JP4284887B2 - 車両用交流発電機 - Google Patents
車両用交流発電機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4284887B2 JP4284887B2 JP2001141267A JP2001141267A JP4284887B2 JP 4284887 B2 JP4284887 B2 JP 4284887B2 JP 2001141267 A JP2001141267 A JP 2001141267A JP 2001141267 A JP2001141267 A JP 2001141267A JP 4284887 B2 JP4284887 B2 JP 4284887B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- frame
- bearing
- rotor
- vehicle
- rolling bearing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車やトラック等に搭載される車両用交流発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両用交流発電機では、回転子の回転軸の一方端近傍に形成されたスリップリングへの水や油などの浸入を防止するために、ブラシホルダやスリップリングカバーによってスリップリングの周囲空間を覆うことにより、この周囲空間の気密性を保っている。また、回転子を回転自在に支持するために用いられる転がり軸受けを収容する軸受け収容部がフレームに取り付けられている車両用交流発電機では、この軸受け収容部の内部空間が回転軸に沿ってスリップリングの周囲空間と連通しているため、この内部空間の気密性も保つ必要がある。例えば、フレームとは別部材にてこの軸受け収容部が形成されている場合には、この軸受け収容部の外周部をローレットボルトでフレームに締結固定することにより、軸受け収容部とフレームとの間を密着させて、この合わせ面から水や油あるいはその他の異物が浸入しないようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来構造では、外部からの防塵効果は十分に確保されているが、軸受け収容部周辺が被水あるいは被油した場合には、図5に矢印で示すように、フレームと軸受け収容部との合わせ面から毛細管現象によって水や油が浸入するおそれがあり、スリップリングの周辺空間や軸受け周辺への異物の浸入を十分に防ぐことができないという問題があった。このような異物の浸入は、ブラシやスリップリングの異常摩耗の原因となる。また、転がり軸受け内部に水等の異物が浸入すると、軸受けの耐久性を大幅に低下させることになる。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、軸受け収容部とフレームとの合わせ面を通してブラシやスリップリングの周囲空間や軸受け周辺への異物の浸入を確実に防止することができる車両用交流発電機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の車両用交流発電機は、界磁磁束を発生する回転子と、回転子を回転自在に保持する転がり軸受けと、転がり軸受けを収容する軸受け収容部が取り付けられたフレームとを有する。軸受け収容部は、フレームと別部材にて構成されており、フレームの取付面に密着した状態で取り付けられる。また、フレームは、取付面に周回方向に沿って形成された溝部を有している。フレームの取付面に周回方向に沿った溝部が形成されているため、軸受け収容部とこの取付面(合わせ面)との間に毛細管現象によって浸入した水や油は、この溝部を越えることができない。これにより、転がり軸受けに接する内部空間への異物の浸入を確実に防止することができる。
【0006】
また、上述した溝部は、車両への組み付け状態において地方向となる位置に排水部が設けられていることが望ましい。毛細管現象によって浸入した水等が溝部内に滞留した場合に、これを効率よく排出することが可能になるため、異物の浸入防止の効果を長期間にわたって持続させることができる。
【0007】
また、上述した軸受け収容部に転がり軸受けが収容された状態で、軸受け収容部内において転がり軸受けの端面に接する内部空間は、回転子の回転軸に設けられたスリップリングの周囲空間に連通していることが望ましい。このような構造を有する場合には、転がり軸受けに接する内部空間とともにスリップリングの周囲空間への異物の浸入を確実に防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した一実施形態の車両用交流発電機について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の車両用交流発電機の全体構成を示す図である。図1に示す車両用交流発電機1は、固定子2、回転子3、フレーム4、ブラシ装置5、整流装置6、リヤカバー7等を含んで構成されている。
【0009】
固定子2は、固定子鉄心22と、3相の固定子巻線23と、固定子鉄心22と固定子巻線23との間を電気絶縁するインシュレータ24とを備えている。
回転子3は、絶縁処理された銅線を円筒状かつ同心状に巻き回した界磁巻線31を、それぞれが6個の爪部を有するポールコア32によって、回転軸33を通して両側から挟み込んだ構造を有している。また、フロント側のポールコア32の端面には、フロント側から吸い込んだ冷却風を軸方向および径方向に吐き出すための冷却ファン35が溶接等によって取り付けられている。同様に、リヤ側のポールコア32の端面には、リヤ側から吸い込んだ冷却風を径方向に吐き出すための冷却ファン36が溶接等によって取り付けられている。また、回転軸33のリヤ側端部近傍には、界磁巻線31の両端に電気的に接続された2つのスリップリング37、38が形成されており、これらのスリップリング37、38を介してブラシ装置5から界磁巻線31に対して給電が行われる。
【0010】
フレーム4は、固定子2および回転子3を収容しており、回転子3が回転軸33を中心に回転可能な状態で支持されているとともに、回転子3のポールコア32の外周側に所定の隙間を介して配置された固定子2が固定されている。回転子3の支持は、フレーム4に設けられた軸受け収容部44、45に収容される一対の転がり軸受け46、47によって行われる。リヤ側の軸受け収容部44は、リヤ側のフレーム4の内側面のほぼ中央に合わせ面と密着させた状態で締結固定されており、所定の締め代で一方の転がり軸受け46が収容される。また、フロント側の軸受け収容部45は、フロント側のフレーム4の内側面のほぼ中央に設けられた凹部であり、所定の締め代で他方の転がり軸受け47が収容される。
【0011】
また、フレーム4は、固定子鉄心22の軸方向端面から突出した固定子巻線23に対向した部分に冷却風の吐出窓41を有し、軸方向端面に吸入窓42を有している。
ブラシ装置5は、整流装置6から回転子3の界磁巻線31に励磁電流を流すためのものであり、回転子3の回転軸33に形成されたスリップリング37、38のそれぞれに押圧するブラシ51、52を有する。
【0012】
整流装置6は、三相の固定子巻線23の出力電圧である三相交流電圧を整流して直流の出力電力を得るためのものである。
リヤカバー7は、リヤ側のフレーム4の外側に取り付けられるブラシ装置5、整流装置6、ICレギュレータ9等の電気部品を覆って、これらを保護するためのものである。このリヤカバー7は、金属ナット71によってリヤ側のフレーム4から延びるボルト43に、整流装置6を挟み込んだ状態で締め付け固定されている。また、リヤカバー7は、主に整流装置6の対向面に複数の吸入窓を有しており、この吸入窓を通してリヤカバー7内部に冷却風が吸入される。
【0013】
上述した構造を有する車両用交流発電機1は、ベルト等を介してプーリ8にエンジン(図示せず)からの回転力が伝えられると回転子3が所定方向に回転する。この状態で回転子3の界磁巻線31に外部から励磁電圧を印加することにより、ポールコア32のそれぞれの爪部が励磁され、固定子巻線23に三相交流電圧を発生させることができ、整流装置6に設けられた出力端子からは所定の直流電流が取り出される。
【0014】
次に、リヤ側の軸受け収容部44周辺の構造について説明する。図2は、リヤ側の軸受け収容部44周辺の構造を示す部分的な断面図である。
図2に示すように、ブラシ装置5は、2つのブラシ51、52を収納するブラシホルダ53と、このブラシホルダ53とともにスリップリング37、38の外周を覆うスリップリングカバー54とを含んで構成されている。ブラシホルダ53とスリップリングカバー54によって構成される筒体で、2つのスリップリング37、38の周囲空間55を覆うことにより、この周囲空間55の気密性が保たれる。また、この周囲空間55は、リヤ側の軸受け収容部44内において転がり軸受け46のリヤ側端面に接する内部空間48と連通している。
【0015】
図3は、リヤ側の軸受け収容部44の詳細形状を示す平面図である。図3に示すように、軸受け収容部44は、中央の環状部108と、この環状部108の一方端から周方向外側に所定の幅に形成された平面部110と、この平面部110からさらに周方向外側に延出する3つの延長部114とを備えている。各延長部114には、ボルト孔112が形成されている。一部にローレット部が形成されたボルト43がボルト孔112に挿通されて、リヤ側のフレーム4に対する軸受け収容部44の取り付けが行われる。このとき、平面部110の端面がフレーム4の合わせ面(取付面)と密着した状態で軸受け収容部44の取り付けが行われる。
【0016】
また、このフレーム4の取付面には、周回方向に沿って溝部100が形成されている。この溝部100の開口は、軸受け収容部44をフレーム4に取り付けたときに、軸受け収容部44の平面部110によって閉塞されている。また、この溝部100の一部には、径方向外側に向かって延びる排水部102が形成されている。この排水部102の一部は、図2に示すように、軸受け収容部44をフレーム4に取り付けた状態でフレーム4の内部空間に露出している。また、この排水部102は、車両用交流発電機1を車両に組み付けた状態で天方向と反対側の地方向を向く位置に形成されている。
【0017】
図4は、フレームに形成された溝部および排水部に水等が浸入した状態を示す図である。図4において矢印で示したように、毛細管現象によって径方向外側から浸入した水等が溝部100に流れ込んで滞留し、その後排水部102から排水される。
【0018】
このように、本実施形態の車両用交流発電機1では、リヤ側の軸受け収容部44に対向するフレーム4の取付面に、周回方向に沿った溝部100が形成されている。このため、軸受け収容部44とこの取付面との間に毛細管現象によって浸入した水や油はこの溝部100を越えることができず、溝部100内に滞留する。これにより、リヤ側の転がり軸受け46に接する内部空間48への異物の浸入を確実に防止することができる。
【0019】
また、溝部100の一部に排水部102を設けることにより、毛細管現象によって浸入した水等が溝部100内に滞留した場合に、これを効率よく排出することが可能になり、異物の浸入防止の効果を長期間にわたって持続させることができる。
【0020】
また、リヤ側の転がり軸受け46に接する内部空間48への異物の浸入を防止することにより、この内部空間48に連通するスリップリング37、38の周囲空間55への異物の浸入をも確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の車両用交流発電機の全体構成を示す図である。
【図2】リヤ側の軸受け収容部周辺の構造を示す部分的な断面図である。
【図3】リヤ側の軸受け収容部の詳細形状を示す平面図である。
【図4】フレームに形成された溝部および排水部に水等が浸入した状態を示す図である。
【図5】従来構造において水等が浸入した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 車両用交流発電機
2 固定子
3 回転子
4 フレーム
5 ブラシ装置
37、38 スリップリング
44、45 軸受け収容部
46、47 転がり軸受け
53 ブラシホルダ
54 スリップリングカバー
100 溝部
102 排水部
Claims (3)
- 界磁磁束を発生する回転子と、前記回転子を回転自在に保持する転がり軸受けと、前記転がり軸受けを収容する軸受け収容部が取り付けられたフレームとを有する車両用交流発電機において、
前記軸受け収容部は、前記フレームと別部材にて構成されており、前記フレームの平面状の取付面に密着した状態で取り付けられており、
前記フレームは、前記取付面に周回方向に沿って形成された溝部を有することを特徴とする車両用交流発電機。 - 請求項1において、
前記溝部は、車両への組み付け状態において地方向となる位置に排水部が設けられていることを特徴とする車両用交流発電機。 - 請求項1または2において、
前記軸受け収容部に前記転がり軸受けが収容された状態で、前記軸受け収容部内において前記転がり軸受けの端面に接する内部空間は、前記回転子の回転軸に設けられたスリップリングの周囲空間に連通していることを特徴とする車両用交流発電機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001141267A JP4284887B2 (ja) | 2001-05-11 | 2001-05-11 | 車両用交流発電機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001141267A JP4284887B2 (ja) | 2001-05-11 | 2001-05-11 | 車両用交流発電機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002345198A JP2002345198A (ja) | 2002-11-29 |
JP4284887B2 true JP4284887B2 (ja) | 2009-06-24 |
Family
ID=18987750
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001141267A Expired - Fee Related JP4284887B2 (ja) | 2001-05-11 | 2001-05-11 | 車両用交流発電機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4284887B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4306581B2 (ja) | 2004-10-19 | 2009-08-05 | 株式会社デンソー | 車両用交流発電機 |
JP4566868B2 (ja) | 2005-09-08 | 2010-10-20 | 三菱電機株式会社 | 車両用回転電機 |
DE102013112841A1 (de) * | 2013-11-21 | 2015-05-21 | Zf Lenksysteme Gmbh | Lenksystem |
-
2001
- 2001-05-11 JP JP2001141267A patent/JP4284887B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002345198A (ja) | 2002-11-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3855762B2 (ja) | 車両用交流発電機 | |
JPH0965620A (ja) | 回転電機 | |
JP3055451B2 (ja) | 車両用交流発電機 | |
JP3775235B2 (ja) | 車両用交流発電機 | |
JP4284887B2 (ja) | 車両用交流発電機 | |
JP5007537B2 (ja) | 車両用交流発電機 | |
JP3815059B2 (ja) | 車両用交流発電機 | |
JP4775654B2 (ja) | 車両用交流発電機 | |
JP4375444B2 (ja) | 車両用交流発電機 | |
JP4609445B2 (ja) | 車両用交流発電機 | |
JP3982415B2 (ja) | 車両用交流発電機 | |
JP4038939B2 (ja) | 車両用交流発電機 | |
JP2001037145A (ja) | 車両用交流発電機 | |
US8089193B2 (en) | Automotive alternator having brush device covered with surrounding wall | |
JP2002119009A (ja) | 車両用回転電機 | |
JP4473436B2 (ja) | 交流発電機 | |
JP4100366B2 (ja) | 車両用交流発電機の整流装置 | |
JP2002315283A (ja) | 車両用回転電機 | |
KR19990015661U (ko) | 자동차교류발전기의 브러쉬홀더어셈블리 | |
JPH0628944Y2 (ja) | 車両用交流発電機における出力端子装置 | |
JP3794366B2 (ja) | 車両用交流発電機 | |
JPH0223081Y2 (ja) | ||
KR200144412Y1 (ko) | 차량용 교류발전기 | |
JP2005151728A (ja) | 車両用交流発電機 | |
JP2003189535A (ja) | 車両用回転電機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070627 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080820 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080909 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081028 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090303 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090316 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120403 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120403 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130403 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130403 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140403 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |