JP4291904B2 - 金型冷却方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金型のキャビティ内に溶湯を充填して鋳造成形する際、前記金型を冷却する金型冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、金型内に形成されたキャビティに溶湯を充填し、前記溶湯を固化させることにより、所望の形状の鋳造品を得る鋳造成形方法が行われている。この場合、キャビティに充填された溶湯を円滑に固化させるとともに、金型を冷却する冷却装置が設けられるのが通常である。
【0003】
ここで、有底円筒状の鋳造品を鋳造成形する従来技術に係る冷却装置を図9乃至図12に示す。
【0004】
この冷却装置1は、内部に空洞部2が形成された鋳抜きピン3と、前記空洞部2に臨み該空洞部2に対し冷却水を供給する供給管4と、前記空洞部2に連通し該空洞部2に貯留された冷却水が排出される排出ポート5とを有する。参照数字6は、図示しない金型によって鋳造成形された鋳造品を示す。
【0005】
なお、図9および図10は、横型の冷却構造を有する鋳抜きピン3を採用した場合を示し、図11および図12は、縦型の冷却構造を有する鋳抜きピン3を採用した場合を示す。
【0006】
ここで、この従来技術に係る冷却装置1を用いて連続鋳造成形を行った場合の温度と冷却水の流量との関係を図13に示す。
【0007】
図13中、実線Xは、冷却装置1に供給される冷却水の流量を毎分1.1リットルで一定とした状態における流量の推移を示し、実線X′は、流量を毎分1.1リットルで一定としたときの金型の温度特性を示し、実線X″は、流量を毎分1.1リットルで一定としたときの冷却水の温度特性を示している。
【0008】
また、図13中、破線Yは、冷却装置1に供給される冷却水の流量を毎分1.6リットルで一定とした状態における流量の推移を示し、破線Y′は、流量を毎分1.6リットルで一定としたときの金型の温度特性を示し、破線Y″は、流量を毎分1.6リットルで一定としたときの冷却水の温度特性を示している。
【0009】
なお、図13中では、鋳造成形を連続して行う場合に、第N回目の鋳造成形をN回目とし、以下、連続してN+1回目、N+2回目、N+3回目と表している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術に係る冷却装置1では、供給管4から供給される冷却水の流量と空洞部2内の体積差により、鋳造時において冷却水が蒸発してしまい空洞部2内に発生する蒸気によって冷却能力が低下するという不都合がある。
【0011】
すなわち、空洞部2の上部側に発生する蒸気や空気の層によって空間部7が形成されることにより、冷却が不均一となり冷却効率が低下するという不都合がある。例えば、図13中の実線X″に示されるように、N+3回目では、流量が毎分1.1リットルのときの冷却水の温度が100℃を超えて冷却水が水蒸気となっている。
【0012】
また、前記冷却能力の低下により、オーバーヒート部8には、鋳造品に対して悪影響を及ぼす、いわゆるひけや鋳造品の表面部が金型に凝着する、いわゆるとられが発生するという不都合がある。例えば、図13中の実線X′に示されるように、N+3回目では、流量が毎分1.1リットルのときの金型の温度が急上昇して金型が過度に加熱されることにより、ひけやとられが発生する。
【0013】
従来技術では、このような冷却能力の低下に対し、冷却水量を大幅に増大させて対処しているが、冷却水量が増大するのに伴って金型が過冷却状態となりキャビティ内に充填された溶湯が急激に冷却されるため、湯廻り不良等が発生するという他の不都合がある。例えば、図13中の破線Y′に示されるように、N+3回目では、流量が毎分1.6リットルのときの金型の温度が急下降して金型が過度に冷却されることにより、湯廻り不良が発生する。
【0014】
本発明は、前記の種々の不都合を考慮してなされたものであり、冷却媒体の接触表面積並びに冷却容量をそれぞれ減少させ、しかも簡易に最適な鋳造品質を安定して得ることが可能な金型冷却方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、鋳造成形を行う際、冷却通路に沿って流通する冷却媒体の作用下に金型を冷却するための方法であって、
冷却通路を螺旋状に形成し、任意の方向に前記螺旋状の冷却水路の開始点を振り分けることにより、前記任意の方向が最も冷却されるように冷却性に指向性を持たせ、且つ前記冷却通路に供給する冷却媒体の流量を、該冷却媒体が表面沸騰、飽和核沸騰、または液膜対流熱伝達の状態となるように制御することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、冷却通路に供給する冷却媒体を、熱伝導率が大きい表面沸騰、飽和核沸騰、または液膜対流熱伝達の状態とすることで最適冷却領域とすることができこれにより、冷却効率が向上し、簡易に最適な鋳造品質を安定して得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る金型冷却方法について、それを実施する装置との関連において好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0018】
図1において、参照数字10は、本発明の実施の形態に係る金型冷却方法を適用した金型を示す。
【0019】
この金型10は、車両用のエンジンのシリンダブロックを製造するものであり、前記シリンダブロックに対応する形状からなるキャビティ12が形成された金型本体14と、前記金型本体14内に挿入され、シリンダブロックのボアを形成するボア用鋳抜きピン16と、前記ボア用鋳抜きピン16の孔部18に挿入される金型冷却装置20とを有する。
【0020】
前記キャビティ12は、ボア用鋳抜きピン16を間にして略対称に配置され、鋳造成形によってシリンダブロックの厚肉部が形成される第1キャビティ22と、前記シリンダブロックの薄肉部が形成される第2キャビティ24とを含む。
【0021】
金型冷却装置20は、前記ボア用鋳抜きピン16の孔部18内に挿入され、略円柱形状に形成されたインサート部材26と、前記インサート部材26に形成される冷却通路28とを有する。
【0022】
前記金型10の孔部30には、前記インサート部材26の冷却通路28に連通し該冷却通路28に冷却水(冷却媒体)を供給する内管32と、前記冷却通路28に連通し該冷却通路28から冷却水が排出される外管34とを有する二重管36が設けられたジョイント部材38が挿入される。
【0023】
ボア用鋳抜きピン16並びにジョイント部材38の外周面には、環状溝を介して、キャビティ12並びに空間部40を密封するシール部材42、44a、44bがそれぞれ装着されている。
【0024】
なお、前記インサート部材26を、熱伝達性が良好な金属製材料、例えば、銅合金等によって形成することにより、冷却効率をより一層向上させることができる。
【0025】
前記二重管36は、前記冷却通路28に連通し該冷却通路28に冷却水を供給する図示しないインレットポートと、前記冷却通路28に連通し該冷却通路28から冷却水が排出される図示しないアウトレットポートとを有する。
【0026】
前記冷却通路28は、図3に示されるように、ジョイント部材38から突出する二重管36の内管32によって構成されインサート部材26の軸線方向に沿って貫通する第1通路46と、前記第1通路46に連通し中心部から半径外方向に向かって延在する第2通路48と、前記第2通路48に連通しインサート部材26の外周面に沿って螺旋状に形成された第3通路50とを有する。前記第3通路50の終端部は、インサート部材26とジョイント部材38の間に形成された空間部40を介して二重管36の外管34内の通路に連通するように形成されている。
【0027】
前記金型冷却装置20では、冷却性の指向性が、図2に示すように、インサート部材26の中心部から半径外方向に向かって延在する第2通路48の方向、すなわち、矢印A方向となるように設定され、他の方向と比較して矢印A方向に向かって冷却効率が向上するように設けられている。
【0028】
けだし、螺旋状に形成された第3通路50の開始点を任意の方向に振り分けることにより、その振り分けられた方向において螺旋状に周回する多くの溝部が配置されるからである。従って、特に冷却効果が必要とされる鋳造品の厚肉部を形成する金型部分に対しても、鋳造品の形状に対応して部分的に冷却効果を向上させることができる。
【0029】
例えば、鋳造品の厚肉部を形成する第1キャビティ22と前記鋳造品の薄肉部を形成する第2キャビティ24とが対称に配置された金型構造の場合、薄肉部と比較して冷却しずらい厚肉部を形成する第1キャビティ22が矢印A方向となるように金型冷却装置20を設定すると好適である(図1参照)。
【0030】
冷却通路を構成する螺旋状の第3通路50は、実質的に断面半円状の溝部からなり、前記溝部は冷却水が流通する流量を略一定とするために、略同一の断面積で形成されている。
【0031】
本発明の実施の形態に係る金型冷却方法が適用された金型10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0032】
先ず、図示しない冷却水供給源と二重管36のインレットポートとを接続し、図示しない冷却水貯留源とアウトレットポートとを接続しておく。また、鋳抜きピン16は、金型10のキャビティ12内に配設されているものとする。
【0033】
金型10のキャビティ12内に溶湯(例えば、アルミニウム溶湯)を注入する際、図示しない冷却水供給源を付勢してインレットポートより冷却水を供給する。前記冷却水は、二重管36の内管32に沿って流通し、インサート部材26の軸線方向に沿って延在する第1通路46を流通する。さらに冷却水は、インサート部材26の上部の中心部から半径外方向に向かって延在する第2通路48並びにインサート部材26の外周面に螺旋状に形成された第3通路50に沿って流通する。第3通路50の終端から導出された冷却水は、インサート部材26とジョイント部材38との間に形成された空間部40並びに二重管36の外管34を経由してアウトレットポートから図示しない冷却水貯留源に排出される。
【0034】
この金型冷却装置20では、シリンダブロックの厚肉部を形成する第1キャビティ22側に指向性が設定されており、冷却通路28を流通する冷却水の冷却作用下に、前記厚肉部に対する冷却性を制御することにより、前記厚肉部の内部品質を向上させ、高精度な品質を有するシリンダブロックを安定して得ることができる。
【0035】
次に、本実施の形態に係る金型冷却方法が適用された金型10を用いて連続鋳造成形を行った場合の実験結果を図4に示す。この場合、金型冷却装置20に冷却水を供給する流量を、毎分0.8リットル、毎分1.1リットル、毎分1.6リットルで一定に設定してそれぞれ実験を行った。
【0036】
図4中、実線Aは、金型冷却装置20に供給される冷却水の流量を毎分1.1リットルで一定とした状態における流量の推移を示し、実線A′は、流量を毎分1.1リットルで一定としたときの金型10の温度特性を示している。
【0037】
また、図4中、破線Bは、金型冷却装置20に供給される冷却水の流量を毎分0.8リットルで一定とした状態における流量の推移を示し、破線B′は、流量を毎分0.8リットルで一定としたときの金型10の温度特性を示している。
【0038】
さらに、図4中、一点鎖線Cは、金型冷却装置20に供給される冷却水の流量を毎分1.6リットルで一定とした状態における流量の推移を示し、一点鎖線C′は、流量を毎分1.6リットルで一定としたときの金型10の温度特性を示している。
【0039】
なお、図4中では、鋳造成形を連続して行う場合に、第N回目の鋳造成形工程をN回目とし、以下、連続してN+1回目、N+2回目、N+3回目と表している。
【0040】
ここで、冷却水の流量が毎分1.1リットルのときの温度と冷却水の流量との関係を図5に示す。なお、図5中、実線Aは、金型冷却装置20に供給される冷却水の流量を毎分1.1リットルで一定とした状態における流量の推移を示し、実線A′は、流量を毎分1.1リットルで一定としたときの金型10の温度特性を示し、実線A″は、流量を毎分1.1リットルとしたときの冷却水の温度特性を示している。
【0041】
実験により、冷却水の流量を毎分1.1リットルに設定した状態が最適であることがわかった。すなわち、冷却水の流量を毎分1.1リットルで一定状態とし、且つ図示しない流量制御弁のオン/オフ切換制御して冷却水の流量を、実線Aに示す流量特性曲線52となるように制御することにより、冷却水の最高温度を約100℃に保持し、且つ熱伝導率が大きい最適冷却領域54に設定することができた(実線A″参照)。
【0042】
ここで、冷却通路28を流通する冷却水の熱伝導率について説明する。
【0043】
図6に示されるように、冷却水は、その温度が上昇するにしたがって、液相単流、気泡流、スラグ流、フロス流、環状噴霧流、噴霧流の状態に順次変化する。このような冷却水の状態変化を熱伝達機構の観点からみれば、液の対流伝熱、表面沸騰、飽和核沸騰、液膜対流熱伝達、蒸気の対流熱伝達と変化する。
【0044】
この場合、冷却効率が良好な状態、すなわち熱伝導率が大きい最適冷却領域は、熱伝導率の特性曲線に示されるように、表面沸騰から液膜対流熱伝達までの間であり、前記表面沸騰から液膜対流熱伝達までの間となるように冷却水の流量を制御するとよい。換言すると、熱伝導率が大なる最適冷却領域となるように冷却水の流量を制御するとよい。このように冷却水の流量を制御して最適冷却領域に設定することにより、冷却効率を向上させ、高精度な品質を有する鋳造品を得ることができる。
【0045】
また、鋳造成形される鋳造品の重量が変動した場合には、変動した重量に対応して冷却水の流量を増減させ、熱伝導率が最適冷却領域となるように設定することにより、熱伝導率が大きく良好な冷却効率を得ることができる。例えば、図7に示されるように、鋳造品の重量が400(g)増加した場合、冷却水の流量を毎分1.4リットルに増大させることにより、最適な冷却効率を得ることができる。
【0046】
なお、図7中、実線Dは、金型冷却装置20に供給される冷却水の流量を毎分1.4リットルで一定とした状態における流量の推移を示し、実線D′は、流量を毎分1.4リットルで一定としたときの金型10の温度特性を示し、実線D″は、流量を毎分1.4リットルとしたときの冷却水の温度特性を示している。
【0047】
鋳造品の重量の変動に対応して冷却水の流量を毎分1.4リットルに制御することにより、実線D″に示されるように、冷却水の最高温度が約100℃に保持され、熱伝導率が大きく良好な冷却効率を得ることができる。
【0048】
さらに、連続する鋳造成形のサイクルタイムが変動した場合、前記変動したサイクルタイムに対応して冷却水の流量を変化させ、熱伝導率が最適冷却領域となるように設定することにより、熱伝導率が大きく良好な冷却効率を得ることができる。例えば、図8に示されるように、サイクルタイムが10秒増大したことに伴って、冷却水の流量を毎分0.9リットルに減少させることにより、最適な冷却効率を得ることができる。
【0049】
なお、図8中、実線Eは、金型冷却装置20に供給される冷却水の流量を毎分0.9リットルで一定とした状態における流量の推移を示し、実線E′は、流量を毎分0.9リットルで一定としたときの金型10の温度特性を示し、実線D″は、流量を毎分0.9リットルとしたときの冷却水の温度特性を示している。
【0050】
鋳造成形のサイクルタイムの変動に対応して冷却水の流量を毎分0.9リットルに制御することにより、実線E″に示されるように、冷却水の最高温度を約100℃に保持し、熱伝導率が大きく良好な冷却効率を得ることができた。
【0051】
なお、本実施の形態では、図2に示すように、第2通路48の方向、すなわち、インサート部材26の中心部から半径外方向に向かう矢印A方向に冷却性の指向性が設定されている。従って、例えば、鋳造品の厚肉部を形成するキャビティ12が矢印A方向となるように金型冷却装置10を配設することにより、他の方向と比較して、矢印A方向に向かってより一層冷却効率を向上させることができる。
【0052】
また、本実施の形態では、螺旋状の冷却通路28をインサート部材26に形成することにより、冷却水の接触表面積を減少させ、しかも冷却水の流量を少なくすることにより、冷却水が蒸発することにより発生した蒸気を容易に外部に排出することができる。この結果、冷却能力を低下させることがなく、湯廻り不良等の発生を防止することにより、高精度の品質を有する鋳造品を得ることができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0054】
すなわち、冷却通路に供給する冷却媒体の流量を最適冷却領域となるように制御することにより、冷却効率を向上させ且つ過冷却状態となることを防止して、簡易に最適な鋳造品質を安定して得ることができる。
【0055】
また、従来技術と比較して、冷却水の接触表面積並びに冷却容量をそれぞれ減少させ、冷却効率をより一層向上させることができる。
【0056】
さらに、鋳造品の肉厚に対応して冷却性に指向性を持たせることにより、より一層最適な鋳造品質を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る金型冷却方法が適用された金型の縦断面図である。
【図2】 前記金型に設けられた金型冷却装置の横断面図である。
【図3】 鋳抜きピンの孔部内に挿入された前記金型装置の縦断面図である。
【図4】 前記金型を用いて連続鋳造成形を行った場合の温度と冷却水の流量との関係を示す説明図である。
【図5】 冷却水の流量が毎分1.1リットルのときの温度と冷却水の流量との関係を示す説明図である。
【図6】 冷却水の熱伝導率の説明に供する図である。
【図7】 鋳造品の重量が増大した場合における温度と冷却水の流量との関係を示す説明図である。
【図8】 連続鋳造成形のサイクルタイムが変動した場合における温度と冷却水の流量との関係を示す説明図である。
【図9】 横型の冷却構造を有する鋳抜きピンを採用した従来技術に係る冷却装置の縦断面図である。
【図10】 図9に示す従来技術に係る冷却装置の動作説明図である。
【図11】 縦型の冷却構造を有する鋳抜きピンを採用した従来技術に係る冷却装置の縦断面図である。
【図12】 図11に示す従来技術に係る冷却装置の動作説明図である。
【図13】 前記従来技術に係る冷却装置を用いて連続鋳造成形を行った場合の温度と冷却水の流量との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
10…金型 12、22、24…キャビティ
16…ボア用鋳抜きピン 20…金型冷却装置
26…インサート部材 28…冷却通路
36…二重管 38…ジョイント部材
46、48、50…通路 52…流量特性曲線
54…最適冷却領域

Claims (3)

  1. 鋳造成形を行う際、冷却通路に沿って流通する冷却媒体の作用下に金型を冷却するための方法であって、
    冷却通路を螺旋状に形成し、任意の方向に前記螺旋状の冷却水路の開始点を振り分けることにより、前記任意の方向が最も冷却されるように冷却性に指向性を持たせ、且つ前記冷却通路に供給する冷却媒体の流量を、該冷却媒体が表面沸騰、飽和核沸騰、または液膜対流熱伝達の状態となるように制御することを特徴とする金型冷却方法。
  2. 請求項1記載の方法において、
    前記冷却通路は、略円柱形状のインサート部材の外周面に沿って螺旋状に形成された溝部からなることを特徴とする金型冷却方法。
  3. 請求項1または2記載の方法において、
    鋳造品は、車両用のエンジンを構成するシリンダブロックからなり、前記シリンダブロックは略対称に配置された厚肉部と薄肉部とを有し、前記任意の方向は前記厚肉部の方向であることを特徴とする金型冷却方法。
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