JP4290180B2 - 回路パターンの形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性パターン形成用溶液と絶縁性パターン形成用溶液とを基材上に吐出して回路パターンを形成する回路パターン形成方法に関するものである。
従来より、回路基板のパターン形成においてはサブトラクティブ法が一般的に用いられているが、このサブトラクティブ法は多くの工程を必要とし、製造原価に占める加工費の割合が高いという問題がある。そこで近年では、工程数が少なく、多品種・少量生産にも適した、いわゆる液体吐出法を用いることが提案されている。この液体吐出法は、パターン形成用溶液を基材に吐出することによりパターンを基材上に描画する方法であり、特許文献1などに開示されている。
特許文献1では、基材と液体吐出ヘッドを相対移動させ、その相対移動中に液滴を吐出させて配線パターンを形成する方法が開示されている。このパターン形成方法の概略について図10を参照しつつ説明する。
図10は、多層配線基板を製造する工程の断面図である。図10(a)は、液体吐出ヘッド101から基材102上に金属微粒子を含む導電パターン形成用溶液を吐出した状態を示している。ここで、104は、吐出された液滴103が基材102上に着弾したドットを示している。ドット104の着弾間隔は、ドット104同士が接触しない間隔となっている。導電パターンを形成した後、導電パターン形成用溶液の溶剤を乾燥させると、図10(b)の105に示す状態となる。溶剤が揮発して形成されたドット105は乾燥前よりも厚さが薄くなる。
次に、図10(c)に示すように、隣接するドット105の中間を狙って導電パターン形成用溶液の液滴を吐出し、ドット106を形成する。その後、上記と同様に乾燥を行って溶剤を揮発させると、図10(d)に示すように全てのドットが連結されたパターン107が形成される。さらに、導電パターンを所望の厚さに形成するために、上記の吐出と乾燥を繰り返すことにより、図10(e)に示すような一層目の導電パターン108が形成される。
次に、既に形成されている導電パターンの上に、導電パターン形成用溶液を吐出することによって2層目との導通を図る層間導通ポスト109を形成する(図10(f)参照)。この後、加熱処理を行うことにより、層間導通ポスト9の金属微粒子を電気的に接触させ、パターン108と層間導通ポスト109とが一体化する(図10(g)参照)。
次に、図10(h)に示すように、層間絶縁膜を形成するための溶液110を、層間導通ポスト109が僅かに突出する高さまで重ねて塗布する。その後、加熱処理にて溶剤の除去と絶縁材の硬化を行うと図10Iに示すように溶液110の膜厚は約半分となる。ここで、再び絶縁パターン形成用溶液の塗布を行い(図10(j)参照)、その後、加熱処理を行うと図10(k)に示すように概ね平坦な絶縁膜となる。
2層目を形成する際は、図10(k)に示す1層目の上に、上述したパターン形成手順を繰り返し行うことにより、多層回路が形成される。
特開2003−309369号公報
上記のように、液体吐出ヘッドを用いて回路を形成して行く液体吐出方式の回路形成方法においては、比較的工程数が少なく、安価に回路基板を構成することができる。しかし、液体吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出する場合、主滴の吐出に伴ってサテライトと呼称される小さな液滴が同時に吐出され、これが形成される回路に不具合を発生させるという課題がある。
以下に液体吐出ヘッドによる液滴の吐出過程および主滴とサテライトの発生状況と共に、上記課題について詳しく説明する。
図11は、液体吐出ヘッドにおいて導電パターン形成用溶液および絶縁パターン形成用溶液などの回路形成用溶液(以下、単に溶液と称す)を吐出する過程を示した断面図である。各図において、斜線で示した部分は前記溶液を表している。図11(a)に示すように、回路形成用溶液は液室121から液路122を経てノズル123の開口部まで充填されている。また、124はヒータであり、シリコン基材125に形成されている。液室121に存在する溶液は、毛管力により液路122に進入する一方、液体貯留タンクなどの供給部から発生する負圧力によって液路122内の溶液を液室121へと引き戻そうとする力も働く。従って、液体吐出を行わない時には両者が釣り合った状態で静止している。このとき、ノズル123における溶液は液室121方向への負圧力により、同図のように凹面状のメニスカス126を形成している。
図11(b)〜(f)は、図11(a)の静止状態に対し、実際に液体吐出動作が行われる際の発泡、液滴の吐出、およびメニスカスの様子を示したものである。
記録動作が開始され、ヒータ124に電圧が印加されると、ヒータ124から熱エネルギーが発生し、液路122内の溶液が加熱されて膜沸騰により気泡127が発生する。この気泡127は、ヒータ124が発熱している間に膨張を続け、その膨張力によって液路122内の溶液が移動する。すなわち、ノズル123付近の溶液はメニスカス126を破って外部へと突出し、液室121に近い位置に存在する溶液は、図11(b)に示すように、液室121へ向けて移動する。
また、図11(b)に示すように、溶液がノズル123から大きく突出している状態でヒータ124への電圧印加を停止すると、気泡127は収縮し、ノズル123付近の溶液は液路122内に大きく引き込まれる。このとき、外部へと突出していた溶液は、液路122内に引き込まれる溶液と分離し、図11(b)に示すように、矢印の方向に飛翔して行く。飛翔する溶液としては、図11(c)に示すように主滴128と、これに続く小さな液滴であるサテライト129とがあり、これらが基材上に着弾する。
消泡後、毛管力によって液路122内に引き込まれたメニスカス126が、再びノズル123方向に移動し、液路122内に溶液が再充填される(図11(d)参照)。この再充填において、溶液のメニスカスは、図11(c)に示す状態から図11(d)に示す状態を経て初期状態であるノズル付近の位置まで移動して来ても、そのときの慣性によってすぐには停止せず、ノズル123より少し外側へ張り出す(図11(e)参照)。
この後、ある程度張り出したところで、溶液の表面張力と液体貯留タンク内の負圧によって再びノズル123内へ引っ張られる。これにより溶液は振動し、その振動は徐々に減衰していき、最終的に静止状態へ戻る(図11(f)参照)。
1回の記録動作において、主滴128は1滴のみ吐出されるが、サテライト129は1滴もしくは複数滴吐出される。また、サテライト129の大きさや主滴128との距離間隔はノズル123毎に異なり、さらに、同一ノズルからの吐出においても動作毎に差が生じることが知られている。
そして、前述の回路パターン形成方法においては、このサテライトに起因する回路動作に不具合が発生する可能性がある。以下、このサテライトの発生状態を図12A〜図12Cを参照して詳細に説明する。
まず、走査中の液体吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出した際の主滴とサテライトの着弾位置関係について図12を参照して説明する。図12(a),(b)は、液体吐出ヘッドと基材とを相対的に移動させながら液滴を吐出してパターンを描画する過程を示す模式図である。図12(c)は1回の吐出動作によって基材上に形成された液滴形状を示している。なお、図12における相対移動(走査)は、基材132を固定し、液体吐出ヘッド131を図中左から右方向へ移動させることにより行うものとする。
液体吐出ヘッド131を走査中にノズル133から液滴134を吐出すると、液体吐出ヘッド131は右方向へ移動しているため、図12(a)に示すように、主滴134は、吐出位置より右下方向へと飛翔する。そして、図12(b)に示すように、主滴134の吐出に伴い1個または複数個のサテライト135が形成される。このサテライト135も主滴134と同じく右下方向へ飛翔する。サテライト135は、主滴134よりも遅れて形成されるため、図12(c)に示すように基材132上への着弾位置は、主滴134よりも若干右側(走査方向側)へずれた位置となる。逆に走査方向を左向きにした場合は、サテライト135は主滴134よりも左側に着弾する(図示せず)。また、主滴134とサテライト135の着弾位置間の距離Dは、ヘッド走査速度、各液滴の吐出速度、各液滴の体積、液滴の成分、ノズルから基材までの距離などによって変化する。
続いて、液滴を連続的に吐出してパターンを描画する過程について説明する。
図13はパターン描画過程を説明する平面図であり、図13(a)および(b)は断面図であり、(c)は平面図である。また、液体吐出ヘッドは左から右方向へ走査させるものとする。
図13(a)は基材132上にパターン140を描画した状態を示しており、液滴吐出時に形成されたサテライト141がパターン140の近傍に着弾している。図13(b)はパターンを厚くするために、再度同じ位置に描画した状態を示している。このときも同様にサテライト142は形成されるが、前述したように主滴とサテライトの着弾位置間の距離は吐出動作毎に異なることが多いため、後の走査で着弾したサテライト142は、先に着弾したサテライト141上には着弾しないことが多い。パターン厚が所望の厚さになるまで描画を繰り返すと、図13(c)の平面図で示したように、サテライトの着弾状態によっては、図中に枠で囲った箇所143のようにサテライト同士が接触することがある。この場合、2本のパターンが短絡することがあり、その結果、回路動作に不具合が生じることがある。
本発明は、上記従来技術の問題点に着目してなされたものであり、導電パターン形成時に生じるサテライトにより、回路内に不本意な短絡が生じるのを低減でき、信頼性の高い回路基板を形成することが可能な回路形成方法の提供を目的とする。
上記従来技術の課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
すなわち、本発明の第1の形態は、導電パターンを形成するための第1の溶液を吐出する第1のヘッド及び絶縁パターンを形成するための第2の溶液を吐出する第2のヘッドと、基材と、をそれぞれ相対的に走査させながら、前記第1の溶液及び前記第2の溶液を吐出させ、前記基材に導電パターン及び絶縁パターンを有する回路パターンを形成する方法であって、前記導電パターンとしては1層となるものを複数の層に分割し、前記第1のヘッド走査回数を決定する工程と、前記絶縁パターンとしては1層となるものを複数の層に分割し、前記第2のヘッド走査回数を決定する工程と、前記第1のヘッド及び前記第2のヘッド走査回数を決定する工程の後に、前記第1のヘッドを1回走査させた際に主滴に付随して発生するサテライトの量を予め確認しておき、該導電サテライトの量から、前記第1ヘッドを連続して走査させた際に発生する導電サテライト同士が結合して短絡が起こらない回数の情報を得る工程と、前記基材上で隣接する前記導電パターンと前記絶縁パターンとを形成する際に、前記分割した導電パターンの形成工程の間に、前記分割した絶縁パターン層の少なくとも1層を形成する工程が入るよう、前記分割した導電パターンの層と前記分割した絶縁パターンの層とのそれぞれにおいて、連続して形成する層の数を、前記導電サテライトの前記情報を用いて決定する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、導電パターン形成用溶液と絶縁パターン形成用溶液とを基材上に吐出して回路パターンを形成する際に、導電パターンの吐出に伴って発生したサテライトが絶縁パターンに着弾した場合、そのサテライトを絶縁パターン形成用溶液によって覆う。このため、導電パターン内に不本意な短絡が生じるのを大幅に軽減することができる。その結果、信頼性の高い回路形成が可能となり、回路基板製造の歩留まりを向上させることが可能になる。
以下、本発明の実施形態を下記の順序に従って説明する。
1.回路パターン形成装置の外観構成および制御系の説明
2.回路パターン形成に使用される材料についての説明
3.回路パターン形成方法についての説明
[1.回路パターン形成装置の外観構成および制御系の構成]
まず、本発明の実施形態として、基材上に絶縁パターンと導電パターンとからなる回路パターンを形成するために使用される回路パターン形成装置の外観構成を説明する。
図1は、本実施形態における回路パターン形成装置の外観構成を概略的に示す斜視図である。
ここに示す回路パターン形成装置は、走査方向(X方向)に沿って往復移動するキャリッジ109と、回路パターンを形成するための基材1が搭載されるステージ103などを有している。このキャリッジには、基材1上に絶縁パターン形成用溶液を吐出する液体吐出ヘッド2と、導電パターン形成用溶液を噴射するための液体吐出ヘッド3とが、X方向に並んで配置されている。さらに、両液体吐出ヘッド2、3に絶縁パターン形成用溶液と導電パターン形成用溶液をそれぞれ供給するための2つのタンク(不図示)と、がキャリッジに搭載されている。各液体吐出ヘッドには、それぞれタンクから供給される液体を吐出するための多数のノズルが、走査方向(X方向)と交わる方向に、配置され、これらのノズルによってノズル列が構成されている。このノズル列は、走査方向と直交するY方向にのびているのが良い。また、各ヘッドに複数のノズル列が配置されていてもよい。
基材と上述の両液体吐出ヘッド2,3を基材に対して繰り返し走査させながら、基材に導電パターン用の溶液と絶縁パターン用の溶液と、を吐出して回路パターンを形成する。 以上の説明においては、基材に対して液体吐出ヘッドを動かしていたが、液体吐出ヘッドを固定して、基材を動かす方式でも同様に本発明の効果を得られる。
また、キャリッジ109を往走査および復走査させる動力源としてCRリニアモータ(キャリッジリニアモータ)101が設けられている。また、基材1をY方向へと移動させる基材移動手段として、前記ステージ103とこれを移動させるLFリニアモータ(ラインフィードリニアモータ)102とが設けられている。LFリニアモータ102は定盤108に確固に固定されており、ステージ103が移動しても、基材1を載せるステージ103の上面を、定盤108の上面に対して常に平行に保ち得るようになっている。一方、CRリニアモータ101は、定盤108の上に立設された高い剛性を有するベース104および105に固定されている。
また、キャリッジ109は、定盤面の上面、すなわちステージ表面に対し、主走査方向(X方向)に沿って往復移動する。CRリニアモータ101およびLFリニアモータ102にはそれぞれリニアエンコーダ111、112および原点センサ106、107が内蔵されている。リニアエンコーダ111、112および原点センサ106、107の出力は、各リニアモータの駆動時のサーボ制御入力として利用される。さらに、キャリッジ側のリニアエンコーダ111は溶液の吐出タイミングの生成にも利用される。エンコーダの分解能は0.5μmと高精度であるため、数10μm幅の回路パターンを形成するには充分である。
また、ここでは特に図示しないが、この回路パターン形成装置には、ステージ103の上面と直交する方向(Z方向)へとキャリッジを微小に昇降させる昇降機構が設けられている。この昇降機構によって基材上面または基材上に形成された回路パターンとの間隔を調整することができる。
さらに、本実施形態における回路パターン形成装置には、ホスト装置として不図示のパーソナルコンピュータが接続されている。このパーソナルコンピュータから送られた図形情報(回路パターン形成情報)に基づいて、回路パターン形成装置は、ステージ103をLFモータ102によって所定の位置に移動させる一方、キャリッジ109をCRリニアモータ101で走査させながら、基材上の所定位置にヘッドから導電パターン形成用溶液または絶縁パターン形成用溶液を吐出させ、導電パターンまたは絶縁パターンを形成する。この際、液体吐出ヘッドのノズルのX方向における配列幅が基材1のX方向における幅より狭い場合には、液体吐出ヘッドの第1回目の走査による描画が終了した時点で、リニアモータ102によって基材1をノズルの配列幅分だけY方向へと移動させ、再び、液体吐出ヘッドを走査させて描画を行う。この液体吐出ヘッドによる走査(描画)と基材1の移動とを繰り返すことにより、基材1の回路パターン形成領域全体に所定の導電パターンまたは絶縁パターンを一層分形成することができる。勿論、形成すべき回路パターンの形成領域の幅が、液体吐出ヘッドより狭い場合には、液体吐出ヘッドの第1回目の走査によって回路パターン形成領域全体に一層分の描画を行うことができる。そして、この回路パターン形成領域全体に対し、再びパターン形成動作を繰り返し行うことにより、回路パターン形成領域全体に所定の厚さの導体パターンまたは絶縁パターンを形成することができる。なお、この所定の厚さを得るための描画動作の詳細については、後に、[3.パターン形成方法についての説明]の項で詳述する。
なお、回路パターン形成装置によって基材上に回路パターンを形成し、回路基板として完成させるためには、基材1上に描画された各溶液中の溶剤を揮発させて回路パターンを基材上に定着させる定着工程が必要である。そこで、回路パターン形成装置とは別に乾燥機が必要である。
次に、本実施形態の回路パターン形成装置の制御系について説明する。
図2は、本実施形態の回路パターン形成装置における制御系の全体構成を概略的に示すブロック図である。機構部46は、液体吐出ヘッド2および3を搭載したキャリッジ109を主走査方向に移動させるためのCRリニアモータ101、基材1を搭載したステージ103を搬送するLFリニアモータ102などを備えている。
主制御部44は、液体吐出ヘッドおよび機構部46等をはじめとする本実施形態における回路パターン形成装置全体を制御する中枢部分である。この主制御部44は、CPUおよび動作プログラムなどを格納してなるROM、種々のデータの書き込みおよび読み出しを可能とする作業用RAMなどを備えている。
主制御部44は、機構部46に対し制御信号を出力してキャリッジ109の移動やステージ103の移動などの機構制御を行うと共に、ヘッド制御部42、メモリ制御部50および描画位置信号発生部41などとの間でも信号の授受を行い、液体吐出ヘッド2の駆動を制御する。I/F部47は、不図示のパソコンと回路パターン形成装置とのインターフェース部分である。このI/F部47は、パーソナルコンピュータなどのホスト装置からコマンドおよび回路パターンの描画データ(回路パターン形成データ)の受信を行う。メモリ制御部50は、I/F部47から入力されたコマンドを主制御部44に転送すると共に、主制御部44の制御の下で、描画データをバッファメモリ45に書き込むようアドレス信号と書き込みタイミング信号を生成する。
さらに、主制御部44は、I/F部47から入力されたコマンドを解析し、その解析結果により描画速度や描画解像度などの描画条件を設定する。そして、主制御部44は、その描画条件に基づき機構部46および描画位置信号発生部41を制御して、所定の条件で描画を実行させる。
また、不図示のパソコンから受信した描画データは、一時メモリであるバッファメモリ45に記憶された後、主制御部44から指令を受けたメモリ制御部50の制御により、ヘッド制御部42に転送される。
ヘッド制御部42は、描画位置信号発生部41から出力される描画位置信号に同期して、バッファメモリ45から転送された描画データに従い、液体吐出ヘッドの各ノズルを駆動し、描画を行う。
[2.回路パターン形成用溶液についての説明]
(2−1.基材)
本実施形態に使用される基材1は、基本的には、形状的にはフィルム状、シート状あるいは板状などの平面形状を有するものである。回路パターン層を形成する際、溶剤を揮発させて定着を促進するため、耐熱性にすぐれたものが特に好ましい。また、平面形状でなくても、液体吐出方式による回路パターンの形成が可能であれば曲面形状をなすものでも良い。材質的には、ポリエステルフィルムや芳香族ポリアミドフイルム、ポリイミドフイルムのような熱可塑性樹脂フィルム、あるいは、ガラス繊維やポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維による織物や不織布に熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂を含浸硬化させてシート状としたもの、または、通常の回路基板に用いられるガラスエポキシ積層板のような板状のものなどを挙げることができる。
[2−2.パターン形成用溶液]
導電パターン形成用溶液としては導電性の面からAl、Ag、SnOなどの金属微粒子を含むものが一般的である。金属微粒子の粒子直径は回路パターンの均一性や安定性等の観点から、数10〜数100nmの範囲のものが好適に用いられる。また、同溶液には、水または、水に水溶性有機溶剤及びその他の成分、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤等が必要に応じて含まれて構成される。
絶縁パターン形成用溶液としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの絶縁性微粒子を含むものが好適に用いられる。しかし、最終的に絶縁性を発現するものであれば特に限定するものではない。また、液媒体として水を含むが、更に、水溶性有機溶剤及びその他の添加剤、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、各種界面活性剤、酸化防止剤及び蒸発促進剤を適宜配合してもかまわない。
また、上記した溶液にてパターンを描画した後に、溶媒を揮発させるために乾燥を行う。さらに、全てのパターンの描画および乾燥後に、焼成することにより金属微粒子が金属結合して導電性の良い回路基板を形成することができる。
[3.回路パターン形成方法についての説明]
(第1の実施形態)
次に、本発明にかかる回路パターン形成方法の第1の実施形態を図3および図4に基づき説明する。なお、図3はこの第1の実施形態におけるパターン形成工程を示すフローチャートである。また、図4は基材上に導電および絶縁パターンを描画する過程を説明するための模式図であり、図中、(a)〜(e)はパターンを描画した後に乾燥させて溶媒が揮発した状態を示し、(f)は焼成して回路パターンが完成した状態を示している。
本実形態においては、図4に示すように回路パターンとしては1層となるものを(図4(f)参照)、描画工程では、図4(e)に示すような4層に分割して形成する。すなわち、ヘッドの1走査にあたる描画回数1回によって、分割して形成すべき4層の中の1層が形成される。従って、回路パターンの1層に相当する4層を全て形成するためには描画を4回行うことになる。
図3のステップS1では、パターン形成用溶液を同じ位置へ繰り返し描画することにより、所望厚さのパターンを形成するための描画回数を決定する。また、導電パターン形成用溶液を繰り返し描画する描画回数と、絶縁パターン形成用溶液を繰り返し描画する描画回数は同じ回数とする。
ステップS2では、図4(a)に示すように、液体吐出ヘッドを、基材上の導電パターン形成領域全体に対して1回走査させながら、基材10上に導電パターン形成用溶液を吐出して導電パターン11を描画し、乾燥させる。ヘッド走査方向が図4において右方向の時に描画を行うため、導電パターン11の右側にサテライト12が着弾している。
次に、ステップS3では、図4(b)に示すように、導電パターン11が描画されていない箇所に対して、絶縁パターン形成用溶液を吐出して絶縁パターン13を描画して乾燥させる。この絶縁パターン13を描画することにより、先に着弾していた導電パターン形成用溶液のサテライト12が覆われる。なお、この絶縁パターン描画時にも導電パターン描画時と同様に、絶縁パターン形成用溶液のサテライトが着弾するが、このサテライトによって回路動作上に不具合が生じることはないため、図示を省略する。
次に、ステップS4にてパターンの描画回数が所定数に達したか否かを判定し、まだ所定回数に達していない際にはステップS2へ戻り、ステップS2およびS3の処理を繰り返す。現段階においては、描画を4回行ううちの1回しか終えていないため、それ以降の処理について以下に説明する。
ステップS2へ戻り、2回目の導電パターンを描画および乾燥させた状態を図4Cに示す。1回目に描画した導電パターン11上に重ねて描画するが、その際に形成されたサテライト14は、1回目の描画時に着弾したサテライト12上ではなく、先のステップS3で描画した絶縁パターン13上に着弾する。そして、図4(d)に示すように、再度ステップS3にて2回目の絶縁パターンを1回目と同様に描画および乾燥させる。
そして、図4(e)に示すように、ステップS2およびS3の描画回数が所定回数である合計4回に達すると、ステップS4で全パターン描画完了と判定されてパターン描画を終了する。
最後に、別途用意されたベーク装置により焼成することにより、導電パターン形成用溶液中の導電性微粒子として使用している金属微粒子が金属結合となり、図4(f)に示すような回路基板を形成することができる。絶縁パターン16内には導電性のサテライト17が混在している。しかしながら、導電パターンの描画と絶縁パターンの描画を交互に行ったことにより、各サテライトは絶縁パターン形成用溶液に覆われる。このため、各サテライトは互いに接触することはなく、導電パターン15同士に不本意な短絡が発生することのない良好な回路パターンが形成される。
なお、完成した回路基板の導電パターン15と絶縁パターン16とは平坦であることが望ましい。そのためには、導電パターンおよび絶縁パターンを各1回ずつ描画して焼成した際に形成される各パターン厚が、同じ厚さになるようにパターン形成用溶液を選択する必要がある。実際には、導電率および許容電流の観点から導電パターン厚を所望厚とすることが優先されるため、絶縁パターン形成用溶液に使用する絶縁性微粒子の収縮率は、導電パターン形成に用いた金属微粒子の収縮率と略同一であることが望ましい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
上記第1の実施形態では、絶縁パターンの描画と、導電パターンの描画とを、1走査毎に交互に行った場合を示した。第2の実施形態では、サテライトによるショートが問題にならない程度に、導電パターンによる描画を積層方向へと連続的に行う例を示す。
図5は、この第2の実施形態における回路パターン形成方法の描画手順を示すフローチャートである。また、図6は基材上に導電および絶縁パターンを描画する過程を説明するための模式図である。ここで、図6(a)〜(e)はパターンを描画した後に乾燥させ溶媒が揮発した状態を示し、図6(f)は焼成して回路パターンが完成した状態を示している。
図5のステップS11では、所望の厚さのパターンを形成するために、ヘッドを走査させながら導電パターンを繰り返し重ねて描画する描画回数を決定する。所望のパターン厚は、導電率および許容電流の観点から適正な厚さとなるように決定する。本実施形態においては、所望の厚さの導電パターンを4層に分割して4回のヘッド走査で、4回描画するものとして説明する。
ステップS12では、ステップ1で決めた描画回数(走査回数)の中で、導電および絶縁パターンを連続して描画する回数を決定する。導電パターンの連続描画層の回数の決定方法は、導電パターンを1回描画した際に発生するサテライトの量を予め確認しておき、連続して描画する際に、各描画において発生したサテライト同士が結合してパターン短絡が起こらない回数とする。サテライトの発生量は、前述のように諸条件により変化するため、多少、多く発生しても短絡し得ない回数であることが重要である。なお、本実施形態においては導電パターンを2回連続して描画することとして説明する。
次に、分割された絶縁パターン層のうちの何層を連続して描画するか、回数を決定する。最終的に形成される導電パターンと絶縁パターンとは段差のない平坦な状態となることが望ましい。このため、導電パターンを2回連続描画して焼成した後の導電パターンの厚さと、焼成後の絶縁パターンの厚さとが略同一となるように絶縁パターンを描画する必要がある。例えば、収縮率が金属微粒子と略同一である絶縁性微粒子を使用した場合において、液滴1滴に含有される絶縁性微粒子の量が金属微粒子量の2倍となっている絶縁パターン形成用溶液を用いたとする。このとき、1回の絶縁パターン描画によって形成された絶縁パターンの厚さは、2回連続描画して形成して得られる導電パターンの厚さと同等となる。また逆に、液滴1滴内に含まれる絶縁性微粒子の量が金属微粒子量よりも少ない場合には、複数回の描画が必要になる。なお、本実施形態では、両微粒子の凝集率が略同一で、液滴1滴内の両微粒子の量も略同一である各溶液を使用し、絶縁パターン連続描画回数を導電パターン連続回数と同数の2回として説明する。但し、本発明は、これに限定されるものではない。
ステップS13では、ステップS12で決定した回数分、導電パターンを連続して描画する。図6(a)は、2回連続して導電パターンを描画するうちの、分割された1層目(1回目)を描画した状態を示している。基材20上に導電パターン21が描画されているが、液体吐出ヘッドの走査方向が右方向であるため、導電パターン21の右側にサテライト22が着弾している。
次に、分割された層の2層目(2回目)の導電パターンの描画および乾燥を行った状態を図6(b)に示す。1回目に描画した導電パターン21に重なって2回目の導電パターンが描画されている。その際に形成されたサテライト23は、基材20上に着弾しているが、既に述べた理由により1回目の描画時に着弾したサテライト22には重ならないことが多い。
次に、ステップS14にて、導電パターン21が描画されていない箇所に対して、絶縁パターンを同様に、分割された層の2層分(2回連続して)描画する。図6(c)は、分割された絶縁パターンの描画を2層分(2回)行って乾燥させた状態を示している。先に着弾していたサテライト22および23は、今回描画した絶縁パターン24によって完全に覆われている。
次に、ステップS15にてパターンの描画回数が所定数に達したか否かを判定し、まだ所定回数に達していない場合にはステップS13へ戻り、ステップS13およびS14の処理を繰り返す。現段階においては、導電パターンを4回描画するうちの2回しか描画を行っていないため、それ以降の処理について以下に説明する。
ステップ15からステップS13へと戻り、分割された導電パターンの3層目と4層目(3回目および4回目)を2回連続して描画した後、それらを乾燥させた状態を図6Dに示す。既に描画されている導電パターン21と同じ位置に重ねて描画するが、その際に形成されたサテライト25は、先のステップS14で描画した絶縁パターン24上に着弾する。そして、図6(e)に示すように、絶縁パターンを上記と同様に2回連続して描画し、乾燥させる。
そして、導電パターン描画回数が、予め設定した所定の描画回数(合計4回)に達すると、ステップS15で全パターン描画完了と判定されてパターン描画を終了する。
最後にベーク装置によって焼成することにより、図6(f)に示すような回路基板を形成することができる。図示のように、導電パターン26の右側の絶縁パターン27内には2回連続して描画した際に発生した複数のサテライト28が近接位置に存在する箇所が2箇所ある。しかし、何れも導電パターン26同士を短絡させるほどの量はないため、良好な回路パターンを形成することができる。しかも本実施形態では、この2回の走査を連続して行い、その後に乾燥を行うため、第1の実施形態のように各描画毎に乾燥を行う場合に比べて、短時間で回路基板を完成させることができる。
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態における回路パターン形成方法の描画手順を示すフローチャートである。また、図8は導電および絶縁パターンを描画する過程を説明するための模式図である。ここで、図8(a)〜(b)はパターンを描画した後に乾燥させ溶剤が揮発した状態を示し、図8Hは焼成して回路パターンが完成した状態を示している。
この第3の実施形態は、絶縁性の基材上に回路パターンを1層形成する場合のみならず、導電性の基材上に回路パターンを形成する場合にも適用可能である。さらに、既に形成されている回路パターンの上に別のパターンを形成する、いわゆる多層基材を形成する場合にも適用可能である。ここでは、多層基材における2層目の回路パターンを形成する場合を例に採り説明する。
以下に説明する2層目の回路パターンP2は、図8(a)に示すように、基材50上に形成された導電パターン51および絶縁パターン52から成る1層目の回路パターンP1上に形成するものとする。なお、図6(a)に示す1層目の回路パターンP1は、本発明の方法で形成した回路に限定されず、どのような方法で形成された回路であっても差し支えない。
本実施の形態においては、図8(g)に示すように、回路パターンとしての2層目のパターン(P2)において、導電パターンを4層に分割して4回で形成し、絶縁パターンを5層に分割して5回で形成する例を示す。
この実施形態では、2層目の回路パターンを所望の厚さに形成するために、パターン形成用溶液を同じ位置へ繰り返し描画する回数(分割する層の数)を決定する。すなわち、ステップS21では、まず分割する層の数(導電パターンの描画回数)を決定する。ここでは導電パターンの層を4層に分割し、導電パターンを4回描画することにより所望パターン厚が得られるものとして説明する。続くステップS22では、絶縁パターンを分割する層の数(描画回数)を決定する。この絶縁パターンの描画回数は、ステップS21で決定した導電パターンの描画回数よりも1回多い回数とする。このため、本実施形態の絶縁パターン描画回数は5回となる。
ステップS23では、図8(a)に示した1層目の回路パターンP1の上に、導電パターンの描画に先立って、図8(b)に示したように分割された絶縁パターン31を1層(1回)描画して乾燥させる。次に、ステップS24では、図8(c)に示すように分割された導電パターン32を1層(1回)描画し、乾燥させる。ヘッド走査方向が右側であるため、導電パターン32の右側にサテライト33が着弾している。続くステップS25では、図8(d)のように再び分割された絶縁パターンを1層(1回)描画および乾燥させる。この絶縁パターン34の描画により、先に着弾していたサテライト33が絶縁パターン34に覆われる。
次に、ステップS26にて、パターンの描画回数が所定回数に達したか否かを判定し、まだ所定回数に達していない場合はステップS24へ戻り、ステップS24およびS25の処理を繰り返す。現段階においては、導電パターンを4回描画するうちの1回の描画しか終えていないため、再びステップS24からステップ25の処理を繰り返す。
図8(e)は、再びステップS24にて2回目の導電パターンを描画および乾燥させた状態を示している。この導電パターンの描画において形成されたサテライト35は、1回目の描画時に着弾したサテライト33上ではなく、先に描画した絶縁パターン34上に着弾する。そして、再度ステップS25にて図8(f)で示すように絶縁パターンを描画し、乾燥させる。
この後、上記ステップS24およびS25を同様に繰り返す。そして、図6(g)に示したように、導電パターンの描画回数が所定回数である4回に達し、かつ絶縁パターンの描画回数が5回に達すると、ステップS26で全パターンの描画完了と判定されて描画処理を終了する。
最後にベーク装置によって焼成することにより、図8(h)に示すような回路基板を形成することができる。絶縁パターン37内には導電性のサテライト38が混在しているが、本実施例で形成した2層目のパターンは、導電パターンの描画よりも絶縁パターンの描画を先に行い、かつ導電パターンの描画と絶縁パターンの描画を交互に行った。このため、導電パターンの描画ごとに着弾した各サテライト38同士が結合することはなく、1層目の導電パターン51と2層目の導電パターン36が不本意に短絡することはなくなる。これにより、良好な回路パターンを形成することができる。
なお、完成した回路基板の導電パターン36と絶縁パターン37とは段差のない平坦な状態であることが望ましい。そのため、本実施例の場合には、導電パターンを4層に分割して4回、絶縁パターンを5層に分割して5回描画して焼成した際に形成される各パターン厚が同じ厚さになるように各パターン形成用溶液を選択する必要がある。実際には、導電率および許容電流の観点から導電パターン厚を所望の厚さに設定することが優先されるため、導電パターン厚に応じて絶縁パターン形成用溶液を選択することが望ましい。すなわち、絶縁パターン形成用溶液に使用する絶縁性微粒子の収縮率を導電パターン形成に用いた金属微粒子の収縮率と略同一の材料とし、液滴1滴内に含まれる絶縁性微粒子の量を金属微粒子量よりも2割程度少なくすることが望ましい。
(第4の実施形態)
上述の実施形態1においては、分割した回路パターンにおいて、1走査分の導電パターンを形成した後に、1走査分の絶縁パターンを形成した例を示した。本実施形態においては、図1に示したように、導電ヘッドと絶縁ヘッドとが隣り合って配置されている装置の形態を利用して、同じ走査において、導電パターンと絶縁パターンとを形成する例を示す。上述の実施形態と同様の部分においては説明を省略する。
図9は、基材60上に導電および絶縁パターンを描画する過程を説明するための模式図である。ここで、図9(a)〜(j)はパターンを描画した後に乾燥させて溶媒が揮発した状態を示し、図9(k)は焼成して回路パターンが完成した状態を示している。
この第4の実施形態においては、第1の実施形態と同様の回路パターンを形成する。
図9(k)に示すように回路パターンとしては1層となるものを、描画工程では、図9(j)に示すような4層に分割して形成する。すなわち、ヘッドの1走査にあたる描画回数1回によって、回路パターンを形成する4層の中の1層が形成される。従って、回路パターンの1層に相当を形成する4層を全て形成するためには描画を4回行うことになる。
まず、図9(a)に示すように、1走査目において、絶縁ヘッド2から絶縁溶液の液滴2dを吐出し、分割された回路パターンの1層目に相当する絶縁パターン61を形成する。続けて図9(b)に示すように、ヘッド3が基材60における導電パターンの形成領域を走査するとき、導電ヘッド3から導電溶液の液滴3dを吐出させて、基材60上に導電パターン62を形成する。このように、ヘッドが図において右方向へと走査する時に導体パターンの描画を行うため、導電パターン62の右側には導電液体のサテライト3sが着弾する。なお、絶縁パターン描画時にも導電パターン描画時と同様に、絶縁溶液のサテライトが着弾するが、このサテライトによって回路動作上に不具合が生じることはないため、図示を省略する。
続けて図9(c)に示すように、絶縁ヘッド2が基材上の絶縁パターンを形成する領域を走査するとき、絶縁ヘッド2から絶縁溶液の液滴2dを吐出させて、基材上に絶縁パターン63を形成する。このようにして絶縁パターン63を描画することにより、先に着弾していた導電溶液のサテライト3sが絶縁パターン63によって覆われる。同様に図9(d)、図9(e)、図9(f)に示すように導電パターン64と絶縁パターン65とを形成する。ここまでが、ヘッドの1走査によって行われる動作であり、この動作によって、回路パターンを形成する4層の中の1層が形成される。
乾燥による定着工程は基材60を暖めて随時行うものでも良いし、1走査ごとに行うものでも良い。
次に図9(g)、(h)、(i)に示す工程では、ヘッドの2走査目によって、回路パターンを形成する4層の中の2層目を形成する。ここでも、導電サテライト3sが、絶縁パターン68,70によって覆われる。
図9(j)に示すように、ヘッドの描画回数が所定回数である4回に達すると、全パターンの描画完了と判定され、パターン描画は終了する。
この後、図9(k)に示すように、別途用意されたベーク装置により焼成することにより、導電パターン形成用溶液中に導電性微粒子として含有させた金属微粒子が金属結合する。これにより、回路基材の形成は完了する。
なお、上述したいずれの実施形態でも、ヘッドの往走査方向と復走査方向のうち、一方の走査方向でのみ描画を行った例を示したが、双方向において描画を行う方式を採る場合にも、勿論、本発明は適用可能である。
本実施形態における回路パターン形成装置の外観構成を概略的に示す斜視図である。 本実施形態の回路パターン形成装置における制御系を概略的に示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態におけるパターン形成方法の描画手順を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態において基材上に導電および絶縁パターンを描画する過程を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態におけるパターン形成方法の描画手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態において基材上に導電および絶縁パターンを描画する過程を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態におけるパターン形成方法の描画手順を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態において基材上に導電および絶縁パターンを描画する過程を示す模式図である。 本発明の第4の実施形態において、基材上に導電および絶縁パターンを描画する過程を示す模式図である。 従来の多層配線基板を製造する工程を示す断面図である。 液体吐出ヘッドにおいて溶液が液滴として吐出されるまでの過程を示す断面図である。 主滴とサテライトの位置関係を示す図である。 サテライトにより回路に不具合が生じた状態を示す図である。
符号の説明
2,3 液体吐出ヘッド
10,20,50,60,102,132 基材
11,15,21,26,32,36,51,62,64,67, 導電パターン
11,14,17,22,23,25,28,33,35,38,129 サテライト
13,16,24,27,31,34,37,52,61,63,65,66,68,70 絶縁パターン
105 液滴
107 パターン
123 ノズル
124 ヒータ
125 シリコン基板
128,134 主滴
133 ノズル

Claims (7)

  1. 導電パターンを形成するための第1の溶液を吐出する第1のヘッド及び絶縁パターンを形成するための第2の溶液を吐出する第2のヘッドと、基材と、をそれぞれ相対的に走査させながら、前記第1の溶液及び前記第2の溶液を吐出させ、前記基材に導電パターン及び絶縁パターンを有する回路パターンを形成する方法であって、
    前記導電パターンとしては1層となるものを複数の層に分割し、前記第1のヘッド走査回数を決定する工程と、
    前記絶縁パターンとしては1層となるものを複数の層に分割し、前記第2のヘッド走査回数を決定する工程と、
    前記第1のヘッド及び前記第2のヘッド走査回数を決定する工程の後に、前記第1のヘッドを1回走査させた際に主滴に付随して発生するサテライトの量を予め確認しておき、該導電サテライトの量から、前記第1ヘッドを連続して走査させた際に発生する導電サテライト同士が結合して短絡が起こらない回数の情報を得る工程と、
    前記基材上で隣接する前記導電パターンと前記絶縁パターンとを形成する際に、前記分割した導電パターンの形成工程の間に、前記分割した絶縁パターン層の少なくとも1層を形成する工程が入るよう、前記分割した導電パターンの層と前記分割した絶縁パターンの層とのそれぞれにおいて、連続して形成する層の数を、前記導電サテライトの前記情報を用いて決定する工程と、
    を有することを特徴とする回路パターン形成方法。
  2. 前記基材上で隣接する前記導電パターンと前記絶縁パターンとを形成する際に、同一の走査において、前記導電パターン形成工程と前記絶縁パターン形成工程とを行い、該走査を、回路パターンが所定の厚さになるまで複数回繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の回路パターン形成方法。
  3. 前記走査毎に、前記基材に付与された溶液を前記基材に定着させる工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の回路パターン形成方法。
  4. 前記導電サテライトの情報は、前記導電サテライトの量または前記サテライトの着弾位置の情報であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の回路パターン形成方法。
  5. 前記分割した導電パターンの層と、前記分割した絶縁パターンの層のそれぞれにおいて、連続して形成する層の数は、前記基材上に形成される前記導電パターン及び前記絶縁パターンの層の高さ情報も用いることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の回路パターン形成方法。
  6. 前記基材上で隣接する前記導電パターンと前記絶縁パターンの形成において、前記導電パターンを形成する際に前記基材に着弾する前記第1の溶液の主滴に対して、前記導電サテライトが着弾する方向の近傍に、前記絶縁パターンを介して、別の前記導電パターンが形成されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の回路パターン形成方法。
  7. 前記サテライトが発生する方向は、前記第1のヘッドが前記基材に対して相対的に走査される方向であることを特徴とする請求項6に記載の回路パターン形成方法。
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