JP4297691B2 - Pan head and camera system - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被駆動体を互いに直交する2つの回転軸周りに回転させる機構を有する雲台および、この雲台を用いたカメラシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
雲台としては、例えば特許文献1に提案されている。
【0003】
図4に示したものは、監視カメラが搭載される被駆動体を備えた雲台(第1の従来例)であり、パン方向(矢印B方向)とチルト方向(矢印A方向)に自由に被駆動体を回転させることができる。
【0004】
チルト用モータ411には減速機構417が連結され、減速機構417に被駆動体406が結合されており、被駆動体406は、チルト用モータ411からの駆動力を受けることで回転軸L1を中心にチルト方向に回転する。
【0005】
また、パン用モータ401には減速機構407が連結され、減速機構407には被駆動体406が固定されたケース421が連結されている。パン用モータ401を駆動すると、ケース421がチルト用モータ411および減速機構417とともに回転軸L2を中心にパン方向に回転する。
【0006】
図5に示したものも被駆動体(監視カメラが搭載)を備えた雲台(第2の従来例)であるが、図4に示した雲台とは、チルト方向の回転を行うための機構が異なる。
【0007】
すなわち、図4に示した雲台では、チルト用モータ411およびパン用モータ401が互いに直交するように配置されているが、図5に示した雲台では、パン用モータ501およびチルト用モータ511が回転軸L2に対して略平行に並んで配置されている。これは、雲台のパン方向の回転によって生じる空間(動作スペース)をなるべく小さくするためである。
【0008】
図5において、チルト用モータ511には減速機構517A、517Bが連結され、減速機構517Bには被駆動体506が結合されている。また、パン用モータ501には減速機構507が連結され、減速機構507には被駆動体506が固定されたケース521が連結されている。
【0009】
チルト用モータ511を駆動すると、チルト用モータ511の出力(パン方向の回転出力)が減速機構517A、517Bによってチルト方向の回転出力に変換されて、被駆動体506がチルト方向に回転する。パン用モータ501を駆動すると、被駆動体506が固定されたケース521がチルト用モータ511、減速機構517A、517Bとともにパン方向に回転する。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−47292号公報(第2頁、第4図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術において、被駆動体に監視カメラを搭載して用いる場合、カメラはパン及びチルトの回転軸(L1、L2)上に配置されることが好ましい。カメラを意図する方向に容易に回転させることができるとともに、装置全体を小型化しやすいからである。
【0012】
第1の従来例である雲台の構成において、カメラをパン及びチルトの回転軸(L1、L2)上に配置し、パン用モータ401を駆動すると、チルト用モータ411がカメラと共にパン方向に回転することになる。このため、チルト用モータのパン方向の回転が妨げられないように、チルト用モータ411の回転軌跡上とは異なる位置にチルト用モータ以外の駆動源(パン用モータ401)を配置している。
【0013】
一方、第2の従来例である雲台では、パン方向の回転時にチルト用モータ511の移動によって占められる空間(動作スペース)を小さくするために、パン用モータ501とチルト用モータ511を略平行に配置している。したがって、第2の従来例の雲台では、第1の従来例の雲台に比べて装置の動作スペースを小さくすることができる。
【0014】
しかし、第2の従来例のようにパン用モータ501およびチルト用モータ511を同じ方向に配置したからといって、チルト用モータ511の回転軌跡が占める空間とは別に、パン用モータ501を配置する空間を設ける必要があることには変わりがない。
【0015】
つまり、第1および第2の従来例において、カメラ等の被駆動体が占める空間以外に最低限必要な空間としては、パン用モータを収納する空間、チルト用モータを収納する空間およびチルト用モータの回転軌跡を確保するための空間が必要になる。
【0016】
また、第1および第2の従来例では、チルト用モータがパン用モータの出力軸に対して一方側にのみ配置されているため、パン用モータの出力軸を中心とした左右の質量バランスが非常に悪くなり、精度の高い駆動を行うことが難しいという課題がある。
【0017】
これを解決するために、チルト用モータの反対側に重りを設け、パン用モータの出力軸周りの質量バランスを調整する方法が考えられるが、重りを追加した分だけパン用モータの駆動トルクが必要となり、パン用モータ自体の小型化が妨げてしまうという課題がある。
【0018】
これらの課題は、チルト用モータを駆動したときに、パン用モータが被駆動体と共に回転する構成の雲台についても、同様に言えることである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本願第1の発明である雲台は、被駆動体に連結し、被駆動体を第1の回転軸周りに回転させる第1の駆動源と、第1の回転軸上であって、被駆動体に対して第1の駆動源側とは反対側に配置された第2の回転軸周りに回転可能な雲台本体と、この雲台本体を回転可能に支持する支持手段と、第2の駆動源における第1の回転軸周りの回転を第2の回転軸周りの回転に変換する変換手段とを有することを特徴とする。
本願第1の発明によれば、第1の駆動源および第2の駆動源を同軸上(第1の回転軸上)に配置しているため、従来技術に比べて雲台の小型化(第2の回転軸方向の小型化)を図ることができる。また、雲台本体が第2の回転軸周りに回転するときに第1の駆動源および第2の駆動源の移動軌跡が略重複するため、動作スペースを含めた雲台の大きさを従来技術よりも小さくすることができる。
さらに、上記の配置構成であっても変換手段を設けることで、第1の駆動源および第2の駆動源を用いて被駆動体を互いに直交する回転軸(第1および第2の回転軸)周りに回転させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に本発明の第1実施形態である雲台の断面図を示す。
【0021】
同図において、101、111はそれぞれ、電磁モータで構成されたチルト用モータ(第1の駆動源)、パン用モータ(第2の駆動源)であり、ともにケース(雲台本体)121に固定されている。106は、カメラを搭載した被駆動体である。本実施形態では、被駆動体106にカメラを搭載して監視カメラとして用いているが、被駆動体106にカメラ以外の装置を搭載することもできる。
【0022】
107、117は減速機構であり、それぞれチルト用モータ101およびパン用モータ111に連結されている。減速機構107は、被駆動体106に連結されており、この被駆動体106はチルト用モータ101からの駆動力を受けることでチルト方向(矢印A方向)に回転する。
【0023】
被駆動体106は、互いに直交するパン回転軸L2(第2の回転軸)とチルト回転軸(第1の回転軸)L1とが交わる位置に配置されており、この位置でパン方向(矢印B方向)およびチルト方向の回転駆動が行われる。
【0024】
116A、116Bはハスバ歯車(変換手段)であり、互いに略90度傾いた状態で配置されて噛み合っている。ハスバ歯車116Bは、軸128を介して台座122に固定されており、ケース121は、ベアリング123を介して台座122(軸128を含む、支持手段)に回転可能に支持されている。
【0025】
ハスバ歯車116A、116Bは、パン用モータ111のチルト方向の出力をパン方向(矢印B方向)の出力に変換する動力変換機構として作用する。本実施形態では、ハスバ歯車116A、116Bを用いているが、パン用モータ111のチルト方向の出力をパン方向の出力に変換できるギヤ構成であればいかなる構成であってもよい。
【0026】
チルト用モータ101は、減速機構107を介して被駆動体106に連結され、直接被駆動体106をチルト方向に回転させる。
【0027】
パン用モータ111は減速機構117、ハスバ歯車116Aに連結されており、パン用モータ111を駆動すると、ハスバ歯車116Aが回転し、ハスバ歯車116Aおよびハスバ歯車116Bの噛み合い作用により、ハスバ歯車116Aが台座122に固定されたハスバ歯車116Bの周囲を回りだす。
【0028】
ここで、ハスバ歯車116Aには減速機構117が固定されているとともに、パン用モータ111がケース121に固定されているため、ハスバ歯車116Aがハスバ歯車116Bの周囲を回転すると、ケース121がパン方向に回転し、被駆動体106もパン方向に回転する。
【0029】
124および125は、被駆動体106のチルト方向の回転状態を検出するためのエンコーダスケールおよびヘッドである。エンコーダスケール124は、回転軸101aに固定されており、回転軸101aとともに回転する。ヘッド125は、エンコーダスケール124の一部の領域と対向する位置において、ケース121に固定されている。
【0030】
この構成において、エンコーダスケール124が回転軸101a周り(チルト方向)に回転すると、ヘッド125においてエンコーダスケール124の回転位置に応じた信号が出力される。この信号は不図示の制御回路に入力され、制御回路は入力された信号に基づいて被駆動体106のチルト方向における回転位置を検出する。
【0031】
126および127は、ケース121のパン方向の回転状態を検出するためのエンコーダスケールおよびヘッドである。エンコーダスケール126はハスバ歯車116Bに固定されている。ヘッド127は、エンコーダスケール126の一部の領域と対向する位置において、ケース127に固定されている。
【0032】
この構成において、ヘッド127がケース121とともに軸128周り(パン方向)に回転すると、ヘッド127においてケース127の回転位置に応じた信号が出力される。この信号は不図示の制御回路に入力され、制御回路は入力された信号に基づいてケース127(被駆動体106)のパン方向における回転位置を検出する。
【0033】
ここで、チルト用モータ101とパン用モータ111は、チルト回転軸L1上において、パン回転軸L2及び被駆動体106を挟んで互いに対向する位置であって、かつ、パン回転軸L2から等距離だけ離れた位置に配置されている。
【0034】
このような構成の雲台をパン方向に回転動作させると、チルト用モータ101の回転軌跡とパン用モータ111の回転軌跡が重畳し、チルト用モータ101の動作領域内にパン用モータ111を配置するための領域を確保することができる。このため、従来技術のようにチルト用モータの動作領域とは別の領域にパン用モータを配置する必要がなくなる。
【0035】
すなわち、本実施形態によれば、装置の動作スペースを含めた雲台の大きさを従来技術に比べて小さくすることができる。また、上述した第1および第2の従来例に比べて装置高さ方向の大きさを小さくすることができる。
【0036】
ここで、チルト用モータ101およびパン用モータ111として、同じ構成のモータを用いれば、パン回転軸L2の両側に位置するモータ101、111の質量がほぼ等しくなる。そして、チルト用モータ101およびパン用モータ111は、上述したようにパン回転軸L2から等距離だけ離れた位置に配置されているため、パン回転軸L2に対する左右の質量バランスが良好となり(左右のモーメントが等しくなり)、精度良く被駆動体106を回転させることができる。
【0037】
したがって、本実施形態の雲台によれば、より小型で、より高精度に被駆動体106の回転駆動を行うことができる。
【0038】
なお、本実施形態では2つのモータ101、111をチルト回転軸L1上に配置したが、2つのモータ101、111をパン回転軸L2上に配置する構成であってもよい。
【0039】
また、質量が異なるチルト用モータ101およびパン用モータ111を用いた場合でも、チルト用モータ101およびパン用モータ111の回転軸L2からの距離を適宜変更することで、回転軸L2に対する左右の質量バランスを保つことができる。
【0040】
(第2実施形態)
図2に本発明の第2実施形態である雲台の断面図を示す。
【0041】
第1実施形態では、雲台の駆動源(チルト用モータおよびパン用モータ)として電磁モータを使用していたが、本実施形態では雲台の駆動源として振動波モータ(超音波モータ)を使用している。
【0042】
2つのモータ(チルト用およびパン用)を、チルト回転軸(第1の回転軸)L1上において、パン回転軸(第2の回転軸)L2を挟んで対向させて、パン回転軸L2から等距離だけ離れた位置に配置した構成や、ハスバ歯車を用いて、パン用モータのチルト方向における出力をパン方向の出力に変換する構成は、第1実施形態と同じである。また、第1実施形態で説明した部材と同じ機能を果たすものについては、同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
以下、第1実施形態とは異なる構成を中心に説明を行う。
【0044】
振動波モータの構成の一例としては、円環状に形成された金属等からなる弾性体の底面に所定の電極パターンが形成された圧電素子等の電気−機械エネルギ変換素子を固定し、この電気−機械エネルギ変換素子に駆動信号を供給することによって、弾性体の表面に複数の定在波を発生させるものである。
【0045】
この複数の定在波に所定の時間的位相差(2つの定在波の場合は90度、3つの定在波の場合は120度)を設けることで、この複数の定在波の合成によって弾性体の表面には円環に沿って進む進行波が発生する。
【0046】
このとき、弾性体の表面の各質点は楕円運動を行っており、この弾性体の表面にロータを圧接させれば、この弾性体表面の楕円運動と摩擦力によって、ロータは進行波の進む方向とは反対側に回転移動する。
【0047】
ロータを弾性体に圧接させる方法としては、バネによってロータを弾性体に加圧するのが最も容易であり、加圧力も調整しやすい。
【0048】
図2において、201、211は金属等の弾性体と電気−機械エネルギ変換素子とから構成された振動子であり、202、212は弾性体の表面に圧接されたロータである。ここで、振動子201およびロータ202でチルト用モータ(第1の駆動源)200Aが構成され、振動子211およびロータ212でパン用モータ(第2の駆動源)200Bが構成される。
【0049】
振動子201、211は、雲台のケース(雲台本体)221の内部に固定され、振動子201、211の中央部には軸203、213が設けられている。軸203、213のそれぞれの一端部には、バネ受け(固定部材)204、214が設けられている。
【0050】
バネ受け204、214(軸203、213)は、ケース221や振動子201、211に対して、ロータ202、212の回転軸方向(スラスト方向)にある程度移動が許容されるように嵌め込まれている。
【0051】
チルト用モータ200Aおよびパン用モータ200Bは、チルト回転軸L1上においてカメラ等を搭載した被駆動体206を挟むように配置されている。そして、ロータ202、212は、振動子201、211に対してパン回転軸L2側に位置し、互いに向かい合うように配置されている。
【0052】
ロータ202(後述する支持部材207を含む)や、ロータ212(後述するハスバ歯車216Aを含む)は、振動子201、211とバネ受け204、214に固定されたベアリング205、215とで挟み込まれており、振動子201、211の中央に設けられた軸203、213を中心として回転する。
【0053】
バネ受け204、214は、中空構造の支持部材207の内部で対向するように配置されている。このバネ受け204、214の間にはバネ(付勢手段)210が配置されており、バネ210は、この両端部においてバネ受け204、214を互いに引き離す方向に付勢している。
【0054】
バネ受け204、214は、バネ210により振動子側に押されるように付勢されており、ロータ202、212は、支持部材207又はハスバ歯車(変換手段)216Aを介してバネ受け204、214に固定されたベアリング205、215からの付勢力を受けて、振動子201、211の表面に加圧された状態で接触する。
【0055】
ロータ202(支持部材207)や、ロータ212(ハスバ歯車216A)は、ベアリング205、215によって軸203、213やバネ受け204、214に対して自由に回転できる。
【0056】
ロータ202には、被駆動体206に取り付けられた支持部材207が固定されており、振動子201に駆動信号を供給すると、支持部材207がロータ202とともにチルト方向に回転する。また、ロータ212には、ハスバ歯車216Aが固定されており、振動子211に駆動信号を供給すると、ハスバ歯車216Aがロータ212とともにチルト回転軸L1周りに回転する。
【0057】
上述した構成において、チルト用モータ200Aおよびパン用モータ200Bはバネ210を介して連結しているが、チルト用モータ200Aやパン用モータ200Bとバネ210との間にはベアリング205、215が配置されているため、2つのモータ200A、200B(ロータ202、212)は互いに独立して回転することが可能である。
【0058】
ロータ212に固定されたハスバ歯車216Aは、このハスバ歯車216Aに対して90度傾いて配置されたハスバ歯車(変換手段)216Bと噛み合う。また、ハスバ歯車216Bは台座122に固定されている。
【0059】
ハスバ歯車216Aがロータ212とともにパン回転軸L1周りに回転すると、ハスバ歯車216Aおよびハスバ歯車216Bの噛み合い作用により、ケース221が台座122を基準にパン方向に回転する。これにより、ケース221内に配置される被駆動体206もパン方向に回転する。
【0060】
ケース221の上面に形成された開口部や、ケース221とハスバ歯車216Bとの間に生じた隙間には、これらを覆うようにシール部材228、229が貼り付けられている。これにより、装置内を密閉状態にすることができ、装置内に埃等が入り込むのを防止することができる。
【0061】
通常、振動波モータ毎にロータを振動子に圧接させる加圧部材(バネ等)が必要となる。しかし、本実施形態の構成では、2つの振動波モータ(チルト用モータ200Aおよびパン用モータ200B)が同軸(L1)上であって、互いに向かい合って配置されているため、2つの振動波モータの間に1つの加圧部材(バネ210)を配置するだけで、ロータ202、212を振動子201、211に加圧接触させることができる。これにより、部品点数を減らすことができる。
【0062】
しかも、バネ210は、回転軸L1周りに回転しない部材(バネ受け204、214やベアリング205、215の内周部)を介してロータ202、212を付勢しているため、ロータ202、212が回転してもこの影響を受けることはない。
【0063】
本実施形態においても、チルト用モータおよびパン用モータの回転軌跡が重畳するため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0064】
(第3実施形態)
図3に本発明の第3実施形態である雲台の断面図を示す。同図の(a)は装置上面図を示し、(b)は装置正面図を示す。
【0065】
本実施形態の雲台は、第2実施形態に示す横型の雲台を改良して縦型としたものであって、さらに小型化したものである。以下、第1、第2実施形態とは異なる構成を中心に説明を行う。
【0066】
301、311は振動子であり、302、312は振動子301、311を構成する弾性体の表面に圧接されたロータである。振動子301およびロータ302でパン用モータ(第1の駆動源)が構成され、振動子311およびロータ312でチルト用モータ(第2の駆動源)が構成される。
【0067】
振動子301は台座(支持手段)322の内部に固定され、振動子311はケース(雲台本体)321の内部に固定されている。
【0068】
振動子301、311の中央には、パン回転軸(第1の回転軸)L2方向に延びる共通の軸303が配置されており、軸303の一端にはケース321が固定され、他端近傍にはロータ302が固定されている。
【0069】
また、軸303は、内周部と外周部とでスラスト方向にガタを有するベアリング304、305を介して台座322に回転可能な状態で支持されている。ベアリング304、305の内周部は軸303に固定され、外周部は台座322に固定されている。したがって、軸303は台座322に対してベアリング304、305のガタの許容範囲内でスラスト方向に変位することができる。
【0070】
ロータ302にはエンコーダスケール324が固定されており、このエンコーダスケール324の一部の領域と対向する位置には、台座322に固定されたヘッド325が配置されている。エンコーダスケール324およびヘッド325は、第1実施形態で説明したようにロータ302のパン方向における回転状態を検出するためのものである。
【0071】
ロータ312には、エンコーダスケール326を介してハスバ歯車(変換手段)316Aが固定されており、このハスバ歯車316Aは、振動子311に駆動信号が供給されるとロータ312とともにパン方向に回転する。
【0072】
なお、エンコーダスケール326と、このエンコーダスケール326の近傍に配置されたヘッド327とは、ロータ312のパン方向における回転状態を検出するためのものである。
【0073】
ハスバ歯車316Aは、この歯車に対して90度傾いて配置されたハスバ歯車(変換手段)316Bと噛み合う。このハスバ歯車316Bは、回転台317に固定されており、回転台317はケース321に対してチルト方向に回転可能な状態で固定されている。
【0074】
したがって、ハスバ歯車316Aがパン方向に回転すると、ハスバ歯車316Bは、ハスバ歯車316Aとの噛み合い作用によりチルト方向に回転する。
【0075】
ここで、雲台を上面(図3(a))から見ると、カメラ等が搭載される被駆動体306はコの字型になっており、この被駆動体306は、この内部に配置されたバネ(付勢手段)310に接触しない範囲でチルト方向に回転することができる。
【0076】
ロータ312およびハスバ歯車316Aは、内周部と外周部とでスラスト方向にガタを有するベアリング307、308によって軸303に対して回転可能な状態で支持されている。
【0077】
台座322とベアリング307の外周部との間には、バネ310が配置されており、ベアリング307の外周部はバネ310によって台座322から離れる方向の付勢力を受ける。
【0078】
バネ310からの付勢力を受けるベアリング307の外周部は、ハスバ歯車316Aに固定されており、このハスバ歯車316Aにはエンコーダスケール316A及びロータ312が固定されているため、ロータ312はバネ310の付勢力を受けて振動子311の表面に押し当てられる。
【0079】
ベアリング307、308は、上述したように軸303のスラスト方向にガタを有しているため、ケース321を介して軸303に固定された振動子311に対して、ロータ312を加圧することができる。
【0080】
また、ロータ312がバネ310から強い付勢力(加圧力)を受けると、ロータ312に押し込まれた振動子311が装置上方(図3(b)の上方)にスラスト移動する。
【0081】
振動子311にはケース321を介して軸303が固定されているため、軸303も振動子311とともに、ベアリング304、305のガタの許容範囲内で装置上方にスラスト移動する。この軸303のスラスト移動によって、軸303に固定されたロータ302が振動子301の表面に加圧接触する。
【0082】
このように、本実施形態においても、第2実施形態と同様に2つの振動波モータに対してバネ(加圧部材)は1つで足り、部品点数を少なくすることができる。
【0083】
一方、振動子301に駆動信号を供給すると、軸303がロータ302とともにパン方向に回転し、ケース321及びこの内部に配置されたもの(被駆動体306等)をパン方向に回転させる。
【0084】
なお、ケース321の一側面に形成された開口部や、ケース321と台座322との間に生じた隙間には、これらを覆うようにシール部材328、329が貼り付けられている。これにより、装置内を密閉状態とすることができ、装置内に埃などが入り込むのを防止することができる。
【0085】
本実施形態によれば、2つの振動子の一方(振動子311)が回転するだけであり、2つの振動波モータの位置は変化しない。したがって、モータの回転軌跡を確保する必要はなく、2つの振動波モータと、これらのモータ間に配置される被駆動体を収納するスペースがあれば足りるため、雲台を小型化することができる。
【0086】
本実施形態では、縦長の装置構成としているが、これを横長の装置構成とすることもできる。すなわち、台座322内に配置されたパン用の振動波モータをチルト用の駆動源として用い、ケース321内に配置されたチルト用の振動波モータをパン用の駆動源として用いることができる。
【0087】
また、本実施形態では、パン用モータとチルト用モータの間に被駆動体306を配置しているが、2つのモータと被駆動体306が同軸(L2)上に配置されていればよい。具体的には、被駆動体306をケース321の上方に配置するとともに、チルト用モータをケース321の下方に配置してもよい。
【0103】
【発明の効果】
本発明によれば、装置を小型化できるとともに、装置を安定して駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる雲台の断面図。
【図2】本発明の第2実施形態にかかる雲台の断面図。
【図3】本発明の第3実施形態にかかる雲台の断面図。
【図4】従来の2軸回転装置の断面図。
【図5】従来の別の2軸回転装置の断面図。
【符号の説明】
101、111:電磁モータ
106、206、306:被駆動体
107、117:減速機構
116A、116B、216A、216B、316A、316B:ハスバ歯車
121、221、321:ケース
122、322:台座
123、205、215、304、305、307、308:ベアリング
124、126、324、326:エンコーダスケール
125、127、325、327:ヘッド
201、211、301、311:振動子
202、212、302、312:ロータ
203、213、303:軸
204、214:バネ受け
207:支持部材
210、310:バネ
228、229、328、329:シール部材
317:回転台[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a pan head having a mechanism for rotating a driven body around two rotation axes orthogonal to each other.And a camera system using this pan headIt is about.
[0002]
[Prior art]
As a pan head, it is proposed by patent document 1, for example.
[0003]
FIG. 4 shows a pan head (first conventional example) having a driven body on which a surveillance camera is mounted, and can freely move in a pan direction (arrow B direction) and a tilt direction (arrow A direction). The driven body can be rotated.
[0004]
The tilting
[0005]
The
[0006]
5 is also a pan head (second conventional example) provided with a driven body (mounted with a monitoring camera), but the pan head shown in FIG. 4 is for rotating in the tilt direction. The mechanism is different.
[0007]
That is, in the pan head shown in FIG. 4, the
[0008]
In FIG. 5,
[0009]
When the
[0010]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 2000-47292 (page 2, FIG. 4)
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
In the above-described prior art, when a surveillance camera is mounted on a driven body, the camera is preferably disposed on pan and tilt rotation axes (L1, L2). This is because the camera can be easily rotated in the intended direction and the entire apparatus can be easily miniaturized.
[0012]
In the configuration of the pan head that is the first conventional example, when the camera is arranged on the pan and tilt rotation axes (L1, L2) and the
[0013]
On the other hand, in the pan head which is the second conventional example, the
[0014]
However, because the
[0015]
That is, in the first and second conventional examples, the minimum required space other than the space occupied by the driven body such as a camera is a space for storing the pan motor, a space for storing the tilt motor, and the tilt motor. A space for securing the rotation trajectory is required.
[0016]
In the first and second conventional examples, since the tilt motor is arranged only on one side with respect to the output shaft of the pan motor, the left and right mass balance around the output shaft of the pan motor is balanced. There is a problem that it becomes very bad and it is difficult to drive with high accuracy.
[0017]
In order to solve this problem, a method of adjusting the mass balance around the output shaft of the pan motor by providing a weight on the opposite side of the tilt motor can be considered, but the drive torque of the pan motor is increased by the added weight. This is necessary, and there is a problem that miniaturization of the pan motor itself is hindered.
[0018]
These problems can be similarly applied to a pan head in which the pan motor rotates with the driven body when the tilt motor is driven.
[0019]
[Means for Solving the Problems]
A pan head according to a first invention of the present application is connected to a driven body, and includes a first driving source that rotates the driven body around the first rotation axis, and the first driving axis on the driven shaft. A pan head main body which is arranged on the opposite side of the body from the first drive source side and which can rotate around a second rotation axis; and a support means which rotatably supports the pan head main body; Conversion means for converting rotation of the drive source around the first rotation axis into rotation around the second rotation axis.
According to the first invention of this application, since the first drive source and the second drive source are arranged on the same axis (on the first rotating shaft), the pan head can be reduced in size (first) compared to the prior art. 2). In addition, since the movement trajectories of the first drive source and the second drive source substantially overlap when the pan head body rotates around the second rotation axis, the size of the pan head including the operation space can be reduced. Can be made smaller.
Furthermore, even in the above arrangement, by providing the conversion means, the driven body and the rotating shafts (first and second rotating shafts) orthogonal to each other using the first driving source and the second driving source. Can be rotated around.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(First embodiment)
FIG. 1 shows a cross-sectional view of a pan head that is a first embodiment of the present invention.
[0021]
In the figure,
[0022]
[0023]
The driven
[0024]
[0025]
The helical gears 116A and 116B act as a power conversion mechanism for converting the output in the tilt direction of the
[0026]
The
[0027]
The
[0028]
Here, since the
[0029]
[0030]
In this configuration, when the
[0031]
[0032]
In this configuration, when the
[0033]
Here, the
[0034]
When the pan head having such a configuration is rotated in the pan direction, the rotation trajectory of the
[0035]
That is, according to the present embodiment, the size of the camera platform including the operation space of the apparatus can be reduced as compared with the conventional technique. In addition, the size in the apparatus height direction can be reduced as compared with the first and second conventional examples described above.
[0036]
Here, if motors having the same configuration are used as the
[0037]
Therefore, according to the pan / tilt head of this embodiment, the driven
[0038]
In the present embodiment, the two
[0039]
Even when the
[0040]
(Second Embodiment)
FIG. 2 shows a cross-sectional view of a pan head that is a second embodiment of the present invention.
[0041]
In the first embodiment, an electromagnetic motor is used as a pan head drive source (tilt motor and pan motor). In this embodiment, a vibration wave motor (ultrasonic motor) is used as a pan head drive source. is doing.
[0042]
Two motors (for tilting and panning) are opposed to each other on the tilt rotation axis (first rotation axis) L1 across the pan rotation axis (second rotation axis) L2, and from the pan rotation axis L2. The configuration arranged at a position separated by a distance and the configuration for converting the output in the tilt direction of the pan motor to the output in the pan direction using the helical gear are the same as in the first embodiment. Moreover, about the thing which fulfill | performs the same function as the member demonstrated in 1st Embodiment, the same code | symbol is attached | subjected and description is abbreviate | omitted.
[0043]
Hereinafter, a description will be given focusing on a configuration different from the first embodiment.
[0044]
As an example of the configuration of the vibration wave motor, an electro-mechanical energy conversion element such as a piezoelectric element having a predetermined electrode pattern formed on the bottom surface of an elastic body made of metal or the like formed in an annular shape is fixed. A plurality of standing waves are generated on the surface of the elastic body by supplying a drive signal to the mechanical energy conversion element.
[0045]
By providing a predetermined temporal phase difference (90 degrees for two standing waves and 120 degrees for three standing waves) to the plurality of standing waves, A traveling wave traveling along the ring is generated on the surface of the elastic body.
[0046]
At this time, each mass point on the surface of the elastic body performs an elliptical motion, and if the rotor is pressed against the surface of the elastic body, the rotor moves in the direction in which the traveling wave travels due to the elliptical motion and frictional force on the surface of the elastic body. Rotate to the opposite side.
[0047]
As a method of bringing the rotor into pressure contact with the elastic body, it is easiest to press the rotor against the elastic body with a spring, and it is easy to adjust the applied pressure.
[0048]
In FIG. 2, 201 and 211 are vibrators composed of an elastic body such as metal and an electro-mechanical energy conversion element, and 202 and 212 are rotors pressed against the surface of the elastic body. Here, the
[0049]
The
[0050]
The
[0051]
The
[0052]
A rotor 202 (including a
[0053]
The
[0054]
The
[0055]
The rotor 202 (support member 207) and the rotor 212 (
[0056]
A
[0057]
In the configuration described above, the tilt motor 200 </ b> A and the pan motor 200 </ b> B are connected via the
[0058]
The
[0059]
When the
[0060]
[0061]
Normally, a pressure member (spring or the like) that presses the rotor against the vibrator is required for each vibration wave motor. However, in the configuration of the present embodiment, the two vibration wave motors (tilting
[0062]
In addition, since the
[0063]
Also in this embodiment, since the rotation trajectories of the tilting motor and the panning motor are superimposed, the same effect as in the first embodiment can be obtained.
[0064]
(Third embodiment)
FIG. 3 shows a cross-sectional view of a pan head that is a third embodiment of the present invention. (A) of the figure shows a top view of the apparatus, and (b) shows a front view of the apparatus.
[0065]
The pan head of the present embodiment is a vertical type improved from the horizontal pan head shown in the second embodiment, and is further downsized. Hereinafter, a description will be given focusing on a configuration different from the first and second embodiments.
[0066]
[0067]
The
[0068]
A
[0069]
The
[0070]
An
[0071]
A helical gear (conversion means) 316A is fixed to the
[0072]
The
[0073]
The
[0074]
Accordingly, when the
[0075]
Here, when the pan head is viewed from the upper surface (FIG. 3A), the driven
[0076]
The
[0077]
A
[0078]
The outer periphery of the
[0079]
Since the
[0080]
Further, when the
[0081]
Since the
[0082]
As described above, also in this embodiment, one spring (pressurizing member) is sufficient for the two vibration wave motors as in the second embodiment, and the number of parts can be reduced.
[0083]
On the other hand, when a drive signal is supplied to the
[0084]
Note that
[0085]
According to this embodiment, only one of the two vibrators (vibrator 311) rotates, and the positions of the two vibration wave motors do not change. Therefore, it is not necessary to secure the rotation trajectory of the motor, and a space for storing the two vibration wave motors and the driven body arranged between these motors is sufficient, and the pan head can be downsized. .
[0086]
In the present embodiment, a vertically long device configuration is used, but this may be a horizontally long device configuration. That is, the vibration wave motor for pan arranged in the base 322 can be used as a drive source for tilt, and the vibration wave motor for tilt arranged in the
[0087]
In this embodiment, the driven
[0103]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to downsize the apparatus and to drive the apparatus stably.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a pan head according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view of a pan head according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a cross-sectional view of a pan head according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a cross-sectional view of a conventional biaxial rotating device.
FIG. 5 is a cross-sectional view of another conventional biaxial rotating device.
[Explanation of symbols]
101, 111: Electromagnetic motor
106, 206, 306: driven body
107, 117: Deceleration mechanism
116A, 116B, 216A, 216B, 316A, 316B: Hasuba gear
121, 221, 321: Case
122, 322: pedestal
123, 205, 215, 304, 305, 307, 308: Bearing
124, 126, 324, 326: Encoder scale
125, 127, 325, 327: head
201, 211, 301, 311: vibrator
202, 212, 302, 312: rotor
203, 213, 303: axis
204, 214: Spring support
207: Support member
210, 310: Spring
228, 229, 328, 329: seal members
317: Turntable
Claims (5)
前記第1の回転軸上であって、前記被駆動体に対して前記第1の駆動源側とは反対側に配置された第2の駆動源と、
前記第1の駆動源および前記第2の駆動源を保持し、前記第1の回転軸と直交する第2の回転軸周りに回転可能な雲台本体と、
この雲台本体を回転可能に支持する支持手段と、
前記第2の駆動源における前記第1の回転軸周りの回転を前記第2の回転軸周りの回転に変換する変更手段とを有することを特徴とする雲台。A first drive source coupled to the driven body and rotating the driven body about a first rotation axis;
A second drive source disposed on the first rotating shaft and disposed on the opposite side of the driven body from the first drive source side;
A head body that holds the first drive source and the second drive source and is rotatable around a second rotation axis that is orthogonal to the first rotation axis;
A support means for rotatably supporting the pan head body;
A pan head comprising: changing means for converting rotation of the second drive source around the first rotation axis into rotation around the second rotation axis.
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