割り、剥離強度を算出した。
【0072】
次の表1に、これらの実施例及び比較例の電子写真スキャナを用いた評価と接着強度試験の性能結果をまとめた。
【0073】
【表1】
【0074】
前記の結果の比較より、本発明の共重合体ポリカーボネートは、従来のポリカーボネートより電気的性能に優れ、接着性の点では従来のポリカーボネートと同程度であることが分かった。
【0075】
更に、本発明の共重合体ポリカーボネートは、従来のポリカーボネートバインダ樹脂で達成できる粘度(マクロロン(登録商標)を用いて、〜660cP)に匹敵する、約900〜950cPと粘度の高い溶液にできるため、粘度の低い被覆用溶液で見られるようなみかん肌などの欠陥を生じることなく、浸漬塗布によって層を形成することができる。
Claims (1)
- 少なくともテトラヒドロフランを含む溶媒中に分散した、少なくとも重量平均分子量が15万から50万であって1,3−ベンゼンジカルボニル二塩化物と炭酸二塩化物と1,4−ベンゼンジカルボニル二塩化物と炭酸二塩化物と4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[フェノール]からなる成分によって製造されたビスフェノールA−二塩化フタルロイルエステル共重合体ポリカーボネートバインダと、電荷輸送材料として以下に示す芳香族アミンTPDと、を含むことを特徴とする光受容体用電荷輸送層材料。
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