JP4308137B2 - 固体物用ディスペンサー - Google Patents

Description

本発明は固体物用ディスペンサーに導かれる。一実施例では、ディスペンサーはキャンディー用のディスペンサーとして使用可能である。他の実施例では、ディスペンサーは、例えば治療上の薬物を与える錠剤を分配することに使用可能である。さらに別の実施例では、ディスペンサーは、所望の（例えば、ディスペンサーの耐用寿命、固体物の貯蔵寿命の）期間において湿密である。

錠剤ディスペンサーは、錠剤を保持して分配するために栄養剤及びキャンディー産業で典型的に利用されている。これらのディスペンサーは、ペッツ（Pez）キャンディー用のペッツ（Pez）ディスペンサーのように、特定の錠剤用に設計可能である。在来の錠剤ディスペンサーは耐用寿命の間湿密ではないので、それらは感湿製品のある医薬品業界のような業界では一般的に使用されていない。代わりに、湿密錠剤包装は、“ブリスター”パックによって典型的に提供されている。“ブリスターパック”については、錠剤は、それを包装から分離するために壊れやすいバリヤ材を通して押し出される。

本発明は、錠剤ディスペンサーについてのいくつかの実施例に導かれ、前記錠剤ディスペンサーはある実施例では、耐用寿命の間、錠剤の湿密リザーバを維持する。一つの例では、設計は、特に錠剤の感湿性が問題になる医薬品の用途に適するようにされる。

本発明は錠剤を分配するためのディスペンサーに導かれる。一実施例では、ディスペンサーは、保存寿命と耐用寿命の両方の間において湿密封止を維持する。さらに別の実施例では、ディスペンサーは例えば５０から１００のような数量の錠剤を保持するためリザーバを備える。さらに別の実施例では、ディスペンサーは、ポリプロピレン（“ＰＰ”）またはポリエチレン（“ＰＥ”）のような実質的不透水性材料のプラスチック材料で部分的に構築されたハウジングで形成される一方で、ハウジングの他の部分は、エチレンプロピレン三量体（ＥＰＤＭ）のような実質的不透水性材料のエラストマー材料から構築される。

本発明の目的のために、本発明のディスペンサーは、ＵＳＰ６７１に提示された試験手順により“湿密”である。一実施例では、ディスペンサーは、１０の試験ディスペンサーのうちの１つ以下が、透湿性において１日毎及び１リットル毎１００ｍｇを超ない“湿密”と認められる。ＵＳＰ６７１の試験は、密封された容器と、開放され次いで再密封された容器とに対して実施される。試験は、設定量４〜８メッシュの、最初に１１０度で１時間乾燥され次にデシケータ内で冷却された無水塩化カルシウム乾燥剤からなる。次に同一の大きさの１２の容器が選択されて、それぞれ３０回開放されて閉じられる。ＵＳＰモノグラフに規定されているとおり、トルクが蓋に加えられる。次に乾燥剤が、試験容器のラベルを貼られた１０の包装に加えられる。次にこれらは、２０ｍｌより大きい容器における開口部の１３ｍｍの中に充たされ、また２０ｍｌより小さい容器においては全体の３分の２まで充たされる。次に蓋にはモノグラフに規定されたトルクが加えられる。重量が、２０ｍｌより小さい容器に関しては最近接の０．１ｍｇまで、又は２０ｍｌから２００ｍｌに関しては最近接のミリグラムまで、又は容器が２００ｍｌより大きい場合は最近接のセンチグラムまで記録される。容器は、温度２３度±２度において、相対湿度７５％±３％で保管される。３６時間±１時間後、重量は記録されて、透湿性が、１日毎及び１リットル毎のミリグラムで計算される。

本発明のエラストマー材料は、十分な変形可能性を有しているべきであって、固体物が所望の出口場所を通過できるように力がエラストマー材料に加えられたとき、それらが十分に変形されることを可能にする。一実施例では、エラストマー材料は、リップシールつまりエラストマー材料に設けられた規定の開口部、を構築するために使用される。リップシールは、シールが閉じられているとき湿密のままであり、また錠剤が開口を通過するために必要な時間だけ開放される。他の実施例では、エラストマー材料は、錠剤を排出するために使用される引金機構を入れるために使用される。

さらに他の実施例では、本発明は、一度に一個の錠剤をリザーバから分配するためのディスペンサー機構に導かれる。他の実施例では、ディスペンサーは、錠剤を分配する前に錠剤に列を作らせる分配機構を備える。さらに別の実施例では、本発明は、一度に一個の錠剤をディスペンサーから分配することに利用されるいくつかの引金機構に導かれる。さらに別の実施例では、引金機構と、錠剤が列を作るディスペンサー内の場所とが、エラストマー材料の中に配置されて、湿密を確実にしまたさらにエラストマーの外側に力を加えることによって引金の作動を可能にする。

さらに別の実施例では、ディスペンサーは、ハウジングの内部がただ一つの錠剤の厚さと同じサイズで作られるように大きさを決められる。他の実施例では、ディスペンサーは、錠剤リザーバ内の湿密封止をディスペンサーの耐用寿命をとおして維持する。他の実施例では、乾燥剤混入プラスチックのような乾燥剤が、少なくとも一部に使用される。

図１〜５は、本発明により作り出されたディスペンサーの第一の実施例を図示している。図４及び５は、錠剤とディスペンサー機構とを収容する構成要素の斜視図を示している。通常は、ディスペンサー１０は、下ハウジング１２と、上ハウジング１４と、カバー１６と、下ハウジングと上ハウジングを接合するシール１８と、分配機構が配置されている下ハウジングの部分を覆うエラストマーのカバー２０とを備えている。リップシール２２がエラストマーに設けられていて、該リップシール２２を通って錠剤が分配される。

本発明の目的のために、“リップシール”は、細いスリット状の開口に集まる二つのリップの縁によって形成されている。一つの例では、“リップシール”は、細いスリット状の開口に集まる二つのリップの縁を成形することによって形成される。他の例では、“リップシール”は、薄膜を成形し次いでこの薄膜にスリットを切ることによって形成される。リップシールは、十分な排出力が品目に加えられたとき、品目がリップシールを通過するのに必要な十分な時間リップシールが開放されるように作られている。

一実施例では、ディスペンサーのハウジング構成要素は、僅かな湾曲と端壁３１、３１'とを有する長い側面を備えており、前記端壁３１、３１'は四角か又は丸くされたコーナーによって側壁に接続されている。ハウジング構成要素は、その内部が中空であって、錠剤と分配機構とを収容している。他の実施例では、ハウジング構成要素の内側幅寸法は、ディスペンサーに収容される錠剤一つの幅より僅かに大きいだけである。錠剤リザーバのこの構成配置は、単一厚さ配置での錠剤の収容と保存を提供する。

ハウジング構成要素は、射出成形プラスチック（例えば透明なポリプロピレン又はポリエチレン）から形成される。透明なプラスチックが使用されると、ディスペンサーに収容された錠剤はハウジングの外側から見ることができる。一実施例では、上ハウジングの外側表面は、十分な不透水性の材料（例えばＰＰ又はＰＥ）で作られ、また内側面の少なくとも一部は、例えば、全てが本明細書に引用することにより組み入れられる米国特許第５９１１９３７号、６２１４２５５号、６１３０２６３号、６０８０３５０号及び６１７４９５２号、６１２４００６号、６２２１４４６号、並びに２０００年２月１４日に出願された米国特許出願第０９／５０４０２９号に開示されている乾燥剤プラスチック配合物のような乾燥剤プラスチックで二重成形されることが可能である。

図１〜３は、ディスペンサーの内部構成要素の一実施例を図示している。カバー１６はシール２４を介して上ハウジングに接合されている。シール２４は下方に延びるタブ２６を備えており、前記タブ２６は、上ハウジング１４のアンダーカット２８の中にロックする、水平延在部分で終わっている。シール２４は、圧縮又は締まり嵌めのような任意の在来の封止機構が可能である。代わりに、エラストマー材料が、本開示の他のところで論述される原理により、封止されるべき領域に二重成形されることが可能である。

さらに別の実施例では、上ハウジング１４は上ハウジングの内部に並ぶリブ３０を備え、前記リブ３０は上ハウジングの内側に延在する。リブ３０は、錠剤を単一の錠剤厚さで維持することを助ける。

さらに別の実施例では、下ハウジング１２は、低密度ポリエチレン又は他の適切な材料で作られたシール１８を介して上ハウジング１４に接合される。シール１８は、容器とキャップとの組立体のための湿密封止配置構成を結果として招く任意のタイプのシールであってよい。代わりに、エラストマー材料が、本開示の他のところで論述される原理に従って封止されるべき領域に二重成形されることが可能である。

他の実施例では、下ハウジング１４の内部には、錠剤を分配ゾーン３４の方へ導くガイドピース３２が備えられている。例えば、ガイドピース３２は、錠剤がハウジングの中を下方に移動して分配ゾーン３４に近づくにつれて錠剤が存在できる領域を徐々に縮小する。図１に示される一つの特定の実施例では、ガイドピースは四つの領域、つまりガイドピースが端壁３１から水平に下ハウジング内のある位置まで延在するところの第一領域３２ａ、ガイドピースが分配ゾーンの上であらかじめ選定された距離を垂直に延在するところの第二領域３２ｂ、及びガイドピースが第二領域３２ｂから分配ゾーン３４の直ぐ上まで水平方向に横切るときガイドピースが下方に傾斜するところの傾斜領域３２ｃを有する。ガイドピースは第四領域３２ｄで終わり、前記第四領域３２ｄは垂直に延在してエゼクタ３６の上面に接触する。第二のガイドピース３３が設けられている。ガイドピース３３は、端壁３１'から三つの領域３３ａ、３３ｂ、及び３３ｃで延在している。

今説明したようなガイドピースの構造形と、重力の助けとによって、錠剤は、錠剤が徐々に降下する領域を有する領域を通って錠剤Ｔ２が分配ゾーンの直ぐ上で位置決めされている点まで降下するような経路をたどる。

エゼクタに関係する一実施例では、分配ゾーン内の錠剤Ｔ１は、それをエゼクタ３６とリップシール２２との間に配置するプラットフォーム３５上に停止している。錠剤エゼクタ３６はガイドピース３２の下に位置決めされている。錠剤エゼクタは、エゼクタ３６が作動される端壁３１から分配ゾーン３４まで延びる長さ寸法を有している。ばね４０が、エゼクタ３６と一体に形作られていて、端壁３１に近い場所から、ばねがガイドピース３２の第二領域３２ｂに接触する場所まで、エゼクタから離れるように垂直に延びている。また、下ハウジング１２の底壁３８から立ち上がっている引金ガイド４２も設けられている。引金ガイドには、二つの突起４２ａ（非図示）の間に存在するスロットが設けられているか、または図３に示されるように、エゼクタには、引金ガイドの刃を受容する二又の底が設けられている。いずれにしろ、引金ガイドは、エゼクタが休止位置から排出位置へ移動するときそれを直線軌道に維持する。

さらに別の実施例では、下ハウジング１２は二つの領域、つまり実質的不透湿性のプラスチックの領域と、（例えば、商標名サントプレン（Santoprene）で市販されている）ＥＰＤＭのようなエラストマー領域２０とから形成されている。例えば、下ハウジングは、２回ショット射出成形機で二重成形されるか、または二度の射出成形工程で作られる（つまり型１でプラスチックを射出成形し、次に型２でエラストマー材料を二重成形する）ことが可能である。図４及び５に示される実施例では、エラストマー領域２０は、エゼクタが作動されるところの端で、及びスリット２２が設けられたところの反対側の端で側壁を覆っている。エラストマー材料（または適切な相当材料）は十分に変形可能であり、その結果使用者は、エゼクタを作動させ、それと共に次に錠剤がスリットを通って移動されて排出されることが可能であるように、十分な力をエゼクタに与えることができる。

本発明のディスペンサーの一実施例の作動の特定の一実施例では、使用者は、エゼクタが配置された下ハウジング２２の端壁３１を押す。力はエラストマー２０を通して伝達されて、エゼクタ３６が分配ゾーン３４内に移動され、そこでエゼクタ３６は錠剤に接触して錠剤を反対側の端壁３１'上のエラストマー材料２０のスリット２２から外へ押しやる。このとき、エゼクタは伸長位置にあって、他の任意の錠剤が分配ゾーンに進入することを防ぐ。エゼクタが分配ゾーン３４内に移動されたとき、エゼクタと一体のばね４０は、圧縮状態になってエネルギーを蓄積する。使用者が分配力を与えることを止めると、ばね４０は、ガイドピース３２の第二部分３２ｂを押して、そのエネルギーを解放してばねを元の位置へ戻す。エゼクタが引き戻されたとき、錠剤は次の分配周期のために分配ゾーンに落下する。

さらに別の実施例では、エゼクタは、垂直に延在する積極的ストッパ４１を備えることがあり、前記積極的ストッパ４１は、それがガイドピース３２から延びるストッパ３２ｅに接触するとき、エゼクタの更なる行程に対する障害物を提供することが可能である。

一つの例では、端壁３１'に形成されたスリット２２は、ディスペンサーの耐用寿命の全体を通して湿密なリップシールである。

図１７〜２０に示される他の実施例では、ハウジング１２'は、主要部分１４'と側壁１６'とを有しており、前記側壁１６'は、図１〜５に関係して論述されたようにカバー１６が上ハウジング１４に組み付けられるのと同様の様態で主要部分に組み付けられる。

さらに別の実施例では、この実施例のディスペンサーの内部は図１〜５の内部と同じである。変形可能な湿密材料（例えばエラストマー）の領域が、エゼクタが作動されるところのエゼクタの一部分を覆っている。

図１８の実施例で示されるように、側壁１６'は、水平延在端部１９'を備えた壁部分１７'を有しており、前記端部１９'は、側壁１６'がハウジング１２'に組み付けられたときハウジング１２'の主要部分１４'の内壁に沿って延在する。水平延在部１９の端は、主要部分１４'の内壁に対する封止を提供するためにエラストマー２１'で覆われている。壁部分１７'はリップシール２２'を備えており、前記リップシール２２'を通して錠剤が分配される。壁部分１７'は、水平延在部分１９に沿った部位であって、前記部分の端の間の部位で水平延在部分１９に接合されている。従って、側壁１６'が主要部分１４'に組み付けられたとき、壁部分は凹所に置かれて、主要部分によって形成される体積の中に存在する。さらに図２０に示されるように、凹部には、テーパー壁２７'が設けられ、前記テーパー壁２７'は、錠剤が中に分配される凹部の面積を減少させる。

図２１は、図１〜５の実施例で示されるエゼクタ組立体の代わりになり得る、エゼクタ組立体についての他の実施例を示している。ここで、エゼクタ３６''は、湿密でなくてもよい区画に保持されており、前記区画は一部がガイドピースによって形成されている。変形可能薄膜３５を有する垂直延在ガイドピース部分３２ｂ''が、エゼクタ３６''と分配ゾーン３４''との間に配置されている。エラストマーの薄膜は、エゼクタが作動されたとき変形可能であり、そして錠剤に接触して、錠剤をディスペンサーから押し出す。

図６及び７に示される他の実施例は、分配ゾーン配置構成にバリエーションを採用していて、エラストマー材料を採用していない。上ハウジング、下ハウジング、カバー、及びシールは、以下の開示によって変更されるところ以外は前述のように構築可能である。図６に示されるように、一対のガイドピース構成要素３２'及び３２''、つまり増加方向の傾きを持つ一方のガイドピース構成要素及び減少方向の傾きを持つ他方のガイドピース構成要素が下ハウジングの下部に配置されている。この配置構成の結果として、ガイドピースは錠剤を分配ゾーンに導く。下ハウジングの下に、分配プランジャが、ハウジング内のハウジング下端に位置決めされている。分配プランジャーは開口５６を備える底５１を有しており、前記開口５６を通して錠剤がディスペンサーから出る。

分配プランジャー５０は、第一側面５２及び第二側面５４を含んでいる。第二側面５４はほぼ垂直に延在している。分配プランジャー５０の第一側面５２は、垂直部分５２ａ、湾曲部分５２ｂ、及び傾斜部分５２ｃを備えており、このことが錠剤を分配ゾーンへ導く。静止ブロック５８が、第一側面５２の内側に、ガイドピース３２''の下に取り付けられている。ガイドピース構成要素３２ａ''及び３２ｂ''の下端は分配ゾーンの上で終わっている。ガイドピースの間の開口６２がシュート６４の頂部に位置決めされており、前記シュート６４の中で錠剤は分配のために一列に並んで順番を待つ。シュートは、一方の側を側壁５２によって、他方の側を静止ブロック５８によって境界をつけられている。

下ハウジングの下端は、二重壁配置構成を備えており、前記二重壁配置構成は一対の二又突起６６に似ており、前記一対の二又突起６６は、分配プランジャー５０の二重側壁配置構成から上方に延びる相補的な一対の二又突起６８を受容する。図７に示されるように突起６６及び６８は互いに摩擦係合する。下ハウジング６６は、ばね座６９をさらに備えており、前記ばね座には、ばね６７の端が着座する。ばね６７は、分配プランジャーを下方へ、その伸長位置に付勢する。

一実施例では、錠剤をディスペンサーから分配するために、使用者は、分配プランジャー５０の底５１を伸長位置から上方へ押すことによって、錠剤が、静止ブロックを圧迫して、第二側壁５４の湿密リップシール５７を通して排出されることを引き起こす。次に錠剤は開口５６を通して落下する。使用者が、分配力を与えることを止めると、ばねが、分配プランジャーを伸長位置へ戻す。

湿密ディスペンサーの他の実施例が図８〜１３に示されている。このディスペンサーは、球形または円形錠剤に使用され得る。上ハウジング９９は、実質的不透湿性材料（例えばポリプロピレンまたはポリエチレン）から構築可能な射出成形構成部品である。他の実施例では、上カバーの外側表面は、実質的不透湿性材料から作られ、又内面は、例えば、全てが本明細書に引用することにより組み入れられる米国特許第５９１１９３７号、６２１４２５５号、６１３０２６３号、６０８０３５０号及び６１７４９５２号、６１２４００６号、６２２１４４６号、並びに２０００年２月１４日に出願された米国特許出願第０９／５０４０２９号に開示されている乾燥剤プラスチック配合物で開示されているもののような乾燥剤ポリマーブレンドを使用する乾燥剤プラスチックで二重成形される。例えば、二つの材料部分は、二回ショット射出成形工程で製造可能である。

示されるように、上ハウジングは頂面１０１、及び頂面から下方に垂れ下がる側壁１０２を有している。ハウジングは楕円形を有している。しかしながら、これは設計上の選択であって、他の形状が選択されてもよい。上カバー１０２は、スロット１０３をハウジングの両側に二つずつ備えているが、図には一組だけが示されている。スロットは、構成要素のすべてを接合するために、ディスペンサー機構の組み立てに使用される。

ディスペンサー機構１０４は、二つの構成要素、つまり上ハウジング内に嵌合するように大きさと寸法を決められた基部構成要素１０５と（それは図に示されるように楕円形である）、エラストマー頂面１０６とから構築されており、前記エラストマー頂面１０６は、頂面の周囲を巡って延在して、基部構成要素の上で封止される。基部構成要素１０５は、実質的不透湿性材料のポリプロピレンまたはポリエチレンから成形されてよい。エラストマー頂面は、商標名サントプレンで市販されているＥＰＤＭのようなエラストマーのシール材料から形成されてよい。基部構成要素１０５には、基部構成要素の側壁から突出するタブ１０７が設けられている。タブ１０７は、ディスペンサーが組み立てられたとき、タブが、上ハウジングのスロット１０３に入って係合するように、位置決めされかつ大きさを決められている。同様に、第二の組のタブ１０８が設けられており、それらは、下ハウジング１２０に設けられたスロット１１８に係合するように大きさと寸法を決められている。

上カバーとディスペンサー機構との組立体は、リザーバを形成する。つまり、錠剤は上ハウジングの内部を満たし、リザーバの底面はディスペンサー機構の頂面１０６である。エラストマー頂面１０６は、上ハウジングに湿密封止を生み出す。

エラストマー頂面１０６は漏斗形状を有しており、前記漏斗形状はその最下部に開口１０９を有していて、前記開口１０９は、錠剤が、開口１０９から下方に延びる管１１０内へ、そしてディスペンサーの下ハウジング１２０内へ落下できるように大きさを決められている。一実施例では、管は二つの材料から形成されており、つまり（１）ＰＰまたはＰＥのようなより硬いプラスチック材料、及びその引金に面する側は、管は、（２）比較的変形可能なエラストマーから形成されている。管の端はエラストマーから構築されて、ドア１１８との湿密封止を形成する。図９参照。そのプラスチックは剛性を提供し、又エラストマーは、以下に詳述されるように、分配動作の間に管が部分的に変形されることを可能にする。管は、錠剤が一列で管の中を移動するように、概ねその内部の寸法を決められている。

下ハウジング１２０には、底面１２１と側壁１２２とが設けられており、前記側壁１２２は底面１２０から上方へ延びている。内壁１２３が、内側側壁の面に沿って設けられている。唯一つの内壁１２３が図９に示されているが、内壁は前面の側壁に対しても設けられている。内壁は水平面１２４と傾斜面１２５とを有している。

引金１１１には、押しボタン１１２と、押しボタン１１２からディスペンサーの内部に延在するプラットフォーム１１３と、プラットフォーム１１３に取り付けられた垂直支持体１１４とが設けられており、前記支持体１１４にはばね１１５と押し要素１１６とが取り付けられている。プラットフォーム１１３には、プラットフォームの側面から外側へ延びるガイド要素１１７がさらに設けられている。プラットフォームの端には、ディスペンサーのさらに内部に延びるドア１１８がある。ドアの上面には、円錐台１１９が設けられている。一対のガイド要素１１７'が、ドア１１８から外側へ延びている。押しボタン、プラットフォーム、垂直支持体、ばね、及び押し要素は、ポリプロピレンまたはポリエチレンで構築可能である。ドア及び円錐台は、アセタールＰＯＭのようなエラストマーで構築可能である。

図１０に示されるように、引金１１１のドア１１８は円錐台１１９と協働して管１１０の開口を覆い且つ該開口内に位置決めされ、そのことにより、管内への湿気の侵入、及び管の上にある錠剤リザーバの中への湿気の進入を実質的に減少させる湿密封止を形成する。押し要素１１６は、それも引金機構の一部であり、管に近接して、特に比較的軟らかいエラストマー材料から作られた管の部位に近接して位置決めされる。また、引金機構のガイド要素１１７、１１７'は、下ハウジングに設けられた内側壁１２３の傾斜部１２５に直ぐ隣接した水平面１２４上に静止する。

ディスペンサーは以下のように作動する。重力によって錠剤が管の中に落下する。最も下の錠剤が、管の底のドア１１８上に静止する。引金機構のボタンがディスペンサーの中に押し込まれる。引金機構全体は、力が加えられた方向に移動する。ドア１１８のガイド要素１１７'が傾斜面を下に移動してドアの開放を引き起こす。ドアが開放したとき、錠剤が管から分配される。錠剤は、下ハウジングに落下して、下ハウジング内に設けられた開口（非図示）を通って外へ落下する。ドアの開放と同時に、引金要素の押し要素１１６は、管に接触して管の比較的軟らかいエラストマー材料に力を及ぼし、そのことによって、図１１に最も良く見られるように、エラストマー領域を変形させる。管の内側への変形は、管の大きさを縮小し、そのことにより、ドアに静止している錠剤以外の錠剤が分配されることを防ぐ。これは、分配力の各付与毎にただ一つの錠剤が分配されることを保証する。錠剤が分配された後、分配力は取り除かれて、付勢ばねが引金機構を静止位置へ戻す。ドアは再び管の底を封止し、又押し要素は管から退く。管が変形されていたとき落下を抑えられていた錠剤が次にドア上に落下する。

一実施例では、押し要素１１６は図９において十字形を有するように示される。代わりに、押し要素１１６'が蛇行形（図１２）であってもよい。さらに別の代替形態が、Ｖ形ノッチを有する押し要素１１６''を採用する。この実施例では、管は、管のエラストマー領域が押し要素に向き合う、管側面の横にあるように変更される。作動されたとき、Ｖ形ノッチの側面は管のエラストマー領域に接触してこれを変形させる。この配置構成は図１３に示されている。

図１４〜１６に示される第四実施例では、ディスペンサー２００には、カバー２０２とハウジング２０４と引金機構２０６とが設けられている。エラストマーシールが、湿密封止を提供するために、カバーがハウジングに接合するところで二重成形されてよい。ハウジングの内部には、傾斜した一つまたは複数のガイドピース２０８、２０８'が設けられており、前記ガイドピース２０８、２０８'は、重力の助けを借りて、錠剤をシュート２１０の頂部の開口へ導き、前記シュート２１０は、柔軟なエラストマー材料で形成された側壁２１２、２１４を有し、その中で錠剤が、一つずつの分配のために並んで順番を待つ。ガイドピース２０８、２０８'の端は、湿密封止を形成するために、管側壁２１２、２１４を形成するエラストマー材料で二重成形されている。ハウジングの底面２２０に、開口２２２が設けられて、前記開口２２２を通して錠剤は分配されることが可能である。

引金機構２０６は、バックストップとは反対側の端壁２１９に位置決めされたボタン２２３を含んでいる。ハウジングの底面２２０に沿って延びるガイド要素２２４が、ボタン２２３に接合している。ガイド要素２２４は、ハウジングの開口２２２とほぼ同じ大きさの開口２３５を有している。ガイド要素２２４は、垂直に延在するバックストップ２１６をさらに備えている。押し要素２２６がボタン２２３から管の側壁２１４の方へ水平に延びている。ばね２２８が、押し要素から、ばね力受け部材２３０の方へ延びており、前記ばね力受け部材２３０はガイドピース２０８の底面から下に垂れている。引金機構２０６のガイド要素２２４はハウジングの底面２２０に沿って水平に延びている。

引金機構２０６が休止位置にあるとき、側壁２１２、２１４の端とバックストップ２１６は互いに封止可能に係合され、その結果管に進入する湿気は実質的に減少される。又やはり、引金機構が休止位置にあるとき、ガイド要素２２４の開口３２５は、ハウジングの底壁の開口２２２からずれている。

ハウジングは、実質的不透湿性プラスチックで構築可能である。エラストマーシールは、カバー２０２がハウジングに接合する部位に湿密封止を提供するために、その部位で二重成形されることが可能である。例えば、ハウジングはＰＰ又はＰＥで構築されることが可能であり、また前記ハウジングは、引金機構２０６を覆う、二重成形されたエラストマーシールをさらに備える。エラストマー材料は、錠剤が分配される前に並ぶところの管も形成する。例えば、引金は、アセタールＰＯＭが全面に二重成形されたＰＰ又はＰＥで構築されることが可能である。引金のばね要素はＰＰ又はＰＥで構築されることが可能である。

錠剤は以下の様態で分配される。引金は休止位置にあり、又錠剤は管の最下部領域に配置される。湿密封止が管の端とバックストップとの間に形成される。引金が押されたとき、ガイドピースは端壁２１９から離れるように移動し、このことによりバックストップ２１６が管２１２、２１４の端から遠ざけられる。これが生じているとき、ガイド要素２２４の開口２３５は、ハウジングの開口２２２の方へ移動してそれと整列する。これらの動作の結果として、錠剤が管からそして整列した開口を通して落ちる。また、この同じ時に、押し要素２２６は側壁２１４に接触し、また管のその部分が比較的柔軟なエラストマー材料で作られているので、管は押し要素の内方への移動によって変形されて、更なる錠剤が分配穴から出ることを防ぐ。

引金が押されて内側に移動したとき、ばね要素２２８はエネルギーを蓄積する。ディスペンサーの使用者が分配力をもはや付与しないとき、ばね要素内のエネルギーによって引金要素は休止位置へ戻される。押し要素は管から退いて、押し要素をその元の形と位置に戻す。又、バックストップも、ガイド要素２２４が後退すると、管部分２１２、２１４の端との湿密封止位置に戻る。他の錠剤が最も下の位置をとり、そして次に分配される錠剤になる。

図２２〜２６は他の実施例を示しており、そこではディスペンサーは、ハウジング３００を備えており、前記ハウジング３００はその内部に増加方向の傾き及び減少方向の傾きの三角形壁３０１、３０２を備えており、前記三角形壁３０１、３０２では、三角形壁が中心の方に傾斜して分配ゾーン３０４に集中している。ハウジングは、ディスペンサーの内側が概ね一つの錠剤の幅であるように寸法を決められている。重力が、ディスペンサーの三角形底と協同して、錠剤を分配ゾーン３０４内に導く。代わりにハウジングの底に三角形壁が設けられて、分配ゾーンが三角形壁の間から下へ延びることが可能である。

ハウジングは、ＰＰ又はＰＥのような実質的不透湿性材料で形作られることができる。分配ゾーン３０４の一方の側には、比較的にエラストマーの材料で作られたボタン３０６が備えられている。キャビティの反対側には、錠剤がキャビティから出てゆくことが可能な大きさで作られた開口３０８が設けられている。ヒンジ３１２によってキャビティに接続されたドア３１０が開口を覆う。任意選択的に、図２３に示されるように薄いダイヤフラム層３１４が開口とドアとの間に設けられてもよい。

錠剤を分配するために、使用者はエラストマーボタン３０６を押す。力は錠剤に伝達され、錠剤をドア３０８に押し付け、ドア３０８を開放させて次に錠剤を開口から押し出す。錠剤がディスペンサーから出ると、使用者はドアを押して閉じる。次の錠剤が所定の位置に落下して、使用者がそれを分配する準備ができたとき分配される。

さらに別の実施例では、ボタンがエラストマー以外の材料から作られる。例えばボタンは低密度ポリエチレンから作られることが可能である。又、低密度ポリエチレンのボタンは、容器の側壁のプラスチックの厚さ及び分配ゾーンの他の部分の壁厚に比較したとき、比較的薄いプラスチック領域に成形することが可能である。この構造的配置構成により、ディスペンサーは一回ショットの成形工程で形作られることが可能である。

さらなる実施例では、図２４は、押し要素３２０を示しており、前記押し要素３２０は、ハブ３２２の周りに配列されてハブ３２２に接合されたスポーク３２４を含む構造を有する。押し要素は、品目が分配ゾーンにあるとき、ボタンと分配されるべき品目との間における分配ゾーンの内側に位置決めされる。押し要素はハウジングの周囲に接合されている。押し要素は、当接しない場合、ボタンに直ぐ近接している。力がボタンの外側に加えられたとき、力は押し要素に伝えられ、押し要素が錠剤を押してそれを前述された様態でキャビティから分配する。

図２５は先行する図のディスペンサーの一実施例を、装填に適した開放状態で示している。ディスペンサーは、ヒンジ３４４によって接合された第一の半体３４０と第二の半体３４２とを備えており、また錠剤がディスペンサーの一方の半体に一個の厚さの深さの配列で置かれるところの平たい開放位置にディスペンサーを配置することによって装てんされ得る。錠剤を収容していないディスペンサーの半体は錠剤を収容している半体の上に閉じられる。二つの半体は、一体の接合された構成要素を保持するためにこの用途で記載された構造的配置構成のいずれをも備えることが可能である。

図２５も、湿密リップシール３４３を備えたディスペンサーを示しており、前記湿密リップシール３４３を通して錠剤が分配される。リップシールは本開示において先に記載されている。

他の実施例では、分配ゾーンは、取外し可能カバーを備えており、前記カバーはディスペンサーがいたずらをされたかどうかの証拠を提供する。これを実施するためにいくつかの配置構成がある。図２７で他の実施例で示されるように、いたずら証拠シールが、円板であることが可能であり、前記円板は、穿孔の間で離間された要素によって、壁の開口の周囲に取り付けられている。要素は、円板に接合されたタブ部分が引き離されたとき壊される。

図２６に示されるさらに別の配置構成では、取外し可能十字体３３４が開口の上に設けられる。十字体は、上述の要素及び穿孔とともに基材に接合されることが可能である。十字体は引きタブに接合されており、前記引きタブは引っ張られたとき、十字体を基材から取り外して、錠剤が排出可能な十字形の開口を残す。

本発明のディスペンサーの第一の実施例の断面図である。 図１に示されるディスペンサーの分配側から示される、Ａ−Ａ線に沿う断面図である。 図１に示されるディスペンサーのプッシャー側から示される、Ａ−Ａ線に沿う断面図である。 第一のディスペンサー実施例の斜視図である。 第一のディスペンサー実施例の斜視図である。 本発明の他の実施例の側面図である。 図６の実施例の一つの様相を示す斜視図である 本発明の他の実施例の斜視図である。 本発明の他の実施例の分解図である。 本発明の分配部の斜視図である。 錠剤を分配する直前のディスペンサーの断面図である。 本発明の代替実施例の平面図である。 本発明の代替実施例の平面図である。 本発明の第四の実施例の断面図である。 引金機構が作動されている、本発明の第四の実施例の断面図である。 本発明の一つの様相の斜視図である。 本発明の他の実施例の斜視図である。 図１７に示される実施例の一つの様相の側面図である。 図１７に示される実施例の分解図である。 図１７に示される実施例の底面図である。 本発明の他の実施例の断面図である。 本発明の他の実施例の側面図である。 図２２に示された実施例の、側面から見た断面図である。 本発明の実施例を示す、ディスペンサーの内側から見た側面図である。 図２２に示される実施例の、開けられた状態の平面図である。 本書で論述された実施例に採用可能ないたずら証拠シールの斜視図である。 本書で論述された実施例に採用可能な他のいたずら証拠シールの斜視図である。

Claims (3)

1. 固体物を分配するための湿密ディスペンサーであって、複数の固体物を保持するためのリザーバを具備し、前記リザーバが、再封止可能なスリットと、一つの固体物を保持するための空間に対向して位置決めされたエゼクタを備えるエゼクタ組立体とを有する分配ゾーンに連通する、固体物を分配するための湿密ディスペンサーにおいて、
   前記再封止可能なスリットが、軟質可撓性材料に設けられ、
   前記エゼクタ組立体が、排出力に応答して前記再封止可能なスリットの方向に変形する軟質可撓性材料部分を備え、
   前記再封止可能なスリットは、壊れやすい材料から構築されたいたずら証拠シールを備えている、
   固体物を分配するための湿密ディスペンサー。
2. 前記再封止可能なスリットが、前記分配ゾーンの第一の側にあり、また前記エゼクタが、前記第一の側とは反対側の、前記分配ゾーンの第二の側にある、請求項１に記載のディスペンサー。
3. 前記いたずら証拠シールが、前記スリットに壊れやすく接合された円板と、前記円板に接合されたタブ部分とから構成される、請求項１に記載のディスペンサー。

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