JP4314849B2 - Droplet ejection device, ink jet printer, and bubble amount detection method - Google Patents

Droplet ejection device, ink jet printer, and bubble amount detection method Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴吐出装置、インクジェットプリンタ及び気泡量検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液滴吐出装置の一つであるインクジェットプリンタは、複数のノズルからインク滴(液滴)を吐出して所定の用紙上に画像形成を行っている。インクジェットプリンタの印刷ヘッド(インクジェットヘッド)には、多数のノズルが設けられているが、インクの粘度の増加や、気泡の混入、塵や紙粉の付着等の原因によって、いくつかのノズルが目詰まりしてインク滴を吐出できない場合がある。ノズルが目詰まりするとプリントされた画像内にドット抜けが生じ、画質を劣化させる原因となっている。
【0003】
従来、このようなインク滴の吐出異常(以下、「ドット抜け」ともいう)を検出する方法として、放置時間と印字回数をカウントし、このいずれかに基づき吸引処理動作時期を決定し、決定した時期がくると印刷ヘッドを吸引装置の対向位置に移動させ、ノズルからキャビティ内のインク及び気泡を吸引排出する方法が提案されている(例えば、特許文献1など)。
【0004】
しかしながら、前記特許文献1に開示されている方法では、気泡の発生量の違いによらず、放置時間と印字回数のみで処理時期を決定し、その処理時期になると、吸引処理動作を実行する。従って、処理間隔が短すぎると、必要以上に吸引回数を増加させ、スループットの低下や排インク量の増加を招く。また、逆に処理間隔が長すぎると、ドット抜けによる印字不良を起こす。
さらに、気泡量によらず一定量のインクを吸引するので、インクを必要以上に吸引し、消費したり、また、吸引量が少なすぎて、気泡を十分に除去できない等の問題もある。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−93260号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、液滴吐出ヘッドのキャビティ内への気泡混入による吐出異常をその程度とともに、容易、確実かつ精度良く検出することができる液滴吐出装置、インクジェットプリンタ及び気泡量検出方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の液滴吐出装置は、駆動回路により駆動されるアクチュエータと、前記アクチュエータの駆動により変位する振動板とを有し、前記駆動回路によりアクチュエータを駆動し、キャビティ内の液体をノズルから液滴として吐出する複数の液滴吐出ヘッドを備える液滴吐出装置であって、
前記振動板の残留振動を検出し、該検出された前記振動板の残留振動の振動パターンに基づいて、前記液滴吐出ヘッドの前記キャビティ内への気泡混入による吐出異常と前記キャビティ内に混入した気泡量とを推定する吐出異常検出手段を有し、
前記振動板の残留振動の振動パターンは、前記残留振動の周期を含み、
前記吐出異常検出手段は、前記振動板の残留振動の周期に基づいて、前記気泡量を推定することを特徴とする。
【0008】
本発明の液滴吐出装置では、前記吐出異常検出手段により前記液滴吐出ヘッドの吐出異常が検出された場合、前記液滴吐出ヘッドに対し、前記吐出異常の原因を解消させる回復処理を行う回復手段を有するのが好ましい。
本発明の液滴吐出装置では、前記吐出異常検出手段により前記液滴吐出ヘッドの前記キャビティ内への気泡混入による吐出異常が検出された場合、前記液滴吐出ヘッドに対し、前記キャビティ内に混入した気泡量に応じて、前記キャビティ内への気泡混入による吐出異常を解消させる回復処理を行う回復手段を有するのが好ましい。
【0009】
本発明の液滴吐出装置は、駆動回路により駆動されるアクチュエータと、前記アクチュエータの駆動により変位する振動板とを有し、前記駆動回路によりアクチュエータを駆動し、キャビティ内の液体をノズルから液滴として吐出する複数の液滴吐出ヘッドを備える液滴吐出装置であって、
前記振動板の残留振動を検出し、該検出された前記振動板の残留振動の振動パターンに基づいて、前記液滴吐出ヘッドの吐出異常をその原因とともに検出する吐出異常検出手段を有し、
前記吐出異常検出手段は、前記吐出異常の原因が前記キャビティ内への気泡混入である場合、前記振動板の残留振動の振動パターンに基づいて、その気泡混入による吐出異常の程度を検出する機能を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の液滴吐出装置では、前記吐出異常の程度は、混入した気泡量を推定することにより検出されるのが好ましい。
本発明の液滴吐出装置では、前記吐出異常検出手段により前記液滴吐出ヘッドの吐出異常が検出された場合、前記液滴吐出ヘッドに対し、その吐出異常の原因に応じて、前記吐出異常の原因を解消させる回復処理を行う回復手段を有するのが好ましい。
【0011】
本発明の液滴吐出装置では、前記回復手段は、前記吐出異常の原因が前記キャビティ内への気泡混入である場合、前記液滴吐出ヘッドに対し、その気泡量に応じて、前記吐出異常の原因を解消させる回復処理を行うのが好ましい。
本発明の液滴吐出装置では、前記回復手段は、前記液滴吐出ヘッドのノズルが配列されるノズル面をワイパによりワイピング処理を行うワイピング手段と、前記アクチュエータを駆動して前記液滴吐出ヘッドのノズルから前記液滴を予備的に吐出するフラッシング処理を行うフラッシング手段と、前記液滴吐出ヘッドのノズル面を覆うキャップに接続するポンプによりポンプ吸引処理を行うポンピング手段とを含むのが好ましい。
【0012】
本発明の液滴吐出装置では、前記吐出異常検出手段により前記液滴吐出ヘッドの前記キャビティ内への気泡混入による吐出異常が検出された場合、前記回復手段は、前記フラッシング手段によりフラッシング処理を行うか、または、前記ポンピング手段によりポンプ吸引処理を行うのが好ましい。
本発明の液滴吐出装置では、前記回復手段は、前記吐出異常検出手段により前記液滴吐出ヘッドの前記キャビティ内への気泡混入による吐出異常が検出された場合、前記キャビティ内に混入した気泡量が所定の閾値より少ない場合には、前記フラッシング手段によりフラッシング処理を行うのが好ましい。
【0013】
本発明の液滴吐出装置では、前記気泡量に応じて、前記フラッシング処理の条件を設定するのが好ましい。
本発明の液滴吐出装置では、前記フラッシング処理の条件には、液滴の吐出回数が含まれるのが好ましい。
本発明の液滴吐出装置では、前記回復手段は、前記キャビティ内に混入した気泡量に応じて、前記フラッシング処理における前記ノズルからの液滴の吐出回数を設定するのが好ましい。
【0014】
本発明の液滴吐出装置では、前記フラッシング処理により前記吐出異常が解消されない場合、前記回復手段は、前記ポンピング手段によりポンプ吸引処理を行うのが好ましい。
本発明の液滴吐出装置では、前記回復手段は、前記吐出異常検出手段により前記液滴吐出ヘッドの前記キャビティ内への気泡混入による吐出異常が検出された場合、前記キャビティ内に混入した気泡量が所定の閾値より多い場合には、前記ポンピング手段によりポンプ吸引処理を行うのが好ましい。
【0015】
本発明の液滴吐出装置では、前記気泡量に応じて、前記ポンプ吸引処理の条件を設定するのが好ましい。
本発明の液滴吐出装置では、前記ポンプ吸引処理の条件には、吸引時間および/または吸引圧力が含まれるのが好ましい。
本発明の液滴吐出装置では、前記回復手段は、前記キャビティ内に混入した気泡量に応じて、前記ポンプ吸引処理における前記ポンプ吸引の時間を設定するのが好ましい。
【0016】
本発明の液滴吐出装置では、前記回復手段は、前記キャビティ内に混入した気泡量に応じて、前記ポンプ吸引処理における前記ポンプ吸引の圧力を設定するのが好ましい。
本発明の液滴吐出装置では、前記気泡量に応じて、前記吐出異常検出手段により前記検出を行う間隔を設定するのが好ましい。
本発明の液滴吐出装置では、前記吐出異常検出手段は、前記キャビティ内に混入した気泡量が多い程、次回、前記振動板の残留振動を検出して前記キャビティ内に混入した気泡量の推定を行うまでの間隔を短く設定するのが好ましい。
【0017】
本発明の液滴吐出装置では、前記振動板の残留振動の振動パターンは、前記残留振動の周期を含むのが好ましい。
本発明の液滴吐出装置では、前記吐出異常検出手段は、前記振動板の残留振動の周期が所定の範囲の周期よりも短いときには、前記キャビティ内に気泡が混入したものと判定し、前記振動板の残留振動の周期が所定の閾値よりも長いときには、前記ノズル付近の液体が乾燥により増粘したものと判定し、前記振動板の残留振動の周期が前記所定の範囲の周期よりも長く、前記所定の閾値よりも短いときには、前記ノズルの出口付近に紙粉が付着したものと判定するのが好ましい。
【0018】
本発明の液滴吐出装置では、前記吐出異常検出手段は、前記振動板の残留振動の周期に基づいて、前記気泡量を推定するのが好ましい。
本発明の液滴吐出装置では、前記吐出異常検出手段は、発振回路を備え、前記振動板の残留振動によって変化する静電容量成分に基づいて、該発振回路が発振するのが好ましい。
【0019】
本発明の液滴吐出装置では、前記吐出異常検出手段は、発振回路を備え、前記振動板の残留振動によって変化する前記アクチュエータの静電容量成分に基づいて、該発振回路が発振するのが好ましい。
本発明の液滴吐出装置では、前記発振回路は、前記アクチュエータの静電容量成分と、前記アクチュエータに接続される抵抗素子の抵抗成分とによるCR発振回路を構成するのが好ましい。
【0020】
本発明の液滴吐出装置では、前記吐出異常検出手段は、前記発振回路の出力信号における発振周波数の変化に基づいて生成される所定の信号群により、前記振動板の残留振動の電圧波形を生成するF/V変換回路を含むのが好ましい。
本発明の液滴吐出装置では、前記吐出異常検出手段は、前記F/V変換回路によって生成された前記振動板の残留振動の電圧波形を所定の波形に整形する波形整形回路を含むのが好ましい。
【0021】
本発明の液滴吐出装置では、前記波形整形回路は、前記F/V変換回路によって生成された前記振動板の残留振動の電圧波形から直流成分を除去するDC成分除去手段と、このDC成分除去手段によって直流成分を除去された電圧波形と所定の電圧値とを比較する比較器とを含み、該比較器は、該電圧比較に基づいて、矩形波を生成して出力するのが好ましい。
【0022】
本発明の液滴吐出装置では、前記吐出異常検出手段は、前記波形整形回路によって生成された前記矩形波から前記振動板の残留振動の周期を計測する計測手段を含むのが好ましい。
本発明の液滴吐出装置では、前記計測手段は、カウンタを有し、該カウンタが基準信号のパルスをカウントすることによって、前記矩形波の立ち上がりエッジ間あるいは立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの間の時間を計測するのが好ましい。
【0023】
本発明の液滴吐出装置では、前記アクチュエータは、静電式アクチュエータであるのが好ましい。
本発明の液滴吐出装置では、前記アクチュエータは、圧電素子のピエゾ効果を利用した圧電アクチュエータであるのが好ましい。
本発明の液滴吐出装置では、前記アクチュエータは、通電により発熱する発熱体を備える膜沸騰式アクチュエータであるのが好ましい。
【0024】
本発明の液滴吐出装置では、前記振動板は、前記キャビティ内の圧力の変化に追従して弾性的に変形するのが好ましい。
本発明の液滴吐出装置では、前記吐出異常検出手段によって検出された前記吐出異常の原因および/または前記気泡量を検出対象の液滴吐出ヘッドと関連付けて記憶する記憶手段を備えるのが好ましい。
【0025】
本発明のインクジェットプリンタは、本発明の液滴吐出装置を備えることを特徴とする
本発明の気泡量検出方法は、駆動回路により駆動されるアクチュエータと、前記アクチュエータの駆動により変位する振動板とを有し、前記駆動回路によりアクチュエータを駆動し、キャビティ内の液体をノズルから液滴として吐出する複数の液滴吐出ヘッドを備える液滴吐出装置の前記キャビティ内に混入した気泡量を推定する気泡量検出方法であって、
前記振動板の残留振動を検出し、該検出された前記振動板の残留振動の周期に基づいて、前記液滴吐出ヘッドの前記キャビティ内の気泡量を推定することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図49を参照して本発明の液滴吐出装置及び気泡量検出方法の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態は例示として挙げるものであり、これにより本発明の内容を限定的に解釈すべきではない。なお、以下、本実施形態では、本発明の液滴吐出装置の一例として、インク(液状材料)を吐出して記録用紙に画像をプリントするインクジェットプリンタを用いて説明する。
【0027】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態における液滴吐出装置の一種であるインクジェットプリンタ1の構成を示す概略図である。なお、以下の説明では、図1中、上側を「上部」、下側を「下部」という。まず、このインクジェットプリンタ1の構成について説明する。
【0028】
図1に示すインクジェットプリンタ1は、装置本体2を備えており、上部後方に記録用紙Pを設置するトレイ21と、下部前方に記録用紙Pを排出する排紙口22と、上部面に操作パネル7とが設けられている。
操作パネル7は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDランプ等で構成され、エラーメッセージ等を表示する表示部(表示手段)(図示せず)と、各種スイッチ等で構成される操作部(図示せず)とを備えている。この操作パネル7の表示部は、報知手段として機能する。
【0029】
また、装置本体2の内部には、主に、往復動する印字手段(移動体)3を備える印刷装置(印刷手段)4と、記録用紙Pを印刷装置4に対し供給・排出する給紙装置(液滴受容物搬送手段)5と、印刷装置4及び給紙装置5を制御する制御部(制御手段)6とを有している。
制御部6の制御により、給紙装置5は、記録用紙Pを一枚ずつ間欠送りする。この記録用紙Pは、印字手段3の下部近傍を通過する。このとき、印字手段3が記録用紙Pの送り方向とほぼ直交する方向に往復移動して、記録用紙Pへの印刷が行なわれる。すなわち、印字手段3の往復動と記録用紙Pの間欠送りとが、印刷における主走査及び副走査となって、インクジェット方式の印刷が行なわれる。
【0030】
印刷装置4は、印字手段3と、印字手段3を主走査方向に移動(往復動)させる駆動源となるキャリッジモータ41と、キャリッジモータ41の回転を受けて、印字手段3を往復動させる往復動機構42とを備えている。
印字手段3は、インクの種類に対応した複数のヘッドユニット35と、各ヘッドユニット35にインクを供給する複数のインクカートリッジ(I/C)31と、各ヘッドユニット35およびインクカートリッジ31を搭載したキャリッジ32とを有している。
【0031】
なお、インクカートリッジ31として、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(黒)の4色のインクを充填したものを用いることにより、フルカラー印刷が可能となる。この場合、印字手段3には、各色にそれぞれ対応したヘッドユニット35(この構成については、後に詳述する。)が設けられることになる。ここで、図1では、4色のインクに対応した4つのインクカートリッジ31を示しているが、印字手段3は、その他の色、例えば、ライトシアン、ライトマゼンダ、ダークイエローなどのインクカートリッジ31をさらに備えるように構成されてもよい。
往復動機構42は、その両端をフレーム(図示せず)に支持されたキャリッジガイド軸422と、キャリッジガイド軸422と平行に延在するタイミングベルト421とを有している。
【0032】
キャリッジ32は、往復動機構42のキャリッジガイド軸422に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベルト421の一部に固定されている。
キャリッジモータ41の作動により、プーリを介してタイミングベルト421を正逆走行させると、キャリッジガイド軸422に案内されて、印字手段3が往復動する。そして、この往復動の際に、印刷されるイメージデータ(印刷データ)に対応して、ヘッドユニット35内の複数のインクジェットヘッド100のノズル110から適宜インク滴が吐出され、記録用紙Pへの印刷が行われる。
【0033】
給紙装置5は、その駆動源となる給紙モータ51と、給紙モータ51の作動により回転する給紙ローラ52とを有している。
給紙ローラ52は、記録用紙Pの搬送経路(記録用紙P)を挟んで上下に対向する従動ローラ52aと駆動ローラ52bとで構成され、駆動ローラ52bは給紙モータ51に連結されている。これにより、給紙ローラ52は、トレイ21に設置した多数枚の記録用紙Pを、印刷装置4に向かって1枚ずつ送り込めるようになっている。なお、トレイ21に代えて、記録用紙Pを収容する給紙カセットを着脱自在に装着し得るような構成であってもよい。
【0034】
制御部6は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)やディジタルカメラ(DC)等のホストコンピュータ8から入力された印刷データに基づいて、印刷装置4や給紙装置5等を制御することにより記録用紙Pに印刷処理を行うものである。また、制御部6は、操作パネル7の表示部にエラーメッセージ等を表示させ、あるいはLEDランプ等を点灯/点滅させるとともに、操作部から入力された各種スイッチの押下信号に基づいて、対応する処理を各部に実行させるものである。
【0035】
図2は、本発明のインクジェットプリンタの主要部を概略的に示すブロック図である。この図2において、本発明のインクジェットプリンタ1は、ホストコンピュータ8から入力された印刷データなどを受け取るインターフェース部(IF:Interface)9と、制御部6と、キャリッジモータ41と、キャリッジモータ41を駆動制御するキャリッジモータドライバ43と、給紙モータ51と、給紙モータ51を駆動制御する給紙モータドライバ53と、ヘッドユニット35と、ヘッドユニット35を駆動制御するヘッドドライバ33と、吐出異常検出手段10と、回復手段24とを備える。なお、吐出異常検出手段10、回復手段24及びヘッドドライバ33については、詳細を後述する。
【0036】
この図2において、制御部6は、印刷処理や吐出異常検出処理などの各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)61と、ホストコンピュータ8からIF9を介して入力される印刷データを図示しないデータ格納領域に格納する不揮発性半導体メモリの一種であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)(記憶手段)62と、後述する吐出異常検出処理などを実行する際に各種データを一時的に格納し、あるいは印刷処理などのアプリケーションプログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)63と、各部を制御する制御プログラム等を格納する不揮発性半導体メモリの一種であるPROM64とを備えている。なお、制御部6の各構成要素は、図示しないバスを介して電気的に接続されている。
【0037】
上述のように、印字手段3は、各色のインクに対応した複数のヘッドユニット35を備える。また、各ヘッドユニット35は、複数のノズル110と、これらの各ノズル110にそれぞれ対応する静電アクチュエータ120とを備える。すなわち、ヘッドユニット35は、1組のノズル110および静電アクチュエータ120を有してなるインクジェットヘッド100(液滴吐出ヘッド)を複数個備えた構成になっている。そして、ヘッドドライバ33は、各インクジェットヘッド100の静電アクチュエータ120を駆動して、インクの吐出タイミングを制御する駆動回路18と、切替手段23とから構成される(図16参照)。なお、インクジェットヘッド100及び静電アクチュエータ120の構成については後述する。
【0038】
また、制御部6には、図示しないが、例えば、インクカートリッジ31のインク残量、印字手段3の位置、温度、湿度等の印刷環境等を検出可能な各種センサが、それぞれ電気的に接続されている。
制御部6は、IF9を介して、ホストコンピュータ8から印刷データを入手すると、その印刷データをEEPROM62に格納する。そして、CPU61は、この印刷データに所定の処理を実行して、この処理データ及び各種センサからの入力データに基づいて、各ドライバ33、43、53に駆動信号を出力する。各ドライバ33、43、53を介してこれらの駆動信号が入力されると、ヘッドユニット35の複数のインクジェットヘッド100に対応する静電アクチュエータ120、印刷装置4のキャリッジモータ41及び給紙装置5がそれぞれ作動する。これにより、記録用紙Pに印刷処理が実行される。
【0039】
次に、各ヘッドユニット35内の各インクジェットヘッド100の構造を説明する。図3は、図1に示すヘッドユニット35内の1つのインクジェットヘッド100の概略的な断面図であり、図4は、1色のインクに対応するヘッドユニット35の概略的な構成を示す分解斜視図であり、図5は、図3に示すインクジェットヘッド100を複数適用したヘッドユニット35のノズル面の一例を示す平面図である。なお、図3および図4は、通常使用される状態とは上下逆に示されており、図5は、図3に示すインクジェットヘッド100を図中上方から見たときの平面図である。
【0040】
図3に示すように、ヘッドユニット35は、インク取り入れ口131、ダンパ室130およびインク供給チューブ311を介して、インクカートリッジ31に接続されている。ここで、ダンパ室130は、ゴムからなるダンパ132を備えている。このダンパ室130により、キャリッジ32が往復走行する際のインクの揺れおよびインク圧の変化を吸収することができ、これにより、ヘッドユニット35の各インクジェットヘッド100に所定量のインクを安定的に供給することができる。
【0041】
また、ヘッドユニット35は、シリコン基板140を挟んで、上側に同じくシリコン製のノズルプレート150と、下側にシリコンと熱膨張率が近いホウ珪酸ガラス基板(ガラス基板)160とがそれぞれ積層された3層構造をなしている。中央のシリコン基板140には、独立した複数のキャビティ(圧力室)141(図4では、7つのキャビティを示す)と、1つのリザーバ(共通インク室)143と、このリザーバ143を各キャビティ141に連通させるインク供給口(オリフィス)142としてそれぞれ機能する溝が形成されている。各溝は、例えば、シリコン基板140の表面からエッチング処理を施すことにより形成することができる。このノズルプレート150と、シリコン基板140と、ガラス基板160とがこの順序で接合され、各キャビティ141、リザーバ143、各インク供給口142が区画形成されている。
【0042】
これらのキャビティ141は、それぞれ短冊状(直方体状)に形成されており、後述する振動板121の振動(変位)によりその容積が可変であり、この容積変化によりノズル110からインク(液状材料)を吐出するよう構成されている。ノズルプレート150には、各キャビティ141の先端側の部分に対応する位置に、ノズル110が形成されており、これらが各キャビティ141に連通している。また、リザーバ143が位置しているガラス基板160の部分には、リザーバ143に連通するインク取入れ口131が形成されている。インクは、インクカートリッジ31からインク供給チューブ311、ダンパ室130を経てインク取入れ口131を通り、リザーバ143に供給される。リザーバ143に供給されたインクは、各インク供給口142を通って、独立した各キャビティ141に供給される。なお、各キャビティ141は、ノズルプレート150と、側壁(隔壁)144と、底壁121とによって、区画形成されている。
【0043】
独立した各キャビティ141は、その底壁121が薄肉に形成されており、底壁121は、その面外方向(厚さ方向)、すなわち、図3において上下方向に弾性変形(弾性変位)可能な振動板(ダイヤフラム)として機能するように構成されている。したがって、この底壁121の部分を、以後の説明の都合上、振動板121と称して説明することもある(すなわち、以下、「底壁」と「振動板」のいずれにも符号121を用いる)。
【0044】
ガラス基板160のシリコン基板140側の表面には、シリコン基板140の各キャビティ141に対応した位置に、それぞれ、浅い凹部161が形成されている。したがって、各キャビティ141の底壁121は、凹部161が形成されたガラス基板160の対向壁162の表面に、所定の間隙を介して対峙している。すなわち、キャビティ141の底壁121と後述するセグメント電極122の間には、所定の厚さ(例えば、0.2ミクロン程度)の空隙が存在する。なお、前記凹部161は、例えば、エッチングなどで形成することができる。
【0045】
ここで、各キャビティ141の底壁(振動板)121は、ヘッドドライバ33から供給される駆動信号によってそれぞれ電荷を蓄えるための各キャビティ141側の共通電極124の一部を構成している。すなわち、各キャビティ141の振動板121は、それぞれ、後述する対応する静電アクチュエータ120の対向電極(コンデンサの対向電極)の一方を兼ねている。そして、ガラス基板160の凹部161の表面には、各キャビティ141の底壁121に対峙するように、それぞれ、共通電極124に対向する電極であるセグメント電極122が形成されている。また、図3に示すように、各キャビティ141の底壁121の表面は、シリコンの酸化膜(SiO)からなる絶縁層123により覆われている。このように、各キャビティ141の底壁121、すなわち、振動板121と、それに対応する各セグメント電極122とは、キャビティ141の底壁121の図3中下側の表面に形成された絶縁層123と凹部161内の空隙とを介し、対向電極(コンデンサの対向電極)を形成
(構成)している。したがって、振動板121と、セグメント電極122と、これらの間の絶縁層123及び空隙とにより、静電アクチュエータ120の主要部が構成される。
【0046】
図3に示すように、これらの対向電極の間に駆動電圧を印加するための駆動回路18を含むヘッドドライバ33は、制御部6から入力される印字信号(印字データ)に応じて、これらの対向電極間の充放電を行う。ヘッドドライバ(電圧印加手段)33の一方の出力端子は、個々のセグメント電極122に接続され、他方の出力端子は、シリコン基板140に形成された共通電極124の入力端子124aに接続されている。なお、シリコン基板140には不純物が注入されており、それ自体が導電性をもつために、この共通電極124の入力端子124aから底壁121の共通電極124に電圧を供給することができる。また、例えば、シリコン基板140の一方の面に金や銅などの導電性材料の薄膜を形成してもよい。これにより、低い電気抵抗で(効率良く)共通電極124に電圧(電荷)を供給することができる。この薄膜は、例えば、蒸着あるいはスパッタリング等によって形成すればよい。ここで、本実施形態では、例えば、シリコン基板140とガラス基板160とを陽極接合によって結合(接合)させるので、その陽極結合において電極として用いる導電膜をシリコン基板140の流路形成面側(図3に示すシリコン基板140の上部側)に形成している。そして、この導電膜をそのまま共通電極124の入力端子124aとして用いる。なお、本発明では、例えば、共通電極124の入力端子124aを省略してもよく、また、シリコン基板140とガラス基板160との接合方法は、陽極接合に限定されない。
【0047】
図4に示すように、ヘッドユニット35は、複数のインクジェットヘッド100に対応する複数のノズル110が形成されたノズルプレート150と、複数のキャビティ141、複数のインク供給口142、1つのリザーバ143が形成されたシリコン基板(インク室基板)140と、絶縁層123とを備え、これらがガラス基板160を含む基体170に収納されている。基体170は、例えば、各種樹脂材料、各種金属材料等で構成されており、この基体170にシリコン基板140が固定、支持されている。
【0048】
なお、ノズルプレート150に形成された複数のノズル110は、図4では簡潔に示すためにリザーバ143に対して略並行に直線的に配列されているが、ノズル110の配列パターンはこの構成に限らず、通常は、例えば、図5に示すノズル配置パターンのように、段をずらして配置される。また、このノズル110間のピッチは、印刷精度(dpi)に応じて適宜設定され得るものである。なお、図5では、4色のインク(インクカートリッジ31)を適用した場合におけるノズル110の配置パターンを示している。
【0049】
図6は、図3のIII−III断面の駆動信号入力時の各状態を示す。ヘッドドライバ33から対向電極間に駆動電圧が印加されると、対向電極間にクーロン力が発生し、底壁(振動板)121は、初期状態(図6(a))に対して、セグメント電極122側へ撓み、キャビティ141の容積が拡大する(図6(b))。この状態において、ヘッドドライバ33の制御により、対向電極間の電荷を急激に放電させると、振動板121は、その弾性復元力によって図中上方に復元し、初期状態における振動板121の位置を越えて上部に移動し、キャビティ141の容積が急激に収縮する(図2(c))。このときキャビティ141内に発生する圧縮圧力により、キャビティ141を満たすインク(液状材料)の一部が、このキャビティ141に連通しているノズル110からインク滴として吐出される。
【0050】
各キャビティ141の振動板121は、この一連の動作(ヘッドドライバ33の駆動信号によるインク吐出動作)により、次の駆動信号(駆動電圧)が入力されて再びインク滴を吐出するまでの間、減衰振動をしている。以下、この減衰振動を残留振動とも称する。振動板121の残留振動は、ノズル110やインク供給口142の形状、あるいはインク粘度等による音響抵抗rと、流路内のインク重量によるイナータンスmと、振動板121のコンプライアンスCmとによって決定される固有振動周波数を有するものと想定される。
【0051】
上記想定に基づく振動板121の残留振動の計算モデルについて説明する。図7は、振動板121の残留振動を想定した単振動の計算モデルを示す回路図である。このように、振動板121の残留振動の計算モデルは、音圧Pと、上述のイナータンスm、コンプライアンスCm及び音響抵抗rとで表せる。そして、図7の回路に音圧Pを与えた時のステップ応答を体積速度uについて計算すると、次式が得られる。
【0052】
【数1】

Figure 0004314849
【0053】
この式から得られた計算結果と、別途行ったインク滴の吐出後の振動板121の残留振動の実験における実験結果とを比較する。図8は、振動板121の残留振動の実験値と計算値との関係を示すグラフである。この図8に示すグラフからも分かるように、実験値と計算値の2つの波形は、概ね一致している。
さて、ヘッドユニット35の各インクジェットヘッド100では、前述したような吐出動作を行ったにもかかわらずノズル110からインク滴が正常に吐出されない現象、すなわち液滴の吐出異常(ヘッド異常)が発生する場合がある。この吐出異常が発生する原因としては、後述するように、(1)キャビティ141内への気泡の混入、(2)ノズル110付近でのインクの乾燥・増粘(固着)、(3)ノズル110出口付近への紙粉付着、等が挙げられる。
【0054】
この吐出異常が発生すると、その結果としては、典型的にはノズル110から液滴が吐出されないこと、すなわち液滴の不吐出現象が現れ、その場合、記録用紙Pに印刷(描画)した画像における画素のドット抜けを生じる。また、吐出異常の場合には、ノズル110から液滴が吐出されたとしても、液滴の量が過少であったり、その液滴の飛行方向(弾道)がずれたりして適正に着弾しないので、やはり画素のドット抜けとなって現れる。このようなことから、以下の説明では、液滴の吐出異常のことを単に「ドット抜け」と言う場合もある。
【0055】
以下においては、図8に示す比較結果に基づいて、インクジェットヘッド100のノズル110に発生する印刷処理時のドット抜け(吐出異常)現象(液滴不吐出現象)の原因別に、振動板121の残留振動の計算値と実験値がマッチ(概ね一致)するように、音響抵抗r及び/またはイナータンスmの値を調整する。なお、ここでは、気泡混入、乾燥増粘及び紙粉付着の3種類について検討する。まず、ドット抜けの1つの原因であるキャビティ141内への気泡の混入について検討する。図9は、図3のキャビティ141内に気泡Bが混入した場合のノズル110付近の概念図である。この図9に示すように、発生した気泡Bは、キャビティ141の壁面に発生付着しているものと想定される(図9では、気泡Bの付着位置の一例として、気泡Bがノズル110付近に付着している場合を示す)。
【0056】
このように、キャビティ141内に気泡Bが混入した場合には、キャビティ141内を満たすインクの総重量が減り、イナータンスmが低下するものと考えられる。また、気泡Bは、キャビティ141の壁面に付着しているので、その径の大きさだけノズル110の径が大きくなったような状態となり、音響抵抗rが低下するものと考えられる。
【0057】
したがって、インクが正常に吐出された図8の場合に対して、音響抵抗r、イナータンスmを共に小さく設定して、気泡混入時の残留振動の実験値とマッチングすることにより、図10のような結果(グラフ)が得られた。図8及び図10のグラフから分かるように、キャビティ141内に気泡が混入した場合には、正常吐出時に比べて周波数が高くなる特徴的な残留振動波形が得られる。なお、音響抵抗rの低下などにより、残留振動の振幅の減衰率も小さくなり、残留振動は、その振幅をゆっくりと下げていることも確認することができる。
【0058】
図41は、キャビティ141内に気泡が混入した場合において、その気泡量が多い場合と、少ない場合との振動板121の残留振動(残留振動波形)を示すグラフである。
キャビティ141内の気泡量が増加すると、インクの総重量がさらに減少し、イナータンスmが減少する。また、ノズル110の径がさらに大きくなった状態となり、音響抵抗rが減少する。この結果、図41に示すように、キャビティ141内の気泡量の増加に伴い、振動板121の残留振動の周波数は増大する。
このキャビティ141内に混入した気泡の量(気泡量)と、振動板121の残留振動の周波数や周期(振動パターン)との関係を示す、例えば、テーブルや演算式等の検量線は、実験的に求めることができる。
【0059】
次に、ドット抜けのもう1つの原因であるノズル110付近でのインクの乾燥(固着、増粘)について検討する。図11は、図3のノズル110付近のインクが乾燥により固着した場合のノズル110付近の概念図である。この図11に示すように、ノズル110付近のインクが乾燥して固着した場合、キャビティ141内のインクは、キャビティ141内に閉じこめられたような状況となる。このように、ノズル110付近のインクが乾燥、増粘した場合には、音響抵抗rが増加するものと考えられる。
【0060】
したがって、インクが正常に吐出された図8の場合に対して、音響抵抗rを大きく設定して、ノズル110付近のインク乾燥固着(増粘)時の残留振動の実験値とマッチングすることにより、図12のような結果(グラフ)が得られた。なお、図12に示す実験値は、数日間図示しないキャップを装着しない状態でヘッドユニット35を放置し、キャビティ141内のノズル110付近のインクが乾燥、増粘したことによりインクを吐出することができなくなった(インクが固着した)状態における振動板121の残留振動を測定したものである。図8及び図12のグラフから分かるように、ノズル110付近のインクが乾燥により固着した場合には、正常吐出時に比べて周波数が極めて低くなるとともに、残留振動が過減衰となる特徴的な残留振動波形が得られる。これは、インク滴を吐出するために振動板121が図3中下方に引き寄せられることによって、キャビティ141内にリザーバ143からインクが流入した後に、振動板121が図3中上方に移動するときに、キャビティ141内のインクの逃げ道がないために、振動板121が急激に振動できなくなるため(過減衰となるため)である。
【0061】
次に、ドット抜けのさらにもう1つの原因であるノズル110出口付近への紙粉付着について検討する。ここで、本発明において、「紙粉」とは、単に記録用紙などから発生した紙粉のみに限らず、例えば、紙送りローラ(給紙ローラ)などのゴムの切れ端や、空気中に浮遊するごみなどを含むノズル110付近に付着してインク滴(液滴)吐出の妨げとなるすべてのものをいう。
【0062】
図13は、図3のノズル110出口付近に紙粉が付着した場合のノズル110付近の概念図である。この図13に示すように、ノズル110の出口付近に紙粉が付着した場合、キャビティ141内から紙粉を介してインクが染み出してしまうとともに、ノズル110からインクを吐出することができなくなる。このように、ノズル110の出口付近に紙粉が付着し、ノズル110からインクが染み出している場合には、振動板121からみてキャビティ141内及び染み出し分のインクが正常時よりも増えることにより、イナータンスmが増加するものと考えられる。また、ノズル110の出口付近に付着した紙粉の繊維によって音響抵抗rが増大するものと考えられる。
【0063】
したがって、インクが正常に吐出された図8の場合に対して、イナータンスm、音響抵抗rを共に大きく設定して、ノズル110の出口付近への紙粉付着時の残留振動の実験値とマッチングすることにより、図14のような結果(グラフ)が得られた。図8及び図14のグラフから分かるように、ノズル110の出口付近に紙粉が付着した場合には、正常吐出時に比べて周波数が低くなる特徴的な残留振動波形が得られる(ここで、紙粉付着の場合、インクの乾燥の場合よりは、残留振動の周波数が高いことも、図12及び図14のグラフから分かる。)。なお、図15は、この紙粉付着前後におけるノズル110の状態を示す写真である。ノズル110の出口付近に紙粉が付着すると、紙粉に沿ってインクがにじみ出している状態を、図15(b)から見出すことができる。
【0064】
ここで、ノズル110付近のインクが乾燥して増粘した場合と、ノズル110の出口付近に紙粉が付着した場合とでは、いずれも正常にインク滴が吐出された場合に比べて減衰振動の周波数が低くなっている。これら2つのドット抜け(インク不吐出:吐出異常)の原因を振動板121の残留振動の波形から特定するために、例えば、減衰振動の周波数や周期、位相において所定のしきい値を持って比較するか、あるいは、残留振動(減衰振動)の周期変化や振幅変化の減衰率から特定することができる。
【0065】
このようにして、各インクジェットヘッド100におけるノズル110からのインク滴が吐出されたときの振動板121の残留振動の変化(振動パターン)、特に、その周波数(振動パターン)の変化によって、各インクジェットヘッド100の吐出異常(ヘッド異常)を検出することができる。また、その場合の残留振動の周波数を正常吐出時の残留振動の周波数と比較することにより、吐出異常(ヘッド異常)の原因を特定することもできる。
【0066】
次に、吐出異常検出手段10について説明する。図16は、図3に示す吐出異常検出手段10の概略的なブロック図である。この図16に示すように、吐出異常検出手段10は、発振回路11と、F/V変換回路12と、波形整形回路15とから構成される残留振動検出手段16と、この残留振動検出手段16によって検出された残留振動波形データから周期や振幅などを計測する計測手段17と、この計測手段17によって計測された周期などに基づいてインクジェットヘッド100の吐出異常(ヘッド異常)を判定する判定手段20とを備えている。吐出異常検出手段10では、残留振動検出手段16は、静電アクチュエータ120の振動板121の残留振動に基づいて、発振回路11が発振し、その発振周波数からF/V変換回路12および波形整形回路15において振動波形を形成して、検出する。そして、計測手段17は、検出された振動波形に基づいて残留振動の周期などを計測し、判定手段20は、計測された残留振動の周期などに基づいて、印字手段3内の各ヘッドユニット35が備える各インクジェットヘッド100の吐出異常を検出、判定する。以下、吐出異常検出手段10の各構成要素について説明する。
【0067】
まず、静電アクチュエータ120の振動板121の残留振動の周波数(振動数)を検出するために、発振回路11を用いる方法を説明する。図17は、図3の静電アクチュエータ120を平行平板コンデンサとした場合の概念図であり、図18は、図3の静電アクチュエータ120から構成されるコンデンサを含む発振回路11の回路図である。なお、図18に示す発振回路11は、シュミットトリガのヒステリシス特性を利用するCR発振回路であるが、本発明はこのようなCR発振回路に限定されず、アクチュエータ(振動板を含む)の静電容量成分(コンデンサC)を用いる発振回路であればどのような発振回路でもよい。発振回路11は、例えば、LC発振回路を利用した構成としてもよい。また、本実施形態では、シュミットトリガインバータを用いた例を示して説明しているが、例えば、インバータを3段用いたCR発振回路を構成してもよい。
【0068】
図3に示すインクジェットヘッド100では、上述のように、振動板121と非常にわずかな間隔(空隙)を隔てたセグメント電極122とが対向電極を形成する静電アクチュエータ120を構成している。この静電アクチュエータ120は、図17に示すような平行平板コンデンサと考えることができる。このコンデンサの静電容量をC、振動板121およびセグメント電極122のそれぞれの表面積をS、2つの電極121、122の距離(ギャップ長)をg、両電極に挟まれた空間(空隙)の誘電率をε(真空の誘電率をε0、空隙の比誘電率をεrとすると、ε=ε0・εr)とすると、図17に示すコンデンサ(静電アクチュエータ120)の静電容量C(x)は、次式で表される。
【0069】
【数2】
Figure 0004314849
【0070】
なお、式(4)のxは、図17に示すように、振動板121の残留振動によって生じる振動板121の基準位置からの変位量を示している。
この式(4)から分かるように、ギャップ長g(ギャップ長g−変位量x)が小さくなれば、静電容量C(x)は大きくなり、逆にギャップ長g(ギャップ長g−変位量x)が大きくなれば、静電容量C(x)は小さくなる。このように、静電容量C(x)は、(ギャップ長g−変位量x)(xが0の場合は、ギャップ長g)に反比例している。なお、図3に示す静電アクチュエータ120では、空隙は空気で満たされているので、比誘電率ε=1である。
【0071】
また、一般に、液滴吐出装置(本実施形態では、インクジェットプリンタ1)の解像度が高まるにつれて、吐出されるインク滴(インクドット)が微小化されるので、この静電アクチュエータ120は、高密度化、小型化される。それによって、インクジェットヘッド100の振動板121の表面積Sが小さくなり、小さな静電アクチュエータ120が構成される。さらに、インク滴吐出による残留振動によって変化する静電アクチュエータ120のギャップ長gは、初期ギャップgの1割程度となるため、式(4)から分かるように、静電アクチュエータ120の静電容量の変化量は非常に小さな値となる。
【0072】
この静電アクチュエータ120の静電容量の変化量(残留振動の振動パターンにより異なる)を検出するために、以下のような方法、すなわち、静電アクチュエータ120の静電容量に基づいた図18のような発振回路を構成し、発振された信号に基づいて残留振動の周波数(周期)を解析する方法を用いる。図18に示す発振回路11は、静電アクチュエータ120から構成されるコンデンサ(C)と、シュミットトリガインバータ111と、抵抗素子(R)112とから構成される。
【0073】
シュミットトリガインバータ111の出力信号がHighレベルの場合、抵抗素子112を介してコンデンサCを充電する。コンデンサCの充電電圧(振動板121とセグメント電極122との間の電位差)が、シュミットトリガインバータ111の入力スレッショルド電圧V+に達すると、シュミットトリガインバータ111の出力信号がLowレベルに反転する。そして、シュミットトリガインバータ111の出力信号がLowレベルとなると、抵抗素子112を介してコンデンサCに充電されていた電荷が放電される。この放電によりコンデンサCの電圧がシュミットトリガインバータ111の入力スレッショルド電圧V−に達すると、シュミットトリガインバータ111の出力信号が再びHighレベルに反転する。以降、この発振動作が繰り返される。
【0074】
ここで、上述のそれぞれの現象(気泡混入、乾燥、紙粉付着、及び正常吐出)におけるコンデンサCの静電容量の時間変化を検出するためには、この発振回路11による発振周波数は、残留振動の周波数が最も高い気泡混入時(図10参照)の周波数を検出することができる発振周波数に設定される必要がある。そのため、発振回路11の発振周波数は、例えば、検出する残留振動の周波数の数倍から数十倍以上、すなわち、気泡混入時の周波数よりおよそ1桁以上高い周波数となるようにしなければならない。この場合、好ましくは、気泡混入時の残留振動の周波数が正常吐出の場合と比較して高い周波数を示すため、気泡混入時の残留振動周波数が検知可能な発振周波数に設定するとよい。そうしなければ、吐出異常の現象に対して正確な残留振動の周波数を検出することができない。そのため、本実施形態では、発振周波数に応じて、発振回路11のCRの時定数を設定している。このように、発振回路11の発振周波数を高く設定することにより、この発振周波数の微小変化に基づいて、より正確な残留振動波形を検出することができる。
【0075】
なお、発振回路11から出力される発振信号の発振周波数の周期(パルス)毎に、測定用のカウントパルス(カウンタ)を用いてそのパルスをカウントし、初期ギャップgにおけるコンデンサCの静電容量で発振させた場合の発振周波数のパルスのカウント量を測定したカウント量から減算することにより、残留振動波形について発振周波数毎のデジタル情報が得られる。これらのデジタル情報に基づいて、デジタル/アナログ(D/A)変換を行うことにより、概略的な残留振動波形が生成され得る。このような方法を用いてもよいが、測定用のカウントパルス(カウンタ)には、発振周波数の微小変化を測定することができる高い周波数(高解像度)のものが必要となる。このようなカウントパルス(カウンタ)は、コストをアップさせるため、吐出異常検出手段10では、図19に示すF/V変換回路12を用いている。
【0076】
図19は、図16に示す吐出異常検出手段10のF/V変換回路12の回路図である。この図19に示すように、F/V変換回路12は、3つのスイッチSW1、SW2、SW3と、2つのコンデンサC1、C2と、抵抗素子R1と、定電流Isを出力する定電流源13と、バッファ14とから構成される。このF/V変換回路12の動作を図20のタイミングチャート及び図21のグラフを用いて説明する。
【0077】
まず、図20のタイミングチャートに示す充電信号、ホールド信号及びクリア信号の生成方法について説明する。充電信号は、発振回路11の発振パルスの立ち上がりエッジから固定時間trを設定し、その固定時間trの間Highレベルとなるようにして生成される。ホールド信号は、充電信号の立ち上がりエッジに同期して立ち上がり、所定の固定時間だけHighレベルに保持され、Lowレベルに立ち下がるようにして生成される。クリア信号は、ホールド信号の立ち下がりエッジに同期して立ち上がり、所定の固定時間だけHighレベルに保持され、Lowレベルに立ち下がるようにして生成される。なお、後述するように、コンデンサC1からコンデンサC2への電荷の移動及びコンデンサC1の放電は瞬時に行われるので、ホールド信号及びクリア信号のパルスは、発振回路11の出力信号の次の立ち上がりエッジまでにそれぞれ1つのパルスが含まれればよく、上記のような立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジに限定されない。
【0078】
きれいな残留振動の波形(電圧波形)を得るために、図21を参照して、固定時間tr及びt1の設定方法を説明する。固定時間trは、静電アクチュエータ120が初期ギャップ長gのときにおける静電容量Cで発振した発振パルスの周期から調整され、充電時間t1による充電電位がC1の充電範囲のおよそ1/2付近となるように設定される。また、ギャップ長gが最大(Max)の位置における充電時間t2から最小(Min)の位置における充電時間t3の間で、コンデンサC1の充電範囲を超えないように充電電位の傾きが設定される。すなわち、充電電位の傾きは、dV/dt=Is/C1によって決定されるため、定電流源13の出力定電流Isを適当な値に設定すればよい。この定電流源13の出力定電流Isをその範囲内でできるだけ高く設定することによって、静電アクチュエータ120によって構成されるコンデンサの微小な静電容量の変化を高感度で検出することができ、静電アクチュエータ120の振動板121の微小な変化を検出することが可能となる。
【0079】
次いで、図22を参照して、図16に示す波形整形回路15の構成を説明する。図22は、図16の波形整形回路15の回路構成を示す回路図である。この波形整形回路15は、残留振動波形を矩形波として判定手段20に出力するものである。この図22に示すように、波形整形回路15は、2つのコンデンサC3(DC成分除去手段)、C4と、2つの抵抗素子R2、R3と、2つの直流電圧源Vref1、Vref2と、増幅器(オペアンプ)151と、比較器(コンパレータ)152とから構成される。なお、残留振動波形の波形整形処理において、検出される波高値をそのまま出力して、残留振動波形の振幅を計測するように構成してもよい。
【0080】
F/V変換回路12のバッファ14の出力には、静電アクチュエータ120の初期ギャップgに基づくDC成分(直流成分)の静電容量成分が含まれている。この直流成分は各インクジェットヘッド100によりばらつきがあるため、コンデンサC3は、この静電容量の直流成分を除去するものである。そして、コンデンサC3は、バッファ14の出力信号におけるDC成分を除去し、残留振動のAC成分のみをオペアンプ151の反転入力端子に出力する。
【0081】
オペアンプ151は、直流成分が除去されたF/V変換回路12のバッファ14の出力信号を反転増幅するとともに、その出力信号の高域を除去するためのローパスフィルタを構成している。なお、このオペアンプ151は、単電源回路を想定している。オペアンプ151は、2つの抵抗素子R2、R3による反転増幅器を構成し、入力された残留振動(交流成分)は、−R3/R2倍に振幅される。
【0082】
また、オペアンプ151の単電源動作のために、その非反転入力端子に接続された直流電圧源Vref1によって設定された電位を中心に振動する、増幅された振動板121の残留振動波形が出力される。ここで、直流電圧源Vref1は、オペアンプ151が単電源で動作可能な電圧範囲の1/2程度に設定されている。さらに、このオペアンプ151は、2つのコンデンサC3、C4により、カットオフ周波数1/(2π×C4×R3)となるローパスフィルタを構成している。そして、直流成分を除去された後に増幅された振動板121の残留振動波形は、図20のタイミングチャートに示すように、次段の比較器(コンパレータ)152でもう一つの直流電圧源Vref2の電位と比較され、その比較結果が矩形波として波形整形回路15から出力される。なお、直流電圧源Vref2は、もう一つの直流電圧源Vref1を共用してもよい。
【0083】
次に、図20に示すタイミングチャートを参照して、図19のF/V変換回路12及び波形整形回路15の動作を説明する。上述のように生成された充電信号、クリア信号及びホールド信号に基づいて、図19に示すF/V変換回路12は動作する。図20のタイミングチャートにおいて、静電アクチュエータ120の駆動信号がヘッドドライバ33を介してインクジェットヘッド100に入力されると、図6(b)に示すように、静電アクチュエータ120の振動板121がセグメント電極122側に引きつけられ、この駆動信号の立ち下がりエッジに同期して、図6中上方に向けて急激に収縮する(図6(c)参照)。
【0084】
この駆動信号の立ち下がりエッジに同期して、駆動回路18と吐出異常検出手段10とを切り替える駆動/検出切替信号がHighレベルとなる。この駆動/検出切替信号は、対応するインクジェットヘッド100の駆動休止期間中、Highレベルに保持され、次の駆動信号が入力される前に、Lowレベルになる。この駆動/検出切替信号がHighレベルの間、図18の発振回路11は、静電アクチュエータ120の振動板121の残留振動に対応して発振周波数を変えながら発振している。
【0085】
上述のように、駆動信号の立ち下がりエッジ、すなわち、発振回路11の出力信号の立ち上がりエッジから、残留振動の波形がコンデンサC1に充電可能な範囲を超えないように予め設定された固定時間trだけ経過するまで、充電信号は、Highレベルに保持される。なお、充電信号がHighレベルである間、スイッチSW1はオフの状態である。
【0086】
固定時間trが経過し、充電信号がLowレベルになると、その充電信号の立ち下がりエッジに同期して、スイッチSW1がオンされる(図19参照)。そして、定電流源13とコンデンサC1とが接続され、コンデンサC1は、上述のように、傾きIs/C1で充電される。充電信号がLowレベルである期間、すなわち、発振回路11の出力信号の次のパルスの立ち上がりエッジに同期してHighレベルになるまでの間、コンデンサC1は充電される。
【0087】
充電信号がHighレベルになると、スイッチSW1はオフ(オープン)となり、定電流源13とコンデンサC1は切り離される。このとき、コンデンサC1には、充電信号がLowレベルの期間t1の間に充電された電位(すなわち、理想的にはIs×t1/C1(V))が保存されている。この状態で、ホールド信号がHighレベルになると、スイッチSW2がオンされ(図19参照)、コンデンサC1とコンデンサC2が、抵抗素子R1を介して接続される。スイッチSW2の接続後、2つのコンデンサC1、C2の充電電位差によって互いに充放電が行われ、2つのコンデンサC1、C2の電位差が概ね等しくなるように、コンデンサC1からコンデンサC2に電荷が移動する。
【0088】
ここで、コンデンサC1の静電容量に対してコンデンサC2の静電容量は、約1/10以下程度に設定されている。そのため、2つのコンデンサC1、C2間の電位差によって生じる充放電で移動する(使用される)電荷量は、コンデンサC1に充電されている電荷の1/10以下となる。したがって、コンデンサC1からコンデンサC2へ電荷が移動した後においても、コンデンサC1の電位差は、それほど変化しない(それほど下がらない)。なお、図19のF/V変換回路12では、コンデンサC2に充電されるときF/V変換回路12の配線のインダクタンス等により充電電位が急激に跳ね上がらないようにするために、抵抗素子R1とコンデンサC2により一次のローパスフィルタを構成している。
【0089】
コンデンサC2にコンデンサC1の充電電位と概ね等しい充電電位が保持された後、ホールド信号がLowレベルとなり、コンデンサC1はコンデンサC2から切り離される。さらに、クリア信号がHighレベルとなり、スイッチSW3がオンすることにより、コンデンサC1がグラウンドGNDに接続され、コンデンサC1に充電されていた電荷が0となるように放電動作が行なわれる。コンデンサC1の放電後、クリア信号はLowレベルとなり、スイッチSW3がオフすることにより、コンデンサC1の図19中上部の電極がグラウンドGNDから切り離され、次の充電信号が入力されるまで、すなわち、充電信号がLowレベルになるまで待機している。
【0090】
コンデンサC2に保持されている電位は、充電信号の立ち上がりのタイミング毎、すなわち、コンデンサC2への充電完了のタイミング毎に更新され、バッファ14を介して振動板121の残留振動波形として図22の波形整形回路15に出力される。したがって、発振回路11の発振周波数が高くなるように静電アクチュエータ120の静電容量(この場合、残留振動による静電容量の変動幅も考慮しなければならない)と抵抗素子112の抵抗値を設定すれば、図20のタイミングチャートに示すコンデンサC2の電位(バッファ14の出力)の各ステップ(段差)がより詳細になるので、振動板121の残留振動による静電容量の時間的な変化をより詳細に検出することが可能となる。
【0091】
以下同様に、充電信号がLowレベル→Highレベル→Lowレベル・・・と繰り返し、上記所定のタイミングでコンデンサC2に保持されている電位がバッファ14を介して波形整形回路15に出力される。波形整形回路15では、バッファ14から入力された電圧信号(図20のタイミングチャートにおいて、コンデンサC2の電位)の直流成分がコンデンサC3によって除去され、抵抗素子R2を介してオペアンプ151の反転入力端子に入力される。入力された残留振動の交流(AC)成分は、このオペアンプ151によって反転増幅され、コンパレータ152の一方の入力端子に出力される。コンパレータ152は、予め直流電圧源Vref2によって設定されている電位(基準電圧)と、残留振動波形(交流成分)の電位とを比較し、矩形波を出力する(図20のタイミングチャートにおける比較回路の出力)。
【0092】
次に、インクジェットヘッド100のインク滴吐出動作(駆動)と吐出異常検出動作(駆動休止)との切り替えタイミングについて説明する。図23は、駆動回路18と吐出異常検出手段10との切替手段23の概略を示すブロック図である。なお、この図23では、図16に示すヘッドドライバ33内の駆動回路18をインクジェットヘッド100の駆動回路として説明する。図20のタイミングチャートでも示したように、吐出異常検出処理は、インクジェットヘッド100の駆動信号と駆動信号の間、すなわち、駆動休止期間に実行されている。
【0093】
図23において、静電アクチュエータ120を駆動するために、切替手段23は、最初は駆動回路18側に接続されている。上述のように、駆動回路18から駆動信号(電圧信号)が振動板121に入力されると、静電アクチュエータ120が駆動し、振動板121は、セグメント電極122側に引きつけられ、印加電圧が0になるとセグメント電極122から離れる方向に急激に変位して振動(残留振動)を開始する。このとき、インクジェットヘッド100のノズル110からインク滴が吐出される。
【0094】
駆動信号のパルスが立ち下がると、その立ち下がりエッジに同期して駆動/検出切替信号(図20のタイミングチャート参照)が切替手段23に入力され、切替手段23は、駆動回路18から吐出異常検出手段(検出回路)10側に切り替えられ、静電アクチュエータ120(発振回路11のコンデンサとして利用)は吐出異常検出手段10と接続される。
【0095】
そして、吐出異常検出手段10は、上述のような吐出異常(ドット抜け)の検出処理を実行し、波形整形回路15の比較器152から出力される振動板121の残留振動波形データ(矩形波データ)を計測手段17によって残留振動波形の周期や振幅などに数値化する。本実施形態では、計測手段17は、残留振動波形データから特定の振動周期を測定し、その計測結果(数値)を判定手段20に出力する。
【0096】
具体的には、計測手段17は、比較器152の出力信号の波形(矩形波)の最初の立ち上がりエッジから次の立ち上がりエッジまでの時間(残留振動の周期)を計測するために、図示しないカウンタを用いて基準信号(所定の周波数)のパルスをカウントし、そのカウント値から残留振動の周期(特定の振動周期)を計測する。なお、計測手段17は、最初の立ち上がりエッジから次の立ち下がりエッジまでの時間を計測し、その計測された時間の2倍の時間を残留振動の周期として判定手段20に出力してもよい。以下、このようにして得られた残留振動の周期をTwとする。
【0097】
判定手段20は、計測手段17によって計測された残留振動波形の特定の振動周期など(計測結果)に基づいて、ノズルの吐出異常(ヘッド異常)の有無、吐出異常(ヘッド異常)の原因、比較偏差量などを判定し、その判定結果を制御部6に出力する。制御部6は、EEPROM(記憶手段)62の所定の格納領域にこの判定結果を保存する。そして、駆動回路18からの次の駆動信号が入力されるタイミングで、駆動/検出切替信号が切替手段23に再び入力され、駆動回路18と静電アクチュエータ120とを接続する。駆動回路18は、一旦駆動電圧を印加するとグラウンド(GND)レベルを維持するので、切替手段23によって上記のような切り替えを行っている(図20のタイミングチャート参照)。これにより、駆動回路18からの外乱などに影響されることなく、静電アクチュエータ120の振動板121の残留振動波形を正確に検出することができる。
【0098】
なお、本発明では、残留振動波形データは、比較器152により矩形波化したものに限定されない。例えば、オペアンプ151から出力された残留振動振幅データは、比較器152により比較処理を行うことなく、A/D変換を行う計測手段17によって随時数値化され、その数値化されたデータに基づいて、判定手段20により吐出異常の有無などを判定し、この判定結果を記憶手段62に記憶するように構成してもよい。
【0099】
また、ノズル110のメニスカス(ノズル110内インクが大気と接する面)は、振動板121の残留振動に同期して振動するため、インクジェットヘッド100は、インク滴の吐出動作後、このメニスカスの残留振動が音響抵抗rによって概ね決まった時間で減衰するのを待ってから(所定の時間待機して)、次の吐出動作を行っている。本発明では、この待機時間を有効に利用して振動板121の残留振動を検出しているので、インクジェットヘッド100の駆動に影響しない吐出異常検出を行うことができる。すなわち、インクジェットプリンタ1(液滴吐出装置)のスループットを低下させることなく、インクジェットヘッド100のノズル110の吐出異常検出処理を実行することができる。
【0100】
上述のように、インクジェットヘッド100のキャビティ141内に気泡が混入した場合には、正常吐出時の振動板121の残留振動波形に比べて、周波数が高くなるので、その周期は逆に正常吐出時の残留振動の周期よりも短くなる。また、ノズル110付近のインクが乾燥により増粘、固着した場合には、残留振動が過減衰となり、正常吐出時の残留振動波形に比べて、周波数が相当低くなるので、その周期は正常吐出時の残留振動の周期よりもかなり長くなる。また、ノズル110の出口付近に紙粉が付着した場合には、残留振動の周波数は、正常吐出時の残留振動の周波数よりも低く、しかし、インクの乾燥時の残留振動の周波数よりも高くなるので、その周期は、正常吐出時の残留振動の周期よりも長く、インク乾燥時の残留振動の周期よりも短くなる。
【0101】
したがって、正常吐出時の残留振動の周期として、所定の範囲Trを設け、また、ノズル110出口に紙粉が付着した場合における残留振動の周期と、ノズル110の出口付近でインクが乾燥した場合における残留振動の周期とを区別するために、所定のしきい値(所定の閾値)T1を設定することにより、このようなインクジェットヘッド100の吐出異常の原因を決定することができる。判定手段20は、上記吐出異常検出処理によって検出された残留振動波形の周期Twが所定の範囲の周期であるか否か、また、所定のしきい値よりも長いか否かを判定し、それによって、吐出異常(ヘッド異常)の原因を判定する。
【0102】
また、上述のように、キャビティ141内の気泡量と、振動板121の残留振動の周波数や周期(振動パターン)との関係を示す、テーブルや演算式等の検量線は、実験的に求めることができ、このインクジェットプリンタ1では、前記気泡量と残留振動の周期(振動パターン)との関係を示すテーブル(検量線)を予め作成し、そのテーブルに基づいて、キャビティ141内への気泡混入による吐出異常(ヘッド異常)の程度、すなわち、キャビティ141内の気泡量を検出(推定)する。
【0103】
なお、前記テーブルを含め、例えば、後述する気泡量と回復処理の条件との関係を示すテーブル、気泡量と気泡量検出の検出間隔(時間間隔)との関係を示すテーブル等、必要な各テーブル(検量線)や各データは、それぞれ、予め、実験的に求め、EEPEOM62に記憶しておき、必要に応じて、それを読み出して使用する。
【0104】
次に、本発明の液滴吐出装置の動作を、上述のインクジェットプリンタ1の構成に基づいて説明する。まず、1つのインクジェットヘッド100のノズル110に対する吐出異常検出処理(駆動/検出切替処理を含む)について説明する。図24は、吐出異常検出・判定処理を示すフローチャートである。印刷される印字データ(フラッシング動作における吐出データでもよい)がホストコンピュータ8からインターフェース(IF)9を介して制御部6に入力されると、所定のタイミングでこの吐出異常検出処理が実行される。なお、説明の都合上、この図24に示すフローチャートでは、1つのインクジェットヘッド100、すなわち、1つのノズル110の吐出動作に対応する吐出異常検出処理を示す。
【0105】
まず、印字データ(吐出データ)に対応する駆動信号がヘッドドライバ33の駆動回路18から入力され、それにより、図20のタイミングチャートに示すような駆動信号のタイミングに基づいて、静電アクチュエータ120の両電極間に駆動信号(電圧信号)が印加される(ステップS101)。そして、制御手段6は、駆動/検出切替信号に基づいて、吐出したインクジェットヘッド100が駆動休止期間であるか否かを判断する(ステップS102)。ここで、駆動/検出切替信号は、駆動信号の立ち下がりエッジに同期してHighレベルとなり(図20参照)、制御手段6から切替手段23に入力される。
【0106】
駆動/検出切替信号が切替手段23に入力されると、切替手段23によって、静電アクチュエータ120、すなわち、発振回路11を構成するコンデンサは、駆動回路18から切り離され、吐出異常検出手段10(検出回路)側、すなわち、残留振動検出手段16の発振回路11に接続される(ステップS103)。そして、後述する残留振動検出処理を実行し(ステップS104)、計測手段17は、この残留振動検出処理において検出された残留振動波形データから所定の数値を計測する(ステップS105)。ここでは、上述のように、計測手段17は、残留振動波形データからその残留振動の周期を計測する。
【0107】
次いで、判定手段20によって、計測手段の計測結果に基づいて、後述する吐出異常判定処理が実行され(ステップS106)、その判定結果を制御部6のEEPROM(記憶手段)62の所定の格納領域に保存する(ステップS107)。そして、ステップS108においてインクジェットヘッド100が駆動期間であるか否かが判断される。すなわち、駆動休止期間が終了して、次の駆動信号が入力されたか否かが判断され、次の駆動信号が入力されるまで、このステップS108で待機している。
【0108】
次の駆動信号のパルスが入力されるタイミングで、駆動信号の立ち上がりエッジに同期して駆動/検出切替信号がLowレベルになると(ステップS108で「yes」)、切替手段23は、静電アクチュエータ120との接続を、吐出異常検出手段(検出回路)10から駆動回路18に切り替えて(ステップS109)、この吐出異常検出処理を終了する。
【0109】
なお、図24に示すフローチャートでは、計測手段17が残留振動検出処理(残留振動検出手段16)によって検出された残留振動波形から周期を計測する場合について示したが、本発明はこのような場合に限定されず、例えば、計測手段17は、残留振動検出処理において検出された残留振動波形データから、残留振動波形の位相差や振幅などの計測を行ってもよい。
【0110】
次に、図24に示すフローチャートのステップS104における残留振動検出処理(サブルーチン)について説明する。図25は、残留振動検出処理を示すフローチャートである。上述のように、切替手段23によって、静電アクチュエータ120と発振回路11とを接続すると(図24のステップS103)、発振回路11は、CR発振回路を構成し、静電アクチュエータ120の静電容量の変化(静電アクチュエータ120の振動板121の残留振動)に基づいて、発振する(ステップS201)。
【0111】
上述のタイミングチャートなどに示すように、発振回路11の出力信号(パルス信号)に基づいて、F/V変換回路12において、充電信号、ホールド信号及びクリア信号が生成され、これらの信号に基づいてF/V変換回路12によって発振回路11の出力信号の周波数から電圧に変換するF/V変換処理が行われ(ステップS202)、F/V変換回路12から振動板121の残留振動波形データが出力される。F/V変換回路12から出力された残留振動波形データは、波形整形回路15のコンデンサC3により、DC成分(直流成分)が除去され(ステップS203)、オペアンプ151により、DC成分が除去された残留振動波形(AC成分)が増幅される(ステップS204)。
【0112】
増幅後の残留振動波形データは、所定の処理により波形整形され、パルス化される(ステップS205)。すなわち、本実施形態では、比較器152において、直流電圧源Vref2によって設定された電圧値(所定の電圧値)とオペアンプ151の出力電圧とが比較される。比較器152は、この比較結果に基づいて、2値化された波形(矩形波)を出力する。この比較器152の出力信号は、残留振動検出手段16の出力信号であり、吐出異常判定処理を行うために、計測手段17に出力され、この残留振動検出処理が終了する。
【0113】
次に、図24に示すフローチャートのステップS106における吐出異常判定処理(サブルーチン)について説明する。図26は、制御部6及び判定手段20によって実行される吐出異常判定処理を示すフローチャートである。判定手段20は、上述の計測手段17によって計測された周期などの計測データ(計測結果)に基づいて、該当するインクジェットヘッド100からインク滴が正常に吐出したか否か、正常に吐出していない場合、すなわち、吐出異常の場合にはその原因が何かを判定する。
【0114】
まず、制御部6は、EEPROM62に保存されている残留振動の周期の所定の範囲Tr及び残留振動の周期の所定のしきい値T1を判定手段20に出力する。残留振動の周期の所定の範囲Trは、正常吐出時の残留振動周期に対して、正常と判定できる許容範囲を持たせたものである。これらのデータは、判定手段20の図示しないメモリに格納され、以下の処理が実行される。
【0115】
図24のステップS105において計測手段17によって計測された計測結果が判定手段20に入力される(ステップS301)。ここで、本実施形態では、計測結果は、振動板121の残留振動の周期Twである。
ステップS302において、判定手段20は、残留振動の周期Twが存在するか否か、すなわち、吐出異常検出手段10によって残留振動波形データが得られなかったか否かを判定する。残留振動の周期Twが存在しないと判定された場合には、判定手段20は、そのインクジェットヘッド100のノズル110は吐出異常検出処理においてインク滴を吐出していない未吐出ノズルであると判定する(ステップS306)。また、残留振動波形データが存在すると判定された場合には、続いて、ステップS303において、判定手段20は、その周期Twが正常吐出時の周期と認められる所定の範囲Tr内にあるか否かを判定する。
【0116】
残留振動の周期Twが所定の範囲Tr内にあると判定された場合には、対応するインクジェットヘッド100からインク滴が正常に吐出されたことを意味し、判定手段20は、そのインクジェットヘッド100のノズル110は正常にインク滴と吐出した(正常吐出)と判定する(ステップS307)。また、残留振動の周期Twが所定の範囲Tr内にないと判定された場合には、続いて、ステップS304において、判定手段20は、残留振動の周期Twが所定の範囲Trよりも短いか否かを判定する。
【0117】
残留振動の周期Twが所定の範囲Trよりも短いと判定された場合には、残留振動の周波数が高いことを意味し、上述のように、インクジェットヘッド100のキャビティ141内に気泡が混入しているものと考えられ、判定手段20は、そのインクジェットヘッド100のキャビティ141に気泡が混入しているもの(気泡混入)と判定する(ステップS308)。
【0118】
また、残留振動の周期Twが所定の範囲Trよりも長いと判定された場合には、続いて、判定手段20は、残留振動の周期Twが所定のしきい値T1よりも長いか否かを判定する(ステップS305)。残留振動の周期Twが所定のしきい値T1よりも長いと判定された場合には、残留振動が過減衰であると考えられ、判定手段20は、そのインクジェットヘッド100のノズル110付近のインクが乾燥により増粘しているもの(乾燥)と判定する(ステップS309)。
【0119】
そして、ステップS305において、残留振動の周期Twが所定のしきい値T1よりも短いと判定された場合には、この残留振動の周期Twは、Tr<Tw<T1を満たす範囲の値であり、上述のように、乾燥よりも周波数が高いノズル110の出口付近への紙粉付着であると考えられ、判定手段20は、そのインクジェットヘッド100のノズル110出口付近に紙粉が付着しているもの(紙粉付着)と判定する(ステップS310)。
【0120】
また、前記ステップS308の後、下記表1に示す、キャビティ141内の気泡量Vと、振動板121の残留振動の周期Twとの関係を表すテーブルに基づいて、残留振動の周期Twに対応する気泡量Vを求め、その気泡量Vを読み込む(ステップS311)。
なお、下記表1中の中心値Trcは、正常吐出時の残留振動の周期(所定の範囲)Trの中心値である。
【0121】
【表1】
Figure 0004314849
【0122】
このように、判定手段20によって、対象となるインクジェットヘッド100の正常吐出あるいは吐出異常の原因などが判定されると(ステップS306〜S311)、その判定結果および吐出異常の原因が気泡混入の場合の気泡量は、制御部6に出力され、この吐出異常判定処理を終了する。
各インクジェットヘッド100に対応する判定結果および吐出異常の原因が気泡混入の場合の気泡量は、それぞれ、後述する図24のステップS107において、処理対象となるインクジェットヘッド100と関連付けられて、制御部6のEEPROM(記憶手段)62の所定の格納領域に記憶される。
【0123】
なお、以下の説明では、前記判定結果および吐出異常の原因が気泡混入の場合の気泡量を、単に、「判定結果」と言うこともある。すなわち、判定結果には、吐出異常の原因の判定結果のみならず、吐出異常の原因が気泡混入の場合の気泡量が含まれる場合もある。また、気泡量の検出を含めて、吐出異常の検出・判定、吐出異常の原因の判定と言うこともある。
【0124】
次に、複数のインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)100、すなわち、複数のノズル110を備えるインクジェットプリンタ1を想定し、そのインクジェットプリンタ1におけるインクジェットヘッド100に設けられた複数のノズル110を選択する吐出選択手段(ノズルセレクタ)182と、各インクジェットヘッド100の吐出異常検出・判定のタイミングについて説明する。
【0125】
なお、以下では、説明を分かりやすくするため、印字手段3が備える複数のヘッドユニット35のうちの1つのヘッドユニット35について説明し、また、このヘッドユニット35は、5つのインクジェットヘッド100a〜100eを備える(すなわち、5つのノズル110を備える)ものとするが、本発明では、印字手段3が備えるヘッドユニット35の数量や、各ヘッドユニット35が備えるインクジェットヘッド100(ノズル110)の数量は、それぞれ、いくつであってもよい。
【0126】
図27〜図30は、吐出選択手段182を備えるインクジェットプリンタ1における吐出異常検出・判定タイミングのいくつかの例を示すブロック図である。以下、各図の構成例を順次説明する。
図27は、複数(5つ)のインクジェットヘッド100a〜100eの吐出異常検出のタイミングの一例(吐出異常検出手段10が1つの場合)である。この図27に示すように、複数のインクジェットヘッド100a〜100eを有するインクジェットプリンタ1は、駆動波形を生成する駆動波形生成手段181と、いずれのノズル110からインク滴を吐出するかを選択することができる吐出選択手段182と、この吐出選択手段182によって選択され、駆動波形生成手段181によって駆動される複数のインクジェットヘッド100a〜100eとを備えている。なお、図27の構成では、上記以外の構成は図2、図16および図23に示したものと同様であるため、その説明を省略する。
【0127】
なお、本実施形態では、駆動波形生成手段181および吐出選択手段182は、ヘッドドライバ33の駆動回路18に含まれるものとして説明するが(図27では、切替手段23を介して2つのブロックとして示しているが、一般的には、いずれもヘッドドライバ33内に構成される)、本発明はこの構成に限定されず、例えば、駆動波形生成手段181は、ヘッドドライバ33とは独立した構成としてもよい。
【0128】
この図27に示すように、吐出選択手段182は、シフトレジスタ182aと、ラッチ回路182bと、ドライバ182cとを備えている。シフトレジスタ182aには、図2に示すホストコンピュータ8から出力され、制御部6において所定の処理をされた印字データ(吐出データ)と、クロック信号(CLK)が順次入力される。この印字データは、クロック信号(CLK)の入力パルスに応じて(クロック信号の入力の度に)シフトレジスタ182aの初段から順次後段側にシフトして入力され、各インクジェットヘッド100a〜100eに対応する印字データとしてラッチ回路182bに出力される。なお、後述する吐出異常検出処理では、印字データではなくフラッシング(予備吐出)時の吐出データが入力されるが、この吐出データとは、すべてのインクジェットヘッド100a〜100eに対する印字データを意味している。なお、フラッシング時は、ラッチ回路の出力が全て吐出となる値に設定されるようにハード的に処理をしても良い。
【0129】
ラッチ回路182bは、ヘッドユニット35のノズル110の数、すなわち、インクジェットヘッド100の数に対応する印字データがシフトレジスタ182aに格納された後、入力されるラッチ信号によってシフトレジスタ182aの各出力信号をラッチする。ここで、CLEAR信号が入力された場合には、ラッチ状態が解除され、ラッチされていたシフトレジスタ182aの出力信号は0(ラッチの出力停止)となり、印字動作は停止される。CLEAR信号が入力されていない場合には、ラッチされたシフトレジスタ182aの印字データがドライバ182cに出力される。シフトレジスタ182aから出力される印字データがラッチ回路182bによってラッチされた後、次の印字データをシフトレジスタ182aに入力し、印字タイミングに合わせてラッチ回路182bのラッチ信号を順次更新している。
【0130】
ドライバ182cは、駆動波形生成手段181と各インクジェットヘッド100の静電アクチュエータ120とを接続するものであり、ラッチ回路182bから出力されるラッチ信号で指定(特定)された各静電アクチュエータ120(インクジェットヘッド100a〜100eのいずれかあるいはすべての静電アクチュエータ120)に駆動波形生成手段181の出力信号(駆動信号)を入力し、それによって、その駆動信号(電圧信号)が静電アクチュエータ120の両電極間に印加される。
【0131】
この図27に示すインクジェットプリンタ1は、複数のインクジェットヘッド100a〜100eを駆動する1つの駆動波形生成手段181と、各インクジェットヘッド100a〜100eのいずれかのインクジェットヘッド100に対して吐出異常(インク滴不吐出)を検出する吐出異常検出手段10と、この吐出異常検出手段10によって得られた吐出異常の原因などの判定結果を保存(格納)する記憶手段62と、駆動波形生成手段181と吐出異常検出手段10とを切り替える1つの切替手段23とを備えている。したがって、このインクジェットプリンタ1は、駆動波形生成手段181から入力される駆動信号に基づいて、ドライバ182cによって選択されたインクジェットヘッド100a〜100eのうちの1つまたは複数を駆動し、駆動/検出切替信号が吐出駆動動作後に切替手段23に入力されることによって、切替手段23が駆動波形生成手段181から吐出異常検出手段10にインクジェットヘッド100の静電アクチュエータ120との接続を切り替えた後、振動板121の残留振動波形に基づいて、吐出異常検出手段10によって、そのインクジェットヘッド100のノズル110における吐出異常(インク滴不吐出)を検出し、吐出異常の場合にはその原因を判定するものである。
【0132】
そして、このインクジェットプリンタ1は、1つのインクジェットヘッド100のノズル110について吐出異常を検出・判定すると、次に駆動波形生成手段181から入力される駆動信号に基づいて、次に指定されたインクジェットヘッド100のノズル110について吐出異常を検出・判定し、以下同様に、駆動波形生成手段181の出力信号によって駆動されるインクジェットヘッド100のノズル110についての吐出異常を順次検出・判定する。そして、上述のように、残留振動検出手段16が振動板121の残留振動波形を検出すると、計測手段17がその波形データに基づいて残留振動波形の周期などを計測し、判定手段20が、計測手段17の計測結果に基づいて、正常吐出か吐出異常か、および、吐出異常(ヘッド異常)の場合には吐出異常の原因を判定して、記憶手段62にその判定結果を出力する。
【0133】
このように、この図27に示すインクジェットプリンタ1では、複数のインクジェットヘッド100a〜100eの各ノズル110についてインク滴吐出駆動動作の際に順次吐出異常を検出・判定する構成としているので、吐出異常検出手段10と切替手段23とを1つずつ備えるだけでよく、吐出異常を検出・判定可能なインクジェットプリンタ1の回路構成をスケールダウンできるとともに、その製造コストの増加を防止することができる。
【0134】
図28は、複数のインクジェットヘッド100の吐出異常検出のタイミングの一例(吐出異常検出手段10の数がインクジェットヘッド100の数と同じ場合)である。この図28に示すインクジェットプリンタ1は、1つの吐出選択手段182と、5つの吐出異常検出手段10a〜10eと、5つの切替手段23a〜23eと、5つのインクジェットヘッド100a〜100eに共通の1つの駆動波形生成手段181と、1つの記憶手段62とを備えている。なお、各構成要素は、図27の説明において既に上述しているので、その説明を省略し、これらの接続について説明する。
【0135】
図27に示す場合と同様に、吐出選択手段182は、ホストコンピュータ8から入力される印字データ(吐出データ)とクロック信号CLKに基づいて、各インクジェットヘッド100a〜100eに対応する印字データをラッチ回路182bにラッチし、駆動波形生成手段181からドライバ182cに入力される駆動信号(電圧信号)に応じて、印字データに対応するインクジェットヘッド100a〜100eの静電アクチュエータ120を駆動させる。駆動/検出切替信号は、すべてのインクジェットヘッド100a〜100eに対応する切替手段23a〜23eにそれぞれ入力され、切替手段23a〜23eは、対応する印字データ(吐出データ)の有無にかかわらず、駆動/検出切替信号に基づいて、インクジェットヘッド100の静電アクチュエータ120に駆動信号を入力後、駆動波形生成手段181から吐出異常検出手段10a〜10eにインクジェットヘッド100との接続を切り替える。
【0136】
すべての吐出異常検出手段10a〜10eにより、それぞれのインクジェットヘッド100a〜100eの吐出異常を検出・判定した後、その検出処理で得られたすべてのインクジェットヘッド100a〜100eの判定結果が、記憶手段62に出力され、記憶手段62は、各インクジェットヘッド100a〜100eの吐出異常の有無および吐出異常の原因を所定の保存領域に格納する。
【0137】
このように、この図28に示すインクジェットプリンタ1では、複数のインクジェットヘッド100a〜100eの各ノズル110に対応して複数の吐出異常検出手段10a〜10eを設け、それらに対応する複数の切替手段23a〜23eによって切替動作を行って、吐出異常検出およびその原因判定を行っているので、一度にすべてのノズル110について短時間に吐出異常検出およびその原因判定を行うことができる。
【0138】
図29は、複数のインクジェットヘッド100の吐出異常検出のタイミングの一例(吐出異常検出手段10の数がインクジェットヘッド100の数と同じであり、印字データがあるときに吐出異常検出を行う場合)である。この図29に示すインクジェットプリンタ1は、図28に示すインクジェットプリンタ1の構成に、切替制御手段19を追加(付加)したものである。本実施形態では、この切替制御手段19は、複数のAND回路(論理積回路)ANDa〜ANDeから構成され、各インクジェットヘッド100a〜100eに入力される印字データと、駆動/検出切替信号とが入力されると、対応する切替手段23a〜23eにHighレベルの出力信号を出力するものである。なお、切替制御手段はAND回路(論理積回路)に限定されない。駆動するインクジェットヘッドが選択されるラッチ回路の出力に一致した切替手段が選択されていれば良い。
【0139】
各切替手段23a〜23eは、切替制御手段19のそれぞれ対応するAND回路ANDa〜ANDeの出力信号に基づいて、駆動波形生成手段181からそれぞれ対応する吐出異常検出手段10a〜10eへ、対応するインクジェットヘッド100a〜100eの静電アクチュエータ120との接続を切り替える。具体的には、対応するAND回路ANDa〜ANDeの出力信号がHighレベルであるとき、すなわち、駆動/検出切替信号がHighレベルの状態で対応するインクジェットヘッド100a〜100eに入力される印字データがラッチ回路182bからドライバ182cに出力されている場合には、そのAND回路に対応する切替手段23a〜23eは、対応するインクジェットヘッド100a〜100eへの接続を、駆動波形生成手段181から吐出異常検出手段10a〜10eに切り替える。
【0140】
印字データが入力されたインクジェットヘッド100に対応する吐出異常検出手段10a〜10eにより、各インクジェットヘッド100の吐出異常の有無および吐出異常の場合にはその原因を検出した後、その吐出異常検出手段10は、その検出処理で得られた判定結果を記憶手段62に出力する。記憶手段62は、このように入力された(得られた)1または複数の判定結果を所定の保存領域に格納する。
【0141】
このように、この図29に示すインクジェットプリンタ1では、複数のインクジェットヘッド100a〜100eの各ノズル110に対応して複数の吐出異常検出手段10a〜10eを設け、それぞれのインクジェットヘッド100a〜100eに対応する印字データがホストコンピュータ8から制御部6を介して吐出選択手段182に入力されたときに、切替制御手段19によって指定された切替手段23a〜23eのみが所定の切替動作を行って、インクジェットヘッド100の吐出異常検出およびその原因判定を行っているので、吐出駆動動作をしていないインクジェットヘッド100についてはこの検出・判定処理を行わない。したがって、このインクジェットプリンタ1によって、無駄な検出および判定処理を回避することができる。
【0142】
図30は、複数のインクジェットヘッド100の吐出異常検出のタイミングの一例(吐出異常検出手段10の数がインクジェットヘッド100の数と同じであり、各インクジェットヘッド100を巡回して吐出異常検出を行う場合)である。この図30に示すインクジェットプリンタ1は、図29に示すインクジェットプリンタ1の構成において吐出異常検出手段10を1つとし、駆動/検出切替信号を走査する(検出・判定処理を実行するインクジェットヘッド100を1つずつ特定する)切替選択手段19aを追加したものである。
【0143】
この切替選択手段19aは、図29に示す切替制御手段19に、制御部6から入力される走査信号(選択信号)に基づいて、複数のインクジェットヘッド100a〜100eに対応するAND回路ANDa〜ANDeへの駆動/検出切替信号の入力を走査する(選択して切り替える)セレクタ191を接続したものである。この切替制御手段19の走査(選択)順は、シフトレジスタ182aに入力される印字データの順、すなわち、複数のインクジェットヘッド100の吐出順であってもよいが、単純に複数のインクジェットヘッド100a〜100eの順であってもよい。
【0144】
走査順がシフトレジスタ182aに入力される印字データの順である場合、吐出選択手段182のシフトレジスタ182aに印字データが入力されると、その印字データはラッチ回路182bにラッチされ、ラッチ信号の入力によりドライバ182cに出力される。印字データのシフトレジスタ182aへの入力、あるいはラッチ信号のラッチ回路182bへの入力に同期して、印字データに対応するインクジェットヘッド100を特定するための走査信号が切替選択手段19aのセレクタ191に入力され、対応するAND回路に駆動/検出切替信号が出力される。なお、セレクタ191の出力端子は、非選択時Lowレベルを出力する。
【0145】
その対応するAND回路は、ラッチ回路182bから入力された印字データと、セレクタ191から入力された駆動/検出切替信号とを論理積演算することにより、Highレベルの出力信号を対応する切替手段23に出力する。そして、切替選択手段19aからHighレベルの出力信号が入力された切替手段23は、対応するインクジェットヘッド100の静電アクチュエータ120への接続を、駆動波形生成手段181から吐出異常検出手段10に切り替える。
吐出異常検出手段10は、印字データが入力されたインクジェットヘッド100の吐出異常を検出し、吐出異常がある場合にはその原因を判定した後、その判定結果を記憶手段62に出力する。そして、記憶手段62は、このように入力された(得られた)判定結果を所定の保存領域に格納する。
【0146】
また、走査順が単純なインクジェットヘッド100a〜100eの順である場合、吐出選択手段182のシフトレジスタ182aに印字データが入力されると、その印字データはラッチ回路182bにラッチされ、ラッチ信号の入力によりドライバ182cに出力される。印字データのシフトレジスタ182aへの入力、あるいはラッチ信号のラッチ回路182bへの入力に同期して、印字データに対応するインクジェットヘッド100を特定するための走査(選択)信号が切替選択手段19aのセレクタ191に入力され、対応するAND回路に駆動/検出切替信号が出力される。
【0147】
ここで、切替選択手段19aのセレクタ191に入力された走査信号により定められたインクジェットヘッド100に対する印字データがシフトレジスタ182aに入力されたときには、それに対応するAND回路の出力信号がHighレベルとなり、切替手段23は、対応するインクジェットヘッド100への接続を、駆動波形生成手段181から吐出異常検出手段10に切り替える。しかしながら、上記印字データがシフトレジスタ182aに入力されないときには、AND回路の出力信号はLowレベルであり、対応する切替手段23は、所定の切替動作を実行しない。従って、切替選択手段19aのセレクタ191の選択結果と切替制御手段19によって指定された結果との論理積に基づいてインクジェットヘッド100への吐出異常検出が行われる。
【0148】
切替手段23によって切替動作が行われた場合には、上記と同様に、吐出異常検出手段10は、印字データが入力されたインクジェットヘッド100の吐出異常を検出し、吐出異常がある場合にはその原因を判定した後、その判定結果を記憶手段62に出力する。そして、記憶手段62は、このように入力された(得られた)判定結果を所定の保存領域に格納する。
【0149】
なお、切替選択手段19aで特定されたインクジェットヘッド100に対する印字データがないときには、上述のように、対応する切替手段23が切替動作を実行しないので、吐出異常検出手段10による吐出異常検出処理を実行する必要はないが、そのような処理が実行されてもよい。切替動作が行われずに吐出異常検出処理が実行された場合、吐出異常検出手段10の判定手段20は、図26のフローチャートに示すように、対応するインクジェットヘッド100のノズル110を未吐出ノズルであると判定し(ステップS306)、その判定結果を記憶手段62の所定の保存領域に格納する。
【0150】
このように、この図30に示すインクジェットプリンタ1では、図28または図29に示すインクジェットプリンタ1とは異なり、複数のインクジェットヘッド100a〜100eの各ノズル110に対して1つの吐出異常検出手段10のみを設け、それぞれのインクジェットヘッド100a〜100eに対応する印字データがホストコンピュータ8から制御部6を介して吐出選択手段182に入力され、それと同時に走査(選択)信号により特定されて、その印字データに応じて吐出駆動動作をするインクジェットヘッド100に対応する切替手段23のみが切替動作を行って、対応するインクジェットヘッド100の吐出異常検出およびその原因判定を行っているので、一度に大量の検出結果を処理する事がなく制御部6への負担を軽くする事ができる。また、吐出異常検出手段が吐出動作とは別にノズルの状態を巡回しているため、駆動印字中でも1ノズル毎に吐出の異常を把握しているのでヘッド全体のノズル状態を知る事ができる。例えば、これにより定期的に吐出異常検出のために印刷停止して1ノズル毎、吐出の異常を検出する工程を少なくする事ができる。以上から効率的にヘッドユニット35の各インクジェットヘッド100の吐出異常検出およびその原因判定を行うことができる。
【0151】
また、図28または図29に示すインクジェットプリンタ1とは異なり、図30に示すインクジェットプリンタ1は、吐出異常検出手段10を1つのみ備えていればよいので、図28および図29に示すインクジェットプリンタ1に比べ、インクジェットプリンタ1の回路構成をスケールダウンすることができるとともに、その製造コストの増加を防止することができる。
【0152】
次に、図27〜図30に示すプリンタ1の動作、すなわち、複数のインクジェットヘッド100を備えるインクジェットプリンタ1における吐出異常検出処理(主に、検出タイミング)について説明する。吐出異常検出・判定処理(多ノズルにおける処理)は、各インクジェットヘッド100の静電アクチュエータ120がインク滴吐出動作を行ったときの振動板121の残留振動を検出し、その残留振動の周期に基づいて、該当するインクジェットヘッド100に対し吐出異常(ドット抜け、インク滴不吐出)が生じているか否か、ドット抜け(インク滴不吐出)が生じた場合には、その原因が何であるかを判定している。このように、本発明では、インクジェットヘッド100によるインク滴(液滴)の吐出動作が行われれば、これらの検出・判定処理を実行できるが、インクジェットヘッド100がインク滴を吐出するのは、実際に記録用紙Pに印刷(プリント)している場合だけでなく、フラッシング動作(予備吐出あるいは予備的吐出)をしている場合もある。以下、この2つの場合について、吐出異常検出・判定処理(多ノズル)を説明する。
【0153】
ここで、フラッシング(予備吐出)処理とは、図1では図示していないキャップの装着時や、記録用紙P(メディア)にインク滴(液滴)がかからない場所において、ヘッドユニット35のすべてのあるいは対象となるノズル110からインク滴を吐出するヘッドクリーニング動作である。このフラッシング処理(フラッシング動作)は、例えば、ノズル110内のインク粘度を適正範囲の値に保持するために、定期的にキャビティ141内のインクを排出する際に実施したり、あるいは、インク増粘時の回復動作としても実施したりされる。さらに、フラッシング処理は、インクカートリッジ31を印字手段3に装着した後に、インクをキャビティ141に初期充填する場合にも実施される。
【0154】
また、ノズルプレート(ノズル面)150をクリーニングするためにワイピング処理(ヘッドユニット35のヘッド面に付着している付着物(紙粉やごみなど)を、図1では図示していないワイパで拭き取る処置)を行う場合があるが、このときノズル110内が負圧になって、他の色のインク(他の種類の液滴)を引込んでしまう可能性がある。そのため、ワイピング処理後に、ヘッドユニット35のすべてのノズル110から一定量のインク滴を吐出させるためにもフラッシング処理が実施される。さらに、フラッシング処理は、ノズル110のメニスカスの状態を正常に保持して良好な印字を確保するためにも適時に実施され得る。
【0155】
まず、図31〜図33に示すフローチャートを参照して、フラッシング処理時における吐出異常検出・判定処理について説明する。なお、これらのフローチャートは、図27〜図30のブロック図を参照しながら説明する(以下、印字動作時においても同様)。図31は、図27に示すインクジェットプリンタ1のフラッシング動作時における吐出異常検出のタイミングを示すフローチャートである。
【0156】
所定のタイミングにおいて、インクジェットプリンタ1のフラッシング処理が実行されるとき、この図31に示す吐出異常検出・判定処理が実行される。制御部6は、吐出選択手段182のシフトレジスタ182aに1ノズル分の吐出データを入力し(ステップS401)、ラッチ回路182bにラッチ信号が入力されて(ステップS402)、この吐出データがラッチされる。そのとき、切替手段23は、その吐出データの対象であるインクジェットヘッド100の静電アクチュエータ120と駆動波形生成手段181とを接続する(ステップS403)。
【0157】
そして、吐出異常検出手段10によって、インク吐出動作を行ったインクジェットヘッド100に対して、図24のフローチャートに示す吐出異常検出・判定処理が実行される(ステップS404)。ステップS405において、制御部6は、吐出選択手段182に出力した吐出データに基づいて、図27に示すインクジェットプリンタ1のすべてのインクジェットヘッド100a〜100eのノズル110について吐出異常検出・判定処理が終了したか否かを判断する。そして、すべてのノズル110についてこれらの処理が終わっていないと判断されるときには、制御部6は、シフトレジスタ182aに次のインクジェットヘッド100のノズル110に対応する吐出データを入力し(ステップS406)、ステップS402に移行して同様の処理を繰り返す。
【0158】
また、ステップS405において、すべてのノズル110について上述の吐出異常検出および判定処理が終わったと判断される場合には、制御部6は、ラッチ回路182bにCLEAR信号を入力し、ラッチ回路182bのラッチ状態を解除して、図27に示すインクジェットプリンタ1における吐出異常検出・判定処理を終了する。
【0159】
上述のように、この図27に示すプリンタ1における吐出異常検出・判定処理では、1つの吐出異常検出手段10と1つの切替手段23とから検出回路が構成されているので、吐出異常検出処理および判定処理は、インクジェットヘッド100の数だけ繰り返されるが、吐出異常検出手段10を構成する回路はそれほど大きくならないという効果を有する。
【0160】
次いで、図32は、図28および図29に示すインクジェットプリンタ1のフラッシング動作時における吐出異常検出のタイミングを示すフローチャートである。図28に示すインクジェットプリンタ1と図29に示すインクジェットプリンタ1とは回路構成が若干異なるが、吐出異常検出手段10および切替手段23の数が、インクジェットヘッド100の数に対応する(同じである)点で一致している。そのため、フラッシング動作時における吐出異常検出・判定処理は、同様のステップから構成される。
【0161】
所定のタイミングにおいて、インクジェットプリンタ1のフラッシング処理が実行されるとき、制御部6は、吐出選択手段182のシフトレジスタ182aに全ノズル分の吐出データを入力し(ステップS501)、ラッチ回路182bにラッチ信号が入力されて(ステップS502)、この吐出データがラッチされる。そのとき、切替手段23a〜23eは、すべてのインクジェットヘッド100a〜100eと駆動波形生成手段181とをそれぞれ接続する(ステップS503)。
【0162】
そして、それぞれのインクジェットヘッド100a〜100eに対応する吐出異常検出手段10a〜10eによって、インク吐出動作を行ったすべてのインクジェットヘッド100に対して、図24のフローチャートに示す吐出異常検出・判定処理が並列的に実行される(ステップS504)。この場合、すべてのインクジェットヘッド100a〜100eに対応する判定結果が、処理対象となるインクジェットヘッド100と関連付けられて、記憶手段62の所定の格納領域に保存される(図24のステップS107)。
【0163】
そして、吐出選択手段182のラッチ回路182bにラッチされている吐出データをクリアするために、制御部6は、CLEAR信号をラッチ回路182bに入力して(ステップS505)、ラッチ回路182bのラッチ状態を解除して、図28および図29に示すインクジェットプリンタ1における吐出異常検出処理および判定処理を終了する。
【0164】
上述のように、この図28および図29に示すプリンタ1における処理では、インクジェットヘッド100a〜100eに対応する複数(この実施形態では5つ)の吐出異常検出手段10と複数の切替手段23とから検出および判定回路が構成されているので、吐出異常検出・判定処理は、一度にすべてのノズル110について短時間に実行され得るという効果を有する。
【0165】
次いで、図33は、図30に示すインクジェットプリンタ1のフラッシング動作時における吐出異常検出のタイミングを示すフローチャートである。以下同様に、図30に示すインクジェットプリンタ1の回路構成を用いて、フラッシング動作時における吐出異常検出処理および原因判定処理について説明する。
所定のタイミングにおいて、インクジェットプリンタ1のフラッシング処理が実行されるとき、まず、制御部6は、走査信号を切替選択手段19aのセレクタ191に出力し、この切替選択手段19aにより、最初の切替手段23aおよびインクジェットヘッド100aを設定(特定)する(ステップS601)。そして、吐出選択手段182のシフトレジスタ182aに全ノズル分の吐出データを入力し(ステップS602)、ラッチ回路182bにラッチ信号が入力されて(ステップS603)、この吐出データがラッチされる。そのとき、切替手段23aは、インクジェットヘッド100aの静電アクチュエータ120と駆動波形生成手段181とを接続している(ステップS604)。
【0166】
そして、インク吐出動作を行ったインクジェットヘッド100aに対して、図24のフローチャートに示す吐出異常検出・判定処理が実行される(ステップS605)。この場合、図24のステップS103において、セレクタ191の出力信号である駆動/検出切替信号と、吐出データとがAND回路ANDaに入力され、AND回路ANDaの出力信号がHighレベルとなることにより、切替手段23aは、インクジェットヘッド100aの静電アクチュエータ120と吐出異常検出手段10とを接続する。そして、図24のステップS106において実行される吐出異常判定処理の判定結果が、処理対象となるインクジェットヘッド100(ここでは、100a)と関連付けられて、記憶手段62の所定の格納領域に保存される(図24のステップS107)。
【0167】
ステップS606において、制御部6は、吐出異常検出・判定処理がすべてのノズルに対して終了したか否かを判断する。そして、まだすべてのノズルについて吐出異常検出・判定処理が終了していないと判断された場合には、制御部6は、走査信号を切替選択手段19aのセレクタ191に出力し、この切替選択手段19aにより、次の切替手段23bおよびインクジェットヘッド100bを設定(特定)し(ステップS607)、ステップS603に移行して、同様の処理を繰り返す。以下、すべてのインクジェットヘッド100について吐出異常検出・判定処理が終了するまでこのループを繰り返す。
【0168】
また、ステップS606において、すべてのノズル110について吐出異常検出処理および判定処理が終了したと判断される場合には、吐出選択手段182のラッチ回路182bにラッチされている吐出データをクリアするために、制御部6は、CLEAR信号をラッチ回路182bに入力して(ステップS609)、ラッチ回路182bのラッチ状態を解除して、図30に示すインクジェットプリンタ1における吐出異常検出処理および判定処理を終了する。
【0169】
上述のように、図30に示すインクジェットプリンタ1における処理では、複数の切替手段23と1つの吐出異常検出手段10から検出回路が構成され、切替選択手段19aのセレクタ191の走査信号により特定され、吐出データに応じて吐出駆動をするインクジェットヘッド100に対応する切替手段23のみが切替動作を行って、対応するインクジェットヘッド100の吐出異常検出および原因判定を行っているので、より効率的に各インクジェットヘッド100吐出異常検出および原因判定を行うことができる。
【0170】
なお、このフローチャートのステップS602では、シフトレジスタ171にすべてのノズル110に対応する吐出データを入力しているが、図31に示すフローチャートのように、切替選択手段19aによるインクジェットヘッド100の走査順に合わせて、シフトレジスタ182aに入力する吐出データを対応する1つのインクジェットヘッド100に入力し、1ノズル110ずつ吐出異常検出・判定処理を行ってもよい。
【0171】
次に、図34および図35に示すフローチャートを参照して、印字動作時におけるインクジェットプリンタ1の吐出異常検出・判定処理について説明する。図27に示すインクジェットプリンタ1においては、主に、フラッシング動作時における吐出異常検出処理および判定処理に適しているので、印字動作時のフローチャートおよびその動作説明を省略するが、この図27に示すインクジェットプリンタ1においても印字動作時に吐出異常検出・判定処理が行われてもよい。
【0172】
図34は、図28および図29に示すインクジェットプリンタ1の印字動作時における吐出異常検出のタイミングを示すフローチャートである。ホストコンピュータ8からの印刷(印字)指示により、このフローチャートの処理が実行(開始)される。制御部6を介してホストコンピュータ8から印字データが吐出選択手段182のシフトレジスタ182aに入力されると(ステップS701)、ラッチ回路182bにラッチ信号が入力されて(ステップS702)、その印字データがラッチされる。このとき、切替手段23a〜23eは、すべてのインクジェットヘッド100a〜100eと駆動波形生成手段181とを接続している(ステップS703)。
【0173】
そして、インク吐出動作を行ったインクジェットヘッド100に対応する吐出異常検出手段10は、図24のフローチャートに示す吐出異常検出・判定処理を実行する(ステップS704)。この場合、各インクジェットヘッド100に対応するそれぞれの判定結果が、処理対象となるインクジェットヘッド100と関連付けられて、記憶手段62の所定の格納領域に保存される。
【0174】
ここで、図28に示すインクジェットプリンタ1の場合には、切替手段23a〜23eは、制御部6から出力される駆動/検出切替信号に基づいて、インクジェットヘッド100a〜100eを吐出異常検出手段10a〜10eに接続する(図24のステップS103)。そのため、印字データの存在しないインクジェットヘッド100では、静電アクチュエータ120が駆動していないので、吐出異常検出手段10の残留振動検出手段16は、振動板121の残留振動波形を検出しない。一方、図29に示すインクジェットプリンタ1の場合には、切替手段23a〜23eは、制御部6から出力される駆動/検出切替信号と、ラッチ回路182bから出力される印字データとが入力されるAND回路の出力信号に基づいて、印字データの存在するインクジェットヘッド100を吐出異常検出手段10に接続する(図24のステップS103)。
【0175】
ステップS705において、制御部6は、インクジェットプリンタ1の印字動作が終了したか否かを判断する。そして、印字動作が終わっていないと判断されるときには、制御部6は、ステップS701に移行して、次の印字データをシフトレジスタ182aに入力し、同様の処理を繰り返す。また、印字動作が終了したと判断されるときには、吐出選択手段182のラッチ回路182bにラッチされている吐出データをクリアするために、制御部6は、CLEAR信号をラッチ回路182bに入力して(ステップS707)、ラッチ回路182bのラッチ状態を解除して、図28および図29に示すインクジェットプリンタ1における吐出異常検出処理および判定処理を終了する。
【0176】
上述のように、図28および図29に示すインクジェットプリンタ1は、複数の切替手段23a〜23eと、複数の吐出異常検出手段10a〜10eとを備え、一度にすべてのインクジェットヘッド100に対して吐出異常検出・判定処理を行っているので、これらの処理を短時間に行うことができる。また、図29に示すインクジェットプリンタ1は、切替制御手段19、すなわち、駆動/検出切替信号と印字データとを加算演算するAND回路ANDa〜ANDeをさらに備え、印字動作を行うインクジェットヘッド100のみに対して切替手段23による切替動作を行っているので、無駄な検出を行うことなく、吐出異常検出処理および判定処理を行うことができる。
【0177】
次いで、図35は、図30に示すインクジェットプリンタ1の印字動作時における吐出異常検出のタイミングを示すフローチャートである。ホストコンピュータ8からの印刷指示により、図30に示すインクジェットプリンタ1においてこのフローチャートの処理が実行される。まず、切替選択手段19aは、最初の切替手段23aおよびインクジェットヘッド100aを予め設定(特定)しておく(ステップS801)。
【0178】
制御部6を介してホストコンピュータ8から印字データが吐出選択手段182のシフトレジスタ182aに入力されると(ステップS802)、ラッチ回路182bにラッチ信号が入力されて(ステップS803)、その印字データがラッチされる。ここで、切替手段23a〜23eは、この段階では、すべてのインクジェットヘッド100a〜100eと駆動波形生成手段181(吐出選択手段182のドライバ182c)とを接続している(ステップS804)。
【0179】
そして、制御部6は、インクジェットヘッド100aに印字データがある場合には、切替選択手段19aによって吐出動作後静電アクチュエータ120が吐出異常検出手段10に接続され(図24のステップS103)、図24(図25)のフローチャートに示す吐出異常検出・判定処理を実行する(ステップS805)。そして、図24のステップS106において実行される吐出異常判定処理の判定結果が、処理対象となるインクジェットヘッド100(ここでは、100a)と関連付けられて、記憶手段62の所定の格納領域に保存される(図24のステップS107)。
【0180】
ステップS806において、制御手段6は、すべてのノズル110(すべてのインクジェットヘッド100)について上述の吐出異常検出・判定処理を終了したか否かを判断する。そして、すべてのノズル110について上記処理が終了したと判断される場合には、制御部6は、走査信号に基づいて、また最初のノズル110に対応する切替手段23aを設定し(ステップS808)、すべてのノズル110について上記処理が終了していないと判断される場合には、次のノズル110に対応する切替手段23bを設定する(ステップS807)。
【0181】
ステップS809において、制御手段6は、ホストコンピュータ8から指示された所定の印字動作が終了したか否かを判断する。そして、まだ印字動作が終了していないと判断された場合には、次の印字データがシフトレジスタ182aに入力され(ステップS802)、同様の処理を繰り返す。印字動作が終了したと判断された場合には、吐出選択手段182のラッチ回路182bにラッチされている吐出データをクリアするために、制御部6は、CLEAR信号をラッチ回路182bに入力して(ステップS811)、ラッチ回路182bのラッチ状態を解除して、図30に示すインクジェットプリンタ1における吐出異常検出・判定処理を終了する。
【0182】
以上のように、本発明の液滴吐出装置(インクジェットプリンタ1)は、振動板121と、振動板121を変位させる静電アクチュエータ120と、内部に液体が充填され、振動板121の変位により、該内部の圧力が変化(増減)されるキャビティ141と、キャビティ141に連通し、キャビティ141内の圧力の変化(増減)により液体を液滴として吐出するノズル110とを有するインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)100を複数個備え、さらに、これらの静電アクチュエータ120を駆動する駆動波形生成手段181と、複数のノズル110のうちいずれのノズル110から液滴を吐出するかを選択する吐出選択手段182と、振動板121の残留振動を検出し、この検出された振動板121の残留振動に基づいて、液滴の吐出の異常を検出する1つまたは複数の吐出異常検出手段10と、静電アクチュエータ120の駆動による液滴の吐出動作後、駆動/検出切替信号や印字データ、あるいは走査信号に基づいて、静電アクチュエータ120を駆動波形生成手段181から吐出異常検出手段10に切り替える1つまたは複数の切替手段23とを備え、一度(並列的)にあるいは順次に複数のノズル110の吐出異常を検出することとした。
【0183】
したがって、本発明の液滴吐出装置および液滴吐出ヘッドの吐出異常検出・判定方法によって、吐出異常検出およびその原因判定を短時間に行うことができるとともに、吐出異常検出手段10を含む検出回路の回路構成をスケールダウンすることができ、液滴吐出装置の製造コストの増加を防止することができる。また、静電アクチュエータ120の駆動後、吐出異常検出手段10に切り替えて吐出異常検出および原因判定を行っているので、アクチュエータの駆動に影響を与えることがなく、それによって、本発明の液滴吐出装置のスループットを低下または悪化させることがない。また、所定の構成要素を備えている既存の液滴吐出装置(インクジェットプリンタ)に、吐出異常検出手段10を装備することも可能である。
【0184】
また、本発明の液滴吐出装置は、上記構成と異なり、複数の切替手段23と、切替制御手段19と、1つあるいはノズル110の数量と対応する複数の吐出異常検出手段10とを備え、駆動/検出切替信号および吐出データ(印字データ)、あるいは、走査信号、駆動/検出切替信号および吐出データ(印字データ)に基づいて、対応する静電アクチュエータ120を駆動波形生成手段181または吐出選択手段182から吐出異常検出手段10に切り替えて、吐出異常検出および原因判定を行うこととした。
【0185】
したがって、本発明の液滴吐出装置によって、吐出データ(印字データ)が入力されていない、すなわち、吐出駆動動作をしていない静電アクチュエータ120に対応する切替手段は切替動作を行わないので、無駄な検出・判定処理を回避することができる。また、切替選択手段19aを利用する場合には、液滴吐出装置は、1つの吐出異常検出手段10のみを備えていればよいので、液滴吐出装置の回路構成をスケールダウンすることができるとともに、液滴吐出装置の製造コストの増加を防止することができる。
【0186】
次に、本発明の液滴吐出装置におけるインクジェットヘッド100(ヘッドユニット35)に対し、吐出異常(ヘッド異常)の原因を解消させる回復処理を実行する構成(回復手段24)について説明する。図36は、図1に示すインクジェットプリンタ1の上部から見た概略的な構造(一部省略)を示す図である。この図36に示すインクジェットプリンタ1は、図1の斜視図で示した構成以外に、インク滴不吐出(ヘッド異常)の回復処理を実行するためのワイパ300とキャップ310とを備える。
【0187】
回復手段24が実行する回復処理としては、各インクジェットヘッド100のノズル110から液滴を予備的に吐出するフラッシング処理と、後述するワイパ300(図37参照)によるワイピング処理と、後述するチューブポンプ320によるポンピング処理(ポンプ吸引処理)が含まれる。すなわち、回復手段24は、チューブポンプ320およびそれを駆動するパルスモータと、ワイパ300およびワイパ300の上下動駆動機構と、キャップ310の上下動駆動機構(図示せず)とを備え、フラッシング処理においてはヘッドドライバ33およびヘッドユニット35などが、また、ワイピング処理においてはキャリッジモータ41などが回復手段24の一部として機能する。フラッシング処理については上述しているので、以降、ワイピング処理およびポンピング処理について説明する。
【0188】
ここで、ワイピング処理とは、ヘッドユニット35のノズルプレート150(ノズル面)に付着した紙粉などの異物をワイパ300により拭き取る処理のことをいう。また、ポンピング処理(ポンプ吸引処理)とは、後述するチューブポンプ320を駆動して、ヘッドユニット35の各ノズル110から、キャビティ141内のインクを吸引して排出する処理をいう。このように、ワイピング処理は、上述のようなインクジェットヘッド100の液滴の吐出異常の原因の1つである紙粉付着の状態における回復処理として適切な処理である。また、ポンプ吸引処理は、前述のフラッシング処理では取り除けないキャビティ141内の気泡を除去し、あるいは、ノズル110付近のインクが乾燥によりまたはキャビティ141内のインクが経年劣化により増粘した場合に、増粘したインクを除去する回復処理として適切な処理である。なお、それほど増粘が進んでおらず粘度がそれほど大きくない場合には、上述のフラッシング処理による回復処理も行われ得る。この場合、排出するインク量が少ないので、スループットやランニングコストを低下させずに適切な回復処理を行うことができる。
【0189】
複数のヘッドユニット35を有する印字手段3は、キャリッジ32に搭載され、2本のキャリッジガイド軸422にガイドされてキャリッジモータ41により、図中その上端に備えられた連結部34を介してタイミングベルト421に連結して移動する。キャリッジ32に搭載された印字手段3は、キャリッジモータ41の駆動により移動するタイミングベルト421を介して(タイミングベルト421に連動して)主走査方向に移動可能である。なお、キャリッジモータ41は、タイミングベルト421を連続的に回転させるためのプーリの役割を果たし、他端側にも同様にプーリ44が備えられている。
【0190】
また、キャップ310は、ヘッドユニット35のノズルプレート150(図5参照)のキャッピングを行うためのものである。キャップ310には、その底部側面に孔が形成され、後述するように、チューブポンプ320の構成要素である可撓性のチューブ321が接続されている。なお、チューブポンプ320については、図39において後述する。
【0191】
記録(印字)動作時には、所定のインクジェットヘッド100(液滴吐出ヘッド)の静電アクチュエータ120を駆動しながら、ヘッドユニット35(印字手段3)を主走査方向、すなわち、図36中左右に移動し、また、記録用紙Pを副走査方向、すなわち、図36中下方に移動することにより、インクジェットプリンタ(液滴吐出装置)1は、ホストコンピュータ8から入力された印刷データ(印字データ)に基づいて所定の画像などを記録用紙Pに印刷(記録)する。
【0192】
図37は、図36に示すワイパ300とヘッドユニット35との位置関係を示す図である。この図37において、ヘッドユニット35とワイパ300は、図36に示すインクジェットプリンタ1の図中下側から上側を見た場合の側面図の一部として示される。ワイパ300は、図37(a)に示すように、ヘッドユニット35のノズル面、すなわち、ヘッドユニット35のノズルプレート150と当接可能なように、上下移動可能に配置される。
【0193】
ここで、ワイパ300を利用する回復処理であるワイピング処理について説明する。ワイピング処理を行う際、図37(a)に示すように、ノズル面(ノズルプレート150)よりもワイパ300の先端が上側に位置するように図示しない駆動装置によってワイパ300は上方に移動される。この場合において、キャリッジモータ41を駆動して図中左方向(矢印の方向)にヘッドユニット35を移動させると、ワイピング部材301がノズルプレート150(ノズル面)に当接することになる。
【0194】
なお、ワイピング部材301は可撓性のゴム部材等から構成されるので、図37(b)に示すように、ワイピング部材301のノズルプレート150と当接する先端部分は撓み、その先端部によってノズルプレート150(ノズル面)の表面をクリーニング(拭き掃除)する。これにより、ノズルプレート150(ノズル面)に付着した紙粉などの異物(例えば、紙粉、空気中に浮遊するごみ、ゴムの切れ端など)を除去することができる。また、このような異物の付着状態に応じて(異物が多く付着している場合には)、ヘッドユニット35にワイパ300の上方を往復移動させることによって、ワイピング処理を複数回実施することもできる。
【0195】
図38は、ポンプ吸引処理時における、ヘッドユニット35と、キャップ310およびポンプ320との関係を示す図である。チューブ321は、ポンピング処理(ポンプ吸引処理)におけるインク排出路を形成するものであり、その一端は、上述のように、キャップ310の底部に接続され、他端は、チューブポンプ320を介して排インクカートリッジ340に接続されている。
【0196】
キャップ310の内部底面には、インク吸収体330が配置されている。このインク吸収体330は、ポンプ吸引処理やフラッシング処理においてインクジェットヘッド100のノズル110から吐出されるインクを吸収して、一時貯蔵する。なお、インク吸収体330によって、キャップ310内へのフラッシング動作時に、吐出された液滴が跳ね返ってノズルプレート150を汚すことを防止することができる。
【0197】
図39は、図38に示すチューブポンプ320の構成を示す概略図である。この図39(B)に示すように、チューブポンプ320は、回転式ポンプであり、回転体322と、その回転体322の円周部に配置された4つのローラ323と、ガイド部材350とを備えている。なお、ローラ323は、回転体322により支持されており、ガイド部材350のガイド351に沿って円弧状に載置された可撓性のチューブ321を加圧するものである。
【0198】
このチューブポンプ320は、軸322aを中心にして回転体322を図39に示す矢印X方向に回転させることにより、チューブ321に当接している1つまたは2つのローラ323が、Y方向に回転しながら、ガイド部材350の円弧状のガイド351に載置されたチューブ321を順次加圧する。これにより、チューブ321が変形し、このチューブ321内に発生した負圧により、各インクジェットヘッド100のキャビティ141内のインク(液状材料)がキャップ310を介して吸引され、気泡が混入し、あるいは乾燥により増粘した不要なインクがノズル110を介して、インク吸収体330に排出され、このインク吸収体330に吸収された排インクがチューブポンプ320を介して排インクカートリッジ340(図38参照)に排出される。
【0199】
なお、このチューブポンプ320は、図示しないパルスモータなどのモータにより駆動される。パルスモータは、制御部6により制御される。チューブポンプ320の回転制御に対する駆動情報、例えば、回転速度、回転数が記述されたルックアップテーブル、シーケンス制御が記述された制御プログラムなどは、制御部6のPROM64などに格納されており、これらの駆動情報に基づいて、制御部6のCPU61によってチューブポンプ320の制御が行われている。
【0200】
次に、回復手段24の動作(吐出異常回復処理)を説明する。図40は、本発明のインクジェットプリンタ1(液滴吐出装置)における吐出異常回復処理を示すフローチャートである。上述の吐出異常検出・判定処理(図24のフローチャート参照)において吐出異常のノズル110が検出され、その原因が判定されると、印刷動作(印字動作)などを行っていない所定のタイミングで、ヘッドユニット35が所定の待機領域(例えば、図36においてヘッドユニット35のノズルプレート150をキャップ310で覆う位置、あるいは、ワイパ300によるワイピング処理を実施可能な位置)まで移動されて、吐出異常回復処理が実行される。
【0201】
まず、制御部6は、図24のステップS107において制御部6のEEPROM62に保存された各ノズル110に対応する判定結果を読み出す(ステップS901)。ステップS902において、制御部6は、この読み出した判定結果に吐出異常のノズル110があるか否かを判定する。そして、吐出異常のノズル110がないと判定された場合、すなわち、すべてのノズル110から正常に液滴が吐出された場合には、そのまま、この吐出異常回復処理を終了する。
【0202】
一方、いずれかのノズル110が吐出異常であったと判定された場合には、ステップS903において、制御部6は、その吐出異常と判定されたノズル110が紙粉付着であるか否かを判定する。そして、そのノズル110の出口付近に紙粉が付着していないと判定された場合には、ステップS905に移行し、紙粉が付着していると判定された場合には、上述のワイパ300によるノズルプレート150へのワイピング処理を実行する(ステップS904)。
【0203】
ステップS905において、続いて、制御部6は、上記吐出異常と判定されたノズル110が気泡混入であるか否かを判定する。そして、気泡混入でないと判定された場合には、制御部6は、上記計測手段17によって計測された振動板121の残留振動の周期の長短に基づいて、チューブポンプ320によるポンプ吸引処理または吐出異常と判定されたノズル110のみもしくはすべてのノズル110に対するフラッシング処理を実行し(ステップS906)、この吐出異常回復処理を終了する。
【0204】
一方、気泡混入であると判定された場合には、制御部6は、気泡量Vが、0.6Va(閾値)より少ないか否かを判断し、気泡量Vが、0.6Va以上の場合は、下記ステップS909において、チューブポンプ320によるポンプ吸引処理を実行する。
この場合、まず、下記表2に示す、キャビティ141内の気泡量Vと、ポンプ吸引処理における吸引時間および吸引圧力(ポンプ吸引処理の条件)との関係を表すテーブルに基づいて、気泡量Vに対応する吸引時間および吸引圧力を求め、その吸引時間および吸引圧力を読み込む(ステップS908)。
【0205】
【表2】
Figure 0004314849
【0206】
上記表2に示すように、気泡量Vが多い程、ポンプ吸引処理における吸引時間は、長く、また、吸引圧力は、高く設定されている。
次いで、チューブポンプ320によるポンプ吸引処理を実行し(ステップS909)、この吐出異常回復処理を終了する。このチューブポンプ320による吸引は、前記読み込んだ吸引圧力で前記読み込んだ吸引時間だけ行われる。
前記吸引圧力の設定は、例えば、チューブポンプ320の回転体322の回転速度(回転数)を所定値に調整することによりなされる。
【0207】
なお、チューブポンプ320に換えて、例えば、ピストン式吸引ポンプを用いる場合には、前記吸引圧力の設定は、例えば、そのピストンのストロークを所定値に調整することによりなされる。
また、気泡量Vが、0.6Vaより少ない場合は、下記ステップS911において、吐出異常と判定されたノズル110に対するフラッシング処理を実行する。
この場合、まず、上記表2に示す、キャビティ141内の気泡量Vと、フラッシング処理における液滴の吐出回数(フラッシング処理の条件)との関係を表すテーブルに基づいて、気泡量Vに対応する吐出回数(フラッシング回数)を求め、その吐出回数を読み込む(ステップS910)。
【0208】
上記表2に示すように、気泡量Vが多い程、フラッシング処理における液滴の吐出回数は、多く設定されている。
次いで、フラッシング処理を実行する(ステップS911)。このフラッシング処理における液滴の吐出は、前記読み込んだ吐出回数だけ行われる。
次いで、気泡混入による吐出異常(気泡)が解消したか否かを判別する(ステップS912)。
【0209】
このステップS912での判別は、前記ステップS911のフラッシング処理における振動板121の残留振動を利用して、前述した吐出異常検出・判定処理を実行して、行う。
なお、前記ステップS911のフラッシング処理とは別に、前述した吐出異常検出・判定処理を実行してもよい。
【0210】
気泡混入による吐出異常が解消した場合には、この吐出異常回復処理を終了する。
一方、気泡混入による吐出異常が解消しない場合には、チューブポンプ320によるポンプ吸引処理を実行し(ステップS913)、この吐出異常回復処理を終了する。このポンプ吸引処理の条件は、気泡量Vが1.0Vaの場合と同一とする。
【0211】
なお、図40に示すフローチャートでは、気泡量Vが閾値と同一のとき、ポンプ吸引処理を実行するようになっているが、気泡量Vが閾値と同一のとき、フラッシング処理を実行するようにしてもよい。
また、前記ステップS909およびステップS913における気泡混入による吐出異常の場合のポンプ吸引処理では、図示しないが、例えば、キャップ310内が複数に区画(細分化)され、複数の単位キャップが形成されており、各単位キャップ毎に、吸引の有無や、ポンプ吸引処理の条件を設定(調整)し得るように構成されたポンプ吸引装置を用いてもよい。
この場合、例えば、全ノズル110(インクジェットヘッド100)を、所定の複数のノズル100毎にグループ分けし、各グループに、それぞれ、前記単位キャップが対応するように構成してもよい。これにより、各グループ毎に、吸引の有無や、ポンプ吸引処理の条件を任意に設定することができる。
【0212】
この場合、例えば、各色毎にグループ分けすると、各色のヘッドユニット35に、それぞれ、前記単位キャップが対応する。これにより、各色のヘッドユニット35毎に、吸引の有無や、ポンプ吸引処理の条件を任意に設定することができる。
また、例えば、各ノズル110(インクジェットヘッド100)に、それぞれ、前記単位キャップが対応するように構成してもよい。これにより、各ノズル110毎に、吸引の有無や、ポンプ吸引処理の条件を任意に設定することができる。特に、吐出異常と判定されたノズル110のみに対し、ポンプ吸引処理を実行することができ、その吐出異常と判定されたノズル110に対し、それぞれ、ポンプ吸引処理の条件を任意に設定することができる。
【0213】
また、このインクジェットプリンタ1では、気泡量Vに応じて、前記吐出異常の検出を行う間隔(時間間隔)、特に、気泡量の検出を行う間隔を設定する。この場合、気泡量Vが多い程、前記検出間隔を短く設定する。
これにより、検出間隔を最適値に設定することができ、スループットが向上する。
【0214】
以下、代表的に、気泡量Vに応じて、気泡量の検出を行う間隔を設定する場合について説明する。
図42は、気泡量の検出間隔を気泡量Vに応じて設定し、気泡量の検出を行う処理を示すフローチャートである。
電源が投入されると(電源がONすると)、図42に示す処理が実行され、まず、フラッシング処理を行って、前述したように、振動板121の残留振動の周期Twを測定する(ステップST101)。
【0215】
次いで、下記表3に示す、キャビティ141内の気泡量Vと、振動板121の残留振動の周期Twと、気泡量の検出間隔Tdとの関係を表すテーブルに基づいて、残留振動の周期Twに対応する気泡量Vおよび検出間隔Tdを求め、その気泡量Vおよび検出間隔Tdを読み込む(ステップST102)。
なお、下記表3中の中心値Trcは、正常吐出時の残留振動の周期(所定の範囲)Trの中心値である。
【0216】
【表3】
Figure 0004314849
【0217】
次いで、経過時間が前記読み込まれた検出間隔Tdを経過した(経過時間>Td)か否かを判断し(ステップST103)、経過時間が検出間隔Tdを経過していない場合は、電源がOFFしたか否かを判断し(ステップST104)、電源がOFFしていなければ、ステップST103に戻り、再度、ステップST103以降を実行する。
【0218】
そして、経過時間が検出間隔Tdを経過した場合は、ステップST101に戻り、再度、ステップST101以降を実行する。すなわち、フラッシング処理を行って、前述したように、残留振動の周期Twを測定し(ステップST101)、上記表3に示すテーブルに基づいて、残留振動の周期Twに対応する気泡量Vおよび検出間隔Tdを求め、その気泡量Vおよび検出間隔Tdを読み込み(ステップST102)、この後、ステップST103以降を実行する。
このように、検出された気泡量Vに基づいて、次回の気泡量の検出までの検出間隔が設定され、電源がOFFすると、この処理を終了する。
【0219】
以上述べたように、このインクジェットプリンタ1によれば、キャビティ141内への気泡混入による吐出異常(ヘッド異常)の程度、すなわち、キャビティ141内の気泡量を精度良く検出(推定)することができる。
また、振動板121の残留振動の周期(振動パターン)に基づいて気泡量を検するので、構造が簡易であり、また、インクジェットプリンタ1の小型化を図ることができる。
【0220】
また、検出された気泡量に応じて、適切な回復処理を実行することができる。すなわち、フラッシング処理と、ポンプ吸引処理とを適切に選択して、回復処理を行うことができる。
また、フラッシング処理における吐出回数(フラッシング回数)を最適化でき、これにより、スループットが向上し、また、排インク量を減少させることができる。
【0221】
また、ポンプ吸引処理における吸引時間や、吸引圧力を最適化でき、これにより、スループットが向上し、また、排インク量を減少させることができる。
また、吐出異常の原因を判別することができ、その吐出異常の原因に対応する適切な回復処理(フラッシング処理、ポンプ吸引処理及びワイピング処理のいずれか又は2つ)を実行することができるので、従来の液滴吐出装置におけるシーケンシャルな回復処理とは異なり、回復処理を行った際に発生する無駄な排インクを減らすことができ、それによって、インクジェットプリンタ1全体のスループットの低下又は悪化を防止することができる。
【0222】
また、従来の吐出異常を検出可能な液滴吐出装置に比べ、他の部品(例えば、光学式のドット抜け検出装置など)を必要としないので、インクジェットヘッド100(ヘッドユニット35)、ひいては、インクジェットプリンタ1全体のサイズを大きくすることなく吐出異常を検出することができるとともに、吐出異常(ドット抜け)検出を行うことができるインクジェットプリンタ1の製造コストを低く抑えることができる。
【0223】
また、インク滴吐出動作後の振動板121の残留振動を用いて吐出異常を検出しているので、印字動作の途中でも吐出異常を検出することができる。
なお、本発明では、インク滴(液滴)を吐出しない程度に静電アクチュエータ(アクチュエータ)120を駆動して(空打ちをして)、吐出異常(ヘッド異常)、その原因、キャビティ141内への気泡混入による吐出異常の程度(キャビティ141内へ混入した気泡量)を検出してもよい。
【0224】
<第2実施形態>
次に、本発明におけるインクジェットヘッドの他の構成例について説明する。図43〜図46は、それぞれ、インクジェットヘッド(ヘッドユニット)の他の構成例の概略を示す断面図である。以下、これらの図に基づいて説明するが、前述した実施形態と相違する点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
【0225】
図43に示すインクジェットヘッド100Aは、圧電素子200の駆動により振動板212が振動し、キャビティ208内のインク(液体)がノズル203から吐出するものである。ノズル(孔)203が形成されたステンレス鋼製のノズルプレート202には、ステンレス鋼製の金属プレート204が接着フィルム205を介して接合されており、さらにその上に同様のステンレス鋼製の金属プレート204が接着フィルム205を介して接合されている。そして、その上には、連通口形成プレート206およびキャビティプレート207が順次接合されている。
【0226】
ノズルプレート202、金属プレート204、接着フィルム205、連通口形成プレート206およびキャビティプレート207は、それぞれ所定の形状(凹部が形成されるような形状)に成形され、これらを重ねることにより、キャビティ208およびリザーバ209が形成される。キャビティ208とリザーバ209とは、インク供給口210を介して連通している。また、リザーバ209は、インク取り入れ口211に連通している。
【0227】
キャビティプレート207の上面開口部には、振動板212が設置され、この振動板212には、下部電極213を介して圧電素子(ピエゾ素子)200が接合されている。また、圧電素子200の下部電極213と反対側には、上部電極214が接合されている。ヘッドドライブ215は、駆動電圧波形を生成する駆動回路を備え、上部電極214と下部電極213との間に駆動電圧波形を印加(供給)することにより、圧電素子200が振動し、それに接合された振動板212が振動する。この振動板212の振動によりキャビティ208の容積(キャビティ内の圧力)が変化し、キャビティ208内に充填されたインク(液体)がノズル203より液滴として吐出する。
液滴の吐出によりキャビティ208内で減少した液量は、リザーバ209からインクが供給されて補給される。また、リザーバ209へは、インク取り入れ口211からインクが供給される。
【0228】
図44に示すインクジェットヘッド100Bも前記と同様に、圧電素子200の駆動によりキャビティ221内のインク(液体)がノズルから吐出するものである。このインクジェットヘッド100Bは、一対の対向する基板220を有し、両基板220間に、複数の圧電素子200が所定間隔をおいて間欠的に設置されている。
【0229】
隣接する圧電素子200同士の間には、キャビティ221が形成されている。キャビティ221の図44中前方にはプレート(図示せず)、後方にはノズルプレート222が設置され、ノズルプレート222の各キャビティ221に対応する位置には、ノズル(孔)223が形成されている。
各圧電素子200の一方の面および他方の面には、それぞれ、一対の電極224が設置されている。すなわち、1つの圧電素子200に対し、4つの電極224が接合されている。これらの電極224のうち所定の電極間に所定の駆動電圧波形を印加することにより、圧電素子200がシェアモード変形して振動し(図44において矢印で示す)、この振動によりキャビティ221の容積(キャビティ内の圧力)が変化し、キャビティ221内に充填されたインク(液体)がノズル223より液滴として吐出する。すなわち、インクジェットヘッド100Bでは、圧電素子200自体が振動板として機能する。
【0230】
図45に示すインクジェットヘッド100Cも前記と同様に、圧電素子200の駆動によりキャビティ233内のインク(液体)がノズル231から吐出するものである。このインクジェットヘッド100Cは、ノズル231が形成されたノズルプレート230と、スペーサ232と、圧電素子200とを備えている。圧電素子200は、ノズルプレート230に対しスペーサ232を介して所定距離離間して設置されており、ノズルプレート230と圧電素子200とスペーサ232とで囲まれる空間にキャビティ233が形成されている。
【0231】
圧電素子200の図45中上面には、複数の電極が接合されている。すなわち、圧電素子200のほぼ中央部には、第1電極234が接合され、その両側部には、それぞれ第2の電極235が接合されている。第1電極234と第2電極235との間に所定の駆動電圧波形を印加することにより、圧電素子200がシェアモード変形して振動し(図45において矢印で示す)、この振動によりキャビティ233の容積(キャビティ内の圧力)が変化し、キャビティ233内に充填されたインク(液体)がノズル231より液滴として吐出する。すなわち、インクジェットヘッド100Cでは、圧電素子200自体が振動板として機能する。
【0232】
図46に示すインクジェットヘッド100Dも前記と同様に、圧電素子200の駆動によりキャビティ245内のインク(液体)がノズル241から吐出するものである。このインクジェットヘッド100Dは、ノズル241が形成されたノズルプレート240と、キャビティプレート242と、振動板243と、複数の圧電素子200を積層してなる積層圧電素子201とを備えている。
【0233】
キャビティプレート242は、所定の形状(凹部が形成されるような形状)に成形され、これにより、キャビティ245およびリザーバ246が形成される。キャビティ245とリザーバ246とは、インク供給口247を介して連通している。また、リザーバ246は、インク供給チューブ311を介してインクカートリッジ31と連通している。
【0234】
積層圧電素子201の図46中下端は、中間層244を介して振動板243と接合されている。積層圧電素子201には、複数の外部電極248および内部電極249が接合されている。すなわち、積層圧電素子201の外表面には、外部電極248が接合され、積層圧電素子201を構成する各圧電素子200同士の間(または各圧電素子の内部)には、内部電極249が設置されている。この場合、外部電極248と内部電極249の一部が、交互に、圧電素子200の厚さ方向に重なるように配置される。
【0235】
そして、外部電極248と内部電極249との間にヘッドドライブ249より駆動電圧波形を印加することにより、積層圧電素子201が図46中の矢印で示すように変形して(図46中上下方向に伸縮して)振動し、この振動により振動板243が振動する。この振動板243の振動によりキャビティ245の容積(キャビティ内の圧力)が変化し、キャビティ245内に充填されたインク(液体)がノズル241より液滴として吐出する。
液滴の吐出によりキャビティ245内で減少した液量は、リザーバ246からインクが供給されて補給される。また、リザーバ246へは、インクカートリッジ31からインク供給チューブ311を介してインクが供給される。
【0236】
以上のような圧電素子を備えるインクジェットヘッド100A〜100Dにおいても、前述した静電容量方式のインクジェットヘッド100と同様にして、振動板または振動板として機能する圧電素子の残留振動に基づき、液滴吐出の異常を検出しあるいはその異常の原因を特定することができる。なお、インクジェットヘッド100Bおよび100Cにおいては、キャビティに面した位置にセンサとしての振動板(残留振動検出用の振動板)を設け、この振動板の残留振動を検出するような構成とすることもできる。
【0237】
<第3実施形態>
次に、本発明におけるインクジェットヘッドの他の構成例について説明する。図47は、ヘッドユニット100Hの構成を示す斜視図、図48は、図47に示すヘッドユニット100Hの1色のインク(1つのキャビティ)に対応する概略的な断面図である。以下、これらの図に基づいて説明するが、前述した第1実施形態と相違する点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
【0238】
これらの図に示すヘッドユニット100Hは、いわゆる膜沸騰インクジェット方式(サーマルジェット方式)によるもので、支持板410と、基板420と、外壁430および隔壁431と、天板440とが、図47および図48中下側からこの順に接合された構成のものである。
基板420と天板440とは、外壁430および等間隔で平行に配置された複数(図示の例では6枚)の隔壁431を介して所定の間隔をおいて設置されている。そして、基板420と天板440との間には、隔壁431によって区画された複数(図示の例では5個)のキャビティ(圧力室:インク室)432が形成されている。各キャビティ432は、短冊状(直方体状)をなしている。
【0239】
また、図47および図48に示すように、各キャビティ432の図48中左側端部(図47中上端)は、ノズルプレート(前板)433により覆われている。このノズルプレート433には、各キャビティ432に連通するノズル(孔)434が形成されており、このノズル434からインク(液状材料)が吐出する。図47では、ノズルプレート433に対しノズル434が直線的に、すなわち列状に配置されているが、ノズルの配置パターンはこれに限定されないことは言うまでもない。列状に配置されたこのノズル434のピッチは、印刷精度(dpi)等に応じて適宜設定することができる。
【0240】
なお、ノズルプレート433を設けず、各キャビティ432の図47中上端(図48中左端)が開放しており、この開放した開口がノズルとなるような構成のものでもよい。
また、天板440には、インク取り入れ口441が形成され、該インク取り入れ口には、インク供給チューブ311を介して、インクカートリッジ31に接続されている。なお、図示されていないが、インク取り入れ口441とインクカートリッジ31との間に、ダンパ室(ゴムからなるダンパを備え、その変形により室内の容積が変化する)を設けることもできる。これにより、キャリッジ32が往復走行する際のインクの揺れやインク圧の変化をダンパ室が吸収し、ヘッドユニット100Hに所定量のインクを安定的に供給することができる。
【0241】
支持板410、外壁430、隔壁431、天板440およびノズルプレート433は、それぞれ、例えばステンレス鋼等の各種金属材料や各種樹脂材料、各種セラミックス等で構成されている。また、基板420は、例えば、シリコン等で構成されている。
基板420の各キャビティ432の各キャビティ432に対応する箇所には、それぞれ、発熱体450が設置(埋設)されている。各発熱体450は、ヘッドドライバ(通電手段)452により、それぞれ別個に通電され、発熱する。ヘッドドライバ452は、制御部6から入力される印字信号(印字データ)に応じ、発熱体450の駆動信号として例えばパルス状の信号を出力する。
【0242】
また、発熱体450のキャビティ432側の面は、保護膜(耐キャビテーション膜)451で覆われてる。この保護膜451は、発熱体450がキャビティ432内のインクと直接接触するのを防止するために設けられたものである。この保護膜451を設けることにより、発熱体450がインクと接触することによる変質、劣化等を防止することができる。
【0243】
基板420の各発熱体450の近傍であって、各キャビティ432に対応する箇所には、それぞれ、凹部460が形成されている。この凹部460は、例えばエッチング、打ち抜き等の方法により形成することができる。
凹部460のキャビティ432側を遮蔽するように振動板461が設置されている。この振動板461は、キャビティ432内の圧力(液圧)の変化に追従して図48中の上下方向に弾性変形(弾性変位)する。
振動板461の構成材料や厚さは、特に限定されず、適宜設定される。
【0244】
一方、凹部460の他方の側は、支持板410により覆われており、該支持板410の図48中上面の各振動板461に対応する箇所には、それぞれ、セグメント電極462が設置されている。
振動板461とセグメント電極462とは、所定の間隙距離をおいてほぼ平行に配置されている。振動板461とセグメント電極462との間の間隙距離(ギャップ長g)は、特に限定されず、適宜設定される。わずかな間隔距離を隔てて振動板461とセグメント電極462とを配置することにより、平行平板コンデンサを形成することができる。そして、前述したように、振動板461がキャビティ432内の圧力に追従して図48中の上下方向に弾性変形すると、それに応じて振動板461とセグメント電極462と間隙距離が変化し、前記平行平板コンデンサの静電容量Cが変化する。この静電容量Cの変化は、振動板461とセグメント電極462とにそれぞれ導通する共通電極470と外部セグメント電極471との電圧差の変化として現れるので、前述したように、これを検出することにより、振動板461の残留振動(減衰振動)を知ることができる。
【0245】
基板420のキャビティ432外には、共通電極470が形成されている。また、支持板410のキャビティ432外には、外部セグメント電極471が形成されている。
セグメント電極462、共通電極470および外部セグメント電極471の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、金、胴、またはこれらを含む合金等が挙げられる。また、セグメント電極462、共通電極470および外部セグメント電極471は、それぞれ、例えば金属箔の接合、メッキ、蒸着、スパッタリング等の方法により形成することができる。
【0246】
各振動板461と共通電極470とは、導体475により電気的に接続され、各セグメント電極462と各外部セグメント電極471とは、導体476により電気的に接続されている。
導体475、476としては、それぞれ、▲1▼金属線等の導線を配設したもの、▲2▼基板420または支持板410の表面に例えば金、銅等の導電性材料よりなる薄膜を形成したもの、あるいは、▲3▼基板420等の導体形成部位にイオンドーピング等を施して導電性を付与したもの等が挙げられる。
【0247】
以上のようなヘッドユニット100Hは、図48中の上下方向に複数重ねて(他段に)配置することができる。図49では、4色のインク(インクカートリッジ31)を適用した場合におけるノズル434の配置の例を示すが、この場合、複数のヘッドユニット100Hを例えば主走査方向に重ねて配置し、それらの前面に1枚のノズルプレート433を接合した構成とすることができる。
ノズルプレート433上におけるノズル434の配置パターンは、特に限定されないが、図49に示すように、隣り合うノズル列において、ノズル434が半ピッチずれたように配置することができる。
【0248】
次に、ヘッドユニット100Hの作用(作動原理)について説明する。
ヘッドドライバ33から駆動信号(パルス信号)が出力されて発熱体450に通電されると、発熱体450は、瞬時に300℃以上の温度に発熱する。これにより、保護膜451上に膜沸騰による気泡(後述する不吐出の原因となるキャビティ内に混入、発生する気泡とは異なる)480が発生し、該気泡480は瞬時に膨張する。これにより、キャビティ432内に満たされたインク(液状材料)の液圧が増大し、インクの一部がノズル434から液滴として吐出される。
【0249】
インクの液滴が吐出された直後、気泡480は急激に収縮し、元の状態に戻る。このときのキャビティ432内の圧力変化により振動板461が弾性変形して、次の駆動信号が入力され再びインク滴が吐出されるまでの間、減衰振動(残留振動)を生じる。
振動板461が減衰振動を生じると、それに応じて、振動板461と、これと対向するセグメント電極462との間の静電容量が変化する。この静電容量の変化は、共通電極470と外部セグメント電極471との電圧差の変化として現れるが、これを読み取ることにより、インク滴の不吐出またはその原因を検出、特定することができる。すなわち、ノズル434からインク滴が正常に吐出されたときの共通電極470と外部セグメント電極471との電圧差の変化(静電容量の変化)の様子(パターン)と比較することにより、インク滴が正常に吐出されたか否かを判定することができ、また、インク滴の不吐出の原因毎の様子(パターン)とそれぞれ比較し、特定することにより、インク滴の不吐出の原因を判定することができる。
インク滴の吐出によりキャビティ432内で減少した液量は、インク取り入れ口441から新たなインクがキャビティ432内に供給されて補給される。このインクは、インクカートリッジ31からインク供給チューブ311内を通って供給される。
【0250】
以上、本発明の液滴吐出装置及び気泡量検出方法を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、液滴吐出ヘッドあるいは液滴吐出装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、本発明の液滴吐出装置に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
【0251】
なお、本発明の液滴吐出装置の液滴吐出ヘッド(上述の実施形態では、インクジェットヘッド100)から吐出する吐出対象液(液滴)としては、特に限定されず、例えば以下のような各種の材料を含む液体(サスペンション、エマルション等の分散液を含む)とすることができる。すなわち、カラーフィルタのフィルタ材料を含むインク、有機EL(Electro Luminescence)装置におけるEL発光層を形成するための発光材料、電子放出装置における電極上に蛍光体を形成するための蛍光材料、PDP(Plasma Display Panel)装置における蛍光体を形成するための蛍光材料、電気泳動表示装置における泳動体を形成する泳動体材料、基板Wの表面にバンクを形成するためのバンク材料、各種コーティング材料、電極を形成するための液状電極材料、2枚の基板間に微小なセルギャップを構成するためのスペーサを構成する粒子材料、金属配線を形成するための液状金属材料、マイクロレンズを形成するためのレンズ材料、レジスト材料、光拡散体を形成するための光拡散材料などである。
また、本発明は、振動板を有する複数の液滴吐出ヘッドを備える、あらゆる方式(形態)の液滴吐出装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液滴吐出装置の一種であるインクジェットプリンタの構成を示す概略図である。
【図2】 本発明のインクジェットプリンタの主要部を概略的に示すブロック図である。
【図3】 図1に示すヘッドユニット(インクジェットヘッド)の概略的な断面図である。
【図4】 図1に示す1色のインクに対応するヘッドユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図5】 4色インクを用いるヘッドユニットのノズルプレートのノズル配置パターンの一例である。
【図6】 図3のIII−III断面の駆動信号入力時の各状態を示す状態図である。
【図7】 図3の振動板の残留振動を想定した単振動の計算モデルを示す回路図である。
【図8】 図3の振動板の残留振動の実験値と計算値との関係を示すグラフである。
【図9】 図3のキャビティ内に気泡が混入した場合のノズル付近の概念図である。
【図10】 キャビティへの気泡混入によりインク滴が吐出しなくなった状態における残留振動の計算値及び実験値を示すグラフである。
【図11】 図3のノズル付近のインクが乾燥により固着した場合のノズル付近の概念図である。
【図12】 ノズル付近のインクの乾燥増粘状態における残留振動の計算値及び実験値を示すグラフである。
【図13】 図3のノズル出口付近に紙粉が付着した場合のノズル付近の概念図である。
【図14】 ノズル出口に紙粉が付着した状態における残留振動の計算値及び実験値を示すグラフである。
【図15】 ノズル付近に紙粉が付着した前後におけるノズルの状態を示す写真である。
【図16】 図3に示す吐出異常検出手段の概略的なブロック図である。
【図17】 図3の静電アクチュエータを平行平板コンデンサとした場合の概念図である。
【図18】 図3の静電アクチュエータから構成されるコンデンサを含む発振回路の回路図である。
【図19】 図16に示す吐出異常検出手段のF/V変換回路の回路図である。
【図20】 発振回路から出力する発振周波数に基づく各部の出力信号などのタイミングを示すタイミングチャートである。
【図21】 固定時間tr及びt1の設定方法を説明するための図である。
【図22】 図16の波形整形回路の回路構成を示す回路図である。
【図23】 駆動回路と検出回路との切替手段の概略を示すブロック図である。
【図24】 吐出異常検出・判定処理を示すフローチャートである。
【図25】 残留振動検出処理を示すフローチャートである。
【図26】 吐出異常判定処理を示すフローチャートである。
【図27】 複数のインクジェットヘッドの吐出異常検出のタイミングの一例(吐出異常検出手段が1つの場合)である。
【図28】 複数のインクジェットヘッドの吐出異常検出のタイミングの一例(吐出異常検出手段の数がインクジェットヘッドの数と同じ場合)である。
【図29】 複数のインクジェットヘッドの吐出異常検出のタイミングの一例(吐出異常検出手段の数がインクジェットヘッドの数と同じであり、印字データがあるときに吐出異常検出を行う場合)である。
【図30】 複数のインクジェットヘッドの吐出異常検出のタイミングの一例(吐出異常検出手段の数がインクジェットヘッドの数と同じであり、各インクジェットヘッドを巡回して吐出異常検出を行う場合)である。
【図31】 図27に示すインクジェットプリンタのフラッシング動作時における吐出異常検出のタイミングを示すフローチャートである。
【図32】 図28及び図29に示すインクジェットプリンタのフラッシング動作時における吐出異常検出のタイミングを示すフローチャートである。
【図33】 図30に示すインクジェットプリンタのフラッシング動作時における吐出異常検出のタイミングを示すフローチャートである。
【図34】 図28及び図29に示すインクジェットプリンタの印字動作時における吐出異常検出のタイミングを示すフローチャートである。
【図35】 図30に示すインクジェットプリンタの印字動作時における吐出異常検出のタイミングを示すフローチャートである。
【図36】 図1に示すインクジェットプリンタの上部から見た概略的な構造(一部省略)を示す図である。
【図37】 図36に示すワイパとヘッドユニットとの位置関係を示す図である。
【図38】 ポンプ吸引処理時における、ヘッドユニットと、キャップ及びポンプとの関係を示す図である。
【図39】 図38に示すチューブポンプの構成を示す概略図である。
【図40】 本発明のインクジェットプリンタにおける吐出異常回復処理を示すフローチャートである。
【図41】 キャビティ内の気泡量が多い場合と、少ない場合との残留振動を示すグラフである。
【図42】 気泡量の検出間隔を気泡量Vに応じて設定し、気泡量の検出を行う処理を示すフローチャートである。
【図43】 本発明におけるインクジェットヘッドの他の構成例の概略を示す断面図である。
【図44】 本発明におけるインクジェットヘッドの他の構成例の概略を示す断面図である。
【図45】 本発明におけるインクジェットヘッドの他の構成例の概略を示す断面図である。
【図46】 本発明におけるインクジェットヘッドの他の構成例の概略を示す断面図である。
【図47】 本発明におけるヘッドユニットの他の構成例を示す斜視図である。
【図48】 図47に示すヘッドユニットの概略的な断面図である。
【図49】 4色インクを用いるヘッドユニットのノズルプレートにおけるノズルの配置パターンの一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1……インクジェットプリンタ 2……装置本体 21……トレイ 22……排紙口 3……印字手段 31……インクカートリッジ 311……インク供給チューブ 32……キャリッジ 33……ヘッドドライバ 34……連結部 35……ヘッドユニット 4……印刷装置 41……キャリッジモータ 42……往復動機構 421……タイミングベルト 422……キャリッジガイド軸 43……キャリッジモータドライバ 44……プーリ 5……給紙装置 51……給紙モータ 52……給紙ローラ 52a……従動ローラ 52b……駆動ローラ 53……給紙モータドライバ 6……制御部 61……CPU 62……EEPROM(記憶手段) 63……RAM 64……PROM 7……操作パネル 8……ホストコンピュータ 9……IF 10、10a〜10e……吐出異常検出手段 11……発振回路 111……シュミットトリガインバータ 112……抵抗素子 12……F/V変換回路 13……定電流源 14……バッファ 15……波形整形回路 151……増幅器(オペアンプ) 152……比較器(コンパレータ) 16……残留振動検出手段 17……計測手段 18……駆動回路 181……駆動波形生成手段 182……吐出選択手段 182a……シフトレジスタ 182b……ラッチ回路 182c……ドライバ 19……切替制御手段 19a……切替選択手段 191……セレクタ 20……判定手段 23、23a〜23e……切替手段 24……回復手段 100、100A〜100D、100a〜100e……インクジェットヘッド 100H……ヘッドユニット 110‥‥ノズル 120……静電アクチュエータ 121……振動板(底壁) 122……セグメント電極 123……絶縁層 124……共通電極 124a……入力端子 130……ダンパ室 131……インク取入れ口132……ダンパ 140……シリコン基板 141……キャビティ 142……インク供給口 143……リザーバ 144……側壁 150……ノズルプレート 160……ガラス基板 161……凹部 162……対向壁 170……基体 200……圧電素子 201……積層圧電素子 202、222、230、240……ノズルプレート 203、223、231、241……ノズル 204……金属プレート 205……接着フィルム 206……連通口形成プレート 207、242……キャビティプレート 208、221、233、245……キャビティ 209、246……リザーバ 210、247……インク供給口 211……インク取り入れ口 212、243……振動板 213……下部電極 214……上部電極 215、249……ヘッドドライブ 220……基板 224……電極 232……スペーサ 234……第1電極 235……第2電極 244……中間層 248……外部電極 249……内部電極 300……ワイパ 301……ワイピング部材 310……キャップ 320……チューブポンプ(回転式ポンプ) 321……(可撓性)チューブ 322……回転体 322a……軸 323……ローラ 330……インク吸収体 340……排インクカートリッジ 350……ガイド部材 351……ガイド 410……支持板 420……基板 430……外壁 431……隔壁 432……キャビティ 433……ノズルプレート(前板) 434……ノズル 440……天板 441……インク取り入れ口 450……発熱体 451……保護膜(キャビテーション膜) 452……ヘッドドライバ 460……凹部 461……振動板 462……セグメント電極 470……共通電極 471……外部セグメント電極 475……導体 476……導体 480……気泡 P……記録用紙S101〜S109、S201〜S205、S301〜S311、S401〜S407、S501〜S505、S601〜S608、S701〜S706、S801〜S810、S901〜S913、ST101〜ST104……ステップ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
  The present invention relates to a droplet discharge device.Inkjet printerAnd a bubble amount detection method.
[0002]
[Prior art]
Inkjet printers, which are one type of droplet ejection device, form images on predetermined paper by ejecting ink droplets (droplets) from a plurality of nozzles. A print head (inkjet head) of an ink jet printer is provided with a number of nozzles. However, some nozzles may become visible due to an increase in ink viscosity, air bubbles, dust or paper dust. There are cases where clogged and ink droplets cannot be ejected. When the nozzles are clogged, dots are missing in the printed image, which causes the image quality to deteriorate.
[0003]
Conventionally, as a method of detecting such an ink droplet ejection abnormality (hereinafter also referred to as “dot missing”), the standing time and the number of times of printing are counted, and the suction processing operation timing is determined based on either of them. A method has been proposed in which when the time comes, the print head is moved to a position opposite to the suction device, and ink and bubbles in the cavity are sucked and discharged from the nozzle (for example, Patent Document 1).
[0004]
However, in the method disclosed in Patent Document 1, the processing time is determined only by the leaving time and the number of times of printing regardless of the difference in the amount of bubbles generated, and when the processing time comes, the suction processing operation is executed. Therefore, if the processing interval is too short, the number of times of suction is increased more than necessary, leading to a decrease in throughput and an increase in the amount of discharged ink. On the other hand, if the processing interval is too long, printing failure due to missing dots occurs.
Furthermore, since a certain amount of ink is sucked regardless of the amount of bubbles, there are problems such as sucking and consuming ink more than necessary, and also the amount of sucking is too small to sufficiently remove bubbles.
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-4-93260
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
  SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a droplet discharge device capable of easily, reliably and accurately detecting a discharge abnormality due to air bubble mixing into a cavity of a droplet discharge head, along with the extent of the abnormality.Inkjet printerAnother object of the present invention is to provide a bubble amount detection method.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
  Such an object is achieved by the present invention described below.
  The droplet discharge device of the present invention includes an actuator driven by a drive circuit and a vibration plate that is displaced by the drive of the actuator, and the actuator is driven by the drive circuit, and the liquid in the cavity is discharged from the nozzle to the droplet. A droplet discharge device comprising a plurality of droplet discharge heads for discharging as
  Residual vibration of the diaphragm is detected, and based on the detected vibration pattern of residual vibration of the diaphragm, ejection abnormalities due to air bubbles mixed into the cavity of the droplet ejection head and mixed into the cavity Equipped with discharge abnormality detection means to estimate the amount of bubblesAnd
The vibration pattern of the residual vibration of the diaphragm includes a period of the residual vibration,
The ejection abnormality detection means estimates the bubble amount based on a period of residual vibration of the diaphragm.It is characterized by that.
[0008]
  In the droplet discharge device of the present invention, when the discharge abnormality detection unit detects a discharge abnormality of the droplet discharge head, the recovery is performed on the droplet discharge head so as to eliminate the cause of the discharge abnormality. It is preferable to have a means.
  In the droplet discharge device of the present invention, when the discharge abnormality detection unit detects a discharge abnormality due to air bubbles mixed into the cavity of the droplet discharge head, the droplet discharge head is mixed in the cavity. It is preferable to have a recovery means for performing a recovery process for eliminating the discharge abnormality due to the mixing of bubbles into the cavity according to the amount of bubbles generated.
[0009]
The droplet discharge device of the present invention includes an actuator driven by a drive circuit and a vibration plate that is displaced by the drive of the actuator, and the actuator is driven by the drive circuit, and the liquid in the cavity is discharged from the nozzle to the droplet. A droplet discharge device comprising a plurality of droplet discharge heads for discharging as
A discharge abnormality detecting means for detecting residual vibration of the diaphragm, and detecting a discharge abnormality of the droplet discharge head together with the cause based on the detected vibration pattern of the residual vibration of the diaphragm;
The discharge abnormality detection means has a function of detecting the degree of discharge abnormality due to bubble mixing based on a vibration pattern of residual vibration of the diaphragm when the cause of the discharge abnormality is bubble mixing in the cavity. It is characterized by having.
[0010]
In the droplet discharge device of the present invention, it is preferable that the degree of the discharge abnormality is detected by estimating the amount of mixed bubbles.
In the droplet discharge device of the present invention, when the discharge abnormality detection unit detects the discharge abnormality of the droplet discharge head, the discharge abnormality of the droplet discharge head is determined according to the cause of the discharge abnormality. It is preferable to have a recovery means for performing a recovery process for eliminating the cause.
[0011]
In the droplet discharge device of the present invention, the recovery means may cause the discharge abnormality to occur in the droplet discharge head according to the amount of bubbles when the cause of the discharge abnormality is air bubbles mixed into the cavity. It is preferable to perform a recovery process to eliminate the cause.
In the droplet discharge device of the present invention, the recovery unit includes a wiping unit that performs a wiping process with a wiper on a nozzle surface on which the nozzles of the droplet discharge head are arranged, and the actuator is driven to drive the droplet discharge head. It is preferable to include a flushing unit that performs a flushing process for preliminarily ejecting the droplets from the nozzle, and a pumping unit that performs a pump suction process with a pump connected to a cap that covers the nozzle surface of the droplet ejection head.
[0012]
  In the droplet discharge device of the present invention, when the discharge abnormality detection unit detects a discharge abnormality due to bubbles mixed into the cavity of the droplet discharge head, the recovery unit performs a flushing process by the flushing unit. Alternatively, it is preferable to perform a pump suction process by the pumping means.
  In the droplet discharge apparatus of the present invention, the recovery means detects the amount of bubbles mixed in the cavity when the discharge abnormality detection means detects discharge abnormality due to bubbles mixed in the cavity of the droplet discharge head. Is less than a predetermined threshold value, it is preferable to perform a flushing process by the flushing means.
[0013]
  In the droplet discharge device of the present invention, it is preferable to set conditions for the flushing process according to the amount of bubbles.
  In the droplet discharge apparatus of the present invention, it is preferable that the flushing processing conditions include the number of droplet discharges.
  In the droplet discharge device of the present invention, it is preferable that the recovery means sets the number of droplets discharged from the nozzle in the flushing process in accordance with the amount of bubbles mixed in the cavity.
[0014]
  In the droplet discharge device of the present invention, it is preferable that the recovery means performs a pump suction process by the pumping means when the discharge abnormality is not eliminated by the flushing process.
  In the droplet discharge apparatus of the present invention, the recovery means detects the amount of bubbles mixed in the cavity when the discharge abnormality detection means detects discharge abnormality due to bubbles mixed in the cavity of the droplet discharge head. Is more than a predetermined threshold value, it is preferable to perform pump suction processing by the pumping means.
[0015]
  In the droplet discharge device of the present invention, it is preferable to set conditions for the pump suction process according to the amount of bubbles.
  In the droplet discharge device of the present invention, it is preferable that the pump suction processing conditions include a suction time and / or a suction pressure.
  In the droplet discharge device of the present invention, it is preferable that the recovery means sets the pump suction time in the pump suction processing according to the amount of bubbles mixed in the cavity.
[0016]
  In the droplet discharge device of the present invention, it is preferable that the recovery means sets the pump suction pressure in the pump suction process according to the amount of bubbles mixed in the cavity.
  In the droplet discharge device of the present invention, it is preferable to set an interval at which the detection is performed by the discharge abnormality detection unit according to the amount of bubbles.
  In the droplet discharge device of the present invention, the discharge abnormality detection means, as the amount of bubbles mixed in the cavity increases,Next time, detect the residual vibration of the diaphragm.Estimate the amount of bubbles mixed in the cavityFor up toIt is preferable to set the interval short.
[0017]
In the droplet discharge device according to the aspect of the invention, it is preferable that the vibration pattern of the residual vibration of the diaphragm includes a period of the residual vibration.
In the droplet discharge device of the present invention, the discharge abnormality detecting means determines that bubbles are mixed in the cavity when the period of the residual vibration of the diaphragm is shorter than a predetermined range, and the vibration When the residual vibration period of the plate is longer than a predetermined threshold, it is determined that the liquid near the nozzle is thickened by drying, and the residual vibration period of the vibration plate is longer than the predetermined range period, When it is shorter than the predetermined threshold value, it is preferable to determine that paper dust has adhered near the outlet of the nozzle.
[0018]
  In the liquid droplet ejection apparatus according to the aspect of the invention, it is preferable that the ejection abnormality detection unit estimates the bubble amount based on a period of residual vibration of the diaphragm.
  In the liquid droplet ejection apparatus according to the aspect of the invention, it is preferable that the ejection abnormality detection unit includes an oscillation circuit, and the oscillation circuit oscillates based on a capacitance component that changes due to residual vibration of the diaphragm.
[0019]
In the droplet discharge device according to the aspect of the invention, it is preferable that the discharge abnormality detection unit includes an oscillation circuit, and the oscillation circuit oscillates based on a capacitance component of the actuator that changes due to residual vibration of the diaphragm. .
In the droplet discharge device according to the aspect of the invention, it is preferable that the oscillation circuit constitutes a CR oscillation circuit including a capacitance component of the actuator and a resistance component of a resistance element connected to the actuator.
[0020]
In the droplet discharge device according to the aspect of the invention, the discharge abnormality detection unit generates a voltage waveform of the residual vibration of the diaphragm by a predetermined signal group generated based on a change in the oscillation frequency in the output signal of the oscillation circuit. It is preferable to include an F / V conversion circuit.
In the liquid droplet ejection apparatus according to the aspect of the invention, it is preferable that the ejection abnormality detection unit includes a waveform shaping circuit that shapes a voltage waveform of residual vibration of the diaphragm generated by the F / V conversion circuit into a predetermined waveform. .
[0021]
In the droplet discharge device of the present invention, the waveform shaping circuit includes a DC component removing unit that removes a DC component from the voltage waveform of the residual vibration of the diaphragm generated by the F / V conversion circuit, and the DC component removal. Preferably, the comparator includes a comparator that compares the voltage waveform from which the direct current component has been removed and a predetermined voltage value, and the comparator generates and outputs a rectangular wave based on the voltage comparison.
[0022]
In the liquid droplet ejection apparatus according to the aspect of the invention, it is preferable that the ejection abnormality detection unit includes a measurement unit that measures a period of residual vibration of the diaphragm from the rectangular wave generated by the waveform shaping circuit.
In the droplet discharge device of the present invention, the measuring means has a counter, and the counter counts the pulses of the reference signal, whereby the time between the rising edges of the rectangular wave or the time between the rising edge and the falling edge. Is preferably measured.
[0023]
In the droplet discharge device of the present invention, the actuator is preferably an electrostatic actuator.
In the droplet discharge device of the present invention, it is preferable that the actuator is a piezoelectric actuator using a piezoelectric effect of a piezoelectric element.
In the droplet discharge device of the present invention, it is preferable that the actuator is a film boiling type actuator including a heating element that generates heat when energized.
[0024]
In the droplet discharge device according to the aspect of the invention, it is preferable that the vibration plate be elastically deformed following a change in pressure in the cavity.
The droplet discharge device of the present invention preferably includes storage means for storing the cause of the discharge abnormality detected by the discharge abnormality detection means and / or the bubble amount in association with the droplet discharge head to be detected.
[0025]
  The present inventionNoInkjet printerIs provided with the droplet discharge device of the present invention..
  The bubble amount detection method of the present invention includes an actuator driven by a drive circuit and a diaphragm that is displaced by the drive of the actuator. The actuator is driven by the drive circuit, and the liquid in the cavity is dropped from the nozzle to the droplet. A bubble amount detection method for estimating the amount of bubbles mixed in the cavity of a droplet discharge device including a plurality of droplet discharge heads for discharging as
  The residual vibration of the diaphragm is detected, and the amount of bubbles in the cavity of the droplet discharge head is estimated based on the detected period of residual vibration of the diaphragm.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a preferred embodiment of a droplet discharge device and a bubble amount detection method of the present invention will be described in detail with reference to FIGS. Note that this embodiment is given as an example, and the contents of the present invention should not be construed in a limited manner. In the following description of the present embodiment, an ink jet printer that discharges ink (liquid material) and prints an image on a recording sheet will be described as an example of the droplet discharge device of the present invention.
[0027]
<First Embodiment>
FIG. 1 is a schematic diagram showing a configuration of an ink jet printer 1 which is a kind of droplet discharge device according to the first embodiment of the present invention. In the following description, in FIG. 1, the upper side is referred to as “upper part” and the lower side is referred to as “lower part”. First, the configuration of the inkjet printer 1 will be described.
[0028]
An ink jet printer 1 shown in FIG. 1 includes an apparatus main body 2, a tray 21 in which recording paper P is placed at the upper rear, a paper discharge outlet 22 for discharging recording paper P in the lower front, and an operation panel on the upper surface. 7 is provided.
The operation panel 7 is composed of, for example, a liquid crystal display, an organic EL display, an LED lamp, and the like, and includes a display unit (display means) (not shown) for displaying an error message and the like, and an operation unit composed of various switches ( (Not shown). The display unit of the operation panel 7 functions as a notification unit.
[0029]
Further, inside the apparatus main body 2, a printing apparatus (printing means) 4 that mainly includes a reciprocating printing means (moving body) 3 and a paper feeding apparatus that supplies and discharges recording paper P to and from the printing apparatus 4. (Droplet Receptor Conveying Means) 5 and a control unit (control means) 6 for controlling the printing device 4 and the paper feeding device 5.
Under the control of the control unit 6, the paper feeding device 5 intermittently feeds the recording paper P one by one. This recording paper P passes near the lower part of the printing means 3. At this time, the printing unit 3 reciprocates in a direction substantially perpendicular to the feeding direction of the recording paper P, and printing on the recording paper P is performed. That is, the reciprocating motion of the printing unit 3 and the intermittent feeding of the recording paper P become main scanning and sub scanning in printing, and ink jet printing is performed.
[0030]
The printing apparatus 4 includes a printing unit 3, a carriage motor 41 serving as a driving source for moving (reciprocating) the printing unit 3 in the main scanning direction, and a reciprocating operation for reciprocating the printing unit 3 in response to the rotation of the carriage motor 41. Moving mechanism 42.
The printing unit 3 includes a plurality of head units 35 corresponding to the type of ink, a plurality of ink cartridges (I / C) 31 that supply ink to each head unit 35, and each head unit 35 and the ink cartridge 31. And a carriage 32.
[0031]
Note that full-color printing is possible by using an ink cartridge 31 filled with ink of four colors of yellow, cyan, magenta, and black (black). In this case, the printing unit 3 is provided with a head unit 35 (this configuration will be described in detail later) corresponding to each color. Here, FIG. 1 shows four ink cartridges 31 corresponding to four colors of ink. However, the printing unit 3 further includes ink cartridges 31 of other colors such as light cyan, light magenta, and dark yellow. It may be configured to comprise.
The reciprocating mechanism 42 includes a carriage guide shaft 422 supported at both ends by a frame (not shown), and a timing belt 421 extending in parallel with the carriage guide shaft 422.
[0032]
The carriage 32 is supported by the carriage guide shaft 422 of the reciprocating mechanism 42 so as to be reciprocally movable, and is fixed to a part of the timing belt 421.
When the timing belt 421 travels forward and backward via a pulley by the operation of the carriage motor 41, the printing unit 3 is reciprocated by being guided by the carriage guide shaft 422. During this reciprocation, ink droplets are appropriately ejected from the nozzles 110 of the plurality of inkjet heads 100 in the head unit 35 in accordance with the image data (print data) to be printed, and printing on the recording paper P is performed. Is done.
[0033]
The sheet feeding device 5 includes a sheet feeding motor 51 serving as a driving source thereof, and a sheet feeding roller 52 that is rotated by the operation of the sheet feeding motor 51.
The paper feeding roller 52 includes a driven roller 52 a and a driving roller 52 b that are vertically opposed to each other with a conveyance path (recording paper P) for the recording paper P interposed therebetween. The driving roller 52 b is connected to the paper feeding motor 51. As a result, the paper feed roller 52 can feed a large number of recording sheets P set on the tray 21 one by one toward the printing apparatus 4. Instead of the tray 21, a configuration may be adopted in which a paper feed cassette that stores the recording paper P can be detachably mounted.
[0034]
For example, the control unit 6 controls the printing device 4, the paper feeding device 5, and the like on the basis of print data input from a host computer 8 such as a personal computer (PC) or a digital camera (DC). The printing process is performed. Further, the control unit 6 displays an error message or the like on the display unit of the operation panel 7 or turns on / flashes the LED lamp or the like, and performs corresponding processing based on pressing signals of various switches input from the operation unit. Is executed by each unit.
[0035]
FIG. 2 is a block diagram schematically showing the main part of the ink jet printer of the present invention. In FIG. 2, the inkjet printer 1 of the present invention drives an interface unit (IF) 9 that receives print data input from a host computer 8, a control unit 6, a carriage motor 41, and a carriage motor 41. Carriage motor driver 43 to control, paper feed motor 51, paper feed motor driver 53 to drive and control the paper feed motor 51, head unit 35, head driver 33 to drive and control the head unit 35, and ejection abnormality detection means 10 and recovery means 24. Details of the ejection abnormality detection unit 10, the recovery unit 24, and the head driver 33 will be described later.
[0036]
In FIG. 2, the control unit 6 includes a CPU (Central Processing Unit) 61 that executes various processes such as a printing process and an ejection abnormality detection process, and print data input from the host computer 8 via the IF 9. Various types of data are temporarily stored when executing EEPROM (Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory) 62, which is a kind of non-volatile semiconductor memory stored in the storage area, and discharge abnormality detection processing described later. Alternatively, a RAM (Random Access Memory) 63 that temporarily develops an application program such as a printing process, and a PROM 64 that is a kind of nonvolatile semiconductor memory that stores a control program for controlling each unit and the like are provided. Each component of the control unit 6 is electrically connected via a bus (not shown).
[0037]
As described above, the printing unit 3 includes a plurality of head units 35 corresponding to the inks of the respective colors. Each head unit 35 includes a plurality of nozzles 110 and electrostatic actuators 120 respectively corresponding to the nozzles 110. That is, the head unit 35 includes a plurality of inkjet heads 100 (droplet ejection heads) each having a set of nozzles 110 and electrostatic actuators 120. The head driver 33 includes a drive circuit 18 that drives the electrostatic actuator 120 of each inkjet head 100 to control ink ejection timing, and a switching unit 23 (see FIG. 16). The configurations of the inkjet head 100 and the electrostatic actuator 120 will be described later.
[0038]
Although not shown, the control unit 6 is electrically connected to various sensors that can detect the remaining amount of ink in the ink cartridge 31, the position of the printing unit 3, the printing environment such as temperature, humidity, and the like. ing.
When the control unit 6 obtains print data from the host computer 8 via the IF 9, the control unit 6 stores the print data in the EEPROM 62. Then, the CPU 61 executes a predetermined process on the print data, and outputs a drive signal to each of the drivers 33, 43, and 53 based on the process data and input data from various sensors. When these drive signals are input via the drivers 33, 43, and 53, the electrostatic actuator 120 corresponding to the plurality of inkjet heads 100 of the head unit 35, the carriage motor 41 of the printing device 4, and the paper feeding device 5 are activated. Each operates. Thereby, the printing process is executed on the recording paper P.
[0039]
Next, the structure of each inkjet head 100 in each head unit 35 will be described. 3 is a schematic sectional view of one inkjet head 100 in the head unit 35 shown in FIG. 1, and FIG. 4 is an exploded perspective view showing a schematic configuration of the head unit 35 corresponding to one color ink. FIG. 5 is a plan view showing an example of a nozzle surface of a head unit 35 to which a plurality of inkjet heads 100 shown in FIG. 3 are applied. 3 and FIG. 4 are shown upside down from a state in which they are normally used, and FIG. 5 is a plan view of the ink jet head 100 shown in FIG. 3 as viewed from above.
[0040]
As shown in FIG. 3, the head unit 35 is connected to the ink cartridge 31 via the ink intake 131, the damper chamber 130, and the ink supply tube 311. Here, the damper chamber 130 includes a damper 132 made of rubber. The damper chamber 130 can absorb ink fluctuations and ink pressure changes when the carriage 32 reciprocates, thereby stably supplying a predetermined amount of ink to each inkjet head 100 of the head unit 35. can do.
[0041]
The head unit 35 has a silicon nozzle plate 150 on the upper side and a borosilicate glass substrate (glass substrate) 160 having a thermal expansion coefficient close to that of silicon on the lower side, with the silicon substrate 140 interposed therebetween. It has a three-layer structure. The central silicon substrate 140 has a plurality of independent cavities (pressure chambers) 141 (seven cavities are shown in FIG. 4), one reservoir (common ink chamber) 143, and the reservoir 143 for each cavity 141. Grooves each functioning as an ink supply port (orifice) 142 to be communicated are formed. Each groove can be formed by performing an etching process from the surface of the silicon substrate 140, for example. The nozzle plate 150, the silicon substrate 140, and the glass substrate 160 are joined in this order, and each cavity 141, reservoir 143, and each ink supply port 142 are partitioned.
[0042]
Each of these cavities 141 is formed in a strip shape (cuboid shape), and its volume is variable by vibration (displacement) of a vibration plate 121 described later, and ink (liquid material) is discharged from the nozzle 110 by this volume change. It is comprised so that it may discharge. In the nozzle plate 150, nozzles 110 are formed at positions corresponding to the tip side portions of the cavities 141, and these communicate with the cavities 141. Further, an ink intake port 131 communicating with the reservoir 143 is formed in a portion of the glass substrate 160 where the reservoir 143 is located. Ink is supplied from the ink cartridge 31 to the reservoir 143 through the ink supply tube 311 and the damper chamber 130 through the ink intake 131. The ink supplied to the reservoir 143 is supplied to each independent cavity 141 through each ink supply port 142. Each cavity 141 is defined by a nozzle plate 150, a side wall (partition wall) 144, and a bottom wall 121.
[0043]
Each independent cavity 141 has a thin bottom wall 121. The bottom wall 121 can be elastically deformed (elastically displaced) in the out-of-plane direction (thickness direction), that is, in the vertical direction in FIG. It is configured to function as a diaphragm (diaphragm). Therefore, this bottom wall 121 portion is sometimes referred to as a diaphragm 121 for convenience of the following description (that is, hereinafter, reference numeral 121 is used for both “bottom wall” and “diaphragm”). ).
[0044]
On the surface of the glass substrate 160 on the silicon substrate 140 side, shallow concave portions 161 are formed at positions corresponding to the cavities 141 of the silicon substrate 140, respectively. Therefore, the bottom wall 121 of each cavity 141 is opposed to the surface of the opposing wall 162 of the glass substrate 160 in which the recess 161 is formed, with a predetermined gap therebetween. That is, a gap having a predetermined thickness (for example, about 0.2 microns) exists between the bottom wall 121 of the cavity 141 and the segment electrode 122 described later. In addition, the said recessed part 161 can be formed by an etching etc., for example.
[0045]
Here, the bottom wall (diaphragm) 121 of each cavity 141 constitutes a part of the common electrode 124 on the side of each cavity 141 for storing charges in accordance with a drive signal supplied from the head driver 33. That is, the diaphragm 121 of each cavity 141 also serves as one of the counter electrodes (capacitor counter electrodes) of the corresponding electrostatic actuator 120 described later. A segment electrode 122, which is an electrode facing the common electrode 124, is formed on the surface of the recess 161 of the glass substrate 160 so as to face the bottom wall 121 of each cavity 141. Further, as shown in FIG. 3, the surface of the bottom wall 121 of each cavity 141 is formed of a silicon oxide film (SiO 22). As described above, the bottom wall 121 of each cavity 141, that is, the diaphragm 121 and each segment electrode 122 corresponding thereto, are formed on the insulating layer 123 formed on the lower surface of the bottom wall 121 of the cavity 141 in FIG. 3. And counter electrode (capacitor counter electrode) are formed through the gap in the recess 161
(Configuration). Therefore, the main part of the electrostatic actuator 120 is constituted by the diaphragm 121, the segment electrode 122, the insulating layer 123 and the gap therebetween.
[0046]
As shown in FIG. 3, the head driver 33 including the drive circuit 18 for applying a drive voltage between these counter electrodes responds to a print signal (print data) input from the control unit 6. Charge and discharge between the counter electrodes. One output terminal of the head driver (voltage applying means) 33 is connected to each segment electrode 122, and the other output terminal is connected to the input terminal 124 a of the common electrode 124 formed on the silicon substrate 140. Note that since impurities are implanted into the silicon substrate 140 and itself has conductivity, a voltage can be supplied from the input terminal 124 a of the common electrode 124 to the common electrode 124 of the bottom wall 121. For example, a thin film of a conductive material such as gold or copper may be formed on one surface of the silicon substrate 140. As a result, voltage (charge) can be supplied to the common electrode 124 with low electrical resistance (efficiently). This thin film may be formed, for example, by vapor deposition or sputtering. Here, in the present embodiment, for example, the silicon substrate 140 and the glass substrate 160 are bonded (bonded) by anodic bonding. Therefore, the conductive film used as an electrode in the anodic bonding is formed on the flow path forming surface side of the silicon substrate 140 (see FIG. 3 on the upper side of the silicon substrate 140 shown in FIG. The conductive film is used as it is as the input terminal 124a of the common electrode 124. In the present invention, for example, the input terminal 124a of the common electrode 124 may be omitted, and the method for bonding the silicon substrate 140 and the glass substrate 160 is not limited to anodic bonding.
[0047]
As shown in FIG. 4, the head unit 35 includes a nozzle plate 150 in which a plurality of nozzles 110 corresponding to a plurality of inkjet heads 100 are formed, a plurality of cavities 141, a plurality of ink supply ports 142, and a reservoir 143. A formed silicon substrate (ink chamber substrate) 140 and an insulating layer 123 are provided, and these are housed in a base 170 including a glass substrate 160. The base 170 is made of, for example, various resin materials, various metal materials, and the like, and the silicon substrate 140 is fixed and supported on the base 170.
[0048]
The plurality of nozzles 110 formed on the nozzle plate 150 are linearly arranged substantially parallel to the reservoir 143 for the sake of brevity in FIG. 4, but the arrangement pattern of the nozzles 110 is not limited to this configuration. Usually, for example, the nozzles are arranged at different stages as in the nozzle arrangement pattern shown in FIG. Further, the pitch between the nozzles 110 can be appropriately set according to the printing accuracy (dpi). FIG. 5 shows an arrangement pattern of the nozzles 110 when four colors of ink (ink cartridge 31) are applied.
[0049]
FIG. 6 shows each state when a drive signal is input in the III-III cross section of FIG. When a driving voltage is applied between the counter electrodes from the head driver 33, a Coulomb force is generated between the counter electrodes, and the bottom wall (diaphragm) 121 is segmented with respect to the initial state (FIG. 6A). It bends to 122 side and the volume of the cavity 141 expands (FIG.6 (b)). In this state, when the electric charge between the counter electrodes is suddenly discharged under the control of the head driver 33, the diaphragm 121 is restored upward in the figure by its elastic restoring force and exceeds the position of the diaphragm 121 in the initial state. Then, the volume of the cavity 141 contracts rapidly (FIG. 2C). At this time, due to the compression pressure generated in the cavity 141, a part of the ink (liquid material) filling the cavity 141 is ejected as an ink droplet from the nozzle 110 communicating with the cavity 141.
[0050]
The diaphragm 121 of each cavity 141 is attenuated by this series of operations (ink discharge operation by the drive signal of the head driver 33) until the next drive signal (drive voltage) is input and ink droplets are discharged again. It is vibrating. Hereinafter, this damped vibration is also referred to as residual vibration. The residual vibration of the vibration plate 121 is determined by the shape of the nozzle 110 and the ink supply port 142 or the acoustic resistance r due to the ink viscosity, the inertance m due to the ink weight in the flow path, and the compliance Cm of the vibration plate 121. It is assumed to have a natural vibration frequency.
[0051]
A calculation model of residual vibration of the diaphragm 121 based on the above assumption will be described. FIG. 7 is a circuit diagram showing a calculation model of simple vibration assuming residual vibration of the diaphragm 121. Thus, the calculation model of the residual vibration of the diaphragm 121 can be expressed by the sound pressure P, the inertance m, the compliance Cm, and the acoustic resistance r described above. When the step response when the sound pressure P is applied to the circuit of FIG. 7 is calculated for the volume velocity u, the following equation is obtained.
[0052]
[Expression 1]
Figure 0004314849
[0053]
The calculation result obtained from this equation is compared with the experimental result in the residual vibration experiment of the vibration plate 121 after the ink droplets are separately ejected. FIG. 8 is a graph showing the relationship between the experimental value and the calculated value of the residual vibration of the diaphragm 121. As can be seen from the graph shown in FIG. 8, the two waveforms of the experimental value and the calculated value are almost the same.
Now, in each inkjet head 100 of the head unit 35, a phenomenon in which ink droplets are not normally ejected from the nozzles 110 despite the above-described ejection operation, that is, a droplet ejection abnormality (head abnormality) occurs. There is a case. As described below, the cause of the occurrence of the ejection abnormality is (1) mixing of bubbles in the cavity 141, (2) drying / thickening (fixing) of ink near the nozzle 110, and (3) the nozzle 110. Examples include adhesion of paper dust to the vicinity of the exit.
[0054]
When this ejection abnormality occurs, typically, as a result, a droplet is not ejected from the nozzle 110, that is, a droplet non-ejection phenomenon appears. In this case, in the image printed (drawn) on the recording paper P Dot loss of pixels occurs. Further, in the case of abnormal discharge, even if droplets are ejected from the nozzle 110, the amount of droplets is too small or the flight direction (ballistic) of the droplets is shifted, so that they do not land properly. It still appears as missing pixels in the pixels. For this reason, in the following description, the droplet ejection abnormality is sometimes simply referred to as “dot missing”.
[0055]
In the following, based on the comparison results shown in FIG. 8, the vibration plate 121 remains for each cause of the dot dropout (discharge abnormality) phenomenon (droplet non-discharge phenomenon) that occurs in the nozzle 110 of the inkjet head 100 during the printing process. The value of the acoustic resistance r and / or the inertance m is adjusted so that the calculated value of the vibration and the experimental value match (substantially match). Here, three types of bubble mixing, dry thickening, and paper dust adhesion are examined. First, the mixing of bubbles into the cavity 141, which is one cause of missing dots, is examined. FIG. 9 is a conceptual diagram of the vicinity of the nozzle 110 when the bubbles B are mixed in the cavity 141 of FIG. As shown in FIG. 9, it is assumed that the generated bubble B is generated and attached to the wall surface of the cavity 141 (in FIG. 9, as an example of the attachment position of the bubble B, the bubble B is near the nozzle 110. Shows the case of adhesion).
[0056]
Thus, when bubbles B are mixed in the cavity 141, it is considered that the total weight of the ink filling the cavity 141 is reduced and the inertance m is reduced. Further, since the bubbles B are attached to the wall surface of the cavity 141, it is considered that the diameter of the nozzle 110 is increased by the size of the diameter, and the acoustic resistance r is lowered.
[0057]
Therefore, with respect to the case of FIG. 8 in which the ink is normally ejected, by setting both the acoustic resistance r and the inertance m to be small and matching with the experimental value of the residual vibration at the time of bubble mixing, as shown in FIG. A result (graph) was obtained. As can be seen from the graphs of FIGS. 8 and 10, when bubbles are mixed in the cavity 141, a characteristic residual vibration waveform having a frequency higher than that during normal ejection can be obtained. It should be noted that the attenuation rate of the amplitude of the residual vibration is reduced due to the decrease in the acoustic resistance r, and it can be confirmed that the residual vibration is slowly decreasing the amplitude.
[0058]
FIG. 41 is a graph showing residual vibration (residual vibration waveform) of the diaphragm 121 when the amount of bubbles is large and small when bubbles are mixed in the cavity 141.
As the amount of bubbles in the cavity 141 increases, the total weight of ink further decreases and the inertance m decreases. Further, the diameter of the nozzle 110 is further increased, and the acoustic resistance r is reduced. As a result, as shown in FIG. 41, the frequency of residual vibration of the diaphragm 121 increases as the amount of bubbles in the cavity 141 increases.
For example, a calibration curve such as a table or an arithmetic expression indicating the relationship between the amount of bubbles mixed in the cavity 141 (bubble amount) and the frequency and period (vibration pattern) of residual vibration of the diaphragm 121 is experimental. Can be requested.
[0059]
Next, the drying (fixing and thickening) of the ink near the nozzle 110, which is another cause of missing dots, will be examined. FIG. 11 is a conceptual diagram in the vicinity of the nozzle 110 when the ink in the vicinity of the nozzle 110 in FIG. 3 is fixed by drying. As shown in FIG. 11, when the ink in the vicinity of the nozzle 110 is dried and fixed, the ink in the cavity 141 is confined in the cavity 141. Thus, it is considered that the acoustic resistance r increases when the ink near the nozzle 110 is dried and thickened.
[0060]
Therefore, with respect to the case of FIG. 8 in which the ink has been ejected normally, the acoustic resistance r is set to be large and matched with the experimental value of the residual vibration at the time of ink dry adhesion (thickening) near the nozzle 110, The result (graph) as shown in FIG. 12 was obtained. The experimental values shown in FIG. 12 indicate that the head unit 35 is left without a cap (not shown) for several days, and the ink is ejected when the ink in the vicinity of the nozzle 110 in the cavity 141 is dried and thickened. This is a measurement of the residual vibration of the vibration plate 121 in a state where it is no longer possible (the ink is fixed). As can be seen from the graphs of FIGS. 8 and 12, when the ink near the nozzle 110 is fixed by drying, the frequency becomes extremely lower than that during normal ejection, and the characteristic residual vibration in which the residual vibration is overdamped. A waveform is obtained. This is because the vibration plate 121 is pulled downward in FIG. 3 to eject ink droplets, and thus the vibration plate 121 moves upward in FIG. 3 after ink flows from the reservoir 143 into the cavity 141. This is because the diaphragm 121 cannot vibrate abruptly because there is no escape route for ink in the cavity 141 (because it is overdamped).
[0061]
Next, paper dust adhesion near the nozzle 110 exit, which is yet another cause of missing dots, will be examined. Here, in the present invention, “paper dust” is not limited to paper dust generated from recording paper or the like. For example, a piece of rubber such as a paper feed roller (paper feed roller) or floating in the air. This means anything that adheres to the vicinity of the nozzle 110 including dust or the like and hinders ejection of ink droplets.
[0062]
FIG. 13 is a conceptual diagram of the vicinity of the nozzle 110 when paper dust adheres to the vicinity of the nozzle 110 outlet of FIG. As shown in FIG. 13, when paper dust adheres to the vicinity of the outlet of the nozzle 110, the ink oozes out from the cavity 141 through the paper dust, and ink cannot be ejected from the nozzle 110. As described above, when paper dust adheres to the vicinity of the outlet of the nozzle 110 and ink is oozed out from the nozzle 110, the ink in the cavity 141 and the amount of the oozing out from the normal state as seen from the vibration plate 121 increases. Thus, the inertance m is considered to increase. Further, it is considered that the acoustic resistance r is increased by the fiber of the paper powder adhering to the vicinity of the outlet of the nozzle 110.
[0063]
Therefore, with respect to the case of FIG. 8 in which the ink has been ejected normally, both the inertance m and the acoustic resistance r are set large to match the experimental value of residual vibration when paper dust adheres to the vicinity of the nozzle 110 outlet. As a result, a result (graph) as shown in FIG. 14 was obtained. As can be seen from the graphs of FIGS. 8 and 14, when paper dust adheres near the outlet of the nozzle 110, a characteristic residual vibration waveform having a frequency lower than that during normal ejection is obtained (here, paper It can also be seen from the graphs of FIGS. 12 and 14 that the residual vibration frequency is higher in the case of powder adhesion than in the case of ink drying. FIG. 15 is a photograph showing the state of the nozzle 110 before and after the paper dust adheres. When paper dust adheres to the vicinity of the outlet of the nozzle 110, a state where ink oozes out along the paper dust can be found from FIG.
[0064]
Here, in the case where the ink near the nozzle 110 is dried and thickened, and in the case where the paper dust adheres to the vicinity of the outlet of the nozzle 110, both of the vibrations of attenuation are compared with the case where the ink droplets are ejected normally. The frequency is low. In order to identify the cause of these two missing dots (ink non-ejection: ejection abnormality) from the residual vibration waveform of the diaphragm 121, for example, a comparison is made with a predetermined threshold in the frequency, period and phase of the damped vibration. Alternatively, it can be specified from the periodic change of residual vibration (damped vibration) or the attenuation rate of amplitude change.
[0065]
In this way, each ink jet head is affected by a change (vibration pattern) of the residual vibration of the diaphragm 121 when an ink droplet is ejected from the nozzle 110 in each ink jet head 100, in particular, a change in its frequency (vibration pattern). 100 ejection abnormalities (head abnormalities) can be detected. Further, the cause of the ejection abnormality (head abnormality) can be specified by comparing the residual vibration frequency in that case with the frequency of the residual vibration during normal ejection.
[0066]
Next, the ejection abnormality detection means 10 will be described. FIG. 16 is a schematic block diagram of the ejection abnormality detecting means 10 shown in FIG. As shown in FIG. 16, the ejection abnormality detection unit 10 includes a residual vibration detection unit 16 including an oscillation circuit 11, an F / V conversion circuit 12, and a waveform shaping circuit 15, and the residual vibration detection unit 16. Measuring means 17 for measuring the period, amplitude, and the like from the residual vibration waveform data detected by, and determining means 20 for determining an ejection abnormality (head abnormality) of the inkjet head 100 based on the period measured by the measuring means 17. And. In the ejection abnormality detection means 10, the residual vibration detection means 16 oscillates from the oscillation circuit 11 based on the residual vibration of the diaphragm 121 of the electrostatic actuator 120, and the F / V conversion circuit 12 and the waveform shaping circuit from the oscillation frequency. At 15, a vibration waveform is formed and detected. The measuring unit 17 measures the residual vibration period based on the detected vibration waveform, and the determination unit 20 determines the head units 35 in the printing unit 3 based on the measured residual vibration period. An ejection abnormality of each inkjet head 100 included in the is detected and determined. Hereinafter, each component of the ejection abnormality detection means 10 will be described.
[0067]
First, a method of using the oscillation circuit 11 to detect the frequency (frequency) of residual vibration of the diaphragm 121 of the electrostatic actuator 120 will be described. FIG. 17 is a conceptual diagram when the electrostatic actuator 120 of FIG. 3 is a parallel plate capacitor, and FIG. 18 is a circuit diagram of the oscillation circuit 11 including a capacitor composed of the electrostatic actuator 120 of FIG. . The oscillation circuit 11 shown in FIG. 18 is a CR oscillation circuit that uses the Schmitt trigger hysteresis characteristics. However, the present invention is not limited to such a CR oscillation circuit, and the electrostatic circuit of an actuator (including a diaphragm) is used. Any oscillation circuit may be used as long as the oscillation circuit uses a capacitance component (capacitor C). The oscillation circuit 11 may have a configuration using an LC oscillation circuit, for example. In the present embodiment, an example using a Schmitt trigger inverter is shown and described. However, for example, a CR oscillation circuit using three stages of inverters may be configured.
[0068]
In the inkjet head 100 shown in FIG. 3, as described above, the diaphragm 121 and the segment electrode 122 separated by a very small space (gap) constitute the electrostatic actuator 120 that forms the counter electrode. The electrostatic actuator 120 can be considered as a parallel plate capacitor as shown in FIG. The capacitance of this capacitor is C, the surface area of each of the diaphragm 121 and the segment electrode 122 is S, the distance (gap length) between the two electrodes 121 and 122 is g, and the dielectric in the space (gap) sandwiched between both electrodes When the rate is ε (where ε0 is the dielectric constant of the vacuum and εr is the relative dielectric constant of the air gap, ε = ε0 · εr), the capacitance C (x) of the capacitor (electrostatic actuator 120) shown in FIG. Is expressed by the following equation.
[0069]
[Expression 2]
Figure 0004314849
[0070]
Note that x in Expression (4) indicates the amount of displacement from the reference position of the diaphragm 121 caused by the residual vibration of the diaphragm 121 as shown in FIG.
As can be seen from the equation (4), when the gap length g (gap length g−displacement amount x) is decreased, the capacitance C (x) is increased, and conversely, the gap length g (gap length g−displacement amount). As x) increases, the capacitance C (x) decreases. Thus, the capacitance C (x) is inversely proportional to (gap length g−displacement amount x) (gap length g when x is 0). In the electrostatic actuator 120 shown in FIG. 3, since the air gap is filled with air, the relative dielectric constant εr= 1.
[0071]
In general, as the resolution of the droplet discharge device (in the present embodiment, the ink jet printer 1) increases, the discharged ink droplets (ink dots) are miniaturized. And miniaturized. Accordingly, the surface area S of the vibration plate 121 of the inkjet head 100 is reduced, and a small electrostatic actuator 120 is configured. Further, the gap length g of the electrostatic actuator 120 that changes due to residual vibration due to ink droplet ejection is the initial gap g.0Therefore, as can be seen from Equation (4), the amount of change in the capacitance of the electrostatic actuator 120 is a very small value.
[0072]
In order to detect the amount of change in the capacitance of the electrostatic actuator 120 (depending on the vibration pattern of residual vibration), the following method, that is, based on the capacitance of the electrostatic actuator 120, as shown in FIG. A simple oscillation circuit is constructed, and a method of analyzing the frequency (period) of residual vibration based on the oscillated signal is used. The oscillation circuit 11 shown in FIG. 18 includes a capacitor (C) including an electrostatic actuator 120, a Schmitt trigger inverter 111, and a resistance element (R) 112.
[0073]
When the output signal of the Schmitt trigger inverter 111 is at a high level, the capacitor C is charged via the resistance element 112. The charging voltage of the capacitor C (potential difference between the diaphragm 121 and the segment electrode 122) is the input threshold voltage V of the Schmitt trigger inverter 111.TWhen reaching +, the output signal of the Schmitt trigger inverter 111 is inverted to the Low level. Then, when the output signal of the Schmitt trigger inverter 111 becomes a low level, the charge charged in the capacitor C is discharged through the resistance element 112. Due to this discharge, the voltage of the capacitor C becomes the input threshold voltage V of the Schmitt trigger inverter 111.TWhen-is reached, the output signal of the Schmitt trigger inverter 111 is inverted again to the high level. Thereafter, this oscillation operation is repeated.
[0074]
Here, in order to detect the time change of the capacitance of the capacitor C in each of the above phenomena (bubble mixing, drying, paper dust adhesion, and normal ejection), the oscillation frequency by the oscillation circuit 11 is the residual vibration. It is necessary to set the oscillation frequency that can detect the frequency at the time of bubble mixing (see FIG. 10) having the highest frequency. For this reason, the oscillation frequency of the oscillation circuit 11 must be, for example, several times to several tens of times the frequency of the residual vibration to be detected, that is, about one digit higher than the frequency when bubbles are mixed. In this case, it is preferable to set the residual vibration frequency at the time of bubble mixing to a detectable oscillation frequency because the frequency of the residual vibration at the time of bubble mixing is higher than that at the time of normal ejection. Otherwise, an accurate residual vibration frequency cannot be detected for the phenomenon of abnormal discharge. Therefore, in this embodiment, the CR time constant of the oscillation circuit 11 is set according to the oscillation frequency. In this way, by setting the oscillation frequency of the oscillation circuit 11 high, a more accurate residual vibration waveform can be detected based on the minute change in the oscillation frequency.
[0075]
Note that for each period (pulse) of the oscillation frequency of the oscillation signal output from the oscillation circuit 11, the pulse is counted using a measurement count pulse (counter), and the initial gap g0By subtracting the count amount of the pulse of the oscillation frequency when oscillating with the capacitance of the capacitor C in the above, the digital information for each oscillation frequency is obtained for the residual vibration waveform. A rough residual vibration waveform can be generated by performing digital / analog (D / A) conversion based on the digital information. Although such a method may be used, a count pulse (counter) for measurement requires a high frequency (high resolution) capable of measuring a minute change in oscillation frequency. In order to increase the cost of such a count pulse (counter), the ejection abnormality detection means 10 uses the F / V conversion circuit 12 shown in FIG.
[0076]
FIG. 19 is a circuit diagram of the F / V conversion circuit 12 of the ejection abnormality detection means 10 shown in FIG. As shown in FIG. 19, the F / V conversion circuit 12 includes three switches SW1, SW2, and SW3, two capacitors C1 and C2, a resistance element R1, and a constant current source 13 that outputs a constant current Is. And the buffer 14. The operation of the F / V conversion circuit 12 will be described with reference to the timing chart of FIG. 20 and the graph of FIG.
[0077]
First, a method for generating a charge signal, a hold signal, and a clear signal shown in the timing chart of FIG. 20 will be described. The charging signal is generated so as to set a fixed time tr from the rising edge of the oscillation pulse of the oscillation circuit 11 and to be at a high level during the fixed time tr. The hold signal rises in synchronization with the rising edge of the charging signal, is held at the high level for a predetermined fixed time, and is generated so as to fall to the low level. The clear signal rises in synchronization with the falling edge of the hold signal, is held at the high level for a predetermined fixed time, and is generated so as to fall to the low level. As will be described later, since the charge transfer from the capacitor C1 to the capacitor C2 and the discharge of the capacitor C1 are instantaneously performed, the pulse of the hold signal and the clear signal is until the next rising edge of the output signal of the oscillation circuit 11. It is sufficient that each pulse includes one pulse, and it is not limited to the rising edge and the falling edge as described above.
[0078]
In order to obtain a clean residual vibration waveform (voltage waveform), a method of setting the fixed times tr and t1 will be described with reference to FIG. For the fixed time tr, the electrostatic actuator 120 has an initial gap length g.0Is adjusted from the period of the oscillation pulse oscillated by the electrostatic capacitance C at the time, and the charging potential according to the charging time t1 is set to be approximately half of the charging range of C1. Further, the charging potential gradient is set so as not to exceed the charging range of the capacitor C1 between the charging time t2 at the position where the gap length g is the maximum (Max) and the charging time t3 at the position where the gap length g is the minimum (Min). That is, since the gradient of the charging potential is determined by dV / dt = Is / C1, the output constant current Is of the constant current source 13 may be set to an appropriate value. By setting the output constant current Is of the constant current source 13 as high as possible within the range, a minute change in the capacitance of the capacitor constituted by the electrostatic actuator 120 can be detected with high sensitivity. It becomes possible to detect a minute change in the diaphragm 121 of the electric actuator 120.
[0079]
Next, the configuration of the waveform shaping circuit 15 shown in FIG. 16 will be described with reference to FIG. FIG. 22 is a circuit diagram showing a circuit configuration of the waveform shaping circuit 15 of FIG. This waveform shaping circuit 15 outputs the residual vibration waveform to the determination means 20 as a rectangular wave. As shown in FIG. 22, the waveform shaping circuit 15 includes two capacitors C3 (DC component removing means) and C4, two resistance elements R2 and R3, two DC voltage sources Vref1 and Vref2, and an amplifier (an operational amplifier). ) 151 and a comparator (comparator) 152. In the waveform shaping process of the residual vibration waveform, the detected peak value may be output as it is, and the amplitude of the residual vibration waveform may be measured.
[0080]
The output of the buffer 14 of the F / V conversion circuit 12 includes the initial gap g of the electrostatic actuator 120.0The electrostatic capacitance component of the DC component (direct current component) based on is included. Since the direct current component varies depending on each ink jet head 100, the capacitor C3 removes the direct current component of the capacitance. The capacitor C3 removes the DC component in the output signal of the buffer 14 and outputs only the AC component of the residual vibration to the inverting input terminal of the operational amplifier 151.
[0081]
The operational amplifier 151 constitutes a low-pass filter for inverting and amplifying the output signal of the buffer 14 of the F / V conversion circuit 12 from which the DC component has been removed, and for removing the high range of the output signal. The operational amplifier 151 is assumed to be a single power supply circuit. The operational amplifier 151 constitutes an inverting amplifier composed of two resistance elements R2 and R3, and the input residual vibration (alternating current component) is amplified by -R3 / R2 times.
[0082]
In addition, for the single power supply operation of the operational amplifier 151, the residual vibration waveform of the amplified diaphragm 121 that vibrates around the potential set by the DC voltage source Vref1 connected to the non-inverting input terminal is output. . Here, the DC voltage source Vref1 is set to about ½ of the voltage range in which the operational amplifier 151 can operate with a single power source. Further, the operational amplifier 151 constitutes a low-pass filter having a cutoff frequency 1 / (2π × C4 × R3) by two capacitors C3 and C4. Then, as shown in the timing chart of FIG. 20, the residual vibration waveform of the diaphragm 121 that has been amplified after the direct current component has been removed is subjected to the potential of another direct current voltage source Vref2 by a comparator 152 at the next stage. And the comparison result is output from the waveform shaping circuit 15 as a rectangular wave. Note that the DC voltage source Vref2 may share another DC voltage source Vref1.
[0083]
Next, operations of the F / V conversion circuit 12 and the waveform shaping circuit 15 shown in FIG. 19 will be described with reference to a timing chart shown in FIG. The F / V conversion circuit 12 shown in FIG. 19 operates based on the charging signal, clear signal, and hold signal generated as described above. In the timing chart of FIG. 20, when the drive signal of the electrostatic actuator 120 is input to the inkjet head 100 via the head driver 33, the diaphragm 121 of the electrostatic actuator 120 is segmented as shown in FIG. It is attracted to the electrode 122 side, and contracts rapidly upward in FIG. 6 in synchronization with the falling edge of this drive signal (see FIG. 6C).
[0084]
In synchronization with the falling edge of the drive signal, the drive / detection switching signal for switching between the drive circuit 18 and the ejection abnormality detecting means 10 becomes High level. This drive / detection switching signal is held at the high level during the drive suspension period of the corresponding ink jet head 100, and becomes the low level before the next drive signal is input. While the drive / detection switching signal is at the high level, the oscillation circuit 11 in FIG. 18 oscillates while changing the oscillation frequency corresponding to the residual vibration of the diaphragm 121 of the electrostatic actuator 120.
[0085]
As described above, from the falling edge of the drive signal, that is, from the rising edge of the output signal of the oscillation circuit 11, only a fixed time tr set in advance so that the waveform of the residual vibration does not exceed the range in which the capacitor C1 can be charged. The charging signal is held at a high level until the time has elapsed. Note that the switch SW1 is in an off state while the charge signal is at a high level.
[0086]
When the fixed time tr elapses and the charge signal becomes low level, the switch SW1 is turned on in synchronization with the falling edge of the charge signal (see FIG. 19). Then, the constant current source 13 and the capacitor C1 are connected, and the capacitor C1 is charged with the slope Is / C1 as described above. The capacitor C1 is charged during the period when the charging signal is at the low level, that is, until the charging signal becomes high level in synchronization with the rising edge of the next pulse of the output signal of the oscillation circuit 11.
[0087]
When the charge signal becomes high level, the switch SW1 is turned off (opened), and the constant current source 13 and the capacitor C1 are disconnected. At this time, the capacitor C1 stores a potential (that is, ideally Is × t1 / C1 (V)) charged during the period t1 when the charge signal is at a low level. In this state, when the hold signal becomes High level, the switch SW2 is turned on (see FIG. 19), and the capacitor C1 and the capacitor C2 are connected via the resistance element R1. After the connection of the switch SW2, charging and discharging are performed by the charging potential difference between the two capacitors C1 and C2, and the charge is transferred from the capacitor C1 to the capacitor C2 so that the potential difference between the two capacitors C1 and C2 is approximately equal.
[0088]
Here, the capacitance of the capacitor C2 is set to about 1/10 or less with respect to the capacitance of the capacitor C1. For this reason, the amount of charge that is moved (used) by charging / discharging caused by the potential difference between the two capacitors C1 and C2 is 1/10 or less of the charge charged in the capacitor C1. Therefore, even after the charge moves from the capacitor C1 to the capacitor C2, the potential difference of the capacitor C1 does not change so much (it does not decrease so much). In the F / V conversion circuit 12 of FIG. 19, when the capacitor C2 is charged, the resistance element R1 and the capacitor are prevented from suddenly jumping up due to the inductance of the wiring of the F / V conversion circuit 12 or the like. A primary low-pass filter is configured by C2.
[0089]
After the charging potential approximately equal to the charging potential of the capacitor C1 is held in the capacitor C2, the hold signal becomes the low level, and the capacitor C1 is disconnected from the capacitor C2. Further, when the clear signal becomes a high level and the switch SW3 is turned on, the capacitor C1 is connected to the ground GND, and the discharging operation is performed so that the charge charged in the capacitor C1 becomes zero. After the capacitor C1 is discharged, the clear signal becomes a low level, and the switch SW3 is turned off, whereby the upper electrode in FIG. 19 of the capacitor C1 is disconnected from the ground GND, that is, until the next charging signal is input, that is, the charging is performed. Waiting until the signal becomes low level.
[0090]
The potential held in the capacitor C2 is updated every time the charging signal rises, that is, every time when charging of the capacitor C2 is completed, and the waveform shown in FIG. It is output to the shaping circuit 15. Therefore, the electrostatic capacitance of the electrostatic actuator 120 (in this case, the fluctuation range of the electrostatic capacitance due to residual vibration must be taken into consideration) and the resistance value of the resistance element 112 are set so that the oscillation frequency of the oscillation circuit 11 is increased. If this is done, each step (step) of the potential of the capacitor C2 (output of the buffer 14) shown in the timing chart of FIG. 20 becomes more detailed, and therefore the time-dependent change in capacitance due to residual vibration of the diaphragm 121 is further increased. It becomes possible to detect in detail.
[0091]
Similarly, the charging signal is repeatedly changed from Low level → High level → Low level... And the potential held in the capacitor C2 is output to the waveform shaping circuit 15 via the buffer 14 at the predetermined timing. In the waveform shaping circuit 15, the DC component of the voltage signal (the potential of the capacitor C2 in the timing chart of FIG. 20) input from the buffer 14 is removed by the capacitor C3, and is connected to the inverting input terminal of the operational amplifier 151 via the resistor element R2. Entered. The input alternating current (AC) component of the residual vibration is inverted and amplified by the operational amplifier 151 and output to one input terminal of the comparator 152. The comparator 152 compares the potential (reference voltage) preset by the DC voltage source Vref2 with the potential of the residual vibration waveform (AC component), and outputs a rectangular wave (of the comparison circuit in the timing chart of FIG. 20). output).
[0092]
Next, the switching timing between the ink droplet ejection operation (drive) and the ejection abnormality detection operation (drive suspension) of the inkjet head 100 will be described. FIG. 23 is a block diagram showing an outline of the switching means 23 between the drive circuit 18 and the ejection abnormality detection means 10. 23, the drive circuit 18 in the head driver 33 shown in FIG. 16 will be described as a drive circuit for the inkjet head 100. As shown in the timing chart of FIG. 20, the ejection abnormality detection process is executed between the drive signals of the inkjet head 100, that is, in the drive pause period.
[0093]
In FIG. 23, in order to drive the electrostatic actuator 120, the switching means 23 is initially connected to the drive circuit 18 side. As described above, when a drive signal (voltage signal) is input from the drive circuit 18 to the diaphragm 121, the electrostatic actuator 120 is driven, the diaphragm 121 is attracted to the segment electrode 122 side, and the applied voltage is 0. Then, it suddenly displaces in a direction away from the segment electrode 122 and starts to vibrate (residual vibration). At this time, ink droplets are ejected from the nozzles 110 of the inkjet head 100.
[0094]
When the pulse of the drive signal falls, a drive / detection switching signal (see the timing chart of FIG. 20) is input to the switching means 23 in synchronization with the falling edge, and the switching means 23 detects the ejection abnormality from the drive circuit 18. The electrostatic actuator 120 (used as a capacitor of the oscillation circuit 11) is connected to the ejection abnormality detection means 10 by switching to the means (detection circuit) 10 side.
[0095]
Then, the discharge abnormality detection means 10 executes the discharge abnormality (dot missing) detection process as described above, and the residual vibration waveform data (rectangular wave data) of the diaphragm 121 output from the comparator 152 of the waveform shaping circuit 15. ) Is digitized by the measuring means 17 into the period and amplitude of the residual vibration waveform. In the present embodiment, the measurement unit 17 measures a specific vibration cycle from the residual vibration waveform data and outputs the measurement result (numerical value) to the determination unit 20.
[0096]
Specifically, the measuring means 17 is a counter (not shown) for measuring the time (residual vibration period) from the first rising edge to the next rising edge of the waveform (rectangular wave) of the output signal of the comparator 152. Is used to count the pulses of the reference signal (predetermined frequency), and the residual vibration period (specific vibration period) is measured from the counted value. Note that the measuring unit 17 may measure the time from the first rising edge to the next falling edge and output the time twice the measured time to the determining unit 20 as the period of the residual vibration. Hereinafter, the period of the residual vibration obtained in this way is Tw.
[0097]
Based on a specific vibration period or the like (measurement result) of the residual vibration waveform measured by the measurement unit 17, the determination unit 20 determines whether there is a nozzle ejection abnormality (head abnormality), causes of the ejection abnormality (head abnormality), comparison A deviation amount or the like is determined, and the determination result is output to the control unit 6. The control unit 6 stores the determination result in a predetermined storage area of the EEPROM (storage unit) 62. Then, at the timing when the next drive signal from the drive circuit 18 is input, the drive / detection switching signal is input again to the switching means 23 to connect the drive circuit 18 and the electrostatic actuator 120. Since the drive circuit 18 maintains the ground (GND) level once the drive voltage is applied, the switching means 23 performs the switching as described above (see the timing chart in FIG. 20). Thereby, the residual vibration waveform of the diaphragm 121 of the electrostatic actuator 120 can be accurately detected without being affected by disturbance from the drive circuit 18.
[0098]
In the present invention, the residual vibration waveform data is not limited to the rectangular waveform generated by the comparator 152. For example, the residual vibration amplitude data output from the operational amplifier 151 is digitized at any time by the measuring means 17 that performs A / D conversion without performing comparison processing by the comparator 152, and based on the digitized data, The determination unit 20 may determine whether or not there is a discharge abnormality, and the determination result may be stored in the storage unit 62.
[0099]
Further, since the meniscus of the nozzle 110 (the surface where the ink in the nozzle 110 is in contact with the atmosphere) vibrates in synchronization with the residual vibration of the vibration plate 121, the ink jet head 100 causes the residual vibration of the meniscus after the ink droplet ejection operation. , After waiting for the sound resistance r to decay in a substantially determined time (waiting for a predetermined time), the next discharge operation is performed. In the present invention, the residual vibration of the vibration plate 121 is detected by effectively using this standby time, so that it is possible to detect ejection abnormality that does not affect the driving of the inkjet head 100. That is, the ejection abnormality detection process of the nozzle 110 of the inkjet head 100 can be executed without reducing the throughput of the inkjet printer 1 (droplet ejection device).
[0100]
As described above, when bubbles are mixed in the cavity 141 of the inkjet head 100, the frequency is higher than the residual vibration waveform of the diaphragm 121 during normal ejection, so the cycle is reversed during normal ejection. It becomes shorter than the period of residual vibration. Further, when the ink near the nozzle 110 is thickened and fixed due to drying, the residual vibration is excessively attenuated, and the frequency is considerably lower than the residual vibration waveform during normal ejection. It becomes considerably longer than the period of residual vibration. Further, when paper dust adheres near the outlet of the nozzle 110, the frequency of residual vibration is lower than the frequency of residual vibration during normal ejection, but is higher than the frequency of residual vibration during ink drying. Therefore, the period is longer than the period of residual vibration during normal ejection, and shorter than the period of residual vibration during ink drying.
[0101]
Therefore, a predetermined range Tr is provided as a period of residual vibration at the time of normal ejection, and a period of residual vibration when paper dust adheres to the nozzle 110 outlet and when ink is dried near the nozzle 110 outlet. By setting a predetermined threshold value (predetermined threshold value) T1 in order to distinguish from the period of the residual vibration, the cause of such an ejection abnormality of the inkjet head 100 can be determined. The determination unit 20 determines whether or not the period Tw of the residual vibration waveform detected by the ejection abnormality detection process is a period within a predetermined range, and whether or not it is longer than a predetermined threshold. Based on this, the cause of the ejection abnormality (head abnormality) is determined.
[0102]
Further, as described above, a calibration curve such as a table or an arithmetic expression indicating the relationship between the amount of bubbles in the cavity 141 and the frequency and period (vibration pattern) of the residual vibration of the diaphragm 121 is obtained experimentally. In this ink jet printer 1, a table (calibration curve) showing the relationship between the amount of bubbles and the period (vibration pattern) of residual vibration is created in advance, and based on the table, bubbles are mixed into the cavity 141. The degree of ejection abnormality (head abnormality), that is, the amount of bubbles in the cavity 141 is detected (estimated).
[0103]
In addition, including each of the tables, for example, a table indicating a relationship between a bubble amount and a recovery process condition to be described later, and a table indicating a relationship between the bubble amount and a detection interval (time interval) for detecting the bubble amount. The (calibration curve) and each data are obtained experimentally in advance, stored in the EEPEOM 62, and read out and used as necessary.
[0104]
Next, the operation of the droplet discharge device of the present invention will be described based on the configuration of the inkjet printer 1 described above. First, ejection abnormality detection processing (including drive / detection switching processing) for the nozzle 110 of one inkjet head 100 will be described. FIG. 24 is a flowchart showing ejection abnormality detection / determination processing. When print data to be printed (may be ejection data in a flushing operation) is input from the host computer 8 to the control unit 6 via the interface (IF) 9, this ejection abnormality detection process is executed at a predetermined timing. For convenience of explanation, the flowchart shown in FIG. 24 shows a discharge abnormality detection process corresponding to the discharge operation of one inkjet head 100, that is, one nozzle 110.
[0105]
First, a drive signal corresponding to print data (ejection data) is input from the drive circuit 18 of the head driver 33, and based on the drive signal timing as shown in the timing chart of FIG. A drive signal (voltage signal) is applied between both electrodes (step S101). Then, the control means 6 determines whether or not the ejected inkjet head 100 is in the drive suspension period based on the drive / detection switching signal (step S102). Here, the drive / detection switching signal becomes High level in synchronization with the falling edge of the driving signal (see FIG. 20), and is input from the control means 6 to the switching means 23.
[0106]
When the drive / detection switching signal is input to the switching unit 23, the electrostatic actuator 120, that is, the capacitor constituting the oscillation circuit 11 is disconnected from the drive circuit 18 by the switching unit 23, and the ejection abnormality detection unit 10 (detection). Circuit) side, that is, connected to the oscillation circuit 11 of the residual vibration detecting means 16 (step S103). And the residual vibration detection process mentioned later is performed (step S104), and the measurement means 17 measures a predetermined | prescribed numerical value from the residual vibration waveform data detected in this residual vibration detection process (step S105). Here, as described above, the measuring means 17 measures the period of the residual vibration from the residual vibration waveform data.
[0107]
Next, based on the measurement result of the measurement unit, the determination unit 20 executes a discharge abnormality determination process described later (step S106), and the determination result is stored in a predetermined storage area of the EEPROM (storage unit) 62 of the control unit 6. Save (step S107). In step S108, it is determined whether or not the inkjet head 100 is in the driving period. That is, it is determined whether or not the drive suspension period has ended and the next drive signal has been input, and the process waits in step S108 until the next drive signal is input.
[0108]
When the drive / detection switching signal becomes low level in synchronization with the rising edge of the driving signal at the timing when the pulse of the next driving signal is input (“Yes” in step S108), the switching unit 23 causes the electrostatic actuator 120 to switch. Is switched from the discharge abnormality detection means (detection circuit) 10 to the drive circuit 18 (step S109), and this discharge abnormality detection process is terminated.
[0109]
In the flowchart shown in FIG. 24, the case where the measurement unit 17 measures the period from the residual vibration waveform detected by the residual vibration detection process (residual vibration detection unit 16) is shown. For example, the measurement unit 17 may measure the phase difference or amplitude of the residual vibration waveform from the residual vibration waveform data detected in the residual vibration detection process.
[0110]
Next, the residual vibration detection process (subroutine) in step S104 of the flowchart shown in FIG. 24 will be described. FIG. 25 is a flowchart showing the residual vibration detection process. As described above, when the electrostatic actuator 120 and the oscillation circuit 11 are connected by the switching unit 23 (step S103 in FIG. 24), the oscillation circuit 11 constitutes a CR oscillation circuit, and the electrostatic capacitance of the electrostatic actuator 120 Oscillation (residual vibration of diaphragm 121 of electrostatic actuator 120) (step S201).
[0111]
As shown in the above timing chart, the F / V conversion circuit 12 generates a charge signal, a hold signal, and a clear signal based on the output signal (pulse signal) of the oscillation circuit 11, and based on these signals. F / V conversion processing for converting the frequency of the output signal of the oscillation circuit 11 into voltage is performed by the F / V conversion circuit 12 (step S202), and residual vibration waveform data of the diaphragm 121 is output from the F / V conversion circuit 12. Is done. The residual vibration waveform data output from the F / V conversion circuit 12 is removed from the DC component (DC component) by the capacitor C3 of the waveform shaping circuit 15 (step S203), and the residual from which the DC component is removed by the operational amplifier 151. The vibration waveform (AC component) is amplified (step S204).
[0112]
The amplified residual vibration waveform data is shaped and pulsed by a predetermined process (step S205). That is, in the present embodiment, the comparator 152 compares the voltage value (predetermined voltage value) set by the DC voltage source Vref2 with the output voltage of the operational amplifier 151. The comparator 152 outputs a binarized waveform (rectangular wave) based on the comparison result. The output signal of the comparator 152 is an output signal of the residual vibration detection means 16 and is output to the measurement means 17 in order to perform the discharge abnormality determination process, and this residual vibration detection process is completed.
[0113]
Next, the ejection abnormality determination process (subroutine) in step S106 of the flowchart shown in FIG. 24 will be described. FIG. 26 is a flowchart showing a discharge abnormality determination process executed by the control unit 6 and the determination unit 20. Based on the measurement data (measurement result) such as the period measured by the measurement unit 17 described above, the determination unit 20 determines whether or not the ink droplets are normally ejected from the corresponding inkjet head 100, and does not eject normally. If this is the case, that is, if there is a discharge abnormality, the cause is determined.
[0114]
First, the control unit 6 outputs a predetermined range Tr of the residual vibration period and a predetermined threshold T1 of the residual vibration period stored in the EEPROM 62 to the determination unit 20. The predetermined range Tr of the residual vibration period has an allowable range that can be determined as normal with respect to the residual vibration period during normal ejection. These data are stored in a memory (not shown) of the determination unit 20 and the following processing is executed.
[0115]
The measurement result measured by the measurement unit 17 in step S105 in FIG. 24 is input to the determination unit 20 (step S301). Here, in the present embodiment, the measurement result is a period Tw of residual vibration of the diaphragm 121.
In step S <b> 302, the determination unit 20 determines whether or not there is a residual vibration period Tw, that is, whether or not the residual vibration waveform data is not obtained by the ejection abnormality detection unit 10. When it is determined that the residual vibration period Tw does not exist, the determination unit 20 determines that the nozzle 110 of the inkjet head 100 is an undischarged nozzle that has not discharged an ink droplet in the discharge abnormality detection process ( Step S306). If it is determined that there is residual vibration waveform data, then in step S303, the determination unit 20 determines whether or not the cycle Tw is within a predetermined range Tr that is recognized as a cycle during normal ejection. Determine.
[0116]
When it is determined that the period Tw of the residual vibration is within the predetermined range Tr, it means that the ink droplet has been normally ejected from the corresponding inkjet head 100, and the determination means 20 It is determined that the nozzle 110 has normally ejected ink droplets (normal ejection) (step S307). If it is determined that the residual vibration period Tw is not within the predetermined range Tr, then, in step S304, the determination unit 20 determines whether the residual vibration period Tw is shorter than the predetermined range Tr. Determine whether.
[0117]
If it is determined that the period Tw of the residual vibration is shorter than the predetermined range Tr, it means that the frequency of the residual vibration is high. As described above, bubbles are mixed in the cavity 141 of the inkjet head 100. The determination unit 20 determines that bubbles are mixed in the cavity 141 of the inkjet head 100 (bubbles mixed) (step S308).
[0118]
When it is determined that the residual vibration period Tw is longer than the predetermined range Tr, the determination unit 20 subsequently determines whether the residual vibration period Tw is longer than the predetermined threshold T1. Determination is made (step S305). If it is determined that the period Tw of the residual vibration is longer than the predetermined threshold value T1, it is considered that the residual vibration is excessively damped, and the determination means 20 uses the ink near the nozzle 110 of the inkjet head 100. It is determined that the viscosity is increased by drying (drying) (step S309).
[0119]
In step S305, if it is determined that the period Tw of the residual vibration is shorter than the predetermined threshold value T1, the period Tw of the residual vibration is a value in a range that satisfies Tr <Tw <T1, As described above, it is considered that paper dust adheres to the vicinity of the outlet of the nozzle 110 having a frequency higher than that of drying, and the determination unit 20 has paper dust adhered to the vicinity of the nozzle 110 outlet of the inkjet head 100. It is determined that (paper dust adheres) (step S310).
[0120]
Further, after the step S308, based on the table showing the relationship between the bubble amount V in the cavity 141 and the residual vibration period Tw of the diaphragm 121 shown in Table 1 below, it corresponds to the residual vibration period Tw. The bubble amount V is obtained and the bubble amount V is read (step S311).
The center value Trc in Table 1 below is the center value of the residual vibration period (predetermined range) Tr during normal ejection.
[0121]
[Table 1]
Figure 0004314849
[0122]
As described above, when the determination unit 20 determines the cause of normal ejection or ejection abnormality of the target inkjet head 100 (steps S306 to S311), the determination result and the cause of ejection abnormality are when bubbles are mixed. The amount of bubbles is output to the control unit 6 and the ejection abnormality determination process is terminated.
The determination result corresponding to each inkjet head 100 and the amount of bubbles when the cause of ejection abnormality is bubble mixing are associated with the inkjet head 100 to be processed in step S107 of FIG. Is stored in a predetermined storage area of an EEPROM (storage means) 62.
[0123]
In the following description, the determination result and the amount of bubbles in the case where the cause of the ejection abnormality is bubble mixing may be simply referred to as “determination result”. In other words, the determination result may include not only the determination result of the cause of the ejection abnormality but also the amount of bubbles when the cause of the ejection abnormality is bubble mixing. Also, it may be called detection / determination of discharge abnormality and determination of the cause of discharge abnormality, including detection of the amount of bubbles.
[0124]
Next, assuming an inkjet printer 1 including a plurality of inkjet heads (droplet ejection heads) 100, that is, a plurality of nozzles 110, ejection that selects a plurality of nozzles 110 provided on the inkjet head 100 in the inkjet printer 1. The selection unit (nozzle selector) 182 and the ejection abnormality detection / determination timing of each inkjet head 100 will be described.
[0125]
In the following, for easy understanding, one head unit 35 of the plurality of head units 35 provided in the printing unit 3 will be described. The head unit 35 includes five inkjet heads 100a to 100e. In the present invention, the number of head units 35 included in the printing unit 3 and the number of inkjet heads 100 (nozzles 110) included in each head unit 35 are respectively Any number.
[0126]
27 to 30 are block diagrams illustrating some examples of ejection abnormality detection / determination timing in the inkjet printer 1 including the ejection selection unit 182. FIG. Hereinafter, configuration examples in the drawings will be sequentially described.
FIG. 27 is an example of a discharge abnormality detection timing of a plurality (five) of ink jet heads 100a to 100e (when there is one discharge abnormality detection means 10). As shown in FIG. 27, an inkjet printer 1 having a plurality of inkjet heads 100a to 100e can select a drive waveform generation unit 181 that generates a drive waveform and which nozzle 110 ejects ink droplets. A plurality of inkjet heads 100a to 100e that are selected by the discharge selection unit 182 and driven by the drive waveform generation unit 181. In the configuration of FIG. 27, the configuration other than the above is the same as that shown in FIG. 2, FIG. 16, and FIG.
[0127]
In this embodiment, the drive waveform generation unit 181 and the ejection selection unit 182 are described as being included in the drive circuit 18 of the head driver 33 (in FIG. 27, two blocks are shown via the switching unit 23). However, in general, both are configured in the head driver 33), and the present invention is not limited to this configuration. For example, the drive waveform generation means 181 may be configured independently of the head driver 33. Good.
[0128]
As shown in FIG. 27, the ejection selection means 182 includes a shift register 182a, a latch circuit 182b, and a driver 182c. Print data (ejection data) output from the host computer 8 shown in FIG. 2 and subjected to predetermined processing by the control unit 6 and a clock signal (CLK) are sequentially input to the shift register 182a. The print data is sequentially shifted from the first stage of the shift register 182a to the subsequent stage according to the input pulse of the clock signal (CLK) (each time the clock signal is input), and corresponds to each of the inkjet heads 100a to 100e. The print data is output to the latch circuit 182b. In the discharge abnormality detection process to be described later, discharge data at the time of flushing (preliminary discharge) is input instead of print data. The discharge data means print data for all the ink jet heads 100a to 100e. . At the time of flushing, hardware processing may be performed so that all outputs of the latch circuit are set to values at which ejection is performed.
[0129]
The latch circuit 182b stores each output signal of the shift register 182a according to the latch signal inputted after the print data corresponding to the number of the nozzles 110 of the head unit 35, that is, the number of the inkjet heads 100 is stored in the shift register 182a. Latch. Here, when the CLEAR signal is input, the latch state is released, the output signal of the latched shift register 182a becomes 0 (latch output stop), and the printing operation is stopped. When the CLEAR signal is not input, the latched print data of the shift register 182a is output to the driver 182c. After the print data output from the shift register 182a is latched by the latch circuit 182b, the next print data is input to the shift register 182a, and the latch signal of the latch circuit 182b is sequentially updated in accordance with the print timing.
[0130]
The driver 182c connects the drive waveform generator 181 and the electrostatic actuator 120 of each inkjet head 100, and each electrostatic actuator 120 (inkjet) designated (specified) by a latch signal output from the latch circuit 182b. The output signal (drive signal) of the drive waveform generation means 181 is input to any one or all of the electrostatic actuators 120) of the heads 100a to 100e, so that the drive signal (voltage signal) becomes both electrodes of the electrostatic actuator 120. Applied between.
[0131]
In the inkjet printer 1 shown in FIG. 27, one drive waveform generating unit 181 that drives the plurality of inkjet heads 100a to 100e and an ejection abnormality (ink droplet) with respect to any inkjet head 100 of the inkjet heads 100a to 100e. A discharge abnormality detecting means 10 for detecting (non-ejection), a storage means 62 for storing (storing) a determination result such as a cause of the discharge abnormality obtained by the discharge abnormality detecting means 10, a drive waveform generating means 181 and a discharge abnormality. One switching unit 23 that switches between the detection unit 10 and the detection unit 10 is provided. Accordingly, the ink jet printer 1 drives one or more of the ink jet heads 100a to 100e selected by the driver 182c based on the drive signal input from the drive waveform generation means 181 to drive / detect the switching signal. Is input to the switching unit 23 after the ejection driving operation, so that the switching unit 23 switches the connection from the drive waveform generation unit 181 to the ejection abnormality detection unit 10 to the electrostatic actuator 120 of the inkjet head 100, and then the diaphragm 121. Based on the residual vibration waveform, the ejection abnormality detection means 10 detects ejection abnormality (ink droplet non-ejection) at the nozzle 110 of the inkjet head 100, and determines the cause in the case of ejection abnormality.
[0132]
When the ink jet printer 1 detects and determines an ejection abnormality for the nozzle 110 of one ink jet head 100, the ink jet head 100 designated next is based on the drive signal input from the drive waveform generating unit 181. In the same manner, ejection abnormalities are sequentially detected and determined for the nozzles 110 of the inkjet head 100 driven by the output signal of the drive waveform generation means 181. As described above, when the residual vibration detection unit 16 detects the residual vibration waveform of the diaphragm 121, the measurement unit 17 measures the period of the residual vibration waveform based on the waveform data, and the determination unit 20 performs the measurement. Based on the measurement result of the means 17, in the case of normal ejection or ejection abnormality and ejection abnormality (head abnormality), the cause of ejection abnormality is determined, and the determination result is output to the storage means 62.
[0133]
In this way, the inkjet printer 1 shown in FIG. 27 is configured to detect and determine ejection abnormalities sequentially during the ink droplet ejection driving operation for each nozzle 110 of the plurality of inkjet heads 100a to 100e. It is only necessary to provide one means 10 and one switching means 23, and the circuit configuration of the ink jet printer 1 capable of detecting / determining ejection abnormality can be scaled down, and an increase in its manufacturing cost can be prevented.
[0134]
FIG. 28 is an example of the timing of ejection abnormality detection of a plurality of inkjet heads 100 (when the number of ejection abnormality detection means 10 is the same as the number of inkjet heads 100). The inkjet printer 1 shown in FIG. 28 has one ejection selection unit 182, five ejection abnormality detection units 10 a to 10 e, five switching units 23 a to 23 e, and one common to the five inkjet heads 100 a to 100 e. Drive waveform generation means 181 and one storage means 62 are provided. Since each component has already been described in the description of FIG. 27, the description thereof will be omitted and the connection will be described.
[0135]
As in the case shown in FIG. 27, the ejection selecting means 182 latches print data corresponding to each of the inkjet heads 100a to 100e based on print data (ejection data) input from the host computer 8 and the clock signal CLK. The electrostatic actuator 120 of the ink jet heads 100a to 100e corresponding to the print data is driven in accordance with a drive signal (voltage signal) input to the driver 182c from the drive waveform generator 181. The drive / detection switching signals are respectively input to the switching units 23a to 23e corresponding to all the inkjet heads 100a to 100e, and the switching units 23a to 23e are driven / removed regardless of the presence or absence of the corresponding print data (ejection data). Based on the detection switching signal, after the drive signal is input to the electrostatic actuator 120 of the inkjet head 100, the connection with the inkjet head 100 is switched from the drive waveform generation means 181 to the ejection abnormality detection means 10a to 10e.
[0136]
After detecting and determining the ejection abnormality of each inkjet head 100a to 100e by all the ejection abnormality detection means 10a to 10e, the determination results of all the inkjet heads 100a to 100e obtained by the detection processing are stored in the storage means 62. The storage means 62 stores the presence / absence of the ejection abnormality of each of the inkjet heads 100a to 100e and the cause of the ejection abnormality in a predetermined storage area.
[0137]
As described above, in the ink jet printer 1 shown in FIG. 28, a plurality of ejection abnormality detecting means 10a to 10e are provided corresponding to the nozzles 110 of the plurality of ink jet heads 100a to 100e, and a plurality of switching means 23a corresponding to them. Since the discharge operation is detected and its cause is determined by performing the switching operation by ˜23e, it is possible to detect the discharge abnormality and determine its cause for all the nozzles 110 at a time.
[0138]
FIG. 29 is an example of ejection abnormality detection timings of a plurality of inkjet heads 100 (when ejection abnormality detection is performed when the number of ejection abnormality detection means 10 is the same as the number of inkjet heads 100 and there is print data). is there. The inkjet printer 1 shown in FIG. 29 is obtained by adding (adding) a switching control means 19 to the configuration of the inkjet printer 1 shown in FIG. In the present embodiment, the switching control means 19 is composed of a plurality of AND circuits (logical product circuits) ANDa to ANDe, and print data input to each of the inkjet heads 100a to 100e and a drive / detection switching signal are input. Then, a high level output signal is output to the corresponding switching means 23a to 23e. The switching control means is not limited to an AND circuit (logical product circuit). It is only necessary to select a switching unit that matches the output of the latch circuit from which the inkjet head to be driven is selected.
[0139]
Each of the switching units 23a to 23e is based on the output signals of the corresponding AND circuits ANDa to ANDe of the switching control unit 19, respectively, from the drive waveform generation unit 181 to the corresponding ejection abnormality detection units 10a to 10e, respectively. The connection with the electrostatic actuators 120a to 100e is switched. Specifically, when the output signals of the corresponding AND circuits ANDa to ANDe are at a high level, that is, when the drive / detection switching signal is at a high level, the print data input to the corresponding inkjet heads 100a to 100e is latched. When output from the circuit 182b to the driver 182c, the switching means 23a to 23e corresponding to the AND circuit connects the corresponding inkjet heads 100a to 100e with the ejection abnormality detection means 10a from the drive waveform generation means 181. To 10e.
[0140]
The ejection abnormality detecting means 10a to 10e corresponding to the inkjet head 100 to which the print data is input detects the presence or absence of ejection abnormality of each inkjet head 100 and the cause of the ejection abnormality, and then detects the ejection abnormality detecting means 10. Outputs the determination result obtained by the detection process to the storage means 62. The storage unit 62 stores one or more determination results input (obtained) in this manner in a predetermined storage area.
[0141]
As described above, in the inkjet printer 1 shown in FIG. 29, a plurality of ejection abnormality detection units 10 a to 10 e are provided corresponding to the respective nozzles 110 of the plurality of inkjet heads 100 a to 100 e, and each of the inkjet heads 100 a to 100 e is supported. When print data to be printed is input from the host computer 8 to the discharge selection means 182 via the control unit 6, only the switching means 23a to 23e designated by the switching control means 19 perform a predetermined switching operation, and the inkjet head Since 100 ejection abnormality is detected and its cause is determined, this detection / determination process is not performed for the inkjet head 100 that is not performing the ejection driving operation. Therefore, this inkjet printer 1 can avoid useless detection and determination processing.
[0142]
FIG. 30 shows an example of ejection abnormality detection timing of a plurality of inkjet heads 100 (the number of ejection abnormality detection means 10 is the same as the number of inkjet heads 100, and ejection abnormality detection is performed by circulating through each inkjet head 100. ). The inkjet printer 1 shown in FIG. 30 has one ejection abnormality detection means 10 in the configuration of the inkjet printer 1 shown in FIG. 29, and scans the drive / detection switching signal (the inkjet head 100 that executes the detection / determination process). The switching selection means 19a (identifying one by one) is added.
[0143]
This switching selection means 19a is supplied to the AND circuits ANDa to ANDe corresponding to the plurality of inkjet heads 100a to 100e based on the scanning signal (selection signal) input from the control unit 6 to the switching control means 19 shown in FIG. This is connected to a selector 191 that scans (selects and switches) the input of the drive / detection switching signal. The scanning (selection) order of the switching control means 19 may be the order of the print data input to the shift register 182a, that is, the ejection order of the plurality of inkjet heads 100, but simply the plurality of inkjet heads 100a to 100a. The order may be 100e.
[0144]
When the scanning order is the order of the print data input to the shift register 182a, when the print data is input to the shift register 182a of the ejection selection means 182, the print data is latched by the latch circuit 182b and the latch signal is input. Is output to the driver 182c. In synchronization with the input of the print data to the shift register 182a or the input of the latch signal to the latch circuit 182b, a scanning signal for specifying the inkjet head 100 corresponding to the print data is input to the selector 191 of the switching selection means 19a. Then, a drive / detection switching signal is output to the corresponding AND circuit. The output terminal of the selector 191 outputs a low level when not selected.
[0145]
The corresponding AND circuit performs an AND operation on the print data input from the latch circuit 182b and the drive / detection switching signal input from the selector 191, thereby causing the high level output signal to be output to the corresponding switching means 23. Output. Then, the switching unit 23 to which the high level output signal is input from the switching selection unit 19 a switches the connection of the corresponding inkjet head 100 to the electrostatic actuator 120 from the drive waveform generation unit 181 to the ejection abnormality detection unit 10.
The ejection abnormality detection means 10 detects an ejection abnormality of the inkjet head 100 to which the print data has been input, and when there is an ejection abnormality, determines the cause and outputs the determination result to the storage means 62. Then, the storage unit 62 stores the determination result input (obtained) in this manner in a predetermined storage area.
[0146]
Further, when the scanning order is the order of the simple inkjet heads 100a to 100e, when print data is input to the shift register 182a of the ejection selection means 182, the print data is latched by the latch circuit 182b and the latch signal is input. Is output to the driver 182c. In synchronization with the input of the print data to the shift register 182a or the input of the latch signal to the latch circuit 182b, the scanning (selection) signal for specifying the inkjet head 100 corresponding to the print data is a selector of the switching selection means 19a. The driving / detection switching signal is output to the corresponding AND circuit.
[0147]
Here, when print data for the inkjet head 100 determined by the scanning signal input to the selector 191 of the switching selection means 19a is input to the shift register 182a, the output signal of the corresponding AND circuit becomes High level, and the switching is performed. The means 23 switches the connection to the corresponding inkjet head 100 from the drive waveform generation means 181 to the ejection abnormality detection means 10. However, when the print data is not input to the shift register 182a, the output signal of the AND circuit is at the low level, and the corresponding switching unit 23 does not execute a predetermined switching operation. Accordingly, abnormal discharge detection to the inkjet head 100 is performed based on the logical product of the selection result of the selector 191 of the switching selection unit 19a and the result specified by the switching control unit 19.
[0148]
When the switching operation is performed by the switching unit 23, similarly to the above, the ejection abnormality detection unit 10 detects the ejection abnormality of the ink jet head 100 to which the print data is input. After determining the cause, the determination result is output to the storage means 62. Then, the storage unit 62 stores the determination result input (obtained) in this manner in a predetermined storage area.
[0149]
Note that when there is no print data for the inkjet head 100 specified by the switching selection unit 19a, the corresponding switching unit 23 does not execute the switching operation as described above, so that the ejection abnormality detecting process by the ejection abnormality detecting unit 10 is executed. There is no need to do this, but such processing may be performed. When the discharge abnormality detection process is executed without performing the switching operation, the determination unit 20 of the discharge abnormality detection unit 10 sets the corresponding nozzle 110 of the inkjet head 100 as an undischarged nozzle as shown in the flowchart of FIG. (Step S306), and the determination result is stored in a predetermined storage area of the storage means 62.
[0150]
As described above, in the ink jet printer 1 shown in FIG. 30, unlike the ink jet printer 1 shown in FIG. 28 or 29, only one ejection abnormality detecting means 10 is provided for each nozzle 110 of the plurality of ink jet heads 100a to 100e. The print data corresponding to each of the inkjet heads 100a to 100e is input from the host computer 8 to the discharge selection means 182 via the control unit 6, and at the same time, specified by the scanning (selection) signal, Accordingly, only the switching unit 23 corresponding to the inkjet head 100 that performs the ejection driving operation performs the switching operation to detect the ejection abnormality of the corresponding inkjet head 100 and determine the cause thereof. Reduces the burden on the control unit 6 without processing It is possible that. Further, since the ejection abnormality detection means circulates the nozzle state separately from the ejection operation, the ejection abnormality is grasped for each nozzle even during the drive printing, so that the nozzle state of the entire head can be known. For example, this makes it possible to reduce the number of steps of periodically stopping printing to detect ejection abnormalities and detecting ejection abnormalities for each nozzle. From the above, it is possible to efficiently detect the ejection abnormality of each ink jet head 100 of the head unit 35 and determine the cause thereof.
[0151]
Further, unlike the ink jet printer 1 shown in FIG. 28 or FIG. 29, the ink jet printer 1 shown in FIG. 30 only needs to have one ejection abnormality detecting means 10, and therefore the ink jet printer shown in FIG. 28 and FIG. Compared to 1, the circuit configuration of the inkjet printer 1 can be scaled down, and an increase in manufacturing cost thereof can be prevented.
[0152]
Next, an operation of the printer 1 shown in FIGS. 27 to 30, that is, an ejection abnormality detection process (mainly detection timing) in the inkjet printer 1 including the plurality of inkjet heads 100 will be described. Discharge abnormality detection / determination processing (processing for multiple nozzles) detects residual vibration of the diaphragm 121 when the electrostatic actuator 120 of each inkjet head 100 performs ink droplet discharge operation, and is based on the period of the residual vibration. Whether or not ejection abnormality (dot missing, ink droplet non-ejection) has occurred with respect to the corresponding inkjet head 100, and what is the cause when dot missing (ink droplet non-ejection) has occurred are determined. is doing. As described above, in the present invention, if the ink droplet (droplet) is ejected by the inkjet head 100, these detection / determination processes can be executed. However, the inkjet head 100 actually ejects the ink droplet. In addition to the case where printing (printing) is performed on the recording paper P, a flushing operation (preliminary ejection or preliminary ejection) may be performed. Hereinafter, the discharge abnormality detection / determination process (multiple nozzles) will be described for these two cases.
[0153]
Here, the flushing (preliminary ejection) process is the entire or all of the head unit 35 when a cap (not shown in FIG. 1) is attached or in a place where ink droplets (droplets) are not applied to the recording paper P (media). This is a head cleaning operation for discharging ink droplets from the target nozzle 110. This flushing process (flushing operation) is performed when, for example, the ink in the cavity 141 is periodically discharged in order to keep the ink viscosity in the nozzle 110 within a proper range, or the ink thickening is performed. It is also implemented as a time recovery operation. Further, the flushing process is also performed when the ink is initially filled in the cavity 141 after the ink cartridge 31 is mounted on the printing unit 3.
[0154]
Further, a wiping process for cleaning the nozzle plate (nozzle surface) 150 (a measure of wiping off deposits (such as paper dust and dust) adhering to the head surface of the head unit 35 with a wiper not shown in FIG. 1). In this case, there is a possibility that the pressure inside the nozzle 110 becomes negative and ink of other colors (other types of liquid droplets) is drawn. For this reason, after the wiping process, the flushing process is also performed in order to discharge a predetermined amount of ink droplets from all the nozzles 110 of the head unit 35. Further, the flushing process can be performed in a timely manner in order to maintain a normal meniscus state of the nozzle 110 and to ensure good printing.
[0155]
First, the ejection abnormality detection / determination process during the flushing process will be described with reference to the flowcharts shown in FIGS. These flowcharts will be described with reference to the block diagrams of FIGS. 27 to 30 (hereinafter, the same applies to the printing operation). FIG. 31 is a flowchart showing the timing of ejection abnormality detection during the flushing operation of the inkjet printer 1 shown in FIG.
[0156]
When the flushing process of the inkjet printer 1 is executed at a predetermined timing, the ejection abnormality detection / determination process shown in FIG. 31 is executed. The control unit 6 inputs the discharge data for one nozzle to the shift register 182a of the discharge selection means 182 (step S401), the latch signal is input to the latch circuit 182b (step S402), and the discharge data is latched. . At that time, the switching unit 23 connects the electrostatic actuator 120 of the inkjet head 100 that is the target of the ejection data and the drive waveform generation unit 181 (step S403).
[0157]
Then, the ejection abnormality detection unit 10 performs the ejection abnormality detection / determination process shown in the flowchart of FIG. 24 on the inkjet head 100 that has performed the ink ejection operation (step S404). In step S405, the control unit 6 completes the ejection abnormality detection / determination process for the nozzles 110 of all the inkjet heads 100a to 100e of the inkjet printer 1 shown in FIG. 27 based on the ejection data output to the ejection selection unit 182. Determine whether or not. When it is determined that these processes have not been completed for all the nozzles 110, the control unit 6 inputs ejection data corresponding to the nozzle 110 of the next inkjet head 100 to the shift register 182a (step S406). The process proceeds to step S402 and the same processing is repeated.
[0158]
In step S405, when it is determined that the above-described ejection abnormality detection and determination processing has been completed for all the nozzles 110, the control unit 6 inputs the CLEAR signal to the latch circuit 182b, and the latch state of the latch circuit 182b. And the ejection abnormality detection / determination process in the inkjet printer 1 shown in FIG.
[0159]
As described above, in the ejection abnormality detection / determination process in the printer 1 shown in FIG. 27, the detection circuit is configured by one ejection abnormality detection means 10 and one switching means 23. The determination process is repeated as many times as the number of the ink jet heads 100, but the circuit constituting the ejection abnormality detecting means 10 has an effect that the circuit is not so large.
[0160]
Next, FIG. 32 is a flowchart showing the timing of ejection abnormality detection during the flushing operation of the inkjet printer 1 shown in FIGS. The ink jet printer 1 shown in FIG. 28 and the ink jet printer 1 shown in FIG. 29 have slightly different circuit configurations, but the number of ejection abnormality detecting means 10 and switching means 23 corresponds to the number of ink jet heads 100 (the same). Match in terms of points. Therefore, the ejection abnormality detection / determination process during the flushing operation includes the same steps.
[0161]
When the flushing process of the inkjet printer 1 is executed at a predetermined timing, the control unit 6 inputs ejection data for all the nozzles to the shift register 182a of the ejection selection means 182 (step S501), and latches to the latch circuit 182b. A signal is input (step S502), and the ejection data is latched. At that time, the switching means 23a to 23e connect all the inkjet heads 100a to 100e and the drive waveform generation means 181 respectively (step S503).
[0162]
Then, the ejection abnormality detection / determination process shown in the flowchart of FIG. 24 is performed in parallel for all the inkjet heads 100 that have performed the ink ejection operation by the ejection abnormality detection units 10a to 10e corresponding to the respective inkjet heads 100a to 100e. (Step S504). In this case, the determination results corresponding to all the inkjet heads 100a to 100e are stored in a predetermined storage area of the storage unit 62 in association with the inkjet head 100 to be processed (step S107 in FIG. 24).
[0163]
Then, in order to clear the ejection data latched in the latch circuit 182b of the ejection selection means 182, the control unit 6 inputs the CLEAR signal to the latch circuit 182b (step S505), and sets the latch state of the latch circuit 182b. The ejection abnormality detection process and the determination process in the inkjet printer 1 shown in FIGS. 28 and 29 are terminated.
[0164]
As described above, in the processing in the printer 1 shown in FIGS. 28 and 29, the plurality of (five in this embodiment) ejection abnormality detecting means 10 and the plurality of switching means 23 corresponding to the ink jet heads 100a to 100e are used. Since the detection and determination circuit is configured, the ejection abnormality detection / determination process has an effect that it can be executed for all the nozzles 110 at once in a short time.
[0165]
Next, FIG. 33 is a flowchart showing the timing of ejection abnormality detection during the flushing operation of the inkjet printer 1 shown in FIG. Similarly, the ejection abnormality detection process and the cause determination process during the flushing operation will be described using the circuit configuration of the inkjet printer 1 shown in FIG.
When the flushing process of the inkjet printer 1 is executed at a predetermined timing, first, the control unit 6 outputs a scanning signal to the selector 191 of the switching selection means 19a, and the switching selection means 19a causes the first switching means 23a. Then, the inkjet head 100a is set (specified) (step S601). Then, discharge data for all nozzles is input to the shift register 182a of the discharge selection means 182 (step S602), a latch signal is input to the latch circuit 182b (step S603), and the discharge data is latched. At that time, the switching unit 23a connects the electrostatic actuator 120 of the inkjet head 100a and the drive waveform generation unit 181 (step S604).
[0166]
Then, the ejection abnormality detection / determination process shown in the flowchart of FIG. 24 is executed on the inkjet head 100a that has performed the ink ejection operation (step S605). In this case, in step S103 of FIG. 24, the drive / detection switching signal that is the output signal of the selector 191 and the ejection data are input to the AND circuit ANDa, and the output signal of the AND circuit ANDa becomes the high level. The means 23 a connects the electrostatic actuator 120 of the inkjet head 100 a and the ejection abnormality detection means 10. Then, the determination result of the ejection abnormality determination process executed in step S106 in FIG. 24 is stored in a predetermined storage area of the storage unit 62 in association with the inkjet head 100 (here, 100a) to be processed. (Step S107 in FIG. 24).
[0167]
In step S606, the control unit 6 determines whether or not the ejection abnormality detection / determination process has been completed for all the nozzles. When it is determined that the ejection abnormality detection / determination process has not been completed for all nozzles, the control unit 6 outputs a scanning signal to the selector 191 of the switching selection unit 19a, and this switching selection unit 19a. Thus, the next switching unit 23b and the inkjet head 100b are set (specified) (step S607), the process proceeds to step S603, and the same process is repeated. Thereafter, this loop is repeated until the ejection abnormality detection / determination process is completed for all of the inkjet heads 100.
[0168]
If it is determined in step S606 that the discharge abnormality detection process and the determination process have been completed for all the nozzles 110, the discharge data latched in the latch circuit 182b of the discharge selection unit 182 is cleared. The controller 6 inputs the CLEAR signal to the latch circuit 182b (step S609), cancels the latch state of the latch circuit 182b, and ends the ejection abnormality detection process and the determination process in the inkjet printer 1 shown in FIG.
[0169]
As described above, in the process in the inkjet printer 1 shown in FIG. 30, a detection circuit is configured by the plurality of switching means 23 and one ejection abnormality detection means 10, and is specified by the scanning signal of the selector 191 of the switching selection means 19a. Since only the switching means 23 corresponding to the inkjet head 100 that performs ejection driving according to the ejection data performs the switching operation to detect ejection abnormality and cause determination of the corresponding inkjet head 100, each inkjet can be more efficiently performed. Head 100 ejection abnormality detection and cause determination can be performed.
[0170]
In step S602 of this flowchart, ejection data corresponding to all the nozzles 110 is input to the shift register 171. However, as shown in the flowchart of FIG. 31, the switching selection unit 19a matches the scanning order of the inkjet head 100. Thus, the ejection data input to the shift register 182a may be input to the corresponding one inkjet head 100, and ejection abnormality detection / determination processing may be performed for each nozzle 110.
[0171]
Next, the ejection abnormality detection / determination process of the inkjet printer 1 during the printing operation will be described with reference to the flowcharts shown in FIGS. The ink jet printer 1 shown in FIG. 27 is suitable mainly for ejection abnormality detection processing and determination processing during the flushing operation, and therefore the flowchart and description of the operation during the printing operation are omitted, but the ink jet shown in FIG. Also in the printer 1, the ejection abnormality detection / determination process may be performed during the printing operation.
[0172]
FIG. 34 is a flowchart showing the timing of ejection abnormality detection during the printing operation of the inkjet printer 1 shown in FIGS. 28 and 29. The processing of this flowchart is executed (started) in response to a printing (printing) instruction from the host computer 8. When print data is input from the host computer 8 to the shift register 182a of the ejection selection means 182 via the control unit 6 (step S701), a latch signal is input to the latch circuit 182b (step S702), and the print data is Latched. At this time, the switching units 23a to 23e connect all the inkjet heads 100a to 100e and the drive waveform generation unit 181 (step S703).
[0173]
Then, the ejection abnormality detection means 10 corresponding to the inkjet head 100 that has performed the ink ejection operation executes the ejection abnormality detection / determination process shown in the flowchart of FIG. 24 (step S704). In this case, each determination result corresponding to each inkjet head 100 is stored in a predetermined storage area of the storage unit 62 in association with the inkjet head 100 to be processed.
[0174]
Here, in the case of the ink jet printer 1 shown in FIG. 28, the switching means 23 a to 23 e cause the ink jet heads 100 a to 100 e to discharge abnormality detection means 10 a to 10 a based on the drive / detection switching signal output from the control unit 6. 10e (step S103 in FIG. 24). Therefore, in the inkjet head 100 in which no print data exists, the electrostatic actuator 120 is not driven, so the residual vibration detection unit 16 of the ejection abnormality detection unit 10 does not detect the residual vibration waveform of the diaphragm 121. On the other hand, in the case of the inkjet printer 1 shown in FIG. 29, the switching means 23a to 23e are ANDs to which the drive / detection switching signal output from the control unit 6 and the print data output from the latch circuit 182b are input. Based on the output signal of the circuit, the inkjet head 100 in which the print data exists is connected to the ejection abnormality detecting means 10 (step S103 in FIG. 24).
[0175]
In step S705, the control unit 6 determines whether or not the printing operation of the inkjet printer 1 has been completed. If it is determined that the printing operation has not ended, the control unit 6 proceeds to step S701, inputs the next print data to the shift register 182a, and repeats the same processing. When it is determined that the printing operation is completed, the control unit 6 inputs a CLEAR signal to the latch circuit 182b in order to clear the ejection data latched in the latch circuit 182b of the ejection selection means 182 ( In step S707), the latch state of the latch circuit 182b is released, and the ejection abnormality detection process and the determination process in the inkjet printer 1 shown in FIGS. 28 and 29 are terminated.
[0176]
As described above, the inkjet printer 1 shown in FIGS. 28 and 29 includes the plurality of switching units 23a to 23e and the plurality of ejection abnormality detection units 10a to 10e, and ejects all the inkjet heads 100 at one time. Since the abnormality detection / determination process is performed, these processes can be performed in a short time. The inkjet printer 1 shown in FIG. 29 further includes a switching control unit 19, that is, AND circuits ANDa to ANDe for adding and calculating the drive / detection switching signal and the print data, and only for the inkjet head 100 that performs the print operation. Since the switching operation by the switching unit 23 is performed, the ejection abnormality detection process and the determination process can be performed without performing useless detection.
[0177]
Next, FIG. 35 is a flowchart showing the timing of ejection abnormality detection during the printing operation of the inkjet printer 1 shown in FIG. In accordance with a print instruction from the host computer 8, the process of this flowchart is executed in the inkjet printer 1 shown in FIG. First, the switching selection unit 19a sets (specifies) the first switching unit 23a and the inkjet head 100a in advance (step S801).
[0178]
When print data is input from the host computer 8 to the shift register 182a of the ejection selection means 182 via the control unit 6 (step S802), a latch signal is input to the latch circuit 182b (step S803), and the print data is Latched. Here, at this stage, the switching units 23a to 23e connect all the inkjet heads 100a to 100e and the drive waveform generation unit 181 (the driver 182c of the ejection selection unit 182) (step S804).
[0179]
Then, when there is print data in the inkjet head 100a, the controller 6 connects the electrostatic actuator 120 after the discharge operation to the discharge abnormality detection means 10 by the switching selection means 19a (step S103 in FIG. 24), and FIG. The ejection abnormality detection / determination process shown in the flowchart of FIG. 25 is executed (step S805). Then, the determination result of the ejection abnormality determination process executed in step S106 in FIG. 24 is stored in a predetermined storage area of the storage unit 62 in association with the inkjet head 100 (here, 100a) to be processed. (Step S107 in FIG. 24).
[0180]
In step S806, the control means 6 determines whether or not the above-described ejection abnormality detection / determination process has been completed for all nozzles 110 (all inkjet heads 100). If it is determined that the above processing has been completed for all the nozzles 110, the control unit 6 sets the switching means 23a corresponding to the first nozzle 110 based on the scanning signal (step S808). If it is determined that the above processing has not been completed for all nozzles 110, the switching unit 23b corresponding to the next nozzle 110 is set (step S807).
[0181]
In step S809, the control means 6 determines whether or not a predetermined printing operation instructed from the host computer 8 has been completed. If it is determined that the printing operation has not yet been completed, the next print data is input to the shift register 182a (step S802), and the same processing is repeated. When it is determined that the printing operation is completed, the control unit 6 inputs a CLEAR signal to the latch circuit 182b in order to clear the ejection data latched in the latch circuit 182b of the ejection selection means 182 ( In step S811, the latch state of the latch circuit 182b is released, and the ejection abnormality detection / determination process in the inkjet printer 1 shown in FIG.
[0182]
As described above, the droplet discharge device (inkjet printer 1) of the present invention includes the diaphragm 121, the electrostatic actuator 120 that displaces the diaphragm 121, and the liquid filled therein. An inkjet head (droplet discharge) having a cavity 141 in which the internal pressure is changed (increase / decrease) and a nozzle 110 that communicates with the cavity 141 and discharges liquid as droplets by a change (increase / decrease) in pressure in the cavity 141. A plurality of heads) 100, a drive waveform generation unit 181 that drives the electrostatic actuator 120, and a discharge selection unit 182 that selects which nozzle 110 out of the plurality of nozzles 110 discharges droplets. And the residual vibration of the diaphragm 121 is detected, and based on the detected residual vibration of the diaphragm 121, the droplets After one or more ejection abnormality detecting means 10 for detecting ejection abnormality and the droplet ejection operation by driving the electrostatic actuator 120, electrostatic discharge is detected based on the drive / detection switching signal, the print data, or the scanning signal. One or a plurality of switching means 23 for switching the actuator 120 from the drive waveform generation means 181 to the discharge abnormality detection means 10 are provided, and discharge abnormality of the plurality of nozzles 110 is detected once (in parallel) or sequentially. .
[0183]
Therefore, according to the discharge abnormality detection / determination method of the droplet discharge device and the droplet discharge head of the present invention, discharge abnormality detection and cause determination can be performed in a short time, and the detection circuit including the discharge abnormality detection means 10 includes: The circuit configuration can be scaled down, and an increase in manufacturing cost of the droplet discharge device can be prevented. Further, after the electrostatic actuator 120 is driven, the discharge abnormality detection means 10 is switched to detect the discharge abnormality and determine the cause, so that the actuator is not affected, and thereby the droplet discharge of the present invention is performed. The throughput of the apparatus is not reduced or deteriorated. Further, it is possible to equip an existing droplet discharge device (inkjet printer) having predetermined components with the discharge abnormality detection means 10.
[0184]
Further, unlike the above configuration, the droplet discharge device of the present invention includes a plurality of switching means 23, a switching control means 19, and a plurality of discharge abnormality detection means 10 corresponding to one or the number of nozzles 110, Based on the drive / detection switching signal and the ejection data (print data), or the scanning signal, the drive / detection switching signal and the ejection data (print data), the corresponding electrostatic actuator 120 is driven by the drive waveform generation means 181 or the ejection selection means. Switching from 182 to the discharge abnormality detecting means 10 is performed to perform discharge abnormality detection and cause determination.
[0185]
Therefore, the switching means corresponding to the electrostatic actuator 120 to which no discharge data (print data) is input, that is, not performing the discharge driving operation is not switched by the droplet discharge device of the present invention. It is possible to avoid the detection / determination process. In addition, when the switching selection unit 19a is used, the droplet discharge device only needs to include one discharge abnormality detection unit 10, so that the circuit configuration of the droplet discharge device can be scaled down. In addition, an increase in manufacturing cost of the droplet discharge device can be prevented.
[0186]
Next, a configuration (recovery means 24) for executing a recovery process for eliminating the cause of the discharge abnormality (head abnormality) for the inkjet head 100 (head unit 35) in the droplet discharge apparatus of the present invention will be described. FIG. 36 is a diagram showing a schematic structure (partially omitted) viewed from the top of the ink jet printer 1 shown in FIG. The ink jet printer 1 shown in FIG. 36 includes a wiper 300 and a cap 310 for executing a recovery process for ink droplet non-ejection (head abnormality) in addition to the configuration shown in the perspective view of FIG.
[0187]
The recovery process executed by the recovery unit 24 includes a flushing process for preliminarily ejecting droplets from the nozzles 110 of each inkjet head 100, a wiping process using a wiper 300 (see FIG. 37) described later, and a tube pump 320 described later. Includes pumping processing (pump suction processing). That is, the recovery means 24 includes a tube pump 320 and a pulse motor that drives the tube pump 320, a wiper 300 and a vertical movement drive mechanism of the wiper 300, and a vertical movement drive mechanism (not shown) of the cap 310. The head driver 33 and the head unit 35 and the like, and the carriage motor 41 and the like function as a part of the recovery means 24 in the wiping process. Since the flushing process has been described above, the wiping process and the pumping process will be described below.
[0188]
Here, the wiping process refers to a process of wiping off foreign matters such as paper dust attached to the nozzle plate 150 (nozzle surface) of the head unit 35 with the wiper 300. The pumping process (pump suction process) refers to a process of driving a tube pump 320 described later to suck and discharge ink in the cavity 141 from each nozzle 110 of the head unit 35. As described above, the wiping process is an appropriate process as a recovery process in the state of paper dust adhesion, which is one of the causes of the abnormal discharge of the droplets of the inkjet head 100 as described above. In addition, the pump suction process is performed when bubbles in the cavity 141 that cannot be removed by the above-described flushing process are removed, or when the ink in the vicinity of the nozzle 110 is dried or the ink in the cavity 141 is thickened due to aging. This is a process suitable as a recovery process for removing viscous ink. In addition, when the viscosity increase is not so advanced and the viscosity is not so large, the recovery process by the above-described flushing process may be performed. In this case, since the amount of ink to be discharged is small, an appropriate recovery process can be performed without reducing the throughput and running cost.
[0189]
The printing unit 3 having a plurality of head units 35 is mounted on a carriage 32, guided by two carriage guide shafts 422, and guided by a carriage motor 41 via a connecting portion 34 provided at the upper end of the timing belt. It moves in connection with 421. The printing unit 3 mounted on the carriage 32 can move in the main scanning direction via a timing belt 421 that moves by driving the carriage motor 41 (in conjunction with the timing belt 421). The carriage motor 41 serves as a pulley for continuously rotating the timing belt 421, and a pulley 44 is similarly provided on the other end side.
[0190]
The cap 310 is for capping the nozzle plate 150 (see FIG. 5) of the head unit 35. A hole is formed in the bottom side surface of the cap 310, and a flexible tube 321 that is a component of the tube pump 320 is connected to the cap 310, as will be described later. The tube pump 320 will be described later with reference to FIG.
[0191]
During the recording (printing) operation, the head unit 35 (printing means 3) is moved in the main scanning direction, that is, left and right in FIG. 36, while driving the electrostatic actuator 120 of a predetermined inkjet head 100 (droplet ejection head). Further, by moving the recording paper P in the sub-scanning direction, that is, downward in FIG. 36, the ink jet printer (droplet discharge device) 1 is based on the print data (print data) input from the host computer 8. A predetermined image or the like is printed (recorded) on the recording paper P.
[0192]
FIG. 37 is a diagram showing a positional relationship between the wiper 300 and the head unit 35 shown in FIG. In FIG. 37, the head unit 35 and the wiper 300 are shown as a part of a side view when the upper side is viewed from the lower side of the inkjet printer 1 shown in FIG. As shown in FIG. 37A, the wiper 300 is arranged to be movable up and down so as to be able to contact the nozzle surface of the head unit 35, that is, the nozzle plate 150 of the head unit 35.
[0193]
Here, a wiping process that is a recovery process using the wiper 300 will be described. When performing the wiping process, as shown in FIG. 37A, the wiper 300 is moved upward by a driving device (not shown) so that the tip of the wiper 300 is positioned above the nozzle surface (nozzle plate 150). In this case, when the carriage motor 41 is driven to move the head unit 35 in the left direction (the direction of the arrow) in the drawing, the wiping member 301 comes into contact with the nozzle plate 150 (nozzle surface).
[0194]
Since the wiping member 301 is composed of a flexible rubber member or the like, as shown in FIG. 37 (b), the tip portion of the wiping member 301 that contacts the nozzle plate 150 is bent, and the tip portion causes the nozzle plate to be bent. The surface of 150 (nozzle surface) is cleaned (wipe clean). This makes it possible to remove foreign matters such as paper dust (for example, paper dust, dust floating in the air, rubber scraps, etc.) adhering to the nozzle plate 150 (nozzle surface). Further, the wiping process can be performed a plurality of times by causing the head unit 35 to reciprocate above the wiper 300 in accordance with such a foreign matter attachment state (when many foreign matters are attached). .
[0195]
FIG. 38 is a diagram illustrating a relationship among the head unit 35, the cap 310, and the pump 320 during the pump suction process. The tube 321 forms an ink discharge path in the pumping process (pump suction process). One end of the tube 321 is connected to the bottom of the cap 310 as described above, and the other end is discharged via the tube pump 320. The ink cartridge 340 is connected.
[0196]
An ink absorber 330 is disposed on the inner bottom surface of the cap 310. The ink absorber 330 absorbs the ink ejected from the nozzles 110 of the inkjet head 100 in the pump suction process and the flushing process, and temporarily stores the ink. The ink absorber 330 can prevent the ejected droplets from splashing and soiling the nozzle plate 150 during the flushing operation into the cap 310.
[0197]
FIG. 39 is a schematic diagram showing the configuration of the tube pump 320 shown in FIG. As shown in FIG. 39B, the tube pump 320 is a rotary pump, and includes a rotating body 322, four rollers 323 arranged on a circumferential portion of the rotating body 322, and a guide member 350. I have. The roller 323 is supported by the rotating body 322 and presses the flexible tube 321 placed in an arc shape along the guide 351 of the guide member 350.
[0198]
In the tube pump 320, one or two rollers 323 abutting on the tube 321 rotate in the Y direction by rotating the rotating body 322 about the shaft 322a in the arrow X direction shown in FIG. However, the tubes 321 placed on the arcuate guide 351 of the guide member 350 are sequentially pressurized. As a result, the tube 321 is deformed, and the negative pressure generated in the tube 321 causes the ink (liquid material) in the cavity 141 of each inkjet head 100 to be sucked through the cap 310 and bubbles are mixed or dried. Unnecessary ink thickened by the discharge is discharged to the ink absorber 330 via the nozzle 110, and the waste ink absorbed by the ink absorber 330 is discharged to the waste ink cartridge 340 (see FIG. 38) via the tube pump 320. Discharged.
[0199]
The tube pump 320 is driven by a motor such as a pulse motor (not shown). The pulse motor is controlled by the control unit 6. Drive information for the rotation control of the tube pump 320, for example, a look-up table in which the rotation speed and the number of rotations are described, a control program in which sequence control is described, and the like are stored in the PROM 64 of the control unit 6 and the like. The tube pump 320 is controlled by the CPU 61 of the controller 6 based on the drive information.
[0200]
Next, the operation of the recovery means 24 (ejection abnormality recovery process) will be described. FIG. 40 is a flowchart showing a discharge abnormality recovery process in the inkjet printer 1 (droplet discharge apparatus) of the present invention. When the ejection abnormality nozzle 110 is detected in the above-described ejection abnormality detection / determination process (see the flowchart of FIG. 24) and the cause is determined, the head is used at a predetermined timing when the printing operation (printing operation) is not performed. The unit 35 is moved to a predetermined standby area (for example, a position where the nozzle plate 150 of the head unit 35 is covered with the cap 310 in FIG. 36, or a position where the wiping process can be performed by the wiper 300). Executed.
[0201]
First, the control unit 6 reads out the determination result corresponding to each nozzle 110 stored in the EEPROM 62 of the control unit 6 in step S107 of FIG. 24 (step S901). In step S <b> 902, the control unit 6 determines whether or not the ejection determination nozzle 110 is present in the read determination result. When it is determined that there is no ejection abnormal nozzle 110, that is, when droplets are normally ejected from all the nozzles 110, the ejection abnormality recovery processing is terminated as it is.
[0202]
On the other hand, if it is determined that any of the nozzles 110 has an ejection abnormality, in step S903, the control unit 6 determines whether or not the nozzle 110 that has been determined to have the ejection abnormality is paper dust adhesion. . If it is determined that paper dust is not attached near the outlet of the nozzle 110, the process proceeds to step S905. If it is determined that paper dust is attached, the above-described wiper 300 is used. A wiping process is performed on the nozzle plate 150 (step S904).
[0203]
Next, in step S905, the control unit 6 determines whether or not the nozzle 110 determined to have the ejection abnormality is a mixture of bubbles. If it is determined that air bubbles are not mixed, the control unit 6 performs pump suction processing or discharge abnormality by the tube pump 320 based on the length of the residual vibration period of the diaphragm 121 measured by the measuring unit 17. The flushing process is executed for only the nozzle 110 determined to be or all of the nozzles 110 (step S906), and the ejection abnormality recovery process is terminated.
[0204]
On the other hand, when it is determined that air bubbles are mixed, the control unit 6 determines whether or not the air bubble amount V is less than 0.6 Va (threshold), and the air bubble amount V is 0.6 Va or more. Performs the pump suction processing by the tube pump 320 in the following step S909.
In this case, first, based on a table showing the relationship between the bubble amount V in the cavity 141, the suction time in the pump suction process, and the suction pressure (conditions of the pump suction process) shown in Table 2 below, the bubble amount V is set to The corresponding suction time and suction pressure are obtained, and the suction time and suction pressure are read (step S908).
[0205]
[Table 2]
Figure 0004314849
[0206]
As shown in Table 2 above, the suction time in the pump suction process is longer and the suction pressure is set higher as the bubble amount V is larger.
Next, a pump suction process by the tube pump 320 is executed (step S909), and the abnormal discharge recovery process is terminated. The suction by the tube pump 320 is performed for the read suction time with the read suction pressure.
The suction pressure is set, for example, by adjusting the rotation speed (rotation speed) of the rotating body 322 of the tube pump 320 to a predetermined value.
[0207]
For example, when a piston type suction pump is used instead of the tube pump 320, the suction pressure is set, for example, by adjusting the stroke of the piston to a predetermined value.
On the other hand, if the bubble amount V is less than 0.6 Va, the flushing process is executed for the nozzle 110 that is determined to be abnormal in step S911.
In this case, first, it corresponds to the bubble amount V based on the table showing the relationship between the bubble amount V in the cavity 141 and the number of droplets discharged in the flushing process (flushing process condition) shown in Table 2 above. The number of discharges (flushing number) is obtained and the number of discharges is read (step S910).
[0208]
As shown in Table 2 above, the larger the bubble amount V, the greater the number of droplet discharges in the flushing process.
Next, a flushing process is executed (step S911). In this flushing process, droplets are ejected as many times as the number of ejections read.
Next, it is determined whether or not the ejection abnormality (bubbles) due to bubble mixing has been resolved (step S912).
[0209]
The determination in step S912 is performed by executing the above-described ejection abnormality detection / determination process using the residual vibration of the diaphragm 121 in the flushing process in step S911.
In addition, the above-described ejection abnormality detection / determination process may be executed separately from the flushing process in step S911.
[0210]
When the ejection abnormality due to the mixing of bubbles is resolved, this ejection abnormality recovery process is terminated.
On the other hand, when the discharge abnormality due to the mixing of bubbles is not resolved, the pump suction process by the tube pump 320 is executed (step S913), and the discharge abnormality recovery process is terminated. The conditions for this pump suction process are the same as when the bubble volume V is 1.0 Va.
[0211]
In the flowchart shown in FIG. 40, the pump suction process is executed when the bubble amount V is the same as the threshold value. However, the flushing process is executed when the bubble amount V is the same as the threshold value. Also good.
Further, in the pump suction processing in the case of abnormal discharge due to bubble mixing in Step S909 and Step S913, for example, the inside of the cap 310 is divided into a plurality of (subdivided), and a plurality of unit caps are formed. For each unit cap, a pump suction device configured to be able to set (adjust) the presence or absence of suction and the conditions of pump suction processing may be used.
In this case, for example, all the nozzles 110 (inkjet head 100) may be grouped for each of a plurality of predetermined nozzles 100, and the unit cap may correspond to each group. Thereby, the presence or absence of suction and the conditions of pump suction processing can be arbitrarily set for each group.
[0212]
In this case, for example, when grouping for each color, the unit cap corresponds to the head unit 35 of each color. Thereby, the presence or absence of suction and the conditions of the pump suction processing can be arbitrarily set for each head unit 35 of each color.
Further, for example, the unit cap may correspond to each nozzle 110 (inkjet head 100). Thereby, the presence or absence of suction and the conditions of the pump suction process can be arbitrarily set for each nozzle 110. In particular, the pump suction processing can be executed only for the nozzles 110 determined to be abnormal in discharge, and the conditions of the pump suction processing can be arbitrarily set for the nozzles 110 determined to be abnormal in discharge. it can.
[0213]
In the inkjet printer 1, an interval (time interval) for detecting the ejection abnormality, particularly an interval for detecting the bubble amount, is set according to the bubble amount V. In this case, the detection interval is set shorter as the bubble amount V increases.
Thereby, the detection interval can be set to an optimum value, and the throughput is improved.
[0214]
Hereinafter, a case where the interval for detecting the bubble amount is set according to the bubble amount V will be described.
FIG. 42 is a flowchart showing processing for setting the bubble amount detection interval in accordance with the bubble amount V and detecting the bubble amount.
When the power is turned on (when the power is turned on), the process shown in FIG. 42 is executed. First, a flushing process is performed to measure the residual vibration period Tw of the diaphragm 121 as described above (step ST101). ).
[0215]
Next, based on the table shown in Table 3 below, which shows the relationship between the bubble amount V in the cavity 141, the residual vibration cycle Tw of the diaphragm 121, and the bubble amount detection interval Td, the residual vibration cycle Tw The corresponding bubble amount V and detection interval Td are obtained, and the bubble amount V and detection interval Td are read (step ST102).
The center value Trc in Table 3 below is the center value of the residual vibration period (predetermined range) Tr during normal ejection.
[0216]
[Table 3]
Figure 0004314849
[0217]
Next, it is determined whether or not the elapsed time has passed the read detection interval Td (elapsed time> Td) (step ST103). If the elapsed time has not passed the detection interval Td, the power is turned off. (Step ST104), and if the power is not turned off, the process returns to step ST103, and step ST103 and subsequent steps are executed again.
[0218]
If the elapsed time has passed the detection interval Td, the process returns to step ST101, and step ST101 and subsequent steps are executed again. That is, the flushing process is performed, and the residual vibration period Tw is measured as described above (step ST101). Based on the table shown in Table 3, the bubble amount V corresponding to the residual vibration period Tw and the detection interval are measured. Td is obtained, the bubble amount V and the detection interval Td are read (step ST102), and then step ST103 and subsequent steps are executed.
In this way, based on the detected bubble volume V, the detection interval until the next bubble volume detection is set, and when the power is turned off, this process is terminated.
[0219]
As described above, according to the ink jet printer 1, the degree of ejection abnormality (head abnormality) due to the mixing of bubbles into the cavity 141, that is, the amount of bubbles in the cavity 141 can be accurately detected (estimated). .
Further, since the amount of bubbles is detected based on the period (vibration pattern) of the residual vibration of the diaphragm 121, the structure is simple and the ink jet printer 1 can be downsized.
[0220]
Further, an appropriate recovery process can be executed in accordance with the detected amount of bubbles. That is, the recovery process can be performed by appropriately selecting the flushing process and the pump suction process.
In addition, the number of ejections (flushing times) in the flushing process can be optimized, thereby improving the throughput and reducing the amount of discharged ink.
[0221]
In addition, the suction time and suction pressure in the pump suction process can be optimized, thereby improving the throughput and reducing the amount of discharged ink.
In addition, it is possible to determine the cause of the discharge abnormality, and it is possible to execute an appropriate recovery process (any one or two of the flushing process, the pump suction process, and the wiping process) corresponding to the cause of the discharge abnormality. Unlike the sequential recovery process in the conventional droplet discharge device, it is possible to reduce the waste ink that is generated when the recovery process is performed, thereby preventing a decrease or deterioration in the throughput of the entire inkjet printer 1. be able to.
[0222]
Further, since no other components (for example, an optical dot dropout detection device) are required as compared with a conventional droplet discharge device capable of detecting an abnormal discharge, the inkjet head 100 (head unit 35) and eventually the inkjet. Discharge abnormality can be detected without increasing the overall size of the printer 1, and the manufacturing cost of the ink jet printer 1 that can detect discharge abnormality (dot missing) can be kept low.
[0223]
Further, since the ejection abnormality is detected using the residual vibration of the vibration plate 121 after the ink droplet ejection operation, the ejection abnormality can be detected even during the printing operation.
In the present invention, the electrostatic actuator (actuator) 120 is driven to the extent that ink droplets (droplets) are not ejected (i.e., idle shot), ejection abnormalities (head abnormalities), the cause, and into the cavity 141. The degree of ejection abnormality due to the mixing of bubbles may be detected (the amount of bubbles mixed into the cavity 141).
[0224]
Second Embodiment
Next, another configuration example of the ink jet head in the present invention will be described. 43 to 46 are cross-sectional views each showing an outline of another configuration example of the inkjet head (head unit). The following description will be made based on these drawings. However, the description will focus on the points different from the above-described embodiment, and the description of the same matters will be omitted.
[0225]
In the inkjet head 100A shown in FIG. 43, the vibration plate 212 vibrates by driving the piezoelectric element 200, and ink (liquid) in the cavity 208 is ejected from the nozzle 203. A stainless steel metal plate 204 is bonded to a stainless steel nozzle plate 202 in which a nozzle (hole) 203 is formed via an adhesive film 205, and a similar stainless steel metal plate is further formed thereon. 204 is joined via an adhesive film 205. Further, a communication port forming plate 206 and a cavity plate 207 are sequentially joined thereon.
[0226]
The nozzle plate 202, the metal plate 204, the adhesive film 205, the communication port forming plate 206, and the cavity plate 207 are each formed into a predetermined shape (a shape in which a concave portion is formed). A reservoir 209 is formed. The cavity 208 and the reservoir 209 communicate with each other via the ink supply port 210. The reservoir 209 communicates with the ink intake port 211.
[0227]
A diaphragm 212 is installed in the upper surface opening of the cavity plate 207, and a piezoelectric element (piezo element) 200 is joined to the diaphragm 212 via a lower electrode 213. An upper electrode 214 is bonded to the opposite side of the piezoelectric element 200 from the lower electrode 213. The head drive 215 includes a drive circuit that generates a drive voltage waveform. When the drive voltage waveform is applied (supplied) between the upper electrode 214 and the lower electrode 213, the piezoelectric element 200 vibrates and is bonded thereto. The diaphragm 212 vibrates. The vibration of the vibration plate 212 changes the volume of the cavity 208 (pressure in the cavity), and the ink (liquid) filled in the cavity 208 is ejected from the nozzle 203 as droplets.
The amount of liquid that has decreased in the cavity 208 due to the ejection of droplets is supplied by supplying ink from the reservoir 209. Further, ink is supplied to the reservoir 209 from the ink intake port 211.
[0228]
44, the ink (liquid) in the cavity 221 is ejected from the nozzles by driving the piezoelectric element 200 as described above. The inkjet head 100 </ b> B has a pair of opposed substrates 220, and a plurality of piezoelectric elements 200 are intermittently installed between the substrates 220 at a predetermined interval.
[0229]
A cavity 221 is formed between adjacent piezoelectric elements 200. A plate (not shown) in the front of the cavity 221 in FIG. 44 and a nozzle plate 222 are installed in the rear, and nozzles (holes) 223 are formed at positions corresponding to the cavities 221 of the nozzle plate 222. .
A pair of electrodes 224 are respectively provided on one surface and the other surface of each piezoelectric element 200. That is, four electrodes 224 are bonded to one piezoelectric element 200. By applying a predetermined drive voltage waveform between predetermined electrodes among these electrodes 224, the piezoelectric element 200 is deformed and vibrated in the shear mode (indicated by an arrow in FIG. 44), and the volume of the cavity 221 (represented by an arrow in FIG. 44) The pressure in the cavity) changes, and the ink (liquid) filled in the cavity 221 is ejected as droplets from the nozzle 223. That is, in the inkjet head 100B, the piezoelectric element 200 itself functions as a diaphragm.
[0230]
In the inkjet head 100C shown in FIG. 45, the ink (liquid) in the cavity 233 is ejected from the nozzle 231 by driving the piezoelectric element 200 in the same manner as described above. The ink jet head 100 </ b> C includes a nozzle plate 230 on which nozzles 231 are formed, a spacer 232, and a piezoelectric element 200. The piezoelectric element 200 is installed at a predetermined distance from the nozzle plate 230 via a spacer 232, and a cavity 233 is formed in a space surrounded by the nozzle plate 230, the piezoelectric element 200, and the spacer 232.
[0231]
A plurality of electrodes are joined to the upper surface of the piezoelectric element 200 in FIG. That is, the first electrode 234 is joined to the substantially central portion of the piezoelectric element 200, and the second electrodes 235 are joined to both sides thereof. By applying a predetermined drive voltage waveform between the first electrode 234 and the second electrode 235, the piezoelectric element 200 deforms and vibrates in the shear mode (indicated by an arrow in FIG. 45). The volume (pressure in the cavity) changes, and the ink (liquid) filled in the cavity 233 is ejected as droplets from the nozzle 231. That is, in the inkjet head 100C, the piezoelectric element 200 itself functions as a diaphragm.
[0232]
In the inkjet head 100D shown in FIG. 46, the ink (liquid) in the cavity 245 is ejected from the nozzle 241 by driving the piezoelectric element 200 in the same manner as described above. The inkjet head 100D includes a nozzle plate 240 on which nozzles 241 are formed, a cavity plate 242, a vibration plate 243, and a laminated piezoelectric element 201 formed by laminating a plurality of piezoelectric elements 200.
[0233]
The cavity plate 242 is formed into a predetermined shape (a shape in which a concave portion is formed), whereby the cavity 245 and the reservoir 246 are formed. The cavity 245 and the reservoir 246 communicate with each other via the ink supply port 247. The reservoir 246 communicates with the ink cartridge 31 through the ink supply tube 311.
[0234]
The lower end in FIG. 46 of the laminated piezoelectric element 201 is joined to the diaphragm 243 via the intermediate layer 244. A plurality of external electrodes 248 and internal electrodes 249 are joined to the laminated piezoelectric element 201. That is, the external electrode 248 is bonded to the outer surface of the laminated piezoelectric element 201, and the internal electrode 249 is installed between the piezoelectric elements 200 constituting the laminated piezoelectric element 201 (or inside each piezoelectric element). ing. In this case, the external electrode 248 and a part of the internal electrode 249 are alternately arranged so as to overlap in the thickness direction of the piezoelectric element 200.
[0235]
Then, by applying a drive voltage waveform from the head drive 249 between the external electrode 248 and the internal electrode 249, the laminated piezoelectric element 201 is deformed as indicated by the arrows in FIG. 46 (in the vertical direction in FIG. 46). The diaphragm 243 vibrates due to the vibration. The volume of the cavity 245 (pressure in the cavity) is changed by the vibration of the vibration plate 243, and the ink (liquid) filled in the cavity 245 is ejected as droplets from the nozzle 241.
The amount of liquid that has decreased in the cavity 245 due to the ejection of droplets is supplied by supplying ink from the reservoir 246. Ink is supplied to the reservoir 246 from the ink cartridge 31 via the ink supply tube 311.
[0236]
In the inkjet heads 100A to 100D including the piezoelectric elements as described above, droplet ejection is performed based on the vibration plate or the residual vibration of the piezoelectric element functioning as the vibration plate, in the same manner as the electrostatic capacitance type inkjet head 100 described above. It is possible to detect the abnormality or to identify the cause of the abnormality. Note that the inkjet heads 100B and 100C may be configured such that a diaphragm (residual vibration detection diaphragm) serving as a sensor is provided at a position facing the cavity and the residual vibration of the diaphragm is detected. .
[0237]
<Third Embodiment>
Next, another configuration example of the ink jet head in the present invention will be described. 47 is a perspective view showing the configuration of the head unit 100H, and FIG. 48 is a schematic cross-sectional view corresponding to one color ink (one cavity) of the head unit 100H shown in FIG. The following description will be made based on these drawings. However, the description will focus on the differences from the first embodiment described above, and the description of the same matters will be omitted.
[0238]
The head unit 100H shown in these drawings is based on a so-called film boiling ink jet method (thermal jet method). The support plate 410, the substrate 420, the outer wall 430, the partition walls 431, and the top plate 440 are shown in FIGS. It is the thing of the structure joined in this order from 48 lower side.
The substrate 420 and the top plate 440 are disposed at a predetermined interval via the outer wall 430 and a plurality of (six in the illustrated example) partition walls 431 arranged in parallel at equal intervals. A plurality of (five in the illustrated example) cavities (pressure chambers: ink chambers) 432 defined by the partition walls 431 are formed between the substrate 420 and the top plate 440. Each cavity 432 has a strip shape (cuboid shape).
[0239]
As shown in FIGS. 47 and 48, the left end portion (upper end in FIG. 47) of each cavity 432 in FIG. 48 is covered with a nozzle plate (front plate) 433. In the nozzle plate 433, nozzles (holes) 434 communicating with the cavities 432 are formed, and ink (liquid material) is ejected from the nozzles 434. In FIG. 47, the nozzles 434 are arranged linearly, that is, in a row with respect to the nozzle plate 433, but it goes without saying that the nozzle arrangement pattern is not limited to this. The pitch of the nozzles 434 arranged in a row can be appropriately set according to the printing accuracy (dpi) or the like.
[0240]
In addition, the nozzle plate 433 is not provided, and the upper end in FIG. 47 (the left end in FIG. 48) of each cavity 432 is open, and the open opening may be a nozzle.
Further, the top plate 440 is formed with an ink intake port 441, and the ink intake port is connected to the ink cartridge 31 via an ink supply tube 311. Although not shown in the drawing, a damper chamber (provided with a rubber damper, the volume of the chamber changes by deformation) may be provided between the ink intake port 441 and the ink cartridge 31. As a result, the damper chamber absorbs ink shaking and ink pressure changes when the carriage 32 reciprocates, and a predetermined amount of ink can be stably supplied to the head unit 100H.
[0241]
The support plate 410, the outer wall 430, the partition wall 431, the top plate 440, and the nozzle plate 433 are each made of various metal materials such as stainless steel, various resin materials, various ceramics, and the like. The substrate 420 is made of, for example, silicon.
A heating element 450 is installed (embedded) in each of the cavities 432 of the substrate 420 corresponding to the cavities 432. Each heating element 450 is energized separately by a head driver (energizing means) 452 to generate heat. The head driver 452 outputs a pulse signal, for example, as a drive signal for the heating element 450 in accordance with a print signal (print data) input from the control unit 6.
[0242]
Further, the surface of the heating element 450 on the cavity 432 side is covered with a protective film (anti-cavitation film) 451. This protective film 451 is provided to prevent the heating element 450 from coming into direct contact with the ink in the cavity 432. By providing the protective film 451, it is possible to prevent deterioration or deterioration due to the heating element 450 coming into contact with ink.
[0243]
Concave portions 460 are respectively formed in the vicinity of the heating elements 450 of the substrate 420 and at locations corresponding to the cavities 432. The recess 460 can be formed by a method such as etching or punching.
A diaphragm 461 is installed so as to shield the cavity 432 side of the recess 460. The diaphragm 461 is elastically deformed (elastically displaced) in the vertical direction in FIG. 48 following the change in pressure (hydraulic pressure) in the cavity 432.
The constituent material and thickness of the diaphragm 461 are not particularly limited and are set as appropriate.
[0244]
On the other hand, the other side of the recess 460 is covered with a support plate 410, and segment electrodes 462 are respectively installed at locations corresponding to the respective vibration plates 461 on the upper surface of the support plate 410 in FIG. .
The diaphragm 461 and the segment electrode 462 are disposed substantially in parallel with a predetermined gap distance. The gap distance (gap length g) between the diaphragm 461 and the segment electrode 462 is not particularly limited and is appropriately set. By arranging the diaphragm 461 and the segment electrode 462 at a slight distance, a parallel plate capacitor can be formed. As described above, when the vibration plate 461 elastically deforms in the vertical direction in FIG. 48 following the pressure in the cavity 432, the gap distance between the vibration plate 461 and the segment electrode 462 changes accordingly, and the parallelism is performed. The capacitance C of the plate capacitor changes. This change in the capacitance C appears as a change in the voltage difference between the common electrode 470 and the external segment electrode 471 that are electrically connected to the diaphragm 461 and the segment electrode 462, respectively. By detecting this, as described above, The residual vibration (damped vibration) of the diaphragm 461 can be known.
[0245]
A common electrode 470 is formed outside the cavity 432 of the substrate 420. An external segment electrode 471 is formed outside the cavity 432 of the support plate 410.
As a constituent material of the segment electrode 462, the common electrode 470, and the external segment electrode 471, for example, stainless steel, aluminum, gold, a barrel, or an alloy including these may be used. Moreover, the segment electrode 462, the common electrode 470, and the external segment electrode 471 can each be formed by methods, such as joining of metal foil, plating, vapor deposition, sputtering, etc., for example.
[0246]
Each diaphragm 461 and the common electrode 470 are electrically connected by a conductor 475, and each segment electrode 462 and each external segment electrode 471 are electrically connected by a conductor 476.
As the conductors 475 and 476, (1) a conductive wire such as a metal wire is disposed, and (2) a thin film made of a conductive material such as gold or copper is formed on the surface of the substrate 420 or the support plate 410, respectively. Or (3) a conductor-forming site such as the substrate 420 or the like that is subjected to ion doping or the like to impart conductivity.
[0247]
A plurality of the head units 100H as described above can be arranged in a stacked manner (in other stages) in the vertical direction in FIG. FIG. 49 shows an example of the arrangement of the nozzles 434 when four colors of ink (ink cartridge 31) are applied. In this case, a plurality of head units 100H are arranged, for example, in the main scanning direction, and the front surfaces thereof are arranged. The nozzle plate 433 may be joined to the nozzle plate 433.
The arrangement pattern of the nozzles 434 on the nozzle plate 433 is not particularly limited, but as shown in FIG. 49, the nozzles 434 can be arranged so as to be shifted by a half pitch in adjacent nozzle rows.
[0248]
Next, the operation (operation principle) of the head unit 100H will be described.
When a drive signal (pulse signal) is output from the head driver 33 and the heating element 450 is energized, the heating element 450 instantaneously generates a temperature of 300 ° C. or higher. As a result, bubbles 480 are generated on the protective film 451 due to film boiling (different from bubbles generated and mixed in a cavity that causes non-ejection described later), and the bubbles 480 expand instantaneously. As a result, the liquid pressure of the ink (liquid material) filled in the cavity 432 increases, and a part of the ink is ejected as droplets from the nozzle 434.
[0249]
Immediately after the ink droplet is ejected, the bubble 480 contracts rapidly and returns to its original state. The vibration plate 461 is elastically deformed by the pressure change in the cavity 432 at this time, and a damped vibration (residual vibration) is generated until the next drive signal is input and the ink droplet is ejected again.
When the diaphragm 461 generates damped vibration, the capacitance between the diaphragm 461 and the segment electrode 462 facing the diaphragm 461 changes accordingly. This change in capacitance appears as a change in voltage difference between the common electrode 470 and the external segment electrode 471. By reading this, it is possible to detect and specify the non-ejection of ink droplets or the cause thereof. That is, by comparing the change (capacitance) of the voltage difference between the common electrode 470 and the external segment electrode 471 when the ink droplets are normally ejected from the nozzle 434 (pattern), the ink droplets It is possible to determine whether or not the ink droplets are ejected normally, and to determine the cause of ink droplet non-ejection by comparing and specifying each state (pattern) for each cause of ink droplet non-ejection. Can do.
The amount of liquid reduced in the cavity 432 due to the ejection of ink droplets is replenished by supplying new ink from the ink intake port 441 into the cavity 432. This ink is supplied from the ink cartridge 31 through the ink supply tube 311.
[0250]
As described above, the droplet discharge device and the bubble amount detection method of the present invention have been described based on the illustrated embodiments. However, the present invention is not limited to this, and a droplet discharge head or a droplet discharge device is provided. Each component can be replaced with any component that can exhibit the same function. In addition, any other component may be added to the droplet discharge device of the present invention.
[0251]
The discharge target liquid (droplet) discharged from the droplet discharge head (in the above-described embodiment, the ink jet head 100) of the droplet discharge apparatus of the present invention is not particularly limited. It can be a liquid containing a material (including a dispersion such as a suspension or an emulsion). That is, an ink containing a filter material for a color filter, a light emitting material for forming an EL light emitting layer in an organic EL (Electro Luminescence) device, a fluorescent material for forming a phosphor on an electrode in an electron emitting device, PDP (Plasma Fluorescent material for forming phosphors in display panel devices, migrating material for forming electrophores in electrophoretic display devices, bank materials for forming banks on the surface of the substrate W, various coating materials, and electrodes Liquid electrode material to form, a particle material to form a spacer for forming a minute cell gap between two substrates, a liquid metal material to form a metal wiring, a lens material to form a microlens, A resist material, a light diffusion material for forming a light diffuser, and the like.
Further, the present invention can be applied to all types (forms) of a droplet discharge apparatus including a plurality of droplet discharge heads having a diaphragm.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing a configuration of an ink jet printer which is a kind of droplet discharge device of the present invention.
FIG. 2 is a block diagram schematically showing main parts of the ink jet printer of the present invention.
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view of the head unit (inkjet head) shown in FIG.
4 is an exploded perspective view showing a configuration of a head unit corresponding to one color ink shown in FIG. 1; FIG.
FIG. 5 is an example of a nozzle arrangement pattern of a nozzle plate of a head unit using four color inks.
6 is a state diagram showing each state when a drive signal is input in the III-III cross section of FIG. 3; FIG.
7 is a circuit diagram showing a calculation model of simple vibration assuming residual vibration of the diaphragm of FIG. 3. FIG.
8 is a graph showing a relationship between an experimental value and a calculated value of residual vibration of the diaphragm shown in FIG.
9 is a conceptual diagram of the vicinity of a nozzle when bubbles are mixed in the cavity of FIG.
FIG. 10 is a graph showing calculated values and experimental values of residual vibration in a state where ink droplets are no longer ejected due to air bubbles entering the cavity.
FIG. 11 is a conceptual diagram in the vicinity of the nozzle when the ink in the vicinity of the nozzle in FIG. 3 is fixed by drying.
FIG. 12 is a graph showing calculated values and experimental values of residual vibration in a dry and thickened state of ink near the nozzle.
13 is a conceptual diagram of the vicinity of the nozzle when paper dust adheres to the vicinity of the nozzle outlet of FIG.
FIG. 14 is a graph showing calculated values and experimental values of residual vibration in a state where paper dust adheres to the nozzle outlet.
FIG. 15 is a photograph showing the state of the nozzle before and after paper dust adheres to the vicinity of the nozzle.
16 is a schematic block diagram of the ejection abnormality detection means shown in FIG.
17 is a conceptual diagram when the electrostatic actuator of FIG. 3 is a parallel plate capacitor.
18 is a circuit diagram of an oscillation circuit including a capacitor configured from the electrostatic actuator of FIG. 3. FIG.
19 is a circuit diagram of an F / V conversion circuit of the ejection abnormality detection means shown in FIG.
FIG. 20 is a timing chart showing timings of output signals of respective units based on an oscillation frequency output from an oscillation circuit.
FIG. 21 is a diagram for explaining a method of setting fixed times tr and t1.
22 is a circuit diagram showing a circuit configuration of the waveform shaping circuit of FIG. 16;
FIG. 23 is a block diagram showing an outline of switching means between a drive circuit and a detection circuit.
FIG. 24 is a flowchart showing ejection abnormality detection / determination processing.
FIG. 25 is a flowchart showing a residual vibration detection process.
FIG. 26 is a flowchart showing a discharge abnormality determination process.
FIG. 27 is an example of a discharge abnormality detection timing of a plurality of inkjet heads (when there is one discharge abnormality detection means).
FIG. 28 is an example of the timing of ejection abnormality detection of a plurality of inkjet heads (when the number of ejection abnormality detection means is the same as the number of inkjet heads).
FIG. 29 is an example of ejection abnormality detection timing of a plurality of inkjet heads (when ejection abnormality detection is performed when the number of ejection abnormality detection means is the same as the number of inkjet heads and print data is present).
FIG. 30 is an example of the timing of ejection abnormality detection of a plurality of inkjet heads (when the number of ejection abnormality detection means is the same as the number of inkjet heads and ejection abnormality detection is performed by circulating through each inkjet head).
FIG. 31 is a flowchart showing the timing of ejection abnormality detection during the flushing operation of the ink jet printer shown in FIG.
32 is a flowchart showing the timing of ejection abnormality detection during the flushing operation of the ink jet printer shown in FIGS. 28 and 29. FIG.
FIG. 33 is a flowchart showing the timing of ejection abnormality detection during the flushing operation of the ink jet printer shown in FIG. 30;
34 is a flowchart showing the timing of ejection abnormality detection during the printing operation of the ink jet printer shown in FIGS. 28 and 29. FIG.
FIG. 35 is a flowchart showing the timing of ejection abnormality detection during the printing operation of the ink jet printer shown in FIG.
FIG. 36 is a diagram showing a schematic structure (partially omitted) as viewed from the top of the ink jet printer shown in FIG. 1;
37 is a diagram showing a positional relationship between the wiper and the head unit shown in FIG. 36.
FIG. 38 is a diagram illustrating a relationship between a head unit, a cap, and a pump during pump suction processing.
39 is a schematic view showing the configuration of the tube pump shown in FIG. 38. FIG.
FIG. 40 is a flowchart showing ejection abnormality recovery processing in the inkjet printer of the present invention.
FIG. 41 is a graph showing residual vibration when the amount of bubbles in the cavity is large and small.
FIG. 42 is a flowchart showing a process for detecting the bubble amount by setting the detection interval of the bubble amount according to the bubble amount V;
FIG. 43 is a cross-sectional view schematically showing another configuration example of the ink jet head in the present invention.
FIG. 44 is a cross-sectional view schematically showing another configuration example of the ink jet head in the present invention.
FIG. 45 is a cross-sectional view schematically showing another configuration example of the ink jet head in the present invention.
FIG. 46 is a cross-sectional view schematically showing another configuration example of the ink jet head in the present invention.
FIG. 47 is a perspective view showing another configuration example of the head unit in the present invention.
48 is a schematic cross-sectional view of the head unit shown in FIG. 47. FIG.
FIG. 49 is a plan view showing an example of an arrangement pattern of nozzles in a nozzle plate of a head unit using four color inks.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Inkjet printer 2 ... Apparatus main body 21 ... Tray 22 ... Paper discharge port 3 ... Printing means 31 ... Ink cartridge 311 ... Ink supply tube 32 ... Carriage 33 ... Head driver 34 ... Connection part 35... Head unit 4... Printing device 41... Carriage motor 42 .. Reciprocating mechanism 421... Timing belt 422... Carriage guide shaft 43 ... Carriage motor driver 44. ... Feeding motor 52 ... Feeding roller 52a ... Driving roller 52b ... Driving roller 53 ... Feeding motor driver 6 ... Control unit 61 ... CPU 62 ... EEPROM (storage means) 63 ... RAM 64 ... ... PROM 7 ... Operation panel 8 ... Host computer 9 ... IF 10, 10a to 10e ... Discharge abnormality detection means 11 ... Oscillation circuit 111 ... Schmitt trigger inverter 112 ... Resistive element 12 ... F / V conversion circuit 13 ... Constant current source 14 ... Buffer 15 ... Waveform shaping Circuit 151 …… Amplifier (op-amp) 152 …… Comparator (comparator) 16 …… Residual vibration detection means 17 …… Measurement means 18 …… Drive circuit 181 …… Drive waveform generation means 182 …… Discharge selection means 182a …… Shift Register 182b ... Latch circuit 182c ... Driver 19 ... Switch control means 19a ... Switch selection means 191 ... Selector 20 ... Determining means 23, 23a-23e ... Switch means 24 ... Recovery means 100, 100A-100D , 100a to 100e …… Inkjet head 100H …… Head Uni G 110 ... Nozzle 120 ... Electrostatic actuator 121 ... Diaphragm (bottom wall) 122 ... Segment electrode 123 ... Insulating layer 124 ... Common electrode 124a ... Input terminal 130 ... Damper chamber 131 ... Ink intake Port 132 …… Damper 140 …… Silicon substrate 141 …… Cavity 142 …… Ink supply port 143 …… Reservoir 144 …… Side wall 150 …… Nozzle plate 160 …… Glass substrate 161 …… Concavity 162 …… Counter wall 170 …… Base 200 ... Piezoelectric element 201 ... Multilayer piezoelectric element 202, 222, 230, 240 ... Nozzle plate 203, 223, 231, 241 ... Nozzle 204 ... Metal plate 205 ... Adhesive film 206 ... Communication port forming plate 207, 242 …… Cavity plate 2 08, 221, 233, 245... Cavity 209, 246... Reservoir 210, 247... Ink supply port 211... Ink intake port 212, 243. …… Head drive 220 …… Substrate 224 …… Electrode 232 …… Spacer 234 …… First electrode 235 …… Second electrode 244 …… Intermediate layer 248 …… External electrode 249 …… Internal electrode 300 …… Wiper 301 …… Wiping member 310 …… Cap 320 …… Tube pump (rotary pump) 321 …… (Flexible) tube 322 …… Rotating body 322a …… Shaft 323 …… Roller 330 …… Ink absorber 340 …… Discharged ink cartridge 350 …… Guide member 351 …… Guide 410 …… Support plate 4 20 ... Substrate 430 ... Outer wall 431 ... Bulkhead 432 ... Cavity 433 ... Nozzle plate (front plate) 434 ... Nozzle 440 ... Top plate 441 ... Ink intake port 450 ... Heating element 451 ... Protective film (Cavitation film) 452 …… Head driver 460 …… Recess 461 …… Vibration plate 462 …… Segment electrode 470 …… Common electrode 471 …… External segment electrode 475 …… Conductor 476 …… Conductor 480 …… Bubble P …… Recording Paper S101 to S109, S201 to S205, S301 to S311, S401 to S407, S501 to S505, S601 to S608, S701 to S706, S801 to S810, S901 to S913, ST101 to ST104...

Claims (10)

駆動回路により駆動されるアクチュエータと、前記アクチュエータの駆動により変位する振動板とを有し、前記駆動回路によりアクチュエータを駆動し、キャビティ内の液体をノズルから液滴として吐出する複数の液滴吐出ヘッドを備える液滴吐出装置であって、
前記振動板の残留振動を検出し、該検出された前記振動板の残留振動の振動パターンに基づいて、前記液滴吐出ヘッドの前記キャビティ内への気泡混入による吐出異常と前記キャビティ内に混入した気泡量とを推定する吐出異常検出手段を有し、
前記振動板の残留振動の振動パターンは、前記残留振動の周期を含み、
前記吐出異常検出手段は、前記振動板の残留振動の周期に基づいて、前記気泡量を推定することを特徴とする液滴吐出装置。
A plurality of droplet discharge heads having an actuator driven by a drive circuit and a diaphragm that is displaced by the drive of the actuator, and driving the actuator by the drive circuit to discharge the liquid in the cavity from the nozzle as droplets A droplet discharge device comprising:
Residual vibration of the diaphragm is detected, and based on the detected vibration pattern of residual vibration of the diaphragm, ejection abnormalities due to air bubbles mixed into the cavity of the droplet ejection head and mixed into the cavity have a discharge failure detecting means for estimating the amount of air bubbles,
The vibration pattern of the residual vibration of the diaphragm includes a period of the residual vibration,
The discharge abnormality detecting unit estimates the bubble amount based on a period of residual vibration of the diaphragm .
前記吐出異常検出手段により前記液滴吐出ヘッドの前記キャビティ内への気泡混入による吐出異常が検出された場合、前記液滴吐出ヘッドに対し、前記キャビティ内に混入した気泡量に応じて、前記キャビティ内への気泡混入による吐出異常を解消させる回復処理を行う回復手段を有することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。  When the discharge abnormality detection unit detects a discharge abnormality due to air bubbles mixed into the cavity of the droplet discharge head, the cavity is determined according to the amount of bubbles mixed in the cavity with respect to the droplet discharge head. The liquid droplet ejection apparatus according to claim 1, further comprising a recovery unit that performs a recovery process that eliminates a discharge abnormality caused by air bubbles inside. 前記回復手段は、前記吐出異常検出手段により前記液滴吐出ヘッドの前記キャビティ内への気泡混入による吐出異常が検出された場合、前記キャビティ内に混入した気泡量が所定の閾値より少ない場合には、フラッシング手段によりフラッシング処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出装置。  The recovery means is configured such that when the discharge abnormality detection means detects a discharge abnormality due to bubbles mixed into the cavity of the droplet discharge head, and the amount of bubbles mixed into the cavity is less than a predetermined threshold value. The liquid droplet ejection apparatus according to claim 2, wherein a flushing process is performed by a flushing unit. 前記回復手段は、前記キャビティ内に混入した気泡量に応じて、前記フラッシング処理における前記ノズルからの液滴の吐出回数を設定することを特徴とする請求項3に記載の液滴吐出装置。  4. The droplet discharge device according to claim 3, wherein the recovery unit sets the number of droplets discharged from the nozzle in the flushing process in accordance with the amount of bubbles mixed in the cavity. 前記回復手段は、前記吐出異常検出手段により前記液滴吐出ヘッドの前記キャビティ内への気泡混入による吐出異常が検出された場合、前記キャビティ内に混入した気泡量が所定の閾値より多い場合には、ポンピング手段によりポンプ吸引処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出装置。  The recovery means is configured such that when the discharge abnormality detection means detects a discharge abnormality due to air bubbles mixed into the cavity of the droplet discharge head, and the amount of bubbles mixed into the cavity is greater than a predetermined threshold value. 3. The droplet discharge device according to claim 2, wherein a pump suction process is performed by a pumping means. 前記回復手段は、前記キャビティ内に混入した気泡量に応じて、前記ポンプ吸引処理におけるポンプ吸引の時間を設定することを特徴とする請求項5に記載の液滴吐出装置。  6. The liquid droplet ejection apparatus according to claim 5, wherein the recovery means sets a pump suction time in the pump suction processing in accordance with an amount of bubbles mixed in the cavity. 前記回復手段は、前記キャビティ内に混入した気泡量に応じて、前記ポンプ吸引処理におけるポンプ吸引の圧力を設定することを特徴とする請求項5に記載の液滴吐出装置。  6. The liquid droplet ejection apparatus according to claim 5, wherein the recovery means sets a pump suction pressure in the pump suction processing in accordance with an amount of bubbles mixed in the cavity. 前記吐出異常検出手段は、前記キャビティ内に混入した気泡量が多い程、次回、前記振動板の残留振動を検出して前記キャビティ内に混入した気泡量の推定を行うまでの間隔を短く設定することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の液滴吐出装置。The ejection abnormality detection means sets a shorter interval until the next time the residual vibration of the diaphragm is detected and the amount of bubbles mixed in the cavity is estimated as the amount of bubbles mixed in the cavity increases. The liquid droplet ejection apparatus according to claim 1, wherein 請求項1ないしのいずれかに記載の液滴吐出装置を備えるインクジェットプリンタ。Inkjet printer including a droplet ejecting apparatus according to any one of claims 1 to 8. 駆動回路により駆動されるアクチュエータと、前記アクチュエータの駆動により変位する振動板とを有し、前記駆動回路によりアクチュエータを駆動し、キャビティ内の液体をノズルから液滴として吐出する複数の液滴吐出ヘッドを備える液滴吐出装置の前記キャビティ内に混入した気泡量を推定する気泡量検出方法であって、
前記振動板の残留振動を検出し、該検出された前記振動板の残留振動の周期に基づいて、前記液滴吐出ヘッドの前記キャビティ内の気泡量を推定することを特徴とする気泡量検出方法。
A plurality of droplet discharge heads having an actuator driven by a drive circuit and a diaphragm that is displaced by the drive of the actuator, and driving the actuator by the drive circuit to discharge the liquid in the cavity from the nozzle as droplets A bubble amount detection method for estimating the amount of bubbles mixed in the cavity of a droplet discharge device comprising:
A method for detecting a bubble amount, comprising: detecting residual vibration of the diaphragm, and estimating a bubble amount in the cavity of the droplet discharge head based on the detected period of residual vibration of the diaphragm. .
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