JP4283902B2 - 符号化装置、再符号化装置およびそれらの方法 - Google Patents
符号化装置、再符号化装置およびそれらの方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えは、映像データ圧縮装置および映像データ伸長装置を2組以上、直列接続した場合において、一度伸長された映像データの各ピクチャーを、以前の圧縮処理の際と同じピクチャータイプに再度、圧縮することができる符号化装置、再符号化装置およびそれらの方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
映像圧縮符号化の分野においては、動き補償処理(MC; motion compensation) と、離散的コサイン変換(DCT; discrete cosin transfer)等の直交変換による冗長度低減処理との組合せにより、符号化効率を高めたMC−DCT方式が用いられるようになっており、例えば、MPEG2(motion picture experts group 2)等の圧縮符号化方式においても、このMC−DCT方式が採用されている。
【0003】
MPEG2方式においては、非圧縮映像データは、複数の種類のピクチャー〔ピクチャータイプ;Iピクチャー(intra coded picture) 、Pピクチャー(predictive coded picture)およびBピクチャー(bidirectionally predictive coded picture)〕を所定の順番(ピクチャータイプシーケンス)に含むGOP(group of pictures) を単位とする圧縮映像データに圧縮符号化される。
【0004】
しかしながら、MPEG方式を、圧縮映像データに高い映像品質が要求される放送局用のディジタルビデオテープレコーダ(VTR)に応用する場合、圧縮・伸長に伴う圧縮映像データの品質の劣化だけでなく、複写(ダビング)による品質の劣化が問題となる。放送局においては、ダビングの際に、再生側のVTR装置で、記録のために圧縮符号化した映像データを再生時に伸長復号し、伸長した映像データ(伸長映像データとも記す)を再度、記録側のVTR装置で、圧縮符号化して記録する必要が生じることがある。
【0005】
つまり、放送局においては、ダビング時等に、映像データ圧縮装置(エンコーダ; encoder )および映像データ圧縮装置〔デコーダ; decoder 、以下、エンコーダとデコーダの組み合わせをCODECと記す)を直列(タンデム)に接続した装置で映像データを処理する必要が生じ、圧縮・伸長処理のたびに映像データの品質が劣化する。一方、放送局においては、上述のように、映像データに高い品質が要求されるので、圧縮・伸長処理を繰り返す場合にも、映像データの品質の劣化を最小限に抑えなければならない。
【0006】
一般に、CODECをタンデム接続した場合に、映像データの品質の劣化を最低限に抑えるためには、前段のCODECにおいて、Iピクチャー、PピクチャーおよびBピクチャーにそれぞれ圧縮符号化されたピクチャーを、一度、伸長復号した後、再度、圧縮符号化する際に、それぞれIピクチャー、PピクチャーおよびBピクチャーに(GOP位相を合わせて)圧縮符号化する必要がある。
【0007】
一方、例えば、MPEG2の4:2:2Profile@MainLevel(MPEG2,422@ML)方式のVTR装置のGOPは、例えば、それぞれ1枚のIピクチャーとBピクチャーを含むIB,2ピクチャー構成を採り、また、MPEG2,MP@ML方式のGOPは、主に15枚のピクチャーから構成される等、1つのGOPが2枚以上のピクチャーを含むように圧縮符号化を行う圧縮符号化方式のGOP構成はまちまちである。
【0008】
また、タンデム接続したCODECにおいて、各段のGOP位相がずれ、例えば、前段でPピクチャーまたはBピクチャー(Iピクチャー)に圧縮符号化されたピクチャーを、後段でIピクチャー(PピクチャーまたはBピクチャー)に圧縮符号化するという処理が繰り返されると、映像データから情報が失われ、映像データの品質が著しく低下するばかりでなく、伸長復号時のバックサーチ処理(前段CODECと後段のCODECにおける量子化値を一致させるための処理)等が意味をなさなくなってしまう。
【0009】
タンデム接続したCODEC各段でGOP位相を保つために、前段のデコーダ部分が、伸長映像データに圧縮符号化時のピクチャータイプを示すデータを多重化し、後段のエンコーダ部分が圧縮符号化時に、多重化されたピクチャータイプを示すデータを参照し、GOP位相を保って圧縮符号化を行う方法が考えられた。この方法においては、ピクチャータイプを示すデータの他、例えば、GOPのピクチャー数(N ; current GOP)、GOPにおいてPフレームが何枚(M ; current M)のピクチャーに1枚入っているか等、GOPの構成を示すデータ〔ビデオインデックスデータ;video index data(以下、VIDとも略記する)〕もさらに伸長映像データに多重化される。このように、ビデオインデックスデータを、伸長した映像データに多重化するためのデータフォーマットおよびインターフェース条件等を標準化する作業が、現在、SMPTEにおいて進行している。
【0010】
このような方法においては、ビデオインデックスデータは、映像データの有効画素以外の部分に多重される。しかしながら、一回も圧縮・伸長されていないオリジナル映像の非圧縮映像データ等には、ビデオインデックスデータが多重化されておらず、代わりに、何の意味もなさないランダムなデータが多重化されている場合すらある。
【0011】
ビデオインデックスデータが多重化される部分にランダムなデータが多重化されている映像データを、ビデオインデックスデータに基づいてGOP位相を合わせる方式のエンコーダに入力すると、却ってでたらめなピクチャータイプシーケンスで圧縮符号化が行なわれ、圧縮映像データの品質が著しく低下して使い物にならなくなる可能性がある。
【0012】
このような不具合を解決するためには、例えば、オリジナルの映像データであるか、一度、圧縮・伸長された伸長映像データであるかを、編集者等が手動入力によりエンコーダーに指示し、エンコーダは、オリジナルの映像データに対しては、エンコーダ自身が決めたピクチャータイプシーケンスで圧縮符号化処理を行い、伸長映像データに対しては、多重化されたビデオインデックスデータに基づいてピクチャータイプシーケンスを決めて圧縮符号化処理を行う方法をとる必要がある。しかしながら、この方法は、編集者等に余分な手間をかける他に、例えば、編集者がオリジナルの映像データであるか否かを把握していない場合に、誤った設定の下に、誤った圧縮符号化処理が行われることがある。
【0013】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、既に圧縮・伸長処理されたことがあり、各ピクチャーの圧縮時のピクチャータイプおよびGOPの構成等を示すビデオインデックスデータが多重化されている伸長映像データを、再度、圧縮符号化する際に、ビデオインデックスデータが正しいか否かを検証し、正しいビデオインデックスデータのみに基づいて、適切なピクチャータイプシーケンスにより圧縮符号化処理を行うことができる符号化装置、再符号化装置およびそれらの方法を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、圧縮・伸長処理を経た伸長映像データであるか、一度も圧縮・伸長処理を経ていない非圧縮映像データ、または、正しいビデオインデックスデータが多重化されていない映像データであるかを自動的に判定することができ、入力された映像データが、これらのいずれであるかに応じて、適切な圧縮符号化処理を行うことができる符号化装置、再符号化装置およびそれらの方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、画像データを符号化する符号化装置であって、
前記画像データを、当該画像データを過去に符号化する際に利用したピクチャータイプデータと、GOP内におけるピクチャーの順番を示すフレームナンバーと、GOPのピクチャー数(N)及びGOPにおけるPピクチャーの間隔(M)とを含むビデオインデックスデータと共に入力する入力手段と、前記入力手段により入力された前記ビデオインデックスデータを検出する検出手段と、前記Pピクチャーの間隔(M)及び前記GOPのピクチャー数(N)の値と現在の符号化条件とを照合することにより、前記ビデオインデックスデータが正しいことを検証する検証手段と、前記検証手段により前記ビデオインデックスデータが正しいと検証された場合に、前記ビデオインデックスデータに含まれるピクチャータイプデータの示すピクチャータイプで、前記画像データを符号化する符号化手段とを有する符号化装置が提供される。
【0016】
好ましくは、前記ビデオインデックスデータは、量子化ステップの種別を更に含み、前記検証手段は、量子化ステップの種別と現在の符号化条件とを照合することにより、前記ビデオインデックスデータの内容が正しいことを検証する。
また好ましくは、前記検出手段により検出された過去のビデオインデックスデータを記憶する記憶手段を更に有し、前記検証手段は、前記記憶手段に記憶された過去所定枚分の前記ビデオインデックスデータに含まれる前記ピクチャー数及び前記Pピクチャー間隔から推定される次のピクチャーのピクチャータイプと、次のピクチャーのビデオインデックスデータのピクチャータイプデータとが一致する場合に、前記ビデオインデックスデータの内容が正しいことを検証する。
【0017】
好ましくは、前記ビデオインデックスデータは、前記画像データに多重化されており、前記検出手段は、前記画像データから前記ビデオインデックスデータを検出する。
【0018】
また本発明によれば、画像データを符号化する符号化方法であって、
前記画像データを、当該画像データを過去に符号化する際に利用したピクチャータイプデータと、GOP内におけるピクチャーの順番を示すフレームナンバーと、GOPのピクチャー数(N)及びGOPにおけるPピクチャーの間隔(M)とを含むビデオインデックスデータと共に入力する入力工程と、前記入力手段により入力された前記ビデオインデックスデータを検出する検出工程と、前記Pピクチャーの間隔(M)及び前記GOPのピクチャー数(N)の値と現在の符号化条件とを照合することにより、前記ビデオインデックスデータが正しいことを検証する検証工程と、前記検証工程により前記ビデオインデックスデータが正しいと検証された場合に、前記ビデオインデックスデータに含まれるピクチャータイプデータの示すピクチャータイプで、前記画像データを符号化する符号化工程とを有する符号化方法が提供される。
【0019】
伸長映像データには、ビデオインデックスデータとして、以前の圧縮符号化により各ピクチャーがいずれのピクチャータイプに圧縮符号化されたかを示すピクチャータイプデータ、GOPの構成を示すデータ(N,M等)、および、GOPにおいて先頭から何番目のピクチャーであるかを示すデータ(フレームナンバー)が含まれており、分離手段は、伸長映像データとビデオインデックスデータとが多重化された多重映像データから少なくとも、ピクチャータイプデータおよびフレームナンバーデータと、伸長映像データとを分離する。なお、分離手段は、オリジナルの非圧縮映像データ等が入力される場合には、非圧縮映像データ等が伸長映像データであると仮定した場合に、ビデオインデックスデータが多重化されているべき位置のデータと有効な映像データとを分離する。
【0020】
ピクチャータイプ検証手段において、推定手段は、伸長映像データが本来採るべきピクチャータイプシーケンスと、分離したビデオインデックスデータのフレームナンバーデータとから、第j番目のピクチャーの前回の圧縮符号化時のピクチャータイプを推定する。
第1の照合手段は、ビデオインデックスデータのピクチャータイプデータが示す第j番目のピクチャーの前回の圧縮符号化時のピクチャータイプと、推定手段が推定したピクチャータイプとを照合する。
検証手段は、推定手段が推定したピクチャータイプと、ビデオインデックスデータのピクチャータイプデータが示すピクチャータイプとが一致した場合にのみ、推定したピクチャータイプおよびビデオインデックスデータのピクチャータイプデータが示すピクチャータイプが正しいと検証し、入力された映像データが伸長映像データであると判断する。
【0021】
なお、第2の照合手段は、第1の照合手段および検証手段によるピクチャータイプの検証をさらに確実にするために、過去に正しいと検証された所定数のフレームナンバーおよびピクチャータイプと、これらに対応し、伸長映像データが本来採るべきピクチャータイプシーケンスとを照合する。
この場合、検証手段は、照合した2つのピクチャータイプが一致し、かつ、過去に正しいと検証された所定数のフレームナンバーおよびピクチャータイプと、これらに対応し、伸長映像データが本来採るべきピクチャータイプシーケンスとが一致する場合にのみ、第j番目のピクチャータイプが正しいと検証する。
【0022】
圧縮手段は、第j番目のピクチャーを、ピクチャータイプ検証手段の検証手段により正しいと検証されたピクチャータイプに圧縮符号化する。但し、圧縮手段は、入力された映像データが伸長映像データでないと判断される場合には、圧縮符号化方式に応じたピクチャータイプシーケンスで映像データを圧縮符号化する。
【0023】
また、本発明に係る映像データ圧縮方法は、映像データを、複数の種類のピクチャー(ピクチャータイプ;Iピクチャー、PピクチャーおよびBピクチャー)を所定の順番(ピクチャータイプシーケンス)で含むグループオブピクチャー(GOP)単位に圧縮して圧縮映像データを生成し、生成した前記圧縮映像データを伸長して伸長映像データを生成し、伸長前のピクチャータイプと、伸長前のピクチャーの前記GOP内での位置を示すフレームナンバーと、伸長した前記圧縮映像データとが多重化された多重化映像データを圧縮する映像データ圧縮方法であって、前記多重映像データから、前記ピクチャータイプ、前記フレームナンバーおよび前記伸長映像データを分離し、分離した前記ピクチャータイプシーケンス、前記ピクチャータイプおよび前記フレームナンバーに基づいて、前記伸長映像データのピクチャーそれぞれのピクチャータイプを検証し、前記伸長映像データのピクチャーそれぞれを、検証した前記ピクチャータイプに圧縮する。
【0024】
また、本発明に係るピクチャータイプ検証方法は、映像データを、複数の種類のピクチャーを所定の順番(ピクチャータイプシーケンス)で含むグループオブピクチャー(GOP)単位に圧縮して圧縮映像データを生成し、生成した前記圧縮映像データを伸長して伸長映像データを生成し、伸長前のピクチャータイプと、伸長前のピクチャーの前記GOP内での位置を示すフレームナンバーと、伸長した前記圧縮映像データとが多重化された多重化映像データから、前記伸長映像データのピクチャーそれぞれのピクチャータイプを検証するピクチャータイプ検証方法であって、
前記多重映像データから、前記ピクチャータイプ、前記フレームナンバーおよび前記伸長映像データを分離し、
分離した前記ピクチャータイプシーケンス、前記ピクチャータイプおよび前記フレームナンバーに基づいて、前記伸長映像データのピクチャーそれぞれのピクチャータイプを検証する。
【0025】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
以下、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係る映像データ圧縮装置が適用されるCODECシステム1の構成を示す図である。
図1に示すように、CODECシステム1は、記憶装置・伝送装置18を介して直列(タンデム)に接続された2つのCODEC21 ,22 から構成され、CODEC21 ,22 はそれぞれ、エンコーダ101 ,102 、記憶装置・伝送装置161 ,162 およびデコーダ201 ,202 から構成される。なお、CODECシステム1を、3段構成以上にすることも可能である。
【0026】
CODECシステム1は、例えば、MPEG方式により映像データを圧縮符号化した圧縮映像データを記録し、記録した圧縮映像データを再生して伸長復号して出力するディジタルVTR装置、あるいは、MPEG方式により映像データを圧縮符号化した圧縮映像データを伝送し、伝送した圧縮映像データを伸長復号して出力するデータ伝送システムを、複数、直列に接続した構成を採る。CODECシステム1が映像データに対して行う処理の内容は、例えば、放送局においてディジタルVTR装置を2台接続して映像データの複写(ダビング)を行う際に、これら2台のディジタルVTR装置が映像データに対して行う処理と同様である。
【0027】
図2は、図1に示したエンコーダ101 ,102 の構成を示す図である。
図2に示すように、エンコーダ101 ,102 は同じ構成を採り、エンコーダ101 ,102 は、それぞれピクチャー並べ替え部100、走査変換・ブロック化部102、動き検出部104、減算部106、DCT処理部108、量子化部110、逆量子化部112、逆DCT(IDCT)処理部114、加算部116、動き補償部118、可変長符号化部120およびGOP位相制御部14から構成され、GOP位相制御部14は、分離部(DMUX)140およびピクチャータイプ制御部142から構成される。
【0028】
図3は、図1に示したデコーダ201 ,202 の構成を示す図である。
図3に示すように、デコーダ201 ,202 は同じ構成を採り、バッファ部200、分離部220、可変長復号部202、逆量子化部204、逆DCT部206、動き補償部208、スイッチ部210、画像並び替え部212、ビデオインデックス多重化部214およびピクチャータイプ制御部222から構成される。
【0029】
CODEC21 は、(図1)は、非圧縮映像データEIN1 を圧縮符号化して圧縮映像データを生成して記録・伝送し、さらに伸長して伸長映像データとし、ビデオインデックスデータと多重化して多重化圧縮映像データDOUT1 を生成し、記憶装置・伝送装置18を介してエンコーダ102 に対して出力する。
CODEC22 は、記憶装置・伝送装置18を介して入力された多重化圧縮映像データEIN2 (=DOUT1 )を圧縮符号化して記録・伝送し、さらに伸長復号して多重化伸長映像データDOUT2 を生成して出力する。
【0030】
エンコーダ10(101 ,102 ;図1,図2)において、GOP位相制御部14の分離部140は、入力される映像データ〔一度も圧縮・伸長を経ていないオリジナルの非圧縮映像データ、圧縮・伸長を経ているが、ビデオインデックスデータ(video index data)が多重化されていない古い伸長映像データ、または、圧縮・伸長を経ており、ビデオインデックスデータが多重化されている伸長映像データ(多重化圧縮映像データ)〕から、実効的な映像データ(オリジナルの非圧縮映像データまたは伸長映像データ)およびビデオインデックスデータ(入力される映像データが多重化圧縮映像データでない場合には、ビデオインデックスデータが多重化されているべき位置のデータ)を分離し、映像データをピクチャー並べ替え部100に対して出力し、ビデオインデックスデータをピクチャータイプ制御部142に対して出力する。
【0031】
ピクチャータイプ制御部142は、分離部140から入力されたビデオインデックスデータが正しいか否かを、使用者による設定あるいは誤り訂正符号〔パリティ;図4(A)〜(C)を参照して後述する〕に基づいて検証し、ビデオインデックスデータが正しいと検証された場合には、ビデオインデックスデータが示すピクチャータイプシーケンスで圧縮符号化を行うように動き補償部118を制御し、正しくないと検証された場合には、エンコーダ101 ,102 が本来採るピクチャータイプシーケンス(例えば、1GOPがIB,2ピクチャーから構成されるピクチャータイプシーケンス、あるいは、1GOPが15ピクチャーから構成されるピクチャータイプシーケンス)で圧縮符号化を行うようにピクチャー並べ替え部100および動き補償部118を制御する。また、ピクチャータイプ制御部142は、圧縮映像データに多重化するビデオインデックスデータを生成し、可変長符号化部120に対して出力する。
【0032】
ピクチャー並べ替え部100は、ビデオインデックスデータが示すピクチャータイプシーケンスで圧縮符号化するために適した順番に、分離部140から入力された映像データのピクチャーを並び替え、走査変換・ブロック化部102に対して出力する。
走査変換・ブロック化部102は、ピクチャー並べ替え部100から入力された映像データに対して走査変換処理およびマクロブロック化処理等を行い、動き検出部104に対して出力する。
【0033】
動き検出部104は、隣接する2つのピクチャー間の動きを検出し、動きベクトルを生成して動き補償部118に対して出力する。
減算部106は、動き検出部104が出力する映像データから、動き補償部118が動き補償した映像データを減算し、DCT処理部108に対して出力する。
DCT処理部108は、減算部106から入力された映像データに対してDCT処理を行い、DCT係数を生成して量子化部110に対して出力する。
量子化部110は、DCT処理部108から入力されたDCT係数を量子化して量子化データを生成し、可変長符号化部120および逆量子化部112に対して出力する。
【0034】
逆量子化部112は、量子化部110から入力された量子化データを逆量子化してDCT係数を生成し、IDCT処理部114に対して出力する。
IDCT処理部114は、逆量子化部112から入力されたDCT係数を逆DCT処理して映像データを生成し、加算部116に対して出力する。
加算部116は、動き補償部118が動き補償した映像データと、IDCT処理部114から入力された映像データを加算して、減算部106に対して出力する。
【0035】
動き補償部118は、ピクチャータイプ制御部142からの制御、および、動き検出部104から入力された動きベクトルに基づいて、加算部116から入力された映像データを動き補償処理し、加算部116および減算部106に対して出力する。
可変長符号化部(VLC; variable length coding) 120は、量子化部110から入力された量子化データを可変長符号化処理し、ピクチャータイプ制御部142から入力されるビデオインデックスデータを多重化して多重化圧縮映像データEOUTを生成し、出力する。
【0036】
図4は、図1および図2に示したエンコーダ101 ,102 が出力するビデオインデックスデータのデータフォーマットを示す図である。
エンコーダ101 ,102 の可変長符号化部120において、ビデオインデックスデータはフィールドごとに、図4(A)〜(C)に示す所定のフォーマットで、圧縮映像データの有効画素以外の部分(例えば、14,15ライン)に多重化される。
【0037】
エンコーダ101 ,102 におけるGOPの構成(M,N等)を示すデータ、ビデオインデックスデータに対応するピクチャーがGOPの先頭から何番目のピクチャーであるかを示すフレームナンバーデータ、ピクチャータイプデータ(Iフレーム、PフレームおよびBフレームの種別)、および、量子化ステップが直線的であるか非直線的であるかを示すデータ(Q-Type)は、図4(A),(B)に示すVIDEO INDEX の部分に多重化されている。
【0038】
図4(C)に示すように、VIDEO INDEX の第85,86バイトの各ビットの内、MSBから3ビット(BPI)がピクチャータイプを示し、残り5ビット(frame no.)がフレームナンバーを示し、第88バイトは、VIDEO INDEX の誤り検出・訂正に用いられるパリティ(CRCC)として用いられる。なお、例えば、ビデオインデックスデータのN=15,M=3である場合には、各GOPはIBBPBBPBBPBBPBBの構成を採ると再現可能といったように、ピクチャータイプシーケンスは、ビデオインデックスデータに含まれるM,Nから一意に再現されうる。
【0039】
記憶装置・伝送装置161 ,162 (図1)は、例えば、圧縮映像データを記録するVTR装置、光磁気ディスク(MO; magneto-optical disk)装置等の記録装置、あるいは、圧縮映像データを伝送する通信回線であって、エンコーダ101 ,102 から入力された多重化映像データを再生または伝送し、デコーダ201 ,202 に対して出力する。
【0040】
デコーダ201 ,202 (図1,図3)において、バッファ部200は、記憶装置・伝送装置161 ,162 から入力された多重化圧縮映像データDIN(=EOUT)をバッファリングし、バッファ部200に対して出力する。
分離部220は、バッファ部200から入力された多重化圧縮映像データから圧縮映像データおよびビデオインデックスデータを分離して、それぞれ可変長復号部202およびピクチャータイプ制御部222に対して出力する。
【0041】
ピクチャータイプ制御部222は、バッファ部200から入力されるビデオインデックスデータに含まれるパリティ(CRCC)を用いてその正当性を検証するとともに、ビデオインデックスデータに基づいて動き補償部208、スイッチ部210および画像並び替え部212を制御し、ピクチャータイプに応じた伸長処理を行わせる。また、ピクチャータイプ制御部222は、多重化圧縮映像データDINのピクチャータイプシーケンス等を示すビデオインデックスデータ〔図4(A)〜(C)〕を生成し、ビデオインデックス多重化部214に対して出力する。
【0042】
可変長復号部(VLD; variable length decoding) 202は、エンコーダ101 ,102 の可変長符号化部120と逆の処理を行い、バッファ部200から入力された圧縮映像データを可変長復号して復号データを生成し、逆量子化部204に対して出力する。また、可変長復号部202は、圧縮映像データから動きベクトルを分離して、動き補償部208に対して出力する。
逆DCT部206は、逆量子化部204から入力される復号データを逆DCT処理して映像データ(伸長映像データ)を生成し、動き補償部208およびスイッチ部210の入力端子aに対して出力する。
【0043】
動き補償部208は、ピクチャータイプ制御部222からの制御、および、可変長復号部202から入力される動きベクトルに基づいて、逆DCT部206から入力される伸長映像データを動き補償処理し、スイッチ部210の入力端子bに対して出力する。
スイッチ部210は、ピクチャータイプ制御部222の制御に従って、逆DCT部206がIピクチャーの圧縮映像データを逆DCT処理した場合には、入力端子aに入力される伸長映像データを選択し、逆DCT部206がPピクチャーまたはBピクチャーの圧縮映像データを逆DCT処理した場合には、入力端子bに入力される伸長映像データを選択して、画像並び替え部212に対して出力する。
【0044】
画像並び替え部212は、ピクチャータイプ制御部222の制御に従ってピクチャー並べ替え部100と逆の処理を行い、スイッチ部210から入力される伸長映像データのピクチャーの順番を、エンコーダ101 ,102 に入力される映像データのピクチャーと同じ順番に並び替えてビデオインデックス多重化部214に対して出力する。
ビデオインデックス多重化部214は、画像並び替え部212から入力される伸長映像データと、ピクチャータイプ制御部222から入力されるビデオインデックスデータとを多重化し、多重化伸長映像データDOUTを生成して出力する。
【0045】
記憶装置・伝送装置18は、記憶装置・伝送装置161 ,162 と同様に、例えば、VTR装置、MOディスク装置等の記録装置、あるいは、通信回線であって、CODEC21 から入力された多重化伸長映像データDOUTを記録または伝送し、CODEC22 に対して出力する。
【0046】
以下、図5を参照して、CODEC21 のデコーダ201 が伸長復号した映像データを、CODEC22 のエンコーダ102 が圧縮符号化する場合を例に、第1の実施形態におけるCODECシステム1の動作を説明する。
図5は、図1〜図3に示したCODECシステム1の第1の実施形態における処理内容を示すフローチャート図である。
【0047】
ステップ100(S100)において、CODECシステム1を利用する編集者等(使用者)は、CODEC22 のエンコーダ102 のピクチャータイプ制御部142に対して、映像データEIN2 として入力される映像データが、オリジナルの非圧縮映像データ(オリジナルモード)であるか、ビデオインデックスデータを含む多重化伸長映像データ(ダビングモード)であるかの区別を、端末装置(図示せず)を介して手動設定し、CODEC22 のデコーダ201 に、伸長復号処理を開始させる。
【0048】
ステップ102(S102)において、エンコーダ102 の分離部140は、次の1枚のピクチャーからビデオインデックスデータVIDを分離する。
ステップ104(S104)において、エンコーダ102 のピクチャータイプ制御部142は、分離部140から次のピクチャーのビデオインデックスデータVIDが入力されたか否かを判断する。入力されない場合には処理を終了し、有力された場合にはS106の処理に進む。
【0049】
ステップ106(S106)において、ピクチャータイプ制御部222は、使用者による設定がダビングモードであるか否かを判断する。ダビングモードである場合にはS110の処理に進み、ダビングモードでない場合にはS110の処理に進む。
ステップ108(S108)において、ピクチャータイプ制御部222は、エンコーダ102 自体の圧縮符号化方式(フリーラン状態; free run )のピクチャータイプシーケンスに従って次のピクチャーのピクチャータイプを決定し、各構成部分を制御して圧縮符号化処理を行わせる。
【0050】
ステップ110(S110)において、ピクチャータイプ制御部222は、入力されたビデオインデックスデータのピクチャータイプデータを読み込む。
ステップ112(S112)において、ピクチャータイプ制御部222は、読み込んだビデオインデックスデータのピクチャータイプデータに従って次のピクチャーのピクチャータイプを決定し、各構成部分を制御して圧縮符号化処理を行わせる。
【0051】
なお、ピクチャータイプ制御部222は、使用者による設定の代わりに、ビデオインデックスデータに含まれるパリティを用いて、自動的にオリジナルモード/ダビングモードの区別をつけることも可能である。
以下、図6を参照して、図5に示したピクチャータイプ制御部222の処理の変形例を説明する。
図6は、CODECシステム1(図1〜図3)の第1の実施形態における処理(図5)の変形例を示すフローチャート図である。
【0052】
この変形例においては、図5に示したS100における使用者による設定作業は不要である。
ステップ200(S200)において、エンコーダ102 の分離部140は、次の1枚のピクチャーからビデオインデックスデータVIDを分離する。
ステップ202(S202)において、エンコーダ102 のピクチャータイプ制御部142は、分離部140から次のピクチャーのビデオインデックスデータVIDが入力されたか否かを判断する。入力されない場合には処理を終了し、有力された場合にはS106の処理に進む。
【0053】
ステップ204(S204)において、ピクチャータイプ制御部222は、入力されたビデオインデックスデータのピクチャータイプデータを読み込む。
ステップ206(S206)において、ピクチャータイプ制御部222は、ビデオインデックスデータのパリティ〔図4(C)〕を用いてビデオインデックスデータの誤り検出を行うことによりその正当性を検証し、ビデオインデックスデータが正しい場合にはS208の処理に進み、正しくない場合にはS210の処理に進む。
【0054】
ステップ208(S208)において、ピクチャータイプ制御部222は、読み込んだビデオインデックスデータのピクチャータイプデータに従って次のピクチャーのピクチャータイプを決定し、各構成部分を制御して圧縮符号化処理を行わせる。
ステップ210(S210)において、ピクチャータイプ制御部222は、エンコーダ102 自体の圧縮符号化方式のピクチャータイプシーケンスに従って次のピクチャーのピクチャータイプを決定し、各構成部分を制御して圧縮符号化処理を行わせる。
【0055】
第2実施形態
以下、本発明の第2の実施形態を説明する。
第1の実施形態において、図6に示したように、パリティ〔図4(C)〕を用いてビデオインデックスデータの正当性を検証する処理を行う方法を採ることにより、エンコーダ101 ,102 は、自動的にオリジナルモード/ダビングモードに応じた圧縮符号化処理をすることができる。
【0056】
しかしながら、オリジナルの非圧縮映像データ(あるいはビデオインデックスデータを含まない伸長映像データ)のビデオインデックスデータの位置のデータがランダムであっても、偶然に誤りパリティチェックによりビデオインデックスデータが正しいと判断される可能性がある。例えば、図4(C)に示したように、パリティとして1バイトのデータを用いると、この可能性を十分に小さくすることができず、数秒〜数分ごとに一度の割合でランダムデータが正しいビデオインデックスデータであると判断される危険性がある。
【0057】
このような危険を回避するために、例えば、IピクチャーおよびBピクチャーの2フレーム構成のGOPで圧縮符号化を行うCODECにおいては、コンポジット信号のサブキャリア位相を管理することにより、後段のCODECと前段のCODECのGOP位相を合わせる方法が考えられる。つまり、この方式は、カラーフレーム位相がNTSC方式では2フレーム周期であり、PAL方式では4フレーム周期であることを利用して、例えばカラーフレームパルス(以下CFパルス)が論理値1のときには、ピクチャータイプをIピクチャーに決定して圧縮符号化を行うといったように、GOP位相を合わせる。
【0058】
しかし、このような方法は、2フレーム構成のGOPで圧縮符号化を行う圧縮符号化方式以外には適用できない。また、コンポーネント信号を扱うディジタルVTR装置においては、通常、CFパルスの位相を管理する必要がないために、CFパルスの位相が正しくない場合がある。このような場合に、CFパルスを用いてGOPの位相を合わせると、エンコーダが誤動作してしまう。
第2の実施形態は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、CODECシステム1におけるエンコーダ101 ,102 のピクチャータイプ制御部142(図2)の処理内容を変更して、映像データから分離したビデオインデックスデータの正当性の検証を確実に行い、前段のCODECと後段のCODECとのGOP位相を合わせた圧縮符号化を可能とし、ダビング時の映像の品質向上を実現することを目的とする。
【0059】
第2の実施形態におけるピクチャータイプ制御部142の処理は、正しいと検証されたビデオインデックスデータにおいては、ピクチャータイプデータ〔図4(C)〕だけでなく、その他のエンコード条件に関するデータ(M,N、量子化ステップの種別およびフレームナンバーデータ等)も正しいと考えられることに着目しており、全てのビデオインデックスデータに含まれるデータが、GOP位相から想定されているパターンと一致している場合にのみ、そのビデオインデックスデータが正しいと判断し、ピクチャタイプデータおよびその他のエンコード条件に関するデータも正しいと判断して、このピクチャータイプデータに基づいて圧縮符号化処理を行うアルゴリズムを採用する。
【0060】
以下、図7を参照して、第2の実施形態におけるCODECシステム1の動作を説明する。
図7は、図1〜図3に示したCODECシステム1の第2の実施形態における処理内容を示すフローチャート図である。
ステップ300(S300)において、エンコーダ102 の分離部140は、次の1枚のピクチャーからビデオインデックスデータVID(またはオリジナルの非圧縮映像データのランダムデータ等)を分離する。
ステップ302(S302)において、エンコーダ102 のピクチャータイプ制御部142は、分離部140から次のピクチャーのビデオインデックスデータVIDが入力されたか否かを判断する。入力されない場合には処理を終了し、有力された場合にはS304の処理に進む。
【0061】
ステップ304(S304)において、ピクチャータイプ制御部142は、入力されたビデオインデックスデータVIDのピクチャータイプデータ〔図4(C);IPB〕、フレームナンバー(frame no.)、その他の必要なデータ(量子化値の種別等)およびパリティ(CRCC)の全てを読み込む。
【0062】
ステップ306(S306)において、ピクチャータイプ制御部142は、パリティを用いて読み込んだピクチャータイプデータおよびフレームナンバーの誤り検出を行い、誤りを検出しない(エンコーダ102 に入力された映像データEIN2 が多重化伸長映像データである)場合にはS308の処理に進み、検出した(エンコーダ102 に入力された映像データEIN2 がビデオインデックスデータを含まない伸長映像データ、または、オリジナルの非圧縮映像データである)場合にはS312の処理に進む。
【0063】
ステップ308(S308)において、ピクチャータイプ制御部142は、ビデオインデックスデータのエンコーダの設定条件中、ピクチャーごとに変化しない部分〔N,Mおよび量子化値の種別(M-Type) 等〕と、その時にエンコーダ102 が用いているエンコードの設定条件の対応する部分とを全て照合し、これらが一致するか否かを判断する。一致する場合にはS310の処理に進み、一致しない場合にはS312の処理に進む。
【0064】
ステップ310(S310)において、ピクチャータイプ制御部142は、ピクチャータイプシーケンスのM,N等のデータとに基づいてピクチャータイプシーケンスを再生し、再生したピクチャータイプシーケンスから期待されるGOPの位相〔ピクチャータイプおよびGOPにおける順番(フレームナンバー)〕と、ビデオインデックスデータのピクチャータイプデータおよびフレームナンバーデータとを照合し、これらが一致しているか否かを判断する。
【0065】
つまり、例えば、エンコーダ102 のピクチャータイプ制御部142が、エンコーダ101 が、1つにGOPに2枚のピクチャー(B,I)がこの順番で含まれると判断した(ビデオインデックスデータにおいてM=2,N=2)場合、表示順のGOPの1枚目および2枚目はそれぞれBピクチャー,Iピクチャであるはずである。
従って、フレームナンバーデータの値が1であり、かつ、ピクチャータイプデータがBピクチャーを示す場合、および、フレームナンバーデータの値が2であり、かつ、ピクチャータイプデータがIピクチャーを示す場合にのみ、ビデオインデックスデータの内容が正しいと検証でき、その他の場合にはビデオインデックスデータの内容が正しくないと検証することができる。
【0066】
また、例えば、ピクチャータイプシーケンスに含まれるN=15,M=3である場合には、ピクチャータイプ制御部142は、エンコーダ101 が1つのGOPに15枚のピクチャー(IBBPBBPBBPBBPBB)がこの順番で含まれると判断することができ、フレームナンバーデータの値が2であり、かつ、ピクチャータイプデータがBピクチャーを示す場合には、ビデオインデックスデータが正しいと検証することができる。
【0067】
ステップ312(S312)において、ピクチャータイプ制御部142は、エンコーダ102 自体の圧縮符号化方式(フリーラン状態; free run )のピクチャータイプシーケンスに従って次のピクチャーのピクチャータイプを決定し、各構成部分を制御して圧縮符号化処理を行わせる。
ステップ314(S314)において、ピクチャータイプ制御部142は、読み込んだビデオインデックスデータのピクチャータイプデータに従って次のピクチャーのピクチャータイプを決定し、各構成部分を制御して圧縮符号化処理を行わせる。
【0068】
以下、図8を参照して、第2の実施形態におけるCODECシステム1の動作を変形し、さらに、ビデオインデックスデータの検証の誤りを少なくした変形例を説明する。
例えば、1つのGOPが、それぞれ1枚のIピクチャーおよびBピクチャーから構成され、I,BまたはB,Iというピクチャータイプシーケンスしか現れないはずのピクチャータイプデータが、2枚のBピクチャーが連続するピクチャータイプシーケンス(B,B)を示した場合、このパターンのみを以てピクチャータイプシーケンス(B,B)を正しいと検証することは難しい。
【0069】
このような事象が生じることを予定し、さらにビデオインデックスデータの検証誤りを少なくするためには、ピクチャータイプ制御部142が1ピクチャー分のビデオインデックスデータに基づいてビデオインデックスデータの正当性を検証するだけでなく、所定の枚数(L枚)のピクチャーのビデオインデックスデータに基づいて判断する方法が考えられる。
【0070】
つまり、ピクチャータイプ制御部142が、正しいと検証した過去L枚分のビデオインデックスデータを記憶しておき、過去L枚分のビデオインデックスデータから推定される次のピクチャーのピクチャータイプと、次のピクチャーのビデオインデックスデータのピクチャータイプデータとを照合し、これらが一致した場合にビデオインデックスデータが正しいと検証して、検証の確実性を向上させる。
【0071】
図8は、CODECシステム1(図1〜図3)の第2の実施形態における処理(図7)の変形例を示すフローチャート図である。なお、この変形例においては、図8に示した各処理の内、図7に示した各処理と同じ処理には同じ符号を付してある。
図8に示すように、この変形例においては、図7に示したS310の処理およびS314の処理の間に、S400,S402の処理が挿入されている。
【0072】
ステップ400(S400)の処理において、ピクチャータイプ制御部142は、正しいと検証したビデオインデックスデータのピクチャータイプデータおよびフレームナンバーデータを記憶する。
【0073】
ステップ402(S402)において、ピクチャータイプ制御部142は、正しいと検証して記憶した過去L枚分のピクチャーのピクチャータイプデータおよびフレームナンバーデータからピクチャータイプシーケンスを再生し、再生したピクチャータイプシーケンスから期待されるGOPの位相〔ピクチャータイプおよびGOPにおける順番(フレームナンバー)〕と、ビデオインデックスデータから分離したピクチャータイプデータおよびフレームナンバーとを照合し、これらが一致しているか否かを判断する。これらのデータが一致する場合には、ビデオインデックスデータの内容が正しいと検証してS314の処理に進み、一致しない場合には、ビデオインデックスデータの内容が正しくないと検証してS312の処理に進む。
【0074】
なお、処理の内容を簡略化するために、エンコーダ101 ,102 が、同じ方式(ピクチャータイプシーケンス)で圧縮符号化処理を行う場合のみを想定し、図7に示したS308の処理において、エンコード条件が一致しない場合に、ビデオインデックスデータの内容が正しくないと検証してもよい。
【0075】
以上説明したように、第2の実施形態に示したCODECシステム1の動作によれば、CODEC21 ,22 の両者が同じピクチャータイプシーケンスでダビング処理を行うことが可能であり、ダビング後の映像の品質が大幅に改善される。
また、第2の実施形態に示したCODECシステム1の動作によれば、エンコーダ101 ,102 に、ピクチャタイプデータがブランキングされた映像データ、あるいは、オリジナルの非圧縮映像データ等のビデオインデックスデータとしてランダムデータが含まれる映像データを誤ったピクチャータイプシーケンスで圧縮符号化するといった不具合が生じない。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る符号化装置、再符号化装置およびそれらの方法によれば、既に圧縮・伸長処理されたことがあり、各ピクチャーの圧縮時のピクチャータイプおよびGOPの構成等を示すビデオインデックスデータが多重化されている伸長映像データを、再度、圧縮符号化する際に、ビデオインデックスデータが正しいか否かを検証し、正しいビデオインデックスデータのみに基づいて、適切なピクチャータイプシーケンスにより圧縮符号化処理を行うことができる。
【0077】
また、本発明に係る符号化装置、再符号化装置およびそれらの方法によれば、圧縮・伸長処理を経た伸長映像データであるか、一度も圧縮・伸長処理を経ていない非圧縮映像データ、または、正しいビデオインデックスデータが多重化されていない映像データであるかを自動的に判定することができ、入力された映像データが、これらのいずれであるかに応じて、適切な圧縮符号化処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る映像データ圧縮装置が適用されるCODECシステムの構成を示す図である。
【図2】図1に示したエンコーダの構成を示す図である。
【図3】図1に示したデコーダの構成を示す図である。
【図4】(A)〜(C)は、図1および図2に示したエンコーダが出力するビデオインデックスデータのデータフォーマットを示す図である。
【図5】図1〜図3に示したCODECシステムの第1の実施形態における処理内容を示すフローチャート図である。
【図6】CODECシステム(図1〜図3)の第1の実施形態における処理(図5)の変形例を示すフローチャート図である。
【図7】図1〜図3に示したCODECシステムの第2の実施形態における処理内容を示すフローチャート図である。
【図8】CODECシステム(図1〜図3)の第2の実施形態における処理(図7)の変形例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1…CODECシステム、21 ,22 …CODEC、101 ,102 ,10…エンコーダ、100…ピクチャー並べ替え部、102…走査変換・ブロック化部、104…動き検出部、106…減算部、108…DCT処理部、110…量子化部、112…逆量子化部、114…IDCT処理部、116…加算部、118…動き補償部、120…可変長符号化部、14…GOP位相制御部、161 ,162 ,18…記憶装置・伝送装置、201 ,202 ,20…デコーダ、200…バッファ部、202…可変長復号部、204…逆量子化部、206…逆DCT部、208…動き補償部、210…スイッチ部、212…画像並び替え部、214…ビデオインデックス多重化部、220…分離部、222…ピクチャータイプ制御部。
Claims (5)
- 画像データを符号化する符号化装置であって、
前記画像データを、当該画像データを過去に符号化する際に利用したピクチャータイプデータと、GOP内におけるピクチャーの順番を示すフレームナンバーと、GOPのピクチャー数(N)及びGOPにおけるPピクチャーの間隔(M)とを含むビデオインデックスデータと共に入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された前記ビデオインデックスデータを検出する検出手段と、
前記Pピクチャーの間隔(M)及び前記GOPのピクチャー数(N)の値と現在の符号化条件とを照合することにより、前記ビデオインデックスデータが正しいことを検証する検証手段と、
前記検証手段により前記ビデオインデックスデータが正しいと検証された場合に、前記ビデオインデックスデータに含まれるピクチャータイプデータの示すピクチャータイプで、前記画像データを符号化する符号化手段と
を有する符号化装置。 - 前記ビデオインデックスデータは、量子化ステップの種別を更に含み、
前記検証手段は、量子化ステップの種別と現在の符号化条件とを照合することにより、前記ビデオインデックスデータの内容が正しいことを検証する
請求項1に記載の符号化装置。 - 前記検出手段により検出された過去のビデオインデックスデータを記憶する記憶手段を更に有し、
前記検証手段は、前記記憶手段に記憶された過去所定枚分の前記ビデオインデックスデータに含まれる前記ピクチャー数及び前記Pピクチャー間隔から推定される次のピクチャーのピクチャータイプと、次のピクチャーのビデオインデックスデータのピクチャータイプデータとが一致する場合に、前記ビデオインデックスデータの内容が正しいことを検証する、
請求項1に記載の符号化装置。 - 前記ビデオインデックスデータは、前記画像データに多重化されており、
前記検出手段は、前記画像データから前記ビデオインデックスデータを検出する、
請求項1に記載の符号化装置。 - 画像データを符号化する符号化方法であって、
前記画像データを、当該画像データを過去に符号化する際に利用したピクチャータイプデータと、GOP内におけるピクチャーの順番を示すフレームナンバーと、GOPのピクチャー数(N)及びGOPにおけるPピクチャーの間隔(M)とを含むビデオインデックスデータと共に入力する入力工程と、
前記入力手段により入力された前記ビデオインデックスデータを検出する検出工程と、
前記Pピクチャーの間隔(M)及び前記GOPのピクチャー数(N)の値と現在の符号化条件とを照合することにより、前記ビデオインデックスデータが正しいことを検証する検証工程と、
前記検証工程により前記ビデオインデックスデータが正しいと検証された場合に、前記ビデオインデックスデータに含まれるピクチャータイプデータの示すピクチャータイプで、前記画像データを符号化する符号化工程と
を有する符号化方法。
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