JP4296516B2 - 光学的物体距離シミュレーション装置 - Google Patents

Description

本発明は、光学的物体距離シミュレーション装置に関し、とくに、物体距離をシミュレーションする方式によって、予備検査カメラレンズと検出チャートとの間の物体距離（object distance）を短縮させる装置に関する。

図１は、従来のカメラレンズ検査装置を示す図である。図中から分かるように、従来のカメラレンズ検査装置は、先ず、一対の発光素子１ａからチャート（カメラレンズを検査する際に用いる様々な色や形をした記号や図形のこと。chart）２ａ上にビームを投射し、そして、様々な異なるテスト要求に応じて、予備検査カメラレンズ（製品の組み立て前に予備検査を受けるカメラレンズのこと。pre-testing camera lens）３ａとチャート２ａとの間の実際の物体距離（実際の物体間の距離。real object distance）ｄを調整し、予備検査カメラレンズ３ａを検査する。なお、予備検査カメラレンズ３ａのチャート２ａに対する有効視界（Field of View、FOV）は、図中の破線に示されている。

しかしながら、従来のカメラレンズ検査装置は、予備検査カメラレンズ３ａとチャート２ａとの間の実際の物体距離ｄが、長すぎるため、全体の測量区間が大きくなり、経済性を備えていないだけでなく、操作上にも多くの不便が生じていた。

そのため、本発明者は、前記欠点が改善できることを鑑みて、専念な観察かつ研究をし、さらに学術理論の運用に合せ、合理的に設計且つ前記欠点を効率よく改善する本発明を提供した。

本発明が解決しようとする技術課題は、物体距離をシミュレーションする方式によって、予備検査カメラレンズと検出チャートとの間の物体距離を短縮させることにある。即ち、複数のレンズからなるレンズモジュールを予備検査カメラレンズとチャート（test chart、test object or test target）との間に設置することで、実際の物体距離をシミュレーションする効果を発生させ（すなわち、実際の物体距離を模擬的に作り出し）、全体の測量区間を短縮させる。

また、本発明は、発光素子、電源供給器及び関連する高熱量の発生し易い素子を前記レンズモジュールと別にするとともに、熱量の発生し易い素子の近傍に散熱手段を設置することで、より好ましい散熱効果を備えるだけでなく、散熱手段及び散熱孔を設置することにより外部の塵埃がレンズモジュールに付着し易くなることも防止する。また、本発明のチャートは、モータによって異なるチャート及びそのシミュレーション距離を変換し易くし、全体の検査速度を向上させる。

前記技術問題を解決するために、本発明に係る一つの方案は、制御ユニットと、物体距離シミュレーションユニットと、導光ユニットとを含む光学的物体距離シミュレーション装置を提供する。前記制御ユニットは、少なくとも、第１のケースと、発光素子と、散熱手段とを含む。また、前記発光素子が第１のケース内に設置され、前記散熱手段が前記第１のケース内又は前記第１のケース上に設置され、前記発光素子が発生する熱量を発散させる。

また、前記物体距離シミュレーションユニットは、少なくとも、第２のケースと、台座と、モータと、チャートタレット（turret）と、レンズモジュールとを含む。前記台座は前記第２のケース内に設置され、前記モータが前記第２のケース内に設置されるとともに、前記台座上に摺動可能に設置される。前記チャートタレットは複数のチャートを有し、前記第２のケース内に設置されるとともに、前記モータの軸心に枢設される。前記レンズモジュールは前記第２のケース上に設置され、何れか一つのチャートと選択的に対応させられる。

また、前記導光ユニットの一端は、前記制御ユニットの発光素子の一側に設置され、前記発光素子が投射した光ビームをガイドするとともに、前記導光ユニットの他の一端は、前記チャートタレットのうち一つのチャートの一側に設置され、前記発光素子からガイドされた光ビームを一つのチャートに投射させる。これによって、前記レンズモジュールを介して実際の物体距離をシミュレーションする（すなわち、実際の物体距離を模擬的に作り出す）ことができ、予備検査カメラレンズとその対応するチャートとの物体距離を短縮させることができる。

本発明が前記目的を達成するために採用した技術や手段及び効果をより理解できるように、以下本発明に関わる詳しい説明を添付図面を参照しながら行う。これにより本発明の目的、特徴及び特点を、より深く且つ具体的に理解できることは確信しているが、添付図面は参考や説明のみに用い、本発明を局限するものではない。

図２は、本発明に係る光学的物体距離シミュレーション装置の構造を示す図である。図から分かるように、本発明に開示している光学的物体距離シミュレーション装置は、制御ユニット１と、物体距離シミュレーションユニット２と、導光ユニット３とを含む。

前記制御ユニット１は、少なくとも、第１のケース１０と、第１のケース１０内に設置された発光素子１１と、散熱手段（例えば、ファン）１２と、電源供給器１３と、カラーフィルタ１４と、制御パネル（制御盤）１５とを含む。発光素子１１又は制御ユニット１の他の発熱源が発生する熱量を発散させるため、散熱手段１２が発光素子１１に近傍の一側に設置され、さらに第１のケース１０上に設置（埋設）することもできる。

また、電源供給器１３は、発光素子１１及び散熱手段１２に電源を供給する。また、カラーフィルタ１４は発光素子１１と導光ユニット３との間に設置され、制御パネル１５は、カラーフィルタ１４の回転を制御し、検査に必要な白光又はカラー光を発生させる。

また、物体距離シミュレーションユニット２は、少なくとも、第２のケース２０と、該第２のケース２０内に設置された台座２１と、モータ２２と、チャートタレット（turret）２３と、レンズモジュール２４とを含む。モータ２２の電源は、電源供給器１３より供給され、且つ、モータ２２の回転及び定位が、制御パネル１５により制御される。また、モータ２２が台座２１上に摺動可能に設置され、且つ、モータ２２の台座２１上での移動は、制御パネル１５により制御される。例えば、台座２１は、ガイドレール（図示せず）と該ガイドレールに摺動するスライダ（図示せず）とを備え、モータ２２をスライダ上に固定すると、スライダとガイドレールとの摺動接触を介して、モータ２２が摺動自在に移動することができる。

また、チャートタレット２３はモータ２２の軸心に枢設され（すなわち、モータ２２の軸心に取り付けられ）、モータ２２の回転により回転し、且つ、使用者が異なる検査要求に応じてチャートを取り替えることができるよう、複数のチャート２３０を有する。また、レンズモジュール２４は、実際の物体距離をシミュレーションするのに用いられる、複数のレンズ２４０が異なるピッチで配列された物体距離シミュレーションレンズで良い。また、モータ２２によりチャートタレット２３を回転させることで、レンズモジュール２４が何れか一つのチャート２３０と選択的に対応する。

また、導光ユニット３は、光ファイバーで良く、且つ、発光素子１１が投射した光ビームをガイドするように、導光ユニット３の一端が、制御ユニット２の発光素子１１の一側に設置される。また、導光ユニット３の他の一端は、面型投光器３０で良く、且つ、発光素子１１がガイドした光ビームをチャート２３０の一つに投射するように、導光ユニット３の他の一端が、チャートタレット２３のうちの一つのチャート２３０の一側に設置される。

よって、光ビームが面型投光器３０により一つのチャート２３０に投射されると、その一つのチャート２３０上の画像が、レンズモジュール２４を通過して、予備検査カメラレンズ４に投射され、予備検査カメラレンズ４の検査が行われる。このとき、従来のように実際の物体距離ｄを経て予備検査カメラレンズ３ａに光ビームを投射する必要はなく、チャート上の画像がレンズモジュール２４を通過することにより、予備検査カメラレンズ３ａとチャート２３０との距離を物体距離Dのみで検査することができる。つまり、レンズモジュール２４を使用することにより実際の物体距離ｄを物体距離Dでシミュレーションしており、予備検査カメラレンズ４と対応するチャート２３０との物体距離を、短縮することができる。なお、予備検査カメラレンズ４が図２中の破線に示す有効視界（Field of View、FOV）に入ると、予備検査カメラレンズ４が、レンズモジュール２４が伝送してきた画像信号を完全に受信できる。

以上のように、本発明は物体距離をシミュレーションする方式によって、予備検査カメラレンズと検出チャートとの間の物体距離を短縮させることができる。即ち、複数のレンズ２４０からなるレンズモジュール２４を予備検査カメラレンズ４と一つのチャート２３０との間に設置することで、実際物体距離ｄをシミュレーションする（すなわち、実際の物体距離を模擬的に作り出す）効果が発生し、全体の測量区間を短縮させることができる。

また、本発明は、発光素子１１、電源供給器１３及び関連する高熱量の発生し易い素子をレンズモジュール２４と別にするとともに、熱量の発生し易い素子の近傍に散熱手段１２を設置することで、より好ましい散熱効果を備えることができるだけでなく、散熱手段１２及び散熱孔（図を示さず）を設置することによって外部の塵埃がレンズモジュール２４に付着し易くなることも防止できる。また、本発明のチャート２３０は、モータ２２により変換し易くなり、検査速度を向上できる。

前記の説明は、単に本発明の好ましい具体的な実施例の詳細説明及び図面に過ぎず、本発明の特許請求の範囲を局限するものではなく、いずれの当該分野における通常の知識を有する専門家が本発明の分野の中で、適当に変更や修飾などを実施できるが、それらの実施が本発明の主張範囲内に納入されるべきことは言うまでもないことである。

従来のカメラレンズ検査装置を示す図である。 本発明の光学的物体距離シミュレーション装置の構造を示す図である。

符号の説明

１ａ 発光素子
２ａ チャート
３ａ 予備検査カメラレンズ
ｄ 実際物体距離
１ 制御ユニット
２ 物体距離シミュレーションユニット
３ 導光ユニット
４ 予備検査カメラレンズ
Ｄ 物体距離
１０ 第１のケース
１１ 発光素子
１２ 散熱手段
１３ 電源供給器
１４ カラーフィルタ
１５ 制御パネル
２０ 第２のケース
２１ 台座
２２ モータ
２３ チャートタレット
２４ レンズモジュール
２３０ チャート
２４０ レンズ
３０ 面型投光器

Claims (9)

1. 少なくとも、第１のケースと、
   第１のケース内に設置された発光素子と、
   前記第１のケース内又は前記第１のケース上に設置され、前記発光素子が発生する熱量を発散させるための散熱手段とを有する制御ユニットと、
   少なくとも、第２のケースと、
   前記第２のケース内に設置された台座と、
   前記第２のケース内に設置されるとともに、前記台座上に摺動可能に設置されたモータと、
   複数のチャートを有し、前記第２のケース内に設置されるとともに、前記モータの軸心に枢設されたチャートタレットと、
   前記第２のケース上に設置され、何れか一つの前記チャートと選択的に対応するレンズモジュールとを有する物体距離シミュレーションユニットと、
   一端が、前記制御ユニットの発光素子の一側に設置され、前記発光素子が投射した光ビームをガイドするとともに、他の一端が、前記チャートタレットのうち一つのチャートの一側に設置され、前記発光素子からガイドされた光ビームをその一つのチャートに投射させる導光ユニットとを含み、
   前記レンズモジュールを介して実際の物体距離をシミュレーションし、予備検査カメラレンズとその対応するチャートとの物体距離を短縮させることを特徴とする光学的物体距離シミュレーション装置。
2. 前記発光素子が、発光ダイオードであることを特徴とする請求項１記載の光学的物体距離シミュレーション装置。
3. 前記制御ユニットは、さらに、前記発光素子、前記散熱手段及び前記モータに電力を供給するための電源供給器を含むことを特徴とする請求項１記載の光学的物体距離シミュレーション装置。
4. 前記制御ユニットは、さらに、前記発光素子と前記導光ユニットとの間に設置されたカラーフィルタを含むことを特徴とする請求項１記載の光学的物体距離シミュレーション装置。
5. 前記制御ユニットは、さらに、前記モータの回転及び定位、前記モータの前記台座での移動、及び前記カラーフィルタの回転を制御するための制御パネルを含むことを特徴とする請求項１記載の光学的物体距離シミュレーション装置。
6. 前記レンズモジュールは、物体距離をシミュレーションするための物体距離シミュレーションレンズであることを特徴とする請求項１記載の光学的物体距離シミュレーション装置。
7. 前記レンズモジュールは、複数のレンズが異なるピッチで配列されてなることを特徴とする請求項１記載の光学的物体距離シミュレーション装置。
8. 前記導光ユニットは、光ファイバーであることを特徴とする請求項１記載の光学的物体距離シミュレーション装置。
9. 前記導光ユニットの他の一端は、面型投光器であることを特徴とする請求項１記載の光学的物体距離シミュレーション装置。

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