JP4306261B2 - 撮像装置及び撮像方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置及び撮像方法に関する。詳しくは、映像信号の逆光状態を適切に判定し、逆光状態に応じた逆光補正処理を行うことのできる撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のデジタルカメラなどの撮像装置では、撮像するときの露出状態に応じた適切な画像処理を行うための方法や装置が数多く考案されており、そのうち、逆光状態において被写体を適正露光するための方法もいくつか提案されている。
【0003】
例えば、対象となる画像データのヒストグラムを生成し、このヒストグラムに基づいて対象となる画像データが逆光状態であるか否かを判定して画像処理条件を設定する画像処理方法や装置などが考案されている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−134467号公報(第6−11頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、撮影する画像によって、被写体がどのような逆光状態であるかは多様であり、画像データのヒストグラムのみから逆光状態を判定しただけでは、被写体がどのような逆光状態となっているかを的確に判断することが困難である。
【0006】
例えば、逆光状態で撮影する被写体の背景を損なうことなく、この被写体を適正露光となるように処理するというような画像処理を行う場合は、画像データのヒストグラムのみから逆光状態を判定しただけでは適切な逆光補正処理を行うことができないという問題を有している。
【0007】
従って、映像信号における逆光状態を適切に判定できるようにし、それぞれの逆光状態の応じて映像信号に適した逆光補正を行うことができる撮像装置及び撮像方法を提供することに解決しなければならない課題を有する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明に係る撮像装置及び撮像方法は次のような構成にすることである。
【0009】
(1)映像信号の撮像範囲を所定面積のブロックに分割し、該分割した各ブロックごとに前記映像信号の輝度レベルを測定し、該測定した輝度レベルと予め設定されている複数個のパターンとを比較して前記各ブロックを逆光状態である逆光ブロックと逆光状態でない通常ブロックとに区別し、該区別した各ブロックの配置状態を逆光パターンとして検出するマルチ検波手段と、前記マルチ検波手段で検出した逆光パターンを用いて、前記逆光ブロックの平均輝度レベルと前記通常ブロックの平均輝度レベルとの比率を算出し、該算出した比率に基づいて前記映像信号における逆光状態の度合を示す逆光度合データを生成する第1の逆光判別データ生成手段と、前記映像信号の輝度レベルを測定し、該測定した輝度レベルの分布状態を示す輝度分布データを生成し、該生成した輝度分布データに基づいて前記映像信号における逆光状態の傾向を示す逆光傾向データを生成する第2の逆光判別データ生成手段と、前記映像信号に対する露光量情報に基づいて、該映像信号の逆光状態を補正するための補正量の割合を示す補正量データを生成する第3の逆光判別データ生成手段と、前記第1の逆光判別データ生成手段で生成した逆光度合データと前記第2の逆光判別データ生成手段で生成した逆光傾向データと前記第3の逆光判別データ生成手段で生成した補正量データとに基づいて、前記映像信号の逆光状態を判定するための逆光判断データを算出する逆光判断データ算出手段と、前記逆光判断データ算出手段で算出した逆光判断データと、所定の逆光状態基準データとを比較し、前記映像信号の逆光状態を判定する逆光状態判定手段と、前記逆光状態判定手段の判定結果に基づいて、前記映像信号に対する逆光補正処理を制御する逆光補正制御手段と、を備えていることを特徴とする撮像装置。
(2)映像信号の撮像範囲を所定面積のブロックに分割し、該分割した各ブロックごとに前記映像信号の輝度レベルを測定し、該測定した輝度レベルと予め設定されている複数個のパターンとを比較して前記各ブロックを逆光状態である逆光ブロックと逆光状態でない通常ブロックとに区別し、該区別した各ブロックの配置状態を逆光パターンとして検出する工程、
前記逆光パターンとして検出する工程で検出した逆光パターンを用いて、前記逆光ブロックの平均輝度レベルと前記通常ブロックの平均輝度レベルとの比率を算出し、該算出した比率に基づいて前記映像信号における逆光状態の度合を示す逆光度合データを生成する工程、前記映像信号の輝度レベルを測定し、該測定した輝度レベルの分布状態を示す輝度分布データを生成し、該生成した輝度分布データに基づいて前記映像信号における逆光状態の傾向を示す逆光傾向データを生成する工程、前記映像信号に対する露光量情報に基づいて、該映像信号の逆光状態を補正するための補正量の割合を示す補正量データを生成する工程、前記逆行度合データを生成する工程で生成した逆光度合データと前記逆光傾向データを生成する工程で生成した逆光傾向データと前記補正量データを生成する工程で生成した補正量データとに基づいて、前記映像信号の逆光状態を判定するための逆光判断データを算出する工程、前記逆光判断データを算出する工程で算出した逆光判断データと、所定の逆光状態基準データとを比較し、前記映像信号の逆光状態を判定する工程、前記逆光状態を判定する工程での判定結果に基づいて、前記映像信号に対する逆光補正処理を制御する工程、からなる撮像方法。
【0010】
このような構成の撮像装置において、逆光判断データ算出手段により、第1の逆光判別データ生成手段で生成した逆光度合データと、第2の逆光判別データ生成手段で生成した逆光傾向データと、第3の逆光判別データ生成手段で生成した補正量データとに基づいて、映像信号の逆光状態を判定する逆光判断データを算出する。
【0011】
そして、逆光状態判定手段で、上記算出した逆光判断データと所定の逆光状態基準データとを比較して映像信号の逆光状態を判定し、この判定結果に基づいて、逆光補正制御手段が映像信号に対する逆光補正処理を制御することによって、撮影する映像信号における逆光状態検出の信頼度が向上し、被写体に対して適切な逆光補正を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る撮像装置及び撮像方法における実施の形態について図面を参照して説明する。但し、図面は専ら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0013】
図1は、本発明の撮像方法を具現化する撮像装置において、逆光状態を判別するための主要部の概略構成を示したブロック図であり、撮像レンズ10、アイリス(iris)20、アイリス駆動回路21、撮像素子30、撮像素子制御回路31、S/H(Sample/Hold)回路40、映像信号処理回路50、検波回路51、マイコン60、発光装置70、発光装置駆動回路71などを備えている。
【0014】
撮像レンズ10は、被写体からの光を取り込んでアイリス20へ送る。
【0015】
アイリス20は、マイコン60により制御されるアイリス駆動回路21に従い、撮像レンズ10を通過してくる光の量を調整して、画像の明るさ(露出)を決める。
【0016】
撮像素子30は、マイコン60により制御される撮像素子制御回路31に従い、アイリス20を通過してくる被写体からの光を、撮像素子を構成する各画素によって電気信号に変換し、アナログ映像信号としてS/H回路40に送出する。
【0017】
S/H回路40は、撮像素子30から送られてくるアナログ映像信号を順次サンプリングして映像信号処理回路50に送出する。
【0018】
映像信号処理部50は、検波回路51を備え、マイコン60の制御に従い、S/H回路40から送られてくるアナログ映像信号を増幅し、デジタル映像信号に変換し、変換したデジタル映像信号に対して所定の信号処理を施す。また、映像信号の逆光状態を判別する際の判別基準となる各種基準データ(以下、閾値という)が記憶してある。
【0019】
また、変換されたデジタル映像信号における逆光状態の判別を行うため、映像信号の輝度レベルの分布状態を測定し、その分布状態を示す輝度レベル分布データ(以下、ヒストグラムという)を生成し、このヒストグラムに基づいて逆光状態の傾向を判別するための逆光傾向データを算出する機能を備えている。
【0020】
更に、EV値(Exposure Value値)から逆光状態に対する補正量の割合を示す補正量データを算出する機能を備えている。
【0021】
映像信号処理部50の検波回路51は、変換されたデジタル映像信号における逆光状態の判別を行うため、映像信号に対する有効画枠を所定面積のブロックに分割し、分割した各ブロックの輝度レベルを検波(測定)する機能を備え、被写体が逆光状態であるブロック(被写体が逆光状態であると想定されるブロック)とそれ以外のブロックとの区分し、区分した各ブロックにおける平均輝度レベルを算出して逆光状態の度合を判別するための逆光度合データを生成する機能を備えている。
【0022】
マイコン60は、アイリス駆動回路21、撮像素子制御回路31、S/H回路40、映像信号処理回路50、発光装置駆動回路71など装置各部の制御及び全体の処理や制御を行い、また、映像信号処理回路50から送られてくる逆光度合データ、逆光傾向データ、補正量データなどに基づいて逆光状態の信頼度(逆光判断データ)を算出し、所定の信頼度(逆光状態基準データ)とを比較して映像信号の逆光状態を判定し、この判定結果に基づいて装置各部の制御を行う。
【0023】
発光装置70は、マイコン60により制御される発光装置駆動回路71に従い、最適な露光値になるようにシャッター(図示せず)と同時に瞬間的な光を発する。
【0024】
このような構成の撮像装置において、映像信号の逆光状態を判定して逆光補正処理するまでの過程を次に示す[1]〜[5]の順に従って説明する。
【0025】
[1]第1の逆光判別データ生成
[2]第2の逆光判別データ生成
[3]第3の逆光判別データ生成
[4]第1〜第3の逆光判別データによる逆光状態の判定
[5]逆光状態の判定に基づく逆光補正制御
【0026】
まず、上記[1]〜[5]の処理過程の概要を図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0027】
まず、映像信号処理部50の検波回路51によって、撮影している映像信号を所定面積のブロックに分割し、各ブロックの輝度レベルを測定(マルチ検波)し、逆光状態のブロックと逆光状態以外のブロックとの割合によって逆光状態の度合を示す逆光度合データを第1の逆光判別データJ1として生成する(ST100)。
【0028】
また、映像信号処理部50は、撮影している映像信号の輝度レベルを測定し、輝度レベルの分布状態を示すデータ、即ち、ヒストグラムを生成し、このヒストグラムに基づいて逆光状態の傾向を示す逆光傾向データを第2の逆光判別データJ2として生成する(ST200)。
【0029】
次に、撮影装置におけるEV値から撮影している映像信号(の明るさ)に対する補正量データを生成し、第3の逆光判別データJ3(補正量データ)とする(ST300)。
【0030】
次に、それぞれ生成した第1の逆光判別データJ1(逆光度合データ)、第2の逆光判別データJ2(逆光傾向データ)、第3の逆判別データJ3(補正量データ)に基づいて、逆光状態の信頼度を算出する(ST400)。
【0031】
次に、算出した逆光信頼度が所定の基準値(閾値)以上であるか否かを判定する(ST500)。
【0032】
そして、所定の閾値以上である場合は逆光状態であると判断し、発光装置駆動回路71により発光装置70を発光させるなど、逆光状態を補正するための制御を行う(ST600)。
【0033】
[1]第1の逆光判別データ生成
まず、第1の逆光判別データを生成するまでの概要を図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0034】
撮影している映像信号の有効画枠を所定面積のブロックに分割し、分割した各ブロックの輝度レベルを測定し、逆光状態であるブロック(被写体が逆光状態であると想定されるブロック)の平均輝度レベルを算出する(ST110、ST120)。
【0035】
続いて、逆光状態のブロック以外の通常ブロックについて、平均輝度レベルを算出する(ST130)。
【0036】
次に、逆光状態であるブロックの平均輝度レベルと、通常ブロックの平均輝度レベルとの比率、光量割合を算出する(ST140)。
【0037】
そして、撮影している映像信号の有効画枠全体が均一の明るさ(コントラスト)であるとき、即ち、全てのブロックが均一の輝度レベルであるときの光量割合を100[%]とした場合、光量割合100[%]と上記算出した光量割合との差分を算出し、算出した値に基づいて逆光状態の度合を示す逆光度合データを生成し、第1の逆光判別データとする(ST150)。
【0038】
次に、上述した図3のフローチャートに基づく具体的な処理内容について説明をする。
【0039】
[1−1]逆光パターンの判定
撮像レンズ10からアイリス20、撮像素子30、S/H40を介して映像信号処理回路50で処理された映像信号は、検波回路51において、逆光状態を検出するため、図4(a)に示すような、撮影している映像信号における有効画枠を等分割するマルチ検波枠100によって、所定面積のブロックに分割される。
【0040】
そして、マルチ検波枠100で撮影している映像信号を所定面積のブロックに分割し、分割した各ブロックの輝度レベルを検波(測定)し、逆光状態であるか否かの判別が行われる。
【0041】
例えば、図4(b)に示すように、撮影している映像信号を所定面積のブロックに分割し、分割した各ブロックの輝度レベルを検波(測定)し、予め装置内に予め記憶されているパターン、例えば、図5に示すような各パターンに従って、被写体が逆光状態でないと判別されたブロックを通常ブロック(網掛けなしのブロック)、被写体が逆光状態であるブロック(被写体が逆光状態であると想定されるブロック)を逆光ブロック(網掛けブロック)として区別する。
【0042】
次に、通常ブロック、逆光ブロックそれぞれの単位面積当たりの輝度レベル、即ち、平均輝度レベルは、次式により算出する。
【0043】
・平均輝度レベル<1>
=通常ブロックの輝度レベルの合計値/通常ブロックの合計面積
・平均輝度レベル<2>
=逆光ブロックの輝度レベルの合計値/逆光ブロックの合計面積
【0044】
続いて、通常ブロックの平均輝度レベル<1>と逆光ブロックの平均輝度レベル<2>の比率(以下、光量割合Xという)を次式で求める。
【0045】
光量割合X = { 平均輝度レベル<1>/平均輝度レベル<2> }× 100[%]
【0046】
そして、予め装置内に設定(記憶)されている複数個のパターンの光量割合に対し、算出した光量割合Xが最も小さくなるパターンを判定する。
【0047】
例えば、図4(c)に示すブロックに区分された映像信号の光量割合Xを算出する場合、図6に示すように、まず、通常ブロックの平均輝度レベル<1>と逆光ブロックの平均輝度レベル<2>を求め、次に、通常ブロックの平均輝度レベル<1>と逆光ブロックの平均輝度レベル<2>との比率、即ち、光量割合Xを算出する。
【0048】
なお、装置内に記憶されているパターンは、マルチ検波枠100に基づいて、予め想定される逆光状態のパターンが複数個記憶されており、図示した以外のパターンであってもよく、記憶(設定)できる個数も限定されるものでない。
【0049】
[1−2]逆光パターンに基づく逆光判別データの生成
続いて、判別した逆光パターンの光量割合Xと全てのブロックが均一の輝度レベルであるときの光量割合とを比較し、逆光状態の度合を示す判別データを生成する。
【0050】
図7(a)に示すように、マルチ検波枠100(有効画枠)全体が均一の明るさ(均一のコントラスト)、つまり、各ブロックが全て均一の輝度レベルである場合の平均輝度レベルは100[%]、即ち、光量割合は100[%]である。
【0051】
各ブロックが全て均一の輝度レベルである場合の光量割合(100[%])を光量割合X0とし、判別した逆光パターンの光量割合X(図7(b)参照)とを比較する。
【0052】
具体的には、図7(c)に示すように、[1−1]判別した逆光パターンの光量割合Xが、各ブロックが全て均一の輝度レベルである時の光量割合X0に対して、どの程度光量が不足しているのかを次式で算出する。この算出結果に基づいて、逆光状態の度合(逆光確率)を示す逆光度合データが生成され、この逆光度合データを第1の逆光判別データJ1とする。
【0053】
第1の逆光判別データJ1(逆光度合データ)
J1 = ( 光量割合X0 − 光量割合X )[%]
【0054】
[2]第2の逆光判別データ生成
次に、第2の判別データを生成するまでの概要を図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0055】
映像信号処理回路50では、撮像レンズ10からアイリス20、撮像素子30、S/H40を介して処理された映像信号の輝度レベルを測定し、輝度レベルを所定のステップに分割して設定し、設定したステップの輝度レベルに対して、測定した輝度レベルがどの程度存在しているか累計した輝度レベルの分布データ、いわゆる、ヒストグラムを生成する(ST210)。
【0056】
次に、撮影している映像信号について輝度レベルの分布状態がどの程度の逆光状態であるのかを判別するため、ヒストグラムを所定の輝度レベルに応じて3つの領域(高輝度領域H、中輝度領域M、低輝度領域L)に分割し、最高の輝度レベル(ステップが最大値である点)から分割した各ステップごとに輝度レベルの度数を検索し、所定の輝度レベルとなる点(ステップ)を高輝度領域Hと中輝度領域Mとの分界点とする(ST220、ST230)。
【0057】
もし、分界点を設定できない場合は、検索終了となる(ST230→ST270)。
【0058】
分界点により高輝度領域Hが設定されると、引き続いて、各ステップにおける輝度レベルの度数の検索を続け、所定の輝度レベルとなる点(ステップ)を中輝度領域Mと低輝度領域Lの分界点とする(ST230→ST240)。
【0059】
引き続いて、最小の輝度レベル(ステップが最小値である点)まで検索を行い、検索を終了すると、ヒストグラムが高輝度領域H、中輝度領域M、低輝度領域Lという3つの領域に分割される(ST250)。
【0060】
もし、中輝度領域Mと低輝度領域Lの分界点を設定できない場合は、検索終了となる(ST250→ST270)。
【0061】
次に、ヒストグラムが高輝度領域H、中輝度領域M、低輝度領域Lの3つの領域に分割されると、各領域の輝度レベルの平均度数を算出する(ST260)。
【0062】
そして、ヒストグラムと各領域の輝度レベルの平均度数を用いて逆光状態の分布傾向を判別するため判別データを算出し、算出した判別データと各種の基準データと比較し、その比較結果に基づいて、撮影している映像信号における逆光状態の傾向(輝度レベル分布状態)を示す逆光傾向データを生成し、第2の逆光判別データとする(ST270)。
【0063】
次に、上述した図8のフローチャートに基づく具体的な処理内容について説明をする。
【0064】
[2−1]ヒストグラムの生成
映像信号処理回路50は、撮影している映像信号の輝度レベルを測定し、輝度レベルを所定のステップに分割して設定し、設定したステップの輝度レベルに対して、測定した輝度レベルがどの程度存在しているか累計する。
【0065】
具体例としては、輝度レベルを0〜256までのステップに分割して設定し、各ステップの輝度レベルごとに、測定した輝度レベルの画素数がいくつあるかを累計した値(度数)を求めることにより、輝度レベルの分布状態を示す分布データを生成する。
【0066】
この分布データを図示すると、図9に示すように、横軸方向に各輝度レベル、縦軸方向に各輝度レベルの度数(画素数)で表した、いわゆるヒストグラムとなる。以下、輝度レベルの分布状態を検出するために生成した分布データをヒストグラムという。
【0067】
そして、このヒストグラムを輝度レベルに基づいて高輝度領域H、中輝度領域M、低輝度領域Lというように3つの領域に分割した場合、逆光状態の映像信号のヒストグラムは、図9に示すように、低輝度領域Lでは、最低輝度レベルから度数が増加し、ある輝度レベルで度数がピークとなり、中輝度領域M方向に向かって徐々に減少して行く山状の分布となり、中輝度領域Mに入ると、中輝度レベルの度数がほとんどない一定の分布となり、高輝度領域Hになると、再び度数が徐々に増加し、ある輝度レベルで度数がピークとなり、最低輝度レベル方向に向かって度数が減少する山状の分布となる、という特徴を有する。
【0068】
即ち、映像信号の輝度レベルが、高輝度領域Hと低輝度領域Lに相当する輝度レベルに集中して存在し、中輝度領域Mに相当する輝度レベルにほとんど存在しないという状態の輝度レベル分布となる。
【0069】
そこで、映像信号処理回路50は、撮影している映像信号における輝度レベルを測定し、その輝度レベルの分布状態を示すヒストグラムを生成し、高輝度領域H、中輝度領域M、低輝度領域Lというように3つの領域に分割する。
【0070】
ヒストグラムを3つの領域に分割するには、まず、生成したヒストグラムにおいて度数が最大となる輝度レベルの地点を求め、点Pとする。
【0071】
次に、この点Pに基づいて、最大度数に対して所定の割合となる適当な度数を閾値T1として設定する。なお、閾値T1は、低輝度領域L及び高輝度領域Hと、中輝度領域Mとを十分に判別できる度数が設定される。
【0072】
次に、ヒストグラムにおける最高の輝度レベル(又は最低の輝度レベル)から、最低の輝度レベル(又は最高の輝度レベル)方向に向かって各輝度レベル(各ステップ)ごとの度数の検索を開始する。
【0073】
そして、検索を開始してから最初に度数を検出した輝度レベルの地点を領域開始点Sとし、更に、低輝度(又は高輝度)レベル方向に向かって順次各輝度レベルの度数を検索して行き、閾値T1と同じ度数となる輝度レベルの地点を各領域の分界点とする。
【0074】
具体例としては、図10に示すヒストグラムにおいて、度数が最大となる輝度レベルの点Pを求め、点Pの度数の適当な度数を閾値T1として設定する。
【0075】
そして、最高の輝度レベル(ステップ256)から最低の輝度レベル(ステップ0)方向に向かって検索する場合、まず、最高の輝度レベル(ステップ256)から検索を開始し、最初に度数を検出した輝度レベルの地点を領域開始点Sとする。
【0076】
続いて、最低の輝度レベル方向に向かって各輝度レベルごとの度数を順次検索して行き、一旦、閾値T1で設定した度数を超え、更に、最大の度数となる輝度レベルである点Pを過ぎて度数が減少してゆき、次に閾値T1の度数と同じになる輝度レベルの地点を高輝度領域Hと中輝度領域Mとの分界点MHとする。
【0077】
更に、最低の輝度レベル方向に向かって各輝度レベルごとの度数を順次検索して行き、図11に示すように、再び閾値T1の度数と同じになる輝度レベルの地点を中輝度領域Mと低輝度領域Lとの分界点MLとし、更に最低の輝度レベル方向に検索を続け、度数が存在している最後の地点(ステップ)を領域終了点Eとする。
【0078】
このようにして各領域の境界を設定することによって、領域開始点S〜分界点MHまでの輝度レベルの範囲を高輝度領域H、分界点MH〜分界点MLまでの間の輝度レベルの範囲を中輝度領域M、分界点ML〜検索終了点Eまでの輝度レベルの範囲を低輝度領域Lとすることで、図12に示すように、ヒストグラムが3つの領域(高輝度領域H、中輝度領域M、低輝度領域L)に分割される。
【0079】
[2−2]ヒストグラムに基づく逆光判別データの生成
続いて、3つの領域に分割したヒストグラムに基づいて、逆光判別データを生成するまでの過程について説明する。
【0080】
上述の[2−1]において、高輝度領域H、中輝度領域M、低輝度領域Lに3分割して生成したヒストグラムに基づいて、次に示す(1)〜(4)の比較処理を行う。
【0081】
(1)各領域の輝度レベルの度数と閾値T2及び閾値T3の比較
(2)全領域に対する中輝度領域Mの割合と閾値T4の比較
(3)全領域に対する低輝度領域L以外の領域の割合と閾値T5の比較
(4)低輝度領域Lにおける低輝度固有領域Fの平均度数と閾値T6の比較
【0082】
なお、上述の閾値T2〜T6は、逆光状態を判別するために予め設定してある所定の基準データ(値)である。
【0083】
まず、(1)各領域の輝度レベルの度数と閾値T2及び閾値T3の比較処理について説明する。
【0084】
まず、上述の[2−1]で生成したヒストグラムをもとにして、各領域ごとに輝度レベルの度数の正規化処理を行う。
【0085】
輝度レベルの度数の正規化処理とは、各領域における輝度レベルの度数の合計値を算出し、算出したそれぞれの合計値を各領域の輝度レベルの幅(範囲;ステップの数)で除算処理することにより各領域の平均的な輝度レベルを算出し、各領域における輝度レベルの度数分布の特徴を顕在化させて、逆光状態の判別を行うためのものである。
【0086】
各高輝度領域Hの度数の合計値をSUM_h、中輝度領域Mの度数の合計値をSUM_m、低輝度領域Lの度数の合計値をSUM_lとし、高輝度領域Hの幅をWh、中輝度領域Mの幅をWm、低輝度領域Lの幅をWlとし、各領域の正規化輝度レベル度数をHav(高輝度領域H)、Mav(中輝度領域M)、Lav(低輝度領域L)は次式で求められる。
【0087】
Hav(高輝度領域H)= SUM_h/Wh
Mav(中輝度領域M)= SUM_m/Wm
Lav(低輝度領域L)= SUM_l/Wl
【0088】
例えば、ヒストグラムにおいて、各領域がそれぞれ図13(a)に示すように設定されていた場合、上述した式で各領域の輝度レベル度数を正規化した結果を図示すると、図13(b)に示すように、各領域の輝度レベルの幅を同じ幅とし、各領域ごとに特徴となる輝度レベル(平均値)の度数が一定状態であるグラフ(以下、正規化グラフという)となり、この正規化グラフにより、各領域の特徴を顕在化させることができる。
【0089】
そして、図13(b)に示す正規化グラフにおいて、高輝度領域Hの正規化輝度レベル度数Hav及び低輝度領域Lの正規化輝度レベル度数Lavと閾値T2、中輝度領域Mの正規化輝度レベル度数Mavと閾値T3とをそれぞれ比較する。
【0090】
なお、閾値T2は、高輝度領域H及び低輝度領域Lにおける逆光状態を判別するための所定の基準度数、閾値T3は、中輝度領域Mにおける逆光状態を判別するための所定の基準度数であり、予め装置内のメモリなどに設定(記憶)されている。
【0091】
そして、次の条件<1>〜<3>を全て満たすとき、被写体が逆光状態であると判断し、所定の逆光ポイントを算出する。
【0092】
条件<1>;正規化輝度レベル度数 Hav > 閾値T2
条件<2>;正規化輝度レベル度数 Lav > 閾値T2
条件<3>;正規化輝度レベル度数 Mav < 閾値T3
【0093】
即ち、条件<1>〜<3>において、それぞれ閾値T2又は閾値T3との差が大きいほど、被写体が逆光状態である傾向が大きいと判断されることになる。
【0094】
次に、(2)全領域に対する中輝度領域Mの割合と閾値T4の比較処理について説明する。
【0095】
まず、上述の[2−1]で生成したヒストグラムにおいて、低輝度領域L〜高輝度領域Hまでの輝度レベルの幅(範囲)全体に対する、中輝度領域Mの輝度レベルの幅(範囲)の割合を求める。
【0096】
例えば、図14に示すヒストグラムにおいて、各領域がそれぞれ設定され、高輝度領域Hの幅(範囲)をWh、中輝度領域Mの幅(範囲)をWm、低輝度領域Lの幅(範囲)をWlとした場合、上記中輝度領域Mの輝度レベルの幅(範囲)の割合Rmを次式により算出する。
【0097】
Rm={Wm/(Wh+Wm+Wl)}×100[%]
【0098】
次に、上述の式で算出したRmと閾値T4とを比較する。なお、閾値T4は、全領域に対する中輝度領域Mの割合が逆光状態であるか否かを判別するための所定の基準値であり、予め装置内のメモリなどに設定(記憶)されている。
【0099】
そして、次の条件<4>を満たすとき、被写体が逆光状態であると判断し、所定の逆光ポイントを算出する。
【0100】
条件<4>;全領域に対する中輝度領域Mの割合 Rm ≧ 閾値T4
【0101】
即ち、条件<4>において、全領域に対する中輝度領域Mの割合Rmが閾値T4以上であり、閾値T4との差が大きいほど、中輝度領域Mの輝度レベルが全体に占める割合が大きいので、被写体が逆光状態である傾向が大きいと判断されることになる。
【0102】
次に、(3)輝度レベルの範囲全体に対する低輝度領域L以外の領域の割合と閾値T5の比較処理について説明する。
【0103】
(2)と同様、上述の[2−1]で生成したヒストグラムにおいて、低輝度領域L〜高輝度領域Hまでの輝度レベルの幅(範囲)全体に対する、低輝度領域L以外の領域の割合を求める。
【0104】
例えば、図14に示すヒストグラムにおいて、各領域がそれぞれ設定され、輝度レベルの全範囲(全ステップ;0〜256)をW0、高輝度領域Hの幅(範囲)をWh、中輝度領域Mの幅(範囲)をWm、低輝度領域Lの幅(範囲)をWlとした場合、低輝度領域L以外の領域の割合Rhmを次式により算出する。
【0105】
Rhm = {(W0−Wl)/(Wh+Wm+Wl)}×100[%]
【0106】
なお、低輝度領域L以外の輝度レベルの幅(範囲)は、主に、高輝度領域Hの幅(範囲)と中輝度領域Mの幅とを合わせた幅(範囲)と同じであると考えてもよく、上述の式における(W0−Wl)を(Wh+Wm)として算出してもよい。
【0107】
次に、上述の式で算出したRhmと閾値T5とを比較する。なお、閾値T5は、全領域に対する低輝度領域L以外の領域の割合によって逆光状態であるか否かを判別するための所定の基準値であり、予め装置内のメモリなどに設定(記憶)されている。
【0108】
そして、次の条件<5>を満たすときを、被写体が逆光状態であると判断し、所定の逆光ポイントを算出する。
【0109】
条件<5>;全領域に対する低輝度領域L以外の領域の割合 Rhm ≧ 閾値T5
【0110】
即ち、条件<5>において、全領域に対する低輝度領域L以外の領域の割合Rhmが閾値T5以上であり、閾値T5との差が大きいほど、低輝度領域Lの輝度レベルが全体に占める割合が小さく、被写体が逆光状態であると判断されることになる。
【0111】
次に、(4)低輝度領域Lにおける低輝度固有領域Fの平均度数と閾値T6の比較処理について説明する。
【0112】
ここでは、上述の[2−1]で生成したヒストグラムにおいて、低輝度領域Lにのみに着目し、低輝度領域Lにおける所定の輝度レベル以下の領域である低輝度固有領域Fに存在している輝度レベルの度数平均を求める。
【0113】
例えば、図15に示すヒストグラムにおいて、各領域がそれぞれ設定され、まず、低輝度領域Lにおける低輝度固有領域Fの幅(範囲)をWlf、低輝度固有領域Fの度数の合計値をSUM_fとした場合、低輝度固有領域Fの輝度レベルの度数平均Favを次式により算出する。
【0114】
Fav = SUM_f/Wlf
【0115】
そして、上述の式で算出したFavと閾値T6とを比較する。なお、閾値T6は、低輝度領域Lに存在する低輝度固有領域Fの割合によって、逆光状態によって輝度が低下している以外の領域がどの程度あるのかを判別するための所定の基準値であり、予め装置内のメモリなどに設定(記憶)されている。
【0116】
そして、次の条件<6>を満たすときを、被写体が逆光状態であると判断し、所定の逆光ポイントを算出する。
【0117】
条件<6>;低輝度固有領域Fの平均度数 Fav ≧ 閾値T6
【0118】
低輝度固有領域Fは、低輝度領域Lにおける所定の輝度レベル以下の領域であり、低輝度固有領域Fの平均度数Favと閾値T6とを比較することにより、被写体の輝度レベルが、逆光状態となることによって低下しているのか、それとも、もともと輝度レベルが低いのかを判別する。
【0119】
ヒストグラムに基づく逆光判別データを生成するために、上記(1)〜(4)で判別する条件<1>〜<6>についてまとめると、以下に示すようになる。
【0120】
条件<1>;正規化輝度レベル度数 Hav > 閾値T2
条件<2>;正規化輝度レベル度数 Lav > 閾値T2
条件<3>;正規化輝度レベル度数 Mav < 閾値T3
条件<4>;全領域に対する中輝度領域Mの割合 Rm ≧ 閾値T4
条件<5>;全領域に対する低輝度領域L以外の領域の割合 Rhm ≧ 閾値T5
条件<6>;低輝度固有領域Fの平均度数 Fav ≧ 閾値T6
【0121】
映像信号処理回路50では、上記の比較条件<1>〜<6>を満たしているときは、各比較条件ごとに所定のポイントを算出する。但し、条件<1>〜<3>は全ての条件を満たした場合のみ所定のポイントを算出する。
【0122】
そして、比較条件<1>〜<6>の比較結果に基づいて算出されたポイントを集計し、集計したポイントを所定の百分率[%]に換算して、撮影している映像信号における輝度レベルの分布状態がどの程度の逆光状態であるかを示す逆光傾向データを生成し、第2の逆光判別データJ2とする。
【0123】
第2の逆光判別データJ2(逆光傾向データ)
J2={(条件<1>・<2>・<3>)+条件<4>+条件<5>+条件<6>}[%]
【0124】
[3]第3の逆光判別データ生成
次に、第3の逆光判別データの生成過程について説明する。
【0125】
撮影している映像信号の輝度レベル(有効画枠内の明るさ)が、装置周辺の明るさに対してどの程度の明るさ(輝度レベル)であるのかを判別するため、装置の露光量、即ち、EV値(Exposure Value値)に基づいて、逆光状態に対する補正量の割合を示す補正量データを生成し、第3の逆光判別データJ3とする。
【0126】
この場合、逆光状態の補正を行うべきEV値の範囲は決まっており、逆光補正が必要となるEV値をEVs、補正が不要となるEV値をEVeとすると、図16に示すように、EV値がEVs〜EVeの間が逆光状態の補正を行うべき範囲であり、どの程度補正するかの割合(以下、逆光補正確率という)は、EVsのときを逆光補正確率0[%]、EVeのときを逆光補正確率100[%]とすると、逆光補正確率はEVsからEVeの間を直線的に増加する。
【0127】
従って、映像信号処理回路50では、現在のEV値をEVnとすると、EVnに基づき、撮影している映像信号における逆光状態に対しての補正量の割合(以下、逆光確率補正量という)を次式によって算出し、算出した値に基づいて映像信号の逆光状態を補正するための補正量の割合を示す補正量データを生成し、第3の逆光判別データJ3とする。
【0128】
第3の逆光判別データJ3(補正量データ)
J3 = {(EVn−EVs)/(EVe−EVs)}×100[%]
【0129】
映像信号が全体的に明るいときの方が逆光状態になりやすいので、第3の逆光判別データJ3、即ち、逆光確率補正量により撮影している映像信号の明るさに応じた適正な補正量データを生成することができる。
【0130】
[4]第1〜第3の逆光判別データによる逆光状態の判定 続いて、上述の[1]〜[3]において算出した第1〜第3の逆光判別データJ1〜J3に基づき、逆光状態の判定を行うまでの過程について説明する。
【0131】
上述の[1]〜[3]において生成した第1〜第3の逆光判別データJ1〜J3は、次のようになる。
【0132】
・第1の逆光判別データJ1(逆光度合データ)
J1 = (光量割合X0 − 光量割合X)[%]
・第2の逆光判別データJ2(逆光傾向データ)
J2 = {(条件<1>・<2>・<3>)+条件<4>+条件<5>+条件<6>}[%]
・第3の逆光判別データJ3(補正量データ)
J3 = {(EVn−EVs)/(EVe−EVs)}×100[%]
【0133】
そして、マイコン60では、映像信号処理回路50で生成された上記第1〜第3の逆光判別データJ1〜J3に基づいて、逆光状態を判定するための逆光判断データとなる信頼度Rを次式により算出する。
【0134】
信頼度R = {(J1 + J2)×J3}/100
【0135】
そして、マイコン60は、上述した式によって算出した信頼度Rの値と、予め設定してある逆光状態を判断するための基準データ(閾値)信頼度R0の値とを比較し、信頼度Rが信頼度R0以上の値であるとき(R≧R0であるとき)を逆光状態であると判定する。
【0136】
逆光状態の信頼度Rは、上述した[1−1]で判別した逆光パターンにどの程度適合し、どのような逆光状態の度合、傾向であり、補正量の割合がどの程度であるのかを示しており、撮影している映像信号の逆光状態を総合的に判断することができる。
【0137】
[5]逆光状態の判定に基づく逆光補正制御
次に、上述した逆光状態の信頼度Rの判定に基づいて、装置の各部を制御して逆光補正する過程について説明する。
【0138】
上記[4]で算出した信頼度Rが基準となる信頼度R0以上の値であり、逆光状態であると判定されると、マイコン60は、信頼度Rに基づいて各部を制御し、逆光状態を補正するための処理を行う。
【0139】
例えば、マイコン60が発光装置駆動回路71を制御し、発光装置70を発光させたり、アイリス駆動回路21や撮像素子制御回路31を制御して露光量を調整したり、シャッタースピードやAE(Auto Exposure)の制御などを行う。
【0140】
【発明の効果】
以上説明したように、撮影している映像信号からマルチ検波による逆光度合の判別データ(第1の逆光判別データ)、ヒストグラムによる逆光傾向の判別データ(第2の逆光判別データ)、EV値に基づく補正量データ(第3の逆光判別データ)を生成し、これらの3つの逆光判別データに基づいて算出される逆光状態の信頼度(逆光判断データ)によって映像信号の逆光状態を判定し、この判定結果に基づいて逆光補正制御するので、撮影する映像信号における逆光状態が多面的に分析され、逆光状態検出の信頼度が向上し、被写体に対して適切な逆光補正を行うことができるという優れた効果を奏するものである。
【0141】
例えば、逆光状態で撮影しなくてはならない場合であっても、上記のような逆光状態の判定に基づいた逆光補正制御を行い、発光装置を発光させることで、背景を損なうことなく、暗く沈んでしまう被写体に対して適正な露光処理を行うことができる。
【0142】
また、高輝度領域、中輝度領域、低輝度領域の3分割したヒストグラムによって、最大又は最小輝度レベルまでの余裕度や各輝度領域における輝度レベル分布の広がり方などの情報を得ることができるので、これまで以上に適切な逆光補正ができるようになるというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る撮像装置において、逆光状態を判別するための主要部の構成を略示的に示したブロック図である。
【図2】 図1に示した撮像装置における逆光状態の判別・制御までの過程を簡略化して示したフローチャートである。
【図3】 図1に示した撮像装置において、逆光状態の度合を示す第1の逆光判別データを算出する過程を示したフローチャートである。
【図4】 図1に示した撮像装置において、逆光パターンを判別する過程を略示的に示した説明図である。
【図5】 図1に示した撮像装置において、逆光パターンを判別するために有しているパターンの一例を示した説明図である。
【図6】 図1に示した撮像装置において、逆光パターンから光量割合を算出する改訂を略示的に示した説明図である。
【図7】 図1に示した撮像装置において、図6で説明した光量割合に基づいて第1の逆光判別データを算出する過程を略示的に示した説明図である。
【図8】 図1に示した撮像装置において、逆光状態の傾向を示す第2の逆光判別データを算出する過程を示したフローチャートである。
【図9】 図1に示した撮像装置において、映像信号の輝度レベルの分布状態を示すヒストグラムの一例を示した説明図である。
【図10】 図1に示した撮像装置において、図9で示すヒストグラムを輝度レベルに応じて分割する過程を略示的に示した説明図である。
【図11】 図1に示した撮像装置において、図9で示すヒストグラムを輝度レベルに応じて分割する過程を略示的に示した説明図である。
【図12】 図1に示した撮像装置において、図9で示すヒストグラムを輝度レベルに応じて分割した状態を略示的に示した説明図である。
【図13】 図12で分割されたヒストグラムを正規化したグラフによって逆光状態の傾向を判定する過程を略示的に示した説明図である。
【図14】 図12で分割されたヒストグラムによって逆光状態の傾向を判定する過程を略示的に示した説明図である。
【図15】 図12で分割されたヒストグラムによって逆光状態の傾向を判定する過程を略示的に示した説明図である。
【図16】 図1に示した撮像装置において、EV値に基づく第3の逆光判別データを算出する過程を略示的に示した説明図である。
【符号の説明】
10;撮像レンズ
20;アイリス、21;アイリス駆動回路
30;撮像素子、31;撮像素子制御回路
40;S/H回路
50;映像信号処理回路、51;検波回路
60;マイコン
70;発光装置、71;発光装置駆動回路
100;マルチ検波枠。
Claims (2)
- 映像信号の撮像範囲を所定面積のブロックに分割し、該分割した各ブロックごとに前記映像信号の輝度レベルを測定し、該測定した輝度レベルと予め設定されている複数個のパターンとを比較して前記各ブロックを逆光状態である逆光ブロックと逆光状態でない通常ブロックとに区別し、該区別した各ブロックの配置状態を逆光パターンとして検出するマルチ検波手段と、
前記マルチ検波手段で検出した逆光パターンを用いて、前記逆光ブロックの平均輝度レベルと前記通常ブロックの平均輝度レベルとの比率を算出し、該算出した比率に基づいて前記映像信号における逆光状態の度合を示す逆光度合データを生成する第1の逆光判別データ生成手段と、
前記映像信号の輝度レベルを測定し、該測定した輝度レベルの分布状態を示す輝度分布データを生成し、該生成した輝度分布データに基づいて前記映像信号における逆光状態の傾向を示す逆光傾向データを生成する第2の逆光判別データ生成手段と、
前記映像信号に対する露光量情報に基づいて、該映像信号の逆光状態を補正するための補正量の割合を示す補正量データを生成する第3の逆光判別データ生成手段と、
前記第1の逆光判別データ生成手段で生成した逆光度合データと前記第2の逆光判別データ生成手段で生成した逆光傾向データと前記第3の逆光判別データ生成手段で生成した補正量データとに基づいて、前記映像信号の逆光状態を判定するための逆光判断データを算出する逆光判断データ算出手段と、
前記逆光判断データ算出手段で算出した逆光判断データと、所定の逆光状態基準データとを比較し、前記映像信号の逆光状態を判定する逆光状態判定手段と、前記逆光状態判定手段の判定結果に基づいて、前記映像信号に対する逆光補正処理を制御する逆光補正制御手段と、
を備えていることを特徴とする撮像装置。 - 映像信号の撮像範囲を所定面積のブロックに分割し、該分割した各ブロックごとに前記映像信号の輝度レベルを測定し、該測定した輝度レベルと予め設定されている複数個のパターンとを比較して前記各ブロックを逆光状態である逆光ブロックと逆光状態でない通常ブロックとに区別し、該区別した各ブロックの配置状態を逆光パターンとして検出する工程、
前記逆光パターンとして検出する工程で検出した逆光パターンを用いて、前記逆光ブロックの平均輝度レベルと前記通常ブロックの平均輝度レベルとの比率を算出し、該算出した比率に基づいて前記映像信号における逆光状態の度合を示す逆光度合データを生成する工程、
前記映像信号の輝度レベルを測定し、該測定した輝度レベルの分布状態を示す輝度分布データを生成し、該生成した輝度分布データに基づいて前記映像信号における逆光状態の傾向を示す逆光傾向データを生成する工程、
前記映像信号に対する露光量情報に基づいて、該映像信号の逆光状態を補正するための補正量の割合を示す補正量データを生成する工程、
前記逆行度合データを生成する工程で生成した逆光度合データと前記逆光傾向データを生成する工程で生成した逆光傾向データと前記補正量データを生成する工程で生成した補正量データとに基づいて、前記映像信号の逆光状態を判定するための逆光判断データを算出する工程、
前記逆光判断データを算出する工程で算出した逆光判断データと、所定の逆光状態基準データとを比較し、前記映像信号の逆光状態を判定する工程、前記逆光状態を判定する工程での判定結果に基づいて、前記映像信号に対する逆光補正処理を制御する工程、
からなる撮像方法。
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