JP4306572B2 - 乗員保護装置の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、特定の衝突速度を境界として乗員保護装置による保護態様を変化させるのに適した乗員保護装置の制御装置に関する。
従来から、衝突時に検出される減速度に対して2回積分処理を実行し、この2回積分値と検出された減速度とで画成される2次元マップ上の波形を、乗員保護装置の出力レベルを決定するための閾値パターンと比較し、この比較結果に基づき乗員保護装置の出力レベルを制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術では、減速度の2回積分値を使用することで、衝突速度の速度差が僅か(例えば、10km/h)である2種類の衝突間における波形ピーク位置のずれを大きくし、これにより当該2種類の衝突間の識別を容易としている。
特開2003−220926号公報
ところで、上述の従来技術が、減速度の2回積分値の物理的な意義に着目して上述のような効果を得ようとするもので無いことからも理解できるように、従来においては、減速度の2回積分演算時に特別な工夫を行おうとする動機付けが無かった。
この理由としては、減速度の2回積分値それ自体は、衝突時における衝突対象との相対的な速度(衝突速度と称する)がゼロである場合の車両変形量に相当するに過ぎず、実際には衝突速度はゼロで無いので、減速度の2回積分値それ自体に、特に衝突判定等に有意義な物理的意義を見出せないことにある。また、そもそも実際の衝突速度を正確に求めること自体がある意味で解決課題でもあるので、衝突速度を考慮して正確な車両変形量を導出しようとすることに、特段の意義を見出せないこともその理由である。
しかしながら、本願発明者は、減速度の2回積分演算において特別な工夫を行うことで、衝突速度の速度差が僅かである2種類の衝突間における波形の相違を、更に際立たせることができることを見出した。
そこで、本発明は、その特別な工夫を適用して、衝突速度の速度差が僅かである各衝突を高精度に切り分けできる乗員保護装置の制御装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一局面によれば、少なくとも2つの異なる衝突速度間で乗員保護装置による保護態様を変化させる乗員保護装置の制御装置であって、
車両の減速度を検出する減速度検出手段と、
所定時点からの前記減速度の2回積分値と所定の初速値の一回積分値とに基づく演算値を出力する演算手段と、
前記各手段から得られる前記減速度及び前記演算値とで画成される2次元マップ上の波形に対して、該2次元マップ上に所定された閾値パターンにより閾値判定を行い、乗員保護装置の作動制御に用いられる判定結果を出力する判定手段とを備え、
前記所定の初速値に、前記2つの異なる衝突速度間の値を用いることを特徴とする、制御装置が提供される。
本局面において、前記判定手段による判定結果に応じて乗員保護装置の出力レベルを変更するものであってよい。前記判定手段による判定結果を用いて乗員保護装置の起動可否を判断するものであってよい。
また、本発明のその他の一局面によれば、車両の減速度を検出する減速度検出手段と、
所定時点からの前記減速度の2回積分値と所定の初速値の一回積分値とを足し合わせた演算値を出力する演算手段とを備え、
前記各手段から得られる前記減速度及び前記演算値とで画成される2次元マップ上の波形に基づいて、少なくとも2つの異なる衝突速度間で乗員保護装置による保護態様を変化させる乗員保護装置の制御装置であって、
前記所定の初速値に、前記2つの異なる衝突速度間の値を用いることを特徴とする、制御装置が提供される。
本発明によれば、衝突速度の速度差が僅かである各衝突を高精度に切り分けできる乗員保護装置の制御装置を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本発明による乗員保護装置の制御装置が具現化される乗員保護システムの一実施例を示すシステム構成図である。本実施例の乗員保護システムは、乗員保護装置50の出力レベルを調整する出力調整装置20と、出力調整装置20に接続され、出力調整装置20の指令に従って作動する乗員保護装置50と、出力調整装置20に接続され、車両10の減速度を検出する減速度検出手段30とを備える。
乗員保護装置50は、例えばエアバック装置やシートベルト装置等から構成され、車両衝突時に乗員を多種多様な形態で保護する装置である。本実施例の乗員保護装置50は、その出力レベルが調整されるように構成されている。
例えば、乗員保護装置50として図1に例示的に示されているエアバック装置に関して言及するに、このエアバック装置は、エアバック52と、当該エアバック52にガスを供給する2個のインフレータ54、54と、図示しないガス発生剤に点火する点火装置56と、点火装置56に通電して上記ガス発生剤を点火させる駆動回路58,58とを備えている。従って、このエアバック装置の出力レベル、即ちエアバック52の圧力は、2個のインフレータ54のうちの作動するインフレータ54の個数を変更することにより、或いは、2個のインフレータ54の作動タイミングを変更することにより、調整することができる。
尚、乗員保護装置50は、モータ駆動式シートベルト装置やインフレータプルカーテン装置等であってよい。例えば、乗員保護装置50がモータ駆動式シートベルト装置である場合、当該モータ駆動式シートベルト装置は、その出力レベルとしてシートベルト巻き取り量若しくは作動強度を調整できるように構成されてよい。
減速度検出手段30は、図2に示すように、車両10のフロアトンネル(図示せず)に取付けられ、当該取付け位置の車両前後方向(図2中のX、Y方向)の減速度(以下、「フロアG」という)を検出するフロアセンサ22を含む。また、減速度検出手段30は、車両10のサイドメンバ(図示せず)の前方に取付けられ、当該取付け位置の減速度を検出する左右フロントセンサ24、26を含んでよい。フロアセンサ22は、図2に示すように、出力調整装置20を構成するユニット内に搭載されてよい。尚、左右フロントセンサ24、26が検出する各減速度は、本明細書中ではこれらを区別することなく、単に「フロントG」と称する。
出力調整装置20は、フロアセンサ22により検出されるフロアGに基づいて、乗員保護装置50の出力レベルを決定するマイクロコンピュータ40を含んでいる。このマイクロコンピュータ40は、CPU42を中心として構成されており、所定の処理プログラム等が記憶されたROM44と、一時的にデータの記憶をするRAM46と、入出力回路(I/O)48とを含む。
ところで、出力調整装置20が、乗員保護装置50の出力レベルを決定する際に、車両10が衝突した場合に於ける乗員保護の緊急度を高精度に判別できることは有用である。この乗員保護の緊急度は、一般的に、車両10が高速で衝突した場合には、高く、Highと設定され、車両10が低速、若しくはその中間の中速で衝突した場合には、比較的低く、Lowと設定される。また、出力調整装置20が、このような乗員保護の緊急度の切り換え(例えば、LowからHigh)を、より細分化して、即ちより小さい速度差で実行できることは有用である。即ち、僅かな速度差しかないLo出力要件衝突速度とHi出力要件衝突速度とで、出力調整装置20により決定されるを乗員保護装置50の出力レベルを変化させることは有用である。
かかる有用な制御を実現するためには、衝突速度の差が僅かな各衝突を切り分ける必要があり、これに対応するため、本実施例の出力調整装置20のCPU42は、フロアセンサ22が検出するフロアGに対して、次のような演算処理を実行し、演算値S(t)を算出する。
S(t)=∫(v0−∫Gfloor(t)dt)dt ………(1)
ここで、Gfloor(t)は、時刻tに検出されるフロアGを表わし、その極性は、車両進行方向逆向きを正とする。但し、Gfloor(t)は、フロアGに対し所定のフィルター処理を施した値であってもよい。また、本発明の理解の容易化のため、積分区間は、衝突開始時刻t=0から時刻t=tまでとし、S(0)=0とする。尚、Gfloor(t)の時間による2回積分値は、物理的には、衝突開始時刻t=0からある時間tが経過したときの、車両10に固定されていない車両内の物体の当該車両10に対する相対移動量を意味する。
v0は、仮想的な初速値(固定値)であり、後に詳説する。ここで、仮に、v0を衝突開始時刻t=0の衝突速度とすると、v0の時間による一回積分値は、物理的には、衝突開始時刻t=0からある時間tが経過したときの、移動速度v0で等速移動するフロアセンサ22の設置部位の絶対的な移動量を意味する。従って、演算値S(t)とは、実質的には、時刻t=tでの、フロアセンサ22の設置部位よりも前側の車体部位(車体フロント部)の変形量(車両変形量)を表わす。
しかしながら、“発明が解決しようとする課題”で言及したとおり、そもそも実際の衝突過程での衝突対象と車両との衝突速度を正確に求めること自体が困難であり、この意味では、仮想的な初速値v0を導入すること自体に特段の意義はないため、従来的には仮想初速値v0なる概念が導入されていなかった(即ち仮想初速値v0=0)。
これに対して、本発明は、以下詳説するように、この仮想初速値v0と、実際の衝突速度との相対関係に起因して、後述するS−G波形に大きな差異が現れるという原理を利用するために、仮想初速値v0(≠0)を導入している。以下、この原理について詳説する。
図3は、本発明が利用する原理を示す説明図であり、演算値Sと減速度Gfloorとの関係が示される。図3(A)は、仮想的な場合として、正確な実際の衝突速度を仮想初速値v0に代入した場合のグラフを、各衝突速度(20km/h、30km/h、40km/h)について示している。
図3(A)に示すように、演算値Sと減速度Gfloorとで画成される波形(以下、「S−G波形」という)は、各衝突速度において略同一箇所にピーク位置を有し、衝突速度の相違によって減速度Gfloorのピーク値が僅かに異なるだけである。この場合、ピーク位置は略同一箇所に現れるため、減速度Gfloorのピーク値の相違を利用するだけでは各衝突速度を切り分けることが困難であることが分かる。
図3(B)は、仮想初速値v0に30km/hを代入した場合のグラフを、各衝突速度(20km/h、30km/h、40km/h)について示している。図3(B)に示すように、仮想初速値v0が実際の衝突速度よりも小さい場合のピーク位置(40km/hのピーク位置)は、仮想初速値v0が実際の衝突速度と一致する場合のピーク位置(30km/hのピーク位置)に対して、左側にシフトしている。これは、仮想初速値v0が実際の衝突速度よりも小さい場合、実際よりも小さな演算値S(車両変形量)が算出されることに起因する。
一方、仮想初速値v0が実際の衝突速度よりも大きい場合のピーク位置(20km/hのピーク位置)は、仮想初速値v0が実際の衝突速度と一致する場合のピーク位置(30km/hのピーク位置)に対して、右側にシフトしている。これは、仮想初速値v0が実際の衝突速度よりも小さい場合、実際よりも大きな演算値S(車両変形量)が算出されることに起因する。
このように、実際の衝突速度が仮想初速値v0よりも大きいか小さいかの相違によって、S−G波形のピーク位置が左右逆にシフトすることが分かる。従って、仮想初速値v0を適切な基準速度に設定することで、当該基準速度を境界として大きな衝突速度と小さな衝突速度とで、それらのS−G波形のピーク位置が互いに離間する方向にシフトするので、このずれを利用して、これらのS−G波形を閾値パターンで切り分けることが容易になることが分かる。
例えば、衝突速度Vref[km/h]を基準速度にし、衝突速度Vref[km/h]を境界にして衝突速度の切り分けを行いたい場合、図4に示すように、衝突速度Vref[km/h]の衝突試験で得られたS−G波形(仮想初速値v0=Vref[km/h]としたS−G波形)に基づいて、当該S−G波形に対して左側から包絡するような閾値パターン70を所定する。この際、当然にバラツキの影響を無くすため、実際の減速度信号の大きさを所定%割増して得られるS−G波形(例えば20%増しの場合、Gfloorを1.2倍して得られるS−G波形)が、閾値パターン70の所定する際の基準にされてよい。また、複数の衝突試験結果やシミュレーションにより解析結果などが適切に併用されてよい。
図4に示す例の場合、基準速度Vref[km/h]を超えるような衝突速度であれば、そのS−G波形は、全体的に左側に縮小され、閾値パターン70に対して左側、即ち、閾値パターン70を超える方向に移動する。一方、基準速度を下回るような衝突速度であれば、そのS−G波形は、全体的に右側に拡大され、閾値パターン70に対して右側、即ち、閾値パターン70を超えない方向に移動する。このようにして、衝突速度Vref[km/h]を境界にした衝突速度の切り分けが可能となるのである。
また、Lo出力要件衝突速度VLo[km/h]とそれより高いあるHi出力要件衝突速度VHi[km/h]を確実に切り分けたい場合、その中間値Vmid(=VLo+(VHi−VLo)/2)[km/h]を基準速度Vrefとして同様の閾値パターン70を形成すればよい。但し、この場合、上述のようなバラツキを補償するための減速度割増処理はされなくてもよい。この場合、上述の如く、Vmid[km/h]を境界にしてHi出力要件衝突速度VHi[km/h]とLo出力要件衝突速度VLo[km/h]とでS−G波形が左右逆に移動し、更に、Vmid[km/h]前後にマージンが存在するので、バラツキ等の影響を受けないよりロバストな切り分けが可能となる。
このように本実施例によれば、Gfloor(t)の2回積分値に仮想初速値v0の一回積分値を足しこんで得られる演算値Sを用いることで、僅かな衝突速度の相違であっても、仮想初速値v0に対応する基準速度を境界にして、より容易に切り分けることができるようになる。このような構成は、特に切り分けしたい衝突速度の差異が僅かな場合に特に好適である。
次に、図5及び図6を参照して、本実施例の出力調整装置20(CPU42)の具体的な動作・機能を説明する。尚、出力調整装置20のROM44には、図4を参照して説明した態様で所定された閾値パターン70が格納されている。この閾値パターン70より上方のマップ領域が、乗員保護の高い緊急度(High)に対応し、閾値パターン70より下方のマップ領域が、乗員保護の低い緊急度(Low)に対応している。
図5は、本実施例の出力調整装置20の主要機能を示すブロック図である。図6は、出力調整装置20の主要動作を示すフローチャートである。
出力調整装置20は、S演算部202と、閾値判定部204と、出力レベル切替部206を備える。S演算部202には、減速度検出手段30が検出したフロアGが適切なフィルター処理を介して所定の周期で入力される。
S演算部202は、上述の式(1)に従って、入力されるフロアG(Gfloor)に基づいて、演算値Sを算出する。このS演算部202による演算は、所定のトリガ条件が成立した際に開始されてよい。例えば、フロントバンパ等に設置されるタッチセンサが衝突の開始を検出した際に、演算を開始する(ステップ100)。即ち、S演算部202は、所定のトリガ条件が成立した時点を積分開始時刻t=0として、現在時刻t=tにおけるS(t)を算出する。S演算部202は、フロアGの入力周期に対応する周期で演算を実行し、演算結果を閾値判定部204に供給する。
閾値判定部204は、S演算部202から入力されるS(t)と、同時刻に対応した減速度Gfloor(t)とに基づいて定まる点が、閾値パターン70で仕切られた何れの領域(High領域若しくはLow領域)に属するかを判定する(ステップ110)。例えば、閾値判定部204は、S(t)とGfloor(t)とに基づいて定まるマップ上の点が、High領域に属する場合に、Hi信号を出力する。この場合、S(t)とGfloor(t)とで画成されるマップ上の点の集合(S−G波形)が、閾値パターン70を超えてHigh領域に属した場合、Hi信号が出力されることになる。
出力レベル切替部206は、閾値判定部204からのHi信号に応答して、所定の乗員保護装置50の出力レベルを高設定に切り替える(ステップ120)。それ以外の場合、乗員保護装置50の出力レベルは通常設定のままに維持される(ステップ130)。
尚、本実施例では、乗員保護装置50の起動判定は、別個独立的に、例えばフロアG及びフロントGを用いて実行される。従って、当該閾値判定部204からのHi信号が出力されずに、起動判定がオンになると、その瞬間、通常設定の出力レベルで乗員保護装置50が起動されることになる。一方、上述の如く出力レベルが高設定に切り替えられても、起動判定がオンにならない場合には、乗員保護装置50が起動されないことも有りうる。
以上のような実施例によれば、S演算部202が演算に用いる仮想初速値v0として、所望の基準速度を採用することで、当該基準速度を境界とした乗員保護装置50の出力レベルの切り替えが容易且つ高精度に実現できる。
図7は、上述の本実施例の有用性を検証するために実施した試験結果を示した図であり、Lo出力要件衝突速度VLo[km/h]を基準速度としてバラツキを考慮して所定された閾値パターン70(図4参照)と、Hi出力要件衝突速度VHi[km/h]及びそれより高い第2Hi出力要件衝突速度VHi[km/h]における各S−G波形との関係を示している。
図7に示すように、Hi出力要件衝突速度VHi[km/h]及びVHi[km/h]共に、SとGfloorとで画成されるS−G波形が閾値パターン70を大きく超えている。このことから、本実施例によれば、Lo出力要件衝突速度VLo[km/h]以下の衝突と、Hi出力要件衝突速度VHi[km/h]以上の衝突とを確実に切り分けできることが分かる。
尚、図7からも理解できるように、本実施例において、閾値判定部204は、判定の信頼性を高めるため、S(t)とGfloor(t)とに基づいて定まるマップ上の点が、所定周期連続して、High領域に属する場合に、Hi信号を出力するものであってよい。あるいは、S(t)とGfloor(t)とで定まるS−G波形(t=0〜t)に対する閾値パターン70の差の積分値(積分区間t=0〜t)が、正の所定値を越えた場合に、Hi信号を出力するものであってよい。
また、本実施例において、上記の閾値判定部204による閾値判定処理は、所定若しくは可変の要求時間T(即ち、乗員保護装置50の起動に必要な時間と起動タイミングを考慮した時間)との関連を考慮して実行されてよい。例えば、閾値判定部204は、時刻tが要求時間Tに達するまで(t<T)、S(t)とGfloor(t)とで画成されるS−G波形と、閾値パターン70との関係をその間監視し続け、時刻tが要求時間Tに達した段階で、監視結果に基づいて最終的な判定結果を出力してもよい。同様の観点から、出力レベル切替部206が、閾値判定部204の要求時間Tに達するまでの判定結果に基づいて、最終的な切り替えを実行してもよい。
また、本実施例において、閾値判定部204は、上述の閾値判定と共に、S(t)とGfloor(t)とで画成されるS−G波形の立ち上がり態様を判断してもよい。即ち、図3(B)に示すように、(a)仮想初速値v0が実際の衝突速度よりも小さい場合、S−G波形の立ち上がりが、仮想初速値v0が実際の衝突速度と一致する場合に対して急になり、(b)仮想初速値v0が実際の衝突速度よりも大きい場合、逆に緩やかになっていることが分かる。このように本実施例では、上述の如くS(t)を演算することで、S−G波形の立ち上がり態様の相違を利用した判定も可能である。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述した実施例では、出力調整装置20の閾値判定部204の判定結果に応じて乗員保護装置50の出力レベルを調整するものであったが、出力調整装置20に代えて起動制御装置を具現化してもよい。即ち、本発明では上述の如く衝突速度を細やかに切り分けできることから、閾値判定部204の判定結果を、乗員保護装置50の起動可否判定に用いてよい。例えば、ある速度V以上の衝突を検知した際に乗員保護装置50を起動させたい場合、当該速度V若しくはそれよりもバラツキを加味した分αだけ小さい速度を、仮想初速値v0とし(即ち、v0=V、若しくはv0=V−α)、上述と同様の態様で閾値パターン70を所定する。この場合、上述の実施例と同様、S(t)とGfloor(t)とで画成されるマップ上の点の集合(S−G波形)が、閾値パターン70を超えた場合に、乗員保護装置50が起動される。尚、この際、乗員保護装置50の起動タイミングが適切に調整されてもよい。
また、上述した実施例では、1つの基準速度を設定した例を説明しているが、二以上の基準速度を設定し、複数の衝突速度領域で細分化した乗員保護装置50の出力レベル決定や起動可否判定を実現してもよい。
本発明による乗員保護装置の制御装置が具現化される乗員保護システムの一実施例を示すシステム構成図である。 出力調整装置20が車両10に搭載されたときの様子を例示した図である。 本発明が利用する原理を示す説明図である。 閾値パターン70の所定手法の説明図である。 本実施例の出力調整装置20の主要機能を示すブロック図である。 出力調整装置20の主要動作を示すフローチャートである。 本実施例の有用性を実証する試験結果を示す図である。
符号の説明
10 車両
20 出力調整装置
22 フロアセンサ
24 左フロントセンサ
26 右フロントセンサ
30 減速度検出手段
40 マイクロコンピュータ
42 CPU
44 ROM
46 RAM
48 入出力回路
50 乗員保護装置
52 エアバック
54 インフレータ
56 点火装置
58 駆動回路
70 閾値パターン
202 S演算部
204 閾値判定部
206 出力レベル切替部

Claims (4)

  1. 少なくとも2つの異なる衝突速度間で乗員保護装置による保護態様を変化させる乗員保護装置の制御装置であって、
    車両の減速度を検出する減速度検出手段と、
    所定時点からの前記減速度の2回積分値と所定の初速値の一回積分値とに基づく演算値を出力する演算手段と、
    前記各手段から得られる前記減速度及び前記演算値とで画成される2次元マップ上の波形に対して、該2次元マップ上に所定された閾値パターンにより閾値判定を行い、乗員保護装置の作動制御に用いられる判定結果を出力する判定手段とを備え、
    前記所定の初速値に、前記2つの異なる衝突速度間の値を用いることを特徴とする、制御装置。
  2. 前記判定手段による判定結果に応じて乗員保護装置の出力レベルを変更する、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記判定手段による判定結果を用いて乗員保護装置の起動可否を判断する、請求項1に記載の制御装置。
  4. 車両の減速度を検出する減速度検出手段と、
    所定時点からの前記減速度の2回積分値と所定の初速値の一回積分値とを足し合わせた演算値を出力する演算手段とを備え、
    前記各手段から得られる前記減速度及び前記演算値とで画成される2次元マップ上の波形に基づいて、少なくとも2つの異なる衝突速度間で乗員保護装置による保護態様を変化させる乗員保護装置の制御装置であって、
    前記所定の初速値に、前記2つの異なる衝突速度間の値を用いることを特徴とする、制御装置。
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