JP4307606B2 - ペン入力個人認証方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペン入力個人認証方法に関する。より具体的には、本発明は、電子ペンにより平面に入力される筆跡情報に基づいて本人であるか否かを認証する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、特に情報端末に対する不正操作や建物への不正侵入を防止するために「セキュリティー」の分野で個人識別技術の需要が高まっている。個人識別の方法としては、(1)パスワードや暗証番号などの個人の記憶に依存するもの、(2)免許証やクレジットカードなどの個人の所有物によるもの、(3)署名や声紋などの個人の生成物によるもの、(4)指紋や網膜などの個人の生体的特徴に依存するものが存在している(表1参照)。これらの方法のうち、(3)および(4)をバイオメトリクス方式と呼ぶ。従来からの個人識別方法としては、上記(1)および(2)の方法が知られている。
【表1】
【0003】
しかし、所有物や記憶情報に依存する方法は、不正な方法による第三者の知得や盗難および偽造等のコンピューター犯罪が増加する近年の状況では、必ずしも万全とはいえず、これら従来方法を補完ないし代用するものとしてバイオメトリクス方式が期待されている。バイオメトリクス方式とは、予め登録されたテンプレート(本人データ)と入力されるデータとを照合し、照合度がある範囲内であればその入力データを対応する人を本人と判定する方式である。バイオメトリクス方法に関し、従来知られる識別方法は(3)の方式では声紋による識別、(4)の方式では指紋による識別が知られている。しかし、声紋による識別は風邪など体調による影響を受けやすく、指紋による識別は主に犯罪捜査等に利用されるものであり、識別対象者の心理的負担という問題を有する。そのため、体調などの不確定要因に影響されにくく、識別対象者に大きな心理的負担を与えず、識別対象者にとって比較的平易な方法であり、しかも安価で個人識別を行うことができるバイオメトリクス方式の個人識別方法が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、個人識別が必要となるクレジットカードなどに広く日常的に用いられている署名を個人識別手段とするものである。本発明は、盗難など第三者による不正利用を防止し、体調などの不確定要因に影響されにくく、識別対象者の心理的負担が少ないバイオメトリクス方式による個人識別方法を提供することを目的とする。また、本発明では、バイオメトリクス方式における問題点である本人を他人と判定してしまう誤り(タイプ1エラー:本人拒否誤り)および他人を本人と判定していまう誤り(タイプ2エラー:他人受理誤り)を最小限に抑え、信頼性の高い個人識別方法を提供する。
【0005】
【課題を解決する手段】
上記の目的を達成するため、本発明は電子ペンによりタブレットに署名する際の筆跡情報を(1)タブレット平面上におけるペン先端の位置トラジェクトリー情報、(2)筆圧トラジェクトリー情報、(3)タブレット平面とペンとがなす傾きについての角度トラジェクトリー情報として認識し、これらを必要に応じて情報圧縮した後、この目的のために作成された評価関数を用いて予め用意された本人のテンプレートとの間の距離計算を行い、得られた計算値を予め設定された閾値と比較することにより署名した者が本人か否かを認証する。本発明の方法によれば、目に見える筆跡のみならず、筆圧やペンの傾きも利用されるので、第三者が署名を真似することが非常に困難となる。
【0006】
より具体的には、本発明は、ペン先端が平面上に描く軌跡以外の情報を含む入力装置から出力される筆跡情報に基づいて本人か否かの認証を行うペン入力個人認証方法であって、上記筆跡情報の少なくとも一部を情報圧縮するステップと、情報圧縮された筆跡情報と予め用意された本人のテンプレートとの間の距離計算を所定の重み付けを含む評価関数を用いたダイナミックプログラミング法により実施するステップと、距離計算の結果を予め設定した閾値と比較して本人か否かを判断するステップとを含んでなるペン入力個人認証方法を提供する。
【0007】
本発明はまた、ペン先端が平面上に描く軌跡以外の情報を含む入力装置から出力される筆跡情報に基づいて本人か否かの認証を行うペン入力個人認証方法であって、ペン先端の位置トラジェクトリー情報と、ペンの筆圧トラジェクトリー情報と、上記ペンと上記平面のなす角度のうち該平面のx軸方向の角度トラジェクトリー情報と、上記ペンと上記平面のなす角度のうち該平面のy軸方向の角度トラジェクトリー情報とからなる群から選ばれる少なくとも2種類の筆跡情報と予め用意された本人のテンプレートとの間の距離計算を所定の評価関数を用いてダイナミックプログラミング法により実施するステップと、距離計算の結果を予め設定した閾値と比較して本人か否かを判断するステップとを含んでなるペン入力個人認証方法を提供する。
【0008】
ここでいうペンとタブレットあるいは入力のための平面は、本発明を実施するのに必要な筆跡情報を得るための入力装置を総称していうものである。筆跡のリアルタイムかつダイナミックなデータを得られる機器を代表してペンとタブレットといっているが、たとえば単なる短い棒とその動きをとらえるカメラなども用いることができる。ペンの先端の位置、筆圧、タブレット平面とペンとがなす傾きについての情報が得られるペンとタブレットは既に市販されている。そのような市販のペンとタブレットの組み合わせによれば、ペンの先端がタブレットに接していない状態でもペンの先端がタブレットの近傍にある限り、その位置が認識できるので、そのようなペンの先端とタブレットの表面が離れた状態でのペン先端の位置情報も本発明の方法においては利用することができる。このような位置情報も他人が真似しにくいものである。
【0009】
ここでいう重み付けを含む評価関数とは、一種の筆跡情報にそれとは異なる筆跡情報による重み付けをしたものである。例えば、ペンの長さ軸と平面とがなす角度の情報に筆圧の関数である重み付けを加えたり(すなわち、重み付け関数を角度情報の関数に掛ける)、ペン先端の平面上の軌跡の情報に筆圧またはペンの長さ軸と平面とがなす角度の情報の関数を重み付けとして加えるなどして得られた評価関数をいう。
【0010】
本発明の方法は多くのやり方で実施することができる。パーソナルコンピューターを含むコンピューターを利用して、それにタブレットを接続して行うのが最も一般的であるが、その他にもコンピューターの液晶ディスプレーをタブレットの代わりに用いて実施することもでき、上記のような単なる短い棒とカメラを用いる場合には、コンピューターとカメラを接続することで実施できる。また、本発明の方法は、コンピューター読取可能な記憶媒体、例えば、ROM、RAM、CD−ROM、DVD、FD、MO、MD、ハードディスクに保存された実行プログラムを読み取り、これを実行することでコンピューター上において実施することもできる。さらに、本発明の方法は、コンピュータあるいはコンピュータにより制御される装置に組み込んだプログラムの形態でも提供することができる。例えば、自動現金支払機、入退室管理装置、その他の個人認証を必要とするあらゆる装置に組み込むことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に本発明による署名照合方法のアルゴリズムのフロー図を示す。本発明による署名照合方法では、P個の段階(Pは正の整数値であれば特に制限はない)に区分して筆圧を検出することが可能で、さらにペンの傾きを検出することが可能な電子ペンとタブレットの組み合わせを用いる。このタブレットに署名することにより得られる筆跡から特徴となるデータを抽出する。このデータは、筆圧情報とペンの先端のタブレット上の位置情報とペンのタブレット平面に対する角度の情報とからなる。このデータと予め用意されたテンプレートのパターン照合を行う。次にパターン照合から得られた結果と予め設定した閾値を比較し、本人か否かを判定する。このようなデータを得ることができるタブレットは既に市販されている。下記の実施例ではワコム製のタブレットArt Pad II Pro Series、電子筆圧ペンUP-401(ボールペン芯対応)を用いた。
【0012】
本発明では、署名された筆跡の特徴をトラジェクトリーデータとして抽出する。図2に示すように、タブレット1とペン2があるとき、トラジェクトリーデータは、(1)タブレット平面上におけるペン先端の位置トラジェクトリー(x(ti),y(ti))と、(2)筆圧トラジェクトリー(p(ti))と、(3)タブレット平面1とペン2のなす角度トラジェクトリー(px(ti),py(ti))とからなる。ここでのペン2の傾きとは、タブレット1に対して垂直上方向からタブレット1の表面上の座標におけるx軸、y軸それぞれの方向へのペンの傾きの大きさを表している。これらタブレット1に入力されるトラジェクトリーデータは以下の形で表すことができる。ここで、tiは、ある点と次の点と区別するためのパラメータであり、単に点の順を示すインデックスとしても捉え得るが、通常、時間値を表すものとして考えると便利である。
【数8】
(x(ti),y(ti),p(ti), px(ti), py(ti))∈R2×P×R2 (1)
i=1,2,…,I
【0013】
入力データのサイズを小さくするため、本発明においては、データの圧縮を行うことが好ましい。圧縮法は、種々の方法を採用することができ、本発明にとって本質的な重要性を有するものではない。しかし、筆跡によるより正確な個人認証という目的に鑑み好ましい圧縮法として、次のようなものが例として考えられる。
【0014】
本発明では、この圧縮をするために、位置情報であるドット同士を結びベクトル化することができる。このとき、文字の特徴を崩さないようにしながら角度差の少ないベクトルを結合していくことが好ましい。位置情報の圧縮の例を図3に示す。図3の(a)のようなドットを結ぶ3つのベクトルを圧縮することを考えた場合、そのときのベクトルの長さ(Vi)と角度(θi)の関係は図3の(b)のようになる。図3の(c)のようにV1とV2を圧縮してできるベクトルは、V1とV2の角度の差が大きくないので、図3の(d)に示すように文字の特徴が失われていない。しかし、図3の(e)に示すようにV3も1つに圧縮してしまうと図3の(f)から明らかなように、角度差が大きくなり文字の特徴が失われてしまう。そのため、角度差の閾値θ*を用いて最適な角度で圧縮する。本発明で用いた圧縮方法の詳細は、松本らの論文(小林充、宮本修、森哲也、中川洋一、松本隆:“Reparametrized Angle Variationsを用いるon-line手書き文字認識”、信学技報、PRU94-121、pp. 23-30(1995)、宮本修、中川洋一、松本隆:“On-line文字認識アルゴリズムReparametrized Angle Variationsを高速に実行するハードウェアボードについて”、信学技報、PRU94-136)に示されている。
【0015】
ベクトルを圧縮する上で、一様に間引きするという考え方もあるが、この場合、ペンの移動方向が急に変化するときの鋭角点に関する情報が失われる可能性がある。上述の本発明における好ましい圧縮法はこのような鋭い角を形成する点、すなわち筆跡の特徴をよく表すような点の情報を保存するという特徴を有している。図4に本発明に好適な圧縮法と一様に間引きする圧縮法の比較を示す。図4の(a)は軌跡が鋭い角度で折れ曲がっているベクトルの例である。これをベクトルを1つおきに圧縮すると、図4の(b)の様に鋭角の頂点Cの情報が失われてしまう。一方、本発明において用いるこの圧縮法では、図4の(c)に示すように鋭角の頂点Cの情報が完全に保存される。
【0016】
本発明の方法では、位置情報の圧縮の際に筆圧情報も考慮することもできる。これは、例えば、P個の数値段階で表されている筆圧をN個の段階(1,2,…,n,…N)に分類しなおし(P>N)、第n段階にあるベクトル同士のみ圧縮可能とするものである。図5に筆圧を考慮に入れた位置情報の圧縮手順を示す。図5の(a)に示す7個のベクトルは、筆圧を考慮しなければ1個のベクトルに圧縮可能であるが、図5の(b)に示すように筆圧pが第n段階と第n’(≠n)段階に分かれている場合、図5の(c)に示すように2個のベクトルに圧縮される。
【0017】
上記のように位置データの圧縮の際に筆圧を考慮した筆跡データの圧縮結果は以下のように表すことができる。
【数9】
(θj,Δfj,pj,px(ti), py(ti))∈R2×{0,1,…,N}×R2
i=1,2,…,I (2)
j=1,2,…,J
ここで、θj,Δfj,pjは、それぞれ圧縮されたベクトルの角度(タブレット平面上の一定の座標軸からの角度として表すことができる)、長さ、筆圧を示す。なお、上記の式では、ペンの傾きを表すpx(ti), py(ti)のデータは、圧縮せずパターン照合する形をとったが、これらについても圧縮してもよい。
【0018】
筆跡データから抽出し、圧縮したトラジェクトリーデータを、予め用意され、同様の形式にまとめられたテンプレートデータと比較し、両者の距離を計算する。計算に用いるテンプレートデータは、式(2)の筆跡データに対応して、以下のように表される。
【数10】
(ηl,Δgl,ql, qx(tk), qy(tk))∈R2×{0,1,…,N’}×R2
k=1,2,…,K (3)
l=1,2,…,L
ここで、ηl、Δgl、qlは、それぞれ上述の圧縮された筆跡ベクトルの角度、長さ、筆圧に対応する、テンプレートのベクトルの角度、長さ、筆圧を表すものである。そして、qx(tk)、qy(tk)のデータはペンの傾きについてのテンプレートの対応データを表す。ベクトルの角度、長さ、筆圧といったそれぞれのデータの特徴を考慮し、下記の動的計画法を実施する上で、好ましい評価関数としては、次のような形のものを一例として考えることができる。
【数11】
|θj―ηl|d(pj,ql)ρ(Δfj,Δgl) (4)
ここで、d(pj,ql)はペンの筆圧情報を考慮するための重みとして考えることができ、ρ(Δfj,Δgl)はベクトルの長さを考慮するための関数である。これは筆跡の局所弧長を表すものとして考えることができる。dはpjとqlの差が大きくなるにつれて増大する関数であることが好ましい。また、ρはΔfjとΔglという距離の関数であれば原則的にはどのようなものであってもよい。あとは所与の課題と計算方式に応じて、いわゆる当業者が適切な関数形を見出せるものである。また、この式にはペンの傾き情報が含まれていないが、これを一種の重み付けとして含めることも可能である。
【0019】
これにより、各時刻における評価関数が得られるので、式(2)、(3)全体の距離を定義するにはj、lに関して総和を取ればよい。但し、j=1,2,…,Jであるのに対し、l=1,2,…,Lであり、一般にJ≠Lであるので、サブインデックスjsおよびlsを見つけ、s=1,2,…,Sまでの和を取る必要がある。ここで、サブインデックスjsおよびlsは以下の関係を満たす必要があり、
【数12】
js≦js+1,ls≦ls+1
圧縮されたデータ(θj,pj),(ηl,ql)はすべて考慮するのが望ましいので、
【数13】
js+1≦js+l,ls+l≦ls+l
とする。以上の点をまとめると、両者の距離は下式で与えることができる。
【数14】
ただし、jl=ll=l,js=J ,ls=Lと固定する。
【0020】
式D1の計算には、動的計画法(Dynamic Programming:DP法)を利用する。動的計画法では、以下に示す逐次的最小化の解が大域的最小化の解になる。
【数15】
D1(0,0)=0
【数16】
ここで、
【数17】
d(p,q)=|p―q|+lであり、
【数18】
とする。数16と数17の式は、ここで与えられた筆跡による個人認証とDP法を用いた距離関数の計算という課題に鑑みて最もシンプルな関数の形として比較的単純で好ましいと考えられるものであるが、これに限定されるものではない。dにおいては、qとpの差がゼロのとき1となり、qとpの差に応じて線形に増加するものであるが、その傾きの変更、また非線形の関数などの利用も当業者にとっての設計的事項である。
【0021】
ペンの傾き情報(px(ti), py(ti)),(qx(tk), qy(tk))の距離の計算は、x軸方向、y軸方向のペンの傾きに分けて、それぞれD2、D3を用いて計算する。
【0022】
【数19】
これらの関数も比較的に単純なものを選んだに過ぎず、その他の多くの関数形も利用可能であることはいうまでもなく、筆圧その他の情報を利用した重み付けを行うことも考えられる。
【0023】
D2、D3についてもDP法を用いて計算する。
【0024】
ペンの筆圧情報(pj),(ql)の距離の計算は、D4を用いて行うことができる。
【数20】
この式の計算もDP法を用いて行うことができる。このD4の式もD2、D3の場合と同様に種々の変形を考えることができるものである。
【0025】
これらのトラジェクトリー情報と予め用意された筆跡テンプレートに含まれるトラジェクトリー情報との上記に定義された「距離」を評価関数を用いて計算し、得られた値を予め設定された閾値と比較することにより、本人か否かを判定する。上記評価関数を統合させた本発明のストロークの角度情報による距離(D1)と、ペンの傾き情報による距離(D2,D3)と、さらに筆圧情報による距離(D4)を考慮した評価関数を以下に示す。
【数21】
D=λ1・D1+λ2・D2+λ3・D3+λ4・D4
上式において、係数λ1、λ2、λ3、λ4は経験値であり、D1、D2、D3、D4の値をほぼ等しいの割合で考慮するような値とすることができる。但し、D1、D2、D3、D4の組合せとしてD1(角度距離基準)とD4(筆圧のみ)は互いに筆圧情報を含んでいるため、以下の実施例においてはD1とD4を同時に数22の式に含めることはしない。換言すれば、λ1がゼロでないときはλ4はゼロとし、逆も同様とした。
【0026】
本発明においては、署名照合時のタイプ1エラー(本人拒否の誤り)とタイプ2エラー(他人受理の誤り)を防止するため適切な閾値を設定することが重要である。閾値を厳しく設定した場合、タイプ2エラーの発生は減少するが、タイプ1エラーの発生が増加する。一方、閾値を緩く設定した場合、タイプ1エラーの発生は減少するが、タイプ2エラーの発生は増加する。本発明における閾値を設定するために実施した手順の一例を以下に示す。
【0027】
【実施例】
本実施例では、閾値を設定する上でタイプ1エラー、即ち、本人が本人と認証されない誤りの低減を重視した。その理由は、本発明の適用が考えられるクレジットカード利用時、特に海外でのクレジットカード利用時の本人照合において、タイプ1エラーが発生すると必要なときに現金が得られないといった重大な問題となるためである。
【0028】
タブレットと電子筆圧ペンは、上記のワコム製の市販品を用いた。出力されるデータは、タブレットの縦2cm、横7cmの長方形内に0.1mm/pointの分解能で得られるx、y座標と、256段階で得られる筆圧と、−63〜+63レベルの情報を持つペンの傾き(pxと呼ぶx軸方向成分と,pyと呼ぶy軸方向成分とからなる)とからなる。
【0029】
本実施例では、表2に示すように、人A〜Hの8人の署名を用いた。例えば人Aについて言えば、本人が書いた署名のうちタイプ1エラーを計算するための40個とテンプレート作成用の10個、さらに本人の署名を見て他人が書いた署名を使いタイプ2エラーを計算する117個の合計167個の署名を用いることになる。これらのデータの採取期間はおよそ3カ月であり、実際に用いた署名のデータを図6に示す。
【表2】
【0030】
本実施例では、評価関数D1からD4について考えられる全ての組合せ(上述の理由により、D1とD4を同時に含まない組み合わせ)、すなわち11通りの組合せについて実施した(表3参照)。
【表3】
これらの組合せのそれぞれについて、テンプレートを求めた。テンプレートの求め方を以下に示す。
【0031】
本人が書いたm0個のテンプレート作成用署名を、m1個とm2個に振り分けた(m0=m1+m2)。本実施例では、テンプレート作成用署名は本人の全ての署名のなかから5個に1つの割合で抽出した。次に、テンプレート用署名同士でのパターン照合を行い、m1個の署名それぞれについて他の署名との距離の差を評価関数Dを用いて計算し、計算値が小さい順に3個をテンプレートとして選定した(図7、図9参照)。これは、最も平均的な署名を抽出することを意味している。3個のテンプレートを選定した後、これらテンプレートと残りの(m1−3)個の署名の間でパターン照合を行い、評価関数Dの計算値の最大値から上位5個を抽出し、その平均値を閾値とした(図8、図9参照)。ここでの3,5といった数値は適宜変更できるものである。
【0032】
テンプレートおよび閾値の選定後、つづいてタイプ1エラーの発生率を計算する。タイプ1エラー発生率の計算では、先に選定した3個のテンプレートと実験用署名m2個のパターン照合を行う。ここでテンプレートは3個あるので、1個の実験用署名につき、3つの評価関数Dが得られる。これら3つの評価関数のうち、最小の評価関数Dminを閾値と比較する。この理由は、先に述べたように、本人の署名をなるべく拒否しないように、タイプ1エラーの発生率を最小とするためである。ここで閾値をThとすると、以下の2つの条件式が得られる。ここでcは0.5から2.0までの範囲を0.1刻みの係数とした。
【数22】
Dmin>c・Th
【数23】
Dmin≦c・Th
ここで上記2式のうち、上の方の式(数23)を満たす場合、本人の署名が他人の署名であるとして拒否され、下の方の式(数24)を満たす場合、本人の署名が本人のものであるとして受理される。タイプ1エラー算出までのフロー図を図9に示す。
【0033】
タイプ2エラーの発生率を算出するため、タイプ1エラーの発生率の算出と同様に、他人の書いた署名と3個のテンプレートから求めたDminと閾値とを比較した。タイプ1エラーと同様、上式(数23)を満たす場合は、他人の署名が偽筆であるとして拒否され、下式(数24)を満たす場合、他人の署名が本人の署名であるとして受理される。
【0034】
本実施例では、角度閾値をθ*=0とし、筆圧を248段階に区分して計測して試行を行った。本実施例でのcの値の変化によるタイプ1エラーおよびタイプ2エラーを表4に示した。
【表4】
この結果は、サンプリングした8人分のデータをまとめたものである。また、実験1から実験11までの各実験における係数とタイプ1およびタイプ2エラーとの関係を図10〜図20に示す。
【0035】
図10は角度距離基準、すなわち筆跡情報としてタブレット平面上におけるペン先端の位置トラジェクトリーと、ペンの筆圧トラジェクトリーとを用い、情報圧縮された筆跡情報と本人のテンプレートとの間の距離計算にD1を用いた場合の係数とタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示す。図10には、係数cを大きくするとタイプ1エラーが減少し、係数cを小さくするとタイプ2エラーが減少することが示されている。これはすべての実験に共通してみられた傾向である。係数cはタイプ1エラーとタイプ2エラーの発生率がいずれもが低くなる値に設定するのが適当である。そのため、タイプ1エラー曲線とタイプ2エラー曲線の交差する点付近に設定するのが適当であると考えられる。図10から判断すると、タイプ1エラー曲線とタイプ2エラー曲線が交差するのは係数cが1.0付近である。交差地点付近でのタイプ1およびタイプ2エラーの発生率は、全ての実験例の中でも低い部類に属する。しかし、係数cを1.0以上の領域で増加させた場合、タイプ2エラーの発生率は大きく増加し、係数cを1.0以下の領域で減少させた場合、タイプ1エラーの発生率は顕著に増加する。これらタイプ1エラーとタイプ2エラーの発生率の増加は、全ての実験例の中でも大きい部類に属する。
【0036】
図11はペン角度x軸基準、すなわち、ペンとタブレットのなす角度のうちタブレットのx軸方向の角度トラジェクトリーを筆跡情報として用い、情報圧縮された筆跡情報と本人のテンプレートとの間の距離計算に距離関数D2を用いた場合の係数cとタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示す。図11から判断すると、タイプ1エラー曲線とタイプ2エラー曲線が交差するのは係数cは0.8付近である。交差点付近でのタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの発生率は全ての実験例の中でも高い部類に属する。ただし、係数cを増加させた場合のタイプ2エラーの発生率の増加量と、係数cを減少させた場合のタイプ1エラーの発生率の増加量は、全ての実験例の中で最も小さい。
【0037】
図12はペン角度y軸基準、すなわち、ペンとタブレットのなす角度のうちタブレットのy軸方向の角度トラジェクトリーを筆跡情報として用い、情報圧縮された筆跡情報と本人のテンプレートとの間の距離計算に評価関数D3を用いた場合の係数cとタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示す。図13から、ペン角度y軸基準の結果は、図11に示したペン角度x軸基準の結果と類似していることが確認できる。ただし、係数cが同一の場合のタイプエラーの発生率はタイプ1エラーについてペンx軸基準の方が大きく、タイプ2エラーについてペンy軸基準の方が大きい。タイプ1エラー曲線とタイプ2エラー曲線が交差するのは係数cが0.8の付近である。
【0038】
図13はペン筆圧基準、すなわち、ペンの筆圧トラジェクトリーを筆跡情報として用い、情報圧縮された筆跡情報と本人のテンプレートとの間の距離計算に評価関数D4を用いた場合の係数cとタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示す。図13から判断すると、タイプ1エラー曲線とタイプ2エラー曲線が交差するのは係数cが0.9付近であると考えられる。係数cを0.9以上の領域で増加させた場合、タイプ2エラーの発生率は顕著に増加する。一方、係数cを0.9以下で減少させた場合、タイプ1エラーの発生率が顕著に増加する。これらの傾向はすべての実験例の中で最も大きい。
【0039】
図14は角度距離基準+ペン角度x軸方向基準、すなわち、筆跡情報としてタブレット平面上におけるペン先端の位置トラジェクトリーと、ペンの筆圧トラジェクトリーと、ペンとタブレットのなす角度のうちタブレットのx軸方向の角度トラジェクトリーとを用い、情報圧縮された筆跡情報と本人のテンプレートとの間の距離計算のうち、ペン先端の位置トラジェクトリーと、ペンの筆圧トラジェクトリーの距離計算に評価関数D1を用い、ペンとタブレットのなす角度のうちタブレットのx軸方向の角度トラジェクトリーの距離計算にD2を用いた場合の係数とタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示す。図14から判断すると、タイプ1エラー曲線とタイプ2エラー曲線が交差するのは係数cが1.0から1.1の間である。なお、本実験例のタイプ1エラー曲線とタイプ2エラー曲線が交差する領域でのエラーの発生率は、すべての実験例の中で最も低い。
【0040】
図15は角度距離基準+ペン角度y軸方向基準、すなわち、筆跡情報としてタブレット平面上におけるペン先端の位置トラジェクトリーと、ペンの筆圧トラジェクトリーと、ペンとタブレットのなす角度のうちタブレットのy軸方向の角度トラジェクトリーとを用い、情報圧縮された筆跡情報と本人のテンプレートとの間の距離計算のうち、ペン先端の位置トラジェクトリーと、ペンの筆圧トラジェクトリーの距離計算に評価関数D1を用い、ペンとタブレットのなす角度のうちタブレットのy軸方向の角度トラジェクトリーの距離計算にD3を用いた場合の係数とタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示す。図15に示した実験結果と図14に示した実験結果はかなり類似している。図15から判断すると、タイプ1エラー曲線とタイプ2エラー曲線が交差するのは係数cが1.0の付近である。タイプ1エラー曲線とタイプ2エラー曲線が交差する領域でのタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの発生率は図14の場合と同程度に低い。
【0041】
図16はペン角度x軸方向基準+ペン角度y軸方向基準、すなわち、筆跡情報としてペンとタブレットのなす角度トラジェクトリーを用い、情報圧縮された筆跡情報と本人のテンプレートとの間の距離計算のうち、ペンとタブレットのなす角度のうちタブレットのx軸方向の角度トラジェクトリーの距離計算にD2を用い、タブレットのy軸方向の角度トラジェクトリーの距離計算にD3を用いた場合の係数とタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示す。図16から判断すると、タイプ1エラー曲線とタイプ2エラー曲線が交差するのは係数が0.9の付近である。本実験例は、係数cを0.9以上の領域で増加させた場合のタイプ2エラーの発生率の増加と係数cを0.9以下の領域で減少させた場合のタイプ1エラーの発生率の増加が図11の場合と同程度であり、すべての実験例の中でも小さい部類に属する。
【0042】
図17はペン角度x軸方向基準+ペン筆圧基準、すなわち、筆跡情報としてペンとタブレットのなす角度のうちタブレットのx軸方向の角度トラジェクトリーと、ペンの筆圧トラジェクトリーとを用い、情報圧縮された筆跡情報と本人のテンプレートとの間の距離計算のうち、タブレットのx軸方向の角度トラジェクトリーの距離計算にD2を用い、ペンの筆圧トラジェクトリーの距離計算にD4を用いた場合の係数とタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示す。図17から判断すると、タイプ1エラー曲線とタイプ2エラー曲線が交差するのは係数が0.9の付近である。本実験例は、係数cを0.9以上の領域で増加させた場合のタイプ2エラーの発生率の増加と係数cを0.9以下の領域で減少させた場合のタイプ1エラーの発生率の増加がすべての実験例の中でも大きい部類に属する。特に、タイプ1エラーの発生率の増加はかなり大きい。
【0043】
図18はペン角度y軸方向基準+ペン筆圧基準、すなわち、筆跡情報としてペンとタブレットのなす角度のうちタブレットのy軸方向の角度トラジェクトリーと、ペンの筆圧トラジェクトリーとを用い、情報圧縮された筆跡情報と本人のテンプレートとの間の距離計算のうち、タブレットのy軸方向の角度トラジェクトリーの距離計算に評価関数D3を用い、ペンの筆圧トラジェクトリーの距離計算にD4を用いた場合の係数とタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示す。図18の結果は図17の結果とよく類似している。図18から判断すると、タイプ1エラー曲線とタイプ2エラー曲線が交差するのは係数が0.9の付近である。
【0044】
図19は角度距離基準+ペン角度x軸方向基準+ペン角度y軸方向基準、すなわち、筆跡情報としてタブレット平面上におけるペン先端の位置トラジェクトリーと、ペンの筆圧トラジェクトリーと、ペンとタブレットのなす角度トラジェクトリーとを用い、情報圧縮された筆跡情報と本人のテンプレートとの間の距離計算のうち、ペン先端の位置トラジェクトリーとペンの筆圧トラジェクトリーの距離計算に距離関数D1を用い、ペンとタブレットのなす角度のうちタブレットのx軸方向の角度トラジェクトリーの距離計算にD2を用い、タブレットのy軸方向の角度トラジェクトリーの距離計算にD3を用いた場合の係数とタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示す。図19の結果は図14の結果および図15の結果と類似している。図19から判断すると、タイプ1エラー曲線とタイプ2エラー曲線が交差するのは係数cが1.0と1.1の間である。本実験例は、タイプ1エラー曲線とタイプ2エラー曲線が交差する領域のタイプ1エラー発生率およびタイプ2エラー発生率が図14と図15の場合と並んですべての実験例の中で最も低い部類に属する。
【0045】
図20はペン角度x軸方向基準と、ペン角度y軸方向基準、ペン筆圧基準の情報を用いた例、すなわち、筆跡情報としてペンとタブレットのなす角度トラジェクトリーと、ペンの筆圧トラジェクトリーとを用い、情報圧縮された筆跡情報と本人のテンプレートとの間の距離計算のうち、ペンとタブレットのなす角度のうちタブレットのx軸方向の角度トラジェクトリーの距離計算にD2を用い、タブレットのy軸方向の角度トラジェクトリーの距離計算にD3を用い、ペンの筆圧トラジェクトリーの距離計算にD4を用いた場合の係数とタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示す。図20から判断すると、タイプ1エラー曲線とタイプ2エラー曲線が交差するのは係数cが0.9の付近である。
【0046】
以上の結果によれば、D1(角度距離基準)+D2(x軸方向ペン角度)+D3(y軸方向ペン角度)による結果が最もよかった。しかし、これは8人分のデータを平均したものであり、A〜Hの個人個人について見ると、D1+D2+D3が常に最良の結果を与えるものであるとはいえなかった。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、電子ペンによりタブレットに入力される署名から、本人の筆跡情報を抽出し、これを予め用意された本人のテンプレートと比較する計算することにより、本人であるか否かを判定する。本発明によれば、タイプIエラーとタイプIIエラーを、必ずしも両方同時にではないが、ゼロにすることができ、クレジットカートの個人認証などのために特に実用性の高い個人認証方法が得られる。本発明は、個人認証が必要とされる様々な分野に適用可能であり、クレジットカードの個人認証、建物の電子ロック、パスワードに代わるコンピュータへのアクセスキーなど極めて幅広い分野への応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の個人認証方法のアルゴリズムのフロー図を示す。
【図2】ペンとタブレットのなす角度についての角度方向の取り方を示す。
【図3】位置情報の圧縮例を示す。
【図4】鋭い角度情報を保存する本発明の圧縮方法と一様に間引く圧縮方法の比較を示す。
【図5】筆圧を考慮に入れた位置情報の圧縮例を示す。
【図6】本実施例に用いた署名データの例を示す。
【図7】本実施例におけるテンプレートの作成手順を示す。
【図8】本実施例における閾値の作成手順を示す。
【図9】タイプ1エラー出力までのフロー図を示す。
【図10】実験1における閾値cとタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示すグラフである。
【図11】実験2における閾値cとタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示すグラフである。
【図12】実験3における閾値cとタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示すグラフである。
【図13】実験4における閾値cとタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示すグラフである。
【図14】実験5における閾値cとタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示すグラフである。
【図15】実験6における閾値cとタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示すグラフである。
【図16】実験7における閾値cとタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示すグラフである。
【図17】実験8における閾値cとタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示すグラフである。
【図18】実験9における閾値cとタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示すグラフである。
【図19】実験10における閾値cとタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示すグラフである。
【図20】実験11における閾値cとタイプ1エラーおよびタイプ2エラーの関係を示すグラフである。
Claims (5)
- ペン先端が平面上に描く軌跡以外の情報を含む入力装置から出力される筆跡情報に基づいて本人か否かの認証を行うペン入力個人認証方法であって、上記筆跡情報の少なくとも一部を情報圧縮するステップと、情報圧縮された筆跡情報と予め用意された本人のテンプレートとの間の距離計算を所定の重み付けを含む評価関数を用いたダイナミックプログラミング法により実施するステップと、距離計算の結果を予め設定した閾値と比較して本人か否かを判断するステップとを含み、
上記筆跡情報が上記平面上におけるペン先端の位置トラジェクトリー情報と、ペンの筆圧トラジェクトリー情報とからなり、位置トラジェクトリー情報を上記圧縮ステップにて圧縮して得たベクトルの長さ情報と角度情報とさらに筆圧トラジェクトリー情報とからなる筆跡情報と本人のテンプレートとの間の距離計算に重み付けを含む評価関数 D1
- ペン先端が平面上に描く軌跡以外の情報を含む入力装置から出力される筆跡情報に基づいて本人か否かの認証を行うペン入力個人認証方法であって、ペン先端の位置トラジェクトリー情報と、ペンの筆圧トラジェクトリー情報に加えて、上記ペンと上記平面のなす角度のうち該平面のx軸方向の角度トラジェクトリー情報または上記ペンと上記平面のなす角度のうち該平面のy軸方向の角度トラジェクトリー情報、あるいはその両方を含む筆跡情報と予め用意された本人のテンプレートとの間の距離計算を所定の評価関数を用いてダイナミックプログラミング法により実施するステップと、距離計算の結果を予め設定した閾値と比較して本人か否かを判断するステップとを含み、
該位置トラジェクトリー情報を圧縮して得たベクトルの角度情報と長さ情報と該筆圧トラジェクトリー情報を用いて重み付けを含む評価関数D1
ペンと平面のなす角度のうち平面のx軸方向またはy軸方向あるいはこれらの両方の角度トラジェクトリー情報と本人のテンプレー トとの間の距離計算にx軸方向の角度トラジェクトリーを用いる場合には評価関数D2
y軸方向の角度トラジェクトリー情報を用いる場合には評価関数D3
x軸方向とy軸方向の両方の角度トラジェクトリー情報を用いる場合には、[数3]と[数4]の1を含むある一定の比で比例配分した和を用い、
D1の値とD2またはD3の値あるいはD2とD3の値の前記比例配分した和をそれぞれ一定の比で比例配分して得られる和を前記距離計算の結果として用いるペン入力個人認証方法。 - 筆跡情報と本人のテンプレートとの間の距離計算に筆圧トラジェクトリー情報をさらに用いる場合には評価関数D4
- 本人の署名から作成した複数のテンプレートを準備し、各テンプレートについて上記評価関数の値を計算し、値が最も小さいものを閾値と比較することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一に記載の個人認証方法。
- 請求項1ないし4のいずれか一に記載の方法を実施するためのプログラムを記載したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
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