JP4294927B2 - ディスク装置の位置復調方法及び回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッドを目標位置に位置決め制御するためにヘッド位置を復調するディスク装置の位置復調方法及び回路に関し、特にヘッドで読み取ったディスクの位置信号から復調位置を算出するディスク装置の位置復調方法及び回路に関する。
【0002】
【従来技術】
ヘッドによりディスク媒体を読取るディスク装置は、データを記録するディスクと、ディスクを回転させるモータと、ディスク上の情報を記録再生するヘッドと、ヘッドを目標位置まで移動させるアクチュエータとからなる。代表的な装置としては、ハードディスクドライブHDDとして知られた磁気ディスク装置やDVD−ROMやMOとして知られた光ディスク装置がある。
【0003】
磁気ディスク装置においては、図18のように、ディスク200上にヘッドの位置を検出するための位置情報202が内周から外周まで、円周方向に等間隔に記録されている。この位置情報202は、図19のように、サーボマーク204、グレイコードを用いたトラック番号206、インデックス208及び位置信号PosA,PosB,PosC,PosDに対応したバーストパターンを含むオフセット情報210からなる。この位置情報におけるトラック番号206とオフセット情報210を使うことでヘッドの現在位置を把握することができる。
【0004】
ヘッドからの位置情報の読取信号は図20のような信号波形となり、位置検出回路に入る。位置検出回路では、サーボマーク信号212を検知して位置信号の開始時刻を把握し、グレイコード信号214からトラック番号を取出し、位置信号PosA,PosB,PosC,PosDに対応したバースト信号Ea,Eb,Ec,Edから位置オフセット値を取り出し、メモリに格納する。
【0005】
位置検出回路は、MCU(Main Control Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)に接続されており、MCUはメモリの値を読み出して、現在のヘッド位置を計算により復調する。MCUでは、現在の位置に従いアクチュエータに流す電流値を計算する。計算した電流値はDACに設定される。DACの出力は電流アンプに供給され、電流がアクチュエータのモータ(VCM)に供給される。
【0006】
MCUはHDC(Hard disk Controller)を経由して装置外部と接続されている。装置外部には通常はコンピュータを備え、コンピュータからデータの記録又は再生の命令が送信される。MCUでは送られてきた命令を解析して、実際のディスク上の位置に変換することで目標位置を生成し、アクチュエータおよび磁気ヘッドを目標位置へと移動させる。
【0007】
従来の位置復調方法は、図19のように磁気ディスク上に千鳥状に記録されているバーストパターンPosA,PosB,PosC,PosDをヘッドが図21の信号波形のように読み出すときに、その信号の面積または絶対値の面積を位置検出回路にて求める。この4つのバースト信号Ea,Eb,Ec,Edから検出した位置信号PosA、PosB、PosC、PosDを使い、次のようにして2つの位置信号PosN、PosQを計算する。
【0008】
PosN = PosA−PosB
PosQ = PosC−PosD
図21は計算により求めた位置信号PosN、PosQであり、位置信号PosQは、位置信号PosNに比べて4分の1トラックだけ位相がずれて配置されている。
【0009】
このとき媒体上に記録されているトラック番号とその検出誤差、位置信号PosN、PosQの関係は、図22のよう8つに分けた各区間において、図23の表に示すようになる。即ち、位置信号PosNとPosQのうちの絶対値の小さい方を使用し、対応する計算式から位置を復調する。
【0010】
しかし、ディスク上のグレイ番号(またはトラック番号)は、位置信号PosNとPosQの切替点付近で読み誤る場合がある。そこで、読み誤ったと判断した場合には、図24の復調計算を実行する。
【0011】
このような図23と図24による2つの表を論理圧縮して復調式をC言語のプログラムとして次に示すように表現できる。ここで、G(x)はその近傍の位置xにおけるポジション感度ゲイン、即ち位置信号PosNまたはPosQをADCにて検出した値を実際のトラック単位に換算するためのゲインとする。また復調したグレイ番号とトラック番とは同じとしている。
【0012】
この復調計算プログラムにより求めた復調位置と実際の位置の関係は図25のように直線特性となる。また、この復調計算プログラムを回路で表すと図26のようになる。
【0013】
復調回路218はヘッドにより読取った位置信号を入力して、トラック番号及び位置信号PosA、PosB、PosC、PosD を復調する。加算器220,222は、
PosN = PosA−PosB
PosQ = PosC−PosD
を計算する。乗算器226,228は、トラック番号によるポジション感度ゲインファイル230の参照により予め記憶されたポジション感度ゲインを求め、位置信号PosN、PosQに乗算する。
【0014】
位置計算回路232は乗算器226,228でポジション感度が補正された位置信号PosN、PosQを比較し、図23の復調表の対応する区間の計算式により位置情報Pos1を求める。最終的に加算器234でトラック番号、オフセット及び位置Pos1を加算して復調位置を出力する。この位置復調の詳細は、特開平8−195044号に記載される。
【0015】
【特許文献1】
特開平8−195044号公報
【特許文献2】
特開2001−256741号公報
【特許文献3】
特開平10−222942号公報
【特許文献4】
特開2001−184817号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、復調位置が図25のように直線を描くことができるのは、ポジション感度ゲインを100%正確に求めることができたときである。しかしながら、ポジション感度ゲインを測定する際には測定誤差が生じる。この測定誤差は、ものによっては10%以上にもなる。
【0017】
測定誤差の原因の1つは測定精度である。ポジション感度ゲインは、位置信号PosNとPosQとが等しくなる地点で位置決めしながら測定している。しかし、装置上で測定するために、位置信号記録時の揺れ書き、モータの揺れなどに影響をうけて±10%ほど位置が揺れている。
【0018】
他の原因としては、サーボ信号をディスク媒体上に記録するときのずれ、特にトラック幅のずれ、ノイズの影響、測定地点の媒体上の信号品質、復調回路ノイズ、がある。そのため、100%完全に正しいポジション感度ゲインを測定することは不可能であり、測定結果には必ず誤差を伴う。
【0019】
図27は、ポジション感度ゲインが−20%ずれたときの実位置と復調位置との関係であり、また図28は、ポジション感度ゲインが+20%ずれたときの実位置と復調位置との関係である。このようにポジション感度ゲインが測定誤差を持つと、位置信号PosNで復調する区間と位置信号PosQで復調する区間との境界で段差が生じてしまう。
【0020】
このようなポジション感度ゲインの誤差に伴う影響には次の2つがある。1つ目は位置決めしたときの位置決め精度の劣化である。特に磁気ディスク装置においては、磁気ヘッドのリード素子とライト素子が物理的に別であり、両者には位置ずれが生じている。したがって、ライト時の目標位置と、そのライトした信号を読むためのリード位置とはずらさなければならない。これをリードオフセットと呼ぶ。
【0021】
このリードオフセットは、装置に搭載される磁気ヘッドのリード素子とライト素子の寸法形状、および回転型アクチュエータのヨー角に応じて、トラック毎または複数トラックを1まとめにしたゾーン毎に、違う値を設定しなければならない。
【0022】
従って、リードオフセットの位置によっては、位置信号PosNとPosQとの境界付近に目標位置が設定されることになる。その際に、ポジション感度ゲインに誤差が生じていると、PosNで復調した位置と、PosQで復調した位置とにずれが生じてしまう。したがって、このような場所で位置決めすると、位置決め精度が劣化し、かつデータとして記録されている情報を読み誤りやすい。
【0023】
2つ目は、検出位置そのものの精度である。図27、図28のようにポジション感度ゲインが20%変化するという現象は、すなわち検出した位置が20%変化することを指す。磁気ディスク装置の位置決め制御において、目標は位置決め精度を目標仕様内に収めることである。ところが、その検出位置自体の精度があやふやであるならば、仕様自体を満足できているのか否かが保証することすらできない。
【0024】
このように従来の位置復調方法では、ポジション感度ゲインが100%正しいことが前提であるが、この値が正しく測定できず、誤差を持つ限り、位置信号PosNとPosQとの復調境界における段差の発生は回避できなかった。
【0025】
本発明は、位置信号の切替境界の段差を解消すると共に、ポジション感度に誤差が生じていたとしても、より正確な位置を復調できるディスク装置の位置復調方法及び回路を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理説明図である。本発明は、ヘッドが読み取ったディスクの位置信号PosA、PosB、PosC、PosDを復調した後に復調位置を算出するディスク装置の位置復調方法であって、
位置信号PosA、PosB、PosC、PosDから互いに位相の異なる位置情報を復調した後にポジション感度ゲインを各々乗算して第1位置情報PosNと第2位置情報PosQを算出する第1ステップと、
第1位置情報PosNと第2位置情報PosQとを比較してポジション感度ゲインの誤差の影響が互いに逆に現れる第3位置情報Pos1と第4位置情報Pos2を算出する第2ステップと、
第3位置情報Ea,Eb,Ec,Edから第1重みゲインG1と第2重みゲインG2を求め、第1重みゲインG1を第3位置情報Pos1に乗算した乗算値と第2重みゲインG2を前記第4位置情報Pos2に乗算した乗算値の加算値を含めて復調位置を算出する第3ステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0027】
このため本発明の位置復調方法によれば、ポジション感度ゲインに誤差を含んでいたとしても、ポジション感度ゲインの誤差の影響が互いに逆に現れる位置信号Pos1とPos2との合成計算により復調位置を求めることにより、ポジション感度ゲインの誤差の影響を回避することができる。
【0028】
例えば、ポジション感度ゲインが+10%の誤差を含むときには、Pos1は+10%のずれを、Pos2は−10%のずれとなるようにし、このとき重みゲインが、Pos1、Pos2で両者とも0.5であれば、
0.5*Pos1+0.5*Pos2
を計算すると、ポジション感度ゲインの誤差の影響は零にすることができる。したがって、位置信号PosNとPosQとの切替境界付近における段差を解消することができる。
【0029】
ここで、第1重みゲインG1=Mに対し前記第2重みゲインG2は1から第1重みゲインを差し引いた値G2=(1−M)である。また第1重みゲインMは、トラックセンターで1、両側のトラック境界位置で0となるように検出位置kx(但し、ポジション感度ゲインk=1)に対し三角形に変化する区分1次関数M=−2|k|x+1である。
【0030】
また第1重みゲインは、ポジション感度ゲインkの変動を考慮すると、トラックセンターで1、両側の第1位置情報PosNと第2位置情報PosQとの切替え位置付近で下限値0.5に制限された、検出位置kxに対し三角形に変化する区分1次関数とする。
【0031】
また第1重みゲインは、位置PosN、PosQの飽和の影響を除去するため、トラックセンターから両側の第1位置情報PosNと第2位置情報PosQとの切替え位置の手前で1、前記切替位置付近で下限値0.5に制限された、検出位置kxに対し台形に変化する区分1次関数とする。
【0032】
また第1重みゲインは、台形に変化する関数の代わりに、トラックセンターから両側の第1位置情報PosNと第2位置情報PosQとの切替え位置の手前で1、切替位置付近で下限値0.5に制限された、検出位置に対し変化するサインカーブなどの曲線関数としても良い。
【0033】
更に第1重みゲインは、トラックセンターで1、両側の第1位置情報PosNと第2位置情報PosQとの切替え位置付近で下限値0.5に制限された、検出位置に対し三角形に変化する区分1次関数であり、位置PosN、PosQの飽和の影響を除去するため、飽和特性を補正した第3位置情報Pos1による区分1次関数の参照により第1重みゲインを決定する。
【0034】
第2ステップは、第3位置情報Pos1と第4位置情報Pos2毎にヘッドの移動速度に比例した第1速度補正位置と第2速度補正位置を求めて加算する。これによってシーク中のヘッド速度が零でない状態であっても、正しい位置を復調できる。
【0035】
本発明は、ヘッドが読み取ったディスクの位置信号から復調位置を算出するディスク装置の位置復調回路を提供する。この復調回路は、位置信号から互いに位相の異なる位置情報を復調した後にポジション感度ゲインを各々乗算して第1位置情報PosNと第2位置情報PosQを算出する第1回路部48と、第1位置情報PosNと第2位置情報PosQとを比較してポジション感度ゲインの誤差の影響が互いに逆に現れる第3位置情報Pos1と第4位置情報Pos2を算出する第2回路部50と、第3位置情報Pos1から第1重みゲインG1と第2重みゲインG2を求め、第1重みゲインを前記第3位置情報に乗算した乗算値と第2重みゲインを前記第4位置情報に乗算した乗算値の加算値を含めて復調位置を算出する第3回路部52とを備えたことを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明が適用されるハードディスクドライブのブロック図である。図2において、ハードディスクドライブは、SCSIコントローラ10、ドライブコントロール12及びディスクエンクロージャ14で構成される。勿論、ホストとのインタフェースはSCSIコントローラ10に限定されず、適宜のインタフェースコントローラが使用できる。
【0037】
SCSIコントローラ10には、MCU(メインコントロールユニット)16、制御記憶として使用されるDRAMもしくはSRAMを用いたメモリ18、制御プログラムを格納するフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを使用したプログラムメモリ20、ハードディスクコントローラ(HDC)22及びデータバッファ24が設けられる。
【0038】
ドライブコントロール12には、ドライブロジック26、DSP28、リードチャネル30及びサーボドライバ32が設けられ、リードチャネル30には本発明の位置復調方法を採用した位置検出回路46が設けられている。
【0039】
更にディスクエンクロージャ14にはヘッドIC34が設けられ、ヘッドIC34に対しライトヘッド素子とリードヘッド素子を備えた複合ヘッド36−1〜36−6を接続している。
【0040】
複合ヘッド36−1〜36−6は磁気ディスク38−1〜38−3の各記録面に対し設けられ、VCM40によるロータリアクチュエータの駆動で磁気ディスク38−1〜38−3の任意のトラック位置に移動される。磁気ディスク38−1〜38−3はスピンドルモータ42により一定速度で回転される。
【0041】
図3は、図2のドライブコントロール12に設けているDSP28によるヘッド位置決め制御のためのサーボコントローラによる位置検出回路46で検出した検出位置の誤差に応じたコアース制御、整定制御、フォローイング制御のタイムチャートである。なお、シーク制御はコアース制御と整定制御を含む制御である。
【0042】
コアース制御は目標位置への速度制御である。このコアース制御は、速度制御、PD制御、または定常バイアス推定を含まないオブザーバ制御などにより行われる。即ち図3(B)の速度に示すように、コアース制御は加速、定速、減速と制御モードを切り替える。
【0043】
加速モードは図3(A)のように、加速電流を流し、速度を増加させる制御である。定速モードは目標速度を維持するように電流を制御して速度を一定速度に保つ制御である。減速モードは加速時と反対方向に減速電流を流し、速度を目標位置付近で0近くとする制御である。なお、距離が小さい場合には定速モードは含まれない。
【0044】
コアース制御が終了すると整定制御が行われる。整定制御はコアース制御とフォローイング制御の繋ぎを行うための制御モードであり、制御系に積分要素を含む。これによって目標トラックへの引き込みが行われる。整定制御終了後のフォローイング制御は、ヘッドを目標位置に追従させる制御である。フォローイング制御はPID制御、PI×LeadLag、定常バイアス推定を含むオブザーバ制御などで構成される。
【0045】
図4は、図2のリードチャネル30に内蔵されている位置検出回路46の機能構成を示したブロック図であり、本発明の原理を説明するため、ヘッドの速度を零とした場合を対象としている。
【0046】
図4において、位置検出回路は、第1回路部48、第2回路部50、第3回路部52で構成されている。第1回路部48は、復調回路54、加算器56,58、乗算器60,62及びポジション感度ゲインファイル64で構成される。
【0047】
第1回路部48は、ヘッドから読み取ったディスクの位置信号、具体的には図21の信号波形を持つ位置信号を入力し、トラック番号(グレイコード)、バースト信号の信号面積または信号の絶対値の面積を求めて位置信号PosA,PosB,PosC,PosDを出力する。
【0048】
加算器56,58は復調回路54から出力される4つの位置信号PosA,PosB,PosC,PosDを使って2つの位置情報PosN,PosQを次のようにして求める。
【0049】
PosN = PosA−PosB
PosQ = PosC−PosD
加算器56,58からの位置情報PosNとPosQは、乗算器60,62において、ポジション感度ゲインファイル64に予め検出して格納されているポジション感度ゲインG(x)を読み出して乗算し、ポジション感度の補正を行う。
【0050】
第2回路部50は位置計算回路66で構成される。この位置計算回路66は、乗算器60,62から出力されるポジション感度が補正済みの位置情報PosN,PosQを比較し、ポジション感度ゲインの誤差の影響が互いに逆に現れる位置情報Pos1,Pos2を算出する。
【0051】
また位置計算回路66には図22に示したように、隣接する2つのトラックを8つに分けた各区間における位置情報PosNとPosQの内の絶対値の小さい方を使用して、後の説明で明らかにする対応する計算式から、ポジション感度ゲインに対し互いに逆の影響が現れる位置情報Pos1,Pos2を算出する。
【0052】
第3回路部52は、乗算器68,70、重み関数ファイル72及び加算器74で構成される。この第3回路部52は、位置情報Pos1による重み関数ファイル72の参照で重みゲインG1と重みゲインG2を求め、乗算器68で重みゲインG1を位置情報Pos1に乗算し、また乗算器70で重みゲインG2を位置情報Pos2に乗算する。最終的に加算器74でトラック番号、オフセット及び乗算器68,70の乗算結果を加算することにより復調位置を算出することができる。
【0053】
ここで位置情報Pos1,Pos2に乗算する重みゲインG1G2は、重みゲインG1=Mとすると、G2=1−Mとなる関係にある。即ち第3回路部52にあっては、位置計算回路66から出力されたポジション感度ゲインの誤差の影響が逆に現れる位置情報Pos1とPos2に重みゲインG1,G2(但し、G1+G2=1)として合成計算することにより、ポジション感度ゲインの誤差の影響を回避している。
【0054】
次に図4の第3回路部52で使用する重み関数の導出方法を説明する。図27及び図28に示したようなポジション感度のずれに伴う位置情報PosNとPosQの切替境界付近の段差を解消するためには、検出した位置情報PosNとPosQを足して2で割る計算法、即ち
(PosN+PosQ)/2
が思い浮かぶ。
【0055】
しかし、この方法では実際にヘッドの位置決め制御を行うことはできない。その理由は位置情報PosNとPosQは図22に示したように三角波であり、場所ごとに傾きが正にも負にも変化する。また位置情報PosNとPosQとは位相が異なっているため、位相ずれの分、即ち位置ずれも考慮しなければならない。したがって、場所ごとに異なる計算式が必要となる。
【0056】
図5は図4の加算器56,58で算出される位置情報PosNとPosQを示している。ここで位置情報PosQにつき、太線の区間84で位置を復調し、同時に位置情報PosNにおける太線で示す区間86,88を使って位置を復調することを考える。
【0057】
図6は、図5の区間84,86,88のそれぞれを使って復調したときの検出位置を縦軸にとり、横軸を絶対位置としたときのカーブである。ここで誤差も含むポジション感度ゲインをkと表現する。このため、縦軸の検出位置はkxと表現する。
【0058】
ポジション感度ゲインが正しい値よりも大きいときは線90のカーブを描く。一方、オフセット0の位置から2分の1トラックずれた位置情報PosNを使って復調する位置においては線92のカーブを描くことになる。この線90と線92のカーブについてそれぞれを式で表現すると次のようになる。
【0059】
ya=kx (1)
yb=k(x−0.5)+0.5 (2)
理想的には、ポジション感度ゲインkの値が誤差を持っていても復調位置yが絶対位置xに対し
y=x
の関係を持つことである。そこで2つのカーブを足し合わせて、破線94で示す正しい復調位置のカーブと一致するための条件を求める。具体的には復調位置yaに重みゲインMを掛け、復調位置ybに復調ゲイン(1−M)を掛けて両者を合成することを考える。
【0060】
y=Mkx+(1−M)(k(x−0.5)+0.5)
=0.5(k−1)M+kx−0.5(k−1) (3)
この(3)式がポジション感度ゲインkの影響を受けないためには、検出位置kxが絶対位置xと一致すればよい。そのためのゲインMの条件は次式で算出される。
【0061】
x=0.5(k−1)M+kx−0.5(k−1)
0.5(k−1)M=−(k−1)x+0.5(k−1)
M=−2x+1 (4)
即ち、重みゲインMは絶対位置xの1次関数であればよい。
【0062】
ここでは図6の線90のカーブに対し+側にある線92のカーブを考えたが、同様にして−側にある線95のカーブとの関係について考えると
M=2x+1 (5)
となる。そして絶対位置xの絶対値を取ることで(4)式、(5)式を次式にまとめて表示できる。
【0063】
M=−2|x|+1 (6)
即ち、図7に示す三角形の重み関数を掛ければよいことが分かる。
【0064】
しかしながら、ここで1つ注意すべきことがある。それは、重み関数Mは絶対位置xの関数であり、(6)式にはどこにもポジション感度ゲインkの影響が含まれていない。ところが実際に測定できるのは検出位置kxのみであり、誤差を含むポジション感度ゲインkは未知となる問題がある。
【0065】
この未知のポジション感度ゲインkによる問題が顕著に表れるのは、位置情報PosNとPosQの切替境界付近の復調時である。この切替境界の付近の復調時にあっては、重みゲインM=0.5に近い値を用いるべきである。ところがy=xの代わりにy=kxを用いるしかないため、重みゲインMは0.5にはならない。
【0066】
例えばポジション感度ゲインk=1.2のときに検出位置y=kxを使って重み関数M‘を
M‘=2kx+1
から絶対位置x=0.25の場合について計算すると、M‘=0.4となる。このときの検出位置ya,ybを(1)式、(2)式から計算すると、
ya=0.3
yb=0.2
となる。したがって、(3)式で与えられる合成復調結果は
y=M*ya+(1−M)*yb
=0.4*0.3+(1−0.4)*0.2
=0.24
となってしまう。即ち、真の位置x=0.25から合成復調結果は0.01だけずれてしまう。
【0067】
この現象を回避するためには、重み関数Mの計算結果の下限値に制限を設ければ良い。即ち
M=−2x+1 (x>=0のとき)
2x+1 (x<0 のとき)
の条件に加えて、M<0.5のときM=0.5に制限するという条件を付加すればよい。
【0068】
この場合、ポジション感度ゲインk=1.2について合成復調結果を算出すると、
y=0.5*0.3+0.5*0.2
=0.25
となり、ずれが生じない。このように重み関数Mの下限値を0.5に制限することで、検出位置kxによる重み関数の参照に伴う誤差を解消することが可能となる。図8は、重み関数の下限値を0.5に制限した場合の修正後の重み関数である。
【0069】
図8のように重み関数の下限値を0.5に制限しても、更に次の欠点がある。この欠点は位置情報PosNとPosQの飽和の影響である。位置情報PosN及びPosQは、リードコア幅がディスクに記録されているバースト信号のバースト幅より狭いため、三角波にはならず、図21に示したように頭が潰れた飽和波形を示す。
【0070】
実際の特性を測定すると、図21の飽和部分は完全に平坦にはならず直線になる。これはヘッドの検出感度が矩形状にはならず曲線になるためである。
【0071】
この位置情報PosNとPosQの飽和の影響を解消するためには、図9のブロック図のように、1つは飽和特性を考慮に入れた位置の復調を行う。
【0072】
図9のブロック図は、図4と基本的に同じであるが、第2回路部の位置計算回路66より出力された位置情報Pos2を信号飽和補正器に入力し、飽和部分を三角形の非飽和状態に補正している。信号飽和補正器76には飽和特性の逆特性のカーブを持ったテーブルが格納されている。
【0073】
この飽和特性の逆特性のカーブは、事前に多数のヘッドの特性から平均的なカーブを求めておいてもよいし、またヘッドごとにカーブを測定してもよい。このため信号飽和補正器76より出力される位置情報Pos2は、飽和部分が補償された三角形に変化する位置情報となり、これに乗算器70で重み関数ファイル72から読み出した重みゲインG2=1−Mを乗算することで、位置情報PosNとPosQの飽和の影響を除去している。
【0074】
ここで図9にあっては信号飽和補正器76を位置情報Pos2側にのみ設けているが、位置情報Pos1側に設けてもよいことはもちろんである。
【0075】
位置情報PosNとPosQの飽和の影響を除去する2つ目の方法は、図10のように重み関数を台形重みとすることである。即ち、トラックセンタとなる中心位置0の重みは1に設定し、この重み位置の範囲を位置情報PosNとPosQの切替境界の手前まで1と設定し、切替境界付近の重みは0,5に設定し、その間を直線で繋ぐことで台形重みを得ている。
【0076】
この台形重み関数は、ポジション感度の変動に対する影響を無視し、切替境界で生ずる段差の解消のみを目的とするならば、1つの解消方法となり得る。
【0077】
更に図11の重み関数のように、トラックセンタとなる中心0で重みを1に設定し、位置情報PosNとPosQの切替境界付近では重みを0.5とし、その間を曲線で繋げる重み関数としてもよい。この場合の曲線としては例えばサインカーブを用いる。
【0078】
以上のように、ポジション感度の変動の影響が逆に現れる2つの位置情報Pos1とPos2を重みゲインを用いて合成することにより復調位置を算出する本発明の位置復調方法を、実際の磁気ディスク装置に適用して実験した結果を以下に示す。
【0079】
図12は、図26のブロック図で実現される従来の位置復調方法の復調結果である。図12(A)はポジション感度ゲインに測定値そのものを使用した場合、図12(B)はポジション感度ゲインの測定値を80%に減らした場合、図12(C)はポジション感度ゲインの測定値を120%に増やした場合である。
【0080】
また横軸はオフセットを表わし、縦軸には位置決め精度(TRO)を表わしている。この測定は、位置決め目標を少しずつ変位させることによりオフセットを微小に変化させながら位置決め精度を測定している。また測定に使用したディスクは、ディスク上に記録されているトラック番号(グレイ番号)を3分の2倍にした値が実際にリード/ライトするトラックになる。したがって、測定結果は単位としてグレイ番号を用いている。
【0081】
この従来の位置復調方法にあっては、ポジション感度ゲインの測定値そのものに最初から誤差があるため、図12(A)の測定値そのものについても、位置情報PosNとPosQの境界付近であるトラック番号を示す整数に対する±0.5の個所で位置決め精度が劣化している。
【0082】
また図12(B)(C)のポジション感度ゲインの測定値の±20%の変動に伴い、位置情報PosNとPosQとの切替境界付近での位置決め精度が大きく劣化している。更にオフセット0の個所においても、ポジション感度ゲインの変動に伴い位置決め精度が大きく変化している。
【0083】
このように従来の位置復調方法は、ポジション感度ゲインの変動に対し弱い復調方法ということができる。なお、図12の測定結果にあっては、補償器により閉ループ制御系を構成した結果であり、このためポジション感度ゲインを変動させることは観測位置の大きさが変化すると共に閉ループゲインが変化することになる。したがって、+20%ポジション感度ゲインを変化させたら結果が+20%大きくなるとは限らない点に注意が必要である。
【0084】
図13は、図8に示した三角形状で且つ下限値を0.5に制限した重み関数を用いて本発明による位置情報PosNとPosQとの合成復調を行った結果である。この合成復調の測定に使用した装置、回路及び制御方法は、図12の従来の復調方法の場合と同じであり、復調計算のみが異なる。
【0085】
図13(A)はポジション感度ゲインの測定値そのものであり、図13(B)がポジション感度ゲインの測定値を−20%変化させて80%とした場合、図13(C)が+ 20%変化させて120%とした場合の測定結果である。この図13(A)〜(C)にあっては、図13(A)のポジション感度ゲインが測定値そのものの場合には、位置情報PosNとPosQとの切替境界付近の位置決め精度が図12(B)の従来の復調方法と比べて改善していることが分かる。
【0086】
また図13(B)(C)のようにポジション感度ゲインを測定値に対し±20%変化させても、位置情報PosNとPosQとの切替境界付近はもちろんのこと、オフセット0付近においても位置決め精度はほとんど変化していないことが分かる。
【0087】
このように下限値を0.5に制限した三角形状の重み関数を用いることで、ポジション感度ゲインの変動に対し低感度な位置復調方法を実現することが試験結果から確認できる。
【0088】
図14は、図10の台形形状の重み関数を用いた場合の本発明の位置復調方法による測定結果である。この場合にも、この台形形状の重み関数を用いた場合には、位置情報PosNとPosQとの切替境界付近となるトラック番号に対する±0.5付近の位置決め精度は、図14(B)(C)のようにポジション感度ゲインを±20%変動させた場合においても、図12(B)(C)に比べ小さくなっていることが分かり、位置決め精度が改善されている。
【0089】
但し、台形形状の重み関数を用いた場合、オフセット0における位置決め精度はポジション感度ゲインの変動を受けてしまうが、それでも図12(B)(C)の従来の復調方法に比べると改善されていることが分かる。
【0090】
次に図4の第2回路部50に設けている位置計算回路66におけるエラー情報を含んだ圧縮復調を説明する。従来の復調方法の図23及び図24の復調表に示したように、位置復調時にはエラー状態を考慮する必要がある。これを本発明の位置復調方法に適した論理圧縮式として求めてみる。
【0091】
ここで位置信号PosA,PosB,PosC,PosDはADコンバータにより得られた各バースト信号の面積値であり、またGsnsは現在の位置付近におけるポジション感度ゲインであり、更にM(x)は絶対値xに関する重み関数とする。
【0092】
図23に示したように、区分番号1〜8で示される各区間について、位置情報PosNとPosQを比べ、絶対値の小さい方については図23の表と同じように計算する。一方、絶対値の大きい位置情報の方については、絶対値の小さい方の位置情報に合わせて計算値を生成する。
【0093】
即ち、図23の従来の復調方法で示したPosN,PosQ及びグレイ番号を使って図15に示す8通りの各区分ごとに計算式をたてる。そしてグレイ番号が正しい正常な場合の復調表において、絶対値の大きい方の式も併せて求めればよい。この図15の表を論理圧縮して復調式をC言語のプログラムとして作成すると、次に示すような表現とできる。
【0094】
このプログラムはGray+offsetとPos1を使った部分は従来の復調方法のプログラムと同じであるが、Pos2を使った式を追加し、且つPos1で重み関数を参照する点が異なっている。
【0095】
このプログラムで関数Mxは重み関数である。例えば図8に示した下限値を0.5に設定した三角形状の重み関数M(x)は次のプログラムで表現できる。
【0096】
なお、この三角形状の重み関数を求めるプログラムはディスク上でリードトラックとライトトラックが同じトラック幅の場合であるが、ディスク上でリードトラックに対しライトトラック幅が2分の3倍と大きい場合には、このようにして求めた重みゲインの値に対し3分の2倍にすればよい。
【0097】
次に本発明における速度オフセットを考慮した位置復調方法を説明する。図4のブロック図に示した本発明の位置復調方法は、ヘッドを目標トラックに追従させるフォローイング制御において、ヘッドの速度即ちアクチュエータの速度が0とした場合の位置復調を対象としている。これに対しヘッドを目標位置にアクチュエータの駆動で移動しているシーク中におけるヘッド速度が0でない場合については、速度補正を必要とする。
【0098】
図16は速度オフセットを考慮した本発明の位置復調方法の機能ブロック図である。図16において、位置検出回路の第1回路部48、第2回路部50及び第3回路部52の構成は図4と同じであるが、更に速度オフセットを補正するため、第2回路部52の位置計算回路66から出力された位置情報Pos1とPos2に対し新たに加算器78,80を設け、ここに速度補正器82で求めた速度オフセットを加算している。
【0099】
速度補正器82で算出される速度オフセットは、
速度オフセット=(速度ゲイン)×(その時点の速度予想値)
である。ここで速度ゲインはPosNとPosQで異なる値をとる。具体的には
(PosNの速度ゲイン)=T1/Ts
(PosQの速度ゲイン)=T2/Ts
となる。
【0100】
ここでTsはサンプル周期、またT1及びT2は図21に示すインデックス信号216からバースト信号Ea,Ebの間、及びEc,Edの間までの時間である。更に、速度オフセットを求めるために速度ゲインに乗算するその時点の速度予想値Velは、オブザーバ制御で得られるシーク速度である。尚、速度オフセットを考慮した復調計算については同一出願人の特願2000−063845で提案されている。
【0101】
このような速度オフセットを考慮した本発明の位置復調方法をCプログラムで表現すると次のようになる。ここでPosNとPosQの位置関係が逆転しないための最大速度をVel MAXとしている。
【0102】
図17は、図9に示した信号飽和補正器を用いた実施形態につき、速度オフセットを考慮した復調を行った実施形態の機能構成のブロック図である。この図17にあっては、第2回路部50に設けた位置計算回路66からの位置情報Pos1,Pos2のそれぞれに対し、新たに加算器80及び速度補正器82により速度オフセットの補正を行い、続いて信号飽和補正器75,76を設け、位置情報Pos1とPos2の両方について飽和部分を補正して飽和の影響を回避している。
【0103】
このため、信号飽和補正器75で飽和が開始された位置情報Pos1により重み関数ファイル72を参照して正しい重みゲインを読み出して乗算器68,70で乗算して、合成復調をより正確に行うことができる。
【0104】
更に、いずれの復調処理にあっても、オフセットに対する非線形ゲインの補正は従来と同じである。また本発明の位置復調方式に速度オフセットを考慮した復調を加える場合、特別な処理は必要でなく、単に加えるだけでよい。
【0105】
なお、上記の実施形態はディスクを常に一定回転数で回転する装置を例にとるものであったが、ディスク回転値をヘッドの位置に応じて変化させる装置においても同じである。
【0106】
またディスク上に記録されているトラックがデータの記録再生用のトラックと同じとして説明しているが、ディスク上のトラックを3分の2倍してデータの記録再生用トラックとしてもよい。
また上記の実施形態では
PosN = PosA−PosB
PosQ = PosC−PosD
として説明しているが、信号の記録順序はこれに限らない。例えば,
PosN = PosA−PosC
PosQ = PosB−PosD
であってもよいし,
PosN = PosA−PosD
PosQ = PosB−PosC
としてもよい。また、
PosN = (PosA−PosB)/(PosA+PosB)
PosQ = (PosC−PosD)/(PosC+PosD)
のように、正規化してから利用しても良い。
【0107】
更に本発明は、その目的と利点を損なわない適宜の変形を含み、また上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【0108】
(付記)
(付記1)
ヘッドが読み取ったディスクの位置信号を復調した後に復調位置を算出するディスク装置の位置復調方法に於いて、
前記位置信号から互いに位相の異なる位置情報を復調した後にポジション感度ゲインを各々乗算して第1位置情報PosNと第2位置情報PosQを算出する第1ステップと、
前記第1位置情報PosNと前記第2位置情報PosQとを比較してポジション感度ゲインの誤差の影響が互いに逆に現れる第3位置情報Pos1と第4位置情報Pos2を算出する第2ステップと、
前記第3位置情報Pos1から第1重みゲインG1と第2重みゲインG2を求め、前記第1重みゲインを前記第3位置情報に乗算した乗算値と前記第2重みゲインを前記第4位置情報に乗算した乗算値の加算値を含めて前記復調位置を算出する第3ステップと、
を備えたことを特徴とするディスク装置の位置復調方法。(1)
【0109】
(付記2)
付記1のディスク装置の位置復調方法に於いて、前記第1重みゲインに対し前記第2重みゲインは1から第1重みゲインを差し引いた値であるを特徴とするディスク装置の位置復調方法。(2)
【0110】
(付記3)
付記1のディスク装置の位置復調方法に於いて、前記第1重みゲインは、トラックセンターで1、両側のトラック境界位置で0となるように検出位置に対し三角形に変化する区分1次関数であることを特徴とするディスク装置の位置復調方法。(3)
【0111】
(付記4)
付記1のディスク装置の位置復調方法に於いて、前記第1重みゲインは、トラックセンターで1、両側の前記第1位置情報PosNと第2位置情報PosQとの切替え位置付近で下限値0.5に制限された検出位置に対し三角形に変化する区分1次関数であることを特徴とするディスク装置の位置復調方法。(4)
【0112】
(付記5)
付記1のディスク装置の位置復調方法に於いて、前記第1重みゲインは、トラックセンターから両側の前記第1位置情報PosNと第2位置情報PosQとの切替え位置の手前で1、前記切替位置付近で下限値0.5に制限された検出位置に対し台形に変化する区分1次関数であることを特徴とするディスク装置の位置復調方法。(5)
【0113】
(付記6)
付記1のディスク装置の位置復調方法に於いて、前記第1重みゲインは、トラックセンターから両側の前記第1位置情報PosNと第2位置情報PosQとの切替え位置の手前で1、前記切替位置付近で下限値0.5に制限された検出位置に対し変化する曲線関数であることを特徴とするディスク装置の位置復調方法。(6)
【0114】
(付記7)
付記1のディスク装置の位置復調方法に於いて、
前記第1重みゲインは、トラックセンターで1、両側の前記第1位置情報PosNと第2位置情報PosQとの切替え位置付近で下限値0.5に制限された検出位置に対し三角形に変化する区分1次関数であり、
飽和特性を補正した前記第3位置情報による前記区分1次関数の参照により前記第1重みゲインを決定することを特長とするディスク装置の位置復調方法。 (7)
【0115】
(付記8)
付記1の位置復調方法に於いて、前記第2ステップは、前記第3位置情報Pos1と第4位置情報Pos2毎にヘッドの移動速度に比例した第1速度補正位置と第2速度補正位置を求めて加算することを特徴とするディスク装置の位置復調方法。(8)
【0116】
(付記9)
ヘッドが読み取ったディスクの位置信号を復調した後に復調位置を算出するディスク装置の位置復調回路に於いて、
前記位置信号から互いに位相の異なる位置情報を復調した後にポジション感度ゲインを各々乗算して第1位置情報PosNと第2位置情報PosQを算出する第1回路部と、
前記第1位置情報PosNと前記第2位置情報PosQとを比較してポジション感度ゲインの誤差の影響が互いに逆に現れる第3位置情報Pos1と第4位置情報Pos2を算出する第2回路部と、
前記第3位置情報Pos1から第1重みゲインと第2重みゲインを求め、前記第1重みゲインを前記第3位置情報に乗算した乗算値と前記第2重みゲインを前記第4位置情報に乗算した乗算値の加算値を含めて前記復調位置を算出する第3回路部と、
を備えたことを特徴とするディスク装置の位置復調回路。(9)
【0117】
(付記10)
付記9のディスク装置の位置復調回路に於いて、前記第1重みゲインに対し前記第2重みゲインは1から第1重みゲインを差し引いた値であるを特徴とするディスク装置の位置復調回路。
【0118】
(付記11)
付記9のディスク装置の位置復調回路に於いて、前記第1重みゲインは、トラックセンターで1、両側のトラック境界位置で0となるように検出位置に対し三角形に変化する区分1次関数であることを特徴とするディスク装置の位置復調回路。
【0119】
(付記12)
付記9のディスク装置の位置復調回路に於いて、前記第1重みゲインは、トラックセンターで1、両側の前記第1位置情報PosNと第2位置情報PosQとの切替え位置付近で下限値0.5に制限された検出位置に対し三角形に変化する区分1次関数であることを特徴とするディスク装置の位置復調回路。
【0120】
(付記13)
付記9のディスク装置の位置復調回路に於いて、前記第1重みゲインは、トラックセンターから両側の前記第1位置情報PosNと第2位置情報PosQとの切替え位置の手前で1、前記切替位置付近で下限値0.5に制限された検出位置に対し台形に変化する区分1次関数であることを特徴とするディスク装置の位置復調回路。
【0121】
(付記14)
付記9のディスク装置の位置復調回路に於いて、前記第1重みゲインは、トラックセンターから両側の前記第1位置情報PosNと第2位置情報PosQとの切替え位置の手前で1、前記切替位置付近で下限値0.5に制限された検出位置に対し変化する曲線関数であることを特徴とするディスク装置の位置復調回路。
【0122】
(付記15)
付記9のディスク装置の位置復調回路に於いて、
前記第1重みゲインは、トラックセンターで1、両側の前記第1位置情報PosNと第2位置情報PosQとの切替え位置付近で下限値0.5に制限された検出位置に対し三角形に変化する区分1次関数であり、
飽和特性を補正した前記第3位置情報による前記区分1次関数の参照により前記第1重みゲインを決定することを特長とするディスク装置の位置復調回路。
【0123】
(付記16)
付記9のディスク装置の位置復調回路に於いて、前記第2回路部は、前記第3位置情報Pos1と第4位置情報Pos2毎にヘッドの移動速度に比例した第1速度補正位置と第2速度補正位置を求めて加算することを特徴とするディスク装置の位置復調回路。
【0124】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、ポジション感度ゲインの誤差に伴う位置の検出誤差を最小限に抑え、同時に位置情報PosNとPosQの切替境界付近での復調誤差を回避して段差を回避することができる。これによって、ディスク装置における、より正確な位置検出及び位置決め精度を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図
【図2】本発明が適用されるハードディスクドライブの回路ブロック図
【図3】ヘッド位置決め制御のタイムチャート
【図4】本発明による位置復調回路のブロック図
【図5】本発明による合成復調で使用する位置PosNとPosQの区間の説明図
【図6】図5の位置PosNとPosQから復調した実位置に対する検出位置の説明図
【図7】本発明の合成復調に使用する三角形状の重み関数の説明図
【図8】本発明の合成復調に使用する下限値を0.5に制限した三角形状の重み関数の説明図
【図9】信号飽和補正を行う本発明の位置復調回路のブロック図
【図10】本発明の合成復調に使用する台形形状の重み関数の説明図
【図11】図10の台形形状を曲線にした重み関数の説明図
【図12】従来の位置復調によるポジション感度ゲインの変化に対する位置決め精度の測定結果の説明図
【図13】図8の下限値を0.5とした三角形重み関数を使用した本発明の位置復調によるポジション感度ゲインの変化に対する位置決め精度の測定結果の説明図
【図14】図10の台形重み関数を使用した本発明の位置復調によるポジション感度ゲインの変化に対する位置決め精度の測定結果の説明図
【図15】本発明の合成復調で使用する復調表の説明図
【図16】速度オフセットを補正する本発明の復調回路のブロック図
【図17】飽和補正と速度オフセット補正を行う本発明の復調回路のブロック図
【図18】ディスク上の位置信号の配置の説明図
【図19】ディスク上に磁気記録された位置信号パターンの説明図
【図20】ヘッドで読み出した位置信号波形の説明図
【図21】バースト信号から復調した位置情報PosNとPosQの説明図
【図22】位置復調計算のために区分した復調区間の説明図
【図23】トラック番号が正常な場合の復調計算の説明図
【図24】トラック番号が異常な場合の復調計算の説明図
【図25】ポジション感度に誤差がないときの観測位置の説明図に
【図26】従来の位置復調回路のブロック図
【図27】ポジション感度が−20%ずれたときの観測位置の説明図
【図28】ポジション感度が+20%ずれたときの観測位置の説明図
【符号の説明】
10:SCSIコントローラ
12:ドライブコントロール
14:ディスクエンクロージャ
16:MCU
18:メモリ
20:プログラムメモリ
22:ハードディスクコントローラ(HDC)
24:データバッファ
26:ドライブロジック
28:DSP
30:リードチャネル(RDC)
32:サーボドライバ
34:ヘッドIC
36−1〜36−6:複合ヘッド
38:磁気ディスク
40:VCM
42:SPM
46:位置検出回路
48:第1回路部
50:第2回路部
52:第3回路部
54:復調回路
56,58,80,82:加算器
60,62,68,70:乗算器
64:ポジション感度ゲインファイル
66:位置計算回路
72:重み関数ファイル
74:加算回路
75,76:信号飽和補正器
82:速度補正器
Claims (9)
- ヘッドが読み取ったディスクの位置信号から復調位置を算出するディスク装置の位置復調方法に於いて、
前記位置信号から互いに位相の異なる位置情報を復調した後にポジション感度ゲインを各々乗算して第1位置情報PosNと第2位置情報PosQを算出する第1ステップと、
前記第1位置情報Nと前記第2位置情報Qとを比較してポジション感度ゲインの誤差の影響が互いに逆に現れる第3位置情報Pos1と第4位置情報Pos2を算出する第2ステップと、
前記第3位置情報Pos1から第1重みゲインと第2重みゲインを求め、前記第1重みゲインを前記第3位置情報Pos1に乗算した乗算値と前記第2重みゲインを前記第4位置情報Pos2に乗算した乗算値の加算値を含めて前記復調位置を算出する第3ステップとを備え、
前記第1重みゲインは、トラックセンターで1、両側の前記第1位置情報P os Nと第2位置情報P os Qとの切替え位置付近で下限値0.5に制限された検出位置に対し変化することを特徴とするディスク装置の位置復調方法。 - 請求項1のディスク装置の位置復調方法に於いて、前記第1重みゲインに対し前記第2重みゲインは1から第1重みゲインを差し引いた値であることを特徴とするディスク装置の位置復調方法。
- 請求項1のディスク装置の位置復調方法に於いて、検出位置に対し三角形に変化する区分1次関数であることを特徴とするディスク装置の位置復調方法。
- 請求項1のディスク装置の位置復調方法に於いて、検出位置に対し台形に変化する区分1次関数であることを特徴とするディスク装置の位置復調方法。
- 請求項1のディスク装置の位置復調方法に於いて、前記第1重みゲインは、検出位置に対し変化する曲線関数であることを特徴とするディスク装置の位置復調方法。
- 請求項1のディスク装置の位置復調方法に於いて、前記第1重みゲインは、検出位置に対し三角形に変化する区分1次関数であり、
飽和特性を補正した前記第3位置情報による前記区分1次関数の参照により前記第1重みゲインを決定することを特長とするディスク装置の位置復調方法。 - 請求項1の位置復調方法に於いて、前記第2ステップは、前記第3位置情報Pos1と第4位置情報Pos2毎にヘッドの移動速度に比例した第1速度補正位置と第2速度補正位置を求めて加算することを特徴とするディスク装置の位置復調方法。
- ヘッドが読み取ったディスクの位置信号を復調した後に復調位置を算出するディスク装置の位置復調回路に於いて、
前記位置信号から互いに位相の異なる位置情報を復調した後にポジション感度ゲインを各々乗算して第1位置情報PosNと第2位置情報PosQを算出する第1回路部と、
前記第f1位置情報PosNと前記第2位置情報PosQとを比較してポジション感度ゲインの誤差の影響が互いに逆に現れる第3位置情報Pos1と第4位置情報Pos2を算出する第2回路部と、
前記第3位置情報Pos1から第1重みゲインと第2重みゲインを求め、前記第1重みゲインを前記第3位置情報に乗算した乗算値と前記第2重みゲインを前記第4位置情報に乗算した乗算値の加算値を含めて前記復調位置を算出する第3回路部とを備え、
前記第1重みゲインは、トラックセンターで1、両側の前記第1位置情報P os Nと第2位置情報P os Qとの切替え位置付近で下限値0.5に制限されたことを特徴とするディスク装置の位置復調回路。 - 請求項8のディスク装置の位置復調回路に於いて、検出位置に対し台形に変化する区分1次関数であることを特徴とするディスク装置の位置復調回路。
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