上述のように、居室内に個人の書斎空間を設けようとする試みは様々になされてきた。しかしながら、使用者が満足感を抱けるような小型書斎というものは、これまでなかなか登場しなかったように思われる。
例えば、特許文献1のカプセルオフィスは、なるほど空間的な隔離性は充分であり、シャッターを閉じてしまえば内部は略完全に個人用の空間とすることができる。電源コンセント、電話コンセント、換気ファンまで装備されているので、これはもう既に1個の独立した部屋とでもいい得る空間として形成されている。
しかしながら、閉鎖性が高い分、その占有するスペースも大きなものとなってしまう。例えばオフィス空間などにおいてこのようなカプセルオフィスを複数設けるという使用法であるならばさほど問題は生じないものと思われるが、我が国の平均的な住宅において室内にこのような閉鎖性の高い空間を設けることは非常に困難であると考えられる。また、仮に設けたとしても、居住性を旨として構成されている室内空間とは調和せず、異様な雰囲気を齎す結果となるのは想像に難くない。
さらには、このカプセルオフィスは床から天井までを占有してしまうので、平面的な空間占有感もさることながら、立体的な空間占有感も大きなものがある。さらに、シャッターを閉じてしまえば外観的には無味乾燥できわめて事務的な印象を与えるので、使用者以外の家族においては不快感や異物感が生じるのもやむをえない。すなわち、使用者は個人的な空間の中で安らぎを味わい、趣味に耽ることができるかもしれないが、無味乾燥な外観を常に見せられる他の家族においては感覚的に耐えられない印象も生まれかねず、ひいては家族不和の原因となってしまうことも充分に考えられる。以上のような理由から、特許文献1のカプセルオフィスを通常の日本の平均的な住居空間に導入するには大きな無理があるものといわねばならない。
次に、特許文献2に開示されている階段を利用した書斎空間であるが、この書斎空間を実現するためには、あらかじめ建築時にそのような設計を施しておかねばならないという困難が存する。あるいは、改造によってそのような空間を確保するにしても費用が嵩むし、確実に他の空間が犠牲になってしまう。そもそも、階段スペースを通常の設計よりかなり広めに取っておかねばならないので、我が国の限られた居住空間の中にこれだけの空間を確保できる人というのは、やはりあまり多くないように思われる。また、占有スペースであるというものの、空間的にはオープンであり、閉鎖性が極めて薄弱である。したがって、書斎空間と呼ぶにはやや印象が弱く、部屋の一隅に机が設けてある状態とさほど変わらない満足感しか得られないものであるといわねばならない。
次に、特許文献3に関しては、壁面から折畳みのデスクの天板が出てくるだけなので、閉鎖性はほとんどなく、部屋の一隅に机が設置してある状態よりも書斎空間としての感触は薄弱となるように思われる。また、特許文献4に関しては、ライティングデスク形式のデスクが壁面に設置され、天板を開けばある程度奥行きのある空間が確保される状態であるので、特許文献3のデスクと比較すればやや書斎的な使用勝手を味わうことができる。しかしながら、室内空間に向かって完全に開かれている状態というのは特許文献3のデスクと基本的に変わりはなく、やはり書斎空間と呼ぶには抵抗を覚えざるをえない。
また、特許文献4のデスクにおいては、壁面内部にある程度の空間のある住居条件においてでなければ実現できないという欠陥が存する。我が国の住宅事情を鑑みた場合、特許文献4のデスクを実現することのできる建築物は自ずから限定されてくるであろうし、また、設置にあたっては壁面に孔を空ける等の工事が必要になる。この点は、費用がかかるという点を除いても、賃貸住宅ではまず不可能なことであるので、実施可能な世帯はやはり限られてくる。またさらに、壁面設置型のこのようなデスクの欠点としては、居住空間内の一点に固定されてしまい、移動させるのが不可能であるという点が挙げられる。すなわち、人間は、住居内にてあちこちと移動するので、自分自身の書斎空間が一定の壁面に固定されてしまうということは真に不便である。
これが例えば、住居の一室を本格的な書斎として用いることができるのであれば、書斎がその部分に固定されていたとしても不満は出ない。しかしながら、書斎が居室内の1壁面に固定されてしまうという状況においては、例えば次のような状況になった際に、非常に困る事態とならざるをえない。すなわち、デスクとしての書斎空間が居間の1壁面に構成されている場合、休日に、子供の友人たちがやってきて、居間でパーティを開くといった状況である。そうすると、パーティが開かれている間、父親あるいは母親は、居間の1壁面に設置された自分のデスクを用いることをあきらめざるを得ない。あるいは、用いることはできたとしても、子供たちの歓声の中で作業をしなければならず、書斎的な落ち着きは望むべくもない。こういった場合には、例えば自分のデスクを寝室に移して用いるといったことができれば問題は解消するが、壁面固定式のデスクでは、それは不可能である。
次に、特許文献5、6のパソコンラック形式の書斎空間についてであるが、特許文献5はキーボード用テーブルとマウス用テーブルを、非使用時にはコンパクトな筐体内部に収容できるように構成した点が特徴である。しかしながら、この事例においても、個人的な書斎空間を確保するという方向からはかなり遠いものであり、特許文献3の壁面収納型デスクがキーボードテーブルとマウステーブルに置換されたものという印象を払拭しえない。また、特許文献6のデスクは、パソコン不使用時には通常の平面デスクとして用いることができ、パソコン使用時には電動にてパソコンが立体的に起立してくる仕組みを開示している。これは確かに、ときには手書きでときにはパソコンで手紙や書類を作る人にとっては便利なアイデアであるということができるが、しかしながら全体はやはり単なるデスクであって、書斎空間とは言い難いものである。
以上の事例を分析して判明することは、我が国の住宅事情に丁度適合した小型書斎の導入にあたっては、居室内の一隅に設けるという前提の場合、閉鎖性が高ければ高いほど良いというわけではなく、例えば特許文献1のように極めて閉鎖性が高い空間を形成してしまうと、居室内にて大きな違和感を生じ、使用者には心地よい空間ができたとしても、他の家族にとっては、極端にいえば邪魔物以外のなにものでもないものとなるということである。
しかるに、例えば特許文献3〜6の事例においては、逆に閉鎖性が薄弱すぎて、使用者においては、自分自身の独立した書斎空間を確保しているという意識は極めて持ちにくい。すなわち、居室内に自分の机があるという以上の独立したスペース意識は生じにくいものであるといわねばならない。また、特許文献2においては、前述のように、ある程度の空間を建築設計時に確保しておかねばならないので、我が国の住宅事情からすると現実的とはいえないし、また実現できたとしても、書斎空間としての閉鎖性には欠けるものである。
上記から、本発明の課題を、以下のように設定した。
<課題1>
我が国の平均的な住宅事情の中で、居室内の一隅に設けるという前提で、適度な閉鎖性を有した個人的な書斎空間を実現したい。
<課題2>
その際、余りに極端な閉鎖性、たとえば、居住空間の一部を完全に閉鎖してしまうほどの閉鎖的な空間を実現してしまうと、使用者には使い勝手が良くても、他の家族にとっては違和感の強い空間となり、ひいては邪魔物扱いされてしまう可能性もある。したがって、適度に閉鎖性を有しながら、他の家族に与える印象はむしろ好適なものとなるような書斎空間の実現を目指したい。
<課題3>
壁面固定式のデスクに見られるような、一定位置に設置するとそこから動かすことができないといった不便さを有しない小型書斎を開発したい。例えば、状況によって、居間に設置したり寝室に設置したり、あるいは他の部屋に設置したりと自在に移動可能なものとしたい。また、寝室に設置した場合には、ベッドに入った状態で、あるいはベッドに腰かけた状態で使えるものとすることができれば理想的である。
<課題4>
上述のように、最近ではパーソナルコンピュータがある場所が書斎がわりとして用いられる事例が増加している。したがって、パーソナルコンピュータを楽に設置できるような構成の小型書斎の開発を考える。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、以下の解決手段を提供するものである。
<解決手段1>
外筐体と内筐体の2重の筐体からなり、外筐体、内筐体共に正面が開放可能に構成され、上面を机面として用いることのできる底板を有し、外筐体と内筐体の間に立体物あるいは面状物を展示可能の空間あるいは空隙を有し、外筐体の一部又は全部が透明あるいは半透明の素材からなる透過部分を有し、外筐体及び内筐体及び底板の全体が支持卓の上に載置固定されていることを特徴とする小型書斎。
<解決手段2>
外筐体と内筐体の2重の筐体からなり、外筐体、内筐体共に正面が開放可能に構成され、上面を机面として用いることのできる底板を有し、外筐体と内筐体の間に立体物あるいは面状物を展示可能の空間あるいは空隙を有し、内筐体の一部又は全部が透明あるいは半透明の素材からなる透過部分を有し、外筐体及び内筐体及び底板の全体が支持卓の上に載置固定されていることを特徴とする小型書斎。
<解決手段3>
外筐体と内筐体の一部又は全部が面状物を挟着可能な近接状態にあり、その部分において、外筐体あるいは内筐体あるいは外筐体と内筐体の両者が透明あるいは半透明の素材からなる透過部分となっていることを特徴とする解決手段1あるいは解決手段2に記載の小型書斎。
<解決手段4>
外筐体と内筐体の間に立体物あるいは面状物を展示可能の空間あるいは空隙を確保するために外筐体と内筐体の間に空間確保手段あるいは空隙確保手段が設けられていることを特徴とする解決手段1あるいは解決手段2あるいは解決手段3に記載の小型書斎。
<解決手段5>
外筐体と内筐体の間に設けられた空間確保手段が外筐体と内筐体を隔離できる幅を有するスペーサ部材であり、該スペーサ部材に溝部あるいは凹部が設けられていて、該溝部あるいは凹部に、外筐体に設けられた凸部あるいは凸条部、あるいは内筐体に設けられた凸部あるいは凸条部、あるいは外筐体と内筐体の両者に設けられた凸部あるいは凸条部が嵌合することにより、外筐体あるいは内筐体あるいは外筐体と内筐体の両者が固定される構成となっていることを特徴とする解決手段4に記載の小型書斎。
<解決手段6>
上面を机面として用いることのできる底板にコード類を挿通可能な挿通孔が穿設されていることを特徴とする解決手段1あるいは解決手段2あるいは解決手段3あるいは解決手段4あるいは解決手段5に記載の小型書斎。
<解決手段成7>
支持卓の脚の内部にコード類を挿通可能な空間が設けられ、当該の脚の下端部にコード類を外部に導出可能な挿通孔が穿設されていることを特徴とする解決手段1あるいは解決手段2あるいは解決手段3あるいは解決手段4あるいは解決手段5あるいは解決手段6に記載の小型書斎。
<解決手段8>
支持卓の天板が、上面を机面として用いることのできる底板が固着される第1天板と、枢軸により第1天板に対して回動可能に設けられた第2天板より構成され、上記枢軸の内部にコード類を挿通できる空間が設けられており、脚は1本で内部に上記枢軸を収納可能な空間が設けられ、脚の下端部にコード類を外部に導出可能な挿通孔が穿設されていることを特徴とする解決手段1あるいは解決手段2あるいは解決手段3あるいは解決手段4あるいは解決手段5あるいは解決手段6に記載の小型書斎。
本発明の解決手段1の発明によれば、外筐体と内筐体の2重の筐体からなり、外筐体、内筐体共に正面が開放可能に構成され、上面を机面として用いることのできる底板を有し、外筐体と内筐体の間に立体物あるいは面状物を展示可能の空間あるいは空隙を有し、外筐体の一部又は全部が透明あるいは半透明の素材からなる透過部分を有し、外筐体及び内筐体及び底板の全体が支持卓の上に載置固定されているので、使用者においては、使用時に自分の上半身の前面が、内外2重の筐体に被覆されているという使用感があり、個人の書斎的なある程度の閉鎖性を感じることが可能である。したがって、使用者は安らぎや開放感を感じることができ、また内部を自分の趣味空間として構成することも可能である。
また、使用者以外の家族が該小型書斎を外側から見た場合にも、外筐体の一部又は全部が透明あるいは半透明の素材からなり、そこから人形やモデルカーや植物等の立体物あるいは絵や写真等の面状物を展覧することができるので、使用者以外の人が極度の閉鎖性を感じることがない。すなわち、この小型書斎は、外側から見た場合でもミニ展示ケースともいうべき情趣豊かな外観を有しており、使用者以外の人の目も充分に楽しませることができるものである。
さらにまた、この小型書斎は、全体が支持卓の上に載置固定されている状態であるので、支持卓ごと別の場所に移動することも簡単に行うことが可能である。あるいは、上部だけを支持卓から外して、別の場所にある別の支持卓に載置固定することも簡単に行うことができる。これにより、居住空間の使用状況に応じて、様々な場所に移動可能であり、使い勝手の可能性を豊かに広げることができるものである。
次に、本発明の解決手段2の発明においては、外筐体と内筐体の2重の筐体からなり、外筐体、内筐体共に正面が開放可能に構成され、上面を机面として用いることのできる底板を有し、外筐体と内筐体の間に立体物あるいは面状物を展示可能の空間あるいは空隙を有し、内筐体の一部又は全部が透明あるいは半透明の素材からなる透過部分を有し、外筐体及び内筐体及び底板の全体が支持卓の上に載置固定されているので、使用者自身が内部から絵や写真等の面状物体あるいは人形やモデルカーや鉢植え等の立体物を見ることができる。
一般的にいって、「自分専用の空間である」という意識が生じるためには、自分を取り巻く空間内部に、自分の好む装飾品を展示できるような構成が不可欠である。例えば、山の好きな人であれば世界の名山の写真や自分が登った山の写真、あるいはランタンやミニサイズのピッケル、登山帽といった装飾品を飾ることにより自在に山に思いを馳せる空間を造ることができるし、海の好きな人であれば世界各地の海洋の写真や魚、サンゴ礁などの写真、船の写真や模型、マドロスパイプや錨、舵輪の模型などを飾ることによって、さながら海にいるがごとき感触を味わうことも可能である。同様に、車が好きな人はミニカー、電車の好きな人は車両模型、植物の好きな人は植物の写真や小サイズの鉢植えなどを飾って「自分の空間」を形成することが可能である。
また、本発明の解決手段2の発明において、外筐体においてもその一部又は全部が透明あるいは半透明の素材からなる透過部分を有する状態とすることも無論可能であるが、この場合には、展示品を内側からも外側からも展覧できる状態とすることができるので、外観上も豊かな趣味に溢れた小型書斎とすることが可能であるし、内部に外光を取り入れる窓とすることもできる。あるいは、もし、使用者と他の家族の趣味が合わないような場合には、絵や写真等の平面物であれば内向きと外向きの絵や写真の種類を変えることにより、内側は使用者の趣味に合った空間として構成しつつ、外観は他の家族にも快く受け容れられるような外観のものとすることが可能である。
また、立体物の場合においては、使用者の趣味に合った立体物を展示する空間においては内筐体に透明部分を設けて外筐体は不透明にし、他の家族にも好まれる立体物を展示する空間においては逆の構成、すなわち、外筐体に透明部分を設けて内筐体は不透明にすることにより対応可能である。このように、内観と外観を自在に構成可能であるので、使用者においては適切な閉鎖性を有した趣味の空間を確保しつつ、他の家族にも好まれる印象の外観を有する小型書斎とすることが可能である。
次に、本発明の解決手段3の発明においては、外筐体と内筐体の一部又は全部が面状物を挟着可能な近接状態にあり、その部分において、外筐体あるいは内筐体あるいは外筐体と内筐体の両者が透明あるいは半透明の素材からなる透過部分となっているので、絵や写真等の面状物体を展示する際に、展示用の額縁等の展示手段が不要である。すなわち、絵や写真等の面状物体は外筐体と内筐体の間の狭小な間隙に挟着された状態であり、外筐体と内筐体の当該部分がそのまま絵や写真等の面状物体を保持展示する額縁の役割を果たすものである。
また、この際には、外筐体と内筐体の双方を透明状態にすれば、内側からも外側からも絵や写真等の面状物体を展覧できる状態とすることができるし、外筐体と内筐体のどちらかを透明状態にすれば、透明にした側からの展覧のみが可能となるような状態を作ることが可能である。ただし、外筐体と内筐体の双方を透明状態とした場合には、絵や写真等の面状物体が透明あるいは半透明素材からなるものである場合を除き、2枚の絵や写真等の面状物体を、その背面を当接させた状態で挟着することが必要となる。
次に、本発明の解決手段4の発明においては、外筐体と内筐体の間に立体物あるいは面状物を展示可能の空間あるいは空隙を確保するために外筐体と内筐体の間に空間確保手段あるいは空隙確保手段が設けられているので、絵や写真等の面状物体あるいは人形やモデルカーや鉢植え等の立体物を展示可能の空間あるいは空隙を安定的に確保することが可能である。すなわち、外筐体と内筐体の間に一定の間隔を保持できるスペーサ部材を設置することにより空間確保手段が実現される。
これにより、本発明の小型書斎を移動する場合にも絵や写真等の面状物体あるいは人形やモデルカー等の立体物が安定的に展示された状態での移動が可能となるし、また、使用者や家族の誰かが本発明の小型書斎の一部に身体の一部を衝突させた場合においても、衝撃で展示空間あるいは展示空隙自体のサイズが変動するという事態も予防できるものである。
また、本発明の解決手段5の発明においては、外筐体と内筐体の間に設けられた空間確保手段が外筐体と内筐体を隔離できる幅を有するスペーサ部材であり、該スペーサ部材に溝部あるいは凹部が設けられていて、該溝部あるいは凹部に、外筐体に設けられた凸部あるいは凸条部、あるいは内筐体に設けられた凸部あるいは凸条部、あるいは外筐体と内筐体の両者に設けられた凸部あるいは凸条部が嵌合することにより、外筐体あるいは内筐体あるいは外筐体と内筐体の両者が固定される構成となっているので、組立ての際に、外筐体あるいは内筐体の位置固定が容易に行え、さらに使用中にも外筐体あるいは内筐体の位置固定を確実に持続できる。
さらに、本発明の解決手段6の発明においては、上面を机面として用いることのできる底板にコード類を挿通可能な挿通孔が穿設されているので、パソコンラックとして用いることも可能である。また、内部の照明やコンセント類からのコードの処理も極めて楽である。
またさらに、本発明の解決手段7の発明においては、支持卓の脚の内部にコード類を挿通可能な空間が設けられ、当該の脚の下端部にコード類を外部に導出可能な挿通孔が穿設されているので、コード類が支持卓の下側空間において絡んだり、あるいは使用者の足に引っ掛かったりすることがない。
あるいはさらに、本発明の解決手段8の発明においては、支持卓の天板が、上面を机面として用いることのできる底板が固着される第1天板と、枢軸により第1天板に対して回動可能に設けられた第2天板より構成され、上記枢軸の内部にコード類を挿通できる空間が設けられており、脚は1本で内部に上記枢軸を収納可能な空間が設けられ、脚の下端部にコード類を外部に導出可能な挿通孔が穿設されているので、ベッドの上で用いたり、あるいはベッドに腰かけて用いたりとさまざまな用い方が可能となる。
図1〜図12に本発明の実施例1の小型書斎1を示す。小型書斎1は外筐体2と内筐体3の2重の筐体からなり、外筐体2、内筐体3共に正面が開放可能に構成され、上面を机面として用いることのできる底板4を有し、外筐体2と内筐体3の間に立体物SOあるいは面状物PLを展示可能の空間Sを有し、外筐体2の一部又は全部が透明あるいは半透明の素材からなる透過部分T1〜T4を有し、内筐体3の一部が透明あるいは半透明の素材からなる透過部分T5〜T9を有し、外筐体2及び内筐体3及び底板4の全体が支持卓6の上に載置固定されている。
外筐体2は、図9a、図9bに見るように、長方形状の上板21、長方形状の左側板22、長方形状の右側板23、長方形状の脊板24から構成されており、正面と底面が開放状態となっている。左側板22には透明素材からなる長方形の窓状の透過部分T1が、右側板23には透明素材からなる長方形の窓状の透過部分T2が、脊板24には透明素材からなる円形の窓状の透過部分T3と長方形の窓状の透過部分T4が、夫々設けられている。透過部分T1〜T4の詳細な構成については後述する。
また、左側板22の右側面下端には長方形状の小片である固定片ST1が、右側板23の左側面下端には長方形状の小片である固定片ST2が、脊板24の正面下端には長方形状の小片である固定片ST3が、夫々突設されている。固定片ST1は、後に説明する空間確保手段5の溝部51fに嵌入され、固定片ST2は、後に説明する空間確保手段5の溝部52fに嵌入され、固定片ST3は、後に説明する空間確保手段5の溝部53f及び底板4の脊板43の溝部43aに嵌入される構成である。
内筐体3は、図10a、図10bに見るように、略長方形状の上板31、長方形状の左側板32、長方形状の右側板33、長方形状の脊板34、上板31の正面に開閉自在に蝶着された庇板35、左側板32の正面に開閉自在に蝶着された支承板36、右側板33の正面に開閉自在に蝶着された支承板37から構成されており、正面と底面が開放状態となっている。
また、左側板32の左側面下端には平面視が三角形状の小片である固定片ST4が、右側板33の右側面下端には平面視が三角形状の小片である固定片ST5が、夫々突設されている。固定片ST4は、後に説明する空間確保手段5の凹部51cに嵌入され、固定片ST5は、後に説明する空間確保手段5の凹部52cに嵌入される構成である。
庇板35は、開状態にては図4に見るように上板31に水平に連接された状態で小型書斎1の正面の庇となり、閉状態にては図5のように下方に垂直に折り下げられて底板4の展開板42と協働して小型書斎1全体の正面を閉鎖する扉となる。庇板35は、その奥行きにおいて、左方が長く、右方が短く、端部35aの中間部分は自然な曲線を描くように構成されている。端部35aの形状は、図5に見るように、庇板35の閉状態において、底板4の閉状態の展開板42の端部42aの形状と一致するように構成されている。
なお、支承板36、37は、図10aに見るように、庇板35が開状態の際に開状態とされて庇板35を支えるための部材である。図10aにおいては、庇板35は支承板36、37により支持されているが、支承板36、37に変えて適宜金属製のステー等他の構成を用いることができるのはいうまでもない。
上板31には透明素材からなる円形の窓状の透過部分T5が、左側板32には透明素材からなる長方形の窓状の透過部分T6が、右側板33には透明素材からなる長方形の窓状の透過部分T7が、脊板34には透明素材からなる円形の窓状の透過部分T8と長方形の窓状の透過部分T9が、夫々設けられている。透過部分T6〜T9の詳細な構成については後述する。
上板31には後方に向かうに従い下降する段部R1が設けられており、
左側板32には後方に向かうに従い右方に屈折する段部R2が設けられており、右側板33には後方に向かうに従い左方に屈折する段部R3が設けられている。従って、内筐体3は、段部R1、R2、R3により、背面側が正面側に比べて縮小するように構成されている。なお、段部R1、R2、R3の位置は内筐体3の正面よりやや奥に入った部分である。また、上板31の段部R1の上面にはスイッチボックスSBが、段部R1の下面には並列する2連のスイッチSW1、SW2(図4参照)が、夫々設けられている。
底板4は、図11に見るように略長方形状の本体41の背面に後述の空間確保手段5と同一の高さの脊板43が上方に突設固着され、脊板43には中央からやや左方寄りに溝部43aが穿設されている。また、本体41の正面には展開板42が開閉自在に蝶着されており、開状態にては図4に見るように本体41に水平に連接された状態の机の天板となり、閉状態にては図5のように上方に垂直に折り上げられて、内筐体3の庇板35と協働して小型書斎1全体の正面を閉鎖する扉となる。展開板42は、その奥行きが左方が短く、右方が長く、端部42aの中間部分は自然な曲線を描くように構成されている。端部42aの形状は、図5に見るように、閉状態において、上板3の閉状態の庇板35の端部35aの形状と一致するように構成されている。
図11a、図11bに見るように、底板4の本体41の右後方部には、コードc(図1参照)を挿通可能な挿通孔H1が穿設されている。また、本体41の4隅には、ネジ孔h1〜h4が穿設されている。ネジ孔h1〜h4は、支持卓6の天板61の表面4隅に突設固着された円盤状の支承凸部64a〜64d(図7b参照)に穿設されたネジ孔h5〜h8に対応する。
図11aに符号5にて示す部材は空間確保手段であり、スペーサ51〜53の3部分のスペーサより成る。図11bはスペーサ51〜53を底板4上に配設した状態を示すもので、スペーサ51は底板4の本体41の左端に、スペーサ52は底板4の本体41の右端に、スペーサ53は底板4の本体41の後端に、夫々配置接着される。
スペーサ51〜53は外筐体2と内筐体3の間に空間S(図1参照)を固定的に確保するための部材であるから、外筐体2と内筐体3を底板4に組付けた状態では、外筐体2と内筐体3に挟着固定されるので、底板4に必ずしも固着されている必要はないのであるが、外筐体2と内筐体3を底板4に組付ける際にはスペーサ51〜53が固定されていないと不便であるので、底板4に接着により固定されて用いられる。なお、固定方法は、接着に限らず、螺着や嵌着その他の方法を採り得るものである。
スペーサ51は、図11aに見るように、長方形状の本体51aの正面に長方形状の斜向板51bが固着され、斜向板51bの後方において本体51aの屈曲により右側面側に凹部51cが形成されており、本体51aの左側面には短い長方形状の支板51d、51eが突設固着されている。本体51a、斜向板51b、凹部51c、支板51d、51eはすべて一体として形成され、斜向板51bは、外筐体2と内筐体3を底板4に組付けた状態において、内筐体3の左側板32の段部R2(図10a参照)の下端部に背面から当接するように構成されている。
凹部51cは、外筐体2と内筐体3を底板4に組付けた状態において、内筐体3の左側板32の左側面下端に設けられた固定片ST4(図10b参照)が凹部51cに嵌入されるように構成されている。また、支板51c、51dにより溝部51fが形成されるが、溝部51fは、外筐体2と内筐体3を底板4に組付けた状態において、外筐体2の左側板22の右側面下端に設けられた固定片ST1(図9a参照)が溝部51fに嵌入されるように構成されている。したがって、スペーサ51の高さと固定片ST1、固定片ST4の高さは同一あるいは略同一となるように構成される。
スペーサ52は、図11aに見るように、長方形状の本体52aの正面に長方形状の斜向板52bが固着され、斜向板52bの後方において本体52aの屈曲により左側面側に凹部52cが形成されており、本体52aの右側面に短い長方形状の支板52d、52eが突設固着されている。本体52a、斜向板52b、凹部52c、支板52d、52eはすべて一体として形成され、斜向板52bは、外筐体2と内筐体3を底板4に組付けた状態において、内筐体3の右側板33の段部R3(図10a参照)の下端部に背面から当接するように構成されている。
凹部52cは、外筐体2と内筐体3を底板4に組付けた状態において、内筐体3の右側板33の右側面下端に設けられた固定片ST5(図10a参照)が凹部52cに嵌入されるように構成されている。また、支板52c、52dにより溝部52fが形成されるが、溝部52fは、外筐体2と内筐体3を底板4に組付けた状態において、外筐体2の右側板23の左側面下端に設けられた固定片ST2(図9b参照)が溝部52fに嵌入されるように構成されている。したがって、スペーサ52の高さと固定片ST2、固定片ST5の高さは同一あるいは略同一となるように構成される。
スペーサ53は、図11aに見るように、長い長方形状の本体53aの左端背面に短い長方形状の支板53bが固着され、本体53aの右端背面に短い長方形状の支板53cが固着され、本体53aの背面の中央からやや左方寄りに短い長方形状の支板53d、53eが固着され、支板53d、53eの間に溝部53fが形成されている。本体53a、支板53b、53c、53d、53eはすべて一体として形成され、本体53aは、外筐体2と内筐体3を底板4に組付けた状態において、内筐体3の脊板34の(図10b参照)の下端部に背面から当接するように構成されている。
また、支板53bはその左側面がスペーサ51の本体51aの右側面後端部に当接するように構成され、支板53cはその右側面がスペーサ52の本体52aの左側面後端部に当接するように構成されている。さらに、溝部53fは、底板4の脊板43の溝部43aに一致するように構成されている。また、溝部53fは、外筐体2と内筐体3を底面4に組付けた状態において、外筐体2の背板24の正面下端に設けられた固定片ST3(図9a参照)が溝部53f及び溝部43aに嵌入されるように構成されている。したがって、スペーサ53の高さと固定片ST3の高さは同一あるいは略同一となるように構成される。
支持卓6は、図7b(平面図)、図12に見るように、長方形状の天板61と4本の脚62a〜62d、3本の桟63a〜63cより構成されている。天板61の表面には、4隅に薄い円盤状の支承凸部64a〜64dが突設固着されており、支承凸部64aの中心にはネジ孔h5が、支承凸部64bの中心にはネジ孔h6が、支承凸部64cの中心にはネジ孔h7が、支承凸部64dの中心にはネジ孔h8が、夫々穿設されている。小型書斎1の底面4を支持卓6に組付けた際に、ネジ孔h5は底板4の本体41のネジ孔h1に、ネジ孔h6は底板4の本体41のネジ孔h2に、ネジ孔h7は底板4の本体41のネジ孔h3に、ネジ孔h8は底板4の本体41のネジ孔h4に、夫々重なる位置に穿設されている。なお、支承凸部64a〜64dは、ネジ孔h5〜h8以外の部分を弾性体製とすることにより、その上に載置される外筐体2、内筐体3、底板4の安定性を高めることができる。
また、支承凸部64dのやや前方にはコードc、c、……(図12参照)が挿通される挿通孔H2が穿設されているが、挿通孔H2は小型書斎1の底面4を支持卓6に組付けた際に、底板4の本体41の挿通孔H1に重なる位置に穿設されている。また、脚62dの内部は中空になっていて、コードc、c、……は脚62dの下方の桟63bとの接続部分に穿設された挿通孔H3から外部に導出される。なお、Cは桟63b上に載置固定されたコンセントで、コンセントcからのコードcは再び挿通孔H3から脚62dの中に入り、脚62dの下端部背面に穿設された挿通孔H4から外部に導かれる。
支持卓6の天板61の正面側には、左方に支承板65が、右方に支承板66が、夫々天板61に対して回動自在に枢設されている。支承板65は長円形状の本体65aの一端が枢軸65bによって天板61に枢設され、支承板66は長円形状の本体66aの一端が枢軸66bによって天板61に枢設されている。支承板65、66は、通常は、図7b、図12に実線にて示すように、本体65a、66aの長軸方向が天板61の長手方向に平行になるように畳まれているが、図2に示すように小型書斎1の底板4の展開板42が前方に展開された際には、展開板42を支承するために、図7b、図12に2点鎖線にて示すように、本体65a、66aの長軸方向が天板61の長手方向に直角になるように前方に回動させられるものである。
次に、実施例1の小型書斎1の組付け構成について詳述する。実施例1の小型書斎1を組付けるにあたっては、まず支持卓6の天板61に底板4の本体41を螺着する。すなわち、天板61の支承凸部64aのネジ孔h5に底板4の本体41のネジ孔h1を重ね、天板61の支承凸部64bのネジ孔h6に底板4の本体41のネジ孔h2を重ね、天板61の支承凸部64cのネジ孔h7に底板4の本体41のネジ孔h3を重ね、天板61の支承凸部64dのネジ孔h8に底板4の本体41のネジ孔h4を重ね、ネジ孔1とネジ孔5を、ネジ孔2とネジ孔6を、ネジ孔3とネジ孔7を、ネジ孔4とネジ孔8を、夫々ネジ(図示せず)により螺着固定する。これにより、底板4の本体41は支持卓6に螺着固定される。この際、底板4の本体41に穿設された挿通孔H1は支持卓6の本体61に穿設された挿通孔H2に完全に重なる。
次に、底板4の上に、内筐体3を載置する。この際、底板4の本体41の表面には、既にスペーサ51〜53が適性位置に固着された状態(図8b、図11b参照)であるので、既にスペーサ51〜53によって本体41上に形成される空間確保手段5に内筐体3の下端部を嵌めこむことにより、内筐体3の位置は固定される。
すなわち、内筐体3の左側板32の後部の左側面をスペーサ51の本体51aの右側面に当接させ、左側板32の段部R2の背面をスペーサ51の斜向板51bの正面に当接させ、左側板32の固定片ST4をスペーサ51の凹部51cに嵌着させ、内筐体3の右側板33の後部の右側面をスペーサ52の本体52aの左側面に当接させ、右側板33の段部R3の背面をスペーサ52の斜向板52bの正面に当接させ、右側板33の固定片ST5をスペーサ52の凹部52cに嵌着させ、内筐体3の脊板34の下部背面をスペーサ53の本体53aの正面に当接させることにより、内筐体3の位置は固定される。
内筐体3は、固定片ST4が凹部51cに嵌着され、固定片ST5が凹部52cに嵌着されることによりその位置は安定するので、底板4の本体41あるいは空間保持手段5のスペーサ51〜53に対してさらに堅固に固着させる必要はないが、内筐体3の重量が軽い場合や、安定性に不安を感じる場合には、内筐体3の下端部分を適宜空間保持手段5のスペーサ51〜53に螺着等により固着することも当然可能である。
次に、底板4の上に、外筐体2を載置する。この際、底板4の本体41の表面には、既にスペーサ51〜53が適性位置に固着された状態(図8b、図11b参照)であるので、既にスペーサ51〜53によって本体41上に形成される空間確保手段5に外筐体2の下端部を嵌めこむことにより、外筐体2の位置は固定される。
すなわち、外筐体2の左側板22の後部の右側面を本体41の左端及びスペーサ51の斜向板51bの左端、支板51d、51eの左端に当接させ、左側板22の固定片ST1をスペーサ51の溝部51fに嵌着させ、外筐体2の右側板23の後部の左側面を本体41の右端及びスペーサ52の斜向板52bの右端、支板52d、52eの右端に当接させ、右側板23の固定片ST2をスペーサ52の溝部52fに嵌着させ、外筐体2の脊板24の下部正面を本体41の背面端部及びスペーサ53の支板53b、53c、53d、53eの背面に当接させ、背板24の固定片ST3をスペーサ53の溝部53f及び脊板43の溝部43aに嵌着させることにより、外筐体2の位置は固定される。この場合、外筐体2の落下は、固定片ST1〜ST3が底板4の本体41に載置されることによりにより防止されるが、さらに、上板21の正面部分が内筐体3の上板31の正面部分に載置される状態となる(図1参照)ことにより防止されるものである。また、外筐体2の左側板22、右側板23、脊板24の下端部は支持卓6の天板61の端部に載置されるので、これによっても防止される。
外筐体2は、固定片ST1が溝部51fに嵌着され、固定片ST2が溝部52fに嵌着され、固定片ST3が溝部53f及び溝部43aに嵌着されることによりその位置は安定するので、底板4の本体41あるいは空間保持手段5のスペーサ51〜53に対してさらに堅固に固着させる必要はないが、外筐体2の重量が軽い場合や、安定性に不安を感じる場合には、外筐体2の下端部分を適宜空間保持手段5のスペーサ51〜53に螺着等により固着することも当然可能である。
次に、実施例1の小型書斎1における透明部分T1〜T9について、詳細に説明する。外筐体2の透明部分T1は、内筐体3の透明部分T6に対応する位置に設けられており、透明部分T1と透明部分T6は組みつけられた際に窓W1を構成する(図3、図8a参照)。この際、内筐体3の透明部分T6には不透明素材からなるフードFD1が設けられていて、組みつけられた際に、透明部分T1と透明部分T6はフードFD1によって連結状態とされ、フードFD1の作用により、透明部分T1と透明部分T6以外からの光は遮断される。
また、フードFD1は、ある程度の幅を有しているので、飾り棚としても使用可能である。例えば、図3においては観葉植物の鉢を置いて、透明部分T1、透明部分T6を緑陰で飾っているが、これ以外にも、人形や模型や額など、様々な立体物SOを飾ることが可能である。なお、透明部分T6は図示しない蝶番によって開閉可能な枠体FR1に透明素材が嵌めこまれた構成であるので、展示物の交換や観葉植物の水やりなども、小型書斎1の外側から簡単に行える。HD1は枠体FR1に固着された把手である。
外筐体2の透明部分T2は、内筐体3の透明部分T7に対応する位置に設けられており、透明部分T2と透明部分T7は組みつけられた際に額F1を構成する(図2、図8a参照)。この際、外筐体2の透明部分T2には不透明素材からなるテーパ付きのフードFD2が設けられていて、組みつけられた際に、透明部分T2と透明部分T7はフードFD2によって連結状態とされ、フードFD2の作用により、透明部分T2と透明部分T7以外からの光は遮断される。
額F1は、図2に見るように、外側から見た場合にフードFD2に設けられたテーパが適度な奥行き感を演出して、重厚さを盛り上げる。図2に見る使用法では、透明素材に印刷された面状物PLである写真Pが透明部分T7に貼着されているので、写真Pを小型書斎1の外側からも内側からも鑑賞することができる。透明部分T7を小型書斎1の内側から開閉可能とすることにより、写真Pの交換も容易に行える。
外筐体2の透明部分T3は、内筐体3の透明部分T8に対応する位置に設けられており、透明部分T3と透明部分T8は組みつけられた際に窓W2を構成する(図3、図8a参照)。この際、内筐体3の透明部分T8には不透明素材からなるフードFD3が設けられていて、組みつけられた際に、透明部分T3と透明部分T8はフードFD3によって連結状態とされ、フードFD3の作用により、透明部分T3と透明部分T8以外からの光は遮断される。実施例1の小型書斎1にては、窓W2は船の丸窓を思わせる意匠となっているが、むろんこのような意匠に限定されず、他の様々な意匠の窓とすることができるし、窓W1のようにフードFD3を飾り棚として用いることもむろん可能である。
外筐体2の透明部分T4は、内筐体3の透明部分T9に対応する位置に設けられており、透明部分T4と透明部分T9は組みつけられた際に飾り棚Gを構成する(図3、図8a参照)。この際、内筐体3の透明部分T4には透明素材からなるフードFD4が設けられており、組みつけられた際に、透明部分T4と透明部分T9はフードFD4によって連結状態とされ、フードFD4の作用により、透明部分T1と透明部分T6からの光に加えて、外筐体2と内筐体3の間の空間S(図1参照)からの光によっても飾り棚Gは照明される。したがって、図1に見るように、スペーサ53によって生じる間隙部分や外筐体2の上板21の底面後部などに適宜光源L1、L2等を設置することにより、フードFD4を透過する光によって飾り棚Gを照明することが可能である。
実施例1の小型書斎1においては、フードFD4のみならず、棚SH1(フードFD4の底面)、SH2、SH3もすべて透明であるので、立体物SOである展示物(人形や電車の模型や鉢植えなど)は、さまざまな方向からの光を受けて美しく鑑賞される。なお、透明部分T4は図示しない蝶番によって開閉可能な枠体FR2に透明素材が嵌めこまれた構成であるので、展示物の交換や鉢植えの水やりなども、小型書斎1の外側から簡単に行える。HD2は枠体FR2に固着された把手である。
透過部分5は内筐体3の上板31に設けられていて、光源L1(図1参照)からの光を内筐体3の内部に透過させる。これにより、内筐体3の内部を柔らかい間接光によって照明することが可能である。実施例1の小型書斎1においては、透過部分5は丸窓の形態であるが、無論いかなる形態もとり得るものである。また、光源L1、光源L2共にコードcによって内筐体3の上板31の段部R1の上面に設けられたスイッチボックスSBに連結されており、段部R1の下面に設けられたスイッチSW1により光源L1の点灯、消灯が行われ、スイッチSW2により光源L2の点灯、消灯が行われる。なお、光源L1、光源L2は、挿通孔H1、H2に挿通され、支持卓6の脚62d内部に挿通されたコードcによって桟63cに載置固定されたコンセントCに連結されている。図1に示すパソコンPSやモニタMOからのコードcも同一の経路によってコンセントCに連結されている。
また、図1にては、光源L1を外筐体2に固着した状態にて示しているが、光源L1を内筐体3に固着した状態とすることも無論可能である。この場合には、照明効果はさほど変わらないが、光源L1が内筐体3の付属品となるので、例えば内筐体3をそっくり別の内筐体(図示せず)に交換して雰囲気の違いを楽しむといった用い方をされる場合においても、内筐体を照明ごと交換でき、照明により異なった雰囲気の演出が可能となるという利点が齎される。
次に実施例1の小型書斎1の作用について、詳細に説明する。図1、図2は実施例1の小型書斎1の使用中の状態の1例を示すものであるが、実施例1の小型書斎1を使用する際には、内筐体3の上板31の正面に蝶着された庇板35を上方に折りあげて水平状態とし、支承板36、37を前方に転回させて庇板35が支承板36、37に支承される状態とする。次に、支持卓6の支承板65、66を、長手方向が前後方向と平行になるように前方に回動させ、底板4の本体41の正面に蝶着された展開板42を下方に折り下げて支承板65、66の上に展開板42が水平に載置される状態とする。これにて、底板4の本体41と展開板42は全体がフラットな机の天板として使用できるようになる。
図1、図2においては、実施例1の小型書斎1にパソコンPS、モニタMO、キーボードKY、マウスMTを載置して、パソコンラック的に用いている状態を示す。この際、庇35、支承板36、37が外光を適当に遮蔽するのでモニタMOが見やすく、また囲われた雰囲気が生じるので作業に集中できる。さらに手許は、スイッチSW1により光源L1を点灯させることによって、間接光によって柔らかく照らされる。また、底板4の展開板42は使用者HMから見て右手前側が前後方向に長めに形成されているので、マウスMT用のテーブルとして快適に使用できるものである。また、パソコンPSやモニタMOからのコードcは前述の経路によってコンセントCに連結されるので、余分なコード類によって作業スペースが狭まることもない。なお、パソコンPSは、支持卓6のいずれかの場所に専用の設置スペース(図示せず)を設け、そこに載置するようにしても良い。
図4はパソコンやモニタ等を載置せず、普通の机として用いている状態を、使用者の視点から描いたものであるが、庇35、支承板36、37の作用によって囲われた空間が現出され、しかも、窓W1、窓W2、額F1、飾り棚Gが自然に目に入る。窓W1や飾り棚Gには使用者個人の好みの立体物SOである展示物を飾り、また額F1にはやはり使用者個人の好みの面状物PLである写真P(図2参照)を飾ることができるので、個人的な空間としてのやすらぎを充分に得ることが可能である。さらには、カーテンレールCR1、CR2を設置すれば(図4参照)、自分の好みの柄や色のカーテンC1、C2を架けて楽しむこともできる。そして、小型書斎1の内部空間全体は、内筐体3の上板31の透過部分T5から射しこむ間接照明の柔らかな光に照らされる。
次に、実施例1の小型書斎1を外側から見た状態は、図2、図3に示すとおりである。実施例1の小型書斎1は、図2、図3に示すように、外側から見ても窓W1、W2、額F1、飾り棚Gが眼に入り、窓W1に飾られた立体物SOである観葉植物や額F1の面状物PLである写真P、飾り棚Gに飾られた立体物SOであるいろいろな展示物が眼に入り、極めて雅趣に富む外観を見せるものであり、使用者HM以外の人にとっても、一種の飾り棚として楽しめるものである。また、光源L1、L2を点灯した状態では窓W1、W2、額F1、飾り棚Gから光が漏れ、特に飾り棚GにおいてはフードFD4(図3参照)が透明であるので、展示物が明るく照らされて展示効果は頗る大となる。居室(図示せず)内の灯りを消した状態で光源L1、L2を点灯すれば、暗闇の中に窓W1、W2、額F1、飾り棚Gが明るく浮かんで、また別の趣を生ずるものとなる。
なお、使用者HMとそれ以外の人の趣味嗜好が著しく異なる場合には、例えば飾り棚Gにおいて、透過部分T4と透過部分T9(図8a参照)の位置をずらせて両者が重ならないようにすることにより、使用者HMが透過部分T9により目にする立体物SOである展示物とそれ以外の人が透過部分T4により目にする立体物SOである展示物とを変えることにより、両者が満足できる効果を得ることができる。この点は、窓W1、額F1においても同様である。
図13は、実施例1の小型書斎1において、飾り棚G(図1参照)を額F2に交換した例を示すものである。外筐体2に設けられた透過部分T10と内筐体3に設けられた透過部分T11が重なって、額F2が構成されている。透過部分T10と透過部分T11は、その大部分において間に写真や絵等の面状物PL1、PL2を挟着展示できるぎりぎりの間隔にまで近接させられており、面状物PL1、PL2は透過部分T10と透過部分T11の間に挟着されることにより固定されている。図13にては、面状物PL1と面状物PL2は共に不透明で、面状物PL1は表面を外側に向けた状態で、面状物PL2は表面を内側に向けた状態で展示されている。したがって、使用者(図示せず)側から見ると面状物PL2が目に入り、外側から見る人(図示せず)には面状物PL1が目に入る状態となっている。
この際、面状物PL1、PL2に変えて、透明性の高い面状物(図示せず)を1枚用いれば、使用者側からも外側からも同一内容の面状物を見ることが可能となる。また、透過部分T10の周辺にはくびれ部Nが連続的に形成されており、くびれ部Nの作用により、面状物PL1、PL2の滑落や横滑りが防止されている。くびれ部Nは、使用者側からも外側からも面状物PL1、PL2の周囲を囲繞する透明の溝状のラインとして見えるので、面状物PL1、PL2の一種の額縁的な視覚効果を有するものである。
図14には、支持卓7を示す。支持卓6は居室内のいずれの場所にても設置できる汎用性の高い支持卓の一つのスタイルを示すものであったが、図14に示す支持卓7は、例えばベッドサイドやソファサイドなどに小型書斎1の上部を設置するために案出された構成を示すものである。支持卓7は、長方形状の第1天板71と第1天板71と同形同大の第2天板72、円柱状の脚73、脚73の下端部が固定される台板77、台板77の両端部下部に固着され、台板77から延伸された桟78a、78bより構成され、桟78a、78bの両端部にはキャスタCTが夫々配設されている。
第1天板71は脚73の内部に固着された枢軸73aに回動可能に枢設されている。一方、第1天板71と同形同大の第2天板72は枢軸73a、脚73に固着されている。したがって、第1天板71は第2天板72に対して相対的に回動可能に構成されている。なお、枢軸73aは中空で、枢軸73aの上端は第1天板71の表面に露出させられており、枢軸73aの中空部分の上端が第1天板71の表面に挿通孔H5として開口している。
第1天板71の表面には、4隅に薄い円盤状の支承凸部74a〜74dが突設固着されており、支承凸部74aの中心にはネジ孔h9が、支承凸部74bの中心にはネジ孔h10が、支承凸部74cの中心にはネジ孔h11が、支承凸部74dの中心にはネジ孔h12が、夫々穿設されている。小型書斎1の底面4を支持卓7に組付けた際に、ネジ孔h9は底面4の本体41のネジ孔h1に、ネジ孔h10は底面4の本体41のネジ孔h2に、ネジ孔h11は底面4の本体41のネジ孔h3に、ネジ孔h12は底面4の本体41のネジ孔h4に、夫々重なる位置に穿設されている。なお、支承凸部74a〜74dは、ネジ孔h9〜h12以外の部分を弾性体製とすることにより、その上に載置される外筐体2、内筐体3、底板4の安定性を高めることができる。
支持卓7の第1天板71の正面側には、左方に支承板75が、右方に支承板76が、夫々第1天板71に対して回動自在に枢設されている。支承板75は長円形状の本体75aの一端が枢軸75bによって第1天板71に枢設され、支承板76は長円形状の本体76aの一端が枢軸76bによって第1天板71に枢設されている。支承板75、76は、小型書斎1の底板4の展開板42が前方に展開された際には、展開板42を支承するために、2点鎖線にて示すように、本体75a、76aの長軸方向が第1天板71の長手方向に直角になるように前方に回動させられるものである。
脚73の下部には挿通孔H6が穿設されており、コードcは第1天板71の挿通孔5から枢軸73a内部に挿通され、脚73の下部の挿通孔H6から導出される。台板77は第2天板72の3分の2程度の面積を有するので、コンセントCを充分に安定的に載置可能である。あるいは、台板77にパソコンPS(図1参照)を載置しても無論構わない。また、脚73は、適宜高さ調節機構(図示せず)付きのものとすることも無論可能である。
支持卓7の作用は、図15a〜図15cに示すとおりである。すなわち、使用者HMがベッドB上に上半身を起こした姿勢で用いる場合(図15a)には、第1天板71を第2天板72に対して略直角になる位置にまで回動させて、第1天板71の正面が使用者HMの上半身に対して対向するように位置させる。このようにすることにより、第1天板71上に小型書斎1の底板4が載置固定されると(この状態は図示しない)、小型書斎1の上部正面が使用者HMの上半身に対面する位置となり、使用者HMはベッドB上に上半身を起こした姿勢で小型書斎1を使用可能となる。
次に、図15bには、使用者HMがベッドBの側面側に腰かけた姿勢で用いる場合を示す。この場合にもやはり、第1天板71を第2天板72に対して略直角になる位置にまで回動させて、第1天板71の正面が使用者HMの上半身に対して対向するように位置させる。こうすることにより、第1天板71上に小型書斎1の底板4が載置固定されると(この状態は図示しない)、小型書斎1の上部正面が使用者HMの上半身に対面する位置となり、使用者HMは第1天板71上に載置固定された小型書斎1の上部を使用することができる。
また、図15cには不使用時の状態を示す。この場合には、図15aあるいは図15bの状態から第1天板71を反時計回りに回動させて第1天板71と第2天板72を重ねた状態にし、さらに全体の長手方向をベッドBの長手方向に平行にする。こうすることにより小型書斎1全体はコンパクトに畳まれて、邪魔になることがない。なお、以上の使用方法は、図15a〜図15cにて、使用者HMから見てベッドBの右端に支持卓7を配置させて用いる方法を示しているが、使用者HMから見てベッドBの左端に配置させたい場合には、脚73を第1天板71の右方に配設した構成を用いれば良い。
次に、図16〜図18には、内筐体を空間確保手段に固定する場合の、別の固定方法を示す。図16aの内筐体30は、既述の内筐体3と略同様の構成であるが、次の点においてのみその構成を異にする。すなわち、内筐体3においては左側板32の左側面下端には平面視が三角形状の小片である固定片ST4が、右側板33の右側面下端には平面視が三角形状の小片である固定片ST5が、夫々突設されていたが(図10a、図10b参照)、図16a、図16bに示す内筐体30においては、左側板320の左側面下端には固定片ST4に変えて凸条TR1が、右側板330の右側面下端には固定片ST5に変えて凸条TR2が、夫々突設固着されている。なお、310は上板である。
凸条TR1には図16bに実線で、図18aに2点鎖線で示すように、後端部近傍において不連続部D1が設けられており、不連続部D1の前後で丸められている。また、凸条TR1の後端も丸められている。同じく凸条TR2には図16aに実線で、図18bに2点鎖線で示すように、後端部近傍において不連続部D2が設けられており、不連続部D2の前後で丸められている。また、凸条TR2の後端も丸められている。
図17a、図17bには内筐体30が固定される空間確保手段50を示す。空間確保手段50は、スペーサ510、520、530から構成されており、スペーサ530は空間確保手段5のスペーサ53と略同様の構成であるが、スペーサ510、520は空間確保手段5のスペーサ51、52とはややその構成を異にする。
スペーサ510においては、本体511の正面に斜向板512が一体に連接され、本体511の左側面に支板513、514が本体511と一体に突設され、支板513、514の間に溝部515が形成されている。斜向板512はスペーサ51の斜向板51bと、支板513、514はスペーサ51の支板51d、51eと、溝部515はスペーサ51の溝部51fと略同様の構成であるが、本体511はスペーサ51の本体51aとはやや構成を異にし、スペーサ51の本体51aにおける凹部51cを有せず、本体511の右側面に内筐体30の凸条TR1が嵌入摺動可能な水平の溝部516を有しており、溝部516の後端部には係止機構517が設けられている。
係止機構517は、図18aに見るように、本体511の右側面に穿設された溝部516の後端部近傍上部に設けられた凹部U1a、後端部近傍下部に設けられた凹部U1bと、凹部U1aにコイルばねSP1aを介して装着された係止球Q1a、凹部U1bにコイルばねSP1bを介して装着された係止球Q1bからなる。コイルばねSP1aの上端は凹部U1aの上面に固着され、コイルばねSP1aの下端は係止球Q1aに固着されている。また、コイルばねSP1bの下端は凹部U1bの底面に固着され、コイルばねSP1bの上端は係止球Q1bに固着されている。この結果として、係止球Q1a、Q1bは、共にその半分位が溝部516内に露出するように構成されている。
スペーサ520においては、本体521の正面に斜向板522が一体に連接され(図17b参照)、本体521の右側面に支板523、524が本体521と一体に突設され、支板523、524の間に溝部525が形成されている。斜向板522はスペーサ52の斜向板52bと、支板523、524はスペーサ52の支板52d、52eと、溝部525はスペーサ52の溝部52fと略同様の構成であるが、本体521はスペーサ52の本体52aとはやや構成を異にし、スペーサ52の本体52aにおける凹部52cを有せず、本体521の左側面に内筐体30の凸条TR2が嵌入摺動可能な水平の溝部526を有しており、溝部526の後端部には係止機構527が設けられている。
係止機構527は、図18bに見るように、本体521の左側面に穿設された溝部526の後端部近傍上部に設けられた凹部U2a、後端部近傍下部に設けられた凹部U2bと、凹部U2aにコイルばねSP2aを介して装着された係止球Q2a、凹部U2bにコイルばねSP2bを介して装着された係止球Q2bからなる。コイルばねSP2aの上端は凹部U2aの上面に固着され、コイルばねSP2aの下端は係止球Q2aに固着されている。また、コイルばねSP2bの下端は凹部U2bの底面に固着され、コイルばねSP2bの上端は係止球Q2bに固着されている。この結果として、係止球Q2a、Q2bは、共にその半分位が溝部526内に露出するように構成されている。
次に、内筐体30をスペーサ50に固定する方法を述べる。内筐体30の左側面に突設された凸条TR1の後端部をスペーサ510の本体511の溝部516の正面端部に位置させ、内筐体30の右側面に突設された凸条TR2の後端部をスペーサ520の本体521の溝部526の正面端部に位置させ、内筐体30を後方に押しこむ。これにより、凸条TR1は溝部516内を後方に摺動し、凸条TR2は溝部526内を後方に摺動し、内筐体30全体が後方に水平移動する。そして、凸条TR1の後端部がスペーサ510の係止機構517に当接し、凸条TR2の後端部がスペーサ520の係止機構527に当接すると、凸条TR1の後端部は係止機構517の係止球Q1aを上方に押圧し、係止球Q1bを下方に押圧し、凸条TR2の後端部は係止機構527の係止球Q2aを上方に押圧し、係止球Q2bを下方に押圧する。
上方に押圧された係止球Q1aはコイルばねSP1aを圧縮し、コイルばねSP1aは下方に付勢される。一方下方に押圧された係止球Q1bはコイルばねSP1bを圧縮し、コイルばねSP1bは上方に付勢される。また、上方に押圧された係止球Q2aはコイルばねSP2aを圧縮し、コイルばねSP2aは下方に付勢される。一方下方に押圧された係止球Q2bはコイルばねSP2bを圧縮し、コイルばねSP2bは上方に付勢される。
凸条TR1の後端部が係止機構517を通過し、凸条TR2の後端部が係止機構527を通過すると、凸条TR1の不連続部D1が係止機構517に、凸条TR2の不連続部D2が係止機構527に、夫々位置する。この状態で、コイルばねSP1aの反発力により係止球Q1aは下方に、コイルばねSP1bの反発力により係止球Q1bは上方に移動し、係止球Q1a、Q1bは不連続部D1に嵌りこむ。また、コイルばねSP2aの反発力により係止球Q2aは下方に、コイルばねSP2bの反発力により係止球Q2bは上方に移動し、係止球Q2a、Q2bは不連続部D2に嵌りこむ。
これにより内筐体30に固着された凸条TR1はスペーサ510に対して固定され、同じく内筐体30に固着された凸条TR2はスペーサ520に対して固定されるので、内筐体30が空間確保手段50に対して固定されることになる。なお、内筐体30を空間確保手段50に対して固定解除する場合には、上記と逆のプロセスによって行われる。すなわち、内筐体30を前方に引き抜くことにより、凸条TR1がスペーサ510の係止機構517から解除され、凸条TR2がスペーサ520の係止機構527から解除され、内筐体30を空間確保手段30から分離させることが可能となる。