JP4292388B2 - 気流による排気促進装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大気内移動手段の排気装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の走行風を利用した排気促進装置では、囲われた気流供給路を設け、その内部の断面積を絞ることによって発生させた負圧を吸引力として排出に利用する方法があり、例えば特許公開平１１−７２０２２号、特許公開平０５−３４０２４３号が提案されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の走行風を利用した排気促進装置では、排気促進効果を大きくしようとすれば負圧を発生させるための気流量を増加させねばならず、その結果として気流供給路を構成する機構部の外形寸法も大きくなってしまい、実用性に問題があった。特に、スペースに制限のある内燃機関式自動車では問題となる。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項１記載の発明は、気流を利用して負圧を発生させるための翼形面を設けた筐体と、筐体内部の気体を外部へ排出させるための貫通孔を筐体に備えた排気促進装置を提供する。
【０００５】
【発明の実施の形態】
本発明の代表的な形態例である図１および図２、また、筐体の断面拡大図である図３に基いて述べる。移動に伴い相対発生した気流Ｂが翼形面１を通過すると、ベルヌーイの定理によって翼形面１上には流速の速い箇所が生じる。この箇所は負圧を発生しており、筐体を外側へ吸引する力として働く。この箇所であるところの図２の負圧発生部位１ａには排気孔２が形成されているので、筐体の内部空間Ｃの気体は筐体の外側へ吸引されて排気流２ａとなり、筐体外部へと強制的に排出される。
【０００６】
図３に示すように、排気孔２は筐体構造を形成している材料を貫通するものであり、筐体の内部空間Ｃと筐体外部を複数連結させている。排気孔２は一定の深さ（穴としての長さ）を形成しているので、気体の粘性と慣性によって、気流Ｂが排気孔２へ進入するのを防止するとともに排気流２ａの排出の流れを安定化させる。移動物体が移動している限り気流Ｂは連続して供給されるので、上述の排気促進動作が連続的にかつ自動的に行なわれる。
【０００７】
排気孔２の穴の形状は、丸穴に限らず、角穴やスリット形状であっても構わない。排気孔２の断面積と深さおよび数量は、効果を発生させようとする移動速度領域に応じて設定する。同様に、翼形面１の曲面形状についても、効果を発生させる移動速度の領域に応じて設定する。
【０００８】
内部空間Ｃの気体は連続して吸引排出されるので、内部空間Ｃに任意の気体を連結すれば対象の気体を排出できる。例えば、内部空間Ｃを移動手段の客室内部と連結すれば、移動手段の客室内気体を排出することができる。
【０００９】
【発明の効果】
本発明は以上に説明したような構成により次のような効果を奏する。移動に付随して発生した気流を直接的に利用して排気促進を行なうことにより、気流を導入して供給するための経路を設ける必要がないのでスペース効率が高い。また、消音器自体の筐体に排気促進機能を持たせる場合は、別個に新たな排気促進装置を付け加えることなく、本来の排気システムの機構を変える必要もないのでさらにスペース効率が向上し、空気抵抗量の増加もなく、経済的で実用性に優れた排気促進を実現する。加えて、移動に付随する無料エネルギーの有効利用を実用化することはＣＯ２の削減効果となり、地球温暖化の防止に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る排気促進装置の概観図（代表例）である。
【図２】本発明に係る気流の流れを示す、図１のＡ−Ａに沿った断面図である。
【図３】本発明に係る排気促進装置の排気促進状態を示す断面拡大図である。
【符号の説明】
１ 翼形面
２ 排気孔
Ｂ 気流
Ｃ 内部空間
１ａ 負圧発生部位
２ａ 排気流

Claims (1)

1. 翼形面を備えた外板により外郭を形成する筐体箱の、気流が接する表面の負圧発生部位１ａに排気孔２を設けてなる排気促進装置において、前記負圧発生部位１ａに一定の深さを持つ複数の排気孔２を分散配置したることを特徴とする排気促進装置。

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