JP4299694B2 - 二酸化炭素散布装置 - Google Patents

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Description

本発明は、海中に二酸化炭素の液滴を散布するための二酸化炭素散布装置に関するものである。
近年、地球温暖化が大きな問題となっており、その対策として、温室効果をもたらす二酸化炭素の大気中における濃度の上昇を抑えることが考えられている。
二酸化炭素濃度の上昇を抑えるための一つの手法として、事業所や火力発電所等の二酸化炭素の固定発生源から排出された二酸化炭素ガスを回収して液化し、この液体二酸化炭素を海中に送り込んで、長期にわたって大気と隔離するという構想が提案されている。
このため、海中に二酸化炭素を散布するための装置が求められている。
このような二酸化炭素散布装置としては、例えば、後記の特許文献1に記載の希釈放流装置がある。
この希釈放流装置は、船舶から海中に吊り下げられた供給管に設けられたノズルから液体二酸化炭素を散布することで、所定の深さの海中に二酸化炭素を拡散させるものである。
特開2001−187330号公報(段落[0012]〜[0014],及び図1)
ここで、この手法においては、海中の生態系を崩さないよう、海水中における二酸化炭素濃度の上昇を適切な範囲に抑える必要があるので、より大量の二酸化炭素を海中に保存するためには、より広範囲に二酸化炭素を散布する必要がある。
このように広範囲に二酸化炭素を散布するためには、二酸化炭素散布装置を大型化する必要があるが、大型化に伴って、二酸化炭素散布装置の製造コストや運搬コストが増加する上、流体抵抗が大きくなって船舶による曳航も困難になってしまう恐れがある。
このため、二酸化炭素散布装置によって一度に散布することができる二酸化炭素の量には上限があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、装置を大型化することなく二酸化炭素の散布量を増加させることができる二酸化炭素散布装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の二酸化炭素散布装置は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる二酸化炭素散布装置は、船舶から海中に吊り下げられて曳航される配管に設けられ、該配管を通じて前記船舶から供給される液体二酸化炭素をノズルから散布する二酸化炭素散布装置であって、前記ノズルの近傍に、流体抵抗を受ける抵抗体が設けられていることを特徴とする。
このように構成される二酸化炭素散布装置では、船舶によって曳航されることによって抵抗体に対して相対的な流れが生じると、その流体抵抗により、抵抗体の曳航方向後方で渦が発生する。
これにより、ノズルから散布された二酸化炭素の液滴のうちの少なくとも一部が、この渦に乗って周囲に拡散させられる。
また、この渦には、二酸化炭素散布装置の周囲の海水(すなわちまだ液体二酸化炭素が拡散していない海水)が巻き込まれる。
これにより、ノズルから散布された二酸化炭素の液滴群にも、海水が巻き込まれるので、各液滴が海水と接触しやすくなり、液体二酸化炭素の希釈が効果的に行われる。
本発明にかかる二酸化炭素散布装置は、請求項1記載の二酸化炭素散布装置であって、前記抵抗体は、曳航姿勢での上下方向に延びる柱形状をなしていることを特徴とする。
このように構成される二酸化炭素散布装置では、抵抗体によって引き起こされる渦は、略垂直な軸をもつ渦となり、水平面内で揺動するので、ノズルから散布した二酸化炭素の液滴が、水平方向に効果的に拡散される。
ここで、この抵抗体は、例えば、断面視円形または楕円形の柱形状とされるほか、断面視が三角形以上の多角形柱形状とされていてもよい。
本発明にかかる二酸化炭素散布装置は、請求項1から4のいずれかに記載の二酸化炭素散布装置であって、前記ノズルが複数設けられており、前記抵抗体は、前記各ノズルのそれぞれに対して単数または複数ずつ設けられていることを特徴とする。
このように構成される二酸化炭素散布装置では、ノズルが複数設けられているので、二酸化炭素の液滴の散布がより広範囲に行われる。
そして、この二酸化炭素散布装置には、これらのノズルのそれぞれに対応させて、単数または複数の抵抗体が設けられているので、各ノズルから散布された二酸化炭素の液滴を、抵抗体が生じさせた渦によって確実かつ効果的に拡散させることができる。
本発明にかかる二酸化炭素散布装置は、請求項1から5のいずれかに記載の二酸化炭素散布装置であって、前記抵抗体は、前記ノズルに対して曳航方向の側方に位置して設けられていることを特徴とする。
このように構成される二酸化炭素散布装置では、抵抗体によって引き起こされる渦が、ノズルに対して曳航方向側方に発生するので、ノズルから散布された二酸化炭素の液滴が、曳航方向側方(すなわち水平方向)に効果的に拡散される。
本発明にかかる二酸化炭素散布装置は、請求項1から6のいずれかに記載の二酸化炭素散布装置であって、前記抵抗体は、前記ノズルに対して曳航方向の後方に位置して設けられていることを特徴とする。
このように構成される二酸化炭素散布装置では、抵抗体がノズルの曳航方向後方に位置して設けられているので、ノズルの直近位置では抵抗体が発生させる渦が発生せず、ノズルよりも曳航方向後方で渦が発生する。
すなわち、ノズルの直近位置では海水の流れに抵抗体に由来する乱れが生じないので、ノズルから吐出された液体二酸化炭素が確実に液滴となったのちに、ノズルの後方で発生した渦によって効果的に拡散させられる。
本発明にかかる二酸化炭素散布装置は、請求項1から7のいずれかに記載の二酸化炭素散布装置であって、前記抵抗体は、前記ノズルに対して上方に位置して設けられていることを特徴とする。
このように構成される二酸化炭素散布装置では、抵抗体がノズルの上方に設けられているので、抵抗体が発生させる渦は、ノズルの上方に発生することになる。
ノズルから散布された二酸化炭素の液滴は、海水との比重差によって生じる浮力を受けてゆっくりと上昇してゆくので、この構成の二酸化炭素散布装置では、二酸化炭素の液滴がより確実に渦に巻き込まれることとなり、拡散がより効果的に行われる。
本発明にかかる二酸化炭素散布装置は、請求項8記載の二酸化炭素散布装置であって、前記配管に取り付けられる装置本体と、前記配管に対して前記装置本体の上方に位置して設けられる抵抗体支持部材とを有しており、前記ノズルは前記装置本体に設けられており、前記抵抗体は前記抵抗体支持部材に設けられていることを特徴とする。
このように構成される二酸化炭素散布装置では、抵抗体は、ノズルが設けられる装置本体とは別個にして配管に取り付けられる抵抗体支持部材に設けられている。このため、抵抗体に流体抵抗を受けることによる振動が生じても、この振動がノズルに伝わりにくいので、ノズルから散布される液体二酸化炭素の液滴の生成に与える影響が少なく、液滴が良好に生成される。
本発明にかかる二酸化炭素散布装置は、請求項9記載の二酸化炭素散布装置であって、前記装置本体及び前記抵抗体支持部材は、曳航方向に対して流線型をなしていることを特徴とする。
このように構成される二酸化炭素散布装置では、装置本体及び抵抗体支持部材が、曳航方向に対して流線型をなしているので、曳航時の抵抗が低い。
このように構成される二酸化炭素散布装置によれば、抵抗体によって発生させられる渦によって、ノズルから散布された二酸化炭素の液滴が、より広範囲に拡散されるので、より大量の二酸化炭素を海中に拡散させることができる。
また、ノズルから散布された二酸化炭素の液滴群にも、海水が巻き込まれるので、各液滴が海水と接触しやすくなり、液体二酸化炭素の希釈が効果的に行われる。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態について、図1から図3を用いて説明する。
本実施の形態にかかる二酸化炭素散布装置1は、図1に示すように、海上を航行する船舶Sから海中に吊り下げられて曳航される配管Pに設けられて、海洋中層(水深1000〜2500m)に保持されるものである。
船舶Sには、液体二酸化炭素が貯蔵される貯蔵タンクと、貯蔵タンク内の液体二酸化炭素を配管Pに圧送するポンプとが設けられており、二酸化炭素散布装置1には、配管Pを通じて、貯蔵タンク内の液体二酸化炭素が供給されるようになっている。
図2に示すように、二酸化炭素散布装置1は、配管Pの下端に取り付けられる装置本体2を有している。
装置本体2には、配管Pから液体二酸化炭素を供給されるとともにこの液体二酸化炭素を散布する複数のノズル3が設けられている。また、装置本体2には、これらノズル3の近傍に位置させて、流体抵抗を受ける抵抗体4が設けられている。
以下、二酸化炭素散布装置1の詳細な構成について説明する。
装置本体2は、配管Pとノズル3とを接続する配管等が内部に収納されるものである。
装置本体2は、平面視した場合、略長方形板状に形成されており、その長手方向の中央部の、一長辺側に配管Pが接続されている。また、装置本体2は、配管Pに対して回転継手6を介して接続されており、回転継手6を中心として、水平面内で配管Pに対して相対的に回転可能とされている。すなわち、装置本体2は、略水平に保たれた状態で、配管Pが接続される一長辺側に曳航されるようになっている。
さらに、装置本体2の側断面は、曳航時に生じる流体抵抗を低減するために、曳航方向に対して流線型をなしている。
各ノズル3は、液体二酸化炭素を吐出する吐出口を曳航方向後方に向けた状態にして装置本体2に設けられるものであって、これらノズル3は、曳航時の流体抵抗を低減するために、曳航方向に対して流線型をなしている。ここで、各ノズル3の吐出口の径は、二酸化炭素の液滴の好ましい大きさと同程度とされている。
本実施の形態では、これらノズル3は、装置本体2の長手方向の中央部を挟んで対称にして、長手方向の一端側と他端側とに各2基ずつ、合計4基設けられていて、より広範囲に液体二酸化炭素の散布を行うことができるようになっている。
抵抗体4は、二酸化炭素散布装置1の曳航姿勢での上下方向に延びる柱状とされている。抵抗体4の軸直交断面形状は、例えば円形や楕円形、三角形以上の多角形とされる。
本実施の形態では、抵抗体4は円柱形状とされており、装置本体2の上面側に、装置本体2の長手方向の中央部を挟んで対称にして、4基のノズル3を間に挟んだ状態で、長手方向の一端及び他端に各1基ずつ、合計2基設けられている。
このように構成される二酸化炭素散布装置1は、図1に示すように、船舶Sから配管Pを介して海中に吊り下げられた状態で、船舶Sによってほぼ一定の速度で曳航される。
二酸化炭素散布装置1は、このようにして海中で曳航されながら、船舶S上の貯留タンクから配管Pを通じて液体二酸化炭素を供給されることで、ノズル3の吐出口から、液体二酸化炭素を吐出するものである。
ノズル3からの液体二酸化炭素の吐出速度は、曳航時における液体二酸化炭素吐出装置1の、周囲の海水に対する相対速度vとほぼ同一とされている。すなわち、ノズル3から吐出された液体二酸化炭素は、周囲の海水に対してほぼ静止した状態となるので、この液体二酸化炭素は、ノズル3の吐出口の径とほぼ同一の大きさの液滴となって、二酸化炭素散布装置1の軌跡に沿って帯状に広がる。
また、この深度では、二酸化炭素の液滴は、周囲の海水よりもわずかに密度が小さいので、ノズル3から散布された後は、ゆっくりと浮上してゆく。そして、この液滴は、次第に周囲の海中に溶け出して小さくなってゆき、所定高さ上昇した時点で消滅する。
ここで、二酸化炭素散布装置1による液体二酸化炭素の単位時間当たりの散布量をQとし、液滴が吐出されてから上昇した距離をh、液滴の帯の幅をbとすると、海流等の影響による自然拡散が生じる前の段階での二酸化炭素の希釈率(初期希釈率α)は、次式(1)で表される。
α=Q/bvh (1)
初期希釈率αの値は、海水中における二酸化炭素濃度の上昇が海中の生態系を崩さない範囲内となるよう、その上限が定められる。
二酸化炭素の液滴の初期の径が適正(20mm程度)である場合には、液滴は、散布位置から1000m程度まで上昇する可能性があり、この場合には、液体二酸化炭素を数万倍に希釈することが可能となる。
本実施形態にかかる二酸化炭素散布装置1では、装置本体2上に設けられるノズル3の列の両端近傍に、ノズル3の側方に位置して、抵抗体4が設けられている.
このため、二酸化炭素散布装置1が曳航されて、抵抗体4に対する相対的な流れが生じると、図3に示すように、抵抗体4の曳航方向後方(すなわちノズル3の列の両端後方)に、渦(カルマン渦)が生じる。
すると、この渦によって、ノズル3から散布された二酸化炭素の液滴が曳航方向に対して側方に拡散される。
この渦の大きさは、抵抗体4の抗力係数Cの値が大きいほど大きくなり、渦が大きいほど、より拡散効果が高くなる。
さらに、本実施の形態では、抵抗体4は、曳航姿勢での上下方向に延びる円柱形状をなしているので、抵抗体4によって引き起こされる渦は、略垂直な軸をもつ渦となり、水平面内で揺動する。このため、ノズル3から散布した二酸化炭素の液滴は、水平方向に効果的に拡散される。
すなわち、この二酸化炭素散布装置1では、従来構成の二酸化炭素散布装置よりも、上記式(1)で示すbの値を大きくすることができるので、海水中の二酸化炭素濃度の上昇を従来と同程度に抑えつつ、液体二酸化炭素の散布量Qをより多くすることができる。
また、この渦には、二酸化炭素散布装置1の周囲の海水(すなわちまだ液体二酸化炭素が拡散していない海水)が巻き込まれる。
これにより、ノズル3から散布された二酸化炭素の液滴群にも、海水が巻き込まれるので、各液滴が海水と接触しやすくなり、液体二酸化炭素の希釈が効果的に行われる。
なお、拡散の程度は、単純に拡散量を多くすることができればよいというわけではなく、海中の二酸化炭素濃度の上昇が適正範囲内に保たれる範囲で、拡散量が最大となるように、抵抗体4の大きさや形状、配置が設定される。
ここで、本実施の形態では、抵抗体4を、装置本体2の上部にのみ設けた例を示したが、これに限られることなく、図4に示す二酸化炭素散布装置11のように、装置本体2の下部に設けてもよく、また、装置本体2の上下両側に設けてもよい。
なお、図4に示す二酸化炭素散布装置11では、ノズル3と抵抗体4との距離が確保されるため、ノズル3の直近位置では抵抗体4が発生させる渦が発生しない。
すなわち、ノズル3の直近位置では海水の流れに抵抗体4に由来する乱れが生じないので、ノズル3から吐出された液体二酸化炭素が確実に液滴となったのちに、ノズル3の後方で発生した渦によって効果的に拡散させられる。
ここで、また、本実施の形態では、抵抗体4の断面形状を円形とした例を示したが、これに限られることなく、他の形状としてもよい。
具体的には、抵抗体4は、必要な抵抗係数Cが得られるように、その形状や大きさ、向き等が適宜設定されるものであって、例えば、抵抗体4の断面形状は、図5に示すように、楕円も含む円形としたり、三角形や四角形とすることができる。
[第二実施形態]
以下、本発明の第二実施形態について、図6及び図7を用いて説明する。
図6に示すように、本実施の形態にかかる二酸化炭素散布装置21は、第一実施形態に示した二酸化炭素散布装置1において、抵抗体4を、装置本体2上に設ける代わりに、装置本体2から曳航方向後方に張り出して設けたことを主たる特徴とするものである。
以下、本実施の形態について、第一実施形態に示す二酸化炭素散布装置1と同一または同様の構成については、同じ符号を用いて示し、詳細な説明を省略する。
本実施の形態では、装置本体2には、一端を曳航方向後方に張り出させて、棒状の抵抗体支持部材22が複数設けられており、各抵抗体4は、これら抵抗体支持部材22の先端に取り付けられている。
これら抵抗体支持部材22の、装置本体2の長手方向における位置は、ノズル3の列の両端部及び各ノズル3間とされている。すなわち、各抵抗体4は、ノズル3の列の両端部後方、及び各ノズル3間の後方に設けられており、各ノズル3から散布された二酸化炭素の液滴が、確実に抵抗体4間を通過する構成とされている。
ここで、ノズル3の後端から抵抗体4までの距離は、ノズル3から散布されて曳航方向後方に向かう液体二酸化炭素が確実に液滴となる距離、例えば50cm〜100cm程度確保されている。
このように構成される二酸化炭素散布装置21では、抵抗体4がノズル3の曳航方向後方に位置して設けられているので、図7に示すように、ノズル3の直近位置では抵抗体4に由来する渦が発生せず、ノズル3よりも曳航方向後方で渦が発生する。
すなわち、ノズル3の直近位置では海水の流れに抵抗体4に由来する乱れが生じないので、ノズル3から吐出された液体二酸化炭素が確実に適切な径の液滴となったのちに、ノズル3の後方で発生した渦によって効果的に拡散させられる。
さらに、複数設けられるノズル3のそれぞれに対応させて抵抗体4を設けているので、各ノズル3から散布される二酸化炭素の液滴を、確実かつ効果的に抵抗体4が発生させる渦にのせて拡散させることができる。
また、この二酸化炭素散布装置21では、抵抗体4を、装置本体2上ではなく、装置本体2の後方に設けているので、二酸化炭素散布装置21自体を大型化することなく、多数の抵抗体4を設置することができるので、液滴の拡散効果が高い。
そして、この二酸化炭素散布装置21では、装置本体2上には抵抗体4が設けられていないので、装置本体2を大型化することなく、ノズル3の設置数を増やすことができる。また、この二酸化炭素散布装置21では、第一実施形態に示した二酸化炭素産婦装置1,11とノズル3の設置数を同じとした場合には、装置本体2をより小型化することができる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について、図8及び図9を用いて説明する。
図8に示すように、本実施形態にかかる二酸化炭素散布装置31は、第二実施形態に示す二酸化炭素散布装置21において、抵抗体4を、ノズル4に対して上方に位置して設けたことを主たる特徴とするものである。
以下、本実施の形態について、第二実施形態に示す二酸化炭素散布装置21と同一または同様の構成については、同じ符号を用いて示し、詳細な説明を省略する。
この二酸化炭素散布装置31では、配管Pにおいて、装置本体2が設けられる位置よりも上方に、抵抗体4をノズル3よりも後方位置で支持する抵抗体支持部材32が設けられている。
抵抗体支持部材32は、装置本体2と略平行な平面視長方形板状をなす支持部材本体33と、支持部材本体33の曳航方向後方に一端を突出させた状態にして設けられる複数の棒状部材34とを有している。そして、抵抗体4は、この棒状部材34の先端に設けられている。
ここで、ノズル3の後端から抵抗体4までの距離は、ノズル3から散布されて曳航方向後方に向かう液体二酸化炭素が確実に液滴となる距離、例えば50cm〜1m程度確保されている。
また、支持部材本体33の側断面は、曳航時に生じる流体抵抗を低減するために、曳航方向に対して流線型をなしている。
このように構成される二酸化炭素散布装置31では、抵抗体4がノズル3の曳航方向後方で、かつノズル3の上方に位置して設けられているので、抵抗体4に由来する渦は、ノズル3の曳航方向後方で、上方に発生することになる。
図9に示すように、ノズル3から散布された二酸化炭素の液滴は、海水との比重差によって生じる浮力を受けてゆっくりと上昇してゆくので、この構成の二酸化炭素散布装置31では、二酸化炭素の液滴がより確実に渦に巻き込まれることとなり、拡散がより効果的に行われる。
本発明の第一実施形態にかかる二酸化炭素散布装置の使用形態を概略的に示す図である。 本発明の第一実施形態にかかる二酸化炭素散布装置の構成を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態にかかる二酸化炭素散布装置による液体二酸化炭素の散布の様子を示す平面図である。 本発明の第一実施形態にかかる二酸化炭素散布装置の他の構成例を示す斜視図である。 本発明に用いられる抵抗体の形状の例を示す図である。 本発明の第二実施形態にかかる二酸化炭素散布装置の構成を示す斜視図である。 本発明の第二実施形態にかかる二酸化炭素散布装置による液体二酸化炭素の散布の様子を示す平面図である。 本発明の第三実施形態にかかる二酸化炭素散布装置の構成を示す斜視図である。 本発明の第三実施形態にかかる二酸化炭素散布装置による液体二酸化炭素の散布の様子を示す平面図である。
符号の説明
1,11,21,31 二酸化炭素散布装置
2 装置本体
3 ノズル
4 抵抗体
32 抵抗体支持部材
P 配管
S 船舶

Claims (10)

  1. 船舶から海中に吊り下げられて曳航される配管に設けられ、該配管を通じて前記船舶から供給される液体二酸化炭素をノズルから散布する二酸化炭素散布装置であって、
    前記ノズルの近傍に、流体抵抗を受ける抵抗体が設けられていることを特徴とする二酸化炭素散布装置。
  2. 前記抵抗体は、曳航姿勢での上下方向に延びる柱形状をなしていることを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素散布装置。
  3. 前記抵抗体は、断面視円形または楕円形の柱形状をなしていることを特徴とする請求項2記載の二酸化炭素散布装置。
  4. 前記抵抗体は、断面視が三角形以上の多角形柱形状をなしていることを特徴とする請求項2記載の二酸化炭素散布装置。
  5. 前記ノズルが複数設けられており、
    前記抵抗体は、前記各ノズルのそれぞれに対して単数または複数ずつ設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の二酸化炭素散布装置。
  6. 前記抵抗体は、前記ノズルに対して曳航方向の側方に位置して設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の二酸化炭素散布装置。
  7. 前記抵抗体は、前記ノズルに対して曳航方向の後方に位置して設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の二酸化炭素散布装置。
  8. 前記抵抗体は、前記ノズルに対して上方に位置して設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の二酸化炭素散布装置。
  9. 前記配管に取り付けられる装置本体と、前記配管に対して前記装置本体の上方に位置して設けられる抵抗体支持部材とを有しており、
    前記ノズルは前記装置本体に設けられており、
    前記抵抗体は前記抵抗体支持部材に設けられていることを特徴とする請求項8記載の二酸化炭素散布装置。
  10. 前記装置本体及び前記抵抗体支持部材は、曳航方向に対して流線型をなしていることを特徴とする請求項9記載の二酸化炭素散布装置。
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