JP4299933B2 - パケット・データ通信システムにおいて通信ユニットをページングするための方法および装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、一般にパケット・データ通信システムに関し、特にパケット・データ通信システムにおいて通信ユニットをページングするための方法および装置に関する。
【０００２】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
パケット・データ通信システムは、地上移動環境およびセルラ環境の両方において周知である。地上移動環境においては、パケット・データ・システムは、パケット・ルータ，中央コントローラ，複数の基地サイトおよび複数の通信ユニット（たとえば移動無線機または携帯無線機）を具備する。典型的な地上移動データ・パケット送信においては、パケット・ルータが地上ユーザから中央コントローラにデータ・パケットを供給し、中央コントローラはそのデータ・パケットを、通信ユニットにサービスを提供する基地サイトに供給し、基地サイトがデータ・パケットを送信する。
【０００３】
データ・パケットの送信に先立って、通信ユニットはサービス提供基地サイトによりページングを受けるのが普通である。ページング・メッセージの受信に応答して、通信ユニットは肯定応答を送信し、サービス提供基地サイトは、肯定応答の受信に応答して、データ・パケットを送信する。しかし、ページング時に通信ユニットが別のサービスにおいて活動中である（相互接続呼出中であるなど）とかサービス提供基地サイトのカバレージ・エリア内のトンネル内や建物奥にいるなど無線周波数カバレージ・エリアの外に居るとか、バッテリが切れているなどの様々な理由により、通信ユニットがページング・メッセージに応答しない場合がある。通信ユニットがページング・メッセージの受信に肯定応答することができない場合、サービス提供基地サイトは所定の時間的期間の経過後にページング・メッセージを再送信するのが普通である。通信システムは、基地サイトが肯定応答を受信するか、最大回数の再送信が行われるまで、一定の時間的期間が経過するたびにページング・メッセージを再送信することにより通信ユニットをページングし続ける。最大回数の再送信が行われても通信ユニットが応答できない場合は、通信システムはその通信ユニットとの通信を行おうとする労力が不調に終わったと判断し、データ・パケットはシステムから削除される。
【０００４】
このページング・メカニズムに伴う問題点は、非効率的で価格が高いことである。無線周波数搬送波の時間スロットなどの無線周波数通信資源には限りがある。各ページング・メッセージは無線周波数通信資源を占有して、ある通信ユニットに向けられて繰り返しページング・メッセージが送信されると、他の通信ユニットのページングなど、通信資源の代替使用が阻害される。その結果、システム容量が小さくなる。
【０００５】
従って、不成功のページング回数を削減し、無線周波数通信資源の利用効率を高める、パケット・データ通信システムにおける通信ユニットのページング方法および装置が必要である。
【０００６】
【実施例】
不成功のページング回数を削減し、無線周波数通信資源の利用効率を高めるパケット・データ通信システムおける通信ユニットのページング方法および装置の必要性に対応するために、複数の通信ユニットと、パケット・データ配信システムおよび複数の基地サイトによって構成される固定インフラストラクチャとを備えるパケット・データ通信システムは、複数の通信ユニットのうち１つの通信ユニットをページングするための方法および装置を採用する。固定インフラストラクチャは、通信ユニットにページング・メッセージを送信する。ページング・メッセージの受信に応答して、通信ユニットが肯定応答を送信する。固定インフラストラクチャが一定の待機期間内に肯定応答を受信することができないと、固定インフラストラクチャは、少なくともバックオフ期間が経過するまで待ってから、再びページング・メッセージを送信する。この場合、バックオフ期間の時間的長さは、既知のシステム行動パターンの数量に基づく。
【０００７】
一般に、本発明は複数の通信ユニットのうち１つの通信ユニットをページングする方法を包含する。本方法は、第１ページング・メッセージを送信する段階，第１の時間期間の間肯定応答を待つ段階および第１時間期間内に肯定応答が受信されない場合に、第２時間期間の経過後に第２ページング・メッセージを送信する段階によって構成され、第２時間期間の時間的な長さは既知のシステム行動パターンの数量に基づく。
【０００８】
本発明の別の実施例は、複数の基地サイト，パケット・データ配信システムおよび複数の通信ユニットによって構成されるパケット・データ通信システムにおいて通信ユニットをページングする方法を包含する。本方法は、複数の通信ユニットのうちの１つの通信ユニットに宛てられるデータのパケットを受信する段階，パケットを格納する段階，パケットの受信に応答して第１ページング・メッセージを送信する段階，待機期間の間肯定応答を待つ段階，肯定応答が待機期間経過前に受信される場合はパケットを送信する段階，待機期間経過前に肯定応答が受信されない場合は少なくともバックオフ期間に等しい時間的長さの間、第２ページング・メッセージを送信することを中断する段階によって構成され、バックオフ期間の時間的長さは、既知のシステム行動パターンの数量に基づく。
【０００９】
最後に、本発明は通信ユニットにページング・メッセージを提供するための装置を包含する。本装置は、通信ユニットに宛てられるデータのパケットを受信し、データのパケットを格納し、データのパケットを分配し、肯定応答受信のための待機期間と肯定応答されたページング・メッセージの再送信のバックオフ期間とを決定するパケット・データ配信システムによって構成され、通信ユニットにページング・メッセージを提供し、通信ユニットに宛てられたデータのパケットを受信し、そのデータのパケットを格納し、データのパケットを分配し、肯定応答されたページング・メッセージの再送信の間隔を決定する。この場合、バックオフ期間の時間的長さは、既知のシステム行動パターンの数量に基く。さらに、本装置は通信ユニットのためのページング・メッセージを提供する。本装置は、パケット・データ配信システムに結合され各々がメモリによって構成される複数の基地サイトと、メモリに結合され通信ユニットに無線周波数通信資源を割り当てるプロセッサと、プロセッサに結合され通信ユニットにページング・メッセージを送信する送信機と、プロセッサに結合され通信ユニットにより送信される肯定応答を受信する受信機と、プロセッサに結合され基地サイトおよびパケット・データ通信システムに関するタイミング基準を提供するタイミング基準ユニットとによってさらに構成される。本装置は、各タイミング基準ユニットに結合され通信システムの共通時間基準を提供する時間同期ユニットによってさらに構成される。
【００１０】
図面を参照して、同様の数字は同様の部品を示すが、図１は、本発明の好適な実施例によるパケット・データ通信システムを図示する。パケット・データ通信システム１００は、パケット・データ配信システムによって構成され、パケット・データ配信システムは、好ましくはパケット・データ・ルータ１０１およびディスパッチ・コントローラ１０３と、複数の基地サイト１１１〜１１９（９個を図示）と複数の通信ユニット１１０（１個を図示）とによって構成される。パケット・データ・ルータ１０１，ディスパッチ・コントローラ１０３および複数の基地サイト１１１〜１１９は、互いにネットワーク１２０によって結合され、ネットワーク１２０と共に固定インフラストラクチャを構成する。
【００１１】
パケット・データ・ルータ１０１は、好ましくは「モトローラ社」の移動データ・ゲートウェイ（MDG:Mobile Data Gateway）によって構成され、データ・パケットをパケット・インターネット・プロトコル（IP：Internet Protocol）アドレスと、アドレスに対応する予め設定されたディスパッチ配信リストに基づいて、適切な基地サイトに配信する。ディスパッチ・コントローラ１０３は好ましくは「モトローラ社」のディスパッチ・アプリケーション・プロセッサ（DAP：Dispatch Application Processor）によって構成される。通信ユニット１１０は、好ましくは、移動無線機，携帯無線機，無線電話またはワイヤレス・データ端子によって構成される。基地サイト１１１〜１１９は、好ましくは、モトローラ社（イリノイ州Schaumburg）から市販される「iDEN」強化基地トランシーバ・サイト（EBTS：Enhanced Base Transceiver Sites）によって構成される。図２に示されるように、基地サイト１１１〜１１９の各々は、好ましくは送信機２００，受信機２０２，好ましくはランダム・アクセス・メモリ（RAM）であるメモリ２０６およびタイミング基準ユニット２０８に結合される好ましくはマイクロプロセッサであるプロセッサ２０４によって構成される。本発明の代替の実施例においては、各基地サイト１１１〜１１９は、プロセッサ２０４に結合されるタイミング基準ユニット２０８によってさらに構成され、各タイミング基準ユニットはマスタ同期ユニット１０６またはグローバル・ポジショニング・システム（GPS）受信機に結合されて、GPS受信機がGPS衛星からGPS信号を受信し、このGPS信号が共通の時間的基準として機能する。各基地サイト１１１〜１１９は、対応するサービス・カバレージ・エリア１２１〜１２９に通信サービスを提供する。
【００１２】
パケット・データ通信システム１００の動作は、本発明により、実質的に次のように行われる。通信ユニット１１０が通信システム１００内でアクティブになることを欲すると、通信ユニット１１０はサービス提供基地サイト（たとえば基地サイト１１１）を介して、既知の方法によりディスパッチ・コントローラ１０３に登録する。ディスパッチ・コントローラ１０３は、その配信リストを更新して、通信ユニットの現在の位置を反映させる。
【００１３】
地上ネットワーク・ユーザ（たとえば地上コンピュータ・オペレータまたは地上ネットワークに接続される移動コンピュータ・オペレータ）が通信ユニット１１０にデータを送ろうとする場合、地上ユーザは、通信ユニット１１０に対して地上ネットワーク，パケット・データ・ルータ１０１およびサービス提供基地サイト１１１を介して１つ以上のパケット内にデータを送る。パケット・データ・ルータ１０１が地上ネットワークからのパケット・データ通信のパケットを受信する。パケット・データ・ルータ１０１はデータ・パケットを格納し、ディスパッチ・コントローラ１０３に対してパケット・データ・ルータ１０１に通信ユニット１１０のためのパケットがあることを通知する。
【００１４】
通信ユニット１１０が活動中でない（すなわち固定インフラストラクチャとのデータ・パケットの送受信をしていない）場合、ディスパッチ・コントローラ１０３はページング・メッセージを複数の基地サイト（たとえば基地サイト群１１１〜１１９）に送る。基地サイト群１１１〜１１９は、サービス提供基地サイト１１１を含む所定の基地サイト群である。本発明の代替の実施例においては、通信ユニット１１０は、通信ユニット１１０がサービス提供基地サイト１１１のカバレージ・エリア１２１を離れる場合はいつでも、基地サイト（たとえばサービス提供基地サイト１１１）を介してディスパッチ・コントローラ１０３にメッセージを送信する。このようなメッセージが受信されない場合、通信システム１００は、通信ユニット１１０がサービス提供基地サイト１１１のカバレージ・エリア１２１内に居続けると想定し、ディスパッチ・コントローラ１０３はサービス提供基地サイト１１１のみにページング・メッセージを送付する。
【００１５】
基地サイト１１１〜１１９は、ページング・メッセージに割り振られる無線周波数（RF）通信資源上にページング・メッセージを送信する。通信ユニット１１０が活動中でない場合は、このRF通信資源に対して通信ユニット１１０が同調される。好適な実施例においては、パケット・データ通信システムは時分割多重接続（TDMA：time division multiple access）通信システムによって構成されるのでRF通信資源は、無線周波数搬送波の時間スロットによって構成される。しかし、本発明の代替の実施例においては、RF通信資源は、RF搬送波（たとえば周波数分割多重接続（FDMA：frequency division multiple access）通信システム）または直交コード（たとえば符号分割多重接続（CDMA：code division multiple access）通信システム）によって構成される場合もある。ページング・メッセージは、メッセージの受け手として意図される通信ユニット１１０に一意的に対応する、シンボルの識別シーケンスなどの識別子によって構成され、さらに通信ユニット１１０に対してパケット・チャネルに同調することを要求する情報によって構成される。
【００１６】
通信ユニット１１０がページング・メッセージを受信すると、通信ユニット１１０はページング・メッセージの肯定応答と、パケット・データの送信に関する無線周波数通信資源（すなわちパケット・チャネル）の割当要求とを送信する。少なくとも１つの基地サイト１１１〜１１９が肯定応答を受信し、この肯定応答をディスパッチ・コントローラ１０３に伝える。ディスパッチ・コントローラ１０３は、肯定応答をパケット・データ・ルータ１０１に伝えて、パケット・データ・ルータ１０１に対して通信ユニット１１０がページを受信したことを知らせる。次にパケット・データ・ルータ１０１は、基地サイト（たとえば基地サイト１１１）が通信ユニット１１０にサービスを提供するよう割り当てる。好ましくは、割り当てられた基地サイト１１１は、パケット・チャネルを通信ユニット１１０に割り当てるが、代替の実施例においては、パケット・データ・ルータ１０１がパケット・チャネルを割り当てることもある。パケット・データ・ルータ１０１は、データ・パケットを割り当てられた基地サイト（すなわち基地サイト１１１）と割り当てられたパケット・チャネルとを介して通信ユニットに送信する。好適な実施例においてはパケット・データ・ルータ１０１による基地サイトの割当は、通信ユニット１０９により少なくとも１つの基地サイト１１１〜１１９から受信された信号、あるいは通信ユニット１０９から少なくとも１つの基地サイト１１１〜１１９により受信された信号に関する搬送波対干渉プラス雑音比（Ｃ／Ｉ＋Ｎ）の測定値と、基地サイトが利用可能なパケット・チャネルを有するか否かに基づき決定される。
【００１７】
好適な実施例においては、ページング・メッセージを送信後、基地サイト１１１〜１１９は共通時間基準を参照して決定される時間的長さの間待機する。この長さは、通信ユニット１１０から肯定応答を受信するための第１待機期間と等しい。第１待機期間の経過前に基地サイト１１１〜１１９により肯定応答が受信されない場合は、パケット・データ・ルータ１０１はそのデータ・パケットを放棄して、通信システム１００はバックオフ・モードに入る。
【００１８】
バックオフ・モードにおいては、固定インフラストラクチャは少なくとも第１バックオフ期間に等しい、共通の時間的基準を参照して決定される時間的長さの間は通信ユニット１１０にページング・メッセージを再送信しない。通信ユニット１１０に宛てられ、第１バックオフ期間中に固定インフラストラクチャにより受信されるすべてのデータ・パケットは、好ましくはパケット・データ・ルータ１０１によって放棄される。第１バックオフ期間の経過後に、地上ネットワーク・ユーザから通信装置１１０に宛てられる第２データ・パケットを受信すると、固定インフラストラクチャは通信ユニット１１０に第２ページング・メッセージを送信する。第２ページング・メッセージの送信後、第２待機期間に等しい時間的長さの経過前に基地サイト１１１〜１１９によって肯定応答が受信されない場合は、固定インフラストラクチャ、好ましくはパケット・データ・ルータ１０１が第２データ・パケットを放棄し、第２バックオフ期間に少なくとも等しい時間的長さの間通信装置１１０に別のページング・メッセージを送信することはしない。通信装置１１０に宛てられ、第２バックオフ期間中に固定インフラストラクチャにより受信されるすべてのデータ・パケットが放棄される。
【００１９】
好適な実施例においては、ページング・メッセージを繰り返し送信し、その後に待機期間とバックオフ期間とが起こることが、通信ユニット１１０がページング・メッセージを肯定応答するまで、あるいは、通信システム１００に通信システム１００から通信ユニット１１０が排除されたことが知らされるまで無限に続けられる。しかし、代替の実施例では、基地サイトが所定回数の送信の後にページング・メッセージの送信をやめることがある。各バックオフ期間中は、通信システム１００が受信し通信ユニット１１０に宛てられたすべてのデータ・パケットが放棄される。各バックオフ期間の経過後に、固定インフラストラクチャは地上ネットワーク・ユーザから通信ユニット１１０に宛てられたデータ・パケットの受信に応答して、通信ユニット１１０にページング・メッセージを送信する。ページング・メッセージ送信後、その後の待機期間中に基地サイト１１１〜１１９によって肯定応答が受信されない場合は、固定インフラストラクチャはそのデータ・パケットを放棄して、少なくとも次のバックオフ期間と等しい時間的長さの間は、通信装置１１０に別のページング・メッセージを送ることはしない。
【００２０】
固定インフラストラクチャ内、好ましくはディスパッチ・コントローラ１０３内に位置するか、あるいはパケット・データ・ルータ１０１内にも位置することがあるカウンタが、ページング・メッセージが通信ユニット１１０に送付された回数の数える。あるいは、カウンタは経過した連続バックオフ期間の数を追跡することもある。通信ユニット１１０から肯定応答が受信されると、カウンタはゼロにリセットされる。待機期間の長さが可変する場合、固定インフラストラクチャが、カウンタを参照して待機期間を決定し、各ページング・メッセージの送信に適応することのできるバックオフ期間を決定する。
【００２１】
好適な実施例においては、第１，第２およびその後の待機期間の長さは、通信システム１００内の通信ユニットにメッセージを送信し、そのメッセージを通信ユニットにより処理し、通信ユニットが肯定応答と無線周波数通信資源の割当要求とを送信するために通常必要とされる時間量に基づいて決まる。第１，第２およびその後のバックオフ期間の時間的長さは、既知の通信システム１００の行動パターンに基づく数量により決まる。この数量は、通信ユニットがページに応答する前に送信されるページ数を最小限に抑えて、同時に、以前は応答しなかったページャがページに利用可能になった直後に到達できるよう充分に頻繁にページングを行うよう設定される。
【００２２】
好適な実施例においては、既知の通信システム１００の行動パターンは、通信システム１００内で動作中に、通信システム１００内の複数の通信ユニットの各々がページに応答しない（すなわちページング・メッセージに肯定応答しない）時間的長さに関する統計分布を構築する。好ましくは、この統計分布は、通信ユニットが応答しない（たとえば、ページング・メッセージが送信されたときに通信ユニットが相互接続呼出など別のサービス内でアクティブであるとき、あるいは通信ユニットが長いトンネルの途中に居るなどRFカバレージから外れているとき、あるいは通信ユニットのバッテリが切れたときなど）場合の種々の状況と、これら種々の状況の各々に居る場合に通信ユニットが応答しない時間的長さと、通信ユニットあたりのデータ・パケット速度とを考慮する。好適な実施例においては通信ユニット１１０をページングしようとする試みが指定回数だけ不成功に終わった後、バックオフ期間は調整を停止して、通信ユニット１１０がページング・メッセージに肯定応答するまで一定となる。
【００２３】
たとえば、システム行動パターンが通信ユニットが応答しない時間の８０％は通信ユニットが相互接続呼出においてアクティブであり、通信ユニットが応答しない時間の２０％は通信ユニットが範囲外にあることを示すとする。さらに、通信システム１００における相互接続呼出は通常、３分間の長さで、通信ユニットが範囲外にあるときは、通信ユニットは１時間は範囲外にあるのが普通であるとする。上記の状況では、第１バックオフ期間は１分であり、第２バックオフ期間は２分となる。これらの時間的間隔は、システムのデータ・パケット速度が高く、このバックオフ期間の長さのためにより多くのデータ・パケットが放棄されることになる場合は、小さくすることができる。このように、通信システムは、１分間の第１バックオフ時間の後で統計的に利用可能になる通信ユニットの第１パーセンテージと、２分間の第２バックオフ時間の後で利用可能になる通信ユニットの第２パーセンテージとを捕捉しようとする（トータルで約３分間のバックオフ時間）。第３に、その後のバックオフ期間は、さらに２分間取られ、第３バックオフ期間の後のバックオフ期間は、時間的にかなり長くなる。これは、通信ユニットが応答しない主要な理由の変化によるもので、第１は主に、通信ユニットが相互接続呼出においてアクティブであること、そして一定量の時間の経過後には主に通信ユニットが範囲外にあることである。
【００２４】
本発明の代替の実施例においては、通信システム１００は通信ユニット１１０の活動を監視し、固定インフラストラクチャが通信ユニット１１０に宛てられたデータ・パケットを受信したときに、通信ユニット１１０が別のサービス（たとえば相互接続呼出）においてアクティブであるか否かを判断する。通信ユニット１１０が別のサービスにおいてアクティブである場合、データ・パケットはパケット・データ・ルータ１０１に格納され、ページング・メッセージの送信は第１バックオフ期間の間停止される。第１バックオフ期間の経過後に、通信システム１００はページング・メッセージを通信ユニット１１０に送信することを再度考慮する。通信ユニット１１０が別のサービスにおいて依然としてアクティブである場合は、データ・パケットはパケット・データ・ルータ１０１内に格納されたままになり、ページング・メッセージの送信は第２バックオフ期間の間停止される。カウンタは、ページング・メッセージ送信の中断回数を数える。バックオフ期間は、通信ユニットが特定の種類のサービスに従事しているときの通信システム１００の行動パターンに基づき決定される。送信の再考慮と、再考慮する前にバックオフ期間を過ごすことは、ページング・メッセージを送信することができるようになるまで続き、ページング・メッセージを送信することができるとカウンタはゼロにリセットされる。
【００２５】
本発明は、上記の如く、パケット・データ通信システム内の通信ユニットの不成功に終わるページ数を減らして、既知の通信システムの行動パターンにより決まる数量を基にしてバックオフ期間の時間的長さを決定することにより、無線周波数通信資源の利用効率を高める。各ページの間に一定の時間的間隔を待った後で、通信ユニットを繰り返しページングする代わりに、本発明は通信システム内の通信ユニットの統計的行動に適応される時間の可変間隔を利用する。通信ユニットがページに応答する前に送信されるページ数を最小限に抑えつつ、同時に以前は応答しなかったページャがページに利用できるようになるとすぐにそれに到達できるように充分頻繁にページングを行うよう、間隔が設定される。このようにして、本発明は、通信システムがページに利用できるようになった通信ユニットをページングすることを停止する時間量を最小限に抑え、放棄されるデータ・パケット数を最小限に抑えながら、ページング・メッセージに対する応答速度を最適化することを求める。これにより、通信資源の利用が改善され、データ・パケットの損失や待機時間などの通信ユニットに関する不便を最小限に抑えながら、資源に対する通信ユニットのアクセスをより多くできるようにする。
【００２６】
図３は、通信システムが実行する段階の論理の流れ図３００であり、この場合、通信システムは、基地サイトと複数の通信装置とによって構成され、本発明の好適な実施例により複数の通信ユニットのうち１つの通信ユニットをページングする。通信システム、好ましくは基地サイトが第１ページング・メッセージを送信すると（３０２）、論理の流れが開始する（３０１）。好適な実施例においては、通信ユニットは第１ページング・メッセージの受信に応答して肯定応答を送信する。しかし、通信ユニットが相互接続呼出など別のサービスでアクティブであるとか、長いトンネルの途中にいるなどしてRFカバレージの外に居るとか、バッテリが切れているなどの種々の理由により、通信ユニットがページング・メッセージを受信せず、その結果として肯定応答を送付しないことがある。通信システムは、第１時間的期間の間肯定応答を待機する（３０３）。第１時間的期間の間に肯定応答が受信されないと、通信システム、好ましくは基地サイトは第２時間的期間の経過後、第２ページング・メッセージを送信する（３０４）。ただし第２時間的期間は、既知のシステム行動パターンの数量に基づくものであり、論理の流れは終了する（３０５）。
【００２７】
好適な実施例においては、第１時間的期間の長さは、通信ユニットにページング・メッセージを送信し、通信ユニットがページング・メッセージを処理し、通信ユニットが肯定応答と無線周波数通信資源の割当要求とを送信するために要する時間の量に基づき決まる。第２時間的期間は、既知のシステム行動パターンの数量に基づくもので、この数量は通信ユニットがページに応答するまでに送信されるページ数を最小限に抑え、なおかつ同時に以前は応答しなかったページャがページに利用可能になるとすぐにそれに到達できるよう充分に頻繁にページングを行うよう設定される。図３に示されるように、本発明の好適な実施例においては、既知の通信システム行動パターンは、通信システム内の複数の通信ユニットの各々が通信システム内で動作中にページング・メッセージに応答しない（すなわちページング・メッセージに肯定応答できない）時間の長さに関する統計分布を構築する。好ましくは、上記の如く、この統計分布は、通信ユニットが応答しない場合（たとえば、ページング・メッセージの送信時に通信ユニットが相互接続呼出などの別のサービスにおいてアクティブであるとか、長いトンネルの途中に居るなどRFカバレージの外に居るとか、あるは通信ユニットのバッテリが切れているなど）の種々の状況と、種々の状況の各々の場合において通信ユニットが応答しない時間的長さと、通信ユニット毎のデータ・パケット速度とを考慮する。好適な実施例においては、通信ユニットをページングしようとする試みが指定回数だけ失敗すると、時間的期間は調整をやめて、通信ユニットがページング・メッセージを肯定応答するか、あるいは通信ユニットが通信システムから除去されるまで一定になる。
【００２８】
本発明は、上記の如く、通信ユニットの不成功のページ回数を減らして、既知の通信システム行動パターンに基づく数量を基準として決定されるバックオフ期間の時間的長さを決定することによって、無線周波数通信資源の利用効率を高める。各ページ間に一定の時間的間隔を待って繰り返し通信ユニットをページングする代わりに、本発明は通信システム内の通信ユニットの統計的行動に適応された可変時間間隔を利用する。これにより、統計的に、第１回のページが失敗に終わった後、あるいはその後のページが失敗に終わった後特定の時間量の間に特定数の通信ユニットが使用可能になる確率に合わせたページングの試行が可能になる。
【００２９】
図４は、本発明の好適な実施例による、複数の基地サイト，パケット・データ配信システムおよび複数の通信ユニットによって構成され、複数の通信ユニットのうち１つの通信ユニットをページングするパケット・データ通信システムにより実行される段階の論理の流れ図４００を示す。論理の流れは、通信システムが複数の通信ユニットのうち１つの通信ユニットに宛てられたデータのパケットを受信（４０２）し、格納（４０３）すると、開始される（４０１）。通信システムによるパケットの受信に応答して、通信システム、好ましくは複数の基地サイトのうち１つの基地サイトが通信ユニットに第１ページング・メッセージを送信する（４０４）。好適な実施例においては、パケット・データ配信システムは、ディスパッチ・コントローラおよびパケット・データ・ルータによって構成される。パケット・データ配信システムは、データ・パケットを格納し、基地サイトを介して、第１ページング・メッセージを送信する。好適な実施例においては、通信ユニットが第１ページング・メッセージを受信すると、通信ユニットは肯定応答を送信する。次に通信システムは、待機期間の間肯定応答を待機する（４０５）。通信システムが待機期間経過前に肯定応答を受信すると、通信システム、好ましくは基地サイトは、好ましくは基地サイトを介してパケットを送信し（４０７）、論理の流れは終了する（４１４）。
【００３０】
通信システムが待機期間経過前に肯定応答を受信することができないと（４０６）、パケット・データ配信システムは通信システムからそのパケットを削除する（４０８）。さらに、基地サイトが待機期間経過前に肯定応答を受信することができないと、通信システムは少なくともバックオフ期間に等しい時間的長さの間、通信ユニットに第２ページング・メッセージを送信することを中断する（４０９）。好適な実施例においては、通信システムはバックオフ期間の間通信システムが受信したすべてのデータのパケットを放棄する（４１０）。通信システムがバックオフ期間期間経過後に新しいデータのパケットを受信すると（４１１）、通信システムは新しいパケットを好ましくはパケット・データ配信システム内に格納し（４１２）、第２ページング・メッセージを送信して（４１３）、論理の流れは終了する（４１４）。
【００３１】
好適な実施例においては、待機期間の長さは、通信システム内の通信ユニットにメッセージを送信し、通信ユニットがメッセージを処理し、通信ユニットが肯定応答および無線周波数通信資源の割当要求を送信するために通常要する時間に基づき決まる。バックオフ期間の長さは、既知の通信システム行動パターンに基づく数量により決まる。好適な実施例においては、既知の通信システム行動パターンは、通信システム内の複数の通信ユニットの各々が、通信システム内で動作中にページング・メッセージに応答しない（すなわちページング・メッセージを肯定応答できない）時間の長さに関連する統計分布を構築する。好ましくは、上記の如く、統計分布は、通信ユニットが応答しない（たとえばページング・メッセージが送信されたときに通信ユニットが相互接続呼出など別のサービスにおいてアクティブであるとか、通信ユニットが長いトンネルの途中などRFカバレージの外に居るとか、通信ユニットのバッテリが切れているなど）種々の状況と、通信ユニットが応答しない状況の各々において到達不可能な時間の長さと、通信ユニット毎のデータ・パケット速度とを考慮する。
【００３２】
一般に、本発明は失敗に終わるページ回数を削減し、バックオフ期間すなわちページングの試みが失敗に終わった後、既知の通信システム行動パターンに基づく数量により送信しない時間的期間の長さを決定することによって無線周波数通信資源の利用効率を上げる、パケット・データ通信システムにおける通信ユニットのページング方法および装置を提供する。通信ユニットのページングが連続して失敗する間の一定の時間的間隔を待った後で通信ユニットを繰り返しページングすることをせずに、本発明は通信システム内の通信ユニットの統計的行動に適応される可変時間間隔を利用する。通信システム内の通信ユニットの統計行動をバックオフ期間の決定に組み込むことによって、本発明は、通信ユニットがページに応答する前に送信されるページ数を最小限に抑え、なおかつ、以前は応答しなかったページャがページのために利用可能になるとすぐに到達できるよう充分頻繁にページングするようにする。かくして、本発明は通信システムの通信ユニットのユーザに対する不便を最小限に抑えつつ、通信資源の効率的利用を高める。
【００３３】
本発明は、特定の実施例に関して特定的に図示および説明されたが、本発明の精神および範囲から逸脱せずに形式および詳細において種々の変更が可能であることが、当業者には理解頂けよう。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の好適な実施例によるパケット・データ通信システムのブロック図である。
【図２】本発明の好適な実施例によるパケット・データ通信システムの一部である基地サイトのブロック図である。
【図３】本発明の好適な実施例により通信ユニットをページングする通信システムにより実行される段階の論理の流れ図である。
【図４】本発明の好適な実施例により通信ユニットをページングするパケット・データ通信システムにより実行される段階の論理の流れ図である。
【符号の説明】
１００ パケット・データ通信システム
１０１ パケット・データ・ルータ
１０３ ディスパッチ・コントローラ
１０６ マスタ同期ユニット
１１１〜１１９ 基地サイト
１２０ ネットワーク
１２１〜１２９ カバレージ・エリア
Ａ 地上ネットワーク・ユーザ
Ｂ 地上ネットワーク
【産業上の利用分野】
本発明は、一般にパケット・データ通信システムに関し、特にパケット・データ通信システムにおいて通信ユニットをページングするための方法および装置に関する。
【０００２】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
パケット・データ通信システムは、地上移動環境およびセルラ環境の両方において周知である。地上移動環境においては、パケット・データ・システムは、パケット・ルータ，中央コントローラ，複数の基地サイトおよび複数の通信ユニット（たとえば移動無線機または携帯無線機）を具備する。典型的な地上移動データ・パケット送信においては、パケット・ルータが地上ユーザから中央コントローラにデータ・パケットを供給し、中央コントローラはそのデータ・パケットを、通信ユニットにサービスを提供する基地サイトに供給し、基地サイトがデータ・パケットを送信する。
【０００３】
データ・パケットの送信に先立って、通信ユニットはサービス提供基地サイトによりページングを受けるのが普通である。ページング・メッセージの受信に応答して、通信ユニットは肯定応答を送信し、サービス提供基地サイトは、肯定応答の受信に応答して、データ・パケットを送信する。しかし、ページング時に通信ユニットが別のサービスにおいて活動中である（相互接続呼出中であるなど）とかサービス提供基地サイトのカバレージ・エリア内のトンネル内や建物奥にいるなど無線周波数カバレージ・エリアの外に居るとか、バッテリが切れているなどの様々な理由により、通信ユニットがページング・メッセージに応答しない場合がある。通信ユニットがページング・メッセージの受信に肯定応答することができない場合、サービス提供基地サイトは所定の時間的期間の経過後にページング・メッセージを再送信するのが普通である。通信システムは、基地サイトが肯定応答を受信するか、最大回数の再送信が行われるまで、一定の時間的期間が経過するたびにページング・メッセージを再送信することにより通信ユニットをページングし続ける。最大回数の再送信が行われても通信ユニットが応答できない場合は、通信システムはその通信ユニットとの通信を行おうとする労力が不調に終わったと判断し、データ・パケットはシステムから削除される。
【０００４】
このページング・メカニズムに伴う問題点は、非効率的で価格が高いことである。無線周波数搬送波の時間スロットなどの無線周波数通信資源には限りがある。各ページング・メッセージは無線周波数通信資源を占有して、ある通信ユニットに向けられて繰り返しページング・メッセージが送信されると、他の通信ユニットのページングなど、通信資源の代替使用が阻害される。その結果、システム容量が小さくなる。
【０００５】
従って、不成功のページング回数を削減し、無線周波数通信資源の利用効率を高める、パケット・データ通信システムにおける通信ユニットのページング方法および装置が必要である。
【０００６】
【実施例】
不成功のページング回数を削減し、無線周波数通信資源の利用効率を高めるパケット・データ通信システムおける通信ユニットのページング方法および装置の必要性に対応するために、複数の通信ユニットと、パケット・データ配信システムおよび複数の基地サイトによって構成される固定インフラストラクチャとを備えるパケット・データ通信システムは、複数の通信ユニットのうち１つの通信ユニットをページングするための方法および装置を採用する。固定インフラストラクチャは、通信ユニットにページング・メッセージを送信する。ページング・メッセージの受信に応答して、通信ユニットが肯定応答を送信する。固定インフラストラクチャが一定の待機期間内に肯定応答を受信することができないと、固定インフラストラクチャは、少なくともバックオフ期間が経過するまで待ってから、再びページング・メッセージを送信する。この場合、バックオフ期間の時間的長さは、既知のシステム行動パターンの数量に基づく。
【０００７】
一般に、本発明は複数の通信ユニットのうち１つの通信ユニットをページングする方法を包含する。本方法は、第１ページング・メッセージを送信する段階，第１の時間期間の間肯定応答を待つ段階および第１時間期間内に肯定応答が受信されない場合に、第２時間期間の経過後に第２ページング・メッセージを送信する段階によって構成され、第２時間期間の時間的な長さは既知のシステム行動パターンの数量に基づく。
【０００８】
本発明の別の実施例は、複数の基地サイト，パケット・データ配信システムおよび複数の通信ユニットによって構成されるパケット・データ通信システムにおいて通信ユニットをページングする方法を包含する。本方法は、複数の通信ユニットのうちの１つの通信ユニットに宛てられるデータのパケットを受信する段階，パケットを格納する段階，パケットの受信に応答して第１ページング・メッセージを送信する段階，待機期間の間肯定応答を待つ段階，肯定応答が待機期間経過前に受信される場合はパケットを送信する段階，待機期間経過前に肯定応答が受信されない場合は少なくともバックオフ期間に等しい時間的長さの間、第２ページング・メッセージを送信することを中断する段階によって構成され、バックオフ期間の時間的長さは、既知のシステム行動パターンの数量に基づく。
【０００９】
最後に、本発明は通信ユニットにページング・メッセージを提供するための装置を包含する。本装置は、通信ユニットに宛てられるデータのパケットを受信し、データのパケットを格納し、データのパケットを分配し、肯定応答受信のための待機期間と肯定応答されたページング・メッセージの再送信のバックオフ期間とを決定するパケット・データ配信システムによって構成され、通信ユニットにページング・メッセージを提供し、通信ユニットに宛てられたデータのパケットを受信し、そのデータのパケットを格納し、データのパケットを分配し、肯定応答されたページング・メッセージの再送信の間隔を決定する。この場合、バックオフ期間の時間的長さは、既知のシステム行動パターンの数量に基く。さらに、本装置は通信ユニットのためのページング・メッセージを提供する。本装置は、パケット・データ配信システムに結合され各々がメモリによって構成される複数の基地サイトと、メモリに結合され通信ユニットに無線周波数通信資源を割り当てるプロセッサと、プロセッサに結合され通信ユニットにページング・メッセージを送信する送信機と、プロセッサに結合され通信ユニットにより送信される肯定応答を受信する受信機と、プロセッサに結合され基地サイトおよびパケット・データ通信システムに関するタイミング基準を提供するタイミング基準ユニットとによってさらに構成される。本装置は、各タイミング基準ユニットに結合され通信システムの共通時間基準を提供する時間同期ユニットによってさらに構成される。
【００１０】
図面を参照して、同様の数字は同様の部品を示すが、図１は、本発明の好適な実施例によるパケット・データ通信システムを図示する。パケット・データ通信システム１００は、パケット・データ配信システムによって構成され、パケット・データ配信システムは、好ましくはパケット・データ・ルータ１０１およびディスパッチ・コントローラ１０３と、複数の基地サイト１１１〜１１９（９個を図示）と複数の通信ユニット１１０（１個を図示）とによって構成される。パケット・データ・ルータ１０１，ディスパッチ・コントローラ１０３および複数の基地サイト１１１〜１１９は、互いにネットワーク１２０によって結合され、ネットワーク１２０と共に固定インフラストラクチャを構成する。
【００１１】
パケット・データ・ルータ１０１は、好ましくは「モトローラ社」の移動データ・ゲートウェイ（MDG:Mobile Data Gateway）によって構成され、データ・パケットをパケット・インターネット・プロトコル（IP：Internet Protocol）アドレスと、アドレスに対応する予め設定されたディスパッチ配信リストに基づいて、適切な基地サイトに配信する。ディスパッチ・コントローラ１０３は好ましくは「モトローラ社」のディスパッチ・アプリケーション・プロセッサ（DAP：Dispatch Application Processor）によって構成される。通信ユニット１１０は、好ましくは、移動無線機，携帯無線機，無線電話またはワイヤレス・データ端子によって構成される。基地サイト１１１〜１１９は、好ましくは、モトローラ社（イリノイ州Schaumburg）から市販される「iDEN」強化基地トランシーバ・サイト（EBTS：Enhanced Base Transceiver Sites）によって構成される。図２に示されるように、基地サイト１１１〜１１９の各々は、好ましくは送信機２００，受信機２０２，好ましくはランダム・アクセス・メモリ（RAM）であるメモリ２０６およびタイミング基準ユニット２０８に結合される好ましくはマイクロプロセッサであるプロセッサ２０４によって構成される。本発明の代替の実施例においては、各基地サイト１１１〜１１９は、プロセッサ２０４に結合されるタイミング基準ユニット２０８によってさらに構成され、各タイミング基準ユニットはマスタ同期ユニット１０６またはグローバル・ポジショニング・システム（GPS）受信機に結合されて、GPS受信機がGPS衛星からGPS信号を受信し、このGPS信号が共通の時間的基準として機能する。各基地サイト１１１〜１１９は、対応するサービス・カバレージ・エリア１２１〜１２９に通信サービスを提供する。
【００１２】
パケット・データ通信システム１００の動作は、本発明により、実質的に次のように行われる。通信ユニット１１０が通信システム１００内でアクティブになることを欲すると、通信ユニット１１０はサービス提供基地サイト（たとえば基地サイト１１１）を介して、既知の方法によりディスパッチ・コントローラ１０３に登録する。ディスパッチ・コントローラ１０３は、その配信リストを更新して、通信ユニットの現在の位置を反映させる。
【００１３】
地上ネットワーク・ユーザ（たとえば地上コンピュータ・オペレータまたは地上ネットワークに接続される移動コンピュータ・オペレータ）が通信ユニット１１０にデータを送ろうとする場合、地上ユーザは、通信ユニット１１０に対して地上ネットワーク，パケット・データ・ルータ１０１およびサービス提供基地サイト１１１を介して１つ以上のパケット内にデータを送る。パケット・データ・ルータ１０１が地上ネットワークからのパケット・データ通信のパケットを受信する。パケット・データ・ルータ１０１はデータ・パケットを格納し、ディスパッチ・コントローラ１０３に対してパケット・データ・ルータ１０１に通信ユニット１１０のためのパケットがあることを通知する。
【００１４】
通信ユニット１１０が活動中でない（すなわち固定インフラストラクチャとのデータ・パケットの送受信をしていない）場合、ディスパッチ・コントローラ１０３はページング・メッセージを複数の基地サイト（たとえば基地サイト群１１１〜１１９）に送る。基地サイト群１１１〜１１９は、サービス提供基地サイト１１１を含む所定の基地サイト群である。本発明の代替の実施例においては、通信ユニット１１０は、通信ユニット１１０がサービス提供基地サイト１１１のカバレージ・エリア１２１を離れる場合はいつでも、基地サイト（たとえばサービス提供基地サイト１１１）を介してディスパッチ・コントローラ１０３にメッセージを送信する。このようなメッセージが受信されない場合、通信システム１００は、通信ユニット１１０がサービス提供基地サイト１１１のカバレージ・エリア１２１内に居続けると想定し、ディスパッチ・コントローラ１０３はサービス提供基地サイト１１１のみにページング・メッセージを送付する。
【００１５】
基地サイト１１１〜１１９は、ページング・メッセージに割り振られる無線周波数（RF）通信資源上にページング・メッセージを送信する。通信ユニット１１０が活動中でない場合は、このRF通信資源に対して通信ユニット１１０が同調される。好適な実施例においては、パケット・データ通信システムは時分割多重接続（TDMA：time division multiple access）通信システムによって構成されるのでRF通信資源は、無線周波数搬送波の時間スロットによって構成される。しかし、本発明の代替の実施例においては、RF通信資源は、RF搬送波（たとえば周波数分割多重接続（FDMA：frequency division multiple access）通信システム）または直交コード（たとえば符号分割多重接続（CDMA：code division multiple access）通信システム）によって構成される場合もある。ページング・メッセージは、メッセージの受け手として意図される通信ユニット１１０に一意的に対応する、シンボルの識別シーケンスなどの識別子によって構成され、さらに通信ユニット１１０に対してパケット・チャネルに同調することを要求する情報によって構成される。
【００１６】
通信ユニット１１０がページング・メッセージを受信すると、通信ユニット１１０はページング・メッセージの肯定応答と、パケット・データの送信に関する無線周波数通信資源（すなわちパケット・チャネル）の割当要求とを送信する。少なくとも１つの基地サイト１１１〜１１９が肯定応答を受信し、この肯定応答をディスパッチ・コントローラ１０３に伝える。ディスパッチ・コントローラ１０３は、肯定応答をパケット・データ・ルータ１０１に伝えて、パケット・データ・ルータ１０１に対して通信ユニット１１０がページを受信したことを知らせる。次にパケット・データ・ルータ１０１は、基地サイト（たとえば基地サイト１１１）が通信ユニット１１０にサービスを提供するよう割り当てる。好ましくは、割り当てられた基地サイト１１１は、パケット・チャネルを通信ユニット１１０に割り当てるが、代替の実施例においては、パケット・データ・ルータ１０１がパケット・チャネルを割り当てることもある。パケット・データ・ルータ１０１は、データ・パケットを割り当てられた基地サイト（すなわち基地サイト１１１）と割り当てられたパケット・チャネルとを介して通信ユニットに送信する。好適な実施例においてはパケット・データ・ルータ１０１による基地サイトの割当は、通信ユニット１０９により少なくとも１つの基地サイト１１１〜１１９から受信された信号、あるいは通信ユニット１０９から少なくとも１つの基地サイト１１１〜１１９により受信された信号に関する搬送波対干渉プラス雑音比（Ｃ／Ｉ＋Ｎ）の測定値と、基地サイトが利用可能なパケット・チャネルを有するか否かに基づき決定される。
【００１７】
好適な実施例においては、ページング・メッセージを送信後、基地サイト１１１〜１１９は共通時間基準を参照して決定される時間的長さの間待機する。この長さは、通信ユニット１１０から肯定応答を受信するための第１待機期間と等しい。第１待機期間の経過前に基地サイト１１１〜１１９により肯定応答が受信されない場合は、パケット・データ・ルータ１０１はそのデータ・パケットを放棄して、通信システム１００はバックオフ・モードに入る。
【００１８】
バックオフ・モードにおいては、固定インフラストラクチャは少なくとも第１バックオフ期間に等しい、共通の時間的基準を参照して決定される時間的長さの間は通信ユニット１１０にページング・メッセージを再送信しない。通信ユニット１１０に宛てられ、第１バックオフ期間中に固定インフラストラクチャにより受信されるすべてのデータ・パケットは、好ましくはパケット・データ・ルータ１０１によって放棄される。第１バックオフ期間の経過後に、地上ネットワーク・ユーザから通信装置１１０に宛てられる第２データ・パケットを受信すると、固定インフラストラクチャは通信ユニット１１０に第２ページング・メッセージを送信する。第２ページング・メッセージの送信後、第２待機期間に等しい時間的長さの経過前に基地サイト１１１〜１１９によって肯定応答が受信されない場合は、固定インフラストラクチャ、好ましくはパケット・データ・ルータ１０１が第２データ・パケットを放棄し、第２バックオフ期間に少なくとも等しい時間的長さの間通信装置１１０に別のページング・メッセージを送信することはしない。通信装置１１０に宛てられ、第２バックオフ期間中に固定インフラストラクチャにより受信されるすべてのデータ・パケットが放棄される。
【００１９】
好適な実施例においては、ページング・メッセージを繰り返し送信し、その後に待機期間とバックオフ期間とが起こることが、通信ユニット１１０がページング・メッセージを肯定応答するまで、あるいは、通信システム１００に通信システム１００から通信ユニット１１０が排除されたことが知らされるまで無限に続けられる。しかし、代替の実施例では、基地サイトが所定回数の送信の後にページング・メッセージの送信をやめることがある。各バックオフ期間中は、通信システム１００が受信し通信ユニット１１０に宛てられたすべてのデータ・パケットが放棄される。各バックオフ期間の経過後に、固定インフラストラクチャは地上ネットワーク・ユーザから通信ユニット１１０に宛てられたデータ・パケットの受信に応答して、通信ユニット１１０にページング・メッセージを送信する。ページング・メッセージ送信後、その後の待機期間中に基地サイト１１１〜１１９によって肯定応答が受信されない場合は、固定インフラストラクチャはそのデータ・パケットを放棄して、少なくとも次のバックオフ期間と等しい時間的長さの間は、通信装置１１０に別のページング・メッセージを送ることはしない。
【００２０】
固定インフラストラクチャ内、好ましくはディスパッチ・コントローラ１０３内に位置するか、あるいはパケット・データ・ルータ１０１内にも位置することがあるカウンタが、ページング・メッセージが通信ユニット１１０に送付された回数の数える。あるいは、カウンタは経過した連続バックオフ期間の数を追跡することもある。通信ユニット１１０から肯定応答が受信されると、カウンタはゼロにリセットされる。待機期間の長さが可変する場合、固定インフラストラクチャが、カウンタを参照して待機期間を決定し、各ページング・メッセージの送信に適応することのできるバックオフ期間を決定する。
【００２１】
好適な実施例においては、第１，第２およびその後の待機期間の長さは、通信システム１００内の通信ユニットにメッセージを送信し、そのメッセージを通信ユニットにより処理し、通信ユニットが肯定応答と無線周波数通信資源の割当要求とを送信するために通常必要とされる時間量に基づいて決まる。第１，第２およびその後のバックオフ期間の時間的長さは、既知の通信システム１００の行動パターンに基づく数量により決まる。この数量は、通信ユニットがページに応答する前に送信されるページ数を最小限に抑えて、同時に、以前は応答しなかったページャがページに利用可能になった直後に到達できるよう充分に頻繁にページングを行うよう設定される。
【００２２】
好適な実施例においては、既知の通信システム１００の行動パターンは、通信システム１００内で動作中に、通信システム１００内の複数の通信ユニットの各々がページに応答しない（すなわちページング・メッセージに肯定応答しない）時間的長さに関する統計分布を構築する。好ましくは、この統計分布は、通信ユニットが応答しない（たとえば、ページング・メッセージが送信されたときに通信ユニットが相互接続呼出など別のサービス内でアクティブであるとき、あるいは通信ユニットが長いトンネルの途中に居るなどRFカバレージから外れているとき、あるいは通信ユニットのバッテリが切れたときなど）場合の種々の状況と、これら種々の状況の各々に居る場合に通信ユニットが応答しない時間的長さと、通信ユニットあたりのデータ・パケット速度とを考慮する。好適な実施例においては通信ユニット１１０をページングしようとする試みが指定回数だけ不成功に終わった後、バックオフ期間は調整を停止して、通信ユニット１１０がページング・メッセージに肯定応答するまで一定となる。
【００２３】
たとえば、システム行動パターンが通信ユニットが応答しない時間の８０％は通信ユニットが相互接続呼出においてアクティブであり、通信ユニットが応答しない時間の２０％は通信ユニットが範囲外にあることを示すとする。さらに、通信システム１００における相互接続呼出は通常、３分間の長さで、通信ユニットが範囲外にあるときは、通信ユニットは１時間は範囲外にあるのが普通であるとする。上記の状況では、第１バックオフ期間は１分であり、第２バックオフ期間は２分となる。これらの時間的間隔は、システムのデータ・パケット速度が高く、このバックオフ期間の長さのためにより多くのデータ・パケットが放棄されることになる場合は、小さくすることができる。このように、通信システムは、１分間の第１バックオフ時間の後で統計的に利用可能になる通信ユニットの第１パーセンテージと、２分間の第２バックオフ時間の後で利用可能になる通信ユニットの第２パーセンテージとを捕捉しようとする（トータルで約３分間のバックオフ時間）。第３に、その後のバックオフ期間は、さらに２分間取られ、第３バックオフ期間の後のバックオフ期間は、時間的にかなり長くなる。これは、通信ユニットが応答しない主要な理由の変化によるもので、第１は主に、通信ユニットが相互接続呼出においてアクティブであること、そして一定量の時間の経過後には主に通信ユニットが範囲外にあることである。
【００２４】
本発明の代替の実施例においては、通信システム１００は通信ユニット１１０の活動を監視し、固定インフラストラクチャが通信ユニット１１０に宛てられたデータ・パケットを受信したときに、通信ユニット１１０が別のサービス（たとえば相互接続呼出）においてアクティブであるか否かを判断する。通信ユニット１１０が別のサービスにおいてアクティブである場合、データ・パケットはパケット・データ・ルータ１０１に格納され、ページング・メッセージの送信は第１バックオフ期間の間停止される。第１バックオフ期間の経過後に、通信システム１００はページング・メッセージを通信ユニット１１０に送信することを再度考慮する。通信ユニット１１０が別のサービスにおいて依然としてアクティブである場合は、データ・パケットはパケット・データ・ルータ１０１内に格納されたままになり、ページング・メッセージの送信は第２バックオフ期間の間停止される。カウンタは、ページング・メッセージ送信の中断回数を数える。バックオフ期間は、通信ユニットが特定の種類のサービスに従事しているときの通信システム１００の行動パターンに基づき決定される。送信の再考慮と、再考慮する前にバックオフ期間を過ごすことは、ページング・メッセージを送信することができるようになるまで続き、ページング・メッセージを送信することができるとカウンタはゼロにリセットされる。
【００２５】
本発明は、上記の如く、パケット・データ通信システム内の通信ユニットの不成功に終わるページ数を減らして、既知の通信システムの行動パターンにより決まる数量を基にしてバックオフ期間の時間的長さを決定することにより、無線周波数通信資源の利用効率を高める。各ページの間に一定の時間的間隔を待った後で、通信ユニットを繰り返しページングする代わりに、本発明は通信システム内の通信ユニットの統計的行動に適応される時間の可変間隔を利用する。通信ユニットがページに応答する前に送信されるページ数を最小限に抑えつつ、同時に以前は応答しなかったページャがページに利用できるようになるとすぐにそれに到達できるように充分頻繁にページングを行うよう、間隔が設定される。このようにして、本発明は、通信システムがページに利用できるようになった通信ユニットをページングすることを停止する時間量を最小限に抑え、放棄されるデータ・パケット数を最小限に抑えながら、ページング・メッセージに対する応答速度を最適化することを求める。これにより、通信資源の利用が改善され、データ・パケットの損失や待機時間などの通信ユニットに関する不便を最小限に抑えながら、資源に対する通信ユニットのアクセスをより多くできるようにする。
【００２６】
図３は、通信システムが実行する段階の論理の流れ図３００であり、この場合、通信システムは、基地サイトと複数の通信装置とによって構成され、本発明の好適な実施例により複数の通信ユニットのうち１つの通信ユニットをページングする。通信システム、好ましくは基地サイトが第１ページング・メッセージを送信すると（３０２）、論理の流れが開始する（３０１）。好適な実施例においては、通信ユニットは第１ページング・メッセージの受信に応答して肯定応答を送信する。しかし、通信ユニットが相互接続呼出など別のサービスでアクティブであるとか、長いトンネルの途中にいるなどしてRFカバレージの外に居るとか、バッテリが切れているなどの種々の理由により、通信ユニットがページング・メッセージを受信せず、その結果として肯定応答を送付しないことがある。通信システムは、第１時間的期間の間肯定応答を待機する（３０３）。第１時間的期間の間に肯定応答が受信されないと、通信システム、好ましくは基地サイトは第２時間的期間の経過後、第２ページング・メッセージを送信する（３０４）。ただし第２時間的期間は、既知のシステム行動パターンの数量に基づくものであり、論理の流れは終了する（３０５）。
【００２７】
好適な実施例においては、第１時間的期間の長さは、通信ユニットにページング・メッセージを送信し、通信ユニットがページング・メッセージを処理し、通信ユニットが肯定応答と無線周波数通信資源の割当要求とを送信するために要する時間の量に基づき決まる。第２時間的期間は、既知のシステム行動パターンの数量に基づくもので、この数量は通信ユニットがページに応答するまでに送信されるページ数を最小限に抑え、なおかつ同時に以前は応答しなかったページャがページに利用可能になるとすぐにそれに到達できるよう充分に頻繁にページングを行うよう設定される。図３に示されるように、本発明の好適な実施例においては、既知の通信システム行動パターンは、通信システム内の複数の通信ユニットの各々が通信システム内で動作中にページング・メッセージに応答しない（すなわちページング・メッセージに肯定応答できない）時間の長さに関する統計分布を構築する。好ましくは、上記の如く、この統計分布は、通信ユニットが応答しない場合（たとえば、ページング・メッセージの送信時に通信ユニットが相互接続呼出などの別のサービスにおいてアクティブであるとか、長いトンネルの途中に居るなどRFカバレージの外に居るとか、あるは通信ユニットのバッテリが切れているなど）の種々の状況と、種々の状況の各々の場合において通信ユニットが応答しない時間的長さと、通信ユニット毎のデータ・パケット速度とを考慮する。好適な実施例においては、通信ユニットをページングしようとする試みが指定回数だけ失敗すると、時間的期間は調整をやめて、通信ユニットがページング・メッセージを肯定応答するか、あるいは通信ユニットが通信システムから除去されるまで一定になる。
【００２８】
本発明は、上記の如く、通信ユニットの不成功のページ回数を減らして、既知の通信システム行動パターンに基づく数量を基準として決定されるバックオフ期間の時間的長さを決定することによって、無線周波数通信資源の利用効率を高める。各ページ間に一定の時間的間隔を待って繰り返し通信ユニットをページングする代わりに、本発明は通信システム内の通信ユニットの統計的行動に適応された可変時間間隔を利用する。これにより、統計的に、第１回のページが失敗に終わった後、あるいはその後のページが失敗に終わった後特定の時間量の間に特定数の通信ユニットが使用可能になる確率に合わせたページングの試行が可能になる。
【００２９】
図４は、本発明の好適な実施例による、複数の基地サイト，パケット・データ配信システムおよび複数の通信ユニットによって構成され、複数の通信ユニットのうち１つの通信ユニットをページングするパケット・データ通信システムにより実行される段階の論理の流れ図４００を示す。論理の流れは、通信システムが複数の通信ユニットのうち１つの通信ユニットに宛てられたデータのパケットを受信（４０２）し、格納（４０３）すると、開始される（４０１）。通信システムによるパケットの受信に応答して、通信システム、好ましくは複数の基地サイトのうち１つの基地サイトが通信ユニットに第１ページング・メッセージを送信する（４０４）。好適な実施例においては、パケット・データ配信システムは、ディスパッチ・コントローラおよびパケット・データ・ルータによって構成される。パケット・データ配信システムは、データ・パケットを格納し、基地サイトを介して、第１ページング・メッセージを送信する。好適な実施例においては、通信ユニットが第１ページング・メッセージを受信すると、通信ユニットは肯定応答を送信する。次に通信システムは、待機期間の間肯定応答を待機する（４０５）。通信システムが待機期間経過前に肯定応答を受信すると、通信システム、好ましくは基地サイトは、好ましくは基地サイトを介してパケットを送信し（４０７）、論理の流れは終了する（４１４）。
【００３０】
通信システムが待機期間経過前に肯定応答を受信することができないと（４０６）、パケット・データ配信システムは通信システムからそのパケットを削除する（４０８）。さらに、基地サイトが待機期間経過前に肯定応答を受信することができないと、通信システムは少なくともバックオフ期間に等しい時間的長さの間、通信ユニットに第２ページング・メッセージを送信することを中断する（４０９）。好適な実施例においては、通信システムはバックオフ期間の間通信システムが受信したすべてのデータのパケットを放棄する（４１０）。通信システムがバックオフ期間期間経過後に新しいデータのパケットを受信すると（４１１）、通信システムは新しいパケットを好ましくはパケット・データ配信システム内に格納し（４１２）、第２ページング・メッセージを送信して（４１３）、論理の流れは終了する（４１４）。
【００３１】
好適な実施例においては、待機期間の長さは、通信システム内の通信ユニットにメッセージを送信し、通信ユニットがメッセージを処理し、通信ユニットが肯定応答および無線周波数通信資源の割当要求を送信するために通常要する時間に基づき決まる。バックオフ期間の長さは、既知の通信システム行動パターンに基づく数量により決まる。好適な実施例においては、既知の通信システム行動パターンは、通信システム内の複数の通信ユニットの各々が、通信システム内で動作中にページング・メッセージに応答しない（すなわちページング・メッセージを肯定応答できない）時間の長さに関連する統計分布を構築する。好ましくは、上記の如く、統計分布は、通信ユニットが応答しない（たとえばページング・メッセージが送信されたときに通信ユニットが相互接続呼出など別のサービスにおいてアクティブであるとか、通信ユニットが長いトンネルの途中などRFカバレージの外に居るとか、通信ユニットのバッテリが切れているなど）種々の状況と、通信ユニットが応答しない状況の各々において到達不可能な時間の長さと、通信ユニット毎のデータ・パケット速度とを考慮する。
【００３２】
一般に、本発明は失敗に終わるページ回数を削減し、バックオフ期間すなわちページングの試みが失敗に終わった後、既知の通信システム行動パターンに基づく数量により送信しない時間的期間の長さを決定することによって無線周波数通信資源の利用効率を上げる、パケット・データ通信システムにおける通信ユニットのページング方法および装置を提供する。通信ユニットのページングが連続して失敗する間の一定の時間的間隔を待った後で通信ユニットを繰り返しページングすることをせずに、本発明は通信システム内の通信ユニットの統計的行動に適応される可変時間間隔を利用する。通信システム内の通信ユニットの統計行動をバックオフ期間の決定に組み込むことによって、本発明は、通信ユニットがページに応答する前に送信されるページ数を最小限に抑え、なおかつ、以前は応答しなかったページャがページのために利用可能になるとすぐに到達できるよう充分頻繁にページングするようにする。かくして、本発明は通信システムの通信ユニットのユーザに対する不便を最小限に抑えつつ、通信資源の効率的利用を高める。
【００３３】
本発明は、特定の実施例に関して特定的に図示および説明されたが、本発明の精神および範囲から逸脱せずに形式および詳細において種々の変更が可能であることが、当業者には理解頂けよう。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の好適な実施例によるパケット・データ通信システムのブロック図である。
【図２】本発明の好適な実施例によるパケット・データ通信システムの一部である基地サイトのブロック図である。
【図３】本発明の好適な実施例により通信ユニットをページングする通信システムにより実行される段階の論理の流れ図である。
【図４】本発明の好適な実施例により通信ユニットをページングするパケット・データ通信システムにより実行される段階の論理の流れ図である。
【符号の説明】
１００ パケット・データ通信システム
１０１ パケット・データ・ルータ
１０３ ディスパッチ・コントローラ
１０６ マスタ同期ユニット
１１１〜１１９ 基地サイト
１２０ ネットワーク
１２１〜１２９ カバレージ・エリア
Ａ 地上ネットワーク・ユーザ
Ｂ 地上ネットワーク
Claims (8)
- 複数の通信ユニットのうちの１つの通信ユニットをページングする方法であって：
第１ページング・メッセージを送信する段階（３０２）；
第１時間期間の間、肯定応答を待機する段階（３０３）；および
前記第１時間期間内に肯定応答が受信されない場合に、第２時間期間の経過後に第２ページング・メッセージを送信する段階（３０４）であって、前記第２時間期間の時間的長さは既知のシステム行動パターンの数量に基づく段階；
によって構成され、既知のシステム行動パターンの前記数量が、前記通信システム内の前記複数の通信ユニットの各通信ユニットがページング・メッセージに応答しない時間的長さに関する統計分布に基づくことを特徴とする方法。 - 既知のシステム行動パターンの前記数量が、前記通信システム内の前記複数の通信ユニットの各通信ユニットが特定のサービスにおいてアクティブであるときに、ページング・メッセージに応答しない前記時間的長さに関する統計分布に基づくことを特徴とする請求項１記載の方法。
- 複数の基地サイト，パケット・データ配信システムおよび複数の通信ユニットによって構成されるパケット・データ通信システムにおいて、前記複数の通信ユニットのうちの１つの通信ユニットをページングする方法であって：
前記複数の通信ユニットのうちの１つの通信ユニットに宛てられるデータのパケットを受信する段階（４０２）；
前記パケットを格納する段階（４０３）；
前記パケットの受信に応答して第１ページング・メッセージを送信する段階（４０４）；
待機期間の間、肯定応答を待機する段階（４０５）；
前記待機期間の経過前に肯定応答が受信されると前記パケットを送信する段階（４０７）；および
前記待機期間の経過前に肯定応答が受信されない場合に、少なくともバックオフ期間に等しい時間的長さの間、第２ページング・メッセージを送信することを中断する段階（４０９）；
によって構成され、前記バックオフ期間の時間的長さが既知のシステム行動パターンの数量に基づき、既知のシステム行動パターンの前記数量が、前記通信システム内の前記複数の通信ユニットの各通信ユニットがページング・メッセージに応答しない時間的長さに関する統計分布に基づくことを特徴とする方法。 - 前記待機期間の経過前に肯定応答が受信されない場合に、前記パケットを前記通信システムから削除する段階（４０８）によってさらに構成されることを特徴とする請求項３記載の方法。
- 前記待機期間の経過前に肯定応答が受信されない場合に、前記バックオフ期間中に受信されたすべてのパケットを削除する段階（４１０）によってさらに構成されることを特徴とする請求項３記載の方法。
- 前記待機期間の経過前に肯定応答が受信されない場合に、前記バックオフ期間経過後に前記通信ユニットに宛てられる新しいデータのパケットが受信されるまで前記第２ページング・メッセージの送信を中断する段階（４０９，４１１）；
前記新しいデータのパケットを格納する段階（４１２）；および
前記第２ページング・メッセージを送信する段階（４１３）；
によってさらに構成されることを特徴とする請求項３記載の方法。 - パケット・データ通信システム（１００）において、通信ユニット（１１０）にページング・メッセージを提供する装置であって：
前記通信ユニット（１１０）に宛てられるデータのパケットを受信し、前記データのパケットを格納し、前記データのパケットを分配し、肯定応答されないページング・メッセージの再送信の間の待機期間およびバックオフ期間を決定し、前記通信ユニット（１１０）に関するページング・メッセージを提供するパケット・データ配信システム（１０１〜１０３）；および
前記パケット・データ配信システム（１０１〜１０３）に結合される複数の基地サイト（１１１〜１１９）であって、前記複数の基地サイト（１１１〜１１９）の各基地サイトが：
メモリ（２０６）；
前記メモリ（２０６）に結合され、前記通信ユニット（１１０）に無線周波数通信資源を割り当てるプロセッサ（２０４）；
前記プロセッサ（２０４）に結合され、前記ページング・メッセージを前記通信ユニット（１１０）に送信する送信機（２００）；および
前記プロセッサに結合され、前記通信ユニット（１１０）により送信された肯定応答を受信する受信機（２０２）；
によって構成される基地サイト；
によって構成され、前記バックオフ期間が既知のシステム行動パターンの数量に基づき、既知のシステム行動パターンの前記数量が、前記通信システム内の複数の通信ユニットの各通信ユニットがページング・メッセージに応答しない時間的長さに関する統計分布に基づくことを特徴とする装置。 - 前記複数の基地サイト（１１１〜１１９）の各基地サイトが前記プロセッサ（２０４）に結合されるタイミング基準ユニット（２０８）によってさらに構成されることを特徴とする請求項７記載の装置。
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