JP4308157B2 - 放射性廃棄物溶融炉 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波誘導加熱により低レベル放射性廃棄物を溶融減容する放射性廃棄物溶融炉に関し、特に高線量廃棄物と低線量廃棄物の両者を減容処理する放射性廃棄物溶融炉に関する。
原子力発電所や再処理施設、原子力研究施設などの放射性物質取扱施設で発生する低レベル放射性廃棄物のうち、断熱材や構造材廃材などの雑固体廃棄物は埋設処分されている。処分に際しては、廃棄物を200リットルドラム缶に詰め、隙間にモルタルを充填した廃棄体を製造する。この廃棄体ドラム缶の数量が直接廃棄物の処分コストと結びつくため、廃棄物をドラム缶に詰める前に減容処理が行われている。
放射性廃棄物の減容方法のひとつに、高周波誘導加熱を利用して廃棄物を溶融固化する減容方法がある。高周波溶融炉内に設置したキャニスタ内で、キャニスタ自体もしくは雑固体廃棄物に含まれる金属を誘導加熱して雑固体廃棄物を溶融して減容し、キャニスタ内で冷却固化させ、キャニスタごとドラム缶に詰めモルタルを充填して廃棄体とするのである。
高周波誘導を用いた放射性廃棄物の減容処理には、例えば特許文献1に開示されている、図6に示したような高周波誘導炉が利用されている。非導電性のキャニスタ30にあらかじめ金属の割合が大きい廃棄物を装荷して電磁コイル31の有効電界内にキャニスタ30を据え、電磁コイル31に高周波電流を流して廃棄物中の導電体を誘導加熱する。高周波誘導加熱では導電体しか発熱しないが、キャニスタ30には金属リッチな廃棄物を選んで装荷しているため、誘導加熱した金属からの伝熱により非導電性の非金属も溶融する。キャニスタ30内の廃棄物が十分溶融したら、供給装置32から非金属リッチな放射性廃棄物を追加投入して溶融する。
廃棄物が溶融した溶湯は金属溶湯層33と非金属溶湯層34とに分離して存在するが、溶融が進んで溶湯の量が増すと、非金属溶湯層34の表面が金属溶湯層33から乖離してしまい、金属溶湯層33からの伝熱が小さくなるため、追加投入した廃棄物の融解に必要な熱量を得られなくなる。そのため、キャニスタ30にあらかじめ装荷した、黒鉛など軽量で導電性を持つ物質からなる導電性スリーブ35における誘導発熱により追加投入した廃棄物を溶融している。
キャニスタ30に十分溶湯が溜まったら、昇降台36によりキャニスタ30を引き下げて溶融を終了し、冷却室で溶湯を固化し、キャニスタ30ごと200リットルドラム缶に詰めてモルタルを充填し、廃棄体とする。
ところで、低レベル放射性廃棄物はさらに線量レベルによって比較的レベルの高い廃棄物(以下、α廃棄物という)と比較的レベルの低い廃棄物(以下、βγ廃棄物という)に分けられて、処分上の区別がなされている。当然、高放射性のα廃棄物は地中深くに埋設する処分法が義務付けられる。α廃棄物とβγ廃棄物は共に上記のような廃棄体処理が行われているが、βγ廃棄物からなる廃棄体の中に線量レベルが高いα廃棄物が混入していると、α廃棄物として扱われより厳重な処分が必要になり処分コストも高くなる。
そこで、α廃棄物とβγ廃棄物が混合しないように処理することが望まれるが、現在まで廃棄物の混合に配慮した廃棄物溶融炉は提供されていなかった。例えば特許文献1に開示されている廃棄物溶融炉では、キャニスタの開口部の上方から廃棄物を落下させて投入するため、投入した廃棄物が非金属溶湯に着水する際に飛沫を飛ばして溶湯がキャニスタ外の炉壁などに付着することがあった。また、溶湯が突沸してキャニスタから溢れ出したり、蒸発した溶湯が凝集して炉壁を汚染することがあった。
こうして炉壁にα廃棄物の溶湯が付着したままβγ廃棄物の溶融を行うと付着物がキャニスタ内に混入してβγ廃棄物を汚染する可能性がある。βγ廃棄物にα廃棄物が混入すると廃棄物をα廃棄物として処分する必要が生じ処分コストが増加する。これを防止するため、α廃棄物用の誘導炉とβγ廃棄物用の誘導炉をそれぞれ備える必要がある。しかし、構造上は同じ誘導炉であるため、両廃棄物で共用することができるようになると、設置、維持コストを大幅に削減することができる。
特開2002−341092号公報
本発明が解決しようとする課題は、低レベル放射性廃棄物を高周波誘導加熱により減容処理する放射性廃棄物溶融炉において、α廃棄物とβγ廃棄物との混合を防止する溶融炉を提供することである。
上記課題を解決するため本発明の放射性廃棄物溶融炉は、電磁コイルと高融点非導電性材で組成された円筒形のスリーブを備え、溶融物を装荷した有底円形のキャニスタを電磁コイルの有効電界内に据えて高周波誘導加熱により溶融物を溶融する高周波誘導炉であって、スリーブがキャニスタの外径よりやや大きい内径を持ち該キャニスタの開口部および側面を囲繞する位置に着脱可能に設置されることを特徴とする。ここで高融点とは、キャニスタ内で廃棄物が溶融されるときにスリーブが示す温度より高いことを意味する。高融点非導電性であることが求められるスリーブは、例えばアルミナスピネル系セラミックキャスタブル成型品やシリカアルミナ系セラミックファイバー成型品などのセラミックス製であることができる
高周波誘導炉では、通常、環状に配された電磁コイルの内側にコイルの保護と加熱効率の確保のために断熱材を配し、内表面を防護材で覆って炉壁とし、その内部に溶融物を装荷したキャニスタを据えて加熱を行う。本発明の放射性廃棄物溶融炉では炉壁とキャニスタの間に、炉壁を汚染から防護するために円筒状のスリーブを挿入した。スリーブは誘導加熱中にキャニスタ内の溶湯表面から上がる飛沫やハネを吸着するものである。これにより、廃棄物を追加投入したり溶湯が突沸した際に溶湯表面から飛沫が上がっても、スリーブに飛沫が付着するので炉壁を汚染することがない。また、スリーブは誘導加熱しない非導電性物質で組成されているため表面温度がキャニスタ内より低くなっている。そのため、溶湯表面から蒸発した蒸気の大部分はスリーブ表面で凝結してスリーブに付着する。したがって、溶湯蒸気による炉壁の汚染を軽減することができる。スリーブは着脱可能になっているため、使用後は取り外して汚染物として廃棄処分する。
本発明の放射性廃棄物溶融炉は、特に低レベル放射性廃棄物の減容処理に便利に利用される。低レベル放射性廃棄物は、線量レベルにより高放射性のα廃棄物と低放射性のβγ廃棄物に区別されており、処分方法が区別される。処分に際して、より線量レベルが高いα廃棄物は線量レベルが低いβγ廃棄物よりも地中深くに埋設することが求められ、処分コストも高くなる。したがって、α廃棄物とβγ廃棄物は分別して処分されており、廃棄物の減容処理時にもβγ廃棄物にα廃棄物を混入させないことが求められる。
そこで、本発明の放射性廃棄物溶融炉を用いると、α廃棄物の処理からβγ廃棄物の処理に切り替える際にスリーブを交換することでα廃棄物がβγ廃棄物に混入するのを防ぐことができる。α廃棄物をキャニスタに装荷して高周波溶融を行うと、廃棄物追加投入時や突沸時の飛沫等によりスリーブが汚染される。続けてα廃棄物を処理する場合はスリーブを交換せずにそのままキャニスタを入れ替えて次回の減容処理を行うが、処理対象をβγ廃棄物に変更する場合は、キャニスタの交換と共にスリーブの交換も行う。α廃棄物の飛沫の大部分がスリーブに付着しているため、スリーブを抜去すると炉内にはほとんどα廃棄物による汚染が残らない。したがって、その後炉内の洗浄をせずにβγ廃棄物の減容処理を行ってもβγ廃棄物にα廃棄物が混入することがない。
抜去したスリーブは再びα廃棄物を処理する時に再利用するが、規定回数の使用を経て汚染物が多量に付着して使用できなくなった場合は、破砕してα廃棄物として減容、埋設処分する。
なお、α廃棄物の処理後にβγ廃棄物を処理する場合はスリーブの交換が必須であるが、βγ廃棄物がα廃棄物に混入しても大きな不都合は生じないため、βγ廃棄物の処理後にα廃棄物を処理する場合は必ずしもスリーブを交換しなくてもよい。しかし、α廃棄物の処理に用いたスリーブはα廃棄物として処分しなければならないのでスリーブをβγ廃棄物と共用するとわずかとはいえα廃棄物の処理量が増加することになる。そこで、βγ廃棄物の処理に用いたスリーブはβγ廃棄物専用の物とし、α廃棄物を処理するときにはα廃棄物用のスリーブに交換するのが取扱上望ましい。
なお、炉壁などに付着した放射性物質を除去するためには、炉の温度を常温に戻して特殊な防護装置を用いて炉内を洗浄する必要があるので、清掃時間ばかりでなく冷却と再加熱に係る時間も必要である。したがって、スリーブを交換することにより炉内の洗浄工程を省略できることは、運転効率の大幅な向上と経費の大幅な削減を可能とする。
本発明の放射性廃棄物溶融炉において、スリーブは着脱可能に設置されるが、スリーブの着脱装置はキャニスタの挿入取出し装置に兼ねさせることができる。たとえば、従来技術の特許文献1に開示されている高周波誘導炉をベースにして本発明の放射性廃棄物溶融炉を形成する場合では、キャニスタを下から支え、キャニスタの挿入取り出しや位置決めを行っている昇降台を用いてスリーブの挿入取下ろしをすればよい。
例えば、キャニスタを炉内に設置する前に、昇降台にスリーブのみを載置して昇降台を上昇させ、炉内にスリーブを挿入して保持機構によりスリーブを所定位置に固定させればよい。スリーブの取外しの際も、昇降台を上昇させて保持機構を解除してスリーブを受け、昇降台を降ろしてコンベア、リフト等にスリーブを受け渡すことで炉内からスリーブを抜去することができる。
また、本発明の放射性廃棄物溶融炉は、α廃棄物とβγ廃棄物の混合を避けるため、電磁コイルの上方に複数の溶融物投入装置を備えることを特徴とする。放射性廃棄物は、あらかじめキャニスタに装荷されるほか、加熱中に電磁コイルの上方から投入装置によって追加投入されるが、投入装置内でα廃棄物とβγ廃棄物が混合しないように、それぞれ専用の投入装置を備えるのが望ましい。投入装置は、例えばバケットシステムを利用することができる。
本発明の放射性廃棄物溶融炉は、α廃棄物とβγ廃棄物の混合を防ぎ、放射性廃棄物の処理コストを軽減することができる。また、溶融炉内の汚染を防ぎ、ランニングコストを低減することができる。さらに、α廃棄物とβγ廃棄物が同一の溶融炉で処理できるため、溶融炉の基数を減らすことができ、設置、運転コストを大幅に削減することができる。
以下、実施例を用いて本発明の放射性廃棄物溶融炉を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る実施例の放射性廃棄物溶融炉の全体概念図であり、図2は炉心部分の拡大図である。炉室1内に、キャニスタ2が昇降台3に支えられて据えられている。炉室1を取り巻くように電磁コイル4が配され、電磁コイル4の内側は断熱材により防護されて炉壁5が形成されている。炉壁5の内面に沿うようにスリーブ6が支持具7に支えられて設置されている。昇降台3には漏れ受け8が設けられており、また、下部には車輪9が配されて移動ができるようになっている。炉心1の下方は冷却室10になっており、炉室1と冷却室10を仕切るシャッタ11が存している。
炉室1の上方にはのぞき窓12、排ガス出口13が設けられており、更に上方はシャッタ14に仕切られて上部機構15になっている。上部機構15にはクレーン16とバケット17が設置されている。バケット17は台車18に載せられており、台車18にプッシャ19が備えられている。バケット17の引き込み位置の真上に投入口20が形成されている。
図3はスリーブ6の斜視図である。スリーブ6はシリカアルミナ系セラミックファイバーで円筒形に形成され下端にはフランジ22が配されている。形成上の都合によりスリーブ6は継ぎ構造になっている。スリーブ6には外部から応力が掛からないため自身を支えるだけの強度を持てば良く、使用後は放射性廃棄物として処理されるため、薄く形成するのが望ましい。
本実施例の放射性廃棄物溶融炉は、先ず昇降台3にスリーブ6を載置して昇降台3を上昇させてスリーブ6を図1に図示した加熱処理位置まで挿入し、スリーブ6を炉室1内に配置した後、フランジ22を支持具7により固定する。支持具7には駆動機構が備わっており、遠隔により固定、解放ができるようになっている。スリーブ6は、支持具7に固定されている状態であれば昇降台3に支えられなくても炉室1内に保持される。
スリーブ6を炉内にセットした後、昇降台3を引き下ろし、車輪9により冷却室10外に移動して廃棄物を装荷したキャニスタ2を外部から受け取り、台上に載置する。昇降台3にキャニスタ2を載せたら、昇降台3を再び冷却室10内に移動しキャニスタ2を持ち上げて炉室1内に挿入し、キャニスタ2を炉室1内の加熱処理位置に保持する。その後、図示しない高周波電源から電磁コイル4に高周波電流を供給し、キャニスタ2に装荷した低レベル放射性廃棄物を高周波誘導加熱により溶融する。
溶融が進んで内容物の容積が減少すると、順次バケット17から放射性廃棄物を追加投入して溶融を進める。バケット17は、投入口20から放射性廃棄物を受け入れて、必要に応じてキャニスタ2の真上位置に移動し、キャニスタ2の直上まで吊り降ろされ、そこを開いて内容物をキャニスタ2内に落として、廃棄物を補給する。
キャニスタ2に十分溶湯が貯まったら高周波誘導加熱を停止し、昇降台3を下方に駆動してキャニスタ2を冷却室10に引き下ろし、キャニスタ2および内容物を冷却した後、溶融炉外にキャニスタ2を配送する。その後、溶融前の廃棄物を装荷した別のキャニスタ2を載置して加熱処理位置に戻り、繰り返し溶融を行う。なお、溶融炉外に配送された減容処理済みキャニスタは別工程にてドラム缶に詰めてモルタルを充填し、廃棄体として埋設処分する。
溶融中は突沸や廃棄物の投入による衝撃などにより溶湯表面から飛沫が上がる。特に溶融の後期段階では、キャニスタ2の内容物が増し、キャニスタ2の開口部付近まで溶湯の表面が上昇しているため、小さい衝撃で上がった飛沫でもキャニスタ2から溢れ出る。しかし本実施例の放射性廃棄物溶融炉では、キャニスタ2の周囲をスリーブ6が取り囲んでおり、キャニスタ2の壁を越えて飛び出た飛沫は全てスリーブ6に付着するため、炉壁5自体を汚染することがない。また、スリーブ6はアルミナ系セラミックスなど非導電性の材料で形成されているため、キャニスタ2内の溶湯より温度が低くなっている。したがって、溶湯表面から蒸発した蒸気は炉壁5に到達する前にスリーブ6の表面で凝結し、スリーブ6に付着するため、蒸気による炉壁5の汚染も大幅に軽減される。
1回の溶融処理が終了するとキャニスタ2を交換して再び溶融処理に入るが、前回処理と同類の廃棄物を処理する際は、スリーブ6に付着した廃棄物が次回処理時にキャニスタ2に混入しても問題ないため、スリーブ6を交換せずにそのまま引き続き処理を行うことができる。しかし、例えばα廃棄物を処理した後にβγ廃棄物を処理する場合など、廃棄物の種類を変更するときはスリーブ6を交換する。スリーブ6を交換することで、前回処理時にキャニスタ2から溢れ出た付着物をスリーブ6と共に炉内から取り除き、炉内を汚染されていない状態に保つことができるため、次回処理時に前回処理時の付着物がキャニスタ2内に混入することがない。したがって本発明の放射性廃棄物溶融炉では、廃棄物同士の混合を防ぐことができ、α廃棄物、βγ廃棄物をそれぞれに決められた処分法で処分することができる。
スリーブ6の取り下ろしはスリーブ6の挿入の逆の手順で行う。キャニスタ2を搭載していない状態の昇降台3をスリーブ6の下端に接するように上昇させ、支持具7を解放してスリーブ6を昇降台3に載置する。その後、昇降台3を降ろしてスリーブ6を炉室1から取り下げる。取り下げたスリーブ6は昇降台3に載せたまま炉外に搬出し、次回の使用に備えて保管する。昇降台3には新たに次回処理に応じたスリーブを供給し、炉室1内にセットして溶融処理を開始する。数度使用して多量の飛沫が付着したスリーブ6は、取り下げた後に別工程に配送し、破砕して線量レベルに応じた廃棄物として処分する。
なお、溶融中はのぞき窓12によりキャニスタ2内を確認できるようになっている。また、発生した蒸気のうち凝結しなかったものは排ガス出口13から排出され、ガス中の放射性物質を適切に処理する排ガス処理装置に誘導される。アクシデントによりキャニスタ2が損壊して溶湯が漏れる事態に備え、漏れ受け8が具備されている。
本実施例ではキャニスタおよびスリーブの着脱、保持に昇降台3を用いたが、例えばクレーンシステムを用いるなど、他の方法で着脱、保持を行っても良い。必要に応じてキャニスタ、スリーブにそれぞれ専用の着脱装置を備えても良い。
一方、炉室1の上方にはキャニスタ2に廃棄物を追加投入するための上部機構15が形成されている。炉室1と上部機構15はシャッタ14により隔絶できるようになっている。バケット17は廃棄物を装荷するもので、台車18に載置されている。バケット17の引き込み位置の真上には投入口20が配され、外部から搬送される廃棄物をバケット17に投入できるようになっている。台車18はプッシャ19により引き込み位置と炉室口21の直上の間を往復するように駆動される。炉室1の真上にはクレーン16が上下に駆動可能に配されている。バケット17の底は自在に開閉するようになっている。
キャニスタ2に廃棄物を追加投入する際は、シャッタ14が閉じた状態でプッシャ19を駆動してシャッタ14上にバケット17を設置する。続いてクレーン16を降ろしてクレーン16の下端のグリッパによりバケット17を保持する。さらに、バケット17をわずかに持ち上げ台車18を移動して炉室口21の部分を空けてからシャッタ14を開いてクレーン16を下げ、バケット17をキャニスタ2に十分近づけてからバケット17の底を開いて内容物をキャニスタ2に落下させる。その後、クレーン16を持ち上げてバケット17を上部機構15内に戻し、シャッタ14を閉じてプッシャ19により台車18をシャッタ14上に移動し、バケット17を台車18に載せて元の引き込み位置に戻し、投入口20から廃棄物を受け入れて次の追加投入に備える。
図4は上部機構15の平面図である。上部機構15には炉室口21を取り囲むように2つのバケット17が備えられており、それぞれにプッシャ19が配されている。バケット17の上方には投入口20が設けられており、炉室口21はシャッタ14により閉じられている。
2つのバケット17はそれぞれα廃棄物、βγ廃棄物に専用される。
本実施例の放射性廃棄物溶融炉では、バケット17を2つ備え、α廃棄物とβγ廃棄物にそれぞれ専用のバケット17を割り当てているため、バケット17内で廃棄物が混合することが無い。したがって、キャニスタ2に廃棄物を投入する前段階での廃棄物の混合を防ぎ、さらに廃棄物の分別に関して信頼性が高い放射性廃棄物溶融炉を提供することができる。
なお、本実施例では廃棄物の追加投入のためにバケットシステムを用いたが、例えばコンベヤを利用するなど、投入装置はバケットに限らない。
図5は、別の実施態様における高周波溶融炉を詳細に示す側面断面図である。図5では、図1−4における要素と同じ要素に同じ参照番号を付して説明を省略した。
図5に表した高周波溶融炉は、廃棄物をかご状の保持容器(インナバスケット)23に収容してキャニスタ2に装入しそのまま溶融してインナバスケット23もキャニスタ内に残すようにしたいわゆるインナバスケット方式の溶融炉である。キャニスタ2を載置する台座24がスリーブ6を一緒に支持するようにした。なお、廃棄物の溶融を助けるため、炉壁5とキャニスタ2の間に設けたスリーブ6の他に、キャニスタ2内のインナバスケット23の外側に導電性スリーブ25を設けることが好ましい。
インナバスケット方式では、上部構造を使用してバケット内の廃棄物をキャニスタに入れ換える必要がないから、図1に示したバケット17、台車18、プッシャ19、投入口20などは不要になり、上部構造15が簡素化される。また、キャニスタ2を載置する台座がスリーブ6を一緒に支持するようにしたので、図3に示すスリーブ6のフランジ22と図1に示したフランジを支持するための支持具7は不要になる。
以上、実施例を用いて詳細に説明したとおり、本発明の放射性廃棄物溶融炉では、線量レベルの異なる低レベル放射性廃棄物を一つの溶融炉を用いて混合しないように減容処理を行うことができる。したがって、廃棄物の種類毎に溶融炉を設置する必要がなくなり、溶融炉の設置、運転コストを大幅に削減することができる。また、溶融炉本体の汚染を低減するため、メンテナンス時の除染コストを軽減することができる。
本発明に係る実施例の放射性廃棄物溶融炉の全体概念図である。 図1の放射性廃棄物溶融炉の炉心部分の拡大図である。 本実施例のスリーブの斜視図である。 本実施例の上部機構の平面概念図である。 本実施例の別の態様である放射性廃棄物溶融炉の側面断面図である。 従来技術の雑固体廃棄物溶融用高周波誘導炉の断面図である。
符号の説明
1 炉室
2 キャニスタ
3 昇降台
4 電磁コイル
5 炉壁
6 スリーブ
7 支持具
8 漏れ受け
9 車輪
10 冷却室
11、14 シャッタ
12 のぞき窓
13 排ガス出口
15 上部機構
16 クレーン
17 バケット
18 台車
19 プッシャ
20 投入口
21 炉室口
22 フランジ
23 インナバスケット
30 キャニスタ
31 電磁コイル
32 供給装置
33 金属溶湯層
34 非金属溶湯層
35 導電性スリーブ
36 昇降台

Claims (6)

  1. 高周波電源に接続された電磁コイルと高融点非導電性物質で形成された円筒形のスリーブを備え、溶融物を装荷した有底円形のキャニスタを前記電磁コイルの有効電界内に据えて高周波誘導加熱により該溶融物を溶融する高周波誘導炉であって、前記スリーブが前記キャニスタの外径より大きい内径を持ち該キャニスタの開口部および側面を囲繞する位置に着脱可能に設置され、さらに、前記キャニスタを前記電磁コイルの有効電界内に据えるための挿入装置を備え、該挿入装置が前記スリーブの挿入取り下ろしにも供されることを特徴とする放射性廃棄物溶融炉。
  2. 前記溶融物が低レベル放射性廃棄物であることを特徴とする請求項1に記載の放射性廃棄物溶融炉。
  3. 前記スリーブがセラミックス製であることを特徴とする請求項1または2に記載の放射性廃棄物溶融炉。
  4. 前記挿入装置が、上下に駆動し前記キャニスタを搭載して前記有効電界の下方から該有効電界内に挿入する昇降台であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の放射性廃棄物溶融炉。
  5. 前記電磁コイルの上方に複数の溶融物投入装置を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の放射性廃棄物溶融炉。
  6. 前記溶融物投入装置が溶融物を内容するバケットであることを特徴とする請求項に記載の放射性廃棄物溶融炉。
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