JP4313146B2 - 内装材用ポリブテン系複合材料及び壁紙 - Google Patents

内装材用ポリブテン系複合材料及び壁紙 Download PDF

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Description

本発明は、新規な内装材用ポリブテン系複合材料に関する。さらに詳しくは、柔軟で安全性やリサイクル性が高く、成形加工性を高めつつも、べたつきの少ないという特徴を持ち、充填材を高濃度で配合可能であるために、軟質でかつ難燃性が求められる分野にも最適な内装材用ポリブテン系複合材料及びその壁紙としての使用に関する。
近年、環境問題への関心の高まりから、種々の分野において脱ポリ塩化ビニルが要望されている。特に、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂については、高濃度の可塑剤がブリードするために生じる汚染や、燃焼時におけるダイオキシン発生の懸念がある。このため、ポリブテン系材料等のポリオレフィン系材料を代替品として用いることが検討されている。
しかしながら、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂の持つ、優れた柔軟性と難燃性とを同時に満足するポリオレフィン系材料の開発は困難であり、そのような材料の出現が望まれている。
ところで、従来から、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂に、種々の無機充填剤又は有機充填剤を配合して、複合材料とすることが広く行なわれている。例えば、建材用遮音シートとしては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化鉄等の充填材を軟質塩化ビニル樹脂に配合し、カレンダー成形や押出成形等でシート状に成形したものが用いられている。
軟質塩化ビニル樹脂代替品として、低分子量の非晶性α−オレフィン樹脂に充填材を配合した組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
これは、安全性やリサイクル性、遮音性、成形加工性に優れてはいるが、べたつきが発生するといった問題点があった。これは、樹脂が非晶性であり、かつ、従来型の不均一系触媒を用いて重合して得られる樹脂であるため低分子量低融点成分を含有してしまうことに由来している。成形加工性向上のため、樹脂の分子量を下げるほどに、該低分子量低融点成分が増加してしまう。
この低分子量低融点成分は、成形体表面にブリードアウトしやすいため、べたつきに限らず、接着性を阻害する等、表面特性を悪化させるため、建材用シート用途に限らず、多種の用途で課題となる可能性がある。
近年、特殊なメタロセン系触媒により得られる、組成が均一で軟質なプロピレン系重合体を用いた複合材料が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、具体的に開示されているプロピレン系重合体の極限粘度[η]は1.5に過ぎない。このような高分子量の樹脂は溶融粘度が高く、充填材を配合すると、さらに溶融粘度が上昇するため、成形加工性が悪化するという課題がある。
また、プロピレン系樹脂は、ブテン系樹脂に比べ、一般的に充填材の含量を多くできないという課題があった。
近年、特殊なメタロセン系触媒により得られる組成が均一で軟質なブテン系重合体を用いた複合材料が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。ここで具体的に開示されている1−ブテン系重合体の分子量(Mw)は42万である。この様な高分子量の樹脂は溶融粘度が高く、充填材を配合すると、さらに溶融粘度が上昇し、成形加工性が悪化するという課題がある。また、耐熱性を重視するため結晶性のポリプロピレンが必須成分となっている。高結晶性の樹脂には、有機・無機充填材の配合量を上げられないという課題がある。つまり、結晶性ポリプロピレンを配合することにより、複合材料全体に占める充填材の配合量が低下するという課題がある。
特開平11−62043号公報 特開2003−20371号公報 特開2003−238750号公報
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、成形加工性がよく、なおかつべたつきが少なく、柔軟で安全性やリサイクル性が高く、軟質かつ難燃性が求められる分野にも最適な内装材用ポリブテン系複合材料を提供することを目的とする。
これらの課題を解決するため、本発明者らが鋭意研究した結果、配合する1−ブテン系重合体の立体規則性、分子量、組成及びこれらの分布を制御することで、軟質でべたつきが無く、さらに、充填材を高濃度で配合しても、効率的に溶融時流動性を上げることができるため、成形性を向上できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の第一の態様によれば、下記(1)〜(5)の要件を満たす1−ブテン系重合体 10〜70重量%、及び有機又は無機充填材 90〜30重量%を含む内装材用ポリブテン系複合材料が提供される。
(1)重合体に占める1−ブテンの組成比が50〜100mol%、炭素数2〜20(但し、4を含まない)のα−オレフィンの組成比が50〜0mol%
(2)立体規則性指数{(mmmm)/(mmrr+rmmr)}が30以下
(3)極限粘度[η]が0.01〜0.5
(4)1st‐Heatにおける融点(TmD)が0〜100℃
(5)分子量分布[Mw/Mn]が4以下
本発明の第二の態様によれば、紙と、この紙上に、上記の内装材用ポリブテン系複合材料からなる層とを含む壁紙が提供される。
本発明の第三の態様によれば、上記の内装材用ポリブテン系複合材料からなる層を、紙上に積層する壁紙の製造方法が提供される。
本発明により、柔軟で安全性やリサイクル性が高く、成形加工性が高く充填材を高濃度で配合可能であり、なおかつべたつきが少なく、軟質でかつ難燃性が求められる分野にも最適な、内装材用ポリブテン系複合材料及びその材料を用いた壁紙を提供することができる。
[内装材用ポリブテン系複合材料]
本発明の内装材用ポリブテン系複合材料は、所定の要件を満たす1−ブテン系重合体を10〜70重量%、及び有機又は無機充填材を90〜30重量%含む複合材料である。
A.1−ブテン系重合体
本発明で用いる1−ブテン系重合体は、以下の(1)〜(5)の要件を満たす。
(1)1−ブテン系重合体に占める1−ブテンの組成比が50〜100mol%、炭素数2〜20(但し、4を含まず)のα−オレフィンの組成比が50〜0mol%
(2)立体規則性指数{(mmmm)/(mmrr+rmmr)}が30以下
(3)極限粘度[η]が0.01〜0.5
(4)1st‐Heatにおける融点(TmD)が0〜100℃
(5)分子量分布[Mw/Mn]が4以下
(1)1−ブテン系重合体の組成
本発明で使用する1−ブテン系重合体は、1−ブテン単独重合体、又は1−ブテン及び炭素数2〜20(但し、4を含まず)のα−オレフィンを含む共重合体である。
炭素数2〜20(但し、4を含まず)のα−オレフィンとして、具体的には、エチレン,プロピレン,1−ペンテン,1−へキセン,4−メチル−1−ペンテン,3−メチル−1−ペンテン,1−オクテン,3−メチル−1−ブテン,1−デセン,1−ドデセン,1−テトラデセン,1−ヘキサデセン,1−オクタデセン,1−エイコセン等が挙げられる。
好ましくは、炭素数2,3,5〜10のα−オレフィンである。
この1−ブテン系重合体に占める1−ブテンの組成比は、50〜100mol%であり、炭素数2〜20(但し、4を含まず)のα−オレフィン組成比は50〜0mol%である。
1−ブテン系重合体の組成をこのようにすることにより、1−ブテン系重合体の結晶性が保たれ、常温での取扱い性に優れたものとなる。
好ましくは、1−ブテンの含有量は70〜100mol%、炭素数2〜20(但し、4を含まず)のα−オレフィンの含有量は30〜0mol%であり、さらに好ましくは、1−ブテン90〜100mol%、炭素数2〜20(但し、4を含まず)のα−オレフィン10〜0mol%である。特に好ましくは、1−ブテン単独重合体である。
(2)立体規則性指数{(mmmm)/(mmrr+rmmr)}
1−ブテン系重合体の立体規則性指数{(mmmm)/(mmrr+rmmr)}は30以下である。立体規則性指数が30を超えると、柔軟性の低下や混合性に低下が生じる場合がある。
好ましくは25以下であり、さらに好ましくは20以下、特に好ましくは15以下である。
立体規則性指数の測定法は、朝倉らにより報告された、「Polymer Journal,16,717(1984)」、J.Randallらにより報告された、「Macromol.Chem.Phys.、198、1257(1997)」で提案された方法に準拠して求める。即ち、13C核磁気共鳴スペクトルを用いてメチレン基、メチン基のシグナルを測定し、異常挿入分率や、メソペンタッド分率(mmmm)[mol%]、(mmrr)[mol%]、(rmmr)[mol%]を求め、立体規則性指数を下記式より計算する。
Figure 0004313146
1−ブテンの1,4挿入と呼ばれる異常挿入部分の分率(1,4挿入分率)が、5%以下であることが望ましい。1,4挿入分率が5%を超えると、重合体の組成分布が広がることがある。これによって結晶性が低下することから、組成物にした際の物性の低下が見られることがある。
好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下、特に好ましくは観測されないことが望ましい。
1−ブテン系重合体は、アイソタクチック構造が好適である。アタクチック構造又はシンジオタクチック構造では、非晶性もしくは、結晶性が低下し、表面特性の悪化、特にべたつき、強度低下につながることがある。
また、メソペンタッド分率(mmmm)は、20〜90mol%であることが好ましく、さらに好ましくは40〜85mol%、一層好ましくは60〜80mol%、特に好ましくは65〜80mol%である。(mmmm)が20mol%未満では、ポリブテン系複合材料にべたつきが生じる可能性がある。(mmmm)が90mol%より大きいと複合材料の軟質化が効率的に行われないことがある。
(3)極限粘度[η]
テトラリン溶媒中で135℃にて測定した極限粘度[η]は、0.01〜0.5である。好ましくは0.1〜0.5、さらに好ましくは0.2〜0.4である。[η]が0.01未満では、ポリブテン系複合材料の強度低下やべたつきの原因となることがある。また、[η]が0.5を超える場合では、ポリブテン系複合材料の溶融時粘度が効率的に低下せず、有機又は無機充填剤との混練が低温では均一にならず、配合量を上げられなかったり、成形加工性が悪化することがある。
この1−ブテン系共重合体は、[η]が同程度のポリプロピレンより、充填材を高濃度で充填することができる。これは、充填材が非晶部内に存在しているためと考えられ、通常の市販ポリプロピレンのような結晶性ポリマーと異なり、ブテン系重合体が低結晶性であるためと推定される。
尚、[η]が0.5以上である場合には、軟質性やべたつきの無さを維持しつつ、複合材料の強度や伸びが改善されるため、この様な特性が要求される用途においては有用である。
(4)1st‐Heatにおける融点(TmD)
示差走査型熱量計(DSC)で測定した1st‐Heatにおける融点(TmD)が0〜100℃に観測される結晶性樹脂である。好ましくは20〜100℃、さらに好ましくは30〜100℃、一層好ましくは45〜90℃である。TmDが0℃未満では、ポリブテン系複合材料にべたつきが発生することがある。また、TmDが100℃を超えると、複合材料の軟質化が効率的に行われない。
尚、1st‐Heatにおける融点(TmD)とは、DSCを用い、試料10mgを窒素雰囲気下、−10℃で5分間保持した後、220℃まで10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから観測されるピークの、最も高温側に観測されるピークのトップとして定義される融点である。
(5)分子量分布[Mw/Mn]
ゲルパーミネーションクロマトグラフィ(GPC)によって測定される分子量分布[Mw/Mn]が4.0以下である。Mw/Mnが4以上では低分子量体の増加により、べたつきの原因となることがある。好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、一層好ましくは2.3以下である。
また、重量平均分子量(Mw)は、10,000〜100,000であることが好ましい。Mwが10,000未満では、低分子量体の増加によりべたつきの原因となることがある。また、Mwが100,000より大きいと、ポリブテン系複合材料の溶融時粘度が効率的に低下せず、有機又は無機充填剤との混練が、低温では均一にならなかったり、成形加工性が改善されないことがある。Mwは、好ましくは30,000〜95,000、より好ましくは40,000〜90,000、一層好ましくは50,000〜80,000である。
尚、Mwが100,000より大きい場合でも、軟質性やべたつきの無さを維持しながら、複合材料の強度や伸びが改善できるため、この様な特性が要求される用途においては有用である。さらには、Mwが100,000以下の場合と同様、充填材を高濃度で充填することができる。これは、充填材が非晶部内に存在しているためと考えられ、通常の市販ポリプロピレンのような結晶性ポリマーと異なり、ブテン系重合体が低結晶性であるためと推定される。
本発明で用いる1−ブテン系重合体の製法は、メタロセン触媒と呼ばれる均一系触媒を用いて得られるものが望ましい。Mg−Ti系触媒に代表される不均一系触媒では、得られるポリマーの分布が広く、べたつきの原因となる低分子量体の生成が懸念されるためである。しかしながら、上述の要件を満たす1−ブテン系重合体が得られれば、製法は特に限定されるものではない。
メタロセン触媒としては、例えば、特開2002−322213号公報に記載のものが好ましい。
特に、望ましい1−ブテン系重合体の製造方法は、(A)下記一般式(I)
Figure 0004313146
〔式中、Mは周期律表第3〜10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、E及びEはそれぞれ置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘテロシクロペンタジエニル基,アミド基,ホスフィド基,炭化水素基及び珪素含有基の中から選ばれた配位子であって、A及びAを介して架橋構造を形成しており、また、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,E,E又はYと架橋していてもよい。Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のY,E,E又はXと架橋していてもよく、A及びAは二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−Se−、−NR−、−PR−、−P(O)R−、−BR−又は−AlR−を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。〕
で表される遷移金属化合物、及び(B)(B−1)該(A)成分の遷移金属化合物と反応して、イオン性の錯体を形成しうる化合物及び(B−2)アルミノキサンから選ばれる少なくとも一種類の成分を含有する重合用触媒の存在下、1−ブテンを単独重合、又は1−ブテンとエチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィン(ただし、1−ブテン除く)を共重合させる製造方法である。
上記一般式(I)において、Mは周期律表第3〜10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、具体例としてはチタン,ジルコニウム,ハフニウム,イットリウム,バナジウム,クロム,マンガン,ニッケル,コバルト,パラジウム及びランタノイド系金属等が挙げられるが、これらの中ではオレフィン重合活性等の点からチタン,ジルコニウム及びハフニウムが好適である。
及びEはそれぞれ、置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘテロシクロペンタジエニル基,アミド基(−N<),ホスフィン基(−P<),炭化水素基〔>CR−,>C<〕及び珪素含有基〔>SiR−,>Si<〕(但し、Rは水素又は炭素数1〜20の炭化水素基あるいはヘテロ原子含有基である)の中から選ばれた配位子を示し、A及びAを介して架橋構造を形成している。
また、E及びEは互いに同一でも異なっていてもよい。
このE及びEとしては、置換シクロペンタジエニル基,インデニル基及び置換インデニル基が好ましい。
また、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,E,E又はYと架橋していてもよい。
Xの具体例としては、ハロゲン原子,炭素数1〜20の炭化水素基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数1〜20のアミド基,炭素数1〜20の珪素含有基,炭素数1〜20のホスフィド基,炭素数1〜20のスルフィド基,炭素数1〜20のアシル基等が挙げられる。
一方、Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のYやE,E又はXと架橋していてもよい。
Yのルイス塩基の具体例としては、アミン類,エーテル類,ホスフィン類,チオエーテル類等を挙げることができる。
次に、A及びAは二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−Se−、−NR−、−PR−、−P(O)R−、−BR−又は−AlR−を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
このような架橋基としては、例えば、一般式
Figure 0004313146
(Dは炭素、珪素又はスズ、R及びRはそれぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基で、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、また、互いに結合して環構造を形成していてもよい。eは1〜4の整数を示す。)で表されるものが挙げられる。その具体例としては、メチレン基,エチレン基,エチリデン基,プロピリデン基,イソプロピリデン基,シクロヘキシリデン基,1,2−シクロヘキシレン基,ビニリデン基(CH=C=),ジメチルシリレン基,ジフェニルシリレン基,メチルフェニルシリレン基,ジメチルゲルミレン基,ジメチルスタニレン基,テトラメチルジシリレン基,ジフェニルジシリレン基等を挙げることができる。
これらの中で、エチレン基,イソプロピリデン基及びジメチルシリレン基が好適である。
このような一般式(I)で表される遷移金属化合物の中では、一般式(II)
Figure 0004313146
で表される二重架橋型ビスシクロペンタジエニル誘導体を配位子とする遷移金属化合物が好ましい。
上記一般式(II)において、M,A,A,q及びrは上記と同じである。
はσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX又はYと架橋していてもよい。
このXの具体例としては、一般式(I)のXの説明で例示したものと同じものを挙げることができる。
はルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のY又はXと架橋していてもよい。
このYの具体例としては、一般式(I)のYの説明で例示したものと同じものを挙げることができる。
〜Rはそれぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の炭化水素基,炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基,珪素含有基又はヘテロ原子含有基を示すが、その少なくとも一つは水素原子でないことが必要である。
また、R〜Rは互いに同一でも異なっていてもよく、隣接する基同士が互いに結合して環を形成していてもよい。
なかでも、RとRは環を形成していること及びRとRは環を形成していることが好ましい。
及びRとしては、酸素、ハロゲン、珪素等のヘテロ原子を含有する基が、重合活性が高くなり好ましい。
この二重架橋型ビスシクロペンタジエニル誘導体を配位子とする遷移金属化合物は、配位子間の架橋基に珪素を含むものが好ましい。
一般式(I)で表される遷移金属化合物の具体例としては、(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−メチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−イソプロピリデン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4,7−ジイソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(3−メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(5,6−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4,7−ジ−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−メチル−4−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(5,6−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−メチレン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−メチレン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−イソプロピリデン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−メチレン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−メチレン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−イソプロピリデン)(2,1’−イソプロピリデン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−イソプロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−n−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−フェニルシクロペンジエニル)(3’−メチル−5’−フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−i−プロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−i−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−n−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−フェニルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−フェニルシクロペンジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチル−5−i−プロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−i−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチル−5−n−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチル−5−フェニルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−i−プロピルシクロペ
ンタジエニル)(3’−メチル−5’−i−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−n−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−フェニルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−i−プロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−i−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−i−プロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−i−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−i−プロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−i−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−i−プロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−i−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジフェニルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジイソプロピルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジイソプロピルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−ジフェニルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジフェニルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジイソプロピルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジイソプロピルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジイソプロピルシリレン)(2,1’−ジイソプロピルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−ジフェニルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジフェニルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジイソプロピルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジイソプロピルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジイソプロピルシリレン)(2,1’−ジイソプロピルシリレン)(インデニル)(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド等及びこれらの化合物におけるジルコニウムをチタン又はハフニウムに置換したものを挙げることができる。もちろんこれらに限定されるものではない。
また、他の族又はランタノイド系列の金属元素の類似化合物であってもよい。
また、上記化合物において、(1,1’−)(2,2’−)が(1,2’−)(2,1’−)であってもよく、(1,2’−)(2,1’−)が(1,1’−)(2,2’−)であってもよい。
(B)成分のうちの(B−1)成分としては、上記(A)成分の遷移金属化合物と反応して、イオン性の錯体を形成しうる化合物であれば、いずれのものでも使用できるが、複数の基が金属に結合したアニオンとカチオンとからなる配位錯化合物又はルイス酸を挙げることができる。
複数の基が金属に結合したアニオンとカチオンとからなる配位錯化合物としては様々なものがあるが、例えば、下記一般式(III)又は(IV)で表される化合物を好適に使用することができる。
(〔L−H〕p+(〔M・・・X(n−m)−・・・(III)
(〔Lp+(〔M・・・X(n−m)−・・・ (IV)
〔式中、Lはルイス塩基、Lは後述のM,R1011又はR12 Cであり、M及びMは周期律表第5〜15族元素から選ばれる金属を示す。Mは周期律表の1族及び8族〜12族から選ばれる金属、Mは周期律表の8族〜10族から選ばれる金属、X〜Xはそれぞれ水素原子,ジアルキルアミノ基,アルコキシ基,アリールオキシ基,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール基,アリールアルキル基,置換アルキル基,有機メタロイド基又はハロゲン原子を示す。R10及びR11はそれぞれシクロペンタジエニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基又はフルオレニル基、R12はアルキル基を示す。mはM,Mの原子価で1〜7の整数、nは2〜8の整数、pはL−H,Lのイオン価数で1〜7の整数、qは1以上の整数,l=q×p/(n−m)である。〕
及びMは周期律表第5〜15族元素から選ばれる金属、好ましくは周期律表第13〜15族元素から選ばれる金属、さらに好ましくはホウ素原子である。
は周期律表の1族及び8族〜12族から選ばれる金属、具体例としてはAg,Cu,Na,Li等の各原子、Mは周期律表の8族〜10族から選ばれる金属、具体例としてはFe,Co,Ni等の各原子が挙げられる。
〜Xの具体例としては、例えば、ジアルキルアミノ基としてジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基等、アルコキシ基としてメトキシ基,エトキシ基,n−ブトキシ基等、アリールオキシ基としてフェノキシ基,2,6−ジメチルフェノキシ基,ナフチルオキシ基等、炭素数1〜20のアルキル基としてメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,n−オクチル基,2−エチルヘキシル基等、炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール基若しくはアリールアルキル基としてフェニル基,p−トリル基,ベンジル基,ペンタフルオロフェニル基,3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基,4−ターシャリ−ブチルフェニル基,2,6−ジメチルフェニル基,3,5−ジメチルフェニル基,2,4−ジメチルフェニル基,1,2−ジメチルフェニル基等、ハロゲンとしてF,Cl,Br,I、有機メタロイド基として五メチルアンチモン基,トリメチルシリル基,トリメチルゲルミル基,ジフェニルアルシン基,ジシクロヘキシルアンチモン基,ジフェニル硼素基等が挙げられる。
10及びR11のそれぞれで表される置換シクロペンタジエニル基の具体例としては、メチルシクロペンタジエニル基,ブチルシクロペンタジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基等が挙げられる。
複数の基が金属に結合したアニオンとしては、具体的には、B(C) -,B(CHF) -,B(C) -,B(C) -,B(CF) -,B(C(CF)F) -,B(C) -,BF -等が挙げられる。また、金属カチオンとしては、CpFe,(MeCp)Fe,(tBuCp)Fe,(MeCp)Fe,(MeCp)Fe,(MeCp)Fe,(MeCp)Fe,Ag,Na,Li等が挙げられる。その他のカチオンとしては、ピリジニウム,2,4−ジニトロ−N,N−ジエチルアニリニウム,ジフェニルアンモニウム,p−ニトロアニリニウム,2,5−ジクロロアニリン,p−ニトロ−N,N−ジメチルアニリニウム,キノリニウム,N,N−ジメチルアニリニウム,N,N−ジエチルアニリニウム等の窒素含有化合物、トリフェニルカルベニウム,トリ(4−メチルフェニル)カルベニウム,トリ(4−メトキシフェニル)カルベニウム等のカルベニウム化合物、CHPH ,CPH ,CPH ,(CHPH ,(CPH ,(CPH ,(CHPH,(CPH,(CPH,(CFPH,(CH,(C,(C等のアルキルフォスフォニウムイオン,及びCPH ,(CPH ,(CPH,(C,(C(C)PH,(CH)(C)PH ,(CH(C)PH,(C(C等のアリールフォスフォニウムイオン等が挙げられる。
この重合方法においては、上記金属カチオンとアニオンの任意の組み合わせによる配位錯化合物が挙げられる。
一般式(III)及び(IV)の化合物の中で、具体的には、下記のものを特に好適に使用できる。
一般式(III)の化合物としては、例えば、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウム,ヘキサフルオロ砒素酸トリエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ピリジニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ピロリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸N,N−ジメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム等が挙げられる。
一方、一般式(IV)の化合物としては、例えば、テトラフェニル硼酸フェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸アセチルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ホルミルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸シアノフェロセニウム,テトラフェニル硼酸銀,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀,テトラフェニル硼酸トリチル,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリチル,テトラフルオロ硼酸銀等が挙げられる。
好適な配位錯化合物としては、非配位性アニオンと置換トリアリールカルベニウムとからなるものであって、該非配位性アニオンとしては、例えば、一般式(V)
(M・・・X(n−m)− ・・・(V)
〔式中、Mは周期律表第5〜15族元素、好ましくは周期律表第13〜15族元素、さらに好ましくはホウ素原子を示す。X〜Xはそれぞれ水素原子,ジアルキルアミノ基,アルコキシ基,アリールオキシ基,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基(ハロゲン置換アリール基を含む),アルキルアリール基,アリールアルキル基,置換アルキル基,有機メタロイド基又はハロゲン原子を示し、mはMの原子価であり、nは2〜8の整数である。〕
で表されるものを挙げることができる。
また、一般にカルボランと呼ばれる化合物も非配位性アニオンである。
一方、置換トリアリールカルベニウムとしては、例えば、一般式(VI)
〔CR131415 ・・・(VI)
で表わされるものを挙げることができる。
上記一般式(VI)におけるR13,R14及びR15は、それぞれフェニル基,置換フェニル基,ナフチル基,アントラセニル基等のアリール基であって、それらは互いに同一であっても、異なっていてもよいが、その中の少なくとも一つは、置換フェニル基,ナフチル基又はアントラセニル基である。
置換フェニル基は、例えば、一般式(VII)
5−k16 ・・・(VII)
で表わすことができる。
一般式(VII)におけるR16は、炭素数1〜10のヒドロカルビル基,アルコキシ基,アリーロキシ基,チオアルコキシ基,チオアリーロキシ基,アミノ基,アミド基,カルボキシル基,ハロゲン原子を示し、kは1〜5の整数である。
kが2以上の場合、複数のR16は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記一般式(V)で表される非配位性アニオンの具体例としては、テトラ(フルオロフェニル)ボレート,テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート,テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート,テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート,テトラキス(トリフルオロメチルフェニル)ボレート,テトラ(トルイル)ボレート,テトラ(キシリル)ボレート,(トリフェニル,ペンタフルオロフェニル)ボレート,〔トリス(ペンタフルオロフェニル),フェニル〕ボレート,トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート等を挙げることができる。
一方、上記一般式(VI)で表される置換トリアリールカルベニウムの具体例としては、トリ(トルイル)カルベニウム,トリ(メトキシフェニル)カルベニウム,トリ(クロロフェニル)カルベニウム,トリ(フルオロフェニル)カルベニウム,トリ(キシリル)カルベニウム,〔ジ(トルイル),フェニル〕カルベニウム,〔ジ(メトキシフェニル),フェニル〕カルベニウム,〔ジ(クロロフェニル),フェニル〕カルベニウム,〔トルイル,ジ(フェニル)〕カルベニウム,〔メトキシフェニル,ジ(フェニル)〕カルベニウム,〔クロロフェニル,ジ(フェニル)〕カルベニウム等が挙げられる。
また、触媒の(B−1)成分としては、下記一般式
BR171819 ・・・(VIII)
〔式中、R17,R18及びR19は、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基である。〕
で表される化合物を挙げることもでき、ホウ素に置換基としてアルキル基又はアリール基が結合したホウ素化合物であれば特に制限されるものではなく、いずれのものでも使用できる。
ここで、アルキル基としては、ハロゲン置換アルキル基をも包含し、またアリール基としてはハロゲン置換アリール基,アルキル置換アリール基をも包含するものである。
上記一般式(VIII)中のR17,R18及びR19は、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、具体例には、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,アミル基,イソアミル基,イソブチル基,オクチル基,2−エチルヘキシル基等のアルキル基あるいはフェニル基,フルオロフェニル基,トリル基,キシリル基,ベンジル基等のアリール基である。
尚、ここでR17〜R19は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
このような一般式(VIII)で表される化合物の具体例としては、トリフェニルホウ素,トリ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素,トリ(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ホウ素,トリ(2,4,5,6−テトラフルオロフェニル)ホウ素,トリ(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ホウ素,トリ(2,4,6−トリフルオロフェニル)ホウ素,トリ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ホウ素,トリ(2,3,4−トリフルオロフェニル)ホウ素,トリ(3,4,6−トリフルオロフェニル)ホウ素,トリ(2,3−ジフルオロフェニル)ホウ素,トリ(2,6−ジフルオロフェニル)ホウ素,トリ(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ素,トリ(2,5−ジフルオロフェニル)ホウ素,トリ(2−フルオロフェニル)ホウ素,トリ(3−フルオロフェニル)ホウ素,トリ(4−フルオロフェニル)ホウ素,トリ〔3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル〕ホウ素,トリ〔(4−フルオロメチル)フェニル〕ホウ素,ジエチルホウ素,ジエチルブチルホウ素,トリメチルホウ素,トリエチルホウ素,トリ(n−ブチル)ホウ素,トリ(トリフルオロメチル)ホウ素,トリ(ペンタフルオロエチル)ホウ素,トリ(ノナフルオロブチル)ホウ素,トリ(2,4,6−トリフルオロフェニル)ホウ素,トリ(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ素,ジ(ペンタフルオロフェニル)フルオロホウ素,ジフェニルフルオロホウ素,ジ(ペンタフルオロフェニル)クロロホウ素,ジメチルフルオロホウ素,ジエチルフルオロホウ素,ジ(n−ブチル)フルオロホウ素,(ペンタフルオロフェニル)ジフルオロホウ素,フェニルフルオロホウ素,(ペンタフルオロフェニル)ジクロロホウ素,メチルジフルオロホウ素,エチルジフルオロホウ素,(n−ブチル)ジフルオロホウ素等が挙げられる。
これらの中では、トリ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素が特に好ましい。
一方、(B−2)成分のアルミノキサンとしては、一般式(IX)
Figure 0004313146
(式中、R20は炭素数1〜20、好ましくは1〜12のアルキル基,アルケニル基,アリール基,アリールアルキル基等の炭化水素基又はハロゲン原子を示し、wは平均重合度を示し、通常2〜50、好ましくは2〜40の整数である。尚、各R20は同じでも異なっていてもよい。)
で示される鎖状アルミノキサン、及び一般式(X)
Figure 0004313146
(式中、R20及びwは、一般式(IX)におけるものと同じである。)
で示される環状アルミノキサンを挙げることができる。
アルミノキサンの製造法としては、アルキルアルミニウムと水等の縮合剤とを接触させる方法が挙げられるが、その手段については特に限定はなく、公知の方法に準じて反応させればよい。
例えば、a.有機アルミニウム化合物を有機溶剤に溶解しておき、これを水と接触させる方法、b.重合時に当初有機アルミニウム化合物を加えておき、後に水を添加する方法、c.金属塩等に含有されている結晶水、無機物や有機物への吸着水を有機アルミニウム化合物と反応させる方法、d.テトラアルキルジアルミノキサンにトリアルキルアルミニウムを反応させ、さらに水を反応させる方法等がある。
尚、アルミノキサンとしては、トルエン不溶性のものであってもよい。
これらのアルミノキサンは一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)触媒成分と(B)触媒成分との使用割合は、(B)触媒成分として(B−1)化合物を用いた場合には、モル比で好ましくは10:1〜1:100、より好ましくは2:1〜1:10の範囲が望ましく、上記範囲を逸脱する場合は、単位質量ポリマー当りの触媒コストが高くなり、実用的でない。
また、(B−2)化合物を用いた場合には、モル比で好ましくは1:1〜1:1000000、より好ましくは1:10〜1:10000の範囲が望ましい。
この範囲を逸脱する場合は、単位質量ポリマー当りの触媒コストが高くなり、実用的でない。
また、触媒成分(B)としては(B−1),(B−2)を単独又は二種以上組み合わせて用いることもできる。
(A)成分と(B)成分との使用割合は、モル比で好ましくは10:1〜1:100、より好ましくは1:1〜1:10の範囲が望ましく、上記範囲を逸脱する場合は、単位質量ポリマー当りの触媒コストが高くなり、実用的でない。
この1−ブテン系重合体の製造方法において、(A)特定の遷移金属化合物及び(B−1)この(A)成分の遷移金属化合物と反応して、イオン性の錯体を形成しうる化合物、特にホウ素原子を含有する重合用触媒を用いることにより、(B−2)成分としてアルミノキサンを用いた場合と比較して、著しく高活性で1−ブテン系重合体を製造することができる。
また、(A)特定の遷移金属化合物及び(B−2)成分としてアルミノキサンを含有する重合用触媒を用いることが好ましい。
この製造方法における重合用触媒は、上記(A)成分及び(B)成分に加えて、(C)成分として有機アルミニウム化合物を用いることができる。
ここで、(C)成分の有機アルミニウム化合物としては、一般式(X)
21 AlJ3−v ・・・(XI)
〔式中、R21は炭素数1〜10のアルキル基、Jは水素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン原子を示し、vは1〜3の整数である〕
で示される化合物が用いられる。
一般式(XI)で示される化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソプロピルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,ジメチルアルミニウムクロリド,ジエチルアルミニウムクロリド,メチルアルミニウムジクロリド,エチルアルミニウムジクロリド,ジメチルアルミニウムフルオリド,ジイソブチルアルミニウムヒドリド,ジエチルアルミニウムヒドリド,エチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げられる。
これらの有機アルミニウム化合物は一種用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。
この製造方法においては、上述した(A)成分、(B)成分及び(C)成分を用いて予備接触を行なうこともできる。
予備接触は、(A)成分に、例えば、(B)成分を接触させることにより行なうことができるが、その方法に特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
これら予備接触により触媒活性の向上や、助触媒である(B)成分の使用割合の低減等、触媒コストの低減に効果的である。
また、さらに、(A)成分と(B)成分を接触させることにより、上記効果と共に、分子量向上効果も見られる。
また、予備接触温度は、通常−20℃〜200℃、好ましくは−10℃〜150℃、より好ましくは、0℃〜80℃である。
予備接触においては、溶媒の不活性炭化水素として、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素等を用いることができる。
これらの中で特に好ましいものは、脂肪族炭化水素である。
前記(A)触媒成分と(C)触媒成分との使用割合は、モル比で好ましくは1:1〜1:10000、より好ましくは1:5〜1:2500の範囲が望ましい。
(C)触媒成分を用いることにより、遷移金属当たりの重合活性を向上させることができるが、あまり多いと有機アルミニウム化合物が無駄になるとともに、重合体中に多量に残存し、好ましくない。
この重合方法においては、触媒成分の少なくとも一種を適当な担体に担持して用いることができる。
担体の種類については特に制限はなく、無機酸化物担体、それ以外の無機担体及び有機担体のいずれも用いることができるが、特に無機酸化物担体あるいはそれ以外の無機担体が好ましい。
無機酸化物担体としては、具体的には、SiO,Al,MgO,ZrO,TiO,Fe,B,CaO,ZnO,BaO,ThOやこれらの混合物、例えばシリカアルミナ,ゼオライト,フェライト,グラスファイバー等が挙げられる。
これらの中では、特にSiO,Alが好ましい。
尚、上記無機酸化物担体は、少量の炭酸塩,硝酸塩,硫酸塩等を含有してもよい。
一方、上記以外の担体として、MgCl,Mg(OC)等で代表される一般式MgR22 で表されるマグネシウム化合物やその錯塩等を挙げることができる。
ここで、R22は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基又は炭素数6〜20のアリール基、Xはハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示し、xは0〜2、yは0〜2であり、かつx+y=2である。
各R22及び各Xはそれぞれ同一でもよく、また異なってもいてもよい。
また、有機担体としては、ポリスチレン,スチレン−ジビニルベンゼン共重合体,ポリエチレン,ポリ1−ブテン,置換ポリスチレン,ポリアリレート等の重合体やスターチ,カーボン等を挙げることができる。
本発明において用いられる担体としては、MgCl,MgCl(OC),Mg(OC)等が好ましい。
また、担体の性状は、その種類及び製法により異なるが、平均粒径は通常1〜300μm、好ましくは10〜200μm、より好ましくは20〜100μmである。粒径が小さいと重合体中の微粉が増大し、粒径が大きいと重合体中の粗大粒子が増大し嵩密度の低下やホッパーの詰まりの原因になる。
また、担体の比表面積は、通常1〜1000m/g、好ましくは50〜500m/g、細孔容積は通常0.1〜5cm/g、好ましくは0.3〜3cm/gである。比表面積又は細孔容積のいずれかが上記範囲を逸脱すると、触媒活性が低下することがある。
尚、比表面積及び細孔容積は、例えば、BET法に従って吸着された窒素ガスの体積から求めることができる。
さらに、上記担体が無機酸化物担体である場合には、通常150〜1000℃、好ましくは200〜800℃で焼成して用いることが望ましい。
触媒成分の少なくとも一種を前記担体に担持させる場合、(A)触媒成分及び(B)触媒成分の少なくとも一方を、好ましくは(A)触媒成分及び(B)触媒成分の両方を担持させるのが望ましい。
担体に、(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方を担持させる方法については、特に制限されないが、例えば、
a.(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方と担体とを混合する方法、
b.担体を有機アルミニウム化合物又はハロゲン含有ケイ素化合物で処理した後、不活性溶媒中で(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方と混合する方法、
c.担体と(A)成分及び/又は(B)成分と有機アルミニウム化合物又はハロゲン含有ケイ素化合物とを反応させる方法、
d.(A)成分又は(B)成分を担体に担持させた後、(B)成分又は(A)成分と混合する方法、
e.(A)成分と(B)成分との接触反応物を担体と混合する方法、
f.(A)成分と(B)成分との接触反応に際して、担体を共存させる方法
等を用いることができる。
尚、上記d、e及びfの反応において、(C)成分の有機アルミニウム化合物を添加することもできる。
この重合方法においては、前記(A),(B),(C)を接触させる際に、弾性波を照射させて触媒を調製してもよい。
弾性波としては、通常音波、特に好ましくは超音波が挙げられる。
具体的には、周波数が1〜1000kHzの超音波、好ましくは10〜500kHzの超音波が挙げられる。
このようにして得られた触媒は、一旦溶媒留去を行って固体として取り出してから重合に用いてもよいし、そのまま重合に用いてもよい。
また、本発明においては、(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方の担体への担持操作を重合系内で行うことにより触媒を生成させることができる。
例えば、(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方と担体とさらに必要により前記(C)成分の有機アルミニウム化合物を加え、エチレン等のオレフィンを常圧〜2MPa(gauge)加えて、−20〜200℃で1分〜2時間程度予備重合を行い、触媒粒子を生成させる方法を用いることができる。
この重合方法においては、(B−1)成分と担体との使用割合は、質量比で好ましくは1:5〜1:10000、より好ましくは1:10〜1:500とするのが望ましく、(B−2)成分と担体との使用割合は、質量比で好ましくは1:0.5〜1:1000、より好ましくは1:1〜1:50とするのが望ましい。
(B)成分として二種以上を混合して用いる場合は、各(B)成分と担体との使用割合が質量比で上記範囲内にあることが望ましい。
また、(A)成分と担体との使用割合は、質量比で、好ましくは1:5〜1:10000、より好ましくは1:10〜1:500とするのが望ましい。
(B)成分〔(B−1)成分又は(B−2)成分〕と担体との使用割合、又は(A)成分と担体との使用割合が上記範囲を逸脱すると、活性が低下することがある。
このようにして調製された重合用触媒の平均粒径は、通常、2〜200μm、好ましくは10〜150μm、特に好ましくは20〜100μmであり、比表面積は、通常20〜1000m/g、好ましくは50〜500m/gである。
平均粒径が2μm未満であると重合体中の微粉が増大することがあり、200μmを超えると重合体中の粗大粒子が増大することがある。
比表面積が20m/g未満であると活性が低下することがあり、1000m/gを超えると重合体の嵩密度が低下することがある。
また、この触媒において、担体100g中の遷移金属量は、通常0.05〜10g、特に0.1〜2gであることが好ましい。
遷移金属量が上記範囲外であると、活性が低くなることがある。
担体に担持することによって工業的に有利な高い嵩密度と優れた粒径分布を有する重合体を得ることができる。
重合方法は特に制限されず、スラリー重合法,気相重合法,塊状重合法,溶液重合法,懸濁重合法等のいずれの方法を用いてもよいが、スラリー重合法,気相重合法が特に好ましい。
重合条件については、重合温度は通常−100〜250℃、好ましくは−50〜200℃、より好ましくは0〜130℃である。
また、反応原料に対する触媒の使用割合は、原料モノマー/上記(A)成分(モル比)が好ましくは1〜10、特に100〜10となることが好ましい。
さらに、重合時間は通常5分〜10時間、反応圧力は好ましくは常圧〜20MPa(gauge)さらに好ましくは常圧〜10MPa(gauge)である。
重合体の分子量の調節方法としては、各触媒成分の種類,使用量,重合温度の選択、さらには水素存在下での重合等がある。
重合溶媒を用いる場合、例えば、ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、シクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタン等の脂肪族炭化水素、クロロホルム,ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素等を用いることができる。
これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上のものを組み合わせてもよい。また、α−オレフィン等のモノマーを溶媒として用いてもよい。
尚、重合方法によっては無溶媒で行うことができる。
重合に際しては、前記重合用触媒を用いて予備重合を行うことができる。
予備重合は、固体触媒成分に、例えば、少量のオレフィンを接触させることにより行うことができるが、その方法に特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
予備重合に用いるオレフィンについては特に制限はなく、前記に例示したものと同様のもの、例えば、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、あるいはこれらの混合物等を挙げることができるが、該重合において用いるオレフィンと同じオレフィンを用いることが有利である。
また、予備重合温度は、通常−20〜200℃、好ましくは−10〜130℃、より好ましくは0〜80℃である。
予備重合においては、溶媒として、脂肪族炭化水素,芳香族炭化水素,モノマー等を用いることができる。
これらの中で特に好ましいのは脂肪族炭化水素である。
また、予備重合は無溶媒で行ってもよい。
予備重合においては、予備重合生成物の極限粘度〔η〕(135℃デカリン中で測定)が0.2デシリットル/g以上、特に0.5デシリットル/g以上、触媒中の遷移金属成分1ミリモル当たりに対する予備重合生成物の量が1〜10000g、特に10〜1000gとなるように条件を調整することが望ましい。
B.有機又は無機充填剤材
本発明で用いる有機充填材、無機充填材は特に制限はなく、様々なものを用いることができる。好ましくは、無機充填材である。
無機充填剤としては、目的に応じて、剛性、難燃性、耐震性又は質量感等の各種性能を付与するために、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、フライアッシュ、脱水汚泥、天然シリカ、合成シリカ、カオリン、クレー、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、水酸化マグネシウム、タルク、マイカ、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、焼成タルク、ウオラストナイト、チタン酸カリウム、モスハイジ、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、燐酸マグネシウム、セピオライト、ゾノライト、ホウ酸アルミニウム、シリカバルーン、ガラスフレーク、ガラスバルーン、シリカ、製鉄スラグ、銅、鉄、酸化鉄、カーボンブラック、センダスト、アルニコ磁石、各種フェライト等の磁性粉、セメント、ガラス粉末、珪藻土、三酸化アンチモン、マグネシウムオキシサルフェイト、水和アルミニウム、水和石膏、ミョウバン等が挙げられる。
好ましくは、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び硫酸カルシウムである。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
一方、有機充填剤としては、例えば、モミ殻等の殻繊維、木粉、木綿、ジュート、紙細片、セロハン片、架橋ゴム粉末、プラスチック粉末、熱硬化性樹脂粉末、コラーゲン粉末、レザー粉末、プロテイン粉末、シルク粉末、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、芳香族ポリアミド繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、又はこれら繊維の織布や不織布等を挙げることができる。
これらの無機又は有機充填剤は、そのまま配合してもよいが、例えば、無機充填剤を、予めシラン系、チタネート系、アルミネート系、ジルコアルミニウム系等のカップリング剤、リン酸系、脂肪酸系等の界面活性剤、油脂、ワックス、ステアリン酸、シランカップリング剤等により処理しておくのが望ましい。このような処理により樹脂組成物が成形しやすくなり、製品の外観が向上し、機械的性質が良好となる。
無機又は有機充填剤の形状には制限はなく、例えば、球状、板状、繊維状等のものを使用できる。球状充填材や板状充填材の平均粒径は0.01〜100μmが好ましく、0.1〜80μmがさらに好ましい。繊維状充填材の場合には、繊維長さは10μm〜10mmが好ましく、20μm〜3mmがより好ましい。
C.配合比
本発明の内装材用ポリブテン系複合材料の配合比は、上述した1−ブテン系重合体10〜70重量%及び有機又は無機充填材90〜30重量%とする。1−ブテン系重合体が10重量%未満の場合、ポリブテン系複合材料が脆くなる。70重量%より大きい場合、得られるポリブテン系複合材料の機械強度等が低下するため、充填材による改良効果が低くなる。より好ましくは、1−ブテン系重合体30〜70重量%、有機又は無機充填材70〜30重量%、特に好ましくは、1−ブテン系重合体40〜65重量%、有機又は無機充填材60〜35重量%である。
有機又は無機充填剤と1−ブテン系重合体の混合法は、例えば、ミキシングロール、インテンシブミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー、一軸又は二軸押出機等、従来よく知られた方法が使用できる。また、無機充填剤と1−ブテン系重合体の一部を混合したのち、さらに、残部の1−ブテン系重合体、添加剤等を添加、混合する等、多段階の混合も可能である。
D.その他
本発明の内装材用ポリブテン系複合材料には、本発明の目的に反しない限り、以下の炭化水素系樹脂を配合することができる。
α−オレフィンとビニルモノマーとの共重合体,エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体,エチレン・カルボン酸不飽和エステル共重合体等のポリオレフィン系樹脂
ポリスチレン,ゴム強化ポリスチレン(HIPS),アイソタクティックポリスチレン,シンジオタクタクティックポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS),アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)等のポリアクリルニトリル系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンスルフォン系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クロマン・インデン系樹脂、石油樹脂
これらの炭化水素系樹脂のうち、石油樹脂が好ましい。
炭化水素系樹脂は、一種で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
炭化水素系樹脂の配合量は、1−ブテン系重合体と有機又は無機充填材を合わせた量100重量部に対して、1〜1000重量部であることが望ましい。1重量部未満では、炭化水素系樹脂による改良効果が得られない。また、1000重量部以上では、ポリオレフィン系重合体による柔軟化の効果が得られない。
カレンダー成形等では、材料の粘度や溶融張力が成形装置に適合することが必要であり、本発明の複合材料に市販のポリプロピレン等を配合することで、所望の粘度に調整することが可能である。これは、本発明における1−ブテン系重合体が、ポリプロピレン系樹脂との相容性にも優れるためである。
本発明の内装材用ポリブテン系複合材料には、必要に応じて、従来公知の添加剤、例えば、発泡剤,結晶核剤,耐侯安定剤,紫外線吸収剤,光安定剤,耐熱安定剤,帯電防止剤,離型剤,難燃剤,合成油,ワックス,電気的性質改良剤,スリップ防止剤,アンチブロックング剤,粘度調製剤,着色防止剤,防曇剤,滑剤,顔料,染料,可塑剤,軟化剤,老化防止剤,塩酸吸収剤,塩素捕捉剤,酸化防止剤,粘着防止剤等を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
特に、本発明の内装材用ポリブテン系複合材料を壁紙の材料に使用する場合、発泡剤を入れることが好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、有機ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤及び高級脂肪酸の金属塩が挙げられ、ポリブテン系複合材料100重量部に対して0.001〜10重量部の量で配合してもよい。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス−〔メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等の公知の各種フェノール系酸化防止剤が使用される。
また、上記のフェノール系酸化防止剤とともに、硫黄系酸化防止剤を含有することが望ましい。この硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等の公知の各種硫黄系酸化防止剤が使用される。
さらに、酸化劣化の抑制効果をより一層向上させるために、上記二種類の酸化防止剤とともに、リン系酸化防止剤を含有するのが好ましい。このリン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト等の公知の各種リン系酸化防止剤が使用される。
本発明の内装材用ポリブテン系複合材料は、通常のT−ダイ成形、カレンダーロール成形、射出成形、熱圧縮成形、インフレーション成形等で加工することにより、フィルムやシート等の形状を付加でき、内装材として使用できる。
また、Tダイ成形やカレンダー成形においては、得られたポリブテン系複合材料シートに、使用目的に応じ、各種の織布や不織布、発泡体、カーペット、フィルム、シート等に積層した複合体として使用することも可能である。
本発明の内装材用ポリブテン系複合材料は、無機又は有機充填材を配合しても成形性がよく、得られる成形体は、ベトツキが少なく、柔軟で安全性やリサイクル性が高く、軟質かつ難燃性である。従って、内装材用に適した複合材料である。
[壁紙]
本発明の壁紙は、紙上に、上述した内装材用ポリブテン系複合材料層又はその発泡層(以下、この2種の層を複合材料層ということがある)を積層してなる。尚、必要に応じて他の層を積層してもよい。
紙としては、難燃性を有しているのが好ましく、このような難燃性の紙としては、例えば、クラフトパルプ等の化学パルプ又はセルロースパルプ等の天然パルプ等のパルプ紙に、自己消化性の水酸化アルミニウムを主体とし、クレー、カオリン、タルク、二酸化チタン等を併用した填料を混抄してなる難燃紙;特公昭51−17606号公報、特開昭50−33696号公報、特開昭50−7397号公報、特公昭51−6763号公報等に記載のグアニジン化合物等による含浸紙;水酸化アルミニウム紙;ガラス繊維紙等が挙げられる。
これらの中でも、難燃効果、特に、発熱量の低減及び施工性の点で、水酸化アルミニウム紙が好ましい。紙は、壁紙における裏打紙又は基材として機能する。
紙の厚みとしては、特に制限はないが、通常0.10〜0.15mmである。
複合材料層の厚みとしては、特に制限はなく、壁紙の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。通常、0.10〜0.30mmである。壁紙にエンボス加工等を施す場合には、複合材料層の厚みをある程度厚めにするのが好ましい。
その他の層は、壁紙の用途、目的等に応じて適宜形成することができる。例えば、紙と複合材料層とを接着する接着層、壁紙の表面に形成される表面層等が挙げられる。
接着層としては、例えば、それ自体公知の接着剤を硬化させた層、粘着テープ等の粘着剤のシート又はフィルムの層等が挙げられる。
また、表面層としては、例えば、顔料を有してなる着色剤層、模様・絵柄等の印刷層、耐光性化合物等を含有した表面保護層等が挙げられる。
尚、本発明においては、着色剤層を設けなくとも、複合材料層中に顔料を含有させることにより、複合材料層に着色剤層の機能を付与することができる。
また、印刷層を設けなくとも、複合材料層の表面に直接、模様・絵柄を形成することができる。
本発明の壁紙の表面は、壁紙の用途等により、平滑であってもよいし、エンボス加工等による凹凸が形成されていてもよい。本発明の壁紙は、燃焼時に発生するガス等が、焼却炉を傷めたり、環境を汚染することが少なく、ボリューム感・表面柔軟性に優れ、さらに、難燃性及び収縮性に優れ、各種の建築物への適用が可能である。
本発明の壁紙の製造方法は、内装材用ポリブテン系複合材料を紙上に積層することで行う。
積層は、例えば、複合材料を直接、紙上に積層してもよいし、また、複合材料層をシート状に成形した後(必要に応じてこのシート等の表面にさらにコロナ処理等を施した後)、このシート等を紙に積層してもよい。
尚、本明細書において、シートと記載した場合は、フィルムも含む意味である。
前者の場合は、例えば、内装材用ポリブテン系複合材料のペレットをカレンダー成形機、押出成形機、熱プレス成形機等を用いて紙上に積層することができる。
後者の場合は、まず、内装材用ポリブテン系複合材料をカレンダー成形機、押出成形機、熱プレス成形機等を用いてシート又はフィルム状に成形する。その後、このシート等をカレンダー成形機、押出成形機、熱プレス成形機等を用いて、紙上に熱融着してもよいし、シート等をそれ自体公知の接着剤若しくは溶融ポリエチレン等、又は粘着テープ等の粘着剤により、カレンダー成形機、押出成形機、熱プレス成形機等を用いて紙上に貼着してもよい。
これらの中でも、カレンダー加工による積層が好ましい。カレンダー加工による場合、ロール温度としては、通常、120〜150℃である。
内装材用ポリブテン系複合材料層の発泡は、紙上に内装材用ポリブテン系複合材料層を積層した積層体を、加熱発泡、化学発泡又は物理発泡させることにより行うことができる。
加熱発泡は、紙上に化学発泡剤を含有する内装材用ポリブテン系複合材料の層を形成した後、さらに、これを加熱発泡成形することにより行われる。この場合、化学発泡剤として、内装材用ポリブテン系複合材料層の形成の際に、発泡反応を起こすことのないような化学発泡剤が選択される。
尚、加熱発泡の温度としては、化学発泡剤の種類等により異なるが、化学発泡剤が加熱により分解してガスを生じ得る温度であればよく、一般的には200〜230℃である。
化学発泡又は物理発泡は、化学発泡剤又はそれ自体公知の物理発泡剤を内装材用ポリブテン系複合材料に含有させ、これを押出成形、熱プレス成形等を施すことにより行われる。この場合、加熱発泡の場合と異なり、成形と発泡とが同時に行われる。また、この場合、化学発泡剤又は物理発泡剤として、押出成形等の際に発泡反応を起こし得る化学発泡剤又は物理発泡剤が選択される。尚、これらの発泡は、例えば、それ自体公知の発泡炉等を用いて行うことができる。
発泡層の発泡倍率としては、壁紙の用途、目的等に応じて適宜選択すればよく、通常、2〜6倍程度である。発泡倍率は、発泡剤の種類、量、発泡条件を変更することにより、適宜制御することができる。
尚、内装材用ポリブテン系複合材料をシート状に成形し、これを発泡させて発泡シートとした後、発泡シートを紙上に積層することもできる。この成形は、例えば、カレンダー成形機、押出成形機、熱プレス成形機等を用いて行うことができる。
成形の条件は、特に制限はなく、目的に応じて適宜決定することができる。
その他の層を積層してなる壁紙を製造する場合には、例えば、その他の層の素材を直接、紙上に積層してもよいし、その他の層の素材を成形してシートとした後、これらを紙又は発泡層に貼付してもよい。
以上のようにして製造した壁紙を、さらに、加圧成形することもできる。加圧成形すると、各層の密着性が向上するので好ましい。
加圧時の圧力は0.1〜500kg/cm、好ましくは、1〜100kg/cmである。
また、温度は、使用する材料によって適宜調整するが、通常、30℃〜250℃である。
加圧成形して得られる壁紙の厚さは0.01〜0.5mmとすることが好ましい。0.01mm未満及び0.5mmを超える場合、施工性が低下するおそれがある。好ましくは、0.05〜0.4mmであり、特に好ましくは、0.1〜0.3mmである。
本発明の壁紙の表面に、プライマー処理、グラビア印刷等の印刷、絞押加工等を施すことにより、意匠性に優れ、シャープな凹凸模様を有する壁紙を製造することができる。
本発明の壁紙の製造方法によって、容易にかつ簡便に壁紙を製造することができる。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。
尚、測定は下記の装置、条件で行った。
(1)立体規則性
装置:日本電子(株)製 JNM−EX400型 13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン/重ベンゼン=90/10混合溶媒(容量比)
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10000回
尚、測定方法については、上述した文献を基に行った。
(2)極限粘度
(株)離合社製VMR−053型自動粘度計により、溶媒をテトラリン、測定温度を135℃とし、ポリプロピレン換算値とした。
(3)1st‐Heatにおける融点(TmD)
示差走査型熱量計(DSC)(パーキンエルマー社製、DSC−7)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下、−10℃で5分間保持した後、220℃まで10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから観測されるピークのもっとも高温側に観測されるピークトップをTmDとした。
(4)重量平均分子量及び分子量分布
下記の装置及び条件で測定した。重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は、ポリブテン換算値を用いた。
カラム:TOSO GMHHR−H(S)HT
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
測定温度:145℃
溶媒:1,2,4−トリクロルベンゼン
試料濃度:2.2mg/ml
検量線:Universal Calibration
(5)トルク
配合材料をラボプラストミル(東洋精機製作所株式会社製)で混練する際の、混練停止直前における混練スクリューにかかるトルク(N・m)を読み取った。
(6)弾性率、破断強度及び破断伸び
引張試験により測定した。シートより、JIS2号の1/2ダンベルの型で打ち抜いたものを測定試料とした。引張速度は50mm/分、チャック間距離を40mmとして行った。
(7)べたつき
試料を手で触ったとき、べたつきがないものを○、べたつきの有るものを×、特にべたつきがひどいものを××とした。
(8)隠蔽性
作製したシートを透かして、目視で向こうが見える場合は○、見えない場合は×とした。
(9)線膨張係数
セイコーインスツルメンツ社製、SCC/5200 EXSTAR6000 TMA−120を用い、5℃/分での昇温中の引張時における試料長変化を測定した。尚、試料への応力は9.8(mN)とし、20℃から30℃の間における伸びの変化から線膨張係数(μm/℃)を求めた。
製造例1
1−ブテン重合体(a1)の製造
a.触媒調製
(1)2−クロロジメチルシリルインデンの製造
窒素気流下、1Lの三つ口フラスコにTHF(テトラヒドロフラン)50mLとマグネシウム2.5g(41mmol)を加え、ここに1,2−ジブロモエタン0.1mLを加えて30分間攪拌し、マグネシウムを活性化した。
攪拌後、溶媒を抜き出し、新たにTHF50mLを添加した。ここに2−ブロモインデン5.0g(25.6mmol)のTHF(200mL)溶液を2時間かけて滴下した。
滴下終了後、室温において2時間攪拌した後、−78℃に冷却し、ジクロロジメチルシラン3.1mL(25.6mmol)のTHF(100mL)溶液を1時間かけて滴下し、15時間攪拌した後、溶媒を留去した。
残渣をヘキサン200mLで抽出した後、溶媒を留去することにより、2−クロロジメチルシリルインデン6.6g(24.2mmol)を得た(収率94%)。
(2)(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(インデン)の製造
窒素気流下、1Lの三つ口フラスコにTHF400mLと2−クロロジメチルシリルインデン8gを加え、−78℃に冷却した。この溶液に、LiN(SiMe32のTHF溶液(1.0M)を38.5mL(38.5mmol)滴下した。
室温にて15時間攪拌した後、溶媒を留去し、ヘキサン300mLで抽出した。溶媒を留去することにより、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(インデン)を2.0g(6.4mmol)得た(収率33.4%)。
(3)(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドの製造
窒素気流下、200mLのシュレンク瓶に、(2)で得た(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(インデン)2.5g(7.2mmol)とエーテル100mLを加えた。
−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン溶液(1.6M)を9.0mL(14.8mmol)加えた後、室温で12時間攪拌した。
溶媒を留去し、得られた固体をヘキサン20mLで洗浄し減圧乾燥することによりリチウム塩を白色固体として定量的に得た。
シュレンク瓶中、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(インデン)のリチウム塩(6.97mmol)をTHF50mLに溶解し、室温でヨードメチルトリメチルシラン2.1mL(14.2mmol)をゆっくりと滴下し12時間攪拌した。
溶媒を留去し、エーテル50mLを加えて飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄した。分液後、有機相を乾燥し、溶媒を除去することにより(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデン)を3.04グラム(5.9mmol)得た。(収率84%)
次に、窒素気流下において、シュレンク瓶に上記で得た(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデン)3.04グラム(5.9mmol)とエーテル50mLを入れた。
−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン溶液(1.6M)を7.4mL(11.8mmol)を加えた後、室温で12時間攪拌した。溶媒を留去し、得られた固体をヘキサン40mLで洗浄することによりリチウム塩をエーテル付加体として3.06グラム得た。
H−NMR(90MHz,THF−d8 )による測定の結果は、:δ0.04(s,−SiMe,18H),0.48(s,−MeSi−,12H),1.10(t,−CH,6H),2.59(s,−CH−,4H),3.38(q,−CH−,4H),6.2−7.7(m,Ar−H,8H)であった。
窒素気流下、得られたリチウム塩3.06グラムをトルエン50mLに懸濁させた。−78℃に冷却し、ここへ予め−78℃に冷却した四塩化ジルコニウム1.2グラム(5.1mmol)のトルエン(20mL)懸濁液を滴下した。滴下後、室温で6時間攪拌した。その反応溶液の溶媒を留去した。得られた残渣をジクロロメタンより再結晶化することにより(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドの黄色微結晶0.9グラム(1.33mmol)を得た。(収率26%)
H−NMR(90MHz,CDCl)による測定の結果は、:δ0.0(s,SiMe−,18H),1.02,1.12(s,−MeSi−,12H),2.51(dd,−CH−,4H),7.1−7.6(m,Ar−H,8H)であった。
b.1−ブテンの重合
加熱乾燥した1Lオートクレーブにヘプタン200ml、1−ブテン200ml、トリイソブチルアルミニウム0.2mmol、ジメチルアニリニウムボレート2μmolを加え、さらに、水素を0.05Pa導入した。
攪拌しながら温度を80℃にした後、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを0.4μmol加え60分間重合した。
重合反応終了後、反応物を減圧下、乾燥することにより、1−ブテン重合体90gを得た。
製造例2
1−ブテン重合体(a2)の製造
攪拌機付き、内容積0.25mのステンレス製反応器に、n−ヘプタンを20L/h、トリイソブチルアルミニウム(日本アルキルアルミ社製)を16mmol/h、メチルアルミノキサン(アルベマール社製)を25mmol/h、さらに、上記aで得た(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムクロリドを25μmol/hで連続供給した。
重合温度50℃で、気相部水素濃度を10mol%、反応器内の全圧を0.3MPa・Gに保つよう1−ブテンと水素を連続供給した。重合溶液は連続的に抜き出し、得られた重合溶液に、イルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)500ppmを処方し、プレートフィン型ポリマーヒーターを内蔵したフラッシュドラム2段を用いてジャケット温度220℃にて溶融フラッシングし、溶媒を除去した。
製造例1、2で重合した1−ブテン重合体(a1,a2)及び比較例で使用したUT2780(a3)の物性を表1に示す。
Figure 0004313146
実施例1
製造例1で重合した1−ブテンの配合量が50重量%、及び炭酸カルシウム配合量が50重量%となるように調整し、全量55gをラボプラストミル(東洋精機製作所株式会社製)で混練して内装材用ポリブテン系複合材料を作製した。混合条件は、スクリュー回転数を50rpm、温度を155℃とし、8分間混練した。
得られた複合材料を、160℃における熱プレス成形により、厚さ1mmのシートを作成した。
実施例1及び以下に示す実施例2−4、比較例1−6で作製した内装材用ポリブテン系複合材料の組成及び評価結果を表2に示す。
Figure 0004313146
実施例2−4、比較例1,2−5
表2に示す組成にした他は、実施例1と同様にして内装材用ポリブテン系複合材料を作製した。尚、ラボプラストミルに投入した材料の総量は、全ての例において、55gとした。
比較例3−6
表2に示す組成にし、熱プレス成形の温度を220℃にした他は、実施例1と同様にして内装材用ポリブテン系複合材料を作製した。
評価の結果、比較例1、2のものは、べたつきが強く、なおかつ炭酸カルシウム配合による高剛性化の効果が見られなかった。これは、低分子量低融点成分が、充填材と樹脂との界面に存在することで界面強度が低くなり、充填材配合効果を消しているか、さらには、該樹脂にとっては炭酸カルシウムの配合量が多すぎるために、混練が均一に行われていない可能性があるためと推測している。
また、比較例3〜5は、混練時のトルクが高く、混練による均一化に多大なエネルギーを必要とするばかりか、流動性が必要とされる成形には不適となる可能性があることが確認できた。
一方、実施例1〜4の複合材料では、べたつきが無く、炭酸カルシウム配合による高剛性化の効果が発揮されており、高充填比率の配合においても充填材が均一に分散しているものと考えられる。
また、無機充填材の配合により、隠蔽性や線膨張係数に優れることが分かった。これらのことから、本発明の材料が壁紙等の建築内装材や自動車内装材等に特に適していることが確認できた。
実施例5
実施例1の配合材料に対し、アゾジカルボン酸アミド(永和化成工業株式会社製ビニホールAC#3)8重量部を加え、ラボプラストミルで、140℃、50rpmの条件で5分間混練し、複合材料を得た。
この複合材料を、150℃のプレス成形により難燃紙上に積層した。積層シートをギアオーブン中に投入し、220℃で45秒間加熱することによって、複合材料層を発泡させ、壁紙を作製した。
この壁紙は、ボリューム感に富み、風合いに優れた柔らかいものであった。
この壁紙を40℃、100kg/cmの条件でプレス加工し、厚みが0.11mmの壁紙を得た。
実施例6
実施例2の配合材料に対し、アゾジカルボン酸アミド(永和化成工業株式会社製ビニホールAC#3)8重量部を加え、ラボプラストミルで、140℃、50rpmの条件で5分間混練し、複合材料を得た。
この複合材料を、150℃のプレス成形により難燃紙上に積層した。この積層シートをギアオーブン中に投入し、220℃で45秒間加熱することによって、複合材料層を発泡させ、壁紙を作製した。
この結果、実施例5と同様、ボリューム感に富んだ風合いに優れた柔らかい壁紙が得られた。この壁紙を40℃、100kg/cmの条件でプレス加工し、厚みが0.18mmの壁紙を得た。
本発明の内装材用ポリブテン系複合材料は、軟質塩化ビニル樹脂を代替するに好適で、カレンダー成形や押出成形や熱成形、射出成形等に適し、壁紙、建材用遮音シート、防音材、制振材、カーペット裏打ち材、防水シート、自動車用フロアマット、粘着シート・フィルム等、内装材料として広い分野で使用することができる。
また、各種工業材料、包装用フィルム、容器、電気及び電子機器部品、絶縁電線、ハウジング等の家電部品及び中空容器等の分野にも使用できる。

Claims (6)

  1. 紙と、
    前記紙上に、下記(1)〜(5)の要件を満たす1−ブテン系重合体 10〜70重量%、及び有機又は無機充填材 90〜30重量%を含む内装材用ポリブテン系複合材料からなる層とを含む壁紙。
    (1)重合体に占める1−ブテンの組成比が50〜100mol%、炭素数2〜20(但し、4を含まない)のα−オレフィンの組成比が50〜0mol%
    (2)立体規則性指数{(mmmm)/(mmrr+rmmr)}が30以下
    (3)極限粘度[η]が0.01〜0.5
    (4)1st‐Heatにおける融点(TmD)が0〜100℃
    (5)重量平均分子量(Mw)が10,000〜100,000であって、分子量分布[Mw/Mn]が4以下
  2. 前記ポリブテン系複合材料からなる層が、発泡層である請求項に記載の壁紙。
  3. 前記壁紙が加圧され、厚みが0.01〜0.5mmである請求項又はに記載の壁紙。
  4. 下記(1)〜(5)の要件を満たす1−ブテン系重合体 10〜70重量%、及び有機又は無機充填材 90〜30重量%を含む内装材用ポリブテン系複合材料からなる層を、紙上に積層する壁紙の製造方法。
    (1)重合体に占める1−ブテンの組成比が50〜100mol%、炭素数2〜20(但し、4を含まない)のα−オレフィンの組成比が50〜0mol%
    (2)立体規則性指数{(mmmm)/(mmrr+rmmr)}が30以下
    (3)極限粘度[η]が0.01〜0.5
    (4)1st‐Heatにおける融点(TmD)が0〜100℃
    (5)重量平均分子量(Mw)が10,000〜100,000であって、分子量分布[Mw/Mn]が4以下
  5. 前記積層後に、前記複合材料からなる層を発泡させる請求項に記載の壁紙の製造方法。
  6. 前記複合材料をシートに成形し、発泡させた後、前記紙上に積層する請求項に記載の壁紙の製造方法。
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