JP3872524B2 - 災害後の移動パケット・データ端末の登録 - Google Patents

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Description

発明の背景
本発明は、一個の中央システムおよび複数の移動端末を有する無線パケット・データ通信システムに関し、特に中央システムでの災害からの復旧に関する。
一個の中央システムおよび複数のアドレス可能移動端末を有する通信システムには、順方向またはダウンストリームのチャネルと逆方向またはアップストリームのチャネルとがある。
ダウンストリーム・チャネルで、中央システムは、前移動端末がアクセス可能で、ときには全移動端末が聞く状態のまま参照できる情報を放送する。ダウンストリーム放送は、予定された時間間隔での制御メッセージおよびそれぞれ一つの移動端末(または共通のアドレスを共有する一群の端末)へアドレスされたメッセージ・データのパケットを含むシステム制御メッセージを備える。ダウンストリーム放送は必然的に連続的である。ダウンストリーム・チャネルはいくつかの周波数を備え、中央システムは送信に一つの周波数を使用したり、複数の周波数の間を飛び回ることが可能である。
アップストリーム・チャネルでは、パケットが衝突する場合は基本的にランダムな時間間隔後に再送信が試行されるコンテンション・プロトコルを用いて、移動端末がそれぞれメッセージおよびシステムに関するデータのパケットを中央システムに向かって送信する。移動端末は中央システムとだけ直接通信し、端末相互間では通信しない。アップストリーム・チャネルはいくつかの周波数を備え、移動端末は送信に一つの周波数を使用したり、複数の周波数の間を飛び回ることが可能である。
通信システムは、中央システムが通信可能状態にある各移動端末を認識できるように設計されている。随時発生することだが、新しい移動端末がその中央システムの地理的供用範囲に入るときには、その移動端末はその中央システムに登録しなければならない。
登録は、移動端末がアップストリーム・チャネルを経由してその公開識別番号ならびに臨時識別子の要求を中央システムへ送信したときに開始される。公開識別番号と臨時識別子の要求はシステム関連データの例である。中央システムは、その中央システムの通信範囲内の他の移動端末にいまだ割り当てられていない予め定められた範囲の数字からランダムに選ばれた臨時識別子を、ダウンストリーム・チャネルを通じて要求側移動端末へ送信することで応答する。臨時識別子は、必要に応じて、すなわち、不規則的な間隔で送信されるシステム制御メッセージの一例である。
登録の間、中央システムはそのルーティング表に、その移動端末の外部アドレスとその移動端末に割り当てられた臨時識別子とを含む一つの入力を追加する。そのルーティング表には、その移動端末用のアップストリーム周波数も含めることができる。端末には移動性があることから、ルーティング表は頻繁に変更することが望ましい。ルーティング表は一ケ所に保存されているため、中央システムはルーティング表の喪失に対して脆弱である。中央システムは、その後のダウンストリーム・メッセージ・データ・パケットにおいて臨時識別子をその移動端末のアドレスとして使用する。セキュリティおよび管理上の理由で、その臨時識別子が他の既存の識別子よりも選好される。
要求側移動端末および中央システムは次に暗号情報を交換する。安全な通信が確立された後、移動端末はその秘密識別番号を中央システムへ送信する。中央システムは、課金情報を含むさまざまな加入者情報を含んだその移動端末の保存プロファイルへのアクセスにその秘密識別番号を使用する。
その移動端末についての保存プロファイルには、その移動端末に関係する加入者の外部アドレスも含まれる。その移動端末の公開識別番号がその外部アドレスであるかもしれない。外部システムは、その移動端末の外部アドレスを有するメッセージ・データ・パケットを随時中央システムへ送信し、中央システムはその外部アドレスおよびその保存ルーティング表をその移動端末の臨時識別子の取得に使用する。次に中央システムは、そのメッセージ・データ・パケットを、その臨時識別子を宛先としてダウンストリーム・チャネルで送信する。その移動端末は、その臨時識別子に宛てられたデータ・パケットを受け取り、処理する。
中央システムで、ルーティング表の消失など必然的に連続するダウンストリーム・チャネルでの送信に影響する問題が生じた場合、いくつかの移動端末はこの問題をエラー状態と解釈し、改めて中央システムへの登録を試みる可能性がある。これらの移動端末が新たな登録を試行するためにアップストリーム・チャネルのスループットは低下し、中央システムに一層の問題を引き起こす可能性がある。さらに多くの移動端末がエラー状態を認識するのである。結局、基本的にすべての移動端末が新たな登録を試行してアップストリーム・チャネルに対する回線争奪状態になるため、アップストリーム・チャネルのスループットは極めて低い値にまで低下する。その結果、登録に異常に長い時間がかかり、この再登録の間の通信システムのメッセージ・データ・パケットのスループットは許容できないほど低下する。
このため、ルーティング表を失った中央システムの災害後に基本的に端末の全数を登録する、すなわち、中央システムの臨時識別子のルーティング表を再構築する方法に対するニーズが存在する。
発明の概要
本開示によると、中央システムとの通信のためのコンテンション・プロトコルを用いた端末による登録の試行は、中央システムから端末への特定の時間周期での登録インデックスの送信、および端末が中央システムへの登録を試行すべき時点の登録インデックスの値の変更によって制御される。登録インデックスの使用は端末による不必要な登録試行を防ぐ。
中央システムから端末へ、予定された時間間隔でモード・フラグが送信され、モード・フラグの値は、中央システムが災害から復旧したときに、災害復旧の間の中央システムへの登録試行を端末がすぐに停止するように変更される。
災害復旧の間、端末は自己を複数の副間隔のうちの一つと連携させる。中央システムは、災害復旧の間、副間隔指定子を定期的に端末へ向けて送信する。予め定められた数の規則的な時間周期の後、中央システムは副間隔指定子の値を変更する。端末群による登録試行の流れは、災害後に端末のほぼ全数が登録のための回線争奪を行う状況から、災害後にそれぞれの副間隔で端末群のサブセットが登録を試行するスムーズな状況へと変化する。
本発明の概要をここで完全に説明するつもりはない。むしろ本発明の詳しい特長、態様、および利点は、以下の説明および図面によって示されあるいは明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明が適用される環境の図である。
図2は、中央システムと移動端末との間の通信チャネルの図である。
図3は、中央システムにおける作用のフローチャートである。
図4は、移動端末における作用のフローチャートである。
図5Aおよび図5Bは、ダウンストリーム・チャネルのトラヒックを示すタイミング図である。
図6Aおよび図6Bは、アップストリーム・チャネルのトラヒックを示すタイミング図である。
発明の詳細
図1は、中央システム100と無線通信でつながった移動端末10〜60を有する環境であって、従来の通信技術を経由して外部システム150、160へアクセス可能な環境を示す。中央システムは、汎用プロセッサ、メモリ、記憶装置、およびその他の従来型データ処理設備を含む。各移動端末はプロセッサ、メモリ、および記憶装置を含むが、具体的な構成部品は本発明にとって重要ではないため、表示あるいは詳しい説明はしない。
図2に示すとおり、中央システム100は情報をダウンストリーム・チャネル5を経由して移動端末30〜50へ送信し、一方、移動端末30〜50は情報をアップストリーム・チャネル6経由で中央システム100へ送信する。移動端末10、20、および60は同様の方法で中央システム100と通信するが、図2の図を単純化するため表示しない。
本発明の技術では、移動端末は、災害等の後に中央システムへ登録するべきかどうかを決定する明確な方法を有する。例えば登録が適当な場合には、移動端末はいつ登録すべきかを判断できる手順を有している。
中央システム100によるダウンストリーム・チャネルでの定期的な間隔でのシステム制御メッセージ放送は、登録インデックスおよびモード・フラグを含めるために拡大される。
登録インデックスは、臨時識別子、すなわち、一種のバッチ・ナンバーの有効期間を示す。中央システムのルーティング表が使用できないとき、および参照すると消失と応答されるときには、登録インデックスは1段階上げられる。たとえ連続してシステム故障が発生しても最後のシステム故障の後に登録プロセスが十分に行えるように、通常、登録インデックスは数ビットの長さを有する。これと対照的に、もし登録インデックスが1ビットの長さしかない場合には、このインデックスはルーティング表消失故障が2件発生した後に同じ値をとることになり、移動端末は自己の臨時識別子が無効であることに気付かない。すべての有効な臨時識別子は同じ登録インデックスをもつ。
中央システムの災害復旧の標としても参照されるモード・フラグは、一つの中央システムを共用する移動端末群の登録が進行中かどうかを示す。
図3は、中央システム100における作用を示すフローチャートである。図4は、例えば移動端末10における作用を示すフローチャートである。図5A、図5B、図6A、図6Bは、本件災害復旧登録スキームの具体例におけるダウンストリームおよびアップストリームのチャネルのトラヒックを示す図である。
ステップ310で、中央システム100は、引用によって本明細書の記載に援用する、650 Town Center Drive, Suite 820, Costa Mesa, CA 92626のCDPDインダストリー・インプット・コーディネーターで配付される1993年7月19日付け「セルラー・デジタル・パケット・データ・システム仕様」1.0版および1995年1月19日付け1.1版に記載された、移動データ中継システム(MDIS)の機能に従った通常操作の状態にあると仮定する。
中央システム100は、システム制御メッセージを規則的な間隔で放送、すなわちダウンストリーム・チャネル5で送信する。図5Aは、システム制御メッセージ551〜555を定期的に放送するシステムを示す。システム制御メッセージ555は、2ビット長で「01」の値をとるものとして示される登録インデックス510Aと、1ビット長で未設定状態に対応する「0」の値をとるものとして図示されるモード・フラグ515Aを含むものとして示される。図3のステップ320では、中央システム100は、登録インデックス510Aおよびモード・フラグ515Aのような登録インデックスとモード・フラグを放送する。
ステップ330で、中央システム100はそのルーティング表が適正な利用可能状態にあるかどうかを判定する。適正な状態ならば、中央システム100は通常操作310へ戻る。
移動端末10は通常、セルラー・デジタル・パケット・データ・システム仕様に記載された移動エンド・システムの機能にしたがって操作されるものと仮定する。
移動端末10は中央システム100の通信エリアへ入り、図4のステップ405で中央システム100へ登録する。図6Aに示すとおり、登録は移動端末10がその公開識別番号、ここでは「717171」を含む登録要求610Aをアップストリーム・チャネル6を経由して中央システム100へ送信することで開始する。中央システム100は、臨時識別子、ここでは「5568」を含む登録応答530Aを移動端末10へダウンストリーム・チャネル5を経由して送信することで、その登録要求610Aに応答する。図4のステップ410で、移動端末10は臨時識別子「5568」および登録インデックスをそれを受け取った時点で記憶する。図5Aから、放送メッセージ552中の登録インデックスは「01」の値をとることがわかる。図6Aのボックス600Aは、移動端末10の記憶装置の一部を示す。
登録完了後、図4のステップ415で、移動端末10は通常操作に入る。例えば、外部システム150が通常操作中に移動端末10へメッセージを送りたい場合(図3のステップ310における中央システム100および図4のステップ415における移動端末10)、中央システム100は外部システム150からそのメッセージを受け取り、そのメッセージを、図5Aにメッセージ・データ・パケット540Aとして示される1または複数のメッセージ・データ・パケットへ入れる。一方、移動端末10はそのパケット放送をダウンストリーム・チャネル6で開き、メッセージ・データ・パケット540A中のその臨時識別子「5568」を認識し、そのメッセージ・データ・パケット540Aを捕捉し、処理する。
図4のステップ420で、移動端末10は各放送システム制御メッセージ553〜555の中の放送登録インデックスおよびモード・フラグを捕捉する。ステップ425で移動端末10はその放送登録インデックスの値「01」が記憶された登録インデックス値「01」と合致すると判断するため、移動端末10は通常操作415へ戻る。
この間にダウンストリーム・チャネル5のトラヒックが割り込みを受けても、放送された登録インデックスと記憶されたものとが合致するため、移動端末10は再登録を試行しない。登録インデックスの利用は不必要な登録を防止することがわかる。
中央システム100で災害が発生し、図3のステップ330でルーティング表の利用不能が判明したと仮定しよう。今度は中央システム100は、本災害復旧技術による災害復旧手続きへ進む。災害復旧の間、中央システムは通常のメッセージ・データ・パケット送信を停止し、ダウンストリーム・チャネルを副間隔指定子の送信および移動端末の登録に使用する。副間隔指定子は、ある時点で登録を試行できる移動端末の数を制御する。
移動端末群が未知で、かつ各移動端末が臨時識別子を記憶してはいるがそれがもはや有効ではないと仮定しよう。無効な臨時識別子の最下位ビット(LSB)のみを使用してその移動端末群を(LSB=0)のグループと(LSB=1)のグループの2つに分けるとよい。同様に、無効臨時識別子のn個の最下位ビットを使用すると、臨時識別子の割り当て方法がランダムでも順次でも、移動端末群を基本的に大きさの等しい2n個のグループに分けられる。
臨時識別子を使用する代わりに、各移動端末が、その移動端末群全体にわたって統計的に等しく分配されているランダムな番号またはあらかじめ記憶されている異なる番号を使用することができる。無効臨時識別子の最下位ビットを使用する代わりに、各移動端末は最上位ビットを使用することもできる。しかし、臨時識別子の割当が順次である場合は、最上位ビットは統計的に等値に配分されてはいないので、各グループが基本的に等しい大きさになることは確保されない。
登録間隔を2n個の副間隔に分けよう。最初の副間隔の間、2n個のグループの移動端末のうち最初のグループに属する移動端末だけが登録の試行を許される。第2の副間隔の間、第2グループの移動端末および第1グループのうちまだ登録のすんでいない移動端末が登録の試行を許される。第3の副間隔の間、第3グループの移動端末ならびに第2グループおよび第1グループのうちまだ登録のすんでいない移動端末が登録の試行を許される。この手順が続けられ、最後の副間隔の間にはまだ登録のすんでいないすべての移動端末が登録の試行を許される。
nおよび副間隔の時間的な長さは、設計上の選択にまかされる。例えば、nが増えると一つの副間隔中に登録を試行する移動端末の数は減り、アップストリーム・チャネルの効率は上昇する。一つの副間隔中に登録を試行する移動端末の数は、その一部が登録に成功するため、時間をおって減少することを認識することが重要である。副間隔指定子はブラインド・アドレスとして機能し、その中で独立して未知だが統計的に管理可能な数の移動端末を選択する。副間隔指定子の利用は移動端末の登録フローを管理する。
より詳細には、副間隔長はコンテンション・プロトコルおよび対象となる予想移動端末数に応じて決まる。コンテンション・プロトコルの例には、スロット付きALOHA、衝突検出付き搬出波検出多元接続(CSMA/CD)、衝突検出付きデジタル検出多元接続(DSMA/CD)がある。コンテンション・プロトコルの重要な特性として、送信失敗後の複数回の再試行、再試行前に待機時間、その他がある。
ステップ340では、中央システム100が、例えば、「01」から「10」へ(2進法加算)のように登録インデックスを1段階上げ、副間隔を「−1」に設定する。ステップ350で、中央システム100は副間隔を「0」へ1段階上げて副間隔タイマーをゼロに設定する。ステップ360では、中央システム100は新たな登録インデックス「10」を送信し、値「1」をとる設定状態のモード・フラグを送信し、副間隔「0」を送信する。
この例の適用においては、その臨時識別子のうち最下位の数字(10進法ベース)だけが使用され、副間隔が10個できるものと仮定する。換言すれば、各副間隔の間に、移動端末の10分の1にそれ以前の副間隔でまだ登録がすんでいない移動端末があればそれをプラスしたものが登録を許される。ステップ370では、中央システム100は、最下位の数字が「0」の無効な臨時識別子を記憶している移動端末からの登録要求を受信し、それに応答する。ステップ380に示すように、その副間隔が十分に長く進行したかどうかを中央システム100が規則的な間隔でチェックする。その副間隔が予め定められた時間にまだ達していない場合は、ステップ360〜380を繰り返す。
ステップ380で中央システム100が副間隔の長さが経過したと判定した場合は、次にステップ390で、すべての副間隔、ここでは10個の副間隔全部が終わったかどうかを中央システム100が判断する。まだなら、中央システム100はステップ350に戻り、副間隔を1段階上げ、副間隔タイマーをリセットし、一般的に、前述したようにステップ360〜380を繰り返す。
中央システム100がステップ340で登録インデックスを1段階上げ、ステップ360でその上げられた登録インデックス「10」を放送した後、図4のステップ425で移動端末10は放送されている登録インデックス「10」が自己の記憶する登録インデックス「01」と合致しないと判断する。これで移動端末10は、その臨時識別子「5568」が無効であることを知る。
ステップ430で、移動端末10は最新の放送モード・フラグが設定状態であったかどうかをチェックする。ステップ360で中央システム100が設定状態のモード・フラグを放送したことが想起される。放送モード・フラグが設定状態であるため、移動端末10は災害復旧が進行中であることを知る。モード・フラグの利用は、その中央システムの対象である移動端末群による通常の登録手続きの停止を可能にする。
図4のステップ435で、移動端末10は放送間隔を捕捉する。図3のステップ360を最初に実行する際、その間隔は値「0」をとっていた。図4のステップ440で、移動端末10はその放送間隔「0」を自己の無効臨時識別子の最下位の数字「8」と比較する。前者の値「0」は後者の値「8」より小さいため、移動端末10には有効な臨時識別子を獲得するための試行はまだ許されないことが明確にわかる。移動端末10はステップ435および440を繰り返す。
図5Aに示すとおり、中央システム100は最後にステップ360を実行し、値「10」(2進法)の登録インデックス510B、値「1」(2進法)、すなわち設定状態のモード・フラグ515B、値「1」(2進法)の副間隔フラグ520B、および値「5」(10進法)の副間隔指定子525Bを含むシステム制御メッセージ561を放送する。
便宜上、副間隔フラグはシステム制御メッセージに入れて送信される。副間隔が未設定のとき、またはシステム制御メッセージ551のフィールド520Aに示すように値が「0」のときは、副間隔指定子は送信されないことを示す。反対に、副間隔が設定状態のとき、またはシステム制御メッセージ561のフィールド520Bに示すように値が「1」のときは、副間隔指定子525Bのように副間隔指定子も送信されることを示す。
副間隔フラグは長さ1ビットとして記載され、それはあらかじめ決まった長さの副間隔指定子と一致する。これとは異なり副間隔のビット長が動的に決まる場合は、副間隔のビット長も放送されなければならない。すなわち、副間隔の粒度は、事前に決定することも、例えば、ルーティング表消失以前のルーティング表中の移動端末数の関数として動的に決定することもできる。副間隔の長さの動的決定は、復旧メカニズムの効率性および複雑性を高める。
図5A〜図5Bに示すとおり、前記プロセスによって、中央システム100はシステム制御メッセージ562〜573の生成と放送も行う。続くステップ435〜440の実行を受けて、移動端末10はシステム制御メッセージ562〜567を捕捉し、まだ登録を試行するべきではないと判断する。
最後に、ステップ435の実行によって、移動端末10は、図6Bに示した間隔値「8」をとる放送システム制御メッセージ568を捕捉する。ステップ440で、移動端末10は放送副間隔「8」が自己の無効臨時識別子の最下位の数字「8」と等しいことを認識し、移動端末10はステップ450に進み登録を行う。ステップ450の登録の間に、移動端末10は図6Bに示すように登録要求610Bをアップストリーム・チャネル6を経由して中央システム100へ送信する。中央システム100は、登録要求610Bに対して図5Bに示すように臨時識別子「2394」を含む登録応答530Bをダウンストリーム・チャネル5を経由して移動端末10へ送信することで応答する。
図4のステップ455で、移動端末10は臨時識別子を受領した際に新たな臨時識別子「2394」および登録インデックス「10」を記憶する。図6Bのボックス600Bは、図4のステップ455後の移動端末10の記憶装置の一部を示す。
ステップ460で、移動端末10は図5Bのシステム制御メッセージ570中にある放送モード・フラグを捕捉する。ステップ465で、移動端末10は、そのモード・フラグが設定状態であり、災害復旧の実行中であるため移動端末10はメッセージ・データのパケットの送信を試みるべきではないことを意味すると判断する。移動端末10はシステム制御メッセージ571〜573についてステップ460〜465を繰り返す。
図5Bのシステム制御メッセージ573の放送後しばらくすると、中央システム100は図4のステップ390を実行し、すべての副間隔が経過した、すなわち、災害後の登録プロセスが終了したと判断する。この時点で、中央システム100はそれと通信可能な移動端末についての有効なルーティング表を有する。そこで、中央システム100はステップ310の通常操作に復帰する。次のステップ320の実行を受けて、中央システム100は図5Bのシステム制御メッセージ574を放送する。移動端末10用のメッセージが外部システム160から到着した場合は、中央システム100は移動端末10用の新たな臨時識別子「2394」の付いたメッセージ・データ・パケット540Bにそのメッセージを入れ、そのメッセージ・データ・パケット540Bをダウンストリーム・チャネル5で送信する。ステップ320の実行に続いて、中央システム100はシステム制御メッセージ575を放送する。
システム制御メッセージ573が放送された直後、ステップ460〜465が実行されると、移動端末10はモード・フラグが解除されていると判断し、ステップ415で通常操作へ戻る。通常操作の間、移動端末10はメッセージ・データ・パケット540Bを従来の方法で捕捉し処理する。
本発明の技術の操作を説明するもう一つの例として、移動端末10が、図5Aでシステム制御メッセージ555を捕捉し処理した後、電源待機モードに入ったかまたはなにか他の理由でダウンストリーム・チャネル5のモニタリングをしばらくの間停止したと仮定しよう。さらに、移動端末10がその後作動を開始するかまたはダウンストリーム・チャネル5のモニターを再開し、かつステップ420の実行時に放送システム制御メッセージ575を捕捉したと仮定する。次のステップ425の実行を受けて、移動端末10は、メッセージ575から捕捉された放送登録インデックス「10」が自己の記憶登録インデックス「01」(図6Aのボックス600Aに表示)と一致しないと判断する。ステップ430で、移動端末10はメッセージ575中のモード・フラグが設定されていないと判断し、そのため移動端末10には災害復旧が進行中ではないことが明確にわかる。移動端末10は次にステップ405へ進み、新規の臨時識別子を取得する。
前記スキームの利点は、移動端末が自己の臨時識別子が有効かどうかを判断でき、したがって問題がある場合でも不必要な登録を停止できることである。
前記スキームのもう一つの利点は、災害の後どの時点でも移動端末の一つをサブセットだけが登録を試行するため、アップストリーム・チャネル側の偏った混雑を回避できることである。
前記スキームのもう一つの利点は、災害復旧登録期間の長さが実質的に前もってわかることである。
前記スキームのさらにもう一つの利点は、個々の移動端末の間の協調が要求されないことである。
前記スキームのさらにもう一つの利点は、災害後の特定の移動端末にとっての実際の登録プロセスが通常操作の場合と同じであり、このため移動端末と中央システムの複雑性の上昇を回避できることである。
災害復旧が進行中の中央システムの対象となる領域に入る新規の移動端末は、ただちに登録プロセスに入る、すなわち、以前の副間隔でまだ登録されなかった移動端末とみなすことが可能である。その結果、新規の移動端末はすぐに登録番号を取得でき、続いて災害復旧が完了するまでの間電源待機モードに入るが、これによって移動端末のバッテリー電力が節約される。通常、通信システムがその移動端末に電源待機モードを設けている場合、定期的に未達のメッセージをもつ移動端末を「起こす」放送システム制御メッセージが送信される。
変形例では、新規の移動端末は災害復旧が完了するまで登録を待たなければならない。このスキームの問題点は、災害復旧が完了し、それがすべての移動端末に宛てて広く発信された中央システムからの放送によって示されたときに、新規の移動端末のグループのすべてがほぼ同時に登録を試行し、それが通信チャネルを混雑させる可能性があることである。
代替として、新規の移動端末がランダムな番号またはその他あらかじめ記憶しておいた番号を選び、その番号を無効な臨時識別子の代わりに使用する。これは新規の移動端末の統計的分散を促進はするが、待機モードでいる時間を最大化するという省エネルギー上の利点はない。
もう一つの実施形態では、一定の移動端末に関するプロファイルが優先サービスを指定する。災害後、非優先移動端末が災害後の登録を続ける一方、優先的移動端末が登録されるとすぐに中央システムは外部システムとその移動端末との間のメッセージ・データ・パケットを送信する。これは救急車、救急チームなどの必須サービスに有用である。
変形例では、優先移動端末のために中央システムが予め定められた値と等しいn個の最下位ビットをもつ臨時識別子を割り当て、この予定値が災害後の最初の副間隔中に登録を許される第1グループになる。この実施形態では、優先移動端末のサービスの中断時間が最短になることが確保される。例えば、中央システムは「00」で終わる臨時識別子を優先移動端末用に確保する。通常の登録の間、中央システムは「00」で終わる臨時識別子の割当をしない。新規登録移動端末のプロファイルにアクセスし、それが優先状態であると判断した後、中央システムは「00」で終わる改訂臨時識別子をその優先移動端末へ送る。
上記実施形態は、1つの移動端末群に対して1つの中央システムで対処するという構成に関する。この中央システムがセルラー方式における一つの無線セルに対応しうること、およびセル内での移動端末についての知識がまったくなくても前記災害復旧登録スキームがセル内の移動端末のサブセットの秩序ある登録を可能にする設備となることは、容易に了解できるだろう。どの時点においてもセル内の移動端末がどの端末であるかは予想できないため、災害復旧登録プロトコルはその端末の特定がなく、しかも特定された移動端末に宛てた制御メッセージに依存することなく機能することが重要である。
本発明の実施形態の説明およびそのさまざまな変形例を添付の図を参照しながらここで詳細に説明したが、本発明はこれらの実施形態および上記修正に制限されるものではなく、当業技術分野に熟練した者には、添付の特許請求の範囲に記載した本発明の精神および範囲を逸脱することなしに、種々の変更および修正を行うことができることを理解されたい。

Claims (31)

  1. 中央システムとの通信にコンテンション・プロトコルを使用する端末による登録試行を管理する方法であって、
    中央システムから端末へ特定の時間周期で登録インデックスを送信するステップと、
    端末が中央システムへの登録を試行すべきときに登録インデックスの値を変更するステップとを含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記中央システムがルーティング表を有し、該ルーティング表が使用不能の場合に前記登録インデックスの値が変更される方法。
  3. 請求項1に記載の方法において、前記中央システムにおける故障の後に前記登録インデックスの値が変更され、またそこにおいて前記登録インデックスが連続するシステム故障それぞれの区別を可能にする方法。
  4. 請求項3に記載の方法において、前記登録インデックスが少なくとも2ビットの長さを有する方法。
  5. 請求項1に記載の方法において、前記端末が登録の間に識別子を取得し、前記識別子を取得した時点で前記識別子および前記登録インデックスの値を記憶する方法。
  6. 請求項5に記載の方法において、前記端末が前記記憶した登録インデックスの値と送信された登録インデックスの値を比較し、前記記憶した登録インデックスの値と送信された値とが合致しないときに中央システムへの登録を試行すべきであると判断する方法。
  7. 請求項5に記載の方法において、前記端末が前記記憶した登録インデックスの値と送信された登録インデックスの値を比較し、
    前記記憶した登録インデックスの値と送信された値とが合致するときに中央システムへの登録試行を停止すべきであると判断する方法。
  8. 請求項1に記載の方法において、
    中央システムから端末へ予定された時間間隔でモード・フラグを送信するステップと、
    中央システムが災害からの復旧中であるため、端末がただちに中央システムへの登録を試行することを停止すべきときにモード・フラグの値を変更するステップとをさらに含む方法。
  9. 請求項8に記載の方法において、前記端末が前記登録インデックスが変更され前記モード・フラグが変更されていないと判断するときに、前記端末がただちに登録を試行する方法。
  10. 請求項8に記載の方法において、前記端末が前記登録インデックスが変更され前記モード・フラグが変更されたと判断するときに、前記端末がただちに登録を試行することを停止する方法。
  11. 請求項8に記載の方法において、前記端末が自己を複数の副間隔のうちの一つと連携させることができ、
    前記中央システムの災害からの復旧中、前記中央システムから前記端末へ特定の時間間隔で副間隔指定子を送信するステップと、
    予定された数の特定の時間間隔の後に副間隔指定子の値を変更するステップとをさらに含む方法。
  12. 請求項11に記載の方法において、前記端末が記憶した値を有し、前記端末が記憶した値を送信された副間隔指定子と比較し、前記端末がその比較を基礎として自己を一つの副間隔と連携させるべきであると判断する方法。
  13. 請求項12に記載の方法において、前記副間隔指定子が前記記憶した値の特定の数の最下位ビットを指定する方法。
  14. 請求項12に記載の方法において、前記記憶した値が登録の間に取得した識別子である方法。
  15. 中央システムの災害からの復旧中にコンテンション・プロトコルを使用して中央システムと通信する端末を管理する方法であって、
    中央システムから端末へ規則的な時間周期でモード・フラグを送信するステップと、
    中央システムの災害復旧中にモード・フラグの値を変更するステップとを含む方法。
  16. 請求項15に記載の方法において、中央システムの災害復旧中に、前記中央システムが外部システムからのメッセージ・データ・パケットの前記端末への送信を停止する方法。
  17. 請求項15に記載の方法において、中央システムの災害復旧中に、前記端末が外部システム宛てのメッセージ・データ・パケットの前記中央システムへの送信を停止する方法。
  18. 請求項15に記載の方法において、前記端末が自己を複数の副間隔のうちの一つと連携させることができ、
    前記中央システムの災害からの復旧中、前記中央システムから前記端末へ特定の時間間隔で副間隔指定子を送信するステップと、
    予定された数の特定の時間間隔の後に副間隔指定子の値を変更するステップとをさらに含む方法。
  19. 請求項18に記載の方法において、前記端末が記憶した値を有し、前記端末が記憶した値を送信された副間隔指定子と比較し、前記端末がその比較を基礎として自己を一つの副間隔と連携させるべきであると判断する方法。
  20. 請求項19に記載の方法において、前記副間隔指定子が前記記憶した値の特定の数の最下位ビットを指定する方法。
  21. 請求項19に記載の方法において、前記記憶した値が登録の間に取得した識別子である方法。
  22. 端末を複数の副間隔のうちの一つと連携させる方法であって、前記端末は中央システムとの通信にコンテンション・プロトコルを使用し、
    中央システムから端末へ規則的な時間周期で副間隔指定子を送信するステップと、
    複数の規則的な時間周期の後に副間隔指定子の値を変更するステップとを含む方法。
  23. 請求項22に記載の方法において、前記端末が記憶した値を有し、前記端末が記憶した値を送信された副間隔指定子と比較し、前記端末がその比較を基礎として自己を一つの副間隔と連携させるべきであると判断する方法。
  24. 請求項23に記載の方法において、前記副間隔指定子が前記記憶した値の特定の数の最下位ビットを指定する方法。
  25. 請求項24に記載の方法において、前記記憶した値が登録の間に取得した識別子である方法。
  26. 請求項22に記載の方法において、前記規則的な時間周期の数が予定されている方法。
  27. 請求項22に記載の方法において、前記規則的な時間周期の数が動的に決定される方法。
  28. 請求項22に記載の方法において、前記規則的な時間周期の数がコンテンション・プロトコルの性質に依存する方法。
  29. 請求項22に記載の方法において、前記中央システムが複数の端末を対象に含み、前記規則的な時間周期の数が前記中央システムの対象となる端末の数に依存する方法。
  30. 請求項22に記載の方法において、副間隔の数がコンテンション・プロトコルの性質に依存する方法。
  31. 請求項22に記載の方法において、前記中央システムが複数の端末を対象に含み、副間隔の数が前記中央システムの対象となる端末の数に依存する方法。
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