JP4288432B2 - Coating composition and optical member - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケイ素含有物質と、酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子(i)を核としてその表面を、酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子(ii)で被覆されることによって形成した変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子、を含有するコーティング組成物に関する。更にはこれらコーティング組成物によって形成した被覆物が耐温水性、耐候性および耐擦傷性に優れ、更にこの被覆物と無機酸化物の蒸着膜(反射防止膜など)を積層した場合でも被覆物の耐候性、耐光性が低下しないコーティング組成物及び光学部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック成形物は、軽量、易加工性、耐衝撃性等の長所を生かして多量に使用されているが、反面、硬度が不十分で傷が付きやすい、溶媒に侵されやすい、帯電してほこりを吸着する、耐熱性が不十分等の欠点があり、眼鏡レンズ、窓材等として使用するには、無機ガラス成形体に比べ実用上不十分であった。そこでプラスチック成形体に保護コートを施すことが提案されている。
【0003】
特開昭52−11261号公報には、有機ケイ素化合物またはその加水分解物を主成分(樹脂成分または塗膜形成成分)とするコーティング組成物が眼鏡レンズ用として使用されている。しかし、このコーティング組成物も未だ耐擦傷性が不満足であるため、さらにこれにコロイド状に分散したシリカゾルを添加したものが提案され(例えば特開昭53−111336号公報)、これも眼鏡レンズ用として実用化されている。
【0004】
ところで、従来、プラスチック性眼鏡レンズは、大半がジエチレングリコールビスアリルカーボネートというモノマーを注型重合することによって製造されていた。このレンズは、屈折率が約1.50であり、ガラスレンズの屈折率約1.52に比べ低いことから、近視用レンズの場合、縁の厚さが厚くなるという欠点を有している。そのため近年、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートより屈折率の高いモノマーの開発が進められ、例えば、特開昭55−13747号公報、特開昭56−166214号公報、特開昭57−23611号公報、特開昭57−54901号公報、特開昭59−133211号公報、特開昭60−199016号公報、特開昭64−54021号公報等の高屈折率樹脂材料が提案されている。
【0005】
このような高屈折率樹脂レンズに対して、特開昭62−151801号公報や特開昭63−275682号公報のように、Sb、Tiの金属酸化物微粒子のコロイド分散体をコーティング材料に用いる方法も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シリカゾルを添加したコーティング組成物は、塗膜に干渉縞が見え、レンズの見栄えが悪いという問題点があった。また、レンズでは、塗膜の上に反射防止膜(光学干渉理論にも基ずく無機酸化物薄膜の多層構造膜からなる)を形成することが多い。この場合、反射防止膜が例えば、極薄い緑色の反射色を呈するが、この反射色がレンズ表面の位置に応じて変わり、むらがあるという問題点もあった。
【0007】
さらに、酸化チタンゾルを使用したコーティング組成物の場合、酸化チタンゾルのシランカップリングやその加水分解物に対する相溶性に問題があり、安定性が悪く、またこのコーティング組成物により形成したコーティング層は耐水性に劣り、紫外線照射により青色に着色するという欠点があった。
【0008】
酸化アンチモンゾルを使用したコーティング組成物の場合、酸化アンチモンゾルのシランカップリングやその加水分解物に対する相溶性、安定性は良好であるが、このコーティング組成物により形成したコーティング層は屈折率が十分に高くないという問題点があった。
【0009】
従って、本発明は、nd=1.54〜1.71の中〜高屈折率プラスチック成形物に対して、塗膜に干渉縞が見えず、かつ反射色にむらがない塗膜を与えるコーティング組成物及び光学部材を提供することにある。
【0010】
また、本発明は、耐擦傷性、表面硬度、耐摩耗性、可とう性、透明性、帯電防止性、染色性、耐熱性、耐水性、耐薬品性等に優れたプラスチックス成形物用コーティング組成物及び光学部材を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願発明は請求項1として、下記(A)成分及び(B)成分:
(A)成分:一般式(I)
(R1)a(R3)bSi(OR2)4-(a+b) (I)
(但し、R1及びR3は、それぞれアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R2は炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシアルキル基、又はアシル基であり、a及びbはそれぞれ0、1、又は2の整数であり、a+bは0、1、又は2の整数である。)及び、一般式(II)
〔(R4)cSi(OX)3-c〕2Y (II)
(但し、R4は炭素数1〜5のアルキル基を示し、Xは炭素数1〜4のアルキル基又はアシル基を示し、Yはメチレン基又は炭素数2〜20のアルキレン基を示し、cは0又は1の整数である。)で表される有機ケイ素化合物、並びにその加水分解物からなる群より選ばれた少なくとも1種のケイ素含有物質、
(B)成分:2〜50nmの粒子径を有し、0.05〜1.0のZrO2/TiO2モル比、及び0.25〜10のTiO2/(ZrO2+SnO2)モル比となる酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子(i)を核としてその表面を、重量比がWO3/SnO2として0.1〜100、SiO2/SnO2として0.1〜100であって粒子径1〜7nmである酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子(ii)で被覆されることによって形成された粒子径2.5〜60nmの変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子、を含有するコーティング組成物である。
【0012】
請求項2として、(A)成分が、一般式(I)で表される有機ケイ素化合物、及びその加水分解物からなる群より選ばれた少なくとも1種のケイ素含有物質である請求項1に記載のコーティング組成物である。
【0013】
請求項3として、(B)成分の変性金属酸化物の粒子が、酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体水性ゾルを金属酸化物(TiO2+ZrO2+SnO2)に換算して100重量部と、酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体水性ゾルを金属酸化物(WO3+SnO2+SiO2)に換算して2〜100重量部とを混合する事によって得られる請求項1又は請求項2に記載のコーティング組成物である。
【0014】
請求項4として、(C)成分として、金属塩、金属アルコキシド及び金属キレートからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属化合物を硬化触媒として含有する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のコーティング組成物である。
【0015】
請求項5として、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のコーティング組成物から成る硬化膜を表面に有する光学部材である。
【0016】
請求項6として、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のコーティング組成物から成る硬化膜、衝撃吸収膜、及び反射防止膜を積層した膜を表面に有する光学部材である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本願発明のコーティング組成物に使用される(A)成分中の一般式(I)、
(R1)a(R3)bSi(OR2)4-(a+b) (I)
においては、R1とR3が同一の有機基又は異なる有機基である場合や、aとbが同一の整数又は異なる整数である場合の有機ケイ素化合物を含む。上記(A)成分中の一般式(I)で示される有機ケイ素化合物は、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアミロキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリベンジルオキシシラン、メチルトリフェネチルオキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、αーグリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3、3、3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用することが出来る。
【0018】
また、本願発明のコーティング組成物に使用される(A)成分中の一般式(I)の有機ケイ素化合物の加水分解物は、上記一般式(I)の有機ケイ素化合物が加水分解される事により、上記R2の一部又は全部が水素原子に置換された化合物となる。これらの一般式(I)の有機ケイ素化合物の加水分解物は、単独で又は2種以上組み合わせて使用する事が出来る。加水分解は、上記の有機ケイ素化合物中に、塩酸水溶液、硫酸水溶液、酢酸水溶液等の酸性水溶液を添加し攪拌することにより行われる。
【0019】
本願発明のコーティング組成物に使用される(A)成分中の一般式(II)、
〔(R4)cSi(OX)3-c〕2Y (II)
で表される有機ケイ素化合物は、例えば、メチレンビスメチルジメトキシシラン、エチレンビスエチルジメトキシシラン、プロピレンビスエチルジエトキシシラン、ブチレンビスメチルジエトキシシラン等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用することが出来る。
【0020】
また、本願発明のコーティング組成物に使用される(A)成分中の一般式(II)の有機ケイ素化合物の加水分解物は、上記一般式(II)の有機ケイ素化合物が加水分解される事により、上記Xの一部又は全部が水素原子に置換された化合物となる。これらの一般式(II)の有機ケイ素化合物の加水分解物は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することが出来る。加水分解は、上記の有機ケイ素化合物中に、塩酸水溶液、硫酸水溶液、酢酸水溶液等の酸性水溶液を添加し攪拌することにより行われる。
【0021】
本願発明のコーティング組成物に使用される(A)成分は、一般式(I)及び一般式(II)で表される有機ケイ素化合物、並びにその加水分解物から成る群より選ばれた少なくとも1種のケイ素含有物質である。
【0022】
本願発明のコーティング組成物に使用される(A)成分は、好ましくは一般式(I)で表される有機ケイ素化合物、及びその加水分解物から成る群より選ばれた少なくとも1種のケイ素含有物質である。特に、R1及びR3のいずれか一方がエポキシ基を有する有機基であり、R2がアルキル基であり、且つa及びbがそれぞれ0又は1であり、a+bが1又は2の条件を満たす一般式(I)の有機ケイ素化合物及びその加水分解物が好ましく、その好ましい有機ケイ素化合物の例としては、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、αーグリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシランである。
【0023】
更に、好ましくはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン及びこれらの加水分解物であり、これらを単独で又は混合物として使用する事が出来る。また、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン又はこれらの加水分解物は、更に、一般式(I)においてa+b=0に相当する4官能の化合物を併用する事が出来る。4官能に相当する化合物の例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラtert-ブトキシシラン、テトラsec-ブトキシシラン等が挙げられる。
【0024】
本願発明の(B)成分に使用される変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子は下記の水性ゾルの製法で得られる。
即ち、変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子の安定な水性ゾルは、下記(a)工程、(b)工程、(c)工程及び(d)工程から製造される。
【0025】
(a)工程では核となる酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子(i)の安定な水性ゾルが製造される。
【0026】
(a−1)工程で使用されるチタン塩としては四塩化チタン、硫酸チタン、硝酸チタン等が挙げられる。これらのチタン塩は水溶液で用いる事が好ましい。オキシジルコニウム塩としては、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ硫酸ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム若しくはオキシ炭酸ジルコニウム等のオキシ無機酸ジルコニウム、又はオキシ酢酸ジルコニウム等のオキシ有機酸ジルコニウムが挙げられる。金属スズは粉末状又は粒状で用いることが出来る。例えばインゴットを溶融し噴霧凝固させて得られるアトマイゼーション法による金属スズ粉末や、インゴットを旋盤やヤスリ等により切削し製造されたフレーク状金属スズ粉末を用いる事が出来る。過酸化水素は、市販の35重量%濃度の水溶液を所望の濃度で用いる事が出来る。
【0027】
(a−1)工程ではチタン塩及びオキシジルコニウム塩の混合水溶液に、過酸化水素水及び金属スズを同時に又は交互に添加して、チタン−ジルコニウム−スズの塩基性塩水溶液を生成する工程である。攪拌機を備えた反応容器にチタン塩とオキシジルコニウム塩の混合物水溶液を入れ、攪拌下に過酸化水素水と金属スズを各々、別々の添加口から同時に又は交互に添加する。上記の混合物水溶液は、純水中にチタン塩とオキシジルコニウム塩を溶解する方法、チタン塩水溶液とオキシジルコニウム塩水溶液を混合する方法、チタン塩水溶液にオキシジルコニウム塩を添加する方法、又はオキシジルコニウム塩水溶液にチタン塩を添加する方法で得られる。(a−1)工程の塩基性塩水溶液、及び以下に続く(a−2)工程の酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイドの凝集体を含むスラリーは酸性であるため、それら工程で使用される反応装置はガラス製反応装置やグラスライニング(ホウロウ)製反応装置を用いる事が好ましい。
【0028】
過酸化水素水と金属スズのH2O2/Snモル比は2〜3に保持しつつチタン塩とオキシジルコニウム塩の混合物水溶液中に添加する。より詳しくは、過酸化水素水及び金属スズの添加すべき全重量部に対して1/3〜1/30重量部をそれぞれ分収して、チタン塩とオキシジルコニウム塩の混合物水溶液への過酸化水素水の添加と、それに続く金属スズの添加そして2〜20分間反応を行う一連の工程を、3〜30回繰り返す分割添加の方法が挙げられる。また、過酸化水素水及び金属スズの添加すべき全重量部に対して1/3〜1/30重量部をそれぞれ分取して、チタン塩とオキシジルコニウム塩の混合物水溶液への金属スズの添加と、それに続く過酸化水素水の添加そして2〜20分間反応を行う一連の工程を、3〜30回繰り返す分割添加の方法も挙げられる。
【0029】
この時に、初めに全量の過酸化水素を酸性のチタン塩とオキシジルコニウム塩の混合物水溶液に加え、これに金属スズを加えると過酸化水素の大部分が反応の初期に分解してしまい過酸化水素の量が不足し、また過酸化水素の分解反応は発熱反応のため危険であり好ましくない。H2O2/Snモル比が3を少し越えても反応は可能であるが、大幅に越えることは上記理由から好ましくない。H2O2/Snモル比が2未満では酸化不充分となるため好ましくない。過酸化水素水と金属スズの添加時間は、例えばチタン塩とオキシジルコニウム塩の合計モル数で1モルが溶存する混合物水溶液を用いた場合に、0.4〜10時間、好ましくは0.4〜5時間をかけて添加することが出来る。この添加時間が0.4時間以下では発熱反応が激しくコントロールが出来なくなり、また未反応の金属スズが残存し易くなるため好ましくない。また、10時間以上でも良いが経済的でないため好ましくない。
【0030】
(a−1)工程において生成するチタン−ジルコニウム−スズの塩基性塩は、チタン成分、ジルコニウム成分及びスズ成分を酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)及び酸化第二スズ(SnO2)に換算したZrO2/TiO2モル比が0.05〜1.0、好ましくは0.1〜0.5である。また、TiO2/(ZrO2+SnO2)モル比が0.25〜10、好ましくは0.4〜4.0である。
【0031】
TiO2/(ZrO2+SnO2)モル比が0.25未満でもチタン−ジルコニウム−スズの塩基性塩水溶液を作成できるが、カウンターアニオンのモル比が低下しコロイドが生成しやすく、また屈折率も低下するために好ましくない。またモル比が10を越えてもチタン−ジルコニウム−スズの塩基性塩水溶液を作成できるが、これを用いて製造した酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体ゾルの紫外線による変色の抑制効果が低下するために好ましくない。(a−1)工程のチタン−ジルコニウム−スズの塩基性塩水溶液中の(TiO2+ZrO2+SnO2)に換算した総濃度は0.5〜50重量%が好ましい。0.5重量%未満でも可能であるが、効率が悪く経済的でない。また50重量%を越える事も可能であるが、粘度が高く、攪拌しにくくなり、反応が不均一になるために好ましくない。
【0032】
(a−1)工程において水性媒体中での、チタン塩、オキシジルコニウム塩、金属スズ、及び過酸化水素水の反応は、30〜95℃、好ましくは40〜85℃で行われる。過酸化水素と金属スズとの反応は酸化反応であるため発熱反応となり、また過酸化水素の分解反応も同時に起こりこの反応も発熱反応であるため反応時の温度コントロールには注意が必要であり、必要に応じて冷却する事が出来る。反応温度は30℃未満でもよいが、発熱反応であるために過剰の冷却が必要となり、反応に時間が懸かり過ぎ、経済的でない。反応温度が95℃以上の沸騰状態では(a−1)工程で粗大なコロイド粒子が生成してしまうため好ましくない。
【0033】
(a−2)工程では、(a−1)工程で得られたチタン−ジルコニウム−スズの塩基性塩を加水分解する事によって、酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイドの凝集体を得る工程である。(a−2)工程においてチタン−ジルコニウム−スズの塩基性塩水溶液は、酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、及び酸化第二スズ(SnO2)に換算した総濃度(TiO2+ZrO2+SnO2)が2〜15重量%に調製する事が好ましい。2重量%未満でも可能であるが、効率が悪く経済的でない。また15重量%を越える事も可能であるが、粘度が高く、攪拌しにくくなり、加水分解反応が不均一になるために好ましくない。また粒子径をコントロールするために予め塩基性物質を添加しpH調整してから加水分解を行うことが出来る。上記の塩基性物質は例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニウム、及びエチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン等のアルキルアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、及び第4級アンモニウム水酸化物等が挙げられる。そしてpHは1〜2に調製する事が好ましい。
【0034】
(a−2)工程において加水分解の温度は50〜100℃の温度が好ましい。50℃未満でもよいが加水分解に時間が懸かりすぎるために好ましくない。100℃を越えて行ってもよいが、オートクレーブなどの特殊な水熱処理装置が必要となり、また水熱処理により生成したコロイドの二次凝集体が強固になり、得られる酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体ゾルの透明性が低下するために好ましくない。
【0035】
(a−2)工程において加水分解に要する時間は0.1〜100時間が好ましい。0.1時間未満では加水分解が不充分となり好ましくない。また100時間を越えた場合は、一次粒子径が大きくなり、または強固な二次凝集体が形成されるために好ましくない。この(a−2)工程により得られる酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子の一次粒子径は2〜50nm(ナノメートル)である。
【0036】
(a−3)工程は、(a−2)工程で得られた酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイドの凝集体スラリー中から過剰な電解質(主にアニオン)を除去して、酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子を解膠させてゾルを得る工程である。過剰な電解質を除去することにより酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子が一次粒子に近い状態で分散したゾルを得ることが出来る。この洗浄は凝集沈降させ、上澄みをデカンテーションする方法、限外濾過法、イオン交換法などにより行うことができるが、多量の電解質を含む場合は限外濾過→注水→限外濾過の繰り返しによる洗浄方法が特に好ましい。
【0037】
(a−3)工程で得られるゾル中の酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子の粒子径は2〜50nmである。この2〜50nmは一次粒子径として求められる。一次粒子径とは凝集形態にある酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子の直径ではなく、個々に分離した時の1個の酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子の直径であり、電子顕微鏡によって測定することが出来る。この一次粒子径が2nm未満であると、これを用いて製造した酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体ゾルの粘度が高くなり、耐水性も低下するので好ましくない。また一次粒子径が50nm以上の場合は、これを用いて製造した酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体ゾルの透明性が低下するために好ましくない。
【0038】
酸化チタン(TiO2)は、紫外線吸収能を有しているため耐紫外線顔料やフィラーとして各種プラスチックス、繊維などに0.1〜10μm程度の粒子径のパウダーが添加され、使用されている。また、光学関連用途、例えば光学部材や透明性フィルムなどに塗布されるコ−ティング組成物にマイクロフィラーとして使用される酸化チタンは、一次粒子径が100nm以下、好ましくは20nm以下のゾルとして用いられている。一次粒子径が小さな酸化チタンは紫外線に対して非常に敏感になるため紫外線吸収効果が向上する反面、酸化チタンが紫外線により部分的にTiO2→TiOへの還元反応が起こり、濃青色に呈するという欠点を持っている。酸化第二スズ(SnO2)も一次粒子径が100nm以下、特に30nm以下のゾルになると紫外線により部分的にSnO2→SnOへの還元反応が起こるため褐色あるいは青緑色を呈するという欠点を持っている。
【0039】
酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体ゾルは、予めチタン塩とオキシジルコニウム塩の混合物水溶液に、過酸化水素と金属スズをH2O2/Snモル比が2〜3の範囲に保持しつつ添加、反応させてチタン−ジルコニウム−スズの塩基性塩水溶液を作成し、これを加水分解することより酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド水溶液が形成される。紫外線照射によってもそれぞれ単独の酸化物の時、又はそれぞれの酸化物が混合された時に比べてTiOやSnOへの還元が著しく抑制され、ほとんど変色しなくなる。
【0040】
電解質の除去、イオン交換、溶媒置換等の操作を行った後でもTiO2粒子、ZrO2粒子、及びSnO2粒子に分離する様な事はない。
【0041】
酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体ゾルは原子レベルで均一に複合(固溶)されているため、各種セラミックス用材料として用いた場合、焼結温度の低減や、酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ系のより均一な材料特性を供与することができる。
【0042】
(b)工程で使用される酸化タングステン(WO3)、酸化第二スズ(SnO2)及び二酸化珪素(SiO2)の複合体コロイド粒子(ii)を含有する安定な酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾルの製造方法は、ゾルの製造に用いられるタングステン酸塩、スズ酸塩および珪酸塩の例としては、上記アルカリ金属、アンモニウム、アミン等のタングステン酸塩、スズ酸塩および珪酸塩等が挙げられる。特に、タングステン酸ナトリウム(Na2WO4・2H2O)、スズ酸ナトリウム(Na2SnO3・3H2O)及び珪酸ナトリウム(水ガラス)が好ましい。また。酸化タングステン、タングステン酸、スズ酸、珪酸等をアルカリ金属水酸化物の水溶液に溶解したものも使用することが出来る。(b−1)工程の水溶液の調製方法としては、タングステン酸塩、スズ酸塩、珪酸塩の各粉末を水に溶解させ水溶液を調製する方法や、タングステン酸塩水溶液、スズ酸塩水溶液、及び珪酸塩水溶液を混合して水溶液を調製する方法や、タングステン酸塩とスズ酸塩の粉末及び珪酸塩の水溶液を水に添加して水溶液を調製する方法等が挙げられる。
【0043】
タングステン酸塩の水溶液は、WO3として0.1〜15重量%濃度のものが好ましいが、これ以上の濃度でも使用可能である。スズ酸塩の水溶液としては、SnO2濃度0.1〜30重量%程度が好ましいが、これ以上の濃度でも使用可能である。珪酸塩の水溶液としては、SiO2濃度0.1〜30重量%程度が好ましいが、これ以上の濃度でも使用可能である。
【0044】
(b−1)工程での水溶液の調製は攪拌下に、室温〜100℃、好ましくは、室温〜60℃位で行うのがよい。混合すべき水溶液は、WO3/SnO2重量比として0.1〜100、SiO2/SnO2重量比として0.1〜100が好ましい。
【0045】
(b−2)工程では(b−1)工程で得られた水溶液中に存在する陽イオンを除去する工程である。脱陽イオン処理の方法としては水素型イオン交換体と接触させる方法や塩析により行うことができる。ここで用いられる水素型陽イオン交換体としては、通常用いられるものであり、好都合には市販品の水素型陽イオン交換樹脂を用いることが出来る。
【0046】
酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾルに含まれるWO3、SnO2及びSiO2複合体コロイド粒子は、電子顕微鏡によって粒子径を観測することができ、その粒子径は1〜7nmである。このゾルのコロイド粒子の分散媒としては、水、親水性有機溶媒のいずれも可能である。この親水性有機溶媒の例としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミド、N,N′−ジメチルアセトアミド等の直鎖アミド類;N−メチル−2−ピロリドン等の環状アミド類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコール等のグリコール類が挙げられる。
【0047】
上記ゾルは、WO3、SnO2及びSiO2をWO3/SnO2重量比として0.1〜100、SiO2/SnO2重量比として0.1〜100の比率に含有する。
【0048】
上記ゾルに含まれるWO3、SnO2及びSiO2の合計の濃度は、通常40重量%以下、実用上好ましくは2重量%以上、好ましくは5〜30重量%である。
【0049】
上記ゾルはアルカリ成分を実質的に含有しないで安定に存在する事ができる。しかし、アルカリ成分を含有して安定化する事も可能である。そのアルカリ成分は、Li、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ金属水酸化物、NH4、エチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、n−プロピルアミン等のアルキルアミン;ベンジルアミン等のアラルキルアミン;ピペリジン等の脂環式アミン;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンである。これらアルカリ成分をWO3、SnO2及びSiO2の合計量に対し約30重量%以下含有させる事ができる。また、これらは2種以上の混合して含有する事が出来る。上記ゾルは、1〜11のpHを示し、無色透明乃至僅かにコロイド色を有する液である。そして、室温では3ケ月以上、60℃でも1ケ月以上安定であり、このゾル中に沈降物が生成することがなく、また、このゾルが増粘したり、ゲル化を起すようなことはない。
【0050】
酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾルは、酸化第二スズと酸化タングステンと二酸化珪素が原子レベルで均一に複合(固溶)して得られた酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素からなる複合体粒子を含有する。従って、酸化タングステンゾル、酸化第二スズゾル及び二酸化珪素ゾルの3種のゾルを単に混合して得られるものではない。
【0051】
酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素の複合体ゾルは、酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素の複合体粒子が固溶体を形成している為に、溶媒置換によっても酸化タングステン粒子、酸化第二スズ粒子及び二酸化珪素粒子に分離する事はない。
【0052】
酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素の複合体ゾルは、酸化タングステン−酸化第二スズの複合ゾルに比べ、基材に被覆して被膜を形成した際に、耐水性、耐湿性、及び耐候性が向上する。
【0053】
(c)工程では、(a)工程で得られた酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体水性ゾルを金属酸化物(TiO2+ZrO2+SnO2)に換算して100重量部と、(b)工程で得られた酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体水性ゾルを金属酸化物(WO3+SnO2+SiO2)に換算して2〜100重量部とを混合する工程である。
【0054】
(c)工程では、(a)工程で得られた酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズの複合体コロイド粒子からなるゾルに、強攪拌下で(b)工程で得られた酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素の複合体コロイド粒子からなるゾルを添加することによって、変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズの複合体コロイド粒子からなるゾルを製造することも可能である。
【0055】
しかし、(b)工程で得られた酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素の複合体コロイド粒子からなるゾルに、強攪拌下で(a)工程で得られた酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズの複合体コロイド粒子からなるゾルを添加することによって、変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズの複合体コロイド粒子からなるゾルを好ましく製造することが出来る。
【0056】
この混合は0〜100℃の温度、好ましくは、室温(20℃)〜60℃で、5〜60分程度で終了させることができる。この混合によって得られるべき変性されたコロイド粒子のゾルが、上記トータルの金属酸化物としての合計2〜40重量%を含有するように、上記混合に用いられる酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾルの濃度及び酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体ゾルの濃度を上記混合前に選定してから、これら両ゾルを混合するのが好ましい。
【0057】
上記混合により、酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体ゾルのコロイド粒子表面を上記酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子で被覆し、酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズコロイド粒子を核としてその表面が酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体の性質を有するように変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイド粒子を生成させることができ、そしてこの変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子が液状媒体に安定に分散したゾルとして得ることができる。
【0058】
本発明のゾルは、本願発明の目的が達成される限り、他の任意の成分を含有することができる。特にオキシカルボン酸類をTiO2、SnO2、ZrO2、WO3及びSiO2の合計量に対し約30重量%以下に含有させると更に改良されたゾルが得られる。用いられるオキシカルボン酸の例としては、乳酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、グリコール等が挙げられる。また、アルカリ成分としては、Li、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ金属水酸化物、アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、n−プロピルアミン等のアルキルアミン;ベンジルアミン等のアラルキルアミン;ピペリジン等の脂環式アミン;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンである。これらは2種以上を混合して含有することができる。また上記の酸性成分と併用することができる。これらをTiO2、SnO2、ZrO2、WO3及びSiO2の合計量に対し約30重量%以下に含有させることができる。
【0059】
上記混合によって得られた変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズコロイド粒子は、電子顕微鏡によって観察することができ、ほぼ2.5〜60nmの粒子径を有する。上記混合によって得られたゾルはpHが1〜10を有しているが、チタン塩、ジルコニウム塩等に由来するCl-、NO3 -、CH3COO-などのアニオンを多く含有しているために、コロイド粒子はミクロ凝集を起こしており、ゾルの透明性が低くなっている。
【0060】
上記混合によって得られたゾル中のアニオンを(d)工程の陰イオンを除去することにより、pH3〜11で、透明性の良い、安定な変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子のゾルを得ることができる。
【0061】
(d)工程の陰イオン除去は上記混合によって得られたゾルを水酸基型陰イオン交換樹脂で0〜100℃、好ましくは室温(20℃)〜60℃の温度で処理することにより行われる。水酸基型陰イオン交換樹脂は市販品を用いることができるが、アンバーライトIRA−410のような強塩基型のものが好ましい。
【0062】
(d)工程の水酸基型陰イオン交換樹脂による処理は上記(c)工程での混合によって得られたゾルの金属酸化物濃度が1〜10重量%で行うのが特に好ましい。
【0063】
(a)〜(d)工程により得られた変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体ゾルの濃度を更に高めたいときには、最大約50重量%まで常法、例えば蒸発法、限外濾過法等により濃縮することができる。またこのゾルのpHを調整したい時には、濃縮後に、前記アルカリ金属、アンモニウム等の水酸化物、前記アミン、オキシカルボン酸等をゾルに加えることによって行うことができる。特に、上記金属酸化物(TiO2とZrO2とSnO2)と(WO3とSnO2とSiO2)の合計濃度が10〜40重量%であるゾルは実用的に好ましい。
【0064】
上記混合によって得られた変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体ゾルが水性ゾルであるときは、この水性ゾルの水媒体を親水性有機溶媒で置換することによりオルガノゾルが得られる。この置換は、蒸留法、限外濾過法等通常の方法により行うことができる。この親水性有機溶媒の例としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド等の直鎖アミド類;N−メチル−2−ピロリドン等の環状アミド類;エチルセロソルブ、エチレングリコール等のグリコール類等が挙げられる。
【0065】
上記水と親水性有機溶媒との置換は、例えば蒸留置換法、限外濾過法等によって容易に行うことができる。
【0066】
前記本発明による酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子によって表面が被覆され、変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイド粒子はゾル中で負に帯電している。
【0067】
酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子は陽に帯電しており、酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子は負に帯電している。従って、(c)工程の混合によりこの陽に帯電している酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子の周りに負に帯電している酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子が電気的に引き寄せられ、そして陽帯電のコロイド粒子表面上に化学結合によって酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子が結合し、この陽帯電の粒子を核としてその表面を酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体が覆ってしまうことによって、変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイド粒子が生成したものと考えられる。
【0068】
しかし、酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイド粒子のゾルと、酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合コロイド粒子のゾルとを混合するときに、WO3 とSnO2 とSiO2の合計量が、上記金属酸化物(TiO2+ZrO2+SnO2)100重量部に対し2重量部より少ないと、安定なゾルが得られない。このことは、酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子の量が不足するときには、この複合体のコロイド粒子による酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイド粒子を核とするその表面の被覆が不充分となり、生成コロイド粒子の凝集が起こり易く、生成ゾルを不安定にするものと考えられる。従って、混合すべき酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体コロイド粒子の量は、酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイド粒子の全表面を覆う量より少なくてもよいが、安定な変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズコロイド粒子のゾルを生成せしめるに必要な最小量以上の量である。この表面被覆に用いられる量を越える量の酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体コロイド粒子が上記混合に用いられたときには、得られたゾルは、酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体コロイド粒子のゾルと、生じた変性された酸化チタン−酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合コロイド粒子のゾルの安定な混合ゾルに過ぎない。
【0069】
本発明のコーティング組成物は、(A)成分の有機ケイ素化合物100重量部と、(B)成分の変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合コロイド粒子1〜500重量部とを混合する事により得られる。変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合コロイド粒子が、1重量部未満では硬化膜の屈折率が低くなり、基材への応用範囲が著しく限定される。また、500重量部を越えると硬化膜と基板との間にクラック等が生じやすくなり、さらに透明性の低下をきたす可能性が大きくなるためである。
【0070】
本願発明のコーティング組成物は、(C)成分として金属塩、金属アルコキシド及び金属キレートから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属化合物を硬化触媒として含有する事が出来る。上記の(C)成分を添加することにより、本願発明のコーティング組成物を光学基材表面に塗布して硬化させる時に、硬化反応を促進させ、短時間に十分に硬化させた膜を得ることが出来る。
【0071】
上記の(C)成分は、有機カルボン酸、クロム酸、次亜塩素酸、ほう酸、過塩素酸、臭素酸、亜セレン酸、チオ硫酸、オルトケイ酸、チオシアン酸、亜硝酸、アルミン酸、炭酸などのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及び多価金属塩、更にアルミニウム、ジルコニウム、チタニウムを有する金属アルコキシド及びこれらの金属キレート化合物があげられる。特に上記の(C)成分は金属キレート化合物が好ましい。この金属キレート化合物としては、アセチルアセトナト錯体が挙げられ、例えば、アルミニウムアセチルアセトネートが挙げられる。アセチルアセトンCH3COCH2COCH3のCH2基からプロトンが1個解離した陰イオンはアセチルアセトナト配位子(略号acac)であって、アルミニウムアセチルアセトネートは、Al(acac)3の構造を有する。
【0072】
また、上記(C)成分は、アリルアミン、エチルアミン等のアミン類、またルイス酸やルイス塩基を含む各種酸や塩基を使用することも出来る。
【0073】
本願発明のコーティング組成物は、種々の光学部材、例えばレンズとの屈折率に合わせるために微粒子状金属酸化物を含有することが出来る。これらの微粒子状金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化セリウム等が挙げられる。
【0074】
また、本願発明のコーティング組成物は、光学部材の表面に塗布する時の濡れ性向上と、硬化して得られる膜の平滑性を向上させるために各種の界面活性剤を含有する事が出来る。更に、紫外線吸収剤、酸化防止剤等も得られる膜の物性に影響を与えない限り添加することが出来る。
【0075】
本願発明では、上記のコーティング組成物から成る硬化膜を表面に有する光学部材が得られる。本願発明のコーティング組成物よりなる硬化膜を光学部材上に形成する方法としては、上述したコーティング組成物を光学部材に塗布し、その後硬化する方法があげられる。塗布手段としてはディッピング法、スピン法、スプレー法等の通常行われる方法が適用できるが、得られる膜の表面平滑性の点からディッピング法、スピン法が特に好ましい。
【0076】
さらに上述したコーティング組成物を光学部材に塗布する前に、酸、アルカリ、各種有機溶媒による化学処理、プラズマ、紫外線等による物理的処理、各種洗剤を用いる洗剤処理、さらには、各種樹脂を用いたプライマー処理を用いることによって光学部材と硬化膜との密着性を向上させることができる。
【0077】
本発明のコーティング組成物は、光学部材上に塗布し、その後に硬化する事によって硬化膜とすることができる。本願発明のコーティング組成物の硬化は、熱風乾燥または活性エネルギー線照射によって行うことが出来る。熱風乾燥を用いる場合は、70〜200℃の熱風中で行うことがよく、特に好ましくは90〜150℃が好ましい。また、活性エネルギー線としては、遠赤外線を用いる事ができ、熱による損傷を低く抑えることができる。
【0078】
本願発明では、上記のコーティング組成物から成る硬化膜、衝撃吸収膜、及び反射防止膜を積層した膜を表面に有する光学部材を得ることが出来る。
【0079】
この反射防止膜は、本願発明のコーティング組成物から成る硬化膜の上に設けることが出来る。この反射防止膜は、多層膜とすることが好ましく、低屈折率膜と高屈折率膜とを交互に積層して得られる。この反射防止膜に用いる高屈折率膜としては、酸化ジルコニウム蒸着膜、又は酸化ジルコニウムに酸化タンタル及び酸化イットリウムを含む金属酸化物の混合蒸着膜があり、また、この反射防止膜に用いる低屈折率膜としてはシリカの蒸着膜が挙げられる。上記の酸化ジルコニウム蒸着膜、又は酸化ジルコニウムに酸化タンタル及び酸化イットリウムを含む金属酸化物の混合蒸着膜は、酸化ジルコニウム粉末を単独で、又は酸化ジルコニウム粉末に酸化タンタル粉末、酸化イットリウム粉末を混合し、加圧プレス、焼結等によりペレット状にしたものを電子ビーム加熱法により、本願発明のコーティング組成物から成る膜上に蒸着させることにより反射防止膜を設けることが出来る。
【0080】
衝撃吸収膜は耐衝撃性を向上させる。この衝撃吸収膜はポリアクリル酸系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニールアルコール系樹脂等で構成される。
【0081】
また、本発明のコーティング組成物よりなる硬化膜は、高い屈折率を有する為にそれ自体で反射防止膜として使用する事ができ、更に、防曇、フォトクロミック、防汚等の機能成分を加えることにより、多機能膜として使用することもできる。
【0082】
本願発明に用いられる光学部材は、透明性プラスチック成形体が好ましく、その透明性プラスチックとしては、例えば眼鏡レンズのほか、カメラ用レンズ、自動車の窓ガラス、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどに付設する光学フィルターなどが挙げられる。
【0083】
本願発明のコーティング組成物は、(A)成分として一般式(I)及び一般式(II)で表される有機ケイ素化合物、並びにその加水分解物から成る群より選ばれた少なくとも1種のケイ素含有物質と、(B)成分として2〜50nmの粒子径を有し、0.05〜1.0のZrO2/TiO2モル比、及び0.25〜10のTiO2/(ZrO2+SnO2)モル比となる酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子(i)を核としてその表面を、重量比がWO3 /SnO2 として0.1〜100、SiO2/SnO2として0.1〜100であって粒子径1〜7nmである酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子(ii)で被覆されることによって形成された粒子径2.5〜60nmの変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子を含有する。本願発明のコーティング組成物は、(A)成分の有機ケイ素化合物を酸性水溶液で加水分解し、(B)成分を含有するオルガノゾルと混合する事によって好ましく製造することが出来る。この(B)成分のオルガノゾルは、メタノール溶媒に変性金属酸化物の粒子を分散したゾルを好ましく用いることが出来る。
【0084】
上記のコーティング組成物は、光学部材に塗布し硬化させることにより、耐擦傷性、表面硬度、耐摩耗性、透明性、耐熱性、耐光性、耐候性を有し、特に耐水性に優れ、しかも屈折率が1.54以上の高屈折率の部材に塗工しても干渉縞の見られない高透明性で外観良好の光学部材が得られる。
【0085】
以下の実施例に具体例を詳述する。しかし、本願発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0086】
【実施例】
A.酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾルの調製
(b−1)工程:珪酸ナトリウム水溶液(3号珪そう:富士化学(株)製、SiO2に換算して29.0重量%、Na2Oに換算して9.5重量%を含有する。)34.7gを水769.2gに溶解し、ついでタングステン酸ナトリウムNa2
【0087】
WO4・2H2O(試薬一級:WO3に換算して71重量%を含有する。)10.6gおよびスズ酸ナトリウムNaSnO3・3H2O(試薬特級SnO2に換算して56重量%を含有する。)13.5gを溶解する。
【0088】
(b−2)工程:これを水素型陽イオン交換樹脂(オルガノ製アンバーライトIR−120B)充填のカラムに通すことにより酸性の酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体ゾル(pH2.05、WO3に換算して0.63重量%、SnO2に換算して0.63重量%、SiO2に換算して0.84重量%、WO3/SnO2重量比1.0、SiO2/SnO2重量比1.33、粒子径2〜3nm)を1200g得た。
【0089】
製造例1(変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合ゾルの製造)
(a−1)工程:四塩化チタン(TiO2に換算して27.2重量%、Clに換算して32.0重量%、住友シチックス(株)製)587.5g(TiO2に換算して159.8g含有する。)とオキシ塩化ジルコニウム35.65g(ZrO2に換算して24.6g含有する。)、水708.55gを3リットルのジャケット付きガラス製セパラブルフラスコにとり四塩化チタンとオキシ塩化ジルコニウム混合水溶液1331.7g(TiO2に換算して12.0重量%、ZrO2に換算して1.85重量%)を作成した。この水溶液をガラス製攪拌棒で攪拌しながら60℃まで加温した後、冷却しながら35%過酸化水素水(工業用)194.5gと金属スズ粉末(山石金属(株)製AT−Sn、No.200)95.0gを添加した。
【0090】
過酸化水素水と金属スズの添加は始めに過酸化水素水38.9gを次いで金属スズを19.0gを徐々に加え、反応が終了するのを待って(5〜10分)過酸化水素水と金属スズの添加を繰り返す方法で5回分割添加を行った。反応は発熱反応のため金属スズの添加により80〜85℃になり反応が終了すると冷却のために60〜70℃に低下した。従って反応温度は60〜85℃であった。添加時の過酸化水素水と金属スズの割合はH2O2/Snモル比で2.5であった。過酸化水素水と金属スズの添加に要した時間は1.0時間であった。尚、反応により水が蒸発するので適量の補充を行った。反応終了後、淡黄色透明な塩基性塩化チタン−ジルコニウム−スズ複合塩水溶液1605gを得た。得られた塩基性塩化チタン−ジルコニウム−スズ複合塩水溶液中の酸化チタン濃度は9.96重量%、酸化ジルコニウム濃度は1.53重量%、酸化第二スズ濃度は7.51重量%、Zr/Tiモル比は0.1で、Ti/(Zr+Sn)モル比2.0であった。また(Ti+Zr+Sn)/Clモル比は0.53であった。
(a−2)工程:(a−1)工程で得られた塩基性塩化チタン−ジルコニウム−スズ複合塩水溶液1605gに28重量%アンモニア水250g、水4244gを添加し、TiO2+ZrO2+SnO2に換算して5重量%の水溶液とした。この水溶液を95〜98℃で12時間加水分解を行い、一次粒子径4〜8nmの酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイドの凝集体を得た。
(a−3)工程:(a−2)工程で得た酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイドの凝集体スラリーを限外濾過装置にて水約20リットルを用いて濃縮→注水→濃縮を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去、解膠させ、酸性の酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合水性ゾル5647gを得た。(c)工程:Aの(b−2)工程で調製した酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合ゾル1200g(WO3+SnO2+SiO2に換算して26.6g)に撹拌下に、室温で(a−3)工程で調製した酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合ゾル2463.2g(TiO2+ZrO2+SnO2に換算して133.0g)を30分で添加し、30分間撹拌を続行した。得られた混合液は酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズコロイド(TiO2+ZrO2+SnO2)と酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合コロイド(WO3+SnO2+SiO2)の比は(WO3+SnO2+SiO2)/(TiO2+ZrO2+SnO2)重量比0.20、pH2.15、全金属酸化物4.36重量%であり、コロイド粒子のミクロ凝集による白濁傾向を示した。
(d)工程:(c)工程で得た混合液3663.2gにジイソプロピルアミン5.3gを添加し、その後、水酸基型陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)を充填したカラムに室温で通液することにより変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体水性ゾル(希薄液)3896.7gを得た。このゾルは全金属酸化物4.05重量%、pH9.47で白濁傾向を示すが、ついで80℃で1hr加熱熟成することによって透明性の良いゾルを3856.2g得た。
(d)工程で得られた変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合水性ゾル(希薄液)を、分画分子量10万の限外濾過膜の濾過装置により室温で濃縮し、高濃度の変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体水性ゾル525.7gを得た。このゾルは比重1.314、pH7.41、粘度25.4(B型粘度計No.1ローター)cpで安定であった。
上記の高濃度の変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合水性ゾル150.1gに撹拌下に、室温で酒石酸1.37g、ジイソプロピルアミ1.78g、消泡剤(サンノプコ社製SNディフォーマー483)1滴を加え、1時間撹拌した。この調整ゾルのpH7.02であった。このゾルをロータリーエバポレーターにて減圧下、液温30℃以下でメタノール7リットルを少しずつ加えながら水を留去することにより、水性ゾルの水をメタノールで置換した変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合メタノールゾル138.4gを得た。このゾルは比重1.074、pH6.70(水との等重量混合物)、粘度3.0cp、全金属酸化物(TiO2+ZrO2+SnO2+WO3+SiO2に換算して)30.1重量%を含有し、水分0.76重量%、電子顕微鏡観察による粒子径は6〜11nmであった。このゾルはコロイド色を呈し、透明性が高く、室温で3カ月放置後も沈降物の生成、白濁、増粘等の異常は認められず安定であった。またこのゾルの乾燥物の屈折率は1.85であった。
【0091】
製造例2(変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合ゾルの製造)
(a−1)工程:四塩化チタン(TiO2に換算して27.2重量%、Clに換算して32.0重量%、住友シチックス(株)製)587.5g(TiO2に換算して159.8gを含有する。)とオキシ塩化ジルコニウム35.65g(ZrO2に換算して24.6gを含有する。)、水708.55gを3リットルのジャケット付きガラス製セパラブルフラスコにとり四塩化チタンとオキシ塩化ジルコニウム混合水溶液1331.7g(TiO2に換算して12.0重量%、ZrO2に換算して1.85重量%)を作成した。この水溶液をガラス製攪拌棒で攪拌しながら60℃まで加温した後、冷却しながら35%過酸化水素水(工業用)738.0gと金属スズ粉末(山石金属(株)製AT−Sn、No.200)448.4gを添加した。
【0092】
過酸化水素水と金属スズの添加ははじめに過酸化水素水41.0gを次いで金属スズを24.9gを徐々に加え、反応が終了するのを待って(5〜10分)過酸化水素水と金属スズの添加を繰り返す方法で17回分割添加し、最後だけ過酸化水素水45.0gを次いで金属スズを24.9gを添加し、トータル18回の分割添加で行った。反応は発熱反応のため金属スズの添加により80〜85℃になり反応が終了すると冷却のために60〜70℃に低下した。従って反応温度は60〜85℃であった。添加時の過酸化水素水と金属スズの割合はH2O2/Snモル比で2.5であった。過酸化水素水と金属スズの添加に要した時間は1.0時間であった。尚、反応により水が蒸発するので適量の補充を行った。反応終了後、淡黄色透明な塩基性塩化チタン−ジルコニウム−スズ複合塩水溶液2266gを得た。得られた塩基性塩化チタン−ジルコニウム−スズ複合塩水溶液中の酸化チタン濃度は7.05重量%、酸化ジルコニウム濃度は1.08重量%、酸化第二スズ濃度は25.13重量%、Zr/Tiモル比は0.1で、Ti/(Zr+Sn)モル比2.0であった。また(Ti+Zr+Sn)/Clモル比は1.06であった。
(a−2)工程:(a−1)工程で得られた塩基性塩化チタン−ジルコニウム−スズ複合塩水溶液2266gに、水12810gを添加し、TiO2+ZrO2+SnO2に換算して5重量%の水溶液とした。この水溶液を95〜98℃で12時間加水分解を行い、一次粒子径4〜8nmの酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイドの凝集体を得た。
(a−3)工程:(a−2)工程で得た酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合コロイドの凝集体スラリーを限外濾過装置にて水約20リットルを用いて濃縮→注水→濃縮を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去、解膠させ、酸性の酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合水性ゾル14780.4gを得た。
(c)工程:Aの(b−2)工程で調製した酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合ゾル1200g(WO3+SnO2+SiO2に換算して26.64g)に撹拌下に、室温で(a−3)工程で調製した酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合ゾル2607.9g(TiO2+ZrO2+SnO2に換算して133.0g)を30分で添加し、30分間撹拌を続行した。得られた混合液は酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズコロイド(TiO2+ZrO2+SnO2)と酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合コロイド(WO3+SnO2+SiO2)の比は(WO3+SnO2+SiO2)/(TiO2+ZrO2+SnO2)重量比0.20、pH2.50、全金属酸化物4.63重量%であり、コロイド粒子のミクロ凝集による白濁傾向を示した。
(d)工程:(c)工程で得た混合液3441.3gにジイソプロピルアミン5.3gを添加し、その後、水酸基型陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)を充填したカラムに室温で通液することにより変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合水性ゾル(希薄液)4473gを得た。このゾルは全金属酸化物3.57重量%、pH10.03で、白濁傾向を示すが、ついで80℃で1hr加熱熟成することによって透明性の良いゾルを得た。
(d)工程で得られた変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合水性ゾル(希薄液)を、分画分子量10万の限外濾過膜の濾過装置により室温で濃縮し、高濃度の変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合水性ゾル639.0gを得た。このゾルは比重1.210、pH7.72、粘度16.0(B型粘度No.1ローター)cpで安定であった。
【0093】
上記高濃度の変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合水性ゾル230.0gに撹拌下に、室温で酒石酸1.46g、ジイソプロピルアミ1.90g、消泡剤(サンノプコ社製SNディフォーマー483)1滴を加え、1時間撹拌した。この調整ゾルのpHは7.62であった。このゾルをロータリーエバポレーターにて減圧下、液温30℃以下でメタノール8リットルを少しずつ加えながら水を留去することにより、水性ゾルの水をメタノールで置換した変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合メタノールゾル170.2gを得た。このゾルは比重0.992、pH6.53(水との等重量混合物)、粘度2.7cp、全金属酸化物(TiO2+ZrO2+SnO2+WO3+SiO2に換算して)22.5重量%、水分0.45重量%、電子顕微鏡観察による粒子径は6〜11nmであった。
【0094】
このゾルはコロイド色を呈し、透明性が高く、室温で3カ月放置後も沈降物の生成、白濁、増粘等の異常は認められず安定であった。またこのゾルの乾燥物の屈折率は1.90であった。
【0095】
製造例3(酸化チタンメタノールゾルの製造)
四塩化チタン(TiO2に換算して27.2重量%、Clに換算して32.0重量%、住友シチックス(株)製)587.5g(TiO2に換算して159.8g)と水2608.5gを3リットルのジャケット付きガラス製セパラブルフラスコにとり四塩化チタン水溶液3196g(TiO2に換算して5.0重量%)を作成した。この水溶液に28%アンモニア水50gをガラス製攪拌棒で攪拌しながら添加した後、この水溶液を95℃で10時間加水分解を行い、一次粒子径4〜8nmの酸化チタンコロイドの凝集体を得た。
【0096】
この酸化チタンコロイドの凝集体スラリーを5B濾紙を用いて吸引濾過を行い、次いで水約40リットルを用いて注水洗浄し、過剰な電解質を除去し、酸化チタンのウェットケーキ620gを得た。得られたウェットケーキを水2576gに分散させた後、イソプロピルアミン8.0gを添加し、アルカリ性とした後、陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410、オルガノ(株)製)200ミリリットルを詰めたカラムに通液し、アルカリ性の酸化チタン水性ゾル3890gを得た。このゾルをロータリーエバポレーターにて減圧下、濃縮を行ない、アルカリ性酸化チタン水性濃縮ゾル1070gを得た。得られたゾルに攪拌下、酒石酸12.1g、ジイソプロピルアミン26.1gを添加した後、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、メタノール25リットルを徐々に添加しながら水を留去する方法で水媒体をメタノールに置換させ、酸化チタンメタノールゾル775.2gを作成した。得られたメタノールゾルは比重0.970、粘度4.5mPa・s、PH(1+1)8.98、電導度1600μs/cm、TiO220.2重量%、水分3.4重量%であった。
【0097】
(コーティング液の作製)
実施例1
マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器に、前述した(A)成分に該当するγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン105.3重量部を加え、撹拌しながら0.01規定の塩酸36.8重量部を3時間で滴下した。滴下終了後、0.5時間撹拌を行い、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物を得た。つぎに(B)成分として前述の製造例1で得た変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合メタノールゾル(TiO2+ZrO2+SnO2+WO3+SiO2として30.1重量%)397.8重量部、ブチルセロソルブ65重量部、更に硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネート4.2重量部を前述したγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物142.1重量部に加え、十分に撹拌した後、ろ過を行ってコーティング液を作製した。
【0098】
実施例2
実施例1に用いた製造例1の変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合メタノールゾルの代わりに製造例2の変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合メタノールゾル(TiO2+ZrO2+SnO2+WO3+SiO2として22.5重量%)539.2重量部を用いた以外は実施例1と同様に行った。
【0099】
実施例3
実施例1に用いた(A)成分に該当するγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの代わりに同じ(A)成分に該当するテトラエトキシシラン22.3重量部およびγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン77.9重量部、硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネート2.6重量部 、過塩素酸アンモニウム0.5重量部を用いた以外は実施例1と同様に行った。
【0100】
実施例4
実施例3に用いた製造例1の変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合メタノールゾルの代わりに製造例2の変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズ複合メタノールゾル(TiO2+ZrO2+SnO2+WO3+SiO2に換算して22.5重量%)539.2重量部を用いた以外は実施例1と同様に行った。(A)成分に該当するγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン74.2重量部およびγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン31.1重量部を用いた以外は実施例2と同様に行った。
【0101】
比較例1
実施例1で用いたゾルの代わりに、製造例3で作製した酸化チタンメタノールゾル(TiO2に換算して20.2重量%)を643.6重量部用いた以外はすべて実施例1と同様に行った。
【0102】
比較例2
実施例1で用いたゾルの代わりに、7.2nmの粒子径を有する酸化スズのコロイド粒子を核として、その表面がWO3/SnO2重量比5.12であって粒子径5nmである酸化タングステン−酸化スズ複合体のコロイド粒子で被覆されることによって形成された粒子径約18nmの変性酸化スズメタノールゾル〔(WO3+SnO2)/SnO2の重量比0.46、WO3+SnO2に換算した全金属酸化物を30.0重量%含有する〕433.3重量部の割合で用いた以外はすべて実施例1と同様に行った。
【0103】
比較例3
実施例1で用いたゾルの代わりに、コロイダルシリカ(メタノールゾル、SiO2として20重量%、粒子径15nm)を650.0重量部用いた以外はすべて実施例1と同様に行った。
【0104】
(硬化膜の形成)
市販の屈折率nD=1.59のポリカーボネートの板を用意し、これにスピンコート法で上記のコーティング組成物を塗布し、120℃で2時間加熱処理をして、塗膜を硬化させた。
【0105】
なお、本実施例および比較例で得られた、硬化膜を有する光学部材は、以下に示す測定方法により諸物性を測定した。
【0106】
(1)耐擦傷性試験
スチールウール#0000で硬化膜表面を擦って傷の付きにくさを目視で判断した。判断基準は次のようにした。
【0107】
A・・・強くこ擦ってもほとんど傷が付かない
B・・・強く擦るとかなり傷がつく
C・・・光学基材と同等の傷が付く
(2)干渉縞の有無
蛍光灯下で硬化膜を有する光学部材を目視で判断した。判断基準は次の通りである。
【0108】
A・・・干渉縞がほとんど見えない
B・・・少し見える
C・・・かなり見える
(3)密着性試験
硬化膜に1mm間隔で、100目クロスカットし、このクロスカットした所に粘着テープ(商品名”セロテープ”ニチバン(株)製品)と強く貼り付けた後、粘着テープを急速に剥がし、粘着テープを剥がした後の硬化膜の剥離の有無を調べた。
【0109】
(4)耐温水性試験
80℃の温水に光学部材を2時間浸漬し、前述した同様の密着性試験を行った。
【0110】
(5)透明性試験
暗室内、蛍光灯下で硬化膜にくもりがあるかどうか目視で調べた。判断基準は次の通りである。
【0111】
A・・・くもりがほとんど見えない。
【0112】
B・・・少し見える。
【0113】
C・・・かなり見える。
【0114】
以下の(6)、(7)の2つの試験は、硬化膜の上に後述する無機酸化物の蒸着膜からなる反射防止膜を施してある。
【0115】
(6)耐候性試験
得られた光学部材を1ヶ月間屋外暴露を行い、暴露後の光学部材の外観の変化を目視で判断した。
【0116】
【表1】
【0117】
【発明の効果】
本発明のコーティング組成物によって得られる硬化膜は、耐擦傷性、表面硬度、耐摩耗性、透明性、耐熱性、耐光性、耐候性や、特に耐水性の向上したコーティング層となる。さらにこのコーティング層の上に形成される反射防止膜(無機酸化物やフッ化物など)、金属蒸着膜などとの接着性も良好である。
【0118】
本発明の光学部材は、耐擦傷性、表面硬度、耐摩耗性、透明性、耐熱性、耐光性、耐候性や、特に耐水性に優れたものであり、しかも屈折率が1.54以上の高屈折率の部材に塗工しても干渉縞の見られない高透明性で外観良好の光学部材となる。
【0119】
本発明のコーティング組成物よりなる硬化膜を有する光学部材は、眼鏡レンズのほか、カメラ用レンズ、自動車の窓ガラス、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどに付設する光学フィルターなどに使用することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention uses a silicon-containing substance and a titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particle (i) as a nucleus, and the surface thereof is coated with a tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite colloidal particle (ii). ) Coated with a modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles. Furthermore, the coatings formed with these coating compositions are excellent in hot water resistance, weather resistance and scratch resistance, and even when this coating is laminated with an inorganic oxide vapor deposition film (such as an antireflection film), The present invention relates to a coating composition and an optical member that do not deteriorate weather resistance and light resistance.
[0002]
[Prior art]
Plastic moldings are used in large quantities taking advantage of lightness, easy processability, impact resistance, etc., but on the other hand, they are insufficiently hard and easily scratched, are easily damaged by solvents, and are charged and dusty. Adhesion of water and insufficient heat resistance are practically insufficient for use as spectacle lenses, window materials and the like compared to inorganic glass molded bodies. Therefore, it has been proposed to apply a protective coat to the plastic molded body.
[0003]
In Japanese Patent Application Laid-Open No. 52-11261, a coating composition containing an organosilicon compound or a hydrolyzate thereof as a main component (resin component or coating film forming component) is used for eyeglass lenses. However, since this coating composition is still unsatisfactory in scratch resistance, a composition in which a silica sol dispersed in a colloidal form is added to this coating composition (for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 53-111336) is also proposed. Has been put to practical use.
[0004]
Conventionally, most plastic spectacle lenses are manufactured by cast polymerization of a monomer called diethylene glycol bisallyl carbonate. Since this lens has a refractive index of about 1.50, which is lower than the refractive index of a glass lens of about 1.52, in the case of a myopic lens, there is a disadvantage that the edge thickness is increased. Therefore, in recent years, a monomer having a higher refractive index than diethylene glycol bisallyl carbonate has been developed. For example, JP-A-55-13747, JP-A-56-166214, JP-A-57-23611, JP-A-57-23611 High refractive index resin materials such as JP-A-57-54901, JP-A-59-133211, JP-A-60-199016, and JP-A-64-54021 have been proposed.
[0005]
For such a high refractive index resin lens, a colloidal dispersion of metal oxide fine particles of Sb and Ti is used as a coating material as disclosed in Japanese Patent Laid-Open Nos. 62-151801 and 63-275682. A method has also been proposed.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, the coating composition to which silica sol is added has a problem in that interference fringes are visible in the coating film and the appearance of the lens is poor. In addition, in the lens, an antireflection film (consisting of a multilayer structure film of an inorganic oxide thin film based on the optical interference theory) is often formed on the coating film. In this case, the antireflection film exhibits, for example, an extremely thin green reflection color, but this reflection color varies depending on the position of the lens surface, and there is a problem that there is unevenness.
[0007]
Furthermore, in the case of a coating composition using a titanium oxide sol, there is a problem in compatibility with the silane coupling of the titanium oxide sol and its hydrolyzate, the stability is poor, and the coating layer formed by this coating composition is water resistant. Inferior to the above, there was a drawback of being colored blue by ultraviolet irradiation.
[0008]
In the case of a coating composition using an antimony oxide sol, the compatibility and stability of the antimony oxide sol with respect to silane coupling and its hydrolyzate are good, but the coating layer formed by this coating composition has a sufficient refractive index. There was a problem that it was not expensive.
[0009]
Accordingly, the present invention provides a coating composition that gives a coating film in which no interference fringes are visible and the reflected color is not uneven, with respect to a medium to high refractive index plastic molded product of nd = 1.54 to 1.71. It is to provide an object and an optical member.
[0010]
In addition, the present invention is a coating for plastics moldings excellent in scratch resistance, surface hardness, abrasion resistance, flexibility, transparency, antistatic properties, dyeability, heat resistance, water resistance, chemical resistance, etc. The object is to provide a composition and an optical member.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is claimed in claim 1 as the following components (A) and (B):
(A) component: General formula (I)
(R1)a(RThree)bSi (OR2)4- (a + b) (I)
(However, R1And RThreeAre each an organic group having an alkyl group, an aryl group, a halogenated alkyl group, a halogenated aryl group, an alkenyl group, or an epoxy group, an acryloyl group, a methacryloyl group, a mercapto group, an amino group, or a cyano group, and Si—C. It is bonded to a silicon atom by a bond, and R2Is an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, an alkoxyalkyl group, or an acyl group, a and b are each an integer of 0, 1, or 2, and a + b is an integer of 0, 1, or 2. And general formula (II)
[(RFour)cSi (OX)3-c]2Y (II)
(However, RFourRepresents an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms, X represents an alkyl group or acyl group having 1 to 4 carbon atoms, Y represents a methylene group or an alkylene group having 2 to 20 carbon atoms, and c represents 0 or 1 It is an integer. And at least one silicon-containing substance selected from the group consisting of hydrolysates thereof,
Component (B): ZrO having a particle diameter of 2 to 50 nm and 0.05 to 1.02/ TiO2Molar ratio and 0.25-10 TiO2/ (ZrO2+ SnO2) The molar ratio of titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles (i) is used as a nucleus, and the surface is weighted to WOThree/ SnO2As 0.1 to 100, SiO2/ SnO2Particle diameter of 2.5 to 60 nm formed by coating with colloidal particles (ii) of tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite having a particle diameter of 0.1 to 100 and a particle diameter of 1 to 7 nm A coating composition containing modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles.
[0012]
The component (A) is at least one silicon-containing substance selected from the group consisting of an organosilicon compound represented by the general formula (I) and a hydrolyzate thereof. Coating composition.
[0013]
As the third aspect, the modified metal oxide particles of the component (B) are obtained by converting a titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite aqueous sol into a metal oxide (TiO 2).2+ ZrO2+ SnO2) In terms of 100 parts by weight and a tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite aqueous sol as a metal oxide (WOThree+ SnO2+ SiO2The coating composition according to claim 1 or 2 obtained by mixing 2 to 100 parts by weight in terms of).
[0014]
As a fourth aspect of the present invention, as the component (C), at least one metal compound selected from the group consisting of a metal salt, a metal alkoxide, and a metal chelate is contained as a curing catalyst. It is a coating composition as described in above.
[0015]
According to a fifth aspect of the present invention, there is provided an optical member having on its surface a cured film comprising the coating composition according to any one of the first to fourth aspects.
[0016]
According to a sixth aspect of the present invention, there is provided an optical member having, on the surface thereof, a film formed by laminating a cured film, a shock absorbing film, and an antireflection film made of the coating composition according to any one of the first to fifth aspects.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
General formula (I) in the component (A) used in the coating composition of the present invention,
(R1)a(RThree)bSi (OR2)4- (a + b) (I)
In R1And RThreeIncludes the same organic group or different organic groups, or an organosilicon compound in which a and b are the same or different integers. The organosilicon compound represented by the general formula (I) in the component (A) is, for example, tetramethoxysilane, tetraethoxysilane, tetra n-propoxysilane, tetraisopropoxysilane, tetra n-butoxysilane, tetraacetoxysilane. , Methyltrimethoxysilane, methyltripropoxysilane, methyltriacetoxysilane, methyltributoxysilane, methyltripropoxysilane, methyltriamyloxysilane, methyltriphenoxysilane, methyltribenzyloxysilane, methyltriphenethyloxysilane, glycine Sidoxymethyltrimethoxysilane, glycidoxymethyltriethoxysilane, α-glycidoxyethyltrimethoxysilane, α-glycidoxyethyltriethoxysilane, β-glycidoxyethyltrimethoxy Silane, β-glycidoxyethyltriethoxysilane, α-glycidoxypropyltrimethoxysilane, α-glycidoxypropyltriethoxysilane, β-glycidoxypropyltrimethoxysilane, β-glycidoxypropyltriethoxy Silane, γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropyltriethoxysilane, γ-glycidoxypropyltripropoxysilane, γ-glycidoxypropyltributoxysilane, γ-glycidoxypropyltriphenoxy Silane, α-glycidoxybutyltrimethoxysilane, α-glycidoxybutyltriethoxysilane, β-glycidoxybutyltriethoxysilane, γ-glycidoxybutyltrimethoxysilane, γ-glycidoxybutyltriethoxy Silane, δ-glycidoxy Butyltrimethoxysilane, δ-glycidoxybutyltriethoxysilane, (3,4-epoxycyclohexyl) methyltrimethoxysilane, (3,4-epoxycyclohexyl) methyltriethoxysilane, β- (3,4-epoxycyclohexyl) ) Ethyltrimethoxysilane, β- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltriethoxysilane, β- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltripropoxysilane, β- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltributoxysilane , Β- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltriphenoxysilane, γ- (3,4-epoxycyclohexyl) propyltrimethoxysilane, γ- (3,4-epoxycyclohexyl) propyltriethoxysilane, δ- (3 , 4-epoxycyclo Xyl) butyltrimethoxysilane, δ- (3,4-epoxycyclohexyl) butyltriethoxysilane, glycidoxymethylmethyldimethoxysilane, glycidoxymethylmethyldiethoxysilane, α-glycidoxyethylmethyldimethoxysilane, α -Glycidoxyethylmethyldiethoxysilane, β-glycidoxyethylmethyldimethoxysilane, β-glycidoxyethylethyldimethoxysilane, α-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane, α-glycidoxypropylmethyldiethoxysilane Β-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane, β-glycidoxypropylethyldimethoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldiethoxysilane, γ-glycidoxyp Pyrmethyldipropoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldibutoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldiphenoxysilane, γ-glycidoxypropylethyldimethoxysilane, γ-glycidoxypropylethyldiethoxysilane, γ -Glycidoxypropyl vinyldimethoxysilane, γ-glycidoxypropyl vinyldiethoxysilane, ethyltrimethoxysilane, ethyltriethoxysilane, vinyltrimethoxysilane, vinyltriethoxysilane, vinyltriacetoxysilane, phenyltrimethoxysilane, Phenyltriethoxysilane, phenyltriacetoxysilane, γ-chloropropyltrimethoxysilane, γ-chloropropyltriethoxysilane, γ-chloropropyltriacetoxysilane, 3, 3, 3-trif Rolopropyltrimethoxysilane, γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, γ-mercaptopropyltrimethoxysilane, γ-mercaptopropyltriethoxysilane, β-cyanoethyltriethoxysilane, chloromethyltrimethoxysilane, chloromethyltriethoxysilane, N- (β-aminoethyl) γ-aminopropyltrimethoxysilane, N- (β-aminoethyl) γ-aminopropylmethyldimethoxysilane, γ-aminopropylmethyldimethoxysilane, N- (β-aminoethyl) γ- Aminopropyltriethoxysilane, N- (β-aminoethyl) γ-aminopropylmethyldiethoxysilane, dimethyldimethoxysilane, phenylmethyldimethoxysilane, dimethyldiethoxysilane, phenylmethyldiethoxysila , Γ-chloropropylmethyldimethoxysilane, γ-chloropropylmethyldiethoxysilane, dimethyldiacetoxysilane, γ-methacryloxypropylmethyldimethoxysilane, γ-methacryloxypropylmethyldiethoxysilane, γ-mercaptopropylmethyldimethoxysilane, γ-mercaptomethyldiethoxysilane, methylvinyldimethoxysilane, methylvinyldiethoxysilane and the like can be mentioned, and these can be used alone or in combination of two or more.
[0018]
The hydrolyzate of the organosilicon compound of the general formula (I) in the component (A) used in the coating composition of the present invention is obtained by hydrolyzing the organosilicon compound of the general formula (I). , R above2A compound in which a part or all of is substituted with a hydrogen atom is obtained. These hydrolysates of organosilicon compounds of general formula (I) can be used alone or in combination of two or more. Hydrolysis is performed by adding an acidic aqueous solution such as an aqueous hydrochloric acid solution, an aqueous sulfuric acid solution, or an aqueous acetic acid solution to the above organosilicon compound and stirring.
[0019]
General formula (II) in component (A) used in the coating composition of the present invention,
[(RFour)cSi (OX)3-c]2Y (II)
Examples of the organosilicon compound represented by the formula include methylene bismethyldimethoxysilane, ethylene bisethyldimethoxysilane, propylene bisethyldiethoxysilane, butylene bismethyldiethoxysilane, and these are used alone or in combination of two or more. Can be used.
[0020]
Moreover, the hydrolyzate of the organosilicon compound of general formula (II) in the component (A) used in the coating composition of the present invention is obtained by hydrolyzing the organosilicon compound of general formula (II). , A compound in which a part or all of X is replaced with a hydrogen atom. These hydrolysates of organosilicon compounds of general formula (II) can be used alone or in combination of two or more. Hydrolysis is performed by adding an acidic aqueous solution such as an aqueous hydrochloric acid solution, an aqueous sulfuric acid solution, or an aqueous acetic acid solution to the above organosilicon compound and stirring.
[0021]
Component (A) used in the coating composition of the present invention is at least one selected from the group consisting of organosilicon compounds represented by general formula (I) and general formula (II), and hydrolysates thereof. This is a silicon-containing material.
[0022]
The component (A) used in the coating composition of the present invention is preferably at least one silicon-containing substance selected from the group consisting of an organosilicon compound represented by the general formula (I) and a hydrolyzate thereof. It is. In particular, R1And RThreeIs an organic group having an epoxy group, and R2Is an alkyl group, and a and b are each 0 or 1, and an organosilicon compound of the general formula (I) and a hydrolyzate thereof satisfying the condition that a + b is 1 or 2 are preferred. Examples include glycidoxymethyltrimethoxysilane, glycidoxymethyltriethoxysilane, α-glycidoxyethyltrimethoxysilane, α-glycidoxyethyltriethoxysilane, β-glycidoxyethyltrimethoxysilane, β-glycidoxyethyltriethoxysilane, α-glycidoxypropyltrimethoxysilane, α-glycidoxypropyltriethoxysilane, β-glycidoxypropyltrimethoxysilane, β-glycidoxypropyltriethoxysilane, γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane, γ-glycidoxyp Pyrtriethoxysilane, γ-glycidoxypropyltripropoxysilane, γ-glycidoxypropyltributoxysilane, γ-glycidoxypropyltriphenoxysilane, α-glycidoxybutyltrimethoxysilane, α-glycidoxy Butyltriethoxysilane, β-glycidoxybutyltriethoxysilane, γ-glycidoxybutyltrimethoxysilane, γ-glycidoxybutyltriethoxysilane, δ-glycidoxybutyltrimethoxysilane, δ-glycidoxy Butyltriethoxysilane, glycidoxymethylmethyldimethoxysilane, glycidoxymethylmethyldiethoxysilane, α-glycidoxyethylmethyldimethoxysilane, α-glycidoxyethylmethyldiethoxysilane, β-glycidoxyethylmethyl Dimethoxysilane β-glycidoxyethylethyldimethoxysilane, α-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane, α-glycidoxypropylmethyldiethoxysilane, β-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane, β-glycidoxypropylethyldimethoxysilane Γ-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldiethoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldipropoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldibutoxysilane, γ-glycidoxypropyl Methyldiphenoxysilane, γ-glycidoxypropylethyldimethoxysilane, γ-glycidoxypropylethyldiethoxysilane, γ-glycidoxypropylvinyldimethoxysilane, γ-glycidoxypropylvinyldiethoxysilane That.
[0023]
Further, γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldiethoxysilane and hydrolysates thereof are preferable, and these can be used alone or as a mixture. In addition, γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldiethoxysilane or a hydrolyzate thereof is further used in combination with a tetrafunctional compound corresponding to a + b = 0 in the general formula (I). I can do it. Examples of the tetrafunctional compound include tetramethoxysilane, tetraethoxysilane, tetraisopropoxysilane, tetra n-propoxysilane, tetra n-butoxysilane, tetra tert-butoxysilane, tetra sec-butoxysilane, and the like. It is done.
[0024]
The modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles used for the component (B) of the present invention can be obtained by the following method for producing an aqueous sol.
That is, a stable aqueous sol of modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles is produced from the following steps (a), (b), (c) and (d). .
[0025]
In step (a), a stable aqueous sol of titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles (i) serving as a nucleus is produced.
[0026]
Examples of the titanium salt used in the step (a-1) include titanium tetrachloride, titanium sulfate, and titanium nitrate. These titanium salts are preferably used in an aqueous solution. Examples of the oxyzirconium salt include zirconium oxychloride, zirconium oxysulfate, zirconium oxynitrate, zirconium oxyinorganic acid such as zirconium oxycarbonate, and zirconium oxyorganic acid such as zirconium oxyacetate. Metal tin can be used in powder form or granular form. For example, it is possible to use a metal tin powder by an atomization method obtained by melting and spray solidifying an ingot, or a flaky metal tin powder produced by cutting an ingot with a lathe or a file. As for hydrogen peroxide, a commercially available 35 wt% aqueous solution can be used at a desired concentration.
[0027]
In the step (a-1), a hydrogen peroxide solution and metallic tin are added simultaneously or alternately to a mixed aqueous solution of a titanium salt and an oxyzirconium salt to produce a basic aqueous solution of titanium-zirconium-tin. . A mixture aqueous solution of a titanium salt and an oxyzirconium salt is placed in a reaction vessel equipped with a stirrer, and hydrogen peroxide solution and metallic tin are added simultaneously or alternately from separate addition ports with stirring. The above mixture aqueous solution is a method of dissolving titanium salt and oxyzirconium salt in pure water, a method of mixing titanium salt aqueous solution and oxyzirconium salt aqueous solution, a method of adding oxyzirconium salt to titanium salt aqueous solution, or an oxyzirconium salt It can be obtained by adding a titanium salt to an aqueous solution. Since the slurry containing the basic salt aqueous solution in the step (a-1) and the aggregate of the titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide complex colloid in the step (a-2) that follows is acidic, these steps are performed. It is preferable to use a reactor made of glass or a reactor made of glass lining (hollow).
[0028]
Hydrogen peroxide water and metallic tin H2O2/ Sn molar ratio is added to the aqueous mixture of titanium salt and oxyzirconium salt while maintaining a molar ratio of 2 to 3. More specifically, 1/3 to 1/30 parts by weight of the hydrogen peroxide solution and the metal tin to be added is separately collected, and the mixture is peroxidized into an aqueous mixture of a titanium salt and an oxyzirconium salt. The method of the division addition which repeats 3-30 times of the series of processes which add hydrogen water, the subsequent addition of metallic tin, and reaction for 2 to 20 minutes is mentioned. Addition of metal tin to aqueous mixture of titanium salt and oxyzirconium salt by separating 1/3 to 1/30 parts by weight of the total amount of hydrogen peroxide and metal tin to be added. And the method of the division addition which repeats the series of processes which perform the addition of the hydrogen peroxide solution and the reaction for 2 to 20 minutes after that for 3 to 30 times is also mentioned.
[0029]
At this time, the total amount of hydrogen peroxide was first added to the aqueous solution of the acidic titanium salt and oxyzirconium salt mixture, and when metal tin was added thereto, most of the hydrogen peroxide was decomposed in the early stage of the reaction. The amount of hydrogen peroxide is insufficient, and the decomposition reaction of hydrogen peroxide is dangerous because it is exothermic. H2O2Although the reaction is possible even if the / Sn molar ratio slightly exceeds 3, it is not preferable to greatly exceed it for the above reasons. H2O2When the / Sn molar ratio is less than 2, oxidation is insufficient, such being undesirable. The addition time of the hydrogen peroxide solution and metal tin is, for example, 0.4 to 10 hours, preferably 0.4 to 4 hours when a mixed aqueous solution in which 1 mol is dissolved in the total number of moles of titanium salt and oxyzirconium salt is used. It can be added over 5 hours. If the addition time is 0.4 hours or less, the exothermic reaction is so intense that it cannot be controlled, and unreacted metallic tin tends to remain, which is not preferable. Moreover, although it may be 10 hours or more, it is not preferable because it is not economical.
[0030]
The basic salt of titanium-zirconium-tin produced in the step (a-1) is composed of a titanium component, a zirconium component and a tin component.2), Zirconium oxide (ZrO)2) And stannic oxide (SnO)2ZrO converted to)2/ TiO2The molar ratio is 0.05 to 1.0, preferably 0.1 to 0.5. TiO2/ (ZrO2+ SnO2) The molar ratio is 0.25 to 10, preferably 0.4 to 4.0.
[0031]
TiO2/ (ZrO2+ SnO2) Even if the molar ratio is less than 0.25, a basic aqueous solution of titanium-zirconium-tin can be prepared, but this is not preferable because the molar ratio of the counter anion is decreased, colloid is easily formed, and the refractive index is also decreased. Further, even when the molar ratio exceeds 10, a basic aqueous solution of titanium-zirconium-tin can be prepared, but the effect of suppressing discoloration of the titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite sol produced using this solution by ultraviolet rays is suppressed. Is unfavorable because of lowering. (TiO-1 in the basic salt aqueous solution of titanium-zirconium-tin in the step (a-1)2+ ZrO2+ SnO2The total concentration converted to) is preferably 0.5 to 50% by weight. Although it is possible even if it is less than 0.5% by weight, it is not efficient and economical. Although it is possible to exceed 50% by weight, it is not preferable because the viscosity is high, stirring becomes difficult, and the reaction becomes non-uniform.
[0032]
In the step (a-1), the reaction of titanium salt, oxyzirconium salt, metallic tin, and hydrogen peroxide solution in an aqueous medium is performed at 30 to 95 ° C, preferably 40 to 85 ° C. Since the reaction between hydrogen peroxide and tin metal is an oxidation reaction, it becomes an exothermic reaction, and the decomposition reaction of hydrogen peroxide also occurs at the same time. This reaction is also an exothermic reaction, so care must be taken in controlling the temperature during the reaction. It can be cooled if necessary. Although the reaction temperature may be less than 30 ° C., since it is an exothermic reaction, excessive cooling is required, and the reaction takes too much time and is not economical. In a boiling state where the reaction temperature is 95 ° C. or higher, coarse colloidal particles are generated in the step (a-1), which is not preferable.
[0033]
In the step (a-2), the titanium-zirconium-tin basic salt obtained in the step (a-1) is hydrolyzed to aggregate the titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide complex colloid. It is the process of obtaining. In the step (a-2), a titanium-zirconium-tin basic salt aqueous solution is made of titanium oxide (TiO 2).2), Zirconium oxide (ZrO)2) And stannic oxide (SnO)2) Converted to total concentration (TiO2+ ZrO2+ SnO2) Is preferably adjusted to 2 to 15% by weight. Although it is possible even if it is less than 2% by weight, the efficiency is low and it is not economical. Although it is possible to exceed 15% by weight, it is not preferable because the viscosity is high, stirring becomes difficult, and the hydrolysis reaction becomes uneven. In order to control the particle size, hydrolysis can be performed after adding a basic substance and adjusting the pH in advance. Examples of the basic substance include sodium hydroxide, potassium hydroxide, ammonium, alkylamines such as ethylamine, n-propylamine, and isopropylamine, alkanolamines such as triethanolamine, and quaternary ammonium hydroxides. Is mentioned. And it is preferable to adjust pH to 1-2.
[0034]
In the step (a-2), the hydrolysis temperature is preferably 50 to 100 ° C. Although it may be less than 50 ° C., it is not preferable because hydrolysis takes too much time. Although it may be performed at a temperature exceeding 100 ° C., a special hydrothermal treatment apparatus such as an autoclave is required, and the secondary agglomerates of colloid produced by the hydrothermal treatment are strengthened, and the obtained titanium oxide-zirconium oxide-oxidation It is not preferable because the transparency of the stannic complex sol is lowered.
[0035]
The time required for hydrolysis in the step (a-2) is preferably 0.1 to 100 hours. Less than 0.1 hour is not preferable because hydrolysis is insufficient. On the other hand, when the time exceeds 100 hours, the primary particle diameter becomes large or a strong secondary aggregate is formed, which is not preferable. The primary particle diameter of the titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles obtained by the step (a-2) is 2 to 50 nm (nanometers).
[0036]
The step (a-3) removes excess electrolyte (mainly anions) from the aggregate slurry of the titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide complex colloid obtained in the step (a-2), In this step, the colloidal particles of titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite are peptized to obtain a sol. By removing the excess electrolyte, it is possible to obtain a sol in which the colloidal particles of titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide complex are dispersed in a state close to the primary particles. This washing can be carried out by coagulation sedimentation, decantation of the supernatant, ultrafiltration, ion exchange, etc. If it contains a large amount of electrolyte, washing by repeated ultrafiltration → water injection → ultrafiltration The method is particularly preferred.
[0037]
The particle diameter of the titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles in the sol obtained in the step (a-3) is 2 to 50 nm. This 2-50 nm is calculated | required as a primary particle diameter. The primary particle size is not the diameter of the titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles in the aggregated form, but one titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloid when individually separated. The diameter of the particle, which can be measured with an electron microscope. If the primary particle diameter is less than 2 nm, the viscosity of the titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite sol produced using the primary particle diameter is increased, and the water resistance is also decreased. Moreover, when the primary particle diameter is 50 nm or more, the transparency of the titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite sol produced using the primary particle diameter is unfavorable.
[0038]
Titanium oxide (TiO2) Has an ultraviolet absorbing ability and is used by adding powder having a particle size of about 0.1 to 10 μm to various plastics and fibers as an ultraviolet resistant pigment and filler. In addition, titanium oxide used as a microfiller for coating compositions applied to optical-related applications such as optical members and transparent films is used as a sol having a primary particle size of 100 nm or less, preferably 20 nm or less. ing. Titanium oxide with a small primary particle size becomes very sensitive to ultraviolet rays, so that the ultraviolet absorption effect is improved. On the other hand, titanium oxide is partially TiO by ultraviolet rays.2→ A reduction reaction to TiO occurs and has the disadvantage of exhibiting a dark blue color. Stannic oxide (SnO2), When the sol has a primary particle size of 100 nm or less, particularly 30 nm or less, it is partially SnO by ultraviolet rays2→ Since the reduction reaction to SnO occurs, it has the disadvantage of exhibiting brown or blue-green.
[0039]
The titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide complex sol is prepared by previously adding hydrogen peroxide and metallic tin to a mixed aqueous solution of titanium salt and oxyzirconium salt.2O2/ Sn molar ratio is kept in the range of 2 to 3, added and reacted to prepare a titanium-zirconium-tin basic salt aqueous solution, and then hydrolyze this to produce titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide. A complex aqueous colloidal solution is formed. Even when irradiated with ultraviolet rays, the reduction to TiO or SnO is remarkably suppressed and hardly discolored as compared with the case of each single oxide or when each oxide is mixed.
[0040]
Even after performing operations such as electrolyte removal, ion exchange, and solvent replacement, TiO2Particles, ZrO2Particles, and SnO2There is no such thing as separation into particles.
[0041]
Titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite sol is uniformly compounded (solid solution) at the atomic level, so when used as a material for various ceramics, the sintering temperature can be reduced and titanium oxide-zirconium oxide -Can provide more uniform material properties of the stannic oxide system.
[0042]
(B) Tungsten oxide used in the process (WOThree), Stannic oxide (SnO)2) And silicon dioxide (SiO2)2The method for producing a stable tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite sol containing the composite colloidal particles (ii) of) is an example of tungstate, stannate and silicate used in the production of the sol. Examples thereof include tungstates such as alkali metals, ammonium and amines, stannates and silicates. In particular, sodium tungstate (Na2WOFour・ 2H2O), sodium stannate (Na2SnOThree・ 3H2O) and sodium silicate (water glass) are preferred. Also. A solution in which tungsten oxide, tungstic acid, stannic acid, silicic acid, or the like is dissolved in an aqueous solution of an alkali metal hydroxide can also be used. (B-1) As a preparation method of the aqueous solution in the step, a method of preparing an aqueous solution by dissolving each powder of tungstate, stannate, and silicate in water, an aqueous solution of tungstate, an aqueous solution of stannate, and Examples thereof include a method of preparing an aqueous solution by mixing a silicate aqueous solution, a method of preparing an aqueous solution by adding a tungstate and stannate powder, and an aqueous solution of silicate to water.
[0043]
The aqueous solution of tungstate is WOThreeThe concentration of 0.1 to 15% by weight is preferable, but higher concentrations can also be used. As an aqueous solution of stannate, SnO2A concentration of about 0.1 to 30% by weight is preferred, but higher concentrations can be used. As an aqueous solution of silicate, SiO2A concentration of about 0.1 to 30% by weight is preferred, but higher concentrations can be used.
[0044]
The aqueous solution in the step (b-1) is preferably prepared at room temperature to 100 ° C., preferably at room temperature to about 60 ° C. with stirring. The aqueous solution to be mixed is WOThree/ SnO20.1-100 by weight, SiO2/ SnO2The weight ratio is preferably 0.1 to 100.
[0045]
Step (b-2) is a step of removing cations present in the aqueous solution obtained in step (b-1). As a method of decation treatment, a method of contacting with a hydrogen ion exchanger or salting out can be performed. The hydrogen-type cation exchanger used here is usually used, and a commercially available hydrogen-type cation exchange resin can be conveniently used.
[0046]
WO contained in tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite solThree, SnO2And SiO2The particle diameter of the composite colloidal particles can be observed with an electron microscope, and the particle diameter is 1 to 7 nm. As a dispersion medium for the colloidal particles of the sol, either water or a hydrophilic organic solvent can be used. Examples of the hydrophilic organic solvent include lower alcohols such as methyl alcohol, ethyl alcohol, and isopropyl alcohol; linear amides such as dimethylformamide and N, N′-dimethylacetamide; cyclic amides such as N-methyl-2-pyrrolidone And glycols such as ethyl cellosolve, butyl cellosolve, and ethylene glycol.
[0047]
The sol is WOThree, SnO2And SiO2WOThree/ SnO20.1-100 by weight, SiO2/ SnO2It contains in the ratio of 0.1-100 as a weight ratio.
[0048]
WO contained in the solThree, SnO2And SiO2The total concentration of is usually 40% by weight or less, practically preferably 2% by weight or more, and preferably 5 to 30% by weight.
[0049]
The sol can exist stably without substantially containing an alkali component. However, it is also possible to stabilize by containing an alkali component. The alkali components include alkali metal hydroxides such as Li, Na, K, Rb, and Cs, NHFourAlkylamines such as ethylamine, triethylamine, isopropylamine and n-propylamine; aralkylamines such as benzylamine; alicyclic amines such as piperidine; alkanolamines such as monoethanolamine and triethanolamine. These alkaline components areThree, SnO2And SiO2About 30% by weight or less of the total amount can be contained. Moreover, these can mix and contain 2 or more types. The sol is a liquid having a pH of 1 to 11 and having a colorless and transparent or slightly colloidal color. It is stable for 3 months or more at room temperature, and stable for 1 month or more at 60 ° C., and no precipitate is generated in the sol, and the sol does not thicken or cause gelation. .
[0050]
The tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite sol is a tungsten oxide-stannic oxide-dioxide dioxide obtained by uniformly combining (solid solution) stannic oxide, tungsten oxide and silicon dioxide at the atomic level. It contains composite particles made of silicon. Therefore, it is not obtained by simply mixing three kinds of sols, tungsten oxide sol, stannic oxide sol and silicon dioxide sol.
[0051]
The composite sol of tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide has a solid solution formed by the composite particles of tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide. There is no separation into stannic particles and silicon dioxide particles.
[0052]
The composite sol of tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide has higher water resistance, moisture resistance, and weather resistance than the tungsten oxide-stannic oxide composite sol when coated on a substrate to form a film. Improves.
[0053]
In the step (c), the titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite aqueous sol obtained in the step (a) is converted into a metal oxide (TiO 2).2+ ZrO2+ SnO2) In terms of 100 parts by weight and the tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite aqueous sol obtained in the step (b) is converted into a metal oxide (WOThree+ SnO2+ SiO2) Is a step of mixing 2 to 100 parts by weight in terms of
[0054]
In the step (c), the tungsten oxide-oxidation obtained in the step (b) under strong stirring to the sol composed of the composite colloidal particles of titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide obtained in the step (a). It is also possible to produce a sol composed of modified colloidal particles of titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide by adding a sol composed of stannic-silicon dioxide composite colloidal particles.
[0055]
However, the sol composed of the tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite colloidal particles obtained in the step (b) is added to the titanium oxide-zirconium oxide-oxidized oxide obtained in the step (a) under strong stirring. By adding a sol composed of colloidal particles of stannic complex, a sol composed of modified colloidal particles of titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide can be preferably produced.
[0056]
This mixing can be completed in about 5 to 60 minutes at a temperature of 0 to 100 ° C., preferably at room temperature (20 ° C.) to 60 ° C. Tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide used in the mixing so that the sol of the modified colloidal particles to be obtained by this mixing contains a total of 2 to 40% by weight as the total metal oxide. It is preferable to mix these sols after selecting the concentration of the composite sol and the concentration of the titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite sol before mixing.
[0057]
By the above mixing, the surface of the colloidal particle of the titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite sol is coated with the colloidal particle of the tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite, and the titanium oxide-zirconium oxide-oxidized oxide is coated. Titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles modified so that the surface thereof has the properties of a tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite can be produced by using colloidal particles of tin as a core, The modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles can be obtained as a sol stably dispersed in a liquid medium.
[0058]
The sol of the present invention can contain other optional components as long as the object of the present invention is achieved. In particular, oxycarboxylic acids are converted to TiO2, SnO2, ZrO2, WOThreeAnd SiO2If it is contained in an amount of about 30% by weight or less based on the total amount, a further improved sol can be obtained. Examples of the oxycarboxylic acid used include lactic acid, tartaric acid, citric acid, gluconic acid, malic acid, glycol and the like. Examples of the alkali component include alkali metal hydroxides such as Li, Na, K, Rb, and Cs, alkylamines such as ammonia, ethylamine, triethylamine, isopropylamine, and n-propylamine; aralkylamines such as benzylamine; piperidine And alicyclic amines such as monoethanolamine and triethanolamine. These can contain 2 or more types in mixture. Moreover, it can use together with said acidic component. These are TiO2, SnO2, ZrO2, WOThreeAnd SiO2About 30% by weight or less based on the total amount.
[0059]
The modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide colloidal particles obtained by the above mixing can be observed with an electron microscope and have a particle diameter of approximately 2.5 to 60 nm. The sol obtained by the above mixing has a pH of 1 to 10, but Cl derived from titanium salt, zirconium salt or the like.-, NOThree -, CHThreeCOO-As a result, the colloidal particles are micro-aggregated and the transparency of the sol is low.
[0060]
By removing the anion in step (d) from the anion in the sol obtained by the above mixing, a stable and stable modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite at pH 3-11. A sol of body colloidal particles can be obtained.
[0061]
The anion removal in the step (d) is performed by treating the sol obtained by the above mixing with a hydroxyl group type anion exchange resin at a temperature of 0 to 100 ° C., preferably room temperature (20 ° C.) to 60 ° C. A commercially available product can be used as the hydroxyl type anion exchange resin, but a strong base type such as Amberlite IRA-410 is preferred.
[0062]
The treatment with the hydroxyl group type anion exchange resin in the step (d) is particularly preferably carried out at a metal oxide concentration of 1 to 10% by weight of the sol obtained by mixing in the step (c).
[0063]
When it is desired to further increase the concentration of the modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite sol obtained by the steps (a) to (d), a maximum of about 50 wt. It can be concentrated by an external filtration method or the like. Further, when it is desired to adjust the pH of the sol, it can be performed by adding the alkali metal, ammonium hydroxide or the like, the amine, oxycarboxylic acid or the like to the sol after concentration. In particular, the metal oxide (TiO2And ZrO2And SnO2) And (WOThreeAnd SnO2And SiO2A sol having a total concentration of 10 to 40% by weight is practically preferred.
[0064]
When the modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite sol obtained by the above mixing is an aqueous sol, an organosol can be obtained by replacing the aqueous medium of the aqueous sol with a hydrophilic organic solvent. . This substitution can be performed by a usual method such as a distillation method or an ultrafiltration method. Examples of the hydrophilic organic solvent include lower alcohols such as methyl alcohol, ethyl alcohol, and isopropyl alcohol; linear amides such as dimethylformamide and N, N′-dimethylacetamide; cyclic amides such as N-methyl-2-pyrrolidone And glycols such as ethyl cellosolve and ethylene glycol.
[0065]
The replacement of the water with the hydrophilic organic solvent can be easily performed by, for example, a distillation replacement method, an ultrafiltration method, or the like.
[0066]
The surface is coated with the colloidal particles of tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite according to the present invention, and the modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles are negatively charged in the sol. Yes.
[0067]
The colloidal particles of titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite are positively charged, and the colloidal particles of tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite are negatively charged. Therefore, the tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite charged negatively around the positively charged titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles by mixing in the step (c). The colloidal particles of the body are electrically attracted, and the tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite colloidal particles are bonded to the surface of the positively charged colloidal particles by chemical bonds, and the positively charged particles are used as nuclei. It is considered that the modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles were formed by covering the surface with the tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite.
[0068]
However, when mixing the sol of titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles with the sol of tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite colloidal particles, WOThree And SnO2 And SiO2The total amount of the above metal oxide (TiO2+ ZrO2+ SnO2If the amount is less than 2 parts by weight per 100 parts by weight, a stable sol cannot be obtained. This means that when the amount of colloidal particles of tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite is insufficient, the colloidal particles of this composite are used as the core of titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles. It is considered that the coating on the surface is insufficient, the produced colloidal particles are likely to aggregate, and the produced sol is unstable. Therefore, the amount of the tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite colloidal particles to be mixed may be less than the amount covering the entire surface of the titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles. The amount is more than the minimum amount necessary to form a sol of modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide colloidal particles. When an amount of tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite colloidal particles exceeding the amount used for the surface coating is used for the mixing, the resulting sol is tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide. It is only a stable mixed sol of the composite colloidal particle sol and the resulting modified titanium oxide-stannic oxide-zirconium oxide composite colloidal particle sol.
[0069]
In the coating composition of the present invention, 100 parts by weight of the organosilicon compound (A) and 1 to 500 parts by weight of the modified titanium oxide-zirconium oxide-tin oxide composite colloidal particles (B) are mixed. Is obtained. If the modified titanium oxide-zirconium oxide-tin oxide composite colloidal particles are less than 1 part by weight, the refractive index of the cured film becomes low, and the application range to the substrate is remarkably limited. On the other hand, if it exceeds 500 parts by weight, cracks and the like are likely to occur between the cured film and the substrate, and the possibility of further reducing the transparency increases.
[0070]
The coating composition of the present invention can contain at least one metal compound selected from the group consisting of metal salts, metal alkoxides and metal chelates as component (C) as a curing catalyst. By adding the above component (C), when the coating composition of the present invention is applied to the surface of the optical substrate and cured, the curing reaction is accelerated and a film that is sufficiently cured in a short time can be obtained. I can do it.
[0071]
The component (C) includes organic carboxylic acid, chromic acid, hypochlorous acid, boric acid, perchloric acid, bromic acid, selenous acid, thiosulfuric acid, orthosilicic acid, thiocyanic acid, nitrous acid, aluminate, carbonic acid, etc. Alkali metal salts, alkaline earth metal salts, and polyvalent metal salts, metal alkoxides having aluminum, zirconium, and titanium, and metal chelate compounds thereof. In particular, the component (C) is preferably a metal chelate compound. As this metal chelate compound, an acetylacetonate complex is mentioned, for example, aluminum acetylacetonate is mentioned. Acetylacetone CHThreeCOCH2COCHThreeCH2An anion in which one proton is dissociated from a group is an acetylacetonate ligand (abbreviated acac), and aluminum acetylacetonate is Al (acac)ThreeIt has the structure of.
[0072]
In addition, as the component (C), amines such as allylamine and ethylamine, and various acids and bases including Lewis acid and Lewis base can be used.
[0073]
The coating composition of the present invention can contain a particulate metal oxide in order to match the refractive index of various optical members such as lenses. Examples of these particulate metal oxides include aluminum oxide, titanium oxide, antimony oxide, zirconium oxide, silicon oxide, and cerium oxide.
[0074]
The coating composition of the present invention can contain various surfactants in order to improve wettability when applied to the surface of the optical member and to improve the smoothness of the film obtained by curing. Furthermore, ultraviolet absorbers, antioxidants and the like can be added as long as they do not affect the properties of the resulting film.
[0075]
In this invention, the optical member which has the cured film which consists of said coating composition on the surface is obtained. Examples of a method for forming a cured film made of the coating composition of the present invention on an optical member include a method in which the above-described coating composition is applied to the optical member and then cured. As a coating means, a conventionally performed method such as a dipping method, a spin method, or a spray method can be applied, but a dipping method and a spin method are particularly preferable from the viewpoint of the surface smoothness of the obtained film.
[0076]
Further, before applying the coating composition described above to the optical member, chemical treatment with acid, alkali, various organic solvents, physical treatment with plasma, ultraviolet rays, etc., detergent treatment with various detergents, and various resins were used. Adhesion between the optical member and the cured film can be improved by using the primer treatment.
[0077]
The coating composition of this invention can be made into a cured film by apply | coating on an optical member and hardening after that. The coating composition of the present invention can be cured by hot air drying or active energy ray irradiation. When using hot air drying, it is good to carry out in 70-200 degreeC hot air, Especially preferably, 90-150 degreeC is preferable. Further, far-infrared rays can be used as the active energy rays, and damage due to heat can be suppressed low.
[0078]
In this invention, the optical member which has the film | membrane which laminated | stacked the cured film, impact absorption film, and antireflection film which consist of said coating composition on the surface can be obtained.
[0079]
This antireflection film can be provided on a cured film made of the coating composition of the present invention. This antireflection film is preferably a multilayer film, and is obtained by alternately laminating low refractive index films and high refractive index films. As the high refractive index film used for this antireflection film, there are a zirconium oxide vapor deposition film or a mixed vapor deposition film of metal oxide containing tantalum oxide and yttrium oxide in zirconium oxide, and a low refractive index used for this antireflection film. Examples of the film include a vapor deposition film of silica. Zirconium oxide vapor deposition film, or mixed vapor deposition film of metal oxide containing tantalum oxide and yttrium oxide in zirconium oxide, zirconium oxide powder alone, or tantalum oxide powder, yttrium oxide powder mixed in zirconium oxide powder, An antireflection film can be provided by depositing a pellet formed by pressure pressing, sintering or the like onto a film made of the coating composition of the present invention by an electron beam heating method.
[0080]
The shock absorbing film improves impact resistance. The shock absorbing film is made of a polyacrylic resin, a polyvinyl acetate resin, a polyvinyl alcohol resin, or the like.
[0081]
Moreover, since the cured film made of the coating composition of the present invention has a high refractive index, it can be used as an antireflection film by itself, and further, functional components such as antifogging, photochromic and antifouling are added. Therefore, it can be used as a multifunctional film.
[0082]
The optical member used in the present invention is preferably a transparent plastic molded body, and as the transparent plastic, for example, in addition to a spectacle lens, a camera lens, an automobile window glass, an optical filter attached to a liquid crystal display, a plasma display, etc. Etc.
[0083]
The coating composition of the present invention comprises at least one silicon selected from the group consisting of organosilicon compounds represented by general formula (I) and general formula (II) as a component (A) and hydrolysates thereof. A ZrO having a particle diameter of 2 to 50 nm as a component (B) and 0.05 to 1.02/ TiO2Molar ratio and 0.25-10 TiO2/ (ZrO2+ SnO2) The molar ratio of titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles (i) is used as a nucleus, and the surface is weighted to WOThree / SnO2 As 0.1 to 100, SiO2/ SnO2Particle diameter of 2.5 to 60 nm formed by coating with colloidal particles (ii) of tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite having a particle diameter of 0.1 to 100 and a particle diameter of 1 to 7 nm Modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles. The coating composition of the present invention can be preferably produced by hydrolyzing the organosilicon compound of component (A) with an acidic aqueous solution and mixing it with an organosol containing component (B). As the organosol of the component (B), a sol obtained by dispersing modified metal oxide particles in a methanol solvent can be preferably used.
[0084]
The coating composition described above has scratch resistance, surface hardness, abrasion resistance, transparency, heat resistance, light resistance, and weather resistance when applied to an optical member and cured, and is particularly excellent in water resistance. Even when coated on a high refractive index member having a refractive index of 1.54 or more, an optical member having a high transparency and no appearance of interference fringes can be obtained.
[0085]
Specific examples are described in detail in the following examples. However, the present invention is not limited to the following examples.
[0086]
【Example】
A. Preparation of tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite sol
(B-1) Process: Sodium silicate aqueous solution (No. 3 silicate: Fuji Chemical Co., Ltd., SiO229.0 wt% in terms of Na, Na2Containing 9.5% by weight in terms of O. 34.7 g dissolved in 769.2 g water followed by sodium tungstate Na2
[0087]
WOFour・ 2H2O (reagent grade: WOThreeIt contains 71% by weight in terms of 10.6 g and sodium stannate NaSnOThree・ 3H2O (reagent special grade SnO2It contains 56% by weight in terms of. 13.5 g is dissolved.
[0088]
(B-2) Step: Acidic tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite sol (pH 2.05) by passing it through a column filled with hydrogen cation exchange resin (Amberlite IR-120B manufactured by Organo) , WOThree0.63% by weight in terms of SnO2Converted to 0.63% by weight, SiO20.84% by weight in terms of WO, WOThree/ SnO2Weight ratio 1.0, SiO2/ SnO21200 g of a weight ratio of 1.33 and a particle size of 2 to 3 nm was obtained.
[0089]
Production Example 1 (Production of modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite sol)
(A-1) Process: Titanium tetrachloride (TiO227.5 wt% in terms of conversion, 32.0 wt% in terms of Cl, manufactured by Sumitomo Sitix Corporation) 587.5 g (TiO2159.8 g in terms of ) And 35.65 g of zirconium oxychloride (ZrO)224.6 g in terms of ), 708.55 g of water was placed in a 3 liter jacketed glass separable flask and 1331.7 g of titanium tetrachloride and zirconium oxychloride mixed aqueous solution (TiO 2).2Converted to 12.0 wt%, ZrO2To 1.85% by weight). The aqueous solution was heated to 60 ° C. while stirring with a glass stir bar, and then cooled with 194.5 g of 35% hydrogen peroxide water (industrial) and metal tin powder (AT-Sn, manufactured by Yamaishi Metal Co., Ltd.) No. 200) 95.0 g was added.
[0090]
Add hydrogen peroxide solution and metal tin first, 38.9 g of hydrogen peroxide solution and then 19.0 g of metal tin gradually, and wait for the reaction to finish (5-10 minutes). And the addition of metallic tin were repeated 5 times in a repeated manner. Since the reaction was exothermic, it was 80 to 85 ° C. by addition of metallic tin, and when the reaction was completed, the temperature was lowered to 60 to 70 ° C. for cooling. Accordingly, the reaction temperature was 60 to 85 ° C. The ratio of hydrogen peroxide to metal tin at the time of addition is H2O2/ Sn molar ratio was 2.5. The time required for the addition of the hydrogen peroxide solution and metal tin was 1.0 hour. In addition, since water evaporates by reaction, an appropriate amount was replenished. After completion of the reaction, 1605 g of a pale yellow transparent basic titanium chloride-zirconium-tin composite salt aqueous solution was obtained. In the obtained basic titanium chloride-zirconium-tin composite salt aqueous solution, the titanium oxide concentration was 9.96 wt%, the zirconium oxide concentration was 1.53% wt, the stannic oxide concentration was 7.51 wt%, Zr / The Ti molar ratio was 0.1, and the Ti / (Zr + Sn) molar ratio was 2.0. The (Ti + Zr + Sn) / Cl molar ratio was 0.53.
(A-2) Step: To 1605 g of the basic titanium chloride-zirconium-tin composite salt aqueous solution obtained in the step (a-1), 250 g of 28 wt% aqueous ammonia and 4244 g of water are added, and TiO 2 is added.2+ ZrO2+ SnO2It was set as 5 weight% aqueous solution in conversion. This aqueous solution was hydrolyzed at 95 to 98 ° C. for 12 hours to obtain an aggregate of colloidal titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide complex having a primary particle diameter of 4 to 8 nm.
Step (a-3): Concentrate the aggregate slurry of titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloid obtained in step (a-2) using about 20 liters of water in an ultrafiltration device → water injection → Concentration was repeated, and excess electrolyte was washed away and peptized to obtain 5647 g of an acidic titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite aqueous sol. (C) Step: 1200 g of tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite sol prepared in step (b-2) of A (WO)Three+ SnO2+ SiO22663.2 g (TiO 2) of titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite sol prepared in the step (a-3) at room temperature with stirring to 26.6 g)2+ ZrO2+ SnO2133.0 g) was added in 30 minutes and stirring was continued for 30 minutes. The resulting liquid mixture was titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide colloid (TiO2+ ZrO2+ SnO2) And tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite colloid (WOThree+ SnO2+ SiO2) Ratio is (WOThree+ SnO2+ SiO2) / (TiO2+ ZrO2+ SnO2) The weight ratio was 0.20, pH was 2.15, the total metal oxide was 4.36% by weight, and a tendency toward white turbidity due to micro-aggregation of colloidal particles was exhibited.
Step (d): 5.3 g of diisopropylamine was added to 3663.2 g of the mixed solution obtained in Step (c), and then passed through a column packed with a hydroxyl type anion exchange resin (Amberlite IRA-410) at room temperature. 3896.7 g of a titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite aqueous sol (dilute liquid) modified by liquefaction was obtained. This sol had a tendency to become cloudy at 4.05% by weight of all metal oxides and pH 9.47, and then aging at 80 ° C. for 1 hr yielded 3856.2 g of a highly transparent sol.
The modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite aqueous sol (dilute liquid) obtained in the step (d) is concentrated at room temperature using an ultrafiltration membrane filtration device having a fractional molecular weight of 100,000. The concentration-modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite aqueous sol (525.7 g) was obtained. This sol was stable at a specific gravity of 1.314, pH of 7.41, a viscosity of 25.4 (B type viscometer No. 1 rotor) cp.
Under stirring at 150.1 g of the above-mentioned modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite aqueous sol with high concentration, 1.37 g of tartaric acid, 1.78 g of diisopropylamid, an antifoaming agent (SN Nopco SN Deformer 483) 1 drop was added and stirred for 1 hour. The pH of this adjusted sol was 7.02. This sol was depressurized with a rotary evaporator, and water was distilled off while adding 7 liters of methanol little by little at a liquid temperature of 30 ° C. or less, so that water in the aqueous sol was replaced with methanol. 138.4 g of stannic oxide composite methanol sol was obtained. This sol has a specific gravity of 1.074, a pH of 6.70 (equal mixture with water), a viscosity of 3.0 cp, a total metal oxide (TiO2+ ZrO2+ SnO2+ WOThree+ SiO230.1% by weight (in terms of), water content was 0.76% by weight, and the particle diameter was 6 to 11 nm as observed with an electron microscope. The sol had a colloidal color, high transparency, and was stable with no abnormalities such as precipitate formation, white turbidity, and thickening after standing at room temperature for 3 months. The refractive index of the dried sol was 1.85.
[0091]
Production Example 2 (Production of modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite sol)
(A-1) Process: Titanium tetrachloride (TiO227.5 wt% in terms of conversion, 32.0 wt% in terms of Cl, manufactured by Sumitomo Sitix Corporation) 587.5 g (TiO2159.8 g in terms of ) And 35.65 g of zirconium oxychloride (ZrO)224.6 g in terms of ), 708.55 g of water was placed in a 3 liter jacketed glass separable flask and 1331.7 g of titanium tetrachloride and zirconium oxychloride mixed aqueous solution (TiO 2).2Converted to 12.0 wt%, ZrO2To 1.85% by weight). The aqueous solution was heated to 60 ° C. while stirring with a glass stirring rod, and then cooled with 738.0 g of 35% aqueous hydrogen peroxide (industrial) and metal tin powder (AT-Sn, manufactured by Yamaishi Metal Co., Ltd.) No. 200) 448.4 g was added.
[0092]
Hydrogen peroxide solution and metal tin are added first by adding 41.0 g of hydrogen peroxide solution and then 24.9 g of metal tin gradually, and wait for the reaction to finish (5-10 minutes). The addition of metal tin was repeated 17 times in a repeated manner, and 45.0 g of hydrogen peroxide solution was added only at the end, followed by addition of 24.9 g of metal tin. Since the reaction was exothermic, it was 80 to 85 ° C. by addition of metallic tin, and when the reaction was completed, the temperature was lowered to 60 to 70 ° C. for cooling. Accordingly, the reaction temperature was 60 to 85 ° C. The ratio of hydrogen peroxide to metal tin at the time of addition was 2.5 in terms of H2O2 / Sn molar ratio. The time required for the addition of the hydrogen peroxide solution and metal tin was 1.0 hour. In addition, since water evaporates by reaction, an appropriate amount was replenished. After completion of the reaction, 2266 g of a pale yellow transparent basic titanium chloride-zirconium-tin composite salt aqueous solution was obtained. In the obtained basic titanium chloride-zirconium-tin composite salt aqueous solution, the titanium oxide concentration was 7.05 wt%, the zirconium oxide concentration was 1.08 wt%, the stannic oxide concentration was 25.13 wt%, Zr / The Ti molar ratio was 0.1, and the Ti / (Zr + Sn) molar ratio was 2.0. The (Ti + Zr + Sn) / Cl molar ratio was 1.06.
Step (a-2): 12810 g of water is added to 2266 g of the basic titanium chloride-zirconium-tin composite salt aqueous solution obtained in step (a-1), and TiO 2 is added.2+ ZrO2+ SnO2It was set as 5 weight% aqueous solution in conversion. This aqueous solution was hydrolyzed at 95 to 98 ° C. for 12 hours to obtain an aggregate of a titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloid having a primary particle diameter of 4 to 8 nm.
Step (a-3): Concentrate the aggregate slurry of titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloid obtained in step (a-2) using about 20 liters of water in an ultrafiltration device → water injection → Concentration was repeated, and the excess electrolyte was washed away and peptized to obtain 14780.4 g of an acidic titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite aqueous sol.
(C) Step: 1200 g of tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite sol prepared in step (b-2) of A (WO)Three+ SnO2+ SiO2267.94 g in terms of the total amount of titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite sol 2607.9 g (TiO 2) prepared in the step (a-3) at room temperature with stirring.2+ ZrO2+ SnO2133.0 g) was added in 30 minutes and stirring was continued for 30 minutes. The resulting liquid mixture was titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide colloid (TiO2+ ZrO2+ SnO2) And tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite colloid (WOThree+ SnO2+ SiO2) Ratio is (WOThree+ SnO2+ SiO2) / (TiO2+ ZrO2+ SnO2) The weight ratio was 0.20, the pH was 2.50, the total metal oxides were 4.63 wt%, and a tendency toward white turbidity due to microaggregation of colloidal particles was exhibited.
Step (d): 5.3 g of diisopropylamine was added to 3441.3 g of the mixed solution obtained in Step (c), and then passed through a column packed with a hydroxyl group anion exchange resin (Amberlite IRA-410) at room temperature. 4473 g of titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite aqueous sol (dilute liquid) modified by liquefaction was obtained. This sol had 3.57% by weight of all metal oxides and a pH of 10.03, and showed a tendency to become cloudy. Then, the sol was heated and aged at 80 ° C. for 1 hour to obtain a highly transparent sol.
The modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite aqueous sol (dilute liquid) obtained in the step (d) is concentrated at room temperature with an ultrafiltration membrane filtration device having a fractional molecular weight of 100,000. 639.0 g of a titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite aqueous sol having a modified concentration was obtained. This sol was stable at a specific gravity of 1.210, pH of 7.72, a viscosity of 16.0 (B type viscosity No. 1 rotor) cp.
[0093]
Under stirring, 230.0 g of the above modified titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite aqueous sol was stirred at room temperature with 1.46 g of tartaric acid, 1.90 g of diisopropylamine, Former 483) 1 drop was added and stirred for 1 hour. The pH of this adjusted sol was 7.62. This sol was depressurized with a rotary evaporator and water was distilled off while gradually adding 8 liters of methanol at a liquid temperature of 30 ° C. or lower to modify the water in the aqueous sol with methanol-modified titanium oxide-zirconium oxide- 170.2 g of stannic oxide composite methanol sol was obtained. This sol has a specific gravity of 0.992, pH 6.53 (equal weight mixture with water), viscosity of 2.7 cp, total metal oxide (TiO2+ ZrO2+ SnO2+ WOThree+ SiO222.5% by weight, 0.45% by weight water, and the particle diameter by electron microscope observation was 6 to 11 nm.
[0094]
The sol had a colloidal color, high transparency, and was stable with no abnormalities such as precipitate formation, white turbidity, and thickening after standing at room temperature for 3 months. The refractive index of the dried sol was 1.90.
[0095]
Production Example 3 (Production of titanium oxide methanol sol)
Titanium tetrachloride (TiO227.5 wt% in terms of conversion, 32.0 wt% in terms of Cl, manufactured by Sumitomo Sitix Corporation) 587.5 g (TiO2159.8 g) and 2608.5 g of water in a 3 liter jacketed glass separable flask and 3196 g of titanium tetrachloride aqueous solution (TiO 2)2To 5.0% by weight). To this aqueous solution, 50 g of 28% aqueous ammonia was added while stirring with a glass stirring rod, and then this aqueous solution was hydrolyzed at 95 ° C. for 10 hours to obtain an aggregate of titanium oxide colloid having a primary particle size of 4 to 8 nm. .
[0096]
The titanium oxide colloid aggregate slurry was subjected to suction filtration using 5B filter paper, and then poured and washed with about 40 liters of water to remove excess electrolyte, thereby obtaining 620 g of a titanium oxide wet cake. After the obtained wet cake was dispersed in 2576 g of water, 8.0 g of isopropylamine was added to make it alkaline, and then 200 ml of an anion exchange resin (Amberlite IRA-410, manufactured by Organo Corporation) was packed. The solution was passed through the column to obtain 3890 g of an alkaline titanium oxide aqueous sol. This sol was concentrated under reduced pressure using a rotary evaporator to obtain 1070 g of an alkaline titanium oxide aqueous concentrated sol. After adding 12.1 g of tartaric acid and 26.1 g of diisopropylamine to the obtained sol with stirring, an aqueous medium was obtained by distilling off water while gradually adding 25 liters of methanol under reduced pressure using a rotary evaporator. By replacing with methanol, 775.2 g of titanium oxide methanol sol was prepared. The obtained methanol sol has a specific gravity of 0.970, a viscosity of 4.5 mPa · s, a PH (1 + 1) of 8.98, an electric conductivity of 1600 μs / cm, TiO2The content was 20.2% by weight and the water content was 3.4% by weight.
[0097]
(Preparation of coating solution)
Example 1
To a glass container equipped with a magnetic stirrer, 105.3 parts by weight of γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane corresponding to the component (A) described above was added, and 0.01 N hydrochloric acid 36.8 with stirring. Part by weight was added dropwise over 3 hours. After completion of dropping, the mixture was stirred for 0.5 hours to obtain a partial hydrolyzate of γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane. Next, the modified titanium oxide-zirconium oxide-tin oxide composite methanol sol (TiO) obtained in the above-mentioned Production Example 1 as the component (B).2+ ZrO2+ SnO2+ WOThree+ SiO230.1 wt.%) 397.8 parts by weight, 65 parts by weight of butyl cellosolve, and 4.2 parts by weight of aluminum acetylacetonate as a curing agent. Partial hydrolyzate of γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane described above 142. In addition to 1 part by weight, after sufficiently stirring, it was filtered to prepare a coating solution.
[0098]
Example 2
Instead of the modified titanium oxide-zirconium oxide-tin oxide composite methanol sol of Preparation Example 1 used in Example 1, the modified titanium oxide-zirconium oxide-tin oxide composite methanol sol (TiO 2 of Preparation Example 2)2+ ZrO2+ SnO2+ WOThree+ SiO2As 22.5 wt%), except that 539.2 parts by weight were used.
[0099]
Example 3
Instead of γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane corresponding to the component (A) used in Example 1, 22.3 parts by weight of tetraethoxysilane corresponding to the same component (A) and γ-glycidoxypropylmethyldidi The same procedure as in Example 1 was carried out except that 77.9 parts by weight of ethoxysilane, 2.6 parts by weight of aluminum acetylacetonate and 0.5 part by weight of ammonium perchlorate were used as the curing agent.
[0100]
Example 4
Instead of the modified titanium oxide-zirconium oxide-tin oxide composite methanol sol of Preparation Example 1 used in Example 3, the modified titanium oxide-zirconium oxide-tin oxide composite methanol sol (TiO 2 of Preparation Example 2)2+ ZrO2+ SnO2+ WOThree+ SiO2(22.5 wt% in terms of) was carried out in the same manner as in Example 1 except that 539.2 parts by weight were used. The same procedure as in Example 2 was conducted except that 74.2 parts by weight of γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane corresponding to component (A) and 31.1 parts by weight of γ-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane were used.
[0101]
Comparative Example 1
Instead of the sol used in Example 1, the titanium oxide methanol sol (TiO 2) produced in Production Example 3 was used.2Example 2 was carried out in the same manner as in Example 1 except that 643.6 parts by weight of 20.2% by weight in terms of
[0102]
Comparative Example 2
Instead of the sol used in Example 1, colloidal particles of tin oxide having a particle diameter of 7.2 nm are used as nuclei, and the surface is made of WOThree/ SnO2Modified tin oxide methanol sol with a particle size of about 18 nm formed by coating with colloidal particles of tungsten oxide-tin oxide composite having a weight ratio of 5.12 and a particle size of 5 nm [(WOThree+ SnO2) / SnO2Weight ratio of 0.46, WOThree+ SnO2The content was 30.0 wt% of all metal oxides converted into the above] All operations were performed in the same manner as in Example 1 except that the content was 433.3 parts by weight.
[0103]
Comparative Example 3
Instead of the sol used in Example 1, colloidal silica (methanol sol, SiO2The same procedure as in Example 1 was performed except that 650.0 parts by weight of 20% by weight and a particle diameter of 15 nm) were used.
[0104]
(Formation of cured film)
Commercial refractive index nD= 1.59 polycarbonate plate was prepared, and the above coating composition was applied thereto by spin coating, followed by heat treatment at 120 ° C. for 2 hours to cure the coating film.
[0105]
In addition, the optical member which has a cured film obtained by the present Example and the comparative example measured various physical properties with the measuring method shown below.
[0106]
(1) Scratch resistance test
The surface of the cured film was rubbed with steel wool # 0000 to determine the difficulty of scratching. Judgment criteria were as follows.
[0107]
A ... scarcely scratches even when rubbed hard
B ... Scratch hard
C ... Scratches equivalent to the optical substrate
(2) Presence or absence of interference fringes
The optical member having a cured film was visually judged under a fluorescent lamp. Judgment criteria are as follows.
[0108]
A ... Interference fringes are almost invisible
B ... I see a little
C ... looks pretty
(3) Adhesion test
The cured film is cross-cut at 100 mm at intervals of 1 mm, and after the adhesive tape (product name “Sero Tape” manufactured by Nichiban Co., Ltd.) is firmly attached to the cross-cut location, the adhesive tape is rapidly peeled off and the adhesive tape is The presence or absence of peeling of the cured film after peeling was examined.
[0109]
(4) Warm water resistance test
The optical member was immersed in warm water at 80 ° C. for 2 hours, and the same adhesion test described above was performed.
[0110]
(5) Transparency test
It was visually examined whether the cured film was cloudy in a dark room under a fluorescent lamp. Judgment criteria are as follows.
[0111]
A ... Cloudy is hardly visible.
[0112]
B ... I can see a little.
[0113]
C ... It looks pretty.
[0114]
In the following two tests (6) and (7), an antireflection film made of a vapor-deposited inorganic oxide film described later is applied on the cured film.
[0115]
(6) Weather resistance test
The obtained optical member was exposed outdoors for one month, and the change in the appearance of the optical member after the exposure was judged visually.
[0116]
[Table 1]
[0117]
【The invention's effect】
The cured film obtained by the coating composition of the present invention becomes a coating layer having improved scratch resistance, surface hardness, abrasion resistance, transparency, heat resistance, light resistance, weather resistance, and particularly water resistance. Furthermore, the adhesiveness with the antireflection film (inorganic oxide, fluoride, etc.) formed on this coating layer, a metal vapor deposition film, etc. is also favorable.
[0118]
The optical member of the present invention has excellent scratch resistance, surface hardness, abrasion resistance, transparency, heat resistance, light resistance, weather resistance, and particularly water resistance, and has a refractive index of 1.54 or more. Even if it is applied to a member having a high refractive index, it becomes an optical member having a high transparency and good appearance with no interference fringes.
[0119]
The optical member having a cured film made of the coating composition of the present invention can be used for an optical filter attached to a lens for a camera, a window glass of an automobile, a liquid crystal display, a plasma display, etc. in addition to a spectacle lens.
Claims (6)
(A)成分:一般式(I)
(R1)a(R3)bSi(OR2)4-(a+b) (I)
(但し、R1及びR3は、それぞれアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R2は炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシアルキル基、又はアシル基であり、a及びbはそれぞれ0、1、又は2の整数であり、a+bは0、1、又は2の整数である。)及び、一般式(II)
〔(R4)cSi(OX)3-c〕2Y (II)
(但し、R4は炭素数1〜5のアルキル基を示し、Xは炭素数1〜4のアルキル基又はアシル基を示し、Yはメチレン基又は炭素数2〜20のアルキレン基を示し、cは0又は1の整数である。)で表される有機ケイ素化合物、並びにその加水分解物からなる群より選ばれた少なくとも1種のケイ素含有物質、
(B)成分:2〜50nmの粒子径を有し、0.05〜1.0のZrO2/TiO2モル比、及び0.25〜10のTiO2/(ZrO2+SnO2)モル比となる酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子(i)を核としてその表面を、重量比がWO3 /SnO2 として0.1〜100、SiO2/SnO2として0.1〜100であって粒子径1〜7nmである酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪素複合体のコロイド粒子(ii)で被覆されることによって形成された粒子径2.5〜60nmの変性された酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子、を含有するコーティング組成物。The following (A) component and (B) component:
(A) component: General formula (I)
(R 1 ) a (R 3 ) b Si (OR 2 ) 4- (a + b) (I)
(However, R 1 and R 3 are each an alkyl group, an aryl group, a halogenated alkyl group, a halogenated aryl group, an alkenyl group, or an epoxy group, an acryloyl group, a methacryloyl group, a mercapto group, an amino group, or a cyano group. R 2 is an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, an alkoxyalkyl group, or an acyl group, and a and b are each 0, An integer of 1 or 2, a + b is an integer of 0, 1 or 2) and general formula (II)
[(R 4 ) c Si (OX) 3-c ] 2 Y (II)
(Wherein R 4 represents an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms, X represents an alkyl group or acyl group having 1 to 4 carbon atoms, Y represents a methylene group or an alkylene group having 2 to 20 carbon atoms, c Is an integer of 0 or 1.), and at least one silicon-containing substance selected from the group consisting of hydrolysates thereof,
(B) component: having a particle diameter of 2 to 50 nm, 0.05 to 1.0 ZrO 2 / TiO 2 molar ratio, and 0.25 to 10 TiO 2 / (ZrO 2 + SnO 2 ) molar ratio The surface of the titanium oxide-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles (i) is 0.1 to 100 as the weight ratio of WO 3 / SnO 2 and 0.1 to 0.1 as SiO 2 / SnO 2. Modified oxide having a particle size of 2.5-60 nm formed by coating with colloidal particles (ii) of tungsten oxide-stannic oxide-silicon dioxide composite having a particle size of 1-7 nm A coating composition containing titanium-zirconium oxide-stannic oxide composite colloidal particles.
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