JP4307581B2 - 抑草剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非選択性リン酸系除草剤(群a)から選ばれた1種又は2種以上の第一除草活性成分及び亜リン酸誘導体等(群b)から選ばれた1種又は2種以上の第二成分を含有し、更に、マレイン酸ヒドラジド等(群c)から選ばれた1種又は2種以上の第三成分を含有してもよい農薬組成物又はその抑草剤としての使用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄道敷地、高速道路、放任空き地、工場敷地、堤防、水田畦畔、果樹園、耕起前の水田及び畑のような場面において、雑草を放置すると、交通機関の視界の妨げとなったり、病害虫の発生源になったり、農作業に支障をきたしたり、その他様々な悪影響が生じる恐れがある。しかし、昨今の労働力不足や人件費の高騰等を考えると、これらの雑草を人力及び機械のみで防除することは難しくなっており、グリホサート、グリホシン、ビアラホス、グルホシネートのような非選択性除草剤の使用が重要となってきている。
【0003】
上記の非選択性除草剤は、法面などの傾斜地や水田畦畔のような場面で、これらの非選択性除草剤を雑草の致死量使用すると、雑草をほとんど枯らしてしまい、土壌表面が裸地化され、土壌の流亡が問題となる。したがって、これらの場面では、雑草を完全に枯らすのではなく、種々の雑草を緑のままで残し、それらの生長を長期にわたって抑制する剤、すなわち、抑草剤が望まれている。又、実際の雑草防除の場面では、薬剤を散布するときに、風等の影響で場所によって施用される薬量のばらつきがあるため、抑草効果を示す薬量の幅が広い抑草剤が必要となる。言い換えれば、基準の施用薬量よりも多少多く施用されても雑草の根を枯らさず、かつ、基準の施用薬量よりも多少少なく施用されても抑草作用を示すような抑草剤の開発が望まれている。
【0004】
上記の非選択性除草剤の薬量を減らして使用したり、非選択性除草剤の殺草力を抑制する薬剤を添加して抑草剤として利用する試みもなされているが(特公昭56-6402 号公報、特開昭59-101500 号公報、Weed Science,39,622-628 (1991))、抑草効果を示す薬量の幅が狭い、抑草スペクトラムが狭い、抑草効果の持続性が短い等の欠点があり、実用的な抑草剤としての利用に至っておらず、上記欠点を克服する抑草剤の開発が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、グリホサート等の非選択性除草剤の配合剤を長年にわたり鋭意研究し、非選択性除草剤に、亜リン酸誘導体等からなる成分を配合し、更に任意に植物成長調節剤、殺菌剤等からなる成分を配合することによって、抑草剤として使用される農薬組成物を見出し、本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記非選択性リン酸系除草剤群・成分群aから選ばれた1種又は2種以上の第一除草活性成分及び下記亜リン酸誘導体等からなる群・成分群bから選ばれた1種又は2種以上の第二成分を含有し、更に、下記マレイン酸ヒドラジド等からなる群・成分群cから選ばれた1種の第三成分を含有してもよい農薬組成物及びその抑草剤としての使用を提供する。
【0007】
成分群aは、
N−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩、
N,N−ビス(ホスホノメチル)グリシン又はその塩、
4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−L−ホモアラニル−L−アラニル−L−アラニン又はその塩及び
4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−DL−ホモアラニン又はその塩からなる群であり、
成分群bは、
下記一般式(I)
【0008】
【化6】
Figure 0004307581
【0009】
[式中、R1 は、C1〜C8アルキル基(当該アルキル基は、1乃至3個のハロゲン原子又は1乃至3個のC1〜C3アルコキシ基により置換されてもよい。)、フェニル基又はベンジル基を示し、Mは、水素原子、アンモニウム基(当該アンモニウム基は1乃至4個のC1〜C3アルキル基により置換されてもよい。)、ナトリウム原子、カリウム原子、リチウム原子、マグネシウム原子、カルシウム原子、バリウム原子、亜鉛原子、マンガン原子、銅原子、鉄原子、ニッケル原子又はアルミニウム原子を示し、mはMの原子価と等しい整数を示す。]
で表される亜リン酸誘導体;
下記一般式(II)
【0010】
【化7】
Figure 0004307581
【0011】
[式中、nは1以上の整数を示し、R2 は水素原子、C1〜C6アルキル基又はC1〜C11アシル基を示す。]
で表されるキトサン類;
イソプロピルホスフェートのマグネシウム塩、バリウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩及び鉄塩からなる群から選ばれるイソプロピルホスフェート塩;
乳酸、プロピオン酸、ギ酸、酢酸、レブリン酸、安息香酸、クエン酸、アルギン酸、L−(+)−アスコルビン酸及びサリチル酸からなる群から選ばれる一種の有機酸のマグネシウム塩、バリウム塩、アルミニウム塩及びカルシウム塩{但し、第一除草活性成分にN−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩が含まれる場合、酢酸マグネシウム及び酢酸カルシウムを除く。}、マグネシウムエトキシド及びアルミニウムアセチルアセテートからなる群から選ばれる有機金属塩;及び硝酸アルミニウム、ホスフィン酸カルシウム、硫酸アンモニウムアルミニウム及び硫酸カリウムアルミニウムからなる群から選ばれる無機金属塩からなる群であり、
成分群cは、
植物成長調節剤、殺菌剤(エルゴステロール生合成阻害剤)、メフルイジド、アトラジン、ピリデート及びクロピラリッドからなる群である。
【0012】
本発明の第一除草活性成分であるN−(ホスホノメチル)グリシンは、一般名グリホサート(glyphosate)として公知の非選択性除草剤である。
【0013】
本発明の第一除草活性成分であるN,N−ビス(ホスホノメチル)グリシンは、一般名グリホシン(glyphosine)として公知の非選択性除草剤である。
【0014】
本発明の第一除草活性成分である4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−L−ホモアラニル−L−アラニル−L−アラニンは、一般名ビアラホス(bialaphos )として公知の非選択性除草剤である。
【0015】
本発明の第一除草活性成分である4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−DL−ホモアラニンは、一般名グルホシネ−ト(glufosinate )として公知の非選択性除草剤である。
【0016】
本発明の第一除草活性成分の構造を以下に示す。
【0017】
【化8】
Figure 0004307581
【0018】
第一除草活性成分中の「その塩」とは、有機又は無機の塩であって農薬として使用できるものであれば特に限定はないが、例えば、無機塩基塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アンモニウム等を挙げることができ、有機塩基塩としては、ジメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、イソプロピルアミン塩、ジイソプロピルアミン塩、ピペラジン塩、ピロリジン塩、ピペリジン塩、2−フェニルエチルベンジルアミン塩、ベンジルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエチルスルホニウム塩等を挙げることができ、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩としては、好適には、アンモニウム、イソプロピルアミン塩、ナトリウム塩又はトリメチルスルホニウム塩であり、更に好適には、イソプロピルアミン塩又はトリメチルスルホニウム塩であり、N,N−ビス(ホスホノメチル)グリシンの塩としては、好適には、ナトリウム塩であり、4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−L−ホモアラニル−L−アラニル−L−アラニンの塩としては、好適には、ナトリウム塩であり、4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−DL−ホモアラニンの塩としては、好適には、アンモニウムである。
【0019】
本発明の第一除草活性成分は、好適には、N−(ホスホノメチル)グリシン若しくはその塩又は4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−DL−ホモアラニン若しくはその塩であり、更に好適には、N−(ホスホノメチル)グリシン若しくはその塩である。
【0020】
本発明の第二成分中の上記一般式(I)で表される亜リン酸誘導体において、「C1〜C8アルキル基」とは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、シクロヘプチル、オクチルのような鎖状又は環状の炭素数1乃至8個のアルキル基であり、好適には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチルのような炭素数1乃至4個のアルキル基であり、更に好適には、エチル基である。
【0021】
本発明の第二成分中の上記一般式(I)で表される亜リン酸誘導体において、「ハロゲン原子」とは、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、好適には、塩素原子である。
【0022】
本発明の第二成分中の上記一般式(I)で表される亜リン酸誘導体において、「C1〜C3アルコキシ基」とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ又はイソプロポキシ基であり、好適には、メトキシ基である。
【0023】
本発明の第二成分中の上記一般式(I)で表される亜リン酸誘導体において、「1乃至3個のハロゲン原子又は1乃至3個のC1〜C3アルコキシ基により置換されたC1〜C8アルキル基」とは、例えば、クロロメチル、フルオロメチル、2−クロロエチル、1−クロロエチル、2−フルオロエチル、1−フルオロエチル、2−ブロモエチル、2−ヨードエチル、ジフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3−クロロプロピル、3−フルオロプロピル、4−クロロブチル、5−クロロペンチル、6−クロロヘキシル、7−クロロヘプチル、8−クロロオクチル、2−クロロシクロペンチル、2−クロロシクロヘキシル、メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−イソプロポキシエチル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、5−メトキシペンチル、2−メトキシシクロペンチル、2−メトキシシクロヘキシル、8−メトキシオクチル、1,2−ジメトキシエチル、1,2,3−トリメトキシプロピルのような、前記「ハロゲン原子」が1乃至3個又は前記「C1〜C3アルコキシ基」が1乃至3個前記「C1〜C8アルキル基」に置換した基であり、好適には2−クロロエチル、2−フルオロエチル、2−メトキシエチル又は2−メトキシエチルである。
【0024】
本発明の第二成分中の上記一般式(I)で表される亜リン酸誘導体において、「C1〜C3アルキル基」とはメチル、エチル、プロピル又はイソプロピル基であり、好適には、エチル基である。
【0025】
本発明の第二成分中の上記一般式(I)で表される亜リン酸誘導体において、R1 は、好適には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチルのような炭素数1乃至4個のアルキル基であり、更に好適には、エチル基である。
【0026】
本発明の第二成分中の上記一般式(I)で表される亜リン酸誘導体において、M及びmは、好適には、Mがマグネシウムでmが2、Mがカルシウムでmが2、Mがバリウムでmが2又はMがアルミニウムでmが3であり、更に好適には、Mがアルミニウムでmが3である。
【0027】
本発明の第二成分中の上記一般式(II)で表されるキトサン類において、「C1〜C6アルキル基」とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル基のような鎖状又は環状の炭素数1乃至6個のアルキル基であり、好適には、メチル、エチル又はプロピル基であり、更に好適には、メチル又はエチル基である。
【0028】
本発明の第二成分中の上記一般式(II)で表されるキトサン類において、「C1〜C11アシル基」とは、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、アクリロイル、メタクリロイル、ベンゾイル、ナフトイル基であり、好適には、ホルミル、アセチル、ブチリル又はベンゾイル基であり、更に好適には、ホルミル又はアセチル基である。
【0029】
本発明の第二成分中の上記一般式(II)で表されるキトサン類において、nは、好適には、1乃至10000であり、更に好適には、1乃至1000であり、最も好適には、10乃至200である。
【0030】
本発明の第二成分中の上記一般式(II)で表されるキトサン類において、R2 は、好適には、水素原子又はアセチル基である。
【0031】
本発明の第二成分中の上記一般式(II)で表されるキトサン類において、好適には、キトサンである。
【0032】
本発明第二成分において、「キトサン」とは、別名β−1,4−ポリ−D−グルコサミンのことを示し、粉状のキチンを熱濃アルカリで処理することにより調製でき、市販されているものとしては、アルドリッチ・ケミカル(Aldrich Chemical)社のキトサン(カニ殻);ナカライ・テスク(Nacalai Tesque)社のキトサン(カニ殻);和光純薬(株)(Wako)社の水溶性キトサン、キトサン10(粘度範囲:5-20cp)、キトサン100(粘度範囲:50-150cp)、キトサン500(粘度範囲:300-800cp )及びキトサン1000(粘度範囲:800-1300cp);フルカファインケミカル社のキトサン(分子量:〜70000 、〜750000及び〜2000000 );片倉チッカリン社のキトサン(脱アセチル化度:97% );焼津水産社のキトサン(脱アセチル化度:65、68、85、93及び96% )等があり、これらのいずれの製品も本発明に用いることができる。
【0033】
本発明の第二成分中のイソプロピルホスフェート塩とは、1個又は2個のイソプロピル基が置換したホスフェートエステルの混合物と金属とが結合した塩であり、好適には、マグネシウム塩、バリウム塩、アルミニウム塩又はカルシウム塩であり、更に好適には、アルミニウム塩である。
【0034】
本発明の第二成分中の有機金属塩において、好適には、乳酸、プロピオン酸、ギ酸、酢酸、レブリン酸、安息香酸、クエン酸、L−(+)−アスコルビン酸及びサリチル酸からなる群から選ばれる一種の有機酸のマグネシウム塩、バリウム塩、アルミニウム塩及びカルシウム塩{但し、第一除草活性成分にN−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩が含まれる場合、酢酸マグネシウム及び酢酸カルシウムを除く。}及びマグネシウムエトキシドからなる群から選ばれる有機金属塩であり、より好適には、乳酸、プロピオン酸、ギ酸、酢酸、レブリン酸、安息香酸、クエン酸、L−(+)−アスコルビン酸及びサリチル酸からなる群から選ばれる一種の有機酸のマグネシウム塩、アルミニウム塩及びカルシウム塩{但し、第一除草活性成分にN−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩が含まれる場合、酢酸マグネシウム及び酢酸カルシウムを除く。}及びマグネシウムエトキシドからなる群から選ばれる有機金属塩であり、更に好適には、乳酸マグネシウム、乳酸アルミニウム、乳酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、酢酸アルミニウム、レブリン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸カルシウム又はサリチル酸カルシウムであり、最も好適には、乳酸マグネシウム、乳酸アルミニウム、乳酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム又はクエン酸カルシウムである。
【0035】
本発明の第二成分中の無機金属塩において、好適には、硝酸アルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム又は硫酸カリウムアルミニウムであり、更に好適には、硫酸アンモニウムアルミニウム又は硫酸カリウムアルミニウムである。
【0036】
本発明の第二成分は、好適には、上記一般式(I)
[式中、R1 は、C1〜C4アルキル基を示し、Mは、マグネシウム原子、カルシウム原子、バリウム原子又はアルミニウム原子を示し、mはMの原子価と等しい整数を示す。]
で表される亜リン酸誘導体;
上記一般式(II)
[式中、nは1以上の整数を示し、R2 は水素原子又はアセチル基を示す。]
で表されるキトサン;
イソプロピルホスフェートのアルミニウム塩;
乳酸、プロピオン酸、ギ酸、酢酸、レブリン酸、安息香酸、クエン酸、L−(+)−アスコルビン酸及びサリチル酸からなる群から選ばれる一種の有機酸のマグネシウム塩、アルミニウム塩及びカルシウム塩{但し、第一除草活性成分にN−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩が含まれる場合、酢酸マグネシウム及び酢酸カルシウムを除く。}及びマグネシウムエトキシドからなる群から選ばれる有機金属塩;及び
硝酸アルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム及び硫酸カリウムアルミニウムからなる群から選ばれる無機金属塩からなる群から選ばれた1種又は2種以上の化合物であり、
より好適には、上記一般式(I)
[式中、R1 は、エチル基を示し、Mは、アルミニウム原子を示し、mは、3を示す。]
で表される亜リン酸誘導体;
キトサン;
乳酸マグネシウム、乳酸アルミニウム、乳酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、酢酸アルミニウム、レブリン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸カルシウム、サリチル酸カルシウム及びマグネシウムエトキシドからなる群から選ばれる有機金属塩;及び
硝酸アルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム及び硫酸カリウムアルミニウムからなる群から選ばれる無機金属塩からなる群から選ばれた1種又は2種以上の化合物であり、
更により好適には、ホセチル アルミニウム塩;
乳酸マグネシウム、乳酸アルミニウム、乳酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム及びクエン酸カルシウムからなる群から選ばれる有機金属塩;及び
硫酸アンモニウムアルミニウム及び硫酸カリウムアルミニウムから選ばれる無機金属塩からなる群から選ばれた1種又は2種以上の化合物である。
【0037】
本発明の第三成分である植物成長調節剤は、例えば、
マレイン酸ヒドラジド又はその塩(「その塩」とは、通常農薬に使用できる塩であれば特に限定はなく、例えば、ナトリウム、カリウム、ジエタノールアミン、コリン塩のような塩であり、好適にはカリウム塩又はコリン塩である。)、
ウニコナゾール(uniconazole :(E)−(RS)−1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−ペンテン−3−オール)、
フルルプリミドール(flurprimidol:(RS)−2−メチル−1−ピリミジン−5−イル−1−(4−トリフルオロメトキシフェニル)プロパン−1−オール)、
イナベンフィッド(inabenfide:4’−クロロ−2’−(α−ヒドロキシベンジル)イソニコチンアニリド)、
塩化クロロメクアット(chlormequat chloride:2−クロロエチルトリメチルアンモニウムクロライド)、
ジケグラック(dikegulac :2,3:4,6−ジ−O−イソプロピリデン−α−L−キシロ−2−ヘキシウロフラノソニック酸)、
アンシミドール(ancymidol:α−シクロプロピル−4−メトキシ−α−(ピリミジン−5−イル)ベンジルアルコール)、
アブシジン酸(abscisic acid) 、
パクロブトラゾール(paclobutrazol :(2RS,3RS)−1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ペンタン−3−オール)、
トリネキサパックエチル(trinexapac-ethyl:4−シクロプロピル(ヒドロキシ)メチレン−3,5−ジオキソシクロヘキサンカルボン酸エチル)、
プロヘキサジオンカルシウム(prohexadione-calcium:3,5−ジオキソ−4−プロピオニルシクロヘキサンカルボン酸カルシウム)、
塩化コリン(choline chloride:2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド)であリ、すべて公知のものであり、
好適には、マレイン酸ヒドラジド又はその塩、フルルピリミドール、アブシジン酸、パクロブトラゾール、トリネキサパックエチル又はプロヘキサジオンカルシウムであり、より好適には、マレイン酸ヒドラジド又はその塩である。
【0038】
本発明の第三成分である殺菌剤(エルゴステロール生合成阻害剤)は、例えば、
トリアジメフォン(triadimefon :1−(4−クロロフェノキシ)−3,3−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オン)、
トリフルミゾール(triflumizole:(E)−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−N−(1−イミダゾール−1−イル−2−プロポキシエチリデン)−o−トルイジン)、
ピリフェノックス(pyrifenox :2’,4’−ジクロロ−2−(3−ピリジル)アセトフェノン=(EZ)−O−メチルオキシム)、
プロピコナゾール(propiconazole :(±)−1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イルメチル]−1H−1,2,4−トリアゾール)、
2−(4−フルオロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−3−トリメチルシリル−2−プロパノール(特開平5-22060 号公報)であり、すべて公知のものであり、
好適には、トリアジメフォン、トリフルミゾール又は2−(4−フルオロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−3−トリメチルシリル−2−プロパノールである。
【0039】
本発明のその他の第三成分は、
メフルイジド(mefluidide:5’−(1,1,1−トリフルオロメタンスルホンアミド)アセト−2’,4’−キシリジド)、
アトラジン(atrazine:6−クロロ−N−エチル−N’−(1−メチルエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン)、
ピリデート(pyridate:O−(6−クロロ−3−フェニルピリダジン−4−イル)−S−オクチルチオカーボネート)及び
クロピラリッド(clopyralid:3,6−ジクロロピリジン−2−カルボン酸)であり、すべて公知のものであり、
好適には、メフルイジドである。
【0040】
本発明の第三成分の構造を以下に示す。
【0041】
【化9】
Figure 0004307581
【0042】
【化10】
Figure 0004307581
【0043】
【化11】
Figure 0004307581
【0044】
【化12】
Figure 0004307581
【0045】
本発明の第三成分は、好適には、植物成長調節剤、殺菌剤(エルゴステロール生合成阻害剤)及びメフルイジドからなる群から選ばれた1種又は2種以上の化合物であり、
より好適には、植物成長調節剤から選ばれた1種又は2種以上の化合物であり、更により好適には、マレイン酸ヒドラジド及びその塩、フルルプリミドール、アブシジン酸、パクロブトラゾール、トリネキサパックエチル及びプロヘキサジオンカルシウムからなる群から選ばれた1種又は2種以上の化合物であり、
最も好適には、マレイン酸ヒドラジド及びその塩から選ばれた1種又は2種以上の化合物である。
【0046】
本発明の態様は、
(1) 下記成分群aから選ばれた1種又は2種以上の第一除草活性成分及び下記成分群bから選ばれた1種又は2種以上の第二成分を含有し、更に下記成分群cから選ばれた1種又は2種以上の第三成分を含有してもよい農薬組成物であり、
成分群aが、
N−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩;
N,N−ビス(ホスホノメチル)グリシン又はその塩;
4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−L−ホモアラニル−L−アラニル−L−アラニン又はその塩;及び
4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−DL−ホモアラニン又はその塩からなる群であり、
成分群bが、
下記一般式(I)
【0047】
【化13】
Figure 0004307581
【0048】
[式中、R1 は、C1〜C8アルキル基(当該アルキル基は、1乃至3個のハロゲン原子又は1乃至3個のC1〜C3アルコキシ基により置換されてもよい。)、フェニル基又はベンジル基を示し、Mは、水素原子、アンモニウム基(当該アンモニウム基は1乃至4個のC1〜C3アルキル基により置換されてもよい。)、ナトリウム原子、カリウム原子、リチウム原子、マグネシウム原子、カルシウム原子、バリウム原子、亜鉛原子、マンガン原子、銅原子、鉄原子、ニッケル原子又はアルミニウム原子を示し、mはMの原子価と等しい整数を示す。]
で表される亜リン酸誘導体;
下記一般式(II)
【0049】
【化14】
Figure 0004307581
【0050】
[式中、nは1以上の整数を示し、R2 は水素原子、C1〜C6アルキル基又はC1〜C11アシル基を示す。]
で表されるキトサン類;
イソプロピルホスフェートのマグネシウム塩、バリウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩及び鉄塩からなる群から選ばれるイソプロピルホスフェート塩;
乳酸、プロピオン酸、ギ酸、酢酸、レブリン酸、安息香酸、クエン酸、アルギン酸、L−(+)−アスコルビン酸及びサリチル酸からなる群から選ばれる一種の有機酸のマグネシウム塩、バリウム塩、アルミニウム塩及びカルシウム塩{但し、第一除草活性成分にN−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩が含まれる場合、酢酸マグネシウム及び酢酸カルシウムを除く。}、マグネシウムエトキシド及びアルミニウムアセチルアセテートからなる群から選ばれる有機金属塩;及び硝酸アルミニウム、ホスフィン酸カルシウム、硫酸アンモニウムアルミニウム及び硫酸カリウムアルミニウムからなる群から選ばれる無機金属塩からなる群であり、
成分群cが、
植物成長調節剤、殺菌剤(エルゴステロール生合成阻害剤)、メフルイジド、アトラジン、ピリデート及びクロピラリッドからなる群であり、
本発明の好適な態様は、
(2) 第一除草活性成分が、N−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩及び4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−DL−ホモアラニン又はその塩からなる群から選ばれる1種又は2種の化合物である、(1)に記載の農薬組成物であり、
(3) 第一除草活性成分が、N−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩である化合物である、(1)に記載の農薬組成物であり、
(4) 第二成分が、下記成分群b1から選ばれた1種又は2種以上の化合物である、(1)〜(3)のいずれかに記載の農薬組成物であり、
成分群b1が、
下記一般式(I)
【0051】
【化15】
Figure 0004307581
【0052】
[式中、R1 は、C1〜C4アルキル基を示し、Mは、マグネシウム原子、カルシウム原子、バリウム原子又はアルミニウム原子を示し、mはMの原子価と等しい整数を示す。]
で表される亜リン酸誘導体;
下記一般式(II)
【0053】
【化16】
Figure 0004307581
【0054】
[式中、nは1以上の整数を示し、R2 は水素原子又はアセチル基を示す。]
で表されるキトサン;
イソプロピルホスフェートのアルミニウム塩;
乳酸、プロピオン酸、ギ酸、酢酸、レブリン酸、安息香酸、クエン酸、L−(+)−アスコルビン酸及びサリチル酸からなる群から選ばれる一種の有機酸のマグネシウム塩、アルミニウム塩及びカルシウム塩{但し、第一除草活性成分にN−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩が含まれる場合、酢酸マグネシウム及び酢酸カルシウムを除く。}及びマグネシウムエトキシドからなる群から選ばれる有機金属塩;及び
硝酸アルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム及び硫酸カリウムアルミニウムからなる群から選ばれる無機金属塩からなる群であり、
(5) 第二成分が、下記成分群b2から選ばれた1種又は2種以上の化合物である、(1)〜(3)のいずれかに記載の農薬組成物であり、
成分群b2が、
下記一般式(I)
【0055】
【化17】
Figure 0004307581
【0056】
[式中、R1 は、エチル基を示し、Mは、アルミニウム原子を示し、mは、3を示す。]
で表される亜リン酸誘導体;
キトサン;
乳酸マグネシウム、乳酸アルミニウム、乳酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、酢酸アルミニウム、レブリン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸カルシウム、サリチル酸カルシウム及びマグネシウムエトキシドからなる群から選ばれる有機金属塩;及び
硝酸アルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム及び硫酸カリウムアルミニウムからなる群から選ばれる無機金属塩からなる群であり、
(6) 第二成分が、下記成分群b3から選ばれた1種又は2種以上の化合物である、(1)〜(3)のいずれかに記載の農薬組成物であり、
成分群b3が、
ホセチル アルミニウム塩;
乳酸マグネシウム、乳酸アルミニウム、乳酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム及びクエン酸カルシウムからなる群から選ばれる有機金属塩;及び
硫酸アンモニウムアルミニウム及び硫酸カリウムアルミニウムから選ばれる無機金属塩からなる群であり、
(7) 第三成分が、下記成分群c1から選ばれた1種又は2種以上の化合物である、(1)〜(6)のいずれかに記載の農薬組成物であり、
成分群c1が、
植物成長調節剤、殺菌剤(エルゴステロ−ル生合成阻害剤)及びメフルイジドからなる群であり、
(8) 第三成分が、植物成長調節剤から選ばれた1種又は2種以上の化合物である、(1)〜(6)のいずれかに記載の農薬組成物であり、
(9) 第三成分が、下記成分群c2から選ばれた1種又は2種以上の化合物である、(1)〜(6)のいずれかに記載の農薬組成物であり、
成分群c2が、
マレイン酸ヒドラジド及びその塩、フルルプリミドール、アブシジン酸、パクロブトラゾール、トリネキサパックエチル及びプロヘキサジオンカルシウムからなる群であり、
(10) 第三成分が、下記成分群c3から選ばれた1種又は2種以上の化合物である、(1)〜(6)のいずれかに記載の農薬組成物であり、
成分群c3が、
マレイン酸ヒドラジド及びその塩からなる群であり、
(11) (1)〜(10)のいずれかに記載された農薬組成物を含有する抑草剤であり、
(12) (1)〜(10)のいずれかに記載された農薬組成物を抑草剤として使用する方法である。
【0057】
【発明の実施の形態】
本発明の第二成分である一般式(I)で表される亜リン酸誘導体は、特開昭50-94137号公報に記載の製造法に準じて製造することができる。
【0058】
本発明の農薬組成物において、第二成分の量は、第一除草活性成分1重量部に対して、第二成分が亜リン酸誘導体、イソプロピルホスフェート塩、有機金属塩又は無機金属塩の場合は、通常0.001〜100重量部であり、好ましくは、0.01〜20重量部であり、更に好ましくは、0.5〜20重量部であり、第二成分がキトサン類の場合は、通常0.01〜300重量部であり、好ましくは、0.1〜200重量部であり、更に好ましくは、1〜100重量部である。
【0059】
本発明の農薬組成物において、第三成分の量は、第一除草活性成分1重量部に対して、通常0.1〜500重量部であり、好ましくは、1〜50重量部である。
【0060】
本発明の組成物は、主として植物に茎葉散布されるが、各成分の原体そのものを散布してもよいし、担体及び必要に応じて他の補助剤と混合して、農薬組成物として通常用いられる製剤形態、例えば粉剤、粗粉剤、微粒剤、粒剤、水和剤、乳剤、液剤、水性懸濁剤、顆粒水和剤、油懸濁剤等に調製してもよい。
【0061】
又、本発明の方法を実施する手段としては、上記の各成分を予め混合したプレミックスや施用現場におけるタンクミックスによる各成分の同時処理の他に、第一除草活性成分である非選択性リン酸系除草剤を植物に散布する前又は後に、予め他の成分を植物に遂次処理することも可能である。
【0062】
本発明の農薬組成物を調製するために使用する適当な固体担体としては、カオリナイト、パイロフィライト、モンモリトナイト、アタパルジャイト、葉ロウ石、タルク、雲母、軽石、バーミキュライト、石コウ、炭酸カルシウム、ドロマイト、けいそう土、マグネシウム石灰、りん灰石、ゼオライト、無水ケイ酸、合成ケイ酸カルシウム等の無機物質;大豆粉、タバコ粉、クルミ粉、小麦粉、木粉、でんぷん、結晶セルロース等の植物性有機物質;クマロン樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂、ケトン樹脂、エステルガム、コーバルガム、ダンマルガム等の合成または天然の樹脂類;ポリ塩化ビニル、ポリアルキレングリコール等の合成高分子;カルナバロウ、蜜ロウ等のワックス類;或は尿素等があげられる。
【0063】
適当な液体担体としては、ケロシン、鉱油、スピンドル油、ホワイトオイル等のパラフィン系若しくはナフテン系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロルエチレン、モノクロルベンゼン、o−クロルトルエン等の塩素化炭化水素;ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソホロン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸アミル、エチレングリコールアセテート、マレイン酸ジブチル、コハク酸ジエチル等のエステル類;メタノール、ヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサノール、ベンンジンアルコール等のアルコール類;エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル等のエーテルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒;或は水等が挙げられる。
【0064】
乳化、分散、湿潤、拡展、統合、崩壊性調節、有効成分安定化、流動性改良、防錆等の目的で使用される界面活性剤は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性及び両性イオン性のいずれのものをも使用しうるが、通常は非イオン性乃至陰イオン性のものが使用される。適当な非イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールにエチレンオキシドを重合付加させたもの;イソオクチルフェノール、ノニルフェノール等のアルキルフェノールにエチレンオキシドを重合付加させたもの;ブチルナフトール、オクチルナフトール等のアルキルナフトールにエチレンオキシドを重合付加させたもの;パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸にエチレンオキシドを重合付加させたもの;これらのノニオン系界面活性剤とリン酸とのモノエステル、ジエステル、トリエステルの混合物又は硫酸エステル及びそれらの塩;ドデシルアミン、ステアリン酸アミド等のアミンにエチレンオキシドを重合付加させたもの;ソルビタン等の多価アルコールの高級脂肪酸エステル及びそれにエチレンオキシドとプロピレンオキシドを重合付加させたもの等が挙げられる。適当な陰イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイルアルコール硫酸エステルアミン塩等のアルキル硫酸エステル塩;スルホこはく酸ジオクチルエステルナトリウム、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、メチレンビスナフタレンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアリールスルホン酸等が挙げられる。
【0065】
更に本発明の農薬組成物には製剤の性状を改善し、生物効果を高める目的で、カゼイン、ゼラチン、アルブミン、ニカワ、アルギン酸ソーダ、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール等の高分子化合物や他の補助剤を併用することもできる。
【0066】
上記の担体及び種々の補助剤は製剤の剤型、適用場面等を考慮して、目的に応じてそれぞれ単独にあるいは組み合わせて適時使用される。
【0067】
粉剤は、例えば有効成分化合物を通常1乃至25重量部含有し、残部は固体担体である。
【0068】
水和剤は、例えば有効成分化合物を25乃至90重量部含有し、残部は固体担体、分散湿潤剤であって、必要に応じて保護コロイド剤、チキソトロピー剤、消泡剤等が加えられる。
【0069】
粒剤は、例えば有効成分化合物を通常1乃至35重量部含有し、残部は大部分が固体担体である。有効成分化合物は固体担体と均一に混合されているか、あるいは、固体担体の表面に均一に固着若しくは吸着されており、粒の径は0.2乃至1.5mm程度である。
【0070】
乳剤は、例えば、有効成分化合物を通常5乃至30重量部含有しており、これに5乃至20重量部の乳化剤が含まれ、残部は液体担体であり、必要に応じて防錆剤が加えられる。
【0071】
各種剤型にて散布される本発明の農薬組成物は、第一除草活性成分の散布量が、通常1ヘクタール当たり0.1〜10kg、好ましくは、1ヘクタール当たり0.3〜5kgとなるような量で、又、第二成分の散布量が、通常1ヘクタール当たり0.1〜500kg、好ましくは、1ヘクタール当たり0.5〜50kgとなるような量で用いられる。又、本発明の農薬組成物に第三成分を配合する場合は、第三成分の散布量が、通常1ヘクタール当たり0.1〜500kg、好ましくは、1ヘクタール当たり0.5〜50kgとなるような量で用いられる。
【0072】
以下に、実施例及び試験例をあげて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0073】
【実施例】
【0074】
【実施例1】
水和剤
ホセチル アルミニウム塩2重量部、グリホサートイソプロピルアミン塩1重量部、クレー86重量部、ホワイトカーボン3重量部、リグニンスルホン酸ソーダ5重量部及びアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3重量部を混合粉砕して、均一な水和剤を得た。
【0075】
【実施例2】
水和剤
ホセチル アルミニウム塩2重量部、グリホサートイソプロピルアミン塩1重量部、マレイン酸ヒドラジドコリン塩3重量部、クレー83重量部、ホワイトカーボン3重量部、リグニンスルホン酸ソーダ5重量部及びアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3重量部を混合粉砕して、均一な水和剤を得る。
【0076】
【実施例3】
液剤
ホセチル アルミニウム塩3重量部と、グルホシネートアンモニウム1重量部と、水96重量部を加えて液剤を得る。
【0077】
【実施例4】
液剤
ホセチル アルミニウム塩2重量部と、グリホサートイソプロピルアンモニウム1重量部と、マレイン酸ヒドラジドコリン塩3重量部と、水94重量部を加えて液剤とした。
【0078】
【実施例5】
液剤
プロピオン酸カルシウム2重量部、グリホサートイソプロピルアミン塩1重量部及び水97重量部を混合して液剤とした。
【0079】
【実施例6】
液剤
プロピオン酸カルシウム6重量部、グリホサートイソプロピルアミン塩1重量部、マレイン酸ヒドラジド6重量部及び水87重量部を混合して液剤とする。
【0080】
【実施例7】
粒剤
ホセチル アルミニウム塩2重量部、グリホサートイソプロピルアミン塩1重量部、ベントナイト30重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2重量部及びリグニンスルホン酸ソーダ3重量部を混合し、更に水62重量部を加えて混練機で練った後、造粒機にて造粒し、次いで乾燥して粒剤を得る。
【0081】
【実施例8】
水和剤
キトサン(Wako社製、水溶性キトサン)20重量部、グリホサートイソプロピルアミン塩1重量部、クレー68重量部、ホワイトカーボン3重量部、リグニンスルホン酸ソーダ5重量部及びアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3重量部を混合粉砕して、均一な水和剤を得る。
【0082】
【実施例9】
液剤
キトサン(Wako社製、水溶性キトサン)20重量部、グリホサートイソプロピルアミン塩1重量部及び水79重量部を混合して液剤を得た。
【0083】
【実施例10】
粒剤
キトサン(Wako社製、水溶性キトサン)20重量部、グリホサートイソプロピルアミン塩1重量部、ベントナイト30重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2重量部及びリグニンスルホン酸ソーダ3重量部を混合し、更に水44重量部を加えて混練機で練った後、造粒機にて造粒し、次いで乾燥して粒剤を得る。
【0084】
【実施例11】
水和剤
キトサン(Wako社製、水溶性キトサン)10重量部、グルホシネートアンモニウム1重量部、クレー78重量部、ホワイトカーボン3重量部、リグニンスルホン酸ソーダ5重量部及びアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3重量部を混合粉砕して、均一な水和剤を得る。
【0085】
【実施例12】
液剤
キトサン(Wako社製、水溶性キトサン)10重量部、グルホシネートアンモニウム1重量部及び水89重量部を混合して液剤を得る。
【0086】
【実施例13】
粒剤
キトサン(Wako社製、水溶性キトサン)10重量部と、ビアラホスナトリウム塩1重量部、ベントナイト30重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2重量部及びリグニンスルホン酸ソーダ3重量部を混和し、更に水54重量部を加えて混練機で練った後、造粒機にて造粒し、次いで乾燥して粒剤を得る。
【0087】
【実施例14】
液剤
乳酸カルシウム6重量部、グルホシネートアンモニウム1重量部及び水93重量部を混合して液剤を得る。
【0088】
【実施例15】
水和剤
ホセチル アルミニウム塩6重量部、グルホシネートアンモニウム1重量部、クレー84重量部、ホワイトカーボン3重量部、リグニンスルホン酸ソーダ5重量部及びアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3重量部とを混合粉砕して、均一な水和剤を得る。
【0089】
【実施例16】
水和剤
ホセチル アルミニウム塩10重量部、グルホシネートアンモニウム1重量部、アトラジン5重量部、クレー73重量部、ホワイトカーボン3重量部、リグニンスルホン酸ソーダ5重量部及びアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3重量部とを混合粉砕して、均一な水和剤を得る。
【0090】
【実施例17】
水和剤
キトサン(Wako社製、水溶性キトサン)10重量部、グルホシネートアンモニウム1重量部、アトラジン5重量部、クレー73重量部、ホワイトカーボン3重量部、リグニンスルホン酸ソーダ5重量部及びアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3重量部を混合粉砕して、均一な水和剤を得る。
【0091】
【実施例18】
水和剤
キトサン(Wako社製、水溶性キトサン)1重量部、グルホシネートアンモニウム1重量部、アトラジン10重量部、クレー77重量部、ホワイトカーボン3重量部、リグニンスルホン酸ソーダ5重量部及びアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3重量部を混合粉砕して、均一な水和剤を得る。
【0092】
【試験例1】
グリホサート+金属塩の抑草効果
クレハ園芸培土を入れた5×150cm3 のプラスチックポットに、ヒエ、エノコログサ、セイバンモロコシ、ネズミムギ、スズメノカタビラ及びノカラシナの種子を播種し、温室内で14日間栽培した後、実施例1又は実施例5に準じて下記の金属塩を配合した水和剤又は液剤を調製し、水で希釈して散布液とし、植物に散布した。散布液は、各金属塩のイオン当量(各散布液中の金属イオンのモル濃度にその金属の原子価を掛けたもの)が、8.4 又は16.8mM(バリウム塩は1.2 及び2.4mM )、グリホサートイソプロピルアミン塩の濃度が1000ppm となるように調製し、散布水量は1 ヘクタール当たり1000リットルとした。比較として、金属塩を含有しないグリホサートイソプロピルアミン塩単剤及び金属塩として硫酸アルミニウム又は炭酸カルシウムを含有する組成物を用いて試験した。散布後14日目に、植物の枯死の程度及び生存個体の草丈を測定し、抑草効果を調査した。その結果を表2に示す。抑草効果は指数及び記号で表し、各指数及び記号は下記表1の草丈抑制率を示す。表2中、ヒはヒエを、エはエノコログサを、セはセイバンモロコシを、ネはネズミムギを、スはスズメノカタビラを、ノはノカラシナを、−は未試験をそれぞれ示す。
【0093】
【表1】
Figure 0004307581
【0094】
【表2】
Figure 0004307581
Figure 0004307581
【0095】
【試験例2】
グリホサート+金属塩の抑草効果(抑草適用濃度幅に関する試験)
クレハ園芸培土を入れた4×4×4cm3 のプラスチックポットにイヌビエ(Barnyardgrass)の種子を播種し、温室内で7 〜10日間栽培した後、実施例1又は実施例5に準じて下記の金属塩を配合した水和剤又は液剤を調製し、水で希釈して散布液とし、植物に散布した。散布液は、グリホサートイソプロピルアミン塩の散布薬量が、1ヘクタール当たり62.5、125 、250 、500 、1000、2000及び3000g aiとなるように、又各金属塩のイオン当量(各散布液中の金属イオンのモル濃度にその金属の原子価を掛けたもの)が、4.2 、8.4 又は16.8mMとなるように調製し、散布水量はポット当たり1ml とした。比較として、グリホサートイソプロピルアミン塩単剤、グリホサートのアルミニウム塩(特開昭59-101500 号公報に記載の調製方法により調製したグリホサート/アルミニウム=4/1〔モル比〕)及び金属塩として硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム又は硫酸マグネシウムを含有する組成物を用いて試験した。散布後7 〜10日目に、枯死の程度及び生存個体の草丈を測定し、これらの測定値から「有効な抑草作用を示す配合剤中のグリホサートの薬量」を以下の基準で算出し、下記の式数1及び式数2から「有効な抑草作用を示す配合剤中のグリホサートの薬量幅」及び「グリホサート単剤に対する配合剤中のグリホサートの有効薬量幅の比率」を求めた。その結果を表3に示す。
【0096】
基準1:「有効な抑草作用を示す配合剤中のグリホサートの薬量」は、
(1) 草丈の伸長:無処理区に対して草丈の伸長を70% 以上抑制する薬量、及び (2) 枯死の程度:供試個体の枯死比率が10% 以下を示す薬量
の2条件を満たすグリホサートの薬量とする。
【0097】
【数1】
「有効な抑草作用を示す配合剤中のグリホサートの薬量幅」=「有効な抑草作用を示す配合剤中のグリホサートの薬量の上限値」/「有効な抑草作用を示す配合剤中のグリホサートの薬量の下限値」
【0098】
【数2】
「グリホサート単剤に対する配合剤中のグリホサートの有効薬量幅の比率」=「有効な抑草作用を示す配合剤中のグリホサートの薬量幅」/「有効な抑草作用を示すグリホサート単剤の薬量幅」
【0099】
【表3】
Figure 0004307581
Figure 0004307581
【0100】
【試験例3】
グリホサート+金属塩の抑草効果(抑草適用薬量幅に関する試験)
クレハ園芸培土を入れた5×150cm3の容器に、エノコログサ、セイバンモロコシ、ネズミムギ、スズメノカタビラ及びノビエの種子をそれぞれポットに播種し、温室内で10日間栽培した後、実施例5に準じて金属塩を配合した液剤を調製し、植物に散布した。散布液は、グリホサートイソプロピルアミン塩の散布薬量が、1 ヘクタール当たり62.5、125 、250 、500 、1000、2000及び3000 g ai となるように、又、各金属塩のイオン当量(各散布液中の金属イオンのモル濃度にその金属の原子価を掛けたもの)が、4.2 、8.4 又は16.8mMとなるように調製し、散布水量は、1 ヘクタール当たり1000リットルとした。比較として、金属塩を含有しないグリホサートイソプロピルアミン塩単剤、グリホサートのアルミニウム塩[特開昭59-101500 号公報に記載の調製方法により調製したグリホサート/アルミニウム=4/1(モル比)]及び金属塩として塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム又は塩化カルシウムを含有する組成物を用いて試験した。散布後8 日目に、植物の枯死の程度及び生存個体の草丈を測定して抑草効果を調査し、すべての草種が枯殺されず、かつ、無処理区に対してすべての草種の草丈の伸長が50〜99%抑制される場合を抑草効果が優れていると評価して◎で示し、それ以外を×で示した。その結果を表4に示す。
【0101】
【表4】
Figure 0004307581
【0102】
【試験例4】
グリホサート+ホセチル アルミニウム塩の抑草効果
培土を入れたプラスチックポットにカタビラ、イタリアンライグラス、ジョンソングラス、キンゴジカ、イチビ、カラシナ及びアサガオを播種し、温室内で10日間栽培した後、その芽生えに実施例4に準じて調製した液剤をタンクミックスし散布した。散布液のホセチル アルミニウム塩濃度は2000ppm 、グリホサートイソプロピルアミン塩の濃度は1000ppm 、マレイン酸ヒドラジドコリン塩は3000ppm として、植物に十分濡れるように散布した。散布後14及び21日目に雑草草丈を調査した。結果を表5に示す。なお、表中Glyはグリホサートイソプロピルアミン塩を、Fはホセチル アルミニウム塩を、Mはマレイン酸ヒドラジドコリン塩をそれぞれ示し、薬剤効力は処理後14及び21日目の雑草平均草丈で表す。草丈0cm は、枯死したことを示す。
【0103】
【表5】
Figure 0004307581
日本の水田畦畔では、草丈が20cm程度以上になると作業に支障がでるため、雑草の刈取が行われている。その一方、除草剤等で雑草を完全に枯殺してしまうと、畦畔が崩れるため望ましくない。また、抑草が必要な期間はおよそ4月〜10月の6か月間である。
【0104】
この点、表5に示すように、グリホサートイソプロピルアミン塩単剤では雑草を枯殺してしまい抑草効果は全く認められないが、ホセチル アルミニウム塩を混合することで、枯殺せずに抑草するようになる。この抑草効果は、さらにマレイン酸ヒドラジドコリン塩を含有すると、より長期間持続されるようになる。
【0105】
このように、マレイン酸ヒドラジドコリン塩を含有する組成物は、抑草効果を有しており根まで枯らさないため畦畔が崩れず、また、抑草期間が長期間となるため省力化となり、経済性の面でもよりさらに望ましいものである。
【0106】
【試験例5】
グリホサート+ホセチル アルミニウム塩又はプロピオン酸カルシウムによる抑 草効果
クレハ園芸培土を入れた5×150cm3 のプラスチックポットにイネ科雑草(エノコログサ、セイバンモロコシ、ネズミムギ及びノビエ)及び広葉雑草(キンゴジカ、イチビ、カラシナ及びブタクサ)の種子を播種し、温室内で14日間栽培した後、実施例1又は6に準じて水和剤又は液剤を調製し、水で希釈した散布液を上記の植物に茎葉散布した。散布液は、散布薬量が、1ヘクタール当たり、グリホサートイソプロピルアミン塩が0.125 、0.25、0.5 、1 及び2kg 、ホセチルアルミニウム塩2 及び4kg 、マレイン酸ヒドラジド1.5 及び3kg 、プロピオン酸カルシウム塩1.5 及び3kg となるように調製し、散布水量は、1ヘクタール当たり1000リットルとした。散布後21日目に、植物の枯死の程度及び生存個体の草丈を測定して抑草効果を調査した。結果を表7に示す。抑草効果は指数及び記号で表し、各指数及び記号は下記表6の草丈抑制率を示す。表中、Glyはグリホサートイソプロピルアミン塩を、Fはホセチル アルミニウム塩を、MHはマレイン酸ヒドラジドを、Pはプロピオン酸カルシウムを、エはエノコログサを、セはセイバンモロコシを、ネはネズミムギを、ノはノビエを、キはキンゴジカを、イはイチビを、カはカラシナを、ブはブタクサをそれぞれ示す。
【0107】
【表6】
Figure 0004307581
【0108】
【表7】
Figure 0004307581
Figure 0004307581
【0109】
【試験例6】
グリホサート+キトサンによる抑草効果
培土を入れたプラスチックポットにカタビラ及びイタリアンライグラスの種子を播種し、温室内で10日間栽培した後、その芽生えに実施例9に準じて調製した液剤をタンクミックスし散布した。散布液のキトサン(Wako社製、水溶性キトサン)の濃度は10,000ppm 、20,000ppm 及び40,000ppm 、グリホサートイソプロピルアミン塩の濃度は、1,000ppmとし、植物に十分濡れるように散布した。散布後14及び21日目に雑草草丈を調査した。結果を表8に示す。
【0110】
なお、表中、Glyはグリホサートイソプロピルアミン塩を、Cはキトサンをそれぞれ示し、薬剤効力は、処理後14及び21日目の草丈(cm)で表す。
【0111】
【表8】
Figure 0004307581
上記の試験例6の結果は、キトサンとグリホサートの混合剤が植物を枯殺することなく生育を抑制することを示している。
【0112】
【試験例7】
グリホサート+キトサンによる抑草効果
クレハ園芸培土を入れた5×150cm3 のプラスチックポットにカタビラ及びネズミムギの種子を播種し、温室内で10日間栽培した後、実施例9に準じて調製した液剤を茎葉散布した。散布液は、キトサン(Wako社製,水溶性キトサン)の濃度が、2500、5000、10000 、20000 及び40000ppmとなり、グリホサートイソプロピルアミン塩の濃度が、250 、500 及び1000ppm となるように調製し、散布水量は1ヘクタール当たり1000リットルとした。散布後14及び20日目に雑草草丈を測定して抑草効果を調査した。結果を表9に示す。表中、Glyはグリホサートイソプロピルアミン塩を、Cはキトサンをそれぞれ示し、抑草効果は散布後14及び20日目の草丈(cm)で表す。
【0113】
【表9】
Figure 0004307581
【0114】
【発明の効果】
本発明の農薬組成物は、抑草剤として使用することができる。
【0115】
すなわち、本発明の組成物は、非選択性リン酸系除草剤の有する植物枯殺作用(植物の根まで枯殺する作用)を変化させ、植物を枯殺することなく成長を抑制することができ、法面などの傾斜地や畦畔などでの使用が可能となる。本発明の組成物は、更にマレイン酸ヒドラジド又はその塩等を加えることにより、より長期間にわたり抑草効果を持続することができるようになる。
【0116】
本発明の農薬組成物が有する抑草作用を利用すれば、非選択性リン酸系除草剤の使用場面を拡大することができる。

Claims (9)

  1. 下記成分群aから選ばれた1種又は2種以上の第一除草活性成分及び下記成分群bから選ばれた1種又は2種以上の第二成分を含有し、更に下記成分群cから選ばれた1種又は2種以上の第三成分を含有してもよい農薬組成物。
    成分群aは、N−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩;及びN,N−ビス(ホスホノメチル)グリシン又はその塩からなる群であり、
    成分群bは、下記一般式(I)
    Figure 0004307581
    [式中、R1は、C1〜C4アルキル基を示し、Mは、マグネシウム原子、カルシウム原子、バリウム原子、鉄子又はアルミニウム原子を示し、mはMの原子価と等しい整数を示す。]で表される亜リン酸誘導体;下記一般式(II)
    Figure 0004307581
    [式中、nは1以上の整数を示し、R2は水素原子、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基又はブチリル基を示す。]で表されるキトサン類;イソプロピルホスフェートのマグネシウム塩、バリウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩又は鉄塩からなる群から選ばれるイソプロピルホスフェート塩;乳酸、プロピオン酸、ギ酸、酢酸、レブリン酸、安息香酸、クエン酸及びサリチル酸からなる群から選ばれる一種の有機酸のマグネシウム塩、バリウム塩、アルミニウム塩及びカルシウム塩{但し、第一除草活性成分にN−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩が含まれる場合、酢酸マグネシウム及び酢酸カルシウムを除く。}及びマグネシウムエトキシドからなる群から選ばれる有機金属塩;及び硝酸アルミニウム、ホスフィン酸カルシウム、硫酸アンモニウムアルミニウム及び硫酸カリウムアルミニウムからなる群から選ばれる無機金属塩からなる群であり、
    成分群cは、植物成長調節剤、メフルイジド及びクロピラリッドからなる群であり、
    ただし、成分群aとしてのN−(ホスホノメチル)グリシン及び成分群bとしてのホセチル アルミニウム塩を含有する、Phytophthora capsici (灰色疫病菌)に対する殺菌剤としての農薬組成物を除く
  2. 第一除草活性成分が、N−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩である化合物である、請求項1に記載の農薬組成物。
  3. 第二成分が、下記成分群b1から選ばれた1種又は2種以上の化合物である、請求項1又は2のいずれかに記載の農薬組成物。
    成分群b1は、下記一般式(I)
    Figure 0004307581
    [式中、R1は、C1〜C4アルキル基を示し、Mは、マグネシウム原子、カルシウム原子、バリウム原子又はアルミニウム原子を示し、mはMの原子価と等しい整数を示す。]で表される亜リン酸誘導体;下記一般式(II)
    Figure 0004307581
    [式中、nは1以上の整数を示し、R2は水素原子又はアセチル基を示す。]で表されるキトサン;イソプロピルホスフェートのアルミニウム塩;乳酸、プロピオン酸、ギ酸、酢酸、レブリン酸、安息香酸、クエン酸及びサリチル酸からなる群から選ばれる一種の有機酸のマグネシウム塩、アルミニウム塩及びカルシウム塩{但し、第一除草活性成分にN−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩が含まれる場合、酢酸マグネシウム及び酢酸カルシウムを除く。}及びマグネシウムエトキシドからなる群から選ばれる有機金属塩;及び硝酸アルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム及び硫酸カリウムアルミニウムからなる群から選ばれる無機金属塩からなる群である。
  4. 第二成分が、下記成分群b2から選ばれた1種又は2種以上の化合物である、請求項1又は2のいずれかに記載の農薬組成物。
    成分群b2は、下記一般式(I)
    Figure 0004307581
    [式中、R1は、エチル基を示し、Mは、アルミニウム原子を示し、mは、3を示す。]で表される亜リン酸誘導体;キトサン;乳酸マグネシウム、乳酸アルミニウム、乳酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、酢酸アルミニウム、レブリン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸カルシウム、サリチル酸カルシウム及びマグネシウムエトキシドからなる群から選ばれる有機金属塩;及び硝酸アルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム及び硫酸カリウムアルミニウムからなる群から選ばれる無機金属塩からなる群である。
  5. 第二成分が、下記成分群b3から選ばれた1種又は2種以上の化合物である、請求項1又は2のいずれかに記載の農薬組成物。
    成分群b3は、ホセチル アルミニウム塩;乳酸マグネシウム、乳酸アルミニウム、乳酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム及びクエン酸カルシウムからなる群から選ばれる有機金属塩;及び硫酸アンモニウムアルミニウム及び硫酸カリウムアルミニウムから選ばれる無機金属塩からなる群である。
  6. 第三成分が、下記成分群c2から選ばれた1種又は2種以上の化合物である、請求項1乃至のいずれかに記載の農薬組成物。
    成分群c2は、マレイン酸ヒドラジド及びその塩、フルルプリミドール、アブシジン酸、パクロブトラゾール、トリネキサパックエチル及びプロヘキサジオンカルシウムからなる群である。
  7. 第三成分が、下記成分群c3から選ばれた1種又は2種以上の化合物である、請求項1乃至のいずれかに記載の農薬組成物。
    成分群c3は、マレイン酸ヒドラジド及びその塩からなる群である。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載された農薬組成物を含有する抑草剤。
  9. 請求項1乃至のいずれかに記載された農薬組成物を抑草剤として使用する方法。
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