JP4283673B2 - 偏極129Xeを用いる呼吸器の障害、または慢性心不全のような心肺の障害のインビボ評価のための方法 - Google Patents

偏極129Xeを用いる呼吸器の障害、または慢性心不全のような心肺の障害のインビボ評価のための方法 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、超偏極希ガスを用いる磁気共鳴映像法(「MRI」)およびMR分光法に関連する。より詳細には、本発明は、偏極希ガスを用いてインビボにおける特定の状態を評価するための技術に関連する。
背景技術
慢性心不全(CHR)は、集団の比較的大きくかつ潜在的に増加しているセグメントに影響すると考えられる。例えば、The Task Force on Heart Failure of the European Society of Cardiology.Guidelines for the Diagnosis of Heart Failure,16 Eur.Heart Jnl.,p.741〜751(1995)を参照のこと。さらに、多くの高齢の心不全患者は女性であり、そしてこの症候群のより一般的な原因は、拡張機能障害であり得る。駆出分画が正常であり得る心不全、詳細には拡張機能障害に起因する心不全の早期の診断は、依然として課題である。収縮機能障害の証拠のない場合の肺のうっ血の考証は、この診断についての合理的な基準に相当すると考えられる。Tanら、Heart Failure in Elderly Patients:Focus on diastolic Dysfunction, Heart Failure:Scientific Principles and Clinical Practice,P.A.(Churchill−Livingston,NY,Poole−Wilson,編、1997)を参照のこと。他の心肺または呼吸器の障害または疾患について、患者は不確かな病因による息切れを提示し得、これによって、この障害または状態を特定することが困難になり、および/またはそのせいで有効な様式で処置することが困難になり得る。
上記を考慮して、患者を評価する、侵襲が最小限のインビボ方法であって、適切な処置を実施することができるように基礎的状態を特定し、そして/またはそのような状態を処置するために投与された治療処置の有効性を評価するための方法の必要性が、依然として存在する。
発明の要旨
本発明では、被験体が慢性心不全または他の呼吸、心肺、または全身の障害もしくは状態を有するか否かを評価するために偏極129Xeを用いる。
特定の実施形態は、偏極129Xeを用いて、被験体における系の生理学的構造もしくは環境、または生理学的機能を評価するためのインビボ方法に関する。この方法は、以下:(a)被験体にインビボで偏極129Xeガスを送達する工程;(b)少なくとも1つの化学シフト周波数においてこの被験体における偏極ガスの第一のNMR分光光学的シグナルを獲得して、このNMR分光光学的シグナル値の第一の動的なデータセットを経時的に作成する工程、この動的データセットは、目的の生理学的構造、環境または系における偏極ガスの代表である;(c)この被験体をストレスに曝す工程;(d)該少なくとも1つの化学シフト周波数においてこの被験体におけるこの偏極ガスの第二のNMR分光光学的シグナルを獲得して、このNMR分光光学的シグナル値の第二の動的データセットを経時的に作成する工程;ならびに(e)この第一および第二の動的データセットを比較して、ストレスに対する構造、環境、または系の応答を評価する工程、を包含する。
特定の実施形態において、この評価を受けている生理学的構造は、肺胞毛細管膜である。
他の実施形態は、偏極129Xeを用いて、被験体における生理学的な構造、環境、または機能を評価するためのインビボ方法に関しており、この方法は、以下:(a)被験体にインビボで偏極129Xeガスを送達する工程;(b)少なくとも1つの化学シフト周波数において被験体におけるこの偏極ガスの第一のNMR分光光学的シグナルを獲得して、このNMR分光光学的シグナル値の第一の動的なデータセットを経時的に作成する工程、この動的データセットは、目的の生理学的構造、環境または系における偏極ガスの代表である;(c)この被験体に生理学的に活性な治療剤を投与する工程;(d)該少なくとも1つの化学シフト周波数においてこの被験体におけるこの偏極ガスの第二のNMR分光光学的シグナルを獲得して、このNMR分光光学的シグナル値の第二の動的データセットを経時的に作成する工程;ならびに(e)この第一および第二の動的データセットを比較して、この治療剤に対するこの被験体の生理学的応答を評価する工程、を包含する。
特定の実施形態は、心肺機能、または被験体が慢性心不全を有するか否かを評価するためのインビボ方法に関する。この方法は、以下:(a)被験体にインビボで偏極129Xeを送達し、その結果この偏極129Xeが、肺胞毛細管膜を横切って移動してこの膜を横切る血液中に取り込まれる工程、この血液中のこの偏極ガスは、対応する偏極ガスNMR化学シフトシグナル周波数を有する;(b)この血液(およびこの膜)における偏極129Xeのこの偏極を破壊する工程;(c)この血液化学シフト周波数においてこの被験体におけるこの偏極129XeのNMR分光光学的シグナルを経時的に獲得して、NMR分光光学的シグナル強度の少なくとも1つの動的データセットを経時的に作成する工程;(d)この動的データを評価する工程;および(e)この獲得する工程および評価する工程に基づいて、この被験体が慢性心不全を有するか否かを決定する工程、を包含する。
さらに他の実施形態は、被験体が呼吸器障害、または慢性心不全のような心肺の障害を有するか否かを評価するためのインビボ方法に関する。この方法は以下:(a)被験体にインビボで偏極129Xeを送達し、その結果この偏極129Xeが、肺胞毛細管膜を横切って移動してこの膜を横切る血液中に取り込まれる工程、この血液中のこの偏極ガスは、対応する偏極ガスNMR化学シフトシグナル周波数を有する;(b)この血液およびこの膜における偏極129Xeのこの偏極を破壊する工程;(c)この血液化学シフト周波数において、この被験体におけるこの偏極ガスのNMR分光光学的シグナルを経時的に獲得して、目的のシグナル強度値の少なくとも1つの化学シフト周波数において、該少なくとも1つの動的データセットを経時的に作成する工程;ならびに(d)この動的データを評価して、この被験体が、呼吸器障害または慢性心不全のような心肺の障害を有するか否かを評価する工程、を包含する。
他の実施形態は、コンピューター読み取り可能なプログラムコードを含むコンピュータープログラムに関しており、このコンピューター読み取り可能なプログラムコードは、第一および第二の動的データセットを獲得しかつ比較して、以下の1つ以上を評価する:(a)慢性心不全の存在;(b)治療剤に対する生理学的応答を評価すること;(c)呼吸器または心肺の疾患の進行をモニターすること;ならびに(d)加えられた刺激(化学的または物理的)に対する生理学的応答。
特定の実施形態において、この評価する工程は、偏極ガスが膜構造を横切って移動し、次いで血液に入って、その結果、破壊する工程の後にそこにおいてシグナル強度を増大させるのに要する時間に関連した時定数を考慮し得る。さらに、この評価する工程は、動的データに基づいて組織容積の酸素飽和レベル、駆出分画のうちの1つ以上を考慮し得る。
他の実施形態において、この被験体を、運動の間および休止時および/または治療剤の投与後の両方で評価して、心肺もしくは肺の機能および/または治療の有効性を評価することができる。
本発明の他の実施形態は、血液の障壁膜におけるガス交換反応を解析することによって、髄膜炎、脳炎などのような脳の炎症性の障害を評価するか、および/または髄膜炎と脳炎との間などの特定の障害の間を識別し得る方法を提供するために、血液脳関門における、または血液脳関門を横切る129Xeのガス交換動態をモニタリングするための方法に関する。
本開示に照らして当業者によって理解されるように、本発明の実施形態は、方法、システムおよび/またはコンピュータープログラム製品を包含し得る。本発明の前述および他の目的ならびに局面は、本明細書において詳細に説明される。
図面の簡単な説明
図1Aは、肺組織および/または肺胞構造の先行技術の拡大顕微鏡写真である。
図1Bは、肺組織および肺胞構造の先行技術の大きく拡大した顕微鏡写真であって、これは肺胞上皮、間質、肺胞内皮、毛細血管および赤血球および肺胞空隙を図示する。
図2Aは、本発明の実施形態による、目的の偏極129XeピークのNMR分光光学的写真である。
図2Bは、本発明の実施形態による129Xe血液成分のシグナルの経時的なシミュレートされたグラフである。
図2Cは、本発明の実施形態による129Xe組織成分のシグナルの経時的なシミュレートされたグラフである。
図3は、血液中の偏極129Xeの経時的な取り込みのシミュレートされたグラフである。このグラフは、各々が異なる動的129Xe挙動および/または肺胞毛細管膜厚みを示す3つの異なる曲線を図示しており、これを評価して本発明の実施形態に従って患者に対する情報を確認することができる。
図4Aは、肺の偏極ガス129Xe換気画像であって、図4Bは、血中の偏極129Xe取り込みの経時的なグラフである;各々が、本発明の実施形態に従って偏極129Xeの1回呼吸または換気投与に基づいて作成可能である。
図5は、本発明の実施形態による分光光学的解析の方法のための、方法、システムまたはコンピュータープログラムの操作を図示するフローチャートである。
図6は、本発明の実施形態による分光光学的解析のための、方法、システムまたはコンピュータープログラムの操作を図示するフローチャートである。
発明の詳細な説明
本発明はここで、本発明の実施形態が示される添付の図面を参照して、本明細書中の以降においてより詳細に記載される。しかし、本発明は、多くの異なる形態で具現化され得るものであり、本明細書に示される実施形態に対して限定されると解釈されるべきではない。全体を通して、同様の数は同様の要素を指す。図面において、層、領域または特徴を強調していることがある。図面における破線は、必要に応じた特徴または操作に相当する。
当業者に公知のとおり、偏極ガスは、収集され、凍結され、融解されて、MRIおよびNMR分光法適用において用いられる。説明を簡単にするために、「凍結された偏極ガス」という用語は、この偏極ガスが、固体状態に凍結されていることを意味する。「液体の偏極ガス」という用語は、この偏極ガスが、液体状態であったかまたは現在液体状態にあるということを意味する。各々の用語は、「ガス」という用語を包含するが、この言葉は、偏極「ガス」産物を得るために超偏極子を介して生成されるガスを命名しかつ記述的に指定するために用いられる。従って、本明細書において用いられる場合、「ガス」という用語は、特定の場合、超偏極希ガス産物を記述的に示すために用いられており、そしてその産物の状態または相を記載するために固体の、凍結された、溶解された、および液体などの修飾語とともに用いられてもよい。また、特定の実施形態については、超偏極ガスは、ヒト被験体へのインビボ送達に適切な薬学的等級の産物となるように処理される。特定の実施形態において、129Xeガス産物は、その中に約10ppb(10億分の1)未満のアルカリ金属を有するように処方されて、約1ppb未満を有してもよい。
偏極ガスを蓄積および捕獲するために、種々の技術が使用されてきている。例えば、Catesらの米国特許第5,642,625号は、スピン偏極希ガスのための高容積の超偏光子を記載しており、Catesらの米国特許第5,809,801号は、スピン偏極129Xeの極低温アキュムレータを記載している。「Methods of Collecting,Thawing,and Extending the Useful Life of Polarized Gases and Associated Apparatus」と題されたDriehuysらの米国特許第6,079,213号は、改善されたアキュムレータおよび収集および融解方法を記載する。これらの文書の開示は、本明細書において全体が引用されるかのように、参考として本明細書に援用される。
本明細書において用いる場合、「超偏極」、「偏極」などの用語は、交換可能に用いられて、天然または平衡のレベルを超える特定の希ガス核の偏極を人工的に増強することを意味する。このような増大によって、身体のガスのさらに良好なMRI画像および分光光学的シグナルに対応する強力な画像シグナルが可能になるので、このような増大は望ましい。その内容が本明細書において詳細に引用されるかのように参考として本明細書において援用される、Albertら、米国特許第5,545,396号を参照のこと。当業者に公知のように、超偏極は、光学的にポンピングされたアルカリ金属蒸気とのスピン交換によって、あるいは準安定交換によって誘導され得る。
本発明の特定の実施形態は、呼吸器の障害および/または慢性心不全を含む心肺の障害について被験体を評価する方法に関する。概して、偏極129Xeをインビボで被験体に投与しかつモニターして、低酸素飽和度が、換気の乏しさ、灌流の乏しさ、肺胞毛細管膜厚み、および/または肺胞膜を横切るガス拡散能の乏しさ、ならびに肺塞栓などのいずれか1つ以上の結果であることを決定することができる。このような解析を用いて、慢性心不全を診断し、息切れ(または他の呼吸の障害)の不確かな原因を識別し、例えば、心臓起源であるか呼吸起源であるかを特定し、肺胞毛細管の単位、系または機能の妥当性を決定し、そしてそれらの状態に対する処置の治療的有効性をモニターすることができる。
本発明の方法によって評価され得る、他の潜在的な臨床指標としては、肺胞の空隙に影響する状態、肺胞出血状態の診断、および放射線間質性肺炎の診断から、純粋な気道状態を識別するための、肺気腫の存在および/または程度、肺胞炎の存在および/または程度(およびそれに関する追跡モニタリング)が挙げられるがこれらに限定されない。さらに、ある条件を処置するために投与された治療剤の有効性を、この処置の一部として、または前臨床薬物トライアルの一部として評価して、この提案された薬物の臨床的有効性を確認することを補助することができる。
図1Aは、肺組織または肺胞構造の顕微鏡写真である。図1Bは、図1Aに示されたスケールに比べて拡大されており(20×)、そして肺胞上皮(Ep)、間質(Ei)、毛細管内皮(En)、毛細管(C)、および赤血球(R)、および肺胞空隙(A)を含む肺胞構造を図示する。本発明は、肺組織を横切るか、および/または肺胞毛細管膜を横切る肺血液へのガス移行の挙動を評価するための方法を提供する。特定の実施形態において、この情報は、慢性心不全(「CHF」)を評価するために用いることができる。なぜならCHFは代表的に、偏極ガスが肺血液に向かって(赤血球へと)移動しようする場合、肺胞毛細管膜を侵害して、偏極ガス移動に対する抵抗性を増大するからである。毛細管圧の上昇は、水およびイオンに対するこの毛細管の透過性を増大して、ガス交換の局所調整機構を破壊し、肺胞毛細管間質の肥厚、ならびに/または膜伝導の低下および引き続く拡散能の障害をもたらす。得られた条件において、および(漸増する)実際のもしくはシミュレートされた運動の間、この膜を横切るトレーサーとして作用する129Xeの通過時間、ならびに/または挙動のモニタリングを実施して、肺胞毛細管膜の機能の測定をすることができる。他の生理学もしくは構造(障壁)、ならびに関連のピークおよび領域は、上記のような他の条件についてモニタリングすることができる。
操作中に、特定の実施形態において、目的の少なくとも1つの化学ピークまたは化学シフトでの血液における偏極129XeのNMR分光光学的血液シグナル強度の経時的な動的データセットを獲得しかつ評価して、特定の生理学的なパラメーターまたは機能を評価することができる。このパラメーターとしては、患者における、灌流取り込み、肺胞毛細管膜の機能、および/または肺胞毛細管膜の厚み、偏極ガスの肺胞通過時間、換気された血液容積の酸素飽和レベルまたは指標(シャントの指標として)のうちの1つ以上を挙げることができるがこれらに限定されない。動的データセットは、関連の化学シフト(例えば、肺血液、脳血液、または肺胞組織などにおける)に関連する特定のシグナル(単数または複数)のシグナル強度の経時的な増加、構築、または増大に対応する。
ここで図2Aを参照すれば、被験体の身体における偏極129XeのNMRシグナル強度スペクトルデータ(インビボで得られる)が図示される。溶存相スペクトルは、図の左側に示される(f1およびf2のピークによって示される)。気相スペクトル(図の右側の「0」の上)は、血液または組織に溶解した129Xeのスペクトルに対してより大きいシグナルを有する。偏極した129Xeの量が肺に吸入される場合、このガスの小画分(おおまかに約0.3%毎秒)が、肺血液に移行する。肺における偏極129Xeは、3つの異なるNMR共鳴を示すことが公知である:100万分の0(「ppm」)が、ガス状129Xeに関連し、197ppmが、肺組織に溶解した129Xeに関連し(f1)、そして212ppmが血液に溶解した129Xeに関連する(f2)。これらの共鳴(またはその他)における各々のシグナル強度は、時間の関数として追跡することができる。
図2Bは、血液における129Xeのシグナル強度(f2)を経時的に図示し、そして図2Cは、組織における129Xeのシグナル強度(f1)を経時的に図示する。選択された周波数または目的のシフトでの身体におけるガス交換または拡散プロセスを提示する曲線またはライン形状を獲得するために、一連の漸増する長さのパルスを伝達して応答シグナルを生成する。複数の異なる動的データセットを、各々別個の周波数または化学シフトで同時に獲得することができる。
身体において129Xeの動的データセットを作成するため、偏極129Xeを被験体または患者に投与する。次いで、偏極129Xeの偏極を、選択されたインビボの環境、構造、または生理学において破壊して、回復させることが可能である。例えば、ガス状偏極129Xeは、肺中に吸入されることが可能であり、次いでこの129Xeは拡散し得、従って、偏極129Xeを膜に供給し(なぜなら129Xeは連続的にEp、Ei、次いでEnを横切って拡散するから)、そして毛細管および肺血液に供給することができる。
図2Bに示されるように、血液における偏極129Xeのシグナルの構築を動的にモニターして、偏極129Xeの通過時間に関連する時定数「τ」を決定することが可能である。なぜなら、129Xeは、肺胞毛細管膜を横切って拡散するからである。操作時に、特定の実施形態において、時定数または通過時間を測定するために、肺胞毛細管膜(これは、肺胞上皮、間質、および毛細管内皮を含み得る)において、および毛細管/赤血球における近位の血液において、偏極、従ってシグナルを、t=0を規定する(偏極が破壊された後の時間として規定される)大角度RF励起パルスをそこへ伝達することによって破壊し得る。次いで偏極129XeのNMRシグナル強度データが、最初の期間に収集される。血液に入る偏極ガスの化学シフトスペクトルのシグナル強度は、経時的に増大する。なぜなら、このシグナル強度は、解析期間の間に肺から送達された偏極ガスの継続する供給によって「0」から回復するからである。
次いで、偏極は再度破壊されて、第二のデータ収集が、二度目に(第一の励起から適切な時間後の期間で偏極129Xeに関連したデータを得るためにこの第一の励起から遅れて)例えばt=40msで、開始される第二の励起パルスを伝達することによって、開始される。従って、動的データセットと(少なくとも電気的に)関連したラインまたは曲線を作成するために、偏極を複数回破壊して、次いで一連の漸増する間隔の励起パルスを伝達して、少なくとも約1ミリ秒の分解能でインビボにおける129Xe挙動をマッピングする応答曲線を作成する。言い方を変えれば、偏極を各々の時点で破壊し、次いで応答データを連続的にさらに長時間収集して、解析期間中、所望される時点でシグナルデータを収集する。NMRデータは、減少したパルス間隔(最長の間隔で開始して、最短に移動する)、または所望の場合には他の順序を用いて収集可能である。このデータは収集可能であり、そして129Xeの応答曲線は、当業者に周知の統計学的解析技術を用いるカーブフィットを用いて作成することができる。身体における他の位置、環境、組織または膜での他のピークは、他の実施形態において選択されて、機能について同様に評価されてもよい。
図2Cによって、十分な分解能で取り込みを測定することができるように、動的データを十分な分解能で作成して、129Xeの取り込みに対応するライン形状を規定することができるということが図示される。時定数「τ」を作成するのに十分なデータポイントを獲得するために、時定数の時間の少なくとも2倍の時間、シグナルデータを収集することができる。従って60msの時定数について、データを、少なくとも約120ms間収集することができる。特定の実施形態において、時定数「τ」は、肺胞毛細管膜の厚みを決定するために用いることができる。
本発明の他の実施形態は、完全性または機能の損なわれ得る、管腔または天然の体腔に関連した他の膜または壁の他の条件を査定または評価する。例えば、糸球体毛細管膜を、偏極129Xeを投与することによって評価して、この膜を横切る透過性および流速について査定して、健康状態および疾患の定量的アセスメントを得ることができる。1つの結果は、糸球体濾過速度を記録することであってもよく、そしてこれは、全体的にまたは各々の個々の腎臓について得ることができる。これは、多くの臨床的状況、例えば、化学療法の投与前のGFRの測定において有用である。糸球体腎炎のような障害において、この疾患は膜の構造および機能に影響し、そのため本発明の方法は、疾患の進行および治療の効果をモニターするために用いることができる。ここで関与する障害は、急性および慢性の腎不全、ネフローゼ症候群、糸球体腎炎および他の腎疾患であってもよい。同様に、近位または遠位の腎尿細管は、偏極129Xeを用いて評価することができる。
さらに他の実施形態において、大腸および/または小腸の壁の機能を評価することができる。腸膜の完全性および機能の定量的評価は、種々の胃腸病学的疾患において有用であり得る。他の実施形態において、胎盤膜を評価することができる。偏極129Xeは、吸入、または胎盤膜自体に対して近位の注入を介して母体に投与され得る。129Xeを用いて胎盤の完全性および他の機能を評価する、最小の侵襲であるかまたは非侵襲の方法によって、従来の技術(例えば、胎児の成長を測定することによって劣った機能の結果を観察するなど)を上回るさらなる情報を提供することができる。定量的な胎盤機能を得るこのような方法は、産科において有用な臨床的ツールであり得る。
別の実施形態において、血液脳関門を評価して、この障壁またはそれに関連する状態の完全性および機能を定量または評価することができる。血液脳関門の評価は、血液の関門の膜でのガス交換反応を解析することによって、髄膜炎、脳膜炎などのような脳の炎症性の障害を評価すること、ならびに/あるいは髄膜炎と脳炎との間のような特定の障害の間を識別し得る方法を提供することであり得る。他の実施形態としては、血液細胞の生理学または機能の欠陥または異常を評価する工程(例えば、鎌状赤血球貧血の存在または程度を評価する工程)が挙げられる。
図2Bに示されるように、特定の実施形態において、超偏極129Xeの吸入後に、肺血液への129Xeの取り込みを時間の関数として測定することができる。キセノン/血液シグナルの最初の構築速度(偏極が膜および血液において実質的に破壊された後)は、肺胞膜の厚みに感受性である。キセノン/血液の分光光学的シグナルを用いて、肺の浮腫の厚みおよび/もしくは程度、または慢性心不全のような種々の心肺状態に関連する肺胞毛細管膜の機能もしくは厚みを定量することができる。膜の定量もしくは見積もられた厚み、および/または最初の構築の間のガス交換に関連した最初のデータを用いても、上記のように他の状態を評価すること、例えば、肺線維症または他の呼吸の状態を測定/定量することができる。
他の実施形態において、解析期間の他の部分の間の129Xeの応答または挙動を用いて、総心拍出量および/または換気/灌流の比を見積もることができる。例えば、示される曲線またはラインは、少なくとも3つの成分に分解することができる:シグナルの最初の部分の後のシグナルにおける直線の立ち上がりに対応する勾配「m」、シグナルの最初の部分に関連する時定数「τ」、および算出された時定数「τ」よりも大きいt(t>>)におけるシグナルに相当するデータから逆重畳されたシグナルの定常状態の振幅によって規定される振幅。特定の実施形態において、シグナルの振幅は、時点=τにおけるシグナルの振幅よりも37%大きい。勾配「m」は、血液における(酸素のトレーサーとしての)全体的キセノン取り込みの指標として用いることができる。この曲線の勾配(「m」)によって、肺の換気された部分への全体的な血流についての情報が得られ、従ってこれは、シャントまたは心拍出量の予測因子であり得る。同様に、時定数に関連付けて規定された129Xeの分光光学的シグナルの振幅を、酸素飽和度の指標(換気血液容積)として用いることができる。この時定数「τ」を用いても、肺胞毛細管膜の厚み、機能または生理学を、評価または決定することができる。
他の実施形態において、図2Cに示されるように、組織におけるNMRシグナルをモニターすることによっても、組織容積(それに関連する曲線のピーク振幅に対応する)を評価することができるが、組織におけるシグナルに関連する時定数「τ」は、組織の厚みの指標として用いることができる。
被験体が実質的に休息しているか、および/または被験体もしくは患者が運動中のようなストレスに曝されている(または、心拍数を評価するか、および/または他の心肺状態を評価する、人工的な刺激に曝される)状態で、NMRシグナル、ならびに関連の評価および測定を実施することができる。
さらに、特定の実施形態において、129Xe吸入を用いて、新しい薬物または用途が臨床試験または前臨床試験の間に評価を受けている有効性について、または薬物開発プロセスについて、投与された治療をモニターすることができる。
時間の関数(「S(t))」としてのキセノン/血液の共鳴シグナル(S)、またはキセノン/組織の共鳴の大きさは、以下の数学的関係によって表現することができる:
S(t)=S0(1−e−t/τ) 式(1)
ここで「τ」は、取り込みおよび/または溶解したガス交換通過時間に関連する偏極129Xeについての時定数であり、そして「S」は、選択された周波数での(または目的の生体環境もしくは生体構造における)偏極129Xeのシグナル強度である。これらの時定数は、それぞれ組織および血液成分について約61msおよび70msであることがイヌで測定されている。Ruppertら、NMR of Hyperpolarized 129Xe in the Canine Chest:Spectral Dynamics During a Breath-Hold,13 NMR in Biomedicine,p633〜641(2000)を参照のこと。この時定数は、キセノンが肺胞膜を横切って赤血球に拡散するのに要する時間に相当する。水におけるキセノンの拡散定数は、約2×10−5cm2/sである。Wolberら、Measuring Diffusion of Xenon in solution with hyperpolarized 129Xe NMR,296 Chemical Physics Letters,p391〜396(1998年11月6日)を参照のこと。無作為に拡散するガスによって移動された平均二乗距離は、式(2)によって記載されるように近似することができる。
Z2=2Dt 式(2)
ここで、「Z2」は、平均二乗距離であり、「D」は、拡散係数定数であり、そして「t」は、ガスが膜を通って拡散するのに要する時間である。従って、上記で測定された2つの通過時間から、約15.6μmおよび約16.7μmの平均の厚みまたは拡散距離が算出され得る。これらの曲線は、肺全体に由来し、そして組織が厚い領域か薄い領域を含むことに注意のこと。代替的なパルス配列を用いて、最も薄い膜を横切る通過時間に対応する、最初の2〜3ミリ秒(通過時間は代表的には約100ms未満である)の取り込みを特定することができる。特定の疾患の発現の際、平均通過時間は、より長くなり得る。拡散時間は、組織の厚みの二乗に比例するので、通過時間は、壁の厚みおよび/または肥厚(または場合に応じて、薄くなることであってもよい)を定量するために鋭敏である。
図3は、血液における偏極129Xeシグナルについての3つの異なる時定数を有する曲線のグラフを図示しており、これは心不全、または他の障害、疾患もしくは状態に相当し得る心肺機能の変化を図示する。時定数は、式1によって算出可能であり、そして代表的には、シグナルが最終の値の約63%である場合に規定される。示されるとおり、各々の曲線についての時定数は、定量可能な様式で変化する。時定数が長くなるほど(すなわち、τ=150および300ms)、より厚い肺胞毛細管膜に対応する。特定の疾患または状態において、肺胞膜は、高血圧または他の状態に応答して厚くなり得る。状態が悪化するにつれて、高血圧など(酸素拡散能の減少)に応答する肺胞膜の肥厚化に対応して、通過時間または時定数「τ」が増大する(70ms〜300msに向かうということが示される)。多くの治療レジメンは、肺胞膜を薄くしようと試みており、そして本発明は、この目的が時定数τおよび/または他の129Xeシグナルパラメーターを評価することによって達成されるか否かを評価することができる。多くの治療は、肺胞膜を薄くしようと試みるので、この治療は、その状態が悪化されていない状態に有効であるということを確認するために、このような進行または挙動をモニタリングすることによって、重要な臨床情報が提供され得る。
溶存相の偏極キセノンシグナル強度のシグナル強度対繰り返し時間は、関連の勾配「m」を有するが、これは、シグナルおよびパルス反復の関数(dSp/dTR)である。操作時に、大きいフリップ角のパルス(好ましくは、約90度のフリップ角)が、血液に伝えられ得る;これは、キセノンにおける全ての磁化、従って血液に溶解された偏極キセノンのシグナルを破壊する。引き続いて、励起パルス後に、実質的に定常状態レベルに達するまで、さらなる偏極129Xeが(補給された)血液中で経時的に取り込まれる:血液中の偏極キセノンが多くなるほど、関連したシグナルはより大きくなるか、または強くなる。溶存相キセノンシグナルにおけるこの経時的な増大(障壁を横切る最初の通過時間後)は、ラインの勾配によって数学的に提示することができる(dSp/dTR)。この勾配(最初のガス血液障壁の横切る期間後)は、血流における血流速度(Q)に直接比例し得る。
血液中の溶存相キセノンのシグナルに関連するラインの勾配を経時的に決定するため、データ取得によって、最初の60ms内に3〜10の一時的な別々のデータポイントのようないくつかのデータポイントを獲得して、目的のピークでのシグナル形状/129Xe挙動のカーブフィットに関連する時定数を確認することができる。特定の実施形態において、血液が偏極キセノンを取り込むのに、より長時間を要するほど(ここでは肺の換気領域を通じた低い血流が存在している)より浅い血液シグナル勾配(肺の換気領域における低い血流速度に相当する)が示され得る。
特定の実施形態において、組織および/または血液における溶存相の偏極129Xeの勾配データは、肺における気相シグナル(SL)に対してこのデータを比較することによって調整され得る。この気相シグナル(SL)は、公知のフリップ角∀L(この偏極ガスは、肺空隙において好都合に利用可能である)を有する励起シグナルから獲得される。従って、本発明は、肺の気相においてキセノンシグナルを有する血液または組織における溶存相偏極キセノンシグナルの間の数学的関係を用いて、シグナルの定量的測定を確認することができる。
特定の実施形態において、肺容積(VL)は、MR手順の前後に従来の手段によって、または特定の患者サイズもしくは年齢についての平均もしくは正規化された肺容積を仮定することによって、測定される。短い初期時間後に、この曲線の勾配は、血流における血流速度に対応する。
まとめると、本発明の特定の実施形態に従って、129Xe取り込みスペクトルから誘導され得るいくつかの定量可能なパラメーターが存在する:Speak(組織)、τ(組織)、Speak(血液)、τ(血液)、およびキセノン/血液共鳴の直線取り込み部分の勾配。これらの取り込みスペクトルは、肺における局所的な基準に基づいて実施され得る。この動的なシグナルデータは、ミリ秒またはより良好な分解能で獲得できる。特定の実施形態において、肺胞通過時間、酸素飽和レベル、全体的灌流、組織容積、および駆出分画を評価して、生理学または機能における任意の異常または変更を特定することができる。
概して、換気された血流は、心臓へ、左心房へ、左心室へと流れ、そして大動脈(大動脈弓)を通って身体にポンピングされる。血液は、心臓のポンピング作用に対応する拍動性の流動で心臓から押し出されるかまたは駆出される。大動脈から駆出された血液のこの拍動性の流動をモニターして、駆出画分を評価またはマッピングすることができる。勾配タグ化RF励起パルスを用いて、血液中の129Xeのシグナルをみることができる。なぜなら、このシグナルは大動脈または左心室(またはそれに近位の領域)から出るからである。この標的された領域をモニターして、この駆出された血液における129Xeのシグナル強度を経時的に得ることができる。このシグナルは、心周期に対応して増大および減少し、そしてこのシグナルを見積もって、各々のポンピング周期において左心室または大動脈の外にどの程度の偏極血液がポンピングされるかを評価することができる。この駆出画分を、被験体自体の以前の評価と比較するか、または統計学的集団の平均(概して、約60%の平均であると言われる性別および/または年齢によって)に基づいて、異常が存在するか否かを評価することが可能である。従って、例えば、200mlの換気された(偏極)血液が、心臓内にポンピングされて、100mlが駆出される場合、この駆出画分は、50%(平均未満)であると特定され得る。従って、特定の実施形態において、1、2、またはそれ以上の異なる環境、領域、または組織(例えば、組織および血液)におけるシグナルの経時的な動的ガス交換データによって、上記のように、換気、灌流、および駆出分画に対する情報を提供することができる。
さらに、図4Aおよび4Bに示されるように、特定の実施形態において、代表的には約10秒の同じ息止め期間で偏極129Xe換気または1H MRI換気画像を実施するように、インビボにおいて129Xeと関連した十分な磁化または偏極があり得る。分光光学的解析と組み合わせた画像/スキャンによって、心肺系の状態に対するさらなる情報を得ることができる。特定の実施形態において、二重同調129Xe/1Hコイルを備えるMRI磁石においてこの試験を実行して、従来のまたは標準的な画像化を実施して、同じMR画像化/分光光度測定セッションにおいて解剖学的情報を作成することを可能にすることができる。示された画像は、偏極3Heに基づくことに注目のこと。なぜなら、これは容易に接近可能であるが、同様の分解能の換気画像が、偏極129Xeを用いて生成され得るということが予測されるからである。
図5は、本発明の1つの実施形態による代表的操作のブロック図である。偏極129Xeを患者または被験体に投与する(ブロック100)。偏極129XeのNMR分光光度測定的シグナルの第一の動的データセットを、(少なくとも1つの)選択された化学シフト周波数で経時的に獲得することができる(ブロック120)。この選択された化学シフト周波数は、身体における標的された生理学的構造、環境、および/または系に対応する。次いでこの操作を実行して、図の左側(A列)に列挙された順序のみに従う(ブロック130〜137)か、または図の右側(B列)に列挙された順序のみに従う(ブロック140〜145)。別の実施形態において、この操作を組み合わせて、ストレスの間の治療剤および被験体の応答の両方を評価することができる。
図5の左側を最初に参照すれば、治療剤を被験体に投与する(これは、第一の動的データセットが得られる後に実施され得るが、必ずしも実施される必要はない)(ブロック130)。該少なくとも1つの選択された周波数のNMR分光光学的シグナルの第二の動的データセットが得られる(ブロック132)。第一および第二のデータセットを比較して、治療剤の有効性を評価することができる(ブロック135)。特定の実施形態において、第一および第二のデータセットを比較して、生理学的応答が治療剤の投与後に示される時間を特定することができる(ブロック137)。
ここで図の右側(B列)に対して調整すれば、被験体は、心拍数を評価して、呼吸数の増大などの他の所望の生理学的変化を生じるように、実際のストレスまたはシミュレートされたストレス(化学的または物理的に誘導されたストレス)に曝される(ブロック140)。被験体がストレスに曝される間に、該少なくとも1つの選択された周波数のNMR分光光学的シグナルの第二の動的データセットを得る(ブロック142)。この第一および第二のデータセットを比較して、ストレスに対する環境、構造、系、または機能の1つ以上の生理学的応答を評価する(ブロック145)。
特定の実施形態において、単一の評価セッションの間に、第二のデータセットを獲得することができる(ブロック148)。他の実施形態において、第二のデータセットは、第一の時点とは時間的に別の離れた時点での偏極129Xeの第二の投与に基づき得る(ブロック149)。
図6は、被験体がCHFを有するか否かを評価するための方法のブロック図である。示されたとおり、偏極129Xeを、被験体に投与する(ブロック200)。少なくとも1つの選択された化学シフト周波数において、身体における偏極129XeのNMR分光光度測定シグナルの該少なくとも1つの動的データセットを経時的に獲得する(ブロック220)。身体における129Xeの偏極レベルは、動的データを獲得する前に局所的に破壊され得る(ブロック222)。この動的データを評価して、この患者がCHFを有するか否かを決定するためにインビボにおける肺胞膜近位の偏極ガス挙動を評価することができる(ブロック230)。特定の実施形態において、目的の少なくとも1つのパラメーターをこの動的データに対してフィットする曲線に基いて評価する:このパラメーターとしては、シグナルの時定数、偏極129Xeの時定数、このシグナルのラインまたは曲線の形状、曲線下面積、および振幅(この時定数またはピークでの)を挙げることができる(ブロック233)。
特定の実施形態において、2つの動的データセットを、各々2つの異なるそれぞれの周波数で獲得することができるが、この1つは、肺組織における偏極129Xeに対応しており、もう1つは肺血液における偏極129Xeに対応している(ブロック235)。さらに、2つのデータセットを2回獲得することができるが、この1回は患者が実質的に休息時であり、そしてもう1回は、患者がストレス下である時であって、そしてこのデータセットを比較して、この被験体が慢性心不全を有するか否かを決定する(ブロック238)。さらに治療剤を投与してもよく、そしてブロック235および/または238における操作を繰り返してもよい(ブロック240)。
概して、操作時には、患者をMRIユニットに配置して、磁場に曝す。MRIユニットは代表的には、超電導磁石、傾斜コイル(電源に接続された)、NMRコイル(伝達/受容RFコイル)、および所定の周波数でRFパルスセットを生成するためのRF増幅器を備える。1.5Tの磁界強度における129Xe画像について、約17.6MHzの気相で操作するようにMRIユニットを設定する。溶解された相励起周波数は、気相励起周波数(化学シフトに対応する)よりも約196〜少なくとも200ppm低いような気相励起周波数より低くシフトされる。従って、溶存相129Xe RF励起周波数は、関連する気相励起周波数よりも約3.52Hz低くてもよい。他の実施形態では、画像化方法は、17.6MHzの気相励起パルス、および約17.59648MHzの関連した溶存相励起パルスを使用する。当然ながら、磁場強度および励起周波数は、評価を受けている標的の領域/組織または環境に依存して、当業者に周知のとおり、変化し得る。
あらゆる事象において、RFパルス(単数または複数)を患者に伝達して偏極129Xeの核を励起する。NMRコイルを選択された周波数範囲に調整して、標的された画像領域に隣接して配置し、励起パルスを伝達して、MRIユニットによって生成されたパルス順序に対する応答を検出する。標準的な胸部画像化のためのNMRコイルは、胸部の前後の両方に配置された導体を有するラップアラウンドコイルを備えてもよい。当業者に公知の受容可能なコイルの例としては、バードケージ配置、ヘルムホルツペア、およびソレノイドコイル(永久磁石について)が挙げられる。他のNMRコイルを、身体の他の画像化領域について用いることができる(例えば、頭部、胴体など)
特定の実施形態において、患者は、肺領域(すなわち、肺および気管)に、ある量の偏極129Xeガスを吸入してもよい。吸入後、患者は、所定の時間(例えば、5〜20秒)、その呼吸を止めてもよい。これは、「息止め」送達と記載することができる。息止め送達のための偏極ガスの適切な「単回用量」の量の例としては、0.25〜0.5、0.75、および1.0〜2.0リットルのガスが挙げられる。吸入での用量は、適切な偏極レベルを有するガスを含み得、その結果代表的には、送達での偏極は、十分に5%を超え、そして好ましくは偏極レベルは約20%〜50%を超える。
概説すると、本発明の実施形態によれば、適切な量の超偏極129Xeガス(またはガス混合物)の吸入の直後、MRIユニットは、適切な励起パルスを送達することができる。特定の実施形態においては、励起パルスは、肺脈管構造の選択された部分に対する大きいフリップ角のRF励起パルスであり得る。本明細書において用いる場合、「大きいフリップ角」とは、約30度より大きく、そして代表的には、約75度、そしてより代表的には約90度より大きい角度を意味する。30度のフリップ角は、一般に90度のフリップの約50%程度の大きさのシグナルを生じる(45度は代表的には約70%程度の大きさのシグナルを生じる)。
RF励起は、選択的に実施可能である。すなわち、「選択的励起」は、それが特定の周波数のみを励起するように、すなわちそれが実質的に溶存相偏極ガスのみを励起するように生成される。選択的励起パルスの代表的送達は、「ハード」パルスを介する。本明細書において用いる場合、「ハード」パルスとしては、RFが短いパルス時間(「tpulse」)で調整され、その直後に、実際には好ましくは実質的に「即時に」オフにされるパルスが挙げられる。しかし、短いパルス時間によって、生成される関連の周波数は不確実になり得る。特定の実施形態において、選択的励起は、パルス周波数が、所望される溶存気相共鳴(すなわち、17.59648MHz)に中心をおくように実施され、そして関連する周波数が、対応する気相励起周波数(すなわち、17.6MHz)未満であるようなパルス時間tpulseを有する。例えば、時間tpulseを有する二乗励起パルスの1つの周波数スペクトルであって、ある周波数(「fo」)に中心をおくスペクトルは、以下の式によって記載され得る:
sin(a(f−fo)/a(f−fo))、ここでa=3.1416tpulse (式3)
従って、パルス時間tpulseは好ましくは、気相成分についてsin(a(f−fo)=0であるように設定される。別の言い方をすれば、パルス時間tpulseは、tpulse=1/(f−fo)の関係によって決定される。1つの実施形態では、1.5Tの磁場強度について、f−foは、3.52kHzに等しく、そしてtpulseは、約284μ秒(10−6)である。当然ながら、当業者によって認識されるように、例えば、サインパルス、ガウスパルスなどを含むがこれに限定されない、別のアプローチをまた用いることも可能である。
特定の実施形態において、129Xe偏極または磁化の入来を実質的に破壊するために大きいフリップ角のパルスを標的領域に送達して、連続的に長いパルス遅延時間でデータを獲得するために「0」またはモニタリング開始ウインドウを設定して、通過時間および/またはガス交換の動態を解析する。その後、特定の実施形態において、肺血液容積の全体を励起するように、選択的励起の時刻を決める。肺血液容積は、肺と心臓との間、および/または肺および心臓内の循環系に関連した血液通過を満足する血液の容積を含む(血液の容積、または境界の肺組織および/または心臓内の血液の容積の一部を含み得る)。有利なことに、従来の小さいフリップ角を用いて利用可能な磁化を破壊することを回避する、肺における気相129Xeの画像化とは異なり、肺の脈管構造における溶存相129Xeの大きいフリップ角励起によって、「0」レベルの初期化についてガス交換動態をモニターすることが可能になる。さらに、129Xeの吸入送達を用いる特定の実施形態によれば、「初期の」磁化(すなわち、偏極129Xe)は、この手順の間に毛細血管床から中へ実質的に持続して流れている。129Xeを用いる画像化方法の説明については、同一譲渡人に譲渡されかつ同時係属の米国特許出願第09/271,476号、および米国特許出願第09/271,476号を参照のこと。これらの文書の内容は、全体が本明細書において引用されるかのように本明細書において参考として援用される。
本明細書において用いられる「肺および心臓の脈管構造」という用語は、肺および/または心臓内の血管、心臓の心室、心臓の心室の間の通路、ならびに肺と心臓との間の血管、ならびに肺または心臓と他の組織および/または臓器との間の血管の全てを含む。肺および心臓の脈管構造としては、肺静脈および動脈、ならびに関連の毛細管、心臓の左心房および右心房、心臓の左心室および右心室、心筋、大動脈および大動脈弓、冠動脈、冠状動脈、鎖骨下動脈、ならびに頸動脈が挙げられるがこれらに限定されない。
肺への超偏極129Xeの吸入の際ほぼ直ちに、Xeは肺血流に溶解され始める(代表的には、約100ms未満)。肺毛細管ベッドにおけるXeの濃度(「[Xe]P」)は、肺のガス空隙におけるXeの濃度(「[Xe]L」)と、最初のガス通過時間(肺胞毛細管膜を横切るガス移動として)後に平衡になるように想定することができる。従って、この関係を以下のように記述することができる:
[Xe]p=8[Xe]L (式4)
ここで、「8」は、Xe血液/ガス分配係数または血液溶解度である。この濃度は、吸入後ちょうど2〜3秒で肺の脈管構造の静脈側において平衡化することが期待できる。濃度についての標準的な単位は、「アマガー」であり、これは、273Kの温度で1気圧のガス圧をいう。肺が1気圧のガスを含み、そして温度が約310Kであるヒトについては、全てのガス密度を、1気圧あたりA≒0.88アマガーの係数によってスケールダウンすべきである。肺の容積(「VL」)へ、ある容積(「VXe」)のXeを吸入する患者については、肺において得られたXe密度[Xe]Lは、以下である:
Figure 0004283673
従って、肺血液におけるXeの濃度[Xe]Pは、吸入されたガス容積VXeに関連しており、そして以下の式で記述され得る:
Figure 0004283673
上記において、そして同時係属の米国特許出願第09/271,476号に記載のとおり、1LのXeを肺(約6Lの肺容積を有する)に吸入する患者は、肺の脈管構造および関連の血液においてキセノン濃度(0.02アマガー)の容積の約1/6を生じるかまたは約1/6中に溶解するかまたは飽和する。シグナルの補償または調整、ボクセルあたりのシグナル、および灌流画像のさらなる説明については、その全体が参考として本明細書に援用されるかのように、ここに参考としてその内容が援用される米国特許出願第09/271,476号を参照のこと。特定の実施形態において、この方法は、周波数選択的な大きい角度(より好ましくは90°)のRF励起パルスであって、肺血液において129Xeを実質的に枯渇させるが、実質的に影響を受けない肺において超偏極ガスを残すパルスを使用して、動的なNMRシグナルデータが得られる期間中に最初のモニタリング期間を規定する。この実施形態において、RFパルス(TR)と肺血流速度(Q)との間の反復時間間隔を用いて、超偏極129Xeを含有する(溶存相)、有効な肺容積(Veff)を決定することができる。この関係によって、TRは、偏極129Xeが肺血液からなくなるのに要する時間(tp)よりも短いかまたは実質的に等しいということが仮定される。上記で考察されたとおり、静脈肺血液の代表的な血流速度および見積もられた容積について、tpは約2.5秒である。従って、大きいRF励起パルス(好ましくは、α≒90°)では、肺血液における溶解された肺129Xeシグナル強度は、コイル利得(「G」)、Xe偏極(「PXe」)、および脈管構造における偏極Xe密度または濃度([Xe]p=λ[Xe]L)の積に比例し、これは以下の式で記述され得る:
Sp(TR)=GPXe8[Xe]LQTR 式(7)
顕著なことに、シグナル強度は、パルス間隔(TR)および血流速度(Q)の両方に依存する。溶存シグナル強度対、繰り返し時間は、以下の式で数学的に表現され得る関連の勾配を有する:
Figure 0004283673
肺血液における偏極キセノンの勾配「m」は、肺血流速度(Q)に直接比例する。血流速度の較正は、肺における気相シグナル(「SL」)を評価することによって獲得可能であり、このシグナルは、関連の小さいRFティッピング角(励起角)(「αL」)を有する。気相シグナルは、以下の式によって表すことができる:
SL=GPXe[Xe]LVLsinαL 式(9)
肺血流速度(Q)は、超偏極129Xeガスおよび溶存相シグナルの比によって記述され得る。この比はレシーバ利得(G)および偏極値PXeを取り消す。従って、血流速度(Q)は、以下の式によって表現できる:
Figure 0004283673
有利なことに、Xe/血液分配係数(λ)、および総肺容積(VL)の測定では、血流の定量的測定を、本発明の方法に従って確立する。当業者によって理解されるとおり、肺容積は当業者に公知の技術を用いて約20%の正確度まで容易に確認され得る。好ましくは、限定はされないが肺活量測定などの、比較的改善された正確度を有する技術が用いられる。
分光光学的な評価方法は、その測定が「自己較正」であり得るので、偏極較正を必要としない。別の言い方をすれば、偏極は、血液中のT1緩和が無視できる程度まで、両方が実質的に同じか同一の偏極を有すると想定できる、溶解されたキセノンシグナルおよびガス状キセノンシグナルを比較することによって、取り消すことができる。
本発明は、特定の好ましい実施形態に関して上記されている。しかし、当業者は、本発明が、広範な範囲の適用のために使用できることを理解する。溶解された超偏極129Xeを用いる、系、膜、生体構造もしくは環境のガス交換障壁、生理学的機能および動的機能的評価、ならびに/または灌流マッピングについての情報を画像化または獲得するための方法は、当業者に公知の磁気共鳴または分光光度的技術を用いて本発明に従って実行することができる。例えば、米国特許第5,833,947号;米国特許第5,522,390;米国特許第5,509,412’号、米国特許第5,494,655号、米国特許第5,352,979号;および米国特許第5,190,744号を参照のこと。また、以下も参照のこと:Houら、Optimization of Fast Acquisition Methods for Whole-Brain Relative Cerebral Blood Volume(rCBV)Mapping with Susceptibility Contrast Agents, 9 J.Magnetic Resonance Imaging 233(1999);Simonsenら、CBF and CBV Measurements by USPIO Bolus Tracking:Reproducibility and Comparison with Gd-Based Values,9 J.Magnetic Resonance Imaging 342(1999);Mugler IIIら、MR Imaging and Spectroscopy Using Hyperpolarized 129Xe gas:Preliminary Human Results,37 Magnetic Resonance in Medicine,pp.809〜815(1997);Belliveauら、Functional Cerebral Imaging by Susceptibility-Contrast NMR,14 Magnetic Resonance in Medicine 14 538(1990);Detreら、Measurement of Regional Cerebral Blood Flow in Cat Brain Using Intracarotid 2H20 and 2H NMR Imaging,14 Magnetic Resonance in Medicine 389(1990);Frankら、Dynamic Dysprosium-DTPA-BMA Enhanced MRI of the Occipital Cortex;Functional Imaging in Visually Impaired Monkeys by PET and MRI(抄録)、第9回国際磁気共鳴医学会議(1990年8月18〜24日);Le Bihan,Magnetic Resonance Imaging of Perfusion,14 Magnetic Resonance in Medicine 283(1990);ならびにRosenら、Perfusion Imaging by Nuclear Magnetic Resonance,5 Magnetic Resonance Quarterly 263(1989)。これらの文書の内容は、本明細書において詳細に引用されるかのように、参考として本明細書に援用される。
特定の実施形態において、本発明を実施して、当業者によって理解されるように、全身機能を評価するために用いることができる灌流の定量的アセスメントを得ることができる。この実施形態によって、シグナル強度を、上記で注記されたように経時的に追跡することができる。このような定量的関係の例は、MR画像化とともに放射性造影剤を用いるために発展され、そして分光光度測定法は、血管の溶存相129Xe解析に特に適切であり得る。一般的には、Lassen,Cerebral Transit of an Intravascular Tracer may Allow Measurement of regional Blood Volume but not Regional Blood Flow,4 J.Cereb.Blood Flow and Metab.633(1984)を参照のこと。
さらに、本発明の方法は、以下に詳細に記載されるように、広範な範囲の診断および評価の適用について、好ましくは、心臓、肺、または心血管の機能に関連する適用について、用いることができる。
本発明の他の適用としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:心臓の虚血および/または梗塞の有無および/または重篤度の特定およびアセスメント;血栓および血小板の局在化およびアセスメント;例えば、可逆性の限局性の虚血における、ヘパリン、血管拡張因子、降圧薬、カルシウム拮抗薬などを投与するための「治療濃度域」の決定;他の誘導性血管拡張効果のモニタリング;虚血の重篤度の検出および定量的評価;生理学的に活性な物質の血管拡張効果または血管収縮効果のモニタリング;ならびに外科的に誘導された血液灌流のバラツキのモニタリング。
多くの研究者は、表1に示されるように、超偏極129Xeが異なる組織と接触する場合に観察された特徴的化学シフトを検討している。示されるとおり、遊離の気相(0ppmで参照された)からの大きい周波数のシフト(100万あたり200部、すなわち200ppm程度の大きさ)が観察されている。この周波数シフトは、プロトン分光光度測定で(概して、ほとんど約5ppmで)観察されたよりもかなり大きい。従って、分光光度測定は、超偏極129Xeの挙動の際にキャピタライズするように特に適切にすることができる様式である。

表1. 異なる組織に曝された場合の、超偏極129Xeの遊離のガス状超偏極129Xe(0ppmで参照された)からの特徴的シフト。
Figure 0004283673
本明細書において上記に考察されるように、超偏極129Xeは、吸入または注射によって患者に投与され得る。投与の様式が注射である場合、129Xeは、キャリア液体中に懸濁されてもよいし、またはガス状の形態などで直接投与されてもよい。しかし、どの組織が目的であるかにかかわらず、129Xeがキャリア液体に懸濁される場合、キャリア液体自体が、スペクトルの結果を歪曲するか、および/または目的のスペクトルのピークを実質的にあいまいにする可能性が高い。キャリア液体はまた、標的組織(目的の領域)と反応し得、そして/または可能性としては目的の組織のなかもしくは周囲における分子との化合物を産生し得、これによって超偏極129Xeの化学的シフトを、単に目的の組織および超偏極129Xeで観察されるものから相違させ得る。従って、ガス状129Xeの直接注射、または吸入を介した投与は、特定の実施形態または適用に特に適切であり得る。ガス状129Xeの直接注射のさらなる考察については、その内容が本明細書において詳細に引用されるかのように参考として本明細書に援用される、同時係属の米国特許出願第09/804,369号を参照のこと。
特定の実施形態において、スペクトルのピークは、スペクトルデータを正規化することによって定量化され得る。「正規化」という用語は、選択されたシグナルの変数を明らかにするために、目的のスペクトルピーク(単数または複数)のシグナルデータを調整することを意味する。この調整としては、目的の領域において超偏極ガスシグナルを定量するために応答スペクトル内で選択された公知の生体物質(RBC、血漿など)と関連した特定のピークの値の数学的な比を用いる工程を包含し得る。この調整は、シグナルの大きさを定量するために基礎または参照のスペクトルを得るために送達の時点で測定された投与されたガスの偏極レベル(および/または量)を用いる工程を包含し得る。従って、正規化は、相対的データ、および/または絶対的データを用いることができる。例えば、脳組織のスペクトルに対する血液のスペクトルの比(選択されたスペクトルピークの大きさまたは面積の比)を算出することができる。当然ながら、他の公知の化学シフトピーク位置を用いても、目的のスペクトルピークの値を正規化することができる。絶対的データは、ガスの偏極レベル(それが患者に送達される場合)、および/またはそこに投与されたガスの量(シグナル強度について説明するため)と関連したデータを含み得る。
領域特異的なNMRコイルは、目的の領域にわたって配置されて、選択されたRFパルス順序を伝達し得る。このコイルは、FIDシグナルを受ける。共鳴領域を局在化するために、局在化傾斜を目的の領域について適用することもできる。例えば、局在化傾斜は、目的の所望の領域が励起される(左または右のいずれかで)ように適用され得る。いずれの事象においても、次に、獲得されたデータのフーリエ変換が算出される。形質転換されたシグナルデータは、さらに処理され得、この処理には、以下のうちの1つ以上が挙げられるがこれらに限定されない:バックグラウンドノイズの差引き工程、所望されないシグナルデータ(非標的組織または血液などにおけるキャリア液体または沈着物に帰せられるシグナルまたはスペクトルの部分など)のフィルタリング工程、スペクトル中の予め決定された範囲内の多数のピークについての周波数シフトおよびシフトのサイズを決定する工程、ならびに応答スペクトル内の異なるスペクトルピークの大きさおよび/または面積の間の比を見出す工程、あるいは被験体に送達された偏極ガスの偏極レベルおよび量を計算する工程のような、データを正規化する工程。例示的なバッククラウンド差引きまたは調整方法および心臓ゲーティング方法のさらなる考察については、本明細書において参考として援用される、同時係属の米国特許出願第09/271,476号、および同第09/271,476号を参照のこと。
本発明は、前臨床の動物試験、獣医および医学の適用の両方について用途を見出す。本発明は、特定のヒト被験体における、診断評価および/または被験体の処置のために有利に使用することができる。なぜなら、本発明は侵襲が最小限であり、当該分野で公知の他の方法(例えば、放射性の方法)よりも安全(例えば、毒性が少ない)であり得るからである。概して、本発明の方法は、より容易に受容可能である。なぜなら、化学物質または他の因子の放射性または毒性レベルを回避するからである。本発明による被験体は、任意の動物被験体であり得、そして好ましくは哺乳動物被験体(例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、げっ歯類、ブタ、および/またはウサギ目)であり、より好ましくはヒト被験体である。
本発明は、フローチャート図、および/または方法のブロック図、ならびに本発明の実施形態に従うコンピュータープログラム製品を参照して記載される。このフローチャート図および/またはブロック図の各々のブロック、ならびにこのフローチャート図および/またはブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータープログラムの指示によって実施され得ることが理解される。これらのコンピュータープログラム指示は、機械を作製するために、一般的な目的のコンピューターの処理装置、特別な目的のコンピューター、組み込まれた処理装置または他のプログラム可能なデータ処理装置に提供され得、その結果このコンピューターの処理装置または他のプログラム可能なデータ処理装置を介して実行する指示は、このフローチャートおよび/またはブロック図のブロック(単数または複数)において特定された機能を実施するための方法を作製する。
これらのコンピュータープログラム指示はまた、コンピューター読み取り可能な記憶装置に記憶されてもよく、この装置がコンピューターまたは他のプログラム可能なデータ処理装置を特定の様式で機能するように指示し得、その結果このコンピューター読み取り可能な記憶装置に記憶された指示は、指示手段を含む製造の物品を作成し、これがフローチャートおよび/またはブロック図のブロック(単数または複数)において特定された機能を実施する。
このコンピュータープログラム指示はまた、一連の操作上の工程が、コンピューターまたは他のプログラム可能な装置に対して実施されて、コンピューター実施された処理を行なうように、コンピューターまたは他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされ得、その結果このコンピューターまたは他のプログラム可能な装置において実行する指示が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロック(単数または複数)において特定された機能を実施するための工程を提供する。
当業者によって理解されるように、本発明は、方法、データもしくはシグナル処理システム、またはコンピュータープログラム製品として具体化され得る。従って、本発明は、全体的にソフトウェア実施形態、またはソフトウェアおよびハードウェア局面を合わせる実施形態の形態をとることができる。さらに、本発明は、この媒体に統合されたコンピューター使用に適したプログラムコード手段を有する、コンピューター使用に適した記憶媒体でのコンピュータープログラム製品の形態をとり得る。任意の適切なコンピューター読み取り可能な媒体を利用することが可能であり、これにはハードディスク、CD−ROM、光学的記憶デバイス、または磁気記憶デバイスが挙げられる。
コンピューター使用に適したか、またはコンピューター読み取り可能な媒体は、例えば、電気、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体のシステム、装置、デバイス、または伝播媒体であり得るがこれらに限定されない。コンピューター読み取り可能な媒体のより特異的な例(完全な列挙ではない)としては、以下が挙げられる:1つ以上のワイアを有する電気的接続、携帯型コンピューターディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリー(ROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリー(EPROMまたはフラッシュメモリー)、光学ファイバー、および携帯型コンパクトディスク読み取り専用メモリー(CD−ROM)。コンピューター使用に適したか、またはコンピューター読み取り可能な媒体は、このプログラムが、例えば、紙または他の媒体の光学的スキャンを介して、電気的に捕獲され、次いで、編集されるか、解釈されるか、さもなければ、適切な様式(もしあれば)において処理されて、次いでコンピューターメモリーに記憶され得る場合、このプログラムがプリントされる、紙または別の適切な媒体であってもよいことに注意のこと。
本発明の操作を実行するためのコンピュータープログラムコードは、Java7、SmalltalkまたはC++のようなオブジェクト指向プログラミング言語において記載することができる。しかし、本発明の操作を実行するためのコンピュータープログラムコードはまた、「C」プログラミング言語またはさらにはアセンブリ言語のような、従来の手続きプログラミング言語において記載することができる。このプログラムコードは、完全に使用者のコンピューターに対して、部分的に使用者のコンピューターに対して、スタンドアローンソフトウェアパッケージとして、部分的に使用者のコンピューターに対して、そして部分的にリモートコンピューターに対して、または完全にリモートコンピューターに対して実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピューターは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、または広域ネットワーク(WAN)を通じて使用者のコンピューターに接続されてもよいし、またはこの接続は、外部コンピューターに対して行なわれてもよい(例えば、インターネットサービスプロバイダーを用いてインターネットを通じて)。
フローチャートおよびブロック図は、本発明の実施形態によって、動的NMRシグナルデータを獲得して、このデータを解析かつ評価して、呼吸器または心肺の機能または障害を評価する。これに関して、フローチャートまたはブロック図における各々のブロックは、特定された論理関数を実行するための1つ以上の実行可能な指示を含む、モジュール、セグメント、またはコードの部分を示す。いくつかの別の実行において、このブロックで注記された機能は、この図において注記された順序以外で生じてもよいということも留意されるべきである。例えば、連続して示される2つのブロックは実際には、実質的に同時発生的に実行されてもよいし、またはブロックは時には、関与する機能に依存して逆の順序で実行されてもよい。
前述は、本発明の例示であり、そしてそこに限定されるように解釈されるべきではない。本発明の2〜3の例示的な実施形態が記載されているが、当業者は、本発明の新規な教示および利点から著しく逸脱することなく、例示的な実施形態において、多くの改変が可能であるということを容易に理解する。従って、全てのこのような改変を、添付の特許請求の範囲において規定されたような本発明の範囲内に包含することを意図する。特許請求の範囲においては、ここで用いた、手段プラス機能の節は、列挙された機能、および構造的等価物だけでなく等価な構造も実施するように、本明細書に記載された構造を包含することを意図する。従って、前述の内容は、本発明の例示であり、開示された特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではないということ、ならびに開示された実施形態に対するその改変および他の実施形態を添付の特許請求の範囲内に包含することを意図するということが、理解されるべきである。本発明は、以下の特許請求の範囲によって規定されるが、これには、この特許請求の範囲に包含されるべきこの特許請求の範囲の等価物を包含する。
図1Aは、肺組織および/または肺胞構造の先行技術の拡大顕微鏡写真である。 図1Bは、肺組織および肺胞構造の先行技術の大きく拡大した顕微鏡写真であって、これは肺胞上皮、間質、肺胞内皮、毛細血管および赤血球および肺胞空隙を図示する。 図2Aは、本発明の実施形態による、目的の偏極129XeピークのNMR分光光学的写真である。 図2Bは、本発明の実施形態による129Xe血液成分のシグナルの経時的なシミュレートされたグラフである。 図2Cは、本発明の実施形態による129Xe組織成分のシグナルの経時的なシミュレートされたグラフである。 図3は、血液中の偏極129Xeの経時的な取り込みのシミュレートされたグラフである。このグラフは、各々が異なる動的129Xe挙動および/または肺胞毛細管膜厚みを示す3つの異なる曲線を図示しており、これを評価して本発明の実施形態に従って患者に対する情報を確認することができる。 図4Aは、肺の偏極ガス129Xe換気画像である。 図4Bは、血中の偏極129Xe取り込みの経時的なグラフである。 図5は、本発明の実施形態による分光光学的解析の方法のための、方法、システムまたはコンピュータープログラムの操作を図示するフローチャートである。 図5Bは、本発明の実施形態による分光光学的解析のための、方法、システムまたはコンピュータープログラムの操作を図示するフローチャートである。

Claims (52)

  1. 被験体における生理学的構造もしくは環境、又は系の生理学的機能を評価するためのシステムであって、
    (a)1以上の化学シフト周波数において被験体における偏極129Xeガスの第一のNMR分光光学的シグナルを獲得して、生理学的構造、環境又は系における偏極ガスを表すNMR分光光学的シグナル値の第一の動的データセットを経時的に作成する手段、及び
    (b)1以上の化学シフト周波数においてストレス下の被験体における偏極129Xeガスの第二のNMR分光光学的シグナルを獲得して、NMR分光光学的シグナル値の第二の動的データセットを経時的に作成する手段、並びに
    (c)第一の動的データセットと第二の動的データセットを比較して、ストレスに対する構造、環境又は系の応答を評価する手段、
    を含むシステム。
  2. 前記生理学的構造が肺胞毛細管膜である、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記偏極ガスが前記肺胞毛細管膜を横切って移動しかつ肺血液中に拡散するのに要する時間に関連する時定数を算出する手段をさらに含む、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記偏極ガスが前記肺胞毛細管膜を横切って移動しかつ肺血液中に拡散するのに要する時間に関連する時定数を算出する手段と併せて前記肺胞毛細管膜の厚みを決定する手段をさらに含む、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記心肺系の機能が前記手段(c)によって評価される、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記肺胞毛細管膜の前記機能が前記手段(c)によって評価される、請求項1に記載のシステム。
  7. 前記手段(c)が、各々のデータと関連する前記時定数を比較して、前記肺胞毛細管膜の機能を評価する手段を含む、請求項2に記載のシステム。
  8. 前記肺胞毛細管膜の厚みを決定する手段が、約1ミクロン〜約100ミクロンの範囲の厚みを有する肺胞毛細管膜の厚みを定量するために用いられる、請求項4に記載のシステム。
  9. 前記被験体に投与された治療剤の心肺系に対する影響をモニタリングする手段をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  10. 前記手段(a)及び(b)で設定される化学シフト周波数が、組織に関する周波数と血液に関する周波数との2つの周波数を含んでおり、前記手段(c)が、組織及び血液の第一及び第二のシグナルデータセットの両方を考慮する、請求項1に記載のシステム。
  11. 前記生理学的構造が、糸球体毛細管膜、腸膜、胎盤膜、及び血液脳関門のうちの1つである、請求項1に記載のシステム。
  12. 前記被験体に対して投与された治療剤の有効性をモニターする手段をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  13. 前記肺胞毛細管膜の機能を測定する手段をさらに含む、請求項12に記載のシステム。
  14. 二重同調した129Xe及び1H RF励起コイルを用いて目的の解剖学的構造のMR画像を作製する手段をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  15. 偏極希ガス129Xe MRIの換気分布測定画像を獲得する手段をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  16. 前記偏極129Xeガスの第一及び第二のNMR分光光学的シグナルに基づいて、慢性心不全の有無を診断する手段をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  17. 前記偏極ガスが前記肺胞毛細管膜を横切って移動しかつ肺血液中に拡散するのに要する時間に関連する時定数を算出する手段と併せて肺線維症を測定する手段をさらに含む、請求項3に記載のシステム。
  18. 前記偏極129Xeガスの第一及び第二のNMR分光光学的シグナルに少なくとも部分的に基づいて、糸球体濾過速度、急性及び慢性の腎不全、ネフローゼ症候群、糸球体腎炎、及び他の腎臓疾患のうちの1以上を評価する手段をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  19. 前記偏極129Xeガスの第一及び第二のNMR分光光学的シグナルに基づいて、大腸及び小腸の壁の機能を評価する手段をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  20. 前記偏極129Xeガスの第一及び第二のNMR分光光学的シグナルに基づいて、胎盤膜機能を評価する手段をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  21. 前記偏極129Xeガスの第一及び第二のNMR分光光学的シグナルに基づいて、前記血液脳関門を評価する手段をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  22. 前記偏極129Xeガスの第一及び第二のNMR分光光学的シグナルに少なくとも部分的に基づいて、呼吸器疾患について患者を評価する手段をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  23. 肺血液及び肺胞毛細管膜における偏極ガスの偏極を破壊する手段をさらに含む、請求項10に記載のシステム。
  24. 複数回、1以上の大きいフリップ角のRF励起パルスを用いて、肺血液及び肺胞毛細管膜における偏極ガスを励起する手段をさらに含む、請求項23に記載のシステム。
  25. 被験体における生理学的な構造、環境又は機能を評価するためのシステムであって、
    (a)1以上の化学シフト周波数において被験体における偏極129Xeガスの第一のNMR分光光学的シグナルを獲得して、生理学的構造、環境又は系における偏極ガスを表すNMR分光光学的シグナル値の第一の動的データセットを経時的に作成する手段、
    (b)該1以上の化学シフト周波数において、生理学的に活性な治療剤が投与された該被験体における該偏極129Xeガスの第二のNMR分光光学的シグナルを獲得して、NMR分光光学的シグナル値の第二の動的データセットを経時的に作成する手段、並びに
    (c)該第一及び第二の動的データセットを比較して、該治療剤に対する被験体の生理学的応答を評価する手段、
    を含むシステム。
  26. 前記生理学的構造が肺胞毛細管膜である、請求項25に記載のシステム。
  27. 前記偏極129Xeガスの第一及び第二のNMR分光光学的シグナルに基いて、前記偏極129Xeが前記肺胞毛細管膜を横切って拡散するのに要する時間に関連する時定数を算出する手段をさらに含む、請求項25に記載のシステム。
  28. 前記偏極129Xeガスが前記肺胞毛細管膜を横切って移動しかつ肺血液中に拡散するのに要する時間に関連する時定数を算出する手段と併せて前記肺胞毛細管膜の厚みを決定する手段をさらに含む、請求項27に記載のシステム。
  29. 前記手段(c)が前記心肺系の機能における応答を考慮する、請求項25に記載のシステム。
  30. 前記手段(c)が、前記肺胞毛細管膜の機能又は構造における応答を考慮する、請求項25に記載のシステム。
  31. 前記手段(c)が、前記肺胞毛細管膜の機能を評価するために、各々のデータセットに関連する前記時定数を算出しかつ比較する手段を含む、請求項30に記載のシステム。
  32. 前記偏極129Xeガスの第一及び第二のNMR分光光学的シグナルに基づいて、前記治療剤の投与の前後に前記肺胞毛細管膜の厚みを決定する手段をさらに含む、請求項31に記載のシステム。
  33. 前記手段(a)及び(b)で設定される化学シフト周波数が、組織に関する周波数と血液に関する周波数との2つの周波数を含んでおり、前記手段(c)が、組織及び血液の第一及び第二のシグナルデータセットの両方を考慮する、請求項25に記載のシステム。
  34. 前記生理学的構造が、糸球体毛細管膜、腸膜、胎盤膜、及び血液脳関門のうちの1つである、請求項25に記載のシステム。
  35. 前記生理学的構造が前記被験体の身体における膜である、請求項25に記載のシステム。
  36. 前記生理学的な構造が腸壁である、請求項25に記載のシステム。
  37. 前記生理学的な構造が血液脳関門である、請求項25に記載のシステム。
  38. 前記偏極129Xeガスの第一及び第二のNMR分光光学的シグナルに基づいて臓器又は脳の灌流を評価する手段をさらに含む、請求項25に記載のシステム。
  39. 被験体における生理学的構造もしくは環境、又は系の生理学的機能を評価するためのコンピュータープログラムであって、
    コンピューター読み取り可能な記憶媒体であって、該媒体に組み込まれた以下の(i)〜(iii)のコンピューター読み取り可能なプログラムコードを有する記憶媒体:
    (i)選択された化学シフト周波数で被験体における偏極129Xeの第一のNMR分光光学的シグナルを経時的に獲得して、NMR分光光度測定シグナル強度値の1以上の動的データセットを経時的に作成する、コンピューター読み取り可能なプログラムコード、
    (ii)選択された化学シフト周波数で被験体における偏極129Xeの第二のNMR分光光学的シグナルを経時的に獲得して、NMR分光光度測定シグナル強度値の1以上の動的データセットを経時的に作成する、コンピューター読み取り可能なプログラムコード、並びに
    (iii)該第一及び第二の動的データセットを比較して、ストレスに対する構造、環境又は系の応答を評価する、コンピューター読み取り可能なプログラムコード
    を備える、コンピュータープログラム。
  40. 前記偏極ガスが前記肺胞毛細管膜を横切って移動しかつ肺血液中に拡散するのに要する時間に関連する時定数を算出するコンピューター読み取り可能なプログラムコードをさらに含む、請求項39に記載のコンピュータープログラム。
  41. 前記偏極ガスが前記肺胞毛細管膜を横切って移動しかつ肺血液中に拡散するのに要する時間に基づいて前記肺胞毛細管膜の厚みを決定するコンピューター読み取り可能なプログラムコードをさらに含む、請求項40に記載のコンピュータープログラム。
  42. 前記コンピューター読み取り可能なプログラムコード(iii)によって心肺系の機能が評価される、請求項39に記載のコンピュータープログラム。
  43. 前記コンピューター読み取り可能なプログラムコード(iii)によって肺胞毛細管膜の前記機能が評価される、請求項39に記載のコンピュータープログラム。
  44. 前記肺胞毛細管膜の機能を測定するコンピューター読み取り可能なプログラムコードをさらに含む、請求項39に記載のコンピュータープログラム。
  45. 偏極希ガス129Xe MRIの換気分布測定画像を獲得するコンピューター読み取り可能なプログラムコードをさらに含む、請求項39に記載のコンピュータープログラム。
  46. 前記偏極129Xeガスの第一及び第二のNMR分光光学的シグナルに基づいて、慢性心不全の有無を診断するコンピューター読み取り可能なプログラムコードをさらに含む、請求項39に記載のコンピュータープログラム。
  47. 前記偏極ガスが前記肺胞毛細管膜を横切って移動しかつ肺血液中に拡散するのに要する時間に基づいて肺線維症を測定する手段をさらに含む、請求項40に記載のコンピュータープログラム。
  48. 前記偏極129Xeガスの第一及び第二のNMR分光光学的シグナルに少なくとも部分的に基づいて、糸球体濾過速度、急性及び慢性の腎不全、ネフローゼ症候群、糸球体腎炎、及び他の腎臓疾患のうちの1以上を評価するコンピューター読み取り可能なプログラムコードをさらに含む、請求項39に記載のコンピュータープログラム。
  49. 前記偏極129Xeガスの第一及び第二のNMR分光光学的シグナルに基づいて、大腸及び小腸の壁の機能を評価するコンピューター読み取り可能なプログラムコードをさらに含む、請求項39に記載のコンピュータープログラム。
  50. 前記偏極129Xeガスの第一及び第二のNMR分光光学的シグナルに基づいて、胎盤膜機能を評価するコンピューター読み取り可能なプログラムコードをさらに含む、請求項39に記載のコンピュータープログラム。
  51. 前記偏極129Xeガスの第一及び第二のNMR分光光学的シグナルに基づいて、前記血液脳関門を評価するコンピューター読み取り可能なプログラムコードをさらに含む、請求項39に記載のコンピュータープログラム。
  52. 前記偏極129Xeガスの第一及び第二のNMR分光光学的シグナルに少なくとも部分的に基づいて、呼吸器疾患について患者を評価するコンピューター読み取り可能なプログラムコードをさらに含む、請求項39に記載のコンピュータープログラム。
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