JP4313002B2 - 入力制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種機器においてその機器の操作に関わる切り換えスイッチに応じた入力信号に基づいて装置本体を制御する入力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばポータブル磁気ディスクプレーヤ、ポータブルコンパクトディスクプレーヤなどのポータブルオーディオ装置、およびメモリに記憶された音楽データの再生が可能な携帯電話装置などの装置本体と、前記装置本体の動作を選択するための複数のスイッチを有する操作部であるリモートコントローラ(以下、リモコンと略記する)部とを含む従来の技術の入力制御装置では、リモコン部は、装置本体の動作を制御するために、再生/停止、早送り、巻き戻し、音質切り替え、音量制限、曲順設定および音量切り替えなど装置本体の動作を選択する複数のスイッチ、およびリモコン部の各スイッチの操作を無効とするホールド(HOLD)スイッチなどの各スイッチを限られたケーシングに設けて、各スイッチは、複数芯のケーブルとプラグ部とを介して装置本体に接続されている。
【0003】
装置本体には、リモコン部のプラグ部と相互に接続される接続端子が設けられ、前記リモコン部と装置本体とは相互に接続される。各スイッチの一端部は、ケーブル、プラグ部および接続端子を介して装置本体に設けられるアナログ/デジタル(Analog/Digital;略称A/D)変換器と相互に接続されるとともに、プルアップ抵抗を介して装置本体の電源と相互に接続される。各スイッチの他端部は、ケーブル、プラグ部および接続端子を介して装置本体に設けられるグランドに接続される。
【0004】
リコモン部の各スイッチには、各スイッチに対応した抵抗が設けられ、各スイッチの接点を閉じることによって、装置本体の電源は、プルアップ抵抗、各スイッチに対応した抵抗、接点が閉じられたスイッチを介してグランドに接続され、装置本体の電源の電圧は、プルアップ抵抗およびスイッチに対応した抵抗とによって分圧される。この分圧された電圧は、リコモン部の各スイッチに対応した直流電圧となる。この直流電圧は、A/D変換器で、各スイッチに対応したデジタル数値に変換される。
【0005】
前記装置本体には装置本体の動作を制御する制御信号を出力する制御部が設けられる。制御部は、中央演算処理装置によって実現され、前記A/D変換器に非同期に発生するイベントをチェックするための手法の1つであるポーリングを行い、A/D変換器で生成された連続したデジタル数値と、この連続したデジタル数値の回数とをそれぞれ検出し、制御部内に設けられるソフトウェアで設定している各スイッチに対応した連続したデジタル数値と、この連続したデジタル数値の回数とを比較して一致した場合に、各スイッチに応じて装置本体の動作を確定し、装置本体の制御を行なう制御信号を出力する。
【0006】
図11は、従来の技術の入力制御装置の操作部の各スイッチのスイッチング状態の変化によって装置本体の動作を決定する制御部の処理動作を説明するためのフローチャートである。ステップa1からステップa2に移り、音楽データを再生を可能とする音楽モードであるか否かを判断する。ステップa2で音楽モードであると判断されると、ステップa3に移り、音楽モードでないと判断されるとステップa2の動作処理を繰り返す。
【0007】
ステップa3では、予め定める周期でA/D変換器に対してポーリングを開始し、複数のスイッチのうちいずれか1つのスイッチング状態が変化することによって、A/D変換器に与えられる電圧値をこのA/D変換器が変換して生成したデジタル数値を検出して、ステップa4に移る。ステップa3では、予め定める周期を10ミリ秒(msec)としてポーリングを行なっている。
【0008】
ステップa4では、ポーリングで検出したデジタル数値が、本体電源の電圧値に対応した数値であるか否かが判断される。ステップaで、検出したデジタル数値が本体電源の電圧値に対応した数値であると判断されると、ステップa4の制御動作を繰り返し、本体電源の電圧値に対応した数値ではないと判断されると、ステップa5に移る。
【0009】
ステップa5では、前記予め定める周期で所定回数にわたって連続して同じデジタル数値が検出されたか否かが判断される。ここでは、予め定める周期は、たとえば上述したように10msecとし、所定回数は、2回としている。つまりポーリングによって2回連続して同じデジタル数値が検出されたか否かが判断される。ステップa5で、検出したデジタル数値が2回連続で同じ値であると判断されると、ステップa6に移り、検出したデジタル数値が2回連続で同じ値ではないと判断されると、ステップa2に移る。
【0010】
ステップa6では、上述したステップa5で検出されたデジタル数値が、各スイッチのいずれに対応したデジタル数値であるか否かが判断される。ステップa6で、検出したデジタル数値が、各スイッチのうちのいずれかに対応している場合、ステップa7に移り、検出したデジタル数値が各スイッチのうちのいずれにも対応していない場合、ステップa2に移る。
【0011】
ステップa7では、検出したデジタル数値に基づいて、動作を確定し、装置本体2に制御信号を出力して、ステップa9に移る。
【0012】
ステップa8では、予め定める周期で所定の回数本体電源の電圧値に対応した数値を検出したか否かが判断される。ステップa8では、予め定める周期は、上述したように10msecとし、所定回数は、10回である。つまりポーリングによって10回連続して同じデジタル数値が検出されたか否かが判断される。ステップa8で、予め定める周期で所定回数本体電源の電圧値に対応した数値を検出すると、ステップa2に移り、予め定める周期で所定回数本体電源の電圧値に対応した数値を検出判断されると、ステップa9に移る。
【0013】
ステップa9では、操作部3による操作を受け付けない処理動作を行なって、ステップa8に移る。
【0014】
上述した入力制御装置では、複数曲の音楽、操作者が聞きたい曲を早く検索するため、早送り、巻き戻しの指令を入力するスイッチを操作したときに、素早く装置本体の動作が行なわれるように、制御部が各スイッチを確定して、制御信号を出力する時間を20msecとして短くすることによって、反応性をよくしている。
【0015】
上述したリモコン部の筐体には、クリップが設けられる。リモコン部は、使用装着位置として操作者のポケット、ズボンまたはシャツなどに前記クリップを挟んで用いられる。またリモコン部は、バッグ内に収める場合もある。特に、使用者の衣服などに装着された状態では、リモコン部に設けられる各スイッチは、衣服などに接触する機会が必然的に多くなり、操作者の意図しない各スイッチのスイッチング状態の変化によって、誤動作が生じる。特に操作面積の大きいスイッチがある場合は、そのスイッチは、接触による誤動作が多くなる。
【0016】
このような問題に鑑み、リモコン部にはリモコン部の各スイッチのスイッチング状態が変化しても、そのスイッチの操作を無効とするホールドスイッチを設けており、ホールドスイッチをONにすることによって、操作者が意図しない外部の作用、たとえば物体の接触によってスイッチが押下され、装置が動作してしまうことを防止している。
【0017】
さらに他の従来の技術の入力制御装置では、操作者が意図しない外部の作用による装置本体の誤動作を防止するため、リモコン部の各スイッチの荷重値を従来の技術のリモコン部の各スイッチの荷重値よりも大きくしている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術の入力制御装置では、制御部が各スイッチを確定して、制御信号を出力する時間を短くすることによって、スイッチを操作したときに装置本体が動作するレスポンスを向上させているので、スイッチが物体に接触した場合には、誤動作が発生しやすい。
【0019】
また上述したホールドスイッチによって、誤動作を防止する場合、ホールドスイッチをONにしたことを忘れている場合に、全てのスイッチの操作が無効となるので、意図した動作をおこなうことができないという問題がある。操作者は、ホールドスイッチの確認を行い、ホールドスイッチの設定をONからOFFに切り換えてから、各スイッチを操作する必要があり、操作が複雑となる。
【0020】
また装置本体が携帯電話装置である場合、装置本体に設けられるマイクとレシーバを直接使わずに、リモコン部に設けられるマイクおよびリモコン部に設けられる専用ジャックに接続されるヘッドホンによって、ハンズフリー機能を有するマイク付きリモコン部では、リモコン部に通話を行なうための通話ON/OFFスイッチが設けられており、この場合ホールドスイッチによって各スイッチの操作を無効にしてしまうと、装置本体である携帯電話装置に着信があったとき、通話を行なうために通話ON/OFFスイッチを操作しても着信が取れないので、操作者は慌ててホールドスイッチを解除する必要がある。
【0021】
他の従来の技術の入力制御装置では、スイッチの荷重値を大きくするので、各スイッチが重く押し辛くなり、スムーズな操作を行なうことができないといった問題がある。
【0022】
本発明の目的は、簡単な操作で、各種機器においてその機器の操作に関わるスイッチが人為的に操作されたかどうかをより確実に検出して動作させることができる信頼性の向上された入力制御装置を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、装置本体と、
装置本体の動作を選択するための複数のスイッチを有する操作部と、
前記装置本体に設けられ、操作部の各スイッチのスイッチング状態の変化によって与えられる各スイッチに応じた入力信号に応答して、装置本体の動作を制御する制御信号を出力する制御部とを含み、
前記複数のスイッチは、その操作片がケーシングから外部に露出するように設けられ、操作片のケーシングから外部に露出する部分の面積が異なる第1および第2のスイッチを含み、
前記制御部は、各スイッチのスイッチング状態の変化が予め定める判定条件を満たしたとき、各スイッチに応じた入力信号に応答し、制御信号を出力して装置本体の動作を制御し、各スイッチのスイッチング状態の変化が前記予め定める判定条件を満たさないとき、各スイッチに応じた入力信号を無効とし、
前記制御部は、入力信号を予め定める周期で検出し、この入力信号を前記予め定める周期で所定回数にわたって継続して検出したとき、前記判定条件を満たしたものと判断し、前記第1および第2のスイッチのうち操作片のケーシングから外部に露出する部分の面積が大きいスイッチに対応する所定回数は、操作片のケーシングから外部に露出する部分の面積が小さいスイッチに対応する所定回数よりも大きくしていることを特徴とする入力制御装置である。
【0024】
本発明に従えば、操作部に設けられる装置本体の動作を選択するためのスイッチのスイッチング状態を変化させることによって、制御部に各スイッチに応じた入力信号を与えて装置本体の動作を制御する制御信号を出力させ、装置本体を動作させることができる。前記制御部は、各スイッチのスイッチング状態の変化が予め定める判定条件を満たしたときには、各スイッチに応じた入力信号に応答して、装置本体の動作を制御する制御信号を出力し、各スイッチのスイッチング状態の変化が前記予め定める判定条件を満たさないときは、スイッチに応じた入力信号を無効とするので、操作者の意図しない作用、たとえば物体などの接触、チャタリングおよびノイズなどで装置本体が動作しないような信頼性のある判定条件を予め定めることによって、スイッチのスイッチング状態の変化が人為的な操作によるものかどうかをより確実に検出して装置本体を動作させることができ、操作者の意図しないスイッチのスイッチング状態の変化によって発生する装置本体の誤動作を防止することができる。
【0025】
また制御部は、たとえばスイッチが設けられる操作部の外部に露出する部分の面積およびスイッチの機械的特性など各スイッチの操作特性に応じて予め定める判定条件を異ならせるので、たとえば外部からの作用によってスイッチング状態が変化しやすいスイッチおよび残余の各スイッチに最適な予め定める判定条件を設定することができるので、スイッチの操作性を損なうことなく、スイッチに物体などが接触することによって生じる誤動作を確実に防止することができる。
【0027】
制御部は、入力信号を予め定める周期で所定回数にわたって継続して検出したときに、判定条件を満たしたものと判断するので、各スイッチのスイッチング状態が変化し、たとえば接点開放状態から接点閉鎖状態に変化しまたは接点閉鎖状態から接点開放状態に変化し、この変化した状態が予め定める周期の所定回数にわたる期間で継続したときに、各スイッチに応じた入力信号に応答して、装置本体に動作を制御する。操作者の意図しない外部の作用、たとえば物体などの接触、チャタリングおよびノイズによってスイッチのスイッチング状態が変化する場合、この変化は瞬間的なものである。したがって前記予め定める周期で所定回数にわたる期間を、前記瞬間的に変化する期間よりも大きく設定することによって、操作者の意図しない外部の作用によって発生する装置本体の誤動作を防止でき、操作者の意図した人為的な操作によるスイッチのスイッチング状態の変化をより確実に検出して、装置にスイッチに応じた動作を行なわせることができる。
【0028】
また制御部は、各スイッチのスイッチング状態の変化によって与えられる入力信号を予め定める周期で検出するので、各スイッチのスイッチング状態の変化を監視しながら、予め定める周期の期間内に入力信号の検出以外の他の処理、たとえば入力信号に応答した制御信号を出力することができ、制御部の処理効率を向上させることができる。
また、露出面積が大きいスイッチは、衣服などの物体に接触しやすいが、使用者の意図した人為的な操作によってスイッチのスイッチング状態が変化したときだけ、装置にスイッチに応じた動作を行なわせることができる。
【0029】
また本発明は、装置本体と、
装置本体の動作を選択するための複数のスイッチを有する操作部と、
前記装置本体に設けられ、操作部の各スイッチのスイッチング状態の変化によって与えられる各スイッチに応じた入力信号に応答して、装置本体の動作を制御する制御信号を出力する制御部とを含み、
前記複数のスイッチは、その操作片がケーシングから外部に露出するように設けられ、操作片のケーシングから外部に露出する部分の面積が異なる第1および第2のスイッチを含み、
前記制御部は、各スイッチのスイッチング状態の変化が予め定める判定条件を満たしたとき、各スイッチに応じた入力信号に応答し、制御信号を出力して装置本体の動作を制御し、各スイッチのスイッチング状態の変化が前記予め定める判定条件を満たさないとき、各スイッチに応じた入力信号を無効とし、
前記制御部は、入力信号を予め定める周期で検出し、この入力信号を所定時間にわたって継続して検出したとき、前記判定条件を満たしたものと判断し、前記第1および第2のスイッチのうち操作片のケーシングから外部に露出する部分の面積が大きいスイッチに対応する所定時間は、操作片のケーシングから外部に露出する部分の面積が小さいスイッチに対応する所定時間よりも長くしていることを特徴とする入力制御装置である。
【0030】
本発明に従えば、制御部は、入力信号を所定時間にわたって継続して検出したとき、判定条件を満たしたものと判断するので、各スイッチのスイッチング状態が変化し、たとえば接点開放状態から接点閉鎖状態に変化しまたは接点閉鎖状態から接点開放状態に変化し、この変化した状態が所定時間にわたって継続したときに、各スイッチに応じた入力信号に応答して、装置本体に動作を制御する。操作者の意図しない外部の作用、たとえば物体などの接触、チャタリングおよびノイズによってスイッチのスイッチング状態が変化する場合、この変化は瞬間的なものである。したがって前記所定時間を、前記瞬間的に変化する期間よりも大きく設定することによって、操作者の意図しない外部の作用によって発生する装置本体の誤動作を防止でき、操作者の意図した人為的な操作によるスイッチのスイッチング状態の変化をより確実に検出して、装置にスイッチに応じた動作を行なわせることができる。
【0031】
また制御部は、各スイッチのスイッチング状態の変化によって与えられる入力信号を予め定める周期で検出するので、各スイッチのスイッチング状態の変化を監視しながら、予め定める周期の期間内に入力信号の検出以外の他の処理、たとえば入力信号に応答した制御信号を出力することができ、制御部の処理効率を向上させることができる。
また、露出面積が大きいスイッチは、衣服などの物体に接触しやすいが、使用者の意図した人為的な操作によってスイッチのスイッチング状態が変化したときだけ、装置にスイッチに応じた動作を行なわせることができる。
【0035】
また本発明は、装置本体と、
装置本体の動作を選択するための複数のスイッチを有する操作部と、
前記装置本体に設けられ、操作部の各スイッチのスイッチング状態の変化によって与えられる各スイッチに応じた入力信号に応答して、装置本体の動作を制御する制御信号を出力する制御部とを含み、
前記複数のスイッチは、その操作片がケーシングから外部に露出するように設けられ、操作片のケーシングから外部に露出する部分の面積が異なる第1および第2のスイッチを含み、
前記制御部は、各スイッチのスイッチング状態の変化が予め定める判定条件を満たしたとき、各スイッチに応じた入力信号に応答し、制御信号を出力して装置本体の動作を制御し、各スイッチのスイッチング状態の変化が前記予め定める判定条件を満たさないとき、各スイッチに応じた入力信号を無効とし、
前記制御部は、入力信号を予め定める周期で検出し、この入力信号を前記予め定める周期で所定回数にわたって継続して検出し、かつ入力信号の入力回数が予め定める値に達したとき、前記判定条件を満たしたものと判断し、前記第1および第2のスイッチのうち操作片のケーシングから外部に露出する部分の面積が大きいスイッチに対応する所定回数は、操作片のケーシングから外部に露出する部分の面積が小さいスイッチに対応する所定回数よりも大きくしていることを特徴とする入力制御装置である。
【0036】
本発明に従えば、制御部は、入力信号を予め定める周期で所定回数にわたって継続して検出し、かつ入力信号の入力回数が予め定める値に達したとき、判定条件を満たしたものと判断するので、各スイッチのスイッチング状態が変化し、たとえば接点開放状態から接点閉鎖状態に変化しまたは接点閉鎖状態から接点開放状態に変化し、この変化した状態が予め定める周期の所定回数にわたる期間で継続し、かつ各スイッチのスイッチング状態の変化が複数回変化したとき、たとえば押下することによって接点が開放または閉鎖するスイッチでは複数回押下したとき、各スイッチに応じた入力信号に応答して、装置本体に動作を制御する。
【0037】
操作者の意図しない外部の作用、たとえば物体などの接触、チャタリングおよびノイズによってスイッチのスイッチング状態が変化する場合、この変化は瞬間的なものである。したがって前記予め定める周期で所定回数にわたる期間を、前記瞬間的に変化する期間よりも大きく設定し、かつ前記入力信号の入力回数を、n(nは、2以上の自然数)回以上に設定することによって、操作者の意図しない外部の作用によって発生する装置本体の誤動作を防止でき、操作者の意図した人為的な操作によるスイッチのスイッチング状態の変化をより確実に検出して、装置にスイッチに応じた動作を行なわせることができる。
【0038】
また制御部は、各スイッチのスイッチング状態の変化によって与えられる入力信号を予め定める周期で検出するので、各スイッチのスイッチング状態の変化を監視しながら、予め定める周期の期間内に入力信号の検出以外の他の処理、たとえば入力信号に応答した制御信号を出力することができ、制御部の処理効率を向上させることができる。
【0040】
また露出面積が大きいスイッチは、衣服などの物体に接触しやすいが、使用者の意図した人為的な操作によってスイッチのスイッチング状態が変化したときだけ、装置にスイッチに応じた動作を行なわせることができる。
【0043】
また本発明は、操作部と制御部との間に前記入力信号の信号レベルを緩慢に変化させる遅延回路が設けられることを特徴とする。
【0044】
本発明に従えば、操作部と制御部との間に前記入力信号の信号レベルを緩慢に変化させる遅延回路が設けられるので、操作部の各スイッチのスイッチング状態が変化することによって制御部に与えられる入力信号の信号レベルの急峻な変化を防止し、制御部が入力信号に応答するまでの時間を長くすることができる。したがって、スイッチのスイッチング状態の変化が操作によるものかどうかをより確実に判断することができ、操作者に意図しない作用によって発生する装置の誤動作を防止することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の入力制御装置1の電気的構成を示すブロック図であり、図2は入力制御装置1の操作部3の外観図である。入力制御装置1は、装置本体2と、装置本体2の動作を選択するための複数の第1〜第10スイッチSW1〜SW10を有する操作部3と、装置本体2に設けられ、操作部3の第1〜第10スイッチSW1〜SW10のスイッチング状態の変化によって与えられる第1〜第10スイッチSW1〜SW10に応じた入力信号に応じた制御信号を出力する制御部4とを含む。
【0046】
本実施の形態では、装置本体2は制御部4の他に記憶部5を有し、記憶部5に記憶される音楽データの再生が可能な携帯電話装置とする。
【0047】
制御部4は、中央演算処理装置(Central Processing Unit;略称CPU)によって実現され、装置本体2に設けられる各部、たとえば音声を入力する音声入力部であるマイクロホン、音声を出力する音声出力部であるスピーカ、操作者による操作によって装置本体の動作の指示および文字データなどの所定の情報を入力する操作キー、液晶表示素子などで実現される表示部、および基地局と通信を行なう通信部などの制御を行なう。
【0048】
制御部4は、制御部4内にアナログ/デジタル(Analog/Digital;略称A/D)変換器6を有する。A/D変換器6は、与えられた信号をデジタル数値に変換する。制御部4は、ポーリングによって予め定める周期でA/D変換器6で変換されたデジタル数値を検出する。
【0049】
上述の装置本体2には、装置本体2の各部に電力を供給する電源であり、バッテリなどで実現される本体電源7、操作部3が着脱自在に接続されるコネクタ部18が設けられる。本体電源7は、プルアップ抵抗R0を介して、A/D変換器6およびコネクタ部18の一部と相互に接続される。本体電源7は直流電源である。
【0050】
操作部3は、第1〜第10スイッチSW1〜SW10と、第1〜第9抵抗R1〜R9と、マイクロホンなどによって実現される音声入力部8と、ヘッドホンなどの音声出力器を接続するための音声出力器接続ジャック部9と、これら第1〜第10スイッチSW1〜SW10、第1〜第9抵抗R1〜R9、音声入力部8および音声出力器接続ジャック部9が設けられるケーシング10とを含む。操作部3は、複数芯のケーブル11とプラグ部12とを介して装置本体2に着脱自在に接続される。
【0051】
第1〜第10スイッチSW1〜SW10は、操作部3の各スイッチの入力を無効にするためのホールド(HOLD)スイッチ、音楽の再生または停止を指示するための再生/停止スイッチ、音楽の早送りを指示するための早送りスイッチ、音楽の巻戻しを指示するための巻戻しスイッチ、音声出力接続ジャック部9に接続されるヘッドホンおよび音声入力部8でのハンズフリー通話の開始または停止を指示するための通話ON/OFFスイッチ、音楽の音質の切り換えを指示するための音質切り換えスイッチ、音量を大きくするように指示するための音量切り換えアップスイッチ、音量を小さくするように指示するための音量切り換えダウンスイッチ、音楽を再生する順番を指示するための曲順設定スイッチ、ヘッドホンの音量を制限するように指示するための音量制限スイッチにそれぞれ対応する。
【0052】
本実施の形態において、第1〜第10スイッチSW1〜SW10は、ケーシング10の外部に露出する操作片と、操作片を操作することによって接点の接続を変化させる接続部とから構成される。
【0053】
操作部3は、ユーザーインターフェイスの為に操作頻度に応じてデザイン設計されており、各スイッチSW1〜SW10によって操作特性が相違する。本実施の形態において、操作特性の相違とは、第1〜第10スイッチSW1〜SW10の操作片のケーシング10から外部に露出する露出面積の相違、すなわち頻繁に操作するスイッチについては操作片の露出面積が大きく操作頻度の少ないスイッチについては露出面積が小さいことによる操作性の相違、および各スイッチ毎の機械的特性の相違を含む。
【0054】
上述した第1スイッチSW1は、操作片をケーシング10の側面に沿ってスライドさせることによって、接点部が接続されるスイッチであり、第2〜第10スイッチSW2〜SW10は、操作片を押圧することによって、接点部が接続されるスイッチとする。
【0055】
また操作部3では、図2に示すように、再生/停止スイッチ、早送りスイッチおよび巻き戻しスイッチに対応する第2〜第4スイッチSW2〜SW4の操作片のケーシング10からの露出面積を、第1、第5〜第10スイッチSW1,SW5〜SW10の操作片の露出面積よりも大きく設けている。
【0056】
第1スイッチSW1の共通接点および第2〜第10スイッチSW2〜SW10の一端部は、共通の第1ライン13とそれぞれ相互に接続され、第1スイッチの個別接点および第2〜第10スイッチSW2〜SW10の他端部は、共通の第2ライン14とそれぞれ相互に接続される。
【0057】
第1ライン13には、第1〜第9抵抗R1〜R9が直列に設けられる。第1抵抗R1は、第1スイッチSW1の共通接点と、第2スイッチSW2の一端部との間に直列に配置される。第2抵抗R2は、第2スイッチSW2の一端部と第2スイッチSW3の一端部との間に直列に配置される。第3抵抗R3は、第3スイッチSW3の一端部と第4スイッチSW4の一端部との間に直列に配置される。第4抵抗R4は、第4スイッチSW4の一端部と第5スイッチSW5の一端部との間に直列に配置される。第5抵抗R5は、第5スイッチSW5の一端部と第6スイッチSW6の一端部との間に直列に配置される。第6抵抗R6は、第6スイッチSW6の一端部と第7スイッチSW7の一端部との間に直列に配置される。第7抵抗R7は、第7スイッチSW7の一端部と第8スイッチSW8の一端部との間に直列に配置される。第8抵抗R8は、第8スイッチSW8の一端部と第9スイッチSW9の一端部との間に直列に配置される。第9抵抗R9は、第9スイッチSW9の一端部と第10スイッチSW10の一端部との間に直列に配置される。第1〜第9抵抗R1〜R9の抵抗値は、全て同一である。本発明の実施の他の形態では、第1〜第9抵抗R1〜R9の抵抗値は、異ならせてもよい。
【0058】
第1ライン13の一端部13A、つまり抵抗R1の一端部は、ケーブル11を介してプラグ部12に相互に接続され、プラグ部12が装置本体2のコネクタ部8と相互に接続された状態で、本体電源7、A/D変換器6に電気的に接続される。
【0059】
第2ライン14の一端部14A、つまり第1スイッチSW1の共通接点側の端部は、ケーブル11を介してプラグ部12に相互に接続され、プラグ部12が装置本体2のコネクタ部8と相互に接続された状態で、グランドに接続される。
【0060】
音声入力部8は、ケーブル11を介してプラグ部12と相互に接続されるとともに、第1ライン13および音声出力器接続ジャック部9と相互に接続され、プラグ部12が装置本体2のコネクタ部8と相互に接続された状態で、装置本体2のコネクタ部8に設けられる音声信号入力端子に接続される。
【0061】
音声出力器接続ジャック部9は、ケーブル11を介してプラグ部12と相互に接続され、プラグ部12が装置本体2のコネクタ部8と相互に接続された状態で、コネクタ部8に設けられるレシーバ出力端子に接続される。
【0062】
上述した操作部3の各スイッチSW1〜SW10のうちいずれかのスイッチング状態が変化する、つまり第1スイッチSW1では、操作片をスライドさせて接点部を閉じ、第2〜第10スイッチSW2〜SW10では、操作片を押下して接点部を閉じると、本体電源7が、プルアップ抵抗R0とスイッチング状態が変化した第1〜第10スイッチSW1〜SW10のうちいずれかの接点部を介してグランドに接続される。これによって、第1スイッチSW1の接点を閉じた場合では、A/D変換器6にはグランドの電圧値が与えられ、第2〜第10スイッチSW2〜SW10のいずれかの接点を閉じた場合では、A/D変換器6には、プルアップ抵抗R0と、第1抵抗R1、第2抵抗R1および第2抵抗R2、第1〜第3抵抗R1〜R3、第1〜第4抵抗R1〜R4の抵抗値、第1〜第5抵抗R1〜R5、第1〜第6抵抗R1〜R6、第1〜第7抵抗R1〜R7、第1〜第8抵抗R1〜R8、または第1〜第9抵抗R1〜R9とのいずれかとによって分圧された電圧値が入力信号として与えられる。
【0063】
A/D変換器6は、上述したように与えられた信号をデジタル数値に変換するので、各スイッチSW1〜スイッチSW10のスイッチング状態が変化することによって与えられる電圧値を、デジタル数値に変換する。
【0064】
制御部4は、上述したようにポーリングによって予め定める周期でA/D変換器6で変換されたデジタル数値を検出し、制御部4内に設けられるソフトウェアプログラムで設定している各スイッチSW1〜SW10に対応したデジタル数値と比較して、装置本体の動作を決定する。
【0065】
図3は、入力制御装置1の操作部3の各スイッチのスイッチング状態の変化によって装置本体2の動作を決定する制御部4の処理動作を説明するためのフローチャートである。ステップb1からステップb2に移り、記憶部5に記憶されている音楽データを再生を可能とする音楽モードであるか否かを判断する。音楽モードの設定は、たとえば装置本体2に設けられる操作部からの入力によって選択される。ステップb2で音楽モードであると判断されると、ステップb3に移り、音楽モードでないと判断されるとステップb2の動作処理を繰り返す。これによって、音楽モードのときだけ操作部3の各スイッチSW1〜SW10によって装置本体2の動作を選択することができる。
【0066】
ステップb3では、予め定める周期でA/D変換器6に対してポーリングを開始し、スイッチSW1〜SW10のうちいずれか1つのスイッチング状態が変化することによって、A/D変換器6に与えられる電圧値をこのA/D変換器6が変換して生成したデジタル数値を検出して、ステップb4に移る。ステップb3では、予め定める周期を10ミリ秒(msec)としてポーリングを行なう。
【0067】
ステップb4では、ポーリングで検出したデジタル数値を制御部4内に設けられるソフトウェアプログラムで設定している各スイッチSW1〜SW10に対応したデジタル数値と比較して、予め定める操作特性を有するスイッチに対応した数値であるか否かが判断される。ここでは、予め定める操作特性を有するスイッチをケーシング10から外部に露出する操作片の露出面積が大きい第2〜第4スイッチSW2〜SW4とする。ステップb4で、検出したデジタル数値が予め定める操作特性を有するスイッチでないと判断されると、ステップb5に移り、予め定める操作特性を有するスイッチであると判断されると、ステップb10に移る。
【0068】
ステップb5では、ポーリングで検出したデジタル数値が、本体電源7の電圧値に対応した数値であるか否かが判断される。ステップb5で、検出したデジタル数値が本体電源7の電圧値に対応した数値であると判断されると、ステップb4に移り、本体電源7の電圧値に対応した数値ではないと判断されると、ステップb6に移る。A/D変換器6に、本体電源7の電圧値が与えられる場合には、スイッチのスイッチング状態の変化が無い場合である。
【0069】
ステップb6では、第1,第5〜第10スイッチSW1,SW5〜SW10のスイッチング状態の変化が予め定める判定条件を満たすか、ここでは前記予め定める周期で所定回数にわたって連続して同じデジタル数値が検出されたか否かが判断される。ここでは、予め定める周期は、上述したように10msecとし、所定回数を2回とする。つまりポーリングによって2回連続して同じデジタル数値が検出されたか否かが判断される。ステップb6で、検出したデジタル数値が2回連続で同じ値であると判断されると、ステップb7に移り、検出したデジタル数値が2回連続で同じ値ではないと判断されると、ステップb2に移る。本発明の実施の他の形態において、上述した所定回数を任意に設定してもよい。
【0070】
ステップb7では、上述したステップb6で検出されたデジタル数値が、予め定める操作特性を有する特定のスイッチを除く残余のスイッチに対応したデジタル数値であるか否かが判断される。ここでは、上述したデジタル数値が第1、第5〜第10スイッチSW1,SW5〜SW10に対応した値であるか否かが判断される。ステップb7で、検出したデジタル数値が、第1、第5〜第10スイッチSW1,SW5〜SW10のうちいずれか1つに対応している場合、ステップb8に移り、検出したデジタル数値が第1、第5〜第10スイッチSW1,SW5〜SW10のうちのいずれにも対応していない場合、ステップb2に移る。
【0071】
ステップb8では、検出したデジタル数値に基づいて、動作を確定し、装置本体2に制御信号を出力して、ステップb9に移る。
【0072】
ステップb9では、第2〜第4スイッチSW2〜SW4のスイッチング状態の変化が予め定める判定条件を満たすか、ここでは予め定める周期で所定の回数本体電源7の電圧値に対応した数値を検出したか否かが判断される。ここでは、予め定める周期は、上述したように10msecとし、所定回数を10回とする。つまりポーリングによって10回連続して同じデジタル数値が検出されたか否かが判断される。ステップb9で、予め定める周期で所定回数本体電源7の電圧値に対応した数値を検出すると、ステップb2に移り、予め定める周期で所定回数本体電源7の電圧値に対応した数値を検出判断されると、ステップb13に移る。ステップb9では、スイッチのスイッチング状態が再び変化したかを否かを判断する。
【0073】
ステップb10では、検出した電圧値が予め定める周期で所定回数にわたって連続して同じ値を示すかが判断される。ここでは、予め定める周期は、上述したように10msecとし、所定回数を4回とする。つまりポーリングによって4回連続して同じデジタル数値が検出されたか否かが判断される。ステップb10で、検出したデジタル数値が予め定める周期で所定回数にわたって同じ値を示した場合、ステップb11に移り、検出したデジタル数値が予め定める周期で所定回数にわたって同じ値を示さない場合、ステップb2に移る。本発明の実施の他の形態において、上述した所定回数を任意に設定してもよい。
【0074】
ステップb11では、ステップb10で検出したデジタル数値が、予め定める操作特性を有するスイッチに対応した値であるか否かが判断される。ここでは、予め定める操作特性を有するスイッチをケーシング10から外部に露出する操作片の露出面積が大きい第2〜第4スイッチSW2〜SW4としているので、検出したデジタル数値が第2〜第4スイッチSW2〜SW4のいずれかに対応した値であるか否かが判断される。ステップb11で、検出したデジタル数値が、予め定める操作特性を有するスイッチに対応した値であると判断されると、ステップb12に移り、検出したデジタル数値が、予め定める操作特性を有するスイッチに対応した値ではないと判断されるとステップb2に移る。
【0075】
ステップb12では、検出したデジタル数値に基づいて、動作を確定し、装置本体2に制御信号を出力して、ステップb2に移る。
【0076】
ステップb13では、操作部3の各スイッチSW1〜SW10の操作を受け付けない処理動作を行い、ステップb9に戻る。
【0077】
図4は、予め定める操作特性を有するスイッチを除くスイッチのスイッチング状態が変化したときに、A/D変換器6に与えられる入力信号である電圧値の波形を示す図である。図4で、横軸は時間、縦軸は電圧値を示す。
【0078】
なお本体電源7の電圧値をVoとし、予め定める操作特性を有するスイッチを除くスイッチのスイッチング状態が変化したときに、A/D変換器6に与えられる電圧値をVnとする。前記Vnは、第1スイッチSW1,第5〜第10スイッチSW5〜SW10のそれぞれに対応して異なるが、ここではまとめて示す。
【0079】
時刻t1で、第1スイッチSW1,第5〜第10スイッチSW5〜SW10のうちのいずれかの接点が閉じるまでは、本体電源7の電圧値VoがA/D変換器6に与えられている。時刻t1で、第1スイッチSW1,第5〜第10スイッチSW5〜SW10のうちのいずれかの接点が閉じると、A/D変換器6には各スイッチSW1,SW5〜SW10に応じた電圧値Vnが与えられる。
【0080】
時刻t2で、時刻t1で接点が閉じた第1スイッチSW1,第5〜第10スイッチSW5〜SW10のうちのいずれかの接点が開くと、A/D変換器6には本体電源7の電圧値Voが与えられる。
【0081】
つまり、時刻t1から時刻t2までの間の時間T1では、第1スイッチSW1,第5〜第10スイッチSW5〜SW10のうちのいずれかの接点が閉じた状態となっている。
【0082】
制御部4は、ポーリングによって所定の周期ToでA/D変換器6の検出を行なっている。上述したように、第1スイッチSW1,第5〜第10スイッチSW5〜SW10のスイッチング状態が変化した場合には、ポーリングによって2回連続して同じデジタル数値が検出された場合に、各スイッチに応じて動作を確定する。つまり2To≦T1であれば、各スイッチSW1,SW5〜SW10に対応した動作が行なわれる。
【0083】
図5は、予め定める操作特性を有するスイッチのスイッチング状態が変化したときに、A/D変換器6に与えられる入力信号である電圧値の波形を示す図である。図5で、横軸は時間、縦軸は電圧値を示す。
【0084】
なお本体電源7の電圧値をVoとし、予め定める操作特性を有するスイッチのスイッチング状態が変化したときに、A/D変換器6に与えられる電圧値をVmとする。前記Vmは、第2〜第4スイッチSW2〜SW4のそれぞれに対応して異なるが、ここではまとめて示す。
【0085】
時刻t1で、第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれかの接点が閉じるまでは、本体電源7の電圧値VoがA/D変換器6に与えられている。時刻t1で、第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれかの接点が閉じると、A/D変換器6には各スイッチSW2〜SW4に応じた電圧値Vmが与えられる。
【0086】
時刻t2で、時刻t1で接点が閉じた第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれかの接点が開くと、A/D変換器6には本体電源7の電圧値Voが与えられる。つまり、時刻t1から時刻t2までの間の期間T1では、第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれかの接点が閉じた状態となっている。
【0087】
制御部4は、ポーリングによって所定の周期ToでA/D変換器6の検出を行なっている。上述したように、第2〜第4スイッチSW2〜SW4のスイッチング状態が変化した場合には、ポーリングによって4回連続して同じデジタル数値が検出された場合に、各スイッチに応じて動作を確定する。つまり、4To≦T1であれば、各スイッチSW2〜SW4に対応した動作が行なわれる。
【0088】
操作者の意図しない外部の作用、たとえば物体などの接触、チャタリングおよびノイズによってスイッチのスイッチング状態が変化する場合、この変化は瞬間的なものである。入力制御装置1では、上述した予め定める周期で所定回数にわたる期間を、前記瞬間的に変化する期間よりも大きく設定することによって、操作者の意図しない作用によって発生する装置本体の誤動作を防止できる。
【0089】
また入力制御装置1では、予め定める操作特性を有するスイッチ、ここでは操作片のケーシング10からの露出面積の大きな第2〜第4スイッチSW2〜SW4は、残余の第1スイッチSW1、第5〜第10スイッチSW5〜SW10の2倍以上の時間接点が閉じないと、制御部4が制御信号を出力しない。第2〜第4スイッチSW2〜SW4の3種類のスイッチは、露出面積が大きいので、衣服などの物体に接触しやすいが、スイッチの操作片が物体に接触して、スイッチのスイッチング状態の変化が予め定める周期で所定回数にわたって継続しない限り、制御部4が制御信号を出力しないので、誤動作を防止することができる。
【0090】
したがって、使用者の意図した人為的な操作によってスイッチのスイッチング状態が変化したときだけ、装置にスイッチに応じた動作を行なわせることができる。したがって、従来の技術のように、ホールドスイッチをONにしておかなくても、不所望な誤動作を防止することができ、また他の従来の技術の入力制御装置のようにスイッチの荷重値を重くする必要がないので、操作をスムーズに行なうことができる。
【0091】
また制御部4は、第1〜第10スイッチSW1〜SW10のスイッチング状態の変化によって与えられる入力信号を予め定める周期で検出するので、第1〜第10スイッチSW1〜SW10のスイッチング状態の変化を監視しながら、予め定める周期の期間内に入力信号の検出以外の他の処理、たとえば入力信号に応答した制御信号を出力することができ、制御部4の処理効率を向上させることができる。
【0092】
本発明の実施のさらに他の形態では、上述した制御部4の制御動作を示す図3のフローチャートのステップb6、ステップb9において、予め定める判定条件を、入力信号を所定時間にわたって継続して検出した場合に満たす、つまり所定時間にわたってA/D変換器6で生成されたデジタル数値が同じ数値を示す場合に満たして、制御動作を行なってもよい。前記所定時間は、たとえばステップb6では、20msecとし、ステップb9では40msecとする。
【0093】
図6は、本発明の実施の他の形態の入力制御装置の操作部の各スイッチのスイッチング状態の変化によって装置本体の動作を決定する制御部の処理動作を説明するためのフローチャートである。本実施の形態の入力制御装置と上述した図1および図2に示される入力制御装置1とは、制御部における処理動作のみが異なり、他の構成は同様であるので、その説明を省略する。また、本実施の形態の制御部の処理動作を示す図6のフローチャートのステップC1〜ステップC9までの処理動作は、上述した図3の入力制御装置1の制御部4の処理動作を示すフローチャートのステップb1〜b9の処理動作にそれぞれ対応するので、その説明を省略する。
【0094】
ステップc9では、予め定める周期で所定の回数本体電源7の電圧値に対応した数値を検出したか否かが判断される。ここでは、予め定める周期は、たとえば上述したように10msecとし、所定回数を10回とする。つまりポーリングによって10回連続して同じデジタル数値が検出されたか否かが判断される。ステップc9で、予め定める周期で所定回数本体電源7の電圧値に対応した数値を検出すると、ステップc2に移り、予め定める周期で所定回数本体電源7の電圧値に対応した数値を検出判断されると、ステップc19に移る。
【0095】
ステップc10では、検出した電圧値が予め定める周期で所定回数にわたって連続して同じ値を示すかが判断される。ここでは、予め定める周期は、上述したように10msecとし、所定回数は2回とする。つまりポーリングによって2回連続して同じデジタル数値が検出されたか否かが判断される。ステップc10で、検出したデジタル数値が予め定める周期で所定回数にわたって同じ値を示した場合、ステップc11に移り、検出したデジタル数値が予め定める周期で所定回数にわたって同じ値を示さない場合、ステップc2に移る。本発明の実施の他の形態において、上述した所定回数を任意に設定してもよい。
【0096】
ステップc11では、ステップc10で検出したデジタル数値が、予め定める操作特性を有するスイッチに対応した値であるか否かが判断される。ここでは、予め定める操作特性を有するスイッチをケーシング10から外部に露出する操作片の露出面積が大きい第2〜第4スイッチSW2〜SW4とし、検出したデジタル数値が第2〜第4スイッチSW2〜SW4のいずれかに対応した値であるか否かが判断される。ステップc11で、検出したデジタル数値が、予め定める操作特性を有するスイッチに対応した値であると判断されると、ステップc12に移り、検出したデジタル数値が、予め定める操作特性を有するスイッチに対応した値ではないと判断されると、ステップc2に移る。
【0097】
ステップc12では、予め定める周期のポーリングで検出したデジタル数値が、本体電源7の電圧値に対応した数値であるか否かが判断される。ステップc12で検出したデジタル数値が、本体電源7の電圧値に対応した数値であると判断された場合、ステップc13に移り、検出したデジタル数値が、本体電源7の電圧値に対応した数値であると判断され場合、ステップc13を繰り返す。ステップc12では、操作者による操作が解除されたか否かを判断している。
【0098】
ステップc13では、予め定める期間内に、各スイッチに対応したデジタル数値が入力されたか否かが判断される。つまり、予め定める期間内に、A/D変換器6で生成されるデジタル数値が変化したか否かを判断する。前記予め定める期間内とは、予め定める周期で所定回数以内であり、ここでは、予め定める周期は、上述したように10msecとし、所定回数は、5回とすることで、10msec×5=50msec以内とする。ステップc14で、予め定める期間内に、各スイッチに対応したデジタル数値が入力されたと判断されると、ステップc14に移り、予め定める期間内に、各スイッチに対応したデジタル数値が入力されなかったと判断されると、ステップc17に移る。
【0099】
ステップc14では、ステップc10と同様に、ポーリングによって検出したデジタル数値が予め定める周期で、所定回数にわたって連続して同じ数値を示すか否かが判断される。ここでは、予め定める周期は、上述したように10msecとし、所定回数を2回とする。つまりポーリングによって2回連続して同じデジタル数値が検出されたか否かが判断される。ステップc14で、検出したデジタル数値が予め定める周期で所定回数にわたって同じ値を示した場合、ステップc15に移り、検出したデジタル数値が予め定める周期で所定回数にわたって同じ値を示さない場合、ステップc2に移る。本発明の実施の他の形態において、上述した所定回数を任意に設定してもよい。
【0100】
ステップc15では、ステップc14で検出したデジタル数値が、予め定める操作特性を有するスイッチに対応した値であり、かつステップc10で検出したデジタル数値と同じであるか否かが判断される。ステップc15で、検出したデジタル数値が、予め定める操作特性を有するスイッチに対応した値であり、かつステップc10で検出したデジタル数値と同じであると判断されると、ステップc8に移り、検出したデジタル数値が、予め定める操作特性を有するスイッチに対応した値ではない、またはステップc10で検出したデジタル数値と同じでないと判断されるとステップc2に移る。
【0101】
ステップc17では、予め定める周期で所定の回数本体電源7の電圧値に対応した数値を検出したか否かが判断される。ここでは、予め定める周期は、上述したように10msecとし、所定回数を5回とする。つまりポーリングによって5回連続して同じデジタル数値が検出されたか否かが判断される。ステップc17で、予め定める周期で所定回数本体電源7の電圧値に対応した数値を検出すると、ステップc2に移り、予め定める周期で所定回数本体電源7の電圧値に対応した数値を検出判断されると、ステップc18に移る。
【0102】
ステップc18では、操作部3の各スイッチSW1〜SW10の操作を受け付けない処理動作を行い、ステップc17に移る。ステップc19では、操作部3の各スイッチSW1〜SW10の操作を受け付けない処理動作を行い、ステップc9に移る。
【0103】
図7は、予め定める操作特性を有するスイッチのスイッチング状態が変化したときに、A/D変換器6に与えられる入力信号である電圧値の波形を示す図である。図7で、横軸は時間、縦軸は電圧値を示す。
【0104】
なお本体電源7の電圧値をVoとし、予め定める操作特性を有するスイッチのスイッチング状態が変化したときに、A/D変換器6に与えられる電圧値をVmとする。前記Vmは、第2〜第4スイッチSW2〜SW4のそれぞれに対応して異なるが、ここではまとめて示す。
【0105】
時刻t1で、第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれかの接点が閉じるまでは、本体電源7の電圧値VoがA/D変換器6に与えられている。時刻t1で、第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれかの接点が閉じると、A/D変換器6には各スイッチSW2〜SW4に応じた電圧値Vmが与えられる。
【0106】
時刻t2で、時刻t1で接点が閉じた第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれかの接点が開くと、A/D変換器6には本体電源7の電圧値Voが与えられる。つまり、時刻t1から時刻t2までの間の時間T1では、第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれかの接点が閉じた状態となっている。
【0107】
時刻t3で、再び時刻t1で接点が閉じた第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれかと同じ第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれか接点が閉じると、A/D変換器6には各スイッチSW2〜SW4に応じた電圧値Vmが与えられる。
【0108】
時刻t4で、時刻t3で接点が閉じた第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれかの接点が開くと、A/D変換器6には本体電源7の電圧値Voが与えられる。つまり、時刻t3から時刻t4までの間の期間T2では、第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれかの接点が閉じた状態となっている。
【0109】
制御部4は、ポーリングによって所定の周期ToでA/D変換器6の検出を行なっている。上述したように、第2〜第4スイッチSW2〜SW4のスイッチング状態が変化した場合には、時刻t1からt2までの間の期間T1で、ポーリングによって2回連続して同じデジタル数値が検出され、つまり2To≦T1であり、さらに時刻t2から時刻t3までの間の期間で、電源電圧Voに対応するデジタル数値が検出され、時刻t2から時刻t3までの間の期間T3が、ポーリングによる所定の周期のToが5回以内であって(T3≦5To)、かつ時刻t3からt4までの期間T2で、ポーリングによって2回連続して期間T1で検出されたデジタル数値と同じデジタル数値が検出された場合に、つまり2To≦T2である場合に、予め定める判定条件を満たし、予め定める操作特性を有するスイッチに応じて動作を確定する。
【0110】
以上のように、本実施の形態の入力制御装置では、予め定める操作特性を有するスイッチ、つまりケーシングの外部に露出する操作片の露出面積が大きい第2〜第4スイッチSW2〜SW4は、入力信号の入力回数が予め定める値、本実施の形態では2回に達しないと、制御信号を出力しない。したがって、操作者の意図しない外部の作用によって発生する装置本体の誤動作を防止でき、操作者の意図した人為的な操作によるスイッチのスイッチング状態の変化をより確実に検出して、装置にスイッチに応じた動作を行なわせることができる。
【0111】
本発明のさらに他の実施の形態では、各スイッチの入力信号の入力回数が予め定める値n(nは3以上の自然数)に達しないと、制御信号を出力しない構成としてもよい。
【0112】
本発明の実施のさらに他の形態の入力制御装置では、上述した実施の形態の図6示される制御部の制御動作のステップc10およびステップc14で、検出した電圧値が予め定める周期で所定回数にわたって連続して同じ値を示すか否かが判断するときに、予め定める周期は、上述したように10msecとし、所定回数を、4回とする構成としてもよい。
【0113】
図8は、本実施の形態における予め定める操作特性を有するスイッチのスイッチング状態が変化したときに、A/D変換器6に与えられる入力信号である電圧値の波形を示す図である。図8で、横軸は時間、縦軸は電圧値を示す。
【0114】
なお本体電源7の電圧値をVoとし、予め定める操作特性を有するスイッチのスイッチング状態が変化したときに、A/D変換器6に与えられる電圧値をVmとする。前記Vmは、第2〜第4スイッチSW2〜SW4のそれぞれに対応して異なるが、ここではまとめて示す。
【0115】
時刻t1で、第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれかの接点が閉じるまでは、本体電源7の電圧値VoがA/D変換器6に与えられている。時刻t1で、第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれかの接点が閉じると、A/D変換器6には各スイッチSW2〜SW4に応じた電圧値Vmが与えられる。
【0116】
時刻t2で、時刻t1で接点が閉じた第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれかの接点が開くと、A/D変換器6には本体電源7の電圧値Voが与えられる。つまり、時刻t1から時刻t2までの間の時間T1では、第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれかの接点が閉じた状態となっている。
【0117】
時刻t3で、再び時刻t1で接点が閉じた第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれかと同じ第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれか接点が閉じると、A/D変換器6には各スイッチSW2〜SW4に応じた電圧値Vmが与えられる。
【0118】
時刻t4で、時刻t3で接点が閉じた第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれかの接点が開くと、A/D変換器6には本体電源7の電圧値Voが与えられる。つまり、時刻t3から時刻t4までの間の期間T2では、第2〜第4スイッチSW2〜SW4のうちのいずれかの接点が閉じた状態となっている。
【0119】
制御部4は、ポーリングによって所定の周期ToでA/D変換器6の検出を行なっている。上述したように、第2〜第4スイッチSW2〜SW4のスイッチング状態が変化した場合には、時刻t1からt2までの間の期間T1で、ポーリングによって4回連続して同じデジタル数値が検出され、つまり2To≦T1であり、さらに時刻t2から時刻t3までの間の期間で、電源電圧Voに対応するデジタル数値が検出され、時刻t2から時刻t3までの間の期間T3が、ポーリングによる所定の周期のToが5回以内(T3≦5To)であって、かつ時刻t3からt4までの期間T2で、ポーリングによって4回連続して期間T1で検出されたデジタル数値と同じデジタル数値が検出された場合、つまり4To≦T2である場合に、予め定める判定条件を満たし、予め定める操作特性を有するスイッチに応じて動作を確定する。
【0120】
以上のように、本実施の形態の入力制御装置では、予め定める操作特性を有するスイッチ、つまりケーシングの外部に露出する操作片の露出面積が大きい第2〜第4スイッチSW2〜SW4は、予め定める周期で所定の回数、本実施の形態では4回連続して同じデジタル数値検出され、かつ入力信号の入力回数が予め定める値、本実施の形態では2回に達しないと、制御信号を出力しない。したがって、操作者の意図しない外部の作用によって発生する装置本体の誤動作を防止でき、操作者の意図した人為的な操作によるスイッチのスイッチング状態の変化を上述の実施の形態よりもさらに確実に検出して、装置にスイッチに応じた動作を行なわせることができる。
【0121】
本発明のさらに他の実施の形態の入力制御装置では、上述した各実施の形態の入力制御装置において、予め定める操作特性を有するスイッチの設定、および制御部がA/D変換部をポーリングする予め定める周期の設定を任意に行なってもよい。これによって、各種デザイン設計、仕様設計されるさまざまな操作部を有する入力制御装置に適用することができる。
【0122】
図9は、本発明の実施のさらに他の形態における入力制御装置21の電気的構成を示すブロック図である。本実施の形態の入力制御装置21は、上述した図1に示される入力制御装置1の操作部3と制御部4との間に、遅延回路22を設ける構成であり、他の構成は入力制御装置1と同様であるので、同様な構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0123】
本実施の形態では、第1スイッチSW1を、操作部3の各スイッチの入力を無効にするためのホールドスイッチとし、第2スイッチSW2を、音声出力接続ジャック部9に接続されるヘッドホンおよび音声入力部8でのフリーハンズ通話の開始または停止を指示するための通話ON/OFFスイッチとし、第3スイッチSW3を、音楽の音質の切り換えを指示するための音質切り換えスイッチとし、第4スイッチSW4を、音量を大きくするように指示するための音量切り換えアップスイッチとし、第5スイッチSW5を、音量を小さくするように指示するための音量切り換えダウンスイッチとし、第6スイッチSW6を、音楽を再生する順番を指示するための曲順設定スイッチとし、第7スイッチSW7を、ヘッドホンの音量を制限するように指示するための音量制限スイッチとし、第8スイッチSW8を、音楽の再生または停止を指示するための再生/停止スイッチとし、第9スイッチSW9を、音楽の早送りを指示するための早送りスイッチとし、第10スイッチSW10を、音楽の巻戻しを指示するための巻戻しスイッチとする。
【0124】
遅延回路22は、コンデンサ23と時定数設定スイッチ24によって構成される。コンデンサ23の一端部は、時定数設定スイッチ24を介して、プルアップ抵抗R0の一端部、A/D変換器6およびコネクタ8と相互に接続され、コンデンサの他端部は、グランドに接続される。時定数設定スイッチ24は、制御部4から制御信号に応じて閉じられるか、または手動で閉じてもよい。
【0125】
遅延回路22を設けることによって、各スイッチSW1〜SW10のスイッチング状態が変化したときに、A/D変換器6に与えられる入力信号の入力レベルを緩慢に変化させる、つまりA/D変換器6に与えられる電圧の時間的な変化を緩慢に変化させることができる。本発明では、電圧の時間的な変化を緩慢に変化させることを、電圧波形をなまらすという。
【0126】
A/D変換器6に本体電源7の電圧値が与えられ、各スイッチSW1〜SW10の接点が開放している場合で、各スイッチSW1〜SW10のスイッチング状態が変化したとき、つまり各スイッチSW1〜SW10のうちのいずれかのスイッチの接点が閉じたときに、A/D変換器6に与えられる電圧値の時間的な変化を示す電圧波形の特性は、時定数τによって決定されている。時定数τとは、波形変化が単一指数関数的に起こる最終的な変化分の63%に要する時間であり、その単位は時間である。時定数τは、上述した遅延回路22のコンデンサ23の容量Cと、接点が閉じられた各スイッチSW1〜SW10のいずれかと、コンデンサ23の一端部との間に設けられる抵抗の抵抗値Rとから求められる。つまりτ=CRである。また、時定数τの3倍で最終的な波形の変化分の95%の変化が達成される。したがって電圧波形の変化の割合は、コンデンサの容量Cを変えることで、任意に設定が可能である。
【0127】
入力制御装置21の制御部4は、図6のフローチャートに示す上述した制御部24と同様な制御動作を行なう。
【0128】
図10は、予め定める操作特性を有するスイッチのスイッチング状態が変化したときに、A/D変換器6に与えられる入力信号である電圧値の波形を示す図である。図10で、横軸は時間、縦軸は電圧値を示す。
【0129】
なお本体電源7の電圧値をVoとし、第2〜第10スイッチSW2〜SW10のスイッチング状態が変化したときに、A/D変換器6に与えられる電圧値をVpとする。前記Vpは、第2〜第10スイッチSW2〜SW10のそれぞれに対応して異なるが、ここではまとめて示す。
【0130】
時刻t1で、第2〜第10スイッチSW2〜SW10のうちのいずれかの接点が閉じるまでは、本体電源7の電圧値VoがA/D変換器6に与えられている。時刻t1で、第2〜第10スイッチSW2〜SW10のうちのいずれかの接点が閉じると、電圧値が徐々に変化し始め、時刻t2で、A/D変換器6には第2〜第10スイッチSW2〜SW10に応じた電圧値Vpが与えられる。
【0131】
時刻t3で、時刻t1で接点が閉じた第2〜第10スイッチSW2〜SW10のうちのいずれかの接点が閉じると、電圧値が除所に変化し始め、時刻t4でA/D変換器6には本体電源7の電圧値Voが与えられる。つまり、時刻t2から時刻t3までの間の期間T1では、第2〜第10スイッチSW2〜SW10のうちのいずれかの接点が閉じた状態となっている。
【0132】
上述した遅延回路22を設けない場合では、上述した図4および図5示される電圧波形と同様な電圧波形がA/D変換部6に与えられることになるが、遅延回路22を設けることによって、各スイッチSW2〜SW10のスイッチング状態が変化し、図10に示すように、電圧波形が立ち下がるとき、および立ち上がるときに、電圧値の変化が緩やかとなる。
【0133】
電圧値の最終的な変化分の63パーセントに達する時間である時定数τは、第2〜第10スイッチSW2〜SW10にそれぞれ対応した第1抵抗R1の抵抗値、第2抵抗R1および第2抵抗R2の抵抗値を足した抵抗値、第1〜第3抵抗R1〜R3の抵抗値を足した抵抗値、第1〜第4抵抗R1〜R4の抵抗値を足した抵抗値、第1〜第5抵抗R1〜R5の抵抗値を足した抵抗値、第1〜第6抵抗R1〜R6の抵抗値を足した抵抗値、第1〜第7抵抗R1〜R7の抵抗値を足した抵抗値、第1〜第8抵抗R1〜R8の抵抗値を足した抵抗値、または第1〜第9抵抗R1〜R9の抵抗値を足した抵抗値と、コンデンサ23の容量Cとの積で求められる。
【0134】
遅延回路22を設けることによって電圧波形がなまるので、予め定める周期でポーリングが行なわれる場合に、電圧値が完全に立ち下がった時刻t3以降に制御部4のポーリングによって各スイッチに対応した電圧値が検出される。したがって、第2〜第10スイッチSW2〜SW10に対応した動作を行なわせるためには、より長くスイッチの操作片を押下する必要がある。
【0135】
たとえば制御部4が、予め定める周期、ここでは10msec毎にポーリングが行なわれ、A/D変換器6を検出したデジタル数値が、予め定める周期で2回連続して同じ値を検出すると、制御信号を出力する場合、遅延回路22を設けてない構成では、T1≧2Toの場合、上述した図4に示すように時刻t1+2Toでスイッチが確定するが、遅延回路22を設けることによって、時刻t1でスイッチのスイッチング状態が変化しても、2To≦(t3−t2)である場合に、図4に示すように時刻t2+2Toでスイッチが確定する。電圧値が立ち下がるまでの期間t2−t1は、上述したように時定数τによって、決定されるので、コンデンサ23の容量Cおよび第1〜第9抵抗R1〜R9の抵抗値によって設定される。ここでは、たとえばt2−t1=2Toとなるように設定している。
【0136】
本発明の実施のさらに他の形態では、遅延回路22に容量の異なるコンデンサを複数準備しておき、時定数設定スイッチ24で、前記コンデンサを切り換えて接続することによって、上述の時定数を変化させ、スイッチ確定の時間を任意に設定する構成としてもよい。
【0137】
上述したように信号電圧の信号レベルが変化する時間は、グランドと、コンデンサ23との間に設けられる抵抗値が大きくなるほど緩慢になるので、接点を閉じたときにスイッチとコンデンサ23との間の抵抗値が大きなスイッチを、露出面積の大きなスイッチとすることによって、より確実に誤動作を防止することができる。本発明の実施のさらに他の形態では、上述した入力制御装置21において、制御部4は、全てのスイッチにおいて予め定める判定条件を同じにしてもよい。各スイッチの接点を閉じたときにA/D変換部6に与えられる信号レベルの変化が異なるので、制御部に制御を行なわせるために接点を閉じる必要がある時間をスイッチ毎に異ならせることができる。
【0138】
上述した各実施の形態では、装置本体を音楽再生可能な携帯電話装置としているが、本発明の実施のさらに他の形態では、装置本体は、携帯電話装置に限らず、ポータブルオーディオ機器など各種機器であってもよい。また本発明のさらに他の実施の形態では、装置本体と操作部とは一体に設けられていてもよい。
【0139】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、操作部に設けられる装置本体の動作を選択するためのスイッチのスイッチング状態を変化させることによって、制御部に各スイッチに応じた入力信号を与えて装置本体の動作を制御する制御信号を出力させ、装置本体を動作させることができる。前記制御部は、各スイッチのスイッチング状態の変化が予め定める判定条件を満たしたときには、各スイッチに応じた入力信号に応答して、装置本体の動作を制御する制御信号を出力し、各スイッチのスイッチング状態の変化が前記予め定める判定条件を満たさないときは、スイッチに応じた入力信号を無効とするので、操作者の意図しない作用、たとえば物体などの接触、チャタリングおよび
ノイズなどで装置本体が動作しないような信頼性のある判定条件を予め定めることによって、スイッチのスイッチング状態の変化が人為的な操作によるものかどうかをより確実に検出して装置本体を動作させることができ、操作者の意図しないスイッチのスイッチング状態の変化によって発生する装置本体の誤動作を防止することができる。
【0140】
また制御部は、たとえばスイッチが設けられる操作部の外部に露出する部分の面積およびスイッチの機械的特性など各スイッチの操作特性に応じて予め定める判定条件を異ならせるので、たとえば外部からの作用によってスイッチング状態が変化しやすいスイッチおよび残余の各スイッチに最適な予め定める判定条件を設定することができるので、スイッチの操作性を損なうことなく、スイッチに物体などが接触することによって生じる誤動作を確実に防止することができる。
【0141】
また制御部は、入力信号を予め定める周期で所定回数にわたって継続して検出したときに、判定条件を満たしたものと判断するので、各スイッチのスイッチング状態が変化し、たとえば接点開放状態から接点閉鎖状態に変化しまたは接点閉鎖状態から接点開放状態に変化し、この変化した状態が予め定める周期の所定回数にわたる期間で継続したときに、各スイッチに応じた入力信号に応答して、装置本体に動作を制御する。操作者の意図しない外部の作用、たとえば物体などの接触、チャタリングおよびノイズによってスイッチのスイッチング状態が変化する場合、この変化は瞬間的なものである。したがって前記予め定める周期で所定回数にわたる期間を、前記瞬間的に変化する期間よりも大きく設定することによって、操作者の意図しない外部の作用によって発生する装置本体の誤動作を防止でき、操作者の意図した人為的な操作によるスイッチのスイッチング状態の変化をより確実に検出して、装置にスイッチに応じた動作を行なわせることができる。
【0142】
また制御部は、各スイッチのスイッチング状態の変化によって与えられる入力信号を予め定める周期で検出するので、各スイッチのスイッチング状態の変化を監視しながら、予め定める周期の期間内に入力信号の検出以外の他の処理、たとえば入力信号に応答した制御信号を出力することができ、制御部の処理効率を向上させることができる。
また、露出面積が大きいスイッチは、衣服などの物体に接触しやすいが、使用者の意図した人為的な操作によってスイッチのスイッチング状態が変化したときだけ、装置にスイッチに応じた動作を行なわせることができる。
【0143】
また本発明によれば、制御部は、入力信号を所定時間にわたって継続して検出したとき、判定条件を満たしたものと判断するので、各スイッチのスイッチング状態が変化し、たとえば接点開放状態から接点閉鎖状態に変化しまたは接点閉鎖状態から接点開放状態に変化し、この変化した状態が所定時間にわたって継続したときに、各スイッチに応じた入力信号に応答して、装置本体に動作を制御する。操作者の意図しない外部の作用、たとえば物体などの接触、チャタリングおよびノイズによってスイッチのスイッチング状態が変化する場合、この変化は瞬間的なものである。したがって前記所定時間を、前記瞬間的に変化する期間よりも大きく設定することによって、操作者の意図しない外部の作用によって発生する装置本体の誤動作を防止でき、操作者の意図した人為的な操作によるスイッチのスイッチング状態の変化をより確実に検出して、装置にスイッチに応じた動作を行なわせることができる。
【0144】
また制御部は、各スイッチのスイッチング状態の変化によって与えられる入力信号を予め定める周期で検出するので、各スイッチのスイッチング状態の変化を監視しながら、予め定める周期の期間内に入力信号の検出以外の他の処理、たとえば入力信号に応答した制御信号を出力することができ、制御部の処理効率を向上させることができる。
また、露出面積が大きいスイッチは、衣服などの物体に接触しやすいが、使用者の意図した人為的な操作によってスイッチのスイッチング状態が変化したときだけ、装置にスイッチに応じた動作を行なわせることができる。
【0147】
また本発明によれば、制御部は、入力信号を予め定める周期で所定回数にわたって継続して検出し、かつ入力信号の入力回数が予め定める値に達したとき、判定条件を満たしたものと判断するので、各スイッチのスイッチング状態が変化し、たとえば接点開放状態から接点閉鎖状態に変化しまたは接点閉鎖状態から接点開放状態に変化し、この変化した状態が予め定める周期の所定回数にわたる期間で継続し、かつ各スイッチのスイッチング状態の変化が複数回変化したとき、たとえば押下することによって接点が開放または閉鎖するスイッチでは複数回押下したとき、各スイッチに応じた入力信号に応答して、装置本体に動作を制御する。
【0148】
操作者の意図しない外部の作用、たとえば物体などの接触、チャタリングおよびノイズによってスイッチのスイッチング状態が変化する場合、この変化は瞬間的なものである。したがって前記予め定める周期で所定回数にわたる期間を、前記瞬間的に変化する期間よりも大きく設定し、かつ前記入力信号の入力回数を、n(nは、2以上の自然数)回以上に設定することによって、操作者の意図しない外部の作用によって発生する装置本体の誤動作を防止でき、操作者の意図した人為的な操作によるスイッチのスイッチング状態の変化をより確実に検出して、装置にスイッチに応じた動作を行なわせることができる。
【0149】
また制御部は、各スイッチのスイッチング状態の変化によって与えられる入力信号を予め定める周期で検出するので、各スイッチのスイッチング状態の変化を監視しながら、予め定める周期の期間内に入力信号の検出以外の他の処理、たとえば入力信号に応答した制御信号を出力することができ、制御部の処理効率を向上させることができる。
【0150】
また露出面積が大きいスイッチは、衣服などの物体に接触しやすいが、使用者の意図した人為的な操作によってスイッチのスイッチング状態が変化したときだけ、装置にスイッチに応じた動作を行なわせることができる。
【0153】
また本発明によれば、操作部と制御部との間に前記入力信号の信号レベルを緩慢に変化させる遅延回路が設けられるので、操作部の各スイッチのスイッチング状態が変化することによって制御部に与えられる入力信号の信号レベルの急峻な変化を防止し、制御部が入力信号に応答するまでの時間を長くすることができる。したがって、スイッチのスイッチング状態の変化が操作によるものかどうかをより確実に判断することができ、操作者に意図しない作用によって発生する装置の誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の一形態の入力制御装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図2は入力制御装置1の操作部3の外観図である。
【図3】入力制御装置1の操作部3の各スイッチのスイッチング状態の変化によって装置本体2の動作を決定する制御部4の処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】予め定める操作特性を有するスイッチを除くスイッチのスイッチング状態が変化したときに、A/D変換器6に与えられる入力信号である電圧値の波形を示す図である。
【図5】予め定める操作特性を有するスイッチのスイッチング状態が変化したときに、A/D変換器6に与えられる入力信号である電圧値の波形を示す図である。
【図6】本発明の実施の他の形態の入力制御装置の操作部の各スイッチのスイッチング状態の変化によって装置本体の動作を決定する制御部の処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】予め定める操作特性を有するスイッチのスイッチング状態が変化したときに、A/D変換器6に与えられる入力信号である電圧値の波形を示す図である。
【図8】予め定める操作特性を有するスイッチのスイッチング状態が変化したときに、A/D変換器6に与えられる入力信号である電圧値の波形を示す図である。
【図9】本発明の実施のさらに他の形態における入力制御装置21の電気的構成を示すブロック図である。
【図10】予め定める操作特性を有するスイッチのスイッチング状態が変化したときに、A/D変換器6に与えられる入力信号である電圧値の波形を示す図である。
【図11】従来の技術の入力制御装置の操作部の各スイッチのスイッチング状態の変化によって装置本体の動作を決定する制御部の処理動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1,21 入力制御装置
2 装置本体
3 操作部
4 制御部
SW1〜SW10 スイッチ
Claims (4)
- 装置本体と、
装置本体の動作を選択するための複数のスイッチを有する操作部と、
前記装置本体に設けられ、操作部の各スイッチのスイッチング状態の変化によって与えられる各スイッチに応じた入力信号に応答して、装置本体の動作を制御する制御信号を出力する制御部とを含み、
前記複数のスイッチは、その操作片がケーシングから外部に露出するように設けられ、操作片のケーシングから外部に露出する部分の面積が異なる第1および第2のスイッチを含み、
前記制御部は、各スイッチのスイッチング状態の変化が予め定める判定条件を満たしたとき、各スイッチに応じた入力信号に応答し、制御信号を出力して装置本体の動作を制御し、各スイッチのスイッチング状態の変化が前記予め定める判定条件を満たさないとき、各スイッチに応じた入力信号を無効とし、
前記制御部は、入力信号を予め定める周期で検出し、この入力信号を前記予め定める周期で所定回数にわたって継続して検出したとき、前記判定条件を満たしたものと判断し、前記第1および第2のスイッチのうち操作片のケーシングから外部に露出する部分の面積が大きいスイッチに対応する所定回数は、操作片のケーシングから外部に露出する部分の面積が小さいスイッチに対応する所定回数よりも大きくしていることを特徴とする入力制御装置。 - 装置本体と、
装置本体の動作を選択するための複数のスイッチを有する操作部と、
前記装置本体に設けられ、操作部の各スイッチのスイッチング状態の変化によって与えられる各スイッチに応じた入力信号に応答して、装置本体の動作を制御する制御信号を出力する制御部とを含み、
前記複数のスイッチは、その操作片がケーシングから外部に露出するように設けられ、操作片のケーシングから外部に露出する部分の面積が異なる第1および第2のスイッチを含み、
前記制御部は、各スイッチのスイッチング状態の変化が予め定める判定条件を満たしたとき、各スイッチに応じた入力信号に応答し、制御信号を出力して装置本体の動作を制御し、各スイッチのスイッチング状態の変化が前記予め定める判定条件を満たさないとき、各スイッチに応じた入力信号を無効とし、
前記制御部は、入力信号を予め定める周期で検出し、この入力信号を所定時間にわたって継続して検出したとき、前記判定条件を満たしたものと判断し、前記第1および第2のスイッチのうち操作片のケーシングから外部に露出する部分の面積が大きいスイッチに対応する所定時間は、操作片のケーシングから外部に露出する部分の面積が小さいスイッチに対応する所定時間よりも長くしていることを特徴とする入力制御装置。 - 装置本体と、
装置本体の動作を選択するための複数のスイッチを有する操作部と、
前記装置本体に設けられ、操作部の各スイッチのスイッチング状態の変化によって与えられる各スイッチに応じた入力信号に応答して、装置本体の動作を制御する制御信号を出力する制御部とを含み、
前記複数のスイッチは、その操作片がケーシングから外部に露出するように設けられ、操作片のケーシングから外部に露出する部分の面積が異なる第1および第2のスイッチを含み、
前記制御部は、各スイッチのスイッチング状態の変化が予め定める判定条件を満たしたとき、各スイッチに応じた入力信号に応答し、制御信号を出力して装置本体の動作を制御し、各スイッチのスイッチング状態の変化が前記予め定める判定条件を満たさないとき、各スイッチに応じた入力信号を無効とし、
前記制御部は、入力信号を予め定める周期で検出し、この入力信号を前記予め定める周期で所定回数にわたって継続して検出し、かつ入力信号の入力回数が予め定める値に達したとき、前記判定条件を満たしたものと判断し、前記第1および第2のスイッチのうち操作片のケーシングから外部に露出する部分の面積が大きいスイッチに対応する所定回数は、操作片のケーシングから外部に露出する部分の面積が小さいスイッチに対応する所定回数よりも大きくしていることを特徴とする入力制御装置。 - 操作部と制御部との間に前記入力信号の信号レベルを緩慢に変化させる遅延回路が設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の入力制御装置。
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