JP4300537B1 - タバコ用フィルター - Google Patents

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Abstract

簡易に手巻きタバコが製造でき、喫煙者の唇への過剰な熱伝導および喫煙中のタバコの味わいの低下を抑えられるタバコ用フィルターを提供する。
喫煙用植物と共に、少なくとも一部を巻紙で巻いて手巻きタバコを製造するためのタバコ用フィルター1は、溝5を有する外表面4および煙道6となる中空部を有し、不燃性材料から構成される。溝5を設けることによって、タバコ用フィルター1の外表面4の表面積が増大し、タバコ用フィルター1が効率良く冷却され、喫煙者の唇への過剰な熱伝導が抑えられる。タバコ用フィルター1の外形は八角柱状であり、巻紙をタバコ用フィルター1に巻着付けるときに、タバコ用フィルター1の角部3によって、巻紙に内側方向の折り目がつき、簡単に手巻きタバコが製造できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、タバコ葉または喫煙用ハーブ等の喫煙用植物を巻紙で巻いて、手巻きタバコを製造するときに使用するタバコ用フィルターに関するものである。より詳しくは、巻紙が巻きやすい形状を有し、喫煙時にタール等の有害物質が吸着されやすいタバコ用フィルターに関するものである。
フィルター付きの手巻きタバコを製造するとき、タバコ葉、巻紙、およびフィルターを使用する。汎用されているフィルターの大きさは、市販の紙巻きタバコのフィルターの大きさとほぼ同じで、小さくて短い。このため、人手でフィルター付きの手巻きタバコを製造するには、ある程度の技能が必要である。この技能の不足分を補うため、フィルター付きの手巻きタバコを製造するときには、簡易タバコ巻き器を使用することが多い。
図13と図14を参照しながら、簡易タバコ巻き器について説明する。図13は、簡易タバコ巻き器40の上面図である。図13に示すように、簡易タバコ巻き器40は、固定タバコ巻きローラー22Aと、可動タバコ巻きローラー22Bと、タバコ巻き帯(不図示)と、枠25とを備える。
図14は、枠25の記載を省略した簡易タバコ巻き器40の斜視図である。図14に示すように、固定タバコ巻きローラー22Aおよび可動タバコ巻きローラー22Bは円柱形状を有しており、それぞれの軸24A,24Bは平行に配置される。また、図13に示すように、軸24A,24Bは、それぞれ固定タバコ巻きローラー22Aおよび可動タバコ巻きローラー22Bから突出しており、枠25から外れないように設置されている。
固定タバコ巻きローラー22Aおよび可動タバコ巻きローラー22Bは、それぞれの軸24A,24Bを中心に回転可能である。また、図13および図14に示すように、可動タバコ巻きローラー22Bは、指等で押すことによって、固定タバコ巻きローラー22Aに接近可能である。このとき、枠25に設けられた長孔(不図示)に沿って軸24Bが動いて軸24Aに近づき、その結果、可動タバコ巻きローラー22Bが固定タバコ巻きローラー22Aの方向に移動する。
また、これと反対の動き、つまり、可動タバコ巻きローラー22Bが固定タバコ巻きローラー22Aから離れるような離反運動も可能である。なお、可動タバコ巻きローラー22Bの回転運動と、可動タバコ巻きローラー22Bの固定タバコ巻きローラー22A方向への接近および離反運動は、互いに独立している。
図14に示すように、タバコ巻き帯23は、固定タバコ巻きローラー22Aと可動タバコ巻きローラー22Bを包むように配置されている。また、図15および図16に示すように、タバコ巻き帯23は、固定タバコ巻きローラー22Aと可動タバコ巻きローラー22Bの間に、手巻きタバコ一本分のタバコ葉およびフィルターを押し込める長さを有する。なお、「長さ」の方向は、図13および図14に示す幅eの方向と垂直である。
次に、図15から図19を参照しながら、簡易タバコ巻き器40を使用してフィルター付きの手巻きタバコを製造する手順を説明する。図15から図19は、図13に示す簡易タバコ巻き器40のf−f断面概略図である。まず、図15に示すように、固定タバコ巻きローラー22Aおよび可動タバコ巻きローラー22Bを離した状態で、適量のタバコ葉7Aおよび円柱形状のフィルター(不図示)を並べて、タバコ巻き帯23の上方から二本のローラー22A,22Bの間に押し込む。タバコ葉7Aおよびフィルターを二本のローラー22A,22Bの下方に押し込んだら、可動タバコ巻きローラー22Bを固定タバコ巻きローラー22Aに接近させる。こうして、図16に示すように、タバコ葉7Aおよびフィルターは二本のローラー22A,22Bの下方に収納される。
そして、二本のローラー22A,22Bを図16に示す矢印方向に回転させることによって、タバコ巻き帯23をタバコ葉7Aおよびフィルターの周囲で動かす。このタバコ巻き帯23の移動によって、タバコ葉7Aはフィルターと共に円柱形状に成形される。
つづいて、図17に示すように、二本のローラー22A,22Bの隙間から、長方形の巻紙2を挿入し、二本のローラー22A,22Bを回転させる。このときの二本のローラー22A,22Bの回転方向は、図16に示す矢印方向である。なお、巻紙2の片面の一端には、接着帯が設けられている。二本のローラー22A,22Bを回転させることによって、円柱形状のタバコ葉7およびフィルターの周囲を巻紙2で数重に覆う。
そして、図18に示すように、巻紙2の一部が二本のローラー22A,22Bの隙間から出ている状態で、二本のローラー22A,22Bの回転をいったん止めて、二本のローラー22A,22Bの隙間から出ている巻紙2の接着帯26を唾液等で濡らす。その後、二本のローラー22A,22Bをさらに回転させて、巻紙2の接着帯26の部分を二本のローラー22A,22Bの下方に送り込む。こうして、接着帯26が巻紙2の他の部分に接着して、タバコ葉7Aおよびフィルターの周囲を巻紙2が数重に覆う手巻きタバコが製造される。最後に、図19に示すように、可動タバコ巻きローラー22Bを固定タバコ巻きローラー22Aから離反させて、製造した手巻きタバコを取り出す。
簡易タバコ巻き器40を使用する場合、図13および図14に示す簡易タバコ巻き器40の内幅eの長さによって手巻きタバコの長さも決まる。このため、タバコ葉と共に使用するフィルターの長さも制限され、あまり大型のフィルターを使用することができない。
また、簡易タバコ巻き器40を使用して製造した手巻きタバコは、巻紙2が数重になっているため、巻紙が一重の手巻きタバコと比べて、喫煙による巻紙の消費量が多い上、喫煙における風味が劣る。一方、巻紙の消費量を抑え、かつ喫煙における風味を考慮した手巻きタバコの製造方法として、逆巻き方法がある。
図20、図21、図22、および図23を参照しながら、逆巻き方法について説明する。まず、図20に示すように、巻紙2の接着帯26のある面がタバコ葉7Aの外側を向くようにして、接着帯26が設けられた側の巻紙2の端部からタバコ葉7Aを巻き始める。つづいて、図21および図22に示すように、巻紙2がタバコ葉(不図示)の外周を一周して接着帯26の表面に重なったら、重なった部分の外側から巻紙2を濡らして、巻紙2同士を接着する。そして、図23に示すように、余分な巻紙2を切り離す。
簡易タバコ巻き器を使用して、逆巻き方法で手巻きタバコを製造しようとすると、外側に向いた接着帯表面を濡らした状態で、簡易タバコ巻き器に巻紙を挿入することになる。この場合、巻紙が簡易タバコ巻き器の構成部品に接着してしまう。このため、簡易タバコ巻き器を使用して、逆巻き方法で手巻きタバコを製造するのは実質上不可能である。
また、巻紙の接着帯部分は、接着剤が巻紙の一方の面にのみ設けられているので、接着剤が設けられている面と設けられていない面とで、乾燥による巻紙の収縮率が異なる。このため、巻紙を長時間保管していると、接着帯を内側にして巻紙が折り曲がってしまう。したがって、図24に示すように、接着帯26の方向に折り曲がった巻紙2と一般的なフィルター(不図示)を使用して、逆巻き方法で手巻きタバコを製造するのは困難である。
ところで、一般的なフィルターとしては、図25に示すような、市販の紙巻きタバコにも使用され、円柱形状を有する繊維製のフィルター、図26に示すような、中空で略円錐台形状を有しプラスチック製のチップと呼ばれるフィルター、および図27に示すような、長方形の紙21を円筒状に丸めたローチと呼ばれるフィルターが挙げられる。これらのフィルターの大きさは、いずれも市販の紙巻きタバコのフィルターとほぼ同じ大きさである。なお、図27はローチの作製手順を示す模式図で、図27に示すように、長方形の紙21を回転させて円柱状に丸めたローチを作製する。
図28に示すような、市販の紙巻きタバコのフィルターとほぼ同じ大きさの、直径gが8mm、長さhが20mmの円筒形状を有するアルミニウム製のフィルターを用いて手巻きタバコを製造することは、フィルターが繰り返し使用できる点、簡易タバコ巻き器が使用できる点、および巻紙を最後まで燃やせる、つまりタバコ葉を最後まで使い切れる点では優れている。しかし、このフィルターを用いた手巻きタバコは、タバコ葉の燃焼によって発生する、有害でタバコの味わいの低下をもたらすタール等の物質がフィルターを通過しやすい。このため、タバコ葉がフィルター付近まで燃焼しないうちにタバコの味わいが低下する。さらに、タバコ葉の燃焼によって発生する煙からの熱伝導によって、喫煙中に唇が熱く感じることがある。
喫煙中のタバコの味わいの低下、および唇への過剰な熱伝導を抑えるために、単にフィルターを長くする、すなわち、フィルターの長さを例えば70mm程度にすることが考えられる。フィルターを長くすると、タバコの味わいの低下、および唇への過剰な熱伝導は抑えられるが、市販の簡易タバコ巻き器の幅は大きくないので、簡易タバコ巻き器を用いて手巻きタバコを製造できない場合がある。
この場合、簡易タバコ巻き器を用いず、人手によってタバコ葉を巻紙で巻き、手巻きタバコを製造することになる。しかし、アルミニウム製のフィルターの表面は滑りやすいため、巻紙がフィルター表面で滑ってタバコ葉を巻きにくく、また、仮に巻けたとしても、巻紙とタバコ葉がフィルターから抜けやすい。
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであり、簡易タバコ巻き器を使用しなくても簡易に手巻きタバコが製造できると共に、喫煙者の唇への過剰な熱伝導、および喫煙中のタバコの味わいの低下を抑えられるタバコ用フィルターを提供することを目的とする。
本発明の態様は、喫煙用植物と共に、少なくとも一部を巻紙で巻いて手巻きタバコを製造するためのタバコ用フィルターであって、起伏した外表面および煙道となる中空部を有し、不燃性材料から構成されたタバコ用フィルターである。この態様のタバコ用フィルターによって、簡易に手巻きタバコが製造できると共に、喫煙者の唇への過剰な熱伝導、および喫煙中のタバコの味わいの低下を抑えられる。
起伏した外表面は、溝を有する外表面とすることができる。また、手巻きタバコを製造したときに喫煙用植物の近傍となる位置に、手巻きタバコを製造したときに喫煙者側となる端部から中空部に取り込まれた空気が外部に導かれる空気穴が設けられていても良い。また、手巻きタバコを製造したときに喫煙用植物側となる端部の直径が、手巻きタバコを製造したときに喫煙者側となる端部の直径より大きくても良い。
不燃性材料から構成され、喫煙時に中空部に挿入して使用し、喫煙用植物の燃焼によって発生する物質の少なくとも一部を付着させる付着部材を、さらに有していても良い。付着部材は、長板形状または長板を長手方向に沿ってねじった形状を有していても良い。タバコ用フィルターの外形は、五角形以上で八角形以下の多角形の角柱状の外形であっても良い。中空部は円柱形状を有していても良く、中空部の表面が平滑であっても良い。
市販の紙巻きタバコは、タバコが収納された箱からタバコを取り出し、このタバコを口にくわえて火をつけるだけで喫煙できる。この手順は、無意識のうちに行われるほど、技能と時間を必要としない簡単な喫煙手順である。この手順の容易さが、ニコチン摂取量を増やす要因であり、ニコチン中毒に陥り易い要因でもある。
口にくわえたタバコに火をつける前に、自分は本当にニコチンが欲しいのか、それとも単に口が寂しくて癖が出ただけなのか、と自問自答するだけで喫煙を思い止まることも少なくない。無理な禁煙は喫煙者に大きなストレスがかかるので、まずはこの癖を直して無理のない減煙から開始するのが望ましい。
喫煙の習慣に支配されず、ニコチン摂取を自分でコントロールする手段の一つが、手巻きタバコの使用である。巻紙を巻いて手巻きタバコを製造する作業にも多少の時間がかかるので、本当に喫煙したいと思わなければ、巻紙を巻く作業は行われない。また、巻紙を巻いて手巻きタバコを製造してから喫煙するとなると、歩行中および車の運転中の喫煙は無理であり、喫煙量は確実に減少する。
本発明によれば、喫煙中の巻きタバコの風味の変化を抑えた手巻きタバコが、簡易タバコ巻き器を使用することなく容易に製造できる。このため、必要量以上の喫煙が抑えられ、減煙および節煙が可能となる。また、本発明によれば、喫煙者の唇への過剰な熱伝導が抑えられる。また、本発明によれば、タバコ葉を最後まで燃焼できる上、フィルターが再利用できるので、ゴミの削減が可能となる。さらに、本発明によれば、毎日、何度か指先を使って手巻きタバコを製造するため、喫煙者の脳を活性化し、高齢性の認知症の予防が可能である。
図1は、第1の実施の形態のタバコ用フィルターの外観図である。
図2、図3、図4および図5は、第1の実施の形態のタバコ用フィルターを用いて手巻きタバコを製造する手順を示す模式図である。
図6および図7は、第2の実施の形態のタバコ用フィルターの斜視図である。
図8は、第2の実施の形態のタバコ用フィルターを用いて製造した手巻きタバコの喫煙中の状態を示す模式図である。
図9は、第3の実施の形態のタバコ用フィルターの斜視模式図である。
図10は、第3の実施の形態のタバコ用フィルターの付着部材の外観図である。
図11および図12は、他の実施の形態のタバコ用フィルターの斜視図である。
図13は、簡易タバコ巻き器の上面図である。
図14は、簡易タバコ巻き器の斜視図である。
図15、図16、図17、図18および図19は、簡易タバコ巻き器の断面概略図である。
図20、図21、図22および図23は、手巻きタバコを逆巻き方法で製造する手順を示す模式図である。
図24は、接着帯の部分が内側に折り曲がった巻紙の斜視図である。
図25は、タバコ用フィルターの斜視図である。
図26は、タバコ用フィルターの上面と断面を示す図である。
図27は、タバコ用フィルターを製造する手順を示す模式図である。
図28は、アルミニウム製のタバコ用フィルターの外観図である。
符号の説明
1 タバコ用フィルター
2 巻紙
3 角部
4 外表面
5 溝
6 煙道
7A,7B タバコ葉
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、第2の実施の形態の以降では、それ以前の実施の形態との重複説明を適宜省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態のタバコ用フィルター1を示す。タバコ用フィルター1は、タバコ葉または喫煙用ハーブ等の喫煙用植物と共に、少なくとも一部を巻紙で巻いて手巻きタバコを製造するのに使用する。タバコ用フィルター1は、図1に示す径aが4.5mm、高さが70mmである八角柱状の外形を有し、図1に示す径bが3mmである円柱形状の中空部が設けられている。この中空部は煙道6として機能する。
タバコ用フィルター1の外形を八角柱のような多角柱とすることにより、巻紙をタバコ用フィルター1に巻き付ける際、角柱表面の角部の上から巻紙を押さえて内側方向に折り目を作ることができる。このため、簡単に手巻きタバコが製造できる。巻紙の内側方向への折れ角度が鋭角にならないように、タバコ用フィルター1は、五角形以上の多角形の角柱状の外形を有することが好ましい。また、タバコ用フィルター1は、製造および加工の容易性と、机上等に置いたときの落下防止の観点から、八角形以下の多角形の角柱状の外形を有することが好ましい。なお、本発明において、多角柱には、角部を曲面化処理したものも含まれる。本実施の形態では、タバコ用フィルター1の外形を八角柱としたが、机上等に置いたときの落下防止の観点からは、タバコ用フィルターの外形を、楕円柱、または側面に角部を1つ以上有する円柱もしくは角柱等の柱形状としても良い。
タバコ用フィルター1は、起伏した外表面4を有する。ここで、本発明において、外表面とは、円柱および角柱の側面等のタバコ用フィルター1の主表面をいう。すなわち、円柱および角柱の底面は外表面に含まない。タバコ用フィルター1が起伏した外表面4を有することによって、平坦な外表面4を有するタバコ用フィルターと比べて、外表面4の表面積が増大するため、外気との接触面積が増える。この結果、タバコ用フィルター1が効率良く冷却され、喫煙中に生じるタール等の有害物質をタバコ用フィルター1に多く付着させることができる。なお、タバコ用フィルター1の底面は、平坦であっても良いし、起伏していても良い。
本実施の形態のタバコ用フィルター1では、起伏した外表面4として、溝5を有する外表面4を採用している。この溝5は、タバコ用フィルター1の外表面4を囲むように形成されている。このため、巻紙をタバコ用フィルター1に巻き付けて巻きタバコを製造する際、巻紙が抜けにくい。他の起伏した外表面として、長手方向に沿ってノコギリ刃形状または三角波形状等の凹凸を有する外表面が挙げられる。また、タバコ用フィルター1の外表面には、外表面を囲むような方向に沿って凹凸を形成しても良い。
タバコ用フィルター1は、不燃性材料から構成されている。このため、巻紙とタバコ葉のほぼ全部を燃焼させる喫煙ができる。したがって、巻紙とタバコ葉の無駄がほとんどなくなる。また、紙製等のフィルターとは異なり、不燃性材料から構成されるフィルターは、使い捨てではなく再利用できるので、ゴミの削減および地球環境保全が図れる。
不燃性材料としては、金属、鉱石、セラミックス、または陶磁器等の無機材料が挙げられる。また、この不燃性材料は、熱伝導率が高く、加工しやすいものが好ましい。また、例えば、唇に触れる部分を熱伝導率が低い材料から構成し、タバコ葉に近隣する部分を熱伝導率が高い材料から構成されたタバコ用フィルター、または表面を熱伝導率が低い材料から構成し、内部を熱伝導率が高い材料から構成されたタバコ用フィルターのように、タバコ用フィルターの各部位を、それぞれ異なる材料から構成しても良い。
本実施の形態のタバコ用フィルター1は、24金に15%のシルバーと10%の銅を混ぜた18金製である。タバコ用フィルター1は、24金に15%のシルバーと10%の銅を混ぜた18金製以外にも、24金に他の金属を25%混ぜた18金、純金、純度99.9%の硬化純金、純銀、表面にロジウムメッキを施したシルバー925、またはプラチナ等の材料から構成することができる。18金は24金と比べ硬度がある点で優れており、表面にロジウムメッキを施したシルバー925は純銀と比べて酸化しにくい点で優れている。
さらに、表面にルテチウムメッキを施したシルバー925の表面の熱伝導率は、表面にロジウムメッキを施したシルバー925の表面の熱伝導率よりかなり小さい。したがって、表面にルテチウムメッキを施したシルバー925で構成されたタバコ用フィルター1は、冷やした状態での保冷性に優れている。また、プラチナは熱伝導率が低く、熱くなりにくいため、タバコ用フィルター1の唇に触れる部分の材料として優れている。タバコ用フィルター1の材料となり得る各種不燃性材料の熱伝導率を下記の表に示す。
Figure 0004300537
煙道6の表面は平滑であることが好ましい。喫煙中に煙道6の表面に付着したタール等の有害物質が存在したまま喫煙を重ねると、巻きタバコの味わいが低下してくる。しかし、煙道6の表面が平滑であれば、喫煙後の煙道6の清掃により、タール等の有害物質が除去しやすい。また、煙道6の表面が平滑であれば、喫煙中に煙道6の表面にタール等の有害物質が付着する際、煙道6の表面全体にわたってほぼ均一に付着するため、煙道6が塞がれにくくなり、巻きタバコの味わいの低下を遅らせることができる。
また、煙道として機能すれば、タバコ用フィルター1の形成された中空部の形状は問わない。しかし、中空部の形状は円柱形状が好ましい。中空部の形状が円柱形状であれば、喫煙中に煙道6の表面にタール等の有害物質が付着する際、煙道6の表面全体にわたってほぼ均一に付着するため、煙道6が塞がれにくくなり、巻きタバコの味わいの低下を遅らせることができる。
また、煙道6の表面を、低摩擦化加工してタバコ用フィルター1を製造すれば、喫煙後の煙道6の清掃がさらに行いやすくなるため好ましい。ここで低摩擦化とは、傷や溝がほとんどない滑らかな状態にすることをいう。煙道6の表面の低摩擦化加工は、研磨加工によって行う。
次に、タバコ用フィルター1の製造方法について説明する。まず、タバコ用フィルター1の材料である金属、例えばシルバー925を、ロストワックス法で、タバコ用フィルター1の半分の長さの部材に鋳造する。つづいて、この部材2個を、ロウ付けによって接合する。そして、外面および煙道6の表面を研磨する。最後に、ロジウムメッキ処理を行う。
また、長手方向に沿って三角波形状の凹凸を有する外表面を備える他の実施の形態のタバコ用フィルターの製造方法について説明する。まず、タバコ用フィルターの材料である18金の塊に、レーザー光を照射して、内径3mmで外径5mm以上、すなわち厚さが2mm以上で、長さが70mm以上の円筒を切り出す。つづいて、長さが70mmになるようにこの円筒を切断する。そして、切削加工によって、外表面に三角波形状の凹凸を形成する。この方法は、硬化純金、プラチナまたは18金等の最終工程でメッキ処理を行わない材料から構成されるタバコ用フィルターの製造に主に用いる。
次に、タバコ用フィルター1を用いた手巻きタバコの製造方法について説明する。本実施の形態では、逆巻き方法で手巻きタバコを製造する。まず、図2および図3に示すように、乾燥して接着帯(不図示)の方向に折り曲がった巻紙2を、接着帯部分が外側になるように折り返す。つづいて、図4に示すように、タバコ用フィルター1に巻紙2をかぶせ、上から指で押さえて、巻紙2にタバコ用フィルター1の外形に沿った折り目を付ける。
そして、タバコ用フィルター1を巻紙2から突出させる方向に移動させ、図5に示すように、筒状となった巻紙2の内部にタバコ葉7Aを収める。そして、タバコ用フィルター1を軸にしてタバコ葉7Aを巻紙2で巻き込み、巻紙2が一周して重なったところで、巻紙2の外側から重なった個所を濡らして巻紙2同士を接着し、余分な巻紙2の部分を切り取る。こうして、タバコ用フィルター1を用いた手巻きタバコが製造される。あとは、タバコ用フィルター1をくわえ、手巻きタバコの先端に着火して喫煙する。
(第2の実施の形態)
図6と図7は、第2の実施の形態のタバコ用フィルターを示す。タバコ用フィルターには、手巻きタバコを製造したときにタバコ葉の近傍となる位置に、空気穴10が設けられている。タバコ葉の近傍となる位置とは、タバコ用フィルターの長手方向の中心位置よりもタバコ葉側の位置をいう。空気穴10の形状は、図6に示すような切り欠き形状であってもよいし、図7に示すような孔形状であってもよい。
用意したタバコ葉7Aの量に対して巻紙2が小さい場合には、巻紙2をラッパ形状に巻いて手巻きタバコを製造できる。しかし、このようにして手巻きタバコを製造した場合、図8に示すように、タバコ葉7Bがタバコ用フィルターの周囲に回り込んでしまう。このとき、タバコ用フィルターに空気穴10を設けておくことによって、タバコ用フィルターの喫煙者側から取り込まれた空気が、空気穴10を経由して、タバコ用フィルターの周囲に回り込んだタバコ葉7Bの周囲に到達する。このため、タバコ用フィルターの周囲に回り込んだタバコ葉7Bを最後まで燃焼させられる。
(第3の実施の形態)
図9は、第3の実施の形態のタバコ用フィルターを示す。本実施の形態のタバコ用フィルターは、不燃性材料から構成され、喫煙時に煙道に挿入して使用し、タバコ葉等の喫煙用植物の燃焼によって発生する物質、例えば、タール等の有害物質の少なくとも一部を付着させる付着部材8をさらに有する。なお、付着部材8は、タバコ用フィルターの喫煙用植物側から挿入する。
付着部材8は、図10に示すように、幅2.6mm、長さ50mmの長板を、長手方向に沿ってらせん状にねじった形状を有している。付着部材8がこのような形状を有しているため、喫煙中の煙道内の気流の乱れを抑え、快適な喫煙が可能となる。また、付着部材8がこのような形状を有しているため、喫煙中、タール等の有害物質が付着部材8に均等に付着し、巻きタバコの味わいの低下を遅らせることができる。なお、付着部材8は、らせん状にねじらず、図10に示すような長板形状のままであってもよい。
本実施の形態の付着部材8は、シルバー925から構成されているが、これ以外に、その他の金属、石、ガラス、または陶磁器などの熱伝導率の高い不燃性素材から構成されていてもよい。本実施の形態のタバコ用フィルターによれば、煙道内の空気抵抗をほとんど増加させることなく、煙道内で、タバコ葉の燃焼によって発生したタール等の有害物質を付着させる面積を増やすことができる。そして、付着部材8を煙道から取り出して清掃すれば、付着部材8に付着したタール等の有害物質の除去が容易にできる。
付着部材8には、その一端にストッパー9が設けられている。このストッパー9によって、煙道内に挿入された付着部材8が、喫煙中に喫煙者の口内に入るのを防止できる。本実施の形態のタバコ用フィルターを用いて手巻きタバコを製造する手順は、以下のとおりである。まず、タバコ葉を装着する側から、煙道内に付着部材8を挿入する、そして、巻紙をタバコ用フィルターに巻き付け、巻紙の筒状部にタバコ葉を収める。その後、巻紙同士を接着する。
(他の実施の形態)
図11に示すタバコ用フィルター50は、外表面の長手方向に沿って溝が形成されている。また、図12に示すタバコ用フィルター60は、手巻きタバコを製造したときに喫煙用植物側となる端部の直径が、手巻きタバコを製造したときに喫煙者側となる端部の直径より大きくなっている。
また、本発明の各実施の形態のタバコ用フィルターは、キセル、パイプ、水パイプ、およびヴェポライザーなど、他の喫煙具に装着して使用することができる。この場合、他の喫煙具の端部を、本発明の各実施の形態のタバコ用フィルターに装着可能な構造にする。
本発明のタバコ用フィルターは、簡易に手巻きタバコが製造できると共に、喫煙者の唇への過剰な熱伝導、および喫煙中のタバコの味わいの低下を抑えられるため、喫煙具の一つとして有用である。

Claims (8)

  1. 喫煙用植物と共に、少なくとも一部を巻紙で巻いて手巻きタバコを製造するためのタバコ用フィルターであって、
    起伏した外表面と、
    煙道となる中空部と、
    不燃性材料から構成され、喫煙時に前記中空部に挿入して使用し、前記喫煙用植物の燃焼によって発生する物質の少なくとも一部を付着させる付着部材と、
    を有し、
    不燃性材料から構成されたタバコ用フィルター。
  2. 請求項1において、前記付着部材は、長板形状または長板を長手方向に沿ってねじった形状を有するタバコ用フィルター。
  3. 請求項1または2において、前記起伏した外表面は、溝を有する外表面であるタバコ用フィルター。
  4. 請求項1から3のいずれか1項において、手巻きタバコを製造したときに喫煙用植物の近傍となる位置に、手巻きタバコを製造したときに喫煙者側となる端部から前記中空部に取り込まれた空気が外部に導かれる空気穴が設けられたタバコ用フィルター。
  5. 請求項1から4のいずれか1項において、手巻きタバコを製造したときに喫煙用植物側となる端部の直径が、手巻きタバコを製造したときに喫煙者側となる端部の直径より大きいタバコ用フィルター。
  6. 請求項1から5のいずれか1項において、五角形以上で八角形以下の多角形の角柱状の外形を有するタバコ用フィルター。
  7. 請求項1から6のいずれか1項において、前記中空部は円柱形状を有するタバコ用フィルター。
  8. 請求項7において、前記中空部の表面が平滑であるタバコ用フィルター。
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