JP4285841B2 - 超音波処置具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波による振動エネルギによって体組織を処置する超音波処置具に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療分野において、内視鏡が広く使用されている。内視鏡は、その細長の挿入部を体腔内に挿入することにより、臓器等を観察することができる。また、内視鏡は、挿入部内に処置具チャンネルを有しており、この処置具チャンネル内に必要に応じて処置具を挿通することにより、各種治療処置を行なうこともできる。
【0003】
一方、前記処置具チャンネル内に挿通される処置具は、適用される患部および目的により、様々なものが用いられている。例えば特開平1−232948号公報には、内視鏡の処置具チャンネル内に挿通されて使用される超音波切除鉗子が開示されている。この超音波切除鉗子は、処置部(切除部)として、カップ形状の可動刃と固定刃とを有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、人体の細い管腔内で内視鏡と処置具とを用いて処置を行なう場合、内視鏡と処置具とをスペースの限られた管腔内に効率的に導入する必要から、処置具は内視鏡の処置具チャンネル内に挿通されて管腔内に導入される。
【0005】
しかし、このように、観察手段としての内視鏡の処置具チャンネル内に処置具を挿通する場合、処置具は、処置具チャンネルの径よりも小さい径のものを使用しなければならないため、細い管腔での処置のように管腔内に挿入される内視鏡の挿入部の径が小さい場合には、処置具チャンネルの径も小さくなり、結果的に、処置具チャンネル内に挿通される処置具の径はかなり小さくなる。そのため、例えば前記超音波切除鉗子のような処置具にあっては、処置部である刃が小さくなり、一度に狭い範囲しか切除できない。したがって、何度も切除操作を繰り返す必要が生じ、結果的に、手術時間が長くなり、術者の疲労が増大する。また、小さな刃で組織を把持して処置するため、刃に超音波を伝達した際に、刃に接している組織が滑って逃げてしまい、組織をうまく切除できないといった問題も生じる。
【0006】
本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、処置手段と観察手段とをもって細い管腔内に効率良く挿入可能であるとともに、一度に広い領域を簡単かつ確実に処置できる超音波処置具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載された超音波処置具は、先端に開口を有する管状のシースと、超音波振動を発生する超音波振動子と、超音波振動子に接続され且つ超音波振動子で発生した超音波振動を伝達する振動伝達部材とを備え、前記シース内に挿通される超音波プローブと、前記シースの先端に回動可能に取り付けられ、シースの先端開口から突出する振動伝達部材の先端部との間で組織を把持する把持部と、前記シース内に設けられ、シースの先端開口を通じて処置領域を観察可能な観察手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載された超音波処置具は、先端に開口を有する管状のシースと、超音波振動を発生する超音波振動子と、超音波振動子に接続され且つ超音波振動子で発生した超音波振動を伝達する振動伝達部材とを備え、前記シース内に挿通される超音波プローブと、前記シースの先端に回動可能に取り付けられ、シースの先端開口から突出する振動伝達部材の先端部との間で組織を把持する把持部とを具備し、前記振動伝達部材の先端部は、偏平形状を成し、中心に開口部を有し、振動伝達部材の先端部と把持部との間で組織を保持して仮固定する保持固定手段が設けられていることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
図1〜図5は本発明の第1の実施形態を示している。図1および図2に示されるように、本実施形態に係る超音波処置具1は、観察手段としての内視鏡2と、シース3と、超音波プローブ4とを組み付けることによって構成される。
【0011】
内視鏡2は、直線状に延びる細長の挿入部5と、この挿入部5の基端部に接続固定された略L字形状の結合部6とからなる。結合部6の底面には、結合部6の軸方向(全長)にわたって、半円状の凹部7が形成されている。結合部6の上面の基端側には、テレビカメラ(図示せず)と着脱可能な接眼部8が取着されている。また、結合部6の上面の先端側には、ライトガイドケーブル10と着脱可能なライトガイド口金9が設けられている。また、結合部6の先端面には、一対の突起11,11が、挿入部5の左右に位置して設けられている。
【0012】
超音波プローブ4は、直線状に延びる振動伝達部材としての棒状のプローブ挿入部33と、プローブ挿入部33の基端に接続されたフランジ部34と、フランジ部34の基端側に設けられた超音波振動子35とからなる。プローブ挿入部33の先端部38は、偏平なヘラ状に形成されており、開口部39を有している。フランジ部34の外径は、内視鏡2の結合部6に形成された凹部7の曲率半径と略同一に設定されている。また、超音波振動子35の基端からはケーブル36が延びており、このケーブル36は駆動信号を発生する駆動装置(図示せず)に接続されるようになっている。ケーブル36が前記駆動装置に接続されて駆動装置が駆動されると、超音波振動子35は駆動装置からの駆動信号を受けて超音波振動を発生させる。発生した超音波振動は、図示しないホーンで増幅され、プローブ挿入部33を介して先端部38に伝達される。なお、フランジ部34の先端面には、プローブ挿入部33の軸方向に沿って延びる突起37が突設されている。
【0013】
シース3は、直線状に延びる中空のシース本体12と、シース本体12の基端に設けられたフランジ部13とからなる。フランジ部13には、シース本体12の内孔に連通する開口部18が設けられている。また、フランジ部13の上面には、開口部18に連通する灌流口金14が垂直方向に立設されている。したがって、灌流口金14に灌流チューブ40(図2参照)を接続すれば、灌流口金14からシース本体12の内孔に流体を送ることができる。また、フランジ部13の基端面には、内視鏡2の突起11,11と係合可能な2つの第1の孔15,15が設けられている。これらの孔15,15は、開口部18の外周近傍に設けられており、開口部18を挟んで左右に位置している。また、フランジ部13の基端面の下方には、開口部18の外周近傍に位置して、超音波プローブ4の突起37と係合可能な第2の孔16が設けられている。
【0014】
フランジ部13には固定ハンドル17が設けられている。この固定ハンドル17は、フランジ部13に固着され、フランジ部13の基端面から手元側下方に延びている。また、固定ハンドル17には、フランジ部13の近傍で固定ハンドル17を横方向に貫く枢支ピン20を介して、可動ハンドル19が回動可能に接続されている。
【0015】
枢支ピン20よりも上側に位置する可動ハンドル19の部位は、フランジ部13に設けられた開口部18および孔15,15,16を外側から取り囲む略環状のリング21として形成されている。リング21の上端部内周面には、開口部18に向けて径方向に延びる突出部22が設けられている。また、この突出部22内には、図2に示されるように、孔28が形成されている。この孔28は、突出部22内を上下に延びており、その下部(底部)が開口することなく閉じられているとともに、その上部がリング21の外周面で開口している。また、突出部22の側壁には、リング21の先端面側から孔28へと達するスリット23が形成されている。このスリット23は、孔28の内径よりも小さい幅で突出部22の軸方向に沿って延びており、その上端がリング21の外周面で開放されている。
【0016】
図2に示されるように、シース本体12の内孔には、ロッド24が挿入して配置されている。このロッド24は、シース本体12内の上部でシース本体12の長手方向に沿って延びており、その基端部が可動ハンドル19に着脱可能に接続されている。具体的には、ロッド24の外径よりも大きい径の球部25がロッド24の基端に設けられており、この球部25が可動ハンドル19の突出部22の孔28に係合している。この場合、ロッド24の外径はスリット23の幅よりも小さく設定され、球部25の外径はスリット23の幅よりも大きく且つ孔28の内径よりも小さく設定されている。したがって、スリット23の開放された上端部側からロッド24をスリット23内に通して、球部25を突出部22の孔28内に落とし込めば、ロッド24は、突出部22から軸方向に抜けることなく可動ハンドル19に接続され、固定ハンドル17に対する可動ハンドル19の回動操作に伴って軸方向に前後動する。
【0017】
ロッド24の先端側は、L字状に折り曲げられており、垂直下方に延びる接続部26を形成している。この接続部26は、シース本体12の先端部に回動可能に取り付けられた可動刃(把持部)27に着脱可能に接続されている。
【0018】
図2および図3に示されるように、可動刃27は、細長いリング状を成しており、途中で折り曲げられている。可動刃27の先端部31は、シース本体12の内径と略同一の幅をもって、シース本体12の先端からU字状に突出している。また、先端部31に対して折り曲げられた可動刃27の基端部32は、ピン30を介してシース本体12に回動可能に接続されている。ピン30よりも上側に位置する基端部32の部位には孔29が設けられており、この孔29にはロッド24の接続部26が係合している。したがって、固定ハンドル17に対して可動ハンドル19を回動させてロッド24を軸方向に進退させると、可動刃27は、ピン30を中心にシース本体12に対して回動し、先端部31がシース本体12の軸方向に沿って延びる閉位置と、先端部31がシース本体12の軸方向に対して斜めに延びる開位置との間で移動される。
【0019】
シース本体12の基端部内にはシール部材47が設けられている。このシール部材47は、内視鏡2の挿入部5とロッド24とプローブ挿入部33とを所定の間隔をもってシース本体12内で支持するとともに、シース本体12の内孔を外部に対して水密に保持する。また、シース本体12内には、プローブ挿入部33によって伝達される超音波振動の節位置で、プローブ挿入部33を支持する複数の押え部材48が設けられている。これらの押え部材48は、シース本体12の長手方向に沿って互いに所定の間隔をもって配置されており、プローブ挿入部33とシース本体12との接触を防止する。なお、押え部材48は、テフロン等の耐熱性樹脂によって形成されており、プローブ挿入部33とともに内視鏡2をも支持する。
【0020】
このような構成のシース3に対して超音波プローブ4と内視鏡2とを組み付ける場合には、まず、内視鏡2の挿入部5をシース3の基端側の開口部18からシース本体12の内孔に挿入する。この時、挿入部5は、シール部材47を水密状態で貫通するように且つ押え部材48の対応する孔を貫通するように、シース本体12内に挿入される。そして、内視鏡2の結合部6に設けられた2つの突起11,11をフランジ部13の第1の孔15,15に係合させると、内視鏡2の挿入部5は、その長手方向にわたってシール部材47および押え部材48により支持されてシース本体12内の上部に配置されるとともに、その先端が可動刃27の基端部32のリングの内側を貫くようにシース本体12の先端開口部付近に位置決めされる(図2および図3参照)。
【0021】
このようにして内視鏡2をシース3に組み付けたら、続いて、超音波プローブ4のプローブ挿入部33をシース3の基端側の開口部18からシース本体12の内孔に挿入する。この時、プローブ挿入部33は、シール部材47を水密状態で貫通するように且つ押え部材48の対応する孔を貫通するように、シース本体12内に挿入される。そして、内視鏡2側の凹部7によって超音波プローブ4のフランジ部34をガイドしながら、フランジ部34に設けられた突起37を内視鏡2側のフランジ部13の第2の孔16に係合させると、プローブ挿入部33は、その長手方向にわたってシール部材47および押え部材48により支持されつつシース本体12内で内視鏡挿入部5の下側に配置されるとともに、その先端部38が可動刃27の先端部31のリングの内側に略嵌合するように位置決めされる(図2および図3参照)。これにより、シース本体12の先端側には、可動刃27とプローブ挿入部33の先端部38とからなる開閉可能な処置部50が形成される。
【0022】
このような組立状態では、可動刃27のリングの内側を通じて内視鏡2による観察が可能であり、また、灌流口金14を通じてシース本体12内に液体を送っても、その液体はシール部材47の作用により手元側へ漏れない。
【0023】
次に、上記構成の超音波処置具1を用いて前立腺肥大症の治療を行なう場合について説明する。
【0024】
まず、図4に示されるように、組み立てられた超音波処置具1(正確には、内視鏡2および超音波プローブ4の挿入部5,33が組み付けられたシース本体12)を尿道41内に挿入し、処置部50を前立腺が位置する部位までアプローチする。同時に、灌流口金14から持続的に送水を行ない、尿道41から膀胱44までを灌流液で常時満たして、内視鏡の視野を確保する。なお、超音波処置具1の尿道41内への挿入は、処置部50を閉じた状態すなわち可動刃27を閉位置に位置させた状態で行なう。可動刃27が閉位置に位置された状態では、可動刃27の先端部31がシース本体12の軸方向に沿って延びるとともに、プローブ挿入部33の先端部38が可動刃27の先端部31のリングの内側に収まって、先端部31,38同士が略同一平面上に配置される。
【0025】
処置部50が前立腺の近傍に位置されたら、可動ハンドル19を固定ハンドル17に対して開くように(固定ハンドル17から離間するように)回動させ、ロッド24を手元側に引き込む。これにより、可動刃27の先端部31がプローブ挿入部33の先端部38から離間する開位置へと移動される。すなわち、処置部50が開かれる(図4の状態)。この状態で、今度は、超音波振動子35によって超音波振動を発生させ、超音波プローブ4の先端部38を肥大した腺腫である前立腺内腺42に突き刺す。この時、図5の(a)に示すように、プローブ先端部38の開口部39の中に組織が嵌まり込む。また、同様に、可動刃27の先端部31のリングの内側にも組織が嵌まり込む。
【0026】
このようにして、可動刃27の先端部31とプローブ4の先端部38との間に組織を挟み込んだ状態で、超音波振動を発生させながら、可動ハンドル19を固定ハンドル17に対して閉じて、先端部31をプローブ先端部38に近付く閉位置へと移動させていくと、プローブ先端部38の上面と接触している組織の接触部45が、先端部31からの押圧力を受けて、プローブ先端部38の外周部により徐々に切除されていく。そして、最終的には、図5の(b)に示すように、組織が切除ライン46の部分で切除されてブロック状の塊となる。
【0027】
切除された組織の塊(切除片)は、常時灌流されている流体によって、膀胱44側へ流される。仮に、切除片がプローブ先端部38に付着されたままであれば、切除完了後、再度、超音波振動を発生させて、切除片を吹き飛ばす。
【0028】
以上の操作を繰り返し、前立腺外腺43の内側にある前立腺内腺42を完全に切除したら、膀胱44内に溜まった切除片を排出する。
【0029】
以上説明したように、本実施形態の超音波処置具1は、管腔内に直接に挿入されるシース3内に超音波プローブ4と内視鏡2とを挿入固定して成り、超音波プローブ4の先端部38とともに処置部50を構成する可動刃27がシース3に一体に取り付けられている。したがって、従来のように内視鏡の処置具チャンネル内に挿通されなくても、内視鏡観察下による従来と同様の超音波処置を狭い管腔内で効率良く行なうことができ、また、シース3を内視鏡の処置具チャンネルの径に合わせて小さく形成する必要がないため、シース3の径を管腔内に挿入可能な極力大きな寸法に設定できるとともに、可動刃27とプローブ先端部38とからなる処置部50の寸法をシース3の外径に応じた極力大きな寸法(シース3とともに管腔内に挿入可能な極力大きな寸法)に設定することが可能となる。すなわち、シース3内に内視鏡2を配置し且つシース3に可動刃27を取り付けたことにより、プローブ先端部38と可動刃27の先端部31とを従来よりも大きく形成でき、これら先端部31,38(処置部50)によって一度に広範囲の組織を切除することが可能となる。
【0030】
また、本実施形態の超音波処置具1では、可動刃27がプローブ先端部38を外側から取り囲むように配置されているため、プローブ先端部38が従来と同じ大きさであっても、一度に切除し得る組織の大きさは従来よりも大きくなる。
【0031】
また、本実施形態の超音波処置具1では、可動刃27がリング状に形成されるとともに、プローブ先端部38に開口部39が形成されているため、可動刃27およびプローブ先端部38の内側に組織が嵌まり込んで保持され、組織が滑ることなく確実に切除される。また、嵌まり込んだ分だけ組織をより大きく切除できるため、手術時間の短縮を図れる。また、可動刃27がリング状を成しているため、そのリングの内側を通じて内視鏡の観察視野を確保できる。
【0032】
図6および図7は本発明の第2の実施形態を示している。なお、本実施形態において、第1の実施形態と共通する構成部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0033】
図示のように、本実施形態に係る超音波処置具は、可動刃27の先端部31をプローブ先端部38に向けて付勢するとともに先端部31,38間に組織を仮固定する保持固定手段を有している。この保持固定手段は、シース本体12の先端の上部内周面に接続固定された接続部60と、この接続部60から斜め下方に延びる傾斜部66と、傾斜部66の下端からシース本体12の軸方向に沿って延びる細長い板状の押え部62とからなる板バネ61として形成されている。
【0034】
傾斜部66の先端の左右両側にはそれぞれ、可動刃27の側部の上側まで延びる突起64が設けられている。また、傾斜部66の中央には、細長のスロット65が形成されている。また、押え部62の下面には、その全体にわたって、複数の凹凸部63が設けられている。押え部62の長さおよび幅は、プローブ先端部38の開口部39のそれよりも小さく設定されている。なお、それ以外の構成は第1の実施形態と同一である。
【0035】
このような構成の超音波処置具では、可動刃27がプローブ先端部38から離間する開位置へと回動される途中で、板バネ61の突起64,64が可動刃27の先端部31の側部に当接する。板バネ61の突起64,64が可動刃27の先端部31の側部に当接した状態で、可動刃27がさらに開位置へと回動されると、板バネ61が上側に弾性変形し、可動刃27(先端部31)は、板バネ61の弾性復元力によって閉位置(下側)に向けて付勢される。
【0036】
したがって、可動刃27を開位置に回動させて、先端部31とプローブ先端部38との間に前立腺内腺42を位置させると、前立腺内腺42は、押え部62と接触し、押え部62の付勢力(押圧力)によってプローブ先端部38の開口部39内に押し込められるように先端部31,38間で仮固定される。その状態で、先端部31を閉じていくと、板バネ61の付勢力も手伝って、前立腺組織は、開口部39内にさらに強く押し込まれるとともに、先端部31,38間で強く挟持されながら、超音波振動のエネルギによって切除される。
【0037】
このように、本実施形態の超音波処置具は、管腔内に直接に挿入されるシース3内に超音波プローブ4と内視鏡2とを挿入固定して成り、超音波プローブ4の先端部38とともに処置部50を構成する可動刃27がシース3に一体に取り付けられているため、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、組織を先端部31,38間で保持して仮固定する保持固定手段を備えているため、確実に一度に大きな範囲を切除できる。
【0038】
図8は本発明の第3の実施形態を示している。なお、本実施形態において、第1の実施形態と共通する構成部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0039】
本実施形態に係る超音波処置具は、図8の(a)に示されるように、4つの溝部71を可動刃27の先端部31の底面に有し、また、図8の(b)に示されるように、4つの溝部71と係合する4つの突部73をプローブ挿入部33の先端部38の側面に有している。そのため、可動刃27が閉位置に位置されると、可動刃27の先端部31の溝部71にプローブ先端部38の突部73が嵌まり込んで受けられる。なお、それ以外の構成は第1の実施形態と同一である。
【0040】
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態と同一の作用効果を得ることができるとともに、溝部71と突部73との係合作用により、先端部31,38間に把持された組織を滑ることなく確実に切除することができる。
【0041】
図9は本発明の第4の実施形態を示している。なお、本実施形態において、第1の実施形態と共通する構成部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0042】
本実施形態に係る超音波処置具は、シース本体12の内孔の最上部に、軸方向に延びるパイプ76を有している。このパイプ76の先端部は、シース本体12の先端開口から突出してプローブ先端部38の開口部39の中心付近直上まで延びており、その開口77がプローブ先端部38の開口部39に向くように90度折り曲げられている。また、パイプ76の基端側は、シース3の基端まで延び、吸引器78に接続されている。なお、それ以外の構成は第1の実施形態と同一である。
【0043】
このような構成では、可動刃27の先端部31とプローブ先端部38との間に前立腺内腺42を挟み込んだ後、吸引器78を作動させると、前立腺内腺42がパイプ76の開口77に吸い寄せられて保持され、先端部31,38間で仮固定される。したがって、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、吸引力によって組織を先端部31,38間から逃がすことなく大きく切除できる。
【0044】
図10は本発明の第5の実施形態を示している。なお、本実施形態において、第1の実施形態と共通する構成部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0045】
本実施形態に係る超音波処置具は、シース本体12の断面形状が略三角形となっている。また、可動刃27の先端部31は、プローブ先端部38を外側から取り囲むように配置され、可動刃27の基端部32は、シース本体12内に収まる形状に形成されている。なお、それ以外の構成は第1の実施形態と同一である。
【0046】
したがって、図示のように、三角形の頂点に相当するシース本体12内の上側角部付近に内視鏡2の挿入部5を寄せて配置するとともに、残る空間内にプローブ挿入部33を配置すれば、シース本体12の径(断面積)を大きくすることなく、プローブ挿入部33の径を大きくでき、一度により大きな範囲で組織を切除できる。
【0047】
図11および図12は本発明の第6の実施形態を示している。なお、本実施形態において、第1の実施形態と共通する構成部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0048】
本実施形態に係る超音波処置具において、プローブ挿入部33の先端部38は、組織の剥離が可能となるようにへラ状を成して軸方向に延びている。また、シース本体12内には、プローブ挿入部33の直上に内視鏡挿入部5が配置されている。また、内視鏡挿入部5の直上には、板状の開閉部材112が配置されている。開閉部材112の先端部113は、シース本体12の先端開口から突出し、プローブ先端部38の先端よりも若干手元側に位置している。また、開閉部材112の先端部113には、内視鏡2の観察視野を横切るようにプローブ先端部38に向かってL字状に折り曲げられた突出部115が設けられている。なお、内視鏡2による観察が突出部115によって妨げられないように、突出部115を含む先端部113は、ポリカーボネイト、アクリル、ガラスなどの透明素材によって形成されている。
【0049】
開閉部材112の基端部116は、幅が狭いプレート状に形成されており、ロッド24に接続されている。また、開閉部材112の基端部116の途中には、垂直下方に延びる一対の接続部118,118が左右に位置して設けられている。これらの接続部118,118はピン119を介してシース本体12に回動可能に接続されている。したがって、可動ハンドル19(図1参照)を回動操作すれば、ロッド24が軸方向に進退し、開閉部材112がピン119を中心に回動する。なお、それ以外の構成は第1の実施形態を同一である。
【0050】
次に、上記構成の超音波処置具の作用について図12を参照しながら説明する。
【0051】
まず、予め、高周波電極を用いて、尿道41内の前立腺尖部の尿道粘膜に円周状に切開を加えておく。その後、尿道41内にシース本体12を挿入し、高周波電極によって切開された尿道粘膜の切開部から、前立腺内腺42と前立腺外腺43との間にヘラ状のプローブ先端部38を押し付けるように挿入し、鈍的剥離を行なっていく。この時、プローブ先端部38には、組織を切除し得るほど強くはない超音波振動が伝達される。
【0052】
このような剥離がある程度進んだ状態で、今度は、開閉部材112を開くことによって前立腺内腺42を押し上げ、内視鏡2による観察視野を確保するとともに、カウンタートラクションをかけて、以後の剥離操作を行ない易くする。
【0053】
以上の剥離操作を前立腺内腺42の全領域にわたって行なって、前立腺内腺42と前立腺外腺43とを分離したら、第1の実施形態に示された構成の超音波処置具1、鋏鉗子、モースレーター(組織細切装置)等を用いて、前立腺内腺42を小さい切除片として体外へ排出する。
【0054】
以上説明したように、本実施形態の超音波処置具は、管腔内に直接に挿入されるシース3(12)内に超音波プローブ4(33)と内視鏡2(5)とを挿入固定して成り、超音波プローブ4(33)の先端部38とともに処置部を構成する開閉部材112がシース3(12)に一体に取り付けられている。したがって、内視鏡の処置具チャンネル内に挿通されなくても、内視鏡観察下による剥離操作を狭い管腔内で効率良く行なうことができ、また、シース3を内視鏡の処置具チャンネルの径に合わせて小さく形成する必要がないため、シース3の径を管腔内に挿入可能な極力大きな寸法に設定できるとともに、開閉部材112とプローブ先端部38とからなる処置部の寸法をシース3の外径に応じた極力大きな寸法(シース3とともに管腔内に挿入可能な極力大きな寸法)に設定することが可能となる。すなわち、シース3内に内視鏡2を配置し且つシース3に開閉部材112を取り付けたことにより、プローブ先端部38と開閉部材112とを大きく形成でき、これらによって一度に広範囲の組織を剥離することが可能となる。
【0055】
また、本実施形態の超音波処置具は、超音波振動によって組織を剥離できるため、従来のメカ的剥離操作に比べると、より軽い力量で容易に組織を剥離することができ、穿孔などのリスクを低減できる。
【0056】
また、本実施形態の超音波処置具は、開閉部材112によって剥離部分にカウンタートラクションをかけることができるため、剥離操作をより容易に行なうことができる。
【0057】
なお、以上説明してきた技術内容によれば、以下に示すような各種の構成が得られる。
【0058】
1.中空のシースと、
前記シースの先端から突出し、手元側の超音波発振手段から超音波振動を受けるプローブと、
前記シースの先端に設けられ、前記プローブと協働して処置対象を把持して切除する可動部と、
からなる超音波処置具において、
前記シース内に観察手段が設けられていることを特徴とする超音波処置具。
【0059】
2.前記シースの断面形状が略三角形であることを特徴とする第1項に記載の超音波処置具。
3.可動部の少なくとも一部が透明素材からなることを特徴とする第1項に記載の超音波処置具。
4.前記透明素材がポリカーボネイト、アクリル、ガラスであることを特徴とする第3項に記載の超音波処置具。
【0060】
5.中空のシースと
前記シースの先端から突出し、手元側の超音波発振手段から超音波振動を受けるプローブと、
前記シースの先端に設けられ、前記プローブと協働して処置対象を把持して切除する可動部と、
からなる超音波処置具において、
前記プローブの先端部は、へラ状を成しており、その中心に開口部を有していることを特徴とする超音波処置具。
【0061】
6.プローブの先端部と可動部との間で組織を保持する保持固定手段が設けられていることを特徴とする第5項に記載の超音波処置具。
7.前記保持固定手段は、プローブの先端部の直上に配設された吸引手段であることを特徴とする第6項に記載の超音波処置具。
8.前記保持固定手段は、プローブの先端部の上方に配設され且つプローブの先端部に向かって常時付勢されている押え部材であることを特徴とする第6項に記載の超音波処置具。
【0062】
9.前記可動部が偏平状に形成されていることを特徴とする第5項に記載の超音波処置具。
10.前記可動部が開口を有していることを特徴とする第5項に記載の超音波処置具。
11.前記開口にプローブの先端部を収容可能であることを特徴とする第10項に記載の超音波処置具。
12.プローブの先端部の側面には複数の凸部が形成され、可動部には前記凸部を受容する複数の溝が形成されていることを特徴とする第11項に記載の超音波処置具。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の超音波処置具によれば、処置手段と観察手段とをもって細い管腔内に効率良く挿入可能であるとともに、一度に広い領域を簡単かつ確実に処置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る超音波処置具の分解斜視図である。
【図2】図1の超音波処置具の組立時の縦断面図である。
【図3】図1の超音波処置具の先端部の斜視図である。
【図4】図1の超音波処置具を尿道内に挿入して処置する状態を示す概略図である。
【図5】(a)は図1の超音波処置具の処置部によって組織を把持した状態を示す図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る超音波処置具の先端部の縦断面図である。
【図7】図6のB方向矢視図である。
【図8】(a)は本発明の第3の実施形態に係る超音波処置具の可動刃の斜視図、(b)はプローブ先端部の斜視図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る超音波処置具の先端部の縦断面図である。
【図10】本発明の第5の実施形態に係る超音波処置具の先端部の横断面図である。
【図11】本発明の第6の実施形態に係る超音波処置具の先端部の斜視図である。
【図12】図11の超音波処置具の使用形態を示す概略図である。
【符号の説明】
1…超音波処置具
2…内視鏡(観察手段)
3…シース
4…超音波プローブ
5…内視鏡挿入部
12…シース本体
27…可動刃(把持部)
31…先端部
33…プローブ挿入部(振動伝達部材)
35…超音波振動子
38…プローブ先端部

Claims (2)

  1. 先端に開口を有する管状のシースと、超音波振動を発生する超音波振動子と、超音波振動子に接続され且つ超音波振動子で発生した超音波振動を伝達する振動伝達部材とを備え、
    前記シース内に挿通される超音波プローブと、
    前記シースの先端に回動可能に取り付けられ、シースの先端開口から突出する振動伝達部材の先端部との間で組織を把持する把持部と、
    前記シース内に設けられ、シースの先端開口を通じて処置領域を観察可能な観察手段と、
    を具備することを特徴とする超音波処置具。
  2. 先端に開口を有する管状のシースと、超音波振動を発生する超音波振動子と、超音波振動子に接続され且つ超音波振動子で発生した超音波振動を伝達する振動伝達部材とを備え、
    前記シース内に挿通される超音波プローブと、
    前記シースの先端に回動可能に取り付けられ、シースの先端開口から突出する振動伝達部材の先端部との間で組織を把持する把持部と、
    を具備し、
    前記振動伝達部材の先端部は、偏平形状を成し、中心に開口部を有し、
    振動伝達部材の先端部と把持部との間で組織を保持して仮固定する保持固定手段が設けられていることを特徴とする超音波処置具。
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