JP4302655B2 - 建物の緑化方法及びそれに用いられる緑化用栽培地 - Google Patents

建物の緑化方法及びそれに用いられる緑化用栽培地 Download PDF

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Description

本発明は、建物の緑化方法及びそれに用いられる緑化用器具に関し、さらに詳細には、建物の上又は外壁面に植生を繁茂させて建物を緑化するに好適な方法及びそれに用いるに好適な器具に係る。
近時、大都市の中心部などにおいて、冷暖房設備からの排気、自動車の排気ガスおよび道路の舗装面からの熱線などの反射などにより気温が局部的に著しく上昇する、所謂、ヒートアイランド現象を防止するために、また、大気中の炭酸ガスの量を減少せしめるために、さらには冷房用電力の節減のために、たとえば、ビルの屋上で各種の植生を栽培する、所謂、屋上緑化が提唱され、一部の自治体においては既に法制化され、また、法制化される気運が高まりつつある。
このような状況下で、既に屋上緑化方法および屋上緑化装置は、多数提案されている。すなわち、たとえば、特開平9−140252号公報においては、建物の緑化区域を覆ってパーゴラ等の棚を造るとともに、該棚に対して該屋上の適宜箇所にプランターを設備し、該プランターに植栽したつる植物の枝葉を誘引して屋上を緑化するようにしたことを特徴とする屋上緑化方法が開示されている。
また、特開2002−38663号公報においては、屋根の上に複数の支柱を立て、それらの支柱間に架け渡した骨組材を支持部材として植栽を施してなることを特徴とする屋上の緑化装置が開示されている。しかして、この屋上の緑化装置においては屋上の上に設置したプランターにおいて落葉性の蔓性植物が栽培されている。
また、本発明者は、特願2004−199874号において、建物の上に複数の骨組材を架け渡し、これらの骨組材の少なくとも1つを上面が開口した管体とし、該管体の内部に植生の栽培地としての根部保持材を収納せしめることにより、該管体から植生を繁茂させる屋上の緑化方法を提案した。
しかしながら、前記各文献に記載の屋上緑化方法および屋上の緑化装置は、屋上のみの緑化を対象としたものであり、建物の外壁面の緑化を対象としておらず、また、屋上全体を同一の植生で覆うものであり、その外観は均一なもので変化に乏しく、単調な印象を与えるものに過ぎない。
特開平9−140252号公報 特開2002−38663号公報
本発明の目的は、建物の屋根又は屋上や外壁面に植生を繁茂させることによって建物を緑化する方法であって、建物の部分によって、繁茂した植生の外観を異ならせることにより、建物に変化に富んだ外観を与えることができる方法及びそれに用いるに好適な緑化用器具を提供することにある。
本発明の第一の局面によれば、建物の上又は外壁面に長細い栽培地を配置し、該栽培地から単一種類の植生を繁茂させることからなる建物の緑化方法において、該栽培地の一端から他端へ向けて水性肥料の種類または濃度を異ならせることにより、又は前記栽培地の箇所によって温度の異なる培養液を供給することにより、前記植生の育成条件に変化を与え、前記植生の外観に変化をもたらすことを特徴とする建物の緑化方法が提供される。
本発明の緑化方法で用いられる栽培地としては、例えば、上面に開口部を備えた管状部材を使用でき、具体的には、長軸線に沿った一条の開口部が上面に切り欠かれてなる管状部材からなり、その内部に植生の根保持部材を収容してなるものが使用できる。この管状部材は、植生栽培時に、大きく変形しない程度の強度を有し、さらに植生を栽培するに充分な大きさであればよい。材質は、使用時の環境下において腐食されない材質でさえあればよく、例えば、合成樹脂、アルミニウム、酸化被膜を有するアルミニウムおよびステンレスなどの不銹鋼などの金属、木材などが好適である。管状部材の上面の開口部の大きさには特に制限はないが、小さくとも手指の先が挿入できる程度であることが必要である。管状部材の長軸線に実質的に垂直な断面の形状(以下 断面形状 と記すこともある)には特に制限はなく、楕円乃至長円および円などの円類ならびに四角形乃至八角形程度の多角形などが好ましい。開口部は、断面形状が円類の場合には円周の一部、多角形の場合には一辺または一辺の一部を管状部材の長軸線に沿って切り欠いて形成することができる。かかる管状部材として、市販のC形鋼を使用すると好都合である。
別法として、栽培地として、長手方向に沿って所定の間隔をおいて複数の開口部を備えた管状部材からなり、その内部に植生の根保持部材を収容してなる栽培地を使用することができ、特に、建物の外壁の緑化を行うために好都合である。管状部材は、上記栽培地と同様であってよく、開口部は複数備えている以外、上記栽培地と同様に形成できる。
かくして、本発明の第二の局面によれば、内部に単一種類の植生の根保持部材を収容し、その長手方向に沿って所定の間隔をおいて複数の開口部を有する細長い管状部材と、前記開口部の夫々に隣接して設けられ、前記管状部材の内部に水性肥料を供給する複数の導管と、前記各導管に異なる濃度、種類、又は温度の前記水性肥料を供給する水性肥料供給手段とを備えることを特徴とする建物の緑化用栽培地が提供される。
本発明において、前記根保持部材は、透水性があり、そこに植生が根を伸ばしたり巻きついたりすることのできるものであれば特に限定されない。根部保持材は、植生の種子を播種したり、または幼植物を移植し、小孔内で植生の根部を保持し、さらには水および液肥などの培養液を流通せしめ、栽培地として機能する。植生の種子を播種したり、または幼植物を移植するための孔を根部保持材に穿設してもよい。
根部保持材として、たとえば、稲藁、麦桿などを丸めたもの、コルク、故紙の他、発泡ポリプロピレン、発泡ポリウレタン、発泡ポリスチレン、発泡ポリ塩化ビニルなどの発泡プラスチック、バーミキュライト、粒状ゼオライト、成形ゼオライトなどのような多孔体を挙げることができ、植生の種類に応じて、適宜選択して用いられる。根部保持材は、粒状品および成形品の何れであってもよいが、成形品の方が風雨によって容易に飛散しないため好ましい。また、保水性が大きく、肥効の持続期間が長い点から、成形ゼオライトが好ましい。成形ゼオライトはゼオライトブロックとも呼ばれ、粒状ゼオライトの粒子同士間に間隙を空けて粒子同士間を互いに固着せしめ、たとえば、円柱状および四角柱状などの所望の形状に成形したものである。なお、所望の形状の布袋に粒状ゼオライトを充填して成形ゼオライトとすることもできる。
ゼオライトには、所謂、沸石と称される天然ゼオライトおよびけい素とアルミニウム分とを水酸化ナトリウムの存在下で水熱合成して得られる人工ゼオライトがあるが、両者とも根部保持材として好適に使用することができる。シリカとアルミナとの比および陽イオン交換能の大きさなどが異なるものを任意に選択できることから人工ゼオライトが好ましい。
本発明において使用される植生は、通常、建物の屋上に設けられた骨組材や工場などのスレートあるいは鋼鈑屋根から少し浮かせて配置された誘引棚や建物の外壁面に沿って繁茂するつる性植物が好ましい。つる性植物としては通年落葉しない常緑つる性植物および秋〜冬に落葉する落葉つる性植物のいずれをも使用することができる。すなわち、常緑つる性植物は落葉を収集、除去する必要がないので維持管理が容易であるとの利点があり、他方、落葉つる性植物は秋〜冬には落葉し、つる同士の間には大きな間隙ができ、この間隙を透して太陽光が建物の屋根、屋上および壁面に、直接、照射するので、暖房用エネルギーを節減し得るとの利点がある。常緑つる性植物としては、耐寒性および耐暑性が共に極めて大きいことから、ヘデラ・ヘリックスが最も好ましいが、気象条件によってはテイカカズラおよびベアグラスなども好適に使用することができる。
つる性植物以外の植物としては、たとえば、ちがや、おひしば、えのころぐさ、すずめのひえ、すすき、ちからしばおよびめがるかやなどの狭葉植物、ならびに、さぎごけ、ほとけのざ、きらんそう、たかとうだい、からすのえんどう、みやこぐさ、やえむぐら、やぶまおおよびおにやぶまおなどの広葉植物などを挙げることができる。
本発明において使用される植生は多年性植物が好ましいが、1〜2年性植物を使用することもできる。なお、常緑でなく、葉や茎が季節により枯れる種類の植物を使用する場合、落葉等により周辺への飛散が問題となる場合があるが、この場合はネットなどで対策するか夏季を過ぎた時点で刈り取るなどの処置をすることが好ましい。
上記つる性植物を建物に沿って適切に繁茂させるためには、建物に適当な誘引具を設置し、つるの伸張に伴って自然または人為的に伸延できるようにしておくことが有効である。
本発明は、栽培地から単一種類の植生を繁茂させることからなる建物の緑化方法において、建物の上、すなわち屋上や屋根、又は建物の外壁面に長細い栽培地を配置し、栽培地の一端から他端へ向けて水性肥料の種類または濃度を異ならせることにより、又は前記栽培地の箇所によって温度の異なる培養液を供給することにより植生の育成条件に変化を与えることとしたので、緑化された建物の外観に色彩のグラデーションなどのような変化をもたらすことが可能となる。また、本発明の建物の緑化方法は、建物が既設であるか新設であるかを問わずに簡易に設置でき、保守に多くの手間と費用を要しない。
また、本発明の緑化用栽培地は、内部に単一種類の植生の根保持部材を収容し、その長手方向に沿って所定の間隔をおいて複数の開口部を有する細長い管状部材と、開口部の夫々に隣接して設けられ、管状部材の内部に水性肥料を供給する複数の導管と、各導管に異なる濃度、種類、又は温度の前記水性肥料を供給する水性肥料供給手段とを備えることとしたので、緑化された建物の外観に色彩のグラデーションなどのような変化をもたらすことが可能となる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体例について説明する。
図1は、クーリングタワー51、変電設備52、建屋53等の設備が存在するビルの屋上及び外壁面の緑化に本発明を適用した具体例を示す。具体的には、図1の例では、建屋53以外の屋上の床面に、適当な間隔で多数の支柱1を立設し、これらの支柱1の間に多数の骨組材2を格子状に架け渡し、いわゆる切妻屋根の枠組みを形成している。そして、棟木に当たる骨組材2の上に、長細い栽培地20を配置している。この栽培地20は、長軸線に沿って一条の開口部が上面に切り欠かれてなる管状部材からなり、例えば、市販のC形鋼を用いて作成することができ、当該管状部材の内部に根保持部材23を備えている。なお、当該管状部材を骨組材2として使用し、当該管状部材が骨組材2及び栽培地20の両者の機能を兼ねるようにしてもよい。
図1に示されるように、栽培地20の一端には導管31が連結されており、この導管31を介してポンプ32を用いて栽培地20に水や水性肥料などの培養液が供給される。栽培地20に供給された培養液は、栽培地20の他端から排出又は回収される。
さらに、図1の具体例では、建物の外壁面に、最上階の窓の下辺に沿って長細い栽培地30が配置されている。この栽培地30としては、上記栽培地20と同様に、長軸線に沿った一条の開口部が上面に切り欠かれてなる管状部材、例えば、市販のC形鋼を用いたものとしてもよいが、図1の具体例では、図2に詳細に示されるような栽培地30を使用している。この栽培地30は、内部に植生の根保持部材23を収容した管状部材からなり、その長手方向に沿って所定の間隔をおいて複数の開口部35a,35b,35c,35d…を備えている。この開口部35a,35b,35c,35d…は植生の植え込み口として機能するに十分な寸法を備えていればよく、さらには、開口部35a,35b,35c,35d…の開口寸法を拡張できるように、各開口部35a,35b,35c,35d…の両側に開閉自在の扉36a,36bを備えていることが好ましい。扉36a,36bは、植生の植え込み口の広さを調節するために使用できるだけでなく、全開することにより、毛根の管理、吸引等による栽培地30の清掃が簡単に行えるので好都合である。
栽培地30は、後述する案内部材7とともに建物の外壁面に釘、ねじ、ボルト等で直接固定してもよく、または、適当な連結手段を用いて窓枠に固定してもよい。また、保守を容易にするために、栽培地30は、建物の窓から手の届く位置に固定することが好ましい。特に、開口部35a,35b,35c,35d…が建物の窓の直下に位置するように栽培地30を配置すると、窓から植生の植え替えや毛根の手入れが容易に行えるので好ましい。また、建物の外壁面には、図示の最上階以外の下階の窓の下辺に沿って同様の栽培地30を設けることなどにより、複数条の栽培地30を設置することもできる。
栽培地30に水や水性肥料などの培養液を供給するためには、図3に示されるように、例えば、建物の壁4の貫通穴41から導管などを介して、建物の室内から栽培地30の一端に水や水性肥料などの培養液を供給し、栽培地30の他端から水や水性肥料などの培養液を排出又は回収するようにすればよい。建物の壁4にエアコン配管用などの貫通穴が既に設けられている場合、導管は、この貫通穴を利用して配設してもよい。
なお、栽培地30は、建物の外壁面のみならず、屋上に配置して使用してもよく、上記栽培地20(図1参照)の代わりとして使用することもできる。また、工場などの建物の屋根に設置してもよく、この場合、栽培地30は、屋根のスレートまたは鋼鈑の上に適当な脚部材を組み立て、該脚部材によって栽培地30を支持させるとよい。
本発明では、栽培地20,30の一端から他端へ向けて植生の育成条件に変化を与えることにより、植生の外観に変化をもたらすことを特徴とする。植生の育成条件に変化を与えるためには、栽培地20,30の一端から他端に向けて水性肥料の種類または濃度を異ならせることが有効である。
水性肥料の濃度を異ならせるためには、例えば、図4(A)に示されるように、栽培地30の開口部35a,35b,35c,35d…のそれぞれに隣接させて壁4の貫通穴41を通過する導管を設け、栽培地30の一端に最も近い開口部35aに隣接する貫通穴41を通過する導管から所定の濃度の水性肥料を含有する培養液を栽培地30の中に供給し、栽培地30の中を流通した培養液を、他端に設けられた管37から回収するようにする。このためには、栽培地30を、上記一端から上記他端に向けて僅かに下方に傾斜するように配置して、栽培地30の中を培養液が自然に上記一端から上記他端に向けて流下するようにしてもよいし、管37にポンプ(図示せず)を接続して栽培地30内の培養液を吸引するようにしてもよい。そして、栽培地30の残りの開口部35b,35c,35d…に隣接する貫通穴41を通過する各導管から水性肥料を含まない水、又は、より低濃度若しくはより高濃度の水性肥料を含む培養液を栽培地30に流し込むことにより、各開口部35a,35b,35c,35d…における水性肥料の濃度に勾配を設けることができる。
ヘデラへリックスなどのつる性植物は、水性肥料の量を少量にすると、葉の大きさが小ぶりになり、色合いも黄色がかったり模様が現れたりする一方で、水性肥料の量を多量にすると葉の大きさが大きくなり、色合いも緑の濃いものとなる。したがって、上記のように水性肥料の濃度を変化させることによって、葉の大きさや色又は模様を異なったものとすることができ、かくして、緑化された建物の外観にアクセントやグラデーションをもたらすことができ、また、季節や好みによって自在に建物の外観の色調を変えて楽しむことができる。
また、植生によっては、水性肥料の種類によって、葉の大きさや成長速度が異なるものもある。したがって、各開口部35a,35b,35c,35d…に隣接する各導管41から異なる種類の肥料を供給することによっても、緑化された建物の外観にアクセントやグラデーションをもたらすことができる。
また、つる性植物は、最適温度で最も成長が早くなり、このため、温度によって成長速度が異なる。したがって、栽培地の箇所によって温度の異なる培養液を供給することにより植生の育成条件に変化を与えることができる。そのためには、たとえば、各開口部35a,35b,35c,35d…に温度の異なる培養液を供給する方法が挙げられ、また、端部に近い開口部35aから加温した培養液を供給し、管37の方向へ流れるにつれて自然冷却によって温度が低下するようにする方法が挙げられる。
上記のような水性肥料の濃度を異ならせる方法と、各開口部から供給する培養液の温度を異ならせる方法と併用すれば、さらに、育成条件に多様な変化を与えることができ、緑化された建物の外観に更に多くのアクセントやグラデーションをもたらすことができる。また、各開口部35a,35b,35c,35d…加温した培養液を供給することにより、冬季の凍結防止を図ることもできる。
図4(B)は、植生の育成条件に変化を与えるための別の方法を示すものである。図4(B)の例では、栽培地30は、その内部に複数の隔壁34が設けられて、各開口部35a,35b,35c,35d…に連通するそれぞれの区画に分離されている。すなわち、各区画は隔壁34によって相互に連通していない独立した空間に仕切られている。そして、各区画にはそれぞれ貫通穴41を通過する導管が連通している。
したがって、各区画毎に貫通穴41から供給する水性肥料の濃度や種類を異ならせたり、培養液の温度を異ならせることにより、建物の緑化にアクセントやグラデーションなどの変化をもたらすことができる。
図4(C)は、植生の育成条件に変化を与えるためのさらに別の方法を示すものである。図4(C)の例では、栽培地30は、栽培地の長手方向に沿って並行する複数の長細い区画38a,38b,38cに区画されている。そして、各区画38a,38b,38cには、それぞれ開口部35a,35b,35cが、栽培地30の長手方向に所定の間隔をおいて相互に重なり合わない位置に設けられている。かくして、各区画38a,38b,38cのそれぞれの両端付近に、壁4の貫通穴41を通過させた導管42(図では1本のみしか示していないが、実際は、区画の数の導管42が存在する)を連結し、ポンプ43によってそれぞれの区画38a,38b,38cに異なる濃度の水性肥料や温度の異なる培養液を循環させることにより、各開口部35a,35b,35cから繁茂する植生の色や密度などに変化をもたらすことができる。図4(C)の例では、導管42を壁の2箇所で通過させればよいので、図4(A)及び(B)の例よりも建物に損傷を与えることが少なく、簡易に設置できる点で好都合である。
図4(D)は、植生の育成条件に変化を与えるための、またさらに別の方法を示すものである。図4(D)の例では、栽培地30は、その内部に2つの隔壁34が設けられて、各開口部35a,35b,35cに連通する3の区画に実質的に分離されているが、各区画にわたり、3本のホースなどの導管42a,42b,42cが配設されている。すなわち、各導管42a,42b,42cは、室内から壁4の貫通穴41を通って栽培地30の一端にて栽培地30の中に導入され、各隔壁34を貫通し、栽培地30の他端から壁の貫通穴41を通って室内へ戻されている。そして、各導管42b,42c,42aは、それぞれ、開口部35a,35b,35cに連通するそれぞれの区画で小孔44を備えている。したがって、ポンプ(図示せず)などによって、各導管42b,42c,42aに培養液を循環させると、開口部35a,35b,35cに連通するそれぞれの区画に小孔44から培養液を供給することができる。それぞれの導管42b,42c,42aに異なる濃度の水性肥料や温度の異なる培養液を循環させることにより、各開口部35a,35b,35cから繁茂する植生の色や密度などに変化をもたらすことができる。図4(D)の例も、図4(C)の例と同様に、導管42は2箇所で壁4を貫通させればよいので、図4(A)及び(B)の例よりも建物に損傷を与えることが少なく、簡易に設置できる点で好都合である。
つる性植物を用いて建物を緑化する場合、つる性植物が建物の外壁面や屋上の骨組材2の方向へ適正に伸長するようにする必要がある。特に、建物の外壁面にはつる性植物が絡みつく部位が少ないので、栽培地30付近に適当な誘引具を設置することが望ましい。本発明においては、誘引具として、図5に詳細に示されるものを使用するとよい。
図5の誘引具6は、案内部材7に係合して案内される係合部61を備えてなる。図示の例では、案内部材7はカーテンレールのような断面C型の部材からなり、係合部61は同一の軸に設けられた1対のローラからなる。そして、ローラの軸には、該軸に取り付けられた針金状の竿部62の一端が取り付けられ、該竿部62の他端には針金状の捕捉部63が設けられている。竿部62及び捕捉部63は、つる性植物の整形を容易に行えるように、手で自由に折り曲げて変形できるものであることが好ましいが、捕捉部63については弾力性があり押し広げてつるを捕捉した後,元の形状を保つものであっても良い。かくして、誘引具6の係合部61を断面C型の案内部材7の溝部に挿通させることにより、誘引具6は、捕捉部63を案内部材7から上方に突出させた状態で、案内部材7に沿って自由に移動できる。
本発明によって建物の外壁を緑化する場合、案内部材7は栽培地30に隣接して設けられることが好ましい。例えば、案内部材7は、図2及び図3に示されるように、栽培地30の長手方向に沿って配置するとよい。この場合、捕捉部63を環状に折り曲げて、その環の間に、栽培地30から伸長したつる性植物のつるを通過させるようにして捕捉し、さらに、竿部62を折り曲げたりすることによって、つるの伸長方向を建物の外壁の適正な箇所へ向けることができ、かくして、つる性植物が適正な方向に伸長するように誘引することができ、また、強風時につる性植物を固定するためにも役立つ。また、つる性植物が成長して更に伸長した場合、誘引具6を案内部材7に沿ってスライドさせることにより、つるの伸長方向を適正な方向に向けたりすることで、植生の整形を行うことができる。
本発明の建物の緑化方法及びそれに用いられる緑化用器具は、建物の屋上や外壁面の緑化に好適であり、既設及び新設の建物の何れにも広く適用することができる。
本発明の建物の緑化方法の一例を示す概略斜視図である。 図1で外壁の緑化に用いられている本発明の栽培地の一部を拡大して示す斜視図である。 本発明の栽培地の配置例を示す概略縦断面図である。 図3の栽培地の配置の一例を示す概略横断面図である。 図3の栽培地の配置の他の例を示す概略横断面図である。 図3の栽培地の配置のさらに他の例を示す概略横断面図である。 図3の栽培地の配置のまたさらに他の例を示す概略横断面図である。 本発明の誘引具を案内部材とともに拡大して示す斜視図である。
符号の説明
1…支柱、2…骨組材、20,30…栽培地、23…根部保持材、3…植生、31…導管、32…ポンプ、34…隔壁、35a,35b,35c,35d…開口部、36a,36b…扉、37…管、4…壁、41…貫通穴、42…導管、6…誘引具、61…係合部、62…竿部、63…捕捉部、7…案内部材。

Claims (8)

  1. 建物の上又は外壁面に長細い栽培地(20,30)を配置し、該栽培地(20,30)から単一種類の植生(3)を繁茂させることからなる建物の緑化方法において、該栽培地(20,30)の一端から他端へ向けて水性肥料の種類または濃度を異ならせることにより、又は前記栽培地(20,30)の箇所によって温度の異なる培養液を供給することにより、前記植生(3)の育成条件に変化を与え、前記植生(3)の外観に変化をもたらすことを特徴とする建物の緑化方法。
  2. 前記栽培地(20,30)は建物の窓から手の届く位置に固定されている請求項1に記載の方法。
  3. 前記栽培地(20,30)は、上面に開口部を備えた管状部材である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記植生(3)はつる性植物である請求項1乃至の何れか1項に記載の方法。
  5. 前記つる性植物はヘデラへリックスである請求項に記載の方法。
  6. 内部に単一種類の植生の根保持部材(23)を収容し、その長手方向に沿って所定の間隔をおいて複数の開口部(35a,35b,35c,35d)を有する細長い管状部材と、前記開口部(35a,35b,35c,35d)の夫々に隣接して設けられ、前記管状部材の内部に水性肥料を供給する複数の導管と、前記各導管に異なる濃度、種類、又は温度の前記水性肥料を供給する水性肥料供給手段とを備えることを特徴とする建物の緑化用栽培地。
  7. 前記根部保持材(23)が多孔体である請求項に記載の栽培地。
  8. 前記根部保持材(23)がゼオライト成形体である請求項に記載の栽培地。
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