JP4303530B2 - ノズル耐火物の内張り層の形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、連続鋳造用浸漬ノズル、注湯用ノズル(上ノズル、下ノズル、ロングノズル、スライディングノズルなど)等のノズル耐火物の内張り施工や補修を行ったり、あるいはノズル耐火物の内側に内装体等を形成する場合に、ノズル耐火物の材質劣化を抑制し、低コストで鋳片介在物や気泡に起因した品質劣化を効果的に改善することが可能なノズル耐火物の内張り層の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、樋や容器等は、鉄皮にパーマネントレンガを配置し、その上に不定形耐火物を内張りしたウエアー層を設けて構成されており、その補修にあっては、まず、溶銑や溶鋼を受湯し、又は搬送することによって溶損したり、変質したりした部分を削り、その部分に不定形耐火物を用いて新たなウエアー層を形成し乾燥させ、これを再度使用することが一般的に行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、中子を用いて、ウエアー層やウエアー層の上層に、水を加えて混練した不定形耐火物を流し込んで固める補修方法が提案されている。しかし、不定形耐火物中には、通常12〜20質量%の水が添加されており、不定形耐火物の種類によっては水和反応が生じて品質が低下する。また、予熱、あるいは乾燥を行う昇熱時においては、不定形耐火物中の水分が気化し、水蒸気爆裂や剥離が発生し易かった。そして、不定形耐火物には水分が加えられているため、乾燥後の耐火物の気孔率が、例えば24〜25%と極めて高くなり、使用に際しては、耐火物の摩耗や溶損を招く恐れがあった。
【0004】
また、特許文献1の流し込み補修方法に代わる方法として、特許文献2及び特許文献3には、ウエアー層の損耗部を削った後に、水と硬化剤とを混練した不定形耐火物を、吹き付けノズルを介して施工面に吹き付けることにより、新しいウエアー層を形成する補修方法が提案されている。
しかし、この補修方法は、吹き付け施工であるため、耐火物のリバウンドロスが発生する問題がある。また、この補修方法においても、不定形耐火物中には、10〜20%の水分が添加されているため、上記した特許文献1と同様の問題がある。
【0005】
また、溶鋼と耐火物が接触する連続鋳造用注入ノズル(以下、注入用ノズルとも言う)として、取鍋では、上ノズル、スライディングノズル、下ノズルがあり、タンディッシュでは、ロングノズル、上ノズル、スライディングノズル、下ノズル、浸漬ノズルがある。これらの各ノズルは、耐食性向上と耐スポーリング性に優れたアルミナ黒鉛材質やジルコニア黒鉛材質で構成されている。
従来、上記の各注入用ノズルは、その内孔を溶鋼が通過する際に発生する熱応力により割れが生じるため、通常のライニングで構成されているような異膨張挙動を示す異種材質の積層構造が採用できなかった。
【0006】
このような課題に対して、特許文献4及び特許文献5には、ノズル耐火物の外側に金枠を設け、この金枠とノズル耐火物との間に形成される隙間に、フェノール樹脂で被覆した耐火物粒子を流し込み、このノズル耐火物全体をオーブンで加熱して、耐火物粒子を硬化させる方法が提案されている。しかし、加熱温度が高く(例えば、400〜800℃)なると過焼結になり、硬化した耐火物粒子に割れや亀裂が発生する。そして、フェノール樹脂中の炭素も酸化され、硬化した耐火物粒子の強度が低下して、使用可能な強度を維持できない問題も発生する。
そこで、強度を維持するため、特許文献5では、フェノール樹脂を被覆した耐火物粒子に加えて硼素化合物を添加することで、高温度の加熱時のフェノール樹脂の炭素の酸化を抑制して、強度の低下を防止する方法が提案されている。
しかし、特許文献4及び特許文献5のいずれも、ノズル耐火物の外側に充填層を形成するものであり、その加熱処理(初期加熱)は、耐火物全体を例えばオーブンに入れて加熱しなければならず、設備が大掛かりとなりコストが増大する。また、例えば、耐火物に対して局部的に補修を施した場合であっても、耐火物全体の加熱を行わなければならず、母材と補修材との間の膨張収縮差で、母材に対して補修材が馴染まなくなり、剥離が発生する。また、耐火物全体を加熱するため、熱エネルギーのロスが大きく、エネルギーコストが高くなり経済的でない。
【0007】
そこで、特許文献6及び特許文献7には、石灰クリンカーを含有する塩基性骨材に、粉末の熱硬化性樹脂と無水金属塩を添加した実質的に無水の石灰質の粉末耐火材料を、タンディッシュの他の耐火物を内張りした面と内枠との間に充填し、この内枠の内部に熱風バーナー(火炎バーナー)から温風を吹き込み、粉末耐火材料を加熱して、充填した粉末耐火材料を焼成する方法が提案されている。なお、特許文献7には、この成形方法により、タンディッシュの堰を製造することも開示されている。
これにより、前記した特許文献1〜4のように、水分の添加を行った不定形耐火物を使用する必要性が無くなり、設備コストを低減でき、しかもエネルギーコストの低減を図ることができる。
【0008】
【特許文献1】
特開平4−197574号公報
【特許文献2】
特開昭52−138002号公報
【特許文献3】
特開昭59−145479号公報
【特許文献4】
特公昭63−43191号公報
【特許文献5】
特開平7−204834号公報
【特許文献6】
特開昭61−33741号公報
【特許文献7】
特開昭61−33742号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献6及び特許文献7に記載された方法は、いずれも熱風バーナーを使用して、金枠に70〜200℃の温風を吹き込み加熱するものであり、例えば、図11に示すように、浸漬ノズル110の内壁面111に配置された粉末耐火材料112を熱風バーナー(火炎バーナー)113で加熱した場合から明らかなように、発生する温風には火炎114の流れに沿って温度分布が生じるため、加熱領域にある粉末耐火材料112の各部分に温度差が生じ、粉末耐火材料112の一次硬化強度にばらつきが発生する。このため、この方法を実際に使用する際には、例えば、強度偏差にかかわる割れ、剥離、また焼成の不均一による溶損等が生じるといった問題が発生する。
なお、熱風バーナー113による加熱は昇温速度が速く、昇温時における速度制御が困難であり、特に粉末耐火材料112の一次硬化を行う低温度域(例えば、常温から200℃の範囲)においては、急速な温度上昇が生じるので、粉末耐火材料112の一次硬化強度のばらつきが顕著になり、割れ、剥離等を防止できないという問題がある。
【0010】
そこで、本発明者等は、内装体を形成する方法として、特願2003−140629号を提案し、これにより前記した昇熱時の問題であった過焼成を抑制することができた。
しかし、引き続き研究した結果、内装体の形成には、電気ヒータが優れており、しかも、電気ヒータであっても昇熱の調整を各部位毎に行わなければ、焼成後、又は使用時において、耐火物が、摩耗、溶損等を生じ易く、長期の使用に対応できず、経済的でないことが判った。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、加熱領域の温度差を従来よりも小さくし、局部的な亀裂や剥離の発生を抑制、更には防止し、複雑な形状にも対応可能なノズル耐火物の内張り層の形成方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法においては、形成しようとする内張り層の表面形状に合わせた外形を備え、電気抵抗によって加熱される温度制御可能な加熱部を有するヒータを、予め形成された母材となるノズル耐火物の表面に隙間を介して配置し、この隙間に、最大粒径が5mm以下で、その平均粒径が0.5〜1mmの耐火原料と、合計量が該耐火原料量の1〜10質量%の低温熱硬化性樹脂及び高温熱硬化性バインダーとを含み、かつ該低温熱硬化性樹脂の量が前記耐火原料の1質量%以上で4質量%以下であり、前記高温熱硬化性バインダーの量が前記耐火原料の6質量%以上で9質量%以下である、実質的に無水の粉末耐火材料を充填して、前記ヒータで、該粉末耐火材料を、3〜15℃/分の加熱昇温速度で加熱し、しかも100〜200℃の低温度領域に保持して前記粉末耐火材料を一次焼成し、更に200℃超の高温度領域で二次焼成して、前記内張り層を形成する。
【0012】
このように、形成しようとする内張り層の表面形状に合わせた外形を備え、電気抵抗によって加熱される温度制御可能な加熱部を有するヒータを用いて、粉末耐火材料を加熱するので、通常の電気抵抗を用いたヒータに比べ、加熱領域の各部分の温度差をより小さくし、全体に渡って略均一に加熱して焼成することができる。
また、ヒータは温度制御が可能なため、粉末耐火材料の昇温速度を制御できるので、粉末耐火材料の一次硬化(一次焼成)を行う低温度領域(100〜200℃の範囲)において、急速な温度上昇を生じさせることなく、低温熱硬化性樹脂の気化を防止し、しかも粉末耐火材料の初期強度のばらつきを低減して、硬化した粉末耐火材料の割れ、剥離等を抑制、更には防止できる。なお、粉末材料の二次硬化(二次焼成)を行う高温度領域(例えば、200℃を超え1000℃以下の範囲、好ましくは200℃を超え700℃以下の範囲)においても、急速な温度上昇を生じさせることなく、高温焼成過程で生じ易い膨張のばらつきや、温度差に起因する亀裂や剥離が抑制され、しかも高温熱硬化性バインダーによる硬化を良好に行うことができる。
【0013】
前記目的に沿う第2の発明に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法は、第1の発明に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法において、前記加熱部は、耐熱性を備えた枠体と、該枠体の周囲に螺旋状に巻かれ接続端子部に接続される電熱線と、前記内張り層の表面形状に合わせた外形を備え、前記電熱線が巻かれた前記枠体が装入される型枠と、該型枠と前記枠体との間に充填される伝熱性及び絶縁性を備えた材料とを有する。
このように、簡単な構成で、粉末耐火材料の一次焼成を行う低温度域において、急速な温度上昇を生じさせることなく、低温熱硬化性樹脂の気化を防止し、しかも粉末耐火材料の初期強度のばらつきを低減して、硬化した粉末耐火材料の割れ、剥離等を抑制、更には防止できる。
【0014】
前記目的に沿う第3の発明に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法は、第1の発明に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法において、前記加熱部は、金属製の矩形板材の対向する辺から交互に所定間隔で所定長さの切れ目を入れてジグザグ状に形成し、これを前記内張り層の表面形状に合わせた前記外形に加工した電熱素材を備えている。
ここで、電熱素材は、電熱素材を型枠とし、ノズル耐火物の表面に隙間を介して配置することも、また、ノズル耐火物の表面に隙間を介して配置される金属製の型枠に設けることも可能である。
このように、加熱部がジグザグ状に形成された電熱素材を備えているので、粉末耐火材料の一次焼成を行う低温度域において、粉末耐火材料の初期強度のばらつきを低減して、硬化した粉末耐火材料の割れ、剥離等を抑制、更には防止できる。また、この電熱素材は、例えば曲げ等の加工が容易である。なお、矩形形状には、長方形及び正方形が含まれる。
【0015】
前記目的に沿う第4の発明に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法は、第1〜第3の発明に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法において、前記加熱部には熱電対の温度測定部が少なくとも1個設けられ、この測定温度に基づいて前記加熱部の温度制御を行う。
これにより、加熱部の長手方向及び周方向における温度の偏差を把握でき、この偏差に基づく投入電力を調整できるので、加熱温度を正確に制御することができる。
【0016】
前記目的に沿う第5の発明に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法は、第1〜第4の発明に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法において、前記ノズル耐火物は、両側部に吐出口がそれぞれ設けられた筒状部を有する浸漬ノズルであり、前記筒状部の内側表面に、前記隙間を介して前記ヒータを配置し、前記吐出口を塞いだ後、前記隙間に前記粉末耐火材料を充填する。
これにより、隙間に充填された粉末耐火材料を均一に加熱して、筒状部の内側に内張り層を形成することができる。
【0017】
前記目的に沿う第6の発明に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法は、第1〜第4の発明に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法において、前記ノズル耐火物は、両側部に吐出口がそれぞれ設けられた筒状部を有する浸漬ノズルであり、前記ヒータが第1、第2のヒータを備え、前記筒状部の内側表面に前記第1のヒータを配置し、前記吐出口の内側表面に前記第2のヒータを配置して、前記第1のヒータの両側部に前記第2のヒータの先端部を所定角度で嵌合させ、前記隙間に前記粉末耐火材料を充填する。
これにより、筒状部及び吐出口の内張り層の形成を一度に行うことができるので、例えば、筒状部に内張り層を形成した後、吐出口に内張り層を形成したり、また予め内張り層を造った後、この内張り層を浸漬ノズルに組み込んだりするという必要がなくなり、工程の手間を省くことができる。
【0018】
前記目的に沿う第7の発明に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法は、第1〜第6の発明に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法において、前記耐火原料はCaO成分を含有する。
このように、CaO成分を含有する耐火原料が粉末耐火材料に含まれるので、膨張に起因する割れ、又は亀裂等が発生し易い特性を改善して回避でき、しかも溶鋼が接触する稼働面にCaO−Al2 O3 系の低融点化合物が形成されて、アルミナ系介在物の付着を防止することができる。
【0019】
前記目的に沿う第8の発明に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法は、第7の発明に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法において、前記耐火原料にはドロマイトクリンカーが配合され、前記CaO成分が20〜70質量%含まれている。
このように、耐火原料にはドロマイトクリンカーが配合されているので、膨張に起因する割れ、又は亀裂等の発生し易い特性を有する組成を、耐火原料の充填施工により回避でき、しかも溶鋼が接触する稼働面にCaO−Al2 O3 系の低融点化合物が形成されて、アルミナ系介在物の付着を防止することができる。
特に、ドロマイトクリンカーを配合し、CaO成分の含有量を20〜70質量%とした場合では、例えば、強度の低下、亀裂、剥離が発生し易い特性を有するため、例えば、ヒータによる加熱は、初期の一次焼成(一次焼結)の温度域として100〜200℃の範囲内の所定温度まで、均一に行うことが重要である。この一次焼成を均一な温度で行うことにより、粉末耐火材料に配合された低温度で反応する低温熱硬化性樹脂による結合が良好になり、加熱領域の各部分での初期強度を均一に向上させることができる。
【0020】
ここで、耐火原料中のCaO成分が20質量%未満の場合、溶鋼と接触する稼働面でのCaO−Al2 O3 系の低融点化合物の生成が悪くなり、アルミナ系介在物の付着が発生する。一方、CaO成分が70質量%を超える場合、内張り層の焼成後の強度の低下や、使用中での消化が顕著になる。しかも内張り層中のCaO成分がAl2 O3 等と反応し低融点化して溶損が激しくなり、内張り層の寿命の低下、またアルミナ系介在物の増加による溶鋼汚染等を招く。
以上のことから、アルミナ系介在物の付着を抑制、更には防止し、内張り層の寿命を上昇させ、またアルミナ系介在物を低減して清浄な溶鋼を製造するためには、耐火原料中のCaO成分を20〜65質量%、更には25〜60質量%とすることが好ましい。
【0021】
前記目的に沿う第9の発明に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法は、第1〜第8の発明に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法において、前記粉末耐火材料中の炭素濃度が、0質量%、又は0を超え1質量%未満である。
このように、粉末耐火材料中の炭素濃度を設定するので、粉末耐火材料に生じる亀裂や剥離を防止し、炭素に起因する溶鋼の炭素ピックアップを最小限にして、極低炭素溶鋼の溶製を安定して行うことができる。
ここで、粉末耐火材料中の炭素濃度を、0質量%、又は0を超え1質量%未満に設定しているので、粉末耐火材料を構成する炭素濃度が低くなり(炭素を含まない場合も含む)、膨張の緩和効果が減少するため、昇熱による粉末耐火材料の膨張が大きくなり、亀裂や剥離が顕著になる。しかし、初期の焼成により、粉末耐火材料の強度を予め高めているので、高温度の焼成過程で発生する大きい膨張に起因する亀裂、大きな割れや剥離を抑制することができ、しかも同時に使用中の炭素の消化が生じても、稼働面の粗度を良好にし、溶鋼の炭素ピックアップを確実に抑制して、極低炭素溶鋼の溶製を安定して行うことができる。
【0022】
前記目的に沿う第10の発明に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法は、第1〜第8の発明に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法において、前記粉末耐火材料中の炭素濃度が、1質量%以上10質量%以下である。
このように、粉末耐火材料中の炭素濃度を設定するので、粉末耐火材料に生じる亀裂や剥離を防止し、炭素に起因する溶鋼の炭素ピックアップを最小限にして、極低炭素溶鋼の溶製を安定して行うことができる。
ここで、粉末耐火材料中の炭素濃度を、1質量%以上10質量%以下に設定しているので、粉末耐火材料に配合された炭素により、粉末耐火材料の強度が高められ、しかも加熱時に発生する膨張を炭素で吸収することができ、粉末耐火材料に生じる亀裂や剥離を防止することができる。また、炭素濃度を10質量%以下に抑えているので、炭素に起因する溶鋼の炭素ピックアップを最小限にすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法に使用する内張り層の形成装置の説明図、図2は同内張り層の形成装置の内部の部分拡大図、図3は同内張り層の形成装置の第1のヒータの説明図、図4は同第1のヒータの温度測定部近傍の部分拡大図、図5は本発明の一実施の形態に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法に使用する内張り層の形成装置の第2のヒータの説明図、図6は本発明の一実施の形態に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法に使用する低温熱硬化性樹脂及び高温熱硬化性バインダーの合計量が内張り層に及ぼす影響について示した説明図、図7は同ノズル耐火物の内張り層の形成方法に使用する第3のヒータに設けられた電熱素材の展開図、図8は同ノズル耐火物の内張り層の形成方法を使用して製造する内装体の温度と加熱による昇温時間との関係を示す説明図、図9は同内装体の昇温速度が内装体の亀裂及び溶損の発生率に及ぼす影響について示した説明図、図10は同内装体の温度分布が内装体の亀裂及び溶損の発生率に及ぼす影響について示した説明図である。
【0024】
まず、本発明の一実施の形態に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法に使用される内張り層の形成装置(以下、単に形成装置とも言う)10について説明した後、形成方法について説明する。
図1、図2に示すように、形成装置10は、予め形成された母材となるノズル耐火物の一例である連続鋳造用浸漬ノズル(以下、単に浸漬ノズルとも言う)11の内側表面12に、内装体(内張り層の一例)13を形成するための装置である。この浸漬ノズル11は、例えば、アルミナ黒鉛質耐火物(AG)、ジルコニア黒鉛質耐火物(ZG)、シリカ系の耐火物等で構成され、溶鋼(図示しない)が通過する有底の筒状部14と、その下部に設けられ、溶鋼を吐出する複数(ここでは、筒状部14を中心として左右対称に1個ずつ)の吐出口15が形成されている。なお、各吐出口15は、その傾斜角度が水平位置に対して上向き10度から下向き35度の範囲に設定されており、また各吐出口15の断面形状は実質的に同一であり、矩形となっている。また、図1、図2中には、形状(大きさ)の異なる浸漬ノズル16も示している。
【0025】
形成装置10は、地面17上に固定される固定台18と、固定台18上に配置された浸漬ノズル11の焼成炉19とを有している。
焼成炉19は、中央で2つに分離可能な構成となっており、この焼成炉19の内壁には断熱材20が設けられ、この断熱材20の高さ方向に渡って、浸漬ノズル11を配置可能な空間部21が形成されている。
空間部21には、浸漬ノズル11の下部を囲んで固定する断面円形の容器状となった載置台22が設けられている。載置台22には、載置台本体23と載置台本体23の上部を外側から囲む締め付け部24が設けられ、載置台本体23に対して締め付け部24を回転させることで、載置台本体23内に配置された浸漬ノズル11の周囲を外側から締め付け固定可能な構成となっている。
【0026】
この載置台22には、振動板25上に設けられ、載置台22を昇降可能にする昇降手段26が設けられ、操作部27によって、載置台22を上下方向に移動させることができる。
振動板25の下側には、振動板25に振動を付与する振動モータ28(例えば、振動力1kN)が2台設けられ、振動モータ28を作動させることで、発生した振動を載置台22に付与し、浸漬ノズル11を振動させることができる。
【0027】
焼成炉19の上端部には、焼成炉19の軸心を中心として開口部29が設けられ、この開口部29に第1のヒータ30が配置可能になっている。
図3、図4に示すように、第1のヒータ30は、電気抵抗によって加熱される加熱部31を備えている。この加熱部31は、耐熱性を備えた材料(マグネシア等)で構成される枠体32と、枠体32の周囲に螺旋状に巻かれた例えばカンタル(フェライト系電熱線材料)を使用した電熱線33と、電熱線33が巻かれた枠体32が装入される型枠34とを有している。この型枠34は、先端に向かって縮径し、成型体(筒状部14の内装体13)の長さ(L1cm)に対して1.0〜0.5%のテーパーを有している。ここで、テーパーが0.5%未満では、成型体との接触抵抗が大きくなり、型枠34の抜き取りが困難になる。一方、テーパーを1.0%以上にすると、成型体の厚みが変化し、膨張差に起因する剥離が生じる。
枠体32は、容器状となったものであり、その内部には、伝熱性及び絶縁性を備えたマグネシア35が充填されている。
【0028】
この電熱線33が巻かれた枠体32は、伝熱性を有する材料である一般の炭素鋼板、ステンレス(SUS304)等の金属で構成され、容器状となった型枠34内に隙間(例えば、2〜10mm程度)を有して装入され、この隙間に伝熱性及び絶縁性を備えた材料の一例であるマグネシア36が充填され固定されている。この型枠34は、筒状部14の長さに応じて、その長さが例えば50〜100cm程度のものであり、浸漬ノズル11の筒状部14内に、筒状部14の内側表面12と所定の隙間(例えば5〜30mm)を形成した状態で配置され、隙間に充填された粉末耐火材料の内側表面と型枠34の外側表面37とを接触させて、粉末耐火材料を内側から焼成するものであり、形成しようとする内装体13の内側表面に合わせて、型枠34の断面形状が円形となっている。
【0029】
また、図3、図4に示すように、型枠34の先部側壁の内側には、例えば、アルメル−クロメルの熱電対38の温度測定部39が配置可能な窪み部40が設けられている。この熱電対38の周囲は、ガラス繊維で被覆され、耐熱性を備えた構成となっている。なお、温度測定部39は、型枠34の長さに応じて、2個以上設けることが好ましく、この数に応じた熱電対を設ける。
この型枠34の基部には、型枠34の外側周囲を囲むハウジング41が配置され、このハウジング41内部には、3つの断熱材42〜44が順次配置され、加熱部31の熱がハウジング41側へ伝わることを抑制している。この各断熱材42〜44を通過して外部へ突出した電熱線33は、ハウジング41の固定部45に設けられた接続端子部46に接続されている。
【0030】
焼成炉19の下部の対向する位置には、円筒状の固定部47がそれぞれ設けられ、この固定部47内に第2のヒータ48が配置されている。
ここで、第2のヒータ48について説明するが、前記した第1のヒータ30と実質的に同一の部材には同一の番号を付し、詳しい説明を省略する。
図5に示すように、前記した加熱部31の型枠34とその形状が異なること以外、略同様の構成となった加熱部49は、ステンレス(SUS304)製で容器状となった型枠50内に隙間(例えば、2〜10mm程度)を有して枠体51が装入され、この隙間に伝熱性及び絶縁性を備えたマグネシア52が充填され固定されている。
【0031】
この型枠50は、浸漬ノズル11の吐出口15内に、吐出口15の内側表面12と所定の隙間(例えば5〜30mm)を形成した状態で配置され、隙間に充填された粉末耐火材料の内側表面と型枠50の外側表面53とを接触させて、粉末耐火材料を内側から焼成するものであり、形成しようとする内装体13の内側表面に合わせて、型枠50の断面形状が矩形となっている。
また、型枠50の先部側壁(例えば、焼成する粉末耐火材料の位置に応じた部分)の内側には、熱電対38の温度測定部39が配置される窪み部54が設けられている。そして、第2のヒータ48の型枠50の先端部は、第1のヒータ30の型枠34の凹状となった側部形状に対応した形状となっており、第1のヒータ30の先端部が第2のヒータ48の側部に、所定角度(吐出口15の傾斜角度に応じた角度)で隙間が形成されることなく嵌合可能となっている。
なお、第1のヒータ30、第2のヒータ48の各接続端子部46は、制御部(図示しない)にそれぞれ接続され、各熱電対38の温度測定部39で測定された温度と、目標とする設定温度に基づいて、各加熱部31、49への電力供給量を制御可能な構成となっている。
【0032】
続いて、前記した本発明の一実施の形態に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法について、前記した内張り層の形成装置10を使用し、図1、図2を参照しながら説明する。
まず、浸漬ノズル11の吐出口15を含む先側に、形成する内張り層13の厚み(第2のヒータ48の外形)に応じた開口部55を備える絶縁性及び耐熱性の被覆層56を予め形成した後、浸漬ノズル11を焼成炉19内の載置台22内に装入する。このとき、載置台22の貫通孔57の軸心と、浸漬ノズル11の吐出口15の軸心とが、略一致するように配置する。
そして、載置台本体23に対して締め付け部24を回し、載置台22に浸漬ノズル11を固定する。
【0033】
昇降手段26の操作部27を使用して浸漬ノズル11の高さを調節し、固定部47の軸心と浸漬ノズル11の吐出口15の軸心とが一致するように配置する。そして、筒状部14内に第1のヒータ30を装入した後、第1のヒータ30のハウジング41を、係止部58にねじ59によって固定する。
そして、各固定部47の内部に第2のヒータ48をそれぞれ装入し、第1のヒータ30の型枠34の側部に、第2のヒータ48の型枠50の先端部を嵌合させた後、第2のヒータ48のハウジング41を、各固定部47にねじ60によって固定する。
なお、吐出口15に内装体を形成しない場合は、被覆層で吐出口を塞ぐことにより、吐出口からの粉末耐火材料の流出を防止できる。
【0034】
制御部によって振動モータ28を作動させ、浸漬ノズル11に振動を付与しながら、筒状部14の内側表面12と、第1のヒータ30の型枠34の外側表面37とで形成される隙間、及び第2のヒータ48の型枠50の外側表面53とで形成される隙間に、筒状部14の上方から、予め混合された耐火原料と非水系からなる低温熱硬化性樹脂と高温熱硬化性バインダーとを含む実質的に無水の粉末耐火材料を装入し、充填する。なお、各隙間に耐火粉末材料を充填した後、浸漬ノズル11を加振することも可能である。
この粉末耐火材料中の炭素濃度は、0質量%(炭素を含まない)、0を超え1質量%未満、及び1〜10質量%のいずれか1となっている。
ここで、耐火原料としては、例えば、アルミナ、ムライト、マグネシア、ドロマイト、ジルコン、石灰等の酸化物の1又は2以上を主体とした(例えば、80%以上含む)ものや、例えば、炭化珪素、硼化ジルコニウム、窒化珪素等の非酸化物系の1又は2以上を主体とした(例えば、80%以上含む)ものを使用できる。また、低温熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂粉末、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル粉末等の非水系ものものを、1又は2以上を混合して使用できる。そして、高温熱硬化性バインダーとしては、例えば、ガラス屑(フリット、ブリット)、ウラステナイト(CuO・SiO2 )、リチウム、珪酸ソーダ(SiO2 ・nNa2 O)等の1又は2以上を混合して使用できる。
【0035】
耐火原料として使用できるドロマイトは、例えばCaO成分の含有量W1とMgO成分の含有量W2との質量比W1/W2が0.46〜3.0であって、しかもCaO成分が20〜70質量%含まれたものである。また、この耐火原料は、SiO2 及びFe2 O3 の各含有率が、それぞれ3質量%以下になるように調整され、粉末耐火材料を加熱し硬化させた内装体13の内側表面である溶鋼接触面、即ち稼動面側に付着したAl2 O3 と粉末耐火材料に含まれるCaOとの反応から形成されるAl2 O3 −CaO系液相の生成を促進し、しかも粉末耐火材料自体の極端な低融点化も抑制する。なお、アルミナ黒鉛質耐火物とドロマイトとは反応するため、筒状部14の内側表面12に、予めジルコニア系のモルタル又はマグネシア質のモルタル等を配置した後、形成された隙間に粉末耐火材料を充填し配置する。
【0036】
この耐火原料の粒径は、最大粒径が5mm以下で、その平均粒径が0.5〜1mmに調整されたものである。
ここで、耐火原料の最大粒径が5mmを超える場合、形成される内張り層の気孔率が大きくなり、使用にあっては、摩耗及び溶損が発生し、ランニングコストがかかり経済的でない。
一方、下限値については規定していないが、最小粒径が細かければ、形成される内張り層の気孔率が小さくなり、使用にあっては、溶鋼によるヒートショックを十分に吸収できず、内張り層に剥落が生じる。このため、耐火原料の平均粒径を0.5〜1mmに設定している。
【0037】
以上のことから、形成される内張り層の剥離、摩耗、及び溶損を、抑制、更に防止するためには、耐火原料の最大粒径を4mm以下、更には3mm以下にし、かつその平均粒径を0.5〜1mmに設定することが好ましい。
これにより、加熱し焼成して硬化させた粉末耐火材料の気孔率を、浸漬ノズル11の膨張収縮時における浸漬ノズル11の変位、及び浸漬ノズル11の溶鋼によるヒートショックを吸収可能な9〜18体積%に調整でき、溶鋼との接触による溶鋼中のAlの酸化、あるいは脱酸生成物であるAl2 O3 と反応するマトリックス中からのCaOの供給が良好になり、Al2 O3 −CaO系の低融点生成物の形成を促進することができる。
【0038】
また、低温熱硬化性樹脂及び高温熱硬化性バインダーの合計量は、耐火原料量の1〜10質量%である。
図6に示すように、低温熱硬化性樹脂及び高温熱硬化性バインダーの合計量が1質量%未満の場合、及び合計量が10質量%を超える場合、共に内装体13に対する亀裂及び溶損の発生率が上昇する。
このため、耐火原料に、低温熱硬化性樹脂を1〜4質量%添加することで、初期の焼成による内装体13の強度を高め、この耐火原料に、更に高温熱硬化性バインダーを6〜9質量%添加することで、200℃超、特に400〜1000℃の焼成や昇熱を行った場合に発生する内装体13の亀裂や剥離、割れ等を防止して、高強度の内装体13にすることができる。
【0039】
ここで、耐火原料に添加する低温熱硬化性樹脂量が1質量%未満の場合、加熱時に必要な初期硬化が不十分となり、内装体の強度不足を招く。一方、4質量%を超える場合、粉末耐火材料を高温に加熱したときに過焼結となり、やはり内装体の強度低下を招く。
また、耐火原料に添加する高温熱硬化性バインダー量が6質量%未満の場合、低温熱硬化性樹脂による過焼結が生じ、高強度の内装体を得ることができない。一方、9質量%を超える場合、初期強度が低下し、結果的に高強度の内装体を得ることができない。
【0040】
そして、制御部によって、第1のヒータ30及び第2のヒータ48の各接続端子部46を介して通電し、各型枠34、50を加熱し昇温する。これにより、型枠34、50を介して間接的に粉末耐火材料の少なくとも100〜200℃の初期焼結温度までの加熱昇温速度を3〜15(℃/分)に温度制御しながら、粉末耐火材料を100℃以上の温度に加温して保持でき、この熱によって粉末耐火材料を一次焼成(一次焼結)させることができる。
【0041】
ここで、加熱昇温速度を設定する粉末耐火材料の初期焼結温度が100℃未満の場合、低温熱硬化性樹脂が溶融せず、耐火原料の結合を行うことができない。一方、粉末耐火材料の初期焼結温度が200℃を超える場合、低温熱硬化性樹脂による耐火原料の結合は略終了しているため、逆に加熱に要する熱エネルギーコストがかかり経済的でない。
また、加熱昇温速度が3(℃/分)未満の場合、昇温に要する時間が長くなり粉末耐火材料の製造効率が低下する。一方、加熱昇温速度が15(℃/分)を超える場合、加熱昇温速度が不安定になり、加熱領域にある粉末耐火材料の各部分に温度差が生じ、粉末耐火材料の一次硬化強度にばらつきが発生する。このため、これを実際に使用する際には、例えば、強度偏差にかかわる割れ、剥離、焼成の不均一による溶損等の問題が生じる。
以上のことから、硬化させた粉末耐火材料が良好な品質を備え、しかもこれを効率的に製造するためには、少なくとも100〜200℃の所定温度までの加熱昇温速度を3〜15(℃/分)、更には5〜15(℃/分)に設定することが好ましい。
【0042】
このように、粉末耐火材料の加熱を、型枠34、50を介して温度制御しながら行うので、粉末耐火材料は各型枠34、50との接触面側から均一に焼成され、粉末耐火材料の昇温時における加熱領域の温度のばらつきを10℃以下にして、加熱領域の全面に渡って略均一に温度上昇させることができ、しかも粉末耐火材料の厚み方向の焼成も同様にできる。
【0043】
特に、耐火原料にドロマイトクリンカーを配合し、全CaO含有量を20〜70質量%に設定した場合では、製造した内装体の強度低下や、亀裂、剥離等が発生し易い特性を有するため、上記した初期の一次焼成の低温度領域である100〜200℃での昇熱を、均一に行うことが重要である。この一次焼成を、上記したように、均一な温度で行うことにより、粉末耐火材料に配合された低温度で反応する低温熱硬化性樹脂による粉末耐火材料の結合が良好になり、加熱領域の各部分において、初期強度を均一に向上させることができる。
ここで、耐火原料の組成としては、浸漬ノズルを構成する組成と異なるものが使用されているので、内装体を浸漬ノズルの上に1層形成できる。なお、この作業を複数回繰り返し、浸漬ノズルの上に内装体を2層以上形成することも可能である。
【0044】
そして、溶鋼の鋳造に使用する直前に200℃超、特に400〜1000℃の高温度領域、好ましくは400〜700℃で加熱(予熱)する二次の昇熱によって高温熱硬化性バインダーを反応させ、一次焼成させた粉末耐火材料を加熱し焼成させて硬化させ、内装体13を成形することで、内装体13の強度を高めることができる。
この400〜1000℃の高温の二次焼成では、一次昇温の際に、粉末耐火材料に対して均一な加熱を施しているので、高温焼成過程で生じ易い膨張のばらつきや、温度差に起因する亀裂や剥離が抑制され、しかも高温熱硬化性バインダーによる硬化を良好に行うことができる。このため、この加熱は、各型枠34、50を外すことなく行うことも、また、各型枠34、50を外した後、熱風バーナー(火炎バーナー)を用いて行うことも可能である。
従って、焼成された内装体13の強度を高めることができ、亀裂や剥離が全くなく、極めて良品質の内装体13を成形できる。
浸漬ノズル11に内装体13を形成した後は、各固定部47からねじ60を外し、各固定部47の内部から第2のヒータ48をそれぞれ抜き取る。そして、係止部58からねじ59を外し、筒状部14の内部から第1のヒータ30を抜き取り、載置台本体23に対して締め付け部24を回し、載置台22から浸漬ノズル11を外して使用する。
【0045】
このように、内装体13を、浸漬ノズル11の各吐出口15や、その近傍に配置することにより、例えば、溶鋼の脱酸生成物であるアルミナ系介在物や、溶鋼中のAlの酸化により生じるアルミナ系介在物の付着、堆積等に起因したノズル詰まりや閉塞を防止して、安定した鋳造を行うことができ、鋳片の表層及び内層の品質を向上させることができる。
また、例えば従来のように、浸漬ノズルの製造工程、内装体の製造工程、及び浸漬ノズルと内装体との組み合わせ工程の合計3工程を個別に要することなく製造でき、省工程化が図れるため、非常に安価で欠陥のない浸漬ノズル11を製造できる。
そして、粉末耐火材料には水分が使用されないので、かつ好ましくは非水系の低温熱硬化性樹脂及び高温熱硬化性バインダーを用いるため、成形後の乾燥が不要であり、水分で変質や劣化が懸念される材質の適用も可能になり、材質系の選定範囲が広げられると同時に、複雑異型箇所である例えば吐出口でも容易に成形可能であるため、従来吐出口の閉塞防止に適用できなかったドロマイト、石灰等のCaO含有素材や、BN等の材料系の適用が図れ、鋳造の安定化が図れる。
【0046】
次に、本発明の一実施の形態に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法に使用する第3のヒータについて説明する。
図7に示すように、第3のヒータが備える電熱素材(加熱部の一例)61は、展開した状態で、例えば、幅W1が50〜300mm、長さLが幅W1の1〜2倍、厚みが0.2〜1mm程度の金属製の矩形板材の一例であるステンレス板を使用し、これに長さがステンレス板の長さLより例えば10〜20mm短い切れ目62を、対向する辺63、64から交互に入れてジグザグ状に形成している。この切れ目62の幅W2は例えば1〜3mmであって、隣り合う切れ目62によって構成する帯状部65の幅W3は例えば10〜20mmである。
【0047】
これを用い、内装体13の表面形状に合わせた外形、例えば、断面円形、断面矩形等に曲げ加工して、浸漬ノズル11の筒状部14内及び吐出口15内に、筒状部14の内側表面12及び吐出口15の内側表面12と所定の隙間を形成した状態で配置する。そして、この電熱素材61の両端部を、制御部にそれぞれ接続して、電熱素材61に設置された熱電対(図示しない)の温度測定部で測定した温度と、目標とする設定温度に基づいて、電熱素材61への電力供給量を制御する。
なお、このように、電熱素材61を型枠として使用する場合は、切れ目62の幅W2を、隙間に充填する耐火原料の粒径に応じて狭くすることが好ましい。
また、浸漬ノズル11の筒状部14内及び吐出口15内に、筒状部14の内側表面12及び吐出口15の内側表面12と所定の隙間を形成した状態で、金属製の型枠を配置し、この型枠の内面に前記した電熱素材を配置することも可能である。これにより、電熱素材の熱を型枠を介して耐火粉末材料に伝えることができる。
【0048】
【実施例】
まず、粉末耐火材料を、前記した第1のヒータ30(電気ヒータ加熱:黒太線)、及び従来使用している火炎バーナー(火炎バーナー加熱:黒細線)により、それぞれ加熱し焼成して内装体を製造した場合における昇温時間と各内装体の温度(熱電対による測定)との関係について、図8を参照しながら説明する。なお、図8の縦軸は内装体の加熱面から10mmの深さ(A点)の温度(℃)、横軸はその温度に到達するまでの昇温時間(分)をそれぞれ示している。
図8に示すように、例えば200℃に達するまでの昇温時間は、電気ヒータ加熱よりも火炎バーナー加熱の方が短くなっている。
ここで、200℃までの昇温時間を長くすることにより、昇温時における温度制御が実施し易くなり、加熱領域における各部分の温度のばらつきを小さくできるので、加熱領域の各部分を均一加熱には、火炎バーナー加熱よりも、電気ヒータ加熱の方が適していることが分かる。
なお、火炎バーナー加熱で均一な加熱を行うため、火炎バーナー加熱による昇温時間を長くすることも考えられるが、図8から明らかなように、その昇温時間を長くすることには限界があり、均一な加熱を実施することが困難である。
【0049】
また、上記した電気ヒータ加熱及び火炎バーナー加熱を用いてそれぞれ製造した内装体を鋳造に使用した場合の亀裂及び溶損等の不合(不良品)発生率と、常温から100〜150℃の範囲までの加熱過程における耐火材料の昇温速度との関係について、図9を参照しながら説明する。なお、図9の縦軸は製造した全内装体のうちの不良品発生割合(%)、横軸は内装体の加熱面から10mmの深さ(A点)の昇温速度(℃/分)をそれぞれ示している。
図9に示すように、昇温速度の分布は、火炎バーナー加熱(□)が10〜20(℃/分)の範囲にあり、電気ヒータ加熱(●)が0.5〜10(℃/分)の範囲にある。また、不良品発生割合は、昇温速度の上昇に伴って増加している。
このように、昇温速度の調整範囲が広く、しかも温度域を低温側に最も下げることが可能な電気ヒータ加熱を利用した場合、耐火材料を一次焼結させるまで、その加熱を均一に行うことができるので、内装体の亀裂や剥離の発生が全くなく、かつ溶損も全くなく、しかも従来の電気ヒータを使用した場合よりも、安定した結果が得られた。
【0050】
そして、上記した電気ヒータ加熱、及び火炎バーナー加熱を用いてそれぞれ製造した浸漬ノズルを鋳造に使用した場合の亀裂及び溶損等の損傷発生率と、加熱過程における粉末耐火材料の高さ方向の各部分(1)〜(3)の温度分布との関係について、図10を参照しながら説明する。なお、各部分(1)〜(3)は、浸漬ノズルの上部(溶鋼の注入口)から下部(溶鋼の吐出口)へかけて順次設定された点であり、火炎バーナー加熱は火炎バーナーを注入口に配置して行っている。
従来行われている火炎バーナー加熱を用いた場合、火炎の長手方向の各部分の温度に大きな差があるため、粉末耐火材料の各部(1)〜(3)の温度のばらつきが100〜220℃と大きくなり、焼成して硬化させた内装体を鋳造に使用することで、その内装体に亀裂や溶損が発生し、極めて悪い結果が生じた。
一方、電気ヒータ加熱を使用した場合、粉末耐火材料の各部(1)〜(3)の温度のばらつきが殆どないため、内装体の亀裂や剥離の発生が全くなく、かつ溶損も全くなく、しかも従来の電気ヒータを使用した場合よりも、安定した結果が得られた。
【0051】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明のノズル耐火物の内張り層の形成方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、ノズル耐火物として連続鋳造用浸漬ノズルに内張り層を形成した場合について説明したが、他のノズル耐火物、例えば、上ノズル、下ノズル、ロングノズル、スライディングノズルなどの注湯用ノズル等に内張り層を形成することも可能である。この場合、形成しようとする内張り層の表面形状に合わせた外形を備える加熱部を使用し、充填された粉末耐火材料を加熱し焼成して内張り層を形成する。また、この形成方法を、タンディッシュのコーティング層の形成に適用する場合は、層の厚みを20〜30mmにし、高炉の樋等に適用する場合では、100〜200mmの厚みの層を形成する。更に、取鍋等の羽口まわりの耐火物の形成にも適用することができる。
【0052】
【発明の効果】
請求項1〜10記載のノズル耐火物の内張り層の形成方法においては、通常の電気抵抗を用いたヒータに比べ、加熱領域の各部分の温度差をより小さくし、全体に渡って略均一に加熱して焼成することができるので、新たに形成された内張り層の剥離や亀裂の発生を抑制でき、安定した品質の内張り層を形成できる。
また、粉末耐火材料の昇温速度を制御できるので、粉末耐火材料の一次焼成を行う低温度領域、及び二次焼成を行う高温度領域において、急速な温度上昇を生じさせることなく、硬化した粉末耐火材料の割れ、剥離等を抑制、更には防止でき、耐火物に更に安定した品質の内張り層を形成できる。
【0053】
特に、請求項2記載のノズル耐火物の内張り層の形成方法においては、簡単な構成で、硬化した粉末耐火材料の割れ、剥離等を抑制、更には防止できるので、経済的である。
請求項3記載のノズル耐火物の内張り層の形成方法においては、加熱部がジグザグ状に形成された電熱素材を備えているので、粉末耐火材料の一次焼成を行う低温度域において、粉末耐火材料の初期強度のばらつきを低減して、硬化した粉末耐火材料の割れ、剥離等を抑制、更には防止でき、耐火物に安定した品質の内張り層を形成できる。
また、この電熱素材は、例えば曲げ等の加工が容易であるため、容易に目的とする所定形状に加工でき、作業性が良好である。
【0054】
請求項4記載のノズル耐火物の内張り層の形成方法においては、加熱部の長手方向及び周方向における温度の偏差を把握でき、この偏差に基づく投入電力を調整できるので、加熱温度を正確に制御することができ、耐火物により安定した品質の内張り層を形成できる。
請求項5記載のノズル耐火物の内張り層の形成方法においては、隙間に充填された粉末耐火材料を均一に加熱して、筒状部の内側に内張り層を形成することができるので、更に安定した品質の内張り層を形成できる。
請求項6記載のノズル耐火物の内張り層の形成方法においては、工程の手間を省くことができるので、作業性が良好である。
【0055】
請求項7記載のノズル耐火物の内張り層の形成方法においては、溶鋼が接触する稼働面へのアルミナ系介在物の付着を防止することができるので、安定した溶鋼の流れを形成できる。
請求項8記載のノズル耐火物の内張り層の形成方法においては、溶鋼が接触する稼働面へのアルミナ系介在物の付着を防止することができるので、安定した溶鋼の流れを形成できる。
請求項9、10記載のノズル耐火物の内張り層の形成方法においては、極低炭素溶鋼の溶製を、安定して容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法に使用する内張り層の形成装置の説明図である。
【図2】同内張り層の形成装置の内部の部分拡大図である。
【図3】同内張り層の形成装置の第1のヒータの説明図である。
【図4】同第1のヒータの温度測定部近傍の部分拡大図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法に使用する内張り層の形成装置の第2のヒータの説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るノズル耐火物の内張り層の形成方法に使用する低温熱硬化性樹脂及び高温熱硬化性バインダーの合計量が内張り層に及ぼす影響について示した説明図である。
【図7】同ノズル耐火物の内張り層の形成方法に使用する第3のヒータに設けられた電熱素材の展開図である。
【図8】同ノズル耐火物の内張り層の形成方法を使用して製造する内装体の温度と加熱による昇温時間との関係を示す説明図である。
【図9】同内装体の昇温速度が内装体の亀裂及び溶損の発生率に及ぼす影響について示した説明図である。
【図10】同内装体の温度分布が内装体の亀裂及び溶損の発生率に及ぼす影響について示した説明図である。
【図11】従来例に係る浸漬ノズルの内張り層の形成方法の説明図である。
【符号の説明】
10:内張り層の形成装置、11:連続鋳造用浸漬ノズル(ノズル耐火物)、12:内側表面、13:内装体(内張り層)、14:筒状部、15:吐出口、16:浸漬ノズル、17:地面、18:固定台、19:焼成炉、20:断熱材、21:空間部、22:載置台、23:載置台本体、24:締め付け部、25:振動板、26:昇降手段、27:操作部、28:振動モータ、29:開口部、30:第1のヒータ、31:加熱部、32:枠体、33:電熱線、34:型枠、35、36:マグネシア、37:外側表面、38:熱電対、39:温度測定部、40:窪み部、41:ハウジング、42〜44:断熱材、45:固定部、46:接続端子部、47:固定部、48:第2のヒータ、49:加熱部、50:型枠、51:枠体、52:マグネシア、53:外側表面、54:窪み部、55:開口部、56:被覆層、57:貫通孔、58:係止部、59、60:ねじ、61:電熱素材(加熱部)、62:切れ目、63、64:辺、65:帯状部
Claims (10)
- 形成しようとする内張り層の表面形状に合わせた外形を備え、電気抵抗によって加熱される温度制御可能な加熱部を有するヒータを、予め形成された母材となるノズル耐火物の表面に隙間を介して配置し、この隙間に、最大粒径が5mm以下で、その平均粒径が0.5〜1mmの耐火原料と、合計量が該耐火原料量の1〜10質量%の低温熱硬化性樹脂及び高温熱硬化性バインダーとを含み、かつ該低温熱硬化性樹脂の量が前記耐火原料の1質量%以上で4質量%以下であり、前記高温熱硬化性バインダーの量が前記耐火原料の6質量%以上で9質量%以下である、実質的に無水の粉末耐火材料を充填して、前記ヒータで、該粉末耐火材料を、3〜15℃/分の加熱昇温速度で加熱し、しかも100〜200℃の低温度領域に保持して前記粉末耐火材料を一次焼成し、更に200℃超の高温度領域で二次焼成して、前記内張り層を形成することを特徴とするノズル耐火物の内張り層の形成方法。
- 請求項1記載のノズル耐火物の内張り層の形成方法において、前記加熱部は、耐熱性を備えた枠体と、該枠体の周囲に螺旋状に巻かれ接続端子部に接続される電熱線と、前記内張り層の表面形状に合わせた外形を備え、前記電熱線が巻かれた前記枠体が装入される型枠と、該型枠と前記枠体との間に充填される伝熱性及び絶縁性を備えた材料とを有することを特徴とするノズル耐火物の内張り層の形成方法。
- 請求項1記載のノズル耐火物の内張り層の形成方法において、前記加熱部は、金属製の矩形板材の対向する辺から交互に所定間隔で所定長さの切れ目を入れてジグザグ状に形成し、これを前記内張り層の表面形状に合わせた前記外形に加工した電熱素材を備えていることを特徴とするノズル耐火物の内張り層の形成方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のノズル耐火物の内張り層の形成方法において、前記加熱部には熱電対の温度測定部が少なくとも1個設けられ、この測定温度に基づいて前記加熱部の温度制御を行うことを特徴とするノズル耐火物の内張り層の形成方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のノズル耐火物の内張り層の形成方法において、前記ノズル耐火物は、両側部に吐出口がそれぞれ設けられた筒状部を有する浸漬ノズルであり、前記筒状部の内側表面に、前記隙間を介して前記ヒータを配置し、前記吐出口を塞いだ後、前記隙間に前記粉末耐火材料を充填することを特徴とするノズル耐火物の内張り層の形成方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のノズル耐火物の内張り層の形成方法において、前記ノズル耐火物は、両側部に吐出口がそれぞれ設けられた筒状部を有する浸漬ノズルであり、前記ヒータが第1、第2のヒータを備え、前記筒状部の内側表面に前記第1のヒータを配置し、前記吐出口の内側表面に前記第2のヒータを配置して、前記第1のヒータの両側部に前記第2のヒータの先端部を所定角度で嵌合させ、前記隙間に前記粉末耐火材料を充填することを特徴とするノズル耐火物の内張り層の形成方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のノズル耐火物の内張り層の形成方法において、前記耐火原料はCaO成分を含有することを特徴とするノズル耐火物の内張り層の形成方法。
- 請求項7記載のノズル耐火物の内張り層の形成方法において、前記耐火原料にはドロマイトクリンカーが配合され、前記CaO成分が20〜70質量%含まれていることを特徴とするノズル耐火物の内張り層の形成方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のノズル耐火物の内張り層の形成方法において、前記粉末耐火材料中の炭素濃度が、0質量%、又は0を超え1質量%未満であることを特徴とするノズル耐火物の内張り層の形成方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のノズル耐火物の内張り層の形成方法において、前記粉末耐火材料中の炭素濃度が、1質量%以上10質量%以下であることを特徴とするノズル耐火物の内張り層の形成方法。
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JP2003192193A JP4303530B2 (ja) | 2003-07-04 | 2003-07-04 | ノズル耐火物の内張り層の形成方法 |
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