JP4305263B2 - 静電荷像現像用トナー製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナー製造方法に関する。
電子写真の分野では、高画質化が様々な角度から検討されており、中でも、トナーの小粒径化及び球形化が極めて有効であるとの認識が高まっている。重合法によって製造されるトナー(重合トナー)は従来の粉砕トナーに比べて、トナーの小粒径化、球形化を容易に達成することができる。特に乳化重合・凝集法で作製したトナーは粒径分布が狭いという特徴を有しており、高画質化において有利である。乳化重合・凝集法では、乳化重合法によって樹脂微粒子を作製したのち、それら樹脂微粒子を顔料等とともに凝集/融着させることによってトナーを得る方法である。
一方、省エネルギー化の観点から、低い定着温度で十分な定着強度が得られるトナーが求められている。この目的からトナーに用いられる結着樹脂としてはガラス転移点の低いものが望ましいが、保存安定性の点からガラス転移点の下限は決定されてしまう。低温定着性と保存安定性を両立させるためには、トナーの結着樹脂のシャープメルト性が求められる。ポリエステル樹脂はスチレン−アクリル樹脂に比べてシャープメルト性に優れる。スチレン−アクリル樹脂を結着樹脂に用いたトナーにおいても、その分子量分布を狭くすることによってある程度のシャープメルト性を実現できるものの、ポリエステル樹脂のレベルを満足するのは困難である。
しかしながら、ポリエステル樹脂は不溶性液体中で重合法によって粒子を作製することが困難なため、ポリエステル樹脂を用いたトナーの多くは粉砕法により作製されていた。粉砕法で製造したトナーは、トナーを小粒径にしたり粒径分布を狭くしたり、トナー形状を球形にすることが困難であった。
小粒径で、かつトナー形状が球形に近いポリエステルトナーを作製する方法として、乳化分散法(溶解懸濁法)によりポリエステルトナーを作製する技術が報告されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この方法では乳化時にトナー粒径にばらつが生じてしまうため、小粒径で且つ粒度分布が狭いトナーを得ることは難しかった。
また、トナー組成物を高温状態にした後にミクロ多孔体の細孔を通すことによってトナーを製造する技術が紹介されている(例えば、特許文献2参照。)。
この技術は、ミクロ多孔体の細孔を通すことにより樹脂微粒子の粒径がそろっていることを利用してトナーを製造しているため、粒度分布の狭いトナーを得ることが可能である。
しかしながら、トナーの粒径を小さくしようとするとミクロ多孔体の細孔の径も小さくなり、ミクロ多孔体の細孔を通す組成物に含有されている着色剤の凝集物や大粒径着色剤によりミクロ多孔体の細孔が詰まってしまう問題が発生し、安定して小粒径で粒度分布が狭いトナーを生産するには問題があった。
このように、高品質のトナー画像が得られる少粒径で粒度分布が狭いトナーを安定して得ることは未だ達成されていないのが現状である。
特開2003−84495号公報 特開2002−275272号公報
本発明は、上記課題を鑑みなされたものである。即ち、本発明は、高品質のトナー画像が得られる静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーともいう)を安定して製造できるトナー製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の目的は、下記構成により達成される。
1.120℃において3Pa・s以下の溶融粘度を有する樹脂を用い、該樹脂を溶融した溶融樹脂をミクロ多孔体の細孔に通して不溶性液体中に吐出し樹脂液滴を形成する工程、該樹脂液滴を冷却固化して樹脂微粒子を調製する工程、該樹脂微粒子と少なくとも着色剤粒子とを凝集/融着する工程を得て作製されたことを特徴とする静電荷像現像用トナー製造方法
2.前記樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする前記1に記載の静電荷像現像用トナー製造方法
本発明のトナー製造方法は、低温定着が可能で、高品質のトナー画像が得られるトナーを、揮発性の有機溶媒を使用しないで安定して製造することにある。
本発明のトナー製造方法は、溶融状態の樹脂をミクロ多孔体の細孔に通し、細孔から吐出される樹脂液滴を不溶性液体中に注入し、不溶性液体中に溶融状態の樹脂液滴を形成した後、該溶融状態の樹脂液滴を冷却固化することによって樹脂微粒子を作製し、該樹脂微粒子と少なくとも着色剤粒子とを凝集/融着して製造することを特徴とする。
熱により溶融させた溶融樹脂をミクロ多孔体の細孔から不溶性液体中に注入して樹脂微粒子を生成する方法は、ミクロ多孔体の細孔の形状や吐出圧を制御することにより、目標とする粒径及び粒度分布の樹脂微粒子を得ることができる。この樹脂微粒子と着色剤粒子やオフセット防止剤等とを凝集/融着させてトナーを作製すると、小粒径で且つ粒度分布がそろったトナーを得ることができる。
また、本発明では、溶融樹脂中に着色剤を含有していないので、ミクロ多孔体の細孔から溶融樹脂を吐出しても着色剤に起因する細孔の詰まりが発生せず、安定した状態で樹脂微粒子を調製することができる。
ここで、本発明で用いられるトナー粒子の平均粒径及び粒度分布、平均円形度、樹脂微粒子の平均粒径の測定方法、それらの好ましい値について説明する。
〈トナー粒子の平均粒径及び粒度分布〉
トナー粒子の平均粒径は、「コールターカウンターTAII型」或いは「コールターマルチサイザー」(コールター社製)で測定して求める。その測定結果から体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dp)の比は算出して求める。
尚、トナー粒子の粒度分布は体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dp)の値で評価し、この値が小さいほど粒度分布は狭いことを示す。トナー粒子の体積平均粒径は、3〜7μmが好ましい。トナー粒子の体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dp)は、1.00〜1.15が好ましい。
〈トナー粒子の平均円形度〉
トナー粒子の平均円形度は、「FPIA−2000」(シスメックス社)を用いて測定して求める。ここで、平均円形度は、
平均円形度=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長で定義される。トナー粒子の平均円形度は、0.90〜1.00が好ましい。
〈樹脂微粒子の平均粒径〉
細孔から吐出された樹脂微粒子の粒径は、「マイクロトラック UPA−150」(日機装社製)で測定して求める。樹脂微粒子の平均粒径は、50〜1000nmが好ましい。樹脂微粒子の体積平均粒径/個数平均粒径は、1.00〜1.30が好ましく、1.00〜1.15がより好ましい。
次に、樹脂微粒子の製造方法、トナーの製造方法について説明する。
1.樹脂微粒子の製造方法
本発明で用いられる樹脂微粒子は、溶融状態の樹脂をミクロ多孔体の細孔に通し、細孔から吐出される樹脂液滴を不溶性液体中に注入し、樹脂微粒子を含有する不溶性液体を高速撹拌して溶融した樹脂微粒子を形成させた後、不溶性液体を冷却することにより溶融した樹脂微粒子を固化することによって得られる。
本発明で使用されるミクロ多孔体としては、細孔径分布ができるだけ均一な貫通細孔であること、溶融状態の樹脂を不溶性液体中に圧入するに際して、変形並びに破壊しない程度の充分な機械的強度を有していること、溶融状態の樹脂、不溶性液体に対して溶解、膨潤せず、化学的に耐久性(化学的不活性)であること、溶融状態の樹脂よりも不溶性液体に対する濡れ性がより大きいこと、等の要件が要求される。
多孔体の材質としては、これら要件を満たすものであれば無機物、有機物いずれにも限定されないが、例えば、特公昭62−25618号公報に開示されたCaO−B23−SiO2−Al23系多孔質ガラス、特開昭61−40841号公報に開示されたCaO−B23−SiO2−Al23−Na2O系多孔質ガラス等を膜状体としたものが挙げられる。これら多孔質ガラスは細孔径を狭い範囲にコントロールしやすく、また、細孔の縦断面が円筒状となっているため本発明に対して好適に使用できる。
細孔径の大きさは、樹脂の種類、溶融状態の粘度、不溶性液体の攪拌条件、所望する粒径等、製造条件に合わせて適宜、選択する必要がある。
溶融状態の樹脂をミクロ多孔体の細孔に通す際には、溶融樹脂をできるだけ低粘度にすることが必要であり、そのためには樹脂が分解しない範囲の温度でかつ樹脂の軟化温度よりさらに温度を高くして樹脂の結晶を完全に融解することが望ましい。
細孔から吐出される樹脂液滴を不溶性液体に注入する際には、細孔付近への樹脂の固着を防ぐことが必要であり、そのためにはミクロ多孔体から溶融状態の樹脂が吐出される方向に対して垂直方向になるように不溶性液体の流れを与えてやることが望ましい。このような不溶性液体の流れを強くするほど、生成される樹脂粒子径も小さくなる。
本発明において使用される樹脂は、従来から使用されている縮合重合系樹脂、付加重合系樹脂及びそれらの混合物が使用される。
特に炭化水素環を有する縮合重合系樹脂は、その炭化水素環による結晶性により比較的低分子量であっても高いガラス転移点を示し、比較的低分子量であることから溶融粘度も低い。具体的には、非常に好ましい樹脂である。ベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族環やシクロヘキサン環等の脂環式環等の炭化水素環を有するポリエステル樹脂が好ましい樹脂として挙げられる。
芳香族環又は脂環式環を有するポリエステル樹脂は、それらの環を有するジオール及び/又はそれらの環を有するジカルボン酸を主原料として得られるポリエステル樹脂である。
芳香族環又は脂環式環を有するジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールC、ビスフェノールF、ビスフェノールZ等のビスフェノール類のアルキレン(C2〜C4)オキサイド付加物、p−キシレングリコール、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
また、芳香族環又は脂環式環を有するジカルボン酸としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、メチルナジック酸等及びそれらの低級アルキルエステル、酸ハロゲン化物及び酸無水物等が挙げられる。
これらの芳香族環又は脂環式環を有するジオールとともに使用し得る脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、シユウ酸、デカンジカルボン酸、等が挙げられ、芳香族環又は脂環式環を有するジカルボン酸とともに使用し得る脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、へキサンジオール、ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリテトラメチエングリコール等が挙げられる。
これらの芳香族環又は脂環式環を有するポリエステル樹脂は、ガラス転移点が約50℃以上、軟化点が約70〜100℃であり、溶融温度幅の狭いシャープ・メルト性の常温で固体の樹脂である。また、樹脂の好ましい重量平均分子量は、約1,000〜50,000、好ましくは1,000〜10,000である。
樹脂微粒子の製造においては、樹脂の溶融状態における溶融粘度が重要である。樹脂の溶融粘度に最も大きく影響するのは温度条件であり、溶融温度の下限に近い低い温度では溶融物は高粘度であるとともに異常な粘性を示し、正常な溶融粘度を与えるにはそれより高い温度が必要である。温度を上げるに従い溶融粘度は著しく低下しかつ安定してくる。また、平均分子量の低い樹脂は低い温度で溶融し、軟化点の低い樹脂は、より低い温度で粘度が低く安定化する。樹脂の溶融粘度は温度条件や微粒子化条件によっても異なり、一概に規定することはできないが、溶融粘度としては120℃で3Pa・s以下、好ましくは1Pa・s以下の溶融粘度のものが望ましい。
樹脂の溶融粘度を下げる目的で、ワックスを樹脂に添加してもよい。ワックスとしては公知のワックス類の任意のものを使用することができるが、具体的には、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス、パラフィンワックス;ベヘン酸エステル、モンタン酸エステル、ステアリン酸エステル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス;水添ひまし油、カルナバワックス等の植物系ワックス;ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン;アルキル基を有するシリコーン;ステアリン酸等の高級脂肪酸;長鎖脂肪族アルコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールと長鎖脂肪酸との(部分)エステル;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の高級脂肪酸アミド等が例示される。
このようにして得られた樹脂微粒子の体積平均粒径は50〜1000nmの範囲内にあることが望ましい。さらに好ましくはできるだけ小粒径であることが望ましいが、樹脂の溶融粘度や温度条件、微粒子化条件によって小粒径化の限界は決まってしまう。
不溶性液体は、樹脂を実質的に溶解しない貧溶媒又は不溶性溶媒である。好ましい例としては、水、水溶性有機溶媒、水と水溶性溶媒との混合媒体等が挙げられる。水溶性有機溶媒としてはアルコール類、ケトン類、グリコールエーテル類等が挙げられる。
不溶性液体中には、分散した樹脂液滴の凝集を防ぐために通常、分散安定剤が添加される。分散安定剤としては公知の界面活性剤が使用可能であり、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の中から選ばれる分散安定剤を用いることができる。これらの界面活性剤は2種以上を併用してもよい。なお、分散安定剤は着色剤やオフセット防止剤等の分散液にも添加可能である。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム等の脂肪酸石鹸、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノリルフェニルポリオキシエチレンエーテル、ラルリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル、スチリルフェニルポリオキシエチレンエーテル、モノデカノイルショ糖、等が挙げられる。これらの中でアニオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤が好ましい。
2.トナーの製造方法
本発明のトナー製造方法は、上記方法で得られた樹脂微粒子と少なくとも着色剤粒子とを凝集/融着させることによって製造する方法である。
凝集は、少なくとも複数の樹脂微粒子が単に付着することを意図する概念で用いるものとする。凝集によって、構成粒子は接触しているものの、樹脂微粒子等の溶融による結合は形成されていない、いわゆるヘテロ凝集粒子(群)が形成される。そのような凝集によって形成される粒子群を凝集粒子と呼ぶものとする。
融着は、凝集粒子における個々の構成粒子の界面の少なくとも一部において樹脂微粒子等の溶融による結合が形成され、使用、取り扱い単位としての一つの粒子となることを意図する概念で用いるものとする。そのような融着がなされた粒子群を融着粒子と呼ぶものとする。
凝集/融着とは、凝集と融着とが同時にあるいは段階的に起こること、又は、凝集と融着とを同時あるいは段階的に起こさせる行為をいう。
凝集/融着に際しては、樹脂微粒子分散液と、少なくとも別途用意した着色剤分散液とを混合し、それらの粒子を凝集させて凝集粒子を形成する工程(以下、凝集工程)と、凝集粒子を加熱により融着させてトナー粒子を形成する工程(以下、融着工程)とを含む第1の方法を採用してもよいし、あるいは凝集粒子の形成を進行させると同時に融着を行ってトナー粒子を形成する第2の方法を採用してもよい。
第1の方法の凝集工程において詳しくは、樹脂微粒子分散液、着色剤粒子分散液、必要に応じてオフセット防止剤分散液(ワックス微粒子分散液)を混合し、凝集剤を臨界凝集濃度以上添加し、樹脂微粒子等を凝集して凝集粒子を形成する。融着工程においては、凝集粒子中の樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱して融着を行う。
第2の方法において詳しくは、樹脂微粒子分散液、前記着色剤粒子分散液、必要に応じてオフセット防止剤分散液(ワックス微粒子分散液)を混合した分散液中に凝集剤を臨界凝集濃度以上添加し、ついで樹脂微粒子のガラス転移点以上に加熱することで凝集を進行させると同時に融合を行う。
凝集剤としては樹脂微粒子とは極性の異なる化合物、例えばイオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤や金属塩等の一価以上の電荷を有する化合物が使用可能である。具体的には、前記のカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤等の水溶性界面活性剤類;塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸類;塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩;酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム等の脂肪族酸、芳香族酸の金属塩;ナトリウムフェノレート等のフェノール類の金属塩、アミノ酸の金属塩、トリエタノールアミン塩酸塩、アニリン塩酸塩等の脂肪族、芳香族アミン類の無機酸塩が挙げられる。凝集粒子の安定性、凝集剤の熱や経時に対する安定性、洗浄時の除去を考慮するときに、無機酸の金属塩が性能、使用の点で好ましい。
凝集剤の添加量は、電荷の価数により異なるが、いずれも少量でよく、添加される分散系に対して一価の場合には3質量%以下、二価の場合には1質量%以下、三価の場合は0.5質量%以下程度である。凝集剤の添加量は少ない方が好ましく、価数の多い化合物の方が添加量を少なくすることができるので好適である。
本発明で用いられる着色剤としては、以下に示されるような有機或いは無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
即ち、黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリン・ブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライト、マグネタイト等がある。
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等がある。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK等がある。
赤色顔料としては、ベンガラ、鉛丹、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等がある。紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー誘導体、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等がある。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG、フタロシアニングリーン等がある。
白色顔料としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化スズ等がある。体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト、カオリン等がある。
染料としては、ローズベンガル、トリフェニルメタン系染料、モノアゾ系染料、ジスアゾ系染料、ローダミン系染料、縮合アゾ系染料、フタロシアニン系染料等がある。
顔料は通常、前記分散安定剤の存在下で水中に分散させた分散体の状態で使用されるが、好ましくは表面にカルボン酸基等の親水基を導入されて自己分散性を付与されたものを水中で自己分散させた分散体の状態で使用される。顔料は、分散体中、1μm以下の分散粒径を有することが望ましく、より好ましくは30〜300nmの範囲である。
これらの着色剤は、単独あるいは複数組み合わせて用いることができる。着色剤はトナーに含有される重合体100質量部に対して、1〜20質量部、好ましくは2〜15質量部使用する。着色剤が20質量部より多いとトナーの定着性が低下し、1質量部より少ないと所望の画像濃度が得られない。
オフセット防止剤としては、公知のワックス類の任意のものを使用することができるが、具体的には、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス、パラフィンワックス;ベヘン酸エステル、モンタン酸エステル、ステアリン酸エステル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス;水添ひまし油、カルナバワックス等の植物系ワックス;ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン;アルキル基を有するシリコーン;ステアリン酸等の高級脂肪酸;長鎖脂肪族アルコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールと長鎖脂肪酸との(部分)エステル;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の高級脂肪酸アミド等が例示される。
オフセット防止剤は前記分散安定剤の存在下で水中に分散させた分散体の状態で使用されることが好ましい。オフセット防止剤は、分散体中、2μm以下の分散粒径を有することが好ましく、より好ましくは50〜500nmの範囲である。オフセット防止剤は、樹脂微粒子100質量部に対して、通常1〜25質量部、好ましくは3〜20質量部、より好ましくは5〜15質量部用いられる。
荷電制御剤としては、摩擦帯電により正又は負の荷電を与え得る物質として各種のものがあり、正荷電制御剤としては、例えば、ニグロシンベースES(オリエント化学工業社製)等の二グロシン系染料、P−51(オリエント化学工業社製)、コピーチャージPX VP435(クラリアント社製)等の第四級アンモニウム塩、アルコキシ化アミン、アルキルアミド、モリブデン酸キレート顔料、及びPLZ1001(四国化成工業社製)等のイミダゾール化合物が挙げられる。
負荷電制御剤としては、例えば、ボントロンS−22(オリエント化学工業社製)、ボントロンS−34(オリエント化学工業社製)、ボントロンE−81(オリエント化学工業社製)、ボントロンE−84(オリエント化学工業社製)、スピロンブラックTRH(保土谷化学工業社製)等の金属錯体、チオインジオ系顔料、ボントロンE−89(オリエント化学工業社製)等のカレックスアレン化合物、コピーチャージNX VP434(クラリアント社製)等の第四級アンモニウム塩、フッ化マグネシウム、フッ化カーボン等のフッ素化合物等が挙げられる。なお、負荷電制御剤となる金属錯体としては、上記に示したもの以外にもオキシカルボン酸金属錯体、ジカルボン酸金属錯体、アミノ酸金属錯体、ジケトン酸金属錯体、ジアミン金属錯体、アゾ基含有ベンゼン−ベンゼン誘導体骨格金属錯体、アゾ基含有ベンゼン−ナフタレン誘導体骨格金属錯体等の各種の構造を有したものであってもよい。
これらの荷電制御剤は、その粒径が10〜100nm程度のものであることが均一な分散を得る上から望ましい。市販品等として供給される形態においてその粒径が上記範囲の上限値を越える場合は、ジェットミル等により粉砕を行なう等の公知の方法により適当な粒径に調整することが望ましい。
以上のようにして得られるトナー粒子の形状(例えば、平均円形度)は融着工程の熟成処理段階における加熱条件を調整することで容易に制御することができる。
分散液中で凝集/溶融して得られたトナー粒子は、洗浄処理がされ、乾燥され、その後必要に応じ外添処理がなされてトナーとなる。
洗浄処理においては、酸性、場合によっては塩基性の水をトナー粒子に対して数倍の量で加え攪拌した後、固液分離してトナーケーキを得る。これに純水をトナーケーキに対して数倍加えて攪拌した後、固液分離を行なう。この操作を数回繰り返し、固液分離後の濾液のpHが約7になった時点で終了し、トナー粒子を得る。
乾燥処理工程においては、洗浄処理工程で得たトナー粒子をガラス転移温度以下の温度で乾燥する。この時、必要な温度に応じて乾燥空気を循環させたり、真空条件下で加熱する等の方法を取るとよい。乾燥工程では、通常の振動型流動乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、フラッシュジェット法等、任意の方法を採用することができる。
外添処理工程では、乾燥処理されたトナー粒子に対して単独あるいは複数種の外添剤を添加・混合する。外添剤としては、微粉末のシリカ、アルミナ、チタニア等の流動性向上剤、マグネタイト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、導電性チタニア等の無機微粒子、スチレン樹脂、アクリル樹脂などの抵抗調整剤、滑剤などが使用される。これらの外添剤の使用量は、所望する性能により適宜選定されればよく、トナー粒子100質量部に対して、通常0.05〜10質量部である。これらの添加剤はトナー粒子内部に含有されてもよい。
次に、現像剤について説明する
本発明に係るトナーは、非磁性一成分現像剤或いは二成分現像剤として使用することができる。
キャリアと混合して二成分現像剤として用いる場合、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることができるが、これらの中ではフェライトが好ましい。キャリアの体積平均粒径は15〜100μmが好ましく、25〜80μmがより好ましい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。被覆用の樹脂としては、公知のものを使用することができ、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
次に、画像形成装置及びプロセスカートリッジについて説明する。
図1は、本発明で用いられる画像形成装置の一例を示す断面図である。
図1において、50は像担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、その上に樹脂層を塗設した感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯電器(帯電手段)で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
感光体への一様帯電の後、像露光手段としての像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザーダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
ここで画像形成方法で採用する反転現像プロセスとは帯電器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行われた領域、即ち感光体の露光部電位(露光部領域)を現像工程(手段)により、顕像化する画像形成方法である。一方未露光部電位は現像スリーブ541に印加される現像バイアス電位により現像されない。
その静電潜像は次で現像手段としての現像器54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給量は該搬送量規制部材により制御される。該現像剤の搬送量は適用される有機電子写真感光体の線速及び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200mg/cm2の範囲である。
現像剤は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム50と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。また、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態で現像される。感光体の電位測定は電位センサー547を図1のように現像位置上部に設けて行う。
記録紙Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写域へと給紙される。
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム50の周面の転写電極(転写手段:転写器)58が作動し、給紙された記録紙Pを挟着して転写される。
次で記録紙Pは転写電極とほぼ同時に作動状態とされた分離電極(分離器)59によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお前記の転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後感光体ドラム50の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。図1では転写電極58にコロトロンの転写帯電極を用いている。転写電極の設定条件としては、感光体のプロセススピード(周速)等により異なり一概に規定することはできないが、例えば、転写電流としては+100〜+400μA、転写電圧としては+500〜+2000Vを設定値とすることができる。
一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム50は、クリーニング器(クリーニング手段)62のブレード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
実施例1
〈樹脂微粒子分散液の調製〉
樹脂としては、120℃において溶融粘度が2Pa・sであるポリエステル樹脂(Mw:5000、Mw/Mn:2.4、酸価:70、軟化温度:100℃、Tg:50℃)を用いた。
不溶性液体としては、水とエチレングリコールの1対1混合溶媒に、分散安定剤としてポリビニルアルコール、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを加えたものを用いた。尚、不溶性液体の全質量に対して、ポリビニルアルコールは1質量%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムは0.5質量%添加した。
上記ポリエステル樹脂を120℃に加熱して溶融して溶融樹脂を調製し、該溶融樹脂を加圧条件下で平均細孔径0.4μmのガラス質系ミクロ多孔体の細孔を通し、樹脂液滴として吐出した。この吐出した樹脂液滴を120℃で高速攪拌下の不溶性液体中に注入し、不溶性液体中に溶融状態の樹脂液滴を分散した。この樹脂液滴が分散した不溶性液体を高速攪拌続けた後に、室温まで冷却し、樹脂液滴を固形化し樹脂微粒子を作製した。樹脂微粒子を含有する不溶性液体から樹脂微粒子を固液分離し、固液分離した樹脂微粒子を水で洗浄後、水に再分散させて樹脂濃度が約6質量%の樹脂微粒子の分散液を調製した。
尚、樹脂微粒子の体積平均粒径は、「マイクロトラック UPA−150」(日機装社製)を用いて測定したところ800nmであった。
〈ワックス微粒子分散液の調製〉
蒸留水680g、カルナバワックス(野田ワックス社製)180g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム「ネオゲンSC」(第一工業製薬製)17gを混合し、高圧せん断をかけることができる分散装置を用いてカルナバワックスを分散させ、ワックス微粒子分散液を調製した。ワックス微粒子の体積平均粒径は、動的光散乱粒度分布測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)を用いて測定したところ110nmであった。
〈着色剤微粒子分散液の調製〉
カーボンブラック表面にカルボン酸基を導入した自己分散性顔料を蒸留水に分散させ、固形分17質量%の着色剤微粒子分散液を調製した。分散させたカーボンブラックの体積平均粒径は、動的光散乱粒度分布測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)を用いて測定したところ103nmであった。
〈トナー粒子の作製〉
反応器に、前記樹脂微粒子分散液500g、ワックス微粒子分散液6.8g、着色剤微粒子分散液12gを仕込み、攪拌しながら2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加して、溶液のpHを10.0に調整した。次に、この溶液に50質量%塩化マグネシウム水溶液10gを添加した後、攪拌しながら65℃に昇温し、所望の平均粒径に成長するまで攪拌を継続した。所望の粒径に達したら、20質量%塩化ナトリウム水溶液60gを添加してから80℃に昇温し、円形度が0.96程度になるまで80℃の状態で攪拌を継続した。所望の円形度に達したら、この溶液を室温まで冷却し、溶液から固形分を固液分離し、得られた固形分を蒸留水で洗浄処理を数回繰り返した後、乾燥させてトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子の体積平均粒径は5.5μm(「コールターカウンターTAII型」で測定)、体積平均粒径と数平均粒径の比(Dv/Dp)は1.22(測定値から計算で求める)、平均円形度は0.96(「FPIA−2000」で測定)であった。
〈トナー粒子の外添処理〉
上記トナー粒子100部に、シリカ「H−2000」(ワッカー社製)0.5部を添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工社製)を用い、1000rpmで1分間混合して外添処理を行い、「トナー1」を作製した。
実施例2
〈ワックス含有樹脂微粒子分散液の調製〉
実施例1で用いたポリエステル樹脂を140℃に加熱して溶融状態とした後、該ポリエステル樹脂100質量部に対して30質量部のカルナバワックス(野田ワックス社製)を添加し、良く混合した後に冷却することによって、ワックス含有ポリエステル樹脂を得た。
不溶性液体としては、水に、分散安定剤として、ポリビニルアルコール、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを加えたものを用いた。不溶性液体の全質量に対して、ポリビニルアルコールは1質量%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムは0.5質量%添加した。
ワックス含有樹脂を温度100℃に加熱して溶融状態にし、加圧条件下で平均細孔径0.4μmのガラス質系ミクロ多孔体の細孔を通して、細孔から吐出される樹脂を95℃で高速攪拌下の不溶性液体中に注入した。溶融状態のポリエステル樹脂は液滴状の微粒子となって不溶性液体中に分散した。不溶性液体の高速攪拌を続けた後に、室温まで冷却することによって、樹脂濃度が約6質量%のポリエステル樹脂微粒子の分散液を得た。尚、このワックス含有樹脂微粒子を「マイクロトラック UPA−150」(日機装社製)で測定した体積平均粒径は650nmであった。
〈トナー粒子の作製〉
反応器に、前記ワックス含有樹脂微粒子分散液500g、着色剤微粒子分散液12gを仕込み、攪拌しながら2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加して、溶液のpHを10.0に調整した。次に、この溶液に50質量%塩化マグネシウム水溶液10gを添加した後、攪拌しながら65℃に昇温し、所望の平均粒径に成長するまで攪拌を継続した。所望の粒径に達したら、20質量%塩化ナトリウム水溶液60gを添加してから80℃に昇温し、円形度が0.96程度になるまで80℃の状態で攪拌を継続した。所望の円形度に達したら、この溶液を室温まで冷却し、溶液から固形分を固液分離し、得られた固形分を蒸留水で洗浄処理を数回繰り返した後、乾燥させてトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子の体積平均粒径は5.2μm、体積平均粒径と数平均粒径の比(Dv/Dp)は1.18、平均円形度は0.96であった。
〈トナー粒子の外添剤処理〉
実施例1と同様の方法で外添処理を行うことにより、「トナー2」を得た。
比較例1
〈樹脂微粒子分散液の調製〉
樹脂としては、120℃において溶融粘度が2Pa・sであるポリエステル樹脂(Mw:5000、Mw/Mn:2.4、酸価:70、軟化温度:100℃、Tg:50℃)を用いた。
不溶性液体としては、水とエチレングリコールの1対1混合溶媒に、分散安定剤としてポリビニルアルコール、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを加えたものを用いた。尚、不溶性液体の全質量に対して、ポリビニルアルコールは1質量%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムは0.5質量%添加した。
上記ポリエステル樹脂を120℃に加熱して溶融樹脂を調製した。この溶融樹脂を120℃に加熱した不溶性液体中に入れ、高速で攪拌し、ポリエステル樹脂の液滴を作製した。この樹脂液滴を有する不溶性液体を高速攪拌続けた後に、室温まで冷却し、溶融樹脂を固形化してポリエステル樹脂微粒子を含む分散液を作製した。分散液から樹脂微粒子を固液分離し、樹脂微粒子を水洗浄した後、水に再分散させて樹脂濃度が約6質量%のポリエステル樹脂微粒子の分散液を調製した。尚、樹脂微粒子の体積平均粒径は800nmであった。
〈ワックス分散液の調製〉
蒸留水680g、カルナバワックス(野田ワックス社製)180g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム「ネオゲンSC」(第一工業製薬製)17gを混合し、高圧せん断をかけて乳化分散させワックス微粒子分散液を得た。ワックス微粒子の粒径を動的光散乱粒度分布測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)を用いて測定した所、平均粒径は110nmであった。
〈着色剤微粒子分散液の調製〉
着色剤微粒子としてカーボンブラック表面にカルボン酸基を導入した自己分散性顔料を蒸留水に分散させ、固形分17質量%の着色剤微粒子分散液を得た。分散させたカーボンブラックの粒径を動的光散乱粒度分布測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)を用いて測定した所、平均粒径は103nmであった。
〈トナー粒子の作製〉
樹脂分散液として上記樹脂微粒子分散液を用いた以外は実施例1と同様にして「トナー3」を作製した。尚、トナー粒子の体積平均粒径は5.5μm、体積平均粒径と数平均粒径の比(Dv/Dp)は1.22、平均円形度は0.96であった。
〈トナー粒子の外添処理〉
乾燥処理されたトナー粒子100部に、シリカ「H−2000」(ワッカー社製)0.5部を添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工社製)を用い、1000rpmで1分間混合して外添剤処理を行い「トナー3」を得た。
比較例2
〈樹脂微粒子分散液の調製〉
樹脂としては、温度120℃での溶融粘度が5Pa・sであるポリエステル樹脂(Mw:10000、Mw/Mn:2.6、酸価:35、軟化温度:105℃、Tg:56℃)を用いた。
不溶性液体としては、水とエチレングリコールの1対1混合溶媒に、分散安定剤として、ポリビニルアルコール、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを加えたものを用いた。不溶性液体の全質量に対して、ポリビニルアルコールは1質量%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムは0.5質量%添加した。
上記ポリエステル樹脂を120℃に加熱して溶融状態にし、加圧条件下で平均細孔径0.4μmのガラス質系ミクロ多孔体を通そうとしたところ、ミクロ多孔体の細孔から樹脂溶液を吐出させて不溶性液体中に注入することができなかった。これは、平均細孔径0.4μmのガラス質系ミクロ多孔体を用いた場合に、120℃におけるポリエステル樹脂の溶融粘度が高いために、細孔を通過できなかったものと考える。
比較例3
〈ワックス及び着色剤粒子含有ポリエステル樹脂微粒子分散液の調製〉
実施例1で用いたポリエステル樹脂を140℃に加熱して溶融状態とした後、ポリエステル樹脂100質量部に対して30質量部のカルナバワックス(野田ワックス社製)と17質量部のカーボンブラック(表面にカルボン酸基を導入した自己分散性顔料)を添加し、良く混合した後に冷却することによって、ワックス及び着色剤粒子含有ポリエステル樹脂を得た。
不溶性液体としては、水に、分散安定剤として、ポリビニルアルコール、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを加えたものを用いた。不溶性液体の全質量に対して、ポリビニルアルコールは1質量%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムは0.5質量%添加した。
ワックス及び着色剤粒子含有ポリエステル樹脂を温度100℃に加熱して溶融して溶融樹脂を調製し、該溶融樹脂を加圧条件下で平均細孔径0.4μmのガラス質系ミクロ多孔体の細孔を通し、樹脂液滴として吐出した。この吐出した樹脂液滴を95℃で高速攪拌下の不溶性液体中に注入した。溶融状態のポリエステル樹脂は液滴状の微粒子となって不溶性液体中に分散した。不溶性液体の高速攪拌を続けた後に、室温まで冷却することによって、樹脂濃度が約6質量%のポリエステル樹脂微粒子の分散液を得た。樹脂微粒子の体積平均粒径は800nmであった。
上記ワックス及び着色剤粒子含有ポリエステル樹脂を、10kg吐出させた時点で、細孔の目詰まりが発生し製造を続けられなかった。
表1に作製した樹脂微粒子の粒径及びDv/Dp、トナー粒子の粒径、Dv/Dp及び平均円形度を示す。
Figure 0004305263
〈現像剤の調製〉
上記「トナー1〜3」を、シリコン樹脂コートキャリアと混合してトナー濃度6質量%の二成分現像剤を調製した。各トナーに対応した現像剤を「現像剤1〜3」とする。
〈評価〉
評価機としては、デジタルプリンタ「Sitios7075」(コニカミノルタ社製)を用いた。
評価用の画像は、画素率が7%の文字画像、人物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像をA4版記録紙にプリントして作成した。
プリントは高温高湿(30℃、80%RH)の環境にて連続20万枚行い、得られたプリントの画像濃度、カブリ、解像度を評価した。但し、プリント開始前に、感光体表面にセッテングパウダーをまぶし、感光体とクリーニングブレードをなじませた後プリントを行った。
(画像濃度)
プリント初期と20万枚プリント後のベタ黒画像部の濃度を反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)で測定した。画像濃度は記録紙の反射濃度を「0」としたときの相対反射濃度とする。
評価基準
◎:プリント初期と20万枚プリント後の両方共画像濃度1.2以上で良好
○:プリント初期と20万枚プリント後の両方共画像濃度1.0以上で実用上問題ないレベル
×:プリント初期と20万枚プリント後の少なくとも一方が画像濃度1.0未満で実用上問題となるレベル。
(カブリ)
プリント初期と20万プリント後の未印字部の画像濃度を反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)で測定した。記録紙(白紙)の反射濃度を20カ所、絶対画像濃度で測定し、その平均値を白紙濃度とする。次に、画像形成がなされた記録紙の白地部分を同様に20カ所、絶対画像濃度で測定し、その平均濃度から前記白紙濃度を引いた値をカブリ濃度として評価した。
評価基準
◎:プリント初期と20万プリント後の両方共カブリ濃度0.005以下で良好
○:プリント初期と20万プリント後の両方共カブリ濃度0.01以下で実用上問題ないレベル
×:初期と20万プリント後の少なくとも一方がカブリ濃度0.01より大で実用上問題あり。
(解像度)
プリント初期と20万枚プリント後の文字画像の解像度を目視で評価した。
評価基準
◎:プリント初期と20万枚プリント後の解像度に差がなく良好
○:ハーフトーン画像で20万プリント後の解像度に軽微な低下有るが実用上問題ないレベル
×:20万枚プリント後の解像度に顕著な低下有り実用上問題あり。
表2に、評価結果を示す。
Figure 0004305263
表2から明らかなように、本発明の実施例「トナー1及び2」を用いてプリントした画像は、比較例「トナー3」を用いてプリントした画像と比較し画像濃度、カブリ、解像度の特性が優れていることが判る。
本発明で用いられる画像形成装置の一例を示す断面図である。
符号の説明
50 感光体ドラム(感光体)
51 帯電前露光部
52 スコロトロンの帯電器(帯電手段)
53 像露光器
57 給紙ローラー
58 転写電極
59 分離電極
60 定着装置
61 排紙ローラー
62 クリーニング器
70 プロセスカートリッジ
P 記録紙

Claims (2)

  1. 120℃において3Pa・s以下の溶融粘度を有する樹脂を用い、該樹脂を溶融した溶融樹脂をミクロ多孔体の細孔に通して不溶性液体中に吐出し樹脂液滴を形成する工程、該樹脂液滴を冷却固化して樹脂微粒子を調製する工程、該樹脂微粒子と少なくとも着色剤粒子とを凝集/融着する工程を得て作製されたことを特徴とする静電荷像現像用トナー製造方法
  2. 前記樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー製造方法
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