JP4310584B2 - 研削盤におけるワーク位相決め方法と、その装置 - Google Patents
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Description
即ち、ワークの被研削円柱部が主軸回りへ公転変位される場合の被研削円柱部の主軸回りの位相決めを行う際、ワークを主軸に支持させた後には、たとえワークの種類が変更されたようなときであっても、位相決めのための部材の取替や位置変更を要することなく、研削盤に常設された機構を一定の手順で作動させるのみで省力的に実施することが可能となる。
図1〜図10は本発明を実施したCNC研削盤に係り、図1は研削砥石を前側へ送り移動させた状態を示す全体平面図、図2は研削砥石を後側へ送り移動させた状態を示す全体平面図、図3は衝接面を具備したワーク振れ止め部材及びこれの駆動案内手段を示す側面図、図4はワーク振れ止め部材及びこれの駆動案内手段を示す平面図、図5は図4中の前記駆動案内手段をx1−x1方向から見た図、図6はワークの被研削円柱部の位相決め処理のフローを示す図、図7はワークの被研削円柱部の位相決め処理状態に係りAは第1段階を示す側面図でBは第2段階を示す側面図、図8はワークの被研削円柱部の位相決め処理状態に係り第3段階を示す側面図、図9はワークの被研削円柱部の位相決め処理の変形例に係る側面視説明図、図10はワークの被研削円柱部の位相決め処理の他の変形例に係る側面視説明図である。ここに、CNCはコンピュータ数値制御を意味する。
ステップ100において、コンピュータ数値制御装置38に自動的な位相決定を実行させるためのプログラムを入力部38aから入力し記憶させる。そしてステップ101では、左側主軸台6のチャック14と右側主軸台7のチャック14との間に、クランクシャフトwを配置し、クランクシャフトwの各端部のジャーナルw2、w2の端面中心穴に主軸センタ14a、14aを嵌合させ押圧させ支持させる。これにより、ジャーナルw2中心は主軸9の回転中心に合致される。このとき、チャック14、14は非把持状態であり、また研削対象としてのクランクピンw1は図7Aに示すように例えば主軸中心O1の高さより上側でしかも主軸中心O1の前後位置より少しベッド1前側(ワーク振れ止め部材16側)へ位置した状態(当初座標上で位相角がθsとなる状態)となされる。
(1)前記ステップ103において、クランクピンw1の直径の研削前予定径長をDとしたときに、特定位置p1を図9に示すように主軸中心O1から距離(D/2)だけ離れた位置となす。このように特定位置p1を決定すれば、ステップ104におけるクランクピンw1の主軸9回りの位置は上死点にあることは明らかであるため、径が前記研削前予定径長であると仮定した場合のクランクピンw1が特定位置p1の衝接面a1に接触した状態でのクランクピンw1の主軸9回りの位相角、即ち前記計画上第1位相角値θ1は演算を要することなく確定するのである。
接触制御手段38bが次のように作動させるのであって、即ち、サーボモータ27が作動して、ワーク振れ止め部材16が前進送りされるものとなり、このワーク振れ止め部材16の前進送りにより、衝接面a1はやがて図7Bに示すようにクランクピンw1の前端位置p2に接触するものとなり、該接触によりサーボモータ27の負荷トルクが上昇するが、該負荷トルクが一定値を超えたとき、トリガー信号発出手段39bがトリガー信号を発出し、これに関連して、送り自動停止手段40bがサーボモータ27の送り作動を停止させる。
接触制御手段38b1が次のように作動させるのであって、即ち、サーボモータ27が数値制御装置38により回転非自在状態を解除されて回転自在状態となされることにより、例えば図7Bにおける任意な特定位置p1に位置した衝接面a1が前後方向の移動自在状態となるのであり、次に左右のサーボモータ10、10が作動し、主軸9が時計回りへ送り変位されるのであり、該主軸9の送り変位によりクランクシャフトwが主軸9と同体状に変位され、クランクピンw1の前端位置p2がやがて衝接面a1に接触し、該衝接面a1を押圧するものとなり、該押圧により衝接面a1の位置ずれが生じたとき、これ位置ずれを図示しない検出手段が検出することに関連して左右のサーボモータ10、10の作動が停止され、クランクピンw1の主軸9回りの変位も停止される。
第1接触制御手段38b1が次のように作動させるのであって、即ち、左右のサーボモータ10、10が作動し、主軸9はクランクピンw1が衝接面a1へ近づく側へ変位するように送り変位されるのであり、該主軸9の送り変位によりクランクシャフトwが主軸9と同体状に変位されるものとなり、次にクランクピンw1の前端位置p2がやがて衝接面a1に接触し、該衝接面a1を押圧するのであり、該押圧によりサーボモータ27の出力軸に付与されるトルクが上昇するが、該トルクの大きさが一定値を超えたとき、トリガー信号発出手段39bがトリガー信号を発出し、これに関連して、送り自動停止手段40bがサーボモータ10,10の作動を停止させ主軸9の回転を停止させる。
第2接触制御手段38b2が次のように作動させるのであって、即ち、左右のサーボモータ10、10が作動し、図10に示すように研削対象のクランクピンw1を前記計画上第1位相角値θ1に対して凡そ180度である特定角度Kだけ離れた主軸9回りの位置θ2に旋回させた後に停止されるのであり、このときのクランクピンw1の位置は非回転時の通常状態で回転非自在状態となるサーボモータ10、10により主軸9回りの回転を規制されて固定状態となり、次にサーボモータ27が作動し、ワーク振れ止め部材16が前進送りされるのであり、このワーク振れ止め部材16の前進送りにより、衝接面a1はやがてクランクピンw1の前端位置p2に接触するものとなり、該接触によりサーボモータ27の負荷トルクが上昇するが、該負荷トルクが一定値を超えたとき、トリガー信号発出手段39bがトリガー信号を発出し、これに関連して、送り自動停止手段40bがサーボモータ27の送り作動を停止させる。
当該変形例における計画上第2位相角値θ3を特定する手順は、計画上第1位相角値θ1を特定する既述の場合に準じて種々に変形できる。
12 研削砥石
21b 直状溝(案内軌道)
38b 接触制御手段
41a 第1演算手段
41b 第2演算手段
42 座標上原点設定手段
43 座標上原点修正手段
a1 衝接面
D 研削前予定径長
L1 前後方向距離
L2 前後方向距離
w ワーク(クランクシャフト)
w1 被研削円柱部(クランクピン)
x 前後方向
z 左右方向
θ1 計画上第1位相角値
θ3 計画上第2位相角値
Claims (7)
- ワークの被研削円柱部が左右方向の主軸回りへ公転変位される過程で該被研削円柱部の外周面を研削砥石で研削するように作動する研削盤において、前後方向の案内軌道上を数値制御により送り変位される衝接面を設け、該衝接面を送り変位させて前記被研削円柱部に接触させ、該接触状態の前記衝接面と前記主軸の中心との前後方向距離に基づいて、前記被研削円柱部の径長が研削前予定径長であると仮定したときの、該接触状態での前記被研削円柱部の前記主軸回りの計画上第1位相角値を演算し、次に前記接触状態での前記被研削円柱部の前記主軸回りの数値制御用位相角座標上の位相角値を、前記計画上第1位相角値と合致させるように前記数値制御用位相角座標上の原点を設定することを特徴とする研削盤におけるワーク位相決め方法。
- ワークの被研削円柱部が左右方向の主軸回りへ公転変位される過程で該被研削円柱部の外周面を研削砥石で研削するように作動する研削盤において、前後方向の案内軌道上を数値制御により送り変位される衝接面を設け、該衝接面を送り変位させて前記被研削円柱部に接触させ、該接触状態の前記衝接面と前記主軸の中心との前後方向距離に基づいて、前記被研削円柱部の径長が研削前予定径長であると仮定したときの、該接触状態での前記被研削円柱部の前記主軸回りの計画上第1位相角値を演算し、次に前記接触状態での前記被研削円柱部の前記主軸回りの数値制御用位相角座標上の位相角値を、前記計画上第1位相角値と合致させるように前記数値制御用位相角座標上の原点を設定し、次に前記被研削円柱部の径長を実測し、該実測された径長値と前記研削前予定径長との差分に基づいて前記数値制御用位相角座標上の原点位置を修正することを特徴とする研削盤におけるワーク位相決め方法。
- ワークの被研削円柱部が左右方向の主軸回りへ公転変位される過程で該被研削円柱部の外周面を研削砥石で研削するように数値制御される研削盤において、前後方向の案内軌道上を数値制御により送り変位される衝接面を設け、該衝接面を送り変位させて前記被研削円柱部に接触させ、該接触状態の前記衝接面と前記主軸の中心との前後方向距離に基づいて、前記被研削円柱部の径長が研削前予定径長であると仮定したときの、該接触状態での前記被研削円柱部の前記主軸回りの計画上第1位相角値を演算し、次に前記接触状態での前記被研削円柱部の前記主軸回りの数値制御用位相角座標上の位相角値を、前記計画上第1位相角値と合致させるように前記数値制御用位相角座標上の原点を設定し、次に前記被研削円柱部をさらに凡そ180度程度主軸回りへ旋回させた後、前記衝接面を送り変位して前記被研削円柱部の外周面に再接触させ、該再接触状態での前記衝接面に前記研削前予定径長の前記被研削円柱部が接触したときの、前記被研削円柱部の前記主軸回りの計画上第2位相角値を演算すると共に、該計画上第2位相角値と、前記再接触状態での前記被研削円柱部の前記数値制御用位相角座標上の位相角値との平均値を演算し、次に前記再接触状態での前記被研削円柱部の数値制御用位相角座標上の位相角値を該平均値に合致させるように前記数値制御用位相角座標上の原点位置を修正することを特徴とする研削盤におけるワーク位相決め方法。
- 前記衝接面が、前記研削砥石による前記被研削円柱部の研削中に、前記被研削円柱部に衝接し、前記被研削円柱部の振れ止め面として機能するものとなされていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の研削盤におけるワーク位相決め方法。
- ワークの被研削円柱部が左右方向の主軸回りへ公転変位される過程で該被研削円柱部の外周面を研削砥石で研削するように作動する研削盤において、前後方向の案内軌道上を数値制御により送り変位されて前記被研削円柱部に衝接される衝接面と、該衝接面を特定位置に位置させた後、前記被研削円柱部を前記主軸回りへ公転させて前記衝接面に接触させるための接触制御手段と、該接触状態の下で前記被研削円柱部の径長が前記研削前予定径長であると仮定したときの前記被研削円柱部の前記主軸回りの計画上第1位相角値を、前記衝接面と前記主軸の中心との前後方向距離から演算する第1演算手段と、前記接触状態での前記被研削円柱部の前記主軸回りの数値制御用位相角座標上の位相角値を、前記計画上第1位相角値と合致させるように前記位相角座標上の原点を設定する座標上原点設定手段とを設けたことを特徴とする研削盤におけるワーク位相決め装置。
- ワークの被研削円柱部が左右方向の主軸回りへ公転変位される過程で該被研削円柱部の外周面を研削砥石で研削するように作動する研削盤において、前後方向の案内軌道上を数値制御により送り変位されて前記被研削円柱部に衝接される衝接面と、該衝接面を特定位置に位置させた後、前記被研削円柱部を前記主軸回りへ公転させて前記衝接面に接触させる接触制御手段と、該接触状態の下で前記被研削円柱部の径長が前記研削前予定径長であると仮定したときの、前記被研削円柱部の前記主軸回りの計画上第1位相角値を、前記衝接面と前記主軸の中心との前後方向距離から演算する第1演算手段と、前記接触状態での前記被研削円柱部の前記主軸回りの数値制御用位相角座標上の位相角値を、前記計画上第1位相角値に合致させるように前記数値制御用位相角座標上の原点を設定する座標上原点設定手段と、前記被研削円柱部の径長を実測し、該実測された径長値と前記研削前予定径長との差分に基づいて前記数値制御用位相角座標上の原点位置を修正する座標上原点修正手段とを設けたことを特徴とする研削盤におけるワーク位相決め装置。
- ワークの被研削円柱部が左右方向の主軸回りへ公転変位される過程で該被研削円柱部の外周面を研削砥石で研削するように作動する研削盤において、前後方向の案内軌道上を数値制御により送り変位されて前記被研削円柱部に衝接される衝接面と、該衝接面を特定位置に位置させた後、前記被研削円柱部を前記主軸回りへ公転させて前記衝接面に接触させる第1接触制御手段と、該接触状態の下で前記被研削円柱部の径長が前記研削前予定径長であると仮定したときの、前記被研削円柱部の前記主軸回りの計画上第1位相角値を、前記衝接面と前記主軸の中心との前後方向距離から演算する第1演算手段と、前記接触状態での前記被研削円柱部の前記主軸回りの数値制御用位相角座標上の位相角値を、前記計画上第1位相角値に合致させるように前記位相角座標上の原点を設定する原点設定手段と、前記接触状態での被研削円柱部をさらに凡そ180度程度主軸回りへ旋回させた後、前記衝接面を送り変位して前記被研削円柱部の外周面に再接触させる第2接触制御手段と、該再接触状態での前記衝接面に前記研削前予定径長の前記被研削円柱部が接触したときの、前記被研削円柱部の前記主軸回りの計画上第2位相角値を演算する第2演算手段と、該計画上第2位相角値と、前記再接触状態での前記被研削円柱部の前記位相角座標上の位相角値との平均値を演算し、前記再接触状態での前記被研削円柱部の数値制御用位相角座標上の位相角値を該平均値に合致させるように前記数値制御用位相角座標上の原点位置を修正する座標上原点修正手段とを設けたことを特徴とする研削盤におけるワーク位相決め装置。
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