JP4302924B2 - Dnaマイクロアレイのデータを統計的に分析する際の画像測定法 - Google Patents
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Description
関連出願の相互参照
本願は、2000年1月27日付けで出願された米国仮特許願第60/178,474号の特典を請求するものである。
【0002】
技術分野
本発明はDNAマイクロアレイ分析(DNA microarray analysis)に関し、さらに詳しくは、画像ベースの測定法から得た誤り推定値を利用してマイクロアレイを分析することに関する。
【0003】
発明の背景
大規模な発現プロファイリングが、細胞生理機能の系統的な分析を行う際の主要技術として出現している。発現プロファイリングは、細胞mRNAから調製した蛍光標識化cDNAと105までの非反復配列を保持するマイクロアレイとのハイブリッド形成を行う。いくつものタイプのマイクロアレイが開発されているが、ピントランスファー(pin transfer)を使用してプリントされたマイクロアレイが最も普及している。一般に、異なる遺伝子を示す一組の標的遺伝子をPCRで調製し、コートされたスライドガラスに移して、中心間の距離(ピッチ)が約200μmのスポットの2−Dアレイを作製する。例えば、出芽酵母のエス・セレビシエ(S. cerevisiae)の場合、約6200個の遺伝子を保持するアレイが、3cm2以下の面積に、パン−ゲノミックプロフィール(pan-genomic profile)を提供する。試験細胞と対照細胞由来のmRNA試料をcDNA中にコピーし次いで異なる着色蛍光体を使用して標識する(対照細胞は一般に緑と呼ばれ試験細胞は赤と呼ばれる)。標識された上記cDNAのプールを、同時に、マイクロアレイとハイブリッドを形成させ、次いで各遺伝子に対するmRNAの相対レベルが、赤と緑のシグナルの強度を比較することによって測定される。この方法の簡にして要を得た特徴は、この方法が、比較的簡単な技法を使用して多くの遺伝子の相対的mRNAのレベルを同時に測定できることである。
【0004】
発現プロファイリングによって生成する大量のデータから意味のある情報を引き出すには、計算が必要である。生命情報科学の用具の開発およびそれら用具の細胞経路の分析への利用は非常に興味深い話題である。転写プロフィールのいくつものデータベースがオンラインでアクセスすることができるので、大きな公の保管場所をつくる提案がなされている。しかし、マイクロアレイから正確な強度の情報を得るために必要な計算に対して、比較的わずかな注意しか払われていない。しかし、この問題は、マイクロアレイの信号が弱いので生物学的に大切な結果は、通常、はずれ値を分析することによって得られるので重要である。マイクロアレイの画像に存在する画素単位の情報は、アレイがサンプリングされたときの精度を評価する測定法をつくるのに利用できる。マイクロアレイの場合、測定誤差が高いことがあるので、多数の発現試験からの情報を含むデータベースの信頼性を改善するため、十分に確立されたフィルタリングアルゴリズムを組み合わせて誤差の統計解析を行う必要がある。
【0005】
本発明の上記特徴と他の特徴は、以下の詳細な説明を読んで添付図面を参照すれば一層明らかになるであろう。
【0006】
詳細な説明
本発明には、画像の対から定量的に正確な比率を引き出す方法と、その比率が適正に得られた信頼度を測定する方法が含まれている。この方法の一つの一般的な用途は、cDNA発現アレイ(マイクロアレイ)を分析する用途である。これらの試験では、異なるcDNAが基板上に配列され、次にプローブのアレイを使用して、生物試料が、特異的種のmRNAのメッセージの存在について、ハイブリッド形成によって試験される。最も一般的な実施態様では、実験試料と対照試料の両者を、同時に、同じプローブアレイとハイブリッドを形成させる。このように、生化学のプロセスは試験全体を通じて制御される。試験ハイブリッド形成の対照ハイブリッド形成に対する比率は、生物試料内での遺伝子発現の誘発または抑制の強力な予測値になる。
【0007】
遺伝子発現比のモデルは本来下記式で表される。
【数10】
【0008】
典型的な蛍光マイクロアレイ試験では、発現レベルが、蛍光で標識された試験DNAと野生型DNAの蛍光強度から測定される。その蛍光強度についていくつもの想定がなされる。すなわち1)与えられたスポットに結合したDNAの量は与えられた遺伝子の発現レベルに比例する;2)その蛍光強度は蛍光分子の濃度に比例する;および3)検出システムは蛍光に対し直線的に応答する。
【0009】
慣例によって、試験の蛍光強度は「レッド」と呼称され、そして野生型は「グリーン」と呼称される。遺伝子発現比の最も簡単な形態は、下記式:
【数11】
(式中、rとgは、スポットと結合する試験DNA分子と対照DNA分子の数を表し、Rは試験と対照の発現比を表す)で表される。
【0010】
しかし、実際のrとgは得ることができない。測定値rmとgmは、バックグランド蛍光、励起リークおよび検出器のバイアスからなる未知量のバックグランド強度を含んでいる。すなわち下記式:
【数12】
【数13】
(式中、rbとgbはそれぞれレッドとグリーンのチャネルのバックグランド強度の未知量である)で表される。
【0011】
遺伝子発現比は、バックグランド値を含めて下記のとおりになる。
【数14】
【0012】
式5は、正しい比率Rを解くには、各チャネルのバックグランド強度を知ることが必要であることを示している。正しいバックグランド値を測定することは、rmとgmがrbとgbよりごくわずか高いとき、特に重要である。例えば図1に示すグラフ100は、Rが1であることが分かっている場合、rbとgbを測定する場合のテンカウントエラー(ten count error)の効果を示す。期待される結果をライン105として示す。分母のテンカウントエラーをライン110として示す。分子のテンカウントエラーを115として示す。
【0013】
試験の場合、遺伝子発現比法の感度は、検出システムの感度よりむしろ、バックグランドサブトラクションエラー(background subtraction error)によって限定される。したがってrbとgbの正確な測定は、弱く発現される遺伝子の発現比を測定する場合の重要な部分である。
【0014】
式5を整理すると、下記式:
【数15】
(式中、
【数16】
である)が得られる。式6の最小二乗法曲線あてはめを利用し、rbとgbがその曲線あてはめに関連するすべてのスポット強度に対して一定であると想定して、Rとkの最良当てはめ値を得ることができる。この想定の有効性はマイクロアレイの化学反応によって決まる。しかしその外のバックグランド強度サブトラクション法にはさらに厳しい制限がある。例えば、局所のバックグランド強度は、スポットバックグランド強度の劣った推定値であることが多い。
【0015】
バックグランド曲線当てはめに関連するスポットを選択するのに二つの方法をとった。大部分のマイクロアレイ試験は数千個のスポットを含有してものすごくわずかな%のスポットしか試験によって影響を受けないので、マイクロアレイのすべてのスポットを、式6に曲線当てはめを行うことがおそらく最良である。この方法の改善法は、プロセス制御の欠陥が全くないすべてのスポットを使用する方法である。別の方法としては、アレイ中に発現比コントロールスポット(ratio control spot)を入れて、それらスポットだけを曲線当てはめに使用する方法である。全アレイまたはアレイの少なくとも多数を曲線に当てはめると、バックグランド値の強力な統計的測定がなされるので、前者二つの方法が好ましい。しかし、試験がスポットの大部分に影響する場合は、発現比コントロールスポットを使用することが必要である。
【0016】
常数kは、三つの望ましい値すべての線形結合で構成されているので重要である。rbとgbの一意的な値を曲線当てはめで決定することは不可能であるとはいえ、有用な値を選択するのに使用できる2種の制約条件がある。第一に、バックグランド値は、検出システムのバイアスレベルより大きくかつ測定データの最小値より小さくなければならない。すなわち、制約条件1は下記式で表される。
制約条件1
【数17】
【数18】
【0017】
第二のタイプの制約条件は遺伝子発現モデルに基づいている。試験によって影響を受けずかつゼロ発現に近い遺伝子の場合、試験発現レベルと対照発現レベルの両者は同時にゼロに到達しなければならない。数学的にいえば、r→0になると、g→0になる。この場合、(rm−rb)対(gm−gb)の線形回帰線はゼロ切片(zero intercept)になるはずである。すなわち、適切なrb、gbを選択すると、bがほぼゼロである下記式:
【数19】
で表される線形回帰線が得られる。これは
【数20】
のときに生じる。
【0018】
したがって、上記線形回帰線のゼロ切片をつくるrbとgbの1対の値が、バックグランドサブトラクション定数を引き出すために使用できる第二の制約条件である。式7と式11をgbについて解くと、制約条件2の下記式が得られる。
制約条件2:
【数21】
上記式中、Rとkは式6に対する最良当てはめから得られ、そしてmとbは式10の線形回帰線から得られる。次にバックグランドレベルrbは、gbを式7または式11に挿入することによって計算できる。
【0019】
マイクロアレイスポット強度の曲線当てはめを行うことはほとんど常に可能であるが、制約条件1)と2)を、特に同時に満たすことは必ずしも可能ではない。制約条件1)を満たすことができないことは、その試験が期待された発現比のモデルに当てはまらないかまたは線形予想の一つが当てはまらないことを示している。
【0020】
これら制約条件を満たすことができない自明に近い理由は、スポットの強度が、分析の過程で、不正確に測定されていることである。これが起こるのは一般に、スポットの位置が分析の過程で不正確に測定されている場合である。
【0021】
理想的な環境下では、線形回帰線の傾斜mが最良当てはめ比rに等しいはずであると予想できる。またこれは成功の尺度として使用できる。同時に、線形回帰線のインターセプトbは、rbとgbが制約条件1)を満たすと、ゼロに等しいはずである。
【0022】
発現比分布の統計データ
分子と分母の測定値は、平均値と分散を有する確率変数である。すなわち、下記で表され、
【数22】
式中、rとgは平均値であり、そしてrSDとgSDはrとgの標準偏差である。rとgの比Rも、期待値REと分散rSDを有する確率変数である。すなわち、下記式で表される。
【数23】
【0023】
分子と分母の測定値が通常、分布変数(distributed variable)であると想定して、REとRSDの推定値をテイラー級数展開によってつくることができる。
【数24】
【数25】
上記式中、σrgはスポット内の全画像画素にわたって合計した分子と分母の共分散値である。
【数26】
【0024】
変動係数
マイクロアレイ走査の質およびアレイ内の個々のスポットの評価は、アレイの走査と分析の重要な部分である。この目的のための有用な計量は、前記比率の分布の変動係数(CV)であり、これは簡単に下記式で表される。
【数27】
【0025】
実際には、CVは遺伝子発現比の試験的解答を示している。CVを最小限にすることが、遺伝子発現比の試験を走査し分析する目標でなければならない。RSDを最小限にする方法が、遺伝子発現の解答を改善する最良の方法である。図2に示すグラフ200は、走査された画像を比較した2例を示す。第一スポットの比率はライン205で示し、一方、第二スポットの比率はライン210で示してある。第一スポットはCVが0.21であり、一方、第二スポットはCVが0.60である。第一スポット205の比率の分布は、第二スポット210の比率の分布より狭い。したがって第一スポットは分析するのに一層良好なスポットである。
【0026】
式16は、十分に理解されている現象である前記比率の変動性が、gの関数として劇的に低下することを示している。ゼロに近い雑音の大きい測定値で割算すると非常に雑音の高い結果が生成する。
【0027】
前記比率の分散は、共分散のσrgに対し大きく依存している。σrgの大きな価は、前記比率の変動性を低下させる。共分散に対するこの依存性は、広く知られているわけではない。マイクロアレイ画像の場合、分子と分母の強い共分散は、画像データの三つの特性すなわち分子と分母の画像の優れた配列、スポット画像の真のパターンとテクスチャ、および優れた信号/雑音比(r/rSDおよびg/gSD)の結果である。
【0028】
表1に、変数がどのように結合してRSDを減少させるかを要約してある。
【表1】
【0029】
スポットのCV
CVは基本的な計量であり、そして前記比率の大きさに対する比率分布の幅を示す。図2は、第二スポットが第一スポットより高い比率を有していても、CVが3倍高いことを示す。第二スポットの比率の不確定性は第一スポットの比率よりはるかに大きい。したがって、CVは、スポットを対照集団から分離するのに有用であることに加えて、スポットの質の独立した尺度としても役立つ。
【0030】
平均CV
スポットの全アレイの平均CVは全アレイの質の優れた計量を与える。アレイWoRx αシステムからの走査は、対応するレーザ走査の約1/4の平均CVを有していることが示されている。
【0031】
正規化された共分散
共分散は、チャネル間の位置決めおよび雑音の指標であることが知られている。大きい共分散が通常、良好な徴候である。しかし、低い共分散が、そのデータが不良であることを必ずしも意味せず、そのスポットが滑らかで、ごく小さい強度の分散を有していることを意味している。同様に、高い共分散は、スポット内の真の強度パターンによって生じる場合、必ずしも不良ではない。図3は、標準偏差がスポットの強度が増大するにつれて増大し、その依存関係はほぼ直線的であることを示している。また図3は、測定された標準偏差が計数離散事象(counting discrete event)(統計的雑音)と関連する統計的雑音によって簡単に生じるわけではないことも示している。蛍光の不均一な分布によって起こった実質的な強度パターンを有するスポットは大きな分散と大きな共分散を有している(検出システムが良好に配列されかつ雑音が低い場合)。
【0032】
したがって、これら共分散値と分散値を有用にするため、これらの値は何らかの方法で正規化しなければならない。一般に、この正規化は、共分散値を、スポット強度の分散値の何らかの尺度で割り算することによって達成することができる。スポットの分散を確認するため、チャネルのうちの一つを参照チャネル(例えば緑である対照チャネル)として選択するか、または、すべてのチャネルからの分散の組合せを使用することができる。以下の表は正規化された共分散の計算の例を示す。
【数28】
上記式中、σ’rgは正規化された共分散であり、そしてσrとσgはそれぞれ、チャネル1と2の分散である。
【0033】
図4は、すべてのスポットの共分散値対それらの平均分散(式20に示すような)のプロット400を示す。図4に示すプロット400は、正規化された共分散が非常にばらつきが小さい値であることを示している。図4の点の傾斜は正規化された共分数の典型的な値を示している(正規化された共分数の平均値は類似の結果を示すであろう)。そのグラフのはずれ値は、ほとんど常に、ラインにそってポイントのクラスターの下側に位置している。このようなはずれ点は、スポットの強度の分散が、共分散に比べて異常に高いときに生じる。これらの点を研究すると、これらの点は、汚染蛍光のブライトスペック(bright speck)であることが多いある種の欠陥をもっていることが分かる。
【0034】
全アレイの共分散/分散の相関関係
また、共分散と分散の間の相関関係が系統的に低いのは、スキャナーが、低い分解能、雑音および/またはチャネルの調整不良(misalignment)のために共分散を測定できないことを示す。図4の点の線形回帰線は、スキャナーが共分散を測定できることを示している。ばらつきが大きいプロットは相関関係が低いことを明らかに示している。すなわちチャネル間のスポット強度の分散が一致していないのである。傾斜が小さいのは、スキャナーが、共分散を測定できる割りに分散が大きいことを示している。したがって、図4の線形回帰線の傾斜と相関関係を比較することによって(同じスライドガラスを走査する場合)スキャナーを比較することができる。優れたスキャナーは傾斜が大きい密集した分布を有し、そしてはずれ値は、測定が困難であることよりむしろアレイの構成の質の問題点を示す。正規化された共分散の平均値と標準偏差は、類似の結果を提供するので、それぞれ、傾斜と相関係数の代わりに利用できる。
【0035】
局所バックグランドに近いスポット強度
局所バックグランドに近いかまたは等しいスポットは、バックグランドと区別できない。統計的方法を利用して、スポット内の画素がバックグランドの集団とは統計的に異なるかどうかを確認する。
【0036】
局所バックグランドより低いスポット強度
局所バックグランドより低いスポット強度は、局所バックグランドがいかに付加的でないかを示す良い例である。かようなスポットは必ずしも不良ではないが、定量することがたしかに一層難しい。これは、適正なバックグランド測定法が不可欠の場合である。真の計算されたバックグランドを超える信号が実際にある場合、上記方法はそのようなスポットを利用できる。
【0037】
比率の不整合(配列の問題または「色素の分離」)
この測定法は、強度比の標準測定法を別の方法と比較する。上記標準測定法は、上記のように、平均強度の比率を利用する。比率の別の尺度は、スポットの画素単位の比率の平均値と標準偏差である。妥当な質のスポットの場合、これらの比率とスポットそれぞれの標準偏差は類似している。
【0038】
不整合には二つの主な起源の理由がある。スライドガラスの調製法が該比率に悪影響を与えるアーチファクトを含んでいるか、または測定システムがスポットの強度を適切に測定できないかである。下記の表は不整合の各起源についてより詳細に列挙する。
【表2】
【0039】
上記表に列挙した問題点はすべて、共分散の大きさを小さくすることにも注目すべきである。スライドガラスの調製の問題点の場合、比率の不整合は化学反応の問題点を示し、一方、測定の問題点はスキャナーが不適切であることを示す。
【0040】
本発明の多数の変型は当業技術者には容易に明らかになるであろう。したがって本発明は、本発明の精神または不可欠の特質から逸脱することなく、他の特定の形態で実施することができる。
例えば、具体的な実施態様項としては、
(1) 最小二乗法曲線あてはめの範囲内に入る画像内の複数のスポットを選択し、次いで
前記曲線あてはめ法の範囲内のスポットの定バックグランド強度を測定する、
ことを含んでなる画像のバックグランド強度の測定方法。
(2) 試験画像対対照画像の比率を求めることをさらに含む(1)に記載の方法。
(3) 下記式:
【数29】
(式中、r m とg m は画像の測定値であり、r b とg b は画像のバックグランドの強度であり、そしてkは定数である)から最小二乗法曲線あてはめを決定することをさらに含む(2)に記載の方法。
(4) バックグランドの強度がバイアスレベルより大きくなるように制約条件を適用することをさらに含む(3)に記載の方法。
(5) バックグランド強度が、b=mg b −r b のときに起こり、bがほぼゼロである下記式:
【数30】
の線形回帰線のゼロ切片をつくるように、制約条件を適用することをさらに含む(3)に記載の方法。
(6) バックグランドサブトラクション定数を引き出すことをさらに含む(5)に記載の方法。
(7) マイクロアレイ走査の変動係数を求め、その変動係数を予め定められたしきい値と比較し、次いで
その変動係数が前記予め定められたしきい値より小さい場合、マイクロアレイ走査を選択する、
ことを含む分析のためにマイクロアレイ走査を選択する方法。
(8) 下記式:
【数31】
式中、
【数32】
から変動係数を求めることをさらに含む(7)に記載の方法。
(9) スポットの変動係数を求めることをさらに含む(7)に記載の方法。
(10) 平均変動係数を求めることをさらに含む(7)に記載の方法。
(11) 画像の共分散と分散を求め、
その共分散を正規化し、
その共分散の平均値と標準偏差を求め、次いで
前記共分散の平均値と標準偏差に基づいてデータを選択することを含む画像からデータを抜き出す方法。
(12) 下記式:
【数33】
によって共分散を計算することをさらに含む(11)に記載の方法。
(13) 下記式:
【数34】
(式中、σ’ rg は正規化された共分散であり、そしてσ r とσ g は対照チャネルと試験チャネルの分散である)
にしたがって求積法で分散を加えることによって共分散を正規化することをさらに含む(11)に記載の方法。
(14) 下記式:
【数35】
(式中、σ’ rg は正規化された共分散であり、そしてσ r とσ g は対照チャネルと試験チャネルの分散である)
にしたがって分散を加えることによって共分散を正規化することをさらに含む(11)に記載の方法。
(15) 下記式:
【数36】
(式中、σ’ rg は正規化された共分散であり、そしてσ r とσ g は対照チャネルと試験チャネルの共分散である)
にしたがって対照チャネルの分散を使用することによって共分散を正規化することをさらに含む(11)に記載の方法。
(16) 下記式:
【数37】
(式中、σ’ rg は正規化された共分散でありそしてσ r とσ g は対照チャネルと試験チャネルの分散である)
にしたがって試験チャネルの分散を使用することによって共分散を正規化することをさらに含む(11)に記載の方法。
(17) 画像の共分散と分散を求め、
その分散に対してプロットした共分散の傾斜を求め、次いで
その傾斜が予め定められたしきい値を超えた場合、データを選択する、
ことを含む画像からデータを抜き出す方法。
(18) 平均分散値に対して各共分散値をプロットすることをさらに含む(17)に記載の方法。
(19) 分散に対してプロットした共分散の傾斜にそっていないデータ点を無視することをさらに含む(17)に記載の方法。
(20) 分散に対してプロットした共分散の線形回帰を行って、データ点の分布をつくることをさらに含む(17)に記載の方法。
(21) 密集した分布のデータ点を有する画像を選択することをさらに含む(20)に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様の遺伝子発現曲線である。
【図2】 本発明の一実施態様のいくつものスポットの各画素について計算した比率の分布を示すグラフである。
【図3】 平均信号に対してプロットしたスポット強度の標準偏差を示すグラフである。
【図4】本発明の一実施態様の分散の関数として共分散をプロットしたグラフである。
Claims (2)
- DNAマイクロアレイ中の複数のスポットから画像データを得、
これらの複数の画像データからデータを選択し、
次いで、前記複数データの定バックグラウンド強度(r b ,g b :r b は試験画像のバックグラウンドの強度、g b は対照画像のバックグランドの強度である)を決定し、試験画像(r=r m −r b :式中、r m は試験画像の測定値である)対対照画像(g=g m −g b :式中、g m は対照画像の測定値である)の発現比率(R=r/g)を決定するための画像のバックグランド強度の決定方法であって、
前記定バックグラウンド強度(r b ,g b )は、前記複数データを下記式:
【数1】
r m =R(g m −g b )+r b =Rg m +k
(式中、kは定数である)に基づいて、最小二乗法曲線あてはめにて行い、
次に制約条件として、下記式:
【数2】
(r m −r b )=m(g m −g b )+b
(式中、mは傾き、bは切片である)の線形回帰線の切片bがほぼゼロとなる、を適用することによって決定するバックグランド強度の決定方法。 - 請求項1に記載のバックグラウンド強度の決定方法であって、
更に、制約条件として、バックグランドの強度が、検出システムのバイアスレベル(r bias ,g bias :r bias は検出システムのバイアスレベル、g bias は検出システムのバイアスレベルである)より大きくなり、測定データの最小値(r min ,g min :r min は試験画像の測定データの最小値、g min は対照画像の測定データの最小値である)よりも小さくなること(すなわち、r bias ≦r b ≦r min 及びg bias ≦g b ≦g min )を適用することによって決定するバックグランド強度の測定方法。
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