JP4311136B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料および有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子用材料および有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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本発明は平面光源や表示に使用される有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。さらに詳しくは、低い駆動電圧で高い色純度と輝度を示す赤色発光を得るための長寿命の有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔とがこれら両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する際に発光するという有機エレクトロルミネッセンス素子は、固体発光型の表示素子としての用途が有望視され、近年、活発に研究開発が行われている。
従来の有機EL素子は、無機EL素子に比べて駆動電圧が高く、発光輝度、発光効率も低水準に留まっていた。また、特性劣化も著しかった為に実用化には至っていなかった。近年の活発な研究は、イーストマン・コダック社のC.W.Tang氏らにより1987年に報告された有機薄膜を積層したエレクトロルミネッセンス素子に端を発している。この報告では、金属キレート錯体を発光層、アミン系化合物を正孔注入層に使用することで、6〜10Vの直流電圧での輝度が数1000(cd/m2)、最大発光効率が1.5(lm/W)の緑色発光を得ている。現在、様々な研究機関で開発が進められている有機エレクトロルミネッセンス素子は、基本的にこのイーストマン・コダック社の構成を踏襲しているといえる。
これまでに、様々な材料を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の研究が進められてきたがホスト材料の中に微量のドーパントを共蒸着などの方法によって混入させて発光層を形成し、ドーパントからの発光を得るという方法が有効な方法として検討されている。そのような例として、C.H.Chenら著,Macromol.Symp.,第125号,34〜36頁および49〜58頁,1997年発行に記載されている方法では、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウムをホスト材料に、DCM、DCJ、DCJT、DCJTBといった4H−ピラン誘導体をドーパントとして用い、橙色から赤色の発光を示す有機エレクトロルミネッセンス素子について報告している。
従来の有機エレクトロルミネッセンス素子は、用いられている材料の一重項励起状態からの発光現象を利用したものである。近年は、材料の三重項励起状態からの発光現象を利用することにより、従来の有機エレクトロルミネッセンス素子に比べ、効率の改善された素子(以下、有機りん光発光素子と略す)が報告され、注目を集めている。
これまでの有機りん光発光素子の多くは下記に示されるようなカルバゾール骨格を有する化合物(以下、CBPと記す)を含有している。この化合物は非常に結晶性が高く、安定した膜を得ることが困難である。この理由から、これらの材料を使った有機りん光発光素子には、寿命が短いという問題が内在している。
Figure 0004311136
アプライド・フィジクス・レターズ、51巻、913ページ、1987年 ネイチャー、395巻、151ページ、1998年 アプライド・フィジクス・レターズ、75巻、4ページ、1999年
従来の有機エレクトロルミネッセンス素子では、駆動電圧が高く発光輝度が低いという問題があり、更に、色純度が低いことや寿命が短いという欠点があった。その為、より一層低い駆動電圧で高い色純度と輝度が得られる長寿命の有機エレクトロルミネッセンス素子が求められていた。本発明の目的は、優れた有機エレクトロルミネッセンス素子の開発のために高い発光効率、発光輝度を有し、繰り返し使用時での安定性の優れた有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を提供することにある。
本発明者らは、以上の諸問題を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、下記一般式[1]で表されるアゼピン化合物と、有機金属錯体とを含んでなる有機エレクトロルミネッセンス素子用材料に関する。
一般式[1]
Figure 0004311136
[式中、R1乃至R16は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、および、アリールスルホニル基より選ばれる1価の有機残基である。また、R1乃至R16は、それぞれ隣接する置換基同士で環を形成していてもよい。
Xは、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、および、置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基より選ばれる2価の有機残基、または、直接結合である。]
また、本発明は、一般式[1]で表される含窒素複素環化合物が、少なくとも1つのアミノ基を有する上記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料に関する。
また、本発明は、一対の電極間に発光層または発光層を含む複数層の有機化合物薄膜を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が上記有機エレクトロルミネッセンス素子材料含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
また、本発明は、陰極と発光層との間に電子注入層を形成することを特徴とする上記有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
また、本発明は、電子注入層と発光層との間に正孔阻止層を形成することを特徴とする上記有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
また、本発明は、陽極と発光層との間に正孔注入層を形成することを特徴とする上記有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を用いて作成した有機エレクトロルミネッセンス素子は、従来に比べて低い駆動電圧で発光し長寿命であるため、壁掛けテレビ等のフラットパネルディスプレイや平面発光体として好適に使用することができ、複写機やプリンター等の光源、液晶ディスプレイや計器類等の光源、表示板、標識灯等への応用が可能である。
以下、詳細にわたって本発明を説明する。本発明は、一般式[1]もしくは一般式[2]で表されるアゼピン化合物と、有機金属錯体とを含有する有機エレクトロルミネッセンス素子用材料であるが、これら一般式式中のR1乃至R16 それぞれ独立に、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、および、アリールスルホニル基等より選ばれる1価の有機残基である。
ここで、1価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜18の1価の脂肪族炭化水素基を指し、そのようなものとしては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基があげられる。
本発明における置換もしくは未置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基といった炭素数1〜18のアルキル基があげられる。
また、アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−オクテニル基、1−デセニル基、1−オクタデセニル基といった炭素数2〜18のアルケニル基があげられる。
また、アルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−オクチニル基、1−デシニル基、1−オクタデシニル基といった炭素数2〜18のアルキニル基があげられる。
また、シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基、2−ボルニル基、2−イソボルニル基、1−アダマンチル基といった炭素数3〜18のシクロアルキル基があげられる。
さらに、1価の芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜30の1価の単環、縮合環、環集合芳香族炭化水素基があげられる。ここで、炭素数6〜30の1価の単環芳香族炭化水素基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,4−キシリル基、p−クメニル基、メシチル基等の炭素数6〜30の1価の単環芳香族炭化水素基があげられる。
また、1価の縮合環芳香族炭化水素基としては、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、2−アンスリル基、5−アンスリル基、1−フェナンスリル基、9−フェナンスリル基、1−アセナフチル基、2−トリフェニレニル基、1−クリセニル基、2−アズレニル基、1−ピレニル基、2−トリフェニレル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、1−ペリレニル基、2−ペリレニル基、3−ペリレニル基、2−インデニル基、1−アセナフチレニル基、2−ナフタセニル基、2−ペンタセニル基等の炭素数10〜30の1価の縮合環炭化水素基があげられる。
また、1価の環集合芳香族炭化水素基としては、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基、テルフェニリル基、7−(2−ナフチル)−2−ナフチル基等の炭素数12〜30の1価の環集合炭化水素基があげられる。
また、1価の脂肪族複素環基としては、3−イソクロマニル基、7−クロマニル基、3−クマリニル基、ピペリジノ基、モルホリノ基、2−モルホリニル基等の炭素数3〜18の1価の脂肪族複素環基があげられる。
また、1価の芳香族複素環基としては、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリル、5−イソキノリル基等の炭素数3〜30の1価の芳香族複素環基があげられる。
また、ハロゲン原子としては、弗素原子、塩素原子、臭素原子、および、沃素原子があげられる。
また、本発明におけるアミノ基とは、次の一般式[2]で表される置環基である。
一般式[2]
Figure 0004311136
一般式[2]において、R17およびR18は水素原子、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族複素環基、および、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基より選ばれる1価の有機残基である。
このようなアミノ基としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジ(sec−ブチル)アミノ基、ジ(tert−ブチル)アミノ基、ジペンチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、ジネオペンチルアミノ基、ジ(tert−ペンチル)アミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジイソヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基、ジウンデシルアミノ基、ジドデシルアミノ基、ジトリデシル基、ジテトラデシルアミノ基、ジペンタデシルアミノ基、ジヘキサデシルアミノ基、ジヘプタデシルアミノ基、ジオクタデシルアミノ基、ジノナデシルアミノ基、
ジフェニルアミノ基、ジビフェニリルアミノ基、ビス(ターフェニリル)アミノ基、ビス(クオーターフェニリル)アミノ基、ジ(o−トリル)アミノ基、ジ(m−トリル)アミノ基、ジ(p−トリル)アミノ基、ジキシリルアミノ基、ジ(o−クメニル)アミノ基、ジ(m−トリル)アミノ基、ジ(p−クメニル)アミノ基、ジメシチルアミノ基、ジペンタレニルアミノ基、ジインデニルアミノ基、ジナフチルアミノ基、ビス(ビナフタレニル)アミノ基、ビス(ターナフタレニル)アミノ基、ビス(クオーターナフタレニル)アミノ基、ジアズレニルアミノ基、ジヘプタレニルアミノ基、ビス(ビフェニレニル)アミノ基、ジインダセニルアミノ基、ジフルオランテニルアミノ基、ジアセナフチレニルアミノ基、ビス(アセアントリレニル)アミノ基、ジフェナレニルアミノ基、ジフルオレニルアミノ基、ジアントリルアミノ基、ビス(ビアントラセニル)アミノ基、ビス(ターアントラセニル)アミノ基、ビス(クオーターアントラセニル)アミノ基、ビス(アントラキノリル)アミノ基、ジフェナントリルアミノ基、ジトリフェニレニルアミノ基、ジピレニルアミノ基、ジクリセニルアミノ基、ジナフタセニルアミノ基、ジプレイアデニルアミノ基、ジピセニルアミノ基、ジペリレニルアミノ基、ビス(ペンタフェニル)アミノ基、ジペンタセニルアミノ基、ビス(テトラフェニレニル)アミノ基、ビス(ヘキサフェニル)アミノ基、ジヘキサセニルアミノ基、ジルビセニルアミノ基、ジコロネニルアミノ基、ビス(トリナフチレニル)アミノ基、ビス(ヘプタフェニル)アミノ基、ジヘプタセニルアミノ基、ジピラントレニルアミノ基、ジオバレニルアミノ基、
メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチル基、メチルペンチルアミノ基、メチルヘキシルアミノ基、エチルプロピルアミノ基、エチルブチルアミノ基、エチルペンチルアミノ基、エチルヘキシルアミノ基、プロピルブチルアミノ基、プロピルペンチルアミノ基、プロピルヘキシルアミノ基、ブチルペンチルアミノ基、ブチルヘキシルアミノ基、ペンチルヘキシルアミノ基、
フェニルビフェニリルアミノ基、フェニルターフェニリルアミノ基、フェニルナフチルアミノ基、フェニルアントリルアミノ基、フェニルフェナントリルアミノ基、ビフェニリルナフチルアミノ基、ビフェニリルアントリルアミノ基、ビフェニリルフェナントリルアミノ基、ビフェニリルターフェニリルアミノ基、ナフチルアントリルアミノ基、ナフチルフェナントリルアミノ基、ナフチルターフェニリルアミノ基、アントリルフェナントリルアミノ基、アントリルターフェニリルアミノ基、
メチルフェニルアミノ基、メチルビフェニリルアミノ基、メチルナフチルアミノ基、メチルアントリルアミノ基、メチルフェナントリルアミノ基、メチルターフェニリルアミノ基、エチルフェニルアミノ基、エチルビフェニリルアミノ基、エチルナフチルアミノ基、エチルアントリルアミノ基、エチルフェナントリルアミノ基、エチルターフェニリルアミノ基、プロピルフェニルアミノ基、プロピルビフェニリルアミノ基、プロピルナフチルアミノ基、プロピルアントリルアミノ基、プロピルフェナントリルアミノ基、プロピルターフェニリルアミノ基、ブチルフェニルアミノ基、ブチルビフェニリルアミノ基、ブチルナフチルアミノ基、ブチルアントリルアミノ基、ブチルフェナントリルアミノ基、ブチルターフェニリルアミノ基、ペンチルフェニルアミノ基、ペンチルビフェニリルアミノ基、ペンチルナフチルアミノ基、ペンチルアントリルアミノ基、ペンチルフェナントリルアミノ基、ペンチルターフェニリルアミノ基、ヘキシルフェニルアミノ基、ヘキシルビフェニリルアミノ基、ヘキシルナフチルアミノ基、ヘキシルアントリルアミノ基、ヘキシルフェナントリルアミノ基、ヘキシルターフェニリルアミノ基、ヘプチルフェニルアミノ基、ヘプチルビフェニリルアミノ基、ヘプチルナフチルアミノ基、ヘプチルアントリルアミノ基、ヘプチルフェナントリルアミノ基、ヘプチルターフェニリルアミノ基、オクチルフェニルアミノ基、オクチルビフェニリルアミノ基、オクチルナフチルアミノ基、オクチルアントリルアミノ基、オクチルフェナントリルアミノ基、オクチルターフェニリルアミノ基、ビス[4−(α,α’−ジメチルベンジル)フェニル]アミノ基等があげられる。
また、アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、2−ボルニルオキシ基、2−イソボルニルオキシ基、1−アダマンチルオキシ基等の炭素数1〜18のアルコキシル基があげられる。
また、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、2−フェナントリルオキシ基、1−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−クリセニル基、3−ペリレニル基、1−ペンタセニル基といった炭素数6〜30のアリールオキシ基があげられる。
また、アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、イソヘキシルチオ基、ヘプチル基、オクチルチオ基といった炭素数1〜18のアルキルチオ基があげられる。
また、アリールチオ基としては、フェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、4−tert−ブチルフェニルチオ基、1−ナフチルチオといった炭素数6〜30のアリールチオ基があげられる。
また、アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、シクロヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、トルオイル基、アニソイル基、シンナモイル基等の炭素数2〜18のアシル基があげられる。
また、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルビニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等の炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基があげられる。
また、アリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−フェナントリルオキシカルボニル基等の炭素数7〜30のアリールオキシカルボニル基があげられる。
また、アルキルスルホニル基としては、メシル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、ヘプチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、ノニルスルホニル基等の炭素数1〜18のアルキルスルホニル基があげられる。
また、アリールスルホニル基としては、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基等の炭素数6〜30のアリールスルホニル基があげられる。
これら置換基は、さらに他の置換基によって置換されていても良く、また、これら置換基同士が結合し、環を形成していても良い。
次に、一般式[1]におけるXは、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、および、置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基より選ばれる2価の有機残基、または、直接結合である。ここで、2価の芳香族炭化水素基とは、2価の単環もしくは縮合環、環集合芳香族炭化水素基を意味し、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アンスリレン基、ビフェニレン基、p−テルフェニル−4,4’’−ジイル基、m−テルフェニル−3,3’’−ジイル基、m−テルフェニル−4,4’−ジイル基、[1,2’−ビナフタレン]−4,5’−ジイル等の炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基があげられる。また、2価の芳香族複素環基とは、2価の単環もしくは縮合環、環集合芳香族複素環基を意味し、例えば、2,5−フリレン基、2,5−チエニレン基、2,5−ピリジレン基、2,5−ピラジレン基、2,6−キシリレン基、1,4−イソキノリレン基、2,3−キノキサリレン基等の炭素数4〜30の2価の芳香族複素環基があげられる。
以上述べた2価の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基の内、好ましいものとしては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等の炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基があげられる。
以上、本発明で用いる一般式[1]で表されるアゼピン化合物について説明したが、これら化合物の分子量としては、2000以下が好ましく、1500以下が更に好ましく、1000以下が特に好ましい。この理由としては、分子量が大きくなるに従い、蒸着により素子を作製する場合の蒸着性が悪くなることが考えられるためである。
以上、本発明に用いる一般式[1]で表されるアゼピン化合物について説明したが、これらの化合物の分子量としては、2000以下が好ましく、1500以下がさらに好ましく、1000以下が特に好ましい。この理由として、分子量が大きいと、蒸着によって素子を作成する場合の蒸着性が悪くなる懸念が考えられるためである。
以下、表1に本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料として用いることができる一般式[1]で表されるアゼピン化合物の代表例を示すが、本発明は、なんらこれらに限定されるものではない。表1で、t−Buはtert−ブチル基を、Phはフェニル基を、Tolはp−トリル基を表す。
Figure 0004311136
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ところで、有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極と陰極間に一層または多層の有機層を形成した素子から構成されるが、ここで、一層型有機エレクトロルミネッセンス素子とは、陽極と陰極との間に発光層のみからなる素子を指す。発光層は、発光材料を含有し、それに加えて陽極から注入した正孔もしくは陰極から注入した電子を発光材料まで輸送させるために正孔注入材料もしくは電子注入材料を含有しても良い。電子注入材料とは陰極から電子を注入されうる能力を有する材料であり、電子輸送材料とは注入された電子を発光層へ輸送する能力を持つ材料である。正孔注入材料とは、陽極から正孔を注入されうる能力を持つ材料であり、正孔輸送材料とは、注入された正孔を発光層へ輸送する能力を持つ材料である。一方、多層型有機エレクトロルミネッセンス素子とは、発光層の他に、発光層への正孔や電子の注入を容易にしたり、発光層内での正孔と電子との再結合を円滑に行わせたりすることを目的として、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子注入層などを積層させたものを指す。有機エレクトロルミネッセンス素子は、多層構造にすることにより、クエンチングによる輝度や寿命の低下を防ぐことができる。
多層型有機エレクトロルミネッセンス素子の代表的な素子構成としては、(1)陽極/正孔注入層/発光層/陰極、(2)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極、(3)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極、(4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極、(5)陽極/正孔注入層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(7)陽極/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(8)陽極/発光層/電子注入層/陰極等の多層構成で積層した素子構成が考えられる。これらの各層の材料とその構成は、材料のエネルギー準位、耐熱性、有機層もしくは金属電極との密着性等の各要因により選択され、決定される。
発光層には、必要があれば、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料に加えて、さらなる既存の有機蛍光色素を含む公知の発光材料、ドーピング材料、正孔注入材料、および、電子注入材料を使用することもできる。必要があれば、発光材料、ドーピング材料、正孔注入材料、電子注入材料等を組み合わせて使用することも出来る。また、ドーピング材料との組み合わせにより、発光輝度、発光効率を向上させ、青色から赤色にわたる発光を得ることもできる。
本発明で用いられるアゼピン化合物と共に発光層に使用できる発光材料またはドーピング材料としては、有機金属錯体がある。金属原子としては通常、遷移金属が用いられ、好ましくは周期律表で第5周期または第6周期、族では6族から11族、更に好ましくは、8族から10族の元素が対象となる。具体的にはイリジウムや白金などである。また、配位子としては2−フェニルピリジン、2−(2'−ベンゾチエニル)ピリジン、2−(2'−チエニル)ピリジン、2−(2'−オキサゾリル)ピリジン、2−(2'−ベンゾキサゾリル)ピリジン、2−(2'−ベンゾチアゾリル)ピリジン、1−(2'−ベンゾチアゾリル)ナフタレン、1−(2'−ベンゾキサアゾリル)ナフタレンなどがあり、これらの配位子上の炭素原子が金属と直接結合しているのが特徴である。別の例としてはポルフィリンまたはテトラアザポルフィリン錯体などがあり、中心金属としては白金などが挙げられる。本発明で用いられるアゼピン化合物と共に発光層に使用できる有機金属錯体の代表例を以下の表2に具体的に例示するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
Figure 0004311136
Figure 0004311136
本発明で用いられるアゼピン化合物、および、有機金属錯体については発光層中での存在比は何れが主成分であってもよい。好ましくは、有機金属錯体に対してアゼピン化合物の存在比が50%以上であるホスト材料として使用することである。
正孔注入層には、発光層に対して優れた正孔注入効果を示し、かつ陽極界面との密着性と薄膜形成性に優れた正孔注入層を形成できる正孔注入材料が用いられる。また、このような材料を多層積層させ、正孔注入効果の高い材料と正孔輸送効果の高い材料とを多層積層させた場合、それぞれに用いる材料を正孔注入材料、正孔輸送材料と呼ぶことがある。そのような正孔注入材料あるいは正孔輸送材料の例としては、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾールチオン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、テトラヒドロイミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、アシルヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、芳香族三級アミン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリシラン誘導体等があげられるが、素子作成に必要な薄膜を形成し、陽極からの正孔を注入ができて、正孔を輸送できる材料であれば、特にこれらに限定されるものではない。
上記材料の中でも特に好適に使用することのできる正孔注入材料あるいは正孔輸送材料としては、芳香族三級アミン誘導体、フタロシアニン誘導体、および、トリフェニレン誘導体があげられる。芳香族三級アミン誘導体としては、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−フェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−(メチルフェニル)−N,N’−(4−n−ブチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N−ビス(4−ジ−4−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサン、およびこれら芳香族三級アミン骨格を有するオリゴマーまたはポリマーがあげられ、これらは正孔注入材料、正孔輸送材料いずれにも好適に使用することができる。
また、フタロシアニン(Pc)誘導体としては、例えば、H2Pc、CuPc、CoPc、NiPc、ZnPc、PdPc、FePc、MnPc、ClAlPc、ClGaPc、ClInPc、ClSnPc、Cl2SiPc、(HO)AlPc、(HO)GaPc、VOPc、TiOPc、MoOPc、GaPc−O−GaPc等のフタロシアニン誘導体があげられ、これらは特に正孔注入材料に好適に使用することができる。
トリフェニレン誘導体の具体例としては、ヘキサメトキシトリフェニレン、ヘキサエトキシトリフェニレン、ヘキサヘキシルオキシトリフェニレン、ヘキサベンジルオキシトリフェニレン、トリメチレンジオキシトリフェニレン、トリエチレンジオキシトリフェニレンなどのヘキサアルコキシトリフェニレン類、ヘキサフェノキシトリフェニレン、ヘキサナフチルオキシトリフェニレン、ヘキサビフェニリルオキシトリフェニレン、トリフェニレンジオキシトリフェニレンなどのヘキサアリールオキシトリフェニレン類、ヘキサアセトキシトリフェニレン、ヘキサベンゾイルオキシトリフェニレンなどのヘキサアシロキシトリフェニレン類等があるが、これらに限定されるものではない。
電子注入層には、発光層に対して優れた電子注入効果を示し、かつ陰極界面との密着性と薄膜形成性に優れた電子注入層を形成できる電子注入材料が用いられる。そのような電子注入材料の例としては、金属錯体化合物、含窒素五員環誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェノキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ペリレンテトラカルボン酸誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、シロール誘導体、カルシウムアセチルアセトナート、酢酸ナトリウムなどがあげられる。また、セシウム等の金属をバソフェナントロリンにドープした無機/有機複合材料(高分子学会予稿集,第50巻,4号,660頁,2001年発行に記載)や第50回応用物理学関連連合講演会講演予稿集、No.3、1402頁、2003年発行記載のBCP、TPP、T5MPyTZ等も電子注入材料の例としてあげられるが、素子作成に必要な薄膜を形成し、陰極からの電子を注入できて、電子を輸送できる材料であれば、特にこれらに限定されるものではない。
上記電子注入材料の中でも特に効果的な電子注入材料としては、金属錯体化合物または含窒素五員環誘導体があげられる。本発明に使用可能な電子注入材料の内、好ましい金属錯体化合物としては、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(2−ナフトラート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(4−シアノ−1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(4−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(5−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(2−ナフトラート)アルミニウム、ビス(5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)アルミニウム、ビス(5−シアノ−8−ヒドロキシキノリナート)(4−シアノ−1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)クロロアルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(o−クレゾラート)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物、
トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、トリス(2−メチル−5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(2−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(4−シアノ−1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2、4−ジメチル−8−ヒドロキシキノリナート)(1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2、5−ジメチル−8−ヒドロキシキノリナート)(2−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)ガリウム、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−ヒドロキシキノリナート)(4−シアノ−1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム等のガリウム錯体化合物の他、
8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛等の金属錯体化合物があげられる。
また、本発明に使用可能な電子注入材料の内、好ましい含窒素五員環誘導体としては、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体があげられ、具体的には、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−(5 −フェニルオキサジアゾリル)]ベンゼン、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン]、2−(4’−tert− ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリル)]ベンゼン、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)−1,3,4−トリアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルトリアゾリル)]ベンゼン等があげられるが、これらに限定されるものではない。
さらに、正孔阻止層には、発光層を経由した正孔が電子注入層に達するのを防ぎ、薄膜形成性に優れた層を形成できる正孔阻止材料が用いられる。そのような正孔阻止材料の例としては、2−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−トリアゾールや2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾールに代表されるアゾール(含窒素五員環)類、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物や、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(4−フェニルフェノラート)ガリウム等のガリウム錯体化合物、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)等の含窒素縮合芳香族化合物があげられるが、これらに限定されるものではない。
更に、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極に使用される材料は、炭素、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、銀、金、白金、パラジウム等の金属およびそれらの合金、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)等の導電性金属酸化物、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性ポリマー等があげられる。特に本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極に使用される導電性材料としては、できるだけ抵抗値の低いものが好ましく、ITOガラス、NESAガラスが好適に使用される。
また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の陰極に使用される材料は、電子を効率よく有機エレクトロルミネッセンス素子に注入できる材料であれば特に限定されないが、一般に、白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびこれらの合金があげられる。ここで、合金としては、マグネシウム/銀、マグネシウム/インジウム、リチウム/アルミニウム等が代表例としてあげられるが、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの低仕事関数金属を含む合金が好ましい。また、フッ化リチウムのような無機塩を上記低仕事関数金属の替わりに使用することも可能である。また、これら陰極の作成方法としては、抵抗加熱、電子線ピーム照射、スパッタリング、イオンプレーティング、コーティングなどの業界公知の方法で作成することができる。以上述べた陽極および陰極は、必要に応じて二層以上の層構成により形成されていても良い。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子からの発光を効率よく取り出すためには、発光を取り出す面の基板の材質が十分透明であることが望ましく、具体的には素子からの発光の発光波長領域における透過率が50%以上、好ましくは90%以上であることが望ましい。これら基板は、機械的、熱的強度を有し、透明であれば特に限定されるものではないが、例えば、ガラスの他、ポリエチレン、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン等の透明性ポリマーが推奨される。
また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の各層の形成方法としては、真空蒸着、電子線ピーム照射、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法、もしくはスピンコーティング、ディッピング、フローコーティング等の湿式成膜法のいずれかの方法を適用することができる。各層の膜厚は特に限定されるものではないが、膜厚が厚すぎると一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要となり効率が悪くなり、逆に膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生し、電界を印加しても充分な発光輝度が得にくくなる。したがって、各層の膜厚は、1nmから1μmの範囲が適しているが、10nmから0.2μmの範囲がより好ましい。
湿式成膜法による場合には、各層を形成する材料をエタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の適切な溶媒に溶解または分散させて薄膜を形成するが、その溶媒はいずれであっても良い。また、いずれの有機薄膜層においても、成膜性向上、膜のピンホール防止等のため適切な樹脂や添加剤を使用しても良い。使用の可能な樹脂としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース等の絶縁性樹脂およびそれらの共重合体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の光導電性樹脂、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂を挙げることができる。また、添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等を挙げることができる。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子の温度、湿度、雰囲気等に対する安定性向上のために、素子の表面に保護層を設けたり、樹脂等により素子全体を被覆や封止を施したりしても良い。特に素子全体を被覆や封止する際には、光によって硬化する光硬化性樹脂が好適に使用される。
以上述べたように、本有機エレクトロルミネッセンス素子は、低い駆動電圧で高い色純度と輝度を示す赤色発光を得ることが可能である。故に、本有機エレクトロルミネッセンス素子は、壁掛けテレビ等のフラットパネルディスプレイや平面発光体として、更には、複写機やプリンター等の光源、液晶ディスプレイや計器類等の光源、表示板、標識灯等への応用が考えられる。
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。本例では、特に断りのない限り、混合比は全て重量比を示す。
表1に掲げた例示化合物の合成は、下記のAngew. Chem.、68巻、518頁、1956年、Chem. Ber.、89巻、2602頁、1956年、および、Chem. Ber.、90巻、1628頁、1957年を参考に行なった。
例えば化合物(1)の合成は、次の方法により合成することができる。先ず、下記に示す化合物(A)とo−フタルアルデヒドとを、tert−ブトキシカリウム存在下に反応させ、化合物(B)を合成する。次に、この化合物(B)に対して加水分解反応、脱カルボキシ反応、および、臭素化反応を施すことにより化合物(C)を合成する。更に化合物(C)と4,4'−ビフェニルジボロン酸とを、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウムおよび炭酸ナトリウム存在下、トルエン中で加熱還流を行なう。両者のクロスカップリング反応により、表1に掲げた化合物(1)を合成することができる。
化合物(A)
Figure 0004311136
化合物(B)
Figure 0004311136
化合物(C)
Figure 0004311136
以下の実施例においては、特に断りのない限り、混合比は全て重量比を示す。蒸着(真空蒸着)は10-6torrの真空中で、基板加熱、冷却等の温度制御なしの条件下で行った。また、素子の発光特性評価においては、電極面積2mm×2mmの有機エレクトロルミネッセンス素子の特性を測定した。測定は1Vずつ上昇しながら各電圧で電流、輝度、色度を記録した。最大発光輝度および効率は各電圧ごとの測定値の最大値であり、その時の電圧は素子により異なる。
実施例1
洗浄したITO電極付きガラス板上に、化合物(26)、化合物(B)、N,N’―(3―メチルフェニル)―N,N’―ジフェニル―1,1’―ビフェニル-4,4’―ジアミン(TPD)、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、ポリカーボネート樹脂(帝人化成:パンライトK−1300)を20:5:15:10:50の重量比でテトラヒドロフランに溶解させ、スピンコーティング法により膜厚100nmの発光層を得た。このとき得られた膜は非常に安定で、凝集し結晶化をおこすといった現象は観察されなかった。その上に、マグネシウムと銀を10:1で混合した合金で膜厚150nmの電極を形成して有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。この素子の発光特性は、直流電圧10Vでの発光輝度2600(cd/m2)、最大発光輝度12000(cd/m2)、発光効率6.1(cd/A)の緑色発光が得られた。
実施例2
洗浄したITO電極付きガラス板上に、TPDを真空蒸着して膜厚20nmの正孔注入層を得た。次いで、化合物(1)と化合物(A)を93:7の比率で共蒸着し膜厚40nmの発光層を作成し、次いでビス(2−メチル−5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)フェノラートガリウム錯体を蒸着して膜厚30nmの電子注入層を得た。その上に、マグネシウムと銀を10:1で混合した合金で膜厚100nmの電極を形成して有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。この素子は直流電圧10Vでの発光輝度5100(cd/m2)、最大発光輝度43000(cd/m2)、発光効率8.8(cd/A)の緑色発光が得られた。
実施例3
洗浄したITO電極付きガラス板上に、N,N’―(1―ナフチル)―N,N’―ジフェニル―1,1’―ビフェニル-4,4’―ジアミン(NPD) を真空蒸着して膜厚30nmの正孔注入層を得た。次いで、化合物(5)と化合物(E)を95:5の比率で共蒸着し膜厚40nmの発光層を作成し、次いでビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム錯体を蒸着して膜厚10nmの正孔ブロッキング層、さらにトリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体(Alq3)を蒸着して膜厚30nmの電子注入層を得た。その上に、まずフッ化リチウムを1nm、次いでアルミニウムを200nm蒸着して電極を形成して有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。この素子は直流電圧10Vでの発光輝度1060(cd/m2)、最大発光輝度16600(cd/m2)、発光効率8.1(cd/A)の赤色発光が得られた。
実施例4
洗浄したITO電極付きガラス板上に、NPDを真空蒸着して膜厚30nmの正孔注入層を得た。次いで化合物(10)と化合物(C)を94:6の比率で共蒸着して膜厚50nmの発光層を得た。次いで、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(p−シアノフェノラート)ガリウム錯体を真空蒸着して膜厚20nmの正孔ブロッキング層、さらにAlq3を蒸着して膜厚20nmの電子注入層を得た。その上に、マグネシウムと銀を10:1(重量比)で混合した合金で膜厚250nmの電極を形成して有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。この素子は、直流電圧10Vでの発光輝度1490(cd/m2)、最大発光輝度18700(cd/m2)、発光効率10.1(cd/A)の青色発光が得られた。
実施例5
洗浄したITO電極付きガラス板上に、銅フタロシアニンを真空蒸着して、膜厚20nmの正孔注入層を得た。次いで、NPDを真空蒸着して、膜厚30nmの正孔輸送層を得た。さらに、化合物(11)と化合物(A)を93:7の比率で共蒸着して、膜厚40nmの発光層を作成し、次いでバソクプロインを蒸着して膜厚10nmの正孔ブロッキング層、さらにAlq3を真空蒸着して膜厚30nmの電子注入層を作成した。その上に、フッ化リチウム(LiF)を0.7nm、次いでアルミニウム(Al)を150nm真空蒸着することで電極を形成して、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。この素子は、直流電圧10Vでの発光輝度1860(cd/m2)、最大発光輝度21300(cd/m2)、発光効率18(cd/A)の緑色発光が得られた。また、発光輝度390(cd/m2)で定電流駆動したときの半減寿命は3800時間であった。
実施例6
洗浄したITO電極付きガラス板上に、銅フタロシアニンを真空蒸着して、膜厚10nmの正孔注入層を得た。次いで、4,4’−ビス[N−(9−フェナントリル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルを真空蒸着して膜厚40nmの正孔輸送層を得た。次いで、化合物(12)と化合物(D)を92:8の比率で共蒸着して膜厚50nmの発光層を作成し、さらに3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾールを蒸着して膜厚5nmの正孔ブロッキング層を作成し、次に、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(p−シアノフェノラート)ガリウム錯体を蒸着して膜厚30nmの電子注入層を得た。さらにその上に、マグネシウムと銀を10:1(重量比)で混合した合金で膜厚250nmの電極を形成して有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。この素子は直流電圧10Vで発光輝度2820(cd/m2)、最大発光輝度28100(cd/m2)、発光効率14.1(cd/A)の発光が得られた。また、発光輝度610(cd/m2)で定電流駆動したときの半減寿命は4600時間であった。
実施例7
洗浄したITO電極付きガラス板上に、NPDを真空蒸着して膜厚30nmの正孔注入層を得た。次いで、化合物(14)と化合物(G)を97:3の比率で共蒸着して膜厚40nmの発光層を作成し、次いでビス(2−メチル−5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)アルミニウム錯体を蒸着して膜厚30nmの正孔ブロッキング層、さらにAlq3を真空蒸着して膜厚20nmの電子注入層を作成した。その上にまず、フッ化リチウムを0.5nm、さらにアルミニウムを200nm真空蒸着によって電極を形成して有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。この素子は直流電圧10Vでの発光輝度2100(cd/m2)、最大発光輝度13600(cd/m2)、発光効率6.3(cd/A)の赤色発光が得られた。また、発光輝度720(cd/m2)で定電流駆動したときの半減寿命は4800時間であった。
実施例8
洗浄したITO電極付きガラス板上に、NPDを真空蒸着して膜厚50nmの正孔注入層を得た。次いで、化合物(19)と化合物(C)を85:15の重量比で共蒸着して膜厚40nmの発光層を作成し、次いで、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム錯体を蒸着して膜厚10nmの正孔ブロッキング層、さらにAlq3を蒸着して膜厚30nmの電子注入層を得た。さらにその上に、まず、フッ化マグネシウムを0.5nm、さらにアルミニウムを200nm真空蒸着によって電極を形成して有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。この素子は直流電圧10Vでの発光輝度2820(cd/m2)、最大発光輝度31800(cd/m2)、発光効率5.6(cd/A)の発光が得られた。また、発光輝度580(cd/m2)で定電流駆動したときの半減寿命は3100時間であった。
実施例9
洗浄したITO電極付きガラス板上に、銅フタロシアニンを真空蒸着して、膜厚20nmの正孔注入層を得た。次いで、NPDを真空蒸着して、膜厚30nmの正孔輸送層を得た。さらに、化合物(27)と化合物(B)を90:10の比率で共蒸着して、膜厚40nmの発光層を作成し、次いでビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(p−シアノフェノラート)アルミニウム錯体を蒸着して膜厚10nmの正孔ブロッキング層、さらにAlq3を真空蒸着して膜厚30nmの電子注入層を作成した。その上に、フッ化リチウムを0.7nm、次いでアルミニウムを200nm真空蒸着することで電極を形成して、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。この素子は、直流電圧10Vでの発光輝度3600(cd/m2)、最大発光輝度36300(cd/m2)、発光効率12(cd/A)の発光が得られた。また、発光輝度500(cd/m2)で定電流駆動したときの半減寿命は3600時間であった。
実施例10
洗浄したITO電極付きガラス板上に、銅フタロシアニンを真空蒸着して、膜厚20nmの正孔注入層を得た。次いで、NPDを真空蒸着して、膜厚30nmの正孔輸送層を得た。さらに、化合物(29)と化合物(B)を90:10の比率で共蒸着して、膜厚40nmの発光層を作成し、次いでビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(p−シアノフェノラート)アルミニウム錯体を蒸着して膜厚10nmの正孔ブロッキング層、さらにAlq3を真空蒸着して膜厚30nmの電子注入層を作成した。その上に、フッ化リチウムを0.7nm、次いでアルミニウムを200nm真空蒸着することで電極を形成して、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。この素子は、直流電圧10Vでの発光輝度4120(cd/m2)、最大発光輝度33800(cd/m2)、発光効率34(cd/A)の発光が得られた。また、発光輝度500(cd/m2)で定電流駆動したときの半減寿命は3800時間であった。
実施例11
洗浄したITO電極付きガラス板上に、4,4’−ビス[N−(9−フェナントリル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルを真空蒸着して膜厚30nmの正孔注入層を得た。次いで化合物(30)と化合物(C)を95:5の比率で共蒸着して膜厚50nmの発光層を得た。次いで、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム錯体を真空蒸着して膜厚10nmの正孔ブロッキング層、さらにビス(2−メチル−5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)フェノラートガリウム錯体を蒸着して膜厚30nmの電子注入層を得た。その上に、マグネシウムと銀を10:1(重量比)で混合した合金で膜厚250nmの電極を形成して有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。この素子は、直流電圧10Vでの発光輝度2600(cd/m2)、最大発光輝度41600(cd/m2)、発光効率7.6(cd/A)の青色発光が得られた。
実施例12
洗浄したITO電極付きガラス板上に、4,4’,4”−トリス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミンを真空蒸着して膜厚20nmの正孔注入層を得た。次いで、α−NPDを真空蒸着して、膜厚30nmの正孔輸送層を得た。さらに、化合物(31)と化合物(F)を97:3の比率で共蒸着して、膜厚40nmの発光層を作成し、次いでバソフェナントロリンを蒸着して膜厚5nmの正孔ブロッキング層、さらにAlq3を真空蒸着して膜厚30nmの電子注入層を作成した。その上に、フッ化リチウムを0.7nm、次いでアルミニウムを200nm真空蒸着することで電極を形成して、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。この素子は、直流電圧10Vでの発光輝度3730(cd/m2)、最大発光輝度26600(cd/m2)、発光効率6.9(cd/A)の発光が得られた。また、発光輝度500(cd/m2)で定電流駆動したときの半減寿命は5200時間であった。
実施例13
洗浄したITO電極付きガラス板上に、銅フタロシアニンを真空蒸着して膜厚20nmの正孔注入層を得た。次いで、α−NPDを真空蒸着して膜厚30nmの正孔輸送層を得た。更に、下記に示すクマリン化合物と表1の化合物(36)を1:50(重量比)の組成比で共蒸着して膜厚30nmの発光層を得た。更に、Alq3を真空蒸着して膜厚30nmの電子注入層を作成した。その上に、フッ化リチウムを0.2nm、次いでアルミニウムを150nm真空蒸着することで電極を形成し、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。各層は10-6Torrの真空中で、基板温度室温の条件下で蒸着した。この素子は、直流電圧10Vでの発光輝度3100(cd/m2)、最大発光輝度29600(cd/m2)、発光効率4.6(lm/W)の発光が得られた。
Figure 0004311136
本実施例で半減寿命を明記した例以外の素子において、発光輝度500(cd/m2)で定電流駆動したところ、全ての素子において2500時間を超えても輝度は半減に達していなかった。
比較例1
化合物(26)に代わりに下記の化合物を用いた他は実施例1と同様にして素子を作成した。そのスピンコート膜は容易に凝集し結晶化を起こしてしまうといった欠点を持っていた。この素子の発光特性は、直流電圧10Vでの発光輝度60(cd/m2)、最大発光輝度1200(cd/m2)、発光効率1.8(cd/A)の発光は得られたが、均一の発光ではなく明るい部分と暗い部分が混在していた。また発光輝度500(cd/m2)で定電流駆動すると3時間ほどで短絡してしまった。
Figure 0004311136
比較例2
化合物(1)の代わりにCBPを用いる他は実施例2と同様にして素子を作成した。この素子の発光特性は、直流電圧10Vでの発光輝度1800(cd/m2)、最大発光輝度52000(cd/m2)、発光効率24(cd/A)の発光は得られた。しかし、発光輝度500(cd/m2)で定電流駆動したときの半減寿命は700時間であった。
比較例3
化合物(14)に代わりに下記の化合物を用いる他は実施例10と同様にして素子を作成した。この素子の発光特性は、直流電圧10Vでの発光輝度1360(cd/m2)、最大発光輝度26400(cd/m2)、発光効率3.9(cd/A)の発光は得られた。しかし、発光輝度500(cd/m2)で定電流駆動したときの半減寿命は350時間であった。
Figure 0004311136

Claims (6)

  1. 下記一般式[1]で表されるアゼピン化合物と、有機金属錯体とを含んでなる有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
    一般式[1]
    Figure 0004311136

    [式中、R1乃至R16は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、および、アリールスルホニル基より選ばれる1価の有機残基である。また、R1乃至R16は、それぞれ隣接する置換基同士で環を形成していてもよい。
    Xは、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、および、置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基より選ばれる2価の有機残基、または、直接結合である。]
  2. 一般式[1]で表される含窒素複素環化合物が、少なくとも1つのアミノ基を有する請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
  3. 陽極と陰極とからなる一対の電極間に、発光層または発光層を含む複数層の有機化合物薄膜を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が、請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 陰極と発光層との間に電子注入層を形成することを特徴とする請求項3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 電子注入層と発光層との間に正孔阻止層を形成することを特徴とする請求項3または請求項4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 陽極と発光層との間に正孔注入層を形成することを特徴とする請求項3ないし請求項5いずれか記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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