JP4286923B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防塵性に優れたレンズフイルムを用いた面光源を、特にワープロ、コンピュータ、テレビなどの液晶表示装置に用いて、その表面が粉塵による汚れ防止性や積層したときに密着ムラがない積層性に優れた液晶表示装置に属する。
【0002】
【従来の技術】
パソコン、ワープロなど電子機器のディスプレイにその他種々の商業ディスプレイなどの部品として組み込むレンズフイルムは、導電性層基材フイルムの一方の面をエンボス成形、あるいは透明基材フイルムに設けた熱可塑性樹脂や紫外線硬化型樹脂などを賦型硬化したレンズ層を設けられていた。そして、これらのレンズフイルムを液晶表示装置などに組み込まれて使用されていた。
【0003】
従来、これらのレンズフイルムは、面光源装置と組立てるときに、レンズフイルムを覆っている保護フイルム剥離して使用するが、このときに発生する剥離静電気が面光源装置への異物付着の原因となる問題があった。
また、2枚のレンズフイルムがもつプリズム形状の稜線を直交するようにして使用することが多く行われている。このとき、下のレンズフイルムのプリズム面と、上のレンズフイルムの基材のフラット面とが静電気の影響で部分的に密着し、液晶表示装置に組み込んだ後においても、この密着ムラが表示画像の不良の原因となる問題があった。
【0004】
静電気の発生を防止するために、凹又は凸形状をもつレンズの表面に帯電防止剤を塗工して導電性層を設ける試みもなされているが、導電性層を均一の膜に設けることは技術的に難易度が高く、レンズフイルムの外観、更に液晶表示装置の画像が不均一となり、光学特性を著しく損なったり、導電性層が脱落したりするなどの問題があった。
また、金属蒸着などによる導電性薄膜層の形成技術も開示されてはいるが、凹凸形状をもつレンズへ蒸着を均一に設けることが困難であり、光学特性のバラツキと、コスト面からも高いという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、液晶表示装置に用いるレンズフイルムが、面光源装置と組立てる工程において、保護フイルムを剥離するときに発生する剥離静電気による異物付着や、2枚のレンズフイルムがもつプリズム形状の稜線を直交して使用するときにみられる密着ムラなどの静電気に起因する問題を解消する導電性層をもつレンズフイルムを備えた液晶表示装置の提供を課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明は、透明基材フィルムと、この基材フィルムの少なくとも一方の面に、ポリチオフェン骨格を含む導電性層と、該導電性層上に設けられた凹レンズあるいは凸レンズからなるレンズ層とがこの順に積層されたレンズフイルムの受光面を、反射フィルムで形成された平面状光源の出光側に配置した面光源を、液晶層を封入した基板に備えたことを特徴とする液晶表示装置である。
【0007】
【発明の実施の形態】
レンズフイルム10は、図1に示す透明基材フィルム1と、この基材フィルムの少なくとも一方の面に設けられた導電性層2と、該導電性層上に凹レンズあるいは凸レンズからなるレンズ層3とから積層され、該導電性層2がポリチオフェン骨格をもつ導電性高分子を含むレンズフィルムである。また、面光源は、図7に示すとおりの光源21を反射フイルム24で平面状に形成された光源の出光側に積層された拡散フイルム25に、前記レンズフイルム10の受光面6が配置された面光源20である。
そして、本発明は、前記の面光源20を、液晶層30を封入した基板32に備えた液晶表示装置35である。したがって、図4に示す透明基材フイルム1に、必要に応じて接着を強固に安定するためにプライマー層2Pを介してレンズ層2を設けたレンズフイルム11や、図示はしないが、該レンズ層に静電気防止層を設けたりした従来のレンズフイルムとは構成の異なるものである。
【0008】
本発明で用いるレンズフイルムを構成する透明基材フイルムは、セルローストリアセテート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリメタアクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂の延伸又は未延伸フィルムを使用することができる。その厚みは、フイルムがもつ剛性にもよるが、50〜200μmのものが、加工性などの取扱い面からいって好ましい。そして、導電性層を設ける層はコロナ放電処理などの易接着処理を施すことが積層する他の層との接着を強固に安定化するため好ましい。
【0009】
透明基材フィルムに設ける導電性層は、化学式1で示したポリジアルコキシチオフェンをポリ陰イオンの存在下で重合したものが好ましい。
【0010】
【化1】
【0011】
式中、R1 及びR2 は、H又はC1 〜C4 のアルキル基を表すか、あるいは、同時に置換できるC1 〜C4 のアルキレン基、好ましくは随時に置換できるメチレン基、C1 〜C12のアルキル又はフェニル基で置換されてもよいエチレン基、プロピレン基、又は1,2−シクロヘキシレン基を表すポリチオフェンの分散体である。
そして、R1 及びR2 が同時に形成できるか、又は形成されているC1 〜C12のアルキレンの代表例には、αオレフィン例えば、エテン、プロペン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン及び1,2−ヂブロモアルカンから誘導される1,2−アルカヂエンや、その他1,2−シクロヘキサヂエン、1,3−ブタヂエン及び2,3−ヂメチル−2,3−ブチレン及び2,3−ペンタヂエンなどがある
好ましいR1 及びR2 は、メチレン、エチレン、αプロピレンであり、特にエチレンが好ましく使用できる。
【0012】
ポリ陰イオンは高分子カルボン酸、例えばポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、若しくはポリマレイン酸、又は高分子スルフォン酸、例えばポリスチレンスルフォン酸若しくはポリビニルスルフォン酸がある。また、これらの高分子カルボン酸若しくは高分子スルフォン酸は、ビニルカルボン酸若しくはビニルスルフォン酸と他の重合できるモノマー、例えばアクリレート、メタアクリレート、又はスチレンなどとの共重合体とすることができる。
陰イオンを提供する高分子の酸の分子量は、1000〜200000の範囲であり、好ましくは2000〜50000である。そして、高分子の酸又はそのアルカリ塩として市販されている。
【0013】
本発明に使用するポリジアルコキシチオフェンを重合するときに存在させるポリ陰イオンは、遊離のカルボン酸及び/又は対応する酸のアルカリ塩の混合物を使用することもできる。
【0014】
上記のポリチオフェンを骨格とする導電性高分子からなる導電層を、透明な基材フィルムに塗工により設けた導電性層は無色、かつ透明であり、その表面抵抗を1012Ω/□とすることができ、経時的にその導電性を低下しない特性をもっている。
【0015】
塗工による導電性層の形成は、基材フィルムの状態、後加工方法、塗工液の粘度や溶剤の乾燥性(蒸発速度)などにもよるが、通常は巻取り状態の基材フィルムに施される。そして、その塗工の方法は、ロールコート、グラビアコート、バーコート、エァナイフコート、押出しコートなどにより塗料の特性、塗工量に応じて従来より公知の方法で形成することもできる。
また、導電性層は、基材フィルムに直接又は接着を強固にするプライマー層を介して形成することが好ましい。そして、導電性層にプライマー層の作用をもたせてレンズ層と基材フィルムとの接着を強固にすることもできる。
【0016】
導電性層は、基材シート1の一方の側ばかりでなく、図2又は図3に示すように基材シートの双方の側に設けることができる。図2に示すようにレンズ層10の他の側に設けた導電性層2は、一方に設けたものよりも高い導電性をもたせることができる。また、他の側に設けた導電性層2に図3に示すように受光面6側のレンズ層3に集光、拡散などの特性をもつレンズ層を設けることもできる。
【0017】
ポリチオフェン骨格を含む導電性高分子を分散する塗工液の樹脂組成物(分散媒)は、基材フィルムとの接着がよく、樹脂組成物として耐光性や、耐湿性があり、また、導電性層の上に設けるレンズ層との接着がよいものから選択する。
熱可塑性樹脂を主成分とするものには、線状ポリエステル、ポリウレタン、アクリル系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアミド、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体などに、所望に応じて可塑剤や光安定剤を加えたバインダーを使用することができる。
【0018】
反応硬化型の樹脂組成物のバインダーには、ポリエステルポリオール・ポリイソシアネート、ポリエーテルポリオール・ポリイソシアネート、ポリアクリルポリール系ポリオール・ポリイソシアネート、エポキシ・ポリイソシアネートの他、電離放射線硬化型樹脂を使用することもできる。
そして、ポリイソシアネートには、芳香族及び/又は脂肪族のジイソシアネートやトリイソシアネートが広く使用される。
【0019】
塗工で形成する導電性層の厚みは、0.1〜5μm(本明細書における塗工量は固形分で記載する。以下同様)好ましくは1〜3μmに形成する。
また、基材フィルムや、バインダーの種類によって透明な導電性層が、透明基材フィルムと強固に接着しなかったり、寒熱、吸脱湿などの経時的影響で接着力が低下するときは、基材フィルムと、透明な導電性層との両面に接着作用をもつプライマー層を、基材フィルムに設けて導電性層を構成することが好ましい。
【0020】
なお、本発明のレンズ層は、導電性層の上に適度の硬度と、賦型性をもつ熱可塑性樹脂、又は反応硬化型樹脂を液状状態で、透明基材フイルムに設けた導電性層の面に塗工・賦型することにより構成するものである。
そして、レンズ層の凹部を図1〜図3に示すように、凹部の厚みhが0.5〜3μmの塗膜が全面を覆うように設けることが好ましい。
【0021】
本発明のレンズ層を構成する樹脂組成物は、多価アルコールなどの多官能化合物の(メタ)アクリレート(以下本明細書では、アクリレートとメタアクリレートとを(メタ)アクリレートと記載する。)などのオリゴマー又はプレポリマー及び反応性の希釈剤を比較的多量に含むものから構成する。上記希釈剤としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドンなどの単官能モノマー、並びに多官能モノマー、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどがある。
【0022】
更に、上記の電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用するときは、これらの中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、αーアミロキシムエステル、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフィンなどを混合して使用する。
【0023】
上記の電離放射線硬化型樹脂には、次の反応性有機ケイ素化合物を含ませることもできる。
Rm Si(OR′)n で表せる化合物であり、ここでR、R′は炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+n=4であり、そしてm及びnはそれぞれ整数である。更に具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシランなどがあげられる。
【0024】
レンズ層3は、上記の反応硬化型樹脂ばかりでなく、熱可塑性樹脂を用いて形成することもできる。例えば、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレートなどのアクリル樹脂、、ポリエチレンテレフタレート、ポブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネートや、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリハイドロカーボン、6,6ナイロン、6ナイロンなどのポリアミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリ塩化ビニル、アセチルセルロースなどの熱可塑性樹脂から選択できる。
【0025】
反応硬化型樹脂を用いてレンズ層を形成するには図8に示す塗工・賦型・硬化工程で行う。すなわち、プリズム形状などを形成してある版胴88にポンプ87で電離放射線硬化型樹脂をダイヘッド86に送り版胴に樹脂82を均一に押し込む。そして他方透明基材フイルム1の面に設けた導電性層2の面と入口ニップ83で版胴88と密着し、電離放射線照射装置85で電離線を照射し、硬化した電離放射線硬化型樹脂81とするとともに導電性層2との接着を行う。そして、出口ニップ84で版胴88から透明基材フイルム1に形成したレンズ層3を版胴88から剥離してレンズフイルム10を形成する。
【0026】
熱可塑性樹脂は、適宜に熱安定剤、光安定剤などの添加物を加えた樹脂組成物を使用する。すなわち、透明基材フイルムに設けた導電性層に所望に応じて接着を強固にするプライマー層を設けて、加熱溶融状態で押出しコートして、冷却ロールでレンズ状に賦型したり、該熱可塑性樹脂層を押出しコート・冷却後、再加熱・溶融して賦型したりすることによりレンズフイルムを形成できる。
【0027】
レンズ層は、図5(A)プリズム形状、(B)角錐形状、図6(A)かまぼこ状、(B)逆かまぼこ状又は(C)半球状などの凹凸形状を構成することが任意にできる。
【0028】
図7は、上記したレンズフイルムを用いた一例としてエッジ型面光源20を設けた液晶表示装置35の断面図である。光の拡散パターン23をレンズフイルムの受光面6と対向する側に設けた導光板22の側面に光源21を配置する。そして、導光板22を囲むように反射フイルム24を設けて形成した平面状の光源上に拡散フイルム25に備えたレンズフイルム10の出光面7の側に、液晶層30を下基板32と上基板31との間に封入した液晶パネルを設けることにより液晶表示装置35を構成するものである。また、図7の例示は、レンズフイルムを1枚用いた例であるが、レンズフイルムを2枚用いて、その稜線を直交するようにして積層したり、線状光源21に対してレンズフイルムの稜線の方向は、直交、平行あるいは任意の角度で配置することもできる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
(実施例 1)
図1で示すように厚み125μmのポリエステルフィルムA−4300(基材フィルム1 東洋紡(株)製 商品名)の一方の面に、下記組成(1) の導電性コート剤Baytron(バイエル(株)製 商品名)を、下記のエマルジョン(分散媒)に分散して塗工液Aを作成した。
そして、上記塗工液Aをエァナイフ方法で塗工し、100℃ 1分間の乾燥をし、厚み0.1μmの導電性層2を形成した。次いで導電性層2にエポキシアクリレートZ9002A(日本合成ゴム(株)製 反応硬化型樹脂 商品名)をプリズム版に充填・密着して紫外線を照射して硬化しプリズム形状(頂角97度、ピッチ50μm、凹部の厚みhが1μm)の実施例1のレンズフイルム10を作成した。
なお、レンズフイルムは形成後に保護フィルムをその表面に設けて、積層状態で保存した。
(導電性コート剤の組成)
・ポリエチレンジアルコキシチオフェン(PEDT) 0.5重量部
・ポリスチレンスルフォン酸(PSS) 0.8重量部
・水 98.7重量部
『塗工液 A』
・導電性コート剤 38.5重量部
・ファインテックスES−850(分散媒) 16.7重量部
(ポリエステル系エマルジョン DIC製 商品名)
・溶媒(水/イソプロピルアルコール=3/1) 44.8重量部
【0030】
(実施例 2)
実施例1で使用した塗工液の組成を下記のようにした『塗工液B』を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2のレンズフイルム10を作成した。
『塗工液 B』
・導電性コート剤 77.0重量部
・ファインテックスES−850(分散媒) 16.7重量部
・溶媒(水/イソプロピルアルコール=3/1) 6.3重量部
【0031】
(実施例 3)
実施例1で使用した塗工液の組成を下記のようにした『塗工液C』を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3のレンズフイルム10を作成した。
『塗工液 C』
・導電性コート剤 9.5重量部
・ファインテックスES−850(分散媒) 16.7重量部
・溶媒(水/イソプロピルアルコール=3/1) 73.8重量部
【0032】
(実施例 4)
実施例1で使用した塗工液の組成を下記のようにした『塗工液D』を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3のレンズフイルム10を作成した。
『塗工液 D』
・導電性コート剤 2.4重量部
・ファインテックスES−850(分散媒) 16.7重量部
・溶媒(水/イソプロピルアルコール=3/1) 80.9重量部
【0033】
(比較例 1)
実施例1で使用した導電性層コートを除いた以外は、実施例1と同一工程で導電性層を含まないが、同一形状のレンズ層2をもつ比較例1のレンズフイルム11を作成した。
【0034】
実施例及び比較例で作成した各試料について、次の各項目を評価した結果を表1に示す。
▲1▼表面抵抗
導電性層を積層した表面を抵抗率計(MCP−HT260:三菱化学(株)製商品名)を用いて測定する。
▲2▼バックライト上における輝度
図7に示すようにエッジ型バックライトの導光板22上に拡散フイルム25をのせ、更に実施例又は比較例のレンズフイルムのいずれかを積層して、法線方向の輝度、BM−7(輝度計 トプコン製)を用いて測定し、比較例との遜色を評価し、比較例比95%以上を○とした。
▲3▼密着ムラ
図7に示すようにエッジ型バックライトの導光板22上に拡散フイルム25をのせ、更に実施例又は比較例のレンズフイルムをいずれかを積層して、そして、保護フイルムを剥離した直後、レンズフイルムの稜線が2枚直交するように重ねてバックライト上でレンズフイルムの密着ムラを目視で確認した。
▲4▼総合評価
表面抵抗が10×1012Ω/□であり、バックライト上にレンズフィルムをおいた場合、透過光のムラの有無、密着ムラの有無、輝度の低下などを総合的に評価し、◎、○、△〜×(優〜不可)で評価した。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】
本発明の液晶表示装置ではそれに用いるレンズフイルムが、基材フィルムに設けた導電性層の作用でレンズ層の表面に至るまで静電気の発生を防止する効果を奏する。したがって、レンズフイルムの保護フイルムを剥離した直後においても帯電量が少ない。そのため、面光源装置と組立てるときに、レンズフイルムから保護フイルムを剥離するときに発生する剥離静電気による異物付着や、2枚のレンズフイルムがもつプリズム形状の稜線を直交して使用するときにみられる密着ムラなどの静電気に起因する問題を解消する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるレンズフイルムの基本構成を示す断面概略図である。
【図2】他のレンズフイルムの構成を示す断面概略図である。
【図3】本発明で用いる他のレンズフイルムの構成を示す断面概略図である。
【図4】従来技術のレンズフイルムの一例を示す断面概略図である。
【図5】凹凸レンズの例を示す斜視図である。
【図6】他の凹凸レンズの例を示す斜視図である。
【図7】本発明の液晶表示装置として、レンズフイルムを面光源とともに液晶表示装置に組み込んだ状態を示す断面図である。
【図8】レンズ層の形成工程を説明するための断面概略図である。
【符号の説明】
1 基材フィルム
2 導電性層
2P プライマー層
3 レンズ層
6 受光面
7 出光面
10 レンズフイルム
11 比較例のレンズフイルム
20 エッジ型の面光源
21 光源
22 導光板
23 拡散パターン
24 反射フイルム
25 拡散フイルム
30 液晶層
31 上基板
32 下基板
35 液晶表示装置
81 硬化した樹脂
82 押込まれた樹脂
83 入口ニップ
84 出口ニップ
85 電離放射線照射装置
86 ダイヘッド
87 ポンプ
88 版胴
h レンズ層凹部の厚み
Claims (1)
- 透明基材フィルムと、この基材フィルムの少なくとも一方の面に、ポリチオフェン骨格を含む導電性層と、該導電性層上に設けられた凹レンズあるいは凸レンズからなるレンズ層とがこの順に積層されたレンズフイルムの受光面を、反射フィルムで形成された平面状光源の出光側に配置した面光源を、液晶層を封入した基板に備えたことを特徴とする液晶表示装置。
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