JP4292286B2 - 脊椎の成長に合わせられる分離緩衝装置 - Google Patents

Description

本発明は、子供の胴に設置されて、矯正、支持、機械応力の緩衝を可能にし、子供の成長に応じて再調整可能な、複数の装置の組み合わせからなる調整式の分離支持装置に関するものである。これらの機能は、別々に選択された各装置により得られる。

特許文献１は、患者の成長を阻止したり妨げたりせずに、胴の変形を修正することによって奇形の骨の成長に従うことができる機械装置を開示および請求しているが、その用途は胸郭の変形に限られており、子供の腰椎に関係する変形に適用することはできない。何故なら、椎骨に直接装置を固定することによって成長が阻止される危険性があるからである。

特許文献２は、主に、所望の方向に機械応力を緩衝する粘弾性手段を剛性要素が締めつけて構成される緩衝装置である。

この装置は、人体の椎骨が受ける応力に多軸方向に耐えるように設計されており、この特許文献２に記載された装置の場合のように成長中の転位の際に伸張するように設計されているわけではない。

本発明による装置は、
−肺の発達を可能にしながら胸郭を安定化し、
−椎骨をブロックせずに成長時に脊骨全体を矯正し、
−外部の機械応力を緩衝し、
−大掛かりな、または侵入度の高い手術を全く必要とせずに容易にアクセスできる調整システムを利用、提供することができる。

特許文献1による第１の装置の固定手段は、骨を囲むＵ字金具で構成される。この第１の装置は胸郭の固定に非常に適しているが、しかし、腰椎に対して用いられる固定手段では過大な応力がかかるので、特に固定ねじが破損する危険性を招き、当然のことながら、これは認められない。
仏国特許出願第９９０７０３４号明細書 仏国特許出願第１０９６２８０００号明細書

本発明は、腰椎を含めて大規模な変形によってもたらされる様々な問題を解消することにより、上記の問題を解決することを目的とするものである。

仏国特許出願（第０２１０２４８号明細書）のサーチレポートには、次のような３件の従来技術が挙げられている。

１． 米国特許第０６４０２７５０Ｂ１号明細書
この特許で比較できる唯一の手段はピストンであるが、この特許では、ピストンが軸方向移動することしかできず、脊椎の形状と同位相の曲線運動に全く従うことができない。この装置を調整するには、全体を分解せざるを得ないので、手術が大掛かりになる。これは、中央手段を調整するために局所麻酔の簡単な手術で済ませられ、中央手段に接近するには皮下をわずかに切開するだけでよい本発明のケースとは全く異なる。

２． 仏国特許第２７９４３５７号明細書および仏国特許第２８１４９３６号明細書は、最初、個別に設計された２個の装置に関し、これらを組み合わせるには必ず修正が必要であるので、当業者にとって、この組み合わせが自明ではなく、従って、これが進歩性を示していることが分かる。

しかしながら、得られた結果は少しも保証されていない。この結果を可能にするのは、必要に応じて曲げることができ、一端がピストン３７０の形状をとる歯付ロッド３７、３７ｃ（図２（ａ）および図２（ｂ））等の新しい手段の形成および設置による。

こうした予想外の結果として装置は良好に動作し、ロッドに対して様々な曲率半径で実施された多数の試験により、２つの従来型装置の組み合わせである本発明の動作の実現が証明され、この特徴により従来技術と区別される。

本発明は、添付図面により、一層理解することができる。

装置３と装置１とを組み合わせた装置２は、
子供の骨の分離器と称される装置３と、
機械応力の緩衝器と称される装置１とからなる。

従って、このように形成された装置２（図３）は、
−子供の脊柱を矯正して胴を安定化させ、
−子供の成長に従って、最小限の手術で連結距離を伸ばし、
−連結手段に加えられる機械的な負荷を軽減し、
−機械応力を緩衝することができる。

本発明を一層理解するために、装置３、装置１で使用される手段について簡単に説明する。

装置３は、子供の胴の変形の変化を管理できる。この装置は小型であるため、人体に容易に設置可能である。装置は、
穴３１２を備えた中央手段３００に取り付けられる２個の歯付きロッド３５、３６を含み、この穴に工具を係合して骨への連結手段２３１の距離を調整する。中央手段３００に配置された２個のねじ３４１、３４２を締めつけて所定の位置に装置を固定する。

従来技術では、ロッド３５、３６が直線であり、連結手段への設置を容易にするために端を湾曲させることもできたが、本発明による装置２は、その全長にわたって曲げ加工または湾曲したロッド３５ｃ、３６ｃを含むことができる。この場合、試験結果によれば、装置は正常に動作する。こうした改良によって得られる長所により、周囲の組織を傷つけずにすみ、操作者が最初に選択した曲率に完全に従って連結距離を伸ばすことができる。

さらに、ロッドを構成する材料の可鍛性によってこの曲率を変えることもできる。ロッドは、試験後、操作者による変形を受入可能である。

可撓性の椎間結合装置１は、それ自体が、以下の２組の手段から構成される。

第１組の手段１１は、生物学的に適合する材料で製造された剛性手段１１０、１３０、３７からなり、この手段は、変形せずに応力全体を伝えることによって装置の機械耐性を良好に保つ。

第２組の手段１２は、生物学的に適合する粘弾性材料で製造された可撓性の緩衝手段１２１、１２２から形成され、繰り返される弾性変形を受け入れる。この２組の手段の組み合わせにより、脊椎が受ける機械応力に耐えてこれを緩衝し、脊椎結合のあらゆる欠陥を解消することができる。

装置３、１の各々は、主な設計および機能上、互換性がある手段を有し、各装置を組み合わせ可能にする新しい手段がそこに付加される。

既に述べたように、分離装置３は、直線ロッドと、異なる半径に応じて曲げられる曲線ロッドとを受容できる。分離装置３からなる分離緩衝装置２を設置できる。装置３は、
片側に直線ロッド３７、
反対側に曲線または曲げロッド３５ｃを備える。

後者の場合、ロッド３５ｃは、傷つけないように、また、解剖学的な曲率に近い伸張を可能にするように曲げられている（図６）。装置３と装置１との組み合わせによって得られる装置２は、局所麻酔で行われる的を絞った非常に低侵入度の手術により、中央手段３００と手段３１２、３４１、３４２とを調整して胴を矯正できる。

分離装置２は、直線または曲線の少なくとも１つの歯付ロッド３７または３７ｃを含み、ロッドの一端は、装置１の粘弾性の手段１２１、１２２および剛性の手段１３０に完全に統合される円筒プレート３７０を含む。これによって、分離装置２は、最初は分離装置３に対してアラインメントされていなかったのが、緩衝されて椎骨に連結されるようになる。

このようにして、中央手段３００により胴を矯正し、その後、小さい穴からねじ３１２に小型の六角スパナを入れ、ねじ３４１、３４２で中央手段を固定する。必要とされる手術は最小限である。その場合、装置２は、矯正された胴を支える機能を果たす。

成長後、装置２をチェックし、特にロッド３７とロッド１１０とのアラインメントをチェックする。その場合、操作者は、胴を再度矯正するために手段３００を操作する。矯正力を及ぼした後、装置２の一部をなす緩衝装置１をわずかに横に配置する（図９）。緩衝装置は、このようにして、成長の目印となって、ケースバイケースで矯正の必要性を決定する応力を示す役割をする。成長の初めに子供の胴に装置２を設置する場合、椎骨への固定ねじと、装置３との結合用に設計されたロッド３７との間に緩衝器１を配置できる（図９、手段２３２）。装置２は、連結ねじ２３２に過大な応力をかけることなく子供の成長に従うことができる（図１０）。粘弾性の手段１２１、１２２は、骨に対する前記ねじ２３２の衝撃と動的外力とを吸収することによって、破損を回避しようとする。ロッド１１０とロッド３７または３７ｃとの「アラインメント」位置への移行は、信頼性のある指標である。

２つのロッドをアラインメントする場合、装置を再度緊張させることが必要である。何故なら、装置１に加えられた応力が減少するために、２個のロッドが、装置１の弾性と子供の成長とによって、同じ軸に戻ってしまうからである。

胴の矯正後、ねじに及ぼされる応力を制限することに加えて、装置１は、外的な機械応力を緩衝し、その柔軟性により、脊椎の運動を妨げないようにすることができる。

子供の胴のこうした様々な矯正操作、安定化操作を容易に繰り返すことができる。このため、手段３００に特に指定される作用によって装置２を必要な回数だけ再調整できる。

さらに、装置１、３の組み合わせが多様であることから、複数の装置２を脊柱に配置して（図１１）、成長に従って胴を矯正することができる。

子供の骨の分離装置（従来技術）を示す図である。 可撓性結合の緩衝装置を示す図で，（ａ）はラックの役割をする一方の歯列を示す図であり、（ｂ）はラックの役割をする他方の歯列を示す図である。 子供の骨用の分離装置と可撓性結合の緩衝装置とを組み合わせた装置（本発明の対象物）の第１の実施例を示す図である。 分離装置と、可撓性結合の緩衝装置とを組み合わせた本発明の対象装置の第２の実施例を示す図である。 肋骨と脊椎とに設置される２個の装置を組み合わせた、２個の曲線分離ロッドを含む本発明の対象装置を示す図である。 肋骨と脊椎とに設置されて直線と曲線の分離ロッドを含む、本発明の対象装置の別の実施例を示す図である。 直線ロッドで作動する本発明の対象装置を示す図である。 変形した胴に本発明の対象装置を設置したところを示す図である。 緩衝装置を横に配置して矯正力の影響を及ぼし、初期に変形していた胴を矯正した後の、本発明の対象装置を示す図である。 子供の成長後に緩衝装置の力を弱めた、組み合わせ装置を示す図である。 完全な制御および胴の矯正を可能にする、胴への複数の装置の配置を示す図である。

符号の説明

１ 緩衝装置
１２１、１２２ 粘弾性の手段
１３０、１１０ 剛性の手段
２ 分離緩衝装置
２３１ 連結手段
２３２ ねじ
３ 分離装置
３００ 調整手段または中央手段
３１２ 穴
３４１、３４２ ねじ
３５、３６、３７、３５ｃ、３６ｃ、３７ｃ ロッド
３７０ ピストンヘッド

Claims (6)

1. ２個の装置の組み合わせからなる分離緩衝装置２であって、
   小児骨用の分離器である第一の装置３は、
   第１の端部を有する第１ロッド部材と、
   第２の端部を有する第２ロッド部材と、
   第１の制動部材とからなり、
   緩衝器である第２の装置１は、
   前記第１ロッド部材と前記第２ロッド部材とを接続し、かつ患者の脊椎が直線になるように前記第１の端部と前記第２の端部の間隔を調整する調整手段３００とからなる分離緩衝装置２において、
   前記第１の制動部材は、
   椎骨への連結手段２３２を備えるロッド１１０を一端に有する剛性の手段１３０と、
   前記剛性の手段内に配置された第１粘弾性部材１２１と、
   前記剛性の手段内に配置された第２粘弾性部材１２２とからなり、
   前記第１ロット部材の第１の端部は、前記第１粘弾性部材と前記第２粘弾性部材との間に配置されたピストンヘッド３７０と、
   を備えることを特徴とする分離緩衝装置。
2. 前記第１ロッド部材及び第２ロッド部材が、片側に鋸歯状の歯列を備えることを特徴とする請求項１に記載の分離緩衝装置。
3. 前記第１ロッド部材及び第２ロッド部材の少なくとも１つが直線状部材であり、前記第１ロッド部材及び第２ロッド部材のうちのもう一方が曲線状部材であることを特徴とする請求項１又は２に記載の分離緩衝装置。
4. 前記第１ロッド部材及び第２ロッド部材が、曲線状部材であることを特徴とする請求項１又は２に記載の装置。
5. 前記第２ロッド部材の一端に肋骨と係合する連結手段２３１を備えることを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の分離緩衝装置。
6. ２個の装置の組み合わせからなる分離緩衝装置２であって、
   小児骨用の分離器である第一の装置３は、
   第１の端部を有する第１ロッド部材と、
   第２の端部を有する第２ロッド部材と、
   第１の制動部材とからなり、
   緩衝器である第２の装置１は、
   前記第１ロッド部材と前記第２ロッド部材とを接続し、かつ患者の脊椎が直線になるように前記第１の端部と前記第２の端部の間隔を調整する調整手段３００とからなる分離緩衝装置２において、
   前記第１の制動部材は、
   椎骨への連結手段２３２を備えるロッド１１０を一端に有する剛性の手段１３０と、
   前記剛性の手段内に配置された第１粘弾性部材１２１と、
   前記剛性の手段内に配置された第２粘弾性部材１２２とからなり、
   前記第１ロット部材の第１の端部が、前記第１粘弾性部材と前記第２粘弾性部材との間に配置されたピストンヘッド３７０とを備え、
   前記第２ロッド部材は、
   一端に第２の制動部材を備え、
   前記第２の制動部材は、
   肋骨と係合する連結手段２３１を備えるロッド１１０を一端に有する剛性の手段１３０と、
   前記剛性の手段内部に配置された第１粘弾性部材１２１と、
   前記剛性の手段内部に配置された第２粘弾性部材１２２とからなり、
   前記第２ロッド部材の第２の端部が、前記第１粘弾性部材と前記第２粘弾性部材との間に配置されたピストンヘッド３７０と、
   を備えることを特徴とする分離緩衝装置。

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