JP4302614B2 - リチウムイオン電池の管理装置および容量算出方法ならびにコンピュータプログラム - Google Patents

リチウムイオン電池の管理装置および容量算出方法ならびにコンピュータプログラム Download PDF

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Description

この本発明は、リチウムイオン電池の管理装置および容量算出方法ならびにコンピュータプログラムに関する。特に、本発明は、通信用等の種々の電源においてバックアップ用として使用される、リチウムイオン二次電池の組電池について、状態管理を行うリチウムイオン電池の管理装置および容量算出方法ならびにコンピュータプログラムに関する。
従来、通信用電源や非常用電源においては、バックアップ用として蓄電池が使用されてきており、この様な目的で設置された蓄電池としては、鉛蓄電池が主流になっている。鉛蓄電池は、使用実績も多く、長期間使用した際の性能も安定しており、信頼度の高いものである。鉛蓄電池の最も特徴的なことは、出力電圧が2Vと低いものの、数千Ahという大容量の電池の作製が可能であること、特別な電池保護装置を設置すること無しに単純に充電器と接続した状態で充電を行う事が出来ること、水溶液電解液を使用していることによる電圧上昇の抑制が可能であること、等が挙げられる。特に、水溶液系の電解液を使用すると、万一、整流器のトラブルによって電池の過充電が行われても、電池の充電反応完了後は水の電気分解反応に移行するので、端子電圧の最大上昇値はこの反応の進行電圧(約3V)となって、それ以上の電圧上昇は抑制されるという安全動作が有る。
この様に、鉛蓄電池は、電源システム内で使用する場合、非常に使いやすい特徴を備えている。しかし、電池の大半が、電極材料である鉛系材料で占められているため、単位エネルギー当たりの電池重量・体積が大きい。即ち、同一のエネルギーを貯蔵する場合、電池の占有スペースが大きく、重量がかさむということになる。この様な問題は、単位エネルギー当たりの電池重量・体積が小さい、言い換えれば、単位重量・体積当たりの放電エネルギーが大きい二次電池を使用すれば、解決可能である。
二次電池の中でエネルギー密度が大きい電池としては、リチウムイオン二次電池がある。図14は、リチウムイオン電池の原理を説明するための図である。
リチウムイオン二次電池は、正極にリチウムと金属の酸化物、負極に炭素系材料を使用して構成された電池であり、充放電時の反応は、正極の材料から遊離したリチウムイオンの負極と正極での移動によっている。充電時は、リチウムイオンが炭素内へトラップされ、放電時は、リチウムイオンが正極酸化物に移動し、内部に取り込まれる。
このリチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が大きいことから搭載装置の小型軽量化に大きく貢献し、携帯電話端末、パソコン等に広く使用されてきている。この様な小型機器では、機器の動作電圧が低く、リチウムイオン二次電池の出力電圧が4V程度有るため、電池を1個、ないしは3個程度直列に接続するだけで機器の動作が可能である。リチウムイオン二次電池はこの様に、機器のコンパクト化に貢献しているが、鉛蓄電池と異なり有機液体を主成分とした電解液が使用されるため、充電時に、鉛蓄電池の様な端子電圧の上昇抑制機能が働かない。従って、充電時には、端子電圧のモニタと上昇防止対策が必要である。また、放電時には、端子電圧が一定値まで低下したら放電を停止させる事が必要である。これは、電極から負荷への電気の通路となる導電材として使用される銅(負極側)が、先の電圧以下でイオンとして溶解し始めるためである。溶解した銅イオンは、不純物として電池反応の阻害要因となる。
この様に、このリチウムイオン二次電池の使用にあたっては、電圧の監視によって充放電の制御を行うことが必要である。また、温度監視を行い、一定の温度まで到達した場合には、電池の充電を停止させる等の対策も必要である。従来、携帯電話では、温度監視等によるリチウムイオン二次電池の充電制御が行われている(例えば、非特許文献1参照)。また、この様なリチウムイオン二次電池用の充電制御用として専用のICも開発されている(例えば、非特許文献2参照)。
一方、近年、電気自動車用として容量が100Ahのリチウムイオン二次電池の開発が進められている。この様なリチウムイオン二次電池の組電池においては、組電池の充電制御回路と共に使用するようになっており、充放電制御や各セル電圧の監視が行われている(例えば、非特許文献3参照)。しかし、電気自動車用として使用される電池の使用形態は、充放電の繰り返しであり、充電の制御と放電の管理が行われている程度である。
この様な中で、近年、一般の電源に使用されるバックアップ用としてのリチウムイオン二次電池の製造も行われつつある。しかし、バックアップ用電源で使用する場合、蓄電池の状態把握として、これまで上で述べてきたような充放電制御以外にも、蓄電池の残使用可能年数、残容量把握、等が望まれる。通信用の電源システムでは、予備電源として使用されるシール鉛蓄電池を対象とした、遠隔監視装置が有り、蓄電池の端子電圧や内部抵抗の測定等が行われている(例えば、非特許文献4参照)。しかし、リチウムイオン二次電池に関しては、この電池がバックアップ用で使用された事がほとんど無かったため、リチウムイオン二次電池を対象にした管理装置は開発されていなかった。
カズヒコ タケノ、他(Kazuhiko Takeno, et-al),「携帯電話の商用リチウムイオン電池パックのためのエネルギー保護及び管理方法(Methods of Energy Conservation and Management for Commercial Li-ion Battery Packs of Mobile Phones)」,INTELE03会報(Proceeding of INTELE03),15−1,pp.310 「2001バッテリー技術シンポジウム」,4−2−1,日本能率協会 GSニューステクニカルレポート(GS News Technical Report),Vol.59,No2,pp.23,2000年 キヨシ タカハシ(Kiyoshi Takahashi),ユウイチ ワタカベ(Yuichi Watakabe),「商用VRLAバッテリーストリングのためのSOH監視システムの開発(Development of SOH Monitoring System for Industrial VRLA Battery String)」,INTELEC03会報(Proceeding of INTELEC03),35−1,pp.664
このように、電源システムでバックアップ用としてリチウムイオン二次電池を使用したときの管理システムとして、充放電制御の他、蓄電池の残使用可能年数、残容量把握、等を行うことが望まれていた。
しかしながら、従来、この電池がバックアップ用で使用された事がほとんど無かったため、リチウムイオン二次電池を対象にした専用の管理装置は開発されていなかった。このため、リチウムイオン二次電池を組電池としてバックアップ電源に組み込んで使用した場合、日常の電池の状態管理、放電・回復充電時の電池の残容量把握等が行えず電池の管理が困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、リチウムイオン二次電池をバックアップ用として使用する際の管理を行うことができるリチウムイオン電池の管理装置および容量算出方法ならびにコンピュータプログラムを提供することをその目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、標準の温度におけるリチウムイオン二次電池の寿命期間データ、温度とこの温度においてリチウムイオン二次電池を連続使用したときの寿命である連続寿命期間との関係データ、リチウムイオン二次電池の経時的な容量低下特性データ、及び、リチウムイオン二次電池の温度と蓄電池容量との関係を示す蓄電池容量の温度変化特性データを記憶する電池基礎データ記憶手段と、管理対象のリチウムイオン二次電池の充放電における電流の測定値の情報、前記リチウムイオン二次電池の温度の測定値の情報、及び、商用電源の給電の情報を受信する受信手段と、前記受信手段を介して受信した給電の情報及び電流の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の充放電の状態を判断し、充放電が行われていない待機状態においては、前記受信手段を介して受信した温度の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の残存容量及び残存寿命を算出し、放電状態においては、前記受信手段を介して受信した放電電流の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の残存容量を算出し、充電状態においては、前記受信手段を介して受信した充電電流の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の残存容量を算出する演算手段と、を備え、前記演算手段は、前記電池基礎データ記憶手段内の温度と連続寿命期間との関係データから前記標準の温度における連続寿命期間Lsと前記標準の温度を超える温度における連続寿命期間Ltとを読み出し、この連続寿命期間Lsと連続寿命期間Ltとの比Ls/Ltを前記標準の温度を超える温度における使用期間に乗じることにより、前記標準の温度を超える温度における使用期間を前記標準の温度における使用期間に換算する使用期間換算手段と、前記標準の温度以下の温度における前記リチウムイオン二次電池の使用期間の積算と、前記標準の温度を超える温度における前記リチウムイオン二次電池の使用期間を前記使用期間換算手段により前記標準の温度における使用期間に換算した使用期間の積算とを加算して標準状態における使用期間を算出し、この算出した標準状態における使用期間を、前記電池基礎データ記憶手段から読み出した前記標準の温度における寿命期間から差し引いて前記残存寿命を算出する残存寿命算出手段と、
待機状態において、前記残存寿命算出手段によって算出された前記標準状態における使用期間に相当する蓄電池容量を前記電池基礎データ記憶手段内の容量低下特性データから取得するとともに、この取得した蓄電池容量を、前記電池基礎データ記憶手段内の蓄電池容量の温度変化特性データを参照して、前記リチウムイオン二次電池の温度における蓄電池容量に換算して残存容量を取得する第一の残存容量取得手段と、放電状態において、前記受信した放電電流の測定値の情報から得られる放電電流の測定値及び放電持続時間の積で算出される放電電気量を、前記第一の残存容量取得手段によって取得した残存容量から減算して残存容量を算出する第二の残存容量取得手段と、充電状態において、前記受信した充電電流の測定値の情報から得られる充電電流の測定値及び充電持続時間の積で算出される充電電気量を、前記第二の残存容量取得手段によって算出された停電が回復した時点の残存容量に加算して残存容量を算出する第三の残存容量取得手段とからなる、ことを特徴とするリチウムイオン電池の管理装置である。
また、本発明は、上述するリチウムイオン電池の管理装置であって、前記受信手段は、さらに、前記リチウムイオン二次電池の電圧の測定値の情報を受信し、前記受信手段により受信した電圧の測定値の情報により、前記リチウムイオン二次電池の電圧が所定の範囲を超えたと判断した場合には、警報を出力する出力手段をさらに備える、ことを特徴とする。
また、本発明は、上述するリチウムイオン電池の管理装置であって、前記受信手段は、検出端が前記リチウムイオン二次電池の充放電ラインに接続される電流センサから電流の測定値の情報を受信し、検出端が前記リチウムイオン二次電池の近傍に接続される電池温度センサから温度の測定値の情報を受信し、検出端が前記商用電源の給電ラインに接続される停電検出センサから商用電源の給電の情報を受信し、検出端が少なくとも一個の前記リチウムイオン二次電池の端子に接続される電圧センサから電圧の測定値の情報を受信する、ことを特徴とする。
また、本発明は、リチウムイオン電池の管理装置に用いられる容量算出方法であって、前記リチウムイオン電池の管理装置は、標準の温度におけるリチウムイオン二次電池の寿命期間データ、温度とこの温度においてリチウムイオン二次電池を連続使用したときの寿命である連続寿命期間との関係データ、リチウムイオン二次電池の経時的な容量低下特性データ、及び、リチウムイオン二次電池の温度と蓄電池容量との関係を示す蓄電池容量の温度変化特性データを記憶する電池基礎データ記憶手段を備え、管理対象のリチウムイオン二次電池の充放電における電流の測定値の情報、前記リチウムイオン二次電池の温度の測定値の情報、及び、商用電源の給電の情報を受信する受信過程と、前記受信した給電の情報及び電流の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の充放電の状態を判断し、充放電が行われていない待機状態においては、前記受信した温度の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の残存容量及び残存寿命を算出し、放電状態においては、前記受信した放電電流の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の残存容量を算出し、充電状態においては、前記受信した充電電流の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の残存容量を算出する演算過程と、を有し、前記演算過程は、前記電池基礎データ記憶手段内の温度と連続寿命期間との関係データから前記標準の温度における連続寿命期間Lsと前記標準の温度を超える温度における連続寿命期間Ltとを読み出し、この連続寿命期間Lsと連続寿命期間Ltとの比Ls/Ltを前記標準の温度を超える温度における使用期間に乗じることにより、前記標準の温度を超える温度における使用期間を前記標準の温度における使用期間に換算する使用期間換算過程と、前記標準の温度以下の温度における前記リチウムイオン二次電池の使用期間の積算と、前記標準の温度を超える温度における前記リチウムイオン二次電池の使用期間を前記使用期間換算過程により前記標準の温度における使用期間に換算した使用期間の積算とを加算して標準状態における使用期間を算出し、この算出した標準状態における使用期間を、前記電池基礎データ記憶手段から読み出した前記標準の温度における寿命期間から差し引いて前記残存寿命を算出する残存寿命算出過程と、待機状態において、前記残存寿命算過程で算出された前記標準状態における使用期間に相当する蓄電池容量を前記電池基礎データ記憶手段内の容量低下特性データから取得するとともに、この取得した蓄電池容量を、前記電池基礎データ記憶手段内の蓄電池容量の温度変化特性データを参照して、前記リチウムイオン二次電池の温度における蓄電池容量に換算して残存容量を取得する第一の残存容量取得過程と、放電状態において、前記受信した放電電流の測定値の情報から得られる放電電流の測定値及び放電持続時間の積で算出される放電電気量を、前記第一の残存容量取得過程によって取得した残存容量から減算して残存容量を算出する第二の残存容量取得過程と、充電状態において、前記受信した充電電流の測定値の情報から得られる充電電流の測定値及び充電持続時間の積で算出される充電電気量を、前記第二の残存容量取得過程によって算出された停電が回復した時点の残存容量に加算して残存容量を算出する第三の残存容量取得過程とからなる、ことを特徴とするリチウムイオン電池の容量算出方法である。
また、本発明は、上述するリチウムイオン電池の容量算出方法であって、前記受信過程においては、さらに、前記リチウムイオン二次電池の電圧の測定値の情報を受信し、受信した電圧の測定値の情報により、前記リチウムイオン二次電池の電圧が所定の範囲を超えたと判断した場合には、警報を出力する出力過程をさらに有する、ことを特徴とする。
また、本発明は、標準の温度におけるリチウムイオン二次電池の寿命期間データ、温度とこの温度においてリチウムイオン二次電池を連続使用したときの寿命である連続寿命期間との関係データ、リチウムイオン二次電池の経時的な容量低下特性データ、及び、リチウムイオン二次電池の温度と蓄電池容量との関係を示す蓄電池容量の温度変化特性データを記憶する電池基礎データ記憶手段を有する、リチウムイオン電池の管理装置に用いられるコンピュータプログラムであって、管理対象のリチウムイオン二次電池の充放電における電流の測定値の情報、前記リチウムイオン二次電池の温度の測定値の情報、及び、商用電源の給電の情報を受信する受信ステップと、受信した給電の情報及び電流の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の充放電の状態を判断し、充放電が行われていない待機状態においては、受信した温度の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の残存容量及び残存寿命を算出し、放電状態においては、前記放電電流の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の残存容量を算出し、充電状態においては、前記受信した充電電流の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の残存容量を算出する演算ステップとをコンピュータに実行させ前記演算ステップにおいては、前記電池基礎データ記憶手段内の温度と連続寿命期間との関係データから前記標準の温度における連続寿命期間Lsと前記標準の温度を超える温度における連続寿命期間Ltとを読み出し、この連続寿命期間Lsと連続寿命期間Ltとの比Ls/Ltを前記標準の温度を超える温度における使用期間に乗じることにより、前記標準の温度を超える温度における使用期間を前記標準の温度における使用期間に換算する使用期間換算ステップと、前記標準の温度以下の温度における前記リチウムイオン二次電池の使用期間の積算と、前記標準の温度を超える温度における前記リチウムイオン二次電池の使用期間を前記使用期間換算ステップにより前記標準の温度における使用期間に換算した使用期間の積算とを加算して標準状態における使用期間を算出し、この算出した標準状態における使用期間を、前記電池基礎データ記憶手段から読み出した前記標準の温度における寿命期間から差し引いて前記残存寿命を算出する残存寿命算出ステップと、待機状態において、前記残存寿命算ステップで算出された前記標準状態における使用期間に相当する蓄電池容量を前記電池基礎データ記憶手段内の容量低下特性データから取得するとともに、この取得した蓄電池容量を、前記電池基礎データ記憶手段内の蓄電池容量の温度変化特性データを参照して、前記リチウムイオン二次電池の温度における蓄電池容量に換算して残存容量を取得する第一の残存容量取得ステップと、放電状態において、前記受信した放電電流の測定値の情報から得られる放電電流の測定値及び放電持続時間の積で算出される放電電気量を、前記第一の残存容量取得ステップによって取得した残存容量から減算して残存容量を算出する第二の残存容量取得ステップと、充電状態において、前記受信した充電電流の測定値の情報から得られる充電電流の測定値及び充電持続時間の積で算出される充電電気量を、前記第二の残存容量取得ステップによって算出された停電が回復した時点の残存容量に加算して残存容量を算出する第三の残存容量取得ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラムである。
本発明によれば、リチウムイオン電池の管理装置が、リチウムイオン二次電池の充放電が行われていない待機状態においては、リチウムイオン二次電池の温度の測定値から残存容量及び残存寿命を算出し、放電状態においては、リチウムイオン二次電池の放電電流の測定値から残存容量を算出し、充電状態においては、リチウムイオン二次電池の充電電流の測定値から残存容量を算出するようにしたため、リチウムイオン二次電池の残存寿命、残存容量などの電池状態をトータルで把握することができる。これにより、必要に応じてリチウムイオン二次電池をメンテナンスする事が可能となり、リチウムイオン二次電池の管理において大きな利点がある。また、この管理装置をリチウムイオン二次電池の充電用装置に適用することで、リチウムイオン二次電池を使用した電源設備の信頼性の向上に大きく貢献することが出来、産業上、極めて大きな利点を得ることが出来る。
以下、本発明のリチウムイオン電池の管理装置について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による、リチウムイオン電池の管理装置の構成を示すブロック図である。同図は、蓄電池(リチウムイオン二次電池)が、充電器(整流器)の出力に負荷と並列に接続される、いわゆる浮動充電方式に於ける例である。この例の他、蓄電池が負荷と接続されないで独立して充電される事で維持される「トリクル充電方式」があるが、電池の管理に関する基本的な概念は、いずれの充電方式とも同一である。
同図において、1はリチウムイオン電池の管理装置(以下、単に「管理装置」と記載」)、2は電池基礎データ記憶部、3は演算部(演算手段、使用期間換算手段、残存寿命算出手段、第一の残存容量取得手段、第二の残存容量取得手段、第三の残存容量取得手段)、4は表示部(出力手段)、5はインタフェース部(受信手段)、6は電流センサ、7は電池温度センサ、8は電池電圧センサ、9は停電検出センサ、10は外部出力用インタフェース部(出力手段)、11は外部の遠隔監視装置、12は回路遮断スイッチ、13はリチウムイオン二次電池、14は商用電源、15は充電器、16は負荷である。
商用電源14から供給される電力は、充電器15において充電され、充電器15は、リチウムイオン二次電池13(以下、単に「蓄電池」とも記載)及び負荷16へ電力を出力する。リチウムイオン二次電池13は、リチウムイオン二次電池の組電池であり、回路遮断スイッチ12を介して充電器15及び負荷16と接続される。回路遮断スイッチ12は、管理装置1の指示によりリチウムイオン二次電池13の充放電ラインの開閉を行い、回路遮断スイッチ12が閉じているときには、リチウムイオン二次電池13から負荷16へ放電電力の出力が、あるいは、充電器15からリチウムイオン二次電池13へ充電電力の出力が行われる。電流センサ6の検出端は、リチウムイオン二次電池13の充放電ラインに接続され、リチウムイオン二次電池13が充放電する電流を計測する。電池温度センサ7の検出端は、リチウムイオン二次電池13の近傍に接続され、リチウムイオン二次電池13の温度を測定する。電池電圧センサ8の検出端は、少なくとも一個のリチウムイオン二次電池13の端子に接続され、リチウムイオン二次電池13の電圧を測定する。停電検出センサ9の検出端は、商用電源14の給電ラインに接続され、停電や停電からの回復など、商用電源14や充電器15からの給電の状態を検出する。
管理装置1は、電池基礎データ記憶部2、演算部3、表示部4、インタフェース部5、及び、外部出力用インタフェース部10を有する。インタフェース部5には、電流センサ6、電池温度センサ7、電池電圧センサ8、停電検出センサ9からの信号が入力される。外部出力用インタフェース部10は、遠隔から、管理対象となるリチウムイオン二次電池13の状態を監視する際に使用され、リチウムイオン二次電池13の情報が必要の都度、この外部出力用インタフェース部10を介して遠方の遠隔監視装置11に送信される。
電池基礎データ記憶部2は、標準温度での寿命期間データ、温度と連続寿命期間の関係データ(後述する図2参照)、容量低下特性データ(後述する図4参照)、および、蓄電池容量の温度変化特性データ(後述する図5参照)を記憶している。電池の標準温度での寿命期間データは、例えば、「標準温度25℃の一定温度において連続10年」等、決められた標準温度におけるリチウムイオン二次電池13の使用可能期間の事であり、標準温度における寿命期間を示す単一の数値データ、もしくは、温度と連続寿命期間の相関関係を示すデータ(後述する図2参照)の一部としてデータ化され、電池基礎データ記憶部2に記憶される。
演算部3は、電池基礎データ記憶部2に格納された、各種データを参照し、各種外部センサからの入力値を利用して、リチウムイオン二次電池13の保有容量、残存寿命、放電電気量、充電電気量、充電された割合等の計算や、放電持続時間、充電経過時間の計測を行う。
次に、管理装置1の演算部3が実行する、リチウムイオン二次電池13の残存寿命の計算方法について述べる。
図2は、管理装置1の電池基礎データ記憶部2に記憶されている、温度と連続寿命期間の関係データを示す。演算部3は、残存寿命の計算において、同図に示す温度と連続寿命期間の関係データを使用する。連続寿命期間とは、ある温度においてリチウムイオン二次電池13を連続使用したときの寿命を示す。同図に示す温度と連続寿命期間の関係データは、標準温度(例:25℃)における寿命とこれ以上の温度における寿命の関係を示しており、設置するリチウムイオン二次電池13について求められ、管理装置1内の電池基礎データ記憶部2に格納される。寿命の判定基準は、初期容量から30%低下した時点、等、使用条件に応じて定まる。なお、鉛蓄電池の場合には、「30%容量低下」「20%容量低下」等が判定基準になっている。この温度と連続寿命期間の関係データを使用すると、各温度である期間使用した際の物理的な時間を、標準状態で、すなわち、標準温度で使用した場合に相当する期間に換算することが出来る。この換算は、標準温度で定まる連続寿命期間を「Ls」、標準温度より高い温度tで定まる連続使用時の連続寿命期間を「Lt」、前述の標準温度より高い温度tでの使用期間を「D」とすると、前述の標準温度より高い温度での使用期間「D」に、前述の寿命期間の比「Ls/Lt」を乗じて算出することにより行う。
即ち、
60℃(=t):連続寿命期間1年(Lt)、・・・(中間:略)・・・・・、25℃(標準温度):連続寿命期間10年(Ls)
のような、関係が求まっており、温度と連続寿命期間の関係データで示されているとする。このとき、標準温度より高い温度60℃で0.5年(D)使用された場合、この期間の標準温度25℃における換算使用期間は、(式1)により算出される。
標準温度における換算使用期間=D×(Ls/Lt)=0.5×(10/1)=5(年) …(式1)
実際には設置環境によって、温度の経時変化がある。そこで、管理装置1の演算部3は、一日における温度変化に対応して換算使用期間を算出し、リチウムイオン二次電池13の推定寿命を算出する。
図3は、実設置環境の1日における温度変化を示す図である。
同図において、区間Aは、環境温度が標準寿命規定温度を下回る区間、区間Bは、環境温度が標準寿命規定温度を上回る区間である。標準寿命規定温度=標準温度とすると、区間Aにおいては、電池寿命は標準温度での寿命になるので、この区間の使用時間はそのまま積算する。一方、区間Bにおける時間は温度を考慮した上記の換算を行う。
即ち、区間Bの中のある小さい時間「D」(例えば、1時間、30分など)は、この時間Dにおける平均温度であるt℃での時間と考えられる。そこで、この時間「D」を(式1)を用い、D×(Ls/Lt)(時間)として標準寿命規定温度における使用時間(以下、「換算時間」と記載)に換算する。
以上は、一日における温度変化とそれに対する時間の補正であり、演算部3は、この様な計算を、年間を通じた期間について行う。演算部3は、この補正した換算時間を用い、(式2)によりリチウムイオン二次電池13の残存寿命L(left)、すなわち、リチウムイオン二次電池13の使用可能期間の推定を行う。また、表示部4により算出結果の表示を行う。
残存寿命L(left)=標準寿命規定温度で定まる寿命期間Ls−Σ区間Aの時間−Σ区間Bの換算時間 …(式2)
設置環境の年間の温度変化が特定できれば、上記(式2)内の(Σ区間Aの時間)と(Σ区間Bの換算時間)は精度良く計算出来るので、同一設置環境で連続使用した場合に於ける残存寿命も精度良く容易に計算できる。演算部3は、図示しない設置環境の温度センサにより測定した、あるいは、外部の装置や記録媒体から取得した設置環境の年間の温度変化の情報を用いて、(式2)によりリチウムイオン二次電池13の残存寿命を算出する。
次に、管理装置1の演算部3が実行する、リチウムイオン二次電池13の保有容量の計算について述べる。
図4は、管理装置1の電池基礎データ記憶部2に記憶されている、容量低下特性データを示す図である。同図においては、リチウムイオン二次電池13の使用年数と電池容量の関係を示している。
図5は、管理装置1の電池基礎データ記憶部2に記憶されている、蓄電池容量の温度変化特性データを示す図である。同図においては、リチウムイオン二次電池13の電池温度と電池容量の関係を示している。
保有容量の計算においては、上で述べた、標準寿命規定温度(標準温度)に換算された使用年数の算出値と、電池基礎データ記憶部2に内蔵された、容量低下特性データ(図4)、および、蓄電池容量の温度変化特性データ(図5)を使用する。すなわち、設置蓄電池であるリチウムイオン二次電池13の標準寿命規定温度での使用年数をnとすると、この使用年数nは、(式2)内の(Σ区間Aの時間+Σ区間Bの換算時間)により求められる。演算部3は、図4に示す、使用年数と容量の関係を用いて、この使用年数nに対応する電池容量a[Ah]を求めることにより、その時点での電池容量a[Ah]が求める。
次に、演算部3は、リチウムイオン二次電池13の設置環境の温度測定値から、先に求めた電池容量a[Ah]の補正を行い、その時点での「保有容量」を求める。補正は、図5の蓄電池容量の温度変化特性データによって行う。例えば、温度0℃:電池容量c[Ah]、…、温度25℃(標準寿命規定温度):電池容量a[Ah]、…、温度45℃:電池容量b[Ah]、…という関係が蓄電池容量の温度変化特性データとして記憶されていた場合、電池温度センサ7により測定された温度が45℃であれば、「保有容量」はb[Ah]となる。
この様に、リチウムイオン二次電池13に保存されている容量、すなわち、「保有容量」が求まると、停電等で蓄電池放電が開始された際の、放電持続時間の推定も可能になる。演算部3は、この算出を、電流センサ6で実測される実放電電流測定値を利用し、上記により算出した「保有容量」をこの実放電電流で除すことで行う。
図6及び図7は、リチウムイオン二次電池13の放電特性を示す図である。図6は、放電容量と端子電圧の関係を、図7は、放電電流と放電容量の関係を示している。図6においては、充電電圧4.1V、放充電温度25℃において、リチウムイオン二次電池13の放電電流が0.1CA、0.2CA、0.3CA、1CA、3CA(Cは、電池の容量[Ah]を示す)のときの放電容量と端子電圧の関係を示している。図6に示す放電電流と放電容量の関係をプロットしたものが、図7に示す25℃のときのリチウムイオン二次電池13の放電電流と放電容量の関係である。図6及び図7に示すように、リチウムイオン二次電池13の放電特性は、「電流[A]」×「時間[h]」で表される「放電容量[Ah]」が、放電電流によらずほぼ一定という特性を有している。従って、「保有容量」が求まれば、放電電流で割ることで、放電持続時間の算出が可能である。鉛蓄電池の場合、放電電流が大きくなるにつれて、放電で取り出せる電気量が低下するので、放電持続時間の算出にあたっては「容量低下率」の概念の導入が必要である。しかし、リチウムイオン二次電池では、この様な概念の必要性が無い。
一方、蓄電池からの放電が終了し、充電が行われた場合、演算部3は、先に述べた放電時の電気量の換算とは逆に、放電終了時の電気量をベースとして、電流センサ6により実測される「充電電流」と「充電時間」を乗じて求まる充電された電気量を加算していく。
図8は、リチウムイオン二次電池13の充電電圧と放電電気量の関係を示す図である。
同図に示すリチウムイオン二次電池13の充電電圧と放電電気量の関係は、リチウムイオン二次電池の充電特性が、通電された電気量がほぼそのまま、有効電気量として充電され次回の放電に使われる(即ち、充電効率はほぼ100%)という特性に基づいている。リチウムイオン二次電池13の充電割合は、先に述べた、「保有容量」を100%とし、充電で通電された電気量を加算した値の割合を表示する。一方、使用年数によって、容量は初期から低下しているので、設置した際の初期の容量を100%として、上記の充電割合を算出及び表示しても良い。
また、管理装置1には、リチウムイオン二次電池13の端子電圧をモニタする機能が備わっている。
図9は、維持充電中の高電圧検出の状況を示す図、図10は、放電中の放電終止電圧検出の状況を示す図である。演算部3の端子電圧のモニタ機能は、常時、電池電圧センサ8を用いてリチウムイオン二次電池13の電圧をモニタし、維持充電中にあっては電池電圧があらかじめ決定された所定の値(例:4.2〜4.5V)以上、または、放電中にあっては、あらかじめ決定された所定の値(例:3.0〜2.8V)以下になったら表示部4などにより警報発報、もしくは遠隔監視装置11などの外部への警報転送を行う。
管理装置1の演算部3は、上記のような所定の範囲を超えた電圧を検知すると、回路遮断スイッチ12を動作させて、リチウムイオン二次電池13の充電、または放電を停止させる。
図11、図12及び図13は、上述する算出方法を用いた管理装置1における計算プロセスの処理フローである。
図11において、リチウムイオン二次電池13が待機状態にある場合、管理装置1の演算部3は、内部に備える時計などにより時間の計測を行うとともに、電池温度センサ7が測定したリチウムイオン二次電池13の温度の情報をインタフェース部5から取得する(ステップS110)。待機状態とは、商用電源14または充電器15から負荷16へ正常に給電が行われており、リチウムイオン二次電池13が充電や放電を行っていない状態である。演算部3は、停電検出センサ9から停電を検出した旨の通知がなく、また、電流センサ6において充放電の電流が検出されていないことにより待機状態を判断する。演算部3は、取得した測定温度の情報により、温度異常がないかを判断する(ステップS115)。これは、例えば、測定温度が所定の範囲内であるか否かによって行う。温度異常が検出された場合(ステップS115:No)、演算部3は、回路遮断スイッチ12の開放の指示を出力する(ステップS120)。回路遮断スイッチ12は、管理装置1からの指示を受け、スイッチを開放する。
温度異常が検出されなかった場合(ステップS115:Yes)、演算部3は、電池電圧センサ8が測定したリチウムイオン二次電池13の電圧の情報をインタフェース部5から取得する。演算部3は、取得した測定電圧の情報により、電圧異常がないかを判断する(ステップS125)。これは、例えば、測定電圧が所定の範囲内であるか否かによって行う(図9参照)。電圧異常が検出された場合(ステップS125:No)、演算部3は、回路遮断スイッチ12の開放の指示を出力する(ステップS130)。この指示を受け、回路遮断スイッチ12は、スイッチを開放する。
電圧異常が検出されなかった場合(ステップS125:Yes)、演算部3は、前述の算出方法を用いて、リチウムイオン二次電池13の残存容量(A)を計算するとともに、残存寿命を算出する(ステップS135)。続いて、放電状態において、演算部3は、停電が発生したか否かを判断する(ステップS140)。これは、インタフェース部5を介して停電検出センサ9から停電の発生の情報を受信したか否かにより行う。停電が発生していないと判断した場合(ステップS140:No)、管理装置1は、待機状態のステップS110からの処理を繰り返す。
一方、停電が発生したと判断した場合(ステップS140:Yes)、演算部3は、電流センサ6が測定したリチウムイオン二次電池13の放電電流の情報をインタフェース部5から取得することにより、リチウムイオン二次電池13の放電電流(以下、「蓄電池放電電流」と記載)(Id)及び放電持続時間(hd)の計測を行う(ステップS145)。さらに、演算部3は、電池温度センサ7が測定したリチウムイオン二次電池13の測定温度の情報をインタフェース部5から取得し、温度異常がないかを判断する(ステップS150)。温度異常が検出された場合(ステップS150:No)、演算部3は、回路遮断スイッチ12の開放の指示を出力する(ステップS155)。また、温度異常が検出されなかった場合(ステップS150:Yes)、演算部3は、電池電圧センサ8が測定したリチウムイオン二次電池13の電圧の情報をインタフェース部5から取得し、電圧異常がないかを判断する(ステップS160)。電圧異常が検出された場合(ステップS160:No)、演算部3は、回路遮断スイッチ12の開放の指示を出力する(ステップS165)。
電圧異常が検出されなかった場合(ステップS160:Yes)、演算部3は、放電中のリチウムイオン二次電池13の残存容量(B)を計算するとともに、その計算結果をディスプレイなどの表示部4に出力する(ステップS170)。放電中の残存容量(B)は、以下に示す(式3)により算出される。
放電中の残存容量(B)=待機状態における残存容量計算値(A)−(蓄電池放電電流計測値(Id)×放電持続時間計測値(hd)) …(式3)
続いて、演算部3は、停電が終了し、リチウムイオン二次電池13において蓄電池充電が開始したか否かを判断する(ステップS175)。これは、インタフェース部5を介して停電検出センサ9から停電の終了の情報を受信し、かつ、電流センサ6において充電電流が測定された旨の情報を受信したか否かにより行うにより行う。演算部3が、停電が終了しておらず、また、リチウムイオン二次電池13において蓄電池充電が開始していないと判断した場合(ステップS175:No)、管理装置1は、ステップS145からの処理を繰り返す。
一方、停電が終了し、リチウムイオン二次電池13において蓄電池充電が発生したと判断した場合(ステップS175:Yes)、充電状態となる。
図12において、演算部3は、電流センサ6が測定した充電電流の情報をインタフェース部5から取得することにより、リチウムイオン二次電池13の充電電流(以下、「蓄電池充電電流」と記載)(Ic)及び充電経過時間(hc)の計測を行う(ステップS210)。
演算部3は、電池温度センサ7が測定したリチウムイオン二次電池13の測定温度の情報をインタフェース部5から取得し、温度異常がないかを判断する(ステップS215)。温度異常が検出された場合(ステップS215:No)、演算部3は、回路遮断スイッチ12の開放の指示を出力する(ステップS220)。また、温度異常が検出されなかった場合(ステップS215:Yes)、演算部3は、電池電圧センサ8が測定したリチウムイオン二次電池13の電圧の情報をインタフェース部5から取得し、電圧異常がないかを判断する(ステップS225)。電圧異常が検出された場合(ステップS225:No)、演算部3は、回路遮断スイッチ12の開放の指示を出力する(ステップS230)。
電圧異常が検出されなかった場合(ステップS230:Yes)、演算部3は、充電中のリチウムイオン二次電池13の残存容量(C)を計算するとともに、その計算結果をディスプレイなどの表示部4に出力する(ステップS235)。充電中の残存容量(C)は、以下の(式4)により算出される。但し、後述するサブルーチン(図13)を経由した場合は、以下に示す(式5)により算出される。
充電中の残存容量(C)=放電状態における残存容量計算値(B)+(蓄電池充電電流計測値(Ic)×充電経過時間計測値(hc)) …(式4)
充電中の残存容量(C)=放電状態における残存容量計算値(D)+(蓄電池充電電流計測値(Ic)×充電経過時間計測値(hc)) …(式5)
続いて、充電状態において、演算部3は、停電が発生し、リチウムイオン二次電池13からの放電が行われたか否かを判断する(ステップS240)。これは、インタフェース部5を介して停電検出センサ9から停電の発生の情報を受信し、かつ、電流センサ6において放電電流が測定された旨の情報を受信したか否かにより行う。
停電及び放電が発生していないと判断した場合(ステップS240:No)、演算部3は、総放電電気量に相当する放電電気量が通電されたか否かを判断する(ステップS245)。総放電電気量は、図11のステップS170における(式3)の中で用いられている(蓄電池放電電流計測値(Id)×放電持続時間計測値(hd))の積算によって算出される。また、放電電気量は、ステップS235における(式4)または(式5)の中で用いられている(蓄電池充電電流計測値(Ic)×充電経過時間計測値(hc))の積算によって算出される。演算部3は、総放電電気量に相当する放電電気量が通電されていないと判断した場合、充電状態を継続し、ステップS210からの処理を繰り返す。また、総放電電気量に相当する放電電気量が通電されたと判断した場合、待機状態となり、図11に示すステップS110からの処理を繰り返す。
一方、ステップS240において、演算部3は、停電が発生し、リチウムイオン二次電池13からの放電が行われたと判断した場合(ステップS240:Yes)、リチウムイオン二次電池13の残存容量をステップS235において算出した充電中の残存容量(C)とし(ステップS250)、充電状態において放電が行われたときの残存容量(D)を算出するためのサブルーチン(後述する図13)を実行する(ステップS255)。
図13は、充電状態において放電が行われたときの残存容量を算出するためのサブルーチンにおける処理フローを示す。
同図において、演算部3は、電流センサ6が測定した放電電流の情報をインタフェース部5から取得することにより、リチウムイオン二次電池13の放電電流である蓄電池放電電流(Id)及び放電持続時間(hd)の計測を行う(ステップS310)。さらに、電池温度センサ7が測定したリチウムイオン二次電池13の測定温度の情報をインタフェース部5から取得し、温度異常がないかを判断する(ステップS315)。温度異常が検出された場合(ステップS315:No)、演算部3は、回路遮断スイッチ12の開放の指示を出力する(ステップS320)。また、温度異常が検出されなかった場合(ステップS315:Yes)、演算部3は、電池電圧センサ8が測定したリチウムイオン二次電池13の電圧の情報をインタフェース部5から取得し、電圧異常がないかを判断する(ステップS325)。電圧異常が検出された場合(ステップS325:No)、演算部3は、回路遮断スイッチ12の開放の指示を出力する(ステップS330)。
電圧異常が検出されなかった場合(ステップS325:Yes)、演算部3は、放電中のリチウムイオン二次電池13の残存容量(D)を計算するとともに、その計算結果をディスプレイなどの表示部4に出力する(ステップS335)。放電中の残存容量(D)は、以下の(式6)により算出される。
放電中の残存容量(D)=充電状態における残存容量計算値(C)−(蓄電池放電電流計測値(Id)×放電持続時間計測値(hd)) …(式6)
続いて、演算部3は、停電が終了し、蓄電池充電が開始したか否かを判断する(ステップS340)。停電が終了しておらず、リチウムイオン二次電池13において蓄電池充電が開始していないと判断した場合(ステップS340:No)、ステップS310からの処理を繰り返す。
一方、停電が終了した場合、図12に示す充電状態におけるステップS210からの処理を繰り返す。ただし、図12のステップS235においては、上述した(式5)を用いて、充電中のリチウムイオン二次電池13の残存容量(C)を計算するとともに、その計算結果をディスプレイなどの表示部4に出力する。
なお、上述した管理装置1は、リチウムイオン二次電池について、電池の残存容量、残存寿命等の計算を主とした装置であるが、リチウムイオン二次電池の充電制御を行う装置や、内部抵抗の測定を行う装置、等と組み合わせることで使用することを妨げる物でなく、それらの装置との共用は一向に差し支えない事は言うまでもないことである。
また、上記実施の形態では、リチウムイオン二次電池13をリチウムイオン二次電池の組電池としたが、1つのリチウムイオン二次電池であってもよい。
上述するように、管理装置1は、商用電源や充電器が正常に動作している間は、管理対象となるリチウムイオン二次電池13の温度を測定し、この測定した温度からリチウムイオン二次電池13の残存容量及び残存寿命の計算を行い、商用電源14の停電や充電器15の故障によって蓄電池放電が行われた際にはリチウムイオン二次電池13の放電電流を計測し、この放電電流に基づいた残存容量の計算を行い、商用電源14が回復し、リチウムイオン二次電池13の充電が行われる場合には、リチウムイオン二次電池13への充電電流を計測し、この充電電流に基づいた蓄電池容量の計算を行う。
また、管理装置1の演算部3は、残存寿命等の容量算出にあたって、電池基礎データ記憶部2に、標準温度での寿命期間データ、及び、温度と連続寿命期間の関係データを格納しておき、リチウムイオン二次電池13の標準寿命規定温度以下の使用期間については、そのままの使用期間を積算し、標準寿命規定温度以上となる期間については、その期間を標準寿命規定温度における期間に換算して積算し、この様にして求めた積算期間を、電池基礎データ記憶部2から取得した標準状態での寿命期間から差し引いて残存寿命、すなわち、使用可能期間を算出する。標準寿命規定温度以上で使用された期間を標準寿命規定温度での期間に換算する方法としては、各温度で定まる連続使用時の寿命期間Ltと標準寿命規定温度で定まる期間Lsの比、Ls/Ltを、前記の標準寿命規定温度以上で使用された期間に乗じて換算している。
また、蓄電池放電が行われた際のリチウムイオン二次電池13の残存容量は、電池基礎データ記憶部2に、経時的な容量低下特性データと、蓄電池容量の温度変化特性データを格納しておき、まず、前述した方法でリチウムイオン二次電池13の標準状態での使用年数を算出し、容量低下特性データから、この算出された使用年数に相当する時点の蓄電池容量を取得し、さらに、この取得した蓄電池容量を、蓄電池容量の温度変化特性データを用いて、実測温度における容量に換算することで取得する。
また、放電が進行中のリチウムイオン二次電池13の残存容量は、リチウムイオン二次電池13の放電電流を実測し、実測値と放電持続時間から算出される電気量を前述した残存容量から減じることで更新する。
また、商用電源14が回復し、充電が行われた場合のリチウムイオン二次電池13の残存容量は、商用電源14が回復した時点で算出されているリチウムイオン二次電池13の残存容量に、充電電流の実測値と充電時間の積から求められる電気量を加算することにより算出する。
上記実施の形態によれば、リチウムイオン二次電池をバックアップ用電池として使用した場合に、残存使用年数、保有電気量、蓄電池放電時における放電持続時間、回復充電進行中の充電割合、等、リチウムイオン二次電池の電池状態をトータルで把握し、必要に応じてメンテナンスする事が可能となり、大きな利点がある。
本実施の形態による管理装置1を電池の充電用装置に適用することで、リチウムイオン二次電池を使用した電源設備の信頼性の向上に大きく貢献することが出来、産業上、極めて大きな利点を得ることが出来る。
なお、上述の管理装置1は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した管理装置1の演算部3の動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものである。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ROMの他に、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のシステムやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
本発明の一実施の形態としてのリチウムイオン電池の管理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態に係る温度と連続寿命期間の関係データを示す図である。 本発明の一実施の形態に係る実設置環境の1日の温度変化に対応した換算使用期間の算出方法を説明するための図である。 本発明の一実施の形態に係る容量低下特性データを示す図である。 本発明の一実施の形態に係る蓄電池容量の温度変化特性データを示す図である。 本発明の一実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の放電容量と端子電圧の関係を示す図である。 本発明の一実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の放電電流と放電容量の関係を示す図である。 本発明の一実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の充電電気量と放電電気量の関係を示す図である。 本発明の一実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の維持充電中の高電圧検出の状況を示す図である。 本発明の一実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の放電時の放電終止電圧検出の状況を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る管理装置における計算プロセスを示すフローチャートを示す図である。 本発明の一実施の形態に係る管理装置における計算プロセスを示すフローチャートを示す図である。 本発明の一実施の形態に係る管理装置における計算プロセスを示すフローチャートを示す図である。 リチウムイオン電池の充放電反応メカニズムを説明するための図である。
符号の説明
1 管理装置、 2 電池基礎データ記憶部、 3 演算部、 4 表示部、 5 インタフェース部、 6 電流センサ、 7 電池温度センサ、 8 電池電圧センサ、 9 停電検出センサ 10 外部出力用インタフェース部、 11 遠隔監視装置、 12 回路遮断スイッチ、 13 リチウムイオン二次電池、 14 商用電源、 15 充電器、 16 負荷

Claims (6)

  1. 標準の温度におけるリチウムイオン二次電池の寿命期間データ、温度とこの温度においてリチウムイオン二次電池を連続使用したときの寿命である連続寿命期間との関係データ、リチウムイオン二次電池の経時的な容量低下特性データ、及び、リチウムイオン二次電池の温度と蓄電池容量との関係を示す蓄電池容量の温度変化特性データを記憶する電池基礎データ記憶手段と、
    管理対象のリチウムイオン二次電池の充放電における電流の測定値の情報、前記リチウムイオン二次電池の温度の測定値の情報、及び、商用電源の給電の情報を受信する受信手段と、
    前記受信手段を介して受信した給電の情報及び電流の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の充放電の状態を判断し、充放電が行われていない待機状態においては、前記受信手段を介して受信した温度の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の残存容量及び残存寿命を算出し、放電状態においては、前記受信手段を介して受信した放電電流の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の残存容量を算出し、充電状態においては、前記受信手段を介して受信した充電電流の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の残存容量を算出する演算手段と、
    を備え
    前記演算手段は、
    前記電池基礎データ記憶手段内の温度と連続寿命期間との関係データから前記標準の温度における連続寿命期間Lsと前記標準の温度を超える温度における連続寿命期間Ltとを読み出し、この連続寿命期間Lsと連続寿命期間Ltとの比Ls/Ltを前記標準の温度を超える温度における使用期間に乗じることにより、前記標準の温度を超える温度における使用期間を前記標準の温度における使用期間に換算する使用期間換算手段と、
    前記標準の温度以下の温度における前記リチウムイオン二次電池の使用期間の積算と、前記標準の温度を超える温度における前記リチウムイオン二次電池の使用期間を前記使用期間換算手段により前記標準の温度における使用期間に換算した使用期間の積算とを加算して標準状態における使用期間を算出し、この算出した標準状態における使用期間を、前記電池基礎データ記憶手段から読み出した前記標準の温度における寿命期間から差し引いて前記残存寿命を算出する残存寿命算出手段と、
    待機状態において、前記残存寿命算出手段によって算出された前記標準状態における使用期間に相当する蓄電池容量を前記電池基礎データ記憶手段内の容量低下特性データから取得するとともに、この取得した蓄電池容量を、前記電池基礎データ記憶手段内の蓄電池容量の温度変化特性データを参照して、前記リチウムイオン二次電池の温度における蓄電池容量に換算して残存容量を取得する第一の残存容量取得手段と、
    放電状態において、前記受信した放電電流の測定値の情報から得られる放電電流の測定値及び放電持続時間の積で算出される放電電気量を、前記第一の残存容量取得手段によって取得した残存容量から減算して残存容量を算出する第二の残存容量取得手段と、
    充電状態において、前記受信した充電電流の測定値の情報から得られる充電電流の測定値及び充電持続時間の積で算出される充電電気量を、前記第二の残存容量取得手段によって算出された停電が回復した時点の残存容量に加算して残存容量を算出する第三の残存容量取得手段とからなる、
    ことを特徴とするリチウムイオン電池の管理装置。
  2. 前記受信手段は、さらに、前記リチウムイオン二次電池の電圧の測定値の情報を受信し、
    前記受信手段により受信した電圧の測定値の情報により、前記リチウムイオン二次電池の電圧が所定の範囲を超えたと判断した場合には、警報を出力する出力手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池の管理装置。
  3. 前記受信手段は、
    検出端が前記リチウムイオン二次電池の充放電ラインに接続される電流センサから電流の測定値の情報を受信し、
    検出端が前記リチウムイオン二次電池の近傍に接続される電池温度センサから温度の測定値の情報を受信し、
    検出端が前記商用電源の給電ラインに接続される停電検出センサから商用電源の給電の情報を受信し、
    検出端が少なくとも一個の前記リチウムイオン二次電池の端子に接続される電圧センサから電圧の測定値の情報を受信する、
    ことを特徴とする請求項に記載のリチウムイオン電池の管理装置。
  4. リチウムイオン電池の管理装置に用いられる容量算出方法であって、
    前記リチウムイオン電池の管理装置は、標準の温度におけるリチウムイオン二次電池の寿命期間データ、温度とこの温度においてリチウムイオン二次電池を連続使用したときの寿命である連続寿命期間との関係データ、リチウムイオン二次電池の経時的な容量低下特性データ、及び、リチウムイオン二次電池の温度と蓄電池容量との関係を示す蓄電池容量の温度変化特性データを記憶する電池基礎データ記憶手段を備え、
    管理対象のリチウムイオン二次電池の充放電における電流の測定値の情報、前記リチウムイオン二次電池の温度の測定値の情報、及び、商用電源の給電の情報を受信する受信過程と、
    前記受信した給電の情報及び電流の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の充放電の状態を判断し、充放電が行われていない待機状態においては、前記受信した温度の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の残存容量及び残存寿命を算出し、放電状態においては、前記受信した放電電流の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の残存容量を算出し、充電状態においては、前記受信した充電電流の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の残存容量を算出する演算過程と、
    を有し、
    前記演算過程は、
    前記電池基礎データ記憶手段内の温度と連続寿命期間との関係データから前記標準の温度における連続寿命期間Lsと前記標準の温度を超える温度における連続寿命期間Ltとを読み出し、この連続寿命期間Lsと連続寿命期間Ltとの比Ls/Ltを前記標準の温度を超える温度における使用期間に乗じることにより、前記標準の温度を超える温度における使用期間を前記標準の温度における使用期間に換算する使用期間換算過程と、
    前記標準の温度以下の温度における前記リチウムイオン二次電池の使用期間の積算と、前記標準の温度を超える温度における前記リチウムイオン二次電池の使用期間を前記使用期間換算過程により前記標準の温度における使用期間に換算した使用期間の積算とを加算して標準状態における使用期間を算出し、この算出した標準状態における使用期間を、前記電池基礎データ記憶手段から読み出した前記標準の温度における寿命期間から差し引いて前記残存寿命を算出する残存寿命算出過程と、
    待機状態において、前記残存寿命算過程で算出された前記標準状態における使用期間に相当する蓄電池容量を前記電池基礎データ記憶手段内の容量低下特性データから取得するとともに、この取得した蓄電池容量を、前記電池基礎データ記憶手段内の蓄電池容量の温度変化特性データを参照して、前記リチウムイオン二次電池の温度における蓄電池容量に換算して残存容量を取得する第一の残存容量取得過程と、
    放電状態において、前記受信した放電電流の測定値の情報から得られる放電電流の測定値及び放電持続時間の積で算出される放電電気量を、前記第一の残存容量取得過程によって取得した残存容量から減算して残存容量を算出する第二の残存容量取得過程と、
    充電状態において、前記受信した充電電流の測定値の情報から得られる充電電流の測定値及び充電持続時間の積で算出される充電電気量を、前記第二の残存容量取得過程によって算出された停電が回復した時点の残存容量に加算して残存容量を算出する第三の残存容量取得過程とからなる、
    ことを特徴とするリチウムイオン電池の容量算出方法。
  5. 前記受信過程においては、さらに、前記リチウムイオン二次電池の電圧の測定値の情報を受信し、
    受信した電圧の測定値の情報により、前記リチウムイオン二次電池の電圧が所定の範囲を超えたと判断した場合には、警報を出力する出力過程をさらに有する、
    ことを特徴とする請求項に記載のリチウムイオン電池の容量算出方法。
  6. 標準の温度におけるリチウムイオン二次電池の寿命期間データ、温度とこの温度においてリチウムイオン二次電池を連続使用したときの寿命である連続寿命期間との関係データ、リチウムイオン二次電池の経時的な容量低下特性データ、及び、リチウムイオン二次電池の温度と蓄電池容量との関係を示す蓄電池容量の温度変化特性データを記憶する電池基礎データ記憶手段を有する、リチウムイオン電池の管理装置に用いられるコンピュータプログラムであって、
    管理対象のリチウムイオン二次電池の充放電における電流の測定値の情報、前記リチウムイオン二次電池の温度の測定値の情報、及び、商用電源の給電の情報を受信する受信ステップと、
    受信した給電の情報及び電流の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の充放電の状態を判断し、充放電が行われていない待機状態においては、受信した温度の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の残存容量及び残存寿命を算出し、放電状態においては、前記放電電流の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の残存容量を算出し、充電状態においては、前記受信した充電電流の測定値の情報を基に前記リチウムイオン二次電池の残存容量を算出する演算ステップとをコンピュータに実行させ
    前記演算ステップにおいては、
    前記電池基礎データ記憶手段内の温度と連続寿命期間との関係データから前記標準の温度における連続寿命期間Lsと前記標準の温度を超える温度における連続寿命期間Ltとを読み出し、この連続寿命期間Lsと連続寿命期間Ltとの比Ls/Ltを前記標準の温度を超える温度における使用期間に乗じることにより、前記標準の温度を超える温度における使用期間を前記標準の温度における使用期間に換算する使用期間換算ステップと、
    前記標準の温度以下の温度における前記リチウムイオン二次電池の使用期間の積算と、前記標準の温度を超える温度における前記リチウムイオン二次電池の使用期間を前記使用期間換算ステップにより前記標準の温度における使用期間に換算した使用期間の積算とを加算して標準状態における使用期間を算出し、この算出した標準状態における使用期間を、前記電池基礎データ記憶手段から読み出した前記標準の温度における寿命期間から差し引いて前記残存寿命を算出する残存寿命算出ステップと、
    待機状態において、前記残存寿命算ステップで算出された前記標準状態における使用期間に相当する蓄電池容量を前記電池基礎データ記憶手段内の容量低下特性データから取得するとともに、この取得した蓄電池容量を、前記電池基礎データ記憶手段内の蓄電池容量の温度変化特性データを参照して、前記リチウムイオン二次電池の温度における蓄電池容量に換算して残存容量を取得する第一の残存容量取得ステップと、
    放電状態において、前記受信した放電電流の測定値の情報から得られる放電電流の測定値及び放電持続時間の積で算出される放電電気量を、前記第一の残存容量取得ステップによって取得した残存容量から減算して残存容量を算出する第二の残存容量取得ステップと、
    充電状態において、前記受信した充電電流の測定値の情報から得られる充電電流の測定値及び充電持続時間の積で算出される充電電気量を、前記第二の残存容量取得ステップによって算出された停電が回復した時点の残存容量に加算して残存容量を算出する第三の残存容量取得ステップと、
    をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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