JP4308868B2 - ファイバセンシングシステム - Google Patents
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Description
この光学測定装置は、2波長を一定周期で周期的に切り換え、計測部に導き、計測部で被測定物理量に応じた反射利得を同期検波して被測定物理量を検出している。このため、この光学測定装置の場合、計測部の個数は単数に制約されることになる。
本発明は、上述した欠点を解消し、センサ位置の同定ができ、同一光伝送路に複数のセンサを配置可能とし、かつ、2波長系の統合が容易なファイバセンシングシステムを提供することを目的とする。
本願請求項2に係る発明では、前記センサ系は、前記光源から光ファイバに導入された光を分岐させる光カプラと、前記光カプラに接続されているファイバ支線と、前記ファイバ支線の終端面に形成したセンサヘッドと,を備える請求項1記載のファイバセンシングシステムとするものである。
本願請求項3に係る発明では、前記センサヘッドは、前記二つの波長間に中心波長を持
ち、かつ温度または圧力の変化によって反射スペクトルが波長軸上でシフトする誘電体多
層膜フィルタを前記ファイバ支線の終端面に直接蒸着することにより形成され、温度セン
サまたは圧力センサとして使用できるようにしたことを特徴とする請求項1または2のい
ずれかに記載のファイバセンシングシステムとするものである。
本願請求項4に係る発明では、前記センサヘッドは、誘電体多層膜フィルタの膜厚方向
に圧力が印加される構造とすることによって、圧力に応じて変化する上記フィルタの波長シフト量により圧力検出可能な圧力センサとして使用できるようにしてなることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のファイバセンシングシステムとするものである。
的に変化する光フィルタを光ファイバ端面に形成し、その2波長反射利得比より被測定物
理量を計測する方式であることから次のような特徴を有する。
(1−1)FBG(ファイバブラッグ回折格子)方式や分布計測であるブリュリアンOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)、ラマンOTDR方式が反射スペクトル解析を高価につく分光分析によっているのに対し、本発明では光電変換以降、電気回路レベルで解析可能であることから、分析系が簡単安価になる。
(1−2)相補的反射利得比を取ることから検出感度が二倍化される。
(1−3)計測信号の伝送媒体である光ファイバの曲げや捻りや横圧などの外部応力によ
る損失変動や発受光系の感度変化や利得ドリフトなどは上記反射利得比に影響しないため
、安定かつ外乱耐性の高い計測が可能である。
(1−4)上記フィルタは誘電体多層膜をもって容易に実現できるが、複数本束ねたファ
イバ端面に直接多層膜を真空蒸着することが可能であるから、量産性に優れ、従来のFBG
に比して、製造コストを低減することができる。
(1−5)上記ファイバ端面をファイバ軸に対して対称な球面とすることにより、温度の
ほか膜圧垂直方向の圧力や、光学的ブロックとの接触/非接触によるコンタクトスイッチ
として多用できる。
光カプラを介して先端に上記センサを擁するファイバ支線を配置する光バス構成であるた
め、センサそのものを縦続接続する場合に比べ、センサの着脱自由度が大きく、特定のセ
ンサ支線系が故障したとしても、下流に影響しない(センサそのものを縦続接続する場合
は下流での計測は不可能となる)。
(3)ファイバ上の反射イベントに対する位置同定な可能な反射計測方式にはいわゆるOT
DRがあり、この方式を2波長分割多重によって多重化してもよいが、より好ましい方式と
しては、共通のPN符号(Pseudorandom Noise(擬似ランダム)符号)によってオンオフ相
補的に二つの波長光を送出し、PN符号と各波長のファイバ反射光出力との相関解析を行
うことによって上記反射利得比を求めるPNCR(Pseudorandom Noise code Correlation Reflectometer:擬似ランダム符号相関方式)を採用することによって、2波長に対応した
反射計測系を容易に実現することが可能でありかつ経済的である。
ナミックレンジを容易に制御することができる。すなわち微小な反射利得比をも検知する
ことが可能になるため、被測定物理量の微小な変化を検出することができる。
(5)波長シフトに応じて正負逆方向に変化する2つの反射利得比をとるので、単一の
被測定物理量を検出方式に比較して検出感度が倍増する効果がある。
(6)上述と同様に、反射利得比をとることによって、系のドリフトや雑音の影響が非
常に少なくなるという効果がある。
(7)測定系に大きな外乱がある場合でも、誘電体多層膜フィルタの波長シフトに影響し
ない外乱である場合にかぎりはそれば不感であり、また、ファイバ曲げ損失やコネクタ不
良などによる接続損失は、反射利得比には影響しないという効果がある。
<温度を検出できるファイバセンシングシステムとしての例>
図1は、本発明の実施形態に係るファイバセンシングシステムを示す基本構成図である。図2は、本発明の実施形態に係るファイバセンシングシステムを示すシステム構成図である。図3は、本発明の実施形態に係るファイバセンシングシステムにおける2波長反射計測系を説明するために示す図である。ここで、図3(a)は2波長反射計測系を示すブロック図である。図3(b)はファイバスルー本線31に送出されるプローブ光の説明図である。図3(c)は符号生成器から発生される擬似ランダム信号S1、擬似ランダム信号S2であって、横軸に時間を、縦軸に論理[1]、[0]をとったものである。
センサ系の概念を取り入れると、センサ系は図1の光ファイバセンシング系に縦続的に挿入されている形態となる。
6bで取り出し、伝送する光ファイバ57a,57bと、光ファイバ57a,57bで導かれた反射光を電気信号に変換する受光器58a,58bと、前記受光器58aからの検出電気信号を符号生成器51からの擬似ランダム信号で相関をとり反射利得を求める相関器59aと、前記受光器58bからの検出電気信号を符号生成器51からの符号の反対な擬似ランダム信号で相関をとり反射利得を求める相関器59bと、前記二つの相関器59a,59bから出力された反射利得の比を取り、反射利得の比から波長シフトを求め、その波長シフトから被測定物理量を得る波長シフト解析器60とを備えたものである。
相関器59aは符号生成器51からの擬似ランダム信号で相関をとり、また、相関器59bは、符号生成器51からの符号の反対な擬似ランダム信号で相関をとっているので、前記二つの相関器59a,59bは、前記二つ受光器58a,58bからの検出電気信号を相補的な擬似ランダム信号でそれぞれ相関をとり反射利得を求めるようになっている。
誘電体多層膜の材質は、低屈折層にSiO2を、高屈折層にチタニア(TiO2)または5酸化タンタル(Ta2O5)を使用している。
この図5において、センサヘッド34は二つの光の波長(λ1,λ2)の間に中心波長をもつ誘電体多層膜フィルタ34Mが設けられており、その中心周波数が温度または圧力に波長軸上で比例して変化する。このセンサヘッド34の有する特性は、反値を与える二つの波長(λ1,λ2)の間に中心波長を持ち、反値を与える二つの波長(λ1,λ2)に対して概略V字形状をしている。
そこで、センサヘッド34からの反射波を2波長反射計測系5に導き、2波長反射計測系5において反射波利得の比を取ることにより温度または圧力を求めることになる。
図6は、本発明の実施形態に係るファイバセンシングシステムで使用するセンサヘッドが温度に波長がシフトすることを説明するための特性図であって、横軸に温度(Temperature)Tを、縦軸に波長(Wavelength)λ〔nm〕とλGradient〔nm/deg〕を、それぞれ取ったものである。
この図7において、センサヘッド34のファイバのNAをゼロおよび0.12としたときの誘電体多層膜フィルタ34Mの反射分光特性をシミュ レーションによって比較したもので、NA=0は平行ビームに相当し、NA=0.12は通常の単一モードファイバの場合である。NA=0の平行ビームに対してNA=0.12のセンサヘッド34のファイバでは反射減衰量が8〔dB〕程度低くなっており、透過率が僅かにダウンすることになるので、センサヘッド34の誘電体多層膜フィルタ34Mで直接反射させる場合の分光特性には気をつけている。
図8からも分かるように、±50〔deg〕において、二つの波長(λ1,λ2)が−3〔dB〕を中心として−2〔dB〕〜−3〔dB〕に変化することになる。
この図9において、反射率比R1は NA=0では−50〔deg〕で−1.8〔dB〕〜+50〔deg〕で−4.75程度の間でほぼ直線に右肩下がりで下降する。同様に、反射率比R1は、NA=0.12では−50〔deg〕で−2.0〔dB〕〜+50〔deg〕で−4.50程度の間でほぼ直線に右肩さがかりで下降する。
この図10において、反射率比R1,R2の差は、NA=0では−50〔deg〕で−2.5〔dB〕程度〜+50〔deg〕で−2.5程度の間でほぼ直線に右肩下がりで下降する特性をとる。同様に、反射率比R1,R2の差は、NA=0.12では−50〔deg〕で−2.3〔dB〕〜+50〔deg〕で−2.0程度の間でほぼ直線に右肩さがかりで下降する特性をとる。
まず、符号生成器51は、図3(c)に示すような擬似ランダム信号S1を生成する。この符号生成器51から出力された擬似ランダム信号S1は、光源52aに入力される。 符号生成器51では、符号の反転された擬似ランダム信号S2を形成して、光源52bに入力する。
このようなプローブ光は、ファイバスルー本線31をとおり、例えば光カプラ321で分岐されて、ファイバ支線331を通ってセンサヘッド341に送られる。
ファイバスルー本線31からの反射は、合分波器55において、光ファイバ54a,54bに分波される。光ファイバ54a,54bに分波された反射波は、光ファイバ54aでは光カプラ56aを介して光ファイバ57aに導かれ、また、光ファイバ54bでは光カプラ56bを介して光ファイバ57bに導かれる。
受光器58aから出力された電気信号Saは、相関器59aに入力される。同様に、受光器58bから出力された電気信号Sbも、相関器59bに入力される。
この波長シフト解析器60では、前記二つの相関器59a,59bから出力された波長λ1の反射波に関する電気信号Daと、波長λ2の反射波に関する電気信号Dbを基に次の式により反射利得の比を取り、反射利得の比から波長シフトを求め、その波長シフトから被測定物理量である温度を測定できる。
Reflectance Ratio R=r(λ2)/r(λ1)
(1−2)相補的反射利得の比を取ることから検出感度が二倍化される。
(1−3)計測信号の伝送媒体である光ファイバの曲げや捻りや横圧などの外部応力による損失変動や発受光系の感度変化や利得ドリフトなどは上記反射利得比に影響しないため、安定かつ外乱耐性の高い計測が可能である。
(1−4)上記フィルタは誘電体多層膜をもって容易に実現できるが、複数本束ねたファイバ端面に直接多層膜を真空蒸着することが可能であるから、量産性に優れ、従来のFBGに比して、製造コストを低減することができる。
(1−5)上記ファイバ端面をファイバ軸に対して対称な球面とすることにより、温度のほか膜圧垂直方向の圧力や、光学的ブロックとの接触/非接触によるコンタクトスイッチとして多用できる。
(6)上述と同様に、反射利得の比をとることによって、系のドリフトや雑音の影響が非常に少なくなるという効果がある。
(7)測定系に大きな外乱がある場合でも、誘電体多層膜フィルタの波長シフトに影響しない外乱である場合にかぎりはそれば不感であり、また、ファイバ曲げ損失やコネクタ不良などによる接続損失は、反射利得比には影響しないという効果がある。
上記ファイバセンシングシステム1は、圧力検出システムとしても利用ができる。
図11は、本発明に係るファイバセンシングシステムを圧力検出システムとして利用する場合のセンサヘッドを示す図である。
この図11において、センサヘッド341,342,…,34nは、同一構造を有しているので、センサヘッド341を代表にとり、添え字をとって説明することにする。
そして、この圧力センサとして作用するセンサヘッド34を、図1および図2に示すよう配置し、2波長反射計測系5からプローブ光を圧力センサとして作用するセンサヘッド34に与え、その反射光を2波長反射計測系5に取り込み、2波長反射計測系5において上記のように処理することにより、圧力を計測できるファイバセンシングシステムとして構築することができる。
この実施の形態によっても、光検出のファイバセンシングシステムと同様な作用効果を奏することになる。
図12は、本発明に係るファイバセンシングシステムにおいて圧力測定時の温度補償を可能にする温度補償圧力センサヘッドに関する図である。ここに、図12(a)は本発明に係るファイバセンシングシステムにおいて圧力測定時の温度補償を可能にする温度補償圧力センサヘッドの構成を示す図である。図12(b)は上記構成における検出特性を示す特性図であって、横軸には距離〔m〕を、縦軸には波長シフト〔nm〕をそれぞれとったものである。
なお、上記実施の形態では、センサヘッド341を温度検出、センサヘッド345を温度+圧力の検出としていたが、これの逆でも何ら問題ない。すなわち、センサヘッド341を温度+圧力の検出とし、センサヘッド345を温度検出とするようにしても、上の例と作用効果は全く同じとなる。
図13は本発明の実施形態に係るファイバセンシングシステムで使用されるセンサヘッドの他の使用例を説明するための図である。
前記センサヘッド34は、図13に示すように、ファイバ支線33の終端を軸対象な球面研磨して球面ARに形成し、ファイバ軸に対して対称な球面をなす誘電体多層膜フィルタ面34Mに、たとえば石英ブロックなどのような光学的接触子36を、外部変位に応じて接触もしくは非接触の二状態を可能とする構成とすることによって、二状態に応じた該フィルタの波長シフトより状態検知するコンタクトスイッチとして使用可能とすることができる。
なお、このスイッチとして使用する場合には、2波長反射計測系5を使用するまでもなく、接触・非接触で反射光の反射利得が変化することを検出できるものであれば、どのような検出機構でもよい。
このような構造によって、スイッチ部分で電気回路を含まないスイッチとして使用することができ、例えば防爆環境で簡単な構造で使用が可能となる。
図14は本発明の実施形態に係るファイバセンシングシステムで使用される光ファイバセンシング系での光カプラの分岐比と最遠センサの反射減衰率を示す特性図であって、横軸に結合率α〔dB〕を、縦軸に反射率Rn〔dB〕を、それぞれとったものである。 図12においてファイバの伝送損失を無視すると、最終段(n)センサからの反射率Rnは
Rn=(1−α)(n−1)α2β
であたえられる。
Rn,α,βをそれぞれ減衰量〔dB〕であらわすと、上の式の10log をとることにより、
Rn〔dB〕=20(n−1)log(1−10−(α/10))+2α+β
とあらわされる。
この図14はβ(=3〔dB〕)を一定値とし、段数nをパラメータにとったときのRn〔dB〕をαの関数として図示したものである。Rn〔dB〕は垂直軸と漸近線の間にあり、数nに応じた最小値をもつことがわかる。
次に、最遠センサ(センサヘッド34n)からの反射利得が最大になるような光カプラ分岐比の最適条件を求めることにする。これは全段のセンサに分配すべき探傷光のパワが最大となる条件でもある。
Rn〔dB〕={1−(1/n)}2(n−1)×β/n2
であたえられる。Rn,βを減衰量(dB)であらわせば、
Rn〔dB〕=20(n−1)log(1−1/n)+20logn+β
である。ここで、β(=3〔dB〕)を一定値とする。
このような条件から、段数と最遠センサの反射減衰量の関係は、図15に示すような特性となる。したがって、現実的な数値例として、センサヘッド34の誘電体多層膜フィルタ34Mの半値全幅波長を選ぶとして、β=3〔dB〕一定として、光カプラの分岐比を10〔dB〕とすれば、センサ段数は16程度で最遠センサの反射減衰量Rnを37〔dB〕程度におさえることができる。
図17は、本発明の第2の実施形態に係るファイバセンシングシステムにおける2波長反射計測系を説明するために示す図である。符号51で示される生成器によって、図17(c)に示すような擬似ランダム信号S1を生成すると、この符号生成器51から出力された擬似ランダム信号S1は、光源52aに入力され、また、符号生成器51では、符号の反転された擬似ランダム信号S2を形成して、光源52bに入力され。その結果、光源52aは、符号生成器51からの擬似ランダム信号S1で駆動されることになる。同様に、光源52bは、符号反転の擬似ランダム信号S2で駆動されることになる。ここで、光源52aは図17(c)の擬似ランダム信号S1の論理[1]で発光し、光源52bは図17(c)の擬似ランダム信号S2の論理で[1]で発光する。そうすると、前記光源52aからの光(波長λ1)と前記光源52bからの光(波長λ2)は光カプラ56で合成されて図17(b)に示すように擬似ランダム信号で波長λ1、λ2が切り替わるプローブ光とされる。
そこで、センサヘッド341では、上記図5ないし図10の説明で示すような温度特性があるので、そのセンサヘッド341の誘電体多層膜フィルタ34Mが現在の温度における温度特性の屈折率で入射光を反射する。ついで、この反射光は、ファイバ支線331、光カプラ321を通してファイバスルー本線31に導かれ、光カプラ56に導かれる。ファイバスルー本線31からの反射波は、光カプラ56を介して2波長混合のまま、受光器58に入射される。受光器58に入射された反射光は、その入射された反射光に応じた電気信号Sに変換される。受光器58から出力された電気信号Sは、相関器59に入力される。
そして、相関器59から取り出された電気信号Dは、波長シフト解析器60に入力される。
ここで、波長λ1の反射波と波長λ2の反射波との反射率比(r(λ2)/r(λ1))は、前記反射振幅差dと波長λ1乃至λ2のいずれかの光を発光させた際の反射率(r(λ2)乃至r(λ1))とから算出することができる。
そのため、図17(d)のように上記反射振幅差の相関計測手順とは別に波長λ1乃至λ2の光のみを発光させ、上記の経路で受光器58で受けた反射波に対して相関を行う。
反射率比 R=r(λ2)/r(λ1)=1+d/r(λ1)、
d=r(λ2)―r(λ1)
によって求めることができる。
また、波長λ2の光を発光させた場合、
反射率比 R=r(λ1)/r(λ2)=1+d/r(λ2)、
d=r(λ1)―r(λ2)
によって求めることができる。
また、図17(a)の構成において、擬似ランダム信号は図17(e)のよ
うに、時分割的に交互に打っても良い。λ1を送出している周期の電気信号Dと、λ2を送出している周期の電気信号Dを波長シフト解析器60に取り込み反射率比を求めればよい。
第3の実施の形態として、図19で示されるような基本構成を有するセンサが1つであるファイバセンシングシステムとしても良く、このような構成とすることにより、周期関数の論理レベルをそれぞれ2つの波長を割り当てることで実現でき、受光器以降では、波長λ1のパルスに対応する反射波を除算器上に蓄え、λ2に対する反射波で除算し、その出力をそのまま乃至累積加算し、波長シフト解析器上で波長シフトを求め、その波長シフトから被測定物理量である温度を測定できる。なお、図19は、2波長反射計測系の場合の本発明の第3の実施形態に係るファイバセンシングシステムにおける基本構成を示す図であり、PN符号発生器と相関器の代わりに、周期関数発生器と反射率比を計算する演算回路を使用することで、ハードウエアを単純化することができる。
次に、本発明の第4の実施形態に係るファイバセンシングシステムとして、2波長のパルスを用いた場合(図20)、同じく2波長のパルスを用いた場合で加算器を使用しない場合(図21)のそれぞれの2波長反射計測系の構成を例にしてその詳細を説明する。前記第2の実施の形態に係るファイバセンシングシステムと異なる点は、パルス波形を送出するためのパルス発生器と受光器以降の構成である。
この方法は送信光モニタの受光回路などハードウェアが不要であるだけでなく、より正確な較正ができることが特徴である。
3・・・光ファイバセンシング系、
5・・・2波長反射計測系、
31・・・ファイバスルー本線、
32、321,322,…,32n・・・光カプラ、
33、331,332,…,33n・・・センサ支線、
34、341,342,…,34n、341、345・・・センサヘッド、
51・・・符号生成器、
52a,52b・・・光源、
54a,54b・・・光ファイバ、
55・・・合分波器、
56,56a,56b・・・光カプラ、
57a,57b・・・光ファイバ、
58,58a,58b・・・受光器、
59,59a,59b・・・相関器、
60・・・波長シフト解析器
61,611,612,…,61n・・・透過型センサ
Claims (4)
- 光計測情報の伝送媒体である光ファイバ中に、被測定物理量に応じて反射スペクトルが波長軸上でシフトすることによって二つの波長に対する反射利得がプラスマイナス相補的に変化するセンサ系を縦続的に挿入した光ファイバ系に、
1/0相補的な2つの疑似ランダム信号を生成する符号生成器と、
前記符号生成器からの1/0相補的な2つの擬似ランダム信号に従って、波長の異なる二つの光を交互に生成する2つの光源と、
前記二つの光源からの光を合成して前記光ファイバ系に送出できる光カプラと、
前記光ファイバ系からの両波長の反射光を受光し電気信号に変換する一の受光器と、
前記受光器からの検出電気信号を擬似ランダム信号で相関をとる相関器と、
前記相関器から出力された両波長に対応する反射利得差をもとに反射利得比を求め、前記反射利得比から波長シフトを求め、前記波長シフトから被測定物理量を得る波長シフト解析器と、
を備えた2波長反射計測系を組み合わせることにより、各センサ系における2波長に対する反射利得比から求まるスペクトルシフト量から被測定物理量を検出することを特徴とするファイバセンシングシステム。 - 前記センサ系は、
前記光源から光ファイバに導入された光を分岐させる光カプラと、
前記光カプラに接続されているファイバ支線と、
前記ファイバ支線の終端面に形成したセンサヘッドと,
を備える請求項1記載のファイバセンシングシステム。 - 前記センサヘッドは、前記二つの波長間に中心波長を持ち、かつ温度または圧力の変化によって反射スペクトルが波長軸上でシフトする誘電体多層膜フィルタを前記ファイバ支線の終端面に直接蒸着することにより形成され、温度センサまたは圧力センサとして使用できるようにしたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のファイバセンシングシステム。
- 前記センサヘッドは、誘電体多層膜フィルタの膜厚方向に圧力が印加される構造とすることによって、圧力に応じて変化する上記フィルタの波長シフト量により圧力検出可能な圧力センサとして使用できるようにしてなることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のファイバセンシングシステム。」
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