JP4289334B2 - 超臨界水による重質油の処理方法と処理装置及び重質油処理装置を備えた発電システム - Google Patents

超臨界水による重質油の処理方法と処理装置及び重質油処理装置を備えた発電システム Download PDF

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本発明は重質油を超臨界水あるいは亜臨界水により処理して改質し軽質化する重質油処理方法及び処理装置に係り、特に重質油改質時に重質油に含まれるバナジウムを除去する方法及び装置に関する。本発明はまた重質油をガスタービン燃料として使用する発電システムに関する。
火力発電などに用いられるガスタービン発電設備では、従来、LNGなどのガス燃料,軽油,灯油などの軽質油が燃料として使用されてきた。重質油燃料を使用するガスタービンでは、重質油中のバナジウムがタービンの高温腐食を招くことから敬遠され、軽質油燃料を用いるものが実用機の大半を占めている。重質油を用いるガスタービンシステムにおいて、マグネシウムを添加剤として燃料に混入し、高融点のマグネシウム−バナジウム複合酸化物を生成させてタービン内でバナジウムを固体化する方法がある(例えば、西嶋,「重質油燃焼ガスタービン」,日本ガスタービン学会誌,11−43,1983)。しかし、この方法では灰と称される高融点のマグネシウム−バナジウム複合酸化物がタービン翼に付着し、翼清掃のために運転を中断しなければならないという問題がある。重質油をガスタービン用燃料に改質し、その際にバナジウムを除去できれば、燃料費の安い経済的なガスタービン運転が可能になる。重質油を改質しガスタービン用燃料とすることを目的とした技術には、超臨界水により重質油の炭化水素を分解,軽質化して可燃性ガスを生成する方法がある。重質油中の硫黄成分を除去するために、重質油と超臨界水とアルカリを反応させる方法も知られている。特開平6−279763号公報,特開平10−310780号公報,特開平11−80750号公報,特開平11−166183号公報,特開平11−246876号公報,特開2000−109850号公報,特開2000−109851号公報,特開2001−50010号公報には、前述の重質油を超臨界水あるいは亜臨界水で改質処理する方法について記載されている。
特開平6−279763号公報 特開平10−310780号公報 特開平11−80750号公報 特開平11−166183号公報 特開平11−246876号公報 特開2000−109850号公報 特開2000−109851号公報 特開2001−50010号公報 西嶋,「重質油燃焼ガスタービン」,日本ガスタービン学会誌, 11−43,1983
前掲の従来技術には、重質油に含まれるバナジウムの処理に関して記載されていない。重質油をガスタービン燃焼器へ導入する前に重質油中からバナジウムを除去することができれば、タービン内でバナジウムを固体化する必要は無くなり、タービン翼清掃のために運転を停止する必要も無くなる。
重質油を超臨界水あるいは亜臨界水で処理して改質する際に、該重質油に含まれるバナジウムを油中から遊離できるようにした重質油処理方法並びに処理装置を提供することが望まれる。また、前記重質油処理装置を備えることによりガスタービン燃料中へのマグネシウムの添加を不要にし、もってガスタービン翼に付着した灰を除去するための翼清掃を不要にした発電システムを提供することが望まれる。
本発明の目的は、重質油を亜臨界水で処理して改質する際に、該重質油に含まれるバナジウムを油中から遊離できるようにした重質油処理方法を提供することにある。
本発明は、バナジウムを含む重質油を亜臨界状態の水と反応させてバナジウムを酸化し、酸化したバナジウムを化学吸着によって捕捉して除去することを特徴とする。

本発明によると、重質油を亜臨界水で処理して改質する際に、該重質油に含まれるバナジウムを油中から遊離することができる。
本発明の実施形態では、バナジウムを含む重質油と水と酸化剤を混合し、前記水が超臨界状態又は亜臨界状態となる条件で反応させて、これにより重質油を改質し更にバナジウムを酸化することにある。酸化剤とバナジウムとが反応することによって生成したバナジウム酸化物は、その後バナジウム酸化物捕捉剤により除去する。重質油と水及び酸素を反応させる条件は、350℃〜600℃の温度,20MPa〜50MPaの圧力の範囲が望ましい。反応時間は10秒ないし1時間、水と油の比率は容量で水0.1 対油1ないし水4対油1の範囲がよい。酸化剤の量は重質油に含まれるバナジウムを酸化しV25にするのに必要十分な量であり、特に対バナジウムモル比で1.0 以上、対燃料重量比で10%以下とすることが望ましい。
酸化剤には、酸素,空気,過酸化水素水,硝酸及び硝酸塩からなるグループから選ばれた少なくとも1種を用いることが望ましい。また、バナジウム酸化物捕捉剤には、鉄または鉄化合物,カルシウムまたはカルシウム化合物,活性炭,固体炭素化合物,アルミニウム酸化物及び珪素酸化物からなるグループから選ばれた少なくとも1種を用いることが望ましい。
酸化剤は、超臨界状態又は亜臨界状態になっている高温高圧水に添加しても良いし、あるいは超臨界状態あるいは亜臨界状態に達していない水に酸化剤に添加し、その後加熱加圧して超臨界状態あるいは亜臨界状態にしてもよい。
本発明の重質油処理方法は、超臨界状態あるいは亜臨界状態の高温高圧水に酸化剤を添加する工程,該酸化剤を含む高温高圧水とバナジウム含有重質油とを混合して該重質油の改質と該酸化剤によるバナジウムの酸化を行う工程,該酸化剤によりバナジウムが酸化されることにより生成したバナジウム酸化物を含む改質油をバナジウム酸化物捕捉剤と接触させて該改質油中から該バナジウム酸化物を除去する工程を含むことができる。
また、水に酸化剤を添加する工程,該酸化剤を含む水とバナジウム含有重質油とを混合する工程,該酸化剤と該水と該重質油との混合物を該水が超臨界状態又は亜臨界状態となる条件になるように加熱加圧して該重質油の改質及びバナジウムの酸化を行う工程,該酸化剤によってバナジウムが酸化されることにより生成したバナジウム酸化物を含む改質油をバナジウム酸化物捕捉剤に接触させて該改質油中から該バナジウム酸化物を除去する工程を含むことができる。
本発明の重質油処理装置の実施形態では、重質油を超臨界状態あるいは亜臨界状態の高温高圧水と反応させて改質し改質油を生成する反応器を備えた重質油処理装置において、前記反応器へ酸化剤を供給する酸化剤供給部を備え、更に該反応器から取り出された前記改質油をバナジウム酸化物捕捉剤と接触させて該改質油に含まれるバナジウム酸化物を除去するバナジウム酸化物捕捉器を備える。
本発明の処理装置はまた、重質油を超臨界状態あるいは亜臨界状態の水と反応させて該重質油を改質する反応器,該反応器へ超臨界状態あるいは亜臨界状態の水を供給する水供給管,該反応器へ重質油を供給する重質油供給管,前記水供給管内を流れる超臨界状態あるいは亜臨界状態の水に酸化剤を添加する酸化剤添加装置,該反応器から取り出された処理物をバナジウム酸化物捕捉剤に接触させて該処理物に含まれるバナジウム酸化物を除去するバナジウム酸化物捕捉器を含むことができる。
本発明の処理装置の実施形態において、反応器を複数個備えて多管型にし、複数個の該反応器から取り出された処理物をバナジウム酸化物捕捉器に導入してバナジウム酸化物を処理することは、処理の効率を高めるうえで望ましい。このように構成したものを更に複数個備えるのがよい。
本発明の実施形態では、前述の構成を具備する重質油処理装置を燃料供給系統の一部に有し、該重質油処理装置を通して改質された燃料を燃焼器において燃焼し、発生した燃焼ガスをガスタービンに供給して駆動し、該ガスタービンに接続した発電機で発電することを特徴とする発電システムにある。
また、この発電システムにおいて、前記ガスタービンの排ガスより熱を回収し水を昇温する排熱回収ボイラと、該排熱回収ボイラで発生した高温高圧水あるいは蒸気の一部を前記重質油処理装置の前記反応器へ供給する配管を有する発電システムにある。
本発明の実施形態では、超臨界水あるいは亜臨界水の有機物溶媒としての働きと加水分解剤としての働きを利用し、重質油中の除去対象物質を、重質油中の環状炭化水素分子あるいはポルフィリン構造中より脱離させることにある。このとき、バナジウム除去反応を進行させるため酸化剤を添加することが特徴である。
重質油中のバナジウムは、図5に示すように、バナジウムを配位したポルフィリン形態あるいは環状有機分子鎖の形で存在する(Fish, R. H., Komlenic, J. J., Anal. Chem.
1984, 56(3), p510-517)。超臨界状態あるいは亜臨界状態の高温高圧水は、有機分子を溶媒作用を有する超臨界水あるいは亜臨界水中に分散させ、かつ加水分解作用により有機分子鎖を分解する作用がある。しかし、超臨界水あるいは亜臨界水のみの作用では、有機分子中のバナジウム化合物を分解する作用は得られない。バナジウムはアルカリの添加によっても分解されることは無く、この点が従来技術の硫黄除去反応と異なる。
本発明の実施形態において、超臨界水あるいは亜臨界状態の高温高圧水に重質油を混合し、ここに酸化剤を添加すると、バナジウムが有機分子中から分解され除去される反応が進行することを確認した。図6は、重質油と水と過酸化水素水を高温高圧状態で反応させたときのバナジウム除去率を示したものである。温度の上昇とともにバナジウム除去率は向上する。この反応は図7に示したように、(1)有機炭化水素の部分酸化、(2)COと水のシフト反応による水素発生、(3)COの有機分子中酸素への攻撃、(4)水素分子および水の有機分子鎖開裂作用、(5)酸化剤によるバナジウム酸化作用、等が同時進行するものと推定される。この反応により、有機分子中のバナジウムは分解除去され、酸化バナジウム分子として遊離する。
上記の反応により分解したバナジウム酸化物主としてV25は、吸着あるいは反応により改質燃料中から除去される。バナジウム酸化物を吸着する方法としては、活性炭などによる物理吸着あるいは触媒製造などにも用いられる無機化合物による化学吸着がある。また、バナジウム酸化物は、カルシウム,鉄などの金属と複合酸化物を生成するため、これらの金属を重質油中からバナジウムを除去する捕捉剤として使用することができる。この捕捉剤の使用により、バナジウム酸化物を捕捉し、固体の形で系外に排出することが可能になる。系外に取り出した捕捉剤は、バナジウムを分離して再び捕捉剤として使用することも可能である。
図8は、超臨界水による重質油中のバナジウム除去率に対する添加剤の影響を示したものである。
実験条件は、温度420℃,圧力25MPa,水/油比1.0 ,重質油中のバナジウム量20ppm ,添加剤濃度1%である。添加剤なし又はNaOH添加にくらべて過酸化水素水添加によるバナジウム除去効果が顕著である。
図1は本発明の重質油処理装置における重質油改質部分の一実施例を示している。処理装置入口は水と重質油と酸化剤の混合器1となっており、該混合器1には、高温高圧水を供給する水供給管2,重質油を供給する重質油供給管3及び水供給管2を流れる高温高圧水に酸化剤を添加するための酸化剤供給管4が接続されている。混合器1で超臨界水あるいは亜臨界水の溶媒作用により水と重質油が混合した液体は反応器5に送られる。高温高圧水と重質油と酸化剤の混合は、単純合流のほか、旋回流形成あるいは対向流による衝突を利用して混合を促進する方法も有効である。また、混合器1は省略し、反応器5内へ直接、高温高圧水と重質油と酸化剤を供給する構成も取り得る。
反応器5では、図7に示した反応により、重質油中のバナジウムが有機分子中から脱離する反応が進行する。脱離反応を進行させるためには、反応器5出口までに、系が必要な温度,圧力条件になっていることが必要であり、本実施例のように予め高温高圧水を供給する構成の他にも、水と重質油を混合器1あるいは反応器5に供給した後に加熱することで昇温,昇圧させる構成も取り得る。反応器5で改質された燃料と脱離した酸化バナジウムを含有する液体7は、改質燃料排出口6を通じて取り出される。
図2は、図1の装置に更に改質燃料からバナジウム酸化物を除去する系統を追加した本発明の重質油処理装置の一実施例を示す。
改質燃料排出口6から取り出された、改質燃料と脱離した酸化バナジウムを含有する液体7は、連結管8を通じて、バナジウム酸化物を分離するために設置されたバナジウム酸化物捕捉器9に送られる。連結管8が省略され、反応器5とバナジウム酸化物捕捉器9が連続した構成も取り得る。バナジウム酸化物捕捉器9中にはバナジウム酸化物を捕捉するバナジウム酸化物捕捉剤10が充填されている。バナジウム酸化物捕捉剤10は、液体7中に含まれるバナジウム酸化物を、吸着あるいは反応により捕捉する。バナジウム酸化物捕捉器9ではバナジウム酸化物のみが捕捉され、燃料となる炭化水素分はほぼ全量が、後流に改質燃料11として送られる。
バナジウム酸化物捕捉器9にバナジウム酸化物捕捉剤10を滞留させる方法としては、目皿状の固定材により前記捕捉剤を固定層として留まらせる方法の他に、前記捕捉剤を粒状とし、粒径を液体7の線速度以上の終端速度を持つ大きさにすることで、流動層として留まらせる方法も取り得る。また、バナジウム酸化物捕捉剤を成形して板状あるいはハニカム状とし、隙間を液体7が流通するようにする方法も取り得る。バナジウム酸化物捕捉剤10は、除去対象物質の捕捉を続けるうちに次第に捕捉能力が低下する。そこで、使用済み捕捉剤をバナジウム酸化物捕捉器9から取り出す系統あるいは新規の捕捉剤を補給する系統が設けた構成も取り得る。また、反応器5一基に対してバナジウム酸化物捕捉器9を複数配置し、使用する捕捉器を順次切り替え、あるいは一定時間毎に捕捉器の一部を停止する運転も可能である。
図3は、本発明の重質油処理装置の他の一実施例を示している。反応器5からバナジウム酸化物捕捉器9に至る構成は、図2と同様である。図3において、バナジウム酸化物捕捉器9でバナジウム酸化物が取り除かれた燃料は改質燃料11として取り出される。改質燃料11中にバナジウム酸化物捕捉剤が粒子の形で混入する場合に備え、バナジウム酸化物捕捉器9の出口側に該粒子を捕集するサイクロン型の粒子捕集器28が設置されている。粒子捕集器28としてフィルタを設置する構成も取り得る。また、粒子捕集器28で捕集されたバナジウム酸化物捕捉剤10の粒子を再びバナジウム酸化物捕捉器9に還流して再利用する構成も取り得る。
図9及び図10は、本発明に係る重質油処理装置の更に他の実施例を示している。図9は平面図であり、図10は側面図である。
本実施例は、管状の反応器を複数個設けて多管型改質器としたところに特徴がある。本実施例において、高温高圧水と酸化剤の混合物は導入管30に導入される。導入管30に導入された前記混合物は更に複数個の分岐管32により複数の流れに分岐される。各分岐管32には複数個の管状をした反応器5が接続されている。図9及び図10では、1つの分岐管に6個の反応器が接続されている。分岐管32に導入された高温高圧水と酸化剤との混合物は、図10に示すように6個の反応器へ上部から供給される。
一方、重質油は導入管31に導入される。導入管31には複数個の分岐管33が接続されており、導入管31を流れる重質油は複数個の分岐管33に分岐される。各分岐管はそれぞれ複数個の反応器と接続されている。したがって、1つの分岐管33に導入された重質油は、その後複数個の反応器へ導入される。本実施例では、図10に示すように反応器5へ上部から重質油が供給される。
1つの分岐管32,33を通って6個の反応器へ導入された高温高圧水と酸化剤及び重質油は、各反応器で改質処理され、処理物は反応器の下方から取り出され、分岐管34に導入される。分岐管34により取り出された処理物は、その後バナジウム酸化物捕捉器9へ導入され、バナジウム酸化物が除去される。
本実施例によれば、多量の重質油を一度に処理することができ、処理の効率を高めることができる。したがって、極めて実用向きなシステム構成といえる。
図4には、本発明の重質油処理装置を用いたガスタービン発電システムの一実施例を示した。実施例1及び2では、改質燃料11を貯蔵あるいは運搬し、発電所で使用することも想定しているが、本実施例では、製造した改質燃料を即時発電システムの燃焼器20で燃焼する構成となっている。
実施例1及び2と同じく、混合器1において高温高圧水,重質油,酸化剤を混合し、反応器5内でバナジウムを酸化しバナジウム酸化物として油中から脱離させ、バナジウム酸化物捕捉器9においてバナジウム酸化物捕捉剤10によりバナジウム酸化物を捕捉し改質燃料11から除去する。バナジウム酸化物捕捉剤10の捕捉量が飽和に至るのを防ぐため、使用済み捕捉剤12の一部を抜き出す。抜き出された使用済み捕捉剤12は捕捉剤洗浄器13に送られ、バナジウム酸化物14を取り除くための洗浄,反応により捕捉剤を更新し、リサイクル捕捉剤15として捕捉剤供給系にリサイクルする。このとき、反応により減少した捕捉剤量を補充するため、新規投入捕捉剤16が加えられ、バナジウム酸化物捕捉器9に戻される。反応器5とバナジウム酸化物捕捉器9は本実施例では一基ずつ設置されているが、ガスタービンの燃焼器20へ供給する燃料量の反応及びバナジウム酸化物の捕捉に適した滞留時間がとれるように反応器,バナジウム酸化物捕捉器をそれぞれ複数基設置することも有効である。製造された改質燃料11は、圧縮機18で圧縮された空気
19により燃焼器20で燃焼され、燃焼ガス21がガスタービン22を駆動し、連結した発電機23により発電する。
ガスタービンからの排ガスであるガスタービン排ガス24は、排ガス熱交換器25においてガスから水26に伝熱し、高温高圧水を発生させ水供給管2から反応器5へ還流する。その後、ガスタービン排ガスは煙突27から排気される。ガスタービンの排ガス熱を利用することにより、システム効率を向上することが可能になる。
本実施例では、従来のガスタービン複合発電システムにあるように、排ガス熱交換器
25の前後に排熱回収ボイラを設け、発生させた蒸気により蒸気タービンを駆動して発電する構成も取り得る。また、ガスタービン燃焼器での燃焼時に発生する窒素酸化物を除去するための脱硝装置を設置したり、あるいは該燃焼時に発生する硫黄酸化物を除去するための脱硫装置を設置したりすることもできる。本実施例では、重質油中のバナジウムがバナジウム酸化物捕捉器9で除去されるために、ガスタービンの高温腐食の恐れは解消され、マグネシウムのようなバナジウムと複合酸化物を生成させるための添加剤を加える必要もなくなる。これにより、タービン翼への金属酸化物灰の付着を防止でき、軽油燃料によるガスタービンシステムと同程度の連続運転が可能になり、プラント稼動率の向上と高効率発電を実現できる。
本実施例によれば、従来、重油焚燃焼器で問題となっていたバナジウム酸化物によるガスタービン機器の腐食等の問題を解決できる。
本実施例により、超臨界水あるいは亜臨界水による重質油の改質処理において、重質油に含まれるバナジウムを液中から分離することが可能になった。改質油から遊離したバナジウム酸化物はバナジウム酸化物捕捉剤を用いて捕捉除去することにより改質油から除かれる。本実施例により、重質油をガスタービン燃料に使用する場合に懸案になっていたガスタービン翼のバナジウムによる腐食を解消できる。
本発明により、超臨界水あるいは亜臨界水による重質油の改質処理において、重質油に含まれるバナジウムを液中から分離することが可能になった。改質油から遊離したバナジウム酸化物はバナジウム酸化物捕捉剤を用いて捕捉除去することにより改質油から除かれる。本発明により、重質油をガスタービン燃料に使用する場合に懸案になっていたガスタービン翼のバナジウムによる腐食を解消できる。
本発明に使用される重質油改質装置の一実施形態を示す概略図。 本発明による重質油処理装置の一実施形態を示す概略図。 本発明による重質油処理装置の他の一実施形態を示す概略図。 本発明による重質油処理装置を連結したガスタービン発電システムの一実施形態を示す概略図。 重質油中のバナジウム化合物形態の一例を示す図。 重質油中のバナジウム除去反応実験の結果の一例を示す図。 重質油中のバナジウム除去反応機構の予想図。 重質油中のバナジウム除去率に対する各種添加剤の効果を示す図。 本発明の他の実施例を示す重質油処理装置の平面図。 本発明の他の実施例を示す重質油処理装置の側面図。
符号の説明
1…混合器、2…水供給管、3…重質油供給管、4…酸化剤供給管、5…反応器、6…改質燃料排出口、8…連結管、9…バナジウム酸化物捕捉器、10…バナジウム酸化物捕捉剤、11…改質燃料、18…圧縮機、20…燃焼器、21…燃焼ガス、22…ガスタービン、23…発電機、24…ガスタービン排ガス、25…排ガス熱交換器、26…水、
28…粒子捕集器。

Claims (3)

  1. バナジウムを含む重質油を亜臨界状態の水と反応させてバナジウムを酸化し、酸化したバナジウムを化学吸着によって捕捉して除去することを特徴とする重質油の処理方法。
  2. バナジウムを含む重質油を亜臨界状態の水と反応させる反応器と、該反応器内で酸化されたバナジウムを化学吸着によって捕捉して除去するバナジウム酸化物除去部を備えたことを特徴とする重質油の処理装置。
  3. バナジウムを含む重質油を亜臨界状態の水と反応させる反応器及び、該反応器内で酸化されたバナジウムを化学吸着によって捕捉して除去するバナジウム酸化物除去部を備えた重質油改質装置と、前記重質油改質装置で得られた改質油を燃焼させる燃焼器と、前記燃焼器で発生した燃焼ガスで駆動されるタービンを備えたガスタービン装置を有するガスタービンシステム。
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