JP4291933B2 - 真空冷却装置及びその使用方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蓄熱槽を備える真空冷却装置及びその運転(使用)方法に関する。
真空冷却の原理を以下に説明する。
水が沸騰する温度は大気圧(1013hPa)下では100℃、気圧の低い高い山などの場所では100℃以下となる。そして、水が蒸発するとき、水1kg毎に周囲から約2300kJの熱を奪っていく。気圧が低いほど沸点は下がり、およそ6hPaでは、約0℃で沸騰する。
このような水の蒸発熱を利用したものが真空冷却であって、真空ポンプにより真空槽内の圧力を下げることによって真空槽内に置かれた被冷却物(例えば、野菜)に含まれる水分を蒸発させ、このときの蒸発熱により被冷却物を急速に冷却することができる。
【0002】
ところで、水が蒸発して発生する水蒸気は、その容積が非常に大きくなるため、そのままの状態で排気して真空度を高めるには、極めて大きな出力の真空ポンプを要することになってしまう。このため、真空冷却装置では、コールドトラップを用い、水蒸気を凝集(凝縮)させて水滴に変えて回収し、真空ポンプでは空気のみを排出するようにする。従って、真空冷却装置においては、コールドトラップの性能が重要な要素となり、そのコールドトラップをいかに効率良く経済的に稼動させるかが課題となっている。
【0003】
この真空冷却は、例えば、野菜の真空予冷に利用されている。すなわち、真空冷却によれば、レタス、キャベツなどの葉菜類を中心に、野菜を収穫した直後、出荷前にできるだけ短時間に品温を下げることができる。これにより、野菜の呼吸作用を抑制でき、流通時の野菜の鮮度をより高く保持できる。なお、真空予冷後は素早く保冷車で出荷するか、冷蔵庫に保管される。
【0004】
【従来の技術】
従来の真空冷却装置について、図4に基づいて説明する。
V1、V2は真空冷却槽であり、被冷却物を真空冷却の作用によって冷却させるための容器である。P1、P2は真空ポンプであり、真空冷却槽V1、V2内の気圧を下げるように、空気を吸引して排気すべく、粗引用の真空ポンプP1と本引用の真空ポンプP2とが2台づつ設けられている。10はコールドトラップであり、真空冷却槽V1、V2の排気中に含まれる水蒸気を、真空ポンプP1、P2 (特に本引用の真空ポンプP2)によって吸引・排気される前段で凝縮・除去するように、ブラインによって冷却される。20はブラインを冷却するブライン冷凍機である。30はブラインタンクであり、ブラインを貯めておくタンクになっている。なお、ブラインは冷却システムに用いられる液体のことである。
【0005】
また、42はブライン配管であり、ブライン冷凍機20、コールドトラップ10、ブラインタンク30及び循環ポンプ44を、閉じたループ状に接続している。これにより、ブラインが循環するブライン循環回路40が構成されている。循環ポンプ44が作動することで、ブライン冷凍機20によって冷却されたブラインが循環し、コールドトラップ10の中を流れ、そのコールドトラップ10を冷却することができる。なお、22は冷却塔部であり、ブライン冷凍機20内に配された受熱部22a、水冷循環用ポンプ22b、放熱部22cを冷却水配管22dで接続して構成されている。
【0006】
このように構成された真空冷却装置によれば、真空冷却槽V1、V2内を真空ポンプP1、P2及びコールドトラップ10等によって好適に減圧状態(真空)にして、野菜のような被冷却物の持つ水分を蒸発させることができ、例えば20〜30分間という短時間で冷却を完了することができる。
真空冷却を利用する被冷却物としての農産物には、葉菜類として、レタス、キャベツ、白菜等があり、果菜類として、ブロッコリー、インゲン、さやえんどう、トウモロコシ等があるが、水分の蒸発量は、重量の1〜3%程度でよく、ほとんど目減りする心配がなく、それらの農産物を傷めることがない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上の従来の真空冷却装置では、本引用の真空ポンプV2で本引き排気を行う初期の段階であって、被冷却物から水分の蒸発が始まるフラッシュポイントと呼ばれる時に、水蒸気発生量が最大となり、冷凍負荷が最大となるため、その時点で必要となる冷却エネルギ(最大の冷凍能力)に合わせて、ブライン冷凍機20が選定されていた。
すなわち、平準化すれば大きな冷凍能力の必要ない場合であっても、瞬間的(短時間)に必要となる最大の冷凍能力に合わせ、大型のブライン冷凍機20を使用しなければならないという課題があった。
また、冷凍負荷のピーク時には循環するブライン温度がかなり上昇する。このように温度変化の大きい状況が繰り返される運転は、ブライン冷凍機20の耐久性等にとって良い条件とはいえない。
【0008】
これに対して、図5に示すように、氷蓄熱槽50をブライン配管42のブライン冷凍機20とコールドトラップ10との間に配し、真空冷却がなされないときには、氷蓄熱槽50によって冷却エネルギが蓄えられるように、ブラインがコールドトラップ10を流れないように短絡路51で短絡させて循環させることが考えられる。これによれば、真空冷却をするときには、前記の短絡を解除してコールドトラップ10にブラインを流し、氷蓄熱槽50よって蓄えられた冷却エネルギを利用することができる。このため、この真空冷凍装置によれば、ブライン冷凍機20を連続的に運転し、平準化した冷却出力によって、コールドトラップ10を冷却することが可能である。
【0009】
しかしながら、以上のようにコールドトラップ10を冷却する構成では、コールドトラップ10と氷蓄熱槽50とがブライン配管42で連通しているため、コールドトラップ10を冷却するブラインの温度範囲と、氷蓄熱槽50を冷却するブラインの温度範囲とが同等に設定され、ブラインの仕様(凍結点等)が設定される。すなわち、コールドトラップ10の冷却は、野菜等が過度に冷却されて凍結することを避けるため、氷蓄熱を効率良く行う温度よりも高い温度に設定される。このため、より効率的な真空冷却装置の運転がなされないという課題があった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、ブライン冷凍機を小型化でき、より効率よく好適に蓄熱をすることが可能で、よりランニングコストを低減できる真空冷却装置及びその使用方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
すなわち、本発明にかかる真空冷却装置は、被冷却物を真空冷却の作用によって冷却させるための容器である真空冷却槽と、該真空冷却槽内の気圧を下げるように、空気を吸引して排気する真空ポンプと、前記真空冷却槽の排気中に含まれる水蒸気を凝縮させて除去するように、前記真空冷却槽と前記真空ポンプの間に配され、ブラインが流れることによって冷却されるコールドトラップと、前記ブラインを冷却するブライン冷凍機とを具備する真空冷却装置において、前記ブライン冷凍機を含んで構成され、冷却されたブラインが循環する第1のブライン循環回路と、該第1のブライン循環回路で、ブラインを循環させる第1の循環ポンプと、前記コールドトラップを含んで構成され、該コールドトラップの冷却用のブラインが循環する第2のブライン循環回路と、該第2のブライン循環回路で、ブラインを循環させる第2の循環ポンプと、前記第2のブライン循環回路で、ブラインを貯めておくブラインタンクと、前記第1のブライン循環回路と前記第2のブライン循環回路との間で熱交換をする熱交換手段と、前記第1のブライン循環回路で、前記ブライン冷凍機と前記熱交換手段との間に設けられ、ブライン冷凍機による冷却エネルギを蓄える蓄熱槽とを具備し、前記熱交換手段は、前記第2の循環回路のブラインタンク内に、前記第1の循環回路のブライン配管をコイル状にして入れて設けられていることを特徴としている。
【0012】
また、前記真空冷却槽が2槽設けられ、被冷却物の真空冷却が該2槽の真空冷却槽について交互になされるように切換バルブが設けられていることで、より効率的にブライン冷凍機を利用して真空冷却を行うことができる。
【0013】
また、本発明は、上記の真空冷却装置を用いて、被冷却物の真空冷却を行う真空冷却装置の使用方法において、前記ブライン冷凍機を、複数回の真空冷却にかかる冷却エネルギを平準化した一定の出力で稼働させ、真空冷却が行われていない場合或いは真空冷却が平準化された冷却エネルギよりも小さい状態で行われている場合には、前記ブライン冷凍機によって発生する冷却エネルギを前記蓄熱槽に蓄えるように、前記第2の循環ポンプによるブラインの循環を停止或いは減少させ、 真空冷却が平準化された冷却エネルギよりも大きい状態で行われている場合には、前記ブライン冷凍機によって発生する冷却エネルギ及び前記蓄熱槽に蓄えられた冷却エネルギの双方を用いて前記コールドトラップを冷却するように、前記第2の循環ポンプによるブラインの循環を増大させることを特徴とする真空冷却装置の使用方法にもある。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる好適な実施例を添付図面と共に詳細に説明する。
図1は本発明による真空冷却装置の一実施例を示す説明図(回路図)である。
図2は2槽の真空冷却槽を使用する場合についての冷却サイクルを示す説明図である。
また、図3は図1の実施例による作動状況のサイクルを説明する説明図であり、図3(a)は真空冷却槽内の圧力変化を示すグラフ、図3(b)は必要冷凍能力の変化を示すグラフ、また、図3(c)は平準化した必要冷凍能力を示すグラフである。なお、本実施例の被冷却物は野菜とし、本実施例は野菜の真空冷却装置の一例とする。
【0015】
V1、V2は真空冷却槽であり、野菜を真空冷却の作用によって冷却させるための容器である。本実施例では、真空冷却槽V1、V2が2槽(基)設けられ、野菜の真空冷却がその2槽の真空冷却槽V1、V2について交互になされるように配管及び切換バルブ15が設けられている。このように2基の真空冷却槽V1、V2を備えるため、後述する真空ポンプP1、P2によって、図2に示すように、粗引き及び本引きからなる吸引・排気工程が、適宜交互に繰り返される。すなわち、図2は一般的な冷却サイクルを示す説明図であり、上段が一方(第1)の真空冷却槽V1の冷却サイクルを示し、下段が他方(第2)の真空冷却槽V2の冷却サイクルを示す。両冷凍サイクルは左から右方向に進行する同一の時間軸に沿って実行されるものとする。Aは搬入時間、Bは粗引時間、Cは本引時間、Dは搬出入時間を示す。また、S1が1回目の冷却、S2が2回目の冷却、S3が3回目の冷却、S4が4回目の冷却工程の全体時間を示す
なお、被冷却物にかかる真空冷却槽V1、V2内への搬入、冷却後の搬出はコンベアを利用すればよい。
【0016】
P1、P2は真空ポンプであり、真空冷却槽V1、V2内の気圧を下げるように、空気を吸引して排気する。P1は粗引用の真空ポンプであり、P2は本引用の真空ポンプであって、それぞれが2台づつ設けられている。このように、本引きと粗引きのための真空ポンプが専用に配置され、自動弁(切換バルブ15)で経路を切り換えることで、粗引用の真空ポンプP1と本引用の真空ポンプP2とが図2に示したように適宜使い分けられる。これにより、真空ポンプP1、P2を効率良く利用することができる。なお、本実施例では、コールドトラップ10へは、本引き時のみブラインが流される。
【0017】
なお、真空ポンプP1、P2としては、従来から、油回転式、水封式が多く用いられてきたが、最近ではドライ式ポンプが用いられることが多くなった。真空冷却槽V1、V2内の保持圧力は、野菜が冷却目標温度に達すべく、飽和する圧力となるよう真空ポンプP1、P2の運転が制御される。
また、必要以上の減圧は、野菜を冷却する場合に凍結が発生する。このため、一般的には、真空冷却槽V1、V2内の圧力により、真空ポンプP1、P2に近接した配管中の弁の開度を変化させて圧力の調整を行っている。
【0018】
このように真空冷却槽V1、V2及び真空ポンプP1、P2等が設けられ、図2のように使用されるため、真空冷却槽V1、V2内の圧力変化、及び冷却にかかる必要冷凍能力の変化は、図3のようになる。
図3(a)は真空冷却槽V1、V2内の圧力変化を重ね合わせて表現してある。図3(a)では横軸Tに経過時間(min)をとり、縦軸Pに圧力(hPa)をとってある。黒塗りの四角の点は第1の真空冷却槽V1における圧力変化を示し、白抜きの四角い点は第2の真空冷却槽V2における圧力変化を示してある。図に明らかなように、第1の真空冷却槽V1と第2の真空冷却槽V2とは、交互に減圧され、それぞれ真空度の高い状態で所定の時間保持される。なお、野菜の搬出入の際には大気開放され、大気圧に戻ることは勿論である。
【0019】
このような真空冷却槽V1、V2内の圧力変化に対応し、必要冷凍能力が図3(b)のグラフに示すように変化する。図3(b)では、横軸にTに経過時間(min)をとり、縦軸Pに冷却能力(MJ/Hr)をとってある。黒塗りの四角の点は第1の真空冷却槽V1における必要冷凍能力の変化を示し、白抜きの四角い点は第2の真空冷却槽V2における必要冷凍能力の変化を示してある。
【0020】
農産物(野菜)の真空冷却にかかる冷凍負荷変動を、以下に経時的に説明する。
粗引き段階では、真空冷却槽V1、V2内温度が高く、ブライン温度が高くなっている。一般的に、このプロセスではブラインの流れが停止している。従って、この時点では冷凍負荷がかかっていない。なお、粗引きにおける真空ポンプP1の負荷は大きいが、複数台の真空ポンプP1で対応すればよい。
そして、本引き初期において、冷凍負荷(必要冷凍能力)が大きくなる。これは、野菜(被冷却物)から水分の蒸発が始まる(フラッシュポイントと呼ばれる)時、水蒸気発生量が最大となり、冷凍負荷が最大となるためである。すなわち、この時はブラインが循環し始めたばかりであり、短時間にブライン温度が上昇する。従って、その時点に対応し、後述するコールドトラップ10での冷凍能力が最大となることが必要になる。
【0021】
その後は、必要冷凍能力が徐徐に低下し、さらには野菜の搬出入をする工程になるため、その時点で必要冷凍能力がゼロに戻る。本実施例のような2槽式の真空冷凍装置においては、以上のサイクルが、図3(b)のグラフに示す通り、2槽の真空冷却槽V1、V2について交互に連続的に生じることになる。
なお、ブラインの保有量を大きくすると一時的な温度上昇を抑えることも可能であるが、装置が大きくなってしまう。また、冷凍機の冷凍能力を大きくして初期負荷に対応することが考えられるが、維持費用上好ましくない。このため、本願発明のように、後述する蓄熱槽50を利用することになる。
【0022】
以上の2槽の真空冷却槽V1、V2かかる必要冷凍能力を平準化すると、図3(c)に示したハッチング部となる。図3(c)では、横軸にTに経過時間(min)をとり、縦軸Pに冷却能力(MJ/Hr)をとってある。なお、黒塗りの四角の点による折れ線グラフは第1の真空冷却槽V1及び第2の真空冷却槽V2における必要冷凍能力の合計(変化)を示してある。
このように、平準化した必要冷凍能力によって、2槽の真空冷却槽V1、V2に対応してコールドトラップ10を好適に冷却することが可能であれば、最大出力の小さな冷凍機で済むことになり、その実現方法が課題となる。以下に説明する本願発明の内容は、この課題に好適に対応できるものである。
【0023】
10はコールドトラップであり、真空冷却槽V1、V2の排気中に含まれる水蒸気を凝結させて除去するように、真空冷却槽V1、V2と真空ポンプV2の間に配され、ブラインが流れることによって冷却される。
なお、一般的に、コールドトラップ10は、蒸気・冷媒の熱交換器として効率の良いシェルアンドチューブが使用されることが多い。また、冷媒側は、フロンガス等の直接冷媒が用いられる場合もあるが、本実施例のようにブラインを循環させることが多い。
【0024】
20はブライン冷凍機であり、ブラインを冷却する。このブライン冷凍機20としては、一般的に利用されているものを好適に利用することができる。ブライン冷凍機20は、基本的に冷媒に関する冷却器(蒸発器)24と圧縮器(凝縮器)26とを備え、冷媒の循環によって、循環するブラインを冷却するものである。なお、冷媒としては、フロンガスに代えてアンモニア等を利用できるのは勿論である。
また、ブライン冷凍機20の動力源は、電力又はエンジンを採用できる。なお、稼動時間が日中であること、野菜出荷時の季節利用であることなどから、電力負荷契約上でエンジン式に優位な面がある。
【0025】
21は第1のブライン循環回路であり、ブライン冷凍機20を含んで構成され、冷却されたブラインが循環する。本実施例の第1のブライン循環回路21は、ブライン冷凍機20、蓄熱槽50、熱交換手段の一例である熱交換器60、及び第1の循環ポンプ28が、ブライン配管29で接続されて連通されている。
このため、第1の循環ポンプ28によって、第1のブライン循環回路21について、ブラインを図面の矢印方向へ循環させることができる。
【0026】
31は第2のブライン循環回路であり、コールドトラップ10を含んで構成され、そのコールドトラップ10の冷却用のブラインが循環する。本実施例の第2のブライン循環回路31は、熱交換手段の一例である熱交換器60、コールドトラップ10、ブラインタンク30、及び第2の循環ポンプ32が、ブライン配管34で接続されて連通されている。
このため、第2の循環ポンプ32によって、第2のブライン循環回路31について、ブラインを図面の矢印方向へ循環させることができる。
【0027】
熱交換器60は、第1のブライン循環回路21と第2のブライン循環回路32との間で熱交換をする。なお、第1のブライン循環回路21は、ブライン冷凍機の循環系ということができるし、第2のブライン循環回路31は、コールドトラップの循環系ということができる。このブライン冷凍機の循環系21と、コールドトラップの循環系31との間に設置される熱交換器60としては、プレートフィン状のものを選定すれば、効率よく熱変換を行うことができる。
【0028】
また、熱交換手段としては、本実施例のように独立して熱交換器60を設けることに限定されるものではない。例えば、ブラインタンク30内に、コイル状の熱交換手段としての機能を有するブライン配管29を入れることでも可能である。すなわち、第1のブライン循環回路21が、ブラインタンク30の中を通過するように設置することでも、2つのブラインの循環系21、31を有する真空冷却装置であり、同様の効果を得ることができる共に、独立した熱交換器60を省略できるという利点がある。なお、以上のようにブラインタンク30で熱交換機能を得る場合で、第2のブライン循環回路31を流れるブラインの一部を凍結させて冷却熱(潜熱)を蓄積する場合には、そのブラインの濃度が変化するため、ブラインの安定的な循環が難しくなることが考えられる。
【0029】
蓄熱槽50は、本実施例では以上の記載からも明らかなように、第1のブライン循環回路21で、ブライン冷凍機20と熱交換器60との間に設けられ、ブライン冷凍機20による冷却エネルギを凍結によって蓄えることができる。(すなわち、蓄熱槽50は、氷蓄熱槽となっている。)なお、蓄熱の方法としては、氷蓄熱方式が一般的に利用されている。
【0030】
次に、以上に説明した真空冷却装置を用いて、被冷却物の真空冷却を行う真空冷却装置の使用方法について説明する。
ブライン冷凍機20を、複数回の真空冷却にかかる冷却エネルギを平準化した一定の出力で稼働させ、真空冷却が行われていない場合或いは真空冷却が平準化された冷却エネルギよりも小さい状態で行われている場合には、ブライン冷凍機20によって発生する冷却エネルギを蓄熱槽50に蓄えるように、第2の循環ポンプ32によるブラインの循環を停止或いは減少させ、真空冷却が平準化された冷却エネルギよりも大きい状態で行われている場合には、ブライン冷凍機20によって発生する冷却エネルギ及び蓄熱槽50に蓄えられた冷却エネルギの双方を用いてコールドトラップ10を冷却するように、第2の循環ポンプ32によるブラインの循環を増大させる。
【0031】
以上のような蓄熱槽50及び熱交換機60を利用した真空冷却装置及びその使用方法によれば、冷凍機(ブライン冷凍機20)負荷の平準化を、好適に行うことができる。すなわち、図3(c)に基づいて前述した平準冷凍負荷に好適に対応できる。これにより、冷凍機能力を選定する際は、時間当たりの平均処理量をもとにすればよく、より小型のブライン冷凍機20を選定できることになる。
コールドトラップ10を循環するブラインの温度は、一般におよそ0℃である。このため、融点が−10〜−5℃の氷蓄熱槽50を設置して、ブライン冷凍機20は一定の負荷条件で運転させ、ブライン冷凍機20の冷凍能力が必要負荷を上回る時に、潜熱を利用した蓄熱をする。これにより、ブライン冷凍機20は安定した定負荷運転が可能となる。一方、コールドトラップ10側では、負荷に見合う所定の必要冷凍能力を取り出すことができる。
【0032】
また、ブライン冷凍機20の動力源を電力による場合は、稼動時間が日中であることから、電力のピークをカットするために夜間電力(深夜電力)を利用して蓄熱し、その熱を昼間併用すればよい。日中の稼動時間にもよるが、この場合、設置するブライン冷凍機を、蓄熱を考慮しない場合の冷凍能力に比べて大幅にサイズダウンすることができる。
なお、ブライン液の保有量を大きくすることにより、冷凍負荷のピーク時にかかるブラインの温度上昇を抑えることが可能であるが、とても大きな量となり設置上の困難を伴い、現実的でない。
【0033】
また、本願発明では、以上に説明したように、第1のブライン循環回路21と第2のブライン循環回路31とに、ブラインの循環系を2系統に分離し、熱交換器60を介在している。この構成によって、本願発明では、以下のような効果を得ることができる。
第1のブライン循環回路21のブラインにかかる凍結点調整は、およそ−25℃とするが、第2のブライン循環回路31のブラインにかかる凍結点調整は、およそ−10℃で良い。このようにブラインの凍結点を別々に設定することで効率の高い運転ができる。
但し、ブラインは、凍結点が低いほど濃度が高く、流動性が低く、比熱が小さくなる。従って、上記のように蓄熱に関するブラインと、コールドトラップ10を冷却するブラインとを別々にする場合は、その搬送動力を考え、それぞれの循環系に適正な流量と揚程の循環ポンプ28、32を選定して、全体の搬送動力を小さくすればよい。別言すれば、第1のブライン循環回路21と、第2のブライン循環回路31に分割するため、それぞれの循環系に適切な循環ポンプ28、32を選定でき、全体の搬送動力を小さくすることができるという特別有利な効果を奏する。
また、第1のブライン循環回路21と、第2のブライン循環回路31に完全に分離されているため、ブラインを特別に調整することを要せず、ブラインの調整にかかる費用(初期調整、及びメンテナンス)を軽減することができる。
なお、蓄熱槽50内の蓄熱状況をブライン温度等で検出し、ブライン冷凍機20を発停制御するようにして、ブラインの温度調整をすればよい。
【0034】
また、この真空冷却装置が、電力を用いたブライン冷凍機20を用いる場合、前述したように経済的見地から深夜電力を用いて蓄熱することも可能である。この場合、夜間蓄熱の利点を最大に生かすため、蓄熱槽50の規模を大きくすることにより、冷凍機容量を小さく選定できる。
なお、エンジン式の冷凍機の場合は、深夜電力を利用する利点がないため、蓄熱槽50の規模とブライン冷凍機20の容量の決定に関しては、かかわる設備費用が最も経済的である組み合せを考慮すればよい。
【0035】
以上、本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、ブラインの循環回路を、第1のブライン循環回路と、第2のブライン循環回路に分離し、蓄熱槽及び熱交換手段を好適に配したため、ブライン冷凍機にかかる負荷の平準化を好適に行うことができる。
従って、ブライン冷凍機を小型化でき、より効率よく好適に蓄熱をすることが可能で、よりランニングコストを低減できるという著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる真空冷却装置の一実施例を示す説明図である。
【図2】図1の実施例による2槽の真空冷却槽にかかる冷却サイクルを示す説明図である。
【図3】図1の実施例による作動状況のサイクルを説明する説明図である。
【図4】従来技術を説明する説明図である。
【図5】他の従来技術を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 コールドトラップ
15 切り換えバルブ
20 ブライン冷凍機
21 第1のブライン循環回路
28 第1の循環ポンプ
29 ブライン配管
30 ブラインタンク
31 第2のブライン循環回路
32 第2の循環ポンプ
34 ブライン配管
50 蓄熱槽
60 熱交換器
V1 第1の真空冷却槽
V2 第1の真空冷却槽
P1 粗引用の真空ポンプ
P2 本引用の真空ポンプ

Claims (3)

  1. 被冷却物を真空冷却の作用によって冷却させるための容器である真空冷却槽と、
    該真空冷却槽内の気圧を下げるように、空気を吸引して排気する真空ポンプと、
    前記真空冷却槽の排気中に含まれる水蒸気を凝縮させて除去するように、前記真空冷却槽と前記真空ポンプの間に配され、ブラインが流れることによって冷却されるコールドトラップと、
    前記ブラインを冷却するブライン冷凍機とを具備する真空冷却装置において、
    前記ブライン冷凍機を含んで構成され、冷却されたブラインが循環する第1のブライン循環回路と、
    該第1のブライン循環回路で、ブラインを循環させる第1の循環ポンプと、
    前記コールドトラップを含んで構成され、該コールドトラップの冷却用のブラインが循環する第2のブライン循環回路と、
    該第2のブライン循環回路で、ブラインを循環させる第2の循環ポンプと、
    前記第2のブライン循環回路で、ブラインを貯めておくブラインタンクと、
    前記第1のブライン循環回路と前記第2のブライン循環回路との間で熱交換をする熱交換手段と、
    前記第1のブライン循環回路で、前記ブライン冷凍機と前記熱交換手段との間に設けられ、ブライン冷凍機による冷却エネルギを蓄える蓄熱槽とを具備し、
    前記熱交換手段は、
    前記第2の循環回路のブラインタンク内に、前記第1の循環回路のブライン配管をコイル状にして入れて設けられていることを特徴とする真空冷却装置。
  2. 前記真空冷却槽が2槽設けられ、被冷却物の真空冷却が該2槽の真空冷却槽について交互になされるように切換バルブが設けられていることを特徴とする請求項1記載の真空冷却装置。
  3. 前記請求項1又は2記載の真空冷却装置を用いて、被冷却物の真空冷却を行う真空冷却装置の使用方法において、
    前記ブライン冷凍機を、複数回の真空冷却にかかる冷却エネルギを平準化した一定の出力で稼働させ、
    真空冷却が行われていない場合或いは真空冷却が平準化された冷却エネルギよりも小さい状態で行われている場合には、前記ブライン冷凍機によって発生する冷却エネルギを前記蓄熱槽に蓄えるように、前記第2の循環ポンプによるブラインの循環を停止或いは減少させ、
    真空冷却が平準化された冷却エネルギよりも大きい状態で行われている場合には、前記ブライン冷凍機によって発生する冷却エネルギ及び前記蓄熱槽に蓄えられた冷却エネルギの双方を用いて前記コールドトラップを冷却するように、前記第2の循環ポンプによるブラインの循環を増大させることを特徴とする真空冷却装置の使用方法。
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